JP2022043367A - 耳栓 - Google Patents
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Abstract
Description
1) 貫通孔を有し外耳道に挿着可能な本体部と、
前記貫通孔に一端側から移動可能に挿着された調整部と、を備え、
前記調整部は、
前記貫通孔に対する挿着位置に応じて、前記貫通孔の前記一端側と外部空間との連通及び非連通を選択的に制御する耳栓である。
図1は、耳栓51の外観を示す斜視図である。耳栓51は、本体部1及び本体部1に螺着した調整部2を有する。
図2は、本体部1への調整部2の螺着前の状態を示した縦断面図による組立図である。
基部12は、貫通孔121を有する円筒状に形成されている。貫通孔121は、内周面の少なくとも一端側の部分に、雌ねじが形成された雌ねじ部122を有する。
クッション部11は、スポンジで形成する場合は、基部12に対して嵌め合いで一体化し、熱可塑性エラストマで形成する場合は、基部12を樹脂として一体成形によって形成する。
調整部2は、樹脂又は金属で形成される。樹脂例はPC(ポリカーボネート)である。金属例はアルミニウムである。
摘み部21は指で摘む部位であり、外周面には、すべり止めのためのローレット21aが形成されている。
螺合部22は、外周面に雄ねじが形成された雄ねじ部221を有する。
雄ねじ部221は、本体部1における基部12の雌ねじ部122に螺合可能である。
調整部2の螺合部22は、先端面22aから、螺合部22の直径方向に延び軸線方向に幅da、深さL23で切り込まれた通気部としてのスリット部23を有する。螺合部22においてスリット部23の切り込まれる最奥の位置は、摘み部21の螺合部22側の面21bよりも螺合部22の先端面22a側にある。すなわち、図2に示されるように、スリット部23の深さL23は、先端面22aから面21bまでの距離L21よりも短い。この例では、さらに、深さL23は、螺合部22の長さL22よりも短い。
また、図2において、貫通孔121における雌ねじ部122両端部には、不完全ねじ部を除去するため、ねじが形成されてなく貫通孔121よりも内径が大きい逃げ部が示されている。
図4は、第1調整状態の耳栓51を外耳道Eaに装着した状態を示す縦断面図であり、図5は、第1調整状態の耳栓51を示す外観側面図である。
そのため、本体部1に調整部2が螺合して第1調整状態となっているとき、貫通孔121は、一端側が調整部2の螺合部22によって塞がれ、通気路が形成されない状態となっている。
従って、耳栓51の遮音は、第1調整状態で最大となる。
図6は、第2調整状態の耳栓51を外耳道Eaに装着した状態を示す縦断面図であり、図7は、第2調整状態の耳栓51を示す外観側面図である。
すなわち、図6に示されるように、外耳道Eaに装着された耳栓51は、第2調整状態において、基部12の貫通孔121及び貫通孔121に繋がった通気部として形成されたスリット部23によって、外部空間Vgと外耳道Ea内の空間である外耳道内空間Veとを連通する通気路Dが形成されている。
一方、通気路Dにおける外部空間Vgへの開口部23wの開口面積Sは、開口部23wが図7の紙面の表側と裏側の2ヶ所になることを考慮して、幅da×長さL×2として示される。
具体的には、開口面積Sは、調整部2を螺進させることで小さくなり、開口部23wが基部12に隠れた第1調整状態において最小値0(ゼロ)となる。
また、開口面積Sは、第2調整状態において、調整部2を螺退させることで大きくなる。
開口面積Sは、調整部2の螺退を規制する螺退規制構造を設けることで上限となる開口部23wの最大の長さLmax及び開口面積Sの最大の開口面積Smaxを設定できる。
螺退規制構造は、例えば基部12を2分割構造とすることで形成できる。
例えば、基部12を軸線を含む平面で2分割される構造にすると共に、2分割した基部を合わせて一体化したときに、調整部2を収容する収容部が袋状に形成されるものとする。そして、2分割した基部を、調整部2を収容部に収めるように合わせて一体化する。この場合、袋状の収容部が、調整部2の軸線方向の移動を規制する。
詳しくは、調整部2が、スリット部23の一部が開口部23wとして外部空間Vgに露出している状態で、スリット部23が貫通孔121に接続することにより、貫通孔121が外部空間Vgに連通するように制御される。
また、調整部2を、螺合部22が貫通孔121における奥側の領域にあるように挿着することで、スリット部23は貫通孔121と連通するも外部空間Vgとは非連通となり、貫通孔121が外部空間Vgに非連通となるように制御される。
ここで奥側の領域とは、調整部2のスリット部23が外部空間Vgと非連通で維持される領域を意味する。
開口面積Sが0(ゼロ)で音圧低減効果が最大となり、本体部1に対し、調整部2を軸方向における図2に示される矢印DRaとは逆の方向に退行させて開口面積Sを徐々に増加させて音圧の低減度合いを徐々に少なくする音量調整が可能である。
また、上述例のように、本体部1に対し調整部2を螺着させる構造とすることにより、調整部2の軸方向移動による開口面積Sの増減変化を、調整部2の螺進及び螺退で行うことができる。
そのため、調整部2の微少角度の回動による開口面積Sの微増減が可能であり、使用者が耳栓51を耳に装着した場合、使用者が聴取する外部音は、遮音された音圧低減状態において、さらに音量調整の微調整が容易である。
図8は、耳栓51の音圧低減特性の例を示すグラフであり、図9は、いくつかの周波数における音圧低減調整を説明するグラフである。
まず、外耳道Eaに相当する模型としてモデル外耳道を作成し、モデル外耳道内にマイクロフォンを設置する。また、モデル外耳道に対向する外部位置にスピーカを配置し、スピーカ及びモデル外耳道を遮音箱で覆って音響的に外部と遮断する。この状態で、スピーカから可聴周波数帯域の音をスイープ出力してマイクロフォンで収音し、周波数-音圧特性を得る。
また、モデル外耳道に耳栓51を装着した状態で、調整部2の本体部1に対する軸方向位置を段階的に変え、各段階で収音した周波数-音圧特性を耳栓特性Cと称する。
図8において、耳栓特性Cは、開口部23wが露出していない第1調整状態での特性が耳栓特性Cmとして実線で示され、開口部23wが、ある程度露出した第2調整状態での特性例が耳栓特性Cm1として鎖線で示されている。
一方、耳栓特性Cmにおいて、200Hzを超えた帯域では、周波数が高くなるほど音圧低減程度がより大きくなる。例えば、1kHz付近では、裸耳特性Cnに対し、約16dBの音圧低減が認められ、3kHz付近では、約35dBの音圧低減が認められる。
図8において、鎖線で示される耳栓特性Cm1は、調整部2を耳栓特性Cmが得られた位置から約4回転螺退させた位置での特性である。
調整部2をさらに回転して螺退させ、開口部23wの開口面積Sを増やすことで、耳栓特性Cm1からさらに裸耳特性Cnに近い特性に調整できる。
詳しくは、(a)は、400Hzにおける音圧変化特性Cma、(b)は800Hzにおける音圧変化特性Cmb、(c)は1.25kHzにおける音圧変化Cmcである。
すなわち、通気路Dの一部に吸音材31及び吸音材32のいずれかを設置してもよい。吸音材31,32は、周知の吸音材を用いることができ、例えばグラスウールである。
詳しくは、吸音材付加特性CA1は、吸音材31のみを設置した場合であり、吸音材付加特性CA2は、吸音材31及び吸音材32の両方を設置した場合である。
吸音材31を用いた場合、吸音材付加特性CA1に示されるように、裸耳特性Cnに対し、200Hz以下の低音域も含めて広い周波数帯域の音圧が約10dB低減される。
また、吸音材31と吸音材32とを併用した場合、吸音材付加特性CA2に示されるように、裸耳特性Cnに対し、200Hz以下の低音域を含めて広い周波数帯域の音圧が約33dB低減される。
吸音材31,32を用いた場合も、第1調整状態から、本体部1に対して調整部2を軸方向の図2における矢印DRaとは逆の方向に退行させることで、裸耳特性Cnに近づくように特性を調整可能である。
すなわち、耳栓51の使用者にとって、聴取する外部音の音量の調整幅が大きく微調整が容易である。
スリット部23及び溝部23Aの形成数及び幅や深さなどの形状は、限定されるものではなく、自由に設定してよい。異なる幅や深さの溝部23Aを複数形成してもよいし、スリット部23と溝部23Aを並設してもよい。
11 クッション部
12 基部
121 貫通孔
122 雌ねじ部
2,2A 調整部
21 摘み部
21a ローレット
21b 面
22,22A 螺合部
22a 先端面
221 雄ねじ部
23 スリット部(通気部)
23A 溝部
23w 開口部
51 耳栓
C 耳栓特性
CA1,CA2 吸音材付加特性
Cn 裸耳特性
da 幅
Ea 外耳道
D 通気路
L21 距離
L,L22,Lmax 長さ
L23 深さ
S,Smax 開口面積
Ve 外耳道内空間
Vg 外部空間
Claims (5)
- 貫通孔を有し外耳道に挿着可能な本体部と、
前記貫通孔に一端側から移動可能に挿着された調整部と、を備え、
前記調整部は、
前記貫通孔に対する挿着位置に応じて、前記貫通孔の前記一端側と外部空間との連通及び非連通を選択的に制御する耳栓。 - 前記調整部は、
前記貫通孔に対する第1の挿着位置において前記貫通孔の前記一端側と前記外部空間とを接続する通気部を有し、
前記通気部は、前記貫通孔に対する前記第1の挿着位置よりも前記貫通孔の一端側に近い第2の挿着位置において、前記本体部に覆われて前記外部空間に連通しないことを特徴とする請求項1記載の耳栓。 - 前記貫通孔に対する前記調整部の挿着位置に応じて、前記通気部における前記外部空間と連通する開口部の面積が変わることを特徴とする請求項2記載の耳栓。
- 前記貫通孔及び前記通気部の少なくとも一方に吸音材を有することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の耳栓。
- 前記調整部は、前記貫通孔に対し螺合して移動可能とされていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の耳栓。
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