JP2022065731A - モータ及び作業機 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータ性能を維持しながらコイルディスクを小型化することの可能なモータ及び作業機の提供。【解決手段】第1コイルディスク361は、基板85に形成された始点部101から終点部102まで電流が流れる流路である電流経路を含む。この電流経路は、複数の延伸部91と、複数の内側接続部95と、複数の外側接続部96と、を備える。領域X1~領域X4内に存在する複数の外側接続部96は、3つの第1の外側接続部96aと、第1の外側接続部96aよりも径方向外側に配置される1つの第2の外側接続部96bと、を含み、それらを通る前後において4列の延伸部91の周方向における並び順が入れ替わるようになっている。【選択図】図6
Description
本発明は、コイルディスクを有するモータ及びそれを備える作業機に関する。
作業機の一例として、下記特許文献1及び2に記載のようにディスクモータを備えたものが知られている。
ディスクモータにおけるコイルディスクを小型化するために、内側スルーホールの径方向位置を等しくすることが考えられた。他方、コイルディスクに形成するコイルパターンにおいて、例えば特許文献1の図8のように導線を4列にするためには、4列の周方向における並び順を途中で入れ替える必要がある。しかし、内側スルーホールの径方向位置を等しくすると、内側スルーホールの間隔が狭すぎるため、4列の周方向における並び順を入れ替えることができない。そうすると、一部の列には電流を流すことができず、モータ性能が低下してしまう。
上記課題を鑑み本発明は、モータ性能を維持しながらコイルディスクを小型化することの可能なモータ及び作業機の提供を目的とする。
本発明のある態様は、モータである。このモータは、
コイルディスクと、
前記コイルディスクに電流を供給する電流供給部と、
前記コイルディスクに対向する磁束発生部と、を備え、
前記コイルディスクは、
円形平板状の基板と、
前記基板によって隔てられた第1層及び第2層と、を含み、
前記第1層及び前記第2層には、前記基板上に形成された始点部から終点部まで電流が流れる流路となる電流経路が形成され、
前記電流経路は、
前記基板の径方向に延在するように前記第1層及び前記第2層に形成される複数の延伸部と、
前記複数の延伸部における前記径方向内側端部に形成されて前記第1層に形成された前記複数の延伸部と前記第2層に形成された前記複数の延伸部とを接続する複数の内側接続部と、
前記複数の延伸部における前記径方向外側端部に形成されて前記第1層に形成された前記複数の延伸部と前記第2層に形成された前記複数の延伸部とを接続する複数の外側接続部と、を備え、
前記複数の外側接続部は、前記径方向における位置が異なるものを含むように形成される。
コイルディスクと、
前記コイルディスクに電流を供給する電流供給部と、
前記コイルディスクに対向する磁束発生部と、を備え、
前記コイルディスクは、
円形平板状の基板と、
前記基板によって隔てられた第1層及び第2層と、を含み、
前記第1層及び前記第2層には、前記基板上に形成された始点部から終点部まで電流が流れる流路となる電流経路が形成され、
前記電流経路は、
前記基板の径方向に延在するように前記第1層及び前記第2層に形成される複数の延伸部と、
前記複数の延伸部における前記径方向内側端部に形成されて前記第1層に形成された前記複数の延伸部と前記第2層に形成された前記複数の延伸部とを接続する複数の内側接続部と、
前記複数の延伸部における前記径方向外側端部に形成されて前記第1層に形成された前記複数の延伸部と前記第2層に形成された前記複数の延伸部とを接続する複数の外側接続部と、を備え、
前記複数の外側接続部は、前記径方向における位置が異なるものを含むように形成される。
前記複数の内側接続部は、前記径方向における位置が等しくなるように形成されてもよい。
前記電流経路は、前記基板の周方向に離間して配置された複数の延伸部組を含み、
前記複数の延伸部組の各々は、前記径方向を同じ向きに電流が流れる前記複数の延伸部が並んで配置されてなってもよい。
前記複数の延伸部組の各々は、前記径方向を同じ向きに電流が流れる前記複数の延伸部が並んで配置されてなってもよい。
前記複数の外側接続部は、第1の外側接続部と、前記第1の外側接続部よりも前記径方向外側に配置される第2の外側接続部とを含み、
前記複数の延伸部組は、前記電流経路における上流側に位置する上流側延伸部と、前記上流側延伸部よりも下流側に位置する下流側延伸部と、を有する、第1の延伸部組と第2の延伸部組とを含み、
前記第2の外側接続部は、前記電流経路における前記第1の延伸部組と、前記第2の延伸部組との間に形成され、
前記第1の延伸部組における前記上流側延伸部の前記下流側延伸部に対する相対位置は、前記第2の延伸部組における前記上流側延伸部の前記下流側延伸部に対する相対位置と異なってもよい。
前記複数の延伸部組は、前記電流経路における上流側に位置する上流側延伸部と、前記上流側延伸部よりも下流側に位置する下流側延伸部と、を有する、第1の延伸部組と第2の延伸部組とを含み、
前記第2の外側接続部は、前記電流経路における前記第1の延伸部組と、前記第2の延伸部組との間に形成され、
前記第1の延伸部組における前記上流側延伸部の前記下流側延伸部に対する相対位置は、前記第2の延伸部組における前記上流側延伸部の前記下流側延伸部に対する相対位置と異なってもよい。
前記第1の外側接続部と前記第2の外側接続部の前記周方向における位置が重なってもよい。
前記複数の延伸部組の一つにおける前記複数の延伸部と接続する前記複数の外側接続部は、前記径方向位置がすべて異なってもよい。
前記複数の延伸部は、前記径方向における内側の端部がそれぞれ前記基板の周方向に所定の幅を有するとともに、前記内側の端部間の前記周方向における間隔は前記所定の幅よりも小さくてもよい。
前記始点部及び前記終点部は、前記複数の内側接続部よりも前記径方向内側に配置されてもよい。
本発明の別の態様は、前記モータと、前記モータによって駆動する先端工具と、を備えた作業機である。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、モータ性能を維持しながらコイルディスクを小型化することの可能なモータ及び作業機を提供できる。
以下において、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。実施の形態は、発明を限定するものではなく例示である。実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1~図8を参照し、本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態は、ディスクモータ80及び刈払機1に関する。ディスクモータ80は、モータの一例である。刈払機1は、作業機の一例である。刈払機1の構成は、ディスクモータ80の第1コイルディスク361~第4コイルディスク364に形成される導体パターンを除き、特許文献2に記載された刈払機と同じである。
図1は、本発明の実施の形態に係る刈払機1の斜視図である。電動作業機の例示である刈払機1は、電源部3と、パイプ部4と、ハンドル部5と、駆動部6と、刈刃7とを備える。
電源部3は、電源たるバッテリ301を着脱可能に有する。パイプ部4は、電源部3と駆動部6とを機械的に接続する(連結する)。また、パイプ部4の内部には、電源部3と駆動部6とを電気的に接続する配線(図示せず)が挿通されている。この配線により、電源部3から駆動部6に電力が供給される。駆動部6は、ヘッドハウジング61の内部に、図2に示すようにディスクモータ80を収容しており、電源部3からの供給電力により刈刃7を回転駆動する。ディスクモータ80の構成は後述する。
ハンドル部5は、パイプ部4の中間、すなわち電源部3と駆動部6との間に取り付け固定されている。ハンドル部5は、一対のアーム51の先端にそれぞれグリップ52を取り付けてなる。一方のグリップ52には、スロットル53が設けられている。作業者は、スロットル53を操作することにより、駆動部6への供給電力を調整可能、すなわち刈刃7の回転数を調整可能である。刈刃7は、略円板状で、その周縁に鋸歯が形成されている。また、刈刃7中心には後述するディスクモータ80の出力軸31に装着される孔(図には現れず)が形成されている。
図2は、図1に示す刈払機1の駆動部6の正断面図である。図2に示すように、ディスクモータ80の出力軸31の延出方向を上下方向と定義する。ヘッドハウジング61は、カバー部62及びベース部63を嵌合一体化してなる。ディスクモータ80は、ステータ81と、ロータ82と、一対のブラシ83とを有する。一対のブラシ83は、ディスクモータ80の回転軸(出力軸31)について対称に設けられ、カバー部62のブラシホルダ65に支持される。各ブラシ83は、下面が後述する整流子基板35上の銅等の導体の整流子パターンと当接するように、バネ83Aによって整流子基板35側(下側)に付勢される。ブラシ83は、図1の電源部3に接続されており、ロータ82の後述するコイルパターンに電流を供給する電流供給部として機能する。
ステータ81は、磁束発生部としてのマグネット41と、軟磁性体である上ヨーク42及び下ヨーク43とを有する。リング状の上ヨーク42は、カバー部62の下面に例えばネジ622で固定される。上ヨーク42と略同径のリング状の下ヨーク43は、ベース部63の下面に形成されたリング状溝部631内に例えばネジ632で固定される。マグネット41は、ベース部63の上面に形成された穴部633内に嵌め込み固定される。
図3は、図2に示すステータ81の模式的平面図である。本図に示すように、例えば円板形状のマグネット41は、例えば10個、円周上に等角度ピッチで並んで配置される(マグネット41を収容する図2の穴部633も円周上に同数並んで存在する)。円周の中心は、ディスクモータ80の回転中心と略一致する。隣り合うマグネット41は、上面の磁極が相互に異なる。マグネット41としては、ネオジム磁石等の希土類磁石が好ましいが、フェライト磁石等の焼結磁石を用いてもよい。上ヨーク42及び下ヨーク43は、後述するロータ82のコイルパターンに印加される磁束密度を高めるものである。
図2に示すように、ロータ82は、出力軸31(ロータシャフト)と、整流子基板35と、コイル部36と、支持部材37とを有する。出力軸31は、カバー部62に固定された上側軸受け311及びベース部63に固定された下側軸受け312によって回転自在に支持される。出力軸31の下方側端部には雄ネジ31Aが形成されており、図示せぬ留め具によって図1の刈刃7が固定される。整流子基板35の上面は、ブラシ83の摺動面である。図1に示す電源部3からブラシ83及び整流子基板35を介してコイル部36に電流が供給される。
図4は、図2に示すロータ82の、左半分を断面とした正面図である。本図に示すように、出力軸31に同軸的に固定された例えばアルミ等の金属製の支持部材37は、略円筒形状の円筒部37Aと、略円板形状のフランジ部37Bとから構成される。フランジ部37Bは、円筒部37Aの側面から出力軸31と垂直に外側に突出する。軸方向視でフランジ部37Bと同形状の絶縁板38,39が、同じく同形状のシート状の接着層502,503(絶縁性)によってフランジ部37Bの上下面に接着固定される。絶縁板38の上面には、シート状の接着層501(絶縁性)を介して整流子基板35が接着固定される。絶縁板39の下面には、シート状の接着層505(絶縁性)を介してコイル部36が接着固定される。
コイル部36は、出力軸31と同軸の円形平板状の第1コイルディスク361~第4コイルディスク364をシート状の接着層507(絶縁性)を挟んで積層してなる。シート状の接着層507は、各コイルディスクと軸方向視で同形状であり、各コイルディスクの表面略全体を覆う。第1コイルディスク361~第4コイルディスク364は、フランジ部37Bよりも大径であり、それぞれ両面に後述のコイルパターンが形成されている。すなわち、コイル部36には、コイルパターンの形成層が8層ある。以下、上方の層から順に、1層目、2層目、・・・、8層目と定義する。整流子基板35から第4コイルディスク364までを貫く導体ピン40は、整流子基板35の整流子パターンと、第1コイルディスク361~第4コイルディスク364の少なくともいずれかのコイルパターンとを電気的に接続する。フランジ部37Bの貫通孔(ピン40の挿通孔)には絶縁パイプ401が嵌め込まれ、ピン40と支持部材37との絶縁を確保する。
図5は、図4に示す整流子基板35の平面図である。円板状の整流子基板35(整流子ディスク)の中心にある貫通孔35Aは、図4の円筒部37Aを挿通させるものである。ピン挿通孔35Bは、整流子基板35の中心から等距離に所定数設けられ、図4に示すピン40が一部のピン挿通孔35Bに選択的に挿通される。整流子基板35上に形成された整流子パターン351は、放射状に40セグメントに分かれている。間に7つのセグメントを挟んだ2つのセグメント(1番目と9番目、2番目と10番目等)は、内側に形成された接続パターン352と反対面に形成された不図示の接続パターンにより相互に接続されている。
図6は、コイル部36の1層目、すなわち第1コイルディスク361の上面の層の導体パターンを上方から直接見た図である。図7は、コイル部36の2層目、すなわち第1コイルディスク361の下面の層の導体パターンを上方から透視した図である。第1コイルディスク361は、円形平板状かつ絶縁性の基板85と、基板85の上面(第1層)及び下面(第2層)に形成されたコイルパターン(導体パターン)を含む電流経路と、を有する。基板85の中央部には、図4の円筒部37Aを挿通させる貫通穴86が設けられる。基板85には、中心から角度90°おきに3個ずつ、合計12個の貫通穴87が形成される。各貫通穴87には図4のピン40が挿通される。各貫通穴87から中心軸線までの距離は相互に等しい。各貫通穴87は、整流子基板35に形成されたスルーホール35Bのうち1つと導通する。
第1コイルディスク361の電流経路は、基板85に形成された始点部101から終点部102まで電流が流れる流路である第1電流経路と、基板85に形成された始点部103から終点部104まで電流が流れる流路である第2電流経路と、を含む。始点101、103と、終点102、104は、それぞれ複数の貫通穴87の一つである。第2電流経路は、出力軸31の中心軸線(以下「中心軸線」)を中心に時計回りに90度回転させれば第1電流経路と重なるパターン形状である。
第1電流経路及び第2電流経路はそれぞれ、複数の延伸部91と、複数の内側接続部95と、複数の外側接続部96と、を備える。複数の延伸部91は、基板85の径方向(以下「径方向」)に延在するように基板85の上面及び下面にそれぞれ形成される。複数の延伸部91は、径方向内側の端部がそれぞれ基板85の周方向(以下「周方向」)に所定の幅を有するとともに、周方向における径方向内側の端部間の間隔は前記所定の幅よりも小さい。各延伸部91のうち径方向と平行なパターン部分は、ディスクモータ80の回転に伴ってマグネット41の真上を通過する。
複数の内側接続部95は、複数の延伸部91における径方向内側端部に形成された例えばスルーホールであって、基板85の上面に形成された複数の延伸部91における径方向内側端部と、基板85の下面に形成された複数の延伸部91における径方向内側端部と、を接続する。複数の外側接続部96は、複数の延伸部91における径方向外側端部に形成された例えばスルーホールであって、基板85の上面に形成された複数の延伸部91における径方向外側端部と、基板85の下面に形成された複数の延伸部91における径方向外側端部と、を接続する。
複数の内側接続部95は、径方向における位置が等しくなるように形成される。各貫通穴87は、複数の内側接続部95よりも径方向内側に配置される。複数の外側接続部96は、径方向における位置が異なるものを含むように形成される。具体的には、所定の延伸部組90に接続する複数の外側接続部96であって、図6及び図7の領域X1~領域X4内に存在する複数の外側接続部96は、領域X1~領域X4の各々において、3つの第1の外側接続部96aと、第1の外側接続部96aよりも径方向外側に配置される1つの第2の外側接続部96bと、を含む。3つの第1の外側接続部96aは、径方向における位置が等しくなるように形成される。第2の外側接続部96bは、基板85の外縁近傍に形成される。第1の外側接続部96aと第2の外側接続部96bの周方向における位置は、互いに重なる。周方向において、3つの第1の外側接続部96aの存在範囲内に第2の外側接続部96bが位置する。
領域X1~領域X4の各々に、電流経路を成さないダミーパターン97が設けられる。ダミーパターン97は、3つの第1の外側接続部96aが第2の外側接続部96bと比較して径方向内側に存在することにより電流経路のパターンが存在しない部分に、第1コイルディスク361の回転バランスを改善するために設けられる。前記所定の延伸部組90を除く延伸部組90に接続する複数の外側接続部96(領域X1~領域X4内以外に存在する複数の外側接続部96)は、径方向における位置が等しくなるように、基板85の外縁近傍に形成される。
第1電流経路及び第2電流経路において、径方向を同じ向きに電流が流れる4つの延伸部91が並んで配置され、1つの延伸部組90を構成する。1層目と2層目の各々において、20組の延伸部組90が、周方向に等角度間隔で配置される。隣り合う延伸部組90は、少なくとも径方向の中央部付近同士(径方向と平行なパターン部分同士)が互いに周方向に離間する。図6及び図7において、第1電流経路に属する延伸部組90を互いに区別するために、領域A~領域Tを定義する。また、領域A~領域Tの各々における電流の向きを、矢印a~矢印tで示す。また、領域A~領域Jを通る延伸部組90については、各延伸部組90の4つの延伸部91の電流の流れ順を区別するために、各延伸部組90について3つの延伸部91にハッチングを施している。このハッチングは、断面を示すものではない。ハッチングの有無やハッチングのパターンと電流経路における上流、下流の関係を図6の右上部に示す。
第1電流経路の電流の流れを説明する。まず、始点101から、領域A~領域Jを通る各延伸部組90の最上流(1番目)の延伸部91に、領域A~領域Jの順番で電流が流れる。続いて、領域A~領域Jを通る各延伸部組90の2番目の延伸部91に、領域A~領域Jの順番で電流が流れる。続いて、領域A~領域Jを通る各延伸部組90の3番目の延伸部91に、領域A~領域Jの順番で電流が流れる。続いて、領域A~領域Jを通る各延伸部組90の最下流(4番目)の延伸部91に、領域A~領域Jの順番で電流が流れる。その後、図7に示す折り返し部106によって折り返されて、今度は領域K~領域Tを通る各延伸部組90の最上流(1番目)の延伸部91に、領域K~領域Tの順番で電流が流れる。続いて、領域K~領域Tを通る各延伸部組90の2番目の延伸部91に、領域K~領域Tの順番で電流が流れる。続いて、領域K~領域Tを通る各延伸部組90の3番目の延伸部91に、領域K~領域Tの順番で電流が流れる。続いて、領域K~領域Tを通る各延伸部組90の最下流(4番目)の延伸部91に、領域K~領域Tの順番で電流が流れ、終点部102に至る。
領域A~領域Eの各々を通る延伸部組90(第1の延伸部組)においては、中心軸線側から見て最も右側の延伸部91が最上流で、左側の延伸部91ほど下流となり、最も左側の延伸部91が最下流である。一方、領域F~領域Jの各々を通る延伸部組90(第2の延伸部組)においては、中心軸線側から見て最も右側の延伸部91が最下流で、その左隣の延伸部組90が最上流で、そこからは左側の延伸部91ほど下流となる。
このように、第1の延伸部組における、最下流以外の延伸部91(上流側延伸部)の、最下流の延伸部91(下流側延伸部)に対する相対位置は、中心軸線側からみて右側である。これに対して、第2の延伸部組における、最下流以外の延伸部91(上流側延伸部)の、最下流の延伸部91(下流側延伸部)に対する相対位置は、中心軸線側からみて左側である。すなわち、第1の延伸部組における上流側延伸部の下流側延伸部に対する相対位置は、第2の延伸部組における上流側延伸部の下流側延伸部に対する相対位置と異なる。これは、領域X1において、第1の外側接続部96aと第2の外側接続部96bとの径方向位置がずれていることによる。
領域X1内の第1の外側接続部96a及び第2の外側接続部96bは、領域Eを通る延伸部組90と領域Fを通る延伸部組90との間、すなわち第1の延伸部組と第2の延伸部組との間に存在する。第2の外側接続部96bは、領域Eを通る延伸部組90と領域Fを通る延伸部組90のそれぞれ最下流の延伸部91同士を接続する。これら最下流の延伸部91は、第2の外側接続部96bの前後で周方向に延びて、領域Eから領域Fに至る過程で、中心軸線側から見て最下流以外の延伸部91の左側から右側にシフトするパターン形状となっている。
領域K~領域Oの各々を通る延伸部組90(第1の延伸部組)と領域P~領域Tの各々を通る延伸部組90(第2の延伸部組)との関係と、上述した領域A~領域Eの各々を通る延伸部組90(第1の延伸部組)と領域F~領域Jの各々を通る延伸部組90(第2の延伸部組)との関係は、中心軸線側から見た左右が逆になることを除けば同様のため、説明を省略する。また、第2電流経路は、第1電流経路と同様のパターン形状のため、説明を省略する。
図8(A)~(F)は、コイル部36の3層目~8層目の導体パターンを示す。図7に示す2層目と同様に、4層目、6層目、8層目の導体パターンは、上方から透視して示している。3層目及び4層目の導体パターンは、それぞれ1層目及び2層目の導体パターンを9度(図5に示す整流子パターン351の1セグメント分)時計回りに回転させたものである。5層目及び6層目の導体パターンは、それぞれ1層目及び2層目の導体パターンを180度時計回りに回転させたものである。7層目及び8層目の導体パターンは、それぞれ5層目及び6層目の導体パターンを9度時計回りに回転させたものである。各層のコイルパターンを流れる電流とマグネット41の発生する磁界との間の電磁力により回転力が得られる。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) 複数の内側接続部95の径方向位置を等しくする一方、一部の延伸部組90に接続する複数の外側接続部96(図6及び図7の領域X1~領域X4内の外側接続部96)の径方向位置を異ならせることで、第1の延伸部組と第2の延伸部組における4列の延伸部91の周方向における並び順を入れ替えている。これにより、4列の延伸部91のすべてに電流を流すことができ、モータ性能を維持できる。
(2) 前記一部の延伸部組90に接続する複数の外側接続部96の径方向位置は、径方向に2箇所に分かれていれば足りる。このため、特許文献1のように4つの内側スルーホールの径方向位置が4箇所に分かれている場合と比較して、コイルパターンの外径を削減しやすく、ディスクモータ80の小型化に有利である。
(3) 基板85の内周部と比較してスペースに余裕がある外周部を利用して4列の延伸部91の周方向における並び順を入れ替えるため、コイルパターンのレイアウトがしやすく、設計の自由度が高い。
(4) 3つの第1の外側接続部96aが第2の外側接続部96bと比較して径方向内側に存在することにより電流経路のパターンが存在しない部分を、ダミーパターン97で埋めているため、ディスクモータ80の回転バランスの悪化を抑制できる。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
図9は、変形例における1層目の導体パターンを示す。本変形例では、各延伸部組90Aの4つの延伸部組91Aに接続する4つの外側接続部96Aは、径方向位置がすべて異なる。本変形例も、4列の延伸部91Aのすべてに電流を流すことができ、モータ性能を維持できる。
実施の形態では、各コイルディスクの基板85の上下各面にコイルパターンを形成する例を説明したが、変形例においては、表側(上面)にのみ導体パターンが形成される第1の絶縁層と、裏側(下面)にのみ導体パターンが形成される第2の絶縁層と、を組み合わせて、1枚のコイルディスクとしてもよい(つまり基板85は2つの絶縁層からなってもよい)。
実施の形態では、フランジ部37Bの上下に整流子基板35と第1コイルディスク361~第4コイルディスク364とを分けて設ける構成としたが、変形例においては、特許文献1の刈払機のように、フランジ部37Bの上に第1コイルディスク361~第4コイルディスク364を配設し、第1コイルディスク361~第4コイルディスク364の上に整流子基板35を配設してもよい。
上記に加え、マグネット41の個数と配置角度ピッチ、各延伸部組90における延伸部91の数、コイルディスクの積層数、その他のパラメータは、要求される性能やコストに応じて適宜設定可能である。作業機は、実施の形態で示した刈払機のほか、ディスクモータを搭載したベルトサンダーやロータリバンドソー等、ディスクモータによる回転駆動部を有する他の種類のものであってもよい。
1 刈払機、3 電源部、4 パイプ部、5 ハンドル部、6 駆動部、7 刈刃、31 出力軸(ロータシャフト)、35 整流子ディスク、36 コイル部、37 支持部材、37A 円筒部、37B フランジ部、41 マグネット、42 上ヨーク、43 下ヨーク、51 アーム、52 グリップ、53 スロットル、61 ヘッドハウジング、62 カバー部、63 ベース部、65 ブラシホルダ、80 ディスクモータ、81 ステータ、82 ロータ、83 ブラシ、85 基板、86 貫通穴、90 延伸部組、91 延伸部、95 内側接続部、96 外側接続部、96a 第1の外側接続部、96b 第2の外側接続部、97 ダミーパターン、101 始点部、102 終点部、103 始点部、104 終点部、301 バッテリ、361 第1コイルディスク、362 第2コイルディスク、363 第3コイルディスク、364 第4コイルディスク、501~503 接着層。
Claims (9)
- コイルディスクと、
前記コイルディスクに電流を供給する電流供給部と、
前記コイルディスクに対向する磁束発生部と、を備え、
前記コイルディスクは、
円形平板状の基板と、
前記基板によって隔てられた第1層及び第2層と、を含み、
前記第1層及び前記第2層には、前記基板上に形成された始点部から終点部まで電流が流れる流路となる電流経路が形成され、
前記電流経路は、
前記基板の径方向に延在するように前記第1層及び前記第2層に形成される複数の延伸部と、
前記複数の延伸部における前記径方向内側端部に形成されて前記第1層に形成された前記複数の延伸部と前記第2層に形成された前記複数の延伸部とを接続する複数の内側接続部と、
前記複数の延伸部における前記径方向外側端部に形成されて前記第1層に形成された前記複数の延伸部と前記第2層に形成された前記複数の延伸部とを接続する複数の外側接続部と、を備え、
前記複数の外側接続部は、前記径方向における位置が異なるものを含むように形成される、モータ。 - 前記複数の内側接続部は、前記径方向における位置が等しくなるように形成される、請求項1に記載のモータ。
- 前記電流経路は、前記基板の周方向に離間して配置された複数の延伸部組を含み、
前記複数の延伸部組の各々は、前記径方向を同じ向きに電流が流れる前記複数の延伸部が並んで配置されてなる、請求項1又は2に記載のモータ。 - 前記複数の外側接続部は、第1の外側接続部と、前記第1の外側接続部よりも前記径方向外側に配置される第2の外側接続部とを含み、
前記複数の延伸部組は、前記電流経路における上流側に位置する上流側延伸部と、前記上流側延伸部よりも下流側に位置する下流側延伸部と、を有する、第1の延伸部組と第2の延伸部組とを含み、
前記第2の外側接続部は、前記電流経路における前記第1の延伸部組と、前記第2の延伸部組との間に形成され、
前記第1の延伸部組における前記上流側延伸部の前記下流側延伸部に対する相対位置は、前記第2の延伸部組における前記上流側延伸部の前記下流側延伸部に対する相対位置と異なる、請求項3に記載のモータ。 - 前記第1の外側接続部と前記第2の外側接続部の前記周方向における位置が重なる、請求項4に記載のモータ。
- 前記複数の延伸部組の一つにおける前記複数の延伸部と接続する前記複数の外側接続部は、前記径方向位置がすべて異なる、請求項3乃至5の何れか一項に記載のモータ。
- 前記複数の延伸部は、前記径方向における内側の端部がそれぞれ前記基板の周方向に所定の幅を有するとともに、前記内側の端部間の前記周方向における間隔は前記所定の幅よりも小さい、請求項1乃至6の何れか一項に記載のモータ。
- 前記始点部及び前記終点部は、前記複数の内側接続部よりも前記径方向内側に配置される、請求項7に記載のモータ。
- 請求項1乃至8の何れか一項に記載のモータと、
前記モータによって駆動する先端工具と、を備えた作業機。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2020174384A JP2022065731A (ja) | 2020-10-16 | 2020-10-16 | モータ及び作業機 |
Applications Claiming Priority (1)
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Family Applications (1)
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JP2020174384A Pending JP2022065731A (ja) | 2020-10-16 | 2020-10-16 | モータ及び作業機 |
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Country | Link |
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-
2020
- 2020-10-16 JP JP2020174384A patent/JP2022065731A/ja active Pending
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