JP2022045361A - 基地局装置および通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】伝搬環境を制御する場合であっても、干渉信号を抑えながら大容量伝送を実現する基地局装置及び通信方法を提供すること。【解決手段】伝搬制御装置の反射方向を制御する制御部と、無線媒体を獲得するためのフレームを、前記端末装置を宛先として送信する送信部と、を備え、前記無線媒体を獲得した期間内では前記反射方向を制御せず、前記端末装置は、前記伝搬制御装置を制御して通信する第1の端末装置と、前記伝搬制御装置を制御せずに通信する第2の端末装置に分類される。【選択図】図6

Description

本発明は、基地局装置および通信方法に関する。
アンライセンスバンドは、免許不要の帯域であり、運用コストが低いため、無線LAN(Local Area Network)等で広く普及している。無線LANでは、大容量伝送を実現するために広い帯域幅を利用できる60GHz帯での通信をサポートしている。60GHz帯のような高周波数帯では、大きいパスロスの影響を補償するため、ビームフォーミングによる通信が必須となる。また、高周波数になると電波の直進性が高くなるため、通信装置間に遮蔽物があると、電波が遮断されてしまい、通信が困難となってしまう。
IRS(Intelligent Reflecting Surface)は反射方向など伝搬環境を電気的に制御可能であるため、通信経路の柔軟な設定が可能であり、特に高周波数帯で有効である。IRSについては非特許文献1に記載されている。
E. Basar, M. D. Renzo, J. D. Rosny, M. Debbah, M. S. Alouini, and R. Zhang, "Wireless communications through reconfigurable intelligent surfaces," IEEE Access, vol. 7, September 2019.
一般にアンライセンスバンドでは、通信装置は周囲の通信状況を観測して、送信の可否を判断する。IRSを設置して伝搬環境を制御すると、電波が届かなかったエリアでも電波が届くようになる。そのため、周囲の観測では見つけられない通信装置がいる可能性が大きくなり、干渉信号が問題となる可能性がある。
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、伝搬環境を制御する場合であっても、干渉信号を抑えながら大容量伝送を実現する基地局装置及び通信方法を提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明に係る基地局装置及び通信方法の構成は、次の通りである。
本発明の一態様に係る基地局装置は、端末装置と通信する基地局装置であって、伝搬制御装置の反射方向を制御する制御部と、無線媒体を獲得するためのフレームを、前記端末装置を宛先として送信する送信部と、を備え、前記無線媒体を獲得した期間内では前記反射方向を制御しない。
また本発明の一態様に係る基地局装置において、前記端末装置は、前記伝搬制御装置を制御して通信する第1の端末装置と、前記伝搬制御装置を制御せずに通信する第2の端末装置に分類される。
また本発明の一態様に係る基地局装置において、前記第1の端末装置が複数存在する場
合、前記無線媒体を獲得するためのフレームを、前記伝搬制御装置を宛先として送信した場合、前記無線媒体を獲得した期間内で前記反射方向を制御する。
また本発明の一態様に係る基地局装置において、前記フレームは、所定のビーム方向又は反射方向に送信される。
また本発明の一態様に係る通信方法は、端末装置と通信する基地局装置における通信方法であって、伝搬制御装置の反射方向を制御するステップと、無線媒体を獲得するためのフレームを、前記端末装置を宛先として送信するステップ、とを備え、前記無線媒体を獲得した期間内では前記反射方向を制御しない。
本発明の一態様に係るフレーム構成の一例を示す図である。 本発明の一態様に係るフレーム構成の一例を示す図である。 本発明の一態様に係る通信の一例を示す図である。 本発明の一態様に係る無線リソースの分割例を示す概要図である。 本発明の一態様に係る通信システムの一構成例を示す図である。 本発明の一態様に係る基地局装置の一構成例を示すブロック図である。 本発明の一態様に係る端末装置の一構成例を示すブロック図である。 本発明の一態様に係るビームスウィープを説明するための図である。 本発明の一態様に係る反射方向スウィープを説明するための図である。
本実施形態における通信システムは、無線送信装置(アクセスポイント装置、基地局装置: Access point、基地局装置、送信ポイント、送受信ポイント)、および複数の無線受信装置(ステーション装置、端末装置: station、端末装置、受信ポイント)を備える。また、基地局装置と端末装置とで構成されるネットワークを基本サービスセット(BSS: Basic service set、管理範囲)と呼ぶ。また、本実施形態に係るステーション装置は、アクセスポイント装置の機能を備えることができる。同様に、本実施形態に係るアクセスポイント装置は、ステーション装置の機能を備えることができる。そのため、以下では、単に通信装置と述べた場合、該通信装置は、ステーション装置とアクセスポイント装置の両方を示すことができる。
BSS内の基地局装置および端末装置は、それぞれCSMA/CA(Carrier sense multiple access with collision avoidance)に基づいて、通信を行なうものとする。本実施形態においては、基地局装置が複数の端末装置と通信を行なうインフラストラクチャモードを対象とするが、本実施形態の方法は、端末装置同士が通信を直接行なうアドホックモードでも実施可能である。アドホックモードでは、端末装置が、基地局装置の代わりとなりBSSを形成する。アドホックモードにおけるBSSを、IBSS(Independent Basic Service Set)とも呼称する。以下では、アドホックモードにおいてIBSSを形成する端末装置を、基地局装置とみなすこともできる。本実施形態の方法は、端末装置同士が通信を直接行なうWiFi Direct(登録商標)でも実施可能である。WiFi Directでは、端末装置が、基地局装置の代わりとなりGroupを形成する。以下では、WiFi DirectにおいてGroupを形成するGroup ownerの端末装置を、基地局装置とみなすこともできる。
IEEE802.11システムでは、各装置は、共通のフレームフォーマットを持った複数のフレームタイプの送信フレームを送信することが可能である。送信フレームは、物理(Physical:PHY)層、媒体アクセス制御(Medium access control:MAC)層、論理リンク制御(LLC: Logical Link Control)層、でそれぞれ定義されている。
PHY層の送信フレームは、物理プロトコルデータユニット(PPDU: PHY protocol data unit、物理層フレーム)と呼ばれる。PPDUは、物理層での信号処理を行なうためのヘッダ情報等が含まれる物理層ヘッダ(PHYヘッダ)と、物理層で処理されるデータユニットである物理サービスデータユニット(PSDU: PHY service data unit、MAC層フレーム)等から構成される。PSDUは無線区間における再送単位となるMACプロトコルデータユニット(MPDU: MAC protocol data unit)が複数集約された集約MPDU(A-MPDU: Aggregated MPDU)で構成されることが可能である。
PHYヘッダには、信号の検出・同期等に用いられるショートトレーニングフィールド(STF: Short training field)、データ復調のためのチャネル情報を取得するために用いられるロングトレーニングフィールド(LTF: Long training field)などの参照信号と、データ復調のための制御情報が含まれているシグナル(Signal:SIG)などの制御信号が含まれる。また、STFは、対応する規格に応じて、レガシーSTF(L-STF: Legacy-STF)や、高スループットSTF(HT-STF: High throughput-STF)や、超高スループットSTF(VHT-STF: Very high throughput-STF)や、高効率STF(HE-STF: High efficiency-STF)や、超高スループットSTF(EHT-STF:Extremely High Throughput-STF)等に分類され、LTFやSIGも同様にL-LTF、HT-LTF、VHT-LTF、HE-LTF、L-SIG、HT-SIG、VHT-SIG、HE-SIG、EHT-SIGに分類される。VHT-SIGは更にVHT-SIG-A1とVHT-SIG-A2とVHT-SIG-Bに分類される。同様に、HE-SIGは、HE-SIG-A1~4と、HE-SIG-Bに分類される。また、同一規格における技術更新を想定し、追加の制御情報が含まれているUniversal SIGNAL(U-SIG)フィールドが含まれることができる。
さらに、PHYヘッダは当該送信フレームの送信元のBSSを識別する情報(以下、BSS識別情報とも呼称する)を含むことができる。BSSを識別する情報は、例えば、当該BSSのSSID(Service Set Identifier)や当該BSSの基地局装置のMACアドレスであることができる。また、BSSを識別する情報は、SSIDやMACアドレス以外の、BSSに固有な値(例えばBSS Color等)であることができる。
PPDUは対応する規格に応じて変調される。例えば、IEEE802.11n規格であれば、直交周波数分割多重(OFDM: Orthogonal frequency division multiplexing)信号に変調される。
MPDUはMAC層での信号処理を行なうためのヘッダ情報等が含まれるMAC層ヘッダ(MAC header)と、MAC層で処理されるデータユニットであるMACサービスデータユニット(MSDU: MAC service data unit)もしくはフレームボディ、ならびにフレームに誤りがないかをどうかをチェックするフレーム検査部(Frame check sequence:FCS)で構成されている。また、複数のMSDUは集約MSDU(A-MSDU: Aggregated MSDU)として集約されることも可能である。
MAC層の送信フレームのフレームタイプは、装置間の接続状態などを管理するマネージメントフレーム、装置間の通信状態を管理するコントロールフレーム、および実際の送信データを含むデータフレームの3つに大きく分類され、それぞれは更に複数種類のサブフレームタイプに分類される。コントロールフレームには、受信完了通知(Ack: Acknowledge)フレーム、送信要求(RTS: Request to send)フレーム、受信準備完了(CTS: Clear to send)フレーム等が含まれる。マネージメントフレームには、ビーコン(Beacon)フレーム、プローブ要求(Probe request)フレーム、プローブ応答(Probe response)フレーム、認証(Authentication)フレーム、接続要求(Association request)フレーム、接続応答(Association response)フレーム等が含まれる。データフレームには、データ(Data)フレーム、ポーリング(CF-poll)フレーム等が含まれる。各装置は、MACヘッダに含まれるフレームコントロールフィールドの内容を読み取ることで、受信したフレームのフレームタイプおよびサブフレームタイプを把握することができる。
なお、Ackには、Block Ackが含まれても良い。Block Ackは、複数のMPDUに対する受信完了通知を実施可能である。
ビーコンフレームには、ビーコンが送信される周期(Beacon interval)やSSIDを記載するフィールド(Field)が含まれる。基地局装置は、ビーコンフレームを周期的にBSS内に報知することが可能であり、端末装置はビーコンフレームを受信することで、端末装置周辺の基地局装置を把握することが可能である。端末装置が基地局装置より報知されるビーコンフレームに基づいて基地局装置を把握することを受動的スキャニング(Passive scanning)と呼ぶ。一方、端末装置がプローブ要求フレームをBSS内に報知することで、基地局装置を探査することを能動的スキャニング(Active scanning)と呼ぶ。基地局装置は該プローブ要求フレームへの応答としてプローブ応答フレームを送信することが可能であり、該プローブ応答フレームの記載内容は、ビーコンフレームと同等である。
端末装置は基地局装置を認識したあとに、該基地局装置に対して接続処理を行なう。接続処理は認証(Authentication)手続きと接続(Association)手続きに分類される。端末装置は接続を希望する基地局装置に対して、認証フレーム(認証要求)を送信する。基地局装置は、認証フレームを受信すると、該端末装置に対する認証の可否などを示すステータスコードを含んだ認証フレーム(認証応答)を該端末装置に送信する。端末装置は、該認証フレームに記載されたステータスコードを読み取ることで、自装置が該基地局装置に認証を許可されたか否かを判断することができる。なお、基地局装置と端末装置は認証フレームを複数回やり取りすることが可能である。
端末装置は認証手続きに続いて、基地局装置に対して接続手続きを行なうために、接続要求フレームを送信する。基地局装置は接続要求フレームを受信すると、該端末装置の接続を許可するか否かを判断し、その旨を通知するために、接続応答フレームを送信する。接続応答フレームには、接続処理の可否を示すステータスコードに加えて、端末装置を識別するためのアソシエーション識別番号(AID: Association identifier)が記載されている。基地局装置は接続許可を出した端末装置にそれぞれ異なるAIDを設定することで、複数の端末装置を管理することが可能となる。
接続処理が行われたのち、基地局装置と端末装置は実際のデータ伝送を行なう。IEEE802.11システムでは、分散制御機構(DCF: Distributed Coordination Function)と集中制御機構(PCF: Point Coordination Function)、およびこれらが拡張された機構(拡張分散チャネルアクセス(EDCA: Enhanced distributed channel access)や、ハイブリッド制御機構(HCF: Hybrid coordination function)等)が定義されている。以下では、基地局装置が端末装置にDCFで信号を送信する場合を例にとって説明する。
DCFでは、基地局装置および端末装置は、通信に先立ち、自装置周辺の無線チャネルの使用状況を確認するキャリアセンス(CS: Carrier sense)を行なう。例えば、送信局である基地局装置は予め定められたクリアチャネル評価レベル(CCAレベル: Clear channel assessment level)よりも高い信号を該無線チャネルで受信した場合、該無線チャネルでの送信フレームの送信を延期する。以下では、該無線チャネルにおいて、CCAレベル以上の信号が検出される状態をビジー(Busy)状態、CCAレベル以上の信号が検出されない状態をアイドル(Idle)状態と呼ぶ。このように、各装置が実際に受信した信号の電力(受信電力レベル、信号強度)に基づいて行なうCSを物理キャリアセンス(物理CS)と呼ぶ。なおCCAレベルをキャリアセンスレベル(CS level)、もしくはCCA閾値(CCA threshold:CCAT)とも呼ぶ。なお、基地局装置および端末装置は、CCAレベル以上の信号を検出した場合は、少なくともPHY層の信号を復調する動作に入る。
基地局装置は送信する送信フレームに種類に応じたフレーム間隔(IFS: Inter frame space)だけキャリアセンスを行ない、無線チャネルがビジー状態かアイドル状態かを判断する。基地局装置がキャリアセンスする期間は、これから基地局装置が送信する送信フレームのフレームタイプおよびサブフレームタイプによって異なる。IEEE802.11システムでは、期間の異なる複数のIFSが定義されており、最も高い優先度が与えられた送信フレームに用いられる短フレーム間隔(SIFS: Short IFS)、優先度が比較的高い送信フレームに用いられるポーリング用フレーム間隔(PCF IFS: PIFS)、最も優先度の低い送信フレームに用いられる分散制御用フレーム間隔(DCF IFS: DIFS)などがある。基地局装置がDCFでデータフレームを送信する場合、基地局装置はDIFSを用いる。
基地局装置はDIFSだけ待機したあとで、フレームの衝突を防ぐためのランダムバックオフ時間だけ更に待機する。IEEE802.11システムにおいては、コンテンションウィンドウ(CW: Contention window)と呼ばれるランダムバックオフ時間が用いられる。CSMA/CAでは、ある送信局が送信した送信フレームは、他送信局からの干渉が無い状態で受信局に受信されることを前提としている。そのため、送信局同士が同じタイミングで送信フレームを送信してしまうと、フレーム同士が衝突してしまい、受信局は正しく受信することができない。そこで、各送信局が送信開始前に、ランダムに設定される時間だけ待機することで、フレームの衝突が回避される。基地局装置はキャリアセンスによって無線チャネルがアイドル状態であると判断すると、CWのカウントダウンを開始し、CWが0となって初めて送信権を獲得し、端末装置に送信フレームを送信できる。なお、CWのカウントダウン中に基地局装置がキャリアセンスによって無線チャネルをビジー状態と判断した場合は、CWのカウントダウンを停止する。そして、無線チャネルがアイドル状態となった場合、先のIFSに続いて、基地局装置は残留するCWのカウントダウンを再開する。
受信局である端末装置は、送信フレームを受信し、該送信フレームのPHYヘッダを読み取り、受信した送信フレームを復調する。そして、端末装置は復調した信号のMACヘッダを読み取ることで、該送信フレームが自装置宛てのものか否かを認識することができる。なお、端末装置は、PHYヘッダに記載の情報(例えばVHT-SIG-Aの記載されるグループ識別番号(GID: Group identifier, Group ID))に基づいて、該送信フレームの宛先を判断することも可能である。
端末装置は、受信した送信フレームが自装置宛てのものと判断し、そして誤りなく送信フレームを復調できた場合、フレームを正しく受信できたことを示すACKフレームを送信局である基地局装置に送信しなければならない。ACKフレームは、SIFS期間の待機だけ(ランダムバックオフ時間は取られない)で送信される最も優先度の高い送信フレームの一つである。基地局装置は端末装置から送信されるACKフレームの受信をもって、一連の通信を終了する。なお、端末装置がフレームを正しく受信できなかった場合、端末装置はACKを送信しない。よって基地局装置は、フレーム送信後、一定期間(SIFS+ACKフレーム長)の間、受信局からのACKフレームを受信しなかった場合、通信は失敗したものとして、通信を終了する。このように、IEEE802.11システムの1回の通信(バーストとも呼ぶ)の終了は、ビーコンフレームなどの報知信号の送信の場合や、送信データを分割するフラグメンテーションが用いられる場合などの特別な場合を除き、必ずACKフレームの受信の有無で判断されることになる。
端末装置は、受信した送信フレームが自装置宛てのものではないと判断した場合、PHYヘッダ等に記載されている該送信フレームの長さ(Length)に基づいて、ネットワークアロケーションベクタ(NAV: Network allocation vector)を設定する。端末装置は、NAVに設定された期間は通信を試行しない。つまり、端末装置は物理CSによって無線チャネルがビジー状態と判断した場合と同じ動作をNAVに設定された期間行なうことになるから、NAVによる通信制御は仮想キャリアセンス(仮想CS)とも呼ばれる。NAVは、PHYヘッダに記載の情報に基づいて設定される場合に加えて、隠れ端末問題を解消するために導入される送信要求(RTS: Request to send)フレームや、受信準備完了(CTS: Clear to send)フレームによっても設定される。
各装置がキャリアセンスを行ない、自律的に送信権を獲得するDCFに対して、PCFは、ポイントコーディネータ(PC: Point coordinator)と呼ばれる制御局が、BSS内の各装置の送信権を制御する。一般に基地局装置がPCとなり、BSS内の端末装置の送信権を獲得することになる。
PCFによる通信期間には、非期間(CFP: Contention free period)と競合期間(CP:
Contention period)が含まれる。CPの間は、前述してきたDCFに基づいて通信が行われ、PCが送信権を制御するのはCFPの間となる。PCである基地局装置は、CFPの期間(CFP Max duration)などが記載されたビーコンフレームをPCFの通信に先立ちBSS内に報知する。なお、PCFの送信開始時に報知されるビーコンフレームの送信にはPIFSが用いられ、CWを待たずに送信される。該ビーコンフレームを受信した端末装置は、該ビーコンフレームに記載されたCFPの期間をNAVに設定する。以降、NAVが経過する、もしくはCFPの終了をBSS内に報知する信号(例えばCF-endを含んだデータフレーム)が受信されるまでは、端末装置はPCより送信される送信権獲得をシグナリングする信号(例えばCF-pollを含んだデータフレーム)を受信した場合のみ、送信権を獲得可能である。なお、CFPの期間内では、同一BSS内でのパケットの衝突は発生しないから、各端末装置はDCFで用いられるランダムバックオフ時間を取らない。
無線媒体は複数のリソースユニット(Resource unit:RU)に分割されることができる。図4は無線媒体の分割状態の1例を示す概要図である。例えば、リソース分割例1では、無線通信装置は無線媒体である周波数リソース(サブキャリア)を9個のRUに分割することができる。同様に、リソース分割例2では、無線通信装置は無線媒体であるサブキャリアを5個のRUに分割することができる。当然ながら、図4に示すリソース分割例はあくまで1例であり、例えば、複数のRUはそれぞれ異なるサブキャリア数によって構成されることも可能である。また、RUとして分割される無線媒体には周波数リソースだけではなく空間リソースも含まれることができる。無線通信装置(例えばAP)は、各RUに異なる端末装置宛てのフレームを配置することで、複数の端末装置(例えば複数のSTA)に同時にフレームを送信することができる。APは、無線媒体の分割の状態を示す情報(Resource allocation information)を、共通制御情報として、自装置が送信するフレームのPHYヘッダに記載することができる。更に、APは、各STA宛てのフレームが配置されたRUを示す情報(resource unit assignment information)を、固有制御情報として、自装置が送信するフレームのPHYヘッダに記載することができる。
また、複数の端末装置(例えば複数のSTA)は、それぞれ割り当てられたRUにフレームを配置して送信することで、同時にフレームを送信することができる。複数のSTAは、APから送信されるトリガ情報を含んだフレーム(Trigger frame:TF)を受信した後、所定の期間待機したのち、フレーム送信を行なうことができる。各STAは、該TFに記載の情報に基づいて自装置に割り当てられたRUを把握することができる。また、各STAは、該TFを基準としたランダムアクセスによりRUを獲得することができる。
APは、1つのSTAに複数のRUを同時に割り当てることができる。該複数のRUは、連続するサブキャリアで構成されることも出来るし、不連続のサブキャリアで構成されることも出来る。APは、1つのSTAに割り当てた複数のRUを用いて、1つのフレームを送信することが出来るし、複数のフレームをそれぞれ異なるRUに割り当てて送信することができる。該複数のフレームの少なくとも1つは、Resource allocation informationを送信する複数の端末装置に対する共通の制御情報を含むフレームであることができる。
1つのSTAは、APより複数のRUを割り当てられることができる。STAは、割り当てられた複数のRUを用いて、1つのフレームを送信することができる。また、STAは割り当てられた複数のRUを用いて、複数のフレームをそれぞれ異なるRUに割り当てて送信することができる。該複数のフレームは、それぞれ異なるフレームタイプのフレームであることができる。
APは、1つのSTAに複数のAIDを割り当てることができる。APは、1つのSTAに割り当てた複数のAIDに対して、それぞれRUを割り当てることができる。APは、1つのSTAに割り当てた複数のAIDに対して、それぞれ割り当てたRUを用いて、それぞれ異なるフレームを送信することができる。該異なるフレームは、それぞれ異なるフレームタイプのフレームであることができる。
1つのSTAは、APより複数のAIDを割り当てられることができる。1つのSTAは割り当てられた複数のAIDに対して、それぞれRUを割り当てられることができる。1つのSTAは、自装置に割り当てられた複数のAIDにそれぞれ割り当てられたRUは、全て自装置に割り当てられたRUと認識し、該割り当てられた複数のRUを用いて、1つのフレームを送信することができる。また、1つのSTAは、該割り当てられた複数のRUを用いて、複数のフレームを送信することができる。このとき、該複数のフレームには、それぞれ割り当てられたRUに関連付けられたAIDを示す情報を記載して送信することができる。APは、1つのSTAに割り当てた複数のAIDに対して、それぞれ割り当てたRUを用いて、それぞれ異なるフレームを送信することができる。該異なるフレームは、異なるフレームタイプのフレームであることができる。
以下では、基地局装置、端末装置を総称して、無線通信装置もしくは通信装置とも呼称する。また、ある無線通信装置が別の無線通信装置と通信を行う際にやりとりされる情報をデータ(data)とも呼称する。つまり、無線通信装置は、基地局装置及び端末装置を含む。
無線通信装置は、PPDUを送信する機能と受信する機能のいずれか、または両方を備える。図1は、無線通信装置が送信するPPDU構成の一例を示した図である。IEEE802.11a/b/g規格に対応するPPDUはL-STF、L-LTF、L-SIG及びDataフレーム(MAC Frame、MACフレーム、ペイロード、データ部、データ、情報ビット等)を含んだ構成である。IEEE802.11n規格に対応するPPDUはL-STF、L-LTF、L-SIG、HT-SIG、HT-STF、HT-LTF及びDataフレームを含んだ構成である。IEEE802.11ac規格に対応するPPDUはL-STF、L-LTF、L-SIG、VHT-SIG-A、VHT-STF、VHT-LTF、VHT-SIG-B及びMACフレームの一部あるいは全てを含んだ構成である。IEEE802.11ax標準で検討されているPPDUは、L-STF、L-LTF、L-SIG、L-SIGが時間的に繰り返されたRL-SIG、HE-SIG-A、HE-STF、HE-LTF、HE-SIG-B及びDataフレームの一部あるいは全てを含んだ構成である。IEEE802.11be標準で検討されているPPDUは、L-STF、L-LTF、L-SIG、RL-SIG、U-SIG、EHT-SIG、EHT-STF、HET-LTF及びDataフレームの一部あるいは全てを含んだ構成である。
図1中の点線で囲まれているL-STF、L-LTF及びL-SIGはIEEE802.11規格において共通に用いられる構成である(以下では、L-STF、L-LTF及びL-SIGをまとめてL-ヘッダとも呼称する)。例えばIEEE 802.11a/b/g規格に対応する無線通信装置は、IEEE802.11n/ac規格に対応するPPDU内のL-ヘッダを適切に受信することが可能である。IEEE 802.11a/b/g規格に対応する無線通信装置は、IEEE802.11n/ac規格に対応するPPDUを、IEEE 802.11a/b/g規格に対応するPPDUとみなして受信することができる。
ただし、IEEE 802.11a/b/g規格に対応する無線通信装置はL-ヘッダの後に続く、IEEE802.11n/ac規格に対応するPPDUを復調することができないため、送信アドレス(TA:Transmitter Address)や受信アドレス(RA:Receiver Address)やNAVの設定に用いられるDuration/IDフィールドに関する情報を復調することができない。
IEEE 802.11a/b/g規格に対応する無線通信装置が適切にNAVを設定する(あるいは所定の期間受信動作を行う)ための方法として、IEEE802.11は、L-SIGにDuration情報を挿入する方法を規定している。L-SIG内の伝送速度に関する情報(RATE field、L-RATE field、L-RATE、L_DATARATE、L_DATARATE field)、伝送期間に関する情報(LENGTH field、L-LENGTH field、L-LENGTH)は、IEEE 802.11a/b/g規格に対応する無線通信装置が適切にNAVを設定するために使用される。
図2は、L-SIGに挿入されるDuration情報の方法の一例を示す図である。図2においては、一例としてIEEE802.11ac規格に対応するPPDU構成を示しているが、PPDU構成はこれに限定されない。IEEE802.11n規格に対応のPPDU構成及びIEEE802.11ax規格に対応するPPDU構成でも良い。TXTIMEは、PPDUの長さに関する情報を備え、aPreambleLengthは、プリアンブル(L-STF+L-LTF)の長さに関する情報を備え、aPLCPHeaderLengthは、PLCPヘッダ(L-SIG)の長さに関する情報を備える。L_LENGTHは、IEEE802.11規格の互換性をとるために設定される仮想的な期間であるSignal Extension、L_RATEに関連するNops、1シンボル(symbol,OFDM symbol等)の期間に関する情報であるaSymbolLength、PLCP Service fieldが含むビット数を示すaPLCPServiceLength、畳みこみ符号のテールビット数を示すaPLCPConvolutionalTailLengthに基づいて算出される。無線通信装置は、L_LENGTHを算出し、L-SIGに挿入することができる。また、無線通信装置は、L-SIG Durationを算出することができる。L-SIG Durationは、L_LENGTHを含むPPDUと、その応答として宛先の無線通信装置より送信されることが期待されるAckとSIFSの期間を合計した期間に関する情報を示す。
図3は、L-SIG TXOP Protectionにおける、L-SIG Durationの一例を示した図である。DATA(フレーム、ペイロード、データ等)は、MACフレームとPLCPヘッダの一部または両方から構成される。また、BAはBlock Ack、またはAckである。PPDUは、L-STF,L-LTF,L-SIG
を含み、さらにDATA,BA、RTSあるいはCTSのいずれかまたはいずれか複数を含んで構成されることができる。図3に示す一例では、RTS/CTSを用いたL-SIG TXOP Protectionを示しているが、CTS-to-Selfを用いても良い。ここで、MAC Durationは、Duration/ID fieldの値によって示される期間である。また、InitiatorはL-SIG TXOP Protection期間の終了を通知するためにCF_Endフレームを送信することができる。
続いて、無線通信装置が受信するフレームからBSSを識別する方法について説明する。無線通信装置が、受信するフレームからBSSを識別するためには、PPDUを送信する無線通信装置が当該PPDUにBSSを識別するための情報(BSS color,BSS識別情報、BSSに固有な値)を挿入することが好適である。BSS colorを示す情報は、HE-SIG-Aに記載されることが可能である。
無線通信装置は、L-SIGを複数回送信する(L-SIG Repetition)ことができる。例えば、受信側の無線通信装置は、複数回送信されるL-SIGをMRC(Maximum Ratio Combining)を用いて受信することで、L-SIGの復調精度が向上する。さらに無線通信装置は、MRCによりL-SIGを正しく受信完了した場合に、当該L-SIGを含むPPDUがIEEE802.11ax規格に対応するPPDUであると解釈することができる。
無線通信装置は、PPDUの受信動作中も、当該PPDU以外のPPDUの一部(例えば、IEEE802.11により規定されるプリアンブル、L-STF、L-LTF、PLCPヘッダ等)の受信動作を行うことができる(二重受信動作とも呼称する)。無線通信装置は、PPDUの受信動作中に、当該PPDU以外のPPDUの一部を検出した場合に、宛先アドレスや、送信元アドレスや、PPDUあるいはDATA期間に関する情報の一部または全部を更新することができる。
Ack及びBAは、応答(応答フレーム)とも呼称されることができる。また、プローブ応答や、認証応答、接続応答を応答と呼称することができる。
超高精細映像伝送のような大容量伝送を考えると、広帯域が使える高周波数帯の通信が望まれる。高周波数帯では、パスロスが大きく、また、電波の直進性が強くなるため、通信装置の間に障害物があると電波が届きにくくなってしまう。この場合、反射を利用した経路が有効となる。従って、遮蔽物があるような場所に伝搬制御装置を置くと伝搬環境を改善することができる。伝搬制御装置は、例えばIRS(Intelligent Reflecting Surface)のような、反射方向を制御可能なものを想定する。伝搬制御装置により、基地局装置と端末装置が遮蔽物の影響で直接通信できない環境であっても、伝搬制御装置経由で通信が可能となる。図5は本実施形態に係る通信システムの一例である。通信システムは、基地局装置1A、端末装置2A、端末装置2B、端末装置2C、伝搬制御装置3Aで構成される。なお、斜線で示したブロックは遮蔽物を示す。このとき基地局装置1Aは端末装置2Aと直接通信可能であるが、端末装置2B、2Cとは直接通信はできない。基地局装置1Aは端末装置2B、2Cと伝搬制御装置3Aを経由して通信可能である。伝搬制御装置3Aは、基地局装置1Aからの制御によって、端末装置2Bとの通信に好適な反射方向や端末装置2Cとの通信に好適な反射方向に切り替えることができる。
図6は本実施形態における基地局装置の構成例を示す概略ブロック図である。基地局装置は、上位層処理部(上位層処理ステップ)101、制御部(制御ステップ)102、送信部(送信ステップ)103、受信部(受信ステップ)104、送受信アンテナ105、キャリアセンス部(キャリアセンスステップ)106を備える。
上位層処理部101は、他のネットワークと接続され、制御部102にトラフィックに関する情報を通知することができる。トラフィックに関する情報とは、例えば、他の無線通信装置宛ての情報であっても良いし、マネージメントフレームやコントロールフレームに含まれる制御情報でも良い。
制御部102は、上位層処理部101から入力された情報に基づいて、送信部103および受信部104の制御を行なう制御信号を生成する。また制御部102は、キャリアセンス後に送信する必要がある場合、キャリアセンス部106を制御してキャリアセンスを行い、チャネル占有時間(又はチャネル送信許可時間、送信機会(transmission opportunity; TXOP))を獲得する。また制御部102は、キャリアセンスに成功した後、RTSフレーム(リソース予約信号)や送信信号を送信するように送信部103を制御する。また制御部102は伝搬制御装置3Aを制御するための制御情報を生成する。
送信部103は、物理層フレーム生成部(物理層フレーム生成ステップ)1031と、無線送信部(無線送信ステップ)1032とを含んだ構成である。物理層フレーム生成部1031は、キャリアセンス部106から通知される送信判断情報に基づき、物理層フレーム(PPDU)を生成する機能を有する。物理層フレーム生成部1031は、上位層から送られる送信フレームに対して誤り訂正符号化、変調、プレコーディングフィルタ乗算等を施す。物理層フレーム生成部1031は、生成した物理層フレームを無線送信部1032に出力する。物理層フレーム生成部1031が生成するフレームには、制御情報が含まれる。該制御情報には、各無線通信装置宛てのデータが、どのRU(ここでRUには周波数リソースと空間リソースの両方を含む)に配置されているかを示す情報が含まれる。また、物理層フレーム生成部1031が生成するフレームには、宛先端末(ターゲット端末装置)である無線通信装置にフレーム送信を指示するトリガーフレームが含まれる。該トリガーフレームには、フレーム送信を指示された無線通信装置がフレームを送信する際に用いるRUを示す情報が含まれている。無線送信部1032は、物理層フレーム生成部1031が生成する物理層フレームを、無線周波数(RF: Radio Frequency)帯の信号に変換し、無線周波数信号を生成する。無線送信部1032が行う処理には、デジタル・アナログ変換、フィルタリング、ベースバンド帯からRF帯への周波数変換等が含まれる。また送信部104は、伝搬制御装置3Aを制御するための制御情報を含む送信信号を生成する機能を有する。
受信部104は、無線受信部(無線受信ステップ)1041と、信号復調部(信号復調ステップ)1042を含んだ構成である。受信部104は、送受信アンテナ105で受信した受信信号の受信信号電力に関する情報と、受信信号に関する情報をキャリアセンス部106に出力することができる。無線受信部1041は、送受信アンテナ105が受信する無線周波数帯の信号をベースバンド信号に変換し、物理層信号(例えば、物理層フレーム)を生成する機能を有する。無線受信部1041が行う処理には、無線周波数帯からベースバンド帯への周波数変換処理、フィルタリング、アナログ・デジタル変換が含まれる。信号復調部1042は、無線受信部1041が生成する物理層信号を復調する機能を有する。信号復調部1042が行う処理には、チャネル等化、デマッピング、誤り訂正復号化等が含まれる。信号復調部1042は、物理層信号から、例えば、物理層ヘッダが含む情報と、MACヘッダが含む情報と、送信フレームが含む情報とを取り出すことができる。信号復調部1042は、取り出した情報を上位層処理部102に通知することができる。なお、信号復調部1042は、物理層ヘッダが含む情報と、MACヘッダが含む情報と、送信フレームが含む情報のいずれか、あるいは全てを取り出すことができる。また、受信部104は、伝搬制御装置3Aから信号を受信し、上位層処理部101に通知する。また、受信部104は、伝搬制御装置3Aから位置を推定又は補正するための参照信号や赤外線などを受信しても良い。
送受信アンテナ105は、送信部103が生成する無線周波数信号を、通信相手の通信装置に向けて、無線空間に送信する機能を有する。また、送受信アンテナ105は、通信装置から送信される無線周波数信号を受信する機能を有する。
キャリアセンス部106は、受信部104から通知される、無線リソースを介して受信する受信信号電力に関する情報と、受信信号に関する情報(復調、復号後の情報を含む)のいずれか一方、または両方を用いて、キャリアセンスを行い、チャネル占有時間(又はチャネル送信許可時間、送信権)を獲得する。チャネルを占有できる期間(チャネル占有期間)の最大値は、MCOT(Maximum Channel Occupancy Time)とも呼ぶ。また、MCOTはデータの優先度によって変わる。データの優先度は優先度クラス(チャネルアクセスプライオリティクラス)やQoS(Quality of Service)クラスで表現することができる。また、優先度クラスによってキャリアセンスに必要なランダムな期間の最大値も変わり得る。なお、ランダムな期間は、コンテンションウィンドウサイズ(CWS)以下のランダムな正の整数とスロット期間(例えば9マイクロ秒)との積となる。また、コンテンションウィンドウサイズ以下のランダムな正の整数をキャリアセンスにおけるカウンタとも呼ぶ。CWSは優先度クラスや伝送誤り率などで変わる可能性がある。また、スロット期間の中で少なくとも所定の期間(例えば4マイクロ秒)で、観測(検出)した電力がエネルギー検出閾値(又はキャリアセンスレベル)未満となれば、そのスロット期間はアイドルと判断される。そうでなければ、そのスロット期間はビジーと判断される。そのスロットがアイドルと判断されるとカウンタの値は減少していき、カウンタの値が0になるとキャリアセンスは成功と判断され、送信判断情報を送信部103に通知する。なお、スロット期間は周波数バンド(周波数帯域幅、キャリア周波数)によって変わってよく、高周波数帯の方がスロット期間を短くすることができる。また、周波数バンド(周波数帯域幅、キャリア周波数)によって、スロット単位でアイドル/ビジーを判断する期間が変わっても良い。つまり、高周波数帯の方が、アイドルと判断する際に、観測(検出)した電力がエネルギー検出閾値未満となる期間は短くすることができる。
図7は本実施形態における端末装置の構成例を示す概略ブロック図である。端末装置は、上位層処理部(上位層処理ステップ)201、制御部(制御ステップ)202、送信部(送信ステップ)203、受信部(受信ステップ)204、送受信アンテナ205、キャリアセンス部(キャリアセンスステップ)206を備える。
上位層処理部201は、上位層(Upper Layer、Higher Layer、IP層、TCP層、セッション層、プレゼンテーション層、アプリケーション層等)データを生成する。上位層部201は、生成した送信データを送信部202へ通知する。また、上位層部201は、受信部203が復調した復調データを上位層へ通知する機能も有する。
制御部202は、上位層処理部201から入力された情報に基づいて、送信部203および受信部204の制御を行なう制御信号を生成する。また制御部202は、キャリアセンス後に送信する必要がある場合、キャリアセンス部206を制御してキャリアセンスを行い、チャネル占有時間(又はチャネル送信許可時間、送信機会(transmission opportunity; TXOP))を獲得する。また制御部202は、キャリアセンスに成功した後、RTSフレーム(リソース予約信号)や送信信号を送信するように送信部203を制御する。
送信部203は、物理層フレーム生成部(物理層フレーム生成ステップ)2031と、無線送信部(無線送信ステップ)2032とを含んだ構成である。物理層フレーム生成部2031は、キャリアセンス部206から通知される送信判断情報に基づき、物理層フレーム(PPDU)を生成する機能を有する。物理層フレーム生成部2031は、上位層から送られる送信フレームに対して誤り訂正符号化、変調、プレコーディングフィルタ乗算等を施す。物理層フレーム生成部2031は、生成した物理層フレームを無線送信部2032に出力する。物理層フレーム生成部2031が生成するフレームには、制御情報が含まれる。該制御情報には、各無線通信装置宛てのデータが、どのRU(ここでRUには周波数リソースと空間リソースの両方を含む)に配置されているかを示す情報が含まれる。また、物理層フレーム生成部2031が生成するフレームには、宛先端末(ターゲット端末装置)である無線通信装置にフレーム送信を指示するトリガーフレームが含まれる。該トリガーフレームには、フレーム送信を指示された無線通信装置がフレームを送信する際に用いるRUを示す情報が含まれている。無線送信部2032は、物理層フレーム生成部2031が生成する物理層フレームを、無線周波数(RF: Radio Frequency)帯の信号に変換し、無線周波数信号を生成する。無線送信部2032が行う処理には、デジタル・アナログ変換、フィルタリング、ベースバンド帯から無線周波数帯への周波数変換等が含まれる。
受信部204は、無線受信部(無線受信ステップ)2041と、信号復調部(信号復調ステップ)2042を含んだ構成である。受信部204は、送受信アンテナ205で受信した受信信号の受信信号電力に関する情報と、受信信号に関する情報をキャリアセンス部206に出力することができる。無線受信部2041は、送受信アンテナ205が受信する無線周波数帯の信号をベースバンド信号に変換し、物理層信号(例えば、物理層フレーム)を生成する機能を有する。無線受信部2041が行う処理には、無線周波数帯からベースバンド帯への周波数変換処理、フィルタリング、アナログ・デジタル変換が含まれる。信号復調部2042は、無線受信部2041が生成する物理層信号を復調する機能を有する。信号復調部2042が行う処理には、チャネル等化、デマッピング、誤り訂正復号化等が含まれる。信号復調部2042は、物理層信号から、例えば、物理層ヘッダが含む情報と、MACヘッダが含む情報と、送信フレームが含む情報とを取り出すことができる。信号復調部2042は、取り出した情報を上位層処理部202に通知することができる。なお、信号復調部2042は、物理層ヘッダが含む情報と、MACヘッダが含む情報と、送信フレームが含む情報のいずれか、あるいは全てを取り出すことができる。
送受信アンテナ205は、送信部203が生成する無線周波数信号を、通信相手の通信装置に向けて、無線空間に送信する機能を有する。また、送受信アンテナ205は、通信装置から送信される無線周波数信号を受信する機能を有する。
キャリアセンス部206は、受信部204から通知される、無線リソースを介して受信する受信信号電力に関する情報と、受信信号に関する情報(復調、復号後の情報を含む)のいずれか一方、または両方を用いて、キャリアセンスを行い、チャネル占有時間(又はチャネル送信許可時間、送信権)を獲得する。
本実施形態の通信装置は、送信するフレームのPHYヘッダやMACヘッダに、自装置が無線媒体を利用する期間を示す情報を記載することにより、自装置周辺の通信装置に当該期間だけNAV(Network Allocation Vector、送信禁止期間)を設定させることができる。例えば、通信装置は送信するフレームのDuration/IDフィールドまたはLengthフィールドに当該期間を示す情報を記載することができる。通信装置は、無線媒体を確保する期間について、PHYヘッダやMACヘッダの所定のフィールドに記載することも可能である。自装置周辺の無線通信装置に設定されたNAV期間を、通信装置が獲得したTXOP期間(もしくは単にTXOP)と呼ぶこととする。そして、該TXOPを獲得した通信装置を、TXOP獲得者(TXOP holder、TXOPホルダー)と呼ぶ。通信装置がTXOPを獲得するために送信するフレームのフレームタイプは何かに限定されるものではなく、コントロールフレーム(例えばRTSフレームやCTS-to-selfフレーム)でも良いし、データフレームでも良い。通信装置は、TXOP獲得者を示す情報を、PHYヘッダやMACヘッダの所定のフィールドに記載することも可能である。T
XOP獲得者を示す情報は、MACアドレスや、AID、もしくはPartial AIDとすることができる。
TXOPホルダーである通信装置は、該TXOPの間で、自装置以外の無線通信装置に対して、フレームを送信することができる。例えば、基地局装置がTXOPホルダーである場合、該TXOPの期間内で、端末装置に対してフレームを送信することができる。また、基地局装置は、該TXOP期間内で、端末装置に対して、基地局装置宛て、もしくは基地局装置以外の通信装置へのフレーム送信を指示することができる。基地局装置は、該TXOP期間内で、端末装置に対して、基地局装置宛てのフレーム送信を指示する情報を含むトリガーフレームを送信することができる。なお、端末装置がTXOPホルダーになることもできる。
通信装置は、フレーム送信を行なう可能性のある全通信帯域(例えばOperation bandwidth)に対してTXOPを確保してもよいし、実際にフレームを送信する通信帯域(例えばTransmission bandwidth)等の特定の通信帯域(Band)に対して確保してもよい。
通信装置が獲得したTXOPの期間内でフレーム送信の指示を行なう通信装置は、必ずしも自装置に接続されている通信装置には限定されない。例えば、通信装置は、自装置の周辺にいる通信装置にReassociationフレームなどのマネージメントフレームや、RTS/CTSフレーム等のコントロールフレームを送信させるために、自装置に接続されていない通信装置に、フレームの送信を指示することができる。
高周波数帯では、大きいパスロスを補償するためビームフォーミングが必須となる。特にビームフォーミングをしないと信号が届かない場合、通信装置は好適なビーム方向を知らないといけない。例えば、基地局装置が端末装置の位置(座標)を予め知っており、基地局装置と端末装置間が見通し内であれば、端末装置の方向にビームを向ければ品質の良い通信ができる。基地局装置が端末装置の位置を知らない場合、好適なビーム方向を知るためにはビームスウィープが有効である。ビームスウィープはトレーニング信号を用いる。トレーニング信号は同期信号や参照信号を含む。図8は基地局装置1Aと端末装置2Aにおける下りリンク信号を用いたビームスウィープの一例を示す。図8(a)は送信ビームスウィープの例、図8(b)は受信ビームスウィープの例である。基地局装置1Aは、異なるビーム方向にビームフォーミングしたトレーニング信号801を、時間(シンボル、スロット)を変えて順に送信し、端末装置2Aは1つの受信ビーム方向802で受信する。トレーニング信号がビーム方向に対してインデックス(又は識別子)が与えられていれば、端末装置2Aが好適な受信電力/受信品質となったトレーニング信号の識別子を基地局装置1Aにフィードバックすれば、基地局装置1Aは好適なビーム方向を知ることができる。一方、基地局装置1Aが1つの送信ビーム方向803で送信し、端末装置が複数の受信ビーム方向804で時間(シンボル、スロット)を変えて順に受信電力/受信品質を測定すれば、好適な受信ビーム方向を知ることができる。また、送信ビームスウィープと受信ビームスウィープを繰り返し行えば、ビームスウィープの精度は向上するが、ビームスウィープのための時間が長くなるため、精度と遅延時間はトレードオフの関係になる。上りリンクのビームスウィープは図8において基地局装置1Aと端末装置2Aを入れ替えて、上りリンク信号を用いれば良い。またTDD(Time Division Duplex)のチャネル相反性(channel reciprocity)が成り立つならば、基地局装置の好適な送信ビーム方向と受信ビーム方向は同じで良いし、端末装置の送信ビーム方向と受信ビーム方向は同じで良いため、ビームスウィープの時間や回数を低減できる。
伝搬制御装置は反射方向を制御できるため、基地局装置/端末装置にとって好適な反射方向を知る必要がある。基地局装置と伝搬制御装置の位置は固定で動かないと仮定すると、基地局装置から伝搬制御装置へのビーム方向は固定で良い。また、基地局装置は伝搬制御装置を制御するため、伝搬制御装置の位置又は方向は何らかの方法で知っているものとする。図9は、基地局装置1A、端末装置2C、伝搬制御装置3Aにおける下りリンク信号を用いた反射方向のスウィーピングの例である。基地局装置1Aから伝搬制御装置3Aへは固定の送信ビーム方向901で送信する。基地局装置1Aは時間(シンボル、スロット)で順に反射方向を変えるように伝搬制御装置3Aを制御する。伝搬制御装置3Aは基地局装置1Aの制御により、基地局装置1Aが送信したトレーニング信号を複数の反射方向902に反射する。トレーニング信号が反射方向に対してインデックス(又は識別子)が与えられていれば、端末装置2Cが受信した複数の反射信号の受信電力/受信品質を測定し、好適なトレーニング信号の識別子を基地局装置1Aにフィードバックすれば、基地局装置2Aは伝搬制御装置3Aの好適な反射方向を知ることができる。なお、キャリア周波数が変わると端末装置にとっての好適な反射方向が変わる可能性があるため、反射方向のスウィーピングは複数の周波数帯で行っても良い。
上述のように、基地局装置はインデックス(又は識別子)と関連付けられたビーム方向や反射方向でトレーニング信号を送信し、端末装置が好適なビーム方向を探索する手法を説明した。伝搬制御装置がある場合、基地局装置はインデックスでビーム方向や反射方向を区別できないといけない。従って、基地局装置は、ビーム方向と反射方向の全パターン数だけのトレーニング信号を送信する必要があり、トレーニング信号に全候補数のインデックスを与えれば、ビーム方向と反射方向を区別できる。例えば、トレーニング信号のインデックスは送信される時間リソース(シンボル、スロット)又は時間リソースのインデックスと関連付けられる。時間リソースはフレームの先頭など基準タイミングからの差分で表現することができる。例えば、基地局装置は4つのビーム方向を持ち、伝搬制御装置は3つの反射方向を持つと仮定する。1つの伝搬制御装置が存在する場合、6個のインデックスがあれば、ビーム方向と反射方向は区別できる。例えばビーム方向0が伝搬制御装置の方向である場合、基地局装置はビーム方向0にトレーニング信号を3回送信し、ビーム方向1から3には各々1回ずつトレーニング信号を送信する。なお、トレーニング信号のインデックスは、基地局装置のビーム方向と関連付けられても良い。基地局装置が4つのビーム方向を持つ例では、インデックスは0から3とする。またトレーニング信号を送信可能な時間リソースが12個あれば、ビーム方向と反射方向を特定することができる。ただし、時間リソースのインデックスを0から11とする。このとき、時間リソースのインデックスを4で割った余りがビーム方向のインデックスとなる。時間リソースの数は12個であるため、基地局装置は同じビーム方向のインデックスを3回使うことができる。伝搬制御装置と関連付けられるビーム方向は3回のそれぞれで異なる反射方向でトレーニング信号が送信され、反射方向の探索に用いられる。この例では、反射方向のインデックスは、時間リソースを4で割った商となる。なお、伝搬制御装置と関連付けられていないビーム方向は、合成して送信ビームスウィープの精度向上又は受信ビームスウィープに用いることができる。また、ビーム方向(又はインデックス)が伝搬制御装置と関連付けられているか否かは基地局装置から端末装置に通知される。また、基地局装置は目的に応じてトレーニング信号を送信することができる。送信ビームスウィープが目的の場合、基地局装置は時間リソース毎にビーム方向を変えてトレーニング信号を送信する。受信ビームスウィープが目的の場合、基地局装置は時間リソース毎に同じビーム方向でトレーニング信号を送信する。反射方向スウィープが目的の場合、基地局装置は時間リソース毎に同じビーム方向でトレーニング信号を送信するが、時間リソース毎に異なる反射方向となるように伝搬制御装置を制御する。基地局装置はトレーニング信号を送信する目的を端末装置に通知することができる。このとき端末装置は、基地局装置から通知された目的に応じてトレーニング信号を受信する。なお、目的が送信ビームスウィープ及び反射方向スウィープの場合、端末装置は好適なリソースインデックスを基地局装置に送信する。目的が受信ビームスウィープの場合、基地局装置へのフィードバックは求められない。また、基地局装置は、トレーニング信号を送信する時間リソース毎に送信ビーム方向が異なるか否かを端末装置に通知することができる。端末装置は、時間リソース毎に送信ビーム方向が異なることを示す情報を受信した場合、送信ビームスウィープと判断してトレーニング信号を受信する。端末装置は、時間リソース毎に送信ビーム方向が同じであることを示す情報を受信した場合、受信ビームスウィープか反射方向スウィープかを判断できない。例えば、基地局装置はリソースインデックスのフィードバック(レポート)が必要か否かを示す情報を端末装置に送信する。端末装置は、時間リソース毎に送信ビーム方向が同じであることを示す情報を受信し、フィードバックを要求された場合、反射方向スウィープと判断し、好適なリソースインデックスを基地局装置に送信する。端末装置は、時間リソース毎に送信ビーム方向が同じであることを示す情報を受信し、フィードバックを要求されなかった場合、受信ビームスウィープと判断する。なお、基地局装置は時間リソース毎に送信ビーム方向が異なることを示す情報を送信するが、同じビーム方向を用いてトレーニング信号を送信し、伝搬制御装置の反射方向を制御しても良い。
上述のように、アンライセンスバンドでは、無線媒体を獲得してから信号を送信する。伝搬制御装置がある場合、基地局装置は伝搬制御装置を経由する端末装置とは、反射方向を制御しないと通信できない。これは、基地局装置はキャリアセンスをしたときに反射方向が向いている端末装置の通信状況のみを把握できることを意味する。図5を例に説明する。伝搬制御装置3Aの反射方向が端末装置2Bに設定されていると仮定する。例えば、基地局装置1Aは宛先を端末装置2AとしてRTSフレームを送信してTXOP期間を獲得する。基地局装置1Aは、端末装置2Aに送信信号を送信する。このとき基地局装置1Aは反射方向が設定されている端末装置2BにはRTSフレームは送信されて送信禁止期間が設定されるが、反射方向が向いていない端末装置2CにはRTSフレームは送信されないため送信禁止区間が設定されない。このとき基地局装置1Aが伝搬制御装置3Aの反射方向を通信装置2Cに設定すると、通信装置2Cが信号を送信する可能性があり、端末装置2Aの上りリンク信号と衝突する可能性がある。これを回避するため、基地局装置1Aは無線媒体を獲得した場合、TXOP期間内で伝搬制御装置3Aの反射方向は制御しないことができる。
なお、基地局装置1AがビームフォーミングでRTSフレームを端末装置2Aに送信する場合、端末装置2A以外の通信装置には、このRTSフレームは受信されない可能性がある。そのため、基地局装置1Aはビーム方向を変えて複数回RTSフレームを送信すれば、各端末装置はRTSフレームを受信することができる。また、伝搬制御装置3Aを制御しない場合、基地局装置1Aは各ビーム方向にRTSフレームを1回送信する。また、伝搬制御装置3Aを制御する場合、基地局装置1Aは伝搬制御装置3Aに対応するビーム方向にはRTSフレームを複数回送信する。
基地局装置1Aは伝搬制御装置3Aを経由する端末装置と通信する場合、基地局装置1Aが制御するため、TXOP期間内に伝搬制御装置3Aを制御し、複数の端末装置と通信することができる。基地局装置1Aが端末装置2Bを宛先としたRTSフレームを送信する場合、端末装置2AはRTSフレームを受信し、送信禁止期間が設定される。端末装置2CはRTSフレームを受信しない。端末装置2BはRTSフレーム受信後、CTSフレームを送信すれば、端末装置2Cに送信禁止期間を設定させることができる。
また基地局装置1Aは、宛先を伝搬制御装置3AとしてRTSフレームを送信することができる。この場合、端末装置2Aは送信禁止期間を設定するが、伝搬制御装置3Aを経由する端末装置2B、2Cは、送信禁止期間を設定しない。なお、RTSフレームの宛先は伝搬制御装置3Aを示さなくてもよく、端末装置2B、2Cに共通の識別子であればよい。なお、共通の識別子の代わりに、端末装置2Bおよび2Cを直接示す情報がRTSフレームに記載されることもできる。端末装置2Bおよび端末装置2Cを直接示す情報として、AIDが直接記載されることもできるし、端末装置2Bおよび端末装置2CのAIDを示すGroup IDが記載されることもできる。
また伝搬制御装置3Aは通信モードと観測モードが設定可能であってもよい。通信モードはデータ伝送時など端末装置との個別の通信時に設定される。観測モードは、キャリアセンス時、RTSフレーム送信時など、基地局装置1Aが無線媒体を獲得するときに設定する。また観測モードは、基地局装置1Aが伝搬制御装置3Aを経由する全端末装置にビーコンフレームや制御信号などを送信する場合でも設定される。基地局装置1Aは、伝搬制御装置3Aを通信モードと設定した場合、伝搬制御装置3Aの反射方向を制御できる。基地局装置1Aが伝搬制御装置3Aを観測モードと設定した場合、伝搬制御装置3Aは90度や180度など既定の幅、方向に反射方向を固定する。また観測モードの場合、基地局装置1Aは反射ではなく散乱するように伝搬制御装置3Aを制御することも可能である。
また、基地局装置1Aは伝搬制御装置3Aの有無によって、獲得可能なTXOPの最大期間が設定されることができる。例えば、基地局装置1AはBSSに伝搬制御装置3Aが存在する場合に獲得可能なTXOPは、伝搬制御装置3Aが存在しない場合に獲得可能なTXOP以下とすることができる。
なお、本実施形態に係る装置(基地局装置、端末装置)が使用する周波数バンドは、これまで説明してきたライセンスバンドやアンライセンスバンドには限らない。本実施形態が対象とする周波数バンドには、国や地域から特定サービスへの使用許可が与えられているにも関わらず、周波数間の混信を防ぐ等の目的により、実際には使われていないホワイトバンド(ホワイトスペース)と呼ばれる周波数バンド(例えば、テレビ放送用として割り当てられたものの、地域によっては使われていない周波数バンド)や、これまで特定の事業者に排他的に割り当てられていたものの、将来的に複数の事業者で共用することが見込まれる共用周波数バンド(ライセンス共有バンド)も含まれる。
本発明に関わる装置で動作するプログラムは、本発明に関わる実施形態の機能を実現するように、Central Processing Unit(CPU)等を制御してコンピュータを機能させるプログラムであっても良い。プログラムあるいはプログラムによって取り扱われる情報は、一時的にRandom Access Memory(RAM)などの揮発性メモリあるいはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリやHard Disk Drive(HDD)、あるいはその他の記憶装置システムに格納される。
尚、本発明に関わる実施形態の機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。ここでいう「コンピュータシステム」とは、装置に内蔵されたコンピュータシステムであって、オペレーティングシステムや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータが読み取り可能な記録媒体」とは、半導体記録媒体、光記録媒体、磁気記録媒体、短時間動的にプログラムを保持する媒体、あるいはコンピュータが読み取り可能なその他の記録媒体であっても良い。
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、または諸特徴は、電気回路、たとえば、集積回路あるいは複数の集積回路で実装または実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、またはこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであっても良い。前述した電気回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、本発明の一又は複数の態様は当該技術による新たな集積回路を用いることも可能である。
なお、本願発明は上述の実施形態に限定されるものではない。実施形態では、装置の一例を記載したが、本願発明は、これに限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などの端末装置もしくは通信装置に適用出来る。
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
本発明は、基地局装置および通信方法に用いて好適である。
1A 基地局装置
2A、2B、2C 端末装置
3A 伝搬制御装置
101 上位層処理部
102 制御部
103 送信部
104 受信部
105 送受信アンテナ
106 キャリアセンス部
1031 物理層フレーム生成部
1032 無線送信部
1041 無線受信部
1042 信号復調部
201 上位層処理部
202 制御部
203 送信部
204 受信部
205 送受信アンテナ
206 キャリアセンス部
2031 物理層フレーム生成部
2032 無線送信部
2041 無線受信部
2042 信号復調部
801、803、901 送信ビーム方向
802、804 受信ビーム方向
902 反射方向

Claims (5)

  1. 端末装置と通信する基地局装置であって、
    伝搬制御装置の反射方向を制御する制御部と、
    無線媒体を獲得するためのフレームを、前記端末装置を宛先として送信する送信部と、を備え、
    前記無線媒体を獲得した期間内では前記反射方向を制御しない、
    基地局装置。
  2. 前記端末装置は、前記伝搬制御装置を制御して通信する第1の端末装置と、前記伝搬制御装置を制御せずに通信する第2の端末装置に分類される、
    請求項1に記載の基地局装置。
  3. 前記第1の端末装置が複数存在する場合、
    前記無線媒体を獲得するためのフレームを、前記伝搬制御装置を宛先として送信した場合、前記無線媒体を獲得した期間内で前記反射方向を制御する、
    請求項2に記載の基地局装置。
  4. 前記フレームは、所定のビーム方向又は反射方向に送信される、
    請求項1に記載の基地局装置。
  5. 端末装置と通信する基地局装置における通信方法であって、
    伝搬制御装置の反射方向を制御するステップと、
    無線媒体を獲得するためのフレームを、前記端末装置を宛先として送信するステップ、とを備え、
    前記無線媒体を獲得した期間内では前記反射方向を制御しない、
    通信方法。
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