JP2022052300A - ガスケット、およびフィラーと金属薄帯との間の結合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着剤を使うことなく、フィラーに金属薄帯を結合させることができるガスケットを提供する。【解決手段】ガスケットは、シート状のフィラー31と、それに重ね合わされた金属薄帯32とを含む。フィラーに金属薄帯が重なった部分には穴33が貫通している。その穴の縁の一部からバリ35がフィラーの表面に沿って伸びている。シート状のフィラーに金属薄帯を結合させる方法は、フィラーに金属薄帯を重ね合わせる段階と、フィラーに金属薄帯が重なった部分に穴を開ける段階と、穴から突出しているバリを折り返してフィラーの表面に押し付ける段階とを備えている。【選択図】図4
Description
本発明はガスケットに関し、特にフィラーに金属薄帯を結合させる方法に関する。
ガスケットとは、流体を扱う設備において、主に静止している部品間の隙間を埋めてその隙間からの流体の漏れを防ぐ、すなわちシールに利用される部品をいう。流体を扱う設備には、たとえば、化学工場、発電所、製鉄所、半導体工場、医薬工場、食料工場等の配管設備、自動車等の内燃機関とその排気系統が含まれる。これらの設備で扱われる流体には、たとえば、水、水蒸気、油、薬品、食品、排ガスが含まれる。
ガスケットの中には、その材料、すなわちシール材が主に充填材(フィラー)と金属薄帯とで構成されているものがある。フィラーは、金属よりは軟質の材料である。フィラーには、マイカ、膨張黒鉛、フッ素樹脂、タルク、またはセピオライト等、漏れを防ぐべき流体の特性に応じてその流体に対する封止能力、すなわちシール性の高い物質が採用される。金属薄帯はフィラーの強度を補ってガスケットの構造を保持する。金属薄帯には、ステンレス鋼、銅、またはアルミニウム等が含まれる。
上記のガスケットはフィラーと金属薄帯とから、たとえば次のように製造される(たとえば特許文献1、2参照)。まず、シート状のフィラーに金属薄帯を重ねて接着剤で貼り合わせる。これにより、帯状のシール材が形成される。次に、帯状のシール材を数回巻いて渦巻状にし、円環状の金型の中に収めて軸方向に加圧する。これにより、シール材が円環状に成形される。続いて、円環状のシール材を電気炉で焼成させる。こうして、円環状のガスケットが完成する。
ガスケットの上記の製造方法において製造コストを削減するには、フィラーと金属薄帯との貼り合わせにおける接着剤の使用を避けることが望ましい。接着剤自体にコストがかかるのみならず、接着剤を乾燥させる工程に専用の設備と時間とが必要だからである。
フィラーに金属薄帯を貼り合わせる工程自体は不可欠である。この工程により、帯状のシール材が金型へ投入される際にフィラーから金属薄帯が剥がれにくいので、シール材を金型へ正確に投入することが容易となる。
接着剤を使わずに金属板を別の金属板に重ねて貼り合わせる方法については、たとえば特許文献3、4に開示された方法が知られている。特許文献3に開示された方法は、金属板の一方の突起を他方の孔へ挿入した後、その突起を押圧変形させて孔の周囲の傾斜部に押し込む。特許文献4に開示された方法は、3枚の金属板を重ねてプレスすることで、共通の塑性変形部であるカシメ部を形成する。いずれの方法も貼り合わせる対象が厚みのある塑性の高い金属板同士に限られるので、非金属であって塑性に欠けるフィラーを、厚みに上限のある金属薄帯に重ねて貼り合わせるのには適切ではない。
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、特に、接着剤を使うことなく、フィラーに金属薄帯を結合させることができるガスケットを提供することにある。
本発明の1つの観点によるガスケットは、シート状のフィラーと、それに重ね合わされた金属薄帯とを含む。フィラーに金属薄帯が重なった部分には穴が貫通している。その穴の縁の一部からバリがフィラーの表面に沿って伸びている。フィラーに金属薄帯が重なった部分に貫通している穴が複数であってもよい。いずれの穴からもバリが同じ方向へ伸びていてもよい。
本発明の別の観点による、シート状のフィラーに金属薄帯を結合させる方法は、フィラーに金属薄帯を重ね合わせる工程と、フィラーに金属薄帯が重なった部分に穴を開ける工程と、穴から突出しているバリを折り返してフィラーの表面に押し付ける工程とを備えている。穴を開ける工程ではフィラーと金属薄帯とが、非軸対称な先端面を含むパンチで打ち抜かれてもよい。
本発明による上記のガスケットでは、フィラーに金属薄帯が重なった部分を貫通する穴からバリがフィラーの表面に沿って伸びている。ここで、本願の明細書に記載されている「バリ」とは、フィラーに金属薄帯が重なった部分に穴が開けられた場合、その穴の中のフィラーと金属薄帯とがその穴の縁から突出した状態でその穴の縁に残ったものをいう。たとえばフィラーと金属薄帯との2層構造に穴が金属薄帯側から開けられた場合、その穴からはバリがフィラー側へ突出する。このバリがフィラーの表面に向かって折り返されると、バリの含む金属薄帯の塑性により、バリがフィラーの表面上に押し付けられた形で残る。こうして金属薄帯が穴を通して反対側へ伸びてフィラーの表面に引っ掛かるので、接着剤を使用しなくてもフィラーに金属薄帯を固定することができる。
好ましくは、バリが穴の縁の全体からではなく、一部から伸びている。この構造は、フィラーと金属薄帯とに穴を開ける際、たとえば、非軸対称な先端面を含むパンチでフィラーと金属薄帯とを打ち抜くことで形成される。バリを穴の縁の一部に残すことにより、穴が複数であっても、いずれの穴にも実質的に同形同サイズのバリを安定に残すことができる。さらに、これらのバリをローラーで連続して押しつぶすことも容易であるので、バリを折り返す作業が簡単化される。この簡単化の結果、いずれの穴からもバリが同じ方向へ伸びているという構造が得られる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[ガスケットの用途]
[ガスケットの用途]
本発明の実施形態によるガスケットは、たとえば自動車の排気系統においてシールに利用される。その他に、化学工場、発電所、製鉄所、半導体工場、医薬工場、食料工場等の配管設備において、水、水蒸気、油、薬品等の漏れを防ぐのに利用されてもよい。
図1の(a)は、自動車の排気系統が含むフランジ接続部の断面図であり、(b)は、そのフランジ接続部が含む本発明の実施形態によるガスケット25の平面図である。接続対象の配管21、22の開口部にはフランジ23、24が同軸に設けられ、それらが互いに向かい合った状態で、ボルト26とナット27とによって締結されている。フランジ23、24の内側では配管21、22の内部空間が連通しており、そこを通して自動車のエンジンから高温(摂氏800度程度)の排ガス13が排出される。フランジ23、24の間にはガスケット25が挟まれている。ガスケット25は、フランジの一方23の表面に刻まれた円環状の溝の中に埋め込まれており、フランジ23、24の接触面の隙間を塞いで、その隙間から排ガス13が漏れるのを防ぐ。
[ガスケットの構造]
[ガスケットの構造]
ガスケット25は、たとえば図1の(b)が示すような薄い円環状にシール材が成形されたものである。図2の(a)は、成形される前のシール材30の斜視図である。シール材30はたとえば帯状であり、図2の(a)が示すように渦巻状に巻かれてガスケット25に成形される。これによりガスケット25の内部では、シール材30が複数の層を成している(図示せず)。これらの層はガスケット25の径方向に並んでいる。
シール材30はたとえば2枚のフィラー31と1枚の金属薄帯32とを含む。フィラー31と金属薄帯32とはいずれもシート状であり、2枚のフィラー31の間に金属薄帯32が挟まれている。フィラー31と金属薄帯32とでは幅方向の中心が一致している。
フィラー31は、マイカ、膨張黒鉛等、耐熱性の高い非金属から成るシートであり、たとえば幅が15mm-35mm、厚さが0.10mm-0.30mmである。たとえば、2枚のフィラー31の一方が軟質マイカ(金雲母、KMg3(AlSi3)O10(OH)2)であり、他方が硬質マイカ(白雲母、KAl2(AlSi3)O10(OH)2)であるというように、2枚のフィラー31の間で材質が異なっていてもよい。
金属薄帯32は、ステンレス鋼、銅、アルミニウム等の金属から成る帯であり、フィラー31の強度を補ってガスケット25の形状を保持する。フィラー31と比べて金属薄帯32は幅と厚さとが小さく、たとえば幅が10mm-20mm、厚さが0.01mm-0.10mmである。フィラー31と金属薄帯32との間での寸法の違いは主に、フィラー31に対する金属薄帯32の質量比で決まり、その質量比は、ガスケット25に要求されるシール性で決まる。
シール材30のうち、フィラー31に金属薄帯32が重なった部分には複数の穴33が貫通している(図2の(a)が示す破線で囲まれた部分参照)。穴33は、それぞれの内径が約2mmであり、シール材30の長手方向に沿って百数十mm間隔で並んでいる。
図2の(b)は、シール材30の片面における穴33の形状を示す拡大平面図である。各穴33の縁は、たとえば2つの角が丸い長方形状であり、シール材30の幅方向(図2の(b)では上下方向)に対して平行な縦線部分34、シール材30の長さ方向(図2の(b)では左右方向)に対して平行で等長な2本の横線部分36、および横線部分36の端点間を繋ぐ半円形の曲線部分37から成る。なお、穴33の縁は、図2の(b)が示す形状には限られない。その曲線部分37が、半楕円形のように定曲率ではない形状であってもよい。また、穴33の縁は、半円形、半楕円形等、横線部分36を含まない形状であってもよい。
図2の(c)は、シール材30の反対側の面における穴33の形状を示す拡大平面図である。図2の(c)の斜線部が示すように、穴33の縁の縦線部分34からはバリ35がシール材30の表裏いずれかのフィラー31の表面に沿って伸びている。バリ35は、元々は穴33の中に詰まっていたシール材30の部分が、穴33から分離することなく、穴33の縁に残ったものであり、穴33と平面形状が実質的に等しい。バリ35はいずれの穴33においても、シール材30の長手方向に沿って同じ方向へ折り返されている。シール材30の本体と同様、バリ35にも金属薄帯32が含まれているので、金属薄帯32の塑性によってバリ35は、フィラー31の表面に折り返された状態を保っている。バリ35がシール材30の表裏のいずれに残されるかは穴33ごとに異なる。好ましくは、シール材30の長手方向に隣接する2つの穴33では、バリ35の残される側が反対である。これにより、金属薄帯32の両側にフィラー31がしっかりと固定される。
[ガスケットの製造方法]
[ガスケットの製造方法]
図3はガスケット25の製造方法のフロー図である。ガスケット25の製造方法は主に貼付工程と成形工程とから成り、必要に応じて焼成工程を更に含む。貼付工程では、2枚のフィラー31と1枚の金属薄帯32とが1本のシール材30に貼り合わされる。成形工程では、シール材30が帯状から円環状へと成形される。焼成工程では、円環状の成形品が電気炉で焼成される。
<貼付工程>
<貼付工程>
図3が示すように、貼付工程は次の3つの段階を含む。第1段階では、フィラー31と金属薄帯32とを重ね合わせて帯状にする。第2段階では、帯状のシール材に穴33を開ける。第3段階では、穴33から突出しているバリ35をローラーで折り返す。
図4は貼付工程のラインの模式図であり、上から順に貼付工程の3つの段階を表している。図4にはシール材30の縦断面(長手方向と厚さ方向との両方に対して平行な断面)が示されている。図4の上から下へとシール材30が進んでいくうちに、貼付工程の各段階の処理がシール材30に施される。
第1段階では、2枚のフィラー31の間に1枚の金属薄帯32が重ね合わされる。これにより、3層構造のシール材30が帯状に形作られる。特に、フィラー31と金属薄帯32とは共通の長手方向(図4では下方)へ送られながら重ね合わされ、形成されたシール材30も同じ方向へと送られる。
第2段階では、シール材30のうちフィラー31に金属薄帯32が重なった部分に、穴33が次のように開けられる。図4が示すように、帯状のシール材30が、まず第1パンチ41Aと第1土台42Aとの間を通過し、続いて第2パンチ41Bと第2土台42Bとの間を通過する。通過したシール材30の長さが所定値、たとえば百数十mmに達する度に、第1パンチ41Aと第2パンチ41Bとが交互にシール材30を貫いて、反対側に位置する土台42A、42Bの穴44へ進入する。これにより、シール材30には、長手方向に沿って百数十mm程度の間隔SPCで穴33が開く。第1パンチ41Aと第2パンチ41Bとは形状が同じであるが、シール材30に対する配置が反対である。第1パンチ41Aはシール材30にその片側(図4では右側)から穴33を開け、第2パンチ41Bは反対側(図4では左側)から穴33を開ける。これにより、シール材30の長手方向において隣接する2つの穴33では、それぞれからのバリ35の突出方向が反対である。
図5の(a)は、シール材30を貫く直前の第1パンチ41Aを示す縦断面図(軸方向に対して平行な断面を示す図)である。第1パンチ41Aは、たとえば鋼鉄製のピンであり、横断面(軸方向に対して垂直な断面)が円形である(図示せず)。第1パンチ41Aの先端は非軸対称に尖っており、特に先端面43が、軸方向(図5の(a)では上下方向)に対して傾斜した曲面である。軸方向に対する先端面43の傾斜角は、シール材30に最も近い先端面43の縁45(以下、突先と呼ぶ。)で最も小さく、シール材30から離れるにつれて増大し、シール材30から最も離れた先端面43の縁46(以下、基端と呼ぶ。)で最も大きい。先端面43の突先45はシール材30の移動方向(図5の(a)では右方向)に対して下流側に位置し、基端46は上流側に位置する。
図5の(b)は、シール材30に先端面43を接触させた第1パンチ41Aを示す縦断面図である。第1パンチ41Aは先端面43の突先45から順にシール材30を貫いて、第1土台42Aの穴44へ進入する。これにより、シール材30のうち第1土台42Aの穴44を塞いでいた部分35が先端面43に沿って屈曲する。このとき、第1パンチ41Aの先端面43が曲面であるので、先端面43に沿ったシール材30の部分35の屈曲がスムーズに進行する。
図5の(c)は、シール材30を貫通した第1パンチ41Aを示す縦断面図である。第1パンチ41Aが先端面43の全体を第1土台42Aの穴44の中へ進入させるので、シール材30には穴33が開く。このとき、第1土台42Aの穴44の縁のうち、シール材30の移動方向に対して上流側(図5の(c)では左側)に位置する部分47は、第1パンチ41Aの側面から所定間隔CLRだけ離れている。したがって、第1パンチ41Aの先端面43に沿って屈曲したシール材30の部分35は他の部分から分離されずに残る。こうして、シール材30にバリ35が形成される。特にバリ35はシール材30のいずれの穴33でも、その縁のうちシール材30の移動方向に対して上流側(図5の(c)では左側)に位置する部分、すなわち図2の(c)が示す縦線部分34から伸びている。
第3段階では、シール材30が1対のローラー48A、48Bの間を通過する(図4参照)。ローラー48A、48Bはいずれも同じサイズの円筒部材であり、中心軸が互いに平行であり、それぞれの側面がわずかな隙間を隔てて互いに対向している。その隙間にシール材30を挟んだ状態でローラー48A、48Bは、それぞれの中心軸のまわりを互いに反対方向へ回転する(図4が示す矢印参照)。これにより、シール材30が一方向に(図4では上から下へ)運ばれる。
ローラー48A、48Bの隙間をシール材30が通過すると、ローラーの一方48Aがシール材30の片側の表面を加圧し、他方48Bがシール材30の反対側の表面を加圧する。これにより、シール材30の穴33からシール材30の表側、または裏側へ突出したバリ35が折り返され、フィラー31の表面に押し付けられる。シール材30のいずれの穴33においても、バリ35はその穴33の縁の縦線部分34(図2の(c)参照。)、すなわちシール材30の移動方向(図4では下方)に対して上流側に位置する部分34に繋がっている。したがって、シール材30がローラー48A、48Bの間を一方向に(図4では上から下へ)通過するだけで、すべてのバリ35が連続して折り返される。バリ35は、それが含む金属薄帯32の塑性により、折り返された形でフィラー31の表面に固定される。すなわち、バリ35の中の金属薄帯32がシール材30の穴33を通して片側のフィラー31の外側へ伸びて、そのフィラー31の表面に引っ掛かる。シール材30の長手方向において隣接する2つの穴33ではバリ35の突出方向が反対であるので、金属薄帯32はシール材30の表裏いずれのフィラー31にも固定される。
<成形工程>
<成形工程>
図3が示すように、成形工程は次の2つの段階を含む。第1段階では、帯状のシール材30を渦巻状にして円環状の金型(図示せず。)の中へ投入する。金型の中ではたとえば長さ約900mmのシール材30が3重に巻かれる。したがって、金型の径方向には6つのフィラー31の層と3つの金属薄帯32の層とが並ぶ(図示せず)。第2段階では、金型内のシール材30を軸方向に圧縮する。これによりシール材30の内部では層間の境目が軸方向に対して複雑に屈曲するので、層同士がしっかりと結合する。さらに、金属薄帯32の塑性によってシール材30の円環形状が保持される。
金型の中では、貼付工程でシール材30に開けられた穴33がいずれも他の穴33と重なっていない。これは、シール材30の1周あたりの長さに対して穴33の間隔SPCが調節されていることによる。いずれの穴33も重なっていないので、これらの穴33によって、円環状に巻かれたシール材30の強度が実質的に低下することはない。
成形工程の第1段階では、シール材30の各穴33から伸びているバリ35が金属薄帯32をいずれのフィラー31にもしっかりと固定している。したがって、シール材30が金型の中へ投入される過程で大きく屈曲しても、フィラー31が金属薄帯32から剥がれにくい。その結果、シール材30を金型の中へ、手早く正確に投入することができる。
<焼成工程>
<焼成工程>
図3が示すように、焼成工程は次の2つの段階を含む。第1段階では、円環状に成形されたシール材30を電気炉で加熱する。第2段階では、加熱された高温の成形品をたとえば室温の環境に置いて自然冷却させる。これによりシール材30の内部ではフィラー31が焼成し、たとえばシール材30が円環状を保持する機能が向上する。こうしてガスケット25が完成する。
[実施形態の利点]
[実施形態の利点]
本発明の上記の実施形態によるガスケット25は、帯状のシール材30を円環状に成形したものである。シール材30は、2枚のフィラー31の間に1枚の金属薄帯32を重ね合せたものである。フィラー31に金属薄帯32が重なった部分には穴33が貫通しており、その穴33からバリ35がフィラー31の表面に沿って伸びている。バリ35は、たとえばローラー48A、48Bでフィラー31の表面に向かって折り返され、その表面上に押し付けられている。その結果、バリ35の中に含まれる金属薄帯32がシール材30の穴33を通して、シール材30の片側に位置するフィラー31の表面に引っ掛かる。こうして、接着剤を使用しなくてもフィラー31に金属薄帯32を固定することができる。
バリ35はシール材30の穴33の縁の全体ではなく、一部34から伸びている。この構造は、パンチ41A、41Bの先端面43が非軸対称であることによって形成される。バリ35を穴33の縁の一部34に残すことにより、穴33が複数であっても、いずれの穴33にも実質的に同形同サイズのバリ35を安定に残すことができる。さらに、これらのバリ35をローラー48A、48Bで連続して押しつぶすことも容易であるので、バリ35を折り返す作業が簡単化される。この簡単化の結果、いずれの穴33からもバリ35が同じ方向へ伸びているという構造が得られる。
[変形例]
[変形例]
(1)本発明の上記の実施形態ではフィラー31がマイカ、膨張黒鉛等、耐熱性の高い非金属である。フィラー31にはその他に、漏れを防ぐべき流体の特性に応じてその流体に対するシール性の高い物質、たとえば、セピオライト、タルク、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂が採用可能である。
(2)本発明の上記の実施形態ではシール材30が、2枚のフィラー31の間に1枚の金属薄帯32を含む3層構造である。シール材はその他に、1枚のフィラーと1枚の金属薄帯とを重ね合わせた2層構造であってもよい。この場合、シール材には金属薄帯の側から穴が開けられ、バリがフィラー側に突出する。
(3)本発明の上記の実施形態ではパンチ41A、41Bの先端面43が曲面である。その他に、パンチ41A、41Bの先端面が、軸方向に対して傾斜した平面であってもよい。この場合でも、シール材30が十分に薄ければ、シール材30に穴33をスムーズに開けることができる。
25 ガスケット
30 シール材
31 フィラー
32 金属薄帯
33 シール材の穴
34 シール材の穴の縁の直線部分
35 バリ
41A 第1パンチ
41B 第2パンチ
42A 第1土台
42B 第2土台
43 パンチの先端面
44 土台の穴
45 パンチの先端面の突先
46 パンチの先端面の基端
48A、48B ローラー
30 シール材
31 フィラー
32 金属薄帯
33 シール材の穴
34 シール材の穴の縁の直線部分
35 バリ
41A 第1パンチ
41B 第2パンチ
42A 第1土台
42B 第2土台
43 パンチの先端面
44 土台の穴
45 パンチの先端面の突先
46 パンチの先端面の基端
48A、48B ローラー
Claims (4)
- シート状のフィラーと、
前記フィラーに重ね合わされた金属薄帯と
を含むガスケットであって、
前記フィラーに前記金属薄帯が重なった部分には穴が貫通しており、
前記穴の縁の一部からバリが前記フィラーの表面に沿って伸びている
ことを特徴とするガスケット。 - 前記フィラーに前記金属薄帯が重なった部分に貫通している穴が複数であり、
いずれの穴からもバリが同じ方向へ伸びている
ことを特徴とする請求項1に記載のガスケット。 - シート状のフィラーに金属薄帯を結合させる方法であって、
前記フィラーに前記金属薄帯を重ね合わせる段階と
前記フィラーに前記金属薄帯が重なった部分に穴を開ける段階と、
前記穴から突出しているバリを折り返して前記フィラーの表面に押し付ける段階と
を備えた、フィラーと金属薄帯との間の結合方法。 - 前記穴を開ける段階では、前記フィラーと前記金属薄帯とが、非軸対称な先端面を含むパンチで打ち抜かれることを特徴とする、請求項3に記載のフィラーと金属薄帯との間の結合方法。
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