JP2022047294A - 光触媒複合体 - Google Patents

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圭子 笹木
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Chuaicham Chitiphon
ヴェライチャミ バラクマ
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Abstract

【課題】光触媒活性の高い光触媒複合体の提供。【解決手段】光触媒複合体は、層状粘土鉱物の存在下で、反応性基を有する有機化合物を炭化させて得られる炭素量子ドット、および前記層状粘土鉱物、を含む組成物と、前記組成物を修飾する光触媒と、を含む。前記光触媒が、オキシハロゲン化ビスマス、グラファイト状炭化窒素、酸化チタン、酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも一種を含み、前記層状粘土鉱物が、スメクタイトおよび層状複水酸化物のうち、少なくとも一方を含む、前記光触媒複合体。【選択図】図1

Description

本発明は、光触媒複合体に関する。
従来、TiO、ZnO、N等の種々の光触媒が、各種用途に適用されており、その光触媒活性をさらに高めることが求められている。これに対し、光触媒を粘土鉱物に担持させると、その光触媒活性が向上することが知られている。
一方、特許文献1では、粘土鉱物に担持させた光触媒を、さらに炭素量子ドットで修飾すると、優れた脱窒光触媒活性を示すと報告されている。当該文献には、ランタンフェライト(LaFeO)とアタパルジャイトとからなる複合体を、炭素量子ドットを含む水溶液に浸漬させて得られる、炭素量子ドット修飾複合体が記載されている。
中国出願公開第106964358号明細書
光触媒をさらに幅広い用途に適用するためには、光触媒活性をさらに高めることが求められている。そこで、本願は、従来より光触媒活性の高い、光触媒複合体の提供を課題とする。
本発明は、以下の光触媒複合体を提供する。
層状粘土鉱物の存在下で、反応性基を有する有機化合物を炭化させて得られる炭素量子ドット、および前記層状粘土鉱物、を含む組成物と、前記組成物を修飾する光触媒と、を含む光触媒複合体。
本発明の光触媒複合体は、触媒活性が非常に高い。したがって、有機物の分解や、無機物の分解、またはこれらの還元等、各種用途に使用可能である。
図1は、実施例1の光触媒複合体、比較例1の光触媒複合体、参考例1の化合物、または参考例2の複合体、およびシプロフロキサシン(CIP)を含む液体に光を照射した場合のシプロフロキサシン(CIP)の濃度(残存率)と光照射時間との関係、および実施例1の光触媒複合体およびシプロフロキサシン(CIP)を含む液体に光を照射しなかった場合のシプロフロキサシン(CIP)の濃度(残存率)と光照射時間との関係を示すグラフである。 図2は、実施例2の光触媒複合体、比較例2の光触媒複合体、参考例3の複合体、またはサポナイトとシプロフロキサシン(CIP)とを含む液体に光を照射した場合のシプロフロキサシン(CIP)の濃度(残存率)と光照射時間との関係を示すグラフである。 図3は、実施例1の光触媒複合体、比較例1の光触媒複合体、または参考例1の化合物とクロム(VI)とを含む液体に光を照射した場合のクロム(VI)の濃度(残存率)と光照射時間との関係を示すグラフである。
前述のように、従来、光触媒と粘土鉱物との複合体に、炭素量子ドットを修飾した炭素量子ドット修飾複合体が知られている。
しかしながら、本発明者らの鋭意検討によれば、層状粘土鉱物の存在下で、有機化合物を炭化させて炭素量子ドットを調製し、当該炭素量子ドットおよび層状粘土鉱物を含む組成物を、光触媒で修飾した光触媒複合体のほうが、従来の方法で作製した炭素量子ドット修飾複合体と比べて格段に光触媒活性が高まることが見出された。
本発明の光触媒複合体が高い光触媒活性を示す理由は、以下のように推測される。従来の炭素量子ドット修飾複合体では、光触媒および層状粘土鉱物の複合体と、炭素量子ドットとをそれぞれ個別に調製し、これらを複合化する。この場合、炭素量子ドットは、主に光触媒および層状粘土鉱物の複合体の表面に付着するだけである。これに対し、本発明のように、層状粘土鉱物の存在下で炭素量子ドットを調製すると、炭素量子ドットの一部が層状粘土鉱物の層間に入り込む。つまり、炭素量子ドットと層状粘土鉱物とが非常に密接する。さらに、このような方法で炭素量子ドットを調製すると、炭素量子ドットが凝集し難く、さらには光触媒複合体全体に炭素量子ドットが均一に分散される。したがって、本発明の光触媒複合体では、光照射によって内部に発生した電子や正孔を、光触媒、層状粘土鉱物、および炭素量子ドットの間で、速やかに受け渡すことができる。その結果、所望の光触媒作用を生じさせやすくなる、と考えられる。
以下、本発明の光触媒複合体を構成する各成分について説明する。
(炭素量子ドット)
本発明の光触媒複合体が含む炭素量子ドットは、層状粘土鉱物の存在下、反応性基を有する有機化合物を炭化させて得られる量子ドットである。なお、反応性基を有する有機化合物や、炭素量子ドットの調製方法については、後述の組成物の調製方法で詳しく説明する。
炭素量子ドットは、光触媒複合体において、層状粘土鉱物の層間にその一部が入り込んだ状態で存在する。なお、光触媒複合体において、炭素量子ドットが、どのように分布しているかは、エネルギー分散型X線解析等によって特定可能である。例えば、走査型電子顕微鏡による観察によって、光触媒複合体中に存在する層状粘土鉱物の断面を特定する。そして、当該断面に対してエネルギー分散型X線解析を行うことで、炭素量子ドットが層状粘土鉱物の層間に入り込んでいるか否かを、確認できる。
ここで、炭素量子ドットは、量子ドットとしての性質を有していればよく、光の照射によって蛍光を発するものであってもよく、蛍光を発しないものであってもよい。当該炭素量子ドットは、炭素のみで構成されていてもよいが、酸素、窒素、ホウ素、リン、硫黄、ケイ素、フッ素等の原子をヘテロ原子として含んでいてもよい。炭素量子ドットは、これらを一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。これらのヘテロ元素は、元素分析等により特定できる。
また、炭素量子ドットは、表面官能基を有していてもよい。表面官能基の例には、カルボキシ基、カルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、ホスホン酸基、リン酸基、スルホ基、およびボロン酸基が含まれる。炭素量子ドットは、表面官能基を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。炭素量子ドットが表面官能基を含むと、光触媒や層状粘土鉱物の表面に存在する電荷や官能基(例えばヒドロキシ基、カルボキシ基等)と相互作用しやすくなり、より電子や正孔の授受が行われやすくなる。また、表面官能基の種類や量により、炭素量子ドットのバンドギャップを調節することができる。炭素量子ドットが有する官能基の種類は、例えばIRスペクトル等により特定できる。また、炭素量子ドットが有する官能基は、炭素量子ドットの原料が含む元素や構造に由来する。
また、炭素量子ドットを原子間力顕微鏡(AFM)により観察して測定される平均粒子径は、1nm以上100nm以下が好ましく、1nm以上80nm以下がより好ましい。炭素量子ドットの平均粒子径が当該範囲であると、量子ドットとしての性質が十分に得られやすい。なお、上記炭素量子ドットの平均粒子径は、3個以上の炭素量子ドットについて測定し、これらの平均値を測定することが好ましい。
また、光触媒複合体中の炭素量子ドットの量は、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.2質量%以上5質量%以下がより好ましい。当該炭素量子ドットの量は、熱重量分析における炭素量子ドットの重量減少分によって算出できる。光触媒複合体中の炭素量子ドットの量が0.1質量%以上であると、光触媒複合体の光触媒活性が高まりやすい。さらに、炭素量子ドットの量が10質量%以下であると、光触媒複合体内で炭素量子ドットが凝集し難く、光触媒複合体の安定性が高まる。
(層状粘土鉱物)
層状粘土鉱物は、ケイ素、アルミニウム、酸素等が所定の構造で配列した結晶層の積層体であり、一般的に、結晶層どうしの間に、水;プロトン、金属イオンおよび4級アンモニウムイオン等の陽イオン;ケイ酸イオン、リン酸イオンおよび硫酸イオン等の陰イオン;石油系炭化水素、アルコールおよびケトン等の有機化合物等が取り込まれている。層状粘土鉱物は、アニオン交換性であってもよく、カチオン交換性であってもよい。
層状粘土鉱物の例には、スメクタイト、層状複水酸化物、カオリナイト、および雲母等が含まれる。これらの中でもスメクタイトまたは層状複水酸化物が、炭素量子ドットを担持するのに適した平均層間隔を有する点で好ましい。
スメクタイトは、水等によって膨潤する粘土鉱物であり、その例には、サポナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、バイデライト、ノントロナイト、ソーコナイト、スティーブンサイト等が含まれる。
一方、層状複水酸化物は、2価の金属酸化物に3価の金属イオンが固溶した複水酸化物であり、その例には、ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト、ハイドロマグネサイト、パイロオーライト等が含まれる。
層状粘土鉱物は天然物であってもよく、人工物であってもよい。また、結晶層中のヒドロキシ基がフッ素で置換されたものであってもよい。さらに、層間イオンがアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アルミニウムイオン、鉄イオン、アンモニウムイオン等で置換されたものであってもよい。また、層状粘土鉱物は、各種有機物によって修飾されていてもよく、例えば、四級アンモニウム塩化合物や四級ピリジニウム塩化合物で化学修飾されたスメクタイトであってもよい。
光触媒複合体中の層状粘土鉱物の量は、1質量%以上20質量%以下が好ましく、2質量%以上15質量%以下がより好ましい。当該層状粘土鉱物の量の算出方法は、層状粘土鉱物、光触媒、炭素量子ドットの組み合わせによって適宜選択でき、例えば、X線回折法、核磁気共鳴分光法、熱重量分析法、ICP発光分光分析法等が例示される。層状粘土鉱物の量が1質量%以上であると、炭素量子ドットの分散性が高まり、光触媒複合体に所定の光を照射したときの活性が高まりやすい。一方、層状粘土鉱物の量が20質量%以下であると、相対的に光触媒の量や炭素量子ドットの量が十分となり、この場合も光触媒複合体に所定の光を照射したときの活性が高まりやすい。
(光触媒)
光触媒複合体において、光触媒は、上記層状粘土鉱物および炭素量子ドットを含む組成物(複合体)を修飾する化合物である。本明細書において、修飾とは、上記組成物に光触媒が物理的に結合している場合、および化学的に結合している場合の両方を含む。なお、当該触媒は、上記組成物の表面のみに結合していてもよいが、層状粘土鉱物の層間等に光触媒の一部が入り込んでいてもよい。
光触媒は、特定の波長の光の照射によって、触媒作用を生じさせる物質であればよく、触媒作用の種類は特に制限されない。触媒作用の例には、有機物や無機物の分解、還元等が含まれる。より具体的には、水の分解による水素生成;二酸化炭素の還元;大気中、水中、または油中の有害物質の分解や浄化;窒素酸化物の分解;メチルオレンジ、メチレンブルー、ローダミンB等の有機染料の分解;六価クロム(Cr(VI))、二価鉛(Pb(II))、二価水銀(Hg(II))等の還元;2,4-ジニトロフェノール、ジベンゾチオフェン、ナプロキセン等の有機化合物の分解;シプロフロキサシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール等の抗生物質の分解;大腸菌、黄色ブドウ球菌等の殺菌;等が含まれる。
光触媒として、各種元素の酸化物や窒化物、硫化物、またはこれらの複合物が光触媒として知られている。光触媒の具体例には、酸化チタン(TiO)、酸化鉄(Fe)、酸化タングステン(WO)、酸化スズ(SnO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化ニオブ(Nb)、酸化ニッケル(NiO)、酸化銅(CuO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸鉄(FeTiO)、酸化ケイ素(SiO)、亜鉛フェライト(ZnFe)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)、窒化タンタル(TaN)、硫化亜鉛(ZnS)、硫化銅(CuS)、硫化カドミウム(CdS)、二硫化モリブデン(MoS)、硫化ガリウム(Ga)、硫化インジウム(In)、リン酸銀(AgPO)、セレン化カドミウム(CdSe)、グラファイト状炭化窒素(g-C)、ビスマスオキシクロライド(BiOCl)、ビスマスオキシブロマイド(BiOBr)、ビスマスオキシイオダイド(BiOI)等が含まれる。ただし、これらに限定されない。これらの中でも、ビスマスオキシクロライド(BiOCl)、ビスマスオキシブロマイド(BiOBr)、ビスマスオキシイオダイド(BiOI)等のオキシハロゲン化ビスマス、グラファイト状炭化窒素(g-C)、酸化チタン(TiO)、および酸化亜鉛(ZnO)が汎用性や入手容易性等の観点で好ましい。
光触媒複合体中の光触媒の量は、50質量%以上99質量%以下が好ましく、70質量%以上98質量%以下がより好ましい。当該光触媒の量の算出方法は、層状粘土鉱物、光触媒、炭素量子ドットの組み合わせによって適宜選択でき、例えば、X線回折法、核磁気共鳴分光法、熱重量分析法、ICP発光分光分析法等が例示される。光触媒の量が50質量%以上であると、光触媒複合体に所定の光を照射したときの活性が十分に高まりやすい。一方、光触媒の量が99質量%以下であると、相対的に層状粘土鉱物や炭素量子ドットの量が十分となり、この場合も光触媒複合体に所定の光を照射したときの活性が高まりやすい。
(光触媒複合体)
本発明の光触媒複合体は、上記炭素量子ドット、層状粘土鉱物、および光触媒を含んでいればよく、通常、25℃、1気圧において固体である。なお、光触媒複合体が固体状である場合、その形状は特に制限されず、粒子状等であってもよい。
ここで、光触媒複合体は、溶媒に分散して分散液の状態で使用してもよい。溶媒の種類は、光触媒複合体の用途に合わせて適宜選択される。このような溶媒は光触媒複合体を均一に分散可能であれば特に制限されず、例えば非極性溶媒および極性溶媒のいずれであってもよい。溶媒の例には、水や、メタノール、エタノール、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が含まれる。組成物は、溶媒を一種のみ含んでいてもよく、二種以上含んでいてもよい。
一方、上記光触媒複合体を粒子状のまま使用したり、所望の形状に成形したりしてもよい。光触媒複合体の成形方法の例には、光触媒複合体を焼結する方法や、光触媒複合体と他の化合物(例えばバインダ樹脂)とを混合して成形する方法等が含まれる。
さらに、光触媒複合体を、各種基材等に固定したりしてもよい。基材の種類は特に制限されず、光触媒複合体の用途に応じて適宜選択される。基材の形状も特に制限されず、シート状、板状、網状、チューブ状、ファイバー状、フィルター状、螺旋状、ハニカム状等、種々の形状とすることができる。また、光触媒複合体を基材に固定する方法は特に制限されず、その例には、光触媒複合体を必要に他の成分と混合して基材上に塗布したり、当該混合物を吹き付けたりする方法等が含まれる。
上述の光触媒複合体は、各種触媒として有用である。その用途は、光触媒複合体の種類、主に光触媒の種類に応じて適宜選択され、自動車用部品、建材、家電、浄化装置、水の光分解による水素製造装置などのエネルギー関連等に使用できる。
なお、光触媒複合体を各種触媒として使用する際、正孔捕捉剤(犠牲試薬ともいう)を共存させてもよい。光触媒複合体と共に、光誘起により生じる正孔を捕捉する正孔捕捉剤を共存させると、光触媒作用の効率が高まる場合がある。正孔捕捉剤の例には、メタノール、エタノール、グリセノール、アセトアルデヒド、ギ酸、シュウ酸、アスコルビン酸、トリエタノールアミン、塩化カルシウム、過酸化水素、エチレンジアミン四酢酸、フェロセン等が含まれる。
(光触媒複合体の製造方法)
上述の炭素量子ドット、層状粘土鉱物、および光触媒を含む光触媒複合体は、例えば反応性を有する有機化合物および層状粘土鉱物の混合物を調製する工程(混合物調製工程)と、上記混合物を加熱し、炭素量子ドットおよび層状粘土鉱物を含む組成物を調製する工程(組成物調製工程)と、上記組成物と光触媒とを混合し、組成物を光触媒で修飾する工程(光触媒修飾工程)と、を含む方法によって調製できる。ただし、当該方法に限定されない。以下、各工程について説明する。
(1)混合物調製工程
混合物調製工程では、反応性を有する有機化合物と、層状粘土鉱物とを混合する。これにより、有機化合物の一部が層状粘土鉱物の層間に入りこむ。このとき、層状粘土鉱物の層間は狭いことから、有機化合物の集合体が分断されやすい。したがって、後述の組成物調製工程で、有機化合物を炭化(炭素量子ドットを調製)させると、層状粘土鉱物の層間がテンプレートとなり、粒子径の揃った炭素量子ドットが形成されやすくなる。またさらに、原料となる有機化合物が、有機化合物および層状粘土鉱物の混合物内で微細に分散されるため、得られる炭素量子ドットの粒子径を小さくすることも可能である。その結果、炭素量子ドットの比表面積を大きくすることができ、光触媒複合体内で、光触媒や層状粘土鉱物と炭素量子ドットとの間で電子や正孔を授受しやすくなる。
また、このように炭素量子ドットを調製すると、上述のように炭素量子ドットの一部が層状粘土鉱物の層間に入り込んだ状態となり、長期間にわたって凝集し難く、性能が安定した光触媒複合体が得られる。
ここで、層状粘土鉱物と混合する有機化合物は、反応性基を有し、炭化によって上述の炭素量子ドットを生成可能な化合物であれば特に制限されない。本明細書において、「反応性基」とは、後述の組成物調製工程において、有機化合物どうしの重縮合反応等を生じさせるための基であり、炭素量子ドットの主骨格の形成に寄与する基である。
なお、得られる炭素量子ドットにおいて、これらの反応性基の一部が表面官能基等として残存していてもよい。反応性基の例には、カルボキシ基、ヒドロキシ基、およびアミノ基等が含まれる。当該有機化合物は、炭素量子ドットにおいてヘテロ原子となる元素(例えば、ホウ素原子やリン原子、硫黄原子、ケイ素原子、フッ素原子等)を含んでいてもよい。なお、混合物調製工程では、二種以上の有機化合物を層状粘土鉱物と混合してもよい。この場合、複数の有機化合物は、互いに反応しやすい基を有することが好ましい。
上記反応性基を有する有機化合物の例には、カルボン酸、アルコール、ポリフェノール、アミン化合物、および糖類が含まれる。有機化合物は、常温で固体状であってもよく、液体状であってもよい。
カルボン酸は、分子中にカルボキシ基を1つ以上有する化合物(ただし、ポリフェノール、アミン化合物、または糖に相当するものは除く)であればよい。カルボン酸の例には、ギ酸、酢酸、3-メルカプトプロピオン酸、α-リポ酸等のモノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ポリアクリル酸、(エチレンジチオ)二酢酸、チオリンゴ酸、テトラフルオロテレフタル酸等の2価以上の多価カルボン酸;クエン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、5-スルホサリチル酸等のヒドロキシ酸;が含まれる。
アルコールは、ヒドロキシ基を1つ以上有する化合物(ただし、カルボン酸、ポリフェノール、アミン化合物、または糖に相当するものは除く)であればよい。アルコールの例には、エチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アスコルビン酸、ポリエチレングリコール等の多価アルコールが含まれる。
ポリフェノールは、ベンゼン環にヒドロキシ基が結合した構造を有する化合物であればよい。ポリフェノールの例には、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、フロログルシノール、ピロガロール、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、没食子酸、タンニン、リグニン、カテキン、アントシアニン、ルチン、クロロゲン酸、リグナン、クルクミン等が含まれる。
アミン化合物の例には、1,2-フェニレンジアミン、1,3-フェニレンジアミン、1,4-フェニレンジアミン、2,6-ジアミノピリジン、尿素、チオ尿素、チオシアン酸アンモニウム、エタノールアミン、1-アミノ-2-プロパノール、メラミン、シアヌル酸、バルビツール酸、葉酸、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ジシアンジアミド、グアニジン、アミノグアニジン、ホルムアミド、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、グルタチオン、RNA、DNA、システアミン、メチオニン、ホモシステイン、タウリン、チアミン、N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、4,5-ジフルオロ-1,2-フェニレンジアミン等が含まれる。
糖類の例には、グルコース、スクロース、グルコサミン、セルロース、キチン、キトサン等が含まれる。
上記の中でも、縮合反応が効率的に進行する有機化合物が好ましく、好ましいものの一例として、カルボン酸、ポリフェノール、アミン化合物、もしくはカルボン酸とアミン化合物との組み合わせが挙げられる。
また、炭素量子ドットを調製する際、ホウ素原子やリン原子、硫黄原子、ケイ素原子、フッ素原子等を含む化合物(以下、「その他の化合物」とも称する)を、上述の有機化合物と混合して炭素量子ドットを調製してもよい。これにより、所望のヘテロ原子を含んだ炭素量子ドットを得ることができる。
ホウ素原子を含む化合物の例には、ホウ素、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、酸化ホウ素、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリエチル、ホウ酸トリオクタデシル、ホウ酸トリフェニル、2-エトキシ-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン、ホウ酸トリエタノールアミン、2,4,6-トリメトキシボロキシン、トリス(トリメチルシリル)ボラート、ホウ酸トリス(2-シアノエチル)、3-アミノフェニルボロン酸、2-アントラセンボロン酸、9-アントラセンボロン酸、フェニルボロン酸、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸、4,4’-ビフェニルジボロン酸、2-ブロモフェニルボロン酸、4-ブロモ-1-ナフタレンボロン酸、3-ブロモ-2-フルオロフェニルボロン酸、4-カルボキシフェニルボロン酸、3-シアノフェニルボロン酸、4-シアノ-3-フルオロフェニルボロン酸、3,5-ジフルオロフェニルボロン酸、4-(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸、3-フルオロフェニルボロン酸、3-ヒドロキシフェニルボロン酸、4-メルカプトフェニルボロン酸、1-ナフタレンボロン酸、9-フェナントレンボロン酸、1,4-フェニレンジボロン酸、1-ピレンボロン酸、2-アミノピリミジン-5-ボロン酸、2-ブロモピリジン-3-ボロン酸、2-フルオロピリジン-3-ボロン酸、4-ピリジルボロン酸、キノリン-8-ボロン酸、4-アミノフェニルボロン酸ピナコール、3-ヒドロキシフェニルボロン酸ピナコール、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン、ジボロン酸、水素化ホウ素ナトリウム、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、1-エチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート、三フッ化ホウ素、三臭化ホウ素等が含まれる。
リン原子を含む化合物の例には、リン単体、リン酸、酸化リン、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、フィチン酸、リン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、o-ホスホリルエタノールアミン、塩化リン、臭化リン、ホスホノ酢酸トリエチル、テトラキス(ヒドロキシメチル)ホスホニウムクロリド、リン酸メチル、亜リン酸トリエチル、o-ホスホセリン、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、N,N,N’,N’-エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、アデノシン5’-三リン酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、グアニジンリン酸塩、グアニル尿素リン酸塩、が含まれる。
また、硫黄原子を含む化合物の例には、硫黄、チオ硫酸ナトリウム、硫化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸、メタンスルホン酸、リグニンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、水硫化ナトリウムが含まれる。
ケイ素原子を含む化合物の例には、テトラクロロシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、1-(トリメチルシリル)イミダゾール、テトラエトキシシランが含まれる。
フッ素原子を含む化合物の例には、2,2,3,3,4,4-ヘキサフルオロ-1,5-ペンタンジオールジグリシジルエーテル、2-(ペルフルオロヘキシル)エタノール、フッ化ナトリウムが含まれる。
上記有機化合物と、その他の化合物との混合比は、所望のヘテロ原子の量に合わせて適宜選択される。
一方、上記有機化合物やその他の化合物と組み合わせる層状粘土鉱物は、上述の層状粘土鉱物(光触媒複合体が含む層状粘土鉱物)と同様の層状粘土鉱物を使用できる。
また、層状粘土鉱物は、所望の炭素量子ドットの粒子径等に合わせて、選択することが好ましい。有機化合物やその他の化合物と組み合わせる層状粘土鉱物の平均層間隔は、有機化合物の分子構造やホウ素化合物の分子構造、所望の炭素量子ドットの粒子径等に合わせて適宜選択されるが、0.1nm以上10nm以下が好ましく、0.1nm以上8nm以下がより好ましい。層状粘土鉱物の平均層間隔は、X線回折装置等によって解析できる。なお、層状粘土鉱物の平均層間隔とは、層状粘土鉱物の隣り合う結晶層の一方の底面と他方の天面との間隔をいう。本製造方法では、層状粘土鉱物の層間をテンプレートとして炭素量子ドットが調製される。そのため、層状粘土鉱物の平均層間隔が、10nm以下であると、所望の大きさの炭素量子ドットが得られやすくなる。一方で、平均層間隔が0.1nm以上であると、これらの間に有機化合物の一部が入り込みやすくなり、層状粘土鉱物の層間をテンプレートとして炭素量子ドットが形成されやすくなる。
なお、層状粘土鉱物の平均層間隔を調整するため、層状粘土鉱物を水や各種溶媒によって膨潤させてもよい。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。混合物(有機化合物とホウ素化合物と層状粘土鉱物と溶媒)中の溶媒の量は、10質量%以上80質量%以下が好ましく、10質量%以上70重量%以下がより好ましい。
ここで、有機化合物と、層状粘土鉱物と、必要に応じてその他の化合物と、を混合する方法は、これらを均一に混合可能であれば、特に制限されない。例えば、乳鉢ですりつぶしながら混合したり、ボールミル等によって粉砕しながら混合したりしてもよい。さらに、水や有機溶媒に各材料を溶解、混和あるいは分散させて混合したりしてもよい。有機化合物またはその他の化合物が液体である場合、これらに層状粘土鉱物等を溶解、混和あるいは分散させて混合してもよい。液体状の混合物は乾燥させてもよいし、そのまま次の工程に用いてもよい。副反応を抑制する観点から、混合物は固体状であることが好ましい。
また、有機化合物、その他の化合物、および層状粘土鉱物の混合比は、炭素量子ドットおよび層状粘土鉱物の所望の含有比に合わせて適宜選択される。後述の組成物調製工程で得られる組成物において、炭素量子ドットおよび層状粘土鉱物で構成される組成物中の炭素量子ドットの量が、1質量%以上60質量%以下となるように各成分量を調整することが好ましく、5質量%以上40質量%以下となるように各成分量を調整することがより好ましい。
(2)組成物調製工程
組成物調製工程は、上述の有機化合物やその他の化合物を層状粘土鉱物と共に加熱して炭素量子ドットおよび層状粘土鉱物を含む組成物を調製する工程である。上記混合物の加熱方法は、有機化合物やその他の化合物を炭化させて、炭素量子ドットおよび層状粘土鉱物を含む組成物を調製可能であれば特に制限されない。例えば、ヒータによる加熱や、電磁波の照射等が含まれる。
混合物をヒータ等によって加熱する場合、加熱温度は70℃以上700℃以下が好ましく、100℃以上500℃以下がより好ましく、100℃以上300℃以下がさらに好ましい。また、加熱時間は0.01時間以上45時間以下が好ましく、0.1時間以上30時間以下がより好ましく、0.5時間以上10時間以下がさらに好ましい。加熱時間によって、得られる炭素量子ドットの粒子径を調整できる。またこのとき、窒素等の不活性ガスを流通させながら非酸化性雰囲気で加熱を行ってもよい。
電磁波(例えばマイクロ波)を照射する場合、ワット数は1W以上1500W以下が好ましく、1W以上1000W以下がより好ましい。また、電磁波(例えばマイクロ波)による加熱時間は0.01時間以上10時間以下が好ましく、0.01時間以上5時間以下がより好ましく、0.01時間以上1時間以下がさらに好ましい。電磁波の照射時間によって、得られる炭素量子ドットの粒子径を調整できる。
上記電磁波の照射は、例えば半導体式電磁波照射装置等によって行うことができる。電磁波の照射は、上記混合物の温度を確認しながら行うことが好ましい。例えば温度が70℃以上700℃以下となるように調整しながら、電磁波を照射することが好ましい。
当該組成物調製工程により、炭素量子ドットと、層状粘土鉱物とを含む組成物が得られる。なお、当該組成物を有機溶媒で洗浄して、未反応物や副生物を除去して精製してもよい。
(3)光触媒修飾工程
光触媒修飾工程では、上記組成物調製工程で得られた組成物を、光触媒で修飾する工程である。上記組成物を光触媒で修飾する方法は特に制限されず、例えば光触媒を予め準備し、これを組成物と混合し、物理的または化学的に光触媒と組成物とを結合させる方法であってもよい。また、光触媒の原料と組成物とを混合し、組成物の存在下、光触媒の原料を反応させて光触媒を形成してもよい。なお、光触媒の原料と組成物とを混合する際、必要に応じて溶媒等を用いてもよい。
さらに、光触媒の原料は、所望の光触媒に応じて適宜選択され、公知の原料および公知の方法によって調製できる。
(4)その他
上記では、上記混合物調製工程および組成物調製工程後、炭素量子ドットおよび層状粘土鉱物を含む組成物を光触媒で修飾する態様を説明した。ただし、予め層状粘土鉱物を光触媒で修飾しておき、当該修飾された層状粘土鉱物の存在下、有機化合物を反応させて炭素量子ドットを調製してもよい。この場合も、層状粘土鉱物の層間に有機化合物が入りこみ、炭素量子ドットの一部が層状粘土鉱物の層間に入り込んだ光触媒複合体が得られる。
以下、本発明の具体的な実施例を比較例とともに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔調製例1〕サポナイト/炭素量子ドット組成物Aの調製
フロログルシノール二水和物1.6gと、ジシアンジアミド0.2gと、サポナイト(スメクトンSA、クニミネ工業社製)4.0gと、を乳鉢ですりつぶし混合物とした。当該混合物を内容積50mlのナスフラスコに入れ、三方コックを取り付けた。そして、ナスフラスコ内に窒素を流通させながら、200℃で3時間加熱した。得られた内容物をアセトン、メタノールの順に洗浄した後、減圧乾燥させて、層状粘土鉱物/炭素量子ドット組成物(組成物Aと記す)を調製した。空気雰囲気下で室温から800℃までの熱重量分析における炭素量子ドットの重量減少分から、組成物Aに含まれる炭素量子ドット量は13質量%と算出された。
〔調製例2〕サポナイト/炭素量子ドット組成物Bの調製
フロログルシノール二水和物2.4gと、ジシアンジアミド0.3gと、を内容積50mlのナスフラスコに入れ、三方コックを取り付けた。そして、ナスフラスコ内に窒素を流通させながら、200℃で3時間加熱し、炭素量子ドットを得た。得られた炭素量子ドット1.3gと、サポナイト(スメクトンSA、クニミネ工業社製)8.7gと、を乳鉢ですりつぶして混合し、層状粘土鉱物/炭素量子ドット組成物(組成物Bと記す)を調製した。
〔調製例3〕グラファイト状炭化窒素の調製
ジシアンジアミド10gを密閉した坩堝に入れ、マッフル炉中にて550℃で2時間焼成し、グラファイト状炭化窒素(C)の黄色固体を得た。
〔実施例1〕光触媒複合体(ビスマスオキシブロマイド/サポナイト/炭素量子ドット-is)の調製
臭化カリウム0.89gおよび硝酸ビスマス5水和物2.42gの混合物に脱イオン水50mlを加えた。さらに、調製例1で調製した組成物A 50mgを加え、30分攪拌して懸濁液とした。その後、160℃で2時間水熱反応を行った。反応液中の固形物を濾過し、脱イオン水、エタノールの順で洗浄後、75℃で24時間乾燥して、白褐色の光触媒複合体(ビスマスオキシブロマイド/サポナイト/炭素量子ドット-is)を調製した。なお、本明細書において、炭素量子ドット-isは、層状粘土鉱物の存在下で調製した炭素量子ドットを表す。
〔比較例1〕光触媒複合体(ビスマスオキシブロマイド/サポナイト/炭素量子ドット-pm)の調製
組成物Aを、調製例2で調製した組成物Bに変更した以外は、実施例1と同様にして、光触媒複合体(ビスマスオキシブロマイド/サポナイト/炭素量子ドット-pm)を調製した。なお、本明細書において、炭素量子ドット-pmは、層状粘土鉱物の非存在下で調製した炭素量子ドットを表す。
〔実施例2〕光触媒複合体(グラファイト状炭化窒素/サポナイト/炭素量子ドット-is)の調製
調製例3で調製したグラファイト状炭化窒素500mgと、調製例1で調製した組成物A 50mgとの混合物にエタノール10mlを加えて、30分間超音波分散した。固形物を脱イオン水で洗浄後、80℃で2時間乾燥し、淡黄色の光触媒複合体(グラファイト状炭化窒素/サポナイト/炭素量子ドット-is)を調製した。
〔比較例2〕光触媒複合体(グラファイト状炭化窒素/サポナイト/炭素量子ドット-pm)の調製
組成物Aを、調製例2で調製した組成物Bに変更した以外は、実施例1と同様にして、光触媒複合体(グラファイト状炭化窒素/サポナイト/炭素量子ドット-pm)を調製した。
〔参考例1〕化合物(ビスマスオキシブロマイド)の調製
臭化カリウム0.89gおよび硝酸ビスマス5水和物2.42gの混合物に脱イオン水50mlを加え、30分攪拌して懸濁液とした。その後、160℃で2時間水熱反応を行った。反応液中の固形物を濾過し、脱イオン水、エタノールの順で洗浄後、75℃で24時間乾燥して、白色の化合物(ビスマスオキシブロマイド)を調製した。
〔参考例2〕複合体(ビスマスオキシブロマイド/サポナイト)の調製
臭化カリウム0.89gおよび硝酸ビスマス5水和物2.42gの混合物に脱イオン水50mlを加えた。当該混合物に、さらにサポナイト(スメクトンSA、クニミネ工業社製)50mgを加え、30分攪拌して懸濁液とした。その後、160℃で2時間水熱反応を行った。反応液中の固形物を濾過し、脱イオン水、エタノールの順で洗浄後、75℃で24時間乾燥して、白褐色の複合体(ビスマスオキシブロマイド/サポナイト複合体)を調製した。
〔参考例3〕複合体(グラファイト状炭化窒素/サポナイト)の調製
調製例3で調製したグラファイト状炭化窒素2.0gと200mgのサポナイトと、を50mlのエタノールに分散させ、30分間超音波分散を行った。そして、固形物を濾過し、脱イオン水で洗浄後、80℃で2時間乾燥して複合体(グラファイト状炭化窒素/サポナイト)を調製した。
〔光触媒活性の評価〕
実施例や比較例、参考例で調製した固体状の化合物、複合体、または光触媒複合体の光触媒活性は、可視光照射下におけるシプロフロキサシン(CIP)の分解、またはクロム(VI)の還元によって評価した。
(1)シプロフロキサシン(CIP)の分解
暗室で0.005mMのCIP水溶液50mlに、実施例や比較例、参考例で調製した化合物、複合体、または光触媒複合体50mgを加え、マグネチックスターラーで5分間攪拌して吸脱着平衡状態にした。次に、当該液体に波長380nm以下の紫外カットフィルターを備えた500WのXeランプで可視光を照射した。所定時間ごとに溶液をサンプリングし、孔径0.45μmのメンブレンフィルターで懸濁物質を濾別した。そして、濾液をUV-Vis光度計にかけ、波長278nmの吸収からCIP濃度を定量した。
(2)クロム(VI)の還元
暗室で50ppmの重クロム酸カリウム水溶液50mlに実施例や比較例、参考例で調製した化合物、複合体、または光触媒複合体50mgを加え、マグネチックスターラーで10分間攪拌して吸脱着平衡状態にした。1M塩酸と1M水酸化ナトリウム水溶液を用いて、懸濁液の初期pHを2に調整した。そして、懸濁液を攪拌しながら、波長380nm以下の紫外カットフィルターを備えた500WのXeランプで可視光を照射した。照射中は懸濁液が25℃を維持するように容器を水冷した。所定時間で溶液をサンプリングし、孔径0.45μmのメンブレンフィルターで懸濁物質を濾別し、濾液を得た。濾液中のクロム(VI)はジフェニルカルバジド法によりジフェニルカルバゾンを形成させ、UV-Vis光度計にかけて550nmの吸収から定量した。
〔結果〕
(1)シプロフロキサシン(CIP)の分解の評価結果
図1および図2に、CIPの分解挙動を示す。図1は、実施例1の光触媒複合体(ビスマスオキシブロマイド/サポナイト/炭素量子ドット-is)、比較例1の光触媒複合体(ビスマスオキシブロマイド/サポナイト/炭素量子ドット-pm)、参考例1の化合物(ビスマスオキシブロマイド)、または参考例2の複合体(ビスマスオキシブロマイド/サポナイト)と、シプロフロキサシン(CIP)とを含む液体に光を照射した場合のシプロフロキサシン(CIP)の濃度(残存率)と光照射時間との関係を示すグラフである。なお、図1には、参考として、実施例1の光触媒複合体とを含む液体に光を照射しなかった場合の結果も併せて示す。
図2は、実施例2の光触媒複合体(グラファイト状炭化窒素/サポナイト/炭素量子ドット-is)、比較例2の光触媒複合体(グラファイト状炭化窒素/サポナイト/炭素量子ドット-pm)、参考例3の複合体(グラファイト状炭化窒素/サポナイト)、または参考(サポナイトのみ)と、シプロフロキサシン(CIP)と、を含む液体に光を照射した場合のシプロフロキサシン(CIP)の濃度(残存率)と光照射時間との関係を示すグラフである。
なお、図1および図2における縦軸の残存率C/C0はCIPの濃度Cを初期濃度C0で除した値に相当する。横軸は時間を表し、負の値は、暗室中で静置した状態を表す。0分以降は可視光照射を開始してからの時間である。なお、いずれの例においても、0分時点で残存率が0.8に低下しているのはCIPが粘土鉱物中に吸着されたためと考えられる。このことは、光照射しない場合(参考)において、5分経過しても殆ど変化しないことから裏付けられる。
図1に示されるように、実施例1の光触媒複合体を含む液体に可視光を照射した場合には、層状粘土鉱物および炭素量子ドットを含まない場合(参考例1)または炭素量子ドットを含まない場合(参考例2)と比較して、CIPの濃度が短時間で大幅に減少した。また、当該実施例1の光触媒複合体を含む液体に可視光を照射した場合と、比較例1の光触媒複合体を含む液体に可視光を照射した場合とを比較すると、実施例1のほうが、CIPの濃度が短時間で大幅に減少した。実施例1の光触媒複合体では、層状粘土鉱物の存在下で炭素量子ドットを調製したことから、炭素量子ドットの分散性が非常に良好であり、光触媒複合体内で、電子や正孔の授受がスムーズに行われたと考えられる。
また、図2に示されるように、実施例2の光触媒複合体を含む液体に可視光を照射した場合には、光触媒および炭素量子ドットを含まない場合(参考)または炭素量子ドットを含まない場合(参考例3)と比較して、CIPの濃度が短時間で大幅に減少した。また、当該実施例2の光触媒複合体を含む液体に可視光を照射した場合を、比較例2の光触媒複合体を含む液体に可視光を照射した場合と比較しても、実施例2のほうが、CIPの濃度が短時間で大幅に減少した。実施例2の光触媒複合体では、層状粘土鉱物の存在下で炭素量子ドットを調製したことから、炭素量子ドットの分散性が非常に良好であり、光触媒複合体内で、電子やホールの授受がスムーズに行われたと考えられる。
(2)クロム(VI)の還元の評価結果
図3は、実施例1の光触媒複合体(ビスマスオキシブロマイド/サポナイト/炭素量子ドット-is)、比較例1の光触媒複合体(ビスマスオキシブロマイド/サポナイト/炭素量子ドット-pm)、または参考例1の化合物(ビスマスオキシブロマイド)を含む液体と、クロム(VI)と、を含む液体に光を照射した場合のクロム(VI)の濃度(残存率)と光照射時間との関係を示すグラフである。図3における縦軸の残存率C/C0はクロム(VI)の濃度Cを初期濃度C0で除した値に相当する。横軸は時間を表し、負の値は、暗室中で静置した状態を表す。0分以降は可視光照射を開始してからの時間である。
図3に示されるように、実施例1の光触媒複合体を含む液体に可視光を照射した場合、参考例1(層状粘土鉱物および炭素量子ドットを含まない化合物)を含む液体に可視光を照射した場合と比較して、Cr(VI)の濃度が短時間で大幅に減少した。また、実施例1の光触媒複合体を含む液体に可視光を照射した場合と、比較例1の光触媒複合体を含む液体に可視光を照射した場合と比較しても、クロム(VI)の濃度が短時間で大幅に減少した。実施例1の光触媒複合体では、層状粘土鉱物の存在下で炭素量子ドットを調製したことから、炭素量子ドットの分散性が非常に良好であり、光触媒複合体内で、電子や正孔の授受がスムーズに行われたと考えられる。
本発明の光触媒複合体は、高い光触媒活性を有する。したがって、当該光触媒複合体を各種用途に使用可能である。

Claims (4)

  1. 層状粘土鉱物の存在下で、反応性基を有する有機化合物を炭化させて得られる炭素量子ドット、および前記層状粘土鉱物、を含む組成物と、
    前記組成物を修飾する光触媒と、
    を含む光触媒複合体。
  2. 前記光触媒が、オキシハロゲン化ビスマス、グラファイト状炭化窒素、酸化チタン、酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、
    請求項1に記載の光触媒複合体。
  3. 前記層状粘土鉱物が、スメクタイトおよび層状複水酸化物のうち、少なくとも一方を含む、
    請求項1または2に記載の光触媒複合体。
  4. 前記炭素量子ドットは、酸素、窒素、ホウ素、リン、硫黄、ケイ素、フッ素から選ばれる少なくとも一種の原子をヘテロ原子として含む、
    請求項1~3のいずれか一項に記載の光触媒複合体。



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