JP2022050131A - 電力変換装置、電力変換装置の制御方法、及び電力システム - Google Patents

電力変換装置、電力変換装置の制御方法、及び電力システム Download PDF

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Abstract

【課題】負荷装置の消費電力が変動しても効率を低下させることなく所望の目標電力に等しい電力を発生する。【解決手段】スイッチング回路12は、複数のスイッチング素子Q1~Q4を含み、端子P1,P2に印加される交流電圧を直流電圧に変換して端子P3,P4から出力する。可変インダクタンス回路Lは、端子P1とスイッチング回路12との間に接続され、可変なインダクタンスを有する。制御回路11は、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数fswを制御し、スイッチング周波数fswが第1のしきい値Th1よりも大きくなる場合、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを増大させる。【選択図】図2

Description

本開示は、電力変換装置、電力変換装置の制御方法、及び電力システムに関する。
複数のスイッチング素子を備え、入力された交流電圧を直流電圧に変換して出力する電力変換装置には、出力電流の高調波成分を低減して力率を1に近づける力率改善回路として動作するものがある。例えば、特許文献1は、そのような力率改善回路である力率改善コンバータを開示している。
国際公開第2018/128102号
スイッチング素子の最適なスイッチング周波数は、電力変換装置の出力電力に依存する。電力変換装置の入力電圧及び出力電圧が一定である場合、概して、出力電力が減少すると最適なスイッチング周波数が増大し、出力電力が増大すると最適なスイッチング周波数が減少する。従って、電力変換装置の出力電力を負荷装置に供給する場合、スイッチング周波数は、電力変換装置の出力電力が負荷装置の消費電力に等しくなるように設定される。
しかしながら、スイッチング素子には、正常に動作可能であるスイッチング周波数の上限値が存在する。従って、負荷装置の消費電力が変動するとき、特に、負荷装置の消費電力が小さくなるとき、この消費電力に対応するスイッチング周波数で各スイッチング素子が動作できず、所望の出力電力を得られない可能性がある。この場合、例えば、各スイッチング素子を間欠的に動作させることで、等価的に、電力変換装置の出力電力を負荷装置の消費電力に等しくすることができる。ただし、間欠動作に起因して、電力変換装置の効率は低下する。このため、負荷装置の消費電力が変動しても、効率を低下させることなく、所望の目標電力に等しい電力を発生することができる電力変換装置が求められる。
本開示の目的は、負荷装置の消費電力が変動しても、効率を低下させることなく、所望の目標電力に等しい電力を発生することができる電力変換装置を提供することにある。また、本開示の目的は、そのような電力変換装置の制御方法を提供し、また、そのような電力変換装置を備えた電力システムを提供することにある。
本開示の一態様に係る電力変換装置によれば、
複数のスイッチング素子を含み、前記第1及び第2の端子に印加される交流電圧を直流電圧に変換して前記第3及び第4の端子から出力するスイッチング回路と、
前記第1又は第2の端子と前記スイッチング回路との間に接続され、可変なインダクタンスを有する可変インダクタンス回路と、
前記各スイッチング素子のスイッチング周波数を制御し、かつ、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを制御する制御回路とを備える電力変換装置であって、
前記制御回路は、
前記各スイッチング素子のスイッチング周波数を制御し、
前記スイッチング周波数が第1のしきい値よりも大きくなる場合、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを増大させる。
本開示の一態様に係る電力変換装置によれば、効率を低下させることなく、所望の目標電力に等しい電力を発生することができる。
第1の実施形態に係る電力システム100の例示的な構成を示すブロック図である。 図1の力率改善回路3の例示的な構成を示す回路図である。 図2の可変インダクタンス回路Lの例示的な構成を示す回路図である。 図3のインダクタL1,L2及びスイッチSWの例示的な結線を示す図である。 図3のスイッチSWの例示的な構成を示す回路図である。 図3のスイッチSWの変形例の構成を示す回路図である。 図2の可変インダクタンス回路Lの第1の変形例の構成を示す回路図である。 図2の可変インダクタンス回路Lの第2の変形例の構成を示す回路図である。 図2の可変インダクタンス回路Lの第3の変形例の構成を示す回路図である。 図2の可変インダクタンス回路Lの第4の変形例の構成を示す回路図である。 図1のDC/DCコンバータ回路4の例示的な構成を示す回路図である。 図2の力率改善回路3の電流臨界モードの動作を説明する概略図である。 図2の力率改善回路3のソフトスイッチングを説明する概略図である。 図2の力率改善回路3の入力電圧Vinに対するスイッチング周波数fswの依存性を説明するグラフである。 図2の力率改善回路3の目標電力に対するスイッチング周波数fswの依存性を説明するグラフである。 図2の制御回路11によって実行される電力変換処理を示すフローチャートである。 図2の可変インダクタンス回路Lのインダクタンスの第1の例示的な切り換え方法を説明するタイミングチャートである。 図2の可変インダクタンス回路Lのインダクタンスの第2の例示的な切り換え方法を説明するタイミングチャートである。 図2の可変インダクタンス回路Lのインダクタンスの第3の例示的な切り換え方法を説明するタイミングチャートである。 第2の実施形態に係る力率改善回路3Aの例示的な構成を示す回路図である。 第3の実施形態に係る電力システム100Bの例示的な構成を示すブロック図である。 図21の制御回路11Bによって実行される電力変換処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態に係る電力システム100Cの例示的な構成を示すブロック図である。 図23の負荷装置5Cの例示的な動作を説明するグラフである。 第5の実施形態に係る力率改善回路3Dの例示的な構成を示す回路図である。 第6の実施形態に係る力率改善回路3Eの例示的な構成を示す回路図である。
以下、本開示に係る各実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
[第1の実施形態]
[全体構成]
図1は、第1の実施形態に係る電力システム100の例示的な構成を示すブロック図である。電力システム100は、交流電源装置1、ノイズフィルタ2、力率改善回路3、DC/DCコンバータ回路4、及び負荷装置5を備える。
交流電源装置1は、所定の交流電圧を供給する。交流電源装置1は、商用交流電源を含んでもよく、直流電源及びインバータを含んでもよい。
ノイズフィルタ2は、交流電源装置1及び力率改善回路3の間に接続される。ノイズフィルタ2は、力率改善回路3、DC/DCコンバータ回路4、及び負荷装置5のいずれかにおいて発生して電力線を介して交流電源装置1又は他の装置に伝搬するノイズ、又は、電力線を介してその逆向きに伝搬するノイズを低減する。
力率改善回路3は、交流電源装置1からノイズフィルタ2を介して入力される交流電圧を直流電圧に変換して出力するとともに、出力電流の高調波成分を低減して力率を1に近づける。
力率改善回路3は、本開示の実施形態に係る電力変換装置の一例である。
DC/DCコンバータ回路4は、力率改善回路3から入力された直流電圧を異なる直流電圧に変換して出力する。
負荷装置5は、DC/DCコンバータ回路4から入力された直流電圧により動作する。
負荷装置5は、例えば、リチウムイオン電池のような蓄電池であってもよい。この場合、電力システム100は、例えば、電気自動車の車載充電システムとして構成されてもよい。また、例えば、交流電源装置1は50Hz又は60Hzかつ110V又は220Vの交流電圧を供給し、力率改善回路3は500~800Vの直流電圧を出力し、DC/DCコンバータ回路4は250~400Vの直流電圧を出力してもよい。
[力率改善回路の構成]
図2は、図1の力率改善回路3の例示的な構成を示す回路図である。力率改善回路3は、制御回路11、スイッチング回路12、電圧センサ13,14、電流センサ15、キャパシタC1,C2、可変インダクタンス回路L、及び端子P1~P4を備える。図2の例では、力率改善回路3は、トーテムポール型力率改善回路として構成される。
第1及び第2の端子P1,P2には、交流の入力電圧Vinが印加され、交流の入力電流Iinが流れる。また、第3及び第4の端子P3,P4には、直流の出力電圧Voutが発生し、直流の出力電流Ioutが流れる。
スイッチング回路12は、端子P1,P2に印加される交流電圧を直流電圧に変換して端子P3,P4から出力する。スイッチング回路12は、複数のスイッチング素子、図2の例では第1~第4のスイッチング素子Q1~Q4を含む。
第1及び第2のスイッチング素子Q1,Q2は、端子P3,P4の間に直列に接続され、制御回路11の制御下で、交流電圧の周波数よりも高い周波数、例えば数百kHz~数MHzの周波数で動作する。スイッチング素子Q1,Q2は、このような高い周波数で動作するために、例えば、窒化ガリウム(GaN)デバイス又はシリコンカーバイド(SiC)デバイスであってもよい。スイッチング素子Q1,Q2は、より低い周波数、例えば約100kHzの周波数で動作してもよく、この場合、汎用のシリコンデバイス、例えばMOSFETであってもよい。
第3及び第4のスイッチング素子Q3,Q4は、端子P3,P4の間に直列に、かつ、スイッチング素子Q1,Q2に並列に接続され、制御回路11の制御下で、交流電圧の周波数、例えば50Hz又は60Hzで動作する。スイッチング素子Q3,Q4は、スイッチング素子Q1,Q2に比べて低速で動作するので、安価な汎用のシリコンデバイスであってもよい。
可変インダクタンス回路Lは、端子P1又はP2とスイッチング回路12との間に接続され、制御回路11の制御下で変化する可変なインダクタンスを有する。可変インダクタンス回路Lは、例えば図2に示すように、端子P1と、スイッチング素子Q1,Q2の間のノードとの間に接続されてもよい。代替として、可変インダクタンス回路Lは、端子P2と、スイッチング素子Q3~Q4の間のノードとの間に接続されてもよい。
キャパシタC1は、端子P1,P2の間に接続される。キャパシタC1は、交流の入力電圧Vin及び入力電流Iinに含まれるリップル成分、すなわち、交流電源装置1からノイズフィルタ2を介して入力される交流電圧の周波数よりも高い周波数を有する電圧及び電流の変動を低減する。キャパシタC1は、例えば、フィルムキャパシタ及びセラミックキャパシタなど、極性を持たず、高い耐リップル電流特性を有するデバイスであってもよい。
キャパシタC2は、端子P3,P4の間に接続される。キャパシタC2は、スイッチング回路12から出力される電圧及び電流を平滑化及び安定化する。すなわち、キャパシタC2は、直流の出力電圧Vout及び出力電流Ioutに含まれるリップル成分、すなわち、電圧及び電流の交流成分を低減する。キャパシタC2は、デバイスのサイズ及び周波数特性に合わせて、セラミックキャパシタ、フィルムキャパシタ、及び電解キャパシタのいずれか又は組み合わせであってもよい。
電圧センサ13は、端子P1,P2間の入力電圧Vinの瞬時値を検出し、この電圧値を制御回路11に通知する。電圧センサ14は、端子P3,P4間の出力電圧Voutの瞬時値を検出し、この電圧値を制御回路11に通知する。電流センサ15は、可変インダクタンス回路Lに流れるインダクタ電流ILの瞬時値を検出し、この電流値を制御回路11に通知する。制御回路11は、入力電圧Vin、出力電圧Vout、及びインダクタ電流ILの値に基づいて、力率改善回路3の動作状態を認識することができる。
制御回路11は、入力電圧Vin、出力電圧Vout、及びインダクタ電流ILの値に基づいて、スイッチング回路12及び可変インダクタンス回路Lを制御する。
[制御回路の動作]
制御回路11は、スイッチング回路12及び可変インダクタンス回路Lを以下のように制御する。
制御回路11は、前述したように、交流電圧の周波数よりも高い周波数で動作するようにスイッチング素子Q1,Q2を制御し、かつ、交流電圧の周波数で動作するようにスイッチング素子Q3,Q4を制御する。これにより、力率改善回路3は、トーテムポール型力率改善回路として動作し、出力電流の高調波成分を低減して力率を1に近づける。
また、前述したように、スイッチング素子の最適なスイッチング周波数は、電力変換装置の出力電力に依存する。従って、制御回路11は、端子P3,P4における出力電力が所定の目標電力に等しくなるように、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数fswを制御する。目標電力は、例えば、負荷装置5の消費電力を表す。
また、制御回路11は、スイッチング周波数fsw(特に、経時的に変動するスイッチング周波数fswの最大値fswmax)が第1のしきい値Th1よりも大きくなる場合、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを増大させる。また、制御回路11は、制御回路11は、スイッチング周波数fsw(特に、スイッチング周波数fswmax)が第1のしきい値Th1よりも小さい第2のしきい値Th2よりも小さくなる場合、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを低減させる。
このように、制御回路11は、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数fswを制御し、かつ、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを制御する。
[可変インダクタンス回路の構成]
図3は、図2の可変インダクタンス回路Lの例示的な構成を示す回路図である。可変インダクタンス回路Lは、互いに直列に接続された2つのインダクタL1,L2と、インダクタL2に並列に接続されたスイッチSWとを備える。スイッチSWをオフしたとき、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスは、インダクタL1,L2のインダクタンスの和に等しくなる。スイッチSWをオンしたとき、インダクタL2の両端のノードN2,N3が短絡され、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスは、インダクタL1のインダクタンスに等しくなる。
図4は、図3のインダクタL1,L2及びスイッチSWの例示的な結線を示す図である。図4のノードN1~N3は、図3の対応するノードを示す。インダクタL1,L2の巻線は、例えば環状又は棒状の磁性体コア20の周りに巻回されてもよい。可変インダクタンス回路Lを小型化するために、高周波動作に適した材料が使用される。巻線には、導通損失を低減するために、表皮効果の少ない材料、例えばリッツ線が使用される。磁性体コア20には、高周波動作時の鉄損が少ないソフトフェライトコア、例えばMn-Znコアが使用される。
図5は、図3のスイッチSWの例示的な構成を示す回路図である。スイッチSWは、リレー21、スイッチング素子Q、及び抵抗R1,R2を備える。リレー21は、可動接点21a及びコイル21bを備える。スイッチング素子Qは、例えばFETなどのトランジスタであり、そのゲートには、抵抗R1,R2を介して制御回路11からの制御信号が印加される。スイッチング素子Qは、制御回路11からの制御信号に応じてオン/オフする。スイッチング素子Qがオンしたとき、コイル21bに電流が流れる。コイル21bに電流が流れたとき、可動接点21aがオンし、インダクタL2の両端が短絡される。
図6は、図3のスイッチSWの変形例の構成を示す回路図である。図3の可変インダクタンス回路Lは、図5のスイッチSWに代えて、図6のスイッチSWaを備えてもよい。スイッチSWaは、トランジスタ22、絶縁ゲートドライバ回路23、絶縁電源回路24、及び抵抗R3,R4を備える。トランジスタ22は例えばFETである。絶縁ゲートドライバ回路23は、抵抗R3,R4を介してトランジスタ22のゲートに接続される。絶縁ゲートドライバ回路23は、絶縁電源回路24から電力供給を受け、また、制御回路11からの制御信号に応じてトランジスタ22のゲート駆動信号を発生する。トランジスタ22は、絶縁ゲートドライバ回路23からのゲート駆動信号に応じてオン/オフする。トランジスタ22がオンしたとき、インダクタL2の両端が短絡される。このように、トランジスタ22は、絶縁ゲートドライバ回路23を介して制御回路11によって制御される。
可変インダクタンス回路Lは、図3の構成に限定されず、例えば、図7~図10の構成を有してもよい。
図7は、図2の可変インダクタンス回路Lの第1の変形例の構成を示す回路図である。図2の力率改善回路3は、図3の可変インダクタンス回路Lに代えて、図7の可変インダクタンス回路Laを備えてもよい。可変インダクタンス回路Laは、互いに直列に接続された3つのインダクタL1~L3と、インダクタL2,L3に並列に接続されたスイッチSW1と、インダクタL3に並列に接続されたスイッチSW2とを備える。各スイッチSW1,SW2は、図5に示すようにリレーを含んでもよく、図6に示すようにトランジスタを含んでもよい。
図8は、図2の可変インダクタンス回路Lの第2の変形例の構成を示す回路図である。図2の力率改善回路3は、図3の可変インダクタンス回路Lに代えて、図8の可変インダクタンス回路Lbを備えてもよい。可変インダクタンス回路Lbは、2つのインダクタL1,L2と、スイッチSW3とを備える。スイッチSW3は、2つのインダクタL1,L2を互いに直列に接続するか、インダクタL2をバイパスしてインダクタL1のみを使用する。スイッチSW3は、単極2投式のリレーを含んでもよい。
図9は、図2の可変インダクタンス回路Lの第3の変形例の構成を示す回路図である。図2の力率改善回路3は、図3の可変インダクタンス回路Lに代えて、図9の可変インダクタンス回路Lcを備えてもよい。可変インダクタンス回路Lcは、互いに並列に接続された3つのインダクタL4~L6と、インダクタL5に直列に接続されたスイッチSW4と、インダクタL6に直列に接続されたスイッチSW5とを備える。各スイッチSW4,SW5は、図5に示すようにリレーを含んでもよく、図6に示すようにトランジスタを含んでもよい。
図10は、図2の可変インダクタンス回路Lの第4の変形例の構成を示す回路図である。図2の力率改善回路3は、図3の可変インダクタンス回路Lに代えて、図10の可変インダクタンス回路Ldを備えてもよい。可変インダクタンス回路Ldは、互いに並列に接続された2つのインダクタL7,L8と、インダクタL7,L8の一方を選択するスイッチSW6とを備える。図10の例では、インダクタL7,L8は互いに異なるインダクタンスを有する。スイッチSW6は、単極2投式のリレーを含んでもよい。
以上説明したように、可変インダクタンス回路Lは、複数のインダクタと、複数のインダクタに接続された少なくとも1つのスイッチとを備える。スイッチは、端子P1又はP2とスイッチング回路12との間において複数のインダクタを選択的に接続するように制御回路11によって制御される。複数のインダクタは互いに直列に接続されてもよく、この場合、各スイッチは、複数のインダクタのうちの少なくとも1つに並列に接続される。また、複数のインダクタは互いに並列に接続されてもよく、この場合、各スイッチは、複数のインダクタのうちの少なくとも1つに直列に接続される。また、複数のインダクタは、直列及び並列の任意の組み合わせで互いに接続されてもよい。可変インダクタンス回路Lは、任意個数のインダクタ及び任意個数のスイッチを含んでもよく、これにより、任意個数のインダクタンスを有してもよい。
[DC/DCコンバータ回路の構成]
図11は、図1のDC/DCコンバータ回路4の例示的な構成を示す回路図である。DC/DCコンバータ回路4は、キャパシタC11~C13、インダクタL11~L12、端子P11~P14、スイッチング素子Q11~Q18、及びトランスT1を備える。
端子P11,P12(第5及び第6の端子)は、力率改善回路3の端子P3,P4にそれぞれ接続され、力率改善回路3から直流電圧が印加される。また、端子P13,P14(第7及び第8の端子)は、負荷装置5に接続され、端子P11,P12に印加される直流電圧とは異なる直流電圧が発生する。
スイッチング素子Q11~Q14は、フルブリッジ型のインバータ回路を構成し、端子P11,P12とトランスT1の一次巻線との間に接続される。
スイッチング素子Q15~Q18は、フルブリッジ型の同期整流回路を構成し、トランスT1の二次巻線と端子P13,P14との間に接続される。
キャパシタC13は、端子P13,P14の間に接続される。
DC/DCコンバータ回路4は、トランスT1を含む絶縁型のDC/DCコンバータ回路である。
トランスT1の一次巻線にはさらに、キャパシタC11及びインダクタL11が接続されてもよい。これにより、DC/DCコンバータ回路4は、LLC共振コンバータとして動作する。また、トランスT1の二次巻線にはさらに、キャパシタC12及びインダクタL12が接続されてもよい。これにより、DC/DCコンバータ回路4は、CLLC共振コンバータとして動作する。
DC/DCコンバータ回路4は、力率改善回路3から端子P11,P12に印加された直流電圧を異なる直流電圧に変換して端子P13,P14から出力する。
DC/DCコンバータ回路4は、端子P11,P12から端子P13,P14に向かって電力を伝送するだけでなく、端子P13,P14から端子P11,P12に向かって電力を伝送することもできる。端子P13,P14から端子P11,P12に向かって電力を伝送する場合、スイッチング素子Q15~Q18はフルブリッジ型のインバータ回路として動作し、スイッチング素子Q11~Q14はフルブリッジ型の同期整流回路として動作する。これにより、DC/DCコンバータ回路4は、負荷装置5から端子P13,P14に印加された直流電圧を異なる直流電圧に変換して端子P11,P12から出力するように動作可能である。
なお、図2の力率改善回路3もまた、端子P1,P2から端子P3,P4に向かって電力を伝送するだけでなく、端子P3,P4から端子P1,P2に向かって電力を伝送することもできる。端子P3,P4から端子P1,P2に向かって電力を伝送する場合、スイッチング素子Q1~Q4はフルブリッジ型のインバータ回路として動作する。これにより、力率改善回路3は、DC/DCコンバータ回路4から端子P3,P4に印加された直流電圧を交流電圧に変換して端子P1,P2から出力する。
負荷装置5は、蓄電池又は回生モータであってもよい。この場合、力率改善回路3及びDC/DCコンバータ回路4は、交流電源装置1から負荷装置5に向かって電力を伝送するとともに、負荷装置5から交流電源装置1又は他の装置に向かって電力を伝送する。
[動作原理]
まず、力率改善回路3のトーテムポール型力率改善回路としての動作について説明する。
端子P1,P2に印加される交流電圧の正の時間区間において、スイッチング素子Q3は常にオフされ、スイッチング素子Q4は常にオンされ、その一方、スイッチング素子Q1,Q2は、交流電圧の周波数よりも高い周波数でスイッチングされる。スイッチング素子Q1をオフしかつスイッチング素子Q2をオンすることで、可変インダクタンス回路Lに磁気エネルギーが蓄積される。スイッチング素子Q1をオンしかつスイッチング素子Q2をオフすることで、可変インダクタンス回路Lに蓄積された磁気エネルギーは、キャパシタC2に電気エネルギーとして伝達される。
端子P1,P2に印加される交流電圧の負の時間区間において、スイッチング素子Q3は常にオンされ、スイッチング素子Q4は常にオフされ、その一方、スイッチング素子Q1,Q2は、交流電圧の周波数よりも高い周波数でスイッチングされる。スイッチング素子Q1をオンしかつスイッチング素子Q2をオフすることで、可変インダクタンス回路Lに磁気エネルギーが蓄積される。スイッチング素子Q1をオフしかつスイッチング素子Q2をオンすることで、可変インダクタンス回路Lに蓄積された磁気エネルギーは、キャパシタC2に電気エネルギーとして伝達される。
これにより、力率改善回路3は、トーテムポール型力率改善回路として動作し、出力電流の高調波成分を低減して力率を1に近づけることができる。
次に、力率改善回路3の電流臨界モードの動作について説明する。
少なくとも1つのスイッチング素子及びインダクタを含む電力変換装置の動作モードには、電流連続モード、電流不連続モード、及び電流臨界モードがある。電流連続モードでは、各スイッチング素子は一定の周波数で動作し、インダクタに常に非ゼロの電流が流れる、電流不連続モードでもまた、各スイッチング素子は一定の周波数で動作するが、スイッチング素子の動作の各周期は、インダクタに流れる電流がゼロになる時間区間を含む。電流臨界モードは、電流連続モード及び電流不連続モードの境界に相当する。電流臨界モードでは、インダクタの電流がゼロでありかつ1つのスイッチング素子の両端に印加される電圧がゼロであるときに当該1つのスイッチング素子をオン又はオフし、かつ、インダクタの電流がゼロになる時間長を最小化している。電流臨界モードでは、各スイッチング素子は可変な周波数で動作する。
電流連続モードでは、各スイッチング素子が一定の周波数で動作するので、各スイッチング素子を簡単に制御することができる。しかしながら、電流連続モードでは、インダクタに非ゼロの電流が流れているときに各スイッチング素子をオン/オフするので、大きなスイッチング損失が発生する。各スイッチング素子の動作周波数が増大するほど、スイッチング損失も増大する。このため、各スイッチング素子を電流臨界モードで動作させることにより、電流連続モードの場合よりもスイッチング損失を低減することができる。
また、一般に、電力変換装置の寸法を削減するためには、その動作周波数を増大させることが有効である。従って、各スイッチング素子を電流臨界モードで動作させることにより、電流連続モードの場合よりも小さなスイッチング損失で、小型の電力変換装置を提供することができる。
図12は、図2の力率改善回路3の電流臨界モードの動作を説明する概略図である。図12の上段は、端子P1,P2に印加される交流電圧の正の時間区間におけるインダクタ電流ILを示す。インダクタ電流ILは、スイッチング素子Q1,Q2のオン/オフに応じて、交流電圧の半周期よりも短い時間で周期的にゼロから増減して再びゼロになる。インダクタ電流ILがゼロから増減して再びゼロになるまでの時間長は、交流電圧の半周期内において時間的に変動する。言い換えると、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は、交流電圧の半周期内において動的に変動する「周波数拡散」の特徴を有する。出力電流Ioutは、インダクタ電流ILの平均値に比例する。端子P1,P2に印加される交流電圧の負の時間区間においてもまた、インダクタ電流ILは、極性が反転することを除いて、図12の上段に示すものと同様に変化する。また、図12の下段は、図2のスイッチング素子Q1,Q2の間のノードにおける電圧Vdsを示す。
図13は、図2の力率改善回路3のソフトスイッチングを説明する概略図である。図13は、図12の一部、すなわち、インダクタ電流ILが増減する2周期分の時間区間を示す。図13の1段目及び2段目は、スイッチング素子Q1,Q2のゲート・ソース電圧Vgs1,Vgs2をそれぞれ示す。図13の3段目は、図12の上段と同様にインダクタ電流ILを示す。図13の4段目は、図12の下段と同様に電圧Vdsを示し、また、図2のスイッチング素子Q1,Q2の間のノードに流れる電流Idsを示す。
図12及び図13の例は、端子P1,P2に印加される交流電圧の正の時間区間を示すので、前述したように、スイッチング素子Q3は常にオフされ、スイッチング素子Q4は常にオンされている。
図13を参照すると、時間区間t0~t1において、ゲート・ソース電圧Vgs1がローレベルになり、かつ、ゲート・ソース電圧Vgs2がハイレベルになる。すなわち、スイッチング素子Q1がオフされ、かつ、スイッチング素子Q2がオンされている。このとき、インダクタ電流ILはゼロからピークまで次第に増大し、電流Idsもまたゼロからピークまで次第に増大する。また、このとき、電圧Vdsはローレベルのままである。
時間区間t1~t2において、ゲート・ソース電圧Vgs1がハイレベルになり、かつ、ゲート・ソース電圧Vgs2がローレベルになる。すなわち、スイッチング素子Q1がオンされ、かつ、スイッチング素子Q2がオフされている。このとき、インダクタ電流ILはピークからゼロまで次第に減少し、さらに、スイッチング素子Q2の内部の寄生容量から放電するために、負のインダクタ電流ILが流れる。また、このとき、電流Idsはピークからゼロまで急激に減少し、その後、スイッチング素子Q2がオフしている間はゼロのままである。また、このとき、電圧Vdsは、ローレベルからハイレベルまで急激に増大し、その後、スイッチング素子Q1がオンしている間はハイレベルのままである。
時間区間t2~t3において、ゲート・ソース電圧Vgs1,Vgs2の両方がローレベルになる。すなわち、スイッチング素子Q1,Q2の両方がオフされている。このとき、スイッチング素子Q2の内部の寄生容量から放電するために、引き続き、負のインダクタ電流ILが流れている。また、このとき、電圧Vdsは、ハイレベルからローレベルまで急激に減少する。
時刻t3において、インダクタ電流ILがゼロになり、かつ、電圧Vdsがゼロになる。この瞬間に合わせて、ゲート・ソース電圧Vgs2がハイレベルにされる。すなわち、スイッチング素子Q2がオンされる。スイッチング素子Q1,Q2のオン/オフをこのように制御することにより、スイッチング素子Q2をオンするときのスイッチング損失をほぼゼロにすることができる。このような動作を、スイッチング素子Q2の「ソフトスイッチング」又は「ゼロボルトスイッチング」と呼ぶ。
以後、力率改善回路3は、時間区間t0~t3にわたる動作と同様に動作する。
制御回路11は、交流電圧の半周期よりも短い時間で周期的に可変インダクタンス回路Lにおける電流値ILがゼロから増減して再びゼロになるように、可変インダクタンス回路Lにおける電流値ILがゼロでありかつ複数のスイッチング素子Q1,Q2のうちの1つのスイッチング素子の両端に印加される電圧Vdsがゼロであるときに、当該1つのスイッチング素子をオン又はオフするように、かつ、可変インダクタンス回路Lにおける電流値ILがゼロになる時間長を最小化するように、各スイッチング素子Q1~Q4を制御する。これにより、制御回路11は、力率改善回路3を電流臨界モードで動作させることができる。
図13において、tonは、ゲート・ソース電圧Vgs1がローレベルになり、かつ、ゲート・ソース電圧Vgs2がハイレベルになる時間区間の長さ(以下、「(スイッチング素子Q2の)オン時間」と呼ぶ)を示す。toffは、ゲート・ソース電圧Vgs2がローレベルになる時間区間の長さ(以下、「(スイッチング素子Q2の)オフ時間」と呼ぶ)を示す。tdは、ゲート・ソース電圧Vgs1,Vgs2の両方がローレベルになる時間区間の長さ(以下、「デッド時間」と呼ぶ)を示す。デッド時間tdの長さは、任意の時間長、例えば50~200ナノ秒に設定される。オン時間ton及びオフ時間toffの長さは、力率改善回路3が図13に示すように動作するように、すなわち、力率改善回路3が電流臨界モードで動作し、かつ、スイッチング素子Q2のソフトスイッチングを実現するように決定される。
次に、オン時間ton及びオフ時間toffの長さを決定する方法について説明する。
一般に、インダクタの両端間の電圧は、インダクタに流れる電流の時間的変化率と、インダクタンスとの積により表される。
スイッチング素子Q1がオフされ、かつ、スイッチング素子Q2がオンされているとき、可変インダクタンス回路Lの両端間の電圧VL(on)は、次式により表される。
VL(on)=Vin
=L×(ΔIL(on)/ton) (1)
ここで、ΔIL(on)は、スイッチング素子Q1がオフされ、かつ、スイッチング素子Q2がオンされているときにおける、インダクタ電流ILの変化量を示す。
また、スイッチング素子Q1がオンされ、かつ、スイッチング素子Q2がオフされているとき、可変インダクタンス回路Lの両端間の電圧VL(off)は、次式により表される。
VL(off)=Vout-Vin
=L×(ΔIL(off)/(toff-td)) (2)
ここで、ΔIL(off)は、スイッチング素子Q1がオンされ、かつ、スイッチング素子Q2がオフされているときにおける、インダクタ電流ILの変化量を示す。
オン時間ton及びオフ時間toffを決定することにより、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数fswを次式により決定することができる。
fsw=1/(ton+toff) (3)
制御回路11は、入力電圧Vin、インダクタ電流IL、及び出力電圧Voutの値に基づいて、式(1)~式(3)を用いて、端子P3,P4における出力電力が目標電力に等しくなるように、オン時間ton、オフ時間toff、及びスイッチング周波数fswを決定する。式(1)及び式(2)において、入力電圧Vinは、電圧センサ13によって検出された値を参照して設定される。また、前述したように、出力電流Ioutは、インダクタ電流ILの平均値に比例する。従って、式(1)及び式(2)において、インダクタ電流ILの変化量ΔILは、目標電力に基づいて設定されてもよく、また、電流センサ15によって検出された値を参照して設定されてもよい。また、式(2)において、出力電圧Voutは、目標電力に基づいて設定されてもよく、電圧センサ13によって検出された値を参照して設定されてもよい。また、インダクタ電流IL及び出力電圧Voutを検出することにより、等価的に、負荷装置5の消費電力値を取得して目標電力を決定することができる。また、インダクタ電流IL及び出力電圧Voutを設定することにより、等価的に、出力電力が設定される。
制御回路11は、オン時間ton、オフ時間toff、及びスイッチング周波数fswを、インダクタ電流ILが増減する周期ごとに、例えば数マイクロ秒ごとに計算する。これにより、力率改善回路3を高い周波数で動作させることができる。
図14は、図2の力率改善回路3の入力電圧Vinに対するスイッチング周波数fswの依存性を説明するグラフである。式(1)~式(3)によれば、スイッチング周波数fswは、入力電圧Vin、出力電圧Vout、及びインダクタ電流ILに依存する。力率改善回路3には交流電圧が入力されるので、その入力電圧Vinの値は常に変動する。従って、スイッチング周波数fswは、入力電圧Vinの変化に応じて動的に変動する「周波数拡散」の特徴を有する。図14の例によれば、例えば、入力される交流電圧の振幅が200Vであり、出力電圧Voutが500Vであり、目標電力が3kWである場合、入力電圧Vinの絶対値は0V~200Vの範囲で変動するので、スイッチング周波数fswは200~500kHzの範囲で変動する。
次に、力率改善回路3の可変インダクタンス回路Lの制御について説明する。
前述したように、スイッチング素子には、正常に動作可能であるスイッチング周波数の上限値が存在する。従って、負荷装置の消費電力が変動するとき、特に、負荷装置の消費電力が小さくなるとき、この消費電力に対応するスイッチング周波数で各スイッチング素子が動作できず、所望の出力電力を得られない可能性がある。
一般に、トランジスタなどのスイッチング素子は、そのゲート、ソース、及びドレインの間に寄生容量を有する。スイッチング素子のゲートに接続された信号線は、信号線の抵抗と、ゲート・ソース間の寄生容量とに起因する時定数を有する。この時定数に起因して、ゲート駆動信号の立ち上がり及び立ち下がりが遅延する。スイッチング周波数が増大してゲート駆動信号のオン時間が立ち上がりの遅延時間よりも小さくなると、ゲートに十分な電圧を印加してスイッチング素子をオンすることができなくなる。また、スイッチング素子の導通損失及びターンオフ損失は、スイッチング周波数が増大するほど大きくなる。インダクタの銅損もまた、スイッチング周波数が増大するほど大きくなる。従って、スイッチング素子のスイッチング周波数が、正常に動作可能である上限値を超えると、ゲート駆動信号の遅延に起因して、また、スイッチング素子及びインダクタの損失に起因して、電力変換装置は正常に動作できなくなる。
このため、図2の力率改善回路3は、可変なインダクタンスを有する可変インダクタンス回路Lを備える。制御回路11は、スイッチング周波数fswがしきい値Th1よりも大きくなる場合、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを増大させる。また、制御回路11は、制御回路11は、スイッチング周波数fswがしきい値Th2よりも小さくなる場合、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを低減させる。
図15は、図2の力率改善回路3の目標電力に対するスイッチング周波数fswの依存性を説明するグラフである。図15の例では、入力される交流電圧の振幅が200Vであり、出力電圧Voutが800Vである場合を示す。しきい値Th1は、スイッチング素子Q1,Q2が正常に動作可能であるスイッチング周波数の上限値を示す。また、しきい値Th2は、しきい値Th1よりも小さい所定の下限値である。しきい値Th2は、ある目標電力においてスイッチング周波数fswがしきい値Th2に達して可変インダクタンス回路LのインダクタンスをL1+L2からL1に変化させても、スイッチング周波数fswがしきい値Th1を超過しないように設定される。図15の例では、しきい値Th1は2MHzに設定され、しきい値Th2は0.5MHzに設定される。また、図15の例では、力率改善回路3は、図3の可変インダクタンス回路Lを備え、そのインダクタンスはL1又はL1+L2に変化する。
可変インダクタンス回路LがインダクタンスL1を有する場合、目標電力が1.8kWより高いときには、スイッチング素子Q1,Q2は、目標電力に対応するスイッチング周波数fswで正常に動作可能である。一方、目標電力が1.8kW以下であるとき、スイッチング素子Q1,Q2は、目標電力に対応するスイッチング周波数fswはしきい値Th1を超過し、このスイッチング周波数fswで正常に動作することはできない。
一方、可変インダクタンス回路LがインダクタンスL1+L2を有する場合、目標電力が1.8kW以下かつ0.6kWより大きいとき、スイッチング素子Q1,Q2は、目標電力に対応するスイッチング周波数fswで正常に動作可能である。
スイッチング周波数fswは、図12を参照して前述したように交流電圧の半周期内において動的に変動し、また、図14を参照して前述したように入力電圧Vinの変化に応じて動的に変動する、「周波数拡散」の特徴を有する。従って、制御回路11は、実際には、所定時間区間にわたって、例えば交流電圧の数周期分の時間区間にわたって経時的に変動するスイッチング周波数fswの最大値fswmaxをしきい値Th1及びTh2と比較する。
次に、以上説明した動作原理に従って、実施形態に係る力率改善回路3の動作について説明する。
[第1の実施形態の動作]
図16は、図2の制御回路11によって実行される電力変換処理を示すフローチャートである。
図16の例では、力率改善回路3は、図3の可変インダクタンス回路Lを備え、そのインダクタンスはL1又はL1+L2に設定される。
ステップS1において、制御回路11は、所望の出力電圧Voutを設定する。
ステップS2において、制御回路11は、可変インダクタンス回路LのインダクタンスをL1+L2に設定する。
ステップS3において、制御回路11は、入力電圧Vin、出力電圧Vout、インダクタ電流IL、及びインダクタンスL1+L2に基づいて、式(1)及び式(2)を用いてオン時間ton及びオフ時間toffを計算し、さらに、式(3)を用いてスイッチング周波数fswを計算する。制御回路11は、計算したオン時間ton、オフ時間toff、及びスイッチング周波数fswをスイッチング回路12に設定する。
ステップS4において、制御回路11は、スイッチング周波数fswの最大値fswmaxがしきい値Th2より小さいか否かを判断し、YESのときはステップS5に進み、NOのときはステップS3に戻る。
ステップS5において、制御回路11は、可変インダクタンス回路LのインダクタンスをL1に設定する。
ステップS6において、制御回路11は、入力電圧Vin、出力電圧Vout、インダクタ電流IL、及びインダクタンスL1に基づいて、式(1)及び式(2)を用いてオン時間ton及びオフ時間toffを計算し、さらに、式(3)を用いてスイッチング周波数fswを計算する。制御回路11は、計算したオン時間ton、オフ時間toff、及びスイッチング周波数fswをスイッチング回路12に設定する。
ステップS7において、制御回路11は、スイッチング周波数fswの最大値fswmaxがしきい値Th1より大きいか否かを判断し、YESのときはステップS2に戻り、NOのときはステップS56に戻る。
図16の電力変換処理によれば、制御回路11は、力率改善回路3を起動するとき、ステップS2において、可変インダクタンス回路LのインダクタンスをまずL1+L2に設定する。言い換えると、制御回路11は、力率改善回路3を起動するとき、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを最大化させる。力率改善回路3の起動時には、負荷装置5の消費電力が未知である可能性がある。例えば、負荷装置5が蓄電池である場合、蓄電池の充電量が不明であると、目標電力を決定することができない。例えば、蓄電池が満充電であり、その消費電力が小さい場合、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスが小さいと、スイッチング周波数がしきい値Th1を超過する可能性がある。図16の電力変換処理によれば、力率改善回路3の起動時には、スイッチング周波数fswがしきい値Th1を超えないように、小さな目標電力を想定して、可変インダクタンス回路LのインダクタンスをまずL1+L2に設定する。
また、図16の電力変換処理によれば、制御回路11は、可変インダクタンス回路LのインダクタンスをL1からL1+L2に変更するとき、しきい値Th1を参照し、可変インダクタンス回路LのインダクタンスをL1+L2からL1に変更するとき、しきい値Th2を参照する。このように、制御回路11は、互いに異なるしきい値Th1,Th2を用いてヒステリシス特性を有するように可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを制御する。これにより、スイッチング周波数fswがしきい値の近傍にあるときに可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを過度に頻繁に変更することなく、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを安定的に制御することができる。
図15を参照して、ヒステリシス特性を有するように可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを制御する一例として、しきい値Th1,Th2を用いる場合についてさらに説明する。可変インダクタンス回路LにインダクタンスL1が設定されている場合、しきい値Th1が設定される。目標電力が減少すると、これに応じて、スイッチング周波数fswが増大される(点D→点A)。スイッチング周波数fswがしきい値Th1に到達したとき(点A)、可変インダクタンス回路LのインダクタンスはL1からL1+L2に変更され、これに応じて、スイッチング周波数fswも変更される(点A→点B)。可変インダクタンス回路LにインダクタンスL1+L2が設定されている場合、しきい値Th2が設定される。目標電力が増大すると、これに応じて、スイッチング周波数fswが低減される(点B→点C)。スイッチング周波数fswがしきい値Th2に到達したとき(点C)、可変インダクタンス回路LのインダクタンスはL1+L2からL1に変更され、これに応じて、スイッチング周波数fswも変更される(点C→点D)。
可変インダクタンス回路LのインダクタンスをL1+L2からL1へ変更することは、図16のステップS4~S5に示すようにしきい値Th2を用いてもよく、他の基準を用いてもよい。例えば、さまざまな目標電力において、可変インダクタンス回路LにインダクタンスL1を設定したときのスイッチング周波数fswsと、可変インダクタンス回路LにインダクタンスL1+L2を設定したときのスイッチング周波数fswbとを予め計算し、目標電力と2つのスイッチング周波数fswa,fswbとの組を含むテーブルを生成してもよい。この場合、制御回路11は、力率改善回路3の起動後、負荷装置5の消費電力値を取得して目標電力を決定し、この目標電力に対応するスイッチング周波数fswbをスイッチング回路12に設定する。制御回路11は、上述のテーブルを参照して、目標電力において可変インダクタンス回路LのインダクタンスをL1+L2からL1に変化させたとき、スイッチング周波数fswaがしきい値Th1を超過するか否かを決定する。スイッチング周波数fswaがしきい値Th1以下である場合、制御回路11は、実際に、可変インダクタンス回路LのインダクタンスをL1+L2からL1に変化させる。その後、制御回路11は、目標電力に対応するスイッチング周波数fswaをスイッチング回路12に設定する。
次に、図17~図19を参照して、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスの切り換え方法について説明する。
図17は、図2の可変インダクタンス回路Lのインダクタンスの第1の例示的な切り換え方法を説明するタイミングチャートである。制御回路11は、第1の時点aにおいてスイッチング周波数fswがしきい値Th1よりも大きくなるか又はしきい値Th2よりも小さくなるとき、スイッチング素子Q1~Q4のすべてを直ちにオフする。制御回路11は、各スイッチング素子Q1~Q4をオフしているとき(時点a~c)、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変化させる。制御回路11は、各スイッチング素子Q1~Q4をオフしているとき、かつ、入力電圧Vinがゼロになるときに(時点b又はc)、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変化させてもよい。その後、制御回路11は、第1の時点aの後に入力電圧Vinがゼロになる第2の時点b又はcにおいて、各スイッチング素子Q1~Q4の動作を再開させる。各スイッチング素子Q1~Q4をオフしてからそれらの動作を再開させるまでの時間長は、図17に示すものに限定されず、より短くても、より長くてもよい。
図18は、図2の可変インダクタンス回路Lのインダクタンスの第2の例示的な切り換え方法を説明するタイミングチャートである。制御回路11は、第1の時点dにおいてスイッチング周波数fswがしきい値Th1よりも大きくなるか又はしきい値Th2よりも小さくなる場合、第1の時点dの直後に入力電圧Vinがゼロになる第2の時点eにおいて、スイッチング素子Q1~Q4のすべてをオフする。制御回路11は、各スイッチング素子Q1~Q4をオフしているとき(時点e~f)、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変化させる。制御回路11は、各スイッチング素子Q1~Q4をオフしているとき、かつ、入力電圧Vinがゼロになるときに(時点e又はf)、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変化させてもよい。その後、制御回路11は、第2の時点eの後に入力電圧Vinがゼロになる第3の時点fにおいて、各スイッチング素子Q1~Q4の動作を再開させる。各スイッチング素子Q1~Q4をオフしてからそれらの動作を再開させるまでの時間長は、図18に示すものに限定されず、より長くてもよい。図17の例では、時点aにおいて、可変インダクタンス回路Lに非ゼロの入力電圧Vinを印加しながら可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変化させるので、可変インダクタンス回路LのスイッチSWの両端にリンギングを生じるおそれがある。一方、図18の例では、スイッチング周波数fswがしきい値Th1よりも大きくなるか又はしきい値Th2よりも小さくなった場合でも、入力電圧Vinがゼロになるまでは、各スイッチング素子Q1~Q4の動作を継続する。これにより、図18の動作によれば、可変インダクタンス回路Lにおいてリンギングを発生しにくくすることができる。
図19は、図2の可変インダクタンス回路Lのインダクタンスの第3の例示的な切り換え方法を説明するタイミングチャートである。制御回路11は、第1の時点gにおいてスイッチング周波数fswがしきい値Th1よりも大きくなるか又はしきい値Th2よりも小さくなる場合、第1の時点gの直後に入力電圧Vin値がゼロになる第2の時点hにおいて、各スイッチング素子Q1~Q4をオフし、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変化させ、各スイッチング素子Q1~Q4の動作を再開させる。図17及び図18の例では、各スイッチング素子Q1~Q4を停止してインダクタ電流ILが流れなくなる時間が長いので、力率が低下する。一方、図19の例では、各スイッチング素子Q1~Q4を停止する時間が短いので、力率の低下を抑制しながら可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変更することができる。
図16の電力変換処理は、図3の可変インダクタンス回路Lを使用し、可変インダクタンス回路LのインダクタンスをL1又はL1+L2に変更する場合について説明したが、3つ以上のインダクタンスを有する他の可変インダクタンス回路Lも使用可能である。制御回路11は、スイッチング周波数fswが第1のしきい値よりも大きくなる場合、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを増大させる。制御回路11は、スイッチング周波数fswが第1のしきい値よりも小さい第2のしきい値よりも小さくなる場合、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを低減させる。この場合、スイッチング周波数fswと比較するために3つ以上のしきい値を用いてもよい。
可変インダクタンス回路Lのインダクタンスが最大値であるとき、スイッチング周波数fswの最大値fswmaxがしきい値Th1を越えた場合、制御回路11は力率改善回路3の動作を停止してもよい。
[第1の実施形態の効果]
第1の実施形態に係る力率改善回路3によれば、可変インダクタンス回路Lを備え、目標電圧に応じて可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変更することにより、効率を低下させることなく、所望の目標電力に等しい電力を発生することができる。
第1の実施形態に係る力率改善回路3によれば、例えば、以下の特徴のうちの少なくとも1つを有する。
(1)複数のインダクタ及び少なくとも1つのスイッチを含み、可変なインダクタンスを有する可変インダクタンス回路Lを備えたこと。
(2)検出された電圧及び電流に基づいて各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数fswを計算し、スイッチング周波数fswが所定の条件を満たした時点において可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変更すること。
(3)ヒステリシス特性を有するように可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを制御すること。
(4)交流の入力電圧が非ゼロである時点において、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変更する条件が満たされた場合、スイッチング素子Q1~Q4をオフしているときに可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変更すること。
(5)力率改善回路3の起動時に、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを最大化し、動作が安定した後に、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを最適化すること。
このような特徴を備えたことにより、適正なスイッチング周波数でスイッチング素子Q1,Q2を動作させることができ、また、スイッチング電源装置の設計上の自由度を向上することができる。
第1の実施形態に係る力率改善回路3によれば、各スイッチング素子Q1,Q2を電流臨界モードで動作させることにより、電流連続モードの場合よりもスイッチング損失を低減することができる。電流連続モードの場合、交流の入力電圧の正の時間区間において、可変インダクタンス回路Lには正の電流が常に流れる。電流連続モードでは、スイッチング素子Q2の内部の寄生容量から放電するために、スイッチング素子Q2をオンする必要がある。そのため、スイッチング素子Q2がオンする時に電圧Vdsが印加されているので、大きなターンオン損失が発生する。一方、電流臨界モードの場合、可変インダクタンス回路Lには正の電流及び負の電流が流れる。可変インダクタンス回路Lに負の電流が流れるとき、スイッチング素子Q2がオフの状態で、スイッチング素子Q2の内部の寄生容量から放電することができる。そのため、電圧Vdsがゼロになった後にスイッチング素子Q2をオンするゼロボルトスイッチングを実現することができる。従って、電流臨界モードではターンオン損失をほぼゼロにすることができるので、高い周波数で駆動する力率改善回路3に適している。
力率改善回路が、可変インダクタンス回路Lではなく、一定のインダクタンスを有するインダクタを備える場合を考える。この場合、例えば、各スイッチング素子を間欠的に動作させることにより、目標電力が小さくなるときであっても、正常に動作可能であるスイッチング周波数の上限値を超えることなく各スイッチング素子を動作させることができる。このとき、出力電流は、間欠動作しない場合の元の出力電流と、間欠動作のデューティ比との積である。従って、各スイッチング素子を間欠的に動作させることにより、スイッチング周波数fswを増大させることなく、出力電力を低減することができる。ただし、ただし、間欠動作に起因して、力率は低下する。一方、第1の実施形態に係る力率改善回路3によれば、目標電力が小さくなるときであっても、スイッチング素子Q1,Q2は連続的に動作し、インダクタ電流ILは連続的に流れるので、簡潔動作する場合よりも力率は向上する。
力率改善回路3の直流バスに生じる電圧を高くすることにより、導通損失を低減することができる。前述したように、力率改善回路3は500~800Vの直流電圧を出力してもよい。また、力率改善回路3の動作周波数を高くすることにより、その各回路素子の寸法を削減し、また、力率改善回路3の全体の寸法を削減することができる。本発明者らの試作によれば、65kHzの動作周波数を有する力率改善回路が21cm×15cmのフットプリントを有していたのに対して、300kHzの動作周波数を有する力率改善回路が15cm×13cmのフットプリントを有していた。動作周波数を増大させることによる小型化の効果がわかる。
[第2の実施形態]
図20は、第2の実施形態に係る力率改善回路3Aの例示的な構成を示す回路図である。力率改善回路3Aは、図2の制御回路11及び電流センサ15に代えて、制御回路11A及び電流センサ16を備える。
電流センサ16は、端子P3,P4における出力電流Ioutの瞬時値を検出する。
制御回路11Aは、端子P1,P2間の入力電圧Vin、端子P3,P4における出力電流Iout、及び端子P3,P4間の出力電圧Voutの値に基づいて、端子P3,P4における電力が目標電力に等しくなるように各スイッチング素子Q1,Q2のオン時間及びオフ時間の長さを決定し、これによりスイッチング周波数fswを制御する。前述したように、出力電流Ioutは、インダクタ電流ILの平均値に比例する。従って、式(1)~式(3)の計算において、インダクタ電流ILに代えて、所定の係数を乗算した出力電流Ioutを用いてもよい。
実施形態に係る力率改善回路は、電流センサ15,16の両方を備えてもよい。
[第3の実施形態]
図21は、第3の実施形態に係る電力システム100Bの例示的な構成を示すブロック図である。電力システム100Bは、図1の力率改善回路3に代えて力率改善回路3Bを備え、さらに、温度センサ6を備える。
温度センサ6は、DC/DCコンバータ回路4及び/又は負荷装置5の近傍又は内部に設けられ、その温度を検出する。
力率改善回路3Bは、図2の制御回路11に代えて、制御回路11Bを備える。制御回路11Bには、温度センサ6によって検出された温度が通知される。制御回路11Bは、端子P3,P4に直接的又は間接的に接続された装置(すなわち、DC/DCコンバータ回路4及び/又は負荷装置5)の温度が第3のしきい値Th3よりも高くなったとき、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを低減させる。
図22は、図21の制御回路11Bによって実行される電力変換処理を示すフローチャートである。図22の電力変換処理は、図16のステップS6,S7の間に新たなステップS11を含む。ステップS11において、制御回路11は、温度センサ6によって検出された温度Tempがしきい値Th3よりも大きいか否かを判断し、YESのときはステップS2に戻り、NOのときはステップS7に進む。
DC/DCコンバータ回路4及び/又は負荷装置5において過度に高い温度が発生しているとき、これらの装置を冷却するため、又は、少なくとも温度のさらなる上昇を防ぐため、制御回路11Bは出力電力を低減する。一般に、目標電力を低減すると、スイッチング周波数fswが増大してしきい値Th1を越えるおそれがある。ただし、実施形態に係る力率改善回路3Bは、可変インダクタンス回路Lを備え、そのインダクタンスをL1からL1+L2に変更することにより、しきい値Th1以下のスイッチング周波数で各スイッチング素子を動作させることができる。
ステップS11からステップS2に戻った場合、温度Tempがしきい値Th3よりも高い間は、ステップS3においてスイッチング周波数fswを再計算することなく、現在のスイッチング周波数fswを維持してもよい。図15を参照すると、このようにスイッチング周波数fswを維持したまま可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変化させることにより、出力電力が大きく変化することがわかる。
以上説明したように、DC/DCコンバータ回路4及び/又は負荷装置5の温度に基づいて可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを制御することにより、電力システム100Bの全体の安全性を向上することができる。
[第4の実施形態]
図23は、第4の実施形態に係る電力システム100Cの例示的な構成を示すブロック図である。電力システム100Cは、図1の力率改善回路3及び負荷装置5に代えて、力率改善回路3C及び負荷装置5Cを備える。
負荷装置5Cは、その内部状態、例えば、電流、電圧、及び電力の少なくとも1つを力率改善回路3Cに通知する。負荷装置5Cが例えば蓄電池である場合、充電量を力率改善回路3Cに通知してもよい。
力率改善回路3Cは、図2の制御回路11に代えて、制御回路11Cを備える。制御回路11Cには、制御回路11Cは、端子P3,P4に直接的又は間接的に接続された装置(例えば負荷装置5C)における電流、電圧、及び電力の少なくとも1つに基づいて、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを制御する。
図24は、図23の負荷装置5Cの例示的な動作を説明するグラフである。図24の例は、負荷装置5Cがリチウムイオン電池などの蓄電池を含む場合を示す。負荷装置5Cは、蓄電池の充電電圧を制御回路11Cに通知する。制御回路11Cは、蓄電池の充電電圧に基づいて、可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを制御する。図24の例によれば、蓄電池に充電するとき、充電の開始直後は定電流動作(CC)で充電し、その後、定電力動作(CP)で充電し、満充電に近づくと定電圧動作(CV)で充電する。定電流動作(CC)のとき、力率改善回路3Cの出力電圧Vout及び出力電流Ioutは一定である。定電力動作(CP)のとき、力率改善回路3Cの出力電圧Voutは次第に増大し、力率改善回路3Cの出力電流Ioutは次第に減少する。定電圧動作(CV)のとき、力率改善回路3Cの出力電圧Voutは一定であり、力率改善回路3Cの出力電流Ioutは次第に減少する。制御回路11Cは、蓄電池の充電電圧及び動作状態(CC、CP、又はCV)に基づいて、出力電圧Vout、出力電流Iout、及びスイッチング周波数fswを設定する。スイッチング周波数fswは、定電流動作(CC)及び定電力動作(CP)のとき、しきい値Th1よりも小さいが、定電圧動作(CV)のとき、しきい値Th1よりも大きくなる。これは、蓄電池の充電率が小さい間は負荷装置5Cの消費電力が比較的に大きく、蓄電池が満充電に近づくと負荷装置5Cの消費電力が小さくなるからである。従って、制御回路11Cは、負荷装置5Cが定電圧動作(CV)で蓄電池に充電しているとき、可変インダクタンス回路LのインダクタンスをL1+L2に設定する。
以上説明したように、負荷装置5Cの状態に基づいて可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを制御することにより、負荷装置に適切な電力を送ることができる。
以上の説明では、力率改善回路3等がトーテムポール型力率改善回路である場合を示したが、本開示の実施形態に係る電力変換装置は、昇圧型のDC/DCコンバータ回路を含む任意の力率改善回路であってもよい。
[第5の実施形態]
図25は、第5の実施形態に係る力率改善回路3Dの例示的な構成を示す回路図である。力率改善回路3Dは、制御回路11D、キャパシタC21、ダイオードD21~D25、可変インダクタンス回路L、端子P1~P4、及びスイッチング素子Q21を備える。力率改善回路3Dは、図1の電力システム100において、力率改善回路3に代えて、ノイズフィルタ2及びDC/DCコンバータ回路4の間に挿入される。
ダイオードD21~D24は、ダイオードブリッジを構成する。ダイオードD21,D23のカソードは、可変インダクタンス回路Lを介して、ダイオードD25及びスイッチング素子Q21の間のノードに接続される。ダイオードD25のカソードは端子P3に接続される。キャパシタC21は、端子P3,P4にわたって接続される。制御回路11Dは、図2のスイッチング回路12に代えてスイッチング素子Q21を制御することを除いて、図2の制御回路11と同様に動作する。
図25の力率改善回路3Dもまた、可変インダクタンス回路Lを備え、目標電圧に応じて可変インダクタンス回路Lのインダクタンスを変更することにより、効率を低下させることなく、所望の目標電力に等しい電力を発生することができる。
[第6の実施形態]
図26は、第6の実施形態に係る力率改善回路3Eの例示的な構成を示す回路図である。力率改善回路3Eは、制御回路11E、キャパシタC31、ダイオードD31~D32、可変インダクタンス回路L-1~L-2、端子P1~P4、及びスイッチング素子Q31~Q32を備える。力率改善回路3Eもまた、図1の電力システム100において、力率改善回路3に代えて、ノイズフィルタ2及びDC/DCコンバータ回路4の間に挿入される。
ダイオードD31及びスイッチング素子Q31は、端子P3,P4の間において互いに直列に接続される。ダイオードD32及びスイッチング素子Q32もまた、端子P3,P4の間において互いに直列に接続される。スイッチング素子Q31,Q32のゲートは互いに接続される。ダイオードD31及びスイッチング素子Q31の間のノードは、可変インダクタンス回路L-1を介して端子P1に接続される。ダイオードD32及びスイッチング素子Q32の間のノードは、可変インダクタンス回路L-2を介して端子P2に接続される。可変インダクタンス回路L-1~L-2はそれぞれ、例えば、図3の可変インダクタンス回路Lと同様に構成される。キャパシタC21は、端子P3,P4にわたって接続される。制御回路11Eは、図2のスイッチング回路12に代えてスイッチング素子Q31,Q32を制御し、また、図2の可変インダクタンス回路Lに代えて可変インダクタンス回路L-1~L-2を制御することを除いて、図2の制御回路11と同様に動作する。制御回路11Eは、常に互いに同じインダクタンスを有するように可変インダクタンス回路L-1~L-2を制御する。
図26の力率改善回路3Eを、デュアルブースト型の力率改善回路とも呼ぶ。
図26の力率改善回路3Eもまた、可変インダクタンス回路L-1~L-2を備え、目標電圧に応じて可変インダクタンス回路L-1~L-2のインダクタンスを変更することにより、効率を低下させることなく、所望の目標電力に等しい電力を発生することができる。
[他の変形例]
図2等では、1つのスイッチング回路12及び1つの可変インダクタンス回路Lを含む単相の力率改善回路について説明したが、説明した内容は、複数組のスイッチング回路及び可変インダクタンス回路を含む2相又は多相インターリーブ型の力率改善回路にも適用可能である。
図1等の電力システムにおいて、ノイズフィルタを省略してもよい。また、図1等の電力システムにおいて、DC/DCコンバータ回路を省略し、力率改善回路3から負荷装置5に直接に電力を供給してもよい。また、図1等の電力システムは、DC/DCコンバータ回路4及び直流電圧で動作する負荷装置5に代えて、インバータと、交流電圧で動作する負荷装置とを備えてもよい。
説明した実施形態及び変形例を任意に組み合わせてもよい。
本開示の一態様に係る電力システムは、例えば、電気自動車の車載充電システムとして構成されてもよい。車載充電システムは、住宅の電力設備から電気自動車の蓄電池に充電し、逆に、電気自動車の蓄電池から住宅の電力設備に電力を供給するように、すなわち双方向で動作するように構成されてもよい。電力変換装置(力率改善回路)は、数kWの出力電力を発生するように動作可能であり、これにより、充電時間を短縮することができる。車載充電システムを従来よりも小型かつ軽量に構成することができ、これにより、電費を削減し、電気自動車の走行距離を延長することができる。
1 交流電源装置
2 ノイズフィルタ
3,3A~3E 力率改善回路
4 DC/DCコンバータ回路
5,5C 負荷装置
6 温度センサ
11,11A~11E 制御回路
12 スイッチング回路
13,14 電圧センサ
15,16 電流センサ
20 磁性体コア
21 リレー
21a 可動接点
21b コイル
22 トランジスタ
23 絶縁ゲートドライバ回路
24 絶縁電源回路
100,100B,100C 電力システム
C1,C2,C11~C13,C21,C31 キャパシタ
D21~D25,D31~D32 ダイオード
L,La~Ld,L-1~L-2 可変インダクタンス回路
L1~L8,L11~L12 インダクタ
N1~N3 ノード
P1~P4,P11~P14 端子
Q,Q1~Q4,Q11~Q18,Q21,Q31~Q32 スイッチング素子
R1~R4 抵抗
SW,SWa,SW1~SW6 スイッチ
T1 トランス

Claims (29)

  1. 第1~第4の端子と、
    複数のスイッチング素子を含み、前記第1及び第2の端子に印加される交流電圧を直流電圧に変換して前記第3及び第4の端子から出力するスイッチング回路と、
    前記第1又は第2の端子と前記スイッチング回路との間に接続され、可変なインダクタンスを有する可変インダクタンス回路と、
    前記各スイッチング素子のスイッチング周波数を制御し、かつ、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを制御する制御回路とを備える電力変換装置であって、
    前記制御回路は、
    前記各スイッチング素子のスイッチング周波数を制御し、
    前記スイッチング周波数が第1のしきい値よりも大きくなる場合、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを増大させる、
    電力変換装置。
  2. 前記制御回路は、前記スイッチング周波数が前記第1のしきい値よりも小さい第2のしきい値よりも小さくなる場合、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを低減させる、
    請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記制御回路は、
    第1の時点において前記スイッチング周波数が前記第1のしきい値よりも大きくなるか又は前記第2のしきい値よりも小さくなるとき、前記各スイッチング素子をオフし、
    前記各スイッチング素子をオフしているとき、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを変化させ、
    前記第1の時点の後に前記第1及び第2の端子の間の電圧値がゼロになる第2の時点において、前記各スイッチング素子の動作を再開させる、
    請求項2記載の電力変換装置。
  4. 前記制御回路は、
    第1の時点において前記スイッチング周波数が前記第1のしきい値よりも大きくなるか又は前記第2のしきい値よりも小さくなる場合、前記第1の時点の直後に前記第1及び第2の端子の間の電圧値がゼロになる第2の時点において、前記各スイッチング素子をオフし、
    前記各スイッチング素子をオフしているとき、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを変化させ、
    前記第2の時点の後に前記第1及び第2の端子の間の電圧値がゼロになる第3の時点において、前記各スイッチング素子の動作を再開させる、
    請求項2記載の電力変換装置。
  5. 前記制御回路は、第1の時点において前記スイッチング周波数が前記第1のしきい値よりも大きくなるか又は前記第2のしきい値よりも小さくなる場合、前記第1の時点の直後に前記第1及び第2の端子の間の電圧値がゼロになる第2の時点において、前記各スイッチング素子をオフし、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを変化させ、前記各スイッチング素子の動作を再開させる、
    請求項2記載の電力変換装置。
  6. 前記制御回路は、前記第1及び第2の端子の間の電圧値、前記可変インダクタンス回路における電流値、及び前記第3及び第4の端子の間の電圧値に基づいて、又は、前記第1及び第2の端子の間の電圧値、前記第3及び第4の端子における電流値、及び前記第3及び第4の端子の間の電圧値に基づいて、前記各スイッチング素子のオン時間及びオフ時間の長さを決定し、これにより前記スイッチング周波数を制御する、
    請求項1~5のうちの1つに記載の電力変換装置。
  7. 前記制御回路は、
    前記交流電圧の半周期よりも短い時間で周期的に前記可変インダクタンス回路における電流値がゼロから増減して再びゼロになるように、
    前記可変インダクタンス回路における電流値がゼロでありかつ前記複数のスイッチング素子のうちの1つのスイッチング素子の両端に印加される電圧がゼロであるときに、当該1つのスイッチング素子をオン又はオフするように、かつ、
    前記可変インダクタンス回路における電流値がゼロになる時間長を最小化するように、
    前記各スイッチング素子を制御する、
    請求項1~6のうちの1つに記載の電力変換装置。
  8. 前記制御回路は、前記電力変換装置を起動するとき、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを最大化させる、
    請求項1~7のうちの1つに記載の電力変換装置。
  9. 前記制御回路は、前記第3及び第4の端子に直接的又は間接的に接続された装置の温度が第3のしきい値よりも高くなったとき、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを低減させる、
    請求項1~8のうちの1つに記載の電力変換装置。
  10. 前記制御回路は、前記第3及び第4の端子に直接的又は間接的に接続された装置における電流、電圧、及び電力の少なくとも1つに基づいて、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを制御する、
    請求項1~9のうちの1つに記載の電力変換装置。
  11. 前記可変インダクタンス回路は、複数のインダクタと、前記複数のインダクタに接続された少なくとも1つのスイッチとを備え、
    前記スイッチは、前記第1又は第2の端子と前記スイッチング回路との間において前記複数のインダクタを選択的に接続するように前記制御回路によって制御される、
    請求項1~10のうちの1つに記載の電力変換装置。
  12. 前記スイッチはトランジスタを含む、
    請求項11記載の電力変換装置。
  13. 前記スイッチは、前記トランジスタのゲートに接続された絶縁ゲートドライバ回路をさらに備え、
    前記トランジスタは、前記絶縁ゲートドライバ回路を介して前記制御回路によって制御される、
    請求項12記載の電力変換装置。
  14. 前記スイッチはリレーを含む、
    請求項11記載の電力変換装置。
  15. 前記複数のインダクタは互いに直列に接続され、
    前記各スイッチは、前記複数のインダクタのうちの少なくとも1つに並列に接続される、
    請求項11~14のうちの1つに記載の電力変換装置。
  16. 前記複数のインダクタは互いに並列に接続され、
    前記各スイッチは、前記複数のインダクタのうちの少なくとも1つに直列に接続される、
    請求項11~14のうちの1つに記載の電力変換装置。
  17. 前記スイッチング回路は、
    前記第3及び第4の端子の間に直列に接続され、前記交流電圧の周波数よりも高い周波数で動作する第1及び第2のスイッチング素子と、
    前記第3及び第4の端子の間に直列に、かつ、前記第1及び第2のスイッチング素子に並列に接続され、前記交流電圧の周波数で動作する第3及び第4のスイッチング素子とを備える、
    請求項1~16のうちの1つに記載の電力変換装置。
  18. 請求項1~17のうちの1つに記載の電力変換装置と、
    DC/DCコンバータ回路と、
    負荷装置とを備えた電力システムであって、
    前記電力変換装置は力率改善回路として動作し、
    前記DC/DCコンバータ回路は、前記電力変換装置の第3及び第4の端子にそれぞれ接続された第5及び第6の端子と、前記負荷装置に接続された第7及び第8の端子とを備え、前記電力変換装置から前記第5及び第6の端子に印加された直流電圧を異なる直流電圧に変換して前記第7及び第8の端子から出力する、
    電力システム。
  19. 前記負荷装置は蓄電池であり、
    前記DC/DCコンバータ回路は、前記蓄電池から前記第7及び第8の端子に印加された直流電圧を異なる直流電圧に変換して前記第5及び第6の端子から出力し、
    前記電力変換装置は、前記DC/DCコンバータ回路から前記第3及び第4の端子に印加された直流電圧を交流電圧に変換して前記第1及び第2の端子から出力する、
    請求項18記載の電力システム。
  20. 電力変換装置の制御方法であって、
    前記電力変換装置は、
    第1~第4の端子と、
    複数のスイッチング素子を含み、前記第1及び第2の端子に印加される交流電圧を直流電圧に変換して前記第3及び第4の端子から出力するスイッチング回路と、
    前記第1又は第2の端子と前記スイッチング回路との間に接続され、可変なインダクタンスを有する可変インダクタンス回路とを備え、
    前記制御方法は、
    前記各スイッチング素子のスイッチング周波数を制御するステップと、
    前記スイッチング周波数が第1のしきい値よりも大きくなる場合、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを増大させるステップとを含む、
    電力変換装置の制御方法。
  21. 前記制御方法は、前記スイッチング周波数が前記第1のしきい値よりも小さい第2のしきい値よりも小さくなる場合、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを低減させるステップをさらに含む、
    請求項20記載の電力変換装置の制御方法。
  22. 前記制御方法は、
    第1の時点において前記スイッチング周波数が前記第1のしきい値よりも大きくなるか又は前記第2のしきい値よりも小さくなるとき、前記各スイッチング素子をオフするステップと、
    前記各スイッチング素子をオフしているとき、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを変化させるステップと、
    前記第1の時点の後に前記第1及び第2の端子の間の電圧値がゼロになる第2の時点において、前記各スイッチング素子の動作を再開させるステップとをさらに含む、
    請求項21記載の電力変換装置の制御方法。
  23. 前記制御方法は、
    第1の時点において前記スイッチング周波数が前記第1のしきい値よりも大きくなるか又は前記第2のしきい値よりも小さくなる場合、前記第1の時点の直後に前記第1及び第2の端子の間の電圧値がゼロになる第2の時点において、前記各スイッチング素子をオフするステップと、
    前記各スイッチング素子をオフしているとき、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを変化させるステップと、
    前記第2の時点の後に前記第1及び第2の端子の間の電圧値がゼロになる第3の時点において、前記各スイッチング素子の動作を再開させるステップとをさらに含む、
    請求項21記載の電力変換装置の制御方法。
  24. 前記制御方法は、第1の時点において前記スイッチング周波数が前記第1のしきい値よりも大きくなるか又は前記第2のしきい値よりも小さくなる場合、前記第1の時点の直後に前記第1及び第2の端子の間の電圧値がゼロになる第2の時点において、前記各スイッチング素子をオフし、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを変化させ、前記各スイッチング素子の動作を再開させるステップとをさらに含む、
    請求項21記載の電力変換装置の制御方法。
  25. 前記制御方法は、前記第1及び第2の端子の間の電圧値、前記可変インダクタンス回路における電流値、及び前記第3及び第4の端子の間の電圧値に基づいて、又は、前記第1及び第2の端子の間の電圧値、前記第3及び第4の端子における電流値、及び前記第3及び第4の端子の間の電圧値に基づいて、前記各スイッチング素子のオン時間及びオフ時間の長さを決定し、これにより前記スイッチング周波数を制御するステップをさらに含む、
    請求項20~24のうちの1つに記載の電力変換装置の制御方法。
  26. 前記制御方法は、
    前記第1及び第2の端子に印加される交流電圧の半周期よりも短い時間で周期的に前記可変インダクタンス回路における電流値がゼロから増減して再びゼロになるように、
    前記可変インダクタンス回路における電流値がゼロでありかつ前記複数のスイッチング素子のうちの1つのスイッチング素子の両端に印加される電圧がゼロであるときに、当該1つのスイッチング素子をオン又はオフするように、かつ、
    前記可変インダクタンス回路における電流値がゼロになる時間長を最小化するように、
    前記各スイッチング素子を制御するステップをさらに含む、
    請求項20~25のうちの1つに記載の電力変換装置の制御方法。
  27. 前記制御方法は、前記電力変換装置を起動するとき、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを最大化させるステップをさらに含む、
    請求項20~26のうちの1つに記載の電力変換装置の制御方法。
  28. 前記制御方法は、前記第3及び第4の端子に直接的又は間接的に接続された装置の温度が第3のしきい値よりも高くなったとき、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを低減させるステップをさらに含む、
    請求項20~27のうちの1つに記載の電力変換装置の制御方法。
  29. 前記制御方法は、前記第3及び第4の端子に直接的又は間接的に接続された装置における電流、電圧、及び電力の少なくとも1つに基づいて、前記可変インダクタンス回路のインダクタンスを制御するステップをさらに含む、
    請求項20~28のうちの1つに記載の電力変換装置の制御方法。
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