JP2022044848A - フィールドコーンを植物病原体による害から保護する方法 - Google Patents

フィールドコーンを植物病原体による害から保護する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フィールドコーンを植物病原体による害から保護する安全性に優れた方法を提供すること。【解決手段】フィールドコーンの植物体、種子、または栽培地の土壌に、栽培地1ヘクタールあたり20~500gの施用量でメフェントリフルコナゾールを処理する。【選択図】なし

Description

本発明はフィールドコーンを植物病原体による害から保護する方法に関する。
従来トウモロコシにおける植物病原体を防除する方法としてメフェントリフルコナゾールを処理する方法が知らている(特許文献1)。また、トウモロコシにはフィールドコーン、スイートコーン、ポップコーン、ワキシーコーンなどの種類が知られる(非特許文献1,2)。しかし、メフェントリフルコナゾールを特定の施用量でフィールドコーンに処理することにより、植物病原体による害からとりわけフィールドコーンを安全に保護できることは知られていない。
国際公開第2013/007767号
https://www.bestfoodfacts.org/corn/ Genetics 99, 275-284.
本発明は、フィールドコーンを植物病原体による害から保護する安全性に優れた方法を提供することを課題とする。
発明者は、メフェントリフルコナゾールを特定の施用量でフィールドコーンの植物体、種子、または栽培地に施用することによって、フィールドコーンを植物病原体による害から安全に保護できることを見出した。
本発明は、以下の[1]ないし[2]を含む。
[1] フィールドコーンの植物体、種子、または栽培地の土壌にメフェントリフルコナゾールを処理する工程を含み、メフェントリフルコナゾールの施用量が栽培地1ヘクタールあたり20~500gである、フィールドコーンの栽培地において植物病原体による害からフィールドコーンを保護する方法。
[2] メフェントリフルコナゾールをフィールドコーンの植物体に処理する[1]に記載の方法。
本発明の方法により、植物病原体による害から安全にフィールドコーンを保護することができる。
本発明の植物病原体による害からフィールドコーンを保護する方法(以下、本発明方法と記すことがある)は、フィールドコーンの種子、植物体、または栽培地に、メフェントリフルコナゾールを処理する工程を含む。
メフェントリフルコナゾールは、トリアゾール系のステロール生合成阻害剤であり公知の方法により製造することができる。
本発明方法におけるフィールドコーンは、一般にデントコーンとも呼ばれ(非特許文献1参照)、インデンタータ種(Zea mays var. indentata)および/またはインデュラータ種(Zea mays var. indurata)を主たる祖先として育成された品種群である。フィールドコーンでないトウモロコシとしては、ポップコーン(Zea mays var. everta)、スイートコーン(Zea mays var. saccharata)、ワキシーコーン(Zea mays var. ceratina)、ポッドコーン(Zea mays var. tunica)などが知られる。
本発明方法において、フィールドコーンは一般に作付けされるものであれば、フィールドコーン内のバリエーションは特に限定されない。例えば早生~晩生の様々な成熟群の品種のフィールドコーンを使用できる。またフィールドコーンの収穫物が供与される様々な用途によっても限定されない。例えば、採種用、観賞用、緑肥用、サイレージ用、子実用などいずれの用途のフィールドコーンも使用できる。子実用であればデンプン用、エタノール用、搾油用、飼料用、製糖用などいずれの用途のフィールドコーンも使用できる。
フィールドコーンは、自然交配で作出しうる植物、突然変異により発生しうる植物、F1ハイブリッド植物、トランスジェニック植物(遺伝子組換え植物とも言う)であってもよい。これらの植物は、一般に、除草剤に対する耐性の付与、害虫に対する毒性物質の蓄積、病害に対する感性抑制、収量ポテンシャルの増加、生物的及び非生物的ストレス因子に対する抵抗性の向上、物質の蓄積、保存性や加工性の向上等の特性を有する。
F1ハイブリッド植物とは、2つの異なった系統の品種を交配して得られる一代雑種であり、一般に、両親のどちらよりも優れた形質を持つ雑種強勢の特性を有す植物である。トランスジェニック植物とは、微生物等の他の生物などから外来遺伝子を導入し、自然環境下においては交雑育種、突然変異誘発または自然組換えによっては容易に取得することが出来ないような特性を有する植物である。
上記の植物を作出するための技術としては、例えば、従来型の品種改良技術;遺伝子組換え技術;ゲノム育種技術;新育種技術(new breeding techniques);ゲノム編集技術が挙げられる。従来型の品種改良技術とは、すなわち突然変異や交配により望ましい性質を有する植物を得る技術である。遺伝子組換え技術とは、ある生物(例えば、微生物)から目的とする遺伝子(DNA)を取り出し、別のターゲット生物のゲノムに導入することで、その生物に新しい性質を付与する技術、および植物に存在する特定の遺伝子をサイレントすることによって、新しいまたは改良された特性を付与するアンチセンス技術またはRNA干渉技術である。ゲノム育種技術とは、ゲノム情報を用いて育種を効率化するための技術であり、DNAマーカー(ゲノムマーカーまたは遺伝子マーカーとも呼ぶ)育種技術及びゲノミックセレクションを含む。例えば、DNAマーカー育種は、特定の有用形質遺伝子のゲノム上の存在位置の目印となるDNA配列であるDNAマーカーを用いて、多数の交配後代から目的の有用形質遺伝子を持つ後代を選抜する方法である。交配後代を幼植物の時にDNAマーカーを用いて解析することで、育種に要する時間を効果的に短縮することができる特徴を持つ。
また、ゲノミックセレクションは、事前に入手した表現型とゲノム情報から予測式を作成し、予測式とゲノム情報から表現型の評価を行わずに特性を予測する手法であり、育種の効率化に寄与しうる技術である。新育種技術(new breeding technigues)とは、分子生物学的な手法を組み合わせた品種改良(育種)技術の総称である。例えば、シスジェネシス/イントラジェネシス、オリゴヌクレオチド指向型突然変異導入、RNA依存性DNAメチル化、ゲノム編集、GM台木または穂木への接ぎ木、逆育種、アグロインフィルトレーション、種子生産技術(Seed Production Technology, SPT)などの技術がある。ゲノム編集技術とは、配列特異的に遺伝情報を変換する技術であり、塩基配列の欠失、アミノ酸配列の置換、外来遺伝子の導入等が可能である。例えば、そのツールとして、配列特異的なDNA切断が可能なジンクフィンガーヌクレアーゼ(Zinc-Finger、ZFN)、ターレン(TALEN)、クリスパー・キャスナイン(CRISPR/Cas9)、クリスパー・シーピーエフ1(CRISPER/Cpf1)、メガヌクレアーゼ(Meganuclease)や、前述のツールを改変して作成されたCAS9ニッカーゼやTarget-AID等の配列特異的なゲノム修飾技術がある。
前記した植物としては、例えば、国際アグリバイオ事業団(INTERNATINAL SERVICE for the ACQUISITION of AGRI-BIOTECH APPLICATIONS, ISAAA)の電子情報サイト中(http://www.isaaa.org/)の遺伝子組換え作物の登録データベース(GM APPROVAL DATABASE)に収載された植物があげられる。より具体的には、除草剤耐性植物、害虫耐性植物、病害耐性植物、生産物(例えば、デンプン、アミノ酸、脂肪酸など)の品質(例えば、特定成分の含有量増減あるいは組成の変化)改変植物、稔性形質改変植物、非生物的ストレス耐性植物、又は、生長や収量に関する形質の改変植物がある。
除草剤耐性を付与された植物の例を以下に挙げる。
除草剤に対する耐性は、薬剤とその標的との親和性を低下させる、薬剤を不活性化する酵素の発現による薬剤の速やかな代謝(分解・修飾など)あるいは薬剤の植物体への取り込み又は植物体中での移行の阻害などにより得られる。
遺伝子組換え技術により除草剤耐性を付与された植物には、イソキサフルトール、メソトリオン等の4-ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(以後HPPDと略する)阻害剤、イマゼタピルを含むイミダゾリノン系除草剤およびチフェンスルフロンメチルを含むスルホニルウレア系除草剤等のアセト乳酸合成酵素(以後ALSと略する)阻害剤、グリホサート等の5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸シンターゼ(以後EPSPSと略する)阻害剤、グルホシネート等のグルタミン合成酵素阻害剤、2,4-D等のオーキシン型除草剤、ブロモキシニルを含むオキシニル系除草剤、フルミオキサジン等のプロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(以降PPOと略す)阻害剤に対する耐性が遺伝子組換え技術により付与された植物も含まれる。
本発明方法において、メフェントリフルコナゾールは、通常、固体担体、液体担体等の担体と混合され、さらに必要に応じて界面活性剤等の製剤用補助剤が添加されて製剤化されて用いられる。製剤化されるときの好ましい製剤型は水溶性液剤(soluble liquid)、水溶性粒剤(soluble granule)、水性液体懸濁剤(aqueous suspension concentrate)、油性液体懸濁剤、水和性粉剤、顆粒水和剤、粒剤、水性エマルション、油性エマルション、および乳剤である。より好ましい製剤型は水性液体懸濁剤である。メフェントリフルコナゾールを単独の有効成分とする製剤を単独で用いてもよいし、他の殺菌剤を有効成分とする製剤と混用してもよい。また、メフェントリフルコナゾールと他の殺菌剤を有効成分として含有する製剤を用いてもよい。さらに、メフェントリフルコナゾールと他の殺菌剤を有効成分として含有する製剤と、当該製剤に含有される殺菌剤とは異なる殺菌剤を有効成分として含有する製剤とを混用(タンクミックス)してもよい。製剤における有効成分(メフェントリフルコナゾールまたはメフェントリフルコナゾールと他の殺菌剤の合計)の含有量は、通常0.01~90重量%、好ましくは1~80重量%の範囲である。
本発明において、「フィールドコーンの植物体にメフェントリフルコナゾールを処理する」とは、栽培地に植えられているフィールドコーンの植物体にメフェントリフルコナゾールを処理することを意味する。
本発明方法において、フィールドコーンの植物体又はフィールドコーンの栽培地の土壌にメフェントリフルコナゾールを処理する場合は、通常メフェントリフルコナゾールを含有する製剤を水と混合して調製した散布液を用いて行われる。散布液量は特に限定されないものの通常、フィールドコーンの栽培地1ヘクタールあたり10~1000L、好ましくは100~500L、より好ましくは140~300Lである。
本発明方法においてフィールドコーンの種子にメフェントリフルコナゾールを処理する場合は、通常メフェントリフルコナゾールを含有する製剤を水と混合して種子に塗布または吹き付け処理する。
本発明方法におけるメフェントリフルコナゾールの施用量は、栽培地1ヘクタールあたり20~500g、好ましくはヘクタールあたり40~200g、より好ましくはヘクタールあたり60~150gである。具体的な施用量として、ヘクタールあたり30g、50g、70g、80g、100g、120g、250g、300g、400gなどが挙げられる。これらの施用量は「およそ」で表現することもできる。「およそ」とはプラスマイナス10%を示し、例えば「ヘクタールあたりおよそ100g」とは「ヘクタールあたり90~110g」を意味する。
本発明方法において、フィールドコーンの種子にメフェントリフルコナゾールを処理する場合は、通常、1種子当たり0.001~0.2mgのメフェントリフルコナゾールを処理する。好ましくは0.01~0.1mgである。メフェントリフルコナゾールで処理された種子は、栽培地1ヘクタール当たりのメフェントリフルコナゾールの量が所望の範囲となるように、通常、均一に栽培地に播種される。例えば、1種子当たり0.1mgのメフェントリフルコナゾールを処理し、栽培地1ヘクタールに同種子を1,000,000粒播種すると、栽培地1ヘクタール当たりのメフェントリフルコナゾールの施用量は100gとなる。
本発明方法を実施する時間帯は特に限定されないが、通常午前5時-午後9時の範囲であり、本発明方法を実施する場所における地表レベルでの光量子束度は通常10~2500マイクロモル/m2/秒である。
本発明方法を実施する際の散布圧は特に限定されないが、通常30~120PSI、好ましくは40~80PSIである。ここで散布圧とはノズルへの導入前の設定である。
本発明方法に使用されるノズルは、フラットファンノズルであってもよいし、ドリフト軽減ノズルであってもよい。フラットファンノズルとしては、Teejet社のTeejt110シリーズ、XR Teejet110シリーズなどがある。これらのノズルを使用した場合、散布圧は、一般的には30~120PSIで、ノズルから吐出される液滴の体積中位径が通常430ミクロン未満である。ドリフト軽減ノズルとは、フラットファンノズルと比較してドリフトが軽減されるノズルであり、エアインダクション(air induction)ノズルまたはプレオリフィス(pre-orifice)ノズルと呼ばれているノズルである。ドリフト軽減ノズルから吐出される液滴の体積中位径は通常430ミクロン以上である。
本発明方法において、メフェントリフルコナゾールをフィールドコーンの種子に処理する場合、通常播種前に処理を実施する。本発明方法においてメフェントリフルコナゾールをフィールドコーンの植物体に処理する場合、通常フィールドコーンの出芽直後~収穫期、より好ましくは、フィールドコーンの1葉期~子実登熟期、さらに好ましくは、フィールドコーンの2葉期~絹糸抽出期の間である。
本発明方法においては、種子を殺虫剤化合物、殺線虫剤化合物、メフェントリフルコナゾール以外の殺菌剤化合物および植物生長調節剤化合物から成る群から選ばれる1以上の化合物で処理してもよい。種子処理に使用される化合物としては、たとえば、ネオニコチノイド系化合物、ジアミド系化合物、カーバメート系化合物、有機リン系化合物、生物系殺線虫剤化合物、その他の殺虫剤化合物および殺線虫剤化合物、ストロビルリン系化合物、メタラキシル系化合物、SDHI化合物、その他の殺菌剤化合物および植物生長調整剤化合物が挙げられる。
本発明方法における植物病原体は、通常、真菌(fungi)である。真菌(fungi)としては、例えば、子嚢菌門(Ascomycota)、担子菌門(Basidiomycota)、Blasocladiomycota、Chytridiomycota、Mucoromycota及びOlpidiomycotaが挙げられる。具体的な植物病原体として、例えば、以下のものが挙げられる。括弧内は、各植物病原体が引き起こす害(植物病害)を示す。
Puccinia sorghi(トウモロコシさび病)、Puccinia polysora(トウモロコシ南方さび病)、Setosphaeria turcica = Exserohilum turcicum(トウモロコシすす紋病)、Physopella zeae(トウモロコシ熱帯性さび病)、Cochliobolus heterostrophus (= Bipolaris maydis:トウモロコシごま葉枯病)、Colletotrichum graminicola(トウモロコシ炭疽病)、Cercospora zeae-maydis(トウモロコシグレーリーフスポット病)、Kabatiella zeae(トウモロコシ褐斑病)、Phaeosphaeria maydis(トウモロコシファエオスファエリアリーフスポット病)、Stenocarpella maydis及びStenocarpella macrospora(トウモロコシディプロディア病)、Fusarium graminearum及びFusarium verticilioides及びColletotrichum graminicola(トウモロコシストークロット病)、Ustilago maydis(トウモロコシ黒穂病)、Physoderma maydis(トウモロコシフイソデルマ病)、Cochliobolus carbonum(ノーザンコーンリーフスポット病)、Phyllosticta maydis(トウモロコシイエローリーフブライト病)
上記の植物病原体について、種内の変異は特に限定されない。すなわち、特定の殺菌剤に対して感受性が低下(抵抗性を示す、とも言う)したものも含まれる。感受性の低下は、標的部位に突然変異を有するもの(作用点変異)であってもよいし、作用点変異でない要因によっていてもよい(非作用点変異)。作用点変異については、タンパク質のアミノ酸配列に対応する核酸配列部分(open reading frame)の変異により、標的部位であるタンパク質にアミノ酸置換が生じたもの、及びプロモーター領域におけるサプレッサー配列の欠失、あるいはエンハンサー配列の増幅、遺伝子のコピー数の増加等の変異により、標的部位のタンパク質が過剰発現しているものが含まれる。非作用点変異としては、例えば、 ABCトランスポーター、及びMFSトランスポーター等による、細胞内に流入した殺菌剤を細胞外へ排出する排出機能の亢進が挙げられる。また、殺菌剤の代謝による解毒化も挙げられる。
上記の特定の殺菌剤 としては、例えば、核酸合成阻害剤(例えば、フェニルアミド系殺菌剤、アシルアミノ酸系殺菌剤、DNA トポイソメラーゼ タイプII系殺菌剤)、有糸分裂及び細胞分裂阻害剤(例えば、MBC殺菌剤、N-フェニルカーバメート殺菌剤)、呼吸阻害剤(例えば、QoI殺菌剤、QiI殺菌剤、SDHI殺菌剤)、アミノ酸合成及びタンパク質合成の阻害剤(例えば、アニリノピリミジン系殺菌剤)、シグナル伝達阻害剤(例えば、フェニルピロール殺菌剤、ジカルボキシイミド殺菌剤)、脂質合成及び細胞膜合成の阻害剤(例えば、ホスホロチオレート系殺菌剤、ジチオラン殺菌剤、芳香族炭化水素系殺菌剤、複素芳香族系殺菌剤、カーバメート系殺菌剤)、ステロール生合成阻害剤(例えば、トリアゾール系等のDMI殺菌剤、ヒドロキシアニリド系殺菌剤、アミノピラゾリノン系殺菌剤)、細胞壁合成阻害剤(例えば、ポリオキシン系殺菌剤、カルボン酸アミド系殺菌剤)、メラニン合成阻害剤(例えば、MBI-R殺菌剤、MBI-D殺菌剤、MBI-P殺菌剤)、並びにその他の殺菌剤(例えば、シアノアセトアミドオキシム系殺菌剤、フェニルアセトアミド系殺菌剤)が挙げられる。
本発明方法において、メフェントリフルコナゾールは、1種以上の他の殺菌剤を併用することができる。ここで併用とは、混用(タンクミックス)、混合(プレミックス)、および順次処理を含み、順次処理の場合処理する順番は特に限定されない。
本発明方法において、メフェントリフルコナゾールと併用することができる殺菌剤としては、特に、ピラクロストロビン、フルオピラム、およびフルキサピロキサドが好ましい。
上記の殺菌剤をメフェントリフルコナゾールと併用する場合、メフェントリフルコナゾールと他の殺菌剤との重量比は、通常、1:0.001~1:100の範囲であり、好ましくは、1:0.01~1:10、より好ましくは、1:0.1~1:5である。具体的な重量比として、1:0.02、1:0.04、1:0.06、1:0.08、1:0.2、1:0.4、1:0.6、1:0.8、1:1、1:1.5、1:2、1:2.5、1:3、1:4を上げることができる。以上の重量比はおよそと表現することもできる。およそとはプラスマイナス10%を意味し、たとえば「およそ1:2」とは1:1.8~1:2.2である。
本発明における農作物の栽培では、一般的な農作物栽培における植物栄養学的管理を行うことができる。施肥体系はPrecision Agricultureに基づくものであってもよいし、慣行の均一なものでもよい。また、窒素固定細菌や菌根菌を種子処理で接種することもできる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
土壌を詰めたポットにフィールドコーンを播種する。温室で7日間育成し、メフェントリフルコナゾールの散布液(メフェントリフルコナゾール水性液体懸濁剤を、水で希釈することにより調製)をヘクタールあたり200Lの液量で、メフェントリフルコナゾールの施用量がヘクタールあたり500gとなるように、フィールドコーンの植物体に上方から均一に散布する。散布の翌日にフィールドコーンの植物体にグレーリーフスポット病の病原菌(Cercospora zeae-maydis)を接種する。接種後14日間温室で育成した後、地上部の新鮮重を測定する。この新鮮重は、メフェントリフルコナゾールを処理せず病原菌を接種しない対照(無処理・無接種対照)と同程度で、メフェントリフルコナゾールを処理せず病原菌を接種する対照(無処理・接種対照)よりも大きいことが確認される。
比較例1
フィールドコーンを、ポップコーン、スイートコーン、またはワキシーコーンに置き換えて実施例1と同じ操作を繰り返す。ポップコーン、スイートコーン、またはワキシーコーンの新鮮重は、それぞれの無処理・無接種対照よりも小さく、それぞれの無処理・接種対照と同程度であることが確認される。
実施例2
フィールドコーンの種子にメフェントリフルコナゾール懸濁剤を、メフェントリフルコナゾールの施用量が1種子あたり0.2mgとなるように塗布処理する。その後、ヘクタールあたり100,000粒の播種圧で、土壌を詰めたポットにフィールドコーンの種子を播種する(メフェントリフルコナゾールの施用量がヘクタール当たり20gとなる)。その後温室で10日間育成し、グレーリーフスポット病の病原菌(Cercospora zeae-maydis)をフィールドコーンの植物体に接種し、さらに14日間温室で育成した後、地上部の新鮮重を測定する。この新鮮重は、メフェントリフルコナゾールを処理せず病原菌を接種しない対照(無処理・無接種対照)と同程度で、メフェントリフルコナゾールを処理せず病原菌を接種する対照(無処理・接種対照)よりも大きいことが確認される。
比較例2
フィールドコーンを、ポップコーン、スイートコーン、またはワキシーコーンに置き換えて実施例2と同じ操作を繰り返す。ポップコーン、スイートコーン、またはワキシーコーンの新鮮重は、それぞれの無処理・無接種対照よりも小さく、それぞれの無処理・接種対照と同程度であることが確認される。
本発明の方法により、植物病原体による害から安全にフィールドコーンを保護することができる。

Claims (2)

  1. フィールドコーンの植物体、種子、または栽培地の土壌にメフェントリフルコナゾールを処理する工程を含み、メフェントリフルコナゾールの施用量が栽培地1ヘクタールあたり20~500gである、フィールドコーンの栽培地において植物病原体による害からフィールドコーンを保護する方法。
  2. メフェントリフルコナゾールをフィールドコーンの植物体に処理する請求項1に記載の方法。
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