JP2022044262A - 還元剤供給システム、還元剤供給制御装置、および還元剤供給制御方法 - Google Patents

還元剤供給システム、還元剤供給制御装置、および還元剤供給制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率的な還元剤の供給を実現できる還元剤供給システム、還元剤供給制御装置、および還元剤供給制御方法を提供すること。【解決手段】還元剤供給システムは、液体状還元剤および気体状還元剤のどちらでも取り出し可能な供給源と、排ガスが流れる排気管内において排ガス浄化材の上流側に還元剤を供給する供給装置と、前記供給源と前記供給装置とを接続し、前記液体状還元剤または前記気体状還元剤のいずれかが前記供給源から前記供給装置へと流れる供給管と、を有する。【選択図】図1

Description

本開示は、還元剤供給システム、還元剤供給制御装置、および還元剤供給制御方法に関する。
従来、内燃機関から排出された排ガスを触媒により浄化する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、排ガスが流れる排気管内において、その上流側から順に、尿素水噴射装置(インジェクタ、または、ドージングモジュールともいう)と、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒とを備えたシステムが開示されている。
このシステムでは、尿素水噴射装置から排気管内に噴射された尿素水(前駆体の一例)が、排ガスの熱によって加水分解される。これによって発生したアンモニアガス(還元剤の一例)は、SCR触媒に供給される。そして、SCR触媒では、排ガス中のNOxが窒素に還元される。
その一方、例えば、特許文献2には、SCR触媒よりも上流側の排気管内に、尿素水の代わりの還元剤としてアンモニアガスを供給するシステムが開示されている。
特開2009-138737号公報 特開2013-124569号公報
上述した従来のシステムはいずれも、効率的な還元剤の供給の点で改善の余地がある。
本開示の一態様の目的は、効率的な還元剤の供給を実現できる還元剤供給システム、還元剤供給制御装置、および還元剤供給制御方法を提供することである。
本開示の一態様に係る還元剤供給システムは、液体状還元剤および気体状還元剤のどちらでも取り出し可能な供給源と、排ガスが流れる排気管内において排ガス浄化材の上流側に還元剤を供給する供給装置と、前記供給源と前記供給装置とを接続し、前記液体状還元剤または前記気体状還元剤のいずれかが前記供給源から前記供給装置へと流れる供給管と、を有する。
本開示の一態様に係る還元剤供給制御装置は、液体状還元剤および気体状還元剤のどちらでも取り出し可能な供給源と、排ガスが流れる排気管内において排ガス浄化材の上流側に還元剤を供給する供給装置と、前記供給源と前記供給装置とを接続し、前記液体状還元剤または前記気体状還元剤のいずれかが前記供給源から前記供給装置へと流れる供給管と、を備えたシステムにおいて用いられ、前記供給源内の前記気体状還元剤の量、前記排ガス浄化材の上流側の排ガスの温度、または前記排ガス浄化材自体の温度と、予め定められた閾値との比較を行う判定部と、前記比較の結果に基づいて、前記液体状還元剤または前記気体状還元剤のいずれかを前記供給管を介して前記供給装置に供給させる制御部と、を有する。
本開示の一態様に係る還元剤供給制御方法は、液体状還元剤および気体状還元剤のどちらでも取り出し可能な供給源と、排ガスが流れる排気管内において排ガス浄化材の上流側に還元剤を供給する供給装置と、前記供給源と前記供給装置とを接続し、前記液体状還元剤または前記気体状還元剤のいずれかが前記供給源から前記供給装置へと流れる供給管と、を備えたシステムにおいて用いられ、前記供給源内の前記気体状還元剤の量、前記排ガス浄化材の上流側の排ガスの温度、または前記排ガス浄化材自体の温度と、予め定められた閾値との比較を行い、前記比較の結果に基づいて、前記液体状還元剤または前記気体状還元剤のいずれかを前記供給管を介して前記供給装置に供給させる。
本開示によれば、効率的な還元剤の供給を実現できる。
本開示の実施の形態に係る還元剤供給システムおよびその周辺部分の構成例を示す模式図 本開示の実施の形態に係るアンモニア貯留部の内部構成例を示す模式図 本開示の実施の形態に係る還元剤供給制御装置の構成例を示すブロック図 本開示の実施の形態に係る還元剤供給制御装置の第1の動作例を示すフローチャート 本開示の実施の形態に係る還元剤供給制御装置の第2の動作例を示すフローチャート
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通する構成要素については同一の符号を付し、それらの説明は適宜省略する。
まず、本実施の形態の還元剤供給システム100およびその周辺部分の構成要素について、図1を用いて説明する。図1は、還元剤供給システム100およびその周辺部分の構成例を示す模式図である。
図1に示す各構成要素(符号が付されたもの)は、例えば、図示しない車両(例えば、バス、トラック等)に搭載される。車両に搭載される内燃機関(図示略)は、ディーゼルエンジンであってもよいし、ガソリンエンジンであってもよい。なお、内燃機関は、車両の内燃機関に限らず、例えば、船舶の内燃機関または定置式の内燃機関であってもよい。
排気管1は、内燃機関から排出された排ガスが流れる管である。排気管1内に示す矢印は、排ガスの流れ方向を示している。よって、排気管1内には、排ガスの流れ方向の上流側から順に、噴射装置2、温度センサ3、SCR触媒4が設けられている。
図示は省略するが、排気管1の上流端は、内燃機関に設けられた排気マニホールドに接続されている。また、図示は省略するが、排気管1の下流端は、大気に面してもよいし、排気ディフューザ等に接続されてもよい。
なお、SCR触媒4は、排気管1に接続される触媒コンバータ(触媒ケーシングともいう)に収容されてもよい。また、その触媒コンバータには、噴射装置2、温度センサ3が収容されてもよい。
噴射装置2(供給装置の一例)は、例えば、排気管1内におけるSCR触媒4の上流側に、液体アンモニアおよび気体アンモニアのどちらでも噴射することが可能な装置である。噴射装置2は、後述する還元剤供給制御装置200(図3参照)により制御される。噴射装置2は、還元剤供給システム100の構成要素の1つである。
温度センサ3は、SCR触媒4の上流側(具体的には、SCR触媒4の入口付近)に設けられている。温度センサ3は、定期的に、SCR触媒4の入口の排ガスの温度(以下、単に排ガスの温度ともいう)を検出し、後述する還元剤供給制御装置200(図3参照)へ通知する。
なお、本実施の形態では、温度センサ3がSCR触媒4の入口付近に設けられ、SCR触媒4の入口の排ガスの温度を検出する場合を例に挙げて説明するが、これに限定されない。例えば、温度センサ3は、SCR触媒4自体の温度を検出可能な位置に設けられ、SCR触媒4自体の温度を検出してもよい。なお、本明細書では、SCR触媒4の入口の排ガスの温度と、SCR触媒4自体の温度とは同義であるとみなす。
SCR触媒4(排ガス浄化材の一例)は、アンモニアにより排ガス中のNOxを窒素に還元する触媒である。
なお、SCR触媒4の下流側に、SCR触媒4で消費しきれなかったアンモニアを酸化、分解する触媒であるASC(Ammonia Slip Catalyst)が設けられてもよい。
還元剤供給システム100は、噴射装置2、第1供給管5、第2供給管6、アンモニア貯留部7、第1遮断弁9、第2遮断弁10を有する。また、還元剤供給システム100の構成要素として、後述する還元剤供給制御装置200を含めてもよい。
第1供給管5および第2供給管6は、それぞれ、噴射装置2とアンモニア貯留部7とを接続する管である。第1供給管5には、アンモニア貯留部7に貯留されている気体アンモニア(気体状還元剤の一例)がアンモニア貯留部7から噴射装置2へ向けて流れる。第2供給管6には、アンモニア貯留部7に貯留されている液体アンモニア(液体状還元剤の一例)がアンモニア貯留部7から噴射装置2へ向けて流れる。
アンモニア貯留部7(供給源の一例)は、例えば、液体アンモニアおよび気体アンモニアの両方を別々に貯留し、液体アンモニアおよび気体アンモニアのどちらでも取り出し可能なタンクである。
ここで、アンモニア貯留部7の内部構成について、図2を用いて説明する。図2は、アンモニア貯留部7の内部構成例を示す模式図である。
図2に示すように、アンモニア貯留部7は、気体アンモニア(図示略)が貯留される第1貯留部11と、液体アンモニア(図示略)が貯留される第2貯留部12とを有する。第1貯留部11および第2貯留部12は、アンモニア貯留部7内の空間が仕切られることにより形成されている。すなわち、アンモニア貯留部7は、気体アンモニアと液体アンモニアとを別々に貯留できるように構成されている。
また、図2に示すように、第1貯留部11には、第1供給管5が接続されている。また、第2貯留部12には、第2供給管6が接続されている。
以上、アンモニア貯留部7の内部構成について説明した。以下、図1の説明に戻る。
圧力センサ8は、アンモニア貯留部7内の圧力を検出するセンサである。温度センサ13は、アンモニア貯留部7内の温度を検出するセンサである。圧力センサ8は、定期的に、アンモニア貯留部7内の圧力を検出し、後述する還元剤供給制御装置200(図3参照)へ通知する。温度センサ13は、定期的に、アンモニア貯留部7内の温度を検出し、後述する還元剤供給制御装置200(図3参照)へ通知する。なお、圧力センサ8および温度センサ13の設置位置は、図1に示す位置に限定されない。
第1遮断弁9は、第1供給管5に設けられている。第2遮断弁10は、第2供給管6に設けられている。第1遮断弁9および第2遮断弁10は、後述する還元剤供給制御装置200(図2参照)により、開状態または閉状態に制御される。
以上、還元剤供給システム100およびその周辺部分の構成要素について、説明した。
次に、本実施の形態の還元剤供給制御装置200の構成について、図3を用いて説明する。図3は、還元剤供給制御装置200の構成例を示すブロック図である。
図3に示す還元剤供給制御装置200は、図1に示した噴射装置2、第1遮断弁9、および第2遮断弁10を制御する装置である。
図示は省略するが、還元剤供給制御装置200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記憶媒体、RAM(Random Access Memory)等の作業用メモリ等を有する。以下に説明する還元剤供給制御装置200の機能は、CPUが制御プログラムをROMから読み出し、RAM上で実行することにより実現される。例えば、還元剤供給制御装置200は、ECU(Electronic Control Unit)によって実現される。
図3に示すように、還元剤供給制御装置200は、判定部210および制御部220を有する。
判定部210は、圧力センサ8から通知されたアンモニア貯留部7内の圧力と、温度センサ13から通知されたアンモニア貯留部7内の温度とに基づいて、アンモニア貯留部7(具体的には、第1貯留部11。以下、同様)内の気体アンモニアの量を推定する。この推定方法は、公知の技術を適用できるため、ここでの説明は省略する。
そして、判定部210は、推定した気体アンモニアの量が予め定められた第1閾値以上であるか否かを判定する。
第1閾値は、アンモニア貯留部7内の気体アンモニアの量が第1閾値以上であれば、第1遮断弁9が開状態に制御され、かつ、第2遮断弁10が閉状態に制御される値(換言すれば、アンモニア貯留部7内の気体アンモニアが噴射装置2に供給される値)として、予め実施された実験等の結果に基づいて決定されたものである。
または、判定部210は、温度センサ3から通知された排ガスの温度が予め定められた第2閾値未満であるか否かを判定する。
第2閾値は、SCR触媒4の入口の排ガスの温度(上述したとおり、SCR触媒4自体の温度でもよい)が第2閾値未満であれば、第1遮断弁9が開状態に制御され、かつ、第2遮断弁10が閉状態に制御される値(換言すれば、アンモニア貯留部7内の気体アンモニアが噴射装置2に供給される値)として、予め実施された実験等の結果に基づいて決定されたものである。
制御部220は、判定部210によりアンモニア貯留部7内の気体アンモニアの量が第1閾値以上であると判定された場合、第1遮断弁9を開状態に制御し、かつ、第2遮断弁10を閉状態に制御する。これにより、第1貯留部11内の気体アンモニアが第1供給管5を経て、噴射装置2に供給される。
一方、制御部220は、判定部210によりアンモニア貯留部7内の気体アンモニアの量が第1閾値以上ではないと判定された場合、第1遮断弁9を閉状態に制御し、かつ、第2遮断弁10を開状態に制御する。これにより、第2貯留部12内の液体アンモニアが第2供給管6を経て、噴射装置2に供給される。
または、制御部220は、判定部210により排ガスの温度が第2閾値未満であると判定された場合、第1遮断弁9を開状態に制御し、かつ、第2遮断弁10を閉状態に制御する。これにより、第1貯留部11内の気体アンモニアが第1供給管5を経て、噴射装置2に供給される。
一方、制御部220は、判定部210により排ガスの温度が第2閾値未満ではないと判定された場合、第1遮断弁9を閉状態に制御し、かつ、第2遮断弁10を開状態に制御する。これにより、第2貯留部12内の液体アンモニアが第2供給管6を経て、噴射装置2に供給される。
また、制御部220は、噴射装置2に供給されたアンモニア(気体アンモニアまたは液体アンモニアのいずれか)を排気管1内へ噴射するように、噴射装置2を制御する。例えば、制御部220は、温度センサ3から通知された排ガスの温度に基づいて噴射量を決定し、その噴射量のアンモニアの噴射を噴射装置2に実行させる。
なお、上記噴射量は、SCR触媒4の上流側を流れる排ガスの温度以外のパラメータに基づいて決定されてもよい。このパラメータとしては、例えば、SCR触媒4の上流側を流れる排ガスの流量、SCR触媒4の上流側を流れる排ガスの圧力、SCR触媒4の上流側を流れる排ガス中のNOxの量、または、噴射装置2に供給されるアンモニアの圧力などが挙げられる。なお、これらのパラメータは、図示しないセンサにより検出され、制御部220に通知されるとする。
以上、還元剤供給制御装置200の構成について、説明した。
以下、還元剤供給制御装置200の動作について、図4、図5を用いて説明する。図4は、還元剤供給制御装置200の第1の動作例を示すフローチャートである。図5は、還元剤供給制御装置200の第2の動作例を示すフローチャートである。
還元剤供給制御装置200は、第1の動作例または第2の動作例のいずれかを実行する。
第1の動作例および第2の動作例は、例えば、SCR触媒4の入口の排ガスの温度が所定値(例えば、SCR触媒4の活性温度域の下限値)以上となったときに開始される。SCR触媒4の入口の排ガスの温度が所定値以上であるか否かを判定する処理は、例えば、判定部210によって行われる。
<第1の動作例>
まず、判定部210は、圧力センサ8および温度センサ13のそれぞれから通知されたアンモニア貯留部7内の圧力および温度に基づいて、アンモニア貯留部7内の気体アンモニアの量を推定する(ステップS1)。
次に、判定部210は、推定した気体アンモニアの量が第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS2)。
気体アンモニアの量が第1閾値以上である場合(ステップS2:YES)、制御部220は、第1遮断弁9を開状態に制御し、かつ、第2遮断弁10を閉状態に制御する(ステップS3)。
これにより、アンモニア貯留部7の第1貯留部11内の気体アンモニアが第1供給管5を経て、噴射装置2に供給される。
一方、気体アンモニアの量が第1閾値以上ではない場合(ステップS2:NO)、制御部220は、第1遮断弁9を閉状態に制御し、かつ、第2遮断弁10を開状態に制御する(ステップS4)。
これにより、アンモニア貯留部7の第2貯留部12内の液体アンモニアが第2供給管6を経て、噴射装置2に供給される。
次に、制御部220は、噴射装置2に供給されたアンモニアを排気管1内に噴射するように噴射装置2を制御する(ステップS5)。
これにより、気体アンモニアまたは液体アンモニアのいずれかが、噴射装置2から、SCR触媒4の上流側の排気管1内へ噴射される。
<第2の動作例>
まず、判定部210は、温度センサ3から通知された排ガスの温度が第2閾値未満であるか否かを判定する(ステップS11)。
排ガスの温度が第2閾値未満である場合(ステップS11:YES)、制御部220は、第1遮断弁9を開状態に制御し、かつ、第2遮断弁10を閉状態に制御する(ステップS12)。
これにより、アンモニア貯留部7の第1貯留部11内の気体アンモニアが第1供給管5を経て、噴射装置2に供給される。
一方、排ガスの温度が第2閾値未満ではない場合(ステップS11:NO)、制御部220は、第1遮断弁9を閉状態に制御し、かつ、第2遮断弁10を開状態に制御する(ステップS13)。
これにより、アンモニア貯留部7の第2貯留部12内の液体アンモニアが第2供給管6を経て、噴射装置2に供給される。
次に、制御部220は、噴射装置2に供給されたアンモニアを排気管1内に噴射するように噴射装置2を制御する(ステップS14)。
これにより、気体アンモニアまたは液体アンモニアのいずれかが、噴射装置2から、SCR触媒4の上流側の排気管1内へ噴射される。
以上、還元剤供給制御装置200の動作について、説明した。
以上説明したように、本実施の形態の還元剤供給システム100は、気体アンモニアおよび液体アンモニアを供給可能なアンモニア貯留部7から気体アンモニアまたは液体アンモニアのいずれかを噴射装置2に供給する構成を備えたことを特徴とする。よって、還元剤供給システム100は、相が異なるアンモニアを選択的に噴射装置2に供給できるため、効率的なアンモニアの供給を実現することができる。
また、本実施の形態の還元剤供給制御装置200は、アンモニア貯留部7内のアンモニアの量またはSCR触媒4の上流側の排ガスの温度に基づいて、気体アンモニアまたは液体アンモニアのいずれかを噴射装置2に供給する制御を行う。よって、還元剤供給制御装置200は、アンモニア貯留部7内の状態またはSCR触媒4の状態に適したアンモニアを噴射装置2に供給できるため、効率的なアンモニアの供給を実現することができる。
なお、本開示は、上記実施の形態の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下、変形例について説明する。
[変形例1]
実施の形態では、アンモニア貯留部7が、液体アンモニアおよび気体アンモニアの両方を別々に貯留可能なタンクである場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
例えば、アンモニア貯留部7は、内部に仕切りが無く、液体アンモニアと気体アンモニアとが混在して貯留され、第1供給管5の開口部を貯蔵部7の上方に設けて貯蓄された気体アンモニアをそのまま取り出し、第2供給管6の開口部を貯蔵部7の下方より貯留された液体アンモニアをそのまま取り出すことができるタンクまたはボンベであってもよい。
すなわち、本開示のアンモニア貯留部7は、液体アンモニアおよび気体アンモニアのどちらでも取り出し可能なものであればよい。
[変形例2]
還元剤供給システム100は、噴射装置2におけるアンモニアの噴射量を安定させる調圧を行うために、減圧弁を有してもよい。
減圧弁は、例えば、第1供給管5における第1遮断弁9の下流側や、第2供給管6における第2遮断弁10の下流側に設けられてもよい。また、減圧弁は、例えば、還元剤供給制御装置200により制御されてもよい。
[変形例3]
実施の形態では、還元剤供給システム100が、気体アンモニアおよび液体アンモニアのどちらでも噴射可能な噴射装置2を有する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
例えば、還元剤供給システム100は、気体アンモニアのみを排気管1内へ噴射可能な噴射装置と、液体アンモニアのみを排気管1内へ噴射可能な噴射装置とを別々に有してもよい。その場合、第1供給管5は、前者の噴射装置のみに接続され、第2供給管6は、後者の噴射装置のみに接続される。
[変形例4]
実施の形態では、排気管1内へアンモニアを供給する装置が噴射装置2である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
例えば、還元剤供給システム100は、噴射装置2の代わりに、排気管1内へ供給されるアンモニアの量を調整可能な流量調整弁(供給装置の一例)を有してもよい。
その場合、流量調整弁は、例えば、還元剤供給制御装置200により制御されてもよい。例えば、制御部220は、所定のパラメータに基づいて、流量調整弁から排気管1内へ供給されるアンモニアの供給量を決定し、決定した供給量のアンモニアが排気管1内へ供給されるように流量調整弁の開度や開時間を制御してもよい。
上記パラメータとしては、例えば、SCR触媒4の上流側を流れる排ガスの温度、SCR触媒4の上流側を流れる排ガスの流量、SCR触媒4の上流側を流れる排ガスの圧力、SCR触媒4の上流側を流れる排ガス中のNOxの量、または、流量調整弁に供給されるアンモニアの圧力などが挙げられる。また、これらのパラメータは、各種センサにより検出され、制御部220に通知されるとする。
なお、上記流量調整弁は、噴射装置2と併用されてもよい。その場合、流量調整弁は、例えば、図1において、第1供給管5における第1遮断弁9の下流側や、第2供給管6における第2遮断弁10の下流側に設けられてもよい。
[変形例5]
実施の形態では、排ガス浄化材としてSCR触媒4が用いられる場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
例えば、SCR触媒4の代わりに、SCR触媒と、排ガス中の粒子状物質を捕集するフィルタとが一体化された排ガス浄化材が用いられてもよい。この排ガス浄化材としては、例えば、内燃機関がディーゼルエンジンである場合に用いられるSDPF(SCR-Filterともいう)などが挙げられる。
[変形例6]
実施の形態では、開閉を制御される対象が第1遮断弁9および第2遮断弁10である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
例えば、アンモニア貯留部7と第1供給管5との接続部分の開口部、および、アンモニア貯留部7と第2供給管6との接続部分の開口部のそれぞれに開閉可能な蓋部を設け、還元剤供給制御装置200の制御部220が、それら蓋部の開閉を制御してもよい。この場合、第1遮断弁9および第2遮断弁10は、設けられなくてもよい。
以上、変形例について説明した。上述した変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
本開示の還元剤供給システム、還元剤供給制御装置、および還元剤供給制御方法は、排ガスの流路における排ガス浄化材の上流側に還元剤を供給する技術に有用である。
1 排気管
2 噴射装置
3 温度センサ
4 SCR触媒
5 第1供給管
6 第2供給管
7 アンモニア貯留部
8 圧力センサ
9 第1遮断弁
10 第2遮断弁
11 第1貯留部
12 第2貯留部
13 温度センサ
200 還元剤供給制御装置
210 判定部
220 制御部

Claims (12)

  1. 液体状還元剤および気体状還元剤のどちらでも取り出し可能な供給源と、
    排ガスが流れる排気管内において排ガス浄化材の上流側に還元剤を供給する供給装置と、
    前記供給源と前記供給装置とを接続し、前記液体状還元剤または前記気体状還元剤のいずれかが前記供給源から前記供給装置へと流れる供給管と、を有する、
    還元剤供給システム。
  2. 所定のパラメータに基づいて、前記液体状還元剤または前記気体状還元剤のいずれかを前記供給管を介して前記供給装置に供給させる還元剤供給制御装置をさらに有する、
    請求項1に記載の還元剤供給システム。
  3. 前記還元剤供給制御装置は、
    前記供給源内の圧力および温度に基づいて前記供給源内の前記気体状還元剤の量を推定し、
    前記量が予め定められた第1閾値以上であるか否かを判定し、
    前記量が前記第1閾値以上である場合、前記気体状還元剤を前記供給装置に供給させ、
    前記量が前記第1閾値以上ではない場合、前記液体状還元剤を前記供給装置に供給させる、
    請求項2に記載の還元剤供給システム。
  4. 前記還元剤供給制御装置は、
    前記排ガス浄化材の上流側の排ガスの温度または前記排ガス浄化材自体の温度が予め定められた第2閾値未満であるか否かを判定し、
    前記温度が前記第2閾値未満である場合、前記気体状還元剤を前記供給装置に供給させ、
    前記温度が前記第2閾値未満ではない場合、前記液体状還元剤を前記供給装置に供給させる、
    請求項2に記載の還元剤供給システム。
  5. 前記供給源は、
    前記液体状還元剤および前記気体状還元剤を別々に貯留しており、
    前記供給管は、
    第1遮断弁が設けられ、前記気体状還元剤が流れる第1供給管と、
    第2遮断弁が設けられ、前記液体状還元剤が流れる第2供給管と、を有し、
    前記還元剤供給制御装置は、
    前記第1遮断弁を開状態に制御し、前記第2遮断弁を閉状態に制御することにより、前記気体状還元剤を前記第1供給管を介して前記供給装置に供給させ、
    前記第1遮断弁を閉状態に制御し、前記第2遮断弁を開状態に制御することにより、前記液体状還元剤を前記第2供給管を介して前記供給装置に供給させる、
    請求項2から4のいずれか1項に記載の還元剤供給システム。
  6. 前記液体状還元剤は、液体アンモニアであり、
    前記気体状還元剤は、気体アンモニアであり、
    前記排ガス浄化材は、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の還元剤供給システム。
  7. 液体状還元剤および気体状還元剤のどちらでも取り出し可能な供給源と、
    排ガスが流れる排気管内において排ガス浄化材の上流側に還元剤を供給する供給装置と、
    前記供給源と前記供給装置とを接続し、前記液体状還元剤または前記気体状還元剤のいずれかが前記供給源から前記供給装置へと流れる供給管と、を備えたシステムにおいて用いられ、
    前記供給源内の前記気体状還元剤の量、前記排ガス浄化材の上流側の排ガスの温度、または前記排ガス浄化材自体の温度と、予め定められた閾値との比較を行う判定部と、
    前記比較の結果に基づいて、前記液体状還元剤または前記気体状還元剤のいずれかを前記供給管を介して前記供給装置に供給させる制御部と、を有する、
    還元剤供給装置。
  8. 前記判定部は、
    前記供給源内の圧力および温度に基づいて前記供給源内の前記気体状還元剤の量を推定し、
    前記量が予め定められた第1閾値以上であるか否かを判定し、
    前記制御部は、
    前記量が前記第1閾値以上である場合、前記気体状還元剤を前記供給装置に供給させ、
    前記量が前記第1閾値以上ではない場合、前記液体状還元剤を前記供給装置に供給させる、
    請求項7に記載の還元剤供給装置。
  9. 前記判定部は、
    前記排ガス浄化材の上流側の排ガスの温度または前記排ガス浄化材自体の温度が予め定められた第2閾値未満であるか否かを判定し、
    前記制御部は、
    前記温度が前記第2閾値未満である場合、前記気体状還元剤を前記供給装置に供給させ、
    前記温度が前記第2閾値未満ではない場合、前記液体状還元剤を前記供給装置に供給させる、
    請求項7に記載の還元剤供給装置。
  10. 前記供給源は、
    前記液体状還元剤および前記気体状還元剤を別々に貯留しており、
    前記供給管は、
    第1遮断弁が設けられ、前記気体状還元剤が流れる第1供給管と、
    第2遮断弁が設けられ、前記液体状還元剤が流れる第2供給管と、を有し、
    前記制御部は、
    前記第1遮断弁を開状態に制御し、前記第2遮断弁を閉状態に制御することにより、前記気体状還元剤を前記第1供給管を介して前記供給装置に供給させ、
    前記第1遮断弁を閉状態に制御し、前記第2遮断弁を開状態に制御することにより、前記液体状還元剤を前記第2供給管を介して前記供給装置に供給させる、
    請求項7から9のいずれか1項に記載の還元剤供給装置。
  11. 前記液体状還元剤は、液体アンモニアであり、
    前記気体状還元剤は、気体アンモニアであり、
    前記排ガス浄化材は、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒である、
    請求項7から10のいずれか1項に記載の還元剤供給装置。
  12. 液体状還元剤および気体状還元剤のどちらでも取り出し可能な供給源と、
    排ガスが流れる排気管内において排ガス浄化材の上流側に還元剤を供給する供給装置と、
    前記供給源と前記供給装置とを接続し、前記液体状還元剤または前記気体状還元剤のいずれかが前記供給源から前記供給装置へと流れる供給管と、を備えたシステムにおいて用いられ、
    前記供給源内の前記気体状還元剤の量、前記排ガス浄化材の上流側の排ガスの温度、または前記排ガス浄化材自体の温度と、予め定められた閾値との比較を行い、
    前記比較の結果に基づいて、前記液体状還元剤または前記気体状還元剤のいずれかを前記供給管を介して前記供給装置に供給させる、
    還元剤供給制御方法。
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