JP2022062409A - 情報処理システム及び加工管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械加工よりも前の非機械加工での加工精度を向上するための情報を適切に管理できるようにする。【解決手段】加工管理システム1において、クラウドサーバ10は、(1)機械加工用の加工対象物の形状に関する情報を受け付け、機械加工での工具、機械加工用の加工対象物の素材、機械加工での設備の剛性、或いは機械加工用の加工対象物における中心線のずれ量の少なくともいずれか一つの要素に基づいて、加工プログラムを生成し、(2)加工プログラムを切削管理用計算機21に送信し、(3)切削管理用計算機21から、機械加工後の加工対象物の形状に関する情報を取得し、(4)機械加工後の加工対象物の目標形状との機械加工誤差に関する情報を特定し、(5)機械加工誤差に関する情報又は機械加工誤差に関する情報に基づいて補正した目標形状を、素材管理用計算機31に送信する。【選択図】図1
Description
本発明は、機械加工工程と、機械加工工程の前に行われる非機械加工工程とにおける加工を管理する技術に関する。
近年、加工プログラムを工作機械に実行させることによって、加工対象物(以降、ワークと呼びことがある)の機械加工を行うことがある。
また、工作機械をネットワークに接続し、ネットワークを介して接続されているホストコンピュータ(サーバ)を利用して工作機械の管理や制御等を行う技術が知られている。
例えば、特許文献1には、複数の機械がサーバに接続され、サーバが、加工実績情報及び加工実績情報の利用回数に係る情報を格納し、機械のオペレータから加工実績情提示要求を受け付けた場合に、加工実績情報を、加工実績情報の利用回数に基づいて機械に提示し、加工プログラムを生成して機械に送信する技術が開示されている。
一般に、ワークを加工する非機械加工において、製品図面によって決められた公差内に寸法精度を確保する必要がある。機械加工においても同様であり、寸法精度を確保するため高精度な加工が要求される。このような機械加工においては、熟練者が経験により知り得たノウハウにより、ワーク個々の形状ばらつきや工作機械の特性を考慮し、加工が行われている。
近年では、熟練者の高齢化や、製造業における熟練者の減少により、機械加工における加工精度を高く維持することが困難となっている。
また、非機械加工において、ワークを目標形状に加工することが難しく、寸法精度を満足していてもワークに歪みや加工代等の誤差が残ってしまうことがある。例えば、ワークに歪みが残ってしまうと、そのワークに対して機械加工を行ってもワークの歪みを適切に取り切れない場合がある。また、ワークに大きな加工代が残ってしまっていると、機械加工(例えば、切削加工)での負荷が増大するため、ワークがたわみ、適切な寸法精度を得ることができない場合がある。このように、一度の機械加工の工程において加工しきることができず加工代残りが発生している場合には、機械加工を再度行い、加工リードタイムが増大する問題がある。さらに、機械加工で加工代残りを取り切れないと判断された場合には、ワークが不良であるとして扱われてしまう問題がある。
機械工程後に、こうした加工残りや不良が発生した場合、その不良要因が機械加工によるものか、機械加工を行う前に既に発生していた非機械加工での歪み、或いは加工代残りによるものかを判断することが難しい。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、機械加工よりも前の非機械加工での加工精度を向上するための情報を適切に管理することのできる技術を提供することにある。
上記目的を達成するため、一観点に係る情報処理システムは、機械加工を管理するための機械加工管理用計算機と、加工対象物を機械加工用の加工対象物へ加工する非機械加工を管理するための素材管理用計算機と、前記機械加工管理用計算機及び前記素材管理用計算機に接続された加工管理計算機と、を備える情報処理システムであって、前記加工管理計算機は、(1)前記機械加工用の加工対象物の形状に関する情報を受け付け、機械加工での工具、機械加工用の加工対象物の素材、機械加工での設備の剛性、或いは前記機械加工用の加工対象物における中心線のずれ量の少なくともいずれか一つの要素に基づいて、工作機械での前記機械加工に用いる加工プログラムを生成し、(2)前記加工プログラムを前記機械加工管理用計算機に送信し、(3)前記機械加工管理用計算機から、機械加工後の加工対象物の形状に関する情報を取得し、(4)前記機械加工後の加工対象物の形状に関する情報に基づいて、機械加工後の加工対象物の目標形状との機械加工誤差に関する情報を特定し、(5)前記機械加工誤差に関する情報、又は、前記機械加工誤差に関する情報に基づいて補正した前記非機械加工後の加工対象物の目標形状を、前記素材管理用計算機に送信する。
本発明によれば、機械加工よりも前の非機械加工での加工精度を向上するための情報を適切に管理することができる。
実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
以下の説明では、「AAAテーブル」の表現にて情報を説明することがあるが、情報は、どのようなデータ構造で表現されていてもよい。すなわち、情報がデータ構造に依存しないことを示すために、「AAAテーブル」を「AAA情報」と呼ぶことができる。
また、以下の説明では、「機械加工」とは、工作機械を用いてワークを加工することをいう。機械加工には、例えば、切削加工、研削加工、研磨加工等が含まれる。工作機械としては、例えば、旋盤、フライス盤、ボール盤、研磨機、NC工作機械、マシニングセンタ等が含まれる。また、「非機械加工」とは、機械加工と異なる加工であり、例えば、鍛造加工や鋳造加工等である。
<システム構成>
図1は、第1実施形態に係る加工管理システムの全体構成図である。
図1は、第1実施形態に係る加工管理システムの全体構成図である。
情報処理システムの一例としての加工管理システム1は、加工管理計算機の一例としてのクラウドサーバ10と、1以上の切削管理用計算機21と、複数の工作機械22と、1以上の素材管理用計算機31と、複数の切削素材加工機32と、を備える。クラウドサーバ10と、切削管理用計算機21と、工作機械22と、素材管理用計算機31と、切削素材加工機32とは、ネットワークを介して接続されている。ネットワークは有線ネットワークでも無線ネットワークでもよい。
本実施形態では、工作機械22と、切削管理用計算機21とは、切削加工の加工対象物(ワークともいう)を加工する切削加工工場20毎に配置されている。切削管理用計算機21は、機械加工管理用計算機の一例であり、切削加工に関する設計、例えば、切削加工での製品の形状や仕様の設計、切削加工での加工工程の設計等を行うユーザ4によって管理されて使用される。ユーザ4は、1以上であってよい。工作機械22は、ユーザ2によって管理され、使用される。ユーザ2は、1以上であってよい。また、ユーザ2と、ユーザ4とは、同一のユーザであってもよい。
本実施形態では、切削素材加工機32と、素材管理用計算機31とは、加工対象物を切削工程で使用される加工対象物(切削素材)に加工する切削素材加工工場30毎に配置されている。素材管理用計算機31は、切削素材の加工(非切削加工:非機械加工の一例)に関する設計、例えば、切削素材の形状や仕様の設計、非切削加工での加工工程の設計等を行うユーザ5によって管理されて使用される。ユーザ5は、1以上であってよい。切削素材加工機32は、ユーザ3によって管理され、使用される。ユーザ3は、1以上であってよい。また、ユーザ3と、ユーザ5とは、同一のユーザであってもよい。
本実施形態では、加工対象物61Aが切削素材加工機32によって加工対象物61B(切削素材)に加工され(図1(a))、加工対象物61Bが切削加工工場20に運搬され(図1(b))、加工対象物61C(加工対象物61Bと同じもの)が工作機械22によって加工対象物61Dに加工される(図1(c))。
クラウドサーバ10は、工作機械22と、切削管理用計算機21と、素材管理用計算機31と、切削素材加工機32と、を統合して管理する処理を実行する。クラウドサーバ10は、例えば、プロセッサ、記憶資源等を備えるPC(Personal Computer)や、汎用計算機によって構成される。クラウドサーバ10は、伝送モジュール11と、保管モジュール12と、演算モジュール13とを含む。なお、クラウドサーバ10は、
切削加工工場20を運営する会社等、切削素材加工工場30を運営する会社等が有してもよいし、これら以外の第三者が有してもよい。
切削加工工場20を運営する会社等、切削素材加工工場30を運営する会社等が有してもよいし、これら以外の第三者が有してもよい。
伝送モジュール11は、ネットワークを介して接続された各種装置との間で通信を行う通信I/F等である。
保管モジュール12は、例えば、半導体メモリ、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等や、揮発タイプのメモリや、不揮発タイプのメモリ等の記憶資源を含み、各種情報や演算モジュール13で実行されるプログラムを格納する。
演算モジュール13は、プロセッサを含み、保管モジュール12のプログラムを実行することにより各種処理を実行する。例えば演算モジュール13は、伝送モジュール11を介して受信した加工対象物61Dの各部位の長さを測定した測定データと、切削工程について予め解析した解析情報とに基づいて、加工誤差を算出する。また、演算モジュール13は、後述する生成プログラムを実行することにより、加工対象物61Cを加工するための基となる切削加工基礎データ(加工基礎データ)を生成する処理を行う。ここで、切削加工基礎データとしては、加工対象物(ここでは、切削加工工程前の加工対象物(切削素材)及び切削加工工程後の目標とする加工対象物)の形状データ(例えば、CADデータ)又は、実際の切削加工で使用する特定の工作機械22用に補正されていないNCプログラム(未補正NCプログラム)の少なくとも一方を含んでいる。また、演算モジュール13は、後述する管理プログラムを実行することにより、工作機械22に係るデータや、補正に使用した切削加工基礎データ、工具情報、加工対象物番号についての各計算機からのアクセスを管理する処理を実行する。
工作機械22は、加工対象物61Cに対して機械加工を実行する機械である。
複数の工作機械22は、個々に機械特性を持つ。機械特性は、工作機械22の構成物(例えば、主軸、工具、治具)に対する剛性を特定可能な値や、加工対象物61Cにおける中心線のずれ量、工作機械22の主軸温度、構成物の潤滑オイルの温度、汚れ、残量、工作機械22のステージのがたつきなどの少なくとも一つを含んでもよい。機械特性は、例えば、切削加工工場20のユーザ2によって測定され、切削管理用計算機21を介してクラウドサーバ10に伝送されて保管される。クラウドサーバ10の保管モジュール12は、各工作機械22と機械特性とを紐づけて保管し、演算モジュール13のアクセスを受け付ける。なお、保管モジュール12が保管している機械特性は、その値を更新できる。
工具の剛性を特定可能な値の測定方法はたとえば下記である。
*工具の刃先又は根元を固定し、板バネの要領で所定の力で固定されていない部分を押す。そしてその時の変位を測定する。なお、工具の剛性は上記方法以外にも工具の形状と材料に基づいて計算してもよい。また、工具の剛性の経時変化は工具メーカが提供した値を用いてもよい。
*工具の刃先又は根元を固定し、板バネの要領で所定の力で固定されていない部分を押す。そしてその時の変位を測定する。なお、工具の剛性は上記方法以外にも工具の形状と材料に基づいて計算してもよい。また、工具の剛性の経時変化は工具メーカが提供した値を用いてもよい。
また、主軸の剛性を特定可能な値の測定方法は例えば下記である。
*主軸に剛性が明らかになっている工具又は棒を固定する。そして当該工具又は棒の固定端とは反対側の位置を所定の力で押し、その時の変位を測定する。そして、工具や棒の影響を測定結果からキャンセルして、最後に主軸の剛性を計算する。なお、決められた所定の力で押す代わりとして、工具又は棒に対してひずみゲージを貼り付け、工具又は棒を押したときの力を測定してもよい。
*主軸に剛性が明らかになっている工具又は棒を固定する。そして当該工具又は棒をステージ(又はステージ上の治具やワークでもよい)と接触させ、工具又は棒に加わる力をひずみゲージで測定する。その後ステージを所定量移動させた後に、工具又は棒に加わる力をひずみゲージで測定する。そして、工具や棒の影響を測定結果からキャンセルし、最後に主軸の剛性を計算する。
*主軸に剛性が明らかになっている工具又は棒を固定する。そして当該工具又は棒の固定端とは反対側の位置を所定の力で押し、その時の変位を測定する。そして、工具や棒の影響を測定結果からキャンセルして、最後に主軸の剛性を計算する。なお、決められた所定の力で押す代わりとして、工具又は棒に対してひずみゲージを貼り付け、工具又は棒を押したときの力を測定してもよい。
*主軸に剛性が明らかになっている工具又は棒を固定する。そして当該工具又は棒をステージ(又はステージ上の治具やワークでもよい)と接触させ、工具又は棒に加わる力をひずみゲージで測定する。その後ステージを所定量移動させた後に、工具又は棒に加わる力をひずみゲージで測定する。そして、工具や棒の影響を測定結果からキャンセルし、最後に主軸の剛性を計算する。
以後の説明では剛性値として、ばね定数[N/m]のような、定数が高いほど、所定の力を加えたときの上記変位が小さくなる値を想定して説明する。しかし、剛性値としては他の値を用いてもよい。また、定数が高いほど、所定の力を加えたときの上記変位が大きくなるような定数を剛性値に代えて用いてもよい。
切削管理用計算機21は、例えば、プロセッサ、記憶資源等を備えるPCや、汎用計算機によって構成される。切削管理用計算機21は、クラウドサーバ10から送信されたデータに基づく画面(例えば、切削管理用画面80(図4参照)等)を表示させ、切削管理用計算機21のユーザ4からの各種入力を受け付け、入力に応じて、各種情報をクラウドサーバ10、あるいは工作機械22に送信する。切削管理用画面80についての詳細は後述する。
切削素材加工機32は、加工対象物61Aに対して非切削加工を行う機械である。加工対象物61Aは、非切削加工が行われると、加工対象物61B(切削素材)となる。
<素材管理用計算機の構成>
素材管理用計算機31は、例えば、プロセッサ、記憶資源を備えるPCや、汎用計算機によって構成される。素材管理用計算機31は、クラウドサーバ10から送信されたデータに基づく画面(図面確認画面110(図6参照)等)を表示させ、素材管理用計算機31のユーザ5からの各種入力を受け付け、入力に応じて、各種情報をクラウドサーバ10、あるいは切削素材加工機32に送信する。図面確認画面110についての詳細は後述する。
素材管理用計算機31は、例えば、プロセッサ、記憶資源を備えるPCや、汎用計算機によって構成される。素材管理用計算機31は、クラウドサーバ10から送信されたデータに基づく画面(図面確認画面110(図6参照)等)を表示させ、素材管理用計算機31のユーザ5からの各種入力を受け付け、入力に応じて、各種情報をクラウドサーバ10、あるいは切削素材加工機32に送信する。図面確認画面110についての詳細は後述する。
クラウドサーバ10から素材管理用計算機31に送信される情報としては、例えば、加工対象物61Bの製品図面情報がある。送信される情報に、工作機械22の剛性値や、加工対象物の材質、使用切削工具の型番や切削加工時間等の情報を含んでもよい。
次に、クラウドサーバ10の保管モジュール12が記憶するデータ等について説明する。
<<データ等>>
保管モジュール12は、切削加工者管理テーブルと、工作機械管理テーブルと、工具管理テーブルと、加工対象物管理テーブルと、切削素材加工者管理テーブルと、切削素材加工機管理テーブルと、加工NCプログラム管理テーブルと、生成プログラムと、管理プログラムと、を格納する。なお、保管モジュール12は、これ以外の情報を格納してもよい。次の段落から各テーブルやプログラムの詳細について説明する。なお、各情報、または各情報の一部項目は省略してもよく、同じテーブル内の情報を紐づけて格納してもよい。
保管モジュール12は、切削加工者管理テーブルと、工作機械管理テーブルと、工具管理テーブルと、加工対象物管理テーブルと、切削素材加工者管理テーブルと、切削素材加工機管理テーブルと、加工NCプログラム管理テーブルと、生成プログラムと、管理プログラムと、を格納する。なお、保管モジュール12は、これ以外の情報を格納してもよい。次の段落から各テーブルやプログラムの詳細について説明する。なお、各情報、または各情報の一部項目は省略してもよく、同じテーブル内の情報を紐づけて格納してもよい。
切削加工者管理テーブルは、各切削加工者を管理するためのテーブルであり、以下に示す各情報を含む。
*切削加工者を識別するID(切削加工者ID)
*切削加工者のパスワード。このパスワードは、クラウドサーバ10で切削加工者を認証するために使用される。
*切削加工者名。
*切削加工者年齢。
*切削加工者勤続年数。
*切削加工者の連絡先情報。連絡先情報は、切削加工者の電話番号や、電子メールアドレスを含んでもよい。
*切削加工者を識別するID(切削加工者ID)
*切削加工者のパスワード。このパスワードは、クラウドサーバ10で切削加工者を認証するために使用される。
*切削加工者名。
*切削加工者年齢。
*切削加工者勤続年数。
*切削加工者の連絡先情報。連絡先情報は、切削加工者の電話番号や、電子メールアドレスを含んでもよい。
工作機械管理テーブルは、各工作機械22を管理するためのテーブルであり、以下に示す情報を含む。
*工作機械を識別するID。
*工作機械の設置場所。
*工作機械で測定された値。例えば、測定値と、測定された日時との組を複数含んでもよい。
*工作機械についての静的な値。例えば、工作機械の型番、工作機械の各部の寸法、加工可能な製品の寸法など。
*工作機械を識別するID。
*工作機械の設置場所。
*工作機械で測定された値。例えば、測定値と、測定された日時との組を複数含んでもよい。
*工作機械についての静的な値。例えば、工作機械の型番、工作機械の各部の寸法、加工可能な製品の寸法など。
工具管理テーブルは、工作機械22に装着された工具を管理するためのテーブルであり、以下に示す情報を含む。
*工具を識別するためのID。
*工具装着先の工作機械ID。
*工具の型番。
*工作機械で工具について測定された値。例えば、測定値と、測定された日時との組を複数含んでいてもよい。
*工具のメーカ名。
*工具の形状。
*工具を識別するためのID。
*工具装着先の工作機械ID。
*工具の型番。
*工作機械で工具について測定された値。例えば、測定値と、測定された日時との組を複数含んでいてもよい。
*工具のメーカ名。
*工具の形状。
加工対象物管理テーブルは、各加工対象物61を管理するためのテーブルであり、以下に示す情報を含む。
*加工対象物を識別するためのID。IDは同じ製品種類の加工対象物でも個々に設定する。
*加工対象物の材質。
*加工対象物61Bの形状に関する情報。
*加工対象物61Bの実形状が入力された日時。
*加工対象物61Aに対する加工に用いた製品図面情報。
*加工対象物61Aに対する加工開始時間。
*加工対象物61Cに対する加工開始時間。
*加工対象物61Bの形状を基に算出(解析)した加工対象物61Dの形状。
*加工対象物61Cを加工する工作機械のID。
*加工対象物61Dの実形状。
*加工対象物61Dの実形状が入力された日時。
*加工対象物61Cの加工条件。
*加工対象物61Dの加工誤差要因、及びそれにかかわる情報。例えば、加工誤差位置など。
*加工対象物61Dの不良率。
*加工対象物61の製造工程情報。例えば、加工対象物61の種類に対する製造数、現在の製造済み製品数、残りの製造数、残りの製造に係る時間、納期など。
*加工対象物を識別するためのID。IDは同じ製品種類の加工対象物でも個々に設定する。
*加工対象物の材質。
*加工対象物61Bの形状に関する情報。
*加工対象物61Bの実形状が入力された日時。
*加工対象物61Aに対する加工に用いた製品図面情報。
*加工対象物61Aに対する加工開始時間。
*加工対象物61Cに対する加工開始時間。
*加工対象物61Bの形状を基に算出(解析)した加工対象物61Dの形状。
*加工対象物61Cを加工する工作機械のID。
*加工対象物61Dの実形状。
*加工対象物61Dの実形状が入力された日時。
*加工対象物61Cの加工条件。
*加工対象物61Dの加工誤差要因、及びそれにかかわる情報。例えば、加工誤差位置など。
*加工対象物61Dの不良率。
*加工対象物61の製造工程情報。例えば、加工対象物61の種類に対する製造数、現在の製造済み製品数、残りの製造数、残りの製造に係る時間、納期など。
切削素材加工者管理テーブルは、各切削素材加工者を管理するためのテーブルであり、以下に示す各情報を含む。
*切削素材加工者を識別するID(切削素材加工者ID)。
*切削素材加工者のパスワード。このパスワードは、クラウドサーバ10で切削素材加工者を認証するために使用される。
*切削素材加工者名。
*切削素材加工者年齢。
*切削素材加工者勤続年数。
*切削素材加工者の連絡先情報。連絡先情報は、加工者の電話番号や、電子メールアドレスを含んでもよい。
*切削素材加工者を識別するID(切削素材加工者ID)。
*切削素材加工者のパスワード。このパスワードは、クラウドサーバ10で切削素材加工者を認証するために使用される。
*切削素材加工者名。
*切削素材加工者年齢。
*切削素材加工者勤続年数。
*切削素材加工者の連絡先情報。連絡先情報は、加工者の電話番号や、電子メールアドレスを含んでもよい。
切削素材加工機管理テーブルは、各切削素材加工機32を管理するためのテーブルであり、以下に示す情報を含む。
*切削素材加工機を識別するID。
*切削素材加工機の設置場所。
*切削素材加工機についての静的な値。例えば、切削素材加工機の型番。
*切削素材加工機を識別するID。
*切削素材加工機の設置場所。
*切削素材加工機についての静的な値。例えば、切削素材加工機の型番。
加工NCプログラム管理テーブルは、生成された加工NCプログラムを管理するためのテーブルであり、以下に示す情報を含む。
*加工NCプログラムの生成を示すID。
*加工NCプログラムを生成した日時情報。
*加工NCプログラムの生成に用いた加工基礎データ。
*生成された加工NCプログラム。
*加工NCプログラムの生成を示すID。
*加工NCプログラムを生成した日時情報。
*加工NCプログラムの生成に用いた加工基礎データ。
*生成された加工NCプログラム。
上記した、切削加工者管理テーブル、工作機械管理テーブル、工具管理テーブル、加工対象物管理テーブル、切削素材加工者管理テーブル、切削素材加工機管理テーブル、加工プログラム管理テーブルの情報について、少なくとも一部をクラウドサーバ10の管理者が設定又は更新するようにしてもよいし、少なくとも一部を素材管理用計算機31のユーザ又は切削管理用計算機21のユーザ4が設定又は更新するようにしてもよい。
次に、演算モジュール13で実行される生成プログラムについて説明する。
<<生成プログラム>>
生成プログラムは、切削加工基礎データと、実際に加工する工作機械として選択された工作機械22(選択工作機械)の主軸、工作機械固定部剛性、加工対象物61Cにおける中心線のずれ量の少なくとも一つの要素に基づいて、工作機械22での加工NCプログラム(補正加工NCプログラム:加工プログラムの一例)を生成する。この、加工NCプログラムを実行することにより、より加工精度の向上が見込める。上記加工NCプログラムにおいて、演算モジュールにて解析的に算出した加工負荷を考慮して生成してもよい。なお、工作機械の主軸、工作機械固定部剛性、加工対象物における中心線のずれ量の中で考慮する要素の数を増やして、加工NCプログラムを生成すると、より加工精度の向上が見込める。
<<生成プログラム>>
生成プログラムは、切削加工基礎データと、実際に加工する工作機械として選択された工作機械22(選択工作機械)の主軸、工作機械固定部剛性、加工対象物61Cにおける中心線のずれ量の少なくとも一つの要素に基づいて、工作機械22での加工NCプログラム(補正加工NCプログラム:加工プログラムの一例)を生成する。この、加工NCプログラムを実行することにより、より加工精度の向上が見込める。上記加工NCプログラムにおいて、演算モジュールにて解析的に算出した加工負荷を考慮して生成してもよい。なお、工作機械の主軸、工作機械固定部剛性、加工対象物における中心線のずれ量の中で考慮する要素の数を増やして、加工NCプログラムを生成すると、より加工精度の向上が見込める。
例えば、切削加工基礎データとして、未補正NCプログラムを取得している場合には、生成プログラムは、未補正NCプログラムの命令を変更あるいは追加したデータを、加工NCプログラムとする。なお、変更又は追加する命令としては、工具径補正、工具長補正、工具摩耗補正、送り速度、又は切削速度とすることで、工具による加工対象物61Cへの加工回数が増える等の大幅な加工作業が変わることを回避してもよい。しかし、加工対象物61Cへの加工回数が増えるような命令(例えば試し削りに相当する命令)を追加してもよい。
また、生成プログラムは、未補正NCプログラムの記述形式が、選択された工作機械22のコントローラにおける記述形式と少なくとも一部が異なっている場合には、未補正NCプログラムの記述における、記述形式が異なる部分について、選択された工作機械22の記述形式に変更してもよく、このようにすると、工作機械22のコントローラにおいて支障なく加工処理を行うことができる。
生成プログラムは、加工NCプログラム内に、コメントとして、選択した工作機械の工作機械IDと、選択した工作機械で使用すると指定された工具セットの各工具の型番と、各工具の配置情報(スロット)と、を記載するようにしてもよい。このコメントを参照することにより、加工NCプログラムが、どの工作機械を対象とし、どのような工具をどのスロットに格納すればよいか、把握することができる。また、加工NCプログラム内に、コメントとして、各工具の用途と、各工具の配置位置情報とを記載するようにしてもよい。このようなコメントを追加することで、加工NCプログラムのデータ量が増加するが、必ず加工NCプログラムと一体で工作機械や工具を一体で管理できるため、誤った工作機械や工具の使用を抑制できる。
また、生成プログラムは、切削加工基礎データとして、ワーク及び製造する製品の形状データ(例えばCADデータ)を取得している場合には、例えば、3次元形状データに基づいて、未加工のワーク(ここでは、加工対象物61C)を製品(切削加工工程での目標物)に加工するための加工NCプログラムを生成する。3次元データに基づいて、加工NCプログラムを生成する方法としては、任意の方法でよいが、例えば、3次元データに基づいて、機械特性を考慮していない未補正NCプログラムを生成し、その後、上記同様に、選択工作機械の最新の機械特性に基づいて、未補正NCプログラムの命令を変更或いは追加して選択工作機械での加工NCプログラムを生成してもよい。また、加工対象物の加工前形状(加工対象物61B、又は61Cの形状)がCAD、或いは製品図面化されていて、部分的な寸法情報が取得された場合、生成プログラムは、これを更新して新たな形状データとして再生成してもよい。この加工対象物の新たな形状データは、加工対象物ID毎に加工対象物61Bの実形状データとして、加工対象物管理テーブルに格納される。生成プログラムは、この形状に基づいて加工NCプログラムを生成してもよい。
また、生成プログラムは、生成した加工NCプログラムを、加工NCプログラム管理テーブルに登録する。具体的には、生成プログラムは、加工NCプログラムの生成を示す加工プログラムのIDと、加工NCプログラムを生成した日時情報と、加工NCプログラムの生成に用いた切削加工基礎データと、生成された加工NCプログラムと、を加工NCプログラム管理テーブルに登録する。
また、生成プログラムは、生成処理後に、切削管理用計算機21に加工NCプログラムを送信する。なお、切削管理用計算機21は、ユーザから送信命令を受けた場合には、対応する加工NCプログラムを工作機械22に送信する。なお、クラウドサーバ10が生成した加工NCプログラムを送信する際に、切削加工予定の加工対象物61CのIDと工作機械22のIDとが判明している場合は、切削管理用計算機21は、ユーザの送信命令を受けずに、工作機械22に加工NCプログラムを送信してもよい。これにより、工作機械22は、送信された加工NCプログラムを実行することにより、加工処理を実行する。ここで、加工NCプログラムは、工作機械22の最新の機械特性を考慮して補正されているNCプログラムであるので、加工対象物61Cを高精度に加工することができる
次に、演算モジュール13で実行される管理プログラムについて説明する。
<<管理プログラム>>
管理プログラム(厳密には、管理プログラムを実行するプロセッサ)は、工作機械22の測定データや機械特性について、この工作機械22を管理する切削管理用計算機21には送信するが、他の切削管理用計算機21には送信しないように制御する、すなわち、送信を拒否するように制御する。同様に切削素材(加工対象物61B)の形状に関する情報についても、この加工対象物の加工を行う切削素材加工機32を管理する素材管理用計算機31には送信するが、他の素材管理用計算機31には送信しないように制御する、すなわち、送信を拒否するように制御する。これにより、他の設計者に、工作機械22あるいは切削素材加工機32の測定データや機械特性の情報が渡ってしまうことを適切に防止できる。なお、管理プログラムは、予め決められた所定の情報の請求を受け付けた場合、例えば、後述するトレーサビリティ情報の請求を受け付けた場合には、例外的に、加工対象物に係る切削加工基礎データ、工作機械に関する情報や工具情報を入力元に出力してもよい。
<<管理プログラム>>
管理プログラム(厳密には、管理プログラムを実行するプロセッサ)は、工作機械22の測定データや機械特性について、この工作機械22を管理する切削管理用計算機21には送信するが、他の切削管理用計算機21には送信しないように制御する、すなわち、送信を拒否するように制御する。同様に切削素材(加工対象物61B)の形状に関する情報についても、この加工対象物の加工を行う切削素材加工機32を管理する素材管理用計算機31には送信するが、他の素材管理用計算機31には送信しないように制御する、すなわち、送信を拒否するように制御する。これにより、他の設計者に、工作機械22あるいは切削素材加工機32の測定データや機械特性の情報が渡ってしまうことを適切に防止できる。なお、管理プログラムは、予め決められた所定の情報の請求を受け付けた場合、例えば、後述するトレーサビリティ情報の請求を受け付けた場合には、例外的に、加工対象物に係る切削加工基礎データ、工作機械に関する情報や工具情報を入力元に出力してもよい。
次に、加工管理システム1による処理動作について説明する。
図2は、一実施形態に係る加工管理システムによる処理動作を説明する図である。
まず、ユーザ(切削素材加工者)3が、加工対象物61Aの非切削加工が終了した加工対象物61Bについて、所定の形状に関する情報を取得する。ここで、形状に関する情報の取得方法としては、レーザ計測器等を用いて測定して取得してもよいし、ノギス等によってユーザ3が測定を行うことにより取得してもよい。なお、レーザ計測器等を用いる場合には、レーザ計測器等から素材管理用計算機31に測定データを直接格納させるようにしてもよい。素材管理用計算機31は、ユーザ5から加工対象物61Bについての形状に関する情報を受け付けて、クラウドサーバ10に送信する(図2(1))。ここで、素材管理用計算機31は、加工対象物61Bについての形状に関する情報に、入力された日時の情報を含めて送信する。
本実施形態では、ユーザ5は、素材管理用計算機31に表示された形状入力画面70(図3参照)を用いて、素材管理用計算機31に形状に関する情報を入力してクラウドサーバ10に送信することができる。
ここで、形状入力画面70を使っての形状に関する情報についての入力について説明する。
図3は、第1実施形態に係る素材管理用計算機の形状入力画面の構成図である。
形状入力画面70は、ワークNo入力ボタン71と、測定情報入力ボタン72と、入力データ送信ボタン73と、形状描画領域74とを含む。
ワークNo入力ボタン71は、形状に関する情報を入力する加工対象物のIDを入力するためのボタンである。ワークNo入力ボタン71が押下されると、ワークNo入力画面が表示され、加工対象物のIDを入力することができる。
測定情報入力ボタン72は、レーザ計測器等で測定した情報を読込むためのボタンである。測定情報入力ボタン72が押下されると、測定した情報のデータを選択する画面が表示され、データを選択することにより、測定情報を読込むことができる。
入力データ送信ボタン73は、入力された形状に関する情報をクラウドサーバ10に送信するためのボタンである。入力データ送信ボタン73が押下されると、形状入力画面70において入力された形状に関する情報がクラウドサーバ10に送信される。
形状描画領域74は、加工対象物の形状や寸法が編集可能に表示される領域である。例えば、測定情報入力ボタン72が押下されて測定した情報のデータが選択された場合には、形状描画領域74には、測定した形状や寸法等が表示される。また、形状描画領域74においては、ユーザ5が手動で計測した場合においては、形状における各寸法を入力することができる。
形状入力画面70により形状に関する情報を入力する場合には、例えば、ユーザ5は、ワークNo入力ボタン71を押下して、対象となる加工対象物のIDを入力する。次いで、加工対象物についてレーザ測定器等で取得してデータとして取り込んでいる場合には、ユーザ5は、測定情報入力ボタン72を押下して取り込んでいるデータを指定することにより、加工対象物の形状に関する情報を入力する。
一方、加工対象物について手動で測定した場合には、ユーザ5は、形状描画領域74において、加工対象物の形状や寸法を入力する。なお、加工対象物の形状については、予めクラウドサーバ10等に登録しておき、入力した加工対象物のIDに対応する形状が形状描画領域74に表示されるようにしておき、ユーザ5は寸法のみを入力するようにしてもよい。
加工対象物の形状に関する情報が入力された後には、ユーザ5は、入力データ送信ボタン73を押下することにより、入力された形状に関する情報をクラウドサーバ10に送信させる。これにより、素材管理用計算機31からクラウドサーバ10に対して加工対象物61Bの形状に関する情報が送信され、クラウドサーバ10の保管モジュール12の加工対象物管理テーブルに保管されることとなる。なお、加工対象物61Bと加工対象物61Cとは、同一のものとなるので、この素材加工工場30で行った処理に代えて、同様な処理を切削加工工場20で切削管理用計算機21を用いて実行してもよい。
図2の説明に戻り、クラウドサーバ10は、送信された加工対象物61Bの形状に関するデータと、工作機械22の機械特性とに基づいて、加工NCプログラムを生成又は補正し、保管モジュール12に格納する(図2(2))。
次いで、切削管理用計算機21は、ユーザ4から切削加工基礎データの送信指示を受け付けた場合には、クラウドサーバ10に切削加工基礎データを送信する(図2(3))。クラウドサーバ10は、切削管理用計算機21から切削加工基礎データを受け付けた場合には、保管モジュール12の加工プログラム管理テーブルから条件に合う加工NCプログラムを特定し、特定した加工NCプログラムを補正した補正加工NCプログラムを伝送モジュール11により切削管理用計算機21に送信する(図2(4))。なお、加工NCプログラムの補正に用いる工作機械22の機械特性は、切削管理用計算機21のユーザ4から指定された工作機械22の機械特性でもよいし、クラウドサーバ10が選択した工作機械22の機械特性であってもよい。クラウドサーバ10は、補正した加工NCプログラムの送信先の工作機械22の情報を加工対象物管理テーブルに格納する。また、クラウドサーバ10は、補正加工NCプログラムによる加工を解析して、この加工により得られる加工対象物の形状(解析形状)を加工対象物管理テーブルに格納する。
切削管理用計算機21は、クラウドサーバ10から送信された補正加工NCプログラムを受け取り、切削管理用画面80(図4参照)を表示する。ユーザ4は、切削管理用画面80を用いて、補正加工NCプログラムの解析情報を参照等することができる。ユーザ4は、切削管理用画面80を用いて参照した情報に基づいて、加工NCプログラムを工作機械22に送信するか否か、すなわち、実際に加工するか否かを決めることができる。
ここで、切削管理用画面80について説明する。
図4は、第1実施形態に係る切削管理用画面の構成図である。
切削管理用画面80は、ワークNo入力ボタン81と、工作機械選択ボタン82と、工具軌跡描画ボタン83と、形状・工具軌跡描画領域84と、補正プログラム送信ボタン85と、プログラム入力・送信ボタン86と、使用機種・剛性ボタン87と、使用設計データボタン88と、使用工具一覧ボタン89と、解析情報ボタン90と、加工FB情報ボタン91と、を含む。
ワークNo入力ボタン81は、補正加工NCプログラムを生成する対象とする加工対象物のIDを入力するためのボタンである。ワークNo入力ボタン81を押下すると、ワークNo入力画面が表示され、加工対象物のIDを入力することができる。
工作機械選択ボタン82は、補正加工NCプログラムにより切削加工を実行する工作機械を選択するためのボタンである。工作機械選択ボタン82が押下されると、工作機械を選択する画面が表示され、その中で工作機械を選択することができる。
工具軌跡描画ボタン83は、形状・工具軌跡描画領域84に、工具軌跡を描画させるためのボタンである。工具軌跡描画ボタン83が押下されると、選択された加工対象物を、選択された工作機械で加工する際の加工対象物と工具軌跡とが、形状・工具軌跡描画領域84に表示される。
形状・工具軌跡描画領域84は、加工対象物61C(切削素材)の形状や、切削工程での工具の軌跡が描画される領域である。ユーザ4は、形状・工具軌跡描画領域84を参照することにより、切削工程の確認を行うことができる。
補正プログラム送信ボタン85は、形状・工具軌跡描画領域84に表示された切削工程を行う補正加工NCプログラムを送信するためのボタンである。補正プログラム送信ボタン85が押下されると、工作機械22に対して補正加工NCプログラムが送信される。
プログラム入力・送信ボタン86は、トレースを行う対象となる補正加工NCプログラムを入力したり、送信したりするためのボタンである。プログラム入力・送信ボタン86が押下されると、補正加工NCプログラムを入力したり、送信したりするための画面が表示され、その画面を使って、補正加工NCプログラムを入力したり、クラウドサーバ10に送信することができる。
使用機種・剛性ボタン87は、クラウドサーバ10に送信した補正加工NCプログラムが対象としている工作機械の機種と、工作に関わる剛性の情報を表示させるためのボタンである。使用機種・剛性ボタン87が押下されると、補正加工NCプログラムが対象としている工作機械の機種と、剛性の情報が表示される。
使用設計データボタン88は、補正加工NCプログラムが使用した設計データを表示させるボタンである。使用設計データボタン88が押下されると、設計データが表示される。
使用工具一覧ボタン89は、補正加工NCプログラムが対象としている使用工具の一覧を表示させるためのボタンである。使用工具一覧ボタン89が押下されると、使用工具の一覧が表示される。
解析情報ボタン90は、補正加工NCプログラムによる切削加工における解析結果を表示させるためのボタンである。解析情報ボタン90が押下されると、解析結果が表示される。
加工FB情報ボタン91は、加工FB(フィードバック)の情報を表示させるためのボタンである。加工FB情報ボタン91が押下されると、加工FBの情報が表示される。
図2の説明に戻り、切削管理用計算機21において補正プログラム送信ボタン85が押下されると、切削管理用計算機21は、補正NCプログラムを対象の工作機械22に送信する(図2(5))。
これにより、工作機械22は、切削管理用計算機21から補正加工NCプログラムを受信する。工作機械22は、受信した補正加工NCプログラム内に記述されている切削加工対象物のIDと、工作機械22の加工ステージに載せている加工対象物61CのIDとが一致しているか否かを確認し、一致している場合には、ユーザ2からの作成指示を受けて、補正加工NCプログラムを実行することにより、加工対象物61Cに対する切削加工を行う(図2(6))。なお、工作機械22は、ユーザ2から作成指示を受け付けずに、切削加工を行うようにしてもよい。この場合、切削管理用計算機21のユーザ4は、予め工作機械22に運搬される加工対象物61CのIDと、補正加工NCプログラム内に記述されている加工対象物のIDとの一致を確かめておくことが好ましい。
上記した処理によると、指定の加工対象物61B(又は加工対象物61C)及び選択した工作機械22の機械特性に基づいて、加工NCプログラムが生成されて、加工NCプログラムが選択された工作機械22により実行されて、加工対象物61Dの製造(加工)が行われる。このため、加工対象物61Dの加工精度を適切に維持できる。
次に、ユーザ(切削素材加工者)2が、加工対象物61Cの切削加工が終了した加工対象物61Dが公差内であるか否かを確認する処理として、加工対象物61Dの形状に関する情報を取得する。ここで、形状に関する情報の取得方法としては、レーザ計測器等を用いて測定して取得してもよいし、ノギス等によってユーザ2が測定を行うことにより取得してもよい。なお、レーザ計測器等を用いる場合には、レーザ計測器等から切削管理用計算機21に測定データを直接格納させるようにしてもよい。
切削管理用計算機21は、ユーザ4から加工対象物61Dについての形状に関する情報を受け付けて、クラウドサーバ10に送信する(図2(7))。ここで、切削管理用計算機21は、加工対象物61Dについての形状に関する情報に、入力された日時の情報を含めて送信する。
本実施形態では、ユーザ4は、切削管理用計算機21に表示された形状入力画面100(図5参照)を用いて、切削管理用計算機21に形状に関する情報を入力してクラウドサーバ10に送信することができる。
ここで、形状入力画面100を使っての形状に関する情報についての入力について説明する。
図5は、第1実施形態に係る切削管理用計算機の形状入力画面の構成図である。
形状入力画面100は、ワークNo入力ボタン101と、測定情報入力ボタン102と、入力データ送信ボタン103と、形状描画領域104とを含む。
ワークNo入力ボタン101は、形状に関する情報を入力する加工対象物のIDを入力するためのボタンである。ワークNo入力ボタン101を押下すると、ワークNo入力画面が表示され、加工対象物のIDを入力することができる。なお、切削加工を行った場合においては、加工対象物のIDは加工NCプログラムに紐づけされているため、加工NCプログラムに対応する加工対象物IDが自動で入力される。
測定情報入力ボタン102は、レーザ計測器等で測定した情報を読込むためのボタンである。測定情報入力ボタン102が押下されると、測定した情報のデータを選択する画面が表示され、データを選択することにより、測定情報を読込むことができる。
入力データ送信ボタン103は、入力された形状に関する情報をクラウドサーバ10に送信するためのボタンである。入力データ送信ボタン103が押下されると、形状入力画面100において入力された形状に関する情報がクラウドサーバ10に送信される。
形状描画領域104は、加工対象物の形状や寸法が編集可能に表示される領域である。例えば、測定情報入力ボタン102が押下されて測定した情報のデータが選択された場合には、形状描画領域104には、測定した形状や寸法等が表示される。また、形状描画領域104においては、ユーザ4が手動で計測した場合においては、形状における各寸法を入力することができる。
形状入力画面100により形状に関する情報を入力する場合には、例えば、ユーザ4は、ワークNo入力ボタン101を押下して、対象となる加工対象物のIDを入力する。次いで、加工対象物についてレーザ測定器等で取得してデータとして取り込んでいる場合には、ユーザ4は、測定情報入力ボタン102を押下して取り込んでいるデータを指定することにより、加工対象物61Dの形状に関する情報を入力する。
一方、加工対象物61Dについて手動で測定した場合には、ユーザ4は、形状描画領域104において、加工対象物61Dの形状や寸法を入力する。なお、加工対象物の形状については、予めクラウドサーバ10等に登録しておき、特定された加工対象物61DのIDに対応する形状が形状描画領域104に表示されるようにしておき、ユーザ4は寸法のみを入力するようにしてもよい。この形状に関する情報の入力は、加工後の加工対象物61Dが公差内であるか否かに問わらずに実行される。
加工対象物61Dの形状に関する情報が入力された後には、ユーザ4は、入力データ送信ボタン103を押下することにより、入力された形状に関する情報をクラウドサーバ10に送信する。これにより、切削管理用計算機21からクラウドサーバ10に対して加工対象物61Dの形状に関する情報が送信され、クラウドサーバ10の保管モジュール12の加工対象物管理テーブルに保管されることとなる。
加工対象物61Dの形状に関する情報を取得したクラウドサーバ10においては、演算モジュール13が、加工対象物61Dの形状に関する情報が、製品ごとに指定されている公差内であるか否かを判別する。演算モジュール13は、加工対象物61Cに対して加工NCプログラムを実行した切削加工について解析することにより得られた加工後の形状(解析形状データと呼ぶ)と、加工対象物61Dにおける形状に関する情報(実形状データと呼ぶ)とを併せて加工対象物管理用テーブルに格納する。
図2の説明に戻り、演算モジュール13は、解析形状データと実形状データとについて、各加工対象物の形状を成す各線分乃至円弧ごとの寸法を比較して、その差を各線分乃至円弧ごとに算出する(図2(8))。なお、加工対象物61Dの形状に関する情報は、寸法公差であってもよい。解析形状データは、公差を持たない寸法値であるため、演算モジュール13は、例えば、実形状データを成す各線分ないし円弧ごとの差分を取った値(差分値:誤差情報)を算出する。演算モジュール13は、差分値に関する情報を加工対象物管理用テーブルに蓄積する。
演算モジュール13は、加工対象物管理テーブルに加工後の加工対象物の形状を成す各線分乃至円弧ごとに蓄積した誤差情報を分析し、想定される誤差要因を特定する。例えば、切削加工の中の旋削加工において、形状を成す各線分乃至円弧ごとの誤差が同じ工具の加工経路に依存している場合には、演算モジュール13は、誤差要因を工具摩耗と判断する。なお、誤差要因を特定するための閾値は、その誤差が発生する頻度や大きさ等によって指定できるようにしてもよい。
また、工作機械22に固定される加工対象物の固定部から離れるほど誤差が大きくなっている場合は、演算モジュール13は、誤差要因を、固定部の材料保持力の不足、若しくは機械特性の経年劣化と特定する。また、演算モジュール13は、加工対象物の固定部から離れるほど大きくなる誤差が、定常的に発生しておらず特定の加工でのみ発生するときは、誤差要因を固定部の材料保持力の不足と判定する。また、誤差要因が機械特性の経年劣化である場合には、或る特定の工作機械でのみ同じ誤差傾向であり、かつ機械特性の更新日が暫く経過している等の特徴がみられるので、このような特徴があれば、演算モジュール13は、誤差要因を機械特性の経年劣化であると特定する。
また、切削加工の中の旋削加工において、誤差の最大値と最小値との差分が大きい場合には、演算モジュール13は、誤差要因を加工対象物が3次元的に歪んでいたこと特定してもよい。また、寸法公差に影響する加工対象物の誤差が発生した場合には、このような誤差は、機械加工(例えば、切削加工)中に起こりにくいため、誤差要因を、非切削加工時に発生した誤差であると特定してもよい。この誤差要因の特定における閾値は、誤差の発生頻度や、最大と最小値との差分の大きさ等を指定してもよい。なお、特に閾値を設定しない場合は、機械加工における寸法公差の値を閾値として設定してもよい。
また、演算モジュール13は、複数の加工対象物61Dについての公差内と公差外とに加工された数の比から不良率(実加工不良率と呼ぶ)を算出する。次いで、演算モジュール13は、実加工不良率と、切削工程工場のユーザが設定した目標不良率とを比較する。実加工不良率が目標不良率を超える場合は、演算モジュール13は、誤差要因を切削工程における誤差要因と、切削素材加工工程における誤差要因とに分類し、切削工程での誤差要因については、切削管理用計算機21のユーザ4に対してその内容を通知する。このように、切削工程での誤差要因の内容をユーザ4に通知することにより、切削工程工場では、誤差要因の影響を低減するように製造を行うことにより、加工対象物の品質を向上させることができる。
加工対象物61Dについての実加工不良率が目標不良率を超えない場合には、演算モジュール13は、切削工程での処理効率を向上させるように、NC加工プログラムの補正条件を変更してもよい。この場合におけるNC加工プログラムの補正条件については、切削管理用計算機21のユーザ4から受け付けてもよいし、演算モジュール13が現在の条件に基づいて適正な値を決定するようにしてもよい。ここで、補正条件としては、目標不良率に対する影響がない又は少ない補正条件であることが好ましく、例えば、加工対象物の送り速度や、工具の加工経路であってもよい。このように、補正条件を変更することにより、目標不良率を維持したまま、切削工程における処理効率を向上させることができる。
一方、非切削加工での誤差要因については、演算モジュール13は、誤差情報に基づいて、非切削加工用の製品図面案、すなわち、加工対象物61B(切削素材)を作成するための目標形状の図面案を更新する(図2(9))。例えば、非切削加工での誤差要因がある場合には、演算モジュール13は、誤差の閾値を越えた線分又は円弧(誤差部)において、切削素材の製品図面(すなわち、非切削加工での目標形状の図面)を更新する。具体的には、演算モジュール13は、閾値を越えた誤差部を特定し、誤差部が線分である場合には、加工対象物61Dにおいて寸法公差の指定のある線分を抽出し、平行かつ最も近い位置である線分を特定する。その後、演算モジュール13は、非切削加工の製品図面の特定された線分に対して指定されている寸法或いは公差の少なくとも一方を誤差の種類と程度に応じて更新する。なお、演算モジュール13は、更新された図面案に基づいて、NC加工プログラムを生成又は更新し、切削管理用計算機21に渡し、以降の切削加工に利用させるようにしてもよい。このようにすると、以降の切削工程における加工対象物の品質を向上することができる。
次いで、演算モジュール13は、素材管理用計算機31のユーザ5に誤差要因の内容を通知し、併せて、更新した非切削加工用の製品図面(図面案)を送付する(図2(10))。なお、演算モジュール13は、伝送後に更新した製品図面の更新情報を加工対象物管理テーブルに格納する。
素材管理用計算機31は、誤差要因の内容及び更新後の製品図面を受け取り格納する。素材管理用計算機31においては、ユーザは、図面確認画面110(図6参照)を利用して、製品図面を表示させて確認でき、更に、製品図面を認可するか否か等の指示を行うことができる。
図6は、第1実施形態に係る素材管理用計算機の図面確認画面の構成図である。
図面確認画面110は、更新図面表示ボタン111と、更新図面認可ボタン112と、更新図面不認可ボタン113と、更新図面表示領域114とを含む。
更新図面表示ボタン111は、更新された切削素材の製品図面を表示させるためのボタンである。更新図面表示111が押下されると、更新された切削素材の製品図面が更新図面表示領域114に表示される。
更新図面認可ボタン112は、更新図面表示領域114に表示された製品図面を認可するためのボタンである。更新図面認可ボタン112が押下されると、更新図面表示領域114に表示された製品図面を認可したとして、製品図面の情報を切削素材加工機32に送信する。
更新図面不認可ボタン113は、更新図面表示領域114に表示された製品図面を不認可するためのボタンである。更新図面不認可ボタン113が押下されると、更新図面表示領域114に表示された製品図面を不認可したとして、製品図面の情報を切削素材加工機32に送信せずに処理を終了する。
更新図面表示領域114は、更新図面が表示される領域である。更新図面表示領域114においては、更新された寸法及び公差については、更新されたことを認識可能な更新箇所情報115として表示される。
図2の説明に戻り、素材管理用計算機31のユーザ5は、図面確認画面110において、更新図面表示ボタン111を押下することにより、更新された製品図面を更新図面表示領域114に表示させることができる。ユーザ5は、更新図面表示領域114に表示された更新図面を確認し、図面の更新箇所情報115を参照することにより、更新内容を把握することができる。
ユーザ5は、更新図面の内容を確認して、非切削加工工程におけるパラメータや加工条件等を変更して、更新図面が要求する寸法・公差を満足できるか否か、すなわち、更新図面を認可するか否かを判断することとなる。ユーザ5は、この結果に応じて、更新図面認可ボタン112又は更新図面不認可ボタン113のいずれかを選択して押下することとなる。
更新図面認可ボタン112が押下された場合には、素材管理用計算機31は、更新された製品図面を切削素材加工機32に送信する。この結果、切削素材加工機32は、受け取った製品図面を表示する。これにより、ユーザ3は、製品図面を確認することができる。
図2の説明に戻り、切削素材加工機32は、ユーザ3から非切削加工における加工条件の更新を受け付ける(図2(12))。ユーザ3は、例えば、非切削加工が鍛造加工であれば、鍛造金型の設計における条件を変更してもよい。
切削素材加工機32は、更新された加工条件に従って、非切削加工を行う(図2(13))。なお、更新図面不認可ボタン113が押下された場合には、素材管理用計算機31は、更新後の製品図面を切削素材加工機32に送信しない。
以上の処理により、更新図面を認可した場合には、更新された図面に基づいて加工対象物61Aに対して非切削加工が行われることとなり、機械加工の対象となる加工対象物61B(61C)を、後の工程である機械加工での寸法精度に影響を与える誤差の発生を抑制することのできる形状とすることができる。これにより、機械加工後の加工対象物61Dを高精度且つ低不良なものにすることができる。
<バリエーション>
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。また、下記で説明した処理は組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。また、下記で説明した処理は組み合わせて用いてもよい。
例えば、上記実施形態において、加工対象物61Dについての実加工不良率が目標不良率を超えない場合に、演算モジュール13は、誤差要因の内容を、素材管理用計算機31又は切削管理用計算機21に通知するようにしてもよい。
また、上記実施形態において、クラウドサーバ10の演算モジュール13は、更新した非切削加工用の製品図面(図面案)を素材管理用計算機31に送信するようにしていたが、本発明はこれに限られず、例えば、製品図面に代えて、又は製品図面とともに誤差情報を送信するようにしてもよい。すなわち、クラウドサーバ10の演算モジュール13は、製品図面又は誤差情報の少なくとも一方を素材管理用計算機31に送信するようにしてもよい。
<<第2実施形態>>
<<第2実施形態>>
次に、第2実施形態に係る加工管理システム1Aについて説明する。
図7は、第2実施形態に係る加工管理システムの全体構成図である。なお、図7においては、第1実施形態に係る加工管理システム1と同様な構成、対象については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第1実施形態に係る加工管理システム1では、クラウドサーバ10に関係するユーザとして、切削素材加工工場30のユーザ及び切削加工工場20のユーザのみを想定した構成としていたが、加工管理システム1Aは、クラウドサーバ10Aに関係するユーザとして、製造関係者15として、更に、製品(加工対象物)の企画・開発者131や、工程設計者132を加えるとともに、製造関係者15以外の更に、加工対象物の加工を受注する受注者121と、加工対象物61Aを調達する調達者122と、加工対象物61A,61B,61C,61Dの運搬を行う物流業者123と、加工された加工対象物61Dを買い取る製品買取者124と、クラウドサーバ10の保守を行うサーバ保守者125とを加えたユーザを想定した構成となっている。
加工管理システム1Aは、管理計算機の一例としてのクラウドサーバ10Aと、切削加工工場20の計算機(切削管理用計算機21及び工作機械22)と、切削素材加工工場30の計算機(素材管理用計算機31及び切削素材加工機32)と、受注者121の受注者用計算機143と、調達者122の調達者用計算機144と、物流業者123の物流用計算機145と、製品買取者124の製品買取者用計算機146と、サーバ保守者125のサーバ保守者用計算機147と、企画・開発者131の企画・開発者用計算機141と、工程設計者132の工程設計者用計算機142と、を備える。クラウドサーバ10Aと、各計算機とは、ネットワークを介して接続されている。ネットワークは有線ネットワークでも無線ネットワークでもよい。
クラウドサーバ10Aは、伝送モジュール11Aと、保管モジュール12Aと、演算モジュール13Aとを備える。伝送モジュール11A、保管モジュール12A、及び演算モジュール13Aは、それぞれ、第1実施形態に係るクラウドサーバ10の伝送モジュール11、保管モジュール12、及び演算モジュール13に対して追加の機能を有している。
クラウドサーバ10Aは、加工対象物61B及び61Dの形状に関する情報に対して、この情報に関する情報を取得した時間を関連付けて保管モジュール12Aに格納する。また、クラウドサーバ10Aは、加工対象物61C、加工対象物61Dの形状に関する誤差情報を保管モジュール12Aに格納する。なお、クラウドサーバ10Aが格納する加工対象物の種類は1以上でよい。
クラウドサーバ10Aは、加工対象物の種類の入力(加工対象物に関する情報の要求の一例)を受け付けると、加工対象物61の加工開始及び終了履歴を参照して、製造工程の履歴と、製造工程の予測とを入力先に出力する。なお、製造工程の予測は、加工対象物を切削加工工場20で加工する際に入力される開始時間と終了時間とから算出される実績ベースの加工時間を用いて求めてもよい。クラウドサーバ10Aは、高精度かつ高効率な加工プログラムを生成するため、従来の加工NCプログラムに比べて加工時間の予測精度を向上できる。また、実績ベースの加工時間を用いて製造工程の予測を行うと、何らかの不具合により、工場(20或いは30)の加工工程の開始時間や終了時間が変更された場合も製造工程の予測を変更することができる。また、製造工程の予測においては、工場の休憩時間や休日等の非稼働時間を別途設定して使用してもよい。
例えば、受注者用計算機143を介して受注者121から受注を検討する加工対象物の種類と受注数との入力(加工対象物に関する情報の要求の一例)を受け付けると、クラウドサーバ10Aは、保管モジュール12Aの加工対象物テーブルにアクセスし、加工対象物テーブルの加工対象物の製造工程情報を参照し、現在の加工対象物に対する製造工程状況を特定し、特定した製造工程状況を受注者用計算機143に出力する。これにより、受注者121は、入力した製品種類に関連する製造工程の進捗を確認でき、かつ工程状況をリアルタイムに確認できる。なお、クラウドサーバ10Aは、加工対象物の製造工程の予測を加工対象物の誤差情報に基づいて算出し、製造工程の予測を受注者用計算機143に出力するようにしてもよい。このようにすると、受注者143は、加工対象物の製造工程予測を閲覧できる。この後、受注者121は、製造工程の予測の状況から、製品の受け入れ可能な数を判断して、製品の受注数を調整できる。また、調達者用計算機144を介して調達者122から調達予定の加工対象物の種類と調達数との入力を受け付けた場合には、クラウドサーバ10Aは、上記同様な処理を行う。
また、クラウドサーバ10Aの保管モジュール12A内に格納されている加工対象物管理テーブルを用いて、各工場(20,30)の加工対象物IDに対応する加工対象物の加工有無から、工場毎の加工前後の製品数の保管及び更新を行っている。これにより、工場毎の加工対象物61の在庫数及び加工終了時間予測から予測在庫数を把握できる。
ここで、物流業者用計算機145を介して物流業者123から工場の指定及び在庫数の要求の入力を受け付けると、クラウドサーバ10Aは、その工場における在庫数及び在庫予測数を算出し、算出結果を物流業者用計算機145に出力する。なお、クラウドサーバ10Aは、在庫数をリアルタイムで表示・更新して物流業者用計算機145に出力してもよい。これにより、物流業者123は、物流計画をより適正化した物流を実現できる。
更に、クラウドサーバ10Aに接続している複数の工場(20或いは30)の管理計算機(素材管理用計算機31或いは切削管理用計算機21)は、クラウドサーバ10Aの保管モジュール12A内に格納している上記加工対象製品ごとの製造工程予測情報、予測在庫数情報を取得し、これらの情報に基づいて、一方の工場は製造工程に余裕があると予測され、他方の工場は、現在の製造能力では処理しきれない製品を抱えていると予測されている場合、いずれか一方の管理計算機が、製品融通のためのリクエスト(加工対象物に関する情報の要求の一例)を、クラウドサーバ10Aに送信する。
クラウドサーバ10Aは、このリクエストを受理すると、保管モジュール12A内に格納する各々の工場における製造工程予測情報を比較し、製造工程に余裕がある工場ではどの程度追加の製造が行えるかの情報を製造工程予測情報から算出する。
クラウドサーバ10Aは、保管モジュール12Aの加工対象物管理テーブルの情報を取得し、融通を行う加工対象物の候補を選定する。この選定においては、クラウドサーバ10Aは、保管モジュール12Aに格納している加工対象物の納期や、融通製品の種類統一性、融通先の工作機械用管理テーブルにおける工作機械ごとの加工可能な製品の寸法情報などを考慮してもよい。その後、クラウドサーバ10Aは、製品融通後の製造予測情報を算出し、その結果を両工場の管理計算機に対して通知する。この通知を受けた管理計算機を介して各工場のユーザが互いに承諾すると、選定された加工製品を融通することができる。これにより、1工場にとどまらず複数の工場において、適正な製品量を加工できるようになる。
クラウドサーバ10Aは、製品ごとの受注・販売に関する情報(受注先、受注数、販売先、販売数等)を保管モジュール12A内に蓄積してもよい。
販売先で製品の不具合が起こり、例えばリコールを行うなどの場合、クラウドサーバ10Aは、販売先情報に基づいて、不具合が発生した加工対象物IDを保管モジュール12Aの加工対象テーブルから同定し、不具合が発生していると想定される製品群を分類する。例えば、切削工場のユーザ2、切削素材加工工場のユーザ3、製品買取者124、サーバ保守者125等が各ユーザの計算機を介してリコール情報請求の入力(加工対象物に関する情報の要求の一例)を行うと、クラウドサーバ10Aがこの入力を受けて、加工対象物管理テーブルを参照し、製品種類情報や加工誤差の位置情報、加工誤差要因等の情報に基づいて、特徴の傾向を分析する。例えば、製品買取者124が製品買取者用計算機146を介して製品の不具合情報をクラウドサーバ10Aに入力すると、クラウドサーバ10Aは、保管モジュール12A内の加工対象物管理テーブルを参照し、加工対象物IDごとにその材質、加工時期、加工プログラム、工作機械、工具情報、誤差要因、誤差の位置情報に基づいて、不具合が発生した製品のIDと同じ属性を持つ加工製品IDを抽出する。例えば、クラウドサーバ10Aは、工具種類に紐づけられた加工製品IDを抽出したり、同じ加工誤差要因に紐づけられた加工製品IDを抽出したりする。次いで、クラウドサーバ10Aは、抽出した加工製品IDと、抽出するために使用した情報とを、製品買取者124の製品買取者用計算機146に出力する。製品買取者124は、製品買取者用計算機146に表示された加工製品IDを、不具合原因と照らし合わせることにより、どの要因により製品の不具合が起こったのかの予測することができ、従来と比べて予測精度を向上することができる。これにより、製品のトレーサビリティを確保しつつ適正な量のリコールをかけることができる。なお、不具合発生中の製品製造を停止する目的で、クラウドサーバ10Aは、サーバ保守者125のサーバ保守者用計算機147に、不具合が発生した製品のIDと同じ属性を持つ加工製品IDを通知するようにしてもよい。
なお、クラウドサーバ10Aが不具合発生の加工対象物IDを同定・抽出できない場合には、加工対象物管理テーブル内における加工対象物製品情報・受注情報・販売情報から同じ属性の加工対象物IDを抽出して、同じ属性の加工対象物IDを入力元の計算機に送信するようにしてもよい。
これにより、製品の不具合要因が前工程で起きた不具合である可能性がある旨を、クラウドサーバ10Aに連携していない前工程製造工場、素材メーカ等に知らせることができると同時に、製品における製造工程全体において、どの工程で不具合が起きたかの要因判別をスムーズに行うことができる。
また、クラウドサーバ10Aは、計算機を介して加工対象物の種類の入力(加工対象物に関する情報の要求の一例)を受け付けると、保管モジュール12A内のテーブルを参照し、受け付けた加工対象物の種類に関する不良率と、主な誤差要因とを特定して、これら情報を入力元の計算機に出力する。例えば、切削加工工場20のユーザ2により、切削管理用計算機21を介して、加工対象物61の種類を指定した不良率と誤差要因との出力要求がクラウドサーバ10Aに入力されると、クラウドサーバ10Aは、製品種類に関する加工対象物の誤差要因とその不良率とを特定し、これらの情報を切削管理用計算機21に出力する。ここで、例えば、クラウドサーバ10Aは、加工対象物の不良率が、加工を行った作業者(切削加工者)に依存している場合、例えば、或る作業者の加工時に不良率が高い場合等には、誤差要因を作業者依存として判定してもよい。
例えば、クラウドサーバ10Aが、誤差要因として、作業者依存であることを切削管理用計算機21に出力することにより、その作業者が行う加工方法の教育に役立てることが可能となる。例えば、クラウドサーバ10Aが、不良率と誤差要因との内容と、それらが特定の作業者によるものとの判定結果を切削管理用計算機21に出力することにより、ユーザ2は、誤差要因が特定の作業者による材料固定の保持力の不足が誤差要因と推定することができ、この誤差要因をその作業者に指摘することで不良率ないし再加工頻度を低減できる。このように、切削加工工場20のユーザ2は、製造工程の主な不良原因を把握して、対策を取ることができる。
また、製品の企画・開発者131から企画・開発者用計算機141を介して、クラウドサーバ10に対して図面要求の入力(加工対象物に関する情報の要求の一例)が行われると、クラウドサーバ10Aは、同じ工場内で加工された加工対象物61の加工誤差に基づいて更新した図面情報を企画・開発者用計算機141に送信する。これにより、企画・開発者131は、製品に関する最新の寸法・公差情報を参照でき、製品の設計段階から高品質化が可能となる。また、クラウドサーバ10Aによって製品の高品質・高精度な加工が可能となるために、工程設計者132は、製造工程計画を簡易にでき、製造中のトラブルによる工程修正の時間を低減できる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
例えば、上記第2実施形態において、加工対象物に関する情報を要求する際に指定する情報としては、上記に限られず、具体的には、日時、切削加工基礎データ、加工プログラム生成条件、ID、非機械加工後の加工対象物の形状情報との少なくとも1つを用いてもよい。これにより、加工対象物に関する情報を種々の情報を利用して取得することができる。
また、上記実施形態におけるプロセッサの一例としては、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)が考えられるが、所定の処理を実行する主体であれば他の半導体デバイスでもよい。
また、上記実施形態において、保管モジュール12(12A)又は計算機のプロセッサが行っていた処理の一部又は全部を、ハードウェア回路で行うようにしてもよい。また、上記実施形態におけるプログラムは、プログラムソースからインストールされてよい。プログラムソースは、プログラム配布サーバ又は記憶メディア(例えば可搬型の不揮発性の記憶メディア)であってもよい。
1,1A 加工管理システム、2,3,4,5 ユーザ、10,10A クラウドサーバ、11,11A 伝送モジュール、12,12A 保管モジュール、13,13A 演算モジュール、20 切削加工工場、21 切削管理用計算機、22 工作機械、30 切削素材加工工場、31 素材管理用計算機、32 切削素材加工機、61 加工対象物、70 形状入力画面、80 切削管理用画面、100 形状入力画面、110 図面更新管理画面
Claims (14)
- 機械加工を管理するための機械加工管理用計算機と、加工対象物を機械加工用の加工対象物へ加工する非機械加工を管理するための素材管理用計算機と、前記機械加工管理用計算機及び前記素材管理用計算機に接続された加工管理計算機と、を備える情報処理システムであって、
前記加工管理計算機は、
(1)前記機械加工用の加工対象物の形状に関する情報を受け付け、機械加工での工具、機械加工用の加工対象物の素材、機械加工での設備の剛性、或いは前記機械加工用の加工対象物における中心線のずれ量の少なくともいずれか一つの要素に基づいて、工作機械での前記機械加工に用いる加工プログラムを生成し、
(2)前記加工プログラムを前記機械加工管理用計算機に送信し、
(3)前記機械加工管理用計算機から、機械加工後の加工対象物の形状に関する情報を取得し、
(4)前記機械加工後の加工対象物の形状に関する情報に基づいて、機械加工後の加工対象物の目標形状との機械加工誤差に関する情報を特定し、
(5)前記機械加工誤差に関する情報、又は、前記機械加工誤差に関する情報に基づいて補正した前記非機械加工後の加工対象物についての目標形状を、前記素材管理用計算機に送信する
情報処理システム。 - 請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記加工管理計算機は、
補正した前記目標形状に基づいて、工作機械での前記機械加工に用いる加工プログラムを生成する
情報処理システム。 - 請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記加工管理計算機は、
前記機械加工後の加工対象物の形状に関する情報又は機械加工誤差に関する情報に基づいて、前記機械加工誤差の要因を特定し、前記機械加工誤差の要因を、前記素材管理用計算機に送信する
情報処理システム。 - 請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記加工管理計算機は、
前記機械加工後の加工対象物の形状に関する情報に基づいて、前記機械加工後の加工対象物が所定の加工精度を満たしているか否かを判定し、所定の加工精度を満たしている場合に、機械加工における効率がより高くなるように加工条件を変更して前記加工プログラムを更新する
情報処理システム。 - 請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記加工管理計算機は、
前記加工プログラムの前記機械加工における工具の送り速度又は工具の加工経路の少なくとも一方についての加工条件を変更する
情報処理システム。 - 請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記加工管理計算機は、
前記(1)において、機械加工での工具、機械加工用の加工対象物の素材、機械加工での設備の剛性、或いは機械加工用の加工対象物における中心線のずれ量の中の複数の要素に基づいて、工作機械での前記機械加工に用いる加工プログラムを生成する
加工管理システム。 - 機械加工を管理するための機械加工管理用計算機と、加工対象物を機械加工用の加工対象物へ加工する非機械加工を管理するための素材管理用計算機と、前記機械加工管理用計算機及び前記素材管理用計算機に接続された加工管理計算機と、を備える情報処理システムであって、
前記加工管理計算機は、
(1)非機械加工後の加工対象物の形状に関する情報を受け付け、機械加工での工具、機械加工用の加工対象物の素材、機械加工での設備の剛性、或いは機械加工用の加工対象物における中心線のずれ量の少なくともいずれか一つの要素に基づいて、工作機械での前記機械加工に用いる加工プログラムを生成し、
(2)前記加工プログラムを前記機械加工管理用計算機に送信し、
(3)前記機械加工管理用計算機から、機械加工後の加工対象物に関する情報を取得して蓄積し、
(4)前記機械加工後の加工対象物に関する情報の要求を受け付けた場合に、前記機械加工後の加工対象物に関する情報を要求元に送信する
情報処理システム。 - 請求項7に記載の情報処理システムにおいて、
前記機械加工後の加工対象物に関する情報を、日時、加工基礎データ、加工プログラム生成条件、ID、非機械加工後の加工対象物の形状情報との少なくとも1つに対応付けて記憶し、
前記加工管理計算機は、
前記(4)において、前記機械加工後の加工対象物に関する情報に対応付けられているいずれかの情報の指定を受け付け、受け付けた情報の指定に対応する前記機械加工後の加工対象物に関する情報を特定して前記要求元に送信する
情報処理システム。 - 機械加工を管理するための機械加工管理用計算機と、加工対象物を機械加工用の加工対象物へ加工する非機械加工を管理するための素材管理用計算機と、前記機械加工管理用計算機及び前記素材管理用計算機に接続された加工管理計算機と、を備える情報処理システムによる加工管理方法であって、
前記加工管理計算機は、
(1)前記機械加工用の加工対象物の形状に関する情報を受け付け、機械加工での工具、機械加工用の加工対象物の素材、機械加工での設備の剛性、或いは前記機械加工用の加工対象物における中心線のずれ量の少なくともいずれか一つの要素に基づいて、工作機械での前記機械加工に用いる加工プログラムを生成し、
(2)前記加工プログラムを前記機械加工管理用計算機に送信し、
(3)前記機械加工管理用計算機から、機械加工後の加工対象物の形状に関する情報を取得し、
(4)前記機械加工後の加工対象物の形状に関する情報に基づいて、機械加工後の加工対象物の目標形状との機械加工誤差に関する情報を特定し、
(5)前記機械加工誤差に関する情報、又は、前記非機械加工後の加工対象物についての前記機械加工誤差に関する情報に基づいて補正した目標形状を、前記素材管理用計算機に送信する
加工管理方法。 - 請求項9に記載の加工管理方法において、
前記加工管理計算機は、
前記目標形状に基づいて、工作機械での前記機械加工に用いる加工プログラムを生成する
加工管理方法。 - 請求項9に記載の加工管理方法において、
前記加工管理計算機は、
前記機械加工後の加工対象物の形状に関する情報又は機械加工誤差に関する情報に基づいて、前記機械加工誤差の要因を特定し、前記機械加工誤差の要因を、前記素材管理用計算機に送信する
加工管理方法。 - 請求項9に記載の加工管理方法において、
前記加工管理計算機は、
前記機械加工後の加工対象物の形状に関する情報に基づいて、前記機械加工後の加工対象物が所定の加工精度を満たしているか否かを判定し、所定の加工精度を満たしている場合に、機械加工における効率がより高くなるように加工条件を変更して前記加工プログラムを更新する
加工管理方法。 - 請求項12に記載の加工管理方法において、
前記加工管理計算機は、
前記加工プログラムの前記機械加工における工具の送り速度又は工具の加工経路の少なくとも一方についての加工条件を変更する
加工管理方法。 - 請求項9に記載の加工管理方法において、
前記加工管理計算機は、
前記(1)において、機械加工での工具、機械加工用の加工対象物の素材、機械加工での設備の剛性、或いは機械加工用の加工対象物における中心線のずれ量の中の複数の要素に基づいて、工作機械での前記機械加工に用いる加工プログラムを生成する
加工管理方法。
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