JP2022060485A - 金融商品取引管理装置、プログラム - Google Patents

金融商品取引管理装置、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】煩雑な入力作業を行うことなく、複数の注文を簡易な操作で発注でき、利便性の高い注文を行わせる金融商品取引管理装置を提供する。【解決手段】金融商品取引管理装置1Aは、チャートをタッチパネル211・・・21nに表示させるフロントページ配信部11、第一注文情報と第二注文情報を生成する注文情報生成部16、第一注文及び第二注文を約定させる約定情報生成部14、異なる注文価格に設定される複数の第一注文、及び/又は、複数の第二注文の注文数量情報を取得する注文数量取得手段とを備え、注文情報生成部16及び約定情報生成部14は、タッチパネル211・・・21n上のユーザの指の接触位置のうち、上側に対応する上限価格と下側に対応する下限価格との価格差を注文数量情報の値で割る演算で第一注文同士、第二注文同士の値幅を設定し、全ての第一注文価格、及び/又は、全ての第二注文価格を上限価格と下限価格との間の発注価格帯に設定し第一注文情報と第二注文情報を生成する。【選択図】 図1

Description

本発明は、外国為替等、金融商品の取引を発注させる技術、及び表示させる技術に関する。
外国為替等の金融商品の取引方法として、注文時の価格で取引を行う成行注文の他に、指値注文が知られている。この指値注文とは、予めユーザから売買価格の指定を受ける注文形態であり、金融商品の取扱業者は対象となる金融商品が指定された価格まで下落したときに当該金融商品の買い注文を行い、指定された価格まで上昇したときに当該金融商品の売り注文を行う。従来、この金融商品の指値注文をコンピュータシステムを用いて行う発明が知られている(例えば、特許文献1参照)。一方、金融商品の指値注文においては、同時に複数の指値注文を発注するシステム(例えば特許文献2参照)や、イフダンオーダー(順位のある2つの注文を同時に出し、第一順位の注文が成立したら、自動的に第二順位の注文が有効になる注文形式のこと。本明細書において同じ。)が行われることも多い。そして、複数のイフダンオーダーを自動的に行うシステムが知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2006-99787号公報 特開2002-318911号公報 特開2008-130002号公報
しかし、引用文献1においては、複数の指値注文を発注する際に指値注文を個別に行わねばならず、指値注文を行うユーザにとって注文の操作が煩雑になるという問題がある。また、引用文献2及び引用文献3に記載の発明においては、指値注文を発注する際、コンピュータ端末のマウスやキーボード等により、数値を入力することで指値注文を発注しなければならず、指値注文を行うユーザにとって注文時の入力作業に要する労力が過大になるという問題がある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、金融商品の指値注文において、システムを利用するユーザが煩雑な入力作業を行うことなく、複数の指値注文を簡易な操作で発注できて、ユーザに利便性の高い指値注文を行わせることのできる金融商品取引管理装置を提供することを課題としている。
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、金融商品の取引に関する、縦軸のパラメータを前記金融商品の価格とすると共に横軸のパラメータを時間とするチャートを画像表示する表示手段と、該表示手段に外部の物体を接触又は近接されることに基づいて金融商品の取引のための操作を行う手段を有する操作手段とを備えた端末とデータの送受信を行い、前記端末の前記表示手段に表示された前記チャートに表示された前記金融商品の取引を行わせる金融商品取引管理装置であって、前記端末に、縦軸のパラメータを前記金融商品の価格とすると共に横軸のパラメータを時間とする前記チャートの画像を送信して、該チャートの画像を前記端末の前記表示手段に表示させる画像供給手段と、前記チャートが表示された前記表示手段に対する前記操作手段の所定の操作の情報を取得して、該取得した操作の情報に基づいて、買いまたは売りの一方を第一注文価格で行うための第一注文を行う第一注文情報と、前記買いまたは前記売りの他方を第二注文価格で行うための第二注文を行う第二注文情報とをそれぞれ複数生成する注文情報生成手段と、異なる注文価格に設定される複数の前記第一注文の注文数量、及び/又は、異なる注文価格に設定される複数の前記第二注文の注文数量の情報として注文数量情報を取得する注文数量取得手段とを備え、前記注文情報生成手段は、前記チャートが表示された前記表示手段に前記物体が接触又は近接し、前記操作手段が前記接触又は近接した位置に対応する前記チャートの価格情報を、前記表示手段の上下方向の2か所において前記操作手段が取得した場合に、該操作手段が取得した価格情報のうち、前記接触又は近接した位置のうち上側の位置に対応する前記価格情報を上限価格とすると共に、前記操作手段が取得した価格情報のうち、前記接触又は近接した位置のうち下側の位置に対応する前記価格情報を下限価格とし、前記上限価格と前記下限価格との間に一の発注価格帯を形成し、前記上限価格と前記下限価格との価格差の値と、前記注文数量取得手段が取得した前記注文数量情報の値とを用いた所定の演算によって得た値が、前記第一注文同士の値幅、及び/又は、前記第二注文同士の値幅、となるように設定し、前記第一注文の全ての前記第一注文価格と、前記第二注文の全ての前記第二注文価格とを、少なくとも最安値の買いの前記第一注文価格以外、又は、少なくとも最高値の売りの前記第一注文価格以外、の前記第一注文の前記第一注文価格、及び/又は、少なくとも最高値の売りの前記第一注文価格以外、又は、少なくとも最高値の買いの前記第二注文価格以外の前記第二注文の前記第二注文価格が前記発注価格帯の中に設定されるように、前記第一注文情報と前記第二注文情報とを生成する、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、発注された注文の前記注文情報の状態を監視し、該状態に応じた前記表示手段への前記注文情報の表示態様を管理する表示態様管理手段を備え、前記表示態様管理手段は、発注された注文の前記注文情報の価格毎のポジションの大きさに応じて表示態様を変化させて表示させることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成に加え、前記表示態様管理手段は、前記注文情報を任意の色で前記チャート上に表示すると共に、前記注文情報の価格毎の前記ポジションの大きさに応じて前記色の濃度を変えて表示させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の構成に加え、前記表示態様管理手段は、前記注文情報を任意の形状の記号で前記チャート上に表示すると共に、前記注文情報の価格毎の前記ポジションの大きさ及び前記ポジションの数のうち少なくとも何れか一方に応じて、前記記号の形状及び大きさのうち少なくとも何れか一方を変えて表示させることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記表示態様管理手段は、発注後未約定の前記注文情報と発注後約定済の前記注文情報について、前記注文情報を表示する色及び形状のうち少なくとも何れか一方を変えて表示させることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一つに記載の構成に加え、前記表示手段及び前記操作手段は、タッチパネルとして構成されたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、プログラムであって、コンピュータを請求項1乃至6の何れか一つに記載の金融商品取引管理装置として機能させることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、注文情報生成手段は、チャートが表示された表示手段に外部から接触物が接触した場合に、接触物が接触した箇所に対応して表示された価格に関する価格情報を取得させることにより、ユーザに対し、表示手段に表示されたチャートにおける任意の価格上に指などの物体の接触又は近接による操作の情報として、表示手段の上下方向の2か所における接触又は近接した位置のうち上側の位置と下側の位置に基づいて、注文を行う上限価格と下限価格とを設定し、上限価格と下限価格との間の発注価格帯を形成するので、第一注文や第二注文の注文価格を設定する発注価格帯を感覚的に特定することができる。また、注文情報生成手段は、接触物が表示手段の2か所に接触又は近接した場合に、上側の位置と下側の位置に基づく上限価格と下限価格との価格差の値と、注文数量取得手段が取得した注文数量情報の値とを用いた所定の演算によって得た値が、第一注文同士の値幅、及び/又は、第二注文同士の値幅、となるように設定し、第一注文の全ての第一注文価格と、第二注文の全ての第二注文価格とを、少なくとも最安値の買いの第一注文価格以外、又は、少なくとも最高値の売りの第一注文価格以外、の第一注文の第一注文価格、及び/又は、少なくとも最高値の売りの第一注文価格以外、又は、少なくとも最高値の買いの第二注文価格以外の第二注文の第二注文価格が発注価格帯の中に設定されるように、第一注文情報と第二注文情報とを生成することにより、特定された上限価格と下限価格との間に形成された発注価格帯に、所定の値幅の複数の注文価格の第一注文、及び/又は、所定の値幅の複数の注文価格の第二注文を自動的に発注させることで注文情報に基づく注文を自動的に発注させて、取引を行わせることができる。これにより、金融商品の指値注文において、システムを利用するユーザが煩雑な入力作業を行うことなく、複数の指値注文を簡易な操作で発注できて、ユーザに利便性の高い指値注文を行わせることができる。
請求項2に記載の発明によれば、注文情報に基づいて発注された注文の価格毎のポジションの大きさに応じて表示態様を変化させて表示させることにより、ユーザに対し、価格毎のポジションを視覚的感覚的に容易に把握させることができ、指値注文を行うユーザの利便性を一層高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、注文情報の価格毎のポジションの大きさを色の濃度によって表示できるので、ユーザに対し、価格毎のポジションを視覚的感覚的に容易に把握させることができ、指値注文を行うユーザの利便性を一層高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、注文情報の価格毎のポジションの大きさを記号の形状及び大きさのうち少なくとも一方によって表示できるので、ユーザに対し、価格毎のポジションを視覚的感覚的に容易に把握させることができ、指値注文を行うユーザの利便性を一層高めることができる。
請求項5に記載の発明によれば、発注後未約定の指値注文と発注後約定済の指値注文とを色及び形状のうち少なくともいずれか一方によって表示できるので、ユーザに対し、未約定の指値注文と約定済の指値注文とを視覚的感覚的に容易に把握させることができ、指値注文を行うユーザの利便性を一層高めることができる。
請求項6に記載の発明によれば、タッチパネルを備えた機器において、指値注文を行うユーザの利便性を一層高めることができる。
請求項7に記載の発明によれば、本発明の金融商品取引システムをプログラム化し、多様なコンピュータハードウェア上で実現させることができる。
この実施の形態の金融商品取引システムにおけるシステム構成図及び中央管理装置、注文発注装置の機能ブロック図である。 同上注文発注装置の機能ブロック図である。 同上中央管理装置の注文テーブルのフィールド定義の模式図である。 同上金融商品取引システムにおける、第一形態注文、第二形態注文の処理手順を示すフローチャートである。 同上注文発注装置のタッチパネルに発注フロントページが表示された状態のイメージ図である。 同上注文発注装置のタッチパネルにチャート表示画面が表示された状態のイメージ図である。 同上チャート表示画面に上限価格調整部、下限価格調整部、第一形態注文発注ボタン、第二形態注文発注ボタンが表示された状態を示すイメージ図である。 同上注文発注装置のタッチパネルに第一形態注文入力画面が表示された状態のイメージ図である。 同上注文発注装置のタッチパネルに注文内容確認画面が表示された状態のイメージ図である。 同上注文発注装置のタッチパネルに状態表示画面が表示された状態を示すイメージ図である。 同上中央管理装置の注文情報生成部によって生成されて注文テーブルに記録された、注文情報群を模式的に示す図である。 同上中央管理装置がらくトラ注文に基づく指値注文を処理する手順を示すフローチャートである。 同上中央管理装置がらくトラ注文に基づく指値注文を処理する手順を示すフローチャートである。 同上中央管理装置がらくトラ注文に基づく指値注文の約定処理を行う際の手順を示す概念図である。 同上注文発注装置のタッチパネルに発注状態表示画面が表示された状態を示すイメージ図である。 同上注文発注装置のタッチパネルに成立履歴表示画面が表示された状態を示すイメージ図である。 同上注文発注装置のタッチパネルに第二形態注文入力画面が表示された状態のイメージ図である。 同上中央管理装置に形成される注文情報群、及びそれを構成する注文情報を模式的に示す図である。 同上金融商品取引システムにおける、第二形態注文の処理手順を示すフローチャートである。 同上金融商品取引システムにおける、第二形態注文による発注を模式的に表したタイムチャートである。
以下、この発明の一の実施の形態について図面を参照して説明する。
[システム構成概要]
図1は、この実施の形態の金融商品取引システムのシステム構成図及び機能ブロック図である。同図に示すとおり、金融商品取引システム1Aは、中央管理装置1と、n個(n≧1)の注文発注装置2~2とを備えている。中央管理装置1と注文発注装置2~2は、WAN(Wide Area Network)としてのインターネット3を介して相互に交信可能である。この実施の形態の金融商品取引システム1Aは、金融商品として外国為替を取扱う。
中央管理装置1は、金融商品の取扱業者が管理し運用するサーバコンピュータであり、金融商品の売買取引を管理する。中央管理装置1は、Webサーバ機能、大容量のデータを保存するデータベース機能を備えている。注文発注装置2,・・・,2は、金融商品の売買を行う個人又は法人(つまり金融商品取引システム1Aのユーザ)が所持し使用する、データ通信機能を有する通信端末であって、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、携帯電話端末等がこれに該当する。注文発注装置2,・・・,2は、タッチパネル21,・・・,21を有する。即ち、このタッチパネル21,・・・,21は、LCD(Liquid Crystal Display)等からなり各種の画像表示をする表示部22,・・・,22、表示部22,・・・,22上への押圧によって行われたユーザからの各種指示(例えば指やタッチペン等の接触物によって押圧された表示部22,・・・,22上の押圧位置や移動方向を認識することで取得された各種指示)を、座標位置の認識やベクトル処理によって注文発注装置2,・・・,2に各種処理を行わせる操作部23,・・・,23を有している。
この実施の形態のタッチパネル21,・・・,21は、ユーザが指で表面に接触したり接触させた指を移動させたりすることで各種操作を行うが、これに限らず、タッチペン式のもの等であってもよい。また、接触式のタッチパネル21,・・・,21に替えて、赤外線や電磁気等で外部物体の近接状態や移動を検知して各種操作を行う非接触式ポインティングデバイスを用いてもよい。
図1には図示しないが、中央管理装置1、及びそれぞれの注文発注装置2,・・・,2はそれぞれ少なくとも1のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、及び、CPUの作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)、起動用ブートプログラム等が記録されたROM(Read Only Memory)、各種プログラムやデータ等が記録されるハードディスク等の補助記憶装置、データの送受信に用いる通信インターフェース等が設けられている。補助記憶装置には、OS(Operating System)用プログラム、各種アプリケーションプログラム、データベースに記録されたデータ等が記録されている。これらのプログラムやデータはCPUの演算処理により、ハードウェア資源と協働して各種機能を実現する。
なお、中央管理装置1は、1のサーバコンピュータによって形成されていても、複数のネットワークコンピュータシステムによって形成されていてもよい。
[注文発注装置のシステム構成詳細]
図2は、この実施の形態の注文発注装置2,・・・,2の機能ブロック図である。同図に示す通り、注文発注装置2,・・・,2は、上述した各種プログラムとハードウェア資源とに基づいて実現される機能手段としての「価格帯特定手段」としての価格帯特定部24,・・・,24、「注文発注手段」としての注文発注部25,・・・,25、「表示態様管理手段」としての表示態様管理部26,・・・,26を備えている。
価格帯特定部24,・・・,24は、タッチパネル21,・・・,21に表示された、一のパラメータを金融商品の価格とするチャートに、上限価格と下限価格とを有する任意の発注価格帯を指定する。なお、この「発注価格帯」とは、任意の金融商品を複数発注する際の発注可能な価格帯のことである(以下単に「発注価格帯」と称する。本明細書において同じ。)
注文発注部25,・・・,25は、価格帯特定部24,・・・,24によって特定された発注価格帯に、任意の発注条件に基づいて金融商品の指値注文を発注するための注文情報を複数生成する。注文発注部25,・・・,25は、指値注文、成行注文いずれの注文発注も行う。
表示態様管理部26,・・・,26は、発注された注文情報の状態を監視し、状態に応じたタッチパネル21,・・・,21への注文情報の表示態様を管理する。
なお、注文発注装置2,・・・,2、タッチパネル21,・・・,21、表示部22,・・・,22、操作部23,・・・,23は、価格帯特定部24,・・・,24、注文発注部25,・・・,25、表示態様管理部26,・・・,26は同じ構成を持つので、以下、区別する必要がある場合を除き、注文発注装置2、タッチパネル21、表示部22、操作部23、価格帯特定部24、注文発注部25、表示態様管理部26とする。
[中央管理装置のシステム構成詳細]
図1に示す通り、中央管理装置1は、上述した各種プログラムとハードウェア資源とに基づいて実現される機能手段としてのデータ処理部10、及び、データ処理部10にて処理される各種データが記録されるデータベース18を有する。データ処理部10は中央管理装置1において用いる各種データの生成、加工等の処理を行うものであり、更に、同じく機能手段としてのフロントページ配信部11、注文入力受付部(注文入力受付手段)12、入出金情報生成部13、約定情報生成部(約定情報生成手段、記録管理手段)14、口座情報生成部15、注文情報生成部(注文情報生成手段)16、データベース(DB)接続基底部17、価格情報受信部(相場情報取得手段)19を有している。
注文入力受付部12は、注文発注装置2から入力された各種の注文に関するデータを受け付け、金融商品の注文を成立させるために必要な各種処理を行う。
入出金情報生成部13は、注文発注装置2から入出金のリクエストを受け付け、リクエストに基づいて入出金の一覧表を作成する。
注文情報生成部16は、注文入力受付部12が処理した情報に基づいて、成立した金融商品の注文に関する情報を生成する。ここでの注文には、いわゆる成行注文、指値注文に加え、イフダン注文も含まれる。
なお、この実施の形態の中央管理装置1は新規注文にのみイフダン注文を適用するものとし、システム構成の簡素化、並びにユーザにとって利用し易いシステムの形成を図っている。従って、注文情報生成部16は、新規注文のみの注文情報を生成するものとして構成されている。
約定情報生成部14は、注文情報生成部16が生成した注文に基づく約定処理、及び、完了した約定処理に関する情報をユーザの注文発注装置2に送るための処理を行う。なお、ここでの「約定」とは、ユーザの注文に基づいて金融商品の売買を成立されるための各種の手続並びに処理のことをいう。更に、約定情報生成部14は、注文情報生成部16が生成した注文情報をデータベース18に記録すると共にデータベース18における注文情報の記録状態を管理する。
口座情報生成部15は、ユーザの預金残高情報を生成し、当該預金残高情報を証拠金情報(即ち、注文の約定を実現できることを裏付けるための情報)として管理する機能を有する。なお、口座情報生成部15において生成される預金残高に関する情報は、現実の預金残高と整合性を取るために、銀行等の金融機関が提供する、ユーザの現実の預金残高に関する情報と定期的に照合される。
データベース接続基底部17は、データ処理部10において生成、加工処理されたデータとデータベース18にて記録されるデータとの変換を行うと共に、データ処理部10とデータベース18との間でデータを交信するために必要な処理を行う。
データベース18は、中央管理装置1にて用いられるデータを記録する。この実施の形態におけるデータベース18はリレーショナルデータベースによって形成するが、例えばオブジェクトデータベース等、大量のデータの記録や書換えに適したものであればどのような形式を用いてもよい。データベース18には、注文テーブル(注文情報記録手段)181、ユーザ口座情報テーブル182、通貨ペア注文条件テーブル183、シーケンス番号テーブル184が記録されている。シーケンス番号テーブル184には注文情報(後述)ごとに一意に付されるシーケンス番号が記録される。注文テーブル181の詳細については後述する。
フロントページ配信部11は、画像データを作成し、作成した画像データを注文発注装置2の表示部22に表示させる。
価格情報受信部19は、中央管理装置1にて扱う金融商品の相場価格の情報(相場情報)を取得し、取得した情報に対し、データ処理部10や注文発注装置2にて用いるために必要な処理を行う。この実施の形態においては、価格情報受信部19は外為の相場価格の情報を取得する。
中央管理装置1におけるデータ処理部10、データベース18、フロントページ配信部11、注文入力受付部(注文入力受付手段)12、入出金情報生成部13、約定情報生成部14、口座情報生成部15、注文情報生成部16、データベース接続基底部17、価格情報受信部19は、どのような形で構成されていてもよい。例えば、中央管理装置1が複数のサーバコンピュータからなるネットワークコンピュータシステムとして形成されている場合、各構成要件が複数のサーバコンピュータに分散して配設されていてもよい。また、それらのサーバコンピュータは、複数の業者、サーバ管理者がそれぞれ所有するコンピュータシステム(例えば金融証券取引所、他の金融商品取引管理業者、プロバイダ、ホスティングシステム提供業社等が所持又は管理するコンピュータシステム)に跨って配設されていてもよい。サーバコンピュータは、いわゆるクラウド・コンピュータシステムとして形成されてもよい。更に、データ処理部10、データベース18、フロントページ配信部11、注文入力受付部(注文入力受付手段)12、入出金情報生成部13、約定情報生成部14、口座情報生成部15、注文情報生成部16、データベース接続基底部17、価格情報受信部19のうち少なくとも一部の構成が、中央管理装置1ではなく、注文発注装置2に設けられていてもよい。
図3は注文テーブル181のフィールド定義の模式図である。注文テーブル181は項目数分のフィールドを有する。各フィールドには、名称(フィールド名)、文字や数値や日時等のデータ型(型)、ビット長等のデータ長(長さ)、空欄不可指定(Not Null)、デフォルト値の有無(デフォルト値)、データの項目名(備考)等が規定される。
上述の金融商品取引システム1Aにおいては、金融商品の指値取引が行われる際、一の予約注文によって、同一種類の複数の金融商品の指値注文を同時に複数発注することができる。
[第一形態注文(らくトラ注文)の発注手順]
次に、この実施の形態の金融商品取引システム1Aにおける指値注文の取引手順について説明する。
図4は、この実施の形態の中央管理装置1における、指値注文の注文情報を生成させる際の処理手順を示すフローチャートである。以下、同図に基づいて注文時の処理手順を説明する。
[発注モードをオン(ステップS1)]
金融商品取引システム1Aを利用するユーザは、注文発注装置2を用いて中央管理装置1にアクセスする。中央管理装置1は、注文発注装置2のタッチパネル21に発注フロントページを表示させる。
図5は、タッチパネル21に発注フロントページ31が表示された状態のイメージ図である。ユーザは、タッチパネル21に表示された発注フロントページ31のログインボタン311をタップしてログイン画面(図示せず)をタッチパネルに表示させ、ログインする。
ログイン後、ユーザは、発注モードボタン312をスワイプして発注モードをオフからオン(図4に示した状態)とする(ステップS1)。注文発注装置2は、発注モードボタン312がオンのときは、金融商品の発注以外のチャート操作をロック状態としてユーザが操作できない状態にし、誤操作を防止させる。
[通貨ペアの選択(ステップS2)]
ユーザがタッチパネル21に表示された発注フロントページ31のレート選択ボタン313をタップすると、タッチパネル21には通貨ペア選択画面(図示せず)が表示される。通貨ペア選択画面(図示せず)には取引可能な通貨ペアの選択ボタンが取引可能な通貨ペアを選択するための選択ボタン(図示せず)が複数表示される。ユーザが取引を希望する通貨ペア(例えば米国ドル/日本円)の選択ボタン(図示せず)をタップすると、選択された通貨ペアが取引可能になる(ステップS2)。
[チャートの表示]
通貨ペアが選択された後、通貨ペア選択画面(図示せず)には、図5に示す発注フロントページ31のチャートボタン314と機能が同じチャートボタンが表示される。このチャートボタン(図示せず)をタップすると、タッチパネル21にはチャート表示画面が表示される。なお、フロントページ31のチャートボタン314をタップしても同じチャート表示画面が表示される。
図6は、タッチパネル21にチャート表示画面32が表示された状態のイメージ図である。同図に示す通り、チャート表示画面32には縦軸方向のパラメータが選択された通貨ペア(この場合は米国ドル/日本円)の価格、横軸方向のパラメータが時間である、ローソク足チャートが表示されている。通貨ペア選択画面表示ボタン321上には、選択された通貨ペア(米国ドル/日本円)が表示される。また、チャート表示画面32には、ユーザが選択した通貨ペアについて、価格情報受信部19が取得した、所定期間内の相場価格の変動を示すローソク足322で表示される。図6においては、タッチパネル21上のチャート表示画面32に、米国ドル/日本円のローソク足322が表示されている。但し、このときチャート表示画面32に表示されるチャート322は、折れ線足チャート、バーチャート等、どのようなチャートであってもよい。
[注文価格帯設定(ステップS3)]
上述した通り、発注モードボタン312(図1参照)がオンになった状態において、ユーザはチャート表示画面32で発注以外の操作は行えない。この状態で、ユーザがタッチパネル上のチャート表示画面32の任意の箇所を指100でタッチパネル21の特定箇所にタッチする。タッチパネル21が、ユーザによってタッチパネル21の特定箇所にタッチされたことを感知すると、タッチパネル21上のタッチされた位置座標を取得し、この座標情報を価格帯特定部24に送る。価格帯特定部24は、当該位置座標に対応する価格情報(タッチされた場所に表示されたチャートの縦軸方向の位置情報)を取得する。表示態様管理部26は、タッチパネル21の指100でタッチされた場所に価格表示線をイメージ表示し、価格表示欄に価格を数値で表示させる。
図6に示すように、ユーザが2本の指100でチャート表示画面32の異なる箇所にタッチすると、タッチされた2箇所のうち、上側の接触位置に対応する上限価格表示線323a、下側の接触位置に対応する下限価格表示線323bをそれぞれ表示させると共に、それぞれの価格表示線323a,323b上に上限価格表示欄324a、下限価格表示欄324bが表示される。
上限価格表示線323a、下限価格表示線323b、及び上限価格表示欄324a、下限価格表示欄324bで表示された上限価格と下限価格とは、後述する注文形態において発注価格帯の上限価格と下限価格となる。これにより、発注価格帯が設定される(ステップS3)。
上限価格表示線323a及び下限価格表示線323bは、成行表示部325に表示されている現在の相場価格(成行価格)よりも高値側、安値側のいずれに表示されてもよいし、成行価格の高値側と安値側にまたがって表示されてもよい。
ユーザの両方の指100がチャート表示画面32から離れたことをタッチパネル21が検知すると、表示態様管理部26は、チャート表示画面32に上限価格操作部、下限価格操作部、発注ボタンを表示させる。
図7は、タッチパネル21のチャート表示画面32に上限価格調整部326a、下限価格調整部326b、第一形態注文発注ボタン327、第二形態注文発注ボタン328が表示された状態を示すイメージ図である。同図に示す通り、上限価格調整部326a、下限価格調整部326bには、それぞれ価格調整ボタン(「+」が表示された価格上昇ボタンと「-」が表示された価格下降ボタン)が表示され、それらのボタンをタップすることで上限価格と下限価格とを調整する。
なお図7には図示しないが、第一形態注文発注ボタン327を二つ以上設け、それぞれの第一形態注文発注ボタンで、指定した同一の発注価格帯内において、一方の第一形態注文発注ボタンで、第一注文が買い新規注文(第二注文が売り決済注文)である注文を選択し、他方の第一形態注文発注ボタンで、第一注文が売り新規注文(第二注文が買い決済注文)である注文を選択可能にすることができる。
[注文種別選択(ステップS4)]
図7に示すように、ユーザがチャート表示画面32の第一形態注文発注ボタン327をタップすると、タッチパネル21に第一形態注文入力画面が表示される(ステップS4)。
[注文種別ごとの詳細設定(ステップS5)]
図8は、タッチパネル21に第一形態注文入力画面33が表示された状態のイメージ図である。
第一形態注文においては、複数のイフダン注文が同時に発注されるが、そのイフダン注文の第一注文(新規注文)同士、及び第二注文(決済注文)同士がすべて均等な価格差であり、それぞれの価格のポジションが等しい状態で発注され、それぞれのイフダン注文は新規注文と決済注文とがそれぞれ約定すると、新たに同じ新規注文と決済注文とがそれぞれ発注されることを繰り返す(以下、この注文形態を「トラップリピートイフダン注文」と称する。)。この実施の形態においては、トラップリピートイフダン注文の全ての第一注文(新規注文)が発注価格帯内において発注されるように構成されている(即ち、第二注文が発注価格帯において発注されているか否かの確認は行わない)(以下、この注文形態を「らくトラ注文」と称する(「らくトラ」は商標)。)。ただし、この実施の形態において、らくトラ注文を、すべての第二注文(決済注文)のみが発注価格帯内において発注されるように構成してもよいし、第一注文(新規注文)と第二注文(決済注文)との双方が注文価格帯において発注されるように構成してもよい。
そして、第一形態注文入力画面33には、らくトラ注文の設定に必要な項目が表示される。たとえば、価格ごとのポジションを増減させる価格調整ボタン(「+」ボタンと「-」ボタン)が表示された注文金額入力欄331、発注価格帯の上限価格と下限価格とが数値で表示され、上限価格や下限価格を数値入力で修正可能な発注価格帯入力欄332が表示されている。この他に、第一形態注文入力画面33には、同時に発注される新規注文の注文個数や決済注文の注文個数を入力する注文個数入力欄(図示せず)、及び/又は、新規注文同士の値幅や決済注文同士の値幅を入力する値幅入力欄(図示せず)、ストップロス価格を入力するストップロス価格入力欄(図示せず)が表示される。
ユーザがこれらの入力欄に必要な情報を入力した後、図8に示すように、確認ボタン323をタップする(ステップS5)。すると、注文内容確認画面が表示される。
[確認画面表示(ステップS6)、発注(ステップS7)]
図9は、タッチパネル21に注文内容確認画面34が表示された状態のイメージ図である。注文内容確認画面34には、入力され発注が準備されたらくトラ注文の内容が表示される(ステップS6)。同図には、それぞれ5つの第一注文(新規注文)と第二注文(決済注文)の発注が準備された状態が示されている。この状態で、ユーザが指100で発注ボタン342をスワイプすると、注文発注装置2から中央管理装置1に発注情報が送信される。中央管理装置が注文の発注を受け付けると、発注が完了する(ステップS7)。その結果、タッチパネル21には状態表示画面が表示される。
図10は、タッチパネル21に状態表示画面35が表示された状態を示すイメージ図である。状態表示画面35には、発注されたらくトラ注文の現在の状態(それぞれの新規注文や決済注文が発注済で未約定の状態なのか、約定済の状態なのか、など)が表示される。
[価格やポジションの修正]
発注後、注文発注装置2のタッチパネル21には修正画面(図示せず)を表示させることができる。この修正画面においては、チャート上に、上記ステップS1~S7の手順で発注したらくトラ注文における、個々の第一注文(新規注文)の価格や第二注文(決済注文)の価格が横線で表示される(即ち、ステップS7による発注直後は、チャート上に、それぞれの第一注文の価格を示す横線同士、及び、それぞれの第二注文の価格を示す横線同士が、それぞれ均等な間隔で表示される。ユーザは、タッチパネル21上で、任意の横線を上方向又は下方向に移動させることで、任意の第一注文の価格や第二注文の価格を個別に修正することもできる。また、タッチパネル21上の修正画面(図示せず)に個々の第一注文や第二注文のポジションを数値表示し、任意の第一注文の数値や第二注文の数値を個々に修正することで、任意の第一注文のポジションの量や任意の第二注文のポジションの量を修正することもできる。
[第一形態注文(らくトラ注文)の概要]
以下、このように発注された第一形態注文について概説する。
図11は、注文情報生成部16によって生成されて注文テーブル181に記録された、注文情報群を模式的に示す図である。これらの注文情報群は、上述した、注文発注装置2の発注によって生成されたものである。
図11に示したように、注文テーブル181には、複数のポジション・ペアに対応する注文情報群が記録される。ポジション・ペアの数は、第一形態注文入力画面33(図8)で注文個数入力欄(図示せず)に入力された注文個数情報の数値、又は、発注価格帯の数値を値幅入力欄(図示せず)に入力された数値で割った値のうちの整数値と同じ個数に等しく設定される。この実施の形態では、トラップ本数(すなわち注文個数)は、「5」に設定される。従って、図11では、5種類の注文情報群50A,50A,・・・50Aが、注文テーブル181に記録されている。
1個の注文情報群50Aは、1個の第一注文51Aと、1個の第二注文50Bと、1個の逆指値注文である第三注文51Cとを含む(m=1,2,・・・,5)。第一注文51Aは、同じ種類の金融商品を一の同じ価格(第一注文価格)で指値注文又は逆指値注文するための買い注文情報又は売り注文情報である。第二注文51Bは、第一注文51Aの対象となっている金融商品を他の同じ価格(第二注文価格)で指値注文するための売り注文情報又は買い注文情報である。第三注文51Cは、これら買い注文情報及び売り注文情報の対象となっている金融商品を更に他の価格で逆指値注文するための情報である。図11から解るように、これらの注文情報群は、商品の種類及び個数は同じであるが、注文価格が互いに異なる。
注文情報生成部16は、注文発注装置2から発注された上限価格及び下限価格に基づき、全ての第一注文51A~51A及び全ての第二注文51B~51Bの価格を、発注価格帯内(下限価格以上且つ上限価格以下)の価格に設定する。また、「第三注文」としてのストップロス価格をストップロス価格入力欄(図示せず)に入力された値に設定する。
例えば、注文発注装置2において上限価格111.8円、下限価格107.5円、ストップロス価格102.0円として発注された場合、図11に示すように、注文情報生成部16は、最も高値の第二注文51Bを1ドル当たり111.6円に設定し、最も安値の第一注文51Aを1ドル当たり107.5円に設定し、第三注文51C~51Cを102.0円に設定する。この場合、注文情報生成部16は、第一注文1A~51Aのみが発注価格帯内の値となる(即ち、第二注文51B~51Bは注文価格帯内の値でなくてもよい)ように設定されている。ただし、第二注文51B~51Bのみが発注価格帯内の値となるように設定されてもよく、い。本実施形態では、最も高い設定価格が上限価格と、最も低い設定価格が下限価格と、それぞれ一致している必要はない。ただし、全ての第一注文51A~51Aのうち最高値のものや最安値のものが上限価格や下限価格に等しく設定されてもよい。また、全ての第二注文51B~51Bのうち最高値のものや最安値のものが上限価格や下限価格に等しく設定されてもよい。
注文情報生成部16は、注文発注装置2から送信された、発注価格帯の値を注文個数入力欄(図示せず)に入力された値で割った値や、値幅入力欄(図示せず)に入力された値に基づいて、下限価格である1ドル当たり107.5円を基準として、全ての注文情報群50A,50A,・・・50Aの、全ての第一注文51A,・・・,51A及び全ての第二注文51B,・・・,51Bの注文価格181Gを設定する。
図11に示すように、第一注文51A~51A、第二注文51B~51B5及び第三注文C~51Cには、属性情報181b,・・・,181o2が付加される。これら属性情報181b~181o2のうち、注文番号181bは、注文の通し番号である。顧客番号181cは、顧客毎に付される番号である。通貨ペア情報181eは、売買の対象となる通貨の組合せ(例えば、日本円と外貨の組合せ)を識別するための情報である。注文金額情報181fは、一つの注文に対応する外貨の持高、すなわちポジションの大きさを示す情報である。売買情報181gは、「売り注文」と「買い注文」の区別を識別するためのフラグ情報である。注文価格情報181hは、約定価格の情報である。注文種別情報181nは、注文の種別(例えば、「成行注文」「イフダン注文」「トラップリピートイフダン注文」等の種別)を識別するためのフラグ情報である。新規/決済情報181mは、新規注文/決済注文の区別を識別するフラグ情報である。有効/無効情報181o1は、対応する指値注文又は逆指値注文の有効(すなわち、発注済で未約定の状態)/無効(すなわち、未発注の状態)を識別するためのフラグ情報である。順位情報181kは、注文情報の優先順位(後述)を識別するためのフラグ情報である。状態情報181o2は、対応する注文の状態例えば約定されたか否か等を識別するためのフラグ情報である。これらの属性情報181b~181o2の値は、入力画面40から入力された情報に基づいて決定され、上述のフィールド定義に基づいて注文テーブル181に記録される。
図11において、新規/決済情報181mは、初期設定では、第一注文51A~51Aについては「新規」に設定され、第二注文51B~51B及び第三注文C~51Cについては「決済」に設定される。順位情報181kは、第一注文51A~51Aは第一順位(すなわち、発注と約定の順序の早い方)に設定され、第二注文51B~51B及び第三注文C~51Cは第二順位(すなわち、発注と約定の順序の遅い方)に設定される。また、有効/無効情報181o1は、初期設定では、「無効」すなわち注文が未発注の状態に設定される。
各注文情報の有効/無効は取引中に変化し、そのたびに、注文情報生成部16は、注文情報の有効/無効の区別を、注文テーブル181に再書き込みする。この結果、注文テーブル181に書き込まれたデータはイフ・ダン注文の状態に応じ、注文が未発注の状態である「無効」、注文が発注済で未約定の状態である「有効」、注文が約定済の状態である「決済」、他の注文の約定に伴って取り消された状態である「取消」に変更され、各注文情報の注文の状態を管理する情報として機能する。
注文発注装置2から注文が発注され、中央管理装置1が発注された注文の受けつけを完了させた後、中央管理装置1の価格情報受信部19は、定期的に(例えば1分毎或いは1時間毎等の所定周期で)、為替相場の情報を取得し続ける。そして、相場価格と特定の注文情報の注文価格とが一致すると、約定情報生成部14が当該注文情報に基づく注文を約定させる。
図12A及び図12Bは、中央管理装置1がらくトラ注文に基づく指値注文を処理する手順を示すフローチャートである。図13は、中央管理装置1がらくトラ注文に基づく指値注文の約定処理を行う際の手順を示す概念図である。図13において、丸印は一つの注文情報を示す。以下、これらの図を参照しながら、らくトラ注文の処理手順を説明する。
注文発注装置2からの注文の受け付け処理を完了した後も、中央管理装置1の価格情報受信部19は、為替相場の情報取得を継続する。
トラップリピートイフダン注文による指値注文の受け付け処理が完了した時点t1に、約定情報生成部14は、一巡目の注文(すなわち、図11において、注文番号181bが1000~1014の注文)のうち、第一注文51A~51Aに関する有効/無効情報181o1の値を、それぞれ“無効”から“有効”に変更する。これにより、第一注文51A~51Aの買い指値注文が、発注される。図13に示す場合は、一巡目の第一注文51A~51A(買い指値注文)の注文価格が受け付け時の成行相場価格(107.00円)以上なので、同図に示す通り、これら一巡目の第一注文51A~51Aは逆指値注文となっている。もし、一巡目の第一注文の価格が受け付け時の成行相場価格よりも低い場合は、これらは指値注文となる。
このとき、二巡目の注文(すなわち、注文番号181bが1015以降の注文、図示せず)に関しては、有効/無効情報181o1が“無効”に設定された状態に維持される。加えて、一巡目の注文のうち、第二注文51B~51B及び第三注文C~51Cについても、有効/無効情報181o1が“無効”に設定された状態に維持される。
図13の例では、時点t1において、米国ドルの相場購入価格71が、1ドル当たり107.00円である。米国ドルの相場価格が徐々に上昇して1ドル当たり107.50円になったとき(図12AのステップS21参照)。このとき、約定情報生成部14は、この第一注文51Aを約定させるための処理を行う(図13のステップS22参照)。
具体的には、第一注文51Aに基づく注文が約定すると、約定情報生成部14は、第一注文51Aに対応する状態情報181o2を、未約定を示す“無”から約定済を示す“有”に変更する(図11参照)。後述の各約定処理においても、中央管理装置1は、同様の処理を行う。
なお、第二番目以降に発注される買い注文は、注文価格181Gが、その直前に約定される売り注文すなわち第二注文51Bの注文価格181Gよりも安く、したがって、新規の指値注文である。図13に示された他の第一注文51A~51Aにおいても、同様である。
さらに、第一注文51Aが約定したとき、約定情報生成部14は、図11に示す、第二注文51B及び第三注文Cの有効/無効情報181o1を、無効から有効に変更する(図12AのステップS23参照)。
その後、米国ドルの相場購入価格71が、第三注文Cの価格まで下降すると(ステップS24の“Yes”)、第三注文Cの約定処理が行われる(図12BのステップS32~ステップS34参照)。上述のように、この実施の形態で、第三注文Cの価格は、1ドル当たり102.0円である。一方、米国ドルの相場販売価格が、第三注文Cの価格まで下降すること無しに、第二注文51Bの価格まで上昇すると(ステップS25の“Yes”及び図13の時刻t22参照)、約定情報生成部14は、この第二注文51Bに対応する指値注文を約定させる(図12AのステップS26参照)。この実施の形態では、このときの約定価格は、1ドル当たり108.00円である。この約定処理では、第二注文51Bに対応する状態情報181o2を“無”から“有”に変更する(図9(c)参照)とともに、第三注文Cを取り消す処理を行う(ステップS26)。さらに、予め規定された額の証拠金の存在が確認されたのち(図12AのステップS28~ステップS29の“Yes”参照)の後、約定情報生成部14は、注文テーブル181の、二巡目に対応する注文情報群の中から、5番目の注文情報群50A(図示せず)を選択する(図12AのステップS30参照)。そして、約定情報生成部14は、選択された注文情報群50Aの第一注文51Aの有効/無効情報181o1を、“無効”から“有効”に変更する(図12AのステップS31参照)。そして、中央管理装置1は、選択された注文情報群50AについてもステップS21に戻って処理を繰り返す。
なお、図12AのステップS25において、相場購入価格71が第二注文51cの価格よりも低い場合に、処理がステップS24に戻ることとすれば、相場購入価格71と逆指値注文の価格との比較を繰り返し行うことができる。
図13において、相場購入価格71が第一注文51A~51Aの価格と等しくなったときの処理も、上述の注文情報群50Aの場合と同様である。
[発注状態、取引状態の表示]
上述の、らくトラ注文の取引状態は、注文発注装置2において、図10に示す状態表示画面35に表示される。これにより、ユーザは取引状態を逐次確認することができる。
また、ユーザは、他の表示画面で発注状態や取引状態を確認することもできる。
図14は、タッチパネル21に発注状態表示画面36が表示された状態を示すイメージ図である。同図に示す発注状態表示画面36には、発注された指値注文の、発注価格帯ごとの金額表示361がチャート上に表示されている。この金額表示は、価格ごとに発注された金額の多少に基づいて、チャート上の発注価格帯ごとに、ひとつの色の複数段階たとえば4段階の濃淡表示で表示される。これにより、ユーザは発注状態を視覚的直観的に把握できる。なお、発注状態表示画面において、発注された金額の多少に基づいて、複数の異なる色(例えば赤、橙、黄、緑)で表示する構成としてもよい。
図15は、タッチパネル21に成立履歴表示画面37が表示された状態を示すイメージ図である。同図に示す成立履歴表示画面37においては、成立(つまり約定)した注文がチャート上の約定した時点、約定した価格の位置にマル印で表示されている。この金額表示は、成立した注文の金額の多少に基づいて、発注価格帯ごとに、複数段階たとえば4段階の大きさのマル印で表示される。これにより、ユーザは発注状態を視覚的直観的に把握できる。なお、成立履歴表示画面37において、成立した成立した注文の金額の多少を、異なる形状の記号(例えば丸、三角、四角、星形、など)で表示する構成としてもよい。
なお、発注状態表示画面36で表示される発注金額、成立履歴表示画面37で表示される成立金額は、ユーザ自身の発注した注文に基づく発注金額や成立金額でもよいし、中央管理装置1を用いて取引を行う全部又は一部のユーザ群の発注した注文に基づく発注金額や成立金額であってもよい。
また、成立履歴表示画面37を、上記の発注状態表示画面36と同様に、チャート上の発注価格帯ごとの濃淡表示で成立金額を表示する構成としてもよい。さらに、発注状態表示画面36を、上記の成立履歴表示画面37と同様に、チャート上のマル印で発注金額を表示する構成としてもよい。
さらにまた、発注状態表示画面36に表示される濃淡や色彩の変化、成立履歴表示画面37で表示される記号の大きさや形状の変化が、ポジションの数の多少によってもたらされる構成であってもよい。加えて、それらの変化が注文または成立した金額の量及びポジションの量との双方によってもたらされるものであってもよい。
図7は、タッチパネル21のチャート表示画面32に上限価格調整部326a、下限価格調整部326b、第一形態注文発注ボタン327、第二形態注文発注ボタン328が表示された状態を示すイメージ図である。同図に示す通り、上限価格調整部326a、下限価格調整部326bには、それぞれ価格調整ボタン(「+」が表示された価格上昇ボタンと「-」が表示された価格下降ボタン)が表示され、それらのボタンをタップすることで上限価格と下限価格とを調整する。
[第二形態注文(ダブルリピートイフダン注文)の発注手順]
一方、第二形態注文においても、図4のフローチャートに示す手順に基づいて処理が行われる。具体的には、上述のステップS1~S3の手順の後、ステップS4において、図7に示すチャート表示画面32の第二形態注文発注ボタン328をタップすると、タッチパネル21に第二形態注文入力画面が表示される。
図16は、タッチパネル21に第二形態注文入力画面38が表示された状態のイメージ図である。
第二形態注文においては、一対の注文によってイフダン注文を発注することが繰り返されるが、そのイフダン注文の一方の注文(第一注文)と他方の価格の注文(第二注文)について、先のイフダン注文の約定の順序と、あとのイフダン注文の約定の順序とが常に逆になるように行われる(以下、この注文形態を「ダブルリピートイフダン注文」と称する。)。この実施の形態においては、ダブルリピートイフダン注文の全ての第一注文と第二注文とが発注価格帯内において発注される。
第二形態注文入力画面38には、ダブルリピートイフダン注文の設定に必要な項目が表示される。たとえば、価格ごとのポジションを増減させる価格調整ボタン(「+」ボタンと「-」ボタン)が表示された注文金額入力欄381、高価格側のストップロス価格を入力する高価格側ストップロス価格入力欄382が表示されている。この他に、第一形態注文入力画面33には、イフダン注文の回数を入力する回数入力欄(図示せず)や、低価格側のストップロス価格を入力する低価格側ストップロス価格入力欄(図示せず)が表示される。
ユーザがこれらの入力欄に必要な情報を入力した後、確認ボタン383をタップすると(ステップS5)、図9に示す注文内容確認画面34と同様の注文内容確認画面(図示せず)が表示され(ステップS6)、発注ボタン(図示せず)がスワイプされると(ステップS7)、タッチパネル上には状態表示画面(図示せず)が表示され、注文の発注が完了する。
このような形態の注文により、それぞれ均等な価格差で複数発注した第一注文と第二注文に基づくイフダン注文を繰り返し行うことができるので、ユーザに対し、リスク回避をしつつイフダン注文による指値注文の取り引きを容易に行わせる装置を提供できる。
[価格やポジションの修正]
第二形態注文においても、第一形態注文の場合と同様、発注後、注文発注装置2のタッチパネル21は修正画面(図示せず)を表示させ、第一注文や第二注文の価格やポジションの量を修正することができる。
[第二形態注文(ダブルリピートイフダン注文)の概要]
以下、このように発注された第二形態注文について概説する。
注文発注装置2による発注を中央管理装置1が受け付け完了すると、注文情報生成部16はまず最初の二つの注文情報群(以下それぞれ「第一の注文情報群」「第二の注文情報群」と称する。)を生成する。
図17は、注文情報群、及びそれを構成する注文情報を模式的に示す図である。同図に示すように、第一注文51D,51H、第二注文51E,51J、第三注文51F、第四注文51Kが構成される。第一注文51D、第二注文51E、第三注文51Fは第一の注文情報群50Bを構成し、第一注文51H、第二注文51J、第四注文51Kは第二の注文情報群50Cを構成する。
図17に示す通り、それぞれの第一注文51D,51Hは、同一種類の金融商品を、一の価格(下方側注文価格)について買いの指値注文をするための情報として構成されている。それぞれの第二注文51E,51Jは、同一種類の金融商品を、他の価格(上方側注文価格)について売りの指値注文をするための情報として形成されている。第三注文51Fは、第一注文51D,51H及び第二注文51E,51Jよりも低価格側の第一ストップロス価格について売りの逆指値注文(ストップロス注文)をするための情報として構成されている。第四注文51Kは、第一注文51D,51H及び第二注文51E,51Jよりも高価格側の第二ストップロス価格について買いの逆指値注文(ストップロス注文)をするための情報として構成されている。
[売買情報の設定]
注文情報の生成に際し、注文情報生成部16は、各注文情報51A~51Eの売買情報181gを設定する。この実施の形態においては、注文情報生成部16は、第一注文51D,51H、及び第四注文51Kにおける、売買種類を決めるための売買情報181gを「買い」、第二注文51E,51J、及び第三注文51Fの売買情報181gを「売り」として設定する。
[指値注文、逆指値注文の設定]
注文情報の生成に際し、注文情報生成部16は、各注文情報51A~51Eの注文条件情報181jに指値注文、逆指値注文の何れかを示す情報を設定する。この実施の形態においては、入力画面40の下方側注文価格入力欄44a及び上方側注文価格入力欄44bに入力された価格(つまり下方側注文価格及び上方側注文価格)と生成時の相場価格(以下「成行注文価格」と称する。)との対比とに基づいてそれぞれ設定される。
[指値注文の約定処理(第一の約定手順)]
図18は、この実施の形態の金融商品取引システム1Aにおける、第二形態注文の処理手順を示すフローチャートである。以下、同図に基づいて手順を説明する。
注文情報生成部16は、第一の注文情報群50Bを構成する第一注文51D、第二注文51E、第三注文51Fと、第二の注文情報群50Cを構成する第一注文51H,第二注文51J、第四注文51Kとの発注処理を行う(ステップS41)。発注処理において、各注文情報群50B,50Cを構成する第一注文51D,51Hの状態情報181o2を未発注の注文を示す「待機中(フラグ“1”)」から発注済で未約定の注文を示す「注文中」に変更することを言う。中央管理装置1は、状態情報181o2が「待機中(フラグ“1”)」の注文(例えば図18の(a)に示す第二注文51J)を生成後発注処理前の指値注文として、状態情報181o2が「注文中(=フラグ“0”)」の注文(例えば図18の(a)に示す第一注文51H)を発注処理後の指値注文として処理を行う。
図18の(a)に示す通り、ステップS21の手順が完了した状態で、新規・決済情報181mが「新規(フラグ“-1”)」を示す、第一の注文情報群50Bの第一注文51D及び第二の注文情報群50Cの第二注文51Eは、状態情報181o2が「注文中」である。一方、新規・決済情報181mが「決済(フラグ“1”)」を示す、その他の注文51B,51C,51D,51Fは状態情報181o2が「待機中」である。
この状態で、中央管理装置1の価格情報受信部19は為替相場の情報取得を継続する。そして、相場価格が第四注文価格以上(又は第三注文価格以下)にならず(ステップS42の“No”)、上方側注文価格以上(又は下方側注文価格以下)と等しくなったとき(ステップS43の“Yes”)、約定情報生成部14が当該第二注文(又は第一注文)の約定処理を行う(ステップS44)。ここで「約定処理」とは、任意の注文の状態情報181o2を「注文中」から「成立済(フラグ“-1”)」に変更し、当該任意の金融商品の売買処理を行うことを言う。また、金融商品の取引上においてこの「約定処理」は、イフダン注文において、発注された第一順位の新規注文が約定して成立したものとして扱われる。
図19は、この実施の形態の金融商品取引システム1Aにおける、第二形態注文による発注を模式的に表したタイムチャートである。例えば、同図に示す通り、イフダン注文によって注文が生成(ステップS8)、発注(ステップS21)された時点t1での米国ドルの相場購入価格が1ドル85.00円であったとする。
注文が発注された後に米国ドルの相場価格が上昇し、相場購入価格71が1ドル90.00円になった時点t2において(ステップS23の“Yes”)、約定情報生成部14は第二注文51Eを約定させる処理を行う(ステップS24)。
時点t2’(事実上は時点t2と同時)において、注文情報生成部16は、同一注文情報群の第一注文と第二注文(例えば第二の注文情報群50Cの第一注文51Dと第二注文51E)が双方共約定処理済でない場合(ステップS25の“No”)、注文情報生成部16は、約定した注文と同じ注文情報群を構成する第一(又は第二)注文、及び第四(又は第三)注文の発注処理を行う(ステップS47)。即ち、図8の(b)に示す通り、第二の注文情報群50Cの第一注文51Dの状態情報181o2を「待機中」から「注文中」に変更する(ステップS47)。これにより、第二の注文情報群50Cに基づくイフダン注文において第二順位の注文が有効になったものとして扱われる。
なお、同一の注文情報群を構成する第一注文及び第二注文のうち一方が約定処理されたのち他方が発注処理される際、その注文情報群を形成する第三注文51F又は第四注文51Kの状態情報181o2も「待機中」から「注文中」に変更される(ステップS47)。即ち、図10の時点t2’において第二の注文情報群50Cの第一注文51Dが発注処理される際、図8の(b)に示す通り、第二の注文情報群50Cの第四注文51Kの状態情報181o2は「待機中」から「注文中」に変更される。これにより、ポジションが取得された注文をストップロス注文により約定させることが可能になる。
この後、ステップS42以降の処理に戻る。相場価格が第四注文価格以上(又は第三注文価格以下)にならず(ステップS42の“No”)、下方側注文価格と等しくなったとき(ステップS43の“Yes”)、約定情報生成部14が当該第一注文の約定処理を行う(ステップS24)。
例えば、図19に示すように、時点t2’以降米国ドルの相場購入価格が下落し、時点t3において米国ドルの相場購入価格71が1ドル80.00円になると、約定情報生成部14は第一注文51D,51Hに基づく指値注文を約定させる処理を行う。これにより、第二の注文情報群50Cに基づくイフダン注文において第二順位の注文が成立したものとして扱われる。また、第一の注文情報群50Bに基づくイフダン注文において第一順位の注文が成立したものとして扱われる。
同時に、約定情報生成部14は第四注文51Kをキャンセル処理する。ここで「キャンセル処理」とは、任意の注文の状態情報181o2を「待機中」又は「注文中」から「無効(フラグ“2”)」に変更することを言い、金融商品の取引上は、指値注文を約定させずにキャンセルするものとして扱われる。
即ち、図8の(b)に示すように、第一注文51D,51Hの状態情報181o2を「注文中」の状態から「成立済」の状態に、第四注文51Kの状態情報181o2を「注文中」の状態から「無効」の状態に変換する。そして、フロントページ配信部11は、図9の(c1)に示す通り、表示画面47において、第一注文51D,51Hが約定処理され、第四注文51Kが無効になったことを表示させる。
そして、約定情報生成部14は、データベース18中の第一注文51D,51Hと第二注文51Eに対応するデータを書き換える。
注文情報生成部16は、一の注文情報群を構成する各注文のうち、第一注文と第二注文の状態情報が「成立済」になった場合(ステップS25の“Yes”)、新たな注文情報群の注文の発注処理を行う(ステップS26)。この実施の形態では、図10の時点t3’に示す通り、新たな第二の注文情報群50Cの第一注文51D、第二注文51E、第四注文51Kの発注処理を行う。なお、ステップS26の手順の具体的内容は後述する。
更に、注文情報生成部16は、他方の注文情報群の第一(又は第二)注文、第三(又は第四)注文の発注処理を行う(ステップS47)。この実施の形態では、図19の時点t3’において、第一の注文情報群50Bの第二注文51Eの発注処理を行う。これにより、第一の注文情報群50Bに基づくイフダン注文において第二順位の注文が有効になったものとして扱われる。そして、再びステップS42以降の処理に戻る。
即ち、この実施の形態においては、下方側注文価格、及び上方側注文価格において約定処理される際に、二つの注文の約定処理が行われる(例えば、図10の時点t2においては第二注文51E,51B、時点t3においては第一注文51D,51A)。そのため、相場価格が下方側注文価格、上方側注文価格に到達する度に一つの指値注文が約定する形式でイフダン注文が行われる場合に比べ、ユーザは短期間で多くの収益をあげることができる。
なお、金融商品の相場価格が第四注文価格以上(又は第三注文価格以下)になった場合(ステップS42の“Yes”)、約定情報生成部14は第四注文51K(又は第三注文51F)の約定処理を行うと共に、未約定の注文を全てキャンセル処理する(ステップS28)。
なお、この実施の形態においては、相場価格が大きく下落し、金融商品の相場価格が第三注文価格(1ドル70.00円)以下になった場合も、約定情報生成部14は上記と同様のキャンセル処理を行う。
ステップS48の処理の後、中央管理装置1は当該注文に基づく約定処理を全て終了する。
これらの発注や処理の結果は、注文発注装置2のタッチパネル21に逐次表示されるので、ユーザは取引を確認できる。
このような構成としたことにより、ユーザは約定する際に一の注文だけが約定される場合よりも高い収益を得ることができる。これにより、ユーザに対し、煩雑な注文手続を行わせることなく、リスクを回避しつつ収益機会を十分に活用して合理的な取引を行わせる装置を提供できる。
[ログオフ後再ログインまでに約定した注文の画面表示]
なお、第一形態注文、第二形態注文のいずれにおいても、金融商品の発注を行ったユーザが注文発注装置2をログオフした後、再度中央管理装置1にログインするまでの間に約定した注文の個数を、ログイン後に表示されるメニュー画面上等にグラフィック表示させることができる。これにより、ユーザは未確認の間に約定した注文の数を迅速に確認できるので、ユーザの利便性を高めることができる。
[その他の取引]
本件金融商品取引システム1Aにおいては、上記形態の取引に加え、発注価格帯において、同時に複数の指値注文を均等な価格差で、価格ごとに等しいポジションで発注する形態の取引(以下「トラップトレード」と称する。)や、第一注文と第二注文とが任意の価格で設定されたイフダン注文を繰り返し行う形態の取引(以下「リピートイフダン注文」と称する)を、注文発注装置2からの発注によって行うことができる。また、本件金融商品取引システム1Aにおいては、イフダン注文の第一注文と複数の第二注文とを、トラップトレードの場合と同様に均等な価格差で、価格ごとに等しいポジションで、それぞれ複数発注する形態の取引(以下「トラップイフダン注文」と称する)や、通常のイフダン注文全般を、注文発注装置2からの発注によって行うことができる。これにより、指値注文の利便性を高めることができる。
以上示した通り、この実施の形態においては、注文発注装置2のタッチパネル21は、チャートが表示されたタッチパネル21に外部からユーザの指100が接触したときに、注文発注部25に対し、指100が接触した箇所に対応して表示された価格に関する価格情報を取得させることにより、ユーザに対し、タッチパネル21に表示されたチャートにおける任意の価格上に100指などを接触させることで、指値注文を行う上限価格と下限価格を感覚的に特定することができる。また、タッチパネル21、ユーザの指100がタッチパネル21からそれぞれ離間したときに、注文発注部25に対し、上限価格及び下限価格とを設定させると共に、注文発注部25に対し、上限価格と下限価格との間に形成された発注価格帯において注文情報を発注させることにより、ユーザに対し、特定された上限価格と下限価格との間に形成された発注価格帯に、複数の注文情報を自動的に発注させることができる。これにより、金融商品の指値注文において、システムを利用するユーザが煩雑な入力作業を行うことなく、複数の指値注文を簡易な操作で発注できて、ユーザに利便性の高い指値注文を行わせることができる。
この実施の形態においては、発注された注文情報の価格毎のポジションの大きさに応じて視覚態様を変化させて表示させることにより、ユーザに対し、価格毎のポジションを視覚的感覚的に容易に把握させることができ、指値注文を行うユーザの利便性を一層高めることができる。
この実施の形態においては、注文情報の価格毎のポジションの大きさを色の濃度によって表示できるので、ユーザに対し、価格毎のポジションを視覚的感覚的に容易に把握させることができ、指値注文を行うユーザの利便性を一層高めることができる。
この実施の形態においては、注文情報の価格毎のポジションの大きさを記号の形状及び大きさのうち少なくとも一方によって表示できるので、ユーザに対し、価格毎のポジションを視覚的感覚的に容易に把握させることができ、指値注文を行うユーザの利便性を一層高めることができる。
この実施の形態においては、発注後未約定の指値注文と発注後約定済の指値注文とを色及び形状のうち少なくともいずれか一方によって表示できるので、ユーザに対し、未約定の指値注文と約定済の指値注文とを視覚的感覚的に容易に把握させることができ、指値注文を行うユーザの利便性を一層高めることができる。
この実施の形態においては、タッチパネルを備えた機器において、指値注文を行うユーザの利便性を一層高めることができる。
なお、上記実施の形態は、以下に示す(変形例1)乃至(変形例6)のように実施することもできる。
(変形例1)
上記実施の形態においては、タッチパネル21のチャート表示画面32上にチャートが表示された状態において、チャート上の2箇所をタッチすることで上限価格と下限価格を設定する構成としたが、これに限らず、注文発注装置2に上限価格と下限価格との数値、又は、上限価格及び下限価格のうち何れか一方と値幅との数値を入力し、この数値に基づいてチャート表示画面32上に発注価格帯を表示させ、この発注価格帯内において複数の指値注文を発注する構成としてもよい。
(変形例2)
上記実施の形態においては、第一注文51D,51Hと第二注文51E,51Jの約定処理の繰り返しを事実上無制限に行える構成としたが、入力画面40にリピート回数選択欄を設け、リピート回数選択欄に入力された回数分、イフダン注文を繰り返す構成としてもよい。この場合、各注文情報51A~51Fが、繰り返し回数を記録する情報を備える構成となる。
(変形例3)
上記実施の形態においては、更に、タッチパネル21にトレール幅情報入力欄を表示すると共に、中央管理装置1において、第一注文51D,51H及び第二注文51E,51Jの属性情報としてトレール幅情報を設け、相場価格がトレール幅情報以上に上昇又は下落した際に、各注文情報51A~51Fの注文価格情報181hをトレール幅情報の価格分上昇又は下落させる構成としてもよい。
(変形例4)
上記実施の形態においては、全ての注文を指値注文とする構成に替えて、イフダン注文(前述のリピートイフダン注文やダブルリピートイフダン注文を含む)の最初の第一注文を、第一注文を注文情報生成時の成行注文価格と同じ価格として設定し、上方側注文価格を入力画面から入力された情報(例えば上方側注文価格欄に入力された価格や、利益額入力欄に入力された一回のイフダン注文ごとの利益額)に基づいて設定し、イフダン注文による指値注文が行われる構成としてもよい。
(変形例5)
上記実施の形態においては、成行注文価格が下方側注文価格よりも上であると共に上方側注文価格よりも下である場合、第一注文51D,51H、及び第二注文51E,51Jの注文条件情報181jは「指値」として設定され、(設定条件4)において、注文情報の生成時、成行注文価格が下方側注文価格又は上方側注文価格と等しい場合、各注文情報51A,51B,51C,51D,51E,51Fの生成はキャンセルされる構成とした。しかし、この構成に代えて、(設定条件1)において、成行注文価格が下方側注文価格以上であると共に上方側注文価格以下である場合、第一注文51D,51H、及び第二注文51E,51Jの注文条件情報181jは「指値」として設定され、(設定条件4)が存在しない構成としてもよい。具体的には、例えば成行注文価格が下方側注文価格と等しい場合、注文情報生成部16は、第一注文51Dの注文条件情報181jを成行注文である「成行」として設定し、第一注文51D、第二注文51E,51Jの注文条件情報181jを「指値」として、第三注文51F、第四注文51Kを「逆指値」として設定する構成が考えられる。
(変形例6)
上記実施の形態及び各変形例の金融商品取引システム1Aは、金融商品として外国為替を取扱うものとしたが、これに限定されず、他の金融商品、例えば株式、債券を取扱う金融商品取引システムにおいても本発明を適用できる。
上記実施の形態及び各変形例は本発明の例示であり、本発明が上記実施の形態及び変形例に限定されることを意味するものではないことは、いうまでもない。
1A・・・金融商品取引システム
1・・・中央管理装置
2,2~2・・・注文発注装置
14・・・約定情報生成部(約定情報生成手段)
16・・・注文情報生成部(注文情報生成手段)
19・・・価格情報受信部(相場情報取得手段)
21,21~21・・・タッチパネル
22,22~22・・・表示部(表示手段)
23,23~23・・・操作部(操作手段)
24,24~24・・・価格帯特定部(価格帯特定手段)
25,25~25・・・注文発注部(注文発注手段)
26,26~26・・・表示態様管理部(表示態様管理手段)
50A,・・・50A,50B,50C,50D,50E,50F・・・注文情報群
51A,・・・51A,51D,51H・・・第一注文
50B,・・・51B,51E,51J・・・第二注文
51C,・・・51C,51F・・・第三注文

Claims (7)

  1. 金融商品の取引に関する、縦軸のパラメータを前記金融商品の価格とすると共に横軸のパラメータを時間とするチャートを画像表示する表示手段と、該表示手段に外部の物体を接触又は近接されることに基づいて金融商品の取引のための操作を行う手段を有する操作手段とを備えた端末とデータの送受信を行い、前記端末の前記表示手段に表示された前記チャートに表示された前記金融商品の取引を行わせる金融商品取引管理装置であって、
    前記端末に、縦軸のパラメータを前記金融商品の価格とすると共に横軸のパラメータを時間とする前記チャートの画像を送信して、該チャートの画像を前記端末の前記表示手段に表示させる画像供給手段と、
    前記チャートが表示された前記表示手段に対する前記操作手段の所定の操作の情報を取得して、該取得した操作の情報に基づいて、買いまたは売りの一方を第一注文価格で行うための第一注文を行う第一注文情報と、前記買いまたは前記売りの他方を第二注文価格で行うための第二注文を行う第二注文情報とをそれぞれ複数生成する注文情報生成手段と、
    異なる注文価格に設定される複数の前記第一注文の注文数量、及び/又は、異なる注文価格に設定される複数の前記第二注文の注文数量の情報として注文数量情報を取得する注文数量取得手段とを備え、
    前記注文情報生成手段は、
    前記チャートが表示された前記表示手段に前記物体が接触又は近接し、前記操作手段が前記接触又は近接した位置に対応する前記チャートの価格情報を、前記表示手段の上下方向の2か所において前記操作手段が取得した場合に、該操作手段が取得した価格情報のうち、前記接触又は近接した位置のうち上側の位置に対応する前記価格情報を上限価格とすると共に、前記操作手段が取得した価格情報のうち、前記接触又は近接した位置のうち下側の位置に対応する前記価格情報を下限価格とし、
    前記上限価格と前記下限価格との間に一の発注価格帯を形成し、
    前記上限価格と前記下限価格との価格差の値と、前記注文数量取得手段が取得した前記注文数量情報の値とを用いた所定の演算によって得た値が、前記第一注文同士の値幅、及び/又は、前記第二注文同士の値幅、となるように設定し、前記第一注文の全ての前記第一注文価格と、前記第二注文の全ての前記第二注文価格とを、少なくとも最安値の買いの前記第一注文価格以外、又は、少なくとも最高値の売りの前記第一注文価格以外、の前記第一注文の前記第一注文価格、及び/又は、少なくとも最高値の売りの前記第一注文価格以外、又は、少なくとも最高値の買いの前記第二注文価格以外の前記第二注文の前記第二注文価格が前記発注価格帯の中に設定されるように、前記第一注文情報と前記第二注文情報とを生成する、ことを特徴とする金融商品取引管理装置。
  2. 発注された注文の前記注文情報の状態を監視し、該状態に応じた前記表示手段への前記注文情報の表示態様を管理する表示態様管理手段を備え、
    前記表示態様管理手段は、発注された注文の前記注文情報の価格毎のポジションの大きさに応じて表示態様を変化させて表示させることを特徴とする請求項1に記載の金融商品取引管理装置。
  3. 前記表示態様管理手段は、前記注文情報を任意の色で前記チャート上に表示すると共に、前記注文情報の価格毎の前記ポジションの大きさに応じて前記色の濃度を変えて表示させることを特徴とする請求項2に記載の金融商品取引管理装置。
  4. 前記表示態様管理手段は、前記注文情報を任意の形状の記号で前記チャート上に表示すると共に、前記注文情報の価格毎の前記ポジションの大きさ及び前記ポジションの数のうち少なくとも何れか一方に応じて、前記記号の形状及び大きさのうち少なくとも何れか一方を変えて表示させることを特徴とする請求項2又は3に記載の金融商品取引管理装置。
  5. 前記表示態様管理手段は、発注後未約定の前記注文情報と発注後約定済の前記注文情報について、前記注文情報を表示する色及び形状のうち少なくとも何れか一方を変えて表示させることを特徴とする請求項2乃至4の何れか一つに記載の金融商品取引管理装置。
  6. 前記表示手段及び前記操作手段は、タッチパネルとして構成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一つに記載の金融商品取引管理装置。
  7. コンピュータを請求項1乃至6の何れか一つに記載の金融商品取引管理装置として機能させることを特徴とするプログラム。
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