JP2022063961A - Method of manufacturing cylinder block - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、シリンダブロックの製造方法に関する。 The present invention relates to a method for manufacturing a cylinder block.
従来、内燃機関が備えるシリンダブロックは、シリンダブロック本体と、シリンダブロック本体に形成されたボア孔に組み付けられ、シリンダブロック本体と一体化された筒状のシリンダライナとを有する。シリンダライナ内には、その軸方向に沿って往復動可能にピストンが収納されている。内燃機関では、シリンダブロックの上部に設けられたシリンダヘッド内に形成された燃焼室内で混合気の燃焼が行われる。シリンダライナは混合気の燃焼熱によって温められる。このため、シリンダライナは、軸方向に沿って上部ほど温度が高くなるが、シリンダライナの軸方向に沿った温度分布を改善することでピストンのスムーズな摺動が実現される。これにより、燃費の向上等が期待される。 Conventionally, a cylinder block included in an internal combustion engine has a cylinder block main body and a tubular cylinder liner assembled in a bore hole formed in the cylinder block main body and integrated with the cylinder block main body. A piston is housed in the cylinder liner so that it can reciprocate along its axial direction. In an internal combustion engine, the air-fuel mixture is burned in a combustion chamber formed in a cylinder head provided in the upper part of the cylinder block. The cylinder liner is heated by the heat of combustion of the air-fuel mixture. Therefore, the temperature of the cylinder liner becomes higher toward the upper part along the axial direction, but smooth sliding of the piston is realized by improving the temperature distribution along the axial direction of the cylinder liner. This is expected to improve fuel efficiency.
シリンダライナの軸方向に沿った温度分布を改善するために、例えば、シリンダライナの外周面とシリンダブロック本体のボア孔の内周面との間に断熱空気層を設けることが知られている(例えば、特許文献1参照)。断熱空気層を設けることで、シリンダライナからシリンダブロック本体への熱伝達が抑制されて、シリンダライナにおける温度分布が改善される。 In order to improve the temperature distribution along the axial direction of the cylinder liner, for example, it is known to provide an adiabatic air layer between the outer peripheral surface of the cylinder liner and the inner peripheral surface of the bore hole of the cylinder block body ( For example, see Patent Document 1). By providing the adiabatic air layer, heat transfer from the cylinder liner to the cylinder block main body is suppressed, and the temperature distribution in the cylinder liner is improved.
特許文献1では、内周面に凹部が形成されたボア孔(シリンダボア)にシリンダライナを圧入し、嵌め込むことでシリンダライナの外周面で凹部を塞いで空間を形成し、その空間を断熱空気層としている。
In
ところで、昨今、シリンダブロック本体とシリンダライナとを一体化するために、シリンダブロック本体を鋳造する型内にシリンダライナを設置し、この状態で型内に溶湯を流し込む鋳包み工法が知られている。鋳包み工法を用いることで、シリンダライナとシリンダブロック本体とを容易に一体化することができる。しかしながら、鋳包み工法を用いた場合、ボア孔に凹部を形成することが困難であり、シリンダブロック本体とシリンダライナとを一体化した状態において、両者間に断熱空気層を形成することが難しい。特許文献1では、圧入によってシリンダライナがシリンダブロック本体に嵌め込まれており、鋳包み工法を用いて両者を一体化することは想定されていない。
By the way, in recent years, in order to integrate the cylinder block main body and the cylinder liner, a casting and wrapping method is known in which a cylinder liner is installed in a mold for casting the cylinder block main body and molten metal is poured into the mold in this state. .. By using the casting and wrapping method, the cylinder liner and the cylinder block main body can be easily integrated. However, when the casting and wrapping method is used, it is difficult to form a recess in the bore hole, and it is difficult to form a heat insulating air layer between the cylinder block main body and the cylinder liner in a state of being integrated. In
そこで、本明細書開示のシリンダブロックの製造方法は、鋳包み工法によってシリンダブロック本体とシリンダライナとを一体化する際に、シリンダブロック本体とシリンダライナとの間に断熱空気層を形成することを課題とする。 Therefore, in the method for manufacturing a cylinder block disclosed in the present specification, when the cylinder block main body and the cylinder liner are integrated by the casting and wrapping method, a heat insulating air layer is formed between the cylinder block main body and the cylinder liner. Make it an issue.
本明細書に開示されたシリンダブロックの製造方法は、シリンダライナの外周面の所望の位置にシリンダブロック本体に形成されるボア孔の内周面との密着を抑制する加工を施す工程と、前記密着を抑制する加工が施された前記シリンダライナを、前記シリンダブロック本体を形成する型内に設置する工程と、前記型内に溶湯を供給する工程と、前記溶湯を凝固させる工程と、前記型内から前記シリンダブロック本体と前記シリンダライナとが一体化したシリンダブロックを取り出す工程と、を含む。 The method for manufacturing a cylinder block disclosed in the present specification includes a step of performing a process of suppressing adhesion to the inner peripheral surface of a bore hole formed in the cylinder block main body at a desired position on the outer peripheral surface of the cylinder liner, and the above-mentioned. A step of installing the cylinder liner processed to suppress adhesion in a mold forming the cylinder block main body, a step of supplying molten metal into the mold, a step of solidifying the molten metal, and the mold. It includes a step of taking out a cylinder block in which the cylinder block main body and the cylinder liner are integrated from the inside.
本明細書開示のシリンダブロックの製造方法によれば、鋳包み工法によってシリンダブロック本体とシリンダライナとを一体化する際に、シリンダブロック本体とシリンダライナとの間に断熱空気層を形成することができる。 According to the method for manufacturing a cylinder block disclosed in the present specification, when the cylinder block main body and the cylinder liner are integrated by the casting and wrapping method, an insulated air layer can be formed between the cylinder block main body and the cylinder liner. can.
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。 Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings. However, in the drawings, the dimensions, ratios, etc. of each part may not be shown so as to completely match the actual ones. Also, depending on the drawing, details may be omitted.
(実施形態)
[シリンダブロック]
本実施形態は、シリンダブロック1の製造方法に関するものであるが、この製造方法を理解し易くするために、その詳細な説明に先立って、まず、この製造方法によって製造されるシリンダブロック1の一例について説明する。
(Embodiment)
[Cylinder block]
The present embodiment relates to a method for manufacturing a
図1を参照すると、内燃機関50が備えるシリンダブロック1は、シリンダブロック本体10に形成されたボア孔11内に、筒状のシリンダライナ15が装着されている。本実施形態のシリンダブロック1におけるシリンダブロック本体10は、アルミを用いた鋳造製であるが、従来公知の他の素材を用いてもよい。シリンダライナ15は鋳鉄製であるが、シリンダブロック本体10を形成するアルミよりも耐摩耗性に優れた材質であれば、他の素材を用いてもよい。
Referring to FIG. 1, in the
シリンダブロック本体10の上縁部には、オープンデッキ型のウォータジャケット12が設けられている。シリンダライナ15内には、ピストン20がシリンダライナ15の軸AX方向に沿って摺動可能に収納されている。図1には、一気筒分のシリンダ及びピストンが表れているが、本実施形態の内燃機関50は直列4気筒内燃機関であり、紙面垂直方向に沿って4つのシリンダ及びピストンを備えている。なお、本実施形態を適用することができる内燃機関の気筒数は、4気筒に限定されるものでなく、他の気筒数であってもよい。また、その配列方式も、直列に限定されず、V型等、従来公知の配列方式としてもよい。
An open deck
シリンダブロック1の上側には、シリンダヘッド25が搭載されている。シリンダヘッド25には、吸気弁26aが装着された吸気ポート25aと、排気弁26bが装着された排気ポート25bが設けられている。さらに、シリンダヘッド25には、燃焼室27が設けられている。燃焼室27には、点火プラグ28が設けられている。
A
図1において、ピストン20は、点線で描かれており、上死点に位置した状態と、下死点に位置した状態が描かれている。ピストン20は、スカート部21を備えており、ピストン20の上端からスカート部21の下端までの高さはhである。ここで、ピストン20が上死点にあるときに、スカート部21の下端が位置する高さ位置、つまり、上死点にあるピストン20の上端から下方に向かって距離h隔てた高さ位置をP1とする。また、ピストン20が下死点にあるときに、スカート部21の下端が位置する高さ位置、つまり、下死点にあるピストン20の上端から下方に向かって距離h隔てた高さ位置をP2とする。
In FIG. 1, the
シリンダブロック1は、ボア孔11の内周面11aとシリンダライナ15の外周面151との間であって、かつ、高さ位置P1から高さ位置P2の範囲に、断熱空気層18を備えている。
The
シリンダライナ15は、上方から順に第1部分15a、第2部分15b及び第3部分15cを備えている。断熱空気層18は、第2部分15bに相当する部分に形成されており、第1部分15aと第3部分15cでは、ボア孔11の内周面11aとシリンダライナ15の外周面151とが密着している。第1部分15a及び第3部分15cの表面には、ボア孔11の内周面11aとシリンダライナ15の外周面151とを密着させやすくするための加工が施されている。この加工については、後に説明する。
The
シリンダライナ15には、燃焼室27で生じた燃焼熱が伝達される。ボア孔11の内周面11aと密着している第1部分15aと第3部分15cでは、シリンダライナ15が蓄えた熱がシリンダブロック本体10へ伝達される。これにより、第1部分15aと第3部分15cでは、シリンダライナ15の温度が低下する。これに対し、第2部分15bでは、シリンダブロック本体10との間に断熱空気層18が存在していることから、シリンダライナ15からシリンダブロック本体10への熱の伝達が抑制され、シリンダライナ15の温度が維持される。なお、第1部分15aの周囲には、ウォータジャケット12が設けられている。燃焼室27に近い第1部分15a及びその周囲は、高温となるが、ウォータジャケット12内を流れる冷却水によって冷却される。
The combustion heat generated in the
[製造方法]
つぎに、図2(A)から図5(C)を参照して、シリンダブロック1の製造方法について説明する。
[Production method]
Next, a method for manufacturing the
まず、図2(A)を参照して、シリンダブロック1の製造に用いられる鋳造装置100の概略構成について説明する。図2(A)は鋳造装置100を模式的に示す断面図である。鋳造装置100は、鋳包み工法によって、シリンダブロック本体10とシリンダライナ15とを一体に成形することができる。鋳造装置100は、固定金型101、可動金型102を備えている。固定金型101と可動金型102は、組み合わされた状態でシリンダブロック本体10の形状に応じた内周形状を有する空間103を形成する。空間103には、湯路106の一端が接続されている。湯路106の他端は、射出部105が備えるシリンダ105aと接続されている。シリンダ105a内には、ピストン105bが摺動可能に設けられている。空間103には、組み合わされた固定金型101及び可動金型102の外部と連通する減圧路107が接続されている。図2(A)に示す鋳造装置100は、一例であり、実施形態の製造方法を実施するための鋳造装置100は、これに限定されず、シリンダライナ15の保持姿勢や型締めの方向(可動金型102の移動方向)、型の材質等は、適宜選定し、変更することができる。
First, with reference to FIG. 2A, a schematic configuration of a
つぎに、図3に示すフローチャートに沿って、シリンダブロック1の製造方法について説明する。まず、ステップS1では、図2(A)に示す固定金型101及び可動金型102のアルミ溶湯M(図2(C)参照)が接する部分に離型剤を塗布する。また、ステップS2において、所定の加工が施されたシリンダライナ15を準備する。ステップS1の工程とステップS2の工程は、その順番を問わず、ステップS3の工程が行われる前に双方の工程が終了していればよい。
Next, a method of manufacturing the
ここで、ステップS2において行われるシリンダライナ15の加工について詳細に説明する。シリンダライナ15は、予め鋳鉄を用いた鋳造工程によって形成される。本実施形態の鋳造工程は、遠心鋳造法を用いている。図4を参照すると、シリンダライナ15の外周面151は、上方から順に第1部分15a、第2部分15b及び第3部分15cを備えている。図1を参照して説明したように、第1部分15aは、ボア孔11の内周面11aとシリンダライナ15の外周面151とが密着する部分である。図5(A)を参照すると、シリンダライナ15の外周面151には、多数のアンカー凸部16aが設けられている。アンカー凸部16aは、先端側に基端側と比較して径の大きい傘状部を備えたきのこ形状を有している。アンカー凸部16aは、シリンダライナ15のシリンダブロック本体10への喰いつき性を向上させるアンカー効果を発揮する。これにより、第1部分15aにおけるボア孔11の内周面11aとシリンダライナ15の外周面151との密着性が向上する。アンカー凸部16aは、図4に示す第3部分15cにも設けられており、第3部分15cにおけるボア孔11の内周面11aとシリンダライナ15の外周面151との密着性の向上が図られる。本実施形態におけるアンカー凸部16aは、遠心鋳造法を採用することでシリンダライナ15の鋳造時にシリンダライナ15の外周面151に形成される。アンカー凸部16aを形成することができる遠心鋳造法には、従来公知の方法を適用することができるので、ここではその詳細な説明は省略する。
Here, the processing of the
アンカー凸部16aは、ボア孔11の内周面11aとシリンダライナ15の外周面151との密着性を向上することができるものであれば、他の形状としてもよい。例えば、図5(B)に示す円錐台形状のアンカー凸部16bとしてもよい。アンカー凸部16bは、円錐台の大径側が先端側に位置するように設けられている。また、図5(C)に示すようにアンカー凹部16cを採用してもよい。アンカー凹部16cは、入口径よりも内径が大きくされており、ボア孔11とシリンダライナ15との密着性を向上することができる。また、シリンダライナ15の外周面151に円柱状や角柱状の凸部や、円形や矩形の凹部を設けたり、外周面151の表面粗さを粗くしたりしておくこともできる。
The anchor
このように、シリンダライナ15のシリンダブロック本体10への喰いつき性を向上させるアンカー効果を発揮する加工が施された第1部分15a及び第3部分15cに対し、第2部分15bには、密着阻害物質が塗布される。図4において、ハッチングを付した部分は、密着阻害物質が塗布された状態を模式的に示している。密着阻害物質の塗布は、遠心鋳造されたシリンダライナ15の外周面151の第2部分15bに施される。第2部分15bは、図1に示す断熱空気層18が形成される位置に合わせて設定されている。第2部分15bへの密着阻害物質の塗布は、シリンダライナ15の外周面151とボア孔11の内周面11aとの密着を抑制する加工の一例である。本実施形態では、密着阻害物質としてオイルが選定されており、第2部分15bにオイルが塗布される。密着阻害物質は、アルミ溶湯Mと接触することで消失することが求められる。本実施形態に用いられるアルミ溶湯Mは、概ね600℃であるため、この温度域で脱脂され消失する性質を有する物質が採用される。密着阻害物質は、このような性質を有するオイルやグリス等の中から、適宜選択することができる。
In this way, the
ステップS1の工程及びステップS2の工程が終了した後、ステップS3へ移行する。ステップS3では、シリンダライナ15を図2(B)に示すように固定金型101と可動金型102との間に設置する。筒状の部材であるシリンダライナ15は、一方の開放端部に保持中子104aが装着され、他方の開放端部に保持ピン104bが装着された状態で、固定金型101と可動金型102との間に設置される。
After the process of step S1 and the process of step S2 are completed, the process proceeds to step S3. In step S3, the
そして、ステップS4において、可動金型102を固定金型101に対しさらに接近させて型締めを行う。ステップS4において型締めを行った後は、図2(C)で示すように、射出部105のシリンダ105a内にアルミ溶湯Mを給湯し(ステップS5)、さらに、ピストン105bを作動させて、アルミ溶湯Mを射出する(ステップS6)。
Then, in step S4, the
射出されたアルミ溶湯Mは、空間103内に充填される。空間103内の空気は、減圧路107を通じて外部へ排出されるので、アルミ溶湯Mは、空間103内にスムーズに流れ込み、隅々まで行きわたる。充填されたアルミ溶湯Mは、空間103内に設置されたシリンダライナ15の周囲にも到達する。第1部分15a及び第3部分15cでは、アルミ溶湯Mは、シリンダライナ15の外周面151に接した状態となる。また、アルミ溶湯Mは、図5(A)で示すアンカー凸部16aの周囲にも入り込む。その一方で、第2部分15b(図4参照)では、密着阻害物質であるオイルが塗布されていることに起因して、ボア孔11の内周面11aとシリンダライナ15の外周面151との密着が阻害される。
The injected aluminum molten metal M is filled in the
そして、ステップS7の凝固工程において、第1部分15a及び第3部分15cでは、シリンダライナ15の外周面151に接したアルミ溶湯Mが凝固することで、シリンダライナ15がシリンダブロック本体10と一体化される。このとき、アンカー凸部16aの周囲に入り込んだアルミ溶湯Mが凝固することで、第1部分15a及び第3部分15cにおけるボア孔11の内周面11aとシリンダライナ15の外周面151とが強固に結合した状態となる。
Then, in the solidification step of step S7, in the
これに対し、第2部分15bでは、ボア孔11の内周面11aとシリンダライナ15の外周面151とが密着することがなく、図1に示すような断熱空気層18が形成される。なお、第2部分15bに塗布されていた密着阻害物質は、アルミ溶湯Mが凝固する過程で、アルミ溶湯Mの熱により脱脂される。
On the other hand, in the
アルミ溶湯Mの凝固が完了したら、引き続いて型開き(ステップS8)を行う。そして、固定金型101及び可動金型102からシリンダブロック本体10にシリンダライナ15が鋳込まれ、一体化した状態のシリンダブロック1の粗材を押し出す(ステップS9)。そして、粗材を取り出し(ステップS10)、バリの除去などを行う成形工程(ステップS11)を経てシリンダブロック1を得ることができる。
When the solidification of the molten aluminum M is completed, the mold opening (step S8) is subsequently performed. Then, the
本実施形態の製造方法では、シリンダブロック本体10に鋳包まれるシリンダライナ15の外周面151の所望の位置にシリンダブロック本体10に形成されるボア孔11の内周面11aとの密着を抑制する加工が施される。この結果、鋳包み工法を採用する場合であっても、所望の位置に断熱空気層18を形成することができる。
In the manufacturing method of the present embodiment, adhesion to the inner
ここで、図6(A)から図7を参照して、実施形態の製造方法によって、シリンダブロック1に所定の効果を得ることができる断熱空気層18が形成されていることを示す。図6(A)及び図6(B)では、実施形態の製造方法によって断熱空気層18が形成されたシリンダブロック1と、断熱空気層を備えていないシリンダブロックとを対比して示している。
Here, with reference to FIGS. 6 (A) to 7 (A), it is shown that the
図6(A)は、ボア高さ方向に沿うシリンダライナ温度の分布の一例を示すグラフである。また、図6(B)は、ボア高さ方向に沿うシリンダライナ内周面-ピストン間のクリアランスの推移の一例を示すグラフである。いずれのグラフも縦軸をシリンダブロックにおけるボア高さ方向としており、縦軸における「上部」は、第1部分15aに相当し、「中部」は、第2部分15bに相当する。また、「下部」は、第3部分15cに相当する。
FIG. 6A is a graph showing an example of the distribution of the cylinder liner temperature along the bore height direction. Further, FIG. 6B is a graph showing an example of the transition of the clearance between the inner peripheral surface of the cylinder liner and the piston along the bore height direction. In each graph, the vertical axis is the bore height direction in the cylinder block, the "upper part" on the vertical axis corresponds to the
図6(A)を参照すると、上部と下部では、断熱空気層を備えていないシリンダブロックと、実施形態の製造方法によって製造されたシリンダブロック1とで、大きな温度差は観察されていない。これに対し、中部では、実施形態のシリンダブロック1のシリンダライナ温度が断熱空気層を備えていないシリンダブロックにおけるシリンダライナ温度よりも高くなっている。これは、実施形態のシリンダブロック1では、中部(第2部分15b)に図7に示すような断熱空気層18が形成されており、シリンダライナ15からシリンダブロック本体10への熱の伝達が抑制され、シリンダライナ15に熱が留まっているからである。
Referring to FIG. 6A, no large temperature difference was observed between the cylinder block not provided with the adiabatic air layer and the
このような温度分布を反映して、シリンダライナ内周面-ピストン間のクリアランスについても、実施形態の製造方法によるシリンダブロック1と断熱空気層を備えていないシリンダブロックとの間で差が生じている。つまり、上部及び下部では、実施形態のシリンダブロック1と断熱空気層を備えていないシリンダブロックとの間でクリアランスに大きな違いは見られないが、中部において、両者にクリアランスの違いがみられる。断熱空気層18が設けられている実施形態のシリンダブロック1の中部では、シリンダライナ15の温度が高い。このため、中部(第2部分15b)において、環状のシリンダライナ15の周長が長くなり、この結果、シリンダライナ内周面-ピストン間のクリアランスが大きくなっている。本実施形態では、図1に示したように、断熱空気層18は、高さ位置P1から高さ位置P2の範囲に設けられている。高さ位置P1から高さ位置P2は、ピストン20が摺動する範囲に含まれている。このため、断熱空気層18が設けられている範囲におけるピストン20の摺動摩擦が軽減される。この結果、燃費の向上が期待される。このように、実施形態の製造方法によって形成された断熱空気層18が機能していることがわかる。
Reflecting such a temperature distribution, there is also a difference in the clearance between the inner peripheral surface of the cylinder liner and the piston between the
なお、ボア高さ方向の下部では、シリンダライナ内周面-ピストン間のクリアランスが狭く保たれている。この結果、エンジンオイルがピストン20に装着されたピストンリングにまで到達することが抑制され、エンジンオイルの消費量が抑制される。
At the lower part in the bore height direction, the clearance between the inner peripheral surface of the cylinder liner and the piston is kept narrow. As a result, it is suppressed that the engine oil reaches the piston ring mounted on the
本実施形態では、第1部分15a及び第3部分15cに、図5(A)で示すアンカー凸部16a等を設け、さらに、シリンダライナ15の外周面151とボア孔11の内周面との密着の抑制を図るために密着阻害物質を塗布している。密着阻害物質を塗布することにより、効果的にシリンダライナ15の外周面151とボア孔11の内周面との密着を抑制することができる。
In the present embodiment, the
ただし、シリンダライナ15の外周面151とボア孔11の内周面11aとの密着を抑制するために、密着阻害物質の塗布は必須ではなく、密着阻害物質の塗布を省略してもよい。
However, in order to suppress the adhesion between the outer
要は、シリンダブロック本体10を形成する溶湯に鋳包まれるシリンダライナ15の外周面151が、所望の位置でボア孔11の内周面11aとの密着が抑制される状態とされていればよい。
In short, the outer
例えば、ボア孔11の内周面11aとの密着を抑制したい第2部分15bの表面粗さを、ボア孔11の内周面11aと密着させたい第1部分15a及び第3部分15cの表面粗さよりも滑らかにしておく態様としてもよい。この場合、第2部分15bに密着阻害物質を塗布しなくても、表面が滑らかである第2部分15bにおいて、ボア孔11の内周面11aとの密着が抑制され、断熱空気層18が形成される。このように、第2部分15bの表面の状態と、第1部分15a及び第3部分15cの表面の状態に差異を設けておくことで断熱空気層18を形成することができる。
For example, the surface roughness of the
また、第1部分15a、第2部分15b及び第3部分15cの表面粗さに差が無い場合であっても、断熱空気層18を形成する第2部分15bにのみ密着阻害物質を塗布して、鋳包みを行うようにしてもよい。このような態様としても断熱空気層18を形成することができる。
Further, even if there is no difference in the surface roughness of the
上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。 The above-described embodiment is merely an example for carrying out the present invention, the present invention is not limited thereto, and various modifications of these examples are within the scope of the present invention, and further, the present invention. It is self-evident from the above description that various other embodiments are possible within the scope.
1 シリンダブロック 10 シリンダブロック本体
11 ボア孔 11a ボア孔の内周面
12 ウォータジャケット 15 シリンダライナ
15a 第1部分 15b 第2部分
15c 第3部分 16a、16b アンカー凸部
16c アンカー凹部 18 断熱空気層
20 ピストン 21 スカート部
25 シリンダヘッド 50 内燃機関
100 鋳造装置 101 固定金型
102 可動金型 103 空間
104a 保持中子 104b 保持ピン
105 射出部 106 湯路
107 減圧路 151 シリンダライナの外周面
M アルミ溶湯
1
Claims (1)
前記密着を抑制する加工が施された前記シリンダライナを、前記シリンダブロック本体を形成する型内に設置する工程と、
前記型内に溶湯を供給する工程と、
前記溶湯を凝固させる工程と、
前記型内から前記シリンダブロック本体と前記シリンダライナとが一体化したシリンダブロックを取り出す工程と、
を含むシリンダブロックの製造方法。 A process of performing processing to suppress adhesion to the inner peripheral surface of the bore hole formed in the cylinder block body at a desired position on the outer peripheral surface of the cylinder liner, and
The process of installing the cylinder liner, which has been processed to suppress adhesion, in the mold forming the cylinder block main body, and
The process of supplying molten metal into the mold and
The step of coagulating the molten metal and
The process of taking out the cylinder block in which the cylinder block main body and the cylinder liner are integrated from the mold, and
A method for manufacturing a cylinder block including.
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