JP2022051175A - チューナおよびインピーダンス整合方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】部材の機械的消耗が生じ難くかつインピーダンス整合速度が速いチューナおよびインピーダンス整合方法を提供する。【解決手段】電源部からの電磁波を負荷に供給する電磁波伝送路の一部を構成し、電源側のインピーダンスと負荷側のインピーダンスとを整合させるチューナ60は、筒状をなす内側導体53、および、内側導体53の外側に同軸状に設けられた筒状をなす外側導体52を有する同軸線路51と、同軸線路51の内側導体53と外側導体52の間の空間に設けられ、環状をなし、誘電率が変化可能な第1の誘電率変化材71と、同軸線路の線路長方向に第1の誘電率変化材から間隔をおいて設けられるとともに、同軸線路の内側導体と外側導体の間の空間に設けられ、環状をなし、誘電率が変化可能な第2の誘電率変化材72と、第1の誘電率変化材に給電するための第1の給電部73と、第2の誘電率変化材に給電するための第2の給電部74とを有する。【選択図】図4

Description

本開示は、チューナおよびインピーダンス整合方法に関する。
半導体ウエハに対する処理としてプラズマ処理が多用されている。プラズマ処理を行うプラズマ処理装置としては、高密度で低電子温度のプラズマを生成可能なマイクロ波プラズマが注目されている。マイクロ波プラズマを用いたプラズマ処理装置として、特許文献1には、マイクロ波を複数に分配した状態で出力するマイクロ波出力部と、複数に分配されたマイクロ波をチャンバ内に導く複数のアンテナモジュールとを有するものが記載されている。そして、各アンテナモジュールは、マイクロ波を増幅するアンプ部と、増幅されたマイクロ波をチャンバ内に放射するアンテナ部と、マイクロ波伝送路におけるインピーダンス調整を行うチューナとを有している。特許文献1では、チューナとして、マイクロ波の伝送路をスラグが移動してインピーダンス整合を行うスラグチューナが用いられている。
国際公開第2008/013112号
本開示は、部材の機械的消耗が生じ難くかつインピーダンス整合速度が速いチューナおよびインピーダンス整合方法を提供する。
本開示の一態様に係るチューナは、電源部からの電磁波を負荷に供給する電磁波伝送路の一部を構成し、電源側のインピーダンスと負荷側のインピーダンスとを整合させるチューナであって、筒状をなす内側導体、および、前記内側導体の外側に同軸状に設けられた筒状をなす外側導体を有する同軸線路と、前記同軸線路の前記内側導体と前記外側導体の間の空間に設けられ、環状をなし、誘電率が変化可能な第1の誘電率変化材と、前記同軸線路の線路長方向に前記第1の誘電率変化材から間隔をおいて設けられるとともに、前記同軸線路の前記内側導体と前記外側導体の間の空間に設けられ、環状をなし、誘電率が変化可能な第2の誘電率変化材と、前記第1の誘電率変化材に給電するための第1の給電部と、前記第2の誘電率変化材に給電するための第2の給電部と、を有する。
本開示によれば、部材の機械的消耗が生じ難くかつインピーダンス整合速度が速いチューナおよびインピーダンス整合方法が提供される。
第1の実施形態におけるプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図である。 図1のプラズマ処理装置に用いられるプラズマ源の構成を示すブロック図である。 プラズマ源における電磁波供給部を模式的に示す平面図である。 第1の実施形態に用いる電磁波供給機構(チューナ)を示す断面図である。 第1の誘電率変化材および第2の誘電率変化材に給電する他の給電手法を示す断面図である。 インピーダンス整合を説明するためのスミスチャートを示す図である。 第2の誘電率変化材72と遅波材82との間の間隔d2が10mmの場合と34mmの場合のスミスチャート上の整合範囲を示す図である。 第1の実施形態のチューナを用いたインピーダンス整合の例を示す図である。 ネマティック液晶を用いた第1の誘電率変化材を示す断面図である。 第1の誘電率変化材にネマティック液晶を用いた場合の電圧印加による配向性の変化とその際の誘電率を示す図である。 第2の実施形態に用いるチューナを示す断面図である。
以下、添付図面を参照して実施形態について具体的に説明する。
<第1の実施形態>
最初に第1の実施形態について説明する。
[プラズマ処理装置]
図1はプラズマ処理装置の概略構成を示す断面図であり、図2は図1のプラズマ処理装置に用いられるプラズマ源の構成を示すブロック図、図3はプラズマ源における電磁波供給部を模式的に示す平面図である。
プラズマ処理装置100は、電磁波(マイクロ波)によってプラズマ(主に表面波プラズマ)を形成し、形成された表面波プラズマにより基板Wに対してプラズマ処理、例えばALD等の成膜処理やエッチング処理を施すものである。基板Wとしては典型例として半導体ウエハを挙げることができるが、これに限らず、FPD基板やセラミックス基板等の他の基板であってよい。
チャンバ1内にはウエハWを水平に支持するステージ11が、チャンバ1の底部中央に絶縁部材12aを介して立設された筒状の支持部材12により支持された状態で設けられている。ステージ11および支持部材12を構成する材料としては、表面を陽極酸化処理したアルミニウム等が例示される。
また、図示はしていないが、ステージ11には、ウエハWを静電吸着するための静電チャック、温度制御機構、基板Wの裏面に熱伝達用のガスを供給するガス流路、および基板Wを搬送するために昇降する昇降ピン等が設けられている。さらに、ステージ11には、整合器13を介して高周波バイアス電源14が電気的に接続されている。この高周波バイアス電源14からステージ11に高周波電力が供給されることにより、基板W側にプラズマ中のイオンが引き込まれる。
チャンバ1の底部には排気管15が接続されており、この排気管15には真空ポンプを含む排気装置16が接続されている。そしてこの排気装置16を作動させることによりチャンバ1内のガスが排出され、チャンバ1内が所定の真空度まで高速に減圧することが可能となっている。また、チャンバ1の側壁には、基板Wの搬入出を行うための搬入出口17と、この搬入出口17を開閉するゲートバルブ18とが設けられている。
チャンバ1の上部には、リング状のガス導入部材26がチャンバ壁に沿って設けられており、このガス導入部材26には内周に多数のガス吐出孔が設けられている。このガス導入部材26には、プラズマ生成ガスや処理ガス等のガスを供給するガス供給源27が配管28を介して接続されている。プラズマ生成ガスとしてはArガス等の希ガスを好適に用いることができる。また、処理ガスは、プラズマ処理の種類に応じて適宜選択される。
チャンバ1の上方には、チャンバ1内に電磁波を放射してその電界によりプラズマを形成するプラズマ源2が設けられている。ガス導入部材26からチャンバ1内に導入されたプラズマ生成ガスは、プラズマ源2からチャンバ1内に導入された電磁波によりプラズマ化される。また、ガス導入部材26から処理ガスを導入すると、プラズマ生成ガスのプラズマにより、処理ガスが励起されてプラズマ化し、この処理ガスのプラズマにより基板Wにプラズマ処理が施される。
プラズマ処理装置100における各構成部は、マイクロプロセッサを備えた制御部200により制御されるようになっている。制御部200はプラズマ処理装置100のプロセスシーケンスおよび制御パラメータであるプロセスレシピを記憶した記憶部や、入力手段およびディスプレイ等を備えており、選択されたプロセスレシピに従ってプラズマ処理装置を制御するようになっている。
[プラズマ源]
次に、プラズマ源2について説明する。
プラズマ源2は、チャンバ1の上部に設けられた支持リング29により支持された円板状をなす板状部材110を有しており、支持リング29と板状部材110との間はシールリングを介して気密にシールされている。板状部材110は、チャンバ1の天壁としても機能する。図2に示すように、プラズマ源2は、複数経路に分配して電磁波を出力する電磁波出力部30と、電磁波波出力部30から出力された電磁波を伝送しチャンバ1内に供給するための電磁波供給部40とを有している。
電磁波出力部30は、電源31と、電磁波発振器32と、発振された電磁波を増幅するアンプ33と、増幅された電磁波を複数に分配する分配器34とを有している。
電磁波発振器32は、特定の周波数(例えば860MHz)の電磁波を例えばPLL発振させる。分配器34では、電磁波の損失ができるだけ起こらないように、入力側と出力側のインピーダンス整合を取りながらアンプ33で増幅された電磁波を分配する。電磁波の周波数としては、VHF帯およびマイクロ波帯の範囲、具体的には、30MHz~3THzの範囲を用いることができる。
電磁波供給部40は、分配器34にて分配された電磁波を主に増幅する複数のアンプ部42と、複数のアンプ部42のそれぞれに接続された電磁波供給機構41とを有している。
電磁波供給機構41は、例えば図3に示すように、板状部材110上に、円周状に6個およびその中心に1個、合計7個配置されている。板状部材110は、金属製のフレーム110aと、そのフレーム110aに嵌め込まれ、電磁波供給機構41の一部を構成する電磁波透過窓110bとを有している。なお、電磁波供給機構41については、後で詳細に説明する。
アンプ部42は、位相器46と、可変ゲインアンプ47と、ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48と、アイソレータ49とを有している。
位相器46は、電磁波の位相を変化させることができるように構成されており、これを調整することにより放射特性を変調させることができる。例えば、各アンプ部42の位相を調整することにより指向性を制御してプラズマ分布を変化させることや、隣り合うアンプ部42において90°ずつ位相をずらすようにして円偏波を得ることができる。また、位相器46は、アンプ内の部品間の遅延特性を調整し、チューナ内での空間合成を目的として使用することができる。ただし、このような放射特性の変調やアンプ内の部品間の遅延特性の調整が不要な場合には位相器46は設ける必要はない。
可変ゲインアンプ47は、メインアンプ48へ入力する電磁波の電力レベルを調整し、個々のアンテナモジュールのばらつきを調整またはプラズマ強度調整のためのアンプである。可変ゲインアンプ47をアンプ部42毎に変化させることによって、発生するプラズマに分布を生じさせることもできる。
ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48は、例えば、入力整合回路と、半導体増幅素子と、出力整合回路と、高Q共振回路とを有する構成とすることができる。
アイソレータ49は、電磁波供給機構41で反射してメインアンプ48に向かう反射電磁波を分離するものであり、サーキュレータとダミーロード(同軸終端器)とを有している。サーキュレータは、後述する電磁波供給機構41のアンテナ部45で反射した電磁波をダミーロードへ導き、ダミーロードはサーキュレータによって導かれた反射電磁波を熱に変換する。
[電磁波供給機構]
図4は電磁波供給機構を示す断面図である。電磁波供給機構41は、アンプ部42から供給された電磁波をチャンバ1内に供給するものである。電磁波供給機構41は、図4に示すように、チューナ60と、アンテナ部45とを有する。
チューナ60は、同軸線路51と、第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72と、第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72の各々に接続された給電部73および74とを有する。チューナ60の詳細については後述する。
同軸線路51は、アンプ部42から供給された電磁波を伝送するものであり、円筒状の外側導体52およびその中心に設けられた円筒状の内側導体53が同軸状に配置されて構成されている。同軸線路51の先端にアンテナ部45が設けられている。同軸線路51は、内側導体53が給電側、外側導体52が接地側となっている。同軸線路51の上端は反射板58となっている。
同軸線路51の基端側には、電磁波を同軸線路51内に給電する給電ポート54が設けられている。給電ポート54には、アンプ部42から増幅された電磁波を供給するための給電線56が接続されている。給電線56は、内側導体56aおよび外側導体56bからなる同軸構造を有している。本例では、給電ポート54は、給電線56の内側導体56aの先端に設けられた給電アンテナ90を有している。給電アンテナ90は、同軸線路51の外側導体52と内側導体53との間にリング状に設けられたアンテナ本体94と、アンテナ本体94と給電線56の内側導体56aとを接続する第1の極92と、アンテナ本体94と同軸線路51の内側導体53とを接続する第2の極93とを有する。
給電アンテナ90が電磁波を放射することにより、外側導体52と内側導体53との間の空間に給電され、アンテナ部45に向かって電磁波が伝播する。給電アンテナ90から放射される電磁波を反射板58により反射させることで、最大の電磁波が同軸線路51内に伝送される。
電磁波の周波数が860MHzの場合、図示するように、反射板58から給電アンテナ90までの間には、誘電体からなる遅波材59を設けることが好ましい。電磁波の周波数が2.45GHz等と高い場合には、遅波材59は設けなくてもよい。
アンテナ部45は、同軸線路51の先端部に配置されており、平面スロットアンテナ81と、遅波材82と、電磁波透過窓110bとを有している。平面スロットアンテナ81は、平面状をなし、電磁波を放射するスロット81aを有する。遅波材82は誘電体からなり、平面スロットアンテナ81の裏面(上面)に設けられている。遅波材82の中心には内側導体53に接続された導体からなる円柱部材82aが貫通し、円柱部材82aは平面スロットアンテナ81に接続されている。平面スロットアンテナ81は、同軸線路51の外側導体52よりも大径の円板状をなしている。外側導体52の下端は平面スロットアンテナ81まで延びており、遅波材82および平面スロットアンテナ81の周囲は外側導体52で覆われている。電磁波透過窓110bは上述したように、板状部材110のフレーム110aに嵌め込まれており、平面スロットアンテナ81の先端に設けられている。
平面スロットアンテナ81のスロット81aからは、同軸線路51を伝送された電磁波が放射される。スロット81aの個数、配置、形状は、電磁波が効率良く放射されるように適宜設定される。スロット81aには誘電体が挿入されていてもよい。
遅波材82は、真空よりも大きい誘電率を有しており、例えば、石英、セラミックス、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂やポリイミド系樹脂により構成されている。遅波材82は、電磁波の波長を真空中よりも短くしてアンテナを小さくする機能を有している。遅波材82は、その厚さにより電磁波の位相を調整することができ、平面スロットアンテナ81が定在波の「はら」になるようにその厚さを調整する。これにより、反射が最小で、平面スロットアンテナ81の放射エネルギーが最大となるようにすることができる。
電磁波透過窓110bは誘電体で構成され、平面スロットアンテナ81のスロット81aから放射された電磁波をチャンバ1へ透過する。電磁波透過窓110bは、遅波材82と同様の誘電体で構成することができる。
[チューナ]
次に、チューナ60について詳細に説明する。
チューナ60は、電磁波伝送路の一部を構成し、電源側(伝送ケーブル等)のインピーダンスと、負荷側(プラズマ等)のインピーダンスを整合させるものである。すなわち、電源側は通常50Ωの純抵抗出力になるように設計されるため、チューナ60は、チューナ60を含めた負荷側のインピーダンスが50Ωになるように調整する。これにより、反射がなく効率の良い電力供給を行うことができる。
チューナ60は、上述したように、同軸線路51と、誘電率が変化可能な第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72と、第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72の各々に給電する第1の給電部73および第2の給電部74とを有する。第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72は、第1の給電部73および第2の給電部74からの給電を調整し、印加される電界を変化させることにより誘電率が変化する。
同軸線路51は、円筒状の内側導体53と円筒状の外側導体52が同軸状に形成されているため、内側導体53と外側導体52との間の空間の断面は円環状をなしている。第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72は、同軸線路51の水平断面において内側導体53および外側導体52の間の空間を埋めるように設けられており、円環状をなしている。また、第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72は、同軸線路51の線路長方向に間隔をおいて設けられている。
第1の給電部73は、第1の誘電率変化材71に電界を印加するためのものであり、可変直流電源75と給電線77とを有し、可変直流電源75からの電圧を第1の誘電率変化材71に印加する。第2の給電部74は、第2の誘電率変化材72に電界を印加するためのものであり、可変直流電源76と給電線78とを有し、可変直流電源76からの電圧を第2の誘電率変化材72に印加する。具体的には、給電線77は、可変直流電源75の正極から内側導体53の内部を介して第1の誘電率変化材71の内側部分に接続されるとともに、可変直流電源75の負極から第1の誘電率変化材71の外側部分に接続される。給電線78は、可変直流電源76の正極から内側導体53の内部を介して第2の誘電率変化材72の内側部分に接続されるとともに、可変直流電源76の負極から第2の誘電率変化材72の外側部分に接続される。
また、第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72への給電は、例えば図5に示すように、内側導体53および外側導体52を介して行ってもよい。その場合は、内側導体53は、第1の誘電率変化材71に対応する部分と第2の誘電率変化材72に対応する部分とを絶縁部材79により絶縁するように構成され、外側導体52が接地されるようにする。
このように、電磁波の伝送路に第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72を設け、これらの誘電率を変化させることにより、チューナ60を含めた負荷側のインピーダンスを調整して、電源側のインピーダンスと、負荷側のインピーダンスを整合させることができる。このとき、第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72の厚さは、これらの最大誘電率での実効波長をλeffとすると、λeff/4であることが好ましい。ただし、これらの厚さは厳密にλeff/4でなくてもよく約λeff/4であればよい。
このときのインピーダンスの整合の状態はスミスチャートで表すことができる。スミスチャートは、図6に示すような、複素インピーダンスを表す円形の図であり、横軸がインピーダンスの実数(抵抗)成分、縦軸がインピーダンスの虚数(リアクタンス)成分を示す。図の中心(原点)は、負荷側のインピーダンスが電源側のインピーダンスに整合された整合点である。負荷側のインピーダンスは、スミスチャートのいずれかの位置に存在し、図6には、負荷側のインピーダンスの整合範囲Rの例を示している。本実施形態のように誘電率変化材を用いてインピーダンス整合を行う場合は、図示するように整合範囲Rがいびつな形状ではあるが、その範囲でインピーダンス整合が可能である。
整合範囲を十分に確保する観点から、第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72の間の間隔d1は、自由空間波長をλとすると、λ/16~λ/4の範囲であることが好ましい。
第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72は間隔d1を保ったまま位置調整が可能となっている。このように位置調整して所望の位置に固定することにより、整合範囲Rをシフトさせることができ、仕様に応じて整合範囲Rを調整することができる。具体的には、図7に示すように、第2の誘電率変化材72と遅波材82との間の間隔d2を変化させることにより、スミスチャート上の整合範囲Rを回転させることができる。図7の(a)はd2=10mmの場合であり、(b)はd2=34mmの場合である。
図8はチューナ60を用いたインピーダンス整合の例を示す図である。ここでは、プラズマ源2から電磁波(周波数が例えば860MHz)を供給した際の第1の誘電率変化材71の誘電率εr1、第2の誘電率変化材72の誘電率εr2がいずれも、例えば5~15の範囲で変化可能に設けられている。また、第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72の厚さはλeff/4であり、これらの間の間隔d1はλ/12であり、d2の距離は10mmである。スミスチャート上の初期の負荷インピーダンスの位置が星印で示されており、最初にεr2を12から5に変化させ、次いでεr1を11から5に変化させることによりインピーダンスが整合点に至る。このように、第2の誘電率変化材72の誘電率を変化させてから第1の誘電率変化材71の誘電率を変化させるというように、一方の誘電率変化材の誘電率を変化させた後、他方の誘電率変化材を変化させて整合させてもよいが、これらの誘電率を交互に複数回変化させて整合させてもよい。また、これらを複合させてもよく、例えば、一方の誘電率変化材の誘電率を変化させた後、他方の誘電率変化材の誘電率を変化させて整合点に近づけた後、各誘電率変化材の誘電率を交互に変化させて整合させてもよい。
第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72は、同じ材料であっても異なる材料であってもよい。第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72としては、例えば、ネマティック液晶を用いることができる。ネマティック液晶は、棒状分子の長軸の方向(双極子の方向)が一定の方向に配向し、一軸異方性を有しているが、層を形成しておらず、分子重心位置に規則性がない液晶である。それぞれの分子は長軸方向に動きやすいので粘性が小さく流動性に富んでおり、電界や磁界によって配向を高速で変化させることができる。そして、棒状分子が一軸異方性を有することにより、周波数が30MHz~3THzの範囲における誘電率も以下の(1)式に示すような一軸異方性を有し、実効誘電率εeffは(2)式に示すような値となる。
Figure 2022051175000002
そして、上記のように配向が高速で変化することにともなって、誘電率も高速で変化するため、誘電率の変化によるインピーダンス整合を高速で行うことができる。ネマティック液晶は、上記のように粘性が小さく流動性に富んでおり、高速応答性を有することから、従来ディスプレイ装置に広く用いられているが、インピーダンス整合に適用された例は存在しない。
ネマティック液晶となり得る材料としては、アゾ化合物、アゾキシ化合物、アゾメチン化合物、ビフェニル化合物、フェニルシクロヘキサン化合物、エステル化合物、ピリミジン化合物等を挙げることができる。具体例としては、p-アゾキシアニソール、メトキシ(ブチル)アゾキシベンゼン、p-メトキシベンジリデン-p-ブチルアニリン等を挙げることができる。
図9は、ネマティック液晶を用いた第1の誘電率変化材71を示す断面図である。本例では、第1の誘電率変化材71は、絶縁体で形成されたケーシング171の中にネマティック液晶121が封入されて構成されている。ケーシング171の外側の外側導体52に接触する部分には第1電極172が形成され、ケーシング171の内側の内側導体53に接触する部分には第2電極173が形成されている。そして、第1電極172および第2電極173の間に電圧が印加される。
図10は、第1の誘電率変化材71にネマティック液晶を用いた場合の電圧印加による配向性の変化とその際の誘電率を示す図である。図中78はスイッチである。また、誘電率εr1は、プラズマ源2から電磁波(周波数が例えば860MHz)の電磁波を供給した場合の実効誘電率である。図10(a)は電圧を印加していない状態であり、ネマティック液晶121の分子の双極子の方向が垂直方向になるようにアンカリングされている。このときの誘電率εr1は15である。図10(b)は電圧を印加してネマティック液晶121の双極子の方向を45°に配向させた状態であり、誘電率εr1は10である。図10(c)はさらに大きな電圧を印加してネマティック液晶121の双極子の方向を電圧印加方向に平行に配向させた状態であり、誘電率εr1は5である。このように、ネマティック液晶は、電圧(電界)により双極子の方向を制御することで実効誘電率を調整することができる。
[プラズマ処理装置の動作]
次に、以上のように構成されるプラズマ処理装置100における動作について説明する。
まず、基板Wをチャンバ1内に搬入し、ステージ11上に載置する。そして、ガス供給源27から配管28およびガス導入部材26を介してチャンバ1内にプラズマ生成ガス、例えばArガスを導入しつつ、プラズマ源2から電磁波をチャンバ1内に導入してその電界によりプラズマを形成する。
プラズマが形成された後、処理ガスをガス供給源27から配管28およびガス導入部材26を介してチャンバ1内に吐出する。吐出された処理ガスは、プラズマ生成ガスのプラズマにより励起されてプラズマ化し、この処理ガスのプラズマにより基板Wに成膜やエッチング等のプラズマ処理が施される。
上記プラズマを生成するに際し、プラズマ源2では、電磁波出力部30の発振器32から発振された電磁波はアンプ33で増幅された後、分配器34により複数に分配され、分配された電磁波は電磁波供給部40へ導かれる。電磁波供給部40においては、このように複数に分配された電力は、ソリッドステートアンプを構成するメインアンプ48で個別に増幅され、電磁波供給機構41に給電される。そして、電磁波供給機構41に給電された電磁波は平面スロットアンテナ81のスロット81aから放射され、電磁波透過窓110bを透過してチャンバ1内に至り空間合成される。チャンバ1内に供給された電磁波の電界によりプラズマを生成した後、平面スロットアンテナ81から放射された電磁波は継続的にプラズマに供給される。
電磁波供給機構41への電磁波の給電は、同軸線56を介して同軸線路51の側面から行われる。すなわち、給電線56から伝播してきた電磁波が、同軸線路51の側面に設けられた給電ポート54の給電アンテナ90から電磁波伝送路の一部であり、チューナ60の構成要素である同軸線路51に給電される。給電アンテナ90は同軸線路51の内部で電磁波を放射し、定在波を形成する。この定在波により内側導体53の外壁に沿って誘導磁界が生じ、それに誘導されて誘導電界が発生するので、これらの連鎖作用により、電磁波が同軸線路51内を伝播し、アンテナ部45へ導かれる。ただし、これは一例であって給電方法はこれに限るものではない。
このとき、チューナ60によりインピーダンスが自動整合され、電力反射が実質的にない状態で、電磁波がチャンバ1内のプラズマに供給される。すなわち、電源31からの電磁波を、電力反射が実質的に存在しない状態で、効率良くチャンバ1内のプラズマへ供給するために、チューナ60により電源側のインピーダンスと負荷側のインピーダンスとを整合する。
この際のインピーダンス整合方法は以下の通りである。
上記のように、電磁波伝送路の一部を構成するようにチューナ60を設けた状態で、まず、第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72の間隔d1を保ったまま位置調整し、調整した位置に固定する。これにより、仕様に応じて整合範囲を調整することができる。具体的には、第2の誘電率変化材72と遅波材82との間の間隔d2を調整する。
次いで、調整された整合範囲内で第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72の誘電率を変化させ、インピーダンスを整合させる。具体的には、上述した図8に示すように、一方の誘電率変化材の誘電率を変化させた後、他方の誘電率変化材の誘電率を変化させる、これらの誘電率を交互に複数回変化させる、またはこれらを複合させることにより、インピーダンスがスミスチャート上の整合点に至るようにする。
従来、チューナによるインピーダンス整合は、特許文献1に記載されているように、伝送路の一部である同軸線路を誘電体からなる2つのスラグが移動することにより行われていた。このような動作によりインピーダンス整合を行う場合、機械駆動部が必要であるため部材の消耗が生じ、メンテナンス周期が短くなってしまう。また、機械的駆動の場合、インピーダンス整合時間が1sec程度と整合速度が遅く、プラズマ発生時のインピーダンス変化に追従することが困難な場合がある。特に、プラズマALDでは、msecオーダー、μsecオーダーの極めて短い整合時間が要求され、従来のチューナでは対応できなかった。このため、プラズマ発生時の電力反射を有効に防止できず、パワー効率が十分ではなかった。
これに対し、本実施形態においては、チューナ60として、電磁波伝送路の一部である同軸線路51に第1の誘電率変化部材71および第2の誘電率変化部材72を設けたものを用い、これらの誘電率を調整することによりインピーダンス整合を行う。このため、機械駆動部を用いることなくインピーダンス整合を行うことができるので、部材の機械的消耗が生じ難く、かつ、誘電率を変化させるだけなので整合速度が速い。
特に、第1の誘電率変化材71および第2の誘電率変化材72としてネマティック液晶を用いる場合には、粘性が小さく流動性に富んでおり、棒状分子の長軸方向(双極子の方向)の配向を電界等によって高速で変化させることができる。このため、高速で誘電率を変化させることができ、インピーダンス整合を高速で行うことができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態において、プラズマ処理装置の基本構成は第1の実施形態と同じであるが、チューナの構成のみが異なっている。
図11は、第2の実施形態のチューナの主要部を示す断面図である。本実施形態において、チューナ260は、同軸線路51と、第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272と、第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272にそれぞれ設けられた第1の温調部281および第2の温調部283とを有する。同軸線路51は第1の実施形態と同じであり、円筒状の外側導体52と円筒状の内側導体53とを有している。
第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272としては、透磁率が変化する材料、例えばフェライトのような磁性体を用いることができる。フェライトのような磁性体は、温度を変化させることにより透磁率が変化する。第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272は、同じ材料であっても異なる材料であってもよい。
第1の温調部281および第2の温調部283は、ペルチェ素子等の温調素子で構成され、それぞれ、第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272の内周面および外周面に設けられている。第1の温調部281と外側導体52および内側導体53との間は、熱絶縁部材282で熱的に絶縁されている。また、第2の温調部283と外側導体52および内側導体53との間は、熱絶縁部材284で熱的に絶縁されている。
第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272は円環状をなしている。第1の透磁率変化材271に第1の温調部281および熱絶縁部材282を設けた構造体、および第2の透磁率変化材272に第2の温調部283および熱絶縁部材284を設けた構造体も円環状をなしている。これら構造体は同軸線路51の水平断面において内側導体53および外側導体52の間の空間を埋めるように設けられている。
第1の給電部291から第1の温調部281に給電することにより、第1の透磁率変化材271の温調が可能となっている。第1の給電部291は、互いに反対向きに並列に設けられた2つの電源293aおよび293bと、これらをオンオフするスイッチ294aおよび294bとを有する。電源293aおよび293bを切り替えて電流の向きを変更することにより、第1の温調部281の加熱・冷却を切り替えることができる。同様に、第2の給電部292から第2の温調部283に給電することにより、第2の透磁率変化材272の温調が可能となっている。第2の給電部292は、互いに反対向きに並列に設けられた2つの電源295aおよび295bと、これらをオンオフするスイッチ296aおよび296bとを有する。電源295aおよび295bを切り替えて電流の向きを変更することにより、第2の温調部283の加熱・冷却を切り替えることができる。
このように、電磁波の伝送路に第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272を設け、これらの透磁率を変化させることにより、インピーダンスを調整して、電源側のインピーダンスと、負荷側のインピーダンスを整合させることができる。このとき、第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272の厚さは、これらの最大透磁率での実効波長をλeffとすると、λeff/4であることが好ましい。ただし、これらの厚さは厳密にλeff/4でなくてもよく約λeff/4であればよい。
整合範囲を十分に確保する観点から、第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272の間の間隔d3は、自由空間波長をλとすると、λ/16~λ/4の範囲であることが好ましい。また、第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272は間隔d3を保ったまま、位置調整が可能となっている。このように位置調整して所望の位置に固定することにより、整合範囲をシフトさせることができ、仕様に応じて整合範囲を調整することができる。具体的には、第2の透磁率変化材272と遅波材82との間の間隔d4を変化させることにより、スミスチャート上の整合範囲を回転させることができる。
実際のインピーダンス整合においては、まず、第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272の間隔d3を保ったまま位置調整し、調整した位置に固定する。これにより、仕様に応じて整合範囲を調整することができる。具体的には、第2の透磁率変化材272と遅波材82との間の間隔d4を調整する。
次いで、調整された整合範囲内で第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272の透磁率を変化させ、インピーダンスを整合させる。具体的には、上述した第1の実施形態の図8において誘電率を変化させる場合と同様に、各透磁率変化材の透磁率を独立で変化させる、交互に変化させる、またはこれらを複合させることにより、インピーダンスがスミスチャート上の整合点に至るようにする。
以上のように、本実施形態においては、チューナ260として、電磁波伝送路の一部である同軸線路51に第1の透磁率変化材271および第2の透磁率変化材272を設けたものを用い、これらの透磁率を調整することによりインピーダンス整合を行う。このため、機械駆動部を用いることなくインピーダンス整合を行うことができるので、部材の機械的消耗が生じ難い。また、本実施形態では、第1および第2の温調部281および283により第1および第2の透磁率変化材271および272の温度を変化させて透磁率を変化させるので、原理的に第1の実施形態の誘電率変化よりもインピーダンス整合の速度が遅い。しかし、従来の機械的駆動の場合よりもインピーダンス整合速度を速くすることは可能である。
<他の適用>
以上、実施形態について説明したが、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲およびその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
例えば上記実施形態では、複数の電磁波供給機構を設けた例を示したが、電磁波供給機構が一つの場合であってもよい。また、上記実施形態では、同軸線路の内側導体および外側導体が円筒状で、第1および第2の誘電体変化材、第1および第2の透磁率変化材の形状が円環状の例について示した。しかし、内側導体および外側導体は筒状であればその断面形状は多角形等の他の形状でもよく、また第1および第2の誘電体変化材、第1および第2の透磁率変化材の形状は環状であれば多角形等の他の形状であってもよい。さらに、誘電体変化材、透磁率変化材を2つ設けた例を示したが、これらは3つ以上であってもよい。
さらにまた、上記実施形態では、アンテナとして電磁波を放射するスロットを有するスロットアンテナを用いた例を示したが、これに限るものではない。
1;チャンバ
2;プラズマ源
41;電磁波供給機構
45;アンテナ部
51;同軸線路
52;外側導体
53;内側導体
60,260;チューナ
71,72;誘電率変化材
73,74;給電部
81;平面スロットアンテナ
81a;スロット
82;遅波材
100;プラズマ処理装置
110b;電磁波透過窓
271,272;透磁率変化材
281,283;温調部
291,292;給電部
W;基板

Claims (19)

  1. 電源部からの電磁波を負荷に供給する電磁波伝送路の一部を構成し、電源側のインピーダンスと負荷側のインピーダンスとを整合させるチューナであって、
    筒状をなす内側導体、および、前記内側導体の外側に同軸状に設けられた筒状をなす外側導体を有する同軸線路と、
    前記同軸線路の前記内側導体と前記外側導体の間の空間に設けられ、環状をなし、誘電率が変化可能な第1の誘電率変化材と、
    前記同軸線路の線路長方向に前記第1の誘電率変化材から間隔をおいて設けられるとともに、前記同軸線路の前記内側導体と前記外側導体の間の空間に設けられ、環状をなし、誘電率が変化可能な第2の誘電率変化材と、
    前記第1の誘電率変化材に給電するための第1の給電部と、
    前記第2の誘電率変化材に給電するための第2の給電部と、
    を有する、チューナ。
  2. 前記第1の誘電率変化材および前記第2の誘電率変化材は、前記同軸線路の水平断面において、前記内側導体と前記外側導体の間の空間を埋めるように設けられる、請求項1に記載のチューナ。
  3. 前記第1の誘電率変化材および前記第2の誘電率変化材は、前記第1の給電部および前記第2の給電部からの給電を調整し、印加される電界を変化させることにより誘電率を変化させる、請求項1または請求項2に記載のチューナ。
  4. 前記第1の誘電率変化材および前記第2の誘電率変化材は、ネマティック液晶で構成され、印加する電界を変化させることにより、前記ネマティック液晶の分子の双極子の配向方向を変化させて誘電率を調整する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のチューナ。
  5. 前記第1の誘電率変化材および前記第2の誘電率変化材の厚さは、最大誘電率での実効波長の1/4である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のチューナ。
  6. 前記第1の誘電率変化材および前記第2の誘電率変化材の間の間隔は、自由空間波長をλとすると、λ/16~λ/4の範囲である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のチューナ。
  7. 前記第1の誘電率変化材および前記第2の誘電率変化材は、これらの間の間隔を保ったまま位置調整可能であり、所望の位置に固定される、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のチューナ。
  8. 前記第1の誘電率変化材および前記第2の誘電率変化材は、前記内側導体および前記外側導体に電極を介して接触されている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のチューナ。
  9. 前記同軸線路の前記内側導体と前記外側導体の間の空間の水平断面は円環状であり、前記第1の誘電率変化材および前記第2の誘電率変化材は前記空間の水平断面に対応した円環状である、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のチューナ。
  10. 電源部からの電磁波を負荷に供給する電磁波伝送路の一部を構成し、電源側のインピーダンスと負荷側のインピーダンスとを整合させるチューナであって、
    筒状をなす内側導体、および、前記内側導体の外側に同軸状に設けられた筒状をなす外側導体を有する同軸線路と、
    前記同軸線路の前記内側導体と前記外側導体の間の空間に設けられ、環状をなし、透磁率が変化可能な第1の透磁率変化材と、
    前記同軸線路の線路長方向に前記第1の透磁率変化材から間隔をおいて設けられるとともに、前記同軸線路の前記内側導体と前記外側導体の間の空間に設けられ、環状をなし、透磁率が変化可能な第2の透磁率化材と、
    前記第1の透磁率変化材の温調を行う第1の温調部と、
    前記第2の透磁率変化材の温調を行う第2の温調部と、
    を有する、チューナ。
  11. 前記第1の温調部および前記第2の温調部は、それぞれ前記第1の透磁率変化材および前記第2の透磁率変化材の内周面および外周面に設けられ、前記第1の温調部および前記第2の温調部と前記内側導体および前記外側導体とは熱絶縁部材を介して接触されている、請求項10に記載のチューナ。
  12. 前記第1の温調部および前記第2の温調部は温調素子である、請求項10または請求項11に記載のチューナ。
  13. 前記第1の温調部および前記第2の温調部を構成する温調素子は、給電部から給電されることにより記第1の透磁率変化材および前記第2の透磁率変化材を温調する、請求項12に記載のチューナ。
  14. 前記第1の透磁率変化材および前記第2の透磁率変化材は磁性材料である、請求項10から請求項13のいずれか一項に記載のチューナ。
  15. 前記第1の透磁率変化材および前記第2の透磁率変化材の厚さは、最大透磁率での実効波長の1/4である、請求項10から請求項14のいずれか一項に記載のチューナ。
  16. 前記第1の透磁率変化材および前記第2の透磁率変化材の間の間隔は、自由空間波長をλとすると、λ/16~λ/4の範囲である、請求項10から請求項15のいずれか一項に記載のチューナ。
  17. 前記第1の透磁率変化材および前記第2の透磁率変化材は、これらの間の間隔を保ったまま位置調整可能であり、所望の位置に固定される、請求項10から請求項16のいずれか一項に記載のチューナ。
  18. 電源側のインピーダンスと負荷側のインピーダンスとを整合させるインピーダンス整合方法であって、
    筒状をなす内側導体、および、前記内側導体の外側に同軸状に設けられた筒状をなす外側導体を有する同軸線路と、前記同軸線路の前記内側導体と前記外側導体の間の空間に設けられ、環状をなし、誘電率が変化可能な第1の誘電率変化材と、前記同軸線路の線路長方向に前記第1の誘電率変化材から間隔をおいて設けられるとともに、前記同軸線路の前記内側導体と前記外側導体の間の空間に設けられ、環状をなし、誘電率が変化可能な第2の誘電率変化材とを有し、電源部からの電磁波を負荷に供給する電磁波伝送路の一部を構成するチューナを準備する工程と、
    前記第1の誘電率変化材および前記第2の誘電率変化材を、これらの間の間隔を保ったまま位置調整し、所望の位置に固定する工程と、
    前記第1の誘電率変化材および前記第2の誘電率変化材の誘電率を変化させ、インピーダンスを整合させる工程と、
    を有する、インピーダンス整合方法。
  19. 前記インピーダンスを整合させる工程は、前記第1の誘電率変化材および前記第2の誘電率変化材の一方の誘電率を変化させた後、他方の誘電率を変化させてインピーダンスを整合させる第1の形態、または、前記第1の誘電率変化材および前記第2の誘電率変化材の誘電率を交互に複数回変化させる第2の形態、または、第1の形態を行って整合点に近づけた後、第2の形態を行う第3の形態により行われる、請求項18に記載のインピーダンス整合方法。
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