JP2022053945A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】かぶりの発生を抑制することができる画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置が実行する画像形成動作の前の動作である立ち上がり動作の期間は、立ち上がり動作のときに現像剤担持体に印加される現像バイアス電圧(Vdb)である第1の電圧(Vdb1)が、画像形成動作のときに現像剤担持体に印加される現像バイアス電圧(Vdb)である第2の電圧(Vdb2)の逆極性の電圧である又は0Vであるという第1の状態と、立ち上がり動作のときに現像剤供給体に印加される供給バイアス電圧(Vsb)である第3の電圧(Vsb1)の絶対値が、画像形成動作のときに現像剤供給体に印加される供給バイアス電圧(Vsb)である第4の電圧(Vsb2)の絶対値より大きいという第2の状態と、の両方を満たす第1の事前帯電の期間(Pc1)を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式を用いて印刷媒体上に現像剤(トナー)から成る画像を形成する画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この画像形成装置では、供給ローラから現像ローラに供給されたトナーが、現像ローラから感光体ドラムに供給されることによって、感光体ドラム上の静電潜像が現像される。現像によって感光体ドラム上に形成された(現像剤像)トナー像は印刷媒体上に転写され、転写されたトナー像は定着器によって印刷媒体上に定着される。
特開2009-163258号公報
しかしながら、従来の画像形成装置では、現像ローラ上のトナーの帯電が不足している場合に、帯電が不足しているトナーが感光体ドラムを経由して印刷媒体の非印字部に付着して汚れを生じさせる現象、すなわち、かぶりが発生するという問題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、かぶりの発生を抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る画像形成装置は、露光部によって静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する現像剤供給体と、前記像担持体、前記現像剤担持体、及び前記現像剤供給体を回転させる駆動部と、前記現像剤担持体に現像バイアス電圧を印加する第1の電源部と、前記現像剤供給体に供給バイアス電圧を印加する第2の電源部と、前記像担持体に現像剤像を形成する画像形成動作と前記画像形成動作の前の動作である立ち上がり動作とを、前記駆動部、前記第1の電源部、及び前記第2の電源部に実行させる制御部と、を有し、前記立ち上がり動作の期間は、前記立ち上がり動作のときに前記現像剤担持体に印加される前記現像バイアス電圧である第1の電圧が、前記画像形成動作のときに前記現像剤担持体に印加される前記現像バイアス電圧である第2の電圧の逆極性の電圧である又は0Vであるという第1の状態と、前記立ち上がり動作のときに前記現像剤供給体に印加される前記供給バイアス電圧である第3の電圧の絶対値が、前記画像形成動作のときに前記現像剤供給体に印加される前記供給バイアス電圧である第4の電圧の絶対値より大きいという第2の状態との両方を満たす第1の事前帯電の期間を有することを特徴とする。
本発明によれば、かぶりの発生を抑制することができる。
第1の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す概略断面図である。 第1の実施の形態に係る画像形成装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。 第1の実施の形態に係る画像形成装置の動作の例を示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る画像形成装置の通常帯電を示すタイミングチャートである。 第1の実施の形態に係る画像形成装置の第1の事前帯電を示すタイミングチャートである。 第1の実施の形態に係る画像形成装置の動作の例を示すフローチャートである。 第1の実施の形態に係る画像形成装置の第2の事前帯電を示すタイミングチャートである。 第1の実施の形態に係る画像形成装置による効果を示す図である。 第2の実施の形態に係る画像形成装置の現像バイアス電圧と供給バイアス電圧を生成する電圧発生部を示すブロック図である。 第2の実施の形態に係る画像形成装置の第1の事前帯電を示すタイミングチャートである。 第3の実施の形態に係る画像形成装置の動作の例を示すフローチャートである。 第3の実施の形態に係る画像形成装置の他の第1の事前帯電を示すタイミングチャートである。 第1から第3の実施の形態の変形例に係る画像形成装置の構成を示す概略断面図である。
以下に、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
《第1の実施の形態》
図1は、第1の実施の形態に係る画像形成装置1の構成を示す概略断面図である。画像形成装置1は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色の現像剤(トナー)を用いてカラー画像を印刷することができる電子写真方式のプリンタである。
図1に示されるように、画像形成装置1は、電子写真プロセスにより用紙などの印刷媒体26上に現像剤から成る現像剤像(トナー像)を形成する画像形成部10K、10C、10M、10Y(「画像形成部10」とも表記する。)と、画像形成部10K、10C、10M、10Yに印刷媒体26を供給する媒体供給部20とを有する。また、画像形成装置1は、印刷媒体26を搬送する搬送部30と、画像形成部10K、10C、10M、10Yの各々に対応するように配置された転写部材としての転写ローラ40K、40C、40M、40Y(「転写ローラ40」とも表記する。)と、印刷媒体26上に転写されたトナー像を印刷媒体26上に定着させる定着器50と、定着器50を通過した印刷媒体26を外部に排出する媒体排出部としての排紙ローラ25とを有する。なお、画像形成装置1が有する画像形成部の数は、3以下であってもよいし又は5以上であってもよい。また、画像形成装置1は、電子写真プロセスによって印刷媒体26上に画像を形成する装置であれば、モノクロプリンタであってもよい。
図1に示されるように、媒体供給部20は、媒体カセット21と、媒体カセット21内に積載された印刷媒体26を1枚ずつ繰り出すホッピングローラ22と、媒体カセット21から繰り出された印刷媒体26を搬送するレジストローラ23と、印刷媒体26を搬送するローラ対24とを有する。
画像形成部10K、10C、10M、10Yは、印刷媒体26上にブラック(K)のトナー像、シアン(C)のトナー像、マゼンタ(M)のトナー像、及びイエロー(Y)のトナー像をそれぞれ形成する。画像形成部10K、10C、10M、10Yは、媒体搬送路に沿って媒体搬送方向の上流側から下流側に(すなわち、図1において右から左に向かう方向に)並んで配置される。画像形成部10K、10C、10M、10Yは、画像形成装置1の本体に対して、着脱自在に形成されている。画像形成部10K、10C、10M、10Yは、トナーの色が異なる点以外は、互いに同じ構造を有する。
また、画像形成部10K、10C、10M、10Yの上部には、各色用の露光部としての光プリントヘッド11K、11C、11M、11Y(「光プリントヘッド11」とも表記する。)がそれぞれ備えられている。
画像形成部10K、10C、10M、10Yの各々は、回転可能に支持された像担持体としての感光体ドラム13K、13C、13M、13Y(「感光体ドラム13」とも表記する。)と、感光体ドラム13K、13C、13M、13Yの表面を一様に帯電させる帯電部材としての帯電ローラ14K、14C、14M、14Y(「帯電ローラ14」とも表記する。)と、光プリントヘッド11K、11C、11M、11Yによる露光によって感光体ドラム13K、13C、13M、13Yの表面に静電潜像を形成した後に、感光体ドラム13K、13C、13M、13Yの表面にトナーを供給して静電潜像に対応するトナー像を形成する現像装置15K、15C、15M、15Y(「現像装置15」とも表記する。)とを有する。感光体ドラム13K、13C、13M、13Yは、例えば、円筒型に加工された導電性支持体と、その表面上に塗布された感光層部とから構成される。感光層部は、導電性支持体の表面から順に、ブロッキング層、電荷発生層、電荷輸送層が積層された構造を有する。電荷輸送層は、例えば、約18μm厚に塗布される。
現像装置15K、15C、15M、15Yは、トナーを収容する現像剤収容部としてのトナー収容部と、感光体ドラム13K、13C、13M、13Yの表面にトナーを供給する現像剤担持体としての現像ローラ16K、16C、16M、16Y(「現像ローラ16」とも表記する。)と、トナー収容部内に収容されたトナーを現像ローラ16K、16C、16M、16Yに供給する現像剤供給体としての供給ローラ17K、17C、17M、17Y(「供給ローラ17」とも表記する。)と、現像ローラ16K、16C、16M、16Yの表面のトナー層の厚さを規制するトナー規制部材としての層形成ブレード18K、18C、18M、18Y(「層形成ブレード18」とも表記する。)とを有する。現像ローラ16K、16C、16M、16Yは、例えば、金属製のシャフトと、その外周に備えられた弾性体とから構成される。この弾性体としては、例えば、ゴム硬度70°(アスカーC)の半導電性のウレタンゴムを用いことができる。供給ローラ17K、17C、17M、17Yは、金属製のシャフトと、その外周に備えられた発泡体とから構成される。この発泡体としては、硬度50°(アスカーF)のシリコン発泡体を用いることができる。
ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのトナーは、ポリエステル樹脂、着色剤、帯電制御剤、及び離型剤を主要な原料としており、外添剤(疎水性シリカ)が添加されている。トナーは、例えば、粉砕法により得られた粉砕形状の平均粒径8μmの粉体である。ただし、トナーは、重合法などの他の方法で製造されてもよい。
光プリントヘッド11K、11C、11M、11Yの各々は、感光体ドラム13K、13C、13M、13Yの軸方向に複数の発光素子が配列された発光素子アレイを含む。発光素子は、例えば、LED(Light Emitting Diode)又は発光サイリスタである。光プリントヘッド11K、11C、11M、11Yの各々による露光は、印刷用の画像データに基づいて、一様帯電した感光体ドラム13K、13C、13M、13Yの表面に対して実行される。
図1に示されるように、搬送部30は、印刷媒体26を静電吸着して搬送する搬送ベルト(転写ベルト)33と、搬送ベルト33を駆動する駆動ローラ31と、駆動ローラ31と対を成して搬送ベルト33を張架するテンションローラ(従動ローラ)32とを有する。
図1に示されるように、転写ローラ40K、40C、40M、40Yは、搬送ベルト33を挟んで感光体ドラム13K、13C、13M、13Yに対向して配置されている。転写ローラ40K、40C、40M、40Yによって、感光体ドラム13K、13C、13M、13Yの表面に形成されたトナー像は、媒体搬送路に沿って矢印方向に搬送される印刷媒体26上に順に転写されて、複数のトナー像が重ねられたカラー画像が形成される。感光体ドラム13K、13C、13M、13Y上に現像されたトナー像を印刷媒体26に転写した後に感光体ドラム13K、13C、13M、13Yに残留したトナーはクリーニング部材により除去される。
定着器50は、圧接し合う1対のローラ51、52を有する。ローラ51は、加熱ヒータを内蔵するヒートローラであり、ローラ52はローラ51に向けて押し付けられる加圧ローラである。未定着のトナー像を有する印刷媒体26は、定着器50の1対のローラ51、52間を通過する。このとき、未定着のトナー像は、加熱及び加圧されて印刷媒体26上に定着される。
画像形成動作(すなわち、印刷動作)が実行されるときには、媒体カセット21内の印刷媒体26が、ホッピングローラ22によって繰り出され、レジストローラ23へ送られる。続いて、印刷媒体26はレジストローラ23からローラ対24を介して搬送ベルト33に送られ、この搬送ベルト33の走行に伴って、画像形成部10K、10C、10M、10Yへ搬送される。画像形成部10K、10C、10M、10Yにおいて、感光体ドラム13K、13C、13M、13Yの表面は、帯電ローラ14K、14C、14M、14Yによって帯電され、光プリントヘッド11K、11C、11M、11Yによって露光されて静電潜像が形成される。静電潜像には、現像ローラ16K、16C、16M、16Y上で薄層化されたトナーが静電的に付着されて各色のトナー像が形成される。各色のトナー像は、転写ローラ40K、40C、40M、40Yによって印刷媒体26に順に転写され、印刷媒体26上にカラーのトナー像が形成される。カラーのトナー像が形成された印刷媒体26は、定着器50に送られる。定着器50において、カラーのトナー像が印刷媒体26に定着され、カラー画像が形成される。カラー画像が形成された印刷媒体26は、排紙ローラ25によって用紙スタッカへ排出される。
図2は、画像形成装置1の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。図2に示されるように、画像形成装置1は、装置全体を制御する制御部60と、電圧発生回路である帯電電圧発生部61と、電圧発生回路である第1の電源部としての現像電圧発生部62と、電圧発生回路である第2の電源部としての供給電圧発生部63と、電圧発生回路である転写電圧発生部64と、露光制御回路である露光制御部59とを有する。帯電電圧発生部61は、帯電ローラ14に印加される帯電電圧Vchを生成する。現像電圧発生部62は、現像ローラ16に印加される現像バイアス電圧Vdbを生成する。供給電圧発生部63は、供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbを生成する。供給バイアス電圧Vsbは、層形成ブレード18にも印加される。転写電圧発生部64は、転写ローラ40に印加される転写電圧を生成する。露光制御部59は、光プリントヘッド11の発光素子の発光動作を制御する。
現像電圧発生部62は、例えば、+200Vから-400Vの電圧を、各現像ローラ16に独立に印加することができる。供給電圧発生部63は、例えば、0Vから-700Vの電圧を各供給ローラ17に独立に印加することができる。帯電電圧発生部61は、例えば、0V電圧、-700Vから-1500Vの電圧を各帯電ローラ14に印加することができる。転写電圧発生部64は、例えば、0V電圧、+1000Vから+5000Vの電圧を各転写ローラ40に印加することができる。
また、画像形成装置1は、ベルトモータ65と、ドラムモータ66と、搬送モータ67と、ホッピングモータ68と、排紙モータ69とを有する。ベルトモータ65は、搬送ベルト33を移動させる駆動ローラ31を駆動する。ドラムモータ66は、画像形成部10の感光体ドラム13、現像ローラ16、供給ローラ17などを駆動する。感光体ドラム13と現像ローラ16と供給ローラ17とはギアなどの駆動力伝達機構により連結されており、ドラムモータ66の駆動力により、感光体ドラム13と、現像ローラ16と、供給ローラ17とが駆動される。搬送モータ67は、印刷媒体26を搬送するローラ対24などを駆動する。ホッピングモータ68は、ホッピングローラ22を駆動する。排紙モータ69は、排紙ローラ25を駆動する。
また、画像形成装置1は、印刷媒体26を検出するセンサ70と、ユーザ操作部としての操作入力部71と、時刻情報取得部としての時刻計測部72と、環境計測部としての温度計測部73及び湿度計測部74と、印刷枚数計測部75と、記憶部としてのメモリ76と、表示装置としての表示部79と、インターフェイス80とを有する。操作入力部71は、例えば、ユーザ操作を受け付ける操作ボタン、タッチパネルなどである。時刻計測部72は、時刻(年月日を含む)を計測する又は時刻情報を外部から受信する。温度計測部73は、画像形成装置1の内部又は周囲の温度を計測する。湿度計測部74は、画像形成装置1の内部又は周囲の湿度を計測する。印刷枚数計測部75は、各画像形成部10における累積の印刷枚数を計測する。メモリ76は、ROM(Read Only Memory)77と、RAM(Random Access Memory)78とを有する。表示部79は、画像、文字などを表示する。インターフェイス80は、上位装置81などの外部装置とネットワークを介して通信する際に使用される。ROM77は、例えば、画像形成装置1の動作のフローと各種補正を行うための計算式などを格納している。RAM78は、例えば、温度計測部73によって計測された温度、湿度計測部74によって計測された湿度などを保存する。
画像形成装置1は、制御部60により制御される。制御部60は、情報入力手段としての上位装置81からの印刷データを、インターフェイス80を介して受信する。上位装置81は、例えば、コンピュータである。また、制御部60は、各種の電圧発生部を制御する電源制御部と、画像形成動作及びその前の立ち上がり動作などのために各種モータを制御する印刷制御部とを含む。制御部60は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの処理回路、又はソフトウェアとしての制御プログラムを格納する記憶装置としてのメモリと、この制御プログラムを実行する処理回路であるCPU(Central Processing Unit)などとによって実現可能である。
図3は、画像形成装置1の動作の例を示すフローチャートである。上位装置81からインターフェイス80を介して制御部60に印刷対象である画像データが入力されると(ステップS1)、制御部60は画像形成のための処理を開始する。制御部60は、印刷枚数計測部75によって計測された累積の印刷枚数を確認することで画像形成部10の状態を確認し(ステップS2)、温度計測部73によって計測された温度を取得してRAM78に保存し(ステップS3)、湿度計測部74によって計測された湿度を取得してRAM78に保存し(ステップS4)、時刻計測部72によって計測された現在の時刻とROM77から呼び出された前回の画像形成装置1の停止時刻(例えば、印刷動作の終了時刻)との差分に基づいて画像形成装置1が使用されていなかった時間である放置時間を計算する(ステップS5)。
次に、制御部60は、印刷動作の前(例えば、直前)の立ち上がり動作の期間において、予め決められた通常帯電を行うか、通常帯電におけるトナーの帯電量よりも大きい帯電量になるように現像ローラ16上のトナーの帯電を行う事前帯電を行うかを判断する(ステップS6)。この判断の詳細は、後述の図6及び図11に示される。
制御部60が通常帯電を行うと判断した場合(ステップS6における判断がNOである場合)、印刷動作の前の立ち上がり動作の期間において、通常帯電を行う(ステップS18)。通常帯電は、後述の図4に示される処理である。
制御部60が事前帯電を行うと判断した場合には(ステップS6における判断がYESである場合)、印刷動作の前の立ち上がり動作の期間において、現像ローラ16上のトナーの帯電を行うための第1の事前帯電を行う(ステップS7)。第1の事前帯電は、後述の図5に示される処理である。
制御部60は、第1の事前帯電(ステップS7)の後又は通常帯電(ステップS8)の後に、印刷処理を実行する(ステップS9)。このとき、印刷枚数計測部75によって計測された各画像形成部10の累積の印刷枚数は、ROM77に保存され(ステップS10)、時刻計測部72によって計測された印刷終了時刻は、ROM77に保存される(ステップS11、S12)。
図4は、画像形成装置1の立ち上がり動作の期間に行われる通常帯電(ステップS8)を示すタイミングチャートである。Pc0は通常帯電の期間である。通常帯電は、現像ローラ16上のトナーの帯電が不足していないと判断された場合に実行される。図4に示される時刻t0において、制御部60は、ドラムモータ66を駆動させて、感光体ドラム13、現像ローラ16、及び供給ローラ17を回転させる。時刻t0から時刻t1までの期間、時刻t1から時刻t2までの期間、及び時刻t2から時刻t3までの期間の各々は、例えば、感光体ドラム13が1回転する期間である。時刻t0において、制御部60は、帯電電圧発生部61によって帯電ローラ14に-1000Vを印加させて、感光体ドラム13の表面を一様帯電させる。
感光体ドラム13の回転の開始時点では、感光体ドラム13の現像ローラ16との接触位置は、帯電していない(すなわち、電圧0Vである)。このため、現像ローラ16上に担持されたマイナス(第1の極性)帯電のトナーが感光体ドラム13に移動しないように、現像ローラ16の電圧Vdbは、プラス(第2の極性)の電圧(例えば、Vdb1=+100V)に設定され、層形成ブレード18と供給ローラ17の電圧Vsbは、Vsb0=0Vに設定される。このとき、「供給ローラ17の電圧Vsb」から「現像ローラ16の電圧Vdb」を減算した値、及び、「層形成ブレード18の電圧」から「現像ローラ16の電圧Vdb」を減算した値(すなわち、Vsb0-Vsb1)は、-100V(=0V-(+100V))であり、現像ローラ16上のトナーは、マイナスに通常帯電される。時刻t0から時刻t1の間で、感光体ドラム13上の位置は、帯電ローラ14の位置から現像ローラ16の接触位置まで進み、現像ローラ16の接触位置に感光体ドラム13の帯電された領域が到達する。
時刻t1では、現像ローラ16、供給ローラ17、及び層形成ブレード18には、印刷動作時(すなわち、時刻t3以降)の電圧と同じ電圧が印加され、印刷動作の開始時である時刻t3における現像ローラ16、供給ローラ17、及び層形成ブレード18の状態を安定させる。図4に示されるように、時刻t1以降において、現像ローラ16にはVdb2=-200Vが印加され、供給ローラ17にはVsb2=-300Vが印加される。時刻t1から時刻t3までは、例えば、感光体ドラム13が2回転する期間である。時刻t3以降、光プリントヘッド11によって感光体ドラム13が露光され、画像データに基づく印刷動作が行われる。
印刷動作では、光プリントヘッド11は、帯電した感光体ドラム13の表面に画像データに基づいた静電潜像を形成する。供給ローラ17に保持されたトナーは、現像ローラ16の表面に供給される。現像ローラ16上のトナーは、層形成ブレード18を通過すると、層形成ブレード18のせん断力により、層厚が規制され均一になる。均一な層厚のトナーが付着する現像ローラ16の表面と、感光体ドラム13の表面とが接触すると、感光体ドラム13上のトナーが静電潜像に現像される。一方、搬送ベルト33の駆動ローラ31が回転すると、搬送ベルト33は回転移動する。そして、印刷媒体26は、ホッピングローラ22により給紙され、レジストローラ23を通過し、ローラ対24により挟まれて搬送される。その後、印刷媒体26は、搬送ベルト33により搬送される。ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのトナー像は、転写ローラ40によって印刷媒体26に転写される。
図5は、画像形成装置1の立ち上がり動作の期間に行われる第1の事前帯電(ステップS7)を示すタイミングチャートである。Pc1は第1の事前帯電の期間である。第1の事前帯電及び後述の第2の事前帯電は、現像ローラ16上のトナーの帯電が不足していると判断された場合に実行される。図5に示されるように、立ち上がり動作の期間(図では、時刻t0から時刻t3までの期間)は、第1の状態と第2の状態の両方を満たす第1の事前帯電の期間Pc1を含む。
第1の状態は、立ち上がり動作のときに現像ローラ16に印加される現像バイアス電圧Vdbである第1の電圧Vdb1が、画像形成動作のときに現像ローラ16に印加される現像バイアス電圧Vdbである第2の電圧Vdb2の逆極性の電圧である又は0Vであるという状態である。図5に示されるように、第1の実施の形態では、立ち上がり動作のときに現像ローラ16に印加される現像バイアス電圧Vdbである第1の電圧Vdb1(=+100V)が、画像形成動作のときに現像ローラ16に印加される現像バイアス電圧Vdbである第2の電圧Vdb2(=-200V)の逆極性の電圧である。
第2の状態は、立ち上がり動作のときに供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbである第3の電圧Vsb1の絶対値が、画像形成動作のときに供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbである第4の電圧Vsb2の絶対値より大きいという状態である。図5に示されるように、第1の実施の形態では、立ち上がり動作のときに供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbである第3の電圧Vsb1(=-400V)の絶対値が、画像形成動作のときに供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbである第4の電圧Vsb2(=-300V)の絶対値より大きい。
第1の事前帯電では、「供給ローラ17の電圧Vsb」から「現像ローラ16の電圧Vdb」を減算した値、及び、「層形成ブレード18の電圧」から「現像ローラ16の電圧Vdb」を減算した値(すなわち、Vsb0-Vsb1)は、-500V(=-400V-(+100V))であり、現像ローラ16上のトナーは、マイナスに大きく帯電される。
このように、図3に示されるフローによって処理を実行する場合には、トナーの帯電が不足して、事前帯電を行う条件を満たす場合(ステップS6において判断がYESの場合)、第1の事前帯電を行うので、トナーの帯電を増加させることができる。よって、トナーの帯電不足に起因するかぶりの発生を抑制することができる。
図6は、画像形成装置1の動作の例を示すフローチャートである。図6の動作は、事前帯電の要否の判断の点と、第2の事前帯電を有する点とにおいて、図3の動作と異なる。図6において、図3の処理と同じ又は対応する処理には、図3に示される符号と同じ符号が付される。
図6の動作では、ステップS13において、制御部60は、画像形成部10における累積の印刷枚数が所定枚数以上であるかどうか(すなわち、第1の条件を満たすかどうか)を判定する。第1の実施の形態においては、所定枚数は、10,000枚である。ただし、所定枚数は、この値に限定されない。累積の印刷枚数が所定枚数以上であることを第1の条件とする理由は、累積の印刷枚数が10,000枚を超えると、現像ローラ16の表面の摩耗により、トナーを帯電させる能力が低下しているからである。
ステップS13において印刷枚数が所定枚数未満である場合(すなわち、第1の条件を満たさない場合)には、ステップS13において判断がNOになり、ステップS8において、図4に示される通常帯電の動作が実行される。
ステップS13において印刷枚数が所定枚数以上である場合(すなわち、第1の条件を満たす場合)には、ステップS13において判断がYESになり、ステップS14において、第2の条件を満たすか否かが判断される。第2の条件は、温度計測部73によって計測された温度が所定温度以上であり且つ湿度計測部74によって計測された湿度が所定湿度以上であるという条件である。所定温度は、例えば、27℃であり、所定湿度は、例えば、70%である。温度及び湿度を第2の条件とする理由は、高温高湿であるほど、トナーが吸湿しやすくなり、吸湿によってトナーの帯電量が低下しやすくなるからである。
ステップS14において第2の条件を満たす場合には、ステップS14において判断がYESになり、ステップS7において、図5に示される第1の事前帯電の動作が実行される。
ステップS14において第2の条件を満たさない場合には、ステップS14において判断がNOになり、ステップS15において、後述の図7に示される第2の事前帯電の動作が実行される。
図7は、画像形成装置1の立ち上がり動作の期間に行われる第2の事前帯電(ステップS15)を示すタイミングチャートである。Pc2は第2の事前帯電の期間である。第2の事前帯電は、現像ローラ16上のトナーの帯電がやや不足していると判断された場合に実行される。図7に示されるように、第1の条件を満たし且つ第2の条件を満たさないときに、立ち上がり動作の期間(図では、時刻t0から時刻t3までの期間)は、第3の状態と第4の状態の両方を満たす第2の事前帯電の期間Pc2を有する。
第3の状態は、立ち上がり動作のときに現像ローラ16に印加される現像バイアス電圧Vdbである第1の電圧Vdb1が、画像形成動作のときに現像ローラ16に印加される現像バイアス電圧Vdbである第2の電圧Vdb2の逆極性の電圧であるという状態である。図7に示されるように、第1の実施の形態では、立ち上がり動作のときに現像ローラ16に印加される現像バイアス電圧Vdbである第1の電圧Vdb1(=+100V)が、画像形成動作のときに現像ローラ16に印加される現像バイアス電圧Vdbである第2の電圧Vdb3(=-200V)の逆極性の電圧である。
第4の状態は、立ち上がり動作のときに供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbである第5の電圧Vsb3の絶対値が、画像形成動作のときに供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbである第4の電圧Vsb2の絶対値より小さいという状態である。図7に示されるように、第1の実施の形態では、立ち上がり動作のときに供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbである第5の電圧Vsb3(=-200V)の絶対値が、画像形成動作のときに供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbである第4の電圧Vsb2(=-300V)の絶対値より小さい。
第2の事前帯電では、「供給ローラ17の電圧Vsb」から「現像ローラ16の電圧Vdb」を減算した値、及び、「層形成ブレード18の電圧」から「現像ローラ16の電圧Vdb」を減算した値(すなわち、Vsb0-Vsb1)は、-300V(=-200V-(+100V))であり、現像ローラ16上のトナーは、マイナスに帯電される。
このように、図6に示されるフローによって処理を実行する場合には、トナーの帯電が大きく不足している場合には、第1の事前帯電(ステップS7、図5)が行われ、トナーの帯電が少し不足しているときには、第2の事前帯電(ステップS15、図7)が行われ、トナーの帯電が不足していないときには、通常帯電(ステップS8、図4)が行われる。このような処理によって、トナーの帯電不足に起因するかぶりの発生を抑制することができ、また、トナーの帯電を適度に増加させることができる。
図8は、第1の実施の形態に係る画像形成装置1による効果を示す図である。図8には、累積の印刷枚数が10,000枚以上であり、温度27℃以上であり、湿度70%以上である場合に、第1の事前帯電を行った場合と通常帯電を行った場合との紙面上のかぶり量を色差ΔEで数値化した結果を示す。L測定には、コニカミノルタ株式会社製の分光測色計CM-2600dを使用した。色差ΔEは、L空間における2点間の距離を求める次式で計算された。
ΔE=((L1-L2)+(a1-a2)+(b1-b2)0.5
かぶり量の判定は、紙面上の印刷していない紙面上の点のL値であるL1、a1、b1と印刷後の紙面上の非印字部の点のL値であるL2、a2、b2との間の色差ΔEを比較することで行われた。用紙は、株式会社沖データ製のエクセレントグロス紙が用いられた。
図8は、かぶり量に対応する色差ΔEの測定結果を示す。色差ΔEは、数値が大きいほどかぶり量が大きく印刷品質が悪いことを示している。通常帯電を行う場合には、トナーの帯電の不足が発生しているので、ΔE=2.8である。これに対し、第1の事前帯電を実行した場合には、トナーの帯電の不足がないので、ΔE=1.9である。このように、第1の事前帯電を行った場合には、良好な印刷品質が得られることが確認された。つまり、現像ローラ16上の帯電が不足したトナーが、第1の事前帯電によって帯電されることで、画質が良化することが確認された。
以上に説明したように、第1の実施の形態に係る画像形成装置1によれば、トナーの帯電を安定させることができ、かぶりの少ない良好な画像が得られる。
また、トナーの帯電の不足に起因するかぶりの発生を抑制できるので、トナーの無駄な消費を抑制することができる。
《第2の実施の形態》
図9は、第2の実施の形態に係る画像形成装置の現像バイアス電圧と供給バイアス電圧を生成する電圧発生部62aを示すブロック図である。第2の実施の形態に係る画像形成装置は、現像バイアス電圧Vdbと供給バイアス電圧Vsbを出力する電圧発生部が共通である点と、第1の事前帯電における現像バイアス電圧Vdbと供給バイアス電圧Vsbの値の点とにおいて、第1の実施の形態に係る画像形成装置1と異なる。電圧発生部62aは、制御部60から受け取る切替え制御信号に基づいて、現像バイアス電圧Vdbの値と供給バイアス電圧Vsbの値を切り替える。他の点については、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と同じである。したがって、第2の実施の形態に係る画像形成装置の説明に際しては、図1から図4をも参照する。なお、第2の実施の形態において、電圧発生部62aは、図3に示されるように、現像電圧発生部62と供給電圧発生部63とを有してもよい。
図10は、第2の実施の形態に係る画像形成装置の第1の事前帯電(図3におけるステップS7)を示すタイミングチャートである。図10に示されるように、第2の実施の形態では、時刻t0から時刻t1の間では、第1の事前帯電は行われず、時刻t1から時刻t2の間で第1の事前帯電が行われる。例えば、図10に示されるように、立ち上がり動作の期間(図では、時刻t0から時刻t3までの期間)は、第1の事前帯電の期間Pc1を含む。
図10に示されるように、第2の実施の形態においては、第1の事前帯電の期間Pc1において、第1の状態と第2の状態との両方を満たす。第2の実施の形態においては、第1の状態は、立ち上がり動作のときに現像ローラ16に印加される現像バイアス電圧Vdbである第1の電圧Vdb1が0Vであるという状態である。
また、第2の実施の形態において、第2の状態は、立ち上がり動作のときに供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbである第3の電圧Vsb1の絶対値が、画像形成動作のときに供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbである第4の電圧Vsb2の絶対値より大きいという状態である。図10に示されるように、第2の実施の形態では、立ち上がり動作のときに供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbである第3の電圧Vsb1(=-500V)の絶対値が、画像形成動作のときに供給ローラ17に印加される供給バイアス電圧Vsbである第4の電圧Vsb2(=-300V)の絶対値より大きい。
また、第2の実施の形態においては、第1の事前帯電の期間Pc1の後に、時刻t2から時刻t3までの期間において感光体ドラム13を1回転させて、印刷動作の開始時における現像ローラ16、供給ローラ17、及び層形成ブレード18の状態を安定させている。
以上に説明したように、第2の実施の形態に係る画像形成装置によれば、トナーの帯電を安定させることができ、かぶりの少ない良好な画像が得られる。
また、トナーの帯電の不足に起因するかぶりの発生を抑制できるので、トナーの無駄な消費を抑制することができる。
また、図10では、現像バイアス電圧Vdbと供給バイアス電圧Vsbとが互いに逆極性になる期間が存在しないので、図2に示される現像電圧発生部62と供給電圧発生部63とを、1つのトランスを備えた1つの電圧発生部62aで置き換えることができる。このため、構成の簡素化を図ることができる。
《第3の実施の形態》
図11は、第3の実施の形態に係る画像形成装置の動作の例を示すフローチャートである。図11の動作は、事前帯電の要否の判断として画像形成装置の放置時間を用いる点(ステップS31)と、第1の事前帯電(ステップS7)の他に第1の事前帯電(長時間)(ステップS32)を用いる点とにおいて、図6に示される第1の実施の形態の動作と異なる。図11において、図6の処理と同じ又は対応する処理には、図6に示される符号と同じ符号が付される。
図11の動作では、ステップS31において、制御部60は、放置時間が所定時間以上であるかどうか(すなわち、第3の条件を満たすかどうか)を判定する。第3の実施の形態においては、所定時間は、例えば、5日間(=120時間)である。放置時間を第3の条件とする理由は、放置時間が長いほど、トナーの帯電量が低下するからである。
図12は、第3の実施の形態に係る画像形成装置の第1の事前帯電(長時間)(ステップS32)を示すタイミングチャートである。第3の実施の形態では、時刻t0から時刻t2までの期間Pc1で、第1の事前帯電を行う。図12の例において、時刻t0から時刻t1までの期間は、感光体ドラム13が1回転する時間である。ただし、時刻t0から時刻t1までの期間は、感光体ドラム13の帯電ローラ14に対する接触位置が現像ローラ16の位置まで進む時間としてもよい。また、図12の例において、時刻t1から時刻t2までの期間及び時刻t2から時刻t3までの期間は、感光体ドラム13が1回転する時間である。
第1の事前帯電(ステップS7)では、図5に示されるように、「供給ローラ17の電圧Vsb」から「現像ローラ16の電圧Vdb」を減算した値、及び、「層形成ブレード18の電圧」から「現像ローラ16の電圧Vdb」を減算した値(すなわち、Vsb1-Vsb1)は、-500V(=-400V-(+100V))であり、この状態は時刻t0から時刻t1まで維持され、現像ローラ16上のトナーは、マイナスに帯電される。
第1の事前帯電(長時間)(ステップS32)では、図12に示されるように、「供給ローラ17の電圧Vsb」から「現像ローラ16の電圧Vdb」を減算した値、及び、「層形成ブレード18の電圧」から「現像ローラ16の電圧Vdb」を減算した値(すなわち、Vsb1-Vsb1)は、-500V(=-400V-(+100V))であり、この状態は時刻t0から時刻t2まで維持され、現像ローラ16上のトナーはマイナスに帯電される。
このように、図11に示されるフローによって処理を実行する場合には、トナーの帯電が不足して、事前帯電を行う条件を満たす場合(ステップS31において判断がYESの場合)、図12に示される第1の事前帯電(長時間)を行うので、トナーの帯電を大きく増加させることができる。よって、トナーの帯電不足に起因するかぶりの発生を抑制することができる。
また、第1の事前帯電の後に、時刻t2から時刻t3までの期間において、印刷動作時同じ電圧が現像ローラ16(-200V)と供給ローラ17(-300V)と層形成ブレード18(-300V)に印加され、感光体ドラム13が1回転するので、印刷動作の開始時における現像ローラ16、供給ローラ17、及び層形成ブレード18の状態を安定させることができる。
なお、帯電ローラ14の電圧は、立ち上がり動作時と印刷動作時において変化させず、一定にしている。これは、時刻t2後に帯電ローラ14の電圧を変更した場合には、印刷媒体26に、感光体ドラム13の電圧の変化位置が濃度差として現れ、画質が低下するからである。
上記以外の点については、第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態と同じである。
《変形例》
図13は、第1から第3の実施の形態の変形例に係る画像形成装置1aの構成を示す概略断面図である。図13において、図1に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図1に示される符号と同じ符号が付される。画像形成装置1aは、トナー像が一次転写される中間転写ベルト33aと、中間転写ベルト33aが張架されるローラ32aと、中間転写ベルト33a上に担持されたトナー像を印刷媒体26上に転写させる二次転写ローラ32bとを有する点において、図1に示される画像形成装置1と異なる。この点を除いて、図13に示される画像形成装置1aは、第1から第3の実施の形態のいずれかの画像形成装置と同じである。このように、本発明は、中間転写ベルト33aを有する画像形成装置にも適用可能である。
また、上記説明では、複数の画像形成部10を有するタンデム方式の画像形成装置を例示したが、本発明は、1つの像担持体に各色の画像を形成する画像形成装置などのように、他のタイプの画像形成装置にも、適用可能である。
また、上記説明では、トナーの極性がマイナス(第1の極性)である場合を例示したが、トナーの極性はプラス(第2の極性)であってもよい。トナーの極性がプラス(第2の極性)である場合には、各部材に印加される電圧の極性を逆にすればよい。
また、本発明は、MFP(複合機)、ファックシミリ、及び複写機などの画像形成装置にも適用可能である。
1、1a 画像形成装置、 10K、10C、10M、10Y、10 画像形成部、 11K、11C、11M、11Y、11 光プリントヘッド(露光部)、 13K、13C、13M、13Y、13 感光体ドラム、 14K、14C、14M、14Y、14 帯電ローラ(帯電部材)、 15K、15C、15M、15Y、15 現像装置、 16K、16C、16M、16Y、16 現像ローラ(現像剤担持体)、 17K、17C、17M、17Y、17 供給ローラ(現像剤供給体)、 18K、18C、18M、18Y、18 層形成ブレード、 20 媒体供給部、 21 媒体カセット、 22 ホッピングローラ、 23 レジストローラ、 24 ローラ対、 25 排紙ローラ、 26 印刷媒体、 30 搬送部、 31 駆動ローラ、 32 テンションローラ(従動ローラ)、 33 搬送ベルト(転写ベルト)、 33a 中間転写ベルト、 40K、40C、40M、40Y、40 転写ローラ(転写部材)、 50 定着器、 51、52 ローラ、 59 露光制御部、 60 制御部、 61 帯電電圧発生部、 62 現像電圧発生部(第1の電源部)、 62a 電圧発生部、 63 供給電圧発生部(第2の電源部)、 64 転写電圧発生部、 66 ドラムモータ(駆動部)、 71 操作入力部、 72 時刻計測部、 73 温度計測部、 74 湿度計測部、 76 メモリ(記憶部)、 77 ROM、 78 RAM、 79 表示部、 80 インターフェイス、 81 上位装置。

Claims (8)

  1. 露光部によって静電潜像が形成される像担持体と、
    前記像担持体に現像剤を供給する現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する現像剤供給体と、
    前記像担持体、前記現像剤担持体、及び前記現像剤供給体を回転させる駆動部と、
    前記現像剤担持体に現像バイアス電圧を印加する第1の電源部と、
    前記現像剤供給体に供給バイアス電圧を印加する第2の電源部と、
    前記像担持体に現像剤像を形成する画像形成動作と前記画像形成動作の前の動作である立ち上がり動作とを、前記駆動部、前記第1の電源部、及び前記第2の電源部に実行させる制御部と、
    を有し、
    前記立ち上がり動作の期間は、
    前記立ち上がり動作のときに前記現像剤担持体に印加される前記現像バイアス電圧である第1の電圧が、前記画像形成動作のときに前記現像剤担持体に印加される前記現像バイアス電圧である第2の電圧の逆極性の電圧である又は0Vであるという第1の状態と、
    前記立ち上がり動作のときに前記現像剤供給体に印加される前記供給バイアス電圧である第3の電圧の絶対値が、前記画像形成動作のときに前記現像剤供給体に印加される前記供給バイアス電圧である第4の電圧の絶対値より大きいという第2の状態と
    の両方を満たす第1の事前帯電の期間を有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記現像剤像の転写によって画像が印刷された印刷媒体の累積枚数である印刷枚数を計測する印刷枚数計測部と、
    前記画像形成装置の内部又は周囲の温度を計測する温度計測部と、
    前記画像形成装置の内部又は周囲の湿度を計測する湿度計測部と、
    をさらに有し、
    前記印刷枚数、前記温度、及び前記湿度が所定条件を満たすときに、前記第1の事前帯電が実行される
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記印刷枚数が所定枚数以上であるという第1の条件を満たし、且つ、前記温度が所定温度以上であって前記湿度が所定湿度以上であるという第2の条件を満たしたときに、前記第1の事前帯電が実行される
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第1の条件を満たし且つ前記第2の条件を満たさないときに、
    前記立ち上がり動作の期間は、
    前記立ち上がり動作のときに前記現像剤担持体に印加される前記現像バイアス電圧である第1の電圧が、前記画像形成動作のときに前記現像剤担持体に印加される前記現像バイアス電圧である第2の電圧の逆極性の電圧であるという第3の状態と、
    前記立ち上がり動作のときに前記現像剤供給体に印加される前記供給バイアス電圧である第5の電圧の絶対値が、前記画像形成動作のときに前記現像剤供給体に印加される前記供給バイアス電圧である第4の電圧の絶対値より小さいという第4の状態と
    を満たす第2の事前帯電の期間を含む
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記第1の条件を満たさないときに、
    前記立ち上がり動作の期間は、
    前記立ち上がり動作のときに前記現像剤担持体に印加される前記現像バイアス電圧である第1の電圧が、前記画像形成動作のときに前記現像剤担持体に印加される前記現像バイアス電圧である第2の電圧の逆極性の電圧であるという第3の状態と、
    前記立ち上がり動作のときに前記現像剤供給体に印加される前記供給バイアス電圧である第6の電圧が0Vであるという第5の状態と
    を満たす通常帯電の期間を含む
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  6. 時刻を計測する時刻計測部をさらに有し、
    前記時刻に基づいて計算された前記画像形成装置の放置時間が所定時間以上であるときに実行される前記第1の事前帯電の期間は、前記放置時間が前記所定時間未満であるときに実行される前記第1の事前帯電の期間より長い
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記立ち上げ動作の期間は、前記像担持体がN回(Nは2以上の整数)回転する時間以上である
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記現像剤の帯電極性は、第1の極性であり、
    前記第1の電圧は、前記第1の極性の逆極性である第2の極性の電圧又は0Vであり、
    前記第3の電圧及び前記第4の電圧の極性は、前記第1の極性である
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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