JP2022061818A - マイクロ流体デバイス及びマイクロ流体デバイスの使用方法 - Google Patents

マイクロ流体デバイス及びマイクロ流体デバイスの使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】構造が簡単で、かつ灌流培養が可能で、均一な細胞密度を保った細胞層バリアの形成を可能とするマイクロ流体デバイス及びこのマイクロ流体デバイスの使用方法を提供する。【解決手段】マイクロ流体デバイス1は、第一基板10と、第一基板10に対して部分的に接合された第二基板20と、第一基板10と第二基板20の間で延在する第一流路25と、第二流路26と、第三流路27と、第一流路25に接続される複数の第一流路ポート21,22と、第二流路26に接続される少なくとも一つの第二流路ポート23と、第三流路27に接続される少なくとも一つの第三流路ポート24と、を備え、第一流路25の主面20b側の壁面25dは、第二流路26の主面20b側の壁面26d及び第三流路27の主面20b側の壁面27dよりも主面20bに近い。【選択図】図4

Description

本発明は、マイクロ流体デバイス及びマイクロ流体デバイスの使用方法に関する。
上皮(内皮)細胞層は、細胞間同士の結合、及び細胞と細胞外マトリックス(ECM)との結合により形成される。この細胞層は上皮(内皮)組織の境界として働くだけでなく、物質の透過を能動的に制限するバリアとして機能する。このバリアは生体内では小腸粘膜、気道粘膜、血管、血液脳関門(Blood-brain barrier:BBB)、角膜、表皮等に存在する。
バリアに対する研究対象物質の透過(吸収)、毒性、代謝などの反応性を知ることは、創薬において重要な課題であり、細胞培養を用いたin vitroでの評価系が開発されている。これらの評価系では、細胞層バリアの両面がコンパートメントで隔てられている必要があり、下記のような、人工的な支持体で隔てられたコンパートメントをもつ培養容器が開発されてきた。
下記特許文献1には、細胞培養チャンバー、及びこの細胞培養チャンバーを利用した組織モデルとその作製方法に関する技術が開示されている。
図19は、特許文献1に開示されている細胞培養チャンバー100を容器101の中に挿入した状態を示す断面模式図である。アクリル製やポリスチレン製の筒状の枠体100aは、内部に細胞を保持するための空間を有している。細胞培養チャンバー100は、筒状の枠体100aの一方の開放端面に、ビトリゲル膜乾燥体100bが被覆固定され、筒状の枠体100aの他方の開放端面の外周縁に、外側へ突出する係止部100cが設けられている。容器101の上側から細胞培養チャンバー100を挿入し、容器101上部に係止部100cを掛け、容器101内に細胞培養チャンバー100を保持する。容器101内に、生理活性物質を注入することができ、ビトリゲル膜を介して培養細胞へ生理活性物質を浸透させることで、細胞への影響を検定することができる。
また、下記特許文献2には、上皮バリア機能に対する化合物のデータを提供することができるマイクロ流体プレートに関する技術が記載されている。
図20は、特許文献2に開示されているマイクロ流体プレートを使用して細管を形成する工程を示す模式図である。図20の左図はマイクロ流体プレートの部分拡大図、図20の右図はマイクロ流体プレートの断面図である。マイクロ流体プレートは、入口と、入口につながるマイクロ流体チャンバー200を有しており、長手方向にフェーズガイド201と呼ばれる突起が設けられている。第一の流体(図20のECMなど)は入口からマイクロ流体チャンバー200へと流動し、フェーズガイド201による毛細管力や表面張力、重力などの作用により、マイクロ流体チャンバー200は選択的に充填される。残りの部分に、細胞を導入した第二の流体(図20の培地など)を充填し、培養することにより、細管を形成する。
特開2012-115262号公報 特表2018-522586号公報
しかしながら、特許文献1の構造では、容器101のほかに、ゲルの膜を張った細胞培養チャンバー100を別途用意する必要があり、この細胞培養チャンバー100を製造するためには特許文献1の図1に記載されているように製造工程も多い。
また、ゲルの膜の下に人工的な支持体が存在し、実際の生体内で起こる細胞や物質の透過に制限が生じる。
そして、細胞培養チャンバー100の構造上、培養液を流通させることができず、静置培養しかできない。つまり、灌流培養ができない。そのため、細胞の機能発現に影響を与える、流体のせん断応力、気体の分圧をコントロールできない。
また、特許文献2の構造では、フェーズガイド201による毛細管力や表面張力を利用する機構であるため、第一の流体(図20のECMなど)の表面の形状は曲面になる。このため、その面上に培養される細胞層バリアも曲面になり、細胞層バリアの作製が困難であり、細胞層バリアの観察も難しい。
また、細胞外マトリックス(ECM)に接していない細胞も存在する為、培養環境に偏りが生じ、研究対象物質の細胞層バリアだけに対する反応性を知ることは難しい。
そして、表面張力を利用して細胞層バリアを形成するため、流路の高さに制限が生じる。その為、培養液を増やせず、培地交換の頻度が高い。
本発明は、上記の課題に鑑み、構造が簡単で、かつ灌流培養が可能で、均一な細胞密度を保った細胞層バリアの形成を可能とするマイクロ流体デバイスとこのマイクロ流体デバイスの使用方法を提供することを目的とする。
本発明に係るマイクロ流体デバイスは、第一基板と、
前記第一基板に対して部分的に接合された第二基板と、
前記第一基板と前記第二基板の間で前記第二基板の第一主面に沿う方向に延在する第一流路と、
前記第一流路に接続され、前記第一主面に沿う方向に延在する第二流路と、
前記第一流路に接続され、前記第一主面に沿う方向に延在する第三流路と、
前記第一流路に接続され、前記第二基板の前記第一主面とは反対側に位置する第二主面に向かって、前記第二基板を貫通して形成される複数の第一流路ポートと、
前記第二流路に接続され、前記第二主面に向かって、前記第二基板を貫通して形成される少なくとも一つの第二流路ポートと、
前記第三流路に接続され、前記第二主面に向かって、前記第二基板を貫通して形成される少なくとも一つの第三流路ポートと、を備え、
前記第一流路の前記第二主面側の壁面は、前記第二流路の前記第二主面側の壁面及び前記第三流路の前記第二主面側の壁面よりも前記第二主面に近いものである。
このマイクロ流体デバイスは、第一基板又は第二基板に予め各流路及び各流路ポートを形成した後、第一基板と第二基板を接合することで製造できる構造のため、構造が簡単である。また、例えば、一つの第一流路ポートから第一流路を通って別の第一流路ポートへ培養液等を流通させることができる。さらに、例えば、第二流路ポートから第二流路、第一流路、第三流路を通って第三流路ポートへ培養液等を流通させることもできる。すなわち、本発明のマイクロ流体デバイスは灌流培養が可能である。
本発明に係るマイクロ流体デバイスの使用方法は、上記のマイクロ流体デバイスの使用方法であって、
前記第二流路ポートまたは前記第三流路ポートからグリセロールまたは熱相転移ヒドロゲルを注入し、前記グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲルの高さを前記第二流路の前記第二主面側の壁面及び前記第三流路の前記第二主面側の壁面よりも高く且つ前記第一流路の前記第二主面側の壁面よりも低くする第一ステップと、
前記第一流路ポートからゲル水溶液を注入する第二ステップと、
前記ゲル水溶液をゲル化させる第三ステップと、
前記第三流路ポートまたは前記第二流路ポートから前記グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲルを排出する第四ステップと、を有するものである。
この使用方法によれば、第二流路の第二主面側の壁面及び第三流路の第二主面側の壁面よりも高く且つ第一流路の第二主面側の壁面よりも低い位置にゲルを形成することができるため、ゲルの上に均一な細胞密度を保った細胞層バリアを形成することができる。
本実施形態に係るマイクロ流体デバイスを製造する前の状態における斜視図 接合前の第二基板を第一主面側から見た斜視図 マイクロ流体デバイスの平面図 図3に示すマイクロ流体デバイスのA-A線断面図 図3に示すマイクロ流体デバイスのB-B線断面図及びC-C線断面図 マイクロ流体デバイスの使用例1を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例1を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例1を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例1を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例1を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例1を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例1を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例2を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例2を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例2を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例2を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例2を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例2を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例2を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例3を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例3を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例3を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例3を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例4を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例4を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例4を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例4を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例4を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例5を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例5を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例5を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例5を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例5を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例6を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例6を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例6を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例7を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例7を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例7を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例7を説明するための断面図 マイクロ流体デバイスの使用例7を説明するための断面図 他の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの平面図及び断面図 他の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの平面図及び断面図 他の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの平面図及び断面図 他の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの平面図及び断面図 複数のマイクロ流体デバイスを含むプレートの平面図 他の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの断面図 特許文献1の細胞培養チャンバーを容器の中に挿入した状態を示す断面模式図 特許文献2のマイクロ流体プレートを使用して細管を形成する工程を示す模式図
本発明に係るマイクロ流体デバイスにつき、図面を参照しながら説明する。なお、本明細書に開示された各図面は、あくまで模式的に図示されたものである。すなわち、図面上の寸法比と実際の寸法比とは必ずしも一致しておらず、また、各図面間においても寸法比は必ずしも一致していない。
図1は、本実施形態に係るマイクロ流体デバイス1を製造する前の状態における斜視図である。マイクロ流体デバイス1は、第一基板10と第二基板20とを有し、これらが接合されることで製造される。図1は、第一基板10に第二基板20を接合する直前の、両基板を示した斜視図に対応する。
マイクロ流体デバイス1は、第一基板10の一つの主面10a上に、第二基板20の一つの主面20a(本発明の第一主面に相当する)が部分的に接触するように積層し、接合されて形成される。主面とは、基板10,20を構成する面のうち他の面よりもはるかに面積の大きい面を指す。基板10,20には二つの主面があり、この二つの主面は互いに対向配置される。第一基板10に部分的に接触する第二基板20の主面20aは凹部(後述する)を有する。第二基板20のもう一つの主面20b(本発明の第二主面に相当する)は、第一基板10とは反対側に位置し、流路ポート21~24(後述する)を有する。
以下の説明では、第一基板10と第二基板20とが接合された状態において、第一基板10の主面10a,10b及び第二基板20の主面20a,20bに平行な面をXY平面とし、このXY平面に直交する方向をZ方向とする、XYZ座標系が適宜参照される。
また、本明細書において、方向を表現する際に、正負の向きを区別する場合には、「+X方向」、「-X方向」のように、正負の符号を付して記載される。また、正負の向きを区別せずに方向を表現する場合には、単に「X方向」と記載される。すなわち、本明細書において、単に「X方向」と記載されている場合には、「+X方向」と「-X方向」の双方が含まれる。Y方向及びZ方向についても同様である。なお、マイクロ流体デバイス1は、通常、Z方向を上下方向として使用され、-Z方向が上方向に相当する。
図2は、接合前の第二基板20を主面20a側から見た斜視図である。図3は、マイクロ流体デバイス1の平面図である。図4は、第一基板10上に第二基板20が接合されたマイクロ流体デバイス1の断面模式図を示し、当該断面模式図は、図3に示すマイクロ流体デバイス1のA-A線断面図である。図4の断面模式図は、図の理解を容易にするために、両基板の外形線のうち断面上に表れる線のみを示している。後述する図6A~図16についても同様である。図5は、図3に示すマイクロ流体デバイス1のB-B線断面図及びC-C線断面図である。
第一基板10及び第二基板20は、それぞれ同一形状の主面を有する矩形基板である。第一基板10及び第二基板20の主面の縦と横は、例えば15mmと25mmである。また、第二基板20の厚みは第一基板10の厚みよりも大きい。第一基板10の厚みは例えば1mm、第二基板20の厚みは例えば5mmである。
第二基板20の主面20aは、第一凹部25a、第二凹部26a、及び第三凹部27aを備える。第一凹部25a、第二凹部26a、及び第三凹部27aは、第一基板10と第二基板20とが接合されることにより、両基板10,20に挟まれた中空状の第一流路25、第二流路26、及び第三流路27として機能する。
第一凹部25a、第二凹部26a、及び第三凹部27aは、何れも主面20aのY方向中央部にX方向へ延びるように形成されている。本実施形態の第一凹部25a、第二凹部26a、及び第三凹部27aは、直線状に並んでいる。
第一凹部25a、第二凹部26a、及び第三凹部27aは、それぞれ一定の幅及び深さでX方向に延びるスリット状である。第一凹部25a、第二凹部26a、及び第三凹部27aのY方向の幅w(図3を参照)は、すべて同じであって、例えば0.5~5mmである。
一方、第一凹部25a、第二凹部26a、及び第三凹部27aの主面20aからの深さは、異なっており、第一凹部25aの深さh1(図4を参照)は、第二凹部26aの深さh2(図4を参照)及び第三凹部27aの深さh3(図4を参照)よりも深い。これにより、第一基板10上に第二基板20が接合された状態において、図4に示されるように、第一流路25の主面20b側の壁面25dは、第二流路26の主面20b側の壁面26d及び第三流路27の主面20b側の壁面27dよりも主面20bに近い。なお、第二凹部26aの深さh2と第三凹部27aの深さh3は、同じであっても異なっていてもよく、すなわち、第二流路26の壁面26dと第三流路27の壁面27dは、Z方向に同じ位置であっても異なる位置であってもよい。第一凹部25aの深さh1は、例えば2.5~5mmであり、本実施形態では2.5mmである。また、第二凹部26aの深さh2及び第三凹部27aの深さh3は、例えば0.1~0.5mmである。
第一流路ポート21は、第一凹部25aの一端25bに接続され、第二基板20の主面20aから主面20bに向かって延び、第二基板20を貫通して形成される。
また、第一流路ポート21は、第二凹部26aの一端26bにも接続している。すなわち、第二凹部26aは、第一流路ポート21を介して第一凹部25aに接続されている。
第一流路ポート22は、第一凹部25aの他端25cに接続され、第二基板20の主面20aから主面20bに向かって延び、第二基板20を貫通して形成される。また、第一流路ポート22は、第三凹部27aの一端27bにも接続している。すなわち、第三凹部27aは、第一流路ポート22を介して第一凹部25aに接続されている。
第二流路ポート23は、第二凹部26aの他端26cに接続され、第二基板20の主面20aから主面20bに向かって延び、第二基板20を貫通して形成される。
第三流路ポート24は、第三凹部27aの他端27cに接続され、第二基板20の主面20aから主面20bに向かって延び、第二基板20を貫通して形成される。
第一流路ポート21,22、第二流路ポート23、及び第三流路ポート24は、何れもZ方向に延びる円柱状の空洞である。この実施例においては、第一流路ポート21,22、第二流路ポート23、及び第三流路ポート24の直径d(図3を参照)は、すべて同じであって、例えば1~5mmである。
第一流路ポート21,22同士の間隔p1(図3を参照)は、例えば3~10mmであり、本実施形態では10mmである。第一流路ポート21と第二流路ポート23との間隔p2(図3を参照)は、例えば1~3mmである。また、第一流路ポート22と第三流路ポート24との間隔p3(図3を参照)は、例えば1~3mmである。
第一流路ポート21,22、第二流路ポート23、及び第三流路ポート24は、液体をマイクロ流体デバイス1に注入する目的と、液体をマイクロ流体デバイス1から排出する目的と、の少なくとも一方の目的を有する。例えば、第一流路ポート21が液体注入口として使用され、第一流路ポート22が液体排出口として使用されてもよい。
第一流路ポート21と第一流路ポート22は、第一流路25で接続されている。すなわち、第一流路25は、第一流路25に接続され、主面20bに向かって延びる複数の第一流路ポート21,22を有するとも言える。また、第一流路ポート21と第二流路ポート23は、第二流路26で接続されている。すなわち、第二流路26は、第二流路26に接続され、主面20bに向かって延びる第二流路ポート23を有するとも言える。また、第一流路ポート22と第三流路ポート24は、第三流路27で接続されている。すなわち、第三流路27は、第三流路27に接続され、主面20bに向かって延びる第三流路ポート24を有するとも言える。
以上のように、本実施形態のマイクロ流体デバイス1は、第一基板10と、第一基板10に対して部分的に接合された第二基板20と、を備える。また、マイクロ流体デバイス1は、第一基板10と第二基板20の間で第二基板20の主面20aに沿う方向に延在する第一流路25と、第一流路25に接続され、主面20aに沿う方向に延在する第二流路26と、第一流路25に接続され、主面20aに沿う方向に延在する第三流路27と、を備える。さらに、マイクロ流体デバイス1は、第一流路25に接続され、第二基板20の主面20aとは反対側に位置する主面20bに向かって、第二基板20を貫通して形成される複数の第一流路ポート21,22と、第二流路26に接続され、主面20bに向かって、第二基板20を貫通して形成される少なくとも一つの第二流路ポート23と、第三流路27に接続され、主面20bに向かって、第二基板20を貫通して形成される少なくとも一つの第三流路ポート24と、を備える。そして、第一流路25の主面20b側の壁面25dは、第二流路26の主面20b側の壁面26d及び第三流路27の主面20b側の壁面27dよりも主面20bに近くなっている。
次に、マイクロ流体デバイス1の製造方法について詳細に説明する。
(基板の準備工程)
マイクロ流体デバイス1を構成する第一基板10と第二基板20とを準備する。
基板10,20を構成する材料には、好ましくは実質的に非多孔質体の材料を使用する。ここで、「実質的に非多孔質体」であるとは、基板の見かけ状の表面積が、実際の表面積に近似している状態を指す。上記のような非多孔質体を形成する材料の例としては、ガラスやシリコンなどの無機材料、又はポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリスチレン(PS)、シリコーン等の樹脂材料が挙げられる。なお、これらの樹脂材料が2種以上組み合わせられていても構わない。また、第一基板10と第二基板20とで使用する材料を異ならせてもよい。
本実施形態における基板の形状について説明する。第一基板10及び第二基板20は、それぞれ同一形状の主面を有する矩形基板を使用している。また、第二基板20の厚みは第一基板10の厚みよりも大きい。しかしながら、第一基板10及び第二基板20の主面は、同一形状でなくてもよい。例えば、第一基板10の主面の縦と横の寸法が、第二基板20の主面の縦と横の寸法より大きくてもよく、第二基板20の主面の縦と横の寸法が、第一基板10の主面の縦と横の寸法より大きくてもよい。また、第二基板20の厚みは第一基板10の厚みと同じでもよく、第二基板20の厚みは第一基板10の厚みよりも小さくてもよい。
本実施形態における第一基板10の二つの主面10a,10bは共に平坦である。第二基板20の一つの主面20aは、第一基板10と接合された後に中空状の第一流路25、第二流路26、及び第三流路27をそれぞれ形成するための第一凹部25a、第二凹部26a、及び第三凹部27aを有する。第二基板20のもう一つの主面20bには、第一流路ポート21,22、第二流路ポート23、及び第三流路ポート24が開口している。
基板10,20に開口及び凹部を設けるには、例えば、射出成型、フォトリソグラフィ工程とエッチング工程との組合せ、鋳造、切削加工等の手段があるが、基板を構成する材料に応じて最適な手段を選択するとよい。一例として、第二基板20を、上述したようにポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリスチレン(PS)、シリコーン、アクリルなどの樹脂材料で構成することで、射出成形により容易に凹部を形成することができる。また、第一基板10については、凹部を設けない場合には、上記樹脂材料の他、ホウケイ酸ガラスなどのガラス材料を用いても構わない。
(基板の接合工程)
作製された第一基板10の主面10aと第二基板20の主面20aとを接合する。以下に示す接合方法は、基板上に接着剤となる薄膜の形成が不要となる方法であり、以下の手順で実行される。
まず、両基板の接合面(10a,20a)に対して、表面を活性化する処理を行う。表面活性化処理の方法としては、紫外線を照射する方法や、プラズマガスを接触させる方法が利用できる。
紫外線を照射する方法には、例えば、波長172nmの光を放射するキセノンエキシマランプなどの紫外線光源から、第二基板20の主面20a、及び第一基板10の主面10aに対して、波長200nm以下の真空紫外線を照射することで実行される。紫外線光源の他の例としては、185nmに輝線を有する低圧水銀ランプ、波長120~200nmの範囲に輝線を有する重水素ランプを好適に用いることができる。真空紫外線の照度は、例えば10~500mW/cmであり、照射時間は樹脂に応じて適宜設定されるが、例えば5~6秒間である。
プラズマガスを接触させる方法には、窒素ガスやアルゴンガスなどを主成分とし、酸素ガスが0.01~5体積%含有してなるプロセスガスを大気圧プラズマによってプラズマ化したものを、第二基板20の主面20a、及び第一基板10の主面10aに対して接触させることで実行される。窒素ガスとクリーンドライエア(CDA)との混合ガスを用いることも可能である。プラズマガスの接触時間は、例えば5~100秒間である。
次に、表面活性化処理が施された両基板の接合面(10a,20a)を接触させるように第一基板10と第二基板20とを重ね合わせ、プレス機を使用して両基板を押圧し接合する接合工程を行う。接合工程は、表面活性化状態を維持するために、紫外線照射工程が完了してから所定時間内、例えば10分以内に行うとよい。
この接合工程は、接合を強固にするために、必要に応じて加熱された環境において行われる。接合工程において、加熱温度や押圧力等の接合条件は、第一基板10の構成材料及び第二基板20の構成材料に応じて設定される。具体的な条件を挙げると、押圧する際の温度は、例えば40~130℃であり、接合するための押圧力は、例えば、0.1~10MPaである。
第一基板10と第二基板20とが接合された基板(以下、「接合基板」と呼ぶ場合がある。)を所定時間加圧した後、必要に応じてさらに所定時間加熱してもよい。接合基板を加圧した後に加熱することにより、加圧後の積層基板における接合界面に、十分な接合状態が得られている部分と、十分な接合状態が得られていない部分とが混在している場合であっても、加熱により、十分な接合状態が得られていない部分において、その接合状態を、所期の状態とすることができる。
接合基板の加圧状態を所定時間にわたって維持し、その後、その加圧状態を解除し、接合基板の温度を所定温度まで上昇させ、その温度を、所期の接合状態が得られるまで維持するようにしてもよい。ここに、所定温度とは、接合基板に変形が生じることのない温度である。例えば、加熱温度が例えば40~130℃であり、加熱時間が例えば60~600秒間である。
その後、冷却工程を経て、第一基板10の主面10a上に第二基板20が接合されたマイクロ流体デバイス1が作製される。
次に、マイクロ流体デバイス1の使用方法について詳細に説明する。使用方法は、灌流のやり方で、(1)両面灌流と(2)片面灌流の大きく2つに分けられる。両面灌流とは、ゲルの上面側と下面側の両方に培養液を流すもので、2層流路灌流(多層流路灌流)とも呼ばれる。一方、片面灌流とは、ゲルの上面側に培養液を流すもので、単層流路灌流とも呼ばれる。
また、使用方法は、細胞の培養の仕方で、(a)On-Gel培養、(b)On&In-Gel培養、(c)In-Gel培養で分けられる。On-Gel培養では、ゲルの上面側で細胞を培養する。On&In-Gel培養では、ゲルの上面側と、ゲル内の両方で細胞を培養する。In-Gel培養では、ゲル内で細胞を培養する。
以上の組み合わせで、6種類の使用例がある。さらに、細胞層バリアの上に培養液の替わりに空気を流すと、気液界面培養が可能となる。
(1)両面灌流
<使用例1>
(a)On-Gel培養
例えば、血管内皮を媒介する化学誘引物質に対する白血球、腫瘍細胞の細胞遊走性の測定をすることができる。
i)細胞支持体の形成
初めに、図6Aに示すように、グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91を第二流路ポート23から注入する。このとき、注入されるグリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91の量は、注入されたグリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91の高さが、第二流路26の壁面26d及び第三流路27の壁面27dよりも高く、且つ第一流路25の壁面25dよりも低くなるように設定される。
次いで、図6Bに示すように、ゲル92の水溶液を第一流路ポート21から注入し、グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91の上に展開した後、ゲル化させる。
次いで、図6Cに示すように、グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91を第二流路ポート23または第三流路ポート24から取り除く。これにより、ゲル92の部分が残り、ゲル92の層と第一基板10の間には空隙が形成される。
ii)細胞層バリアの形成
次いで、図6Dに示すように、第二流路ポート23から培養液93を注入する。
次いで、図6Eに示すように、第一流路ポート21から細胞94aを含んだ培養液93を投入し、培養する。これにより、図6Fに示すように、細胞層バリア95aがゲル92上に形成される。
iii)培養液の灌流・観察
次いで、図6Gに示すように、第二流路ポート23、第一流路ポート21からそれぞれ培養液、化学物質、細胞を注入し、第三流路ポート24、第一流路ポート22から回収する。すなわち、細胞層バリア95a側の両面において、それぞれサンプリングすることにより、注入した化学物質や細胞の移行経路を反映した作用や動態を、生化学的、分子生物学的に解析することが可能である。また、顕微鏡などを用いて、注入した化学物質や細胞の組織モデルに対する拡散や影響を組織学的に解析することも可能である。
また、構築した組織モデルに応じて、細胞層バリア95a側の両面において、それぞれ液体を灌流させることもできる。
例えば、小腸上皮からなる細胞層バリア95aを形成することにより、小腸モデルを構築する。
第一流路ポート21から第一流路ポート22へ化学物資を含んだ培養液を灌流し、構築した細胞層バリア95aの上方側から、細胞層バリア95aを経由して、下方側に拡散させる。そして、第二流路ポート23から第三流路ポート24へ培養液を灌流して、回収する。
このようにして、化学物質の拡散の程度や構造変化の解析、および細胞観察等により収効率・代謝・毒性を評価することができる。
例えば、血管内皮細胞からなる細胞層バリア95aを形成することにより、血管モデルを構築する。
第一流路ポート21から第一流路ポート22へ化学物質を含んだ培養液を灌流し、第二流路ポート23から第三流路ポート24へ化学物質を含まない培養液を灌流して、回収する。
これにより、ゲル92内に安定した化学物質の濃度勾配を生じ、化学物質に対する血管新生を評価することができる。
<使用例2>
(b)On&In-Gel培養
細胞バリア層を経由する生理活性物質、薬剤などの透過、吸収、代謝などを評価することができる。例えば、角膜からの透過率・毒性、腸管からの吸収効率・代謝・毒性、血管からの透過率・毒性を評価することができる。
i)細胞支持体の形成
初めに、図7Aに示すように、グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91を第二流路ポート23から注入する。このとき、注入されるグリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91の量は、注入されたグリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91の高さが、第二流路26の壁面26d及び第三流路27の壁面27dよりも高く、且つ第一流路25の壁面25dよりも低くなるように設定される。
次いで、図7Bに示すように、細胞94bを含んだゲル92の水溶液を第一流路ポート21から注入し、グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91の上に展開した後、ゲル化させる。
次いで、図7Cに示すように、グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91を第二流路ポート23または第三流路ポート24から取り除く。これにより、細胞94bを含むゲル92の部分が残り、ゲル92の層と第一基板10の間には空隙が形成される。
ii)細胞層バリアの形成
次いで、図7Dに示すように、第二流路ポート23から培養液93を注入する。
次いで、図7Eに示すように、第一流路ポート21から細胞94cを含んだ培養液93を投入し、培養する。これにより、図7Fに示すように、細胞層バリア95cが、細胞94bを含むゲル92上に形成される。
iii)培養液の灌流・観察
次いで、図7Gに示すように、第二流路ポート23、第一流路ポート21からそれぞれ培養液、化合物質、細胞を注入し、第三流路ポート24、第一流路ポート22から回収する。すなわち細胞層バリア95c側の面と、細胞94bを含んだゲル92側の両面において、それぞれサンプリングすることにより、注入した化学物質や細胞の移行経路を反映した作用や動態を、生化学的、分子生物学的に解析することが可能である。また顕微鏡などを用いて、注入した化学物質や細胞の組織モデルに対する拡散や影響を組織学的に解析することも可能である。
また、構築した組織モデルに応じて、細胞層バリア95c側の面と、細胞94cを含んだゲル92側の両面において、それぞれ液体を灌流させることもできる。
例えば、腫瘍細胞を包埋した細胞外マトリックス(ECM)からなるゲル92の上に、内皮または上皮細胞からなる細胞層バリア95cを形成することにより、基底膜モデルを構築する。
第一流路ポート21から第一流路ポート22へ化学物資を含んだ培養液を灌流し、細胞層バリア95cを経由させ、細胞外マトリックスに包埋した細胞に作用させる。
これにより、経由した化学物質が原因となる、ECM分解を伴う腫瘍細胞の細胞遊走性(浸潤活性)を評価することができる。
例えば、線維芽細胞や腫瘍細胞を包埋した細胞外マトリックス(ECM)からなるゲル92の上に、血管内皮からなる細胞層バリア95cを形成することにより、血管モデルを構築する。
第一流路ポート21から第一流路ポート22へ化学物資を含んだ培養液を灌流し、細胞層バリア95cを経由し、細胞外マトリックスに包埋した細胞に作用させることにより、サイトカインを産生させる。
これにより、サイトカインに対する血管新生の評価を行うことができる。
<使用例3>
(c)In-Gel培養
例えば、線維芽細胞、腫瘍細胞などの細胞周辺環境の化学誘引物質(化学信号)に対する細胞遊走性の測定をすることができる。
i)細胞支持体の形成
初めに、図8Aに示すように、グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91を第二流路ポート23から注入する。このとき、注入されるグリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91の量は、注入されたグリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91の高さが、第二流路26の壁面26d及び第三流路27の壁面27dよりも高く、且つ第一流路25の壁面25dよりも低くなるように設定される。
次いで、図8Bに示すように、細胞94dを含んだゲル92の水溶液を第一流路ポート21から注入し、グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91の上に展開した後、ゲル化させる。
次いで、図8Cに示すように、グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91を第二流路ポート23または第三流路ポート24から取り除く。これにより、細胞94dを含むゲル92の部分が残り、ゲル92の層と第一基板10の間には空隙が形成される。
ii)培養液の灌流・観察
次いで、図8Dに示すように、第二流路ポート23、第一流路ポート21からそれぞれ培養液、化合物質、細胞を注入し、第三流路ポート24、第一流路ポート22から回収する。すなわち細胞94dを含んだゲル92側の両面において、それぞれサンプリングすることにより、注入した化学物質や細胞の移行経路を反映した作用や動態を、生化学的、分子生物学的に解析することが可能である。また顕微鏡などを用いて、注入した化学物質や細胞の組織モデルに対する拡散や影響を組織学的に解析することも可能である。
また、構築した組織モデルに応じて、細胞94dを含んだゲル92側の両面において、それぞれ液体を灌流させることもできる。
例えば、線維芽細胞、腫瘍細胞などをゲル92に包埋する。第一流路ポート21から第一流路ポート22へ化学誘引物質を含んだ培養液を灌流し、第二流路ポート23から第三流路ポート24へ化学誘引物質を含まない培養液を灌流して、回収する。
これにより、ゲル92内に安定した化学誘引物質の濃度勾配を生じ、化学誘引物質に対する細胞遊走性を測定できる。
以上のように、両面灌流培養において、人工的なメンブレンを使用せずとも、細胞層バリアを形成することが可能となる。
(2)片面灌流
<使用例4>
(a)On-Gel培養
例えば、血管内皮を媒介する化学誘引物質に対する白血球、腫瘍細胞の細胞遊走性の測定をすることができる。
i)細胞支持体の形成
初めに、図9Aに示すように、ゲル92の水溶液を第一流路ポート21から注入し、ゲル化させる。注入されたゲル92は、毛細管力、表面張力により、概ね第一流路ポート21,22間の範囲に留まる。このとき、注入されるゲル92の量は、注入されたゲル92の高さが、第二流路26の壁面26d及び第三流路27の壁面27dよりも高く、且つ第一流路25の壁面25dよりも低くなるように設定される。
ii)細胞層バリアの形成
次いで、図9Bに示すように、第二流路ポート23、及び/又は第一流路ポート21から培養液93を注入する。
次いで、図9Cに示すように、第一流路ポート21から細胞94eを投入し、培養する。これにより、図9Dに示すように、細胞層バリア95eがゲル92上に形成される。
iii)培養液の灌流・観察
次いで、図9Eに示すように、第二流路ポート23、第一流路ポート21からそれぞれ培養液、化学物質、細胞を注入し、第三流路ポート24、第一流路ポート22から回収する。すなわち細胞層バリア95eのApical側(図9Eでは細胞層バリア95eの上側)、Basal側(図9Eでは細胞層バリア95eの下側)の両面において、それぞれサンプリングすることにより、注入した化学物質や細胞の移行経路を反映した作用や動態を、生化学的、分子生物学的に解析することが可能である。また顕微鏡などを用いて、注入した化学物質や細胞の組織モデルに対する拡散や影響を組織学的に解析することも可能である。
また、構築した組織モデルに応じて、細胞層バリア95eのApical側の液体を灌流させることもできる。
例えば、血管内皮細胞からなる細胞層バリア95eを形成することにより、血管モデルを構築する。
第一流路ポート21から第一流路ポート22へ化学誘引物質(例えばTNα)を含んだ培養液を灌流し、血管内皮を活性化させる。その後、第一流路ポート21(または第一流路ポート22)から、白血球や腫瘍細胞を投入する。
これにより、投入した細胞の、細胞層バリア95eへの接着や、細胞層バリア95eからの遊走を評価することができる。
<使用例5>
(b)On&In-Gel培養
細胞バリア層を経由する生理活性物質、薬剤などの透過、吸収、代謝などを評価することができる。例えば、角膜からの透過率・毒性、腸管からの吸収効率・代謝・毒性、血管からの透過率・毒性を評価することができる。
i)細胞支持体の形成
初めに、図10Aに示すように、細胞94fを含んだゲル92の水溶液を第一流路ポート21から注入し、ゲル化させる。注入されたゲル92は、毛細管力、表面張力により、概ね第一流路ポート21,22間の範囲に留まる。このとき、注入されるゲル92の量は、注入されたゲル92の高さが、第二流路26の壁面26d及び第三流路27の壁面27dよりも高く、且つ第一流路25の壁面25dよりも低くなるように設定される。
ii)細胞層バリアの形成
次いで、図10Bに示すように、第二流路ポート23、及び/又は第一流路ポート21から培養液93を注入する。
次いで、図10Cに示すように、第一流路ポート21から細胞94gを投入し、培養する。これにより、図10Dに示すように、細胞層バリア95gがゲル92上に形成される。
iii)培養液の灌流・観察
次いで、図10Eに示すように、第二流路ポート23、第一流路ポート21からそれぞれ培養液、化合物質、細胞を注入し、第三流路ポート24、第一流路ポート22から回収する。すなわち細胞層バリア95g側の面と、細胞94fを含んだゲル92側の両面において、それぞれサンプリングすることにより、注入した化学物質や細胞の移行経路を反映した作用や動態を、生化学的、分子生物学的に解析することが可能である。また顕微鏡などを用いて、注入した化学物質や細胞の組織モデルに対する拡散や影響を組織学的に解析することも可能である。
また、構築した組織モデルに応じて、細胞層バリア95gのApical側の液体を灌流させることもできる。
なお、本実施例では、両面灌流のOn&In-Gelの実施例と同様に、基底膜モデルや血管モデルを構築し、評価を行うことが可能である。
<使用例6>
(c)In-Gel培養
例えば、線維芽細胞、腫瘍細胞、などの細胞周辺環境の化学誘引物質(化学信号)に対する細胞遊走性の測定をすることができる。
i)細胞支持体の形成
初めに、図11Aに示すように、細胞94hを含んだゲル92の水溶液を第一流路ポート21から注入し、ゲル化させる。注入されたゲル92は、毛細管力、表面張力により、概ね第一流路ポート21,22間の範囲に留まる。このとき、注入されるゲル92の量は、注入されたゲル92の高さが、第二流路26の壁面26d及び第三流路27の壁面27dよりも高く、且つ第一流路25の壁面25dよりも低くなるように設定される。
次いで、図11Bに示すように、第二流路ポート23、及び/又は第一流路ポート21から培養液93を注入する。
ii)培養液の灌流・観察
次いで、図11Cに示すように、第二流路ポート23、第一流路ポート21からそれぞれ培養液、化合物質、細胞を注入し、第三流路ポート24、第一流路ポート22から回収する。すなわち細胞94hを含んだゲル92側の両面において、それぞれサンプリングすることにより、注入した化学物質や細胞の移行経路を反映した作用や動態を、生化学的、分子生物学的に解析することが可能である。また顕微鏡などを用いて、注入した化学物質や細胞の組織モデルに対する拡散や影響を組織学的に解析することも可能である。
また、構築した組織モデルに応じて、細胞94hを含んだゲル92側の上面において、液体を灌流させることもできる。
以上のように、片面灌流培養において、人工的なメンブレンを使用せずとも、細胞層バリアを形成することが可能となる。
(3)気液界面培養
細胞バリア層として、ケラチノサイト、線維芽細胞を形成し、経皮からの吸収効率・毒性を評価することができる。
<使用例7>
i)細胞支持体の形成
初めに、図12Aに示すように、細胞94iを含んだゲル92の水溶液を第一流路ポート21から注入し、ゲル化させる。注入されたゲル92は、毛細管力、表面張力により、概ね第一流路ポート21,22間の範囲に留まる。このとき、注入されるゲル92の量は、注入されたゲル92の高さが、第二流路26の壁面26d及び第三流路27の壁面27dよりも高く、且つ第一流路25の壁面25dよりも低くなるように設定される。
ii)細胞層バリアの形成
次いで、図12Bに示すように、第二流路ポート23、及び/又は第一流路ポート21から培養液93を注入する。
次いで、図12Cに示すように、第一流路ポート21から細胞94jを投入し、培養する。これにより、図12Dに示すように、細胞層バリア95jがゲル92上に形成される。
次いで、図12Eに示すように、細胞層バリア95j側の培養液を除去し、空気へ暴露する。細胞層バリア95jとして、ケラチノサイトを培養した場合に、ケラチノサイト重層化による重層扁平上皮への増殖分化を発現させることができる。
以上のように、本実施形態に係るマイクロ流体デバイス1の使用方法は、第二流路ポート23または第三流路ポート24からグリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91を注入し、グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91の高さを第二流路26の主面20b側の壁面26d及び第三流路27の主面20b側の壁面27dよりも高く且つ第一流路25の主面20b側の壁面25dよりも低くする第一ステップと、第一流路ポート21からゲル92の水溶液を注入する第二ステップと、ゲル92の水溶液をゲル化させる第三ステップと、第三流路ポート24または第二流路ポート23からグリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル91を排出する第四ステップと、を有するものでよい。
ゲル92の土台になる材料としては、比重がゲル92よりも高いことを要する。ゲル92の比重のほうが高いと、ゲル92の土台の中にゲル92が沈み込んで、ゲル92の層を形成できないためである。具体的な材料としては、グリセロールや熱相転移ヒドロゲルが利用可能である。熱相転移ヒドロゲルとしては、4~37℃で液化することが好ましい。
使用可能なゲル92の条件として、生理的条件下(37℃)でゲル化すること、細胞毒性がないことが挙げられる。具体的には、天然物由来高分子のゲルと合成高分子のゲルとがある。
天然物由来高分子のゲルとしては、コラーゲン(I型、II型、III型、V型、XI型など)、マウスEHS腫瘍抽出物(IV型コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカンなどを含む)より再構成された基底膜成分(商品名:マトリゲル)、ゼラチン、寒天、アガロース、フィブリン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸、プロテオグリカ、等があげられる。
合成高分子のゲルとしては、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリ(II-ヒドロキシエチルメタクリレート)/ポリカプロラクトン(poly(II-hydroxyethyl methacrylate)/polycaprolactone)、および、これらの混合物、等があげられる。
以上のように、気液界面培養において、人工的なメンブレンを使用せずとも、細胞層バリアを形成することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
上記の各実施形態で採用している構造を他の任意の実施形態に採用することは可能である。各部の具体的な構成は、上記した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
(1)上記実施形態に係るマイクロ流体デバイス1においては、第二流路26が第一流路25の端部に接続されているが、第二流路26は、第一流路25の中途部に接続されてもよい。図13の例では、屈曲して形成された第一流路25の屈曲部に第二流路26が接続されている。
(2)第二流路26は複数設けられてもよい。図14の例では、2つの第二流路26が第一流路25に接続されている。なお、この例では2つの第二流路26の壁面26dの高さが異なっているが、同じでもよい。
(3)図15に示すように、マイクロ流体デバイス1は、第二流路26に接続され、主面20aに沿う方向に延在する第四流路28と、第三流路27に接続され、主面20aに沿う方向に延在する第五流路29と、第四流路28に接続され、主面20bに向かって、第二基板20を貫通して形成される少なくとも一つの第四流路ポート30と、第五流路29に接続され、主面20bに向かって、第二基板20を貫通して形成される少なくとも一つの第五流路ポート31と、を備え、第四流路28の主面20b側の壁面28d及び第五流路29の主面20b側の壁面29dは、第二流路26の主面20b側の壁面26d及び第三流路27の主面20b側の壁面27dよりも主面20aに近いものでもよい。
(4)上記実施形態に係るマイクロ流体デバイス1は、第二基板20の主面20aに形成した凹部(第一凹部25a、第二凹部26a、及び第三凹部27a)のみにより、流路(第一流路25、第二流路26、及び第三流路27)を構成していたが、これに限定されない。例えば図16に示すように、第一基板10の主面10aに形成された凸部11と第二基板20の第一凹部25aとにより第一流路25を構成してもよい。この場合であっても、第一流路25の主面20b側の壁面25dは、第二流路26の主面20b側の壁面26d及び第三流路27の主面20b側の壁面27dよりも主面20bに近い。
(5)図17に示すように、複数のマイクロ流体デバイス1が、1枚のプレート上に構成されていてもよい。
(6)上記実施形態に係るマイクロ流体デバイス1においては、第一流路25の幅がZ方向に一定であるが、これに限定されない。図18に示すように、第一流路25の幅は、第二主面20bに向かって拡がっていてもよい。これにより、第一流路25に生じる毛細管力を緩和することができる。図18は、図5のC-C線断面図に対応する。図18(a)に示す例では、第一流路25は、幅がZ方向に一定の定幅部251と、幅が定幅部251の幅から第二主面20bへ向かうにつれて徐々に拡がる拡幅部252と、を有する。また、図18(b)に示す例では、第一流路25は、幅がZ方向に一定の定幅部251と、幅が定幅部251の幅よりも広く且つZ方向に一定の拡幅部253と、を有する。
1 :マイクロ流体デバイス
10 :第一基板
20 :第二基板
20a :主面
20b :主面
21 :第一流路ポート
22 :第一流路ポート
23 :第二流路ポート
24 :第三流路ポート
25 :第一流路
25a :第一凹部
25d :壁面
26 :第二流路
26a :第二凹部
26d :壁面
27 :第三流路
27a :第三凹部
27d :壁面
28 :第四流路
28d :壁面
29 :第五流路
29d :壁面
30 :第四流路ポート
31 :第五流路ポート
91 :グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲル
92 :ゲル

Claims (6)

  1. 第一基板と、
    前記第一基板に対して部分的に接合された第二基板と、
    前記第一基板と前記第二基板の間で前記第二基板の第一主面に沿う方向に延在する第一流路と、
    前記第一流路に接続され、前記第一主面に沿う方向に延在する第二流路と、
    前記第一流路に接続され、前記第一主面に沿う方向に延在する第三流路と、
    前記第一流路に接続され、前記第二基板の前記第一主面とは反対側に位置する第二主面に向かって、前記第二基板を貫通して形成される複数の第一流路ポートと、
    前記第二流路に接続され、前記第二主面に向かって、前記第二基板を貫通して形成される少なくとも一つの第二流路ポートと、
    前記第三流路に接続され、前記第二主面に向かって、前記第二基板を貫通して形成される少なくとも一つの第三流路ポートと、を備え、
    前記第一流路の前記第二主面側の壁面は、前記第二流路の前記第二主面側の壁面及び前記第三流路の前記第二主面側の壁面よりも前記第二主面に近い、マイクロ流体デバイス。
  2. 前記第二流路は、前記第一流路の中途部に接続される、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
  3. 前記第二流路は複数設けられる、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
  4. 前記第二流路に接続され、前記第一主面に沿う方向に延在する第四流路と、前記第三流路に接続され、前記第一主面に沿う方向に延在する第五流路と、前記第四流路に接続され、前記第二主面に向かって、前記第二基板を貫通して形成される少なくとも一つの第四流路ポートと、前記第五流路に接続され、前記第二主面に向かって、前記第二基板を貫通して形成される少なくとも一つの第五流路ポートと、を備え、
    前記第四流路の前記第二主面側の壁面及び前記第五流路の前記第二主面側の壁面は、前記第二流路の前記第二主面側の壁面及び前記第三流路の前記第二主面側の壁面よりも前記第一主面に近い、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
  5. 前記第一流路の幅は、前記第二主面に向かって拡がる、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
  6. 請求項1に記載のマイクロ流体デバイスの使用方法であって、
    前記第二流路ポートまたは前記第三流路ポートからグリセロールまたは熱相転移ヒドロゲルを注入し、前記グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲルの高さを前記第二流路の前記第二主面側の壁面及び前記第三流路の前記第二主面側の壁面よりも高く且つ前記第一流路の前記第二主面側の壁面よりも低くする第一ステップと、
    前記第一流路ポートからゲル水溶液を注入する第二ステップと、
    前記ゲル水溶液をゲル化させる第三ステップと、
    前記第三流路ポートまたは前記第二流路ポートから前記グリセロールまたは熱相転移ヒドロゲルを排出する第四ステップと、を有するマイクロ流体デバイスの使用方法。
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