JP2022052003A - 解析装置、解析方法および解析プログラム - Google Patents

解析装置、解析方法および解析プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】シートの各箇所において、複数の工程の製造履歴データを正確に関連付けたデータを取得することができる解析装置を提供する。【解決手段】解析装置100は、画像データ取得部101と、履歴データ取得部102と、画像照合部103と、位置特定部104を備える構成とする。画像データ取得部101は、シートを製造する際の複数の工程において、シートの長辺方向の複数箇所において撮影された表面紋様の画像データを取得する。履歴データ取得部102は、複数の工程において、表面紋様の画像データが取得された箇所における製造履歴データを取得する。画像照合部103は、異なる工程間における表面紋様の画像データを照合し、互いに一致する画像データを特定する。位置特定部104は、表面紋様の画像データの照合結果を基に、複数の工程間において、シート上の長辺方向における位置が同一の製造履歴データを関連付ける。【選択図】 図10

Description

本発明は、製造履歴の解析に関するものであり、特に、シート製品の製造履歴の解析に関するものである。
シート製品は、加工を施す際にロールからシートを引き出し、シートが通過する各装置において表面加工および熱処理等を施して、再度、ロールとして保管する工程を繰り返すことで製造される。そのような方法で、複数の製造工程を経て製造されるシート製品では、製品の異常が発生した際に、異常が発生した箇所の製造条件の履歴を調べることが困難であることが多い。そのため、複数の工程で取得されたデータを比較する技術の検討が行われている。そのような、複数の工程で取得されたデータを比較する技術としては、例えば、特許文献1および特許文献2のような技術が開示されている。
特許文献1の異物検査方法は、シート製品において、複数の検査工程で検出された異物が同一のものであるかを判断する方法に関するものである。特許文献1の異物検査方法では、各検査工程で検出された異物をシートの長辺方向の座標を基にマップに表示し、異物が存在する領域が重なるかで同じ異物であるかを判断している。また、特許文献2のシート製品の品質監視システムは、巻き出し長から算出した不良の位置と、製造装置の運転状態のデータを関連付けて管理している。
特開2019-191127号公報 特開2010-70386号公報
しかしながら、特許文献1の技術は次のような点で十分ではない。特許文献1の技術は、各検査工程で検出された異物が同一のものであるかを判断しているが、異物が検出された位置の製造条件の履歴データは、作業者がそれぞれの工程について検索して照合する必要があり、複雑で膨大な作業が必要となり得る。また、特許文献2の技術においては、シートの巻き出し長から不良の位置を特定しているが、複数の工程間の履歴データを比較する際に、履歴データをシートの各位置に自動で関連付けることはできない。よって、作業者が、複数の工程の履歴データをシートの各位置に対応させる必要があり、作業量が膨大になるとともに正確性が低下し得る。そのため、特許文献1および特許文献2の技術は、異常が発生した際に、シートの各箇所における各工程の製造条件の履歴データを調べる技術としては十分ではない。
本発明は、上記の課題を解決するため、シートの各箇所において、複数の工程の履歴データを正確に関連付けることができる解析装置等を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明の解析装置は、画像データ取得部と、履歴データ取得部と、画像照合部と、位置特定部を備えている。画像データ取得部は、シートを製造する際の複数の工程において、シートの長辺方向の複数箇所において撮影された表面紋様の画像データを取得する。履歴データ取得部は、複数の工程において、表面紋様の画像データが取得された箇所における製造履歴データを取得する。画像照合部は、異なる工程間における表面紋様の画像データを照合し、互いに一致する画像データを特定する。位置特定部は、表面紋様の画像データの照合結果を基に、複数の工程間において、シート上の長辺方向における位置が同一の製造履歴データを関連付ける。
本発明の解析方法は、シートを製造する際の複数の工程において、シートの長辺方向の複数箇所において撮影された表面紋様の画像データを取得する。本発明の解析方法は、複数の工程において、表面紋様の画像データが取得された箇所における製造履歴データを取得する。本発明の解析方法は、異なる工程間における表面紋様の画像データを照合し、互いに一致する画像データを特定する。本発明の解析方法は、表面紋様の画像データの照合結果を基に、複数の工程間において、シート上の長辺方向における位置が同一の製造履歴データを関連付ける。
本発明のプログラムは、シートを製造する際の複数の工程において、シートの長辺方向の複数箇所において撮影された表面紋様の画像データを取得する処理をコンピュータに実行させる。本発明のプログラムは、複数の工程において、表面紋様の画像データが取得された箇所における製造履歴データを取得する処理をコンピュータに実行させる。本発明のプログラムは、異なる工程間における表面紋様の画像データを照合し、互いに一致する画像データを特定する処理をコンピュータに実行させる。本発明のプログラムは、表面紋様の画像データの照合結果を基に、複数の工程間において、シート上の長辺方向における位置が同一の製造履歴データを関連付ける処理をコンピュータに実行させる。
本発明によると、シートの各箇所において、複数の工程の履歴データを正確に関連付けることができる。
本発明の第1の実施形態の構成の概要を示す図である。 本発明の第1の実施形態の解析装置の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態のシートに対する撮影装置の位置の例を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施形態のシートに対する撮影装置の位置の例を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施形態の解析装置の動作フローを示す図である。 本発明の第1の実施形態の照合動作の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態のデータ処理の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の表示画面の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態の照合動作の一例を示す図である。 本発明の第2の実施形態の解析装置の構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態の解析装置の動作フローを示す図である。 本発明の他の構成の例を示す図である。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態の品質管理システムの構成の概要を示す図である。本実施形態の品質管理システムは、解析装置10と、撮影装置20を備えている。
本実施形態の品質管理システムは、シートの製造工程における各履歴データおよび検査データを解析装置10が収集し、解析装置10がシートに対応するマップ上の長辺方向の各位置に各製造工程の履歴データおよび検査結果を重ねて表示する機能を有する。また、本実施形態の品質管理システムは、長辺方向の位置が同一の履歴データを関連付ける際に、撮影装置20が各工程において撮影したシートの表面紋様の画像データを照合し、表面紋様が一致したデータを同一位置のデータであると判断することを特徴とする。また、シートとは、長辺方向が短辺方向に比べて長く、厚みが薄い製品のことをいう。また、シートは、フィルムとも呼ばれる。
シートの表面紋様とは、シートの形成過程で自然発生的に生じる個体固有の表面紋様のことをいう。表面紋様は、例えば、物体表面の細かな溝、凸凹などである。表面紋様には、きずおよび欠点等の製造工程の要因で発生するものも含まれる。表面紋様は、同一の種類の物体であっても個体ごとに異なる。表面紋様は、人の指の指紋のように物体に固有なので、物体指紋とも呼ばれる。
解析装置10は、シートの製造工程における各装置、検査装置および撮影装置20とネットワークを介して接続されている。図1では、解析装置10が塗工装置、乾燥装置および検査装置と接続されている例を示している。図1では、塗工装置1台、乾燥装置1台および検査装置1台が設置されている例を示しているが、装置の種類および台数は、図1に示した装置の種類および台数には限られない。また、図1では、ロールから引き出したシートをロールに巻き取る間に各工程において処理および検査が行われる例を示しているが、製品の製造工程においてロールからの引き出しおよび巻き取りは複数回、行われてもよい。また、撮影装置20は、シートの製造工程の各装置および検査装置にそれぞれ備えられている。
解析装置10の構成について説明する。図2は、本実施形態の解析装置10の構成を示す図である。解析装置10は、画像データ取得部11と、履歴データ取得部12と、データ制御部13と、画像照合部14と、位置特定部15と、入力受付部16と、マップ表示部17と、記憶部18を備えている。
画像データ取得部11は、撮影装置20からシートの表面紋様の画像データを取得する。画像データ取得部11は、各装置および検査装置にそれぞれ備えられている撮影装置20からシートの表面紋様の画像データを取得する。
履歴データ取得部12は、シートの製造時の各装置における製造条件の履歴データおよび検査データを取得する。履歴データ取得部12は、製造条件の履歴データとしてシートの製造に関するデータを取得する。以下では、製造条件の履歴データのことを製造履歴データともいう。履歴データ取得部12は、シートの製造に関するデータとして、材料、作業者、測定および検査、設備、作業方法、並びに環境のデータを取得する。
材料のデータとしては、例えば、材料の品番、ロット番号、使用量、副資材の品番、副資材のロット番号および副資材の使用量のデータが取得される。また、材料のデータには、各ロットの製造工程への供給開始時刻および供給終了時刻の情報が含まれていてもよい。また、材料のデータには、製品および中間製品の品質データが含まれていてもよい。品質データは、例えば、長さ、異物の発生状態、しわの発生状態、傷の発生状態、膜厚および保管期間のデータが取得される。発生状態とは、例えば、形状、位置および数のことをいう。
作業者のデータとしては、作業を行った作業者のID、作業内容、作業の着手時間および作業の完了時間のデータが取得される。作業者のデータとしては、点検記録、修繕内容および段取り記録のデータが取得されてもよい。段取り記録とは、例えば、治具の付け替え、装置の試運転および清掃作業の記録のことをいう。
測定および検査データとしては、例えば、製品の品番、ロット番号、測定器の識別番号および検査機の識別番号のデータが取得される。測定および検査データとして、製品の品質データが取得される。製品の品質データとしては、例えば、製品の膜厚、表面温度、欠陥、MI(Melt Index)値およびEW(Equivalent Weight)値のデータが取得される。欠陥としては、例えば、製品の異物、しわ、および傷に関するデータが取得される。
設備のデータとしては、例えば、製造に使用した設備の設備名、号機番号、運転開始時刻、運転停止時刻、設備停止時間および停止理由のデータが取得される。また、設備のデータとして、設備の設定パラメータのデータが取得される。設備パラメータとしては、例えば、加熱温度、加熱時間、昇温レート、送り速度、巻き取り速度、圧力、張力、塗工量、イオン濃度、回転数および押し出し量のデータが取得される。
作業方法のデータとしては、例えば、基本QC(Quality Control)工程表の項目、工程番号、工程名、手順番号、手順名、加工条件、工法、設備の設定値、測定器の設定値、検査装置の設定値、設備管理方法、標準作業方法および標準作業時間のデータが取得される。
環境のデータとしては、例えば、建屋内部の温度、湿度、気圧およびパーティクル量のデータが取得される。また、上記に列挙したシートの製造に関するデータは、一例であり、全ての項目のデータが取得されなくてもよく、また、上記以外の項目のデータが取得されもよい。
データ制御部13は、各装置および検査装置それぞれについてのシートの表面紋様の画像データと、履歴データを関連付けて記憶部18に保存する。データ制御部13は、表面紋様の画像データが取得された位置における履歴データが関連付けられるように、表面紋様の画像データと履歴データを関連付けて記憶部18に保存する。また、表面紋様の画像データは、履歴データに含まれるすべてのデータに関連付けられていなくてもよい。
データ制御部13は、例えば、表面紋様の画像データに付加された撮影日時と、履歴データに付加されたデータの取得日時の情報を基に、表面紋様の画像データと履歴データを関連付ける。データ制御部13は、画像データ取得部11と履歴データ取得部12が取得したタイミングが同一の表面紋様の画像データと履歴データを関連付けてもよい。また、シートの表面紋様の画像データと、履歴データを関連付ける処理は、各装置および検査装置において行われてもよい。
画像照合部14は、複数の工程間、すなわち、異なる装置および検査装置間のシートの表面紋様の画像データを照合し、表面紋様が一致するかを判断する。画像照合部14は、樹脂材料からシートを成形する際に形成され、一度、形成されると変化が生じにくい表面紋様をシートの各箇所固有の表面紋様として照合に用いることで、加工が施された後でも複数の工程間において画像データの一致の有無を照合することができる。画像照合部14は、シートの表面紋様の特徴が特徴ベクトルで表される場合、コサイン類似度を算出し、類似度があらかじめ設定された基準以上であったときに、表面紋様が一致していると判断する。特徴ベクトルは、例えば、表面紋様の複数の特徴点の位置や特徴量を示す多次元データである。特徴量は、例えば、画像の濃度勾配などである。
画像照合部14は、表面状態が大きく変わる工程がある場合には、表面状態が大きく変わる前後で、工程をグループに分け、同じグループ内で表面紋様の画像データの照合を行ってもよい。そのような場合には、例えば、表面状態が大きく変わる工程の前後の画像データをシートの長辺方向の位置の計測データと関連付けることで、全ての工程のシートの長辺方向の位置を関連付けることが可能になる。
画像照合部14は、表面紋様を照合する際に、一致の有無を判断する領域よりも広い領域を撮影した画像データを用いて照合を行ってもよい。画像データの一部の領域における類似度で判断することで、シートの長辺方向および短辺方向における物体指紋の画像データの撮影位置にマージンを持たせることができる。また、画像照合部14は、連続的に撮影された画像データを基準となる工程の物体指紋の画像データと照合することで、物体指紋の一致の有無を判断してもよい。
位置特定部15は、製造工程の履歴データを、画像照合部14の照合結果を基に、シートの長辺方向の対応する位置に関連付ける。位置データは、シートの先頭側の端から長辺方向の距離で示される。シートの先頭側の端とは、ロールから引き出されて最初に装置に入る側の端のことをいう。シートの長辺方向は、シートの搬送方向に対応する。位置特定部15は、シートの長辺方向の実際の位置の情報を、例えば、最初の工程において記録された表面紋様のシートの長辺方向における撮影位置および撮影間隔の情報を基に算出する。表面紋様の位置特定部15は、シートの搬送開始時刻と、搬送速度を基に時系列データの時刻をシートの長辺方向の位置に関連付ける。
また、位置特定部15は、表面紋様の画像データが関連付けられているデータの間の時系列の履歴データをシートの長辺方向の位置に対応する位置データに変換し、履歴データをシート上の対応する位置に関連付ける。表面紋様の画像データが関連付けられているデータの間の時刻の時系列の履歴データを、シート上の長辺方向の位置に対応する位置データに変換することで、時系列の履歴データがシートのどの位置の製造履歴に対応するのかをより細かく可視化することができる。
入力受付部16は、作業者によるデータ項目の選択結果の入力を受け付ける。入力受付部16は、作業者が表示するデータ項目を選択した際に入力装置から選択結果を取得する。選択結果は、例えば、画面に表示されたデータ項目をマウスでクリックして選択することで入力される。選択結果は、タッチパネルを備える表示装置に表示されたデータ項目を作業者がタッチすることで入力されてもよい。また、入力受付部16は、作業者の音声を認識することでデータ項目の選択結果の入力を受け付けてもよい。音声認識で入力を受け付ける場合には、入力受付部16は、作業者の音声を取得するマイクと接続されている。
マップ表示部17は、シート製造時の製造工程の各履歴データと、検査データを重ね合わせたデータを生成する。マップ表示部17は、各データをシートの長辺方向の位置で関連付けたデータを生成し、マップデータを生成する。また、マップ表示部17は、生成したマップデータに基づいたマップを表示装置に出力する。マップ表示部17は、表示するデータ項目を選択する際に用いる表示データをマップとともに表示装置に出力する。
記憶部18は、シートの表面紋様の画像データ、各装置における製造条件の履歴データおよび検査データを記憶する。
撮影装置20は、シートの表面紋様を撮影する。撮影装置20は、カメラと、解析装置10と通信を行う通信モジュールを備えている。カメラは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサを撮像素子によって構成されている。撮影装置20は、各装置および検査装置に備えられている。撮影装置20は、シートの短辺方向の端からあらかじめ設定された距離における表面紋様を撮影できるように設置されている。撮影装置20は、撮影した物体指紋の画像データを解析装置10に送る。図3および図4は、撮影装置20の設置状態を模式的に示す図である。図3は、シートの平面に対して水平な方向から見た図である。図3の右方向にシートが搬送される際に、撮影装置20がシートの表面を撮影し、表面紋様の画像データを生成する。また、図4は、シートの上側から見た平面図である。図4に示すように、シートの短辺方向の端からあらかじめ設定された距離に設置されている撮影装置20が設置されている。また、図3および図4の例では、撮影装置20を1台のみ図示しているが、撮影装置20は、短辺方向と長辺方向の両方または一方に複数、備えられていてもよい。
本実施形態の品質管理システムの動作について説明する。図5は、解析装置10の動作フローを示す図である。
シートの製造時、製造工程の各装置および検査装置は、履歴データおよび検査データをそれぞれ解析装置10に送信する。また、シートが各装置で処理されるとき、または、検査装置における検査時に、各装置に備えられた撮影装置20は、シートの表面紋様の画像データを撮影する。撮影装置20は、例えば、シートの先頭側の端から所定の間隔ごとに撮影する。撮影装置20は、撮影した表面紋様の画像データを解析装置10に送信する。
画像データ取得部11は、各工程の装置および検査装置からシートの表面紋様の画像データを取得する(ステップS11)。また、履歴データ取得部12は、各工程の装置から履歴データを取得し、各検査工程の検査装置から検査データを取得する(ステップS12)。
履歴データおよび表面紋様の画像データが取得されると、データ制御部13は、履歴データと画像データを関連付けて装置ごとのデータとして記憶部18に保存する。データ制御部13は、例えば、履歴データと画像データに付加された日時の情報を基に、履歴データと画像データを関連付ける。履歴データのみが入力されたとき、データ制御部13は、入力された順番の情報を付加して記憶部18に保存する。入力された順番は、データの保存順で識別されてもよい。データ制御部13は、各装置からそれぞれ送られてくる履歴データについて、履歴データと画像データを関連付けて保存する。データ制御部13は、検査データについても同様に、画像データと関連付けて記憶部18に保存する。
複数の工程についての履歴データおよび検査データと表面紋様の画像データが保存されると、画像照合部14は、記憶部18に保存された各履歴データと検査データに関連付けられた物体紋様の画像データを照合する(ステップS13)。画像照合部14は、画像データから特徴点および特徴量を抽出し、特徴点および特徴量の類似度を基にシートの同一箇所で撮影された画像であるかを判断する。画像照合部14は、類似度があらかじめ設定された基準以上の画像どうしを同一箇所の画像と特定する(ステップS14)。
画像照合部14は、画像の照合を行う際に画像の拡大および縮小を行って一致するかを判断する。画像照合部14は、画像を比較する際に一方の画像の長辺方向および短辺方向の両方と、長辺方向のみと、短辺方向のみについてそれぞれ拡大および縮小を行って特徴点の位置が一致するかを判断する。
画像の一致の有無を判断すると、位置特定部15は、画像が一致する履歴データおよび検査データを感づける。また、位置特定部15は、各履歴データおよび検査データの取得された順番を基に、画像データが関連付けられていないデータのシートの長辺方向の位置をそれぞれ特定する。
位置特定部15が各データをシートの長辺方向の位置に関連付けたデータに変換すると、マップ表示部17は、シートの長辺方向の位置に関連付けた各データをマップ上に表示するマップデータを生成する(ステップS15)。マップデータが生成されると、マップ表示部17は、マップデータを表示装置に表示する(ステップS16)。
図7は、解析装置10におけるデータ処理の一例を模式的に示した図である。図7の左側の上段は、製造装置における温度の履歴データの例を示している。図7の左側の上段の履歴データでは、温度と表面紋様のデータが関連付けられている。また、図7の左側の下段のデータは、検査データの例を示しており、シートの一部にしわが発生している例を示している。シートの下側の数値は、シートの先頭側の端からの距離をミリメートル単位で示したものである。また、図7の左側の下段のデータにおいても、検査データと、表面紋様の画像データが関連付けられている。このとき、画像Bと画像Eが一致したとすると、位置特定部15は、画像Bと画像Eに対応する温度データと検査データをシートの長辺方向の同じ位置のデータとして関連付ける。位置特定部15は、画像Bに対応する温度データ以外の画像データと関連付けられている温度データについても照合結果を基に、シートの長辺方向の同じ位置のデータと関連付ける。また、位置特定部15は、表面紋様の画像データが関連付けられていない温度データについても、温度データの取得間隔と画像の取得間隔を基に、シートの長辺方向の各位置に関連付ける。
マップ表示部17は、温度としわを長辺方向の位置によって関連付けたデータを生成し、図7の右側に示すようなマップデータを生成する。図7の右側のマップデータは、シートの長辺方向における温度の変化としわが重ねられたマップとして生成されている。図7の右側のシートの下側の数値は、シートの先頭側の端からの距離を示している。図7の右側は、シートの先頭側の端から600ミリメートルを超えた付近までを示している。また、図7の右側の図では、点の密度で図7の右の上段に示すヒーターで処理をした際の温度の高低を示している。例えば、点の密度が高い400ミリメートル付近は、ヒーターによる処理を行った際に他の領域より温度高いことを示している。図7の右側のようなマップを参照することで、作業者は、シートの先頭側の端から400ミリメートル付近において、しわが発生し、温度が他の領域よりも高いことを認識することができる。しわの発生箇所の付近で温度が高いマップを参照することで、作業者は、温度変化がしわの発生要因であると推定することができる。
図8は、マップ表示されている検査結果に、温度データの長辺方向の位置が関連付けられてグラフとして表示されている表示画面の例を示している。図8のマップの下側の数値は、シートの先頭側の端からの距離を示している。また、図8の下側のグラフは、工程Aの温度データをマップの各位置に関連付けたグラフであり、縦軸方向が温度の高低を示している。図8の例では、図7と同様のデータを基に、温度データを検査結果と長辺方向の位置を関連付けて表示することで、作業者は、しわの発生した位置での温度変化をグラフの変化によってより容易に認識することができる。
また、図9は、シートの長辺方向の伸び縮みの例を模式的に示した図である。シートは、熱および張力によって工程によって伸び縮みすることがある。例えば、2点間の距離が工程Aでは距離X、工程Bでは距離Yのように工程によって変動する。そのため、例えば、特徴点間の距離の変化した際の拡大率または縮小率を基に長辺方向の位置を補正して関連付けることで、履歴データをより正確な位置に関連付けることができる。
本実施形態の品質管理システムは、解析装置10がシートの製造装置の履歴データおよび検査データと、表面紋様の画像データを、各データが取得されたシートの長辺方向の位置と表面紋様が撮影された位置とが対応するように取得している。解析装置10は、複数の工程間の表面紋様の画像データを照合し、表面紋様が一致する履歴データをシートの長辺方向の位置が同一の履歴データとして互いに関連付けている。そのため、本実施形態の品質管理システムを用いることで、シートの各箇所において、複数の工程の履歴データを正確に関連付けることができる。また、本実施形態の品質管理システムでは、位置が同一の履歴データおよび検査データを関連付けて表示することで、製造したシートに異常が生じた際などに、要因を特定することが容易になる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について図を参照して詳細に説明する。図10は、本実施形態の解析装置100の構成の概要を示す図である。本実施形態の解析装置100は、画像データ取得部101と、履歴データ取得部102と、画像照合部103と、位置特定部104を備えている。画像データ取得部101は、シートを製造する際の複数の工程において、シートの長辺方向の複数箇所において撮影された表面紋様の画像データを取得する。履歴データ取得部102は、複数の工程において、表面紋様の画像データが取得された箇所における製造履歴データを取得する。具体的には、履歴データ取得部102は、例えば、シートを製造する際の各装置の履歴データおよび検査データを取得する。画像照合部103は、異なる工程間における表面紋様の画像データを照合し、互いに一致する画像データを特定する。位置特定部104は、表面紋様の画像データの照合結果を基に、複数の工程間において、シート上の長辺方向における位置が同一の製造履歴データを関連付ける。
ここで、第1の実施形態の画像データ取得部11は、画像データ取得部101の一例である。また、画像データ取得部101は、画像データ取得手段の一態様である。第1の実施形態の履歴データ取得部12は、本実施形態の履歴データ取得部102の一例である。また、履歴データ取得部102は、履歴データ取得手段の一態様である。第1の実施形態の画像照合部14は、本実施形態の画像照合部103の一例である。また、画像照合部103は、画像照合手段の一態様である。第1の実施形態の位置特定部15は、位置特定部104の一例である。また、位置特定部104は、位置特定手段の一態様である。
本実施形態の解析装置100の動作について説明する。図11は、本実施形態の解析装置100の動作フローを示す図である。解析装置100の画像データ取得部101は、シートを製造する際の複数の工程において、シートの長辺方向の複数箇所において撮影された表面紋様の画像データを取得する(ステップS21)。また、履歴データ取得部102は、複数の工程において、表面紋様の画像データが取得された箇所における製造履歴データを取得する(ステップS22)。表面紋様の画像データおよび製造履歴データを取得すると、画像照合部103は、異なる工程間における表面紋様の画像データを照合し、互いに一致する画像データを特定する(ステップS23)。位置特定部104は、表面紋様の画像データの照合結果を基に、複数の工程間において、シート上の長辺方向における位置が同一の製造履歴データを関連付ける(ステップS24)。
本実施形態の解析装置は、複数の工程の履歴データについて、物体指紋の照合結果を基にシートの長辺方向の位置が同一の製造履歴データを関連付けている。そのため、本実施形態の解析装置100を用いることで、シートの各箇所において、複数の工程の製造履歴データを正確に関連付けたデータを取得することができる。
第1の実施形態の解析装置10および第2の実施形態の解析装置100における各処理は、コンピュータプログラムをコンピュータで実行することによって行うことができる。図12は、第1の実施形態の解析装置10および第2の実施形態の解析装置100における各処理を行うコンピュータプログラムを実行するコンピュータ200の構成の例を示したものである。コンピュータ200は、CPU(Central Processing Unit)201と、メモリ202と、記憶装置203と、入出力I/F(Interface)204と、通信I/F205を備えている。
CPU201は、記憶装置203から各処理を行うコンピュータプログラムを読み出して実行する。メモリ202は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等によって構成され、CPU201が実行するコンピュータプログラムや処理中のデータが一時記憶される。記憶装置203は、CPU201が実行するコンピュータプログラムを記憶している。記憶装置203は、例えば、不揮発性の半導体記憶装置によって構成されている。記憶装置203には、ハードディスクドライブ等の他の記憶装置が用いられてもよい。入出力I/F204は、作業者からの入力の受付および表示データ等の出力を行うインタフェースである。通信I/F205は、撮影装置20、各装置および作業者の端末等との間でデータの送受信を行うインタフェースである。
また、各処理の実行に用いられるコンピュータプログラムは、記録媒体に格納して頒布することもできる。記録媒体としては、例えば、データ記録用磁気テープや、ハードディスクなどの磁気ディスクを用いることができる。また、記録媒体としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の光ディスクを用いることもできる。不揮発性の半導体記憶装置を記録媒体として用いてもよい。
10 解析装置
11 画像データ取得部
12 履歴データ取得部
13 データ制御部
14 画像照合部
15 位置特定部
16 入力受付部
17 マップ表示部
18 記憶部
20 撮影装置
100 解析装置
101 画像データ取得部
102 履歴データ取得部
103 画像照合部
104 位置特定部
200 コンピュータ
201 CPU
202 メモリ
203 記憶装置
204 入出力I/F
205 通信I/F

Claims (10)

  1. シートを製造する際の複数の工程において、前記シートの長辺方向の複数箇所において撮影された表面紋様の画像データを取得する画像データ取得手段と、
    前記複数の工程において、前記表面紋様の画像データが取得された箇所における製造履歴データを取得する履歴データ取得手段と、
    異なる工程間における前記表面紋様の画像データを照合し、互いに一致する画像データを特定する画像照合手段と、
    前記表面紋様の画像データの照合結果を基に、前記複数の工程間において、前記シート上の長辺方向における位置が同一の製造履歴データを関連付ける位置特定手段と
    を備える解析装置。
  2. 前記画像照合手段は、前記表面紋様の画像データを照合する際に、少なくとも1つの工程の前記表面紋様の画像データについて、前記長辺方向と短辺方向とのうち少なくとも一方を拡大または縮小して他の工程の前記表面紋様の画像データと照合する請求項1に記載の解析装置。
  3. 前記位置特定手段は、前記表面紋様の画像データの拡大率または縮小率に基づいて、前記長辺方向において前記製造履歴データを関連付ける位置を補正する請求項2に記載の解析装置。
  4. 前記シートを示すマップ上の対応する位置に、前記長辺方向の位置が同一の製造履歴データを互いに関連付けて表示するマップ表示手段をさらに備える請求項1から3いずれかに記載の解析装置。
  5. 前記履歴データ取得手段は、前記シートの検査データをさらに取得し、
    前記マップ表示手段は、前記検査データが取得された位置に対応する前記マップ上の位置に前記検査データを重ねて表示する請求項4に記載の解析装置。
  6. 前記位置特定手段は、時系列の前記製造履歴データを前記シートの長辺方向の位置データに変換し、前記長辺方向の位置が同一の履歴データと関連付ける請求項1から5いずれかに記載の解析装置。
  7. シートを製造する際の複数の工程において、前記シートの長辺方向の複数箇所において撮影された表面紋様の画像データを取得し、
    前記複数の工程において、前記表面紋様の画像データが取得された箇所における製造履歴データを取得し、
    異なる工程間における前記表面紋様の画像データを照合し、互いに一致する画像データを特定し、
    前記表面紋様の画像データの照合結果を基に、前記複数の工程間において、前記シート上の長辺方向における位置が同一の製造履歴データを関連付ける解析方法。
  8. 前記表面紋様の画像データを照合する際に、少なくとも1つの工程の前記表面紋様の画像データについて、前記長辺方向と短辺方向とのうち少なくとも一方を拡大または縮小して他の工程の前記表面紋様の画像データと照合する請求項7に記載の解析方法。
  9. 前記表面紋様の画像データの拡大率または縮小率に基づいて、前記長辺方向において前記製造履歴データを関連付ける位置を補正する請求項8に記載の解析方法。
  10. シートを製造する際の複数の工程において、前記シートの長辺方向の複数箇所において撮影された表面紋様の画像データを取得する処理と、
    前記複数の工程において、前記表面紋様の画像データが取得された箇所における製造履歴データを取得する処理と、
    異なる工程間における前記表面紋様の画像データを照合し、互いに一致する画像データを特定する処理と、
    前記表面紋様の画像データの照合結果を基に、前記複数の工程間において、前記シート上の長辺方向における位置が同一の製造履歴データを関連付ける処理と
    をコンピュータに実行させる解析プログラム。
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