JP2022062462A - 建設機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】 右カバーの容量を確保しつつ、土砂の除去作業の頻度を減らせるようにする。【解決手段】 旋回フレーム5の右前部5Fに設けられた右カバー11は、作業装置4のブーム4Aと対面する左面カバー部12に右カバー11の収納空間を拡張するための突出部16を有している。この上で、突出部16の前面は、上側から下側に向けて前方向および左方向の2方向に傾斜した第1斜面17として形成されている。【選択図】 図1
Description
本開示は、上部旋回体の右前部に右カバーを備えた油圧ショベル等の建設機械に関する。
一般に、建設機械の代表例としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、下部走行体に旋回可能に搭載された上部旋回体と、上部旋回体の前側に設けられ、複数本の油圧シリンダによって回動する作業装置とにより構成されている。
上部旋回体は、旋回フレームと、旋回フレームの左前部に設けられたキャブと、作業装置のフート部を挟んで旋回フレームの右前部に設けられた右カバーとを備えている。右カバー内は、各種の物品を収納する収納空間となっている。
ここで、作業装置は、複数本の油圧シリンダとコントロールバルブとの間で作動油(圧油)を流通させるための複数本の油圧管路とを備えている。複数本の油圧管路は、作業装置の回動動作を許容するために一部が油圧ホースとなっている。各油圧ホースは、作業装置の右側に配置されている(特許文献1)。
ところで、特許文献1の発明では、作業装置の右側に位置する右カバーは、油圧ホースとの干渉を避けるために、作業装置と対面する左面カバー部を作業装置から離間させる等の対処が必要になる。従って、右カバーは、物品を収納するための容量が小さくなってしまうという問題がある。
しかも、右カバーの左面カバー部を作業装置から離間させた場合、作業装置と右カバーとの間には、旋回フレームが露出することになる。従って、土砂を収容したバケットが上部旋回体上に配置されたときにバケットから土砂が零れ落ちると、この土砂は、旋回フレームの露出部分に堆積してしまう。これにより、土砂の除去作業の頻度が増大してしまうという問題がある。
本発明の一実施形態の目的は、右カバーの容量を確保しつつ、土砂の除去作業の頻度を減らすことができるようにした建設機械を提供することにある。
本発明の一実施形態は、自走可能な下部走行体と、前記下部走行体に搭載された上部旋回体と、前記上部旋回体の前側に設けられた作業装置とからなり、前記上部旋回体は、旋回フレームと、前記旋回フレームの左前部に設けられたキャブと、前記キャブとの間に前記作業装置のフート部を挟んで前記旋回フレームの右前部に設けられ、内部に収納空間を有する右カバーとを備えた建設機械において、前記右カバーは、前記作業装置と対面する左面カバー部に前記収納空間を拡張するための突出部を有しており、前記突出部の前面は、上側から下側に向けて前方向および左方向の2方向に傾斜した第1斜面として形成されている。
本発明の一実施形態によれば、右カバーの容量を確保しつつ、土砂の除去作業の頻度を減らすことができる。
以下、本発明に係る建設機械の実施形態を、油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図1ないし図7を参照しつつ詳細に説明する。
図1において、建設機械としての油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2と、下部走行体2に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、上部旋回体3の前側に設けられた作業装置4とにより構成されている。
作業装置4は、土砂の掘削作業等を行うために上部旋回体3の前側に設けられている。作業装置4は、後述の旋回フレーム5を構成する左縦板5B、右縦板5Cの前側部位に上下方向ないし前後方向に回動可能に取付けられたブーム4Aと、ブーム4Aの先端部に回動可能に取付けられたアーム4Bと、アーム4Bの先端部に回動可能に取付けられたバケット4Cと、これらを駆動するブームシリンダ4D、アームシリンダ4E、バケットシリンダ4Fとにより構成されている。アームシリンダ4Eとバケットシリンダ4Fには、後述する油圧ホース20が接続されている。
上部旋回体3は、後述の旋回フレーム5、キャブ6、カウンタウエイト7、原動機カバー8、作動油タンク9、燃料タンク10、右カバー11を含んで構成されている。
旋回フレーム5は、上部旋回体3のベースとして形成されている。図2、図3に示すように、旋回フレーム5は、前後方向に延びる厚肉な鋼板等からなる底板5Aと、底板5A上に立設され、左右方向に所定の間隔をもって前後方向に延びた左縦板5B、右縦板5Cと、左縦板5Bの左側に間隔をもって配置され、前後方向に延びた左サイドフレーム5Dと、右縦板5Cの右側に間隔をもって配置され、前後方向に延びた右サイドフレーム5Eとを含んで構成されている。
ここで、旋回フレーム5は、ブーム4Aのフート部4A1の右側、即ち、右縦板5Cの右側に位置する部分が右前部5Fとなっている。この右前部5Fは、右縦板5Cの右面に沿って前側に延びた左面板5F1と、前側に向け左側に湾曲した右サイドフレーム5Eの前側部分と、左面板5F1の前端と右サイドフレーム5Eの前端とに亘って左右方向に延びて設けられた前端フレーム部5F2とを有している。前端フレーム部5F2は、右前部5Fの前端を構成している。また、右前部5F上には、後述の右カバー11が配設されている。
図1、図2に示すように、キャブ6は、旋回フレーム5の左前部に設けられ、内部にはオペレータが着席する運転席、走行用の操作レバー、作業用の操作レバー(いずれも図示せず)が設けられている。カウンタウエイト7は、旋回フレーム5の後端部に取付けられている。カウンタウエイト7は、作業装置4との重量バランスをとるための重量物として形成されている。
原動機カバー8は、カウンタウエイト7の前側に位置して、旋回フレーム5の後側に配設されたエンジン等の原動機、油圧ポンプ、熱交換装置等を覆っている。また、作動油タンク9と燃料タンク10とは、原動機カバー8の前側に位置して旋回フレーム5の右側に、左右方向に並んで設けられている。
次に、本実施形態の特徴部分となる第1斜面17と第2斜面18を備えた右カバー11の構成について詳細に説明する。
図2、図3に示すように、右カバー11は、キャブ6との間に作業装置4を構成するブーム4Aのフート部4A1を挟んで旋回フレーム5の右前部5Fに設けられている。右カバー11の内部は、各種物品を収納する収納空間(図示せず)となっている。右カバー11は、ブーム4Aのフート部4A1と左右方向に離れて対面する左面カバー部12と、左面カバー部12の上縁から右側に延びた上面カバー部13と、上面カバー部13の前側に位置して左面カバー部12の前縁から右側に延びた前面カバー部14と、右サイドフレーム5Eの前側部分に沿うように前側に向け左側に湾曲した開閉可能な右面ドア部15と、後述の突出部16とを含んで構成されている。
突出部16は、左面カバー部12にフート部4A1側に突出して設けられている。突出部16は、右カバー11の収納空間を拡張(容量を拡大)している。突出部16は、左面カバー部12の後部位置に上下方向に延びて設けられている。具体的には、突出部16は、左面カバー部12から左側に離れた位置に旋回フレーム5の右縦板5Cと平行に配置された三角形状の左面16Aと、左面16Aの上端から左面カバー部12に向けて水平方向に延びた上面16Bと、上面16Bから左面16Aの傾斜に沿って延びた後述の第1斜面17とを有している。突出部16の内部は、右カバー11内の収納空間に通じる空間となっている。
第1斜面17は、突出部16の前面として形成されている。第1斜面17は、上側から下側に向けて前方向および左方向の2方向に傾斜している。また、第1斜面17は、落下してくる土砂を前側および左側に案内するもので、平らな板体として形成されている。そして、図1に示すように、第1斜面17は、作業装置4のブーム4Aを最も後側に回動させると共に、アーム4Bをブーム4A側に最も小さく折畳んだ状態でのバケット4Cの右下位置に配置されている。さらに、図5に示すように、第1斜面17は、後述の油圧ホース20を案内する案内面も兼ねている。
次に、図6、図7に示す模式図を用いて第1斜面17の形状について詳細に述べる。まず、図6の斜視図に記載された第1斜面17は、図4に記載された第1斜面17を模式的に示している。第1斜面17は、右上の角部を点A、左上の角部を点B、右下の角部を点C、左下の角部を点Dとすると、四角形ABCDとして表現される。
この場合、図7に示す平面図で説明すると、第1斜面17は、点Aよりも点Bが後側に配置されている。同じく、点Cよりも点Dが後側に配置されている。この上で、上側の辺ABよりも下側の辺CDが前側に配置されている。そして、第1斜面17の下端部となる下側の辺CDは、旋回フレーム5の右前部5Fの前端フレーム部5F2まで延びている。これにより、第1斜面17は、上側から下側に向けて前方向および左方向の2方向に傾斜しているから、土砂が落下してくると、この土砂を右前部5Fの前側および左側に排出する。
第2斜面18は、左面カバー部12の一部として形成されている。第2斜面18は、突出部16の第1斜面17の前側に位置し、上側から下側に向けて左方向に傾斜している。第2斜面18は、第1斜面17と同等の高さ寸法を有している。第2斜面18は、落下してくる土砂を左側に案内する平らな板体として形成されている。
図6に示すように、第2斜面18は、前上の角部を点E、前下の角部を点F、点Eと点Fとの間で前側に突出した角部を点Gとすると、五角形ABEFGとして表現される。辺EGは、上面カバー部13の前下り傾斜に対応している。
第2斜面18についても、図7に示す平面図で説明すると、上側の辺EAよりも下側の辺FCが左側に配置されている。これにより、第2斜面18は、上側から下側に向けて左方向に傾斜しているから、土砂が落下してくると、この土砂を右前部5Fの左側に排出する。
ここで、第1斜面17は、上側の辺ABの長さ寸法よりも下側の辺CDの長さ寸法が短く設定されている。同様に、第2斜面18も、上側の辺EAの長さ寸法よりも下側の辺FCの長さ寸法が短く設定されている。これにより、第1斜面17と第2斜面18は、広範囲から集めた土砂を旋回フレーム5の右前部5Fの1箇所から排出することができ、清掃を必要とする範囲を狭めることができる。
図3、図4に示すように、ホース支持部19は、突出部16の上側に設けられている。このホース支持部19には、第1斜面17の後側に位置して複数個のホース取出口19Aが設けられている。各ホース取出口19Aは、前後方向に延びた貫通孔として形成され、図5に示すように、後述する複数本の油圧ホース20が挿通されることにより、各油圧ホース20を所定の間隔で保持している。
複数本の油圧ホース20は、例えば、アームシリンダ4E、バケットシリンダ4Fとコントロールバルブ(図示せず)との間で作動油(圧油)を流通させるのに用いられている。ホース取出口19Aから取出された複数本の油圧ホース20は、作業装置4のブーム4Aが下側に回動したときに、第1斜面17に沿って下側に傾斜しつつ前側に延びることができる。
本実施形態による油圧ショベル1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その動作について説明する。
まず、キャブ6に乗り込んだオペレータは、運転席に着座してエンジンを始動させる。この状態で、オペレータは、走行用の操作レバーを操作することにより、下部走行体2によって油圧ショベル1を前進または後退させることができる。また、オペレータは、作業用の操作レバーを操作することにより、作業装置4を動作させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
ここで、油圧ショベル1を用いて狭い路地で掘削作業を行う場合には、前方で掘削した土砂を、後方に待機したダンプトラックに積み込む作業が行われる。この作業では、油圧ショベル1は、前方の土砂を掘削したら、作業装置4のブーム4Aを最も後側に回動させると共に、アーム4Bをブーム4A側に最も小さく折畳んだ状態にする。この状態で上部旋回体3を旋回させることで、周囲の障害物に干渉しないように、後方のダンプトラックに土砂を積み込むことができる。
また、土砂を収容したバケット4Cが上部旋回体3上に配置されたときに、バケット4Cから土砂が零れ落ちることがある。この場合には、作業装置4と右カバー11との間に土砂が堆積する虞がある。
然るに、本実施形態によれば、旋回フレーム5の右前部5Fに設けられた右カバー11は、作業装置4のブーム4Aと対面する左面カバー部12に収納空間を拡張するための突出部16を有している。この上で、突出部16の前面は、上側から下側に向けて前方向および左方向の2方向に傾斜した第1斜面17として形成されている。
従って、突出部16は、右カバー11の収納空間を拡張することができ、右カバー11内に多くの物品を収納することができる。しかも、第1斜面17は、上方に位置するバケット4Cから土砂が落下してくると、この土砂を傾斜に沿って右前部5Fの前側および左側に排出することができる。この結果、右カバー11の容量を確保できると共に、堆積した土砂を除去するための作業の頻度を減らすことができる。
また、左面カバー部12には、突出部16の第1斜面17の前側に位置し、上側から下側に向けて左方向に傾斜した第2斜面18が形成されている。これにより、第2斜面18は、バケット4Cから落下してくる土砂を傾斜に沿って右前部5Fの左側に排出することができる。
第1斜面17の後側には、突出部16の上側に位置して複数本の油圧ホース20が挿通される複数個のホース取出口19Aを備えたホース支持部19が設けられている。そして、複数個のホース取出口19Aから取出された複数本の油圧ホース20は、作業装置4のブーム4Aが下側に回動したときに第1斜面17に沿って下側に傾斜しつつ前側に延びる構成となっている。これにより、作業装置4の動作に応じて移動する各油圧ホース20を避けつつ、突出部16を形成することができる。
さらに、第1斜面17の下端部は、旋回フレーム5の右前部5Fの前端フレーム部5F2まで延びている。これにより、第1斜面17は、落下してきた土砂を右前部5Fの前側に排出することができる。
なお、実施形態では、右カバー11の左面カバー部12に、第1斜面17と第2斜面18を設けた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、第2斜面18を廃止し、第1斜面17だけを設ける構成としてもよい。
また、実施形態では、建設機械としてクローラ式の下部走行体2を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば、ホイール式の油圧ショベル等の建設機械にも広く適用することができる。
1 油圧ショベル(建設機械)
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
4A ブーム
4A1 フート部
5 旋回フレーム
5F 右前部
5F2 前端フレーム部(前端)
6 キャブ
11 右カバー
12 左面カバー部
16 突出部
17 第1斜面
18 第2斜面
19 ホース支持部
19A ホース取出口
20 油圧ホース
2 下部走行体
3 上部旋回体
4 作業装置
4A ブーム
4A1 フート部
5 旋回フレーム
5F 右前部
5F2 前端フレーム部(前端)
6 キャブ
11 右カバー
12 左面カバー部
16 突出部
17 第1斜面
18 第2斜面
19 ホース支持部
19A ホース取出口
20 油圧ホース
Claims (5)
- 自走可能な下部走行体と、前記下部走行体に搭載された上部旋回体と、前記上部旋回体の前側に設けられた作業装置とからなり、
前記上部旋回体は、旋回フレームと、前記旋回フレームの左前部に設けられたキャブと、前記キャブとの間に前記作業装置のフート部を挟んで前記旋回フレームの右前部に設けられ、内部に収納空間を有する右カバーとを備えた建設機械において、
前記右カバーは、前記作業装置と対面する左面カバー部に前記収納空間を拡張するための突出部を有しており、
前記突出部の前面は、上側から下側に向けて前方向および左方向の2方向に傾斜した第1斜面として形成されていることを特徴とする建設機械。 - 前記左面カバー部には、前記突出部の前記第1斜面の前側に位置し、上側から下側に向けて左方向に傾斜した第2斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
- 前記作業装置は、前記旋回フレームに前後方向に回動可能に取付けられたブームと、前記ブームの先端に回動可能に取付けられたアームと、前記アームの先端に回動可能に取付けられたバケットとを備えており、
前記突出部の前記第1斜面は、前記作業装置の前記ブームを最も後側に回動させると共に前記アームを前記ブーム側に最も小さく折畳んだ状態での前記バケットの右下位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。 - 前記第1斜面の後側には、前記突出部の上側に位置して油圧ホースが挿通されるホース取出口が設けられ、
前記ホース取出口から取出された前記油圧ホースは、前記作業装置が下側に回動したときに前記第1斜面に沿って下側に傾斜しつつ前側に延びる構成としたことを特徴とする請求項1に記載の建設機械。 - 前記第1斜面の下端部は、前記旋回フレームの前記右前部の前端まで延びていることを特徴とする請求項1に記載の建設機械。
Priority Applications (1)
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JP2020170484A JP2022062462A (ja) | 2020-10-08 | 2020-10-08 | 建設機械 |
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---|---|---|---|
JP2020170484A JP2022062462A (ja) | 2020-10-08 | 2020-10-08 | 建設機械 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022062462A true JP2022062462A (ja) | 2022-04-20 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2020170484A Pending JP2022062462A (ja) | 2020-10-08 | 2020-10-08 | 建設機械 |
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2020
- 2020-10-08 JP JP2020170484A patent/JP2022062462A/ja active Pending
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