JP2022059677A - 壁パネルの支持構造及び壁パネルの起立支持方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガイドレールで重量のある壁パネルを支持しても、高さ調整金具で調整したガイドレールの高さが変化しない壁パネルの支持構造及び壁パネルの起立支持方法を提供する。【解決手段】複数の壁パネル2を支持し、各壁パネルの底面に係合するガイド部で複数の壁パネルをガイド部に沿って整列させるガイドレール4と、ガイドレールに支持された壁パネルを鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する起立支持金具5と、床面とガイドレールの間に配置され、床面上のガイドレールの高さを調整可能な複数の高さ調整金具3とを備え、水平面に沿ってガイドレールが配置されるように、床面上のガイドレールの高さを調整した複数の高さ調整金具を床面仕上げ層Mに埋設する。高さ調整金具は、床面仕上げ層で覆われるので、部屋の美感を損なわず、高さを調整する可動部が床面仕上げ層に埋設されて固定されるので、長期間経過しても壁パネルの加重でガイドレールが下降しない。【選択図】図1
Description
本発明は、複数の壁パネルを連結して内壁を施工する施工において、床面に沿ったガイドレール上に複数の壁パネルを起立する姿勢で支持する壁パネルの支持構造及び壁パネルの起立支持方法に関する。
浴室や居室の内壁を施工する施工現場においては、工場で量産した多数の壁パネルを、床面FLに沿ったガイドレール上に起立する姿勢で支持し、ガイドレールに沿って整列させた隣り合う壁パネル間を連結して内壁を施工している。この内壁を施工する際に、床面FLの不陸によって、ガイドレールが床面FLに沿って水平に配置されていないと、ガイドレールに支持される複数の壁パネルも傾斜して支持され、各壁パネルの上端の位置が異なって、天井面との間に隙間が生じたり、躯体に固定される起立支持金具を壁パネルの上部に連結することができず、壁パネルを鉛直面に沿って起立支持できない場合があった。
そこで従来、壁パネルとガイドレールとの間に床面上のガイドレールの高さを調整する高さ調整金具を配置し、床面FLに沿って水平に配置したガイドレール上に、壁パネルを起立する姿勢で支持する壁パネルの支持構造が知られている(特許文献1)。
以下、特許この文献1に記載の壁パネルの支持構造100を、図9、図10を用いて説明する。図中101は、壁パネルの支持構造100によってガイドレール102上に起立支持される壁パネルで、壁パネル101の下端に沿って断面下向きコの字状の嵌合フレーム103が固定されている。嵌合フレーム103の平面には、ナット107が溶接により固定され、雄ねじ部が嵌合フレーム103を挿通してナット107に螺合するパネル調整ボルト106が頭部を下端として嵌合フレーム103にネジ止めされている。
また、ガイドレール102は、床面FLにアンカーボルト104で固定される樋状のランナー部材102Aと、ランナー部材102Aの上方からランナー部材102Aの内側に嵌合するレール102Bと、高さ調整金具105を介してレール102B上に配置され、ランナー部材102Aに外嵌する断面下向きコの字状の水平調整用金具102Cとから構成される。
高さ調整金具105は、頭部が水平調整用金具102Cの内頂面に当接し、雄ねじがレール102Bに螺合する高さ調整ボルトで構成され、ガイドレール102の長手方向に沿ったレール102Bの複数の位置に、同一構造の高さ調整ボルト105が螺合している。高さ調整金具105は、床面FLに不陸があっても、水平調整用金具102Cの平面を水平面に調整するものである。すなわち、水平調整用金具102Cを上方からランナー部材102Aに外嵌する前に、レール102Bに螺合する複数の高さ調整ボルト105の各頭部が同一水平面上に属するように、各高さ調整ボルト105を回転させ、同一水平面に頭部を整列させた高さ調整ボルト105上に水平調整用金具102Cを配置し、床面FLの不陸にかかわらず、水平調整用金具102Cの平面を水平となるように調整する。
壁パネル101は、その下端に沿って固定された嵌合フレーム103が、水平調整用金具102Cに外嵌し、パネル調整ボルト106を介して水平調整用金具102C上に配置されることにより、ガイドレール102上に起立する姿勢で支持される。従って、嵌合フレーム103から下方に突出する各パネル調整ボルト106の長さが同一であれば、水平面に沿って調整された水平調整用金具102C上に配置される各壁パネル101を水平面に沿って同一高さで支持できる。また、個々の壁パネル101の高さは、各パネル調整ボルト106のナット107へのネジ止め量を調整することによって調整できる。
また、この従来の壁パネルの支持構造100とは別に、ガイドレールが水平面に沿って配置されるように調整する高さ調整金具を、鉛直方向を長手方向とする長孔を有する第1鉛直プレートと、ガイドレールを支持する第1水平プレートとからなる第1アングルプレートと、鉛直方向を長手方向とする長孔を有する第2鉛直プレートと、床面FLに沿って配置される第2水平プレートとからなる第2アングルプレートと、第1鉛直プレートと第2鉛直プレートの長孔に挿通する締め付けボルトと、締め付けボルトとの間で鉛直面に沿って重ねられた第1鉛直プレートと第2鉛直プレートを挟持する締め付けナットで構成し、締め付けボルトを挿通させる第1鉛直プレートと第2鉛直プレートの長孔の位置を変えて、第1水平プレートと第2水平プレート間の間隔を調整し、第1水平プレートに支持されるガイドレールの床面FL上の高さを調整することもできる。
しかしながら、この壁パネルの支持構造100によってガイドレール102(水平調整用金具102C)を水平面に沿って床面FL上に支持する調整する作業は、複数の高さ調整ボルト105の頭部を同一水平面に沿って整列させた後に、高さ調整ボルト105の頭部に水平調整用金具102Cを配置して行うので、調整作業が繁雑で、水平調整用金具102C自体が変形していると、水平調整用金具102Cの平面が水平とならない。
水平調整用金具102Cの側面に高さ調整ボルト105の回転調整操作を行うための開口を形成すれば、複数の高さ調整ボルト105の頭部に水平調整用金具102Cを乗せたまま、水平調整用金具102Cを水平に調整することが可能となるが、鉛直方向に進退させて調整する高さ調整ボルト105の頭部を、開口を通した側方から回転調整操作する必要があり、依然その調整作業は繁雑となっていた。
一方、一組のアングルプレートで構成される高さ調整金具を用いれば、第1鉛直プレートと第2鉛直プレートが鉛直面に沿って重ねられた一組のアングルプレートの側方に、側方(床面に平行な方向)に進退させて調整する締め付けボルトの頭部が突出するので、容易に締め付けボルトの回転調整操作を行うことができる。しかしながら、締め付けボルトと締め付けナット間で挟持する第1鉛直プレートと第2鉛直プレート間の摩擦力のみでガイドレールを支持しているので、セラミックタイル板が貼り付けられた壁パネルなどの重量のある壁パネルをガイドレールで支持すると、締め付けボルトの長孔の挿通位置が徐々に下降し、ガイドレールが水平面に対して傾斜してしまう恐れがあった。
また、壁パネルの支持構造100の高さ調整金具(高さ調整ボルト)105や一組のアングルプレートを用いた高さ調整金具のいずれも、壁パネルを支持するガイドレールの下方に配置されるので、そのままでは部屋の外観を損なうので、壁パネルの支持構造100では、壁パネル101の基板101aをガイドレール102の下方近くまで垂設し、基板101aで高さ調整金具105を覆っている。
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、壁パネルを支持するガイドレールが水平面に沿って配置されるように高さ調整金具で容易に調整可能で、ガイドレールで重量のある壁パネルを支持しても、高さ調整金具で調整したガイドレールの高さが変化しない壁パネルの支持構造及び壁パネルの起立支持方法を提供することを目的とする。
また、ガイドレールが水平面に沿って配置されるように調整した複数の高さ調整金具が、壁パネルを施工した部屋の中から目視されない壁パネルの支持構造及び壁パネルの起立支持方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、請求項1に記載の壁パネルの支持構造は、複数の壁パネルと、複数の壁パネルを支持し、各壁パネルの底面に係合するガイド部で複数の壁パネルをガイド部に沿って整列させるガイドレールと、躯体に連結し、ガイドレールに支持された壁パネルを鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する起立支持金具と、床面とガイドレールの間に配置され、床面上のガイドレールの高さを調整可能な複数の高さ調整金具と、床面上に敷設される床面仕上げ層とを備え、水平面に沿ってガイドレールが配置されるように、床面上のガイドレールの高さを調整した複数の高さ調整金具が、床面仕上げ層に埋設されることを特徴とする。
床面に不陸が生じていても、複数の高さ調整金具でガイドレールの高さを調整することにより、ガイドレールを水平面に沿って配置することができる。ガイドレールを水平面に沿って配置するように、床面上のガイドレールの高さを調整した複数の高さ調整金具は、高さを調整する可動部が床面仕上げ層に埋設されることにより可動部が固定される。また、床面とガイドレールの間に配置される高さ調整金具が、床面仕上げ層に埋設され、ガイドレールは、床面との間に介在する床面仕上げ層により一定の高さで支持される。
高さ調整金具は、床面仕上げ層で覆われ、壁パネルで囲われた室内から目視されない
請求項2に記載の壁パネルの支持構造は、高さ調整金具が、第1挿通孔が穿設された第1鉛直プレートと、ガイドレールを支持する第1水平プレートとが一体に連設された第1アングルプレートと、第2挿通孔が穿設された第2鉛直プレートと、床面上に配置される第2水平プレートとが一体に連設された第2アングルプレートと、少なくとも一方が鉛直方向を長手方向とする長孔となった第1挿通孔と第2挿通孔に挿通する締め付けボルトと、締め付けボルトに螺合する締め付けナットとからなり、
締め付けボルトと締め付けナットとの間で、鉛直面に沿って重ねられた第1鉛直プレートと第2鉛直プレートを挟持することを特徴とする。
締め付けボルトと締め付けナットとの間で、鉛直面に沿って重ねられた第1鉛直プレートと第2鉛直プレートを挟持することを特徴とする。
長孔に挿通する締め付けボルトの挿通位置に応じて、床面上に配置される第2水平プレートとガイドレールを支持する第1水平プレートとの間隔が変化する。第1水平プレートがガイドレールを水平面に沿って支持する高さで、締め付けボルトを、少なくとも一方が長孔となった第1挿通孔と第2挿通孔に挿通し、高さ調整金具の側方に突出する締め付けボルトを回転操作して、締め付けナットとの間で第1鉛直プレートと第2鉛直プレートを挟持することにより、ガイドレールが水平面に沿って配置されるように、ガイドレールの高さが調整される。
請求項3に記載の壁パネルの支持構造は、床面仕上げ層は、モルタル層であることを特徴とする。
モルタル層は、セメントに珪砂等の細骨材が含有されているので、所定の強度を有するとともに、乾燥収縮率が小さい。
請求項4に記載の壁パネルの支持構造は、壁パネルは、矩形の金属枠の表面に、補強板と一体のセラミックタイル板を積層して形成されることを特徴とする。
壁パネルに重量のあるセラミックタイル板を用いても、ガイドレールが下降せず、水平面に沿って配置できる。
一枚のセラミックタイル板に補強板が積層されるので、セラミックタイル板が破損しにくい。
請求項5に記載の壁パネルの支持構造は、起立支持金具が、躯体に固定され、ピン挿通孔が穿設された水平板部と、ピン挿通孔とガイドレールに支持された壁パネルのダボ孔に、鉛直方向に挿通するダボピンとから構成されることを特徴とする。
躯体に固定された起立支持金具の水平板部に穿設されたピン挿通孔は、水平方向に対して位置決めされている。水平方向に移動可能な壁パネルのダボ孔は、鉛直方向でピン挿通孔に挿通するダボピンが挿通することによつて、水平方向の移動が規制され、ガイドレールに支持された壁パネルも、ガイドレール上に起立する姿勢で支持される。
請求項6に記載の壁パネルの起立支持方法は、
(A)複数の壁パネルを支持するガイドレールと床面の間に、床面上のガイドレールの高さを調整可能な複数の高さ調整金具を配置する第1工程と、
(B)1又は2以上の高さ調整金具で、床面上のガイドレールの高さを調整し、ガイドレールを床面上で水平面に沿って配置する第2工程と、
(C)ガイドレールに沿って支持される隣り合う一方の第1壁パネルの底面を、ガイドレールのガイド部に係合し、躯体に連結された起立支持金具で、ガイドレールに支持された第1壁パネルを鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する第3工程と、
(D)第1壁パネルに隣り合う他方の第2壁パネルの底面を、ガイドレールのガイド部に係合し、ガイド部に沿って第1壁パネルに第2壁パネルを連結した後、起立支持金具で、ガイドレールに支持された第2壁パネルを鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する第4工程と、
(E)床面上に床面仕上げ層を敷設し、床面仕上げ層内に複数の高さ調整金具を埋設する第5工程と、
からなることを特徴とする。
(A)複数の壁パネルを支持するガイドレールと床面の間に、床面上のガイドレールの高さを調整可能な複数の高さ調整金具を配置する第1工程と、
(B)1又は2以上の高さ調整金具で、床面上のガイドレールの高さを調整し、ガイドレールを床面上で水平面に沿って配置する第2工程と、
(C)ガイドレールに沿って支持される隣り合う一方の第1壁パネルの底面を、ガイドレールのガイド部に係合し、躯体に連結された起立支持金具で、ガイドレールに支持された第1壁パネルを鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する第3工程と、
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(E)床面上に床面仕上げ層を敷設し、床面仕上げ層内に複数の高さ調整金具を埋設する第5工程と、
からなることを特徴とする。
(B)の第2工程で、床面に不陸が生じていても、ガイドレールを床面上で水平面に沿って配置できる。(B)の第2工程で、ガイドレールの高さを調整した高さ調整金具は、(E)の第5工程で、床面仕上げ層内に埋設されることにより固定される。また、(E)の第5工程で、ガイドレールと床面との間に介在する床面仕上げ層により、ガイドレールは一定の高さで支持される。
(A)の第1工程で、床面とガイドレールの間に配置された高さ調整金具は、(E)の第5工程で、床面仕上げ層で覆われ、壁パネルで囲われた室内から目視されない。
請求項7に記載の壁パネルの起立支持方法は、第5工程で床面上に敷設する床面仕上げ層が、モルタル層であることを特徴とする。
(E)の第5工程で床面仕上げ層として用いる第モルタル層は、セメントに珪砂等の細骨材が含有されているので、所定の強度を有するとともに、乾燥収縮率が小さい。
請求項1と請求項6の発明によれば、複数の壁パネルを水平面に沿って整列させるガイドレールで、重量のある複数の壁パネルを支持しても、ガイドレールの高さを調整する高さ調整金具が壁パネルの荷重によって変位せず、水平面に沿って維持される。
また、特に目隠しとなるような部材を配置することなく、ガイドレールを水平面に沿って支持する複数の高さ調整金具が、壁パネルで囲われた室内から隠される。
請求項2の発明によれば、締め付けボルトを高さ調整金具の側方の水平方向から回転調整操作することができるので、容易に高さ調整金具によるガイドレールの高さを調整できる。
また、締め付けボルトと締め付けナットによる締め付け力が緩んでも、ガイドレールは、床面上に配置される第2水平プレートとガイドレールを支持する第1水平プレートとの間に介在する床面仕上げ層によって一定の高さで支持される。
請求項3と請求項7の発明によれば、コンクリートの床面を仕上げるモルタル層を利用して、高さ調整金具で高さを調整したガイドレールの下降を防止できる。
モルタル層は、乾燥収縮率が小さいので、モルタル層の乾燥収縮によって生じるガイドレールと床面との間の隙間は微小であり、長期間が経過しても水平面に沿って配置するガイドレールに影響を与えない。
請求項4の発明によれば、壁パネルに重量のあるセラミックタイル板を用いても、複数の壁パネルを、水平面に沿って配置されるガイドレール上に整列させることができる。
一枚のセラミックタイル板に補強板が積層されるので、壁パネルを量産する工場から内壁を施工する施工現場まで搬送する間に壁パネルが破損しない。
請求項5の発明によれば、ガイドレールに支持された壁パネルのダボ孔にダボピンを落とし込むだけで、ガイドレールに支持された壁パネルを鉛直面に沿って起立する姿勢で支持できる。
以下、本発明の一実施の形態に係る壁パネルの支持構造1を、図1乃至図8を用いて説明する。本実施の形態に係る壁パネルの支持構造1は、建物内に複数の壁パネル2、2・・を連結して内壁10とする施工において、床面FL上の水平面に沿ったガイドレール4上に、予め製造工場で量産しておいた複数の壁パネル2、2・・を鉛直面に沿って起立する姿勢で支持し、隣り合う壁パネル2、2を連結するために、ガイドレール4に沿って整列させる構造である。以下の本実施の形態における各部の説明は、壁パネル2を起立させた状態での鉛直方向を上下方向と、図2に図示する壁パネル2、2間の連結方向を左右方向と、図3に図示する壁パネル2のセラミックタイル板24が貼り付けられた方向を前方と、枠体20の方向を後方として説明する。
図1乃至図3に示すように、壁パネルの支持構造1は、複数の壁パネル2、2・・と、複数の壁パネル2、2・・を支持するガイドレール4と、躯体の壁面WAに連結し、ガイドレール4上に支持された壁パネル2を鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する起立支持金具5と、床面FLとガイドレール4の間に配置される複数の高さ調整金具3と、床面FL上に敷設される床面仕上げ層Mとから構成される。
複数の壁パネル2、2・・を支持するガイドレール4は、更に、上面にダイキャストで長手方向に沿って互いに平行な一対のレール41a、41aが一体に突設されたアルミ合金製のベースランナー41と、ベースランナー41の下面に沿ってネジ止め固定され、ベースランナー41を補強する細長帯状のフラットバー42とから構成されている。一対のレール41a、41aは、壁パネル2の後述する最下段の横桟22の内壁面に係合し、壁パネル2、2・・を直線状のガイドレール4に沿って案内するガイド部として作用し、複数の壁パネル2、2・・は、一対のレール41a、41aに案内され、ガイドレール4上に互いに同一面上に整列して支持される。
ガイドレール4をコンクリートの床面FL上で水平面に沿って配置するため、ガイドレール4と床面FLとの間に、床面FL上のガイドレール4の高さを調整する複数の高さ調整金具3が配置されている。高さ調整金具3は、図4乃至図6に図示するように、矩形の剛板をプレス成形で直角に折り曲げて形成した一組の第1アングルプレート31及び第2アングルプレート33と、鉛直面に沿って重ねられる第1アングルプレート31の第1鉛直プレート31aと第2アングルプレート33の第2鉛直プレート33aを締め付ける締め付けボルト35及び締め付けナット36とからなっている。
第2アングルプレート33の第2水平プレート33bは、床面FLに沿って配置され、第2水平プレート33bを挿通し、床面FLのコンクリートにねじ込まれるアンカーボルト37によって、第2アングルプレート33が床面FLに固定される。また、第2水平プレート33bの後端で上方に起立する第2鉛直プレート33aの左右方向の中央には、上下方向を長手方向とする第2長孔34が穿設されている。
第1アングルプレート31は、第2アングルプレート33と同一形状に形成され、第2アングルプレート33に対して前後方向の軸周りに180度回転させた姿勢で、第1鉛直プレート31aが第2アングルプレート33の第2鉛直プレート33aの前面に重ねられる。その結果、第1鉛直プレート31aの左右方向の中央に穿設された上下方向を長手方向とする第1長孔32は、第2長孔34と前後方向で連通し、第1長孔32と第2長孔34を締め付けボルト35が挿通自在となる。また、この回転させた姿勢で、第1アングルプレート31の第1水平プレート31bは、第2水平プレート33bの上方で第2水平プレート33bに対向し、図6に示すように、その上面でガイドレール4を支持する。
第1長孔32と第2長孔34は、鉛直方向を長手方向として一部が前後方向に連通するので、締め付けボルト35を挿通させながら、第2水平プレート33bと第1水平プレート31b間の間隔、すなわち、床面FL上のガイドレール4を支持する高さを調整できる。従って、ガイドレール4が水平面に沿って配置されるように、第2水平プレート33bと第1水平プレート31b間の間隔を調整した位置で、締め付けボルト35をネジ止め回転操作し、締め付けナット36との間で 第1鉛直プレート31aと第2鉛直プレート33aを締め付けて、床面FLに固定した第2アングルプレート33に対して第1アングルプレート31を固定する。この締め付けボルト35のネジ止め回転操作は、複数の高さ調整金具3上にガイドレール4を水平面に沿って配置した状態で、前後方向から締め付けボルト35をネジ止め回転操作することができるので、各高さ調整金具3の高さを容易に調整できる。
複数の高さ調整金具3は、ガイドレール4が重量のある壁パネル2から等分布荷重を受けるものとして、ガイドレール4に大きな曲げモーメントが生じないように、ここでは、ガイドレール4上で連結される壁パネル2、2間の連結部と、各壁パネル2の中間位置の下方のガイドレール4と床面FLの間に配置される。
ガイドレール4上に支持される複数の壁パネル2、2・・は、それぞれ、同一部材で同一形状に形成され、各壁パネル2は、図1に示すように、鉛直方向の縦桟21と左右方向の横桟22とを格子状に組み付けてネジ止め固定した長方形状の輪郭の枠体20と、枠体20の前方に同一の輪郭で、補強板23を介して貼り付けられた一枚のセラミックタイル板24とから構成されている。
壁面の化粧板となるセラミックタイル板24は、縦1800mm、横幅850mm程度の大面積の大きさで、厚さが6mm乃至10mmの一体のセラミックタイルで形成される。ここで、従来の内装壁のセラミックタイル施工においては、このような大面積のセラミックタイル板を破損させずに施工現場まで運ぶことが困難であり、複数の小面積に分割したセラミックタイルを、セメントを使用した湿式工法や接着剤を使用した圧着工法で石膏ボードなどの下地に貼り付けていた。そのため、下地面を平滑にしたり、多数のセラミックタイルからなる表面を平滑面とするには、熟練した職人を要し、また、施工現場で、セメントガラ、タイルガラ、セラミックタイルを梱包する梱包材などの廃棄物が発生していた。本実施の形態では、化粧板が大面積の一枚のセラミックタイル板24からなる壁パネル2を予め製造工場で製造しておき、複数の壁パネル2、2を連結して内壁10を施工し、特に、連結した壁パネル2間は、一本の直線に沿ったガイドレール4によって整列されるので、自然にセラミックタイルの壁面が平滑面となり、更に、施工現場で上述したような廃棄物も発生しない。
セラミックタイル板24の背面側に積層される補強板23は、珪酸カルシウム板、フレキシブルボード、酸化マグネシウム板などの軽量板材でセラミックタイル板24と同一の外形に形成され、接着剤などでセラミックタイル板24の後面に固着されることによって大面積のセラミックタイル板24を補強している。
枠体20を構成する縦桟21と横桟22は、それぞれ、アルミ、亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼などの変形しにくい硬質金属材料から形成され、壁パネル2の左右両側に鉛直方向に配置される縦桟21は、図7に示すように、ウェブの前後方向の両側にウェブに直交するフランジ21a、21bがそれぞれ一体に形成されたH型鋼であり、後方のフランジ21bは、大荷重のセラミックタイル板24を支持しても縦桟21が変形しないように、肉厚の矩形パイプ状に形成されている。
横桟22は、2枚の左右方向を長手方向とする帯状支持片22a、22bの間を、水平面に沿った3枚のウェブ22c、22d、22eで、鉛直方向の3段に分けて一体に連結して形成されている。従って、最上段のウェブ22c及び最下段のウェブ22eと2枚の帯状支持片22a、22bとで、横桟22の上端と下端は、それぞれ左右方向に沿って上向きと下向きに開口する樋状となっている。また、横桟22の最上段のウェブ22cと中段のウェブ22dの2カ所の位置には、それぞれ後述するダボピン51を挿通させるダボ孔25a、25bが鉛直方向に沿って穿設されている。
枠体20の前面に接着剤で補強板23を固着するため、横桟22の前方の帯状支持片22aの前面は、縦桟21の前方のフランジ21aと同一面上に露出している。また、2枚の帯状支持片22a、22bの左右の両端は、縦桟21のフランジ21a、21bの内壁面に当接するように内側に絞られている。これにより、横桟22の両端は、壁パネル2の左右両側に配置される縦桟21、21のウェブに当接するので、縦桟21のウェブを挿通する図示しない雄ねじを横桟22の中段のウェブ22dに形成されたビスホールが凹設された雌ねじ部22f(図3参照)にネジ止めして、縦桟21、21の間に横桟22を左右方向に沿って掛け渡し、取り付けている。
図3に示すように、壁パネル2の下端に沿って取り付けられる最下段の横桟22は、他の横桟22と上下を逆転して縦桟21、21の間に取り付けられ、最下段の横桟22の2枚の帯状支持片22a、22bの内側に絞られた両端と、縦桟21、21のウェブの両側は、ガイドレール4のレール41aの高さで下端から切り欠かれている。これにより、ガイドレール4の一対のレール41a、41aは、最下段の横桟21の2枚の帯状支持片22a、22bの対向する内面と、縦桟21、21のウェブの下端から切り欠かれた切り欠き溝に係合し、壁パネル2をガイドレール4に沿って移動自在に案内する。
図1に示すように、左右の縦桟21の後方のフランジ21bには、それぞれ互いに係合する下向きロックプレート26aと上向きロックプレート26bがフランジ21bの後面に沿って取り付けられ、隣り合う壁パネル2、2は、ガイドレール4の平行な2本の直線状の突条からなるレール41aにより、連結方向である左右方向に沿って整列され、その間に起立して配置されるジョイントポスト6を介して、下向きロックプレート26aと上向きロックプレート26bとを係合させて連結される。
図7に示すように、ジョイントポスト6は、アルミ、亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼などの変形しにくい硬質金属材料で、前後方向を平面とする縦長板状のポスト側ウェブ61と、ポスト側ウェブ61に直交し、左右方向を平面とする一組の縦長板状のポスト側フランジ62、62とが一体に形成されている。ポスト側ウェブ61の前後方向の幅は、縦桟21のウェブの前後方向の幅にほぼ等しく、一組のポスト側フランジ62、62が隣り合う壁パネル2の縦桟21、21のフランジ21a、21b間に嵌合する。
従って、隣り合う壁パネル2、2の縦桟21、21とその間に配置されるジョイントポスト6は、それぞれH型の横断面形状の連結部が連結方向に沿って互いに重なり、ジョイントポスト6を介して同一平面に沿って一体に連結される壁パネル2、2は、直線に沿ったレール4a上への配置が容易で、複数の壁パネル2、2・・から平滑な内壁10を施工できる。
起立支持金具5は、ガイドレール4上に支持される壁パネル2を、鉛直面の壁面WAに沿って起立させるもので、図3に示すように、躯体の壁面WAにアンカーボルト54で固定されるL字アングルプレート52と、L字アングルプレート52の水平プレート52b上に重ねて取り付けられる水平板部53と、水平板部53のピン挿通孔53aに上方から挿通するダボピン51とで構成される。
壁面WAへアンカーボルト54をねじ込む位置はある程度定められているので、アンカーボルト54により固定されるL字アングルプレート52の高さを調整するため、L字アングルプレート52の鉛直プレート52aには、図8(a)に示すように、鉛直方向を長手方向とする鉛直調整長孔5aが穿設されている。
また、図8(b)、(c)に示すように、L字アングルプレート52の水平プレート52bと水平板部53には、それぞれ前後方向を長手方向とする前後調整長孔5bと左右方向を長手方向とする左右調整長孔5cが穿設され、水平プレート52b上に水平板部53が重ねられると、前後調整長孔5bと左右調整長孔5cの交差部が鉛直方向で連通し、図8(d)に示すように、締め付けナット55との間で積層する水平プレート52bと水平板部53を挟持して位置決めする締め付けボルト56が挿通可能となっている。従って、ダボピン51が挿通する水平板部53に形成されたピン挿通孔53aは、アンカーボルト54をねじ込む壁面WAの位置に対し、鉛直調整長孔5a、前後調整長孔5b及び左右調整孔5cにより鉛直方向と前後左右の水平方向に位置調整可能に位置決めされる。
図1乃至図3に示すように、床面FLとガイドレール4の間には、床面FL上に敷設される床面仕上げ層Mが敷設され、ガイドレール4が水平面に沿って配置されるように高さを調整した高さ調整金具3は、床面仕上げ層Mに埋め込まれる。本実施の形態において、床面仕上げ層Mは、モルタル層Mである。
ポルトランドセメントに珪砂等の細骨材が含有されたモルタルは、所定の強度を有するとともに、乾燥収縮率が小さいので、長期間が経過しても、ガイドレール4は、床面FLとの間に隙間なく介在する硬化したモルタル層Mによって強固に支持される。また、ガイドレール4の高さを調整した位置で、締め付けボルト35と締め付けナット36の間で第1アングルプレート31と第2アングルプレート33を挟持して固定した高さ調整金具3は、その全体が乾燥硬化したモルタル層M内に埋めまれるので、第1アングルプレート31と第2アングルプレート33間の相対移動がない。
従って、水平面に沿って配置されるガイドレール44で重量のある複数の壁パネル2を長期間支持しても、ガイドレール4が下方に撓んだり、床面FLの方向に下降することがなく、内壁10を水平面に沿ったガイドレール4上に支持できる。すなわち、本実施の形態によれば、コンクリートの床面FLを仕上げるモルタル層Mを利用して、高さ調整金具3で高さを調整したガイドレール4の下降を防止できる。更に、内壁10を水平面に沿って支持するための複数の高さ調整金具3は、硬化したモルタル層Mに埋め込まれ、目視されないので、室内の美感を損なうような高さ調整金具3を隠すような部材や処理を施す必要がない。
以下、上述の壁パネルの支持構造1を用いて壁パネル2を起立支持する壁パネルの起立支持方法を、起立支持した壁パネル2を連結して内壁10を施工する工程に沿って説明する。
(A)ガイドレール4と床面FLの間に複数の高さ調整金具3を配置する第1工程
ここでは、内壁10を構成する複数の壁パネル2、2・・の各壁パネル2の両端とその中間の下方に高さ調整金具3を配置するので、壁パネル2の横幅を840mmとして、内壁10を施工する直線に沿った床面FL上に、横幅の1/2ピッチの420mm間隔で、複数の高さ調整金具3を配置する。各高さ調整金具3は、第2鉛直プレート33aが後方となる向きの第2アングルプレート33を床面FL上に配置し、第2水平プレート33bに挿通させたアンカーボルト37を床面FLにねじ込み、床面FLに固定する。
図5に示すように、この床面FLに沿って固定された第2水平プレート33bに対して、その上方で第1アングルプレート31の第1水平プレート31bが対向するように、第2アングルプレート33の第2鉛直プレート33aの前面に第1鉛直プレート31aを重ね、前後方向で連通する第1長孔32と第2長孔34に挿通させた締め付けボルト35に締め付けナット36を螺合させて、床面FLに固定させた第2アングルプレート33上に第1アングルプレート31を仮保持しておく。
続いて、複数の第2アングルプレート33にそれぞれ仮保持された複数の第1アングルプレート31の第1水平プレート31bの平面上に、ガイドレール4のフラットバー42を接着剤などで固定し、複数の高さ調整金具3、3・・上にガイドレール4を掛け渡す。
(B)複数の高さ調整金具3、3・・の床面FL上の各第1水平プレート31bの高さを調整し、ガイドレール4を床面FL上で水平面に沿って配置する第2工程
レーザー水準器を用いて、左右方向に沿ってレーザー光を照射して水平面に沿った墨出しを行い、ガイドレール4が水平面に沿って配置されるように、各高さ調整金具3の第2水平プレート33bと第1水平プレート31b間の鉛直方向の間隔を調整し、その調整位置で締め付けボルト35をネジ止め回転操作し、締め付けナット36との間で 第1鉛直プレート31aと第2鉛直プレート33aを締め付けて、相互を固定する。この高さ調整金具3による高さの調整は、前後方向から締め付けボルト35をネジ止め回転操作するので、容易に調整できる。
(C)ガイドレール4に沿って支持される一枚の壁パネル2の底面を、ガイドレール4のレール41aに係合し、躯体WAに連結された起立支持金具5で、ガイドレール4に支持された壁パネル2を鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する第3工程
第3工程では、少なくとも壁パネル2をガイドレール4上に支持する前に、内壁10を構成する複数の壁パネル2、2・・の各ダボ孔25a、25bの上方付近の壁面WAに、起立支持金具5の鉛直調整長孔5a内を移動自在に挿通させたアンカーボルト54をねじ込み、起立支持金具5を仮止めしておく。また、前後調整長孔5bと左右調整長孔5cに挿通させる締め付けボルト56も、前後調整長孔5b及び左右調整長孔5c内を移動自在となるように、締め付けナット55に螺合し、水平プレート52bと水平板部53を仮止めしておく。
その後、水平面に沿って配置されるガイドレール4の一対のレール41a、41aに、一枚の壁パネル2の最下段の横桟22の内壁面を係合させて、壁パネル2を一対のレール41a、41aに沿ってガイドレール4上に支持する。
アンカーボルト54を挿通させる鉛直調整長孔5aの挿通位置を変えることによって、L字アングルプレート52の水平プレート52bの高さを微調整可能であるので、続いて、高さ調整金具3で床面FL上の高さが調整されたガイドレール4に支持される壁パネル2の上端が少なくとも水平プレート52bの下方に配置されるように、アンカーボルト54の鉛直調整長孔5aの挿通位置を調整し、壁面WAにねじ込むアンカーボルト54と壁面WAの間で、L字アングルプレート52を挟持して躯体に固定する。また、壁パネル2の横桟22穿設されたダボ孔25a、25bの上方に、起立支持金具5のピン挿通孔53aが位置するように、前後調整長孔5bと左右調整長孔5cに締め付けボルト56を挿通し、締め付けナット55との間で、水平プレート52bと水平板部53を挟持し、壁面WAに固定されたL字アングルプレート52の水平プレート52bに対して、水平板部53に穿設されたピン挿通孔53aの水平面に沿った位置を位置決めする。この位置決め調整によって、起立支持金具5側のピン挿通孔53aと壁パネル2側のダボ孔25a、25bは、同一鉛直軸線上に整列するので、上方からダボピン51をピン挿通孔53aとダボ孔25a、25bに落とし込み、ガイドレール4に支持された壁パネル2を鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する。
尚、ピン挿通孔53a及びダボ孔25a、25bの水平方向の組み立て誤差を吸収するため、ピン挿通孔53a及びダボ孔25a、25bの内径をダボピン51の外径よりやや大きくしておき、周囲に例えばエポキシ系の接着剤などの弾性接着剤を付着させたダボピン51をこれらに挿通させてもよい。
(D)第3工程でガイドレール4上に支持された壁パネル2(以下、連結される壁パネル2を壁パネル2Aと表示する)に隣り合う壁パネル2(以下、連結する壁パネル2を壁パネル2Bと表示する)の底面を、ガイドレール4のレール41aに係合し、レール41aに沿って隣り合う壁パネル2A、2Bを連結した後、起立支持金具5で連結した壁パネル2Bを鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する第4工程
第3工程でガイドレール4上に支持された壁パネル2Aの壁パネル2Bを連結する側の側方で、図1に示すように、壁パネル2Aの縦桟21のフランジ21a、21b間にジョイントポスト6のポスト側フランジ62、62を嵌合させてジョイントポスト6を取り付けおく。続いて、壁パネル2Aの側方で隣り合う壁パネル2Bの最下段の横桟22の内壁面を一対のレール41a、41aに係合させて、壁パネル2Bをガイドレール4上に支持し、壁パネル2Bの縦桟21のフランジ21a、21bの間にジョイントポスト6のポスト側フランジ62、62を嵌合させながら、壁パネル2Bを連結される壁パネル2Aの方向に向けて斜め上方に持ち上げ、壁パネル2Bの下向きロックプレート26aが壁パネル2Aの上向きロックプレート26bに係合する位置で、壁パネル2Bをガイドレール4上に下降させ、下向きロックプレート26aと上向きロックプレート26bを係合させて、壁パネル2Aに壁パネル2Bを連結する。
この連結作業において、壁パネル2Bを上下方向と左右方向に移動させるが、起立支持金具5の水平板部53は、その移動距離以上に移動可能に仮保持されるので、壁パネル2Bの上端が水平板部53に干渉し、連結作業の障害となることはない。
また、壁パネル2Bは、縦桟21のフランジ21a、21bの間にジョイントポスト6のポスト側フランジ62、62が嵌合するとともに、最下段の横桟22の内壁面が一対のレール41a、41aに係合するので、左右方向に沿って移動させることができ、確実に下向きロックプレート26aと上向きロックプレート26bが係合する。
壁パネル2Bを壁パネル2Aに連結した後、第3工程と同様に、壁パネル2Bの上方で壁面WAに固定された起立支持金具5を、ピン挿通孔53aがダボ孔25a、25bの鉛直方向の上方に位置するように鉛直方向と水平方向で位置決めし、上方からダボピン51をピン挿通孔53aとダボ孔25a、25bに落とし込み、壁パネル2Aに連結した壁パネル2Bもガイドレール4上にを鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する。これにより、連結した壁パネル2A、2Bはレール41aに沿って整列して支持され、同一鉛直面上に連結される。
同様に、第4工程を繰り返して、内壁10を構成する複数の全ての壁パネル2,2・・を水平面に沿って配置し、その後、図7に示すように、連結した壁パネル2A、2B間の隙間を、シリコン材料等からなる目地26で埋めて、内壁10とする。
(E)床面FL上にモルタル層Mを敷設し、モルタル層M内に全ての高さ調整金具3を埋設する第5工程
コンクリートの床面FLとガイドレール4との間にモルタル層Mを敷設し、ガイドレール4の高さを調整した全ての高さ調整金具3を埋設する。モルタル層Mが乾燥硬化することによって、高さ調整金具3は、モルタル層Mに埋設され、室内から目視されない。また、ガイドレール4は、重量のある複数の壁パネル2、2・・を支持しても、床面FLとの間に介在する硬化したモルタル層Mにより強固に支持され、下降したり変形することがない。
上述の実施の形態では、躯体の壁面WAに固定した起立支持金具5で、ガイドレール4上に支持された壁パネル2を鉛直面に沿って起立する姿勢で支持しているが、躯体の天井面から起立支持金具5を垂設し、壁パネル2を鉛直面に沿って支持してもよい。
また、ガイドレール4のガイド部を壁パネル2の底面に係合して、複数の壁パネル2、2・・をガイドレール4に沿って整列しているが、ガイド部は、上述実施の形態に係るレール41aのような突条に限らず、凹溝などの凹部にして壁パネル2の底面に係合させてもよい。
また、上述の実施の形態では、床面仕上げ層としてモルタル層で説明したが、コンクリート床用塗料を床面上に塗布し、床面仕上げ層としてもよい。
また、壁パネル2の形状や構造は一例であり、種々の形状や構造の壁パネルの支持に本発明を適用できる。
本発明は、ガイドレール上に起立する姿勢で支持される複数の壁パネルを連結して内壁を施工する施工に適している。
1 壁パネルの支持構造
2 壁パネル
23 補強板
24 セラミックタイル板
25a、25b ダボ孔
3 高さ調整金具
31 第1アングルプレート
31a 第1鉛直プレート
32 第1長孔
31b 第1水平プレート
33 第2アングルプレート
33a 第2鉛直プレート
34 第2長孔
33b 第2水平プレート
35 締め付けボルト
36 締め付けナット
4 ガイドレール
41a レール(ガイド部)
5 起立支持金具
5a 鉛直調整長孔
5b 前後調整長孔
5c 左右調整長孔
51 ダボピン
52 L字アングルプレート
53 水平板部
53a ピン挿通孔53a
10 内壁
FL 床面
WA 壁面
M 床面仕上げ層
2 壁パネル
23 補強板
24 セラミックタイル板
25a、25b ダボ孔
3 高さ調整金具
31 第1アングルプレート
31a 第1鉛直プレート
32 第1長孔
31b 第1水平プレート
33 第2アングルプレート
33a 第2鉛直プレート
34 第2長孔
33b 第2水平プレート
35 締め付けボルト
36 締め付けナット
4 ガイドレール
41a レール(ガイド部)
5 起立支持金具
5a 鉛直調整長孔
5b 前後調整長孔
5c 左右調整長孔
51 ダボピン
52 L字アングルプレート
53 水平板部
53a ピン挿通孔53a
10 内壁
FL 床面
WA 壁面
M 床面仕上げ層
Claims (7)
- 複数の壁パネルと、
複数の前記壁パネルを支持し、前記各壁パネルの底面に係合するガイド部で複数の前記壁パネルを前記ガイド部に沿って整列させるガイドレールと、
躯体に連結し、前記ガイドレールに支持された前記壁パネルを鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する起立支持金具と、
床面と前記ガイドレールの間に配置され、前記床面上の前記ガイドレールの高さを調整可能な複数の高さ調整金具と、
前記床面上に敷設される床面仕上げ層とを備え、
水平面に沿って前記ガイドレールが配置されるように、前記床面上の前記ガイドレールの高さを調整した前記複数の高さ調整金具が、前記床面仕上げ層に埋設されることを特徴とする壁パネルの支持構造。 - 前記高さ調整金具は、
第1挿通孔が穿設された第1鉛直プレートと、前記ガイドレールを支持する第1水平プレートとが一体に連設された第1アングルプレートと、
第2挿通孔が穿設された第2鉛直プレートと、前記床面上に配置される第2水平プレートとが一体に連設された第2アングルプレートと、
少なくとも一方が鉛直方向を長手方向とする長孔となった第1挿通孔と第2挿通孔に挿通する締め付けボルトと、
前記締め付けボルトに螺合する締め付けナットとからなり、
前記締め付けボルトと前記締め付けナットとの間で、鉛直面に沿って重ねられた第1鉛直プレートと第2鉛直プレートを挟持することを特徴とする請求項1に記載の壁パネルの支持構造。 - 前記床面仕上げ層は、モルタル層であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の壁パネルの支持構造。
- 前記壁パネルは、矩形の金属枠の表面に、補強板と一体のセラミックタイル板を積層して形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の壁パネルの支持構造。
- 前記起立支持金具は、前記躯体に固定され、ピン挿通孔が穿設された水平板部と、
前記ピン挿通孔と前記ガイドレールに支持された前記壁パネルのダボ孔に、鉛直方向に挿通するダボピンとから構成されることを特徴とする請求項4に記載の壁パネルの支持構造。 - (A)複数の壁パネルを支持するガイドレールと床面の間に、前記床面上の前記ガイドレールの高さを調整可能な複数の高さ調整金具を配置する第1工程と、
(B)1又は2以上の前記高さ調整金具で、前記床面上の前記ガイドレールの高さを調整し、前記ガイドレールを前記床面上で水平面に沿って配置する第2工程と、
(C)前記ガイドレールに沿って支持される隣り合う一方の第1壁パネルの底面を、前記ガイドレールのガイド部に係合し、躯体に連結された起立支持金具で、前記ガイドレールに支持された第1壁パネルを鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する第3工程と、
(D)第1壁パネルに隣り合う他方の第2壁パネルの底面を、前記ガイドレールのガイド部に係合し、前記ガイド部に沿って第1壁パネルに第2壁パネルを連結した後、前記起立支持金具で、前記ガイドレールに支持された第2壁パネルを鉛直面に沿って起立する姿勢で支持する第4工程と、
(E)前記床面上に床面仕上げ層を敷設し、前記床面仕上げ層内に前記複数の高さ調整金具を埋設する第5工程と、
からなる壁パネルの起立支持方法。 - 前記第5工程で前記床面上に敷設する床面仕上げ層は、モルタル層であることを特徴とする請求項6に記載の壁パネルの起立支持方法。
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A521 | Request for written amendment filed |
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