JP2022058969A - 照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来技術に対して改善された特徴を有する、外科的処置中に術野にある体腔を照らす照明装置の提供。【解決手段】照明装置は、近位端部と遠位端部とを備える可撓性長尺部材と、可撓性長尺部材の遠位端部に配置され、発光する一式の照明素子を備える照明モジュールと、可撓性長尺部材の近位端部に配置され、照明モジュールの一式の照明素子を制御する一式のユーザ入力素子を備える制御モジュールとを備え、照明モジュールは、一式の照明素子からの光が照明のために体腔に発せられるように、可撓性長尺部材と共に術野における照明位置に移動することができ、可撓性長尺部材は、制御モジュールが固定構造に配置される際、照明モジュールを術野における照明位置に維持するように構成できる。【選択図】図1

Description

本開示は、概して照明装置に関する。より詳細には、本開示の局面は外科分野で用いられる照明装置、具体的には、外科的処置中に術野にある患者/被験者/人の体腔を照明するために用いられる照明装置を対象とする。
患者/被験者/人に対して実施される医学的検査や手術などの外科的処置は、外科医/臨床医/医師/利用者の視認性を改善するために補助照明を必要とすることが多く、それによって合併症のリスクを軽減し、又は、外科的処置中の事故も減少させる。
近年、手術室には外科的処置中に補助照明を提供する各種装置が装備されている。一例として、頭上式手術灯がある。しかし、頭上式手術灯は他の物体に照明が遮られることがあるため、望ましい強度で望ましい場所に照明を提供できないことがある。あるいは、体腔が深すぎると、照明を向けるように照明素子や発光体を配置するのが難しいことがある。特に体腔が深く狭い患者や被験者の外科的処置では、外科アクセス範囲が狭く、体腔を照らす照明の改善が強く求められている。体腔が水平に対して傾いている場合、つまり、斜めの体腔の場合、頭上式手術灯からの光は斜めの体腔の深部領域まで到達できないことがあった。頭上式手術灯を用いる場合、外科医は術野と術野にある体腔の適切な視認性を得るために苦労をすることが多々ある。
より携帯性に優れており、展開されることで体腔内の照明を改善又は向上できる各種装置がある。よく使用される装置の一つに、外科用ヘッドライト又はヘッドランプとしても知られる頭部搭載型の点灯装置がある。ヘッドランプは別装置として外科医の頭部に搭載される、あるいは、外科医の頭部にある他の装置上に搭載されることがある。しかし、外科医が頭を動かすとヘッドランプも動いてしまう性質がある。そのため、外科医が別の外科チームメンバーに話すためなどの用事があって顔をあげると、その他の外科チームメンバーにとっては視認するべき正確な又は望ましい場所が常に照らされないことがある。さらに、ヘッドランプは、外科医が患者の体腔の一部分を明瞭に見ることができるよう非常に焦点を絞った細い照明であることが多い。けれども、外科医が当該部分から周辺の体組織に焦点を移すために頭は動かさず目を動かして視線をそらすと、照明野は変化せず、外科医が体腔環境で視野を調整するのを難しくしてしまう。結果的に、外科医は重要な解剖学的構造を特定するのに苦労を強いられることがある。また、ヘッドランプは重くて扱いの面倒な電池を必要とすることがある。ヘッドランプの設計や使用方法は人間工学的でないことが多く、扱い難くなっている。ヘッドランプで手術部位の一部によりよく光を当てるために、外科医が頭をぎこちなく傾けなければならないことがある。ヘッドランプを長時間使用すると、首や肩部分に不快感や緊張を引き起こすことがある。
手術用器具に取り付け可能な照明装置もあり、手術用器具を用いて手術を行なっている手術部位に補助照明を提供する。手術用器具の一例としては、外科的切開や傷の端部を開いておく、例えば体腔を広げるなどのために用いられる開創器である。これら取り付け可能な照明装置は、照明が必要な場所に手術用器具が配置又は配向されないことがあるため、外科医が視認する必要がある部分を効果的に照らすことが出来ない性質がある。例えば、開創器は外科医がより広い処置野を得るために組織を引っ込めるために用いられる。つまり、開創器は処置野の端部に配置されるため、処置野の端部付近の領域のみを照らすことができる。開創器に取り付け可能な照明装置は照明が必要な場所に常に光を向けないため、焦点が合った適切な照明を体腔に提供することができない。
手術用器具に取り付け可能な照明装置の一例が、特許文献1に開示されている。詳細には、特許文献1は、開創器(70)に取り付け可能な手術用照明装置(10)を開示している。取り付け可能な照明装置に関する上述の問題の一部はこの装置にも当てはまる。例えば、手術用照明装置(10)からの照明の方向は開創器(70)が向いている方向に制限される。開創器(70)が体腔に挿入されると、照明の方向は体腔周面で下向きになる性質がある。そのため、体腔の下部領域のみが照らされ、体腔全体を均一に照らすことができない。
米国特許出願公開第2008/0266840号明細書
そこで、上述した問題及び/又は欠点の少なくとも一つに対処、又は、上述した問題及び/又は欠点の少なくとも一つを緩和するため、従来技術に対して少なくとも一つ又はいくつかの改善された特徴を有する体腔を照らす照明装置を提供する必要がある。
本開示の一局面によると、外科的処置中に術野にある体腔を照らす照明装置が提供される。照明装置は、近位端部と遠位端部とを備える可撓性長尺部材と、可撓性長尺部材の遠位端部に配置され、発光する一式の照明素子を備える照明モジュールと、可撓性長尺部材の近位端部に配置され、照明モジュールの一式の照明素子を制御する一式のユーザ入力素子を備える制御モジュールとを備え、照明モジュールは、一式の照明素子からの光が照明のために体腔に発せられるように、可撓性長尺部材と共に術野における照明位置に移動することができ、可撓性長尺部材は、制御モジュールが固定構造に配置される際、照明モジュールを術野における照明位置に維持するように構成できる。
本開示の利点は、視認性の改善のため体腔に補助又は追加の照明を提供する照明装置が使用できることである。照明モジュールは、体腔内の照明効果を向上させるため体腔の内部又は付近に配置されることがある。照明モジュールが体腔の近辺に配置されるため、より均質でむらのない照明が体腔に提供される。特に深くて狭い体腔に対して、照明装置は体腔の深部領域によりよい照明を提供できる。さらに、従来技術で開示されたように手術用器具に取り付けられなくとも、照明モジュールは可撓性長尺部材によって望ましい照明位置に安定して維持され得る。これによる利点として、照明装置が外部設備によらずそれ自体で使用可能なことがある。
本開示に係わる体腔を照らす照明装置は上述のように開示される。本開示の各種特徴、局面、及び利点は、非制限的実施例として以下に記す本開示の実施形態の詳細の説明と、同様の数字が同様の構成要素を表す添付図面からより明確になるであろう。
本開示の代表的実施形態に係わる、体腔を照らす照明装置を示す。 図2Aは、本開示の代表的実施形態に係わる、人と図1の照明装置の正面図を、図2Bは、本開示の代表的実施形態に係わる、人と図1の照明装置の側面図を示す。 図3Aは、本開示の一実施形態に係わる、図1の照明装置の照明モジュールを、図3Bは、本開示の別の実施形態に係わる、図1の照明装置の照明モジュールを示す。 図4Aは、本開示の一実施形態に係わる、図3Aの照明モジュールが挿入された体腔の断面図を、図4Bは、本開示の別の実施形態に係わる、図3Bの照明モジュールが挿入された体腔の断面図を示す。 本開示の代表的実施形態に係わる、図1の照明装置の制御モジュールを示す。
本開示において、特定の図面におけるある要素の描写、又は、特定の要素数の考慮又は使用、あるいは、対応する記述的材料における参照は、別の図面で特定される同一、等価、又は、類似要素又は要素の数あるいは関連する記述的材料を包含する。図面又は関連の文面における「/」の使用は、別段に定めがない限り「及び/又は」を意味すると解釈される。本明細書中の特定の数値又は数値範囲の記述は、近似の数値又は数値範囲の記述を内包する、又は、近似の数値又は数値範囲の記述であると解釈される。本明細書中の寸法又は数値の比較や同値関係を説明する記述を対象とする「概して」「およそ」又は「実質的に」などの言及は、代表的/例示的比較、又は、特定の又は標的値あるいは値範囲の+/-20%、+/-15%、+/-10%、+/-5%、+/-0%内にあると解釈される。
本明細書中で、「一式の」という言葉は、周知の数学的定義に従って、少なくとも一つという基数(数学的濃度、cardinality)を数学的に示す、空ではない有限の要素の統合として定義される(つまり、本明細書中で定義される一式は、単位、単体、又は単一要素一式、あるいは、複数要素一式に該当する)。概して、一式の中の一要素は、対象となる一式の種類によって、システム、機器、装置、構造、物体、工程、物理的変数又は値である、あるいは、含むことがある。
簡潔さと明確性のため、本開示の実施形態の説明は、図1~図5の図面に基づいた外科的処置中に術野にある体腔を照らす照明装置を対象とする。明確性と簡略化を期すため、図面は実物大では描かれないことがあり、特定の構成要素は一般化又は省略した形式で示され、取引上の表示によって特定されることがある。本開示の局面は本明細書中に提供される実施形態を伴って説明されるが、本開示をこれら実施形態に制限する意図はないことが理解される。対照的に、本開示は本明細書中に記述された実施形態の代替、改変、等価物を含むことを意図し、これらは添付の特許請求の範囲で規定される本開示の範囲内に含まれる。さらに、以下の詳細の説明では、本開示の包括的な理解を促すため特定の詳細が記載される。しかし、本開示は、特定の実施形態の局面を組み合わせることで得られる特定の詳細及び/又は複数の詳細がなくとも実施され得ることが、本分野で通常の技術を有する個人、つまり、当業者によって認識される。本開示の実施形態の局面を不必要にあいまいにしないように、いくつかの事例では、周知のシステム、方法、手順、及び構成要素は詳細に記述されない。
本開示の代表的又は例示的実施形態において、外科的処置中に術野にある体腔(図示せず)を照らす照明装置10を以下に説明する。本開示の実施形態は外科手術の目的で体腔に関連して説明されるが、当業者には当然のことながら、照明装置10は外科手術や医療環境以外の腔/孔/穴の照明にも使用され得る。
図1を参照すると、照明装置10は、可撓性長尺部材20と、照明モジュール100と、及び制御モジュール200とを含む。一部の実施形態では、可撓性長尺部材20は、例えば、管状の構造、部材、円筒など、長さが長く選択的に変形可能で形状を保持できる長尺構造である。長尺構造は利用者によって選択的に変形可能で、利用者が放した後でも変形された形状を保持することができる。他の実施形態の一部では、当業者には周知のように、可撓性長尺部材20は可撓性ケーブル20、管、又は、長さの長い何らかの可撓性中空/管状部材であってもよい。そのような可撓性ケーブル20等は降伏可能に調整でき、曲げられた/変形された形状を維持又は保持できる。可撓性ケーブル20は、近位端部20aとその逆端に遠位端部20bとを含む。照明モジュール100は遠位端部20bに配置され、制御モジュール200は近位端部20aに配置される。
照明モジュール100は、発光する一式の照明素子102を含む。照明モジュール100は可撓性ケーブル20と共に術野内の照明位置まで移動できる。本明細書中の「術野」(surgical space)という言葉は、患者/被験者の体腔が存在する又は位置する空間領域、あるいは、そのような体腔内の空間領域を意味することがあり、例えば、外科医又は臨床医などの利用者が、最適な及び/又は向上された照明を体腔に対して、又は、体腔内部に提供するために、照明装置10を用いることができる。本明細書中で「体腔」(body cavity)という言葉は、患者/被験者の体の開口部又は穴を意味し、例えば、口腔など天然のもの、又は、外科的処置あるいは手術中に外科的切開などによって外科的に作られたものであってもよい。
照明装置10が体腔14を照らすために患者12又は患者の体に対して使用される様子の一例が図2A及び2Bに示される。それぞれ患者12の前部/前面図及び外側/側面図を示す。照明装置10、特に制御モジュール200は、例えば、患者12を覆うドレープ又は患者12が横になる手術ベッドなど、固定構造上に配置、掲載され、照明モジュール100は患者の体12の体腔14内に挿入される。
照明モジュール100は可撓性ケーブル20に取り付けられているため、可撓性ケーブル20の湾曲や屈曲によって照明100を望ましい位置に動かすことができる。照明位置は体腔14の外側であってもよく、例えば、体腔14を照らすために、一式の照明素子102からの光が体腔14に発せられるように体腔14の上部にあってもよい。あるいは、照明位置は体腔14内にあってもよく、照明モジュール100は、体腔14内部を照らすために、体腔14内にいずれかの適切な方法で配置され得る。つまり、体腔内におかれて体腔14の内部空間領域全体を実質的に照らすため、照明モジュール100は体腔14に挿入又は受け取られるように構成される。
衛生の目的で、外科的処置中の使用と使用後の廃棄のために、照明装置10は事前に殺菌され密閉されることがある。あるいは、照明装置10は外科手術が終わる度に洗浄されて再使用されてもよい。照明モジュール100は、体腔14に挿入されて体腔14内の照明位置に移動する前に、例えばガンマ線照射などで殺菌されてもよい。可撓性ケーブル20は、照明モジュール100が体腔14内の望ましい照明位置に配置固定されるような方法で曲げられることがある。例えば、照明モジュール100は、(図2Bにより明確に示されるように)体腔14内に突き出すことで望ましい照明位置に配置でき、可撓性ケーブル20は、照明モジュール100の輪郭と可撓性ケーブル20の遠位端部20bが体腔14の周囲輪郭と一致するように屈曲できる。体腔14の周囲輪郭は、外科的切開又は処置によって患者の体12の表面に形成された体腔14内部の外側又は側面16を意味する。より具体的には、照明モジュール100及び遠位端部20bは、体腔の深さの方向に沿って側面16に近接して(ほとんど接触するように)体腔14内に挿入される。一部の外科手術では、照明モジュールは体腔14の側面16に接触してもよい。
一部の外科的処置では、例えば頭上式照明灯などの従来の照明技術は、適切な照明を外科医に提供しない。そのような外科的処置は、頭部や頚部(例えば、咽頭癌の摘出)、直腸結腸(例えば、腸癌摘出)、産婦人科系、脊柱及び泌尿器系空間の体腔の手術を含むがそれらに限られない。手術部位が深く狭い体腔を含む場合は、照明がより不充分になる。深く狭い体腔とは、概して、トンネルのように長さ/深さの寸法が直径/幅の寸法よりも大きい体腔を意味する。深く狭い体腔は、斜めの角度の切開又は体に垂直な下方向の切開でみられる。図2Bは、患者の体12に斜めの角度で傾斜した体腔14を示す。体腔14の内部領域によりよい照明を提供するよう照明モジュール100を体腔14の深部に挿入できるため、照明装置10の使用は有効である。従来の頭上式照明灯又はヘッドランプでは、特に斜めの切開では光が体腔14まで届かなかったため、体腔14の深部領域を照らせなかった。
体腔14を照らす方法の一つは、患者の体12の切開部位から体腔14内まで照明モジュール100を挿入することによる。照明装置10は、断面直径が小さく、切開部位への挿入がしやすくなっている。各種実施形態で、照明モジュール100は1mmから20mmの範囲の断面直径を有する。代表的実施形態では、照明モジュール100の断面直径は10mmが好ましい。体12の切開部位は、例えば、非限定的に標準直径がおよそ10mmのドレーン切開であってもよい。ドレーン切開は、通常、外科的処置又は手術の後に体腔14に溜まった体液を取り除くドレーンチューブを挿入するために作られる。照明モジュール100の全体は、非限定的におよそ10cmの長さを有し、切開部位を介して体腔14に挿入可能又はアクセスを得ることができる。照明モジュール100は、狭い体腔に展開されるのを可能にする小さいフットプリントに適した大きさである。照明装置10の全体はおよそ30gから50gの軽量で、特に深く狭い体腔に関連した外科的処置で使用されるために便利に動かすことが出来る。一部の状況では、可撓性ケーブル20の一部、特に遠位端部20bは、体腔14が深い場合は特に、照明モジュール100と共に体腔14に挿入可能であってもよい。
照明装置10は、外科的処置において使用中にその配置や再配置を安定的に維持するよう構成される、又は、安定的に維持するように構成可能であり、照明装置100の容易な操作を可能にする。詳細には、制御モジュール200が固定構造に配置された際に、可撓性ケーブル20は照明モジュールを術野の照明位置に維持するよう構成される、又は、維持するよう構成できる。制御モジュール200は、可撓性ケーブル20を動かし、それに合わせて照明モジュールが動かせるようにする固定位置を提供するため、ドレープ又は手術ベッドなどの術中の無菌領域に貼り付けられてもよい。制御モジュール200は、ドレープや手術ベッドに置かれる前に殺菌されてもよい。可撓性ケーブル20は、よじれや破損なく20°から340°の屈曲角度に耐えることができる。このように、可撓性ケーブル20は降伏可能に調整でき、屈曲された形状と屈曲角度で維持又は保持することが可能であり、これによって、照明モジュール100が望ましい照明位置に維持される。照明モジュール100は、利用者が照明装置10を動かさない限り望ましい照明位置に留まる。
別の実施形態の一部では、照明装置10は照明モジュール100を望ましい照明位置に維持するための固定機構を含むことがある。固定機構は、照明装置10、特に可撓性ケーブル20の遠位端部20bが、例えば、ドレープや手術ベッドなどの固定構造又は外部物体に貼り付けられる又は固定されるのを可能にする。可撓性ケーブル20が固定されることで、照明モジュール100は固定位置に維持されて体腔14が位置する手術部位を照らすことが可能になる。また、固定機構は、可撓性ケーブル20を手術部位、特に患者の体12の体腔14周囲領域に貼り付ける/固定することがある。広義では、固定機構は、照明装置10の一部を外部物体に固定するため、照明モジュール100又は可撓性ケーブル20に配置されることがある。
照明モジュール100の代表的実施形態が図3Aに示され、照明モジュール100の別の実施形態が図3Bに示される。
図3Aと図3Bを参照すると、概して、照明モジュール100の各照明素子102は、LEDドライバモジュールと並行して動作する発光ダイオード(LED)でもよい。LEDの例には、OSRAM社のOSLON(登録商標)SSLがあるがこれに限られない。各照明素子102は、4000Kから6000Kの範囲の色温度で発光する。これによって、照明素子102からの光は白、青みを帯びた白、又は、昼光色に見える。照明にこれら種類の色があることで、体腔14を照らすために照明装置10を使用している外科医は正確な自然な色で体組織を視認することができる。色温度が4000K未満の場合、光は温かみのある白又は黄色味を帯びることがあり、体組織を正確な自然な色で視認することが損なわれる。これら組織は筋肉、脂肪、筋膜、各種臓器の病変組織かもしれないし、健康な組織かもしれない。逆に、色温度が6000Kより高い場合、光は非常に青みがかった白に見えることがあり、利用者には明るすぎたり、まぶしすぎたりすることがある。利用者は体組織の色対比を明確に視認することができないかもしれない。つまり、4000Kから6000Kの色温度範囲で、照明素子102からの照明は外科的処置中に外科医を補助するよう容易で生理学的に正確な体組織の演色を促進する。
各種実施形態では、各照明素子102が体腔14の照明面から5cmから40cmの距離におかれると、照明素子102は更に0から6000ルクスの範囲の照度又は光強度で発光する。この照度範囲では、上述した種類の一部の外科的処置中に体腔に補助照明を提供するのに適切な、例えば0から8時間、利用者は最適に照明装置10を操作することができる。当業者には当然のことながら、各照明素子102の照明は多様であり、利用者の要件や照明装置10が用いられる場所の周辺状況によって、各種光学的性質を有する異なる種類のLEDが使用されることがある。
図3A及び図3Bに示される照明モジュール100の実施形態では、各照明素子102は、照明素子102の中央軸から空間に分布するように発光する。各照明素子又はLED102からの光のこの空間分布は、照明素子102の中央を通る中央軸から広がる円錐状又は円錐台状の空間量を成してもよい。当業者には当然のことながら、各照明素子又はLED102からの光の空間分布又は広がりは、LED102固有の特性により、異なる形式、形状、及び/又は、大きさとなり得る。
照明モジュール100内で集合的に用いられると、各照明素子102は互いに補完し合い、一式の照明素子102が集合的に少なくとも180°の照明角度にわたって発光し、投光照明のような幅広い光線の照明が実現できる。それによって、照明装置10は適切な照度と色温度で広視野の照明(少なくとも180°の分散)を提供でき、利用者は外科的処置中に最適な明るさと演色で体腔14の広い空間領域を視認できる。照明モジュール100は術野内の照明位置であって体腔14内部又は付近に配置されるため、照明素子102が体腔14近辺にあることで、投光照明で得られる効果のようにより均質でむらのない照明を提供する。従来の光ファイバー照明では、光源が術野から遠くに位置し、光は光導体に沿って体腔に達するまでに長距離を伝送されなければならず、伝送距離が遠いほど光の無駄や損失につながった。本開示の各種実施形態では、一式の照明素子102は可撓性ケーブル20の遠位端部20bに配置されたLEDを用いる。これによって、LEDが体腔のより近くに配置され、体腔によりよい照明を提供することが可能になる。
さらに、照明モジュール100の一式の照明素子102は、可撓性ケーブル20の遠位端部20bから複数の方向に沿って発光するよう構成できる。つまり、照明素子102からの光が複数の異なる方向に放たれ、これによって、一式の照明素子102は少なくとも180°の照明角度にわたって集合的に発光する。詳細には、各照明素子102は、各中央軸が少なくとも他の1つの中央軸と区別可能に、異なって、非並行に構成できる。
図3Aに示される代表的実施形態では、遠位端部20bに沿って長さ方向に配置された3つの照明素子102がある。各照明素子102は、遠位端部20bの長手軸に対して実質的に直交する方向に発光するよう構成できる。さらに、3つの照明素子102のそれぞれが複数の異なる方向に向けられるように遠位端部20bは屈曲可能又は降伏可能に調節できる。照明素子102をこのように配置することで、全体で少なくとも180°の広範囲の照明角度が提供され、体腔14内の光分散を最適化する。体腔14に挿入された照明モジュール100の例が図4Aに示される。照明モジュール100は、体腔14に斜めに挿入され、体腔14の周辺面の近辺まで挿入される。一式の照明素子102からの照明は、体腔の内向きのより深部に向けられる。すると、一式の照明素子102によって発せられた全体の照明又は光をより効果的に使用することができ、体腔の内部領域をより適切に照明できる。さらに、全体で少なくとも180°の照明角度にわたって広範囲に照明することによって、照明モジュール100は投光照明のような幅広い光線の照明を提供できる、又は、投光照明の視覚効果を実現することができる。
図3Bに示される別の実施形態では、少なくとも2つの照明素子102が可撓性ケーブル20の遠位端部20bの端に配置される。各照明素子102は区別可能な又は異なる方向に向けられる。各照明素子102の中央軸は他とは区別可能で、異なり、並行でない。具体的には、各照明素子102は、遠位端部20bの長手軸から傾いた方向に発光するよう構成できる。これによって、一式の照明素子102からの照明がより広い領域に集合的に拡散することが可能になり、全体で少なくとも180°の照明角度を実現できる。体腔14に斜めに挿入された照明モジュール100の例が図4Bに示される。少なくとも180°の広角に照明を分散させることによって、照明モジュール100は投光照明のような幅広い光線の照明を提供できる、又は、投光照明の視覚効果を実現することができる。
本開示の各種実施形態では、照明モジュール100は、一式の照明素子102を断熱、絶縁する筐体又はケーシング104を含む。照明素子102は、動作に電気を必要とし、動作中に発熱することがある。ケーシング104は、一式の照明素子102に対して少なくとも1層の断熱絶縁層を提供し、利用者が術野にある体腔を照らすため照明モジュール100を安全に配置し利用することを可能にする。ケーシング104の材料は断熱性能を持ち、照明素子102の熱影響を抑え、そのような熱影響を体組織に害を及ぼすような温度閾より低くすることができる。詳細には、ケーシング104は体組織との接点となる可能性のある箇所で熱影響を最小にし、これら接点の温度が40℃を超えないようにする。これによって、体組織に害を与える可能性なく照明装置10が安全で効果的に使用されるのを可能にする。
ケーシング104は、外科的処置中に体腔14内、又は、患者の体12内いずれかの適切な腔内又は体12の外部位置に安全に展開できる材料でできている。例えば、ケーシング104は医学的用途で生物学的システムと相互作用するよう操作された生体適合性材料又は生体材料で作られていてもよい。非限定的例としてそのような生体材料は、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリル酸)(PMMA)、ポリ乳酸(PLA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、シリコーン、医療用チタン、医療用外科用ステンレススチール、及び、エポキシを含む。生体適合性材料が使用されるのは、体腔14内に挿入された照明モジュール100が化学的及び/又は生物学的に体組織と反応して望ましくない臨床的影響、悪化、有害性などを引き起こさないようにするためである。外科的処置中に照明モジュール100が体腔14内に挿入される際、ケーシング104は、例えば0から8時間の外科的処置の間、液体が照明モジュール100に進入するのを実質的に防ぐことができる。
ケーシング104は、射出成形、加圧成形、又は室温硬化によって作成されることがあるが、これに限られない。ケーシング104の輪郭は、丸みを帯びた/面取りされた表面や端部を有し、体組織に機械的外傷を起こさないようになっている。ケーシング104の設計、材料、大きさ及び/又は形状は、使用要件によって多様である。例えば、一式の照明素子102を収容するためのケーシング104内の内部空間は真空あるいは空気などの流体で充満していてもよい。ケーシング104内に流体があることによって、対流熱伝達又は還流によって照明素子102からの熱放散を促進する。あるいは、照明素子102はケーシング104内に強固に被包されていてもよい。
ケーシング104は、光透過部104aと光閉塞部104bとを含む。光透過部104aは照明モジュール100の前部に配置され、一式の照明素子102からの光は光透過部を通って伝送される。光透過部104aは、可撓性ケーブルの遠位端部20bに取り外し可能に取り付けられる、又は、取り付け可能であってもよい。例えば、光透過部104aは、当業者には周知のクリップやラッチなどの一時的手段で遠位端部20bに連結あるいはしっかりと留められてもよい。光透過部104aを取り外すことで、照明素子102を修理又は交換することが可能になる。あるいは、光透過部104aは、接着剤などで遠位端部20bに半永久的に取り付けられてもよい。さらに、光透過部104aは、一式の照明素子から利用者の目に伝送される光を改変する一式のレンズ又は光学素子を含むことがある。一式のレンズ又は光学素子は、照明素子102から利用者の目に均質でむらのない照明を提供するように更に構成できてもよい。光閉塞部104bは、利用者の目を照明素子102からの直接の照明や光から保護するために照明モジュール100の後部に配置される。光透過部104aは、過度なまぶしさから利用者の目を保護し、利用者が体腔14と手術部位をより明瞭に視認することを可能にする。
照明モジュール100は、ケーシング104内に収容されたヒートシンク106を更に含む。ヒートシンク106は、例えば、銅、アルミニウム、又は、真鍮など放熱材料からなる。ヒートシンク106は、当業者には当然のことながら、放熱材料の熱伝導性に基づいた適切な量及び形状をとる。ヒートシンク106は、除熱のために一式の照明素子102に熱的に接続し、照明素子102の温度を40℃以下に低下させる。詳細には、ヒートシンク106は、ケーシング104と体組織との接点の温度が40℃を超えないように、照明素子102からの熱放散を補助する。ヒートシンク106は、熱を産出する照明素子102とケーシング104との間の熱伝導性経路を長くする適切な設計を利用することで熱放散効率を向上させている。
図3Aに示す例では、3つの照明素子102が線形に配置され、ヒートシンク106に熱的に接続される。あるいは、3つの照明素子102は、ヒートシンク106としても機能する長尺フレキシブルプリント回路基板(PCB)にはんだ付けされてもよい。PCB又はヒートシンク106は可撓性ケーブル20と共に利用者が要する形状及び角度に降伏可能に屈曲でき、照明モジュール100がより広角度で照明できるようにする。図3Bに示す別の例では、2つの照明素子102がヒートシンク106と熱的に接続する。あるいは、2つの照明素子102は、ヒートシンク106としても機能するリジッドプリント回路基板(PCB)にはんだ付けされてもよい。2つの照明素子102は、2つの照明素子102からの光が集合的により広範囲に分散できるようにその間に角度をもって搭載される。PCB又はヒートシンク106は構造的に剛性のため2つの照明素子102間の角度は固定されているが、2つの照明素子102を分離することで照明モジュール100に広い照明角度が提供される。
本開示の各種実施形態では、照明モジュール100は可撓性ケーブル20の遠位端部20bに配置あるいは一体的に接続され、制御モジュール200は可撓性ケーブル20の近位端部20aに配置あるいは一体的に接続される。照明モジュール100と可撓性ケーブル20との間の相互接続と、制御モジュール200と可撓性ケーブル20との間の相互接続は、超音波溶接又は貫通接続によるがこれらに限られない方法で外部環境から気密又は非気密状態で密閉されてもよい。これによって、外科的処置で安全に使用されるために、照明装置10全体の殺菌が可能になる。照明装置10は使用後廃棄されるか、又は、次の外科的処置のために洗浄されて再使用されてもよい。
あるいは、一部の実施形態では、照明モジュール100と制御モジュール200は、遠位端部20bと近位端部20aにそれぞれ取り付けられる/取り付け可能でもよい。照明装置10は、制御モジュール200と可撓性ケーブル20との間に近位コネクター22aと、照明モジュール100と可撓性ケーブル20との間に遠位コネクター22bとを含むことがある。制御モジュール200及び/又は照明モジュール100は、それぞれ近位及び遠位コネクター22a、22bを介して可撓性ケーブル20に取り付けたり、取り外したりすることがある。これによって、照明装置10をモジュール的設計とすることが可能で、例えば、照明モジュール100及び制御モジュール200などの各モジュールの修理や交換を容易にする。近位コネクター22a及び遠位コネクター22bは気密でも非気密でもよい。
可撓性ケーブル20は、使用要件によって多様な長さであってもよい。例えば、外科的処置が手術室で行われ患者12が手術ベッドに横になっている場合、可撓性ケーブル20は、制御モジュール200が固定構造としてのドレープや手術ベッドに配置される際に少なくとも照明モジュール100が患者の体12に届くのを可能にする長さ(例えば、30cmから50cm)であってもよい。可撓性ケーブル20は、遠位端部20bが体腔14に挿入できるよう、大きさは照明モジュール100とほぼ同じでもよい。詳細には、可撓性ケーブル20は1mmから20mmの範囲の外径を有することがある。代表的な実施形態では、可撓性ケーブル20の外径は好ましくは10mmである。可撓性ケーブル20は、衛生面を考慮し使用前又は体腔14への挿入前に殺菌されてもよい。可撓性ケーブル20は、照明モジュール100を望ましい照明位置に容易に配置できるように降伏可能に調節でき、よじれや破損なく鋭角の屈曲にも耐えられる。さらに、照明モジュール100は遠位端部20bに配置されるため、可撓性ケーブル20を鋭角角度に繰り返し屈曲又は湾曲させても照度又は光強度の減少にはならない。
当業者には当然のことながら、可撓性ケーブル20は、金属線又は連動要素/カップリングなどの構造材料の一以上の接続又は非接続部分でできていることがある。可撓性ケーブル20の一部は、人体へ適合するように他の部分よりも硬くてもよい。例えば、遠位端部20bは照明モジュール100が用いられる体腔14のより近くに位置するため、遠位端部20bは可撓性ケーブル20の他の部分よりも硬いことがある。
可撓性ケーブル20は、照明モジュール100が術野の照明位置に移動する際に照明モジュール100を構造的に支持できる少なくとも1つの構造部材を含む。構造部材は、アルミニウム、銅、真鍮などの材料でできているが、これらに限られない。可撓性ケーブル20が構造的に支持できることで、制御モジュール200が固定構造に配置される際、照明モジュール100は照明位置に維持される。可撓性ケーブル20は、照明モジュール100が望ましい照明位置に安定して維持されるのを可能にし、外科的処置の任意の局面で容易に再配置可能にする。
可撓性ケーブル20は、照明モジュール100と制御モジュール200との間の電気接続も収納する。制御モジュール200は、これら電気接続を通して一式の照明素子102のオン・オフの切り替え、照明素子102の照度の調整をするよう構成できる。あるいは又はそれに加えて、照明素子102の色温度は制御モジュール200を用いて調整されることがある。電子接続は、電線又はフレキシブルプリント回路の形式でもよいが、これらに限られない。可撓性ケーブル20は、電気接続を絶縁するための絶縁層を更に含む。可撓性ケーブル20は、電気接続を収容するための管状輪郭(図3Bに示される中空部24)を有する。可撓性ケーブル20は一般的に利用可能なソース、店、又は、供給者(市販品)から購入又は入手するか、あるいは、注入成形、圧縮成形、又は、室温硬化によって作成できるがこれらに限られない。中空部24は構造部材も収容し、可撓性ケーブル20の絶縁層又は最外層は構造部材を覆う。絶縁層は、例えば、シリコーン又はポリカーボネート(PC)などの生体適合性材料で作成されてもよい。
可撓性ケーブル20は、絶縁層により断熱される伝熱ケーブルを更に含むことがある。伝熱ケーブルは中空部24内に収容され、中空部から熱を取り除くためヒートシンク106に熱的に接続される。ヒートシンク106と伝熱ケーブルを組み合わせた長さが長くなり、結果的に組み合わされた熱伝導性が上がるため、照明素子102からの放熱効率は改善される。伝熱ケーブルは電気接続と構造部材と一緒に可撓性ケーブル20内に収容され、外部絶縁層によって保護されることがある。
図5を参照すると、本開示の各種実施形態では、制御モジュール200は、照明モジュール100の一式の照明素子102を制御するための一式のユーザ入力素子202を含む。詳細には、一式のユーザ入力素子202は、照明素子102をオン・オフするように、また、照明素子102の照度及び/又は色温度を調節するように構成できる。制御モジュール200は、電源用の囲い又は筐体204、及び、可撓性ケーブル20内の電気接続を介して照明素子102に電源を供給し制御するための電子構成要素を含む。あるいは、照明モジュール100は再充電可能/使い捨て可能な電池などの一以上の電源、又は、照明モジュール100内から照明素子102に電源を供給する誘導電源回路を含むことがある。当業者には当然のことながら、電池は適切な容量、継続放電電流、及び、大きさであってもよく、リチウム円柱状電池でもよいがこれに限られない。照明素子102が照射表面からある距離で配置された際に、利用者は制御モジュール200の電子装置によって照明素子102の望ましい照度又は光強度出力を選ぶことができる。制御モジュール200内のそのような電子装置又は電子構成要素は、例として、交流電流(AC)を直流電流(DC)に変換して電気回路全体を適切に整流するアダプター、パルス幅変調(PWM)を行うLEDドライバ回路、及び、一以上の抵抗器又は照明素子102に供給する電流量を制御する手段などがあるが、これらに限られない。
制御モジュール200の筐体204の輪郭は、設置面積が小さくなるよう可能な限り小さく平坦である。そのため、制御モジュール200は持ち運び可能で、例えば外科的工程で殺菌領域に置かれた際に広い空間を占有しない。筐体204が平坦であるため、制御モジュール200は安定して手術ベッドに置かれることができる。筐体204は、筐体204が丸みを帯びた/面取りされた表面と端部を持ち、利用者が安全に制御モジュール200を保持し、配置することが可能になるような輪郭を有する。筐体204は、射出成形、加圧成形、又は、室温硬化によって作成されることがあるが、これに限られない。利用者は制御モジュール200を術中の無菌領域のいずれかの場所に貼り付け、可撓性ケーブル20及び照明モジュール100に固定位置を提供することができる。制御モジュール200は、外科手術工程中に保持できるよう、何らかの制御モジュール取り付け手段又は機構によって貼り付けられる(図示せず)。一部の実施例では、ばねクリップ、クランプ、又はテープを使用して制御モジュール200をドレープや手術ベッドに貼り付ける。
筐体204は、制御モジュール200及び一式のユーザ入力素子202の内部回路と電子装置を、外部環境への曝露から保護する。筐体204は、例えば、シリコーン又はポリカーボネート(PC)などの生体適合性材料からなることがある。例えば、筐体204は、外部環境への曝露から内部回路構成要素を保護するためのユーザ入力素子202を覆うシリコーン膜/シート206を含む。シリコーン膜/シート206の可撓性によって、利用者は筐体204を破損又は統一性を損なわせることなくその下にあるユーザ入力素子202を作動させることができる。ユーザ入力素子202が気密又は非気密状態で外部環境から密閉されるように、シリコーン膜/シート206は超音波溶接によって筐体204に溶着されてもよいが、これに限られない。
照明素子102を制御するための一式のユーザ入力素子202は、ユーザ入力素子の工業標準として当業者には周知の、薄膜スイッチ、磁気スイッチ、ラッチング・スイッチ、及び、標準的な押しボタン/パッド、アクチュエータを含むがこれらに限られない。図5を参照すると、一部の実施形態では、一式のユーザ入力素子202は、照明素子102をオン・オフにする第1のスイッチと、照明素子102の照度又は光強度を調節する第2のスイッチと、照明素子102の色温度を調節する第3のスイッチとを含む。殺菌中、及び、稼働寿命の間、制御モジュール200と照明装置10全体の完全性を維持するため、ユーザ入力素子202は気密又は非気密状態で筐体204内部に密閉されてもよい。
上述した詳細の説明では、外科的処置中に術野にある体腔を照らす照明装置に関する本開示の実施形態は、提供された図面を参照して説明された。各種実施形態は外科手術の用途において体腔に関して記述されたが、当業者には当然のことながら、照明装置は外科手術や医療環境以外の腔/孔/穴の照明にも使用され得る。
本明細書における各種実施形態の説明は、本開示の具体的な又は特定の代表事例のみを要する又は代表事例のみに制限されることを意図せず、本開示の実施例を非限定的に描写することのみを意図する。本開示は、上述した問題及び従来技術に関連した問題の少なくとも一部に対処するのに資する。本明細書には本開示の一部の実施形態のみが開示されるが、本開示を考慮して、本開示の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に各種変更及び/又は改変がなされ得ることは当業者には明らかであろう。本開示の範囲及び以下の特許請求の範囲は、本明細書中に説明される実施形態に限られない。

Claims (20)

  1. 外科的処置中に術野にある体腔を照らす照明装置であって、
    近位端部と遠位端部とを備える可撓性長尺部材と、
    前記可撓性長尺部材の前記遠位端部に配置され、発光する一式の照明素子を備える照明モジュールと、
    前記可撓性長尺部材の前記近位端部に配置され、前記照明モジュールの前記一式の照明素子を制御する一式のユーザ入力素子を備える制御モジュールとを備え、
    前記照明モジュールは、前記一式の照明素子からの光が照明のために前記体腔に発せられるように、前記可撓性長尺部材と共に前記術野における照明位置に移動することができ、
    前記可撓性長尺部材は、前記制御モジュールが固定構造に配置される際、前記照明モジュールを前記術野における前記照明位置に維持するように構成可能な、前記照明装置。
  2. 前記一式の照明素子は、可撓性長尺部材の遠位端部から複数の方向に沿って発光するよう構成可能な、請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記一式の照明素子は、少なくとも180°の照明角度にわたって集合的に発光するよう構成可能な、請求項2に記載の照明装置。
  4. 前記一式の照明素子は、前記可撓性長尺部材の前記遠位端部に沿って長さ方向に配置された少なくとも2つの照明素子を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
  5. 前記可撓性長尺部材の前記遠位端部は、少なくとも180°の照明角度にわたって集合的に発光する前記少なくとも2つの照明素子を構成するために、屈曲可能である、請求項4に記載の照明装置。
  6. 前記一式の照明素子は、前記可撓性長尺部材の前記遠位端部の端に配置された少なくとも2つの照明素子を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
  7. 前記少なくとも2つの照明素子の各照明素子は異なる方向に向けられ、前記少なくとも2つの照明要素からの光が集合的に少なくとも180°の照明角度にわたって発せられるようにする、請求項6に記載の照明装置。
  8. 前記照明モジュールの前記照明位置は、前記体腔を内部から照らすため前記体腔内にある、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
  9. 前記照明モジュールを前記体腔内の前記照明位置に維持するため、前記可撓性長尺部材が前記体腔の外周輪郭と一致するように屈曲可能な、請求項8に記載の照明装置。
  10. 前記照明モジュールは使用前に殺菌可能である、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
  11. 前記照明モジュールは、前記一式の照明素子を断熱及び絶縁するためのケーシングを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
  12. 前記ケーシングは光透過部を備える、請求項11に記載の照明装置。
  13. 前記光透過部は、前記可撓性長尺部材の前記遠位端部に取り外し可能に取り付けられた、請求項12に記載の照明装置。
  14. 前記光透過部は、前記一式の照明素子から利用者の目に伝送される光を改変する一式のレンズを備える、請求項12又は13に記載の照明装置。
  15. 前記一式の照明素子から発せられる光から利用者の目を保護するため、前記ケーシングは光閉塞部を備える、請求項11に記載の照明装置。
  16. 前記照明モジュールは、除熱のために前記一式の照明素子に熱的に接続されるヒートシンクを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
  17. 前記可撓性長尺部材は、前記ヒートシンクから熱を取り除く伝熱ケーブルを備える、請求項16に記載の照明装置。
  18. 前記制御モジュールと前記可撓性長尺部材との間の近位コネクターと、
    前記照明モジュールと前記可撓性長尺部材との間の遠位コネクターと
    を更に備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
  19. 前記制御モジュール及び前記照明モジュールの少なくとも1つは、それぞれ前記近位コネクター及び前記遠位コネクターを介して前記可撓性長尺部材に取り外し可能に取り付けられた、請求項18に記載の照明装置。
  20. 前記一式のユーザ入力素子は、前記一式の照明素子の照度を調節するよう構成可能な、請求項1から3のいずれか一項に記載の照明装置。
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