JP2022044568A - マイクロプレート及び培養細胞の観察方法 - Google Patents

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達明 三輪
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Abstract

【課題】観察時に各ウェルの培養細胞を順に捉えていくことが容易であり、自動観察に適用した場合の観察効率に優れるマイクロプレートを提供することを目的とする。【解決手段】複数のウェル14が平面視で四角形状に配列されているマイクロプレート1において、4つの角に位置する4つのウェル14の中心を各頂点とする四角形Sの対向する辺の中点同士を結ぶ2本の直線の交点を原点Oとして、2本の直線のうち長いほうの直線をx軸とし、原点Oを通るx軸に垂直な線をy軸とするxy座標で、各ウェル14の中心のx座標とy座標の理論値と実測値を求めたとき、x座標とy座標のそれぞれで、実測値の理論値からのズレの割合の最大値と最小値との差を2.00%以下とする。【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロプレート及び培養細胞の観察方法に関する。
生命現象を解明する基礎研究、創薬研究等には検体として培養細胞が多く用いられており、大量の検体を得るための培養容器が広く利用されている。従来の培養細胞の評価は、MTT assay、ELISA(Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay)等、細胞代謝もしくは代謝物による特性評価が主であった。一方、3次元培養で得られる、細胞が凝集した3次元細胞塊(スフェロイド)は、生体内と同様に立体的な構造を有している。そのため、近年では細胞塊を用いた形態観察の重要性が増している。
3次元培養に用いる培養容器としては、複数のウェルが縦横にマトリックス状に配列されたマイクロプレートが知られている(特許文献1)。各ウェルに培養液を分注して大量培養することで、各ウェルで形成される多くの細胞塊を効率良く観察できる。マイクロプレートの基準としては、ANSI(American National Standards Institute)/SBS規格が知られている。ANSI/SBS規格では、平面視でプレートの最も外周側に配置されているウェル同士のピッチが規定されている。
特開平11-127843号公報
細胞観察としては、自動観察装置を用いて大量の細胞をハイスループットに観察する方法が開発されている。しかし、従来のマイクロプレートでは、ANSI/SBS規格に合うものであっても各ウェルの培養細胞を順に正確に捉えていくことが難しく、自動観察の効率が低下しやすい。
本発明は、観察時に各ウェルの培養細胞を順に捉えていくことが容易であり、自動観察に適用した場合の観察効率に優れるマイクロプレートを提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]複数のウェルが平面視で四角形状に配列されているマイクロプレートであって、
平面視で、4つの角に位置する4つのウェルの中心を各頂点とする四角形における、対向する辺の中点同士を結ぶ2本の直線の交点を原点Oとして、2本の直線のうち長いほうの直線をx軸とし、前記原点Oを通る前記x軸に垂直な線をy軸として、
予め設定されている各ウェルのピッチから算出される各ウェルの中心のx座標とy座標の理論値を求め、各ウェルの中心のx座標とy座標の実測値と比較したとき、
(x-x)/x×100(ただし、xはウェルの中心のx座標の実測値であり、xはウェルの中心のx座標の理論値である。)で表される各ウェルのx軸方向のズレの割合の最大値と最小値との差が2.00%以下であり、
かつ、(y-y)/y×100(ただし、yはウェルの中心のy座標の実測値であり、yはウェルの中心のy座標の理論値である。)で表される各ウェルのy軸方向のズレの割合の最大値と最小値との差が2.00%以下である、マイクロプレート。
[2]複数のウェルが平面視で四角形状に配列されているマイクロプレートであって、
平面視で、4つの角に位置する4つのウェルの中心を各頂点とする四角形における、対向する辺の中点同士を結ぶ2本の直線の交点を原点Oとして、2本の直線のうち長いほうの直線をx軸とし、前記原点Oを通る前記x軸に垂直な線をy軸として、
予め設定されている各ウェルのピッチから算出される各ウェルの中心のx座標とy座標の理論値を求め、各ウェルの中心のx座標とy座標の実測値と比較したとき、
(x-x)/x×100(ただし、xはウェルの中心のx座標の実測値であり、xはウェルの中心のx座標の理論値である。)で表される各ウェルのx軸方向のズレの割合が-1.00%以上1.00%以下であり、
かつ、(y-y)/y×100(ただし、yはウェルの中心のy座標の実測値であり、yはウェルの中心のy座標の理論値である。)で表される各ウェルのy軸方向のズレの割合が-1.00%以上1.00%以下である、マイクロプレート。
[3]各ウェルの直径の予め設定されている直径に対するズレの割合の最大値と最小値との差が2.00%以下である、[1]又は[2]のマイクロプレート。
[4]各ウェルの直径の予め設定されている直径に対するズレの割合が-1.00%以上1.00%以下である、[1]~[3]のいずれかのマイクロプレート。
[5][1]~[4]のいずれかのマイクロプレートのみを用い、各ウェルで培養した培養細胞を自動観察する、培養細胞の観察方法。
本発明によれば、観察時に各ウェルの培養細胞を順に捉えていくことが容易であり、自動観察に適用した場合の観察効率に優れるマイクロプレートを提供できる。
実施形態のマイクロプレートの平面図である。 図1のマイクロプレートのI-I断面図である。 ウェルの中心を説明する平面図である。 マイクロプレートの各ウェルの底面を拡大して示した断面図である。 他の実施形態のマイクロプレートの断面図である。 他の実施形態のマイクロプレートの断面図である。
本明細書における用語の意味及び定義は以下である。
「~」で表される数値範囲は、~の前後の数値を下限値及び上限値とする数値範囲を意味する。
「ウェルの予め設定されているピッチ」とは、マイクロプレートを製造する際に各ウェルのピッチとして設定されている値(設計値)を意味する。例えば、マイクロプレートの製品図面に記載されているピッチを「予め設定されているピッチ」として採用できる。
「ウェルの予め設定されている直径」とは、マイクロプレートを製造する際に各ウェルの直径として設定されている値(設計値)を意味する。例えば、マイクロプレートの製品図面に記載されている直径を「予め設定されている直径」として採用できる。
「ウェルの直径」とは、平面視におけるウェルの開口端の直径を意味する。ウェルの開口端の平面視形状が正円でない場合、ウェルの開口端の平面視形状の内接円の直径とする。
[マイクロプレート]
以下、本発明のマイクロプレートの実施形態の一例を示し、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施できる。
図1及び図2に示すように、本実施形態のマイクロプレート1は、平面視形状が略矩形の上面部10と、上面部10の外縁部から垂直に垂下された周壁部12と、上面部10の上面10aに円形の開口が形成される有底筒状の複数のウェル14と、を備えている。
マイクロプレート1では、各ウェル14の底面16が培養面となる。この例のウェル14は、底面16が平坦な平底になっている。なお、ウェル14の底面16は平坦な平底には限定されず、例えば、底面16が下方に半球状に凹む凹面であってもよく、下方に円錐状に凹む凹面等であってもよい。
ウェル14の平面視の開口形状は、円形には限定されず、例えば、矩形や多角形であってもよい。ウェル14の数は、特に限定されず、例えば、4~1536個が挙げられる。
この例のマイクロプレート1では、96個のウェル14が平面視で縦横に8×12個の矩形のマトリックス状に配列されている。なお、16×24の384個のウェルとしてもよく、32×48の1536個のウェルとしてもよい。
マイクロプレート1は、平面視での各ウェル14の位置が以下に説明する条件を満たす。
図1に示すように、平面視で、4つの角に位置する4つのウェル14a~14dの中心を各頂点とする四角形Sにおいて、対向する辺の中点同士を結ぶ2本の直線の交点を原点Oとする。また、2本の直線のうち長いほうの直線をx軸とし、原点Oを通るx軸に垂直な線をy軸とする。
ただし、図3に示すように、ウェル14の中心は、平面視で、ウェル14の開口端14eの円周上で等角度間隔の4つの点a1~a4を決め、対向する2点を結ぶ直交する2本の直線の交点とする。例えば、観察装置によって上方からウェル14を観察し、ウェル14の開口端14eの円周上で等角度間隔の任意の4つの点a1~a4にピントを合わせ、対向する2点を結ぶ直交する2本の直線(点a1と点a3を結ぶ直線と、点a2と点a4を結ぶ直線)の交点をウェル14の中心とする。
なお、ウェル14の開口端14eの平面視形状が正円でない場合、ウェル14の開口端14eの平面視での内接円上で等角度間隔の4つの点a1~a4を決め、対向する2点を結ぶ直交する2本の直線の交点をウェル14の中心とする。
次いで、平面視での原点Oを基準点とするxy座標上で、予め設定されているピッチから理論的に算出される各ウェル14の中心のx座標とy座標の理論値を求める。また、前記xy座標上での各ウェル14の中心のx座標とy座標を実測する。例えば、観察装置により上方からマイクロプレート1を観察し、その観察画像において任意の地点を基準とする各ウェル14の中心のx軸方向の位置とy軸方向の位置をそれぞれ測定する。その後、それらの位置の測定値を、原点Oを基準点としたときのx座標及びy座標に換算し、各ウェル14の中心のx座標とy座標の実測値とする。
各ウェル14の中心のx座標の実測値の理論値からのズレの割合(以下、「割合Q」とも記す。)は、下記式1で表される。
(x-x)/x×100 ・・・式1
ただし、前記式1中、xはウェル14の中心のx座標の実測値である。xはウェル14の中心のx座標の理論値である。
各ウェル14の中心のy座標の実測値の理論値からのズレの割合(以下、「割合Q」とも記す。)は、下記式2で表される。
(y-y)/y×100 ・・・式2
ただし、前記式2中、yはウェル14の中心のy座標の実測値である。yはウェル14の中心のy座標の理論値である。
マイクロプレート1では、各ウェル14の中心の位置が下記条件1及び条件2の少なくとも一方を満たす。
条件1:各ウェル14について求めた割合Qの最大値と最小値との差が2.00%以下であり、かつ各ウェル14について求めた割合Qの最大値と最小値との差が2.00%以下である。
条件2:各ウェル14について求めた割合Qが-1.00%以上1.00%以下の範囲内であり、かつ各ウェル14について求めた割合Qが-1.00%以上1.00%以下の範囲内である。
条件2は、すべてのウェル14の割合Qと割合Qが-1.00%以上1.00%以下の範囲内であることを意味する。
マイクロプレート1は、条件1のみを満たしていてもよく、条件2のみを満たしていてもよく、条件1と条件2の両方を満たしていてもよい。これにより、各ウェル14で培養した培養細胞が平面視で縦方向(y軸方向)と横方向(x軸方向)に等間隔に並びやすくなる。そのため、自動観察装置を用いたハイスループットな観察においても各培養細胞を順に捉えることが容易になり、観察効率が高くなるうえ、培養細胞の見落としも抑制できる。マイクロプレート1は、本発明の効果が得られやすい点から、条件1と条件2の両方を満たしていることが好ましい。
割合Qの最大値と最小値との差は、2.00%以下が好ましく、1.50%以下がより好ましく、1.00%以下がさらに好ましく、0.80%以下が特に好ましい。
割合Qは、-1.00%以上1.00%以下が好ましく、-0.60%以上0.90%以下がより好ましく、-0.20%以上0.80%以下がさらに好ましく、-0.20%以上0.60%以下が特に好ましい。
割合Qの最大値と最小値との差は、2.00%以下が好ましく、1.50%以下がより好ましく、1.00%以下がさらに好ましく、0.80%以下が特に好ましい。
割合Qは、-1.00%以上1.00%以下が好ましく、-0.70%以上0.80%以下がより好ましく、-0.60%以上0.45%以下がさらに好ましく、-0.35%以上0.40%以下が特に好ましい。
各ウェル14の予め設定されている直径をD(mm)、各ウェル14の直径の実測値をd(mm)とすると、各ウェル14の直径の実測値の設計値からのズレの割合(以下、「割合Q」とも記す。)は、(d-D)/D×100で表される。マイクロプレート1は、下記条件3及び下記条件4の少なくとも一方を満たすことが好ましい。
条件3:各ウェル14について求めた割合Qの最大値と最小値との差が2.00%以下である。
条件4:各ウェル14について求めた割合Qが-1.00%以上1.00%以下である。
条件4は、すべてのウェル14の割合Qが-1.00%以上1.00%以下の範囲内であることを意味する。
マイクロプレート1は、条件3と条件4のうちの一方のみを満たしていてもよく、条件3と条件4の両方を満たしていてもよい。各ウェル14で培養した培養細胞が平面視でさらに等間隔に並びやすくなるため、多量の培養細胞のハイスループットな自動観察がさらに容易になる。マイクロプレート1は、本発明の効果が得られやすい点から、条件3と条件4の両方を満たしていることが好ましい。
割合Qの最大値と最小値との差は、2.00%以下が好ましく、1.00%以下がより好ましく、0.50%以下がさらに好ましく、0.20%以下が特に好ましい。
割合Qは、-1.00%以上1.00%以下が好ましく、-0.50%以上0.50%以下がより好ましく、-0.40%以上0.10%以下がさらに好ましく、-0.30%以上-0.10%以下が特に好ましい。
ウェル14の開口の平均直径は、1.5mm以上40mm以下が好ましく、1.7mm以上35mm以下がより好ましい。ウェル14の開口の平均直径が前記範囲の下限値以上であれば、形成したスフェロイドの創薬スクリーニングに適するため好ましい。ウェル14の開口の平均直径が前記範囲の上限値以下であれば、培地の揺れが抑えられるためスフェロイドの飛び出しを防ぐことができる。
ウェル14の平均深さは、4.0mm以上20mm以下が好ましく、5.0mm以上18mm以下がより好ましい。ウェル14の平均深さが前記範囲の下限値以上であれば、培養に必要最低限の量の培地を十分に入れることができる。ウェル14の平均深さが前記範囲の上限値以下であれば、ウェル内でスフェロイドを取り出しやすい。
図4に示すように、サイズが均一な細胞塊が得られやすい点から、ウェル14の底面16には、サイズが均一な複数の微細ウェル19が形成されていることが好ましい。
微細ウェル19の開口形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、多角形、不規則な形状を例示できる。微細ウェル19の開口の平均直径、開口面積、平均深さ、数等の寸法は、特に限定されず、適宜設定すればよい。例えば、微細ウェル19の開口の平均直径は20~2000μm、開口面積は、0.15mm以上0.50mm以下、平均深さは10~1500μmに設定できる。底面16に形成される微細ウェル19の数は、単位面積あたり、10~20000個/cmに設定できる。
微細ウェル19の開口の平均直径は、所望のスフェロイドの大きさに合わせて適宜調整でき、20μm以上2000μm以下が好ましく、100μm以上1500μm以下がより好ましく、200μm以上1000μm以下がさらに好ましい。微細ウェル19の開口の平均直径が前記範囲の下限値以上であれば、所望の大きさのスフェロイドを形成しやすい。微細ウェル19の開口の平均直径が前記範囲の上限値以下であれば、微細ウェル19から細胞がこぼれることを抑制しやすく、均一な大きさのスフェロイドを形成しやすい。
なお、微細ウェル19の開口の直径は、レーザ顕微鏡(キーエンス社製)等によって測定される。
微細ウェル19の開口面積は、0.15mm以上0.50mm以下が好ましく、0.20mm以上0.35mm以下がより好ましく、0.24mm以上0.30mm以下がさらに好ましい。微細ウェル19の開口面積が前記範囲の下限値以上であれば、所望の大きさのスフェロイドを形成しやすい。微細ウェル19の開口面積が前記範囲の上限値以下であれば、微細ウェル19から細胞がこぼれることを抑制しやすく、均一な大きさのスフェロイドを形成しやすい。
なお、微細ウェル19の開口面積は、レーザ顕微鏡(キーエンス社製)等によって測定される。
微細ウェル19の平均深さは、10μm以上1500μm以下が好ましく、50μm以上1000μm以下がより好ましく、100μm以上600μm以下がさらに好ましい。微細ウェル19の平均深さが前記範囲の下限値以上であれば、所望の大きさのスフェロイドを形成しやすい。微細ウェル19の平均深さが前記範囲の上限値以下であれば、微細ウェル19から細胞がこぼれることを抑制しやすく、均一な大きさのスフェロイドを形成しやすい。
なお、微細ウェル19の深さは、レーザ顕微鏡(キーエンス社製)等によって測定される。
培養領域における微細ウェル19の単位面積当たりの平均数は、10個/cm以上が好ましく、15個/cm以上がより好ましく、20個/cm以上がさらに好ましい。また、培養領域における微細ウェル19の単位面積当たりの平均数は、20000個/cm以下が好ましく、10000個/cm以下がより好ましく、5000個/cm以下がさらに好ましい。微細ウェル19の単位面積当たりの平均数が前記下限値以上であれば、所望の大きさのスフェロイドを形成しやすい。
微細ウェル19の配置パターンは、特に限定されず、規則的なパターンで形成してもよく、不規則に形成してもよく、規則的な部分と不規則な部分が混在していてもよい。規則的な配置パターンとしては、例えば、隙間なく並べた正方形の各頂点に微細ウェルを配置するパターン、隙間なく並べた正六角形の各頂点と中央に微細ウェルを配置するパターン、千鳥状のパターンを例示できる。
マイクロプレート1の材質としては、樹脂又はガラスが好ましい。
樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、高密度ポリエチレン、ポリエーテルサルファン、PET共重合体、パーマノックス(サーモフィッシャーサイエンティフィック商標)、シクロオレフィンポリマー樹脂、サイトップ(AGC商標)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂及びシリコーン樹脂から選ばれる1種が好ましく、透明性が高く、薬剤吸着性が低いという点から、ポリスチレン樹脂が特に好ましい。マイクロプレート1を構成する樹脂は、1種でもよく、2種以上でもよい。
ガラスとしては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、リン酸ガラス、化学強化ガラス等を例示できる。マイクロプレート1を構成するガラスは、1種でもよく、2種以上でもよい。
マイクロプレート1の周壁部12は、透明でも不透明でもよく、観察性の観点から不透明が好ましい。周壁部12を不透明とする場合、色調としては黒や白などとすると、蛍光・発光を遮断できるためより好ましい。周壁部12を不透明にする方法としては、特に限定されず、例えば、微粒子を添加する方法、顔料等の着色料を添加する方法等を用いることができる。黒の場合はカーボン等、白の場合は酸化チタン等を用いることができる。
マイクロプレート1の製造方法は、特に限定されず、例えば、射出成形法、圧縮成形法によって成形できる。なかでも、条件1又は条件2を満たす複数のウェル14を有するマイクロプレート1を製造しやすい点から、射出成形法が好ましい。
微細ウェル19を形成する方法としては、例えば、レーザ照射を例示できる。樹脂製のマイクロプレート1の場合、ウェル14の底面16である培養面にレーザ光が照射されると、培養面を構成する樹脂が溶解及び気化して、非常に滑らかな表面を持つ微細ウェル19が形成される。微細ウェル19の開口周辺には、溶解した樹脂が盛り上がって土手部が形成されてもよい。
レーザ光源としては、特に限定されず、COレーザを例示できる。微細ウェル19の配置及びサイズは、レーザ光の照射位置や出力、時間等の照射条件を調節することによって調節できる。
レーザ出力は、例えば、1~100Wの範囲で固定し、レーザ照射時間は、例えば、0.1~100μsの範囲で固定してレーザ照射を行うことで、各微細ウェル19のサイズを均一にできる。
培養面であるウェル14の底面16には、細胞の接着を抑制する低接着コート膜を形成してもよい。低接着コート膜が形成されることで、培養細胞を取り出しやすくなる。低接着コート膜は、例えば、細胞接着抑制剤を塗布することによって形成できる。細胞接着抑制剤としては、リン脂質ポリマー(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等)、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、フッ素含有化合物、ポリエチレングリコールを例示できる。細胞接着抑制剤としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、マイクロプレート1全体又は底面16をシリコーン樹脂等の細胞接着抑制効果のある樹脂や、前記細胞接着抑制剤を配合した合成樹脂等で成形すれば、低接着コート膜を形成しなくても底面16に細胞が接着することを抑制できる。
ウェル14の底面16には、細胞を接着させやすくする易接着コート膜を形成してもよい。易接着コート膜を形成する材料としては、コラーゲン、ゼラチンを例示できる。易接着コート膜を形成する材料としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、マイクロプレート1全体又は底面16を細胞接着効果のある樹脂や、細胞易接着コート剤を配合した合成樹脂で成形してもよい。また、コート剤以外でも、プラズマ処理、コロナ放電等の物理的処理を行い、細胞を接着しやすくしてもよい。
以上説明したように、本発明のマイクロプレートにおいては、各ウェルが条件1及び条件2の少なくとも一方を満たす。これにより、各ウェル14で培養した培養細胞が平面視で等間隔に並びやすくなる。そのため、自動観察装置を用いたハイスループットな観察においても各ウェルの培養細胞を順に捉えることが容易になり、観察効率が高くなるうえ、培養細胞の見落としも抑制できる。
なお、本発明のマイクロプレートは、前記した態様には限定されない。
例えば、本発明のマイクロプレートは、図5に例示したマイクロプレート2であってもよい。マイクロプレート2は、ウェル14が底面16の代わりに底面16Aを有する以外はマイクロプレート1と同様の態様である。図5における図2と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
マイクロプレート2のウェル14の底面16Aは、下方に半球状に凹む凹面である。マイクロプレート2においても、条件1及び条件2の少なくとも一方を満たすことで、自動観察装置であっても各ウェル14で培養した培養細胞を捉えることが容易になる。
本発明のマイクロプレートは、図6に例示したマイクロプレート3であってもよい。図6における図2と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
マイクロプレート3は、枠体20と、平板基材22とを備えている。枠体20は、上面部10と、上面部10の外縁部から垂直に垂下された周壁部12と、上面部10の上面10aに円形の開口が形成され、かつ下端が開口した複数の筒部24とを備えている。そして、複数の筒部24の下端側に平板基材22が取り付けられることで、複数のウェル14が形成されている。
このように、マイクロプレート3は、別部材である平板基材22が各筒部24の下端側に取り付けられて各々のウェル14が形成されている以外は、マイクロプレート1と同様の態様である。マイクロプレート3においても、条件1及び条件2の少なくとも一方を満たすことで、自動観察装置であっても各ウェル14で培養した培養細胞を捉えることが容易になる。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
[培養細胞の観察方法]
本発明の培養細胞の観察方法は、本発明のマイクロプレートのみを用いて、各ウェルで培養した培養細胞を自動観察する方法である。例えば、条件1及び条件2の少なくとも一方を満たすマイクロプレート1のみを用い、各ウェル14に培養液を分注して細胞を培養し、自動観察装置によって各ウェル14の培養細胞を自動観察する。
培養細胞の自動観察に用いるマイクロプレート1は、条件1及び条件2の少なくとも一方を満たすため、自動観察装置を用いたハイスループットな観察においても各ウェル14の培養細胞を捉えることが容易であり、観察効率が高い。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[例1、2、3]
各ウェルのピッチの設定値(隣り合ったウェル間のx方向およびy方向の距離)を9mm、直径の予め設定されている直径(D)を7mmとして、図1及び図2に例示したような態様の96ウェル(8×12)のマイクロプレートを作製した。
マイクロプレートの四隅のウェルによって得られる中心位置を基準原点(x=0,y=0)とし、各ウェルのピッチの設定値が9mmであることをもとに各ウェルの中心のx座標及びy座標の理論値(x,y)を求めた。画像測定機(NEXIV VMZ-R4540、ニコン社製)によって観察し実測値(x,y)を求め、割合Q及びQを算出した。割合Q及びQの最大値、最小値、及び最大値と最小値との差を表1に示す。また、各ウェルの直径dを測定し、設定値(D)との割合Qを算出した。割合Qの最大値、最小値、及び最大値と最小値との差を表1に示す。
[例4、5、6]
各ウェルのピッチの設定値(隣り合ったウェル間のx方向およびy方向の距離)を9mm、直径の予め設定されている直径(D)を6.858mmとして、図1及び図2に例示したような態様の96ウェル(8×12)のマイクロプレートを作製した。
マイクロプレートの四隅のウェルによって得られる中心位置を基準原点(x=0,y=0)とし、各ウェルのピッチの設定値が9mmであることをもとに各ウェルの中心のx座標及びy座標の理論値(x,y)を求めた。画像測定機(NEXIV VMZ-R4540、ニコン社製)によって観察し実測値(x,y)を求め、割合Q及びQを算出した。割合Q及びQの最大値、最小値、及び最大値と最小値との差を表2に示す。また、各ウェルの直径dを測定し、設定値(D)との割合Qを算出した。割合Qの最大値、最小値、及び最大値と最小値との差を表2に示す。
[ウェル位置の均一性]
各例のマイクロプレートについて、画像測定機(NEXIV VMZ-R4540、ニコン社製)によって観察し、各ウェルの割合Q及びQ測定して、ウェル位置の均一性を以下の基準で評価した。結果を表1及び表2に示す。
◎(優良):割合Q及びQの最大値と最小値との差がいずれも1.00%以下。
○(良):割合Q及びQの最大値と最小値との差がいずれも2.00%以下、かつ、少なくとも一方が1.00%超。
×(不良):割合Q及びQの最大値と最小値との差の少なくとも一方が2.00%超。
[ウェル直径の均一性]
各例のマイクロプレートについて、画像測定機(NEXIV VMZ-R4540、ニコン社製)によって観察し、各ウェルの割合Qdを測定して、ウェル直径の均一性を以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
◎(優良):割合Qの最大値と最小値との差が1.00%以下。
〇(良):割合Qの最大値と最小値との差が1.00%超、2.00%以下。
×(不良):割合Qの最大値と最小値との差が2.00%超。
Figure 2022044568000002
Figure 2022044568000003
Figure 2022044568000004
1~3…マイクロプレート、10…上面部、10a…上面、12…周壁部、14…ウェル、16,16A…底面、19…微細ウェル、20…枠体、22…平板基材、24…筒部。

Claims (5)

  1. 複数のウェルが平面視で四角形状に配列されているマイクロプレートであって、
    平面視で、4つの角に位置する4つのウェルの中心を各頂点とする四角形における、対向する辺の中点同士を結ぶ2本の直線の交点を原点Oとして、2本の直線のうち長いほうの直線をx軸とし、前記原点Oを通る前記x軸に垂直な線をy軸として、
    予め設定されている各ウェルのピッチから算出される各ウェルの中心のx座標とy座標の理論値を求め、各ウェルの中心のx座標とy座標の実測値と比較したとき、
    (x-x)/x×100(ただし、xはウェルの中心のx座標の実測値であり、xはウェルの中心のx座標の理論値である。)で表される各ウェルのx軸方向のズレの割合の最大値と最小値との差が2.00%以下であり、
    かつ、(y-y)/y×100(ただし、yはウェルの中心のy座標の実測値であり、yはウェルの中心のy座標の理論値である。)で表される各ウェルのy軸方向のズレの割合の最大値と最小値との差が2.00%以下である、マイクロプレート。
  2. 複数のウェルが平面視で四角形状に配列されているマイクロプレートであって、
    平面視で、4つの角に位置する4つのウェルの中心を各頂点とする四角形における、対向する辺の中点同士を結ぶ2本の直線の交点を原点Oとして、2本の直線のうち長いほうの直線をx軸とし、前記原点Oを通る前記x軸に垂直な線をy軸として、
    予め設定されている各ウェルのピッチから算出される各ウェルの中心のx座標とy座標の理論値を求め、各ウェルの中心のx座標とy座標の実測値と比較したとき、
    (x-x)/x×100(ただし、xはウェルの中心のx座標の実測値であり、xはウェルの中心のx座標の理論値である。)で表される各ウェルのx軸方向のズレの割合が-1.00%以上1.00%以下であり、
    かつ、(y-y)/y×100(ただし、yはウェルの中心のy座標の実測値であり、yはウェルの中心のy座標の理論値である。)で表される各ウェルのy軸方向のズレの割合が-1.00%以上1.00%以下である、マイクロプレート。
  3. 各ウェルの直径の予め設定されている直径に対するズレの割合の最大値と最小値との差が2.00%以下である、請求項1又は2に記載のマイクロプレート。
  4. 各ウェルの直径の予め設定されている直径に対するズレの割合が-1.00%以上1.00%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のマイクロプレート。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のマイクロプレートのみを用い、各ウェルで培養した培養細胞を自動観察する、培養細胞の観察方法。
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