JP2022061899A - 変調符号の生成方法およびホログラム記録再生装置 - Google Patents

変調符号の生成方法およびホログラム記録再生装置 Download PDF

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Nobuhiro Kinoshita
祐太郎 片野
Yutaro Katano
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Terukichi Nobukawa
哲彦 室井
Tetsuhiko Muroi
紀彦 石井
Norihiko Ishii
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Abstract

【課題】振幅位相多値のホログラム技術において、再生時にノイズの影響を小さくし、読取り値のばらつきを低減することでビット誤りを低減し、データを正しく復元させ得る変調符号の生成方法およびホログラム記録再生装置を提供する。【解決手段】 情報記録用のホログラム記録媒体に記録される、入力信号に基づくページデータ102aの画像要素として構成するとともに、少なくとも2値の階調を有する、互いに隣接する複数のシンボル22、23をグループ化してブロック21を形成する変調符号の生成方法であって、シンボル22、23の各々に複素振幅値を付与し、ブロック21内の少なくとも1つのシンボル23に所定の振幅と所定の位相を付与して、基準シンボル23として設定する。【選択図】図2

Description

本発明は、記録すべきページデータを構成するホログラムシンボル等の変調符号を生成する方法、およびこの方法を用いて生成されたホログラムシンボルによりページデータを生成して、これをホログラム記録媒体に記録し、さらにこれを再生するホログラム記録再生装置に関するものである。また、大規模な情報アーカイブ装置およびそれを利用したアーカイブシステムに寄与するものであって、デジタルライブラリー、医療機関におけるデータ管理、あるいは映像アーカイブス等への適用が可能な変調符号の生成方法およびホログラム記録再生装置に関する。
近年、大容量かつ高速な情報記録再生システムとしてホログラムメモリーが注目されている。ホログラムメモリーは、光源からの光を分割して得られたコヒーレント光である参照光および信号光を干渉させ、これにより生じた干渉縞を記録媒体に屈折率変化として記録する。
信号光は、液晶パネルなどの空間光変調器に表示された「ページデータ」と称される2次元データ画像により空間的に変調されて得られるもので、この後レンズを通じて記録媒体へ照射される。
ページデータは画素毎に明点もしくは暗点とした明暗パターンであり、例えば記録すべきデータが1または0の2値データの並びであるとすれば、これを2次元的に順序よく配列し、1を明点、0を暗点に対応させて表示したものである。1つの明点または暗点は空間光変調器の1つの画素で構成されるとは限らず、例えば縦3画素、横3画素の計9画素等の、隣接する複数画素で構成することもあるので、これ以降、1つの画素のみならず、複数画素のグループ全体として1つの明点、暗点を形成する単位も「シンボル」と称することとする。
ところで、上記のようなホログラムメモリーは、参照光の条件(例えば記録媒体への入射角度、波長、あるいは波面など)を変化させながら、媒体の同一箇所に複数のページデータを多重して記録することにより高密度化・大容量化が可能である。多重記録の方式としてはこれまで、上述した参照光の条件に応じた種々のものが提案されている。そのうち角度多重方式は媒体を光学系に対し静止させた状態で、参照光の媒体入射角度を変化させることにより、媒体の同一箇所に異なるホログラム、すなわち異なるページデータを重ね書きする。このため、ホログラムメモリーを容易に高密度記録化することが可能である。
ホログラムメモリーに記録されたページデータの再生時には、参照光の媒体入射角度を記録時と同一の角度となるように選択すれば、ブラッグの回折条件を満たすホログラムからのみ強い回折光が生じ、これにより一つのページデータを選択的に再生することができる。
再生光はイメージセンサで撮像する。撮像された再生像には記録したページデータが含まれているので、この領域を特定し、補間などの座標変換を用いて元のページデータに応じた配列に並べ替える。その後、デインターリーブ、誤り訂正などの信号処理を施すことにより元のページデータを復元できる。このような一連の流れは、例えば後述する非特許文献1や後述する特許文献1に詳述されている。
ここで転送速度と記録密度・容量について考察する。ページデータの画素数としては縦横方向のいずれも1000画素~2000画素程度を配列することが一般的である。これは使用する空間光変調器の画素数にも依存して決められる。ここで、例えばページデータの画素数が縦1000画素×横1000画素の百万画素だとする。1シンボルを1画素で構成するものとし、1シンボルに1ビット(明と暗の2値)の情報量を割り当てると、1つのページデータが1Mビットの情報量を有することになる。
このとき、1つのページデータのホログラムとしての記録またはホログラムからの再生を1ミリ秒で完了させると、データ転送速度は1Gビット/秒となる。面記録密度については、例えば記録媒体面におけるホログラム面積が0.5×0.5mmであり、角度多重により400多重した場合には面記録密度1.6Gビット/平方ミリとなる。この面記録密度は約1Tビット/平方インチであり、一辺3インチの正方形の記録媒体面の全面にデータをホログラムとして記録すると、約1Tバイトの容量となる。
転送速度と密度・容量の更なる向上にむけてさまざまな手法が提案されているが、中でも多値記録は両者を同時に向上できるものとして有望である。具体的には、「多値」とは1シンボルに2値を超える輝度レベル数を割り当てることを意味する。例えば1シンボルに4値を単純に割り当てた場合、1シンボルあたりのビット数は2ビットとなり、2値に比べて転送速度も密度・容量もそれぞれ2倍に向上できる。
多値の実現には位相変調と振幅変調のどちらか、あるいはその両方を併用することが考えられるが、そのうち両方を併用する多値、すなわち「振幅位相多値ホログラムメモリー」が効果的である。なお、以降の記載において、「多値」「16値」は振幅位相多値と、それによる16値を意味することとする。また、振幅位相多値の信号は実部と虚部を持つ複素振幅値として表現されるので、以降では、振幅位相多値ホログラムメモリーの信号は複素振幅値で表すものとする。
振幅と位相をともに変調する例が下記非特許文献2や下記特許文献2、3に開示されている。
これらの文献には、振幅用の空間光変調器と位相用の空間光変調器を併用、あるいは振幅用の空間光変調器のみを使用することにより、ページデータの各シンボルに振幅と位相の両方の変調を施す手法が示されている。
特許第6518183号 特許第5862896号 特許第5988054号
木下ほか、"高精細映像再生に向けたホログラムメモリー信号処理アルゴリズム" 映像情報メディア学会論文誌, Vol.68, No.8, pp.J348-J357 (July 2014) T. Nobukawa and T. Nomura: Optics Express, Vol.24, 21001 (2016)
ところで、ホログラムの情報記録に対して各種ノイズを低減することについて、これまで種々の提案がなされているが、入力ビット列からページデータを生成するための「変調符号」については有効な生成手法が提案されていない。実際のレーザービームプロファイルは完全に均一ではないため、記録後に、再生して得られた「変調符号」の振幅値は、検出された絶対値をそのまま用いると、正しい情報読取りを行うことができない。
このため、振幅位相多値に係るホログラムの情報記録において、確実にビット誤りを低減し、正しくデータを復元することが難しかった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、振幅位相多値のホログラム技術において、再生時にノイズの影響を小さくし、読取り値のばらつきを低減することでビット誤りを低減し、データを正しく復元させ得る変調符号の生成方法およびホログラム記録再生装置を提供することを目的とするものである。
本発明の変調符号の生成方法は、情報記録用のホログラム記録媒体に記録される、入力信号に基づくページデータの画像要素として構成するとともに、少なくとも2値の階調を有する、互いに隣接する複数のシンボルをグループ化してブロックを形成する変調符号の生成方法であって、
前記シンボルの各々に複素振幅値を付与し、前記ブロック内の少なくとも1つのシンボルに所定の振幅と所定の位相を付与して、基準シンボルとして設定することを特徴とするものである。
また、前記ブロック内の全シンボルのうち前記基準シンボルを除外した情報担持シンボルの各々の位置を特定し、
前記情報担持シンボルのうち、振幅が0のシンボルをシンボルAの階調に、振幅が0以外のシンボルをシンボルBの階調に設定し、
前記入力信号の入力に応じて、所定の位置変換テーブルを用い、前記位置を特定された前記情報担持シンボルの各々を、前記シンボルAまたは前記シンボルBのいずれかに設定することが好ましい。
また、前記ブロック内の全シンボルのうち前記基準シンボルを除外した情報担持シンボルの各々の位置を特定し、
前記情報担持シンボルのうち、前記位置を特定された、振幅が0以外のシンボルBの各々について、
前記入力信号の入力に応じ、所定の複素振幅変換テーブルを用い、所定の複素振幅値に設定することが好ましい。
前記入力信号が所定のビット列信号である場合に、該ビット列信号のビット列のうちの一部を所定の位置変換テーブルに入力し、該入力された該ビット列のうちの一部に応じて、振幅が0のシンボルAと振幅が0以外のシンボルBのいずれかに設定するとともに、
前記ビット列信号のその余のビット列を所定の複素振幅変換テーブルに入力し、該入力された該その余のビット列に応じて、前記シンボルBとされたシンボルの各々に所定の複素振幅を付与することが好ましい。
この場合において、前記位置変換テーブルおよび前記複素振幅変換テーブルの少なくとも一方を生成する際には、最適化アルゴリズムの手法を用いて変調符号の最適化を実施することが好ましい。
この場合において、前記最適化アルゴリズムとして遺伝的アルゴリズムを用いることが可能である。
さらに、前記基準シンボルの振幅を、前記ページデータ内で設定可能な振幅の最大値に設定するとともに、前記基準シンボルの位相を0に設定することができる。
本発明のホログラム記録再生装置は、上述した、いずれかの変調符号の生成方法を用いて得られたページデータを記録再生するホログラム記録再生装置であって、
入力信号に基づき生成されたページデータのうち振幅データが表示される振幅用空間光変調手段と、該ページデータのうち位相データが表示される位相用空間光変調手段とを備え、該振幅用空間光変調手段および該位相用空間光変調手段に表示された該ページデータの振幅情報および位相情報を担持してなる信号光と、参照光とを干渉させてホログラム記録媒体に該ページデータの情報をホログラム記録するとともに、ホログラム記録された該ページデータの情報を再生する記録再生光学系と、
該再生された該ページデータの情報を撮像するイメージセンサと、から構成されてなることを特徴とするものである。
なお、本願明細書の記載においては、「シンボル」単体を複数個集合させてグループ化した「シンボル」の群を「ブロック」と称するものとする。
本発明の変調符号の生成方法およびホログラム記録再生装置によれば、シンボルをグループ化した各ブロックのうち、振幅および位相が所定の基準値に設定された基準シンボルを少なくとも1つ設けるようにしているので、当該ブロックが、光学系等における各種ノイズの影響を受けた場合にも、基準シンボルを基準として、その他のシンボルのレベル判別(振幅および位相のレベル判別)を高精度に行うことができ、入力信号をページデータに変換する際に、効率よく誤りビットの数を低減することができる。また、これにより、正しくデータを復元することが可能となる。
本発明の実施形態に係る変調符号の生成方法を用いて得られたページデータを記録再生するホログラム記録再生装置のしくみを説明するための概略図である。 本発明の実施形態に係る変調符号の生成方法により生成されたシンボルおよびブロックを示す((a)はブロックの構成を示し、(b)はブロック内のシンボル番号を示す)概念図である。 本発明の実施例に係る変調符号の生成方法により生成された複素振幅値のコンスタレーションを示すものである。 本発明の実施例に係る変調符号の生成方法において、入力されたデータ列から、それに対応するシンボルブロックを生成する様子を表す模式図である。 図4に示す実施例において、遺伝的アルゴリズムを用いて得られた最適コンスタレーションを示すものである。 図4に示す実施例において、ノイズを付加した場合におけるコンスタレーションを示すものである。
以下、本発明の実施形態に係る変調符号の生成方法およびホログラム記録再生装置について、図面を参照しながら説明する。
(ホログラム記録再生装置)
図1は、本発明の実施形態に係るホログラム記録再生装置10における信号の流れを示す概略図を示すものである。
ホログラム記録再生装置10に、記録したい入力データ101のデータ列が入力されると、この入力データ101のデータ列は、後述する生成処理(変調処理:図1では(A)として表す)により、ページデータ102に変換される。ページデータ102は複素数の二次元配列として信号処理系(計算機)内に格納されるか、または振幅と位相をそれぞれ表すための二つの実数二次元配列として格納される。
ページデータ102の構成要素である各シンボル22(図2を参照)は複素振幅値を有し、振幅値と位相値の組で表現される。
シンボル22の詳しい構成については後述する。
上記ページデータ102のうち、振幅を表す2次元配列された画素値は、振幅用SLM11に入力され、これにより振幅用SLM11には振幅を表す2次元配列された画素値が表示される。一方、上記ページデータ102のうち、位相を表す2次元配列された画素値は、位相用SLM12に入力され、これにより位相用SLM12には位相を表す2次元配列された画素値が表示される。
上記振幅用SLM11に入力されたレーザー光は、上記振幅用SLM11において振幅を表す2次元配列された画素値により空間的に変調され、図示されないレンズにより上記位相用SLM12上に結像される。位相用SLM12上に結像されたレーザー光は、上記位相用SLM12において位相を表す2次元配列された画素値により空間的に変調され、信号光103として、レンズ13を介してホログラム記録媒体106の所定領域に入射される。
すなわち、ホログラム記録媒体106の所定領域に入射された信号光103は、振幅と位相の両方で空間的に変調されたレーザー光とされ、レンズ13においてフーリエ変換されてホログラム記録媒体106の所定領域に入射されたものとなる。
また、信号光103がホログラム記録媒体106の所定領域に入射されるのと同時に、別の角度から参照光(記録時用)104が、この所定領域に入射され、これにより、この所定領域(媒体内部)に、上記ページデータ102の情報がホログラム(干渉縞)として記録される。
なお、位相用SLM12による空間変調処理の後に、振幅用SLM11による空間変調処理を行う手法によっても、上記と同様の信号光を得ることができる。
ホログラム記録媒体106の上記所定領域に対し、裏面から参照光(再生時用)105が入射(記録時用の参照光104の入射方向とは対向する方向から入射)されると、回折現象により、この所定領域から、上記信号光103の入射方向に、上記ページデータ102の情報を有する再生光108が射出される。この再生光108はレンズ13によりフーリエ変換(フーリエ逆変換)され、撮像素子14により撮像される。
ここで、この撮像素子14に再生光108とともに、所定のプローブ光109を入射させ、再生光108に対してこのプローブ光の位相を順次ずらしていくことにより複数の位相差の干渉縞模様を得ることができる(位相シフト干渉計測法)。これら複数の位相差の干渉縞模様に基づき、所定の計算を行うことにより振幅情報のみならず位相情報についても明確とされた再生ページデータ111が得られる。通常は、この位相差をπ/2とし、4枚(4位相)の干渉縞模様110を得る手法(4位相シフト法)を採用することにより、その後の所定の計算を容易なものとする。
この再生ページデータ111に、所定の変換処理(復調処理:図1では(B)として表す)がなされて、元の入力データ101のデータ列に対応する、出力データ112のデータ列が、ホログラム記録再生装置10から出力される。
(変調符号の生成方法)
前述したように、入力データ101のデータ列は、本実施形態に係る変調符号の生成方法により、ページデータ102に変換されることになる。
従来技術では、入力データ101のデータ列をページデータ102に変換する規則、すなわち変調符号を用いた変換処理(図1中の(A)部分)が充分に検討されていなかったため、上記変換処理の精度が良好ではなかった。
そこで、本実施形態に係る変調符号の生成方法では、下記のようにして定義された変調符号を用いてページデータ102への変換を行うようにしており、これにより、上記変換処理の精度を良好なものとしている。
また、再生時には、上記再生ページデータ111から出力データ112のデータ列に復調する復調処理(図1中の(B)部分)を行うことになるが、復調処理は上記変調処理と対を成すものであり、復調処理を行う符号も変調符号と称して説明を行う。
ここで、上記変調符号は、以下のような定義の下に取り扱われるものとする。
1)縦m個×横n個のシンボルで構成された矩形状のブロックと称するグループに分割するとともに、ブロック内の1つのシンボルを「基準シンボル」として定める。この基準シンボルには既知の複素振幅を付与し、それ以外の通常のシンボルには、入力データに応じた複素振幅が付与される。ただし、ページデータ102のシンボル数が縦方向にM個、横方向にN個である場合、m、nはそれぞれ2以上のM、Nの約数であることが好ましい。
2)1ブロック内では、基準シンボルを除いた通常のシンボルに情報が担持され、その個数はmn-1である。そのうち暗点の個数をI、それ以外(明点)の個数をIとすると、I+I=mn-1の式を満たす。明点が取り得る位置の組み合わせ数Sは、下式<1>で表される。
Figure 2022061899000002
ここで、S以下となる、任意の2のべき乗2を定義し、入力データ列のpビットを用いて、1ブロック内の明点の位置に対応付けた「位置変換テーブル」を作成する。
3)入力データ列の一部に対応させて、明点の複素振幅値を決定する。
本実施形態においては、明点を、Z種類の複素振幅値のいずれかに対応づけるものとしている。これは、予め「複素振幅変換テーブル」を作成しておき、入力データ列のqビットに対応する複素振幅値を各明点に付与することにより与えればよい。
ここで、1ブロック内には明点がI個存在しているので、1ブロック内の複素振幅値も重複を許せばI個存在することになる。
複素振幅変換テーブルを定義するには、Z個の異なる複素振幅値を予め決定しておく必要がある。それぞれの複素振幅値は、複素平面内において最近傍の信号点同士の距離を長くとることがノイズ耐性の観点で望ましい。
4)上述した位置変換テーブルおよび複素振幅変換テーブルを、遺伝的アルゴリズムを用いた最適解探索により定義する。
以下、上述した実施形態をベースとして、具体的な実施例について図面および表を用いながら説明する。
(実施例)
1)本実施例では、図2(a)に示すように、ページデータ102aを構成するシンボル22が縦方向に192個、横方向に192個配列され、1つのブロック21を構成するシンボル22が縦方向に3個、横方向に3個配列された構成とされている。各シンボル22は8ビット階調とされ、基準シンボル23は振幅値が255、位相値が0に各々設定されている。図2(a)に示すように、基準シンボル23は各ブロック21の中央に配置される。
ここで、基準シンボル23は、他のシンボル(情報担持シンボル)22に対する振幅および位相のレベル基準となる。
いま、振幅値が128、位相値がπラジアンの情報担持シンボル22を記録した場合について考える。例えば、その再生時に、ブロック全体に一様な位相オフセットが付加され、かつ撮像素子14に入射するブロック全体の光量が小さいために情報担持シンボルとして振幅値が10、位相値が1.5πラジアンであるとして検出されたとする。この振幅値と位相値を絶対値として取り扱うと、元の記録時の情報担持シンボルから極めて乖離した複素振幅値となり、最終的にはビット誤りを引き起こす。一方、同一ブロック内の基準シンボル23が振幅値が20、位相値が0.5πラジアンとして検出されているならば、振幅値を255/20倍、位相値を-0.5πラジアンだけシフトさせれば補正が可能であるとわかる。この補正を、上述した例における情報担持シンボルに適用すれば、振幅値が(255/20)×10=127.5、位相値が1.5π-0.5π=πラジアンと相対的に算出され、記録時の情報を高精度に復元することができる。
これにより、例えば光学系内で発生するノイズ等の種々のノイズが発生した場合にも、同一ブロック内にレベル基準を有し、ノイズに左右されない判定を行うことができるので、記録時および再生時にノイズの影響を小さくし、読取り値のばらつきを低減することで、ビット誤りを低減することができる。これにより、正確にデータを復元することができる。
2)ブロック21内では、基準シンボル23を除いたmn-1=8個のシンボル22が入力データ101の情報を担持される(図2(b)のシンボル番号1~4および6~9)。
そのうち、暗点の個数I=4個、それ以外(明点)の個数I=4個とする。明点が取り得る位置の組み合わせ数Sは、=70である。p=4として、S以下の2のべき乗2を16に設定すると、入力データ101のデータ列のうちの4ビットを用いて、1つのブロック21内の明点の位置に対応付けた位置変換テーブル31(図4を参照)を作成する。具体的な位置変換テーブル31については図4を用いて後述する。
3)入力データ101のデータ列の一部に対応して、明点の複素振幅値を決定する。
本実施例では、各明点を16種類の複素振幅値に対応づけるため、複素振幅変換テーブル32(図4を参照)を作成し、入力データ101のデータ列のうちの各4ビットに対応した複素振幅値を各明点に付与する。ここで、1つのブロック21に明点Iは4個存在するので、1つのブロック21の複素振幅値も重複を含めて4個となる。
ここで、図3に示すような、複素平面上に複素振幅変換テーブル32の内容をプロットしたものをコンスタレーションと称する。コンスタレーションの定め方は種々考えられるが、ここでは以下に示すようにして定める。
まず、16種類の複素振幅値について、例えば、前述した特許文献3(図19を参照)では、明点の振幅を3値、位相を4または6値としてそれらの組み合わせから16種類の複素振幅値を定義しているが、上記特許文献3のコンスタレーションからも明らかなように、低い振幅の信号点は複素平面上の相互の距離(ユークリッド距離)が短く、この信号点はノイズの影響によりシンボルエラーを生じやすいため、この配置が必ずしも最適とは言えない。最適か否かの判断は、ノイズの性質によって変化すべきものである。
換言すれば、振幅方向のノイズ成分と位相方向のノイズ成分のどちらが大きいかは実際の光学系によるものであるが、一般には、両ノイズ成分の大きさが同程度とされるものであることから、シンボルエラーを生じにくいコンスタレーションを構築するには、信号点間の距離を一定間隔に保つことが重要であると考えられる。
そこで、本実施例においては、明点の振幅を3値とした場合に、暗点も含めた信号点間の距離を、一定間隔に保つことができるよう、最適化問題を解くアルゴリズム(準ニュートン法)の一種であるBFGS ( Broyden-Fletcher-Goldfarb-Shanno algorithm )法を用いて最適化した。これにより得られた信号点配置(コンスタレーション)を図3に示す。また、これら信号点の座標(具体的数値)を表1に示す。すなわち、各信号点に同様のノイズが重畳された場合、表1に示すように信号点の位置座標を設定して、脆弱な信号点とならないようにすることにより、シンボルエラー率を低減するものである。
Figure 2022061899000003
4)図4に示すように、位置変換テーブル31は、入力データ101aのデータ列のうち、先頭4ビット(図4においては「0110」)を入力され、このデータ値に基づいて、ブロック21aのシンボル22aのうち、明点がどのシンボル位置になるかの指定情報を出力するものである。
また、各複素振幅変換テーブル32a~dは、入力データ101aのデータ列のうち、先頭4ビットに続く、各4ビット(図4においては、明点(1)について「0101」、明点(2)について「1000」、明点(3)について「1010」、明点(4)について「0111」))を各々入力され、このデータ値に基づいて、各明点(1)~(4)に付与する複素振幅値(振幅値および位相値:図4においては振幅位相コンスタレーション33で表される)を出力するものである。
図4に示すように、本実施例では1つのブロック21a内に明点が4個((1)~(4)の番号で示される)存在することから、入力データ101aのデータ列のうち20ビットを単位として、その中で先頭4ビットが位置変換テーブル31に、残りの4ビット×4個が複素振幅変換テーブル32a~dに入力される。
ところで、位置変換テーブル31を作成するにあたり、入力の組合せは2通り、すなわち16通りであるから、出力も16通りとする必要がある。そして、この出力は通り、すなわち70通りから最適なものを選択して採用する必要がある。これを場合の数で表すと7016通り、すなわち5.2×1028通りと膨大な候補数となる。同様に、複素振幅変換テーブル32a~dにおいては、1616通り、すなわち2.1×1013通りと、こちらも膨大な候補数となる。
ノイズの無い理想的な系では、明点と暗点を誤認識することがなく、またコンスタレーション上で再生したシンボル22aの複素振幅値が設計どおりの信号点上に一致するため、位置変換テーブル31および複素振幅変換テーブル32a~dについて、いかなる組み合わせを選択しても復調時のビット誤りを生じない。しかしながら実際に使用される系では、どうしてもノイズが加味され、ビット誤りを生じる可能性があるため、最もビット誤りが少なくなるようなテーブルとすることが望ましい。
本実施例においては、遺伝的アルゴリズムによる最適化手法を用い、最もビット誤りが少なくなるようなテーブルを作成した。計算機内でノイズを加えた記録再生系を模擬できるにシミュレーションを実施し、評価関数としてビット誤り率を用い、評価関数が小さくなるように遺伝的アルゴリズムを適用した。
これにより得られた複素振幅変換テーブルを表2に示す。これは表1の各信号点に対して、各々入力4ビットを割り当てたものである。また、複素振幅変換テーブル32a~dの内容を信号点配置図(コンスタレーション)として示したものを図5に、シミュレーションによりノイズを含んだ信号点配置図(コンスタレーション)を図6に示す。
Figure 2022061899000004
なお、位置変換テーブル31については表3に示す。ただし、表3において、0、1はそれぞれ暗点、明点を表し、シンボル番号は図2(b)に準ずる。
Figure 2022061899000005
上記表3は、情報を記録する場合の変調に用いられるテーブルであるが、これに対して、情報を再生する場合の硬判定に基づく復調に用いられるテーブルについて、以下に説明する。
位相シフト干渉計測法等を用いて得られた再生ページデータ111中の任意のブロック21aにおいて、基準シンボル23aを除いた8つのシンボル22aについて、その振幅値が大きいものから順に4つのシンボル22aの位置を特定する。前述したように、この4つのシンボル22aの位置((1)~(4)の番号で示される)が取り得る場合の数は70通りであるので、復調時においては70通りから、入力データ101aのデータ列のうち先頭4ビットを復元するテーブル(位置逆変換テーブル)が必要となる。本実施例では、位置逆変換テーブルについても遺伝的アルゴリズムを用いて最適化を図った。得られた位置逆変換テーブルを表4に示す。
Figure 2022061899000006
特定された4つのシンボル22aは、それぞれ複素振幅値を有する。シンボル22aの複素振幅値がノイズを含み、信号点に一致しない場合であっても、各信号点の複素振幅値(表2)とのユークリッド距離が最小となる条件を算出することにより、各シンボル22aがどの信号点に対応するか否かを判別でき、その結果、図5のコンスタレーションに示す通り4ビットの情報を復元することができる。
<変更態様>
本発明のホログラムシンボルおよびホログラム記録再生装置としては上記実施形態のものに限られるものではなく、その他の種々の変更の態様をとることが可能である。例えば、上述した実施形態や実施例に示すブロック21、21aの構成、通常のシンボル22、22aの大きさや位置、基準シンボル23、23aの大きさや位置、さらには、明点の数などは種々の態様のものに変更することができる。
また、上記実施形態や実施例においては、基準シンボルは、各ブロックに1つとされているが、各ブロックに2つ以上とすることも可能である。2つ以上の場合には、それらのシンボルの読取り値を平均してもよいし、条件に応じて、基準とするシンボルを選択すること等の種々の取扱い手法とすることが可能である。
また、位置変換テーブル31の大きさは入力/出力の場合の数に対応し、複素振幅変換テーブル32a~dの大きさも信号点数に基づいて決定される。コンスタレーション上で振幅値は3に限られるものではなく、適用されるホログラム記録再生装置の光学系のノイズ特性等に基づいて適宜選択することが可能である。
また、本実施例においては、図3のコンスタレーションおよび表1の座標値の導出にBFGS法を用いているが、実際のノイズ特性を考慮したものとしたいときには、BFGS法で求めた信号点を初期値として、記録再生系を模擬したうえで遺伝的アルゴリズムを用いて最適解を求めることも可能である。
なお、最適解探索の方法としては上記手法の他、シミュレーテッドアニーリングや機械学習など既知の種々のアルゴリズムを適用可能である。
10 ホログラム記録再生装置
11 振幅用SLM
12 位相用SLM
13 レンズ
14 撮像素子
21、21a ブロック
22、22a シンボル
23、23a 基準シンボル
31 位置変換テーブル
32a~d 複素振幅変換テーブル
33 振幅位相コンスタレーション
101、101a 入力データ
102、102a ページデータ
103 信号光
104 参照光(記録時)
105 参照光(再生時)
106 記録媒体
107 ホログラム
108 再生光
109 プローブ光
110 4位相の干渉縞模様
111 再生ページデータ
112 出力データ

Claims (8)

  1. 情報記録用のホログラム記録媒体に記録される、入力信号に基づくページデータの画像要素として構成するとともに、少なくとも2値の階調を有する、互いに隣接する複数のシンボルをグループ化してブロックを形成する変調符号の生成方法であって、
    前記シンボルの各々に複素振幅値を付与し、前記ブロック内の少なくとも1つのシンボルに所定の振幅と所定の位相を付与して、基準シンボルとして設定することを特徴とする変調符号の生成方法。
  2. 前記ブロック内の全シンボルのうち前記基準シンボルを除外した情報担持シンボルの各々の位置を特定し、
    前記情報担持シンボルのうち、振幅が0のシンボルをシンボルAの階調に、振幅が0以外のシンボルをシンボルBの階調に設定し、
    前記入力信号の入力に応じて、所定の位置変換テーブルを用い、前記位置を特定された前記情報担持シンボルの各々を、前記シンボルAまたは前記シンボルBのいずれかに設定することを特徴とする請求項1に記載の変調符号の生成方法。
  3. 前記ブロック内の全シンボルのうち前記基準シンボルを除外した情報担持シンボルの各々の位置を特定し、
    前記情報担持シンボルのうち、前記位置を特定された、振幅が0以外のシンボルBの各々について、
    前記入力信号の入力に応じ、所定の複素振幅変換テーブルを用い、所定の複素振幅値に設定することを特徴とする請求項1に記載の変調符号の生成方法。
  4. 前記入力信号が所定のビット列信号である場合に、該ビット列信号のビット列のうちの一部を所定の位置変換テーブルに入力し、該入力された該ビット列のうちの一部に応じて、振幅が0のシンボルAと振幅が0以外のシンボルBのいずれかに設定するとともに、
    前記ビット列信号のその余のビット列を所定の複素振幅変換テーブルに入力し、該入力された該その余のビット列に応じて、前記シンボルBとされたシンボルの各々に所定の複素振幅を付与することを特徴とする請求項1に記載の変調符号の生成方法。
  5. 前記位置変換テーブルおよび前記複素振幅変換テーブルの少なくとも一方を生成する際には、最適化アルゴリズムの手法を用いて変調符号の最適化を実施することを特徴とする請求項2~4のうちいずれか1項に記載の変調符号の生成方法。
  6. 前記最適化アルゴリズムとして遺伝的アルゴリズムを用いることを特徴とする請求項5に記載の変調符号の生成方法。
  7. 前記基準シンボルの振幅を、前記ページデータ内で設定可能な振幅の最大値に設定するとともに、前記基準シンボルの位相を0に設定することを特徴とする請求項1~6のうちいずれか1項に記載の変調符号の生成方法。
  8. 請求項1~7のうちいずれか1項に記載の変調符号の生成方法を用いて得られたページデータを記録再生するホログラム記録再生装置において、
    入力信号に基づき生成されたページデータのうち振幅データが表示される振幅用空間光変調手段と、該ページデータのうち位相データが表示される位相用空間光変調手段とを備え、該振幅用空間光変調手段および該位相用空間光変調手段に表示された該ページデータの振幅情報および位相情報を担持してなる信号光と、参照光とを干渉させてホログラム記録媒体に該ページデータの情報をホログラム記録するとともに、ホログラム記録された該ページデータの情報を再生する記録再生光学系と、
    該再生された該ページデータの情報を撮像するイメージセンサと、から構成されてなることを特徴とするホログラム記録再生装置。
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