JP2022044991A - ダイボンディングフィルム、接着シート、並びに半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Kanami Nakamura
慎太郎 橋本
Shintaro Hashimoto
紘平 谷口
Kohei Taniguchi
美春 越野
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Abstract

【課題】優れた接着強度を有するダイボンディングフィルムを提供すること。【解決手段】半導体素子と半導体素子を搭載する支持部材とを接着するためのダイボンディングフィルムであって、ダイボンディングフィルムが、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、エラストマーとを含有し、熱硬化性樹脂がトリフェノールメタン骨格を有するエポキシ樹脂を含む、ダイボンディングフィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、ダイボンディングフィルム、接着シート、並びに半導体装置及びその製造方法に関する。
近年、半導体素子(半導体チップ)を多段に積層したスタックドMCP(Multi Chip Package)が普及しており、携帯電話、携帯オーディオ機器用のメモリ半導体パッケージ等として搭載されている。また、携帯電話等の多機能化に伴い、半導体パッケージの高速化、高密度化、高集積化等も推し進められている。
現在、半導体装置の製造方法として、半導体ウェハの裏面に、ダイボンディングフィルム及びダイシングテープを貼付け、その後、半導体ウェハ、ダイボンディングフィルム、及びダイシングテープの一部をダイシング工程で切断する半導体ウェハ裏面貼付け方式が、一般的に用いられている。例えば、特許文献1には、このような方式で用いられるダイボンディングフィルムが開示されている。
特開2008-074928号公報
しかしながら、従来のダイボンディングフィルムは、接着強度が充分でないことがあり、未だ改善の余地がある。ダイボンディングフィルムの接着強度を向上させることによって、得られる半導体装置の接続信頼性が向上し、さらには半導体装置の製造プロセスにおける歩留まりの向上が期待できる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、優れた接着強度を有するダイボンディングフィルムを提供することを主な目的とする。
本発明の一側面は、半導体素子と半導体素子を搭載する支持部材とを接着するためのダイボンディングフィルムを提供する。ダイボンディングフィルムは、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、エラストマーとを含有し、熱硬化性樹脂がトリフェノールメタン骨格を有するエポキシ樹脂を含む。このようなダイボンディングフィルムは、優れた接着強度を有するものとなり得る。
トリフェノールメタン骨格を有するエポキシ樹脂は、下記一般式(1)で表される化合物であってよい。
Figure 2022044991000002

[一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子又は1価の炭化水素基を示す。nは0~10の整数を示し、mは1~3の整数を示す。]
エラストマーのガラス転移温度は、12℃以上であってよい。
ダイボンディングフィルムは、無機フィラーをさらに含有していてもよい。
本発明の他の一側面は、基材と、基材の一方の面上に設けられた上記ダイボンディングフィルムとを備える、接着シートを提供する。
本発明の他の一側面は、半導体素子と、半導体素子を搭載する支持部材と、半導体素子及び支持部材の間に設けられ、半導体素子と支持部材とを接着する接着部材とを備え、接着部材が上記ダイボンディングフィルムの硬化物である、半導体装置を提供する。
本発明の他の一側面は、上記ダイボンディングフィルムを用いて、半導体素子と支持部材とを接着する工程を備える、半導体装置の製造方法を提供する。
本発明の他の一側面は、半導体ウェハに、上記接着シートのダイボンディングフィルムを貼り付ける工程と、ダイボンディングフィルムを貼り付けた半導体ウェハを切断することによって、複数の個片化されたダイボンディングフィルム付き半導体素子を作製する工程と、ダイボンディングフィルム付き半導体素子を支持部材に接着する工程とを備える、半導体装置の製造方法を提供する。
本発明によれば、優れた接着強度を有するダイボンディングフィルムが提供される。また、本発明によれば、このようなダイボンディングフィルムを用いた接着シート及び半導体装置が提供される。さらに、本発明によれば、ダイボンディングフィルム又は接着シートを用いた半導体装置の製造方法が提供される。
ダイボンディングフィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 接着シートの一実施形態を示す模式断面図である。 接着シートの他の一実施形態を示す模式断面図である。 接着シートの他の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。各図における構成要素の大きさは概念的なものであり、構成要素間の大きさの相対的な関係は各図に示されたものに限定されない。
本明細書における数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。本明細書において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリル共重合体等の他の類似表現についても同様である。
一実施形態に係るダイボンディングフィルムは、半導体素子と半導体素子を搭載する支持部材とを接着するためのものである。ダイボンディングフィルムは、熱硬化性樹脂(以下、「(A)成分」という場合がある。)と、硬化剤(以下、「(B)成分」という場合がある。)と、エラストマー(以下、「(C)成分」という場合がある。)とを含有する。ダイボンディングフィルムは、無機フィラー(以下、「(D)成分」という場合がある。)をさらに含有していてもよい。ダイボンディングフィルムは、カップリング剤(以下、「(E)成分」という場合がある。)、硬化促進剤(以下、「(F)成分」という場合がある。)、その他の成分等をさらに含有していてもよい。
ダイボンディングフィルムは、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分、並びに必要に応じて添加される他の成分((D)成分、(E)成分、(F)成分、その他の成分等)を含有する接着剤組成物を、フィルム状に成形することによって得ることができる。ダイボンディングフィルム(接着剤組成物)は、半硬化(Bステージ)状態を経て、硬化処理後に完全硬化(Cステージ)状態となり得るものであってよい。
(A)成分:熱硬化性樹脂
(A)成分は、接着性の観点から、エポキシ樹脂であってよい。(A)成分は、トリフェノールメタン骨格を有するエポキシ樹脂(以下、「(A1)成分」という場合がある。)を含む。(A)成分が(A1)成分を含むことによって、ダイボンディングフィルムの接着強度を向上させることが可能となる。
(A1)成分は、分子内に、トリフェノールメタン骨格を有し、かつエポキシ基を有するものであれば、特に制限なく用いることができる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。(A1)成分は、例えば、下記一般式(1)で表される化合物(樹脂)であってよい。
Figure 2022044991000003
一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子又は1価の炭化水素基を示す。nは0~10の整数を示し、mは1~3の整数を示す。
Rにおける1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基などが挙げられる。
Rは全て水素原子であってよい。すなわち、一般式(1)で表される化合物(樹脂)は、一般式(1A)で表される化合物(樹脂)であってよい。
Figure 2022044991000004
一般式(1A)中、nは上記と同義である。
一般式(1A)で表される化合物(樹脂)の市販品としては、例えば、1032H60(商品名、三菱化学株式会社製)、EPPN-502H(商品名、日本化薬株式会社製)等が挙げられる。
(A1)成分のエポキシ当量は、特に制限されないが、90~300g/eq、110~290g/eq、又は110~290g/eqであってよい。(A1)成分のエポキシ当量がこのような範囲にあると、ダイボンディングフィルムのバルク強度を維持しつつ、流動性を確保することができる傾向にある。
(A1)成分の含有量は、(A)成分の全量を基準として、60~100質量%、70~100質量%、80~100質量%、90~100質量%、又は95~100質量%であってよく、100質量%であってもよい。
(A)成分は、(A1)成分に加えて、(A1)成分以外のエポキシ樹脂(トリフェノールメタン骨格を有するエポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂)(以下、「(A2)成分」という場合がある。)を含んでいてもよい。(A2)成分としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、多官能フェノール類、アントラセン等の多環芳香族類のジグリシジルエーテル化合物などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A2)成分のエポキシ当量は、特に制限されないが、90~300g/eq、110~290g/eq、又は110~290g/eqであってよい。
(A2)成分の含有量は、(A)成分の全量を基準として、0~40質量%、0~30質量%、0~20質量%、0~10質量%、又は0~5質量%であってよく、0質量%であってもよい。
(B)成分:硬化剤
(B)成分は、(A)成分の硬化剤として作用する成分である。(A)成分がエポキシ樹脂である場合、(B)成分は、エポキシ樹脂の硬化剤となり得るフェノール樹脂であってよい。
フェノール樹脂は、分子内にフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限なく用いることができる。フェノール樹脂としては、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα-ナフトール、β-ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化ナフタレンジオール、フェノールノボラック、フェノール等のフェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂、フェニルアラルキル型フェノール樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、フェノール樹脂は、フェニルアラルキル型フェノール樹脂であってもよい。
フェノール樹脂の水酸基当量は、70g/eq以上又は70~300g/eqであってよい。フェノール樹脂の水酸基当量が70g/eq以上であると、フィルムの貯蔵弾性率がより向上する傾向にあり、300g/eq以下であると、発泡、アウトガス等の発生による不具合を防ぐことが可能となる。
(A)成分がエポキシ樹脂であり、(B)成分がフェノール樹脂である場合、エポキシ樹脂のエポキシ当量とフェノール樹脂の水酸基当量との比(エポキシ樹脂のエポキシ当量/フェノール樹脂の水酸基当量)は、硬化性の観点から、0.30/0.70~0.70/0.30、0.35/0.65~0.65/0.35、0.40/0.60~0.60/0.40、又は0.45/0.55~0.55/0.45であってよい。当該当量比が0.30/0.70以上であると、より充分な硬化性が得られる傾向にある。当該当量比が0.70/0.30以下であると、粘度が高くなり過ぎることを防ぐことができ、より充分な流動性を得ることができる。
(A)成分及び(B)成分の合計の含有量は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して、5~50質量部、10~40質量部、又は15~30質量部であってよい。(A)成分及び(B)成分の合計の含有量が(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して5質量部以上であると、架橋によって弾性率がより向上する傾向にある。(A)成分及び(B)成分の合計の含有量が(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して50質量部以下であると、フィルム取扱い性により優れる傾向にある。
(C)成分:エラストマー
(C)成分としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ブタジエン樹脂;これら樹脂の変性体等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、(C)成分は、イオン性不純物が少なく耐熱性により優れること、半導体装置の接続信頼性をより確保し易いこと、流動性により優れることから、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を主成分として有するアクリル樹脂(アクリルゴム)であってよい。(C)成分における(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位の含有量は、構成単位全量を基準として、例えば、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上であってよい。アクリル樹脂(アクリルゴム)は、エポキシ基、アルコール性又はフェノール性水酸基、カルボキシル基等の架橋性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位を含むものであってよい。
(C)成分のガラス転移温度(Tg)は、12℃以上であってよく、15℃以上、18℃以上、又は20℃以上であってもよい。(C)成分のTgが5℃以上であると、ダイボンディングフィルムの接着強度をより向上させることが可能となり、さらには、ダイボンディングフィルムの柔軟性が高くなり過ぎることを防ぐことができる傾向にある。これによって、ウェハダイシング時にダイボンディングフィルムを切断し易くなり、バリの発生を防ぐことが可能となる。(C)成分のTgの上限は特に制限されないが、例えば、55℃以下、50℃以下、45℃以下、40℃以下、35℃以下、30℃以下、又は25℃以下であってよい。(C)成分のTgが55℃以下であると、ダイボンディングフィルムの柔軟性の低下を抑制できる傾向にある。これによって、ダイボンディングフィルムを半導体ウェハに貼り付ける際に、ボイドを充分に埋め込み易くなる傾向にある。また、半導体ウェハとの密着性の低下によるダイシング時のチッピングを防ぐことが可能となる。ここで、ガラス転移温度(Tg)は、DSC(熱示差走査熱量計)(例えば、株式会社リガク製、Thermo Plus 2)を用いて測定した値を意味する。(C)成分のTgは、(C)成分を構成する構成単位((C)成分がアクリル樹脂(アクリルゴム)である場合、(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位)の種類及び含有量を調整することによって、所望の範囲に調整することができる。
(C)成分の重量平均分子量(Mw)は、10万以上、30万以上、又は50万以上であってよく、300万以下、200万以下、又は100万以下であってよい。(C)成分のMwがこのような範囲にあると、フィルム形成性、フィルム強度、可撓性、タック性等を適切に制御することができるとともに、リフロー性に優れ、埋め込み性を向上することができる。ここで、Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンによる検量線を用いて換算した値を意味する。
(C)成分の市販品としては、SG-P3、SG-80H(いずれもナガセケムテックス株式会社製)、KH-CT-865(日立化成株式会社製)等が挙げられる。
(C)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して、50~95質量部、60~90質量部、又は70~85質量部であってよい。(C)成分の含有量がこのような範囲にあると、より高弾性なフィルムを得ることができ、ダイシェア強度をより高めることができる傾向にある。
(D)成分:無機フィラー
(D)成分としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ホウ酸アルミウィスカ、窒化ホウ素、シリカ等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、(D)成分は、溶融粘度の調整の観点から、シリカであってもよい。(D)成分の形状は、特に制限されないが、球状であってよい。
(D)成分の平均粒径は、流動性の観点から、0.01~1μm、0.01~0.5μm、0.01~0.3μm、又は0.01~0.1μmであってよい。ここで、平均粒径は、BET比表面積から換算することによって求められる値を意味する。
(D)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して、0.1質量部以上、1質量部以上、3質量部以上、又は5質量部以上であってよく、50質量部以下、30質量部以下、20質量部以下、15質量部以下であってよい。
(E)成分:カップリング剤
(E)成分は、シランカップリング剤であってよい。シランカップリング剤としては、例えば、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(F)成分:硬化促進剤
(F)成分は、特に限定されず、一般に使用されるものを用いることができる。(F)成分としては、例えば、イミダゾール類及びその誘導体、有機リン系化合物、第二級アミン類、第三級アミン類、第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、反応性の観点から(F)成分はイミダゾール類及びその誘導体であってもよい。
イミダゾール類としては、例えば、2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ダイボンディングフィルム(接着剤組成物)は、その他の成分をさらに含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、顔料、イオン補捉剤、酸化防止剤等が挙げられる。
(E)成分、(F)成分、及びその他の成分の合計の含有量は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の総量100質量部に対して、0~30質量部であってよい。
図1は、ダイボンディングフィルムの一実施形態を示す模式断面図である。図1に示すダイボンディングフィルム1(接着フィルム)は、接着剤組成物をフィルム状に成形したものである。ダイボンディングフィルム1は、半硬化(Bステージ)状態であってよい。このようなダイボンディングフィルム1は、接着剤組成物を支持フィルムに塗布することによって形成することができる。接着剤組成物のワニス(接着剤ワニス)を用いる場合は、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分、並びに必要に応じて添加される成分を溶剤中で混合又は混練して接着剤ワニスを調製し、得られた接着剤ワニスを支持フィルムに塗布し、溶剤を加熱乾燥して除去することによってダイボンディングフィルム1を得ることができる。
支持フィルムは、上記の加熱乾燥に耐えるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム等であってよい。基材2は、2種以上を組み合わせた多層フィルムであってもよく、表面がシリコーン系、シリカ系等の離型剤などで処理されたものであってもよい。支持フィルムの厚みは、例えば、10~200μm又は20~170μmであってよい。
混合又は混練は、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の分散機を用い、これらを適宜組み合わせて行うことができる。
接着剤ワニスの調製に用いられる溶剤は、各成分を均一に溶解、混練、又は分散できるものであれば制限はなく、従来公知のものを使用することができる。このような溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nメチルピロリドン、トルエン、キシレン等が挙げられる。溶剤は、乾燥速度及び価格の観点から、メチルエチルケトン又はシクロヘキサノンであってよい。
接着剤ワニスを支持フィルムに塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。加熱乾燥は、使用した溶剤が充分に揮散する条件であれば特に制限はないが、50~150℃で、1~30分間加熱して行うことができる。
ダイボンディングフィルム1の厚みは、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、又は15μm以下であってもよい。ダイボンディングフィルム1の厚みの下限は、特に制限されないが、例えば、1μm以上であってよい。
図2は、接着シートの一実施形態を示す模式断面図である。図2に示す接着シート100は、基材2と、基材2上に設けられたダイボンディングフィルム1とを備えている。図3は、接着シートの他の一実施形態を示す模式断面図である。図3に示す接着シート110は、基材2と、基材2上に設けられたダイボンディングフィルム1と、ダイボンディングフィルム1の基材2とは反対側の面に設けられたカバーフィルム3とを備えている。
基材2は、上記の支持フィルムと同様のものを用いることができる。
カバーフィルム3は、ダイボンディングフィルムの損傷又は汚染を防ぐために用いられ、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、表面はく離剤処理フィルム等であってよい。カバーフィルム3の厚みは、例えば、15~200μm又は70~170μmであってよい。
接着シート100、110は、上記のダイボンディングフィルムを形成する方法と同様に、接着剤組成物(接着剤ワニス)を基材2に塗布することによって形成することができる。接着剤組成物を基材2に塗布する方法は、上記の接着剤組成物(接着剤ワニス)を支持フィルムに塗布する方法と同様であってよい。
接着シート110は、さらにダイボンディングフィルム1にカバーフィルム3を積層させることによって得ることができる。
接着シート100、110は、予め作製したダイボンディングフィルムを用いて形成することができる。この場合、接着シート100は、ロールラミネーター、真空ラミネーター等を用いて所定条件(例えば、室温(20℃)又は加熱状態)で基材2にラミネートすることによって形成することができる。接着シート100は、連続的に製造ができ、効率に優れることから、加熱状態でロールラミネーターを用いて形成してもよい。
接着シートの他の実施形態は、基材2がダイシングテープであるダイシング・ダイボンディング一体型接着シートである。図4は、接着シートの他の一実施形態を示す模式断面図である。図4に示す接着シート120(ダイシング・ダイボンディング一体型接着シート)は、ダイシングテープ8と、ダイシングテープ8上に設けられたダイボンディングフィルム1とを備えている。ダイシング・ダイボンディング一体型接着シートを用いると、半導体ウェハへのラミネート工程が1回となることから、作業の効率化が可能である。
ダイシングテープ8は、一実施形態において、基材フィルム7と、基材フィルム7上に設けられた粘着剤層6とを備えている。
基材フィルム7としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムなどが挙げられる。これらの基材フィルム7は、必要に応じて、プライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理等の表面処理が行われていてもよい。
粘着剤層6は、ダイシング時には半導体素子が飛散しない充分な粘着力を有し、その後の半導体素子のピックアップ工程においては半導体素子を傷つけない程度の低い粘着力を有するものであれば特に制限されず、ダイシングテープの分野で従来公知のものを使用することができる。粘着剤層6は、感圧型又は放射線硬化型のいずれであってもよい。
ダイシングテープ8(基材フィルム7及び粘着剤層6)の厚みは、経済性及びフィルムの取扱い性の観点から、60~150μm又は70~130μmであってよい。
接着シート120(ダイシング・ダイボンディング一体型接着シート)は、例えば、ダイシングテープ8の粘着剤層6とダイボンディングフィルム1とを貼り合わせることによって得ることができる。
ダイボンディングフィルム及び接着シートは、半導体装置の製造に用いられるものであってよく、半導体ウェハ又はすでに個片化されている半導体素子(半導体チップ)に、ダイボンディングフィルム及びダイシングテープを0℃~90℃で貼り合わせた後、回転刃、レーザー又は伸張による分断でダイボンディングフィルム付き半導体素子を得た後、当該ダイボンディングフィルム付き半導体素子を、有機基板、リードフレーム、又は他の半導体素子上に接着する工程を含む半導体装置の製造に用いられるものであってよい。
半導体ウェハとしては、例えば、単結晶シリコン、多結晶シリコン、各種セラミック、ガリウムヒ素等の化合物半導体などが挙げられる。
ダイボンディングフィルム及び接着シートは、IC、LSI等の半導体素子と、42アロイリードフレーム、銅リードフレーム等のリードフレーム;ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチックフィルム;ガラス不織布等基材にポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等のプラスチックを含浸、硬化させたもの;アルミナ等のセラミックス等の半導体搭載用支持部材などとを貼り合せるための接着剤として用いることができる。
ダイボンディングフィルム及び接着シートは、複数の半導体素子を積み重ねた構造のStacked-PKGにおいて、半導体素子と半導体素子とを接着するための接着剤としても好適に用いられる。この場合、一方の半導体素子が、半導体素子を搭載する支持部材となる。
ダイボンディングフィルム及び接着シートは、例えば、フリップチップ型半導体装置の半導体素子の裏面を保護する保護シート、フリップチップ型半導体装置の半導体素子の表面と被着体との間を封止するための封止シート等としても用いることできる。
ダイボンディングフィルムを用いて製造された半導体装置について、以下、図面を用いて具体的に説明する。なお、近年は様々な構造の半導体装置が提案されており、本実施形態に係るダイボンディングフィルムの用途は、以下に説明する構造の半導体装置に限定されるものではない。
図5は、半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。図5に示す半導体装置200は、半導体素子9と、半導体素子9を搭載する支持部材10と、半導体素子9及び支持部材10間に設けられ、半導体素子9と支持部材10とを接着する接着部材(ダイボンディングフィルムの硬化物1c)とを備えている。半導体素子9の接続端子(図示せず)はワイヤ11を介して外部接続端子(図示せず)と電気的に接続され、封止材12によって封止されている。
図6は、半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。図6に示す半導体装置210において、一段目の半導体素子9aは、接着部材(ダイボンディングフィルムの硬化物1c)によって、端子13が形成された支持部材10に接着され、一段目の半導体素子9a上にさらに接着部材(ダイボンディングフィルムの硬化物1c)によって二段目の半導体素子9bが接着されている。一段目の半導体素子9a及び二段目の半導体素子9bの接続端子(図示せず)は、ワイヤ11を介して外部接続端子と電気的に接続され、封止材12によって封止されている。このように、本実施形態に係るダイボンディングフィルムは、半導体素子を複数重ねる構造の半導体装置にも好適に使用できる。
図5及び図6に示す半導体装置(半導体パッケージ)は、例えば、半導体素子と支持部材との間又は半導体素子と半導体素子との間にダイボンディングフィルムを介在させ、これらを加熱圧着して両者を接着させ、その後、必要に応じてワイヤーボンディング工程、封止材による封止工程、はんだによるリフローを含む加熱溶融工程等を経ることによって得られる。加熱圧着工程における加熱温度は、通常、20~250℃、荷重は、通常、0.1~200Nであり、加熱時間は、通常、0.1~300秒間である。
半導体素子と支持部材との間又は半導体素子と半導体素子との間にダイボンディングフィルムを介在させる方法としては、上述したように、予めダイボンディングフィルム付半導体素子を作製した後、支持部材又は半導体素子に貼り付ける方法であってよい。
次に、図4に示すダイシング・ダイボンディング一体型接着シートを用いた場合における半導体装置の製造方法の一実施形態について説明する。なお、ダイシング・ダイボンディング一体型接着シートによる半導体装置の製造方法は、以下に説明する半導体装置の製造方法に限定されるものではない。
まず、接着シート120(ダイシング・ダイボンディング一体型接着シート)におけるダイボンディングフィルム1に半導体ウェハを圧着し、これを接着保持させて固定する(マウント工程)。本工程は、圧着ロール等の押圧手段によって押圧しながら行ってもよい。
次に、半導体ウェハのダイシングを行う。これによって、半導体ウェハを所定のサイズに切断して、複数の個片化されたダイボンディングフィルム付き半導体素子(半導体チップ)を製造する。ダイシングは、例えば、半導体ウェハの回路面側から常法に従って行うことができる。また、本工程では、例えば、ダイシングテープまで切込みを行なうフルカットと呼ばれる切断方式、半導体ウェハに半分切込みを入れて冷却化引っ張ることにより分断する方式、レーザーによる切断方式等を採用できる。本工程で用いるダイシング装置としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
ダイシング・ダイボンディング一体型接着シートに接着固定された半導体素子を剥離するために、半導体素子のピックアップを行う。ピックアップの方法としては特に限定されず、従来公知の種々の方法を採用できる。例えば、個々の半導体素子をダイシング・ダイボンディング一体型接着シート側からニードルによって突き上げ、突き上げられた半導体素子をピックアップ装置によってピックアップする方法等が挙げられる。
ここでピックアップは、粘着剤層が放射線(例えば、紫外線)硬化型の場合、該粘着剤層に放射線を照射した後に行う。これにより、粘着剤層のダイボンディングフィルムに対する粘着力が低下し、半導体素子の剥離が容易になる。その結果、半導体素子を損傷させることなく、ピックアップが可能となる。
次に、ダイシングによって形成されたダイボンディングフィルム付き半導体素子を、ダイボンディングフィルムを介して半導体素子を搭載するための支持部材に接着する。接着は圧着によって行われてよい。ダイボンドの条件としては、特に限定されず、適宜必要に応じて設定することができる。具体的には、例えば、ダイボンド温度80~160℃、ボンディング荷重5~15N、ボンディング時間1~10秒の範囲内で行うことができる。
必要に応じて、ダイボンディングフィルムを熱硬化させる工程を設けてもよい。上記接着工程によって支持部材と半導体素子とを接着しているダイボンディングフィルムを熱硬化させることによって、より強固に接着固定が可能となる。熱硬化を行う場合、圧力を同時に加えて硬化させてもよい。本工程における加熱温度は、ダイボンディングフィルムに構成成分によって適宜変更することができる。加熱温度は、例えば、60~200℃であってよい。なお、温度又は圧力は、段階的に変更しながら行ってもよい。
次に、支持部材の端子部(インナーリード)の先端と半導体素子上の電極パッドとをボンディングワイヤーで電気的に接続するワイヤーボンディング工程を行う。ボンディングワイヤーとしては、例えば、金線、アルミニウム線、銅線等が用いられる。ワイヤーボンディングを行う際の温度は、80~250℃又は80~220℃の範囲内であってよい。加熱時間は数秒~数分間であってよい。結線は、上記温度範囲内で加熱された状態で、超音波による振動エネルギーと印加加圧とによる圧着エネルギーの併用によって行われてもよい。
次に、封止樹脂によって半導体素子を封止する封止工程を行う。本工程は、支持部材に搭載された半導体素子又はボンディングワイヤーを保護するために行われる。本工程は、封止用の樹脂を金型で成型することにより行う。封止樹脂としては、例えばエポキシ系の樹脂であってよい。封止時の熱及び圧力によって基板及び残渣が埋め込まれ、接着界面での気泡による剥離を防止することができる。
次に、後硬化工程において、封止工程で硬化不足の封止樹脂を完全に硬化させる。封止工程において、ダイボンディングフィルムが熱硬化されない場合でも、本工程において、封止樹脂の硬化とともにダイボンディングフィルムを熱硬化させて接着固定が可能になる。本工程における加熱温度は、封止樹脂の種類よって適宜設定することができ、例えば、165~185℃の範囲内であってよく、加熱時間は0.5~8時間程度であってよい。
次に、支持部材に接着されたダイボンディングフィルム付き半導体素子に対して、リフロー炉を用いて加熱する。本工程では支持部材上に、樹脂封止した半導体装置を表面実装してもよい。表面実装の方法としては、例えば、プリント配線板上に予めはんだを供給した後、温風等によって加熱溶融し、はんだ付けを行うリフローはんだ付けなどが挙げられる。加熱方法としては、例えば、熱風リフロー、赤外線リフロー等が挙げられる。また、加熱方法は、全体を加熱するものであってもよく、局部を加熱するものであってもよい。加熱温度は、例えば、240~280℃の範囲内であってよい。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[ダイボンディングフィルムの作製]
(実施例1~3及び比較例1)
<接着剤ワニスの調製>
表1に示す成分及び含有量(単位:質量部)で、(A)成分((A1)成分又は(A2))、(B)成分、及び(D)成分からなる組成物にシクロヘキサノンを加え、撹拌混合した。これに、(C)成分を加えて撹拌し、さらに(E)成分及び(F)成分を加えて、各成分が均一になるまで撹拌して、接着剤ワニスを調製した。なお、表1に示す(C)成分の数値は、固形分の質量部を意味する。
なお、表1に示す各成分は下記のものを意味する。
(A)成分:熱硬化性樹脂
(A1)成分:トリフェノールメタン骨格を有するエポキシ樹脂
(A1-1)1032H60(商品名、三菱化学株式会社製、トリフェノールメタン骨格含有エポキシ樹脂、エポキシ当量:163~175g/eq)
(A2)成分:(A1)成分以外のエポキシ樹脂
(A2-1)YDCN-700-10(商品名、新日鉄住金化学株式会社製、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量:209g/eq)
(B)成分:硬化剤
(B-1)HE-100C-30(商品名、エア・ウォーター株式会社製、フェニルアラルキル型フェノール樹脂、水酸基当量:174g/eq、軟化点77℃)
(C)成分:エラストマー
(C-1)アクリルゴム溶液(SG-P3(商品名、ナガセケムテックス株式会社製、アクリルゴムのメチルエチルケトン溶液)におけるアクリルゴムにおいて、当該アクリルゴムの構成単位の一部を変更したアクリルゴムの溶液、アクリルゴムの実測Tg:20℃、アクリルゴムの重量平均分子量:80万)
(C-2)アクリルゴム溶液(SG-P3(商品名、ナガセケムテックス株式会社製、アクリルゴムのメチルエチルケトン溶液)におけるアクリルゴムにおいて、当該アクリルゴムの構成単位の一部を変更したアクリルゴムの溶液、アクリルゴムの実測Tg:25℃、アクリルゴムの重量平均分子量:80万)
(D)成分:無機フィラー
(D-1)R972(商品名、日本アエロジル株式会社製、シリカ粒子、平均粒径:0.016μm)
(E)成分:カップリング剤
(E-1)A-189(商品名、日本ユニカー株式会社製、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン)
(E-2)A-1160(商品名、日本ユニカー株式会社製、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン)
(F)成分:硬化促進剤
(F-1)2PZ-CN(商品名、四国化成工業株式会社製、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール)
<ダイボンディングフィルムの作製>
作製した接着剤ワニスを100メッシュのフィルターでろ過し、真空脱泡した。基材として、厚み38μmの離型処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用意し、真空脱泡後の接着剤ワニスをPETフィルム上に塗布した。塗布した接着剤ワニスを、90℃で5分間、続いて130℃で5分間の2段階で加熱乾燥し、Bステージ状態にある実施例1~3及び比較例1のダイボンディングフィルムを得た。ダイボンディングフィルムにおいては、接着剤ワニスの塗布量によって、ダイボンディングフィルムの厚みが10μmになるように調整した。
[硬化後のダイシェア強度の測定]
実施例1~3及び比較例1のダイボンディングフィルムを用いて硬化後のダイシェア強度の測定を行った。基材フィルム及び粘着剤層を有するダイシングテープ(日立化成株式会社製、厚み110μm)を用意し、作製した実施例1~3及び比較例1のダイボンディングフィルム(厚み10μm)を貼り付けて、ダイシングテープと、ダイシングテープの一方の面上に設けられたダイボンディングフィルムとを備えるダイシング・ダイボンディング一体型接着シートを作製した。次いで、ダイシング・ダイボンディング一体型接着シートのダイボンディングフィルム側に、ステージ温度70℃で半導体ウェハ(厚み400μm)をラミネートし、ダイシングサンプルを作製した。
フルオートダイサーDFD-6361(株式会社ディスコ製)を用いて、作製したダイシングサンプルを切断した。切断には、2枚のブレードを用いるステップカット方式で行い、ダイシングブレードZH05-SD3500-N1-xx-DD、及びZH05-SD4000-N1-xx-BB(いずれも株式会社ディスコ製)を用いた。切断条件は、ブレード回転数4000rpm、切断速度50mm/sec、チップサイズ5mm×5mmとした。切断は、半導体ウェハが200μm程度残るように1段階目の切断を行い、次いで、ダイシングテープに20μm程度の切り込みが入るように2段階目の切断を行った。
次に、ピックアップ用コレットを用いて、半導体チップをピックアップした。ピックアップでは、中央の1本のピンを用いて突き上げた。ピックアップ条件は、突き上げ速度を20mm/sとし、突き上げ高さを450μmに設定した。このようにして、ダイボンディングフィルム付き半導体素子(半導体チップ)を得た。
得られたダイボンディングフィルム付き半導体素子(半導体チップ)を用いて、硬化後ダイシェア強度を測定した。半導体チップをソルダーレジスト(太陽ホールディングス株式会社、商品名:AUS-308)上に熱圧着した。圧着条件は、温度120℃、時間1秒、圧力0.1MPaとした。続いて、圧着によって得られたサンプルを乾燥機に入れ、170℃、1時間で加熱することによって硬化させた。続いて、硬化させたサンプルにおいて、万能ボンドテスター(ノードソン・アドバンス・テクノロジー株式会社製、商品名:シリーズ4000)によって半導体チップを引っ掛けながら引っ張ることによって、半導体チップとソルダーレジストとの硬化後ダイシェア強度を測定した。測定条件はステージ温度を250℃とした。結果を表1に示す。
Figure 2022044991000005
表1に示すとおり、(A)成分として(A1)成分を含有する実施例1~3のダイボンディングフィルムは、(A1)成分を含有しない比較例1のダイボンディングフィルムに比べて、ダイシェア強度が大きかった。これらの結果から、本発明のダイボンディングフィルムは、優れた接着強度を有することが確認された。
1…ダイボンディングフィルム、2…基材、3…カバーフィルム、6…粘着剤層、7…基材フィルム、8…ダイシングテープ、9,9a,9b…半導体素子、10…支持部材、11…ワイヤ、12…封止材、13…端子、100,110,120…接着シート、200,210…半導体装置。

Claims (9)

  1. 半導体素子と前記半導体素子を搭載する支持部材とを接着するためのダイボンディングフィルムであって、
    前記ダイボンディングフィルムが、熱硬化性樹脂と、硬化剤と、エラストマーとを含有し、
    前記熱硬化性樹脂がトリフェノールメタン骨格を有するエポキシ樹脂を含む、ダイボンディングフィルム。
  2. 前記トリフェノールメタン骨格を有するエポキシ樹脂が下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1に記載のダイボンディングフィルム。
    Figure 2022044991000006

    [一般式(1)中、Rはそれぞれ独立に水素原子又は1価の炭化水素基を示す。nは0~10の整数を示し、mは1~3の整数を示す。]
  3. 前記エラストマーのガラス転移温度が12℃以上である、請求項1又は2に記載のダイボンディングフィルム。
  4. 無機フィラーをさらに含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のダイボンディングフィルム。
  5. 基材と、
    前記基材の一方の面上に設けられた請求項1~4のいずれか一項に記載のダイボンディングフィルムと、
    を備える、接着シート。
  6. 前記基材がダイシングテープである、請求項5に記載の接着シート。
  7. 半導体素子と、
    前記半導体素子を搭載する支持部材と、
    前記半導体素子及び前記支持部材の間に設けられ、前記半導体素子と前記支持部材とを接着する接着部材と、
    を備え、
    前記接着部材が請求項1~4のいずれか一項に記載のダイボンディングフィルムの硬化物である、半導体装置。
  8. 請求項1~4のいずれか一項に記載のダイボンディングフィルムを用いて、半導体素子と支持部材とを接着する工程を備える、半導体装置の製造方法。
  9. 半導体ウェハに、請求項5又は6に記載の接着シートの前記ダイボンディングフィルムを貼り付ける工程と、
    前記ダイボンディングフィルムを貼り付けた前記半導体ウェハを切断することによって、複数の個片化されたダイボンディングフィルム付き半導体素子を作製する工程と、
    前記ダイボンディングフィルム付き半導体素子を支持部材に接着する工程と、
    を備える、半導体装置の製造方法。
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