JP2022060736A - ロータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁石をロータコアに対し絶縁された状態で固定する。【解決手段】ロータの製造方法は、軸線方向に延びる磁石孔21を有するロータコア16と、磁石孔21内に配置される磁石25と、磁石孔21内で磁石25の厚み方向における両側に配置され、かつ少なくとも一方の側に配置されたものが発泡シートにより構成される複数の絶縁シート26とを備えるロータに適用される。治具挿入工程では、軸線方向及び厚み方向に対し直交する方向である幅方向における磁石孔21の両方の側部にそれぞれ治具41を挿入する。シート挿入工程では、磁石孔21内に絶縁シート26を挿入する。磁石挿入工程では、磁石孔21内の両治具41間に磁石25を挿入する。発泡工程では、発泡シートからなる絶縁シート26を発泡させる。治具抜き出し工程では、発泡により磁石25及び絶縁シート26が固定されたロータコア16の磁石孔21から両治具41を抜き出す。【選択図】図7

Description

本発明は、ロータの製造方法に関し、より詳しくは、ロータコアの磁石孔内に磁石を挿入してロータコアに固定する工程を含むロータの製造方法に関する。
自動車の動力源に使用されるモータとして、例えば、永久磁石式同期モータ(PMモータ)があり、その1つに、磁石が埋め込まれたロータを用いたIPMタイプがある。上記ロータでは、ロータコアの外周部に、軸線方向に延びる磁石孔が形成されており、この磁石孔内に磁石が配置されている。
上記タイプのモータでは、磁石孔内に配置された磁石を、ロータコアに対し絶縁された状態で固定する方法が種々考えられている。その1つに、磁石孔内で磁石の厚み方向における両側にそれぞれ絶縁シートを配置する方法が知られている。両絶縁シートのうち、少なくとも一方は、加熱されることで発泡する発泡シートによって構成されている(例えば、特許文献1参照)。この方法では、磁石孔内に両絶縁シート及び磁石が配置された状態で、ロータコアが加熱される。この加熱により、発泡シートが発泡して膨張し、同発泡シートの厚みが増す。ロータコアのうち、磁石孔に対し厚み方向に面する内壁面と磁石との間が絶縁シートによって埋められる。磁石が両絶縁シートを介して上記内壁面に押し付けられてロータコアに固定される。上記方法によれば、磁石を絶縁被膜で被覆する方法よりも低いコストで、磁石を、ロータコアに対し絶縁された状態で固定することが可能である。
特開2015-104273号公報
ところが、上記従来の方法では、磁石を磁石孔内に挿入する際に、磁石が上記内壁面に接触するおそれがある。磁石が上記内壁面に接触した状態で、発泡シートからなる絶縁シートが発泡されると、磁石をロータコアに対し絶縁された状態で固定することが難しいといった課題がある。
上記課題を解決するロータの製造方法は、軸線方向に延びる磁石孔を有するロータコアと、前記磁石孔内に配置される磁石と、前記磁石孔内で前記磁石の厚み方向における両側に配置され、かつ少なくとも一方の側に配置されるものが発泡シートにより構成される複数の絶縁シートとを備えるロータを製造する方法であって、前記軸線方向及び前記厚み方向に対し直交する方向である幅方向における前記磁石孔の両方の側部にそれぞれ治具を挿入する治具挿入工程と、前記磁石孔内に前記絶縁シートを挿入するシート挿入工程と、前記磁石孔内の両治具間に前記磁石を挿入する磁石挿入工程と、前記磁石とともに前記磁石孔内に配置され、かつ前記発泡シートからなる前記絶縁シートを発泡させる発泡工程と、発泡シートからなる前記絶縁シートの発泡により前記磁石及び前記絶縁シートが固定された前記ロータコアの前記磁石孔から両治具を抜き出す治具抜き出し工程とを含む。
上記の製造方法では、ロータコアの軸線方向と磁石の厚み方向との両者に対し直交する方向を、磁石孔及び磁石の幅方向とする。
治具挿入工程では、上記幅方向における磁石孔の両方の側部にそれぞれ治具が挿入される。
シート挿入工程では、磁石孔内に絶縁シートが挿入される。
磁石挿入工程では、磁石孔内の両治具間に磁石が挿入される。この際、磁石が治具に接触することで、上記幅方向へ動くことを規制される。すなわち、磁石は、次の条件を満たしていて、ロータコアに対し絶縁された箇所に位置決めされた状態で配置される。その条件とは、ロータコアにおいて、磁石孔に対し厚み方向に面する内壁面のうち、従来技術であれば、磁石が接触するおそれのある箇所から幅方向へ離れた箇所である。
発泡工程では、磁石とともに磁石孔内に配置された絶縁シートのうち、磁石の厚み方向における少なくとも一方の側に配置され、かつ発泡シートからなる絶縁シートが発泡させられる。この発泡により、発泡シートからなる絶縁シートが膨張して厚みが増加し、上記内壁面と磁石との間が絶縁シートによって埋められる。表現を変えると、磁石が厚み方向における両側の絶縁シートを介して両内壁面に押し付けられる。この押し付けにより、磁石は、ロータコアに対し絶縁された状態で固定される。
治具抜き出し工程では、上記発泡により磁石及び絶縁シートが固定されたロータコアの磁石孔から両治具が抜き出される。
その結果、磁石がロータコアに対し絶縁された状態で固定されたロータが得られる。
一実施形態におけるモータの軸線を含む面での断面図。 一実施形態におけるロータコアの軸線に直交する面での側面図。 図2におけるX部を拡大して示す部分側面図。 磁石及び2枚の絶縁シートが図3における各磁石孔内に配置されて、ロータコアに固定された状態を示す部分側面図。 (a),(b)は、一実施形態におけるロータの製造工程を、図3におけるA-A線に沿った断面において説明する部分断面図。 (a)~(c)は、一実施形態におけるロータの製造工程のうち、図5の続きを説明する部分断面図。 (a)~(d)は、図3及び図4に対応する図であり、一実施形態におけるロータの製造工程を説明する部分側面図。
以下、ロータの製造方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
最初に、自動車用等の動力源として使用されるIPMタイプのモータについて簡単に説明する。図1に示すように、モータ10は、ステータ11及びロータ15を備えている。ステータ11は筒状をなし、ロータ15の周りに空隙部を隔てて配置されている。ステータ11の内周部には、複数のティースが周方向に等角度毎に設けられている。隣り合うティース間にはスロットが形成されている。スロットには、ティースの周囲に巻回された状態のステータコイルが配置されている。このステータコイルに通電されると、ロータ15を回転させる回転磁界がステータ11の内側に形成される。
ロータ15は、ロータコア16、シャフト31、2枚のエンドプレート35及び固定部材36を備えている。
図1及び図2に示すように、ロータコア16は円筒状をなしている。ロータコア16は、複数の電磁鋼板17を同ロータコア16の軸線L1に沿う方向(以下「軸線方向」という)に積層することにより構成されている。
シャフト31は、上記軸線方向に延びており、ロータコア16の中心部に挿通されている。シャフト31の外周にはフランジ部32が形成されている。フランジ部32は、ロータ15が組み立てられる際にエンドプレート35に接触して、シャフト31でのロータコア16の軸線方向における位置決めを行なう。
各エンドプレート35は、例えば、ロータコア16と略同一の外形形状を有する円板によって構成されている。各エンドプレート35は、非磁性材料、例えば、非磁性金属材料、樹脂材料等によって形成されている。両エンドプレート35は、上記軸線方向におけるロータコア16の両側に配置されている。なお、エンドプレート35をロータコア16よりも小径化する又は省略することにより、コスト低減が図られてもよい。
固定部材36は、ロータコア16及び2枚のエンドプレート35を上記フランジ部32に向かって押圧した状態で、シャフト31に対し一体回転可能に固定している。
次に、図1~図4を参照して、ロータコア16の構成について説明する。
図2及び図4に示すように、ロータコア16の外周部には、複数の磁極18が周方向に等角度毎に設けられている。各磁極18は、2つの磁石孔21と、それぞれの磁石孔21内に配置されてロータコア16に固定された2つの磁石25とを備えている。
図2~図4に示すように、磁極18毎の2つの磁石孔21は、ロータコア16の径方向及び周方向のいずれに対しても傾斜した状態でロータコア16の軸線方向に延びている。磁極18毎の2つの磁石孔21は、周方向に互いに線対称の関係となる断面形状を有している。磁極18毎の磁石孔21は、ロータコア16の外周面へ向かって互いに間隔が広がるように形成されており、略V字状をなしている。
ただし、これに限定されるものではなく、磁極18毎の2つの磁石孔21が非線対称に配置されてもよい。また、1つの磁極18は、1つの磁石孔21だけを含んで構成されてもよいし、3つ以上の磁石孔21を含んで構成されてもよい。
各磁石25は、ロータコア16の軸線方向に延びる長尺状の永久磁石によって構成されている。各磁石25は、軸線方向における磁石孔21の長さと同程度の長さを有している。各磁石25の断面形状は、上記軸線方向のどの箇所でも同一の長方形状をなしている。ここで、磁石25及び同磁石25が配置された磁石孔21の各部を特定するために、図4及び図7(a)に示すように、磁石25毎の長方形の断面形状における一対の長辺が並ぶ方向を、磁石孔21及び磁石25の厚み方向というものとする。また、磁石25毎の長方形の断面形状における一対の短辺が並ぶ方向を、磁石孔21及び磁石25の幅方向というものとする。幅方向は、軸線方向及び厚み方向の両者に対し直交している。厚み方向及び幅方向は、磁石孔21毎に異なり、また、同磁石孔21内に配置される磁石25毎に異なる。
なお、本実施形態では各磁石25は、絶縁被膜によって被覆されていない。また、各磁石25には、接着剤及び粘着剤のいずれも塗布されていない。
各磁石孔21は、磁石25が挿入される挿入部22と、上記幅方向における挿入部22の両側にそれぞれ連続して形成された2つの拡張部24とを備えている。各拡張部24は空隙部によって構成されており、ここには磁石25は配置されていない。
軸線L1に直交する面での各磁石孔21の断面積は、間隙を設けて磁石25を収容させるために、磁石25の断面積よりも大きい。
挿入部22は、上記厚み方向に対向する一対の内壁面23を有している。両内壁面23の間隔(厚み方向における挿入部22の寸法)は、磁石25の厚みに対し、後述する2枚分の絶縁シート26の厚みを加えた寸法よりも若干大きく設定されている。ここでの絶縁シート26は、加熱により膨張する前の絶縁シート26である。
各磁石孔21の挿入部22内であって、上記厚み方向における両側には、それぞれ絶縁シート26が配置されている。各絶縁シート26は1枚のシートによって構成されている。各絶縁シート26は、軸線方向における磁石孔21の長さと同程度の長さを有している。各絶縁シート26の主要部は、絶縁性を有するシート基材によって構成されている。両絶縁シート26の配置により、磁石25とロータコア16とが絶縁されており、磁石25を介して発生する渦電流損失の低減が図られている。
各絶縁シート26は、磁石25と、これに隣接する内壁面23との間に介装し得るようにシート状に形成されている。各絶縁シート26としては、上記厚み方向における両側の面と同等の形状及び大きさに形成されたものが用いられている。
両絶縁シート26の少なくとも一方、表現を変えると、上記厚み方向における少なくとも一方の側に配置される絶縁シート26は、発泡シートによって構成されている。本実施形態では、両方の絶縁シート26が発泡シートによって構成されている。
発泡シートは、上記シート基材に対し、加熱により発泡する発泡剤が混合されたものであってもよい。また、発泡シートは、加熱により発泡する発泡層を、上記シート基材に積層することによって形成されたものであってもよい。いずれの場合にも、発泡シートとして、次の条件を満たすものが用いられている。
発泡シートは、所定の温度に加熱されることで、内部に多数の気孔が形成されて発泡状態となる。発泡シートは、外形寸法が増大して不可逆的に熱膨張し、冷却後でもその体積を維持する。また、発泡シートは高い耐熱性を有している。
なお、上記厚み方向における各絶縁シート26の両側の面には、接着剤及び粘着剤のいずれも塗布されていない。
次に、本実施形態の作用として、ロータ15を製造する方法について説明する。また、作用に伴い生ずる効果についても併せて説明する。このロータ15の製造方法は、準備工程、治具挿入工程、シート挿入工程、磁石挿入工程、発泡工程及び治具抜き出し工程を含んでいる。これらの一連の工程は、ロータコア16における全ての磁石孔21に対し行なわれる。次に、1つの磁石孔21に対し行なわれる上記一連の工程について説明する。
なお、図5(a),(b)及び図6(a)~(c)は、上記工程の概略を示している。そのため、これらの図では、例えば、電磁鋼板17の枚数等、細部については、図1と対応していない部分がある。
<準備工程>
図2に示すように、準備工程では、外周部に複数の磁石孔21が形成されたロータコア16が準備される。また、ロータコア16の磁石孔21と同数の磁石25と、磁石孔21の2倍の数の絶縁シート26とが準備される。
<治具挿入工程>
図5(a)及び図7(a)に示すように、治具挿入工程では、互いに平行な状態で、又は平行に近い状態で上記軸線方向に延びる2つの治具41が用いられる。両治具41は、単一の部材の一部によって構成されてもよい。また、両治具41は、2つの部材によって構成されてもよい。各治具41としては、軸線方向における磁石孔21の長さよりも長いものが用いられる。
各治具41は、相対向する対向面42を有している。各対向面42は、拡張部24に対する治具41の挿入方向における前側ほど両対向面42間の間隔が拡がるように、軸線L1に対し傾斜している。
上記幅方向における磁石孔21の両側部に位置するそれぞれの拡張部24に対し、治具41が挿入される。この挿入は、例えば、図示しない治具移動機構により、図5(a)において矢印で示すように、軸線方向における一方から他方に向けて、図5(a)では下方から上方へ向けて行なわれる。両治具41の上記挿入は、上記軸線方向における両拡張部24の全長にわたって行なわれる。
<シート挿入工程>
図5(b)及び図7(b)に示すように、シート挿入工程では、挿入部22内に、それぞれ発泡シートからなる2枚の絶縁シート26が挿入される。
この挿入は、例えば、上記治具移動機構とは別に設けられた図示しないシート移動機構により、図5(b)において矢印で示すように、軸線方向における上記他方から上記一方に向けて、図5(b)では上方から下方へ向けて行なわれる。両絶縁シート26の挿入部22への挿入方向は、治具41の拡張部24への上記挿入方向とは反対方向である。このため、シート移動機構と治具移動機構との干渉を回避することができる。
上述したように、各治具41の対向面42が軸線L1に対し傾斜していて、両治具41の挿入部22に対する挿入方向における前側ほど両対向面42間の間隔が拡がっている。従って、両絶縁シート26が両治具41間を通過する場合には、両治具41の間隔が最初は広く、徐々に狭くなっていく。そのため、各対向面42が軸線L1に対し平行であって、両治具41間の間隔が軸線方向のどの箇所でも一定である場合よりも、両絶縁シート26を両治具41間に挿入しやすい。この点は、後述する磁石25を挿入部22内の両治具41間に挿入する際も、同様である。
また、両絶縁シート26の挿入部22への上記挿入は、絶縁シート26の厚み方向を磁石孔21の厚み方向に合わせ、かつ同絶縁シート26を上記内壁面23に接近又は接触させた状態で行なわれる。この挿入の際、各絶縁シート26が治具41に接触すれば、絶縁シート26が上記幅方向へ動くことを規制される。すなわち、上記幅方向における両絶縁シート26の位置決めが行なわれる。
なお、上述したように、各絶縁シート26には、接着剤及び粘着剤のいずれも塗布されていない。そのため、各絶縁シート26を挿入部22に挿入する際、挿入部22の内壁面23に絶縁シート26が、接着又は粘着することがない。従って、この点においても、各絶縁シート26を挿入部22に挿入しやすい。特に、本実施形態では、各絶縁シート26として軸線方向における磁石孔21と同程度の長さを有する長いものが用いられるため、この効果は大きい。
各絶縁シート26の上記挿入は、上記軸線方向における挿入部22の全長にわたって行なわれる。
なお、両絶縁シート26は、挿入部22に対し内壁面23から上記厚み方向へ離れた箇所に挿入され、その後に、内壁面23に近付けられてもよい。
また、挿入部22内に挿入された両絶縁シート26は、図示しない治具等により、内壁面23に接近又は接触した状態に保持される。
<磁石挿入工程>
図6(a)及び図7(c)に示すように、磁石挿入工程では、磁石孔21内の両治具41間であって両絶縁シート26間に磁石25が挿入される。この挿入は、磁石25の厚み方向を磁石孔21の厚み方向に合わせられた状態で行なわれる。
また、上記磁石25の挿入は、例えば、上記治具移動機構及びシート移動機構とは別に設けられた図示しない磁石移動機構により、図6(a)において矢印で示すように、軸線方向における上記他方から上記一方に向けて、図6(a)では上方から下方に向けて行なわれる。磁石25の挿入部22への挿入方向は、治具41の拡張部24への挿入方向とは反対方向である。このため、磁石移動機構と治具移動機構との干渉を回避することができる。
また、磁石25の挿入部22への挿入の際、同磁石25が治具41に接触することで、同磁石25が上記幅方向へ動くことを規制される。すなわち、磁石25は、次の条件を満たしていて、ロータコア16に対し絶縁された箇所に位置決めされた状態で配置される。その条件とは、挿入部22の内壁面23のうち、従来技術であれば、磁石が接触するおそれのある箇所から幅方向へ離れた箇所である。
なお、上述したように、各絶縁シート26にも磁石25にも、接着剤及び粘着剤のいずれも塗布されていない。そのため、磁石25を挿入部22に挿入する際、磁石25が絶縁シート26に接触することはあっても、接着又は粘着することがない。従って、磁石25を挿入部22に挿入しやすい。特に、本実施形態では、磁石25として、軸線方向における磁石孔21の長さと同程度の長さを有する長いものが用いられるため、この効果は大きい。
磁石25の上記挿入は、上記軸線方向における挿入部22の全長にわたって行なわれる。
<発泡工程>
図6(b)及び図7(d)に示すように、発泡工程では、磁石25及び両絶縁シート26のうち少なくとも磁石25が上記の箇所に位置決めされた状態で、ロータコア16が加熱される。この加熱により、両絶縁シート26のうち発泡シートからなる絶縁シート26、本実施形態では両方の絶縁シート26が発泡させられる。この発泡により各発泡シートが膨張して厚みが増加し、内壁面23と磁石25との間が絶縁シート26によって埋められる。表現を変えると、磁石25が両絶縁シート26を介して両内壁面23に押し付けられる。この押し付けにより、磁石25は、ロータコア16に対し絶縁された状態で固定される。また、発泡シートからなる絶縁シート26の上記発泡による膨張は不可逆的に行なわれる。そのため、発泡シートからなる絶縁シート26は膨張した状態に保持され、磁石25は、ロータコア16に対し絶縁された状態で固定され続ける。
<治具抜き出し工程>
図6(c)に示すように、治具抜き出し工程では、上記発泡により磁石25及び両絶縁シート26が固定されたロータコア16の磁石孔21の両拡張部24から両治具41が抜き出される。この抜き出しは、上記治具移動機構により、図6(c)において矢印で示すように、軸線方向における他方から一方に向けて、図6(c)では上方から下方に向けて行なわれる。
また、上述したように、各治具41のそれぞれの対向面42が軸線L1に対し傾斜していて、両治具41の拡張部24に対する挿入方向における前側ほど両対向面42間の間隔が拡がっている。従って、両治具41の磁石25及び両絶縁シート26に対する接触面積が、各対向面42が軸線L1に対して平行であって、両治具41間の間隔が軸線方向のどの箇所でも一定である場合よりも少なく、両治具41を両拡張部24から抜き出しやすい。
上記のようにして、両治具41が磁石孔21から抜き出されると、図4に示すように、各磁石孔21に磁石25が、適正に位置決めされた状態で固定され、かつ拡張部24に治具41がない状態のロータコア16が得られる。
本実施形態によると、上記以外にも、次の効果が得られる。
・上述したように、治具41が磁石25の幅方向の位置決めを行なう機能を発揮する。そのため、磁石25の幅方向の位置決めを行なう箇所をロータコア16に別途設けなくてもすむ。
・絶縁シート26を用いることで、磁石25を内壁面23から上記厚み方向へ離間させている。そのため、磁石25を絶縁被膜によって被覆しなくてすむ。これに伴い、磁石25を絶縁被膜によって被覆する工程が不要となり、ロータ15の製造工数及びコストを低減できる。
・発泡シートからなる絶縁シート26を発泡させることによって、磁石25をロータコア16に固定している。そのため、ロータコア16内に磁石25を固定する作業が容易になる。
・発泡シートを含む絶縁シート26は、シート状をなしている。そのため、絶縁シート26を、磁石25、磁石孔21等の形状に合わせた形状に容易に形成することができる。絶縁シート26の取り扱いが容易である。
・発泡シートからなる絶縁シート26の加熱処理は、ロータコア16における全ての磁石孔21に対する、磁石25及び絶縁シート26の挿入が行なわれた後に、一度だけ行なわれればよい。このようにすると、各磁石孔21に対し、絶縁シート26及び磁石25の挿入が行なわれる毎に加熱処理を行なわなくてすむ。製造工程を簡略化して生産性を向上させることができる。
・本実施形態では、発泡シートの発泡により磁石25及び両絶縁シート26をロータコア16に固定している。そのため、絶縁シート26及び磁石25のいずれに対しても、接着剤又は粘着剤を塗布しなくてすむ。
・発泡シートからなる絶縁シート26は、不可逆的に熱膨張する。そのため、モータ10の運転時に温度が上昇した場合であっても、発泡シート(絶縁シート26)の体積は変化しにくい。しかも、発泡シート(絶縁シート26)は高い耐熱性を有するため、変形、溶融等を生じにくい。モータ10の運転状態に左右されずに、磁石25を磁石孔21の適正な位置に、安定して固定し続けることができる。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・2枚の絶縁シート26の一方のみが発泡シートによって構成されてもよい。この場合、他方の絶縁シート26は加熱されても発泡しない。しかし、発泡シートからなる絶縁シート26が発泡により膨張して厚みを増加することで、内壁面23と磁石25との間を絶縁シート26によって埋める効果は得られる。
なお、磁石孔21毎の2枚の絶縁シート26のうち、一方の絶縁シート26のみが発泡シートによって構成される場合、いずれの絶縁シート26が発泡シートによって構成されてもよい。
・絶縁シートが上記実施形態よりも多い数用いられてもよい。
例えば、上記厚み方向における少なくとも一方の側の絶縁シート26は、上記幅方向に並べられた状態で配置される複数のシートによって構成されてもよい。
また、上記厚み方向における少なくとも一方の側の絶縁シート26は、上記軸線方向に並べられた状態で配置される複数のシートによって構成されてもよい。絶縁シート26が例えば2枚の場合、シート挿入工程では、絶縁シート26は、軸線方向における磁石孔21の両側から互いに接近する側へ移動されることで、磁石孔21内に挿入されてもよい。
さらに、上記厚み方向における少なくとも一方の側の絶縁シート26は、上記幅方向に並べられ、かつ上記軸線方向に並べられた状態で配置される複数のシートによって構成されてもよい。
・治具41に潤滑剤が塗布されてもよい。このようにすると、治具41と磁石25及び絶縁シート26との間の摩擦が小さくなる。そのため、治具挿入工程において治具41を拡張部24に挿入しやすくなり、治具抜き出し工程において治具41を拡張部24から抜き出しやすくなる。
同様の効果は、治具41に対し滑りやすくするための表面処理を施すことによっても得られる。
・治具41における対向面42の軸線L1に対する傾斜角度は、両治具41間で同一であってもよいし、異なっていてもよい。
・ロータコア16に磁石25を固定する一連の工程は、全ての磁石孔21に対し、1つずつ順に行なわれてもよい。また、上記一連の工程は、全ての磁石孔21に対し、同時に(一度に)行なわれてもよい。
・治具挿入工程の実施後であることを条件に、シート挿入工程及び磁石挿入工程が同時に行なわれてもよい。この場合、例えば、各絶縁シート26として、磁石25側の面に接着剤又は粘着剤が塗布されたものが用いられてもよい。また、磁石25として、上記厚み方向における両側の面に接着剤又は粘着剤が塗布されたものが用いられてもよい。両絶縁シート26が、磁石25の上記厚み方向における両側の面に貼付けられる。そして、両絶縁シート26の貼付けられた磁石25が、挿入部22内であって両治具41間に挿入される。
この場合には、両絶縁シート26及び磁石25を一度に挿入部22に挿入することができる。両絶縁シート26及び磁石25を別々に磁石孔21に挿入する場合よりも、少ない工数で、短時間で、挿入部22に挿入することが可能となる。ただし、絶縁シート26又は磁石25に対し、接着剤を塗布、あるいは粘着剤を塗布する工程が別途必要となる。
・治具移動機構、シート移動機構及び磁石移動機構が共通の機構によって構成されてもよい。この場合には、治具挿入工程、シート挿入工程及び磁石挿入工程が共通の機構によって行なわれるため、機構同士の干渉がない。従って、磁石孔21に対する治具41の挿入方向と、同磁石孔21に対する磁石25及び絶縁シート26の挿入方向とが同一であってもよい。
・治具41として、図7(a)~(d)で図示されるものよりも上記厚み方向に寸法の大きなものが用いられ、シート挿入工程において、両絶縁シート26が磁石孔21内の両治具41間に挿入されてもよい。この挿入の際、少なくとも一方の絶縁シート26が治具41に接触させられて、幅方向における位置決めが行なわれてもよい。
15…ロータ
16…ロータコア
21…磁石孔
25…磁石
26…絶縁シート
41…治具

Claims (1)

  1. 軸線方向に延びる磁石孔を有するロータコアと、前記磁石孔内に配置される磁石と、前記磁石孔内で前記磁石の厚み方向における両側に配置され、かつ少なくとも一方の側に配置されるものが発泡シートにより構成される複数の絶縁シートとを備えるロータを製造する方法であって、
    前記軸線方向及び前記厚み方向に対し直交する方向である幅方向における前記磁石孔の両方の側部にそれぞれ治具を挿入する治具挿入工程と、
    前記磁石孔内に前記絶縁シートを挿入するシート挿入工程と、
    前記磁石孔内の両治具間に前記磁石を挿入する磁石挿入工程と、
    前記磁石とともに前記磁石孔内に配置され、かつ前記発泡シートからなる前記絶縁シートを発泡させる発泡工程と、
    発泡シートからなる前記絶縁シートの発泡により前記磁石及び前記絶縁シートが固定された前記ロータコアの前記磁石孔から両治具を抜き出す治具抜き出し工程と
    を含むロータの製造方法。
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