JP2022039974A - 遮断器の端子カバー、学習装置、および推論装置 - Google Patents

遮断器の端子カバー、学習装置、および推論装置 Download PDF

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Abstract

【課題】異常が発生したことを精度よく検出することができる遮断器の端子カバーを得ること。【解決手段】遮断器の端子カバー3は、分電盤または配電盤の内部である盤内に配置される遮断器の端子カバーであって、受信部15と、電流センサ111,112,113と、内部センサ131,132,133と、算出部40と、判定部41とを備える。受信部15は、端子カバー3を含む遮断器の外部に配置され盤内の環境状態を計測する外部センサ9の計測結果を受信する。算出部40は、受信部15で受信された外部センサ9の計測結果と電流センサ111,112,113で検出された電流の値とに基づいて、下限値および上限値の少なくとも一方を算出する。判定部41は、内部センサ131,132,133の計測結果が下限値から上限値までの範囲外である場合に、異常があると判定する。【選択図】図5

Description

本開示は、分電盤または配電盤などの内部である盤内に配置される遮断器の端子カバー、学習装置、および推論装置に関する。
従来、分電盤または配電盤の内部などの盤内には、例えば、温度、湿度、または振動などの環境状態を計測する計測器が設置されている。かかる計測器は、通常、盤内の空いたスペースで、できるだけ計測対象に近い位置に設置されることが多い。
盤内での計測対象として、電線を締結しているネジ緩みによる発熱、またはネジ緩みの原因となる振動を検出することなどを目的として、大電流が流れる遮断器の接続端子と電線との接続部分があるが、かかる接続部分は計測器を簡単に取り付けられる形状を有していない。しかも、遮断器は、一般に、感電保護の目的で、接続端子の接続部分をカバーする端子カバーを有しているため、遮断器の端子部分の近くに計測器を配置することができない場合がある。
特許文献1には、遮断器の端子部分を覆うように遮断器に取り付けられ、電圧、電流、および電力を計測する機能に加え、温度、湿度、または振動などの環境状態を計測することができる小型接続システムが開示されている。
特表2014-533080号公報
上記特許文献1に記載の小型接続システムは、遮断器の端子部分を覆うように遮断器に取り付けられるため、遮断器の接続端子と電線との接続部分に近い位置で温度、湿度、または振動などの環境状態を計測することができる。
しかしながら、特許文献1には、計測結果から異常が発生したことを小型接続システムが検出することは記載されていない。遮断器が配置される分電盤または配電盤は、屋外に設置されるような場合、夏場の昼であれば直射日光に晒されて内部の温度が高温となる。このような場合、予め設定された温度上限値を異常判定の基準とすると、異常が発生していないのにもかかわらず、異常が発生したと誤判定してしまう可能性がある。このことは、温度に限らず、振動、湿度、またはガス濃度などについても同様である。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、異常が発生したことを精度よく検出することができる遮断器の端子カバーを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示の遮断器の端子カバーは、分電盤または配電盤の内部である盤内に配置される遮断器の端子カバーであって、受信部と、電流センサと、内部センサと、算出部と、判定部とを備える。受信部は、端子カバーを含む遮断器の外部に配置され盤内の環境状態を計測する外部センサの計測結果を受信する。電流センサは、遮断器に設けられた接続端子に接続される電線に流れる電流を検出する。内部センサは、接続端子と電線との接続部分の環境状態または接続部分に対応する位置の環境状態を計測する。算出部は、受信部で受信された外部センサの計測結果と電流センサで検出された電流の値とに基づいて、下限値および上限値の少なくとも一方を算出する。判定部は、内部センサの計測結果が下限値から上限値までの範囲外である場合に、異常があると判定する。
本開示によれば、異常が発生したことを精度よく検出することができる、という効果を奏する。
実施の形態1にかかる分電盤または配電盤などの内部に配置される遮断器の一例を示す図 実施の形態1にかかる遮断器の構成の一例を示す分解斜視図 実施の形態1にかかる遮断器の平面図 図3に示すIV-IV線に沿った断面図 実施の形態1にかかる端子カバーの機能ブロックの一例を示す図 実施の形態1にかかる盤内温度と端子温度と通電電流との関係を示す図 実施の形態1にかかる端子カバーに配置された基板における各感磁素子および各内部センサの配置を示す図 実施の形態1にかかる端子カバーのハードウェア構成の一例を示す図 実施の形態1にかかる処理部の機能ブロック図 実施の形態1にかかる端子カバーの異常判定部による処理の一例を示すフローチャート 実施の形態2にかかる端子カバーの機能ブロックの一例を示す図 実施の形態2にかかる盤内ガス濃度と端子部ガス濃度と通電電流との関係を示す図 実施の形態2にかかる処理部の機能ブロック図 実施の形態2にかかる端子カバーの異常判定部による処理の一例を示すフローチャート 実施の形態3にかかる遮断器における端子カバーの機能ブロックの一例を示す図 実施の形態3にかかる盤内振動値と端子部振動値と通電電流との関係を示す図 実施の形態3にかかる処理部の機能ブロック図 実施の形態3にかかる端子カバーの異常判定部による処理の一例を示すフローチャート 実施の形態4にかかる遮断器システムの構成例を示す図 実施の形態4にかかる学習装置の機能ブロック図 実施の形態4にかかるニューラルネットワークの一例を示す図 実施の形態4にかかる学習装置による学習処理の一例を示すフローチャート 実施の形態4にかかる推論部の機能ブロックの一例を示す図 実施の形態4にかかる推論部による異常判定処理の一例を示すフローチャート
以下に、実施の形態にかかる遮断器の端子カバー、学習装置、および推論装置を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる分電盤または配電盤などの内部に配置される遮断器の一例を示す図である。図1に示すように、分電盤または配電盤などの内部である盤内100には、複数の遮断器1と、外部センサ9とが配置される。外部センサ9は、遮断器1の外部に配置され、盤内100の環境状態として盤内100の温度である盤内温度Taを計測する。外部センサ9は、盤内100の平均的な温度が計測できる位置に配置されるが、検出する温度が盤内100の平均的な温度の変化に応じて変化する位置に配置されてもよい。
図2は、実施の形態1にかかる遮断器の構成の一例を示す分解斜視図である。図3は、実施の形態1にかかる遮断器の平面図である。図4は、図3に示すIV-IV線に沿った断面図である。なお、図2~図4を含む複数の図面には、説明の便宜上、XYZ軸の座標を付しており、以下においては、Z軸方向を上下方向とし、X軸方向を左右方向とし、Y軸方向を前後方向とする。
図2に示す遮断器1は、遮断器本体2と、端子カバー3とを備える。遮断器本体2は、不図示の電源装置と不図示の負荷装置との間に設けられ、電源装置と負荷装置との間の電路に流れる電流が予め設定された条件を満たす場合に、電源装置と負荷装置との間の電路を遮断する。
例えば、遮断器本体2は、遮断器1が配線用遮断器である場合、電路に過電流または短絡電流が流れたときに電路を閉状態から開状態にする。また、遮断器本体2は、遮断器1が漏電遮断器である場合、電路に過電流、短絡電流、または漏洩電流が流れたときに電路を閉状態から開状態にする。
遮断器本体2は、接続端子7,7,7を備える。かかる接続端子7,7,7は、一端が電源装置に接続される電線6,6,6の他端にネジによって締結されることで電線6,6,6に接続される。電線6には、U相の電流が流れ、電線6には、V相の電流が流れ、電線6には、W相の電流が流れる。以下、接続端子7,7,7の各々を個別に区別せずに示す場合、接続端子7と記載する場合があり、電線6,6,6の各々を個別に区別せずに示す場合、電線6と記載する場合がある。なお、遮断器本体2は、接続端子7に対する電線6の接続を、ネジに代えて、圧着端子によって行われる構成であってもよい。
端子カバー3は、例えば、遮断器本体2にワンタッチで取り付け可能な形状を有しており、遮断器本体2に着脱可能に取り付けられる。端子カバー3は、遮断器本体2の接続端子7,7,7を覆う機能に加えて、電流、電圧、および電力量などを計測する機能と、温度を計測する機能とを有する。かかる端子カバー3は、計測機能付き端子カバーまたは端子カバー型計測ユニットと呼ぶこともできる。
図5は、実施の形態1にかかる端子カバーの機能ブロックの一例を示す図である。図5に示すように、端子カバー3は、電流センサ11,11,11と、電圧センサ12,12,12と、内部センサ13,13,13と、計量部14と、受信部15と、異常判定部16と、警報出力部17と、記憶部20とを備える。
電流センサ11は、電線6に流れる電流の瞬時値である電流値Ic1を検出する。電流センサ11は、電線6に流れる電流の瞬時値である電流値Ic2を検出する。電流センサ11は、電線6に流れる電流の瞬時値である電流値Ic3を検出する。以下、電流センサ11,11,11の各々を個別に区別せずに示す場合、電流センサ11と記載する場合があり、電流値Ic1,Ic2,Ic3の各々を個別に区別せずに示す場合、電流値Icと記載する場合がある。
電圧センサ12は、電線6の電圧の瞬時値である電圧値Vc1を検出する。電圧センサ12は、電線6の電圧の瞬時値である電圧値Vc2を検出する。電圧センサ12は、電線6の電圧の瞬時値である電圧値Vc3を検出する。以下、電圧センサ12,12,12の各々を個別に区別せずに示す場合、電圧センサ12と記載する場合がある。電圧センサ12は、遮断器本体2に端子カバー3が取り付けられた場合に、遮断器本体2の接続端子7と電線6との接続部分にバネ接触するピンを有しており、かかるピンの電圧を電線6の電圧として検出する。
内部センサ13,13,13は、温度センサである。内部センサ13は、電線6と接続端子7との接続部分に対応する位置に配置され、電線6と接続端子7との接続部分の温度である端子温度Tn1を検出する。内部センサ13は、電線6と接続端子7との接続部分に対応する位置に配置され、電線6と接続端子7との接続部分の温度である端子温度Tn2を検出する。
内部センサ13は、電線6と接続端子7との接続部分に対応する位置に配置され、電線6と接続端子7との接続部分の温度である端子温度Tn3を検出する。以下、内部センサ13,13,13の各々を個別に区別せずに示す場合、内部センサ13と記載する場合がある。また、端子温度Tn1,Tn2,Tn3の各々を個別に区別せずに示す場合、端子温度Tnと記載する場合がある。
内部センサ13は、熱放射量などから温度を検出する非接触式の温度センサであるが、熱電対などを用いる接触式の温度センサであってもよい。内部センサ13が接触式の温度センサである場合、電線6と接続端子7との接続部分の温度の変化に対応して変化する領域の温度に基づいて、電線6と接続端子7との接続部分の温度を検出するが、電線6と接続端子7との接続部分に直接接触して、電線6と接続端子7との接続部分の温度を検出する構成であってもよい。
計量部14は、電流センサ11,11,11によって検出された電流値Ic1,Ic2,Ic3と、電圧センサ12,12,12によって検出された電圧値Vc1,Vc2,Vc3とに基づいて、電流実効値、電圧実効値、漏洩電流値、電力、および電力量などを算出する。計量部14は、例えば、電流値Ic1,Ic2,Ic3と電圧値Vc1,Vc2,Vc3とに基づくベクトル演算によって、電力および電力量などを算出することができる。端子カバー3は、不図示の表示部を備えており、かかる表示部には計量部14による算出結果などが表示される。
受信部15は、外部センサ9から出力される盤内温度Taを示す情報を受信し、受信した情報を異常判定部16へ出力する。異常判定部16は、電流センサ11,11,11によって検出された電流値Ic1,Ic2,Ic3と、内部センサ13,13,13によって検出された端子温度Tn1,Tn2,Tn3と、受信部15から出力される盤内温度Taとに基づいて、温度の異常を検出する。以下、温度の異常を温度異常と記載する。
図6は、実施の形態1にかかる盤内温度と端子温度と通電電流との関係を示す図である。図6において、縦軸は温度または電流値を示し、横軸は時間を示す。通電電流は、電線6に流れる電流である。通電電流の値である電流値Icがゼロである場合、端子温度Tnは、盤内温度Taとほぼ変わらない値であり、盤内温度Taによって変化する。
電流値Icが大きくなると、端子温度Tnも高くなる。これは、電線6と接続端子7との間の接触抵抗によって電線6と接続端子7との接続部分が発熱するからである。このように、端子温度Tnは、電流値Icおよび盤内温度Taの変化によって変化するが、電線6と接続端子7との間の接触抵抗などが既知であれば、電流値Icおよび盤内温度Taに基づいて、内部センサ13で検出される端子温度Tnの正常範囲を予測することができる。
電線6と接続端子7とが正常に接続されている場合、内部センサ13で検出される端子温度Tnは正常範囲になるが、電線6と接続端子7との間の接触不良などによって電線6と接続端子7との間の接触抵抗が高くなると、内部センサ13で検出される端子温度Tnが正常範囲外になる。したがって、端子温度Tnの正常範囲を予測することで、電線6と接続端子7との間の接触不良などによる温度異常を判定することができる。
図5に示す異常判定部16は、電流値Icと端子温度Tnとの相関関係から、温度異常があるか否かを判定する。かかる異常判定部16は、算出部40と、判定部41とを備える。算出部40は、電流値Icおよび盤内温度Taに基づいて、温度上限値Tmaxと温度下限値Tminとを算出する。温度上限値Tmaxは、端子温度Tnの上限値である。温度下限値Tminは、端子温度Tnの下限値である。算出部40で算出される温度上限値Tmaxから温度下限値Tminまでの範囲が端子温度Tnの正常範囲である。そして、判定部41は、端子温度Tnが算出部40で算出された正常範囲外である場合に、温度異常が発生したと判定する。これにより、異常判定部16は、温度異常を精度よく判定することができる。
また、端子温度Tnは、遮断器1の種別と電線6の線径によって変わる場合がある。この場合、異常判定部16の算出部40は、電流値Icおよび盤内温度Taに加え、さらに遮断器1の種別と電線6の線径に基づいて、温度上限値Tmaxと温度下限値Tminとを算出する。
これにより、端子温度Tnが遮断器1の種別と電線6の線径によって変わる場合において、温度上限値Tmaxと温度下限値Tminとを精度よく算出することができる。なお、遮断器1の種別は、例えば、遮断器1の機能、サイズ、形状、および定格などのうちの1以上によって分類される。また、記憶部20には、遮断器1の種別を示す種別情報と電線6の線径を示す線径情報が記憶されており、算出部40は、記憶部20から種別情報と線径情報を読み出し、読み出した種別情報と線径情報とに基づいて、温度上限値Tmaxと温度下限値Tminとを算出する。以下、以下において、遮断器1の種別を遮断器種別Braと記載し、電線6の線径を線径φaと記載する場合がある。
図5に示す警報出力部17は、異常判定部16によって温度異常が検出された場合、温度異常が発生したことを示す警報を出力する。警報出力部17は、例えば、警報音を発するブザーである。なお、警報出力部17は、ブザーに限定されず、例えば、警報内容をスピーカから出力する警報部であってもよく、警報表示を行う表示部であってもよい。
以下、端子カバー3の構成についてさらに詳細に説明する。図4に示すように、端子カバー3は、3相の電線6,6,6を個別に覆う形状を有している。また、端子カバー3は、図4に示すように、複数のセンサが搭載された基板10を備える。基板10は、端子カバー3における筐体4の形状に合わせた形状を有している。なお、図4では、基板10に搭載された電気回路は図示していない。
図7は、実施の形態1にかかる端子カバーに配置された基板における各感磁素子および各内部センサの配置を示す図である。図7に示すように、基板10には、内部センサ13,13,13と、感磁素子18,18,18,18,19,19,19,19とが配置される。基板10は、電線6,6,6の延伸方向であるY軸方向に直交する面であるXZ軸平面に沿って配置される。
感磁素子18,18,18,18は、電線6の周囲に配置され、電線6に流れる電流によって生じる磁界を検出する。感磁素子18,18は、例えば、互いの感度軸が平行且つ逆向きであり、感磁素子18,18は、例えば、互いの感度軸が平行且つ逆向きである。感磁素子19,19,19,19は、電線6の周囲に配置され、電線6に流れる電流によって生じる磁界を検出する。感磁素子19,19は、例えば、互いの感度軸が平行且つ逆向きであり、感磁素子19,19は、例えば、互いの感度軸が平行且つ逆向きである。
感磁素子18,18,18,18,19,19,19,19は、GMR(Giant Magneto Resistance)素子またはTMR(Tunnel Magneto Resistance)素子などの磁気抵抗効果素子、またはホール素子などである。なお、感磁素子18,18,18,18,19,19,19,19は、磁界を検出することができればよく、磁気抵抗効果素子またはホール素子に限定されない。
内部センサ13,13,13は、端子カバー3の内部に配置され、盤内100の環境状態として、端子温度Tn1,Tn2,Tn3を検出する。端子カバー3の筐体4には、不図示の複数の開口が形成されている。内部センサ13は、遮断器本体2に端子カバー3が取り付けられた状態において、筐体4に形成された不図示の開口を介して電線6に上下方向で対向する位置に配置される。
また、内部センサ13は、遮断器本体2に端子カバー3が取り付けられた状態において、筐体4に形成された不図示の開口を介して電線6に上下方向で対向する位置に配置される。内部センサ13は、遮断器本体2に端子カバー3が取り付けられた状態において、筐体4に形成された不図示の開口を介して電線6に上下方向で対向する位置に配置される。
図8は、実施の形態1にかかる端子カバーのハードウェア構成の一例を示す図である。図8に示すように、端子カバー3は、上述した内部センサ13,13,13および感磁素子18,18,18,18,19,19,19,19に加え、マイクロコンピュータ50を備える。なお、図8では、電圧センサ12,12,12は図示されていない。
マイクロコンピュータ50は、受信部15と、警報出力部17と、AD(Analog-to-Digital)変換器51と、処理部22とを備える。AD変換器51は、感磁素子18,18,18,18,19,19,19,19および内部センサ13,13,13の各々から出力される計測値を示すアナログ信号をデジタル信号へ変換する。また、AD変換器51は、電圧センサ12,12,12の各々から出力される計測値を示すアナログ信号をデジタル信号へ変換する。
処理部22は、プロセッサ52およびメモリ53を備え、プロセッサ52とメモリ53とはバス54によって接続される。また、プロセッサ52は、受信部15および警報出力部17の各々とバス54によって接続される。プロセッサ52は、例えば、処理回路の一例であり、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、およびシステムLSI(Large Scale Integration)のうち一つ以上を含む。
メモリ53は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、およびEEPROM(登録商標)(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)のうち一つ以上を含む。また、メモリ53は、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録された記録媒体を含む。かかる記録媒体は、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルメモリ、光ディスク、コンパクトディスク、およびDVD(Digital Versatile Disc)のうち一つ以上を含む。なお、端子カバー3は、マイクロコンピュータ50に加えてまたは代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路を含んでいてもよい。
図9は、実施の形態1にかかる処理部の機能ブロック図である。図9に示すように、処理部22は、第1の電流値算出部31と、第2の電流値算出部32と、第3の電流値算出部33と、計量部14と、異常判定部16とを備える。図8に示すプロセッサ52は、図8に示すメモリ53に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、第1の電流値算出部31、第2の電流値算出部32、第3の電流値算出部33、計量部14、および異常判定部16などの機能を実行する。
第1の電流値算出部31は、感磁素子18,18,18,18から出力される計測値に基づいて、電線6に流れる電流の値である電流値Ic1を算出する。例えば、第1の電流値算出部31は、感磁素子18,18,18,18ら出力される計測値を合算し、合算した結果に係数を掛け合わせることによって、電流値Ic1を算出する。図9に示す例では、図5に示す電流センサ11は、感磁素子18,18,18,18、第1の電流値算出部31、およびAD変換器51の一部を含む構成である。なお、電流センサ11における感磁素子の数は、4つに限定されず、3つ以下であってもよく、5つ以上であってもよい。
第3の電流値算出部33は、感磁素子19,19,19,19から出力される計測値に基づいて、電線6に流れる電流の値である電流値Ic3を算出する。例えば、第3の電流値算出部33は、感磁素子19,19,19,19から出力される計測値を合算し、合算した結果に係数を掛け合わせることによって、電流値Ic3を算出する。図9に示す例では、図5に示す電流センサ11は、感磁素子19,19,19,19、第3の電流値算出部33、およびAD変換器51の一部を含む構成である。なお、電流センサ11における感磁素子の数は、4つに限定されず、3つ以下であってもよく、5つ以上であってもよい。
第2の電流値算出部32は、第1の電流値算出部31によって算出された電流値Ic1と第3の電流値算出部33によって算出された電流値Ic3に基づいて、電線6に流れる電流の値である電流値Ic2を算出する。図9に示す例では、図5に示す電流センサ11は、第2の電流値算出部32によって構成される。
このように、電流センサ11,11,11は、感磁素子18,18,18,18,19,19,19,19などのコアレスセンサの計測値に基づいて電流値Ic1,Ic2,Ic3を算出する。そのため、遮断器1では、端子カバー3を遮断器本体2にワンタッチで取り付け可能に構成することができる。
算出部40は、第1の電流値算出部31、第2の電流値算出部32、および第3の電流値算出部33から電流値Ic1,Ic2,Ic3を取得する。また、算出部40は、電線6の線径φaを示す線径情報と、遮断器1の種別である遮断器種別Braを示す種別情報と、後述する関数Tmax(Ic)および関数Tmin(Ic)を示す関数情報とを取得する。線径情報、種別情報、および関数情報は、記憶部20に記憶されており、算出部40は、記憶部20から線径情報、種別情報、および関数情報を読み出して取得する。記憶部20に記憶される線径情報および種別情報は、例えば、遮断器1の製造者、設置者、または使用者などによって遮断器1に設定される。なお、線径情報および種別情報は、例えば、端子カバー3の不図示の検出部によって検出されて記憶部20によって記憶されてもよい。
算出部40は、電流値Ic1,Ic2,Ic3と、盤内温度Taと、線径情報と、種別情報とに基づいて、電流値Ic1,Ic2,Ic3毎に、下記式(1)に示す関数Tmax(Ic)と下記式(2)に示す関数Tmin(Ic)の演算を行う。下記式(1),(2)において、A1,A2,B1,B2,C1,C2は、係数である。関数Tmax(Ic)に電流値Icと盤内温度Taとを代入して得られる結果が、温度上限値Tmaxであり、関数Tmin(Ic)に電流値Icと盤内温度Taとを代入して得られる結果が、温度下限値Tminである。
Tmax(Ic)=A1×Ic+B1×Ic+C1+Ta ・・・(1)
Tmin(Ic)=A2×Ic+B2×Ic+C2+Ta ・・・(2)
上記式(1),(2)に示す係数A1,A2,B1,B2,C1,C2の値は、線径と遮断器種別との複数の組み合わせの各々に対応して記憶部20に記憶されている。算出部40は、記憶部20に記憶されている線径と遮断器種別との複数の組み合わせのうち記憶部20に記憶されている線径情報および種別情報と合致する組み合わせに対応する係数A1,A2,B1,B2,C1,C2に基づいて、関数Tmax(Ic)と関数Tmin(Ic)の演算を行う。なお、記憶部20には、線径φaおよび遮断器種別Braに対応する係数A1,A2,B1,B2,C1,C2以外は記憶されていなくてもよい。
算出部40は、上記式(1),(2)に基づいて、電流値Ic1,Ic2,Ic3の各々について、温度上限値Tmaxおよび温度下限値Tminを算出する。以下、電流値Ic1についての温度上限値Tmaxおよび温度下限値Tminを温度上限値T1maxおよび温度下限値T1minと記載する場合がある。また、電流値Ic2についての温度上限値Tmaxおよび温度下限値Tminを温度上限値T2maxおよび温度下限値T2minと記載する場合がある。また、電流値Ic3についての温度上限値Tmaxおよび温度下限値Tminを温度上限値T3maxおよび温度下限値T3minと記載する場合がある。
判定部41は、内部センサ13,13,13から出力される計測値に基づいて、接続端子7と電線6との接続部分の温度異常を検出する。具体的には、判定部41は、端子温度Tnが温度下限値Tmin以上且つ温度上限値Tmax以下である場合、接続端子7と電線6との接続部分の温度が正常であると判定する。判定部41は、端子温度Tnが温度下限値Tmin未満且つ温度上限値Tmax超である場合、接続端子7と電線6との接続部分の温度が異常であると判定する。
例えば、判定部41は、端子温度Tn1が温度下限値T1min以上且つ温度上限値T1max以下である場合、接続端子7と電線6との接続部分の温度が正常であると判定する。判定部41は、端子温度Tn1が温度下限値T1min未満且つ温度上限値T1max超である場合、接続端子7と電線6との接続部分の温度が異常であると判定する。
また、判定部41は、端子温度Tn2が温度下限値T2min以上且つ温度上限値T2max以下である場合、接続端子7と電線6との接続部分の温度が正常であると判定する。判定部41は、端子温度Tn2が温度下限値T2min未満且つ温度上限値T2max超である場合、接続端子7と電線6との接続部分の温度が異常であると判定する。
また、判定部41は、端子温度Tn3が温度下限値T3min以上且つ温度上限値T3max以下である場合、接続端子7と電線6との接続部分の温度が正常であると判定する。判定部41は、端子温度Tn3が温度下限値T3min未満且つ温度上限値T3max超である場合、接続端子7と電線6との接続部分の温度が異常であると判定する。
つづいて、フローチャートを用いて端子カバー3の異常判定部16による処理を説明する。図10は、実施の形態1にかかる端子カバーの異常判定部による処理の一例を示すフローチャートである。
図10に示すように、異常判定部16は、電流値Ic、盤内温度Ta、および端子温度Tnを取得する(ステップS10)。また、異常判定部16は、線径φaを示す線径情報および遮断器種別Braを示す種別情報を取得する(ステップS11)。異常判定部16は、ステップS10で取得した電流値Icおよび盤内温度Taと、ステップS11で取得した線径情報および種別情報で示される線径φaおよび遮断器種別Braとに基づいて、関数Tmax(Ic)と関数Tmin(Ic)の演算を行って、温度上限値Tmaxおよび温度下限値Tminを算出する(ステップS12)。
異常判定部16は、ステップS10で取得した端子温度Tnが温度下限値Tmin以上且つ温度上限値Tmax以下であるかを判定する(ステップS13)。異常判定部16は、端子温度Tnが温度下限値Tmin以上且つ温度上限値Tmax以下であると判定した場合(ステップS13:Yes)、温度異常が発生していないと判定する(ステップS14)。また、異常判定部16は、端子温度Tnが温度下限値Tmin未満または温度上限値Tmax超であると判定した場合(ステップS13:No)、温度異常が発生していると判定する(ステップS15)。異常判定部16は、ステップS14の処理またはステップS15の処理が終了した場合、図10に示す処理を終了する。
以上のように、実施の形態1にかかる遮断器1の端子カバー3は、分電盤または配電盤の内部である盤内100に配置される遮断器の端子カバーであって、受信部15と、電流センサ11と、内部センサ13と、算出部40と、判定部41とを備える。受信部15は、端子カバー3を含む遮断器1の外部に配置され盤内100の環境状態を計測する外部センサ9の計測結果を受信する。外部センサ9は、盤内100の温度を計測する温度センサである。電流センサ11は、遮断器1に設けられた接続端子7に接続される電線6に流れる電流を検出する。内部センサ13は、接続端子7と電線6との接続部分の環境状態または接続部分に対応する位置の環境状態として、接続端子7と電線6との接続部分の温度または接続部分に対応する位置の温度を計測する。算出部40は、受信部15で受信された外部センサ9の計測結果と電流センサ11で検出された電流の値である電流値Icとに基づいて、温度下限値Tminと温度上限値Tmaxとを算出する。判定部41は、内部センサ13の計測結果が温度下限値Tminから温度上限値Tmaxまでの範囲外である場合に、異常があると判定する。これにより、遮断器1は、接続端子7と電線6との接続部分の温度異常が発生したことを検出することができる。なお、算出部40は、温度下限値Tminおよび温度上限値Tmaxの一方だけを算出する構成であってもよく、この場合、温度下限値Tminおよび温度上限値Tmaxの他方は、固定値である。
また、算出部40は、電線6の線径φaと遮断器1の種別である遮断器種別Braとに基づいて決定される関数Tmax(Ic)と関数Tmin(Ic)に受信部15で受信された外部センサ9の計測値と電流センサ11で検出された電流の値である電流値Icを代入することによって、温度下限値Tminと温度上限値Tmaxとを算出する。これにより、遮断器1は、接続端子7と電線6との接続部分の温度異常が発生したことを精度よく検出することができる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる遮断器の端子カバーは、温度異常に代えて、ガスの濃度の異常を検出する点で、実施の形態1にかかる遮断器1の端子カバー3と異なる。なお、実施の形態2にかかる遮断器の遮断器本体は、実施の形態1にかかる遮断器1の遮断器本体2と同じである。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1にかかる遮断器1の端子カバー3と異なる点を中心に説明する。なお、以下において、ガスの濃度の異常をガス濃度の異常またはガス濃度異常と記載する場合がある。
図11は、実施の形態2にかかる端子カバーの機能ブロックの一例を示す図である。図11に示すように、実施の形態2にかかる遮断器1Aの端子カバー3Aは、内部センサ13,13,13、受信部15、異常判定部16、および記憶部20に代えて、内部センサ13A,13A,13A、受信部15A、異常判定部16A、および記憶部20Aを備える点で、端子カバー3と異なる。
内部センサ13A,13A,13Aは、ガスの濃度を計測するガスセンサである。内部センサ13Aは、内部センサ13と同様の位置に配置されており、検出したガスの濃度を端子部ガス濃度Dn1として出力する。内部センサ13Aは、内部センサ13と同様の位置に配置されており、検出したガスの濃度を端子部ガス濃度Dn2として出力する。内部センサ13Aは、内部センサ13と同様の位置に配置されており、検出したガスの濃度を端子部ガス濃度Dn3として出力する。以下、内部センサ13A,13A,13Aの各々を個別に区別せずに示す場合、内部センサ13Aと記載する場合があり、端子部ガス濃度Dn1,Dn2,Dn3の各々を個別に区別せずに示す場合、端子部ガス濃度Dnと記載する場合がある。
受信部15Aは、外部センサ9Aから出力される情報を受信し、受信した情報を異常判定部16Aへ出力する。外部センサ9Aは、盤内100におけるガスの濃度を示す盤内ガス濃度Daを検出し、検出した盤内ガス濃度Daを示す情報を受信部15Aへ送信する。受信部15Aは、外部センサ9Aから送信される盤内ガス濃度Daを示す情報を受信し、受信した情報を異常判定部16Aへ出力する。なお、外部センサ9Aは、盤内100の平均的なガスの濃度が計測できる位置に配置されるが、検出するガスの濃度が盤内100の平均的なガスの濃度の変化に応じて変化する位置に配置されてもよい。
異常判定部16Aは、電流センサ11,11,11によって検出された電流値Ic1,Ic2,Ic3と、内部センサ13A,13A,13Aによって検出された端子部ガス濃度Dn1,Dn2,Dn3と、受信部15Aから出力される盤内ガス濃度Daを示す情報とに基づいて、ガス濃度上昇の異常を検出する。
図12は、実施の形態2にかかる盤内ガス濃度と端子部ガス濃度と通電電流との関係を示す図である。図12において、縦軸はガス濃度または電流値を示し、横軸は時間を示す。通電電流は、電線6に流れる電流である。通電電流の値である電流値Icがゼロである場合、端子部ガス濃度Dnは、盤内ガス濃度Daとほぼ変わらない値であり、盤内ガス濃度Daによって変化する。
電流値Icが大きくなると、端子部ガス濃度Dnも高くなる。これは、電線6と接続端子7との間の接触抵抗によって電線6と接続端子7との接続部分の発熱により電線6の被膜が熱せられることによってガスが発生するからである。このように、端子部ガス濃度Dnは、電流値Icおよび盤内ガス濃度Daの変化によって変化するが、電流値Icと電線6の被膜が発生するガスの濃度との関係が既知である場合、内部センサ13Aで検出される端子部ガス濃度Dnの正常範囲を予測することができる。
電線6と接続端子7とが正常に接続されている場合、内部センサ13Aで検出される端子部ガス濃度Dnは正常範囲になるが、電線6と接続端子7との間の接触不良などによって電線6と接続端子7との間の接触抵抗が高くなると、内部センサ13Aで検出される端子部ガス濃度Dnが正常範囲外になる。したがって、端子部ガス濃度Dnの正常範囲を予測することで、電線6と接続端子7との間の接触不良などによって生じるガス濃度の異常を判定することができる。
図11に示す異常判定部16Aは、電流値Icと端子部ガス濃度Dnとの相関関係から、ガス濃度の異常があるか否かを判定する。かかる異常判定部16Aは、算出部40Aと、判定部41Aとを備える。算出部40Aは、電流値Icおよび盤内ガス濃度Daに基づいて、端子部ガス濃度Dnの上限値と下限値とを算出する。算出部40Aで算出される上限値から下限値までの範囲が端子部ガス濃度Dnの正常範囲である。そして、判定部41Aは、端子部ガス濃度Dnが算出部40Aで算出された上限値から下限値までの範囲内にない場合に、ガス濃度の異常が発生したと判定する。これにより、異常判定部16Aは、ガス濃度の異常を精度よく判定することができる。
また、端子部ガス濃度Dnは、電線6の線径φaと電線6の被膜種別とによって変わる場合がある。この場合、異常判定部16Aの算出部40Aは、電流値Icおよび盤内ガス濃度Daに加え、さらに電線6の線径φaと電線6の被膜種別とに基づいて、端子部ガス濃度Dnの上限値と下限値とを算出する。
これにより、端子部ガス濃度Dnが電線6の線径φaと電線6の被膜種別とによって変わる場合において、端子部ガス濃度Dnの上限値と下限値とを精度よく算出することができる。以下において、電線6の被膜種別を被膜種別Caと記載する場合がある。なお、記憶部20Aには、電線6の線径φaを示す線径情報と電線6の被膜種別Caを示す被膜情報が記憶されており、算出部40Aは、記憶部20Aから線径情報と被膜情報とを読み出し、読み出した線径情報と被膜情報とに基づいて、端子部ガス濃度Dnの上限値と下限値とを算出する。
ここで、算出部40Aおよび判定部41Aの具体的な処理の一例を説明する。算出部40Aは、第1の電流値算出部31、第2の電流値算出部32、および第3の電流値算出部33から電流値Ic1,Ic2,Ic3を取得する。また、算出部40Aは、線径φaを示す線径情報と、被膜種別Caを示す被膜情報と、後述する関数Dmax(Ic)および関数Dmin(Ic)を示す関数情報とを取得する。
線径情報、被膜情報、および関数情報は、記憶部20Aに記憶されており、算出部40Aは、記憶部20Aから線径情報、被膜情報、および関数情報を読み出して取得する。記憶部20Aに記憶される線径情報および被膜情報は、例えば、遮断器1Aの製造者、設置者、または使用者などによって遮断器1Aに設定される。なお、線径情報および被膜情報は、例えば、端子カバー3Aの不図示の検出部によって検出されて記憶部20Aによって記憶されてもよい。
算出部40Aは、電流値Ic1,Ic2,Ic3と、盤内ガス濃度Daと、線径情報と、被膜情報とに基づいて、電流値Ic1,Ic2,Ic3毎に、下記式(3)に示す関数Dmax(Ic)と下記式(4)に示す関数Dmin(Ic)の演算を行う。下記式(3),(4)において、A3,A4,B3,B4,C3,C4は、係数である。関数Dmax(Ic)に電流値Icと盤内ガス濃度Daとを代入して得られる結果が、ガス濃度上限値Dmaxであり、関数Dmin(Ic)に電流値Icと盤内ガス濃度Daとを代入して得られる結果が、ガス濃度下限値Dminである。
Dmax(Ic)=A3×Ic+B3×Ic+C3+Da ・・・(3)
Dmin(Ic)=A4×Ic+B4×Ic+C4+Da ・・・(4)
上記式(3),(4)に示す係数A3,A4,B3,B4,C3,C4の値は、線径と被膜種別との複数の組み合わせの各々に対応して記憶部20Aに記憶されている。算出部40Aは、記憶部20Aに記憶されている線径と被膜種別との複数の組み合わせのうち記憶部20Aに記憶されている線径情報および被膜情報と合致する組み合わせに対応する係数A3,A4,B3,B4,C3,C4に基づいて、関数Dmax(Ic)と関数Dmin(Ic)の演算を行う。なお、記憶部20Aには、線径φaおよび被膜種別Caに対応する係数A3,A4,B3,B4,C3,C4以外は記憶されていなくてもよい。
算出部40Aは、上記式(3),(4)に基づいて、電流値Ic1,Ic2,Ic3の各々について、ガス濃度上限値Dmaxおよびガス濃度下限値Dminを算出する。以下、電流値Ic1についてのガス濃度上限値Dmaxおよびガス濃度下限値Dminをガス濃度上限値D1maxおよびガス濃度下限値D1minと記載する場合がある。また、電流値Ic2についてのガス濃度上限値Dmaxおよびガス濃度下限値Dminをガス濃度上限値D2maxおよびガス濃度下限値D2minと記載する場合がある。また、電流値Ic3についてのガス濃度上限値Dmaxおよびガス濃度下限値Dminをガス濃度上限値D3maxおよびガス濃度下限値D3minと記載する場合がある。
判定部41Aは、内部センサ13A,13A,13Aから出力される計測値に基づいて、接続端子7,7,7と電線6,6,6との接続部分のガス濃度の異常を検出する。具体的には、判定部41Aは、端子部ガス濃度Dnがガス濃度下限値Dmin以上且つガス濃度上限値Dmax以下である場合、接続端子7と電線6との接続部分のガス濃度が正常であると判定する。判定部41Aは、端子部ガス濃度Dnがガス濃度下限値Dmin未満またはガス濃度上限値Dmax超である場合、接続端子7と電線6との接続部分のガス濃度が異常であると判定する。
例えば、判定部41Aは、端子部ガス濃度Dn1がガス濃度下限値D1min以上且つガス濃度上限値D1max以下である場合、接続端子7と電線6との接続部分のガス濃度が正常であると判定する。判定部41Aは、端子部ガス濃度Dn1がガス濃度下限値D1min未満またはガス濃度上限値D1max超である場合、接続端子7と電線6との接続部分のガス濃度が異常であると判定する。
また、判定部41Aは、端子部ガス濃度Dn2がガス濃度下限値D2min以上且つガス濃度上限値D2max以下である場合、接続端子7と電線6との接続部分のガス濃度が正常であると判定する。判定部41Aは、端子部ガス濃度Dn2がガス濃度下限値D2min未満またはガス濃度上限値D2max超である場合、接続端子7と電線6との接続部分のガス濃度が異常であると判定する。
また、判定部41Aは、端子部ガス濃度Dn3がガス濃度下限値D3min以上且つガス濃度上限値D3max以下である場合、接続端子7と電線6との接続部分のガス濃度が正常であると判定する。判定部41Aは、端子部ガス濃度Dn3がガス濃度下限値D3min未満またはガス濃度上限値D3max超である場合、接続端子7と電線6との接続部分のガス濃度が異常であると判定する。
端子カバー3Aのハードウェア構成は、図8に示す端子カバー3のハードウェア構成と同様であり、端子カバー3Aは、処理部22および内部センサ13,13,13に代えて、処理部22Aおよび内部センサ13A,13A,13Aを備える。処理部22Aは、処理部22と同様に、プロセッサ52およびメモリ53を備える。
図13は、実施の形態2にかかる処理部の機能ブロック図である。図13に示すように、処理部22Aは、異常判定部16に代えて、異常判定部16Aを備える点で、処理部22と異なる。プロセッサ52は、メモリ53に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、第1の電流値算出部31、第2の電流値算出部32、第3の電流値算出部33、計量部14、および異常判定部16Aなどの機能を実行する。
つづいて、フローチャートを用いて端子カバー3Aの異常判定部16Aによる処理を説明する。図14は、実施の形態2にかかる端子カバーの異常判定部による処理の一例を示すフローチャートである。
図14に示すように、異常判定部16Aは、電流値Ic、盤内ガス濃度Da、および端子部ガス濃度Dnを取得する(ステップS20)。また、異常判定部16Aは、線径φaを示す線径情報および被膜種別Caを示す被膜情報を取得する(ステップS21)。異常判定部16Aは、ステップS20で取得した電流値Icおよび盤内ガス濃度Daと、ステップS21で取得した線径情報および被膜情報で示される線径φaおよび被膜種別Caとに基づいて、関数Dmax(Ic)および関数Dmin(Ic)の演算を行って、ガス濃度上限値Dmaxおよびガス濃度下限値Dminを算出する(ステップS22)。
異常判定部16Aは、ステップS20で取得した端子部ガス濃度Dnがガス濃度下限値Dmin以上且つガス濃度上限値Dmax以下であるかを判定する(ステップS23)。異常判定部16Aは、端子部ガス濃度Dnがガス濃度下限値Dmin以上且つガス濃度上限値Dmax以下であると判定した場合(ステップS23:Yes)、ガス濃度異常が発生していないと判定する(ステップS24)。また、異常判定部16Aは、端子部ガス濃度Dnがガス濃度下限値Dmin未満またはガス濃度上限値Dmax超であると判定した場合(ステップS23:No)、ガス濃度異常が発生していると判定する(ステップS25)。異常判定部16Aは、ステップS24の処理またはステップS25の処理が終了した場合、図14に示す処理を終了する。
以上のように、実施の形態2にかかる遮断器1Aの端子カバー3Aは、分電盤または配電盤の内部である盤内100に配置される遮断器の端子カバーであって、受信部15Aと、電流センサ11と、内部センサ13Aと、算出部40Aと、判定部41Aとを備える。受信部15Aは、端子カバー3Aを含む遮断器1Aの外部に配置され、盤内100の環境状態を計測する外部センサ9Aの計測結果を受信する。外部センサ9Aは、盤内100のガス濃度を計測するガスセンサである。電流センサ11は、遮断器1Aに設けられた接続端子7に接続される電線6に流れる電流を検出する。内部センサ13Aは、接続端子7と電線6との接続部分の環境状態または接続部分に対応する位置の環境状態として、接続端子7と電線6との接続部分のガス濃度または接続部分に対応する位置のガス濃度を計測する。算出部40Aは、受信部15Aで受信された外部センサ9Aの計測結果と電流センサ11で検出された電流の値である電流値Icとに基づいて、ガス濃度下限値Dminとガス濃度上限値Dmaxとを算出する。判定部41Aは、内部センサ13Aの計測結果がガス濃度下限値Dminからガス濃度上限値Dmaxまでの範囲外である場合に、異常があると判定する。これにより、遮断器1Aは、接続端子7と電線6との接続部分のガス濃度異常が発生したことを検出することができる。なお、算出部40Aは、ガス濃度下限値Dminおよびガス濃度上限値Dmaxの一方だけを算出する構成であってもよく、この場合、ガス濃度下限値Dminおよびガス濃度上限値Dmaxの他方は、固定値である。
また、算出部40Aは、電線6の線径φaと電線6の被膜の種別である被膜種別Caとに基づいて決定される関数Dmax(Ic)および関数Dmin(Ic)に、受信部15Aで受信された外部センサ9Aの計測値と電流センサ11で検出された電流の値である電流値Icとを代入することによって、ガス濃度下限値Dminとガス濃度上限値Dmaxとを算出する。これにより、遮断器1Aは、接続端子7と電線6との接続部分のガス濃度異常が発生したことを精度よく検出することができる。
実施の形態3.
実施の形態3にかかる遮断器の端子カバーは、温度異常に代えて、振動の異常を検出する点で、実施の形態1にかかる遮断器1の端子カバー3と異なる。なお、実施の形態3にかかる遮断器の遮断器本体は、実施の形態1にかかる遮断器1の遮断器本体2と同じである。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1にかかる遮断器1の端子カバー3と異なる点を中心に説明する。なお、以下において、振動の異常を振動異常と記載する場合がある。
図15は、実施の形態3にかかる遮断器における端子カバーの機能ブロックの一例を示す図である。図15に示すように、実施の形態3にかかる遮断器1Bの端子カバー3Bは、内部センサ13,13,13、受信部15、異常判定部16、および記憶部20に代えて、内部センサ13B,13B,13B、受信部15B、異常判定部16B、および記憶部20Bを備える点で、端子カバー3と異なる。
内部センサ13B,13B,13Bは、振動を計測する振動センサである。内部センサ13B,13B,13Bは、内部センサ13,13,13と同様の位置に配置されている。
内部センサ13Bは、電線6と接続端子7との接続部分の振動の大きさを検出し、検出した振動の大きさを端子部振動値Gn1として出力する。内部センサ13Bは、電線6と接続端子7との接続部分の振動の大きさを検出し、検出した振動の大きさを端子部振動値Gnとして出力する。内部センサ13Bは、電線6と接続端子7との接続部分の振動の大きさを検出し、検出した振動の大きさを端子部振動値Gn3として出力する。以下、内部センサ13B,13B,13Bの各々を個別に区別せずに示す場合、内部センサ13Bと記載する場合がある。端子部振動値Gn1,Gn2,Gn3の各々を個別に区別せずに示す場合、端子部振動値Gnと記載する場合がある。
内部センサ13Bは、レーザードップラー式の振動センサのような非接触式の振動センサであるが、圧電素子型振動センサまたは電磁式の振動センサなどのような接触式の振動センサであってもよい。内部センサ13Bが接触式の振動センサである場合、電線6と接続端子7との接続部分または電圧センサ12の上述したピンに直接接触して、電線6と接続端子7との接続部分の振動を検出する。
受信部15Bは、外部センサ9Bから出力される情報を受信し、受信した情報を異常判定部16Bへ出力する。外部センサ9Bは、盤内100の振動の大きさを示す盤内振動値Gaを検出し、検出した盤内振動値Gaを示す情報を受信部15Bへ送信する。受信部15Bは、外部センサ9Bから送信される盤内振動値Gaを示す情報を受信し、受信した情報を異常判定部16Bへ出力する。
遮断器1Bに不図示の負荷としてモーターなどの回転機が接続されている場合、負荷の振動が導体を経由して遮断器1Bに伝わる。回転機の軸に異常が発生した場合、正常な運転時と比較して、内部センサ13Bによって検出される振動が大きくなる。かかる振動は、回転機の軸の回転数が大きくなるほど大きくなる。また、電線6と接続端子7との間の接触不良などによって電線6と接続端子7との間の接続が正常でない場合にも、内部センサ13Bによって検出される振動が大きくなる。
そこで、異常判定部16Bは、電流センサ11,11,11によって検出された電流値Ic1,Ic2,Ic3と、内部センサ13B,13B,13Bによって検出された端子部振動値Gn1,Gn2,Gn3と、受信部15Bから出力される盤内振動値Gaとに基づいて、振動の異常を検出する。
図16は、実施の形態3にかかる盤内振動値と端子部振動値と通電電流との関係を示す図である。図16において、縦軸は振動値または電流値を示し、横軸は時間を示す。通電電流は、電線6に流れる電流である。
電流値Icが大きくなると、端子部振動値Gnも高くなる。これは、遮断器1Bに接続された回転機の軸に異常が発生した場合、正常な運転時と比較して、内部センサ13Bによって検出される振動が大きくなり、かかる振動は、回転機の軸の回転数が大きくなるほど大きくなるからである。このように、端子部振動値Gnは、電流値Icおよび盤内振動値Gaの変化によって変化するが、正常時において通電電流と端子部振動値Gnとの関係が既知であれば、電流値Icおよび端子部振動値Gnに基づいて、内部センサ13Bで検出される端子部振動値Gnの正常範囲を予測することができる。
回転機の軸に異常が発生しておらず且つ電線6と接続端子7とが正常に接続されている場合、内部センサ13Bで検出される端子部振動値Gnは正常範囲になるが、回転機の軸に異常が発生した場合または電線6と接続端子7との間の接続が正常でない場合、内部センサ13Bで検出される端子部振動値Gnが正常範囲外になる。したがって、端子部振動値Gnの正常範囲を予測することで、回転機の軸の異常または電線6と接続端子7との間の接触不良などによって生じる振動の異常を判定することができる。
図15に示す異常判定部16Bは、電流値Icと端子部振動値Gnとの相関関係から、振動異常があるか否かを判定する。かかる異常判定部16Bは、算出部40Bと、判定部41Bとを備える。算出部40Bは、電線6の線径φaと遮断器1Bの種別である遮断器種別Braとに基づいて、設置条件から決まる第1の端子部振動上限値G1maxを決定する。第1の端子部振動上限値G1maxは、端子部振動値Gnの第1の上限値である。
また、算出部40Bは、電流値Icおよび盤内振動値Gaに基づいて、端子部振動値Gnの第2の上限値である第2の端子部振動上限値G2maxと端子部振動値Gnの下限値である端子部振動下限値Gminとを算出する。第1の端子部振動上限値G1maxから端子部振動下限値Gminまでの範囲が端子部振動値Gnの第1の正常範囲であり、第2の端子部振動上限値G2maxから端子部振動下限値Gminまでの範囲が端子部振動値Gnの第2の正常範囲である。そして、判定部41Bは、端子部振動値Gnが算出部40Bで算出された第1の正常範囲になく且つ第2の正常範囲にない場合に、振動異常が発生したと判定する。これにより、異常判定部16Bは、振動の異常を精度よく判定することができる。
また、端子部振動値Gnは、電線6の線径φaと遮断器1Bの種別とによって変わる場合がある。この場合、異常判定部16Bの算出部40Bは、電流値Icおよび盤内振動値Gaに加え、さらに電線6の線径φaと遮断器1Bの種別とに基づいて、第2の端子部振動上限値G2maxと端子部振動下限値Gminとを算出する。
これにより、異常判定部16Bは、端子部振動値Gが遮断器1Bの種別と電線6の線径φaによって変わる場合において、端子部振動値Gの上限値と下限値とを精度よく算出することができる。なお、記憶部20Bには、電線6の線径φaを示す線径情報と遮断器1Bの種別を示す種別情報とが記憶されており、算出部40Bは、記憶部20Bから線径情報と種別情報とを読み出し、読み出した線径情報と種別情報とに基づいて、第2の端子部振動上限値G2maxと端子部振動下限値Gminとを算出する。
ここで、算出部40Bおよび判定部41Bの具体的な処理の一例を説明する。算出部40Bは、第1の電流値算出部31、第2の電流値算出部32、および第3の電流値算出部33から電流値Ic1,Ic2,Ic3を取得する。また、算出部40Bは、線径φaを示す線径情報と、遮断器種別Braを示す種別情報と、後述する関数G2max(Ic)および関数Gmin(Ic)を示す関数情報とを取得する。
線径情報、種別情報、および関数情報は、記憶部20Bに記憶されており、算出部40Bは、記憶部20Bから線径情報、種別情報、および関数情報を読み出して取得する。記憶部20Bに記憶される線径情報および種別情報は、例えば、遮断器1Bの製造者、設置者、または使用者などによって遮断器1Bに設定される。なお、線径情報および種別情報は、例えば、端子カバー3Bの不図示の検出部によって検出されて記憶部20Bによって記憶されてもよい。
算出部40Bは、記憶部20Bから取得した線径情報および種別情報に基づいて、設置条件から決まる第1の端子部振動上限値G1maxを決定する。第1の端子部振動上限値G1maxは、線径φaと遮断器種別Braとの組み合わせによって決定される値であり、第1の端子部振動上限値G1maxの候補値は、線径φaと遮断器種別との複数の組み合わせの各々に対応して記憶部20Bに記憶されている。算出部40Bは、記憶部20Bに記憶されている線径φaと遮断器種別との複数の組み合わせの中から記憶部20Bに記憶されている線径情報および種別情報に合致する組み合わせに対応する第1の端子部振動上限値G1maxの候補値を、設置条件から決まる第1の端子部振動上限値G1maxとして決定する。
算出部40Bは、電流値Ic1,Ic2,Ic3と、盤内振動値Gaと、線径情報と、種別情報とに基づいて、電流値Ic1,Ic2,Ic3毎に、下記式(5)に示す関数G2max(Ic)と下記式(6)に示す関数Gmin(Ic)の演算を行う。下記式(5),(6)において、A5,A6,B5,B6,C5,C6は、係数である。関数G2max(Ic)に電流値Icを代入して得られる結果が、第2の端子部振動上限値G2maxであり、関数Gmin(Ic)に電流値Icを代入して得られる結果が、端子部振動下限値Gminである。
G2max(Ic)=A5×Ic+B5×Ic+C5+Ga ・・・(5)
Gmin(Ic)=A6×Ic+B6×Ic+C6 ・・・(6)
上記式(5),(6)に示す係数A5,A6,B5,B6,C5,C6の値は、線径と遮断器種別との複数の組み合わせの各々に対応して記憶部20Bに記憶されている。算出部40Bは、記憶部20Bに記憶されている線径と遮断器種別との複数の組み合わせのうち記憶部20Bに記憶されている線径情報および種別情報に合致する組み合わせに対応する係数A5,A6,B5,B6,C5,C6に基づいて、関数G2max(Ic)と関数Gmin(Ic)の演算を行う。
算出部40Bは、電流値Ic1,Ic2,Ic3の各々について、第1の端子部振動上限値G1max、第2の端子部振動上限値G2max、および端子部振動下限値Gminを算出する。
判定部41Bは、内部センサ13Bから出力される端子部振動値Gnに基づいて、接続端子7と電線6との接続部分の振動異常を検出する。具体的には、判定部41Bは、端子部振動値Gnが、第1の端子部振動上限値G1maxから端子部振動下限値Gminまでの範囲で且つ第2の端子部振動上限値G2maxから端子部振動下限値Gminまでの範囲である場合、接続端子7と電線6との接続部分に振動異常がないと判定する。また、判定部41Bは、端子部振動値Gnが、第1の端子部振動上限値G1maxから端子部振動下限値Gminまでの範囲になく且つ第2の端子部振動上限値G2maxから端子部振動下限値Gminまでの範囲にない場合、接続端子7と電線6との接続部分に振動の異常があると判定する。
判定部41Bは、内部センサ13B,13B,13Bによって検出された端子部振動値Gn1,Gn2,Gn3の各々について、接続端子7と電線6との接続部分に振動異常があるか否かを判定する。例えば、電流値Ic1について、算出部40Bによって算出された第1の端子部振動上限値G1max、第2の端子部振動上限値G2max、および端子部振動下限値Gminが第1の端子部振動上限値G11max、第2の端子部振動上限値G21max、および端子部振動下限値G1minであるとする。この場合、判定部41Bは、G1min≦Gn1≦G11maxで且つG1min≦Gn1≦G21maxである場合に、電線6と接続端子7との接続部分に振動異常がないと判定する。また、判定部41Bは、G1min≦Gn1≦G11maxまたはG1min≦Gn1≦G21maxではない場合に、電線6と接続端子7との接続部分に振動異常があると判定する。
また、判定部41Bは、例えば、端子部振動値Gn1,Gn2,Gn3のすべてがGmin≦Gn≦G1maxである場合に、回転機の軸に発生した異常によって振動異常が発生したと判定することができる。また、判定部41Bは、例えば、1つまたは2つの端子部振動値GnがGmin≦Gn≦G2maxである場合、電線6と接続端子7との間の接続が正常でないことによって振動異常が発生したと判定することができる。例えば、判定部41Bは、G1min≦Gn1≦G21maxでない場合、電線6と接続端子7との間の接続が正常でないことによって振動異常が発生したと判定することができる。
端子カバー3Bのハードウェア構成は、図8に示す端子カバー3のハードウェア構成と同様であり、端子カバー3Bは、処理部22および内部センサ13,13,13に代えて、処理部22Bおよび内部センサ13B,13B,13Bを備える。処理部22Bは、処理部22と同様に、プロセッサ52およびメモリ53を備える。
図17は、実施の形態3にかかる処理部の機能ブロック図である。図17に示すように、処理部22Bは、異常判定部16に代えて、異常判定部16Bを備える点で、処理部22と異なる。プロセッサ52は、メモリ53に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、第1の電流値算出部31、第2の電流値算出部32、第3の電流値算出部33、計量部14、および異常判定部16Bなどの機能を実行する。
つづいて、フローチャートを用いて端子カバー3Bの異常判定部16Bによる処理を説明する。図18は、実施の形態3にかかる端子カバーの異常判定部による処理の一例を示すフローチャートである。
図18に示すように、異常判定部16Bは、電流値Ic、盤内振動値Ga、および端子部振動値Gnを取得する(ステップS30)。また、異常判定部16Bは、線径φaを示す線径情報および遮断器種別Braを示す種別情報を取得する(ステップS31)。異常判定部16Bは、ステップS31で取得した線径情報および種別情報で示される線径φaおよび遮断器種別Braに基づいて、第1の端子部振動上限値G1maxを算出する(ステップS32)。
異常判定部16Bは、ステップS30で取得した電流値Icおよび盤内振動値Gaと、ステップS31で取得した線径情報および種別情報で示される線径φaおよび遮断器種別Braとに基づいて、関数G2max(Ic)と関数Gmin(Ic)の演算を行って、第2の端子部振動上限値G2maxおよび端子部振動下限値Gminを算出する(ステップS33)。
異常判定部16Bは、ステップS30で取得した端子部振動値Gnが端子部振動下限値Gmin以上且つ第1の端子部振動上限値G1max以下であるかを判定する(ステップS34)。異常判定部16Bは、端子部振動値Gnが端子部振動下限値Gmin以上且つ第1の端子部振動上限値G1max以下であると判定した場合(ステップS34:Yes)、端子部振動値Gnが端子部振動下限値Gmin以上且つ第2の端子部振動上限値G2max以下であるかを判定する(ステップS35)。異常判定部16Bは、端子部振動値Gnが端子部振動下限値Gmin以上且つ第2の端子部振動上限値G2max以下であると判定した場合(ステップS35:Yes)、振動異常が発生していないと判定する(ステップS36)。
異常判定部16Bは、端子部振動値Gnが端子部振動下限値Gmin未満または第1の端子部振動上限値G1max超であると判定した場合(ステップS34:No)、または、端子部振動値Gnが端子部振動下限値Gmin未満または第2の端子部振動上限値G2max超であると判定した場合(ステップS35:No)、振動異常が発生していると判定する(ステップS37)。異常判定部16Bは、ステップS36の処理またはステップS37の処理が終了した場合、図18に示す処理を終了する。
以上のように、実施の形態3にかかる遮断器1Bの端子カバー3Bは、分電盤または配電盤の内部である盤内100に配置される遮断器の端子カバーであって、受信部15Bと、電流センサ11と、内部センサ13Bと、算出部40Bと、判定部41Bとを備える。受信部15Bは、端子カバー3Bの外部に配置され、盤内100の環境状態を計測する外部センサ9Bの計測結果を受信する。外部センサ9Bは、盤内100の振動を計測する振動センサである。電流センサ11は、遮断器1Bに設けられた接続端子7に接続される電線6に流れる電流を検出する。内部センサ13Bは、接続端子7と電線6との接続部分の環境状態または接続部分に対応する位置の環境状態として、接続端子7と電線6との接続部分の振動または接続部分に対応する位置の振動を計測する。算出部40Bは、受信部15Bで受信された外部センサ9Bの計測結果と電流センサ11で検出された電流の値である電流値Icとに基づいて、第2の端子部振動上限値G2maxを算出する。また、算出部40Bは、電流センサ11で検出された電流の値である電流値Icに基づいて、端子部振動下限値Gminを算出する。判定部41Bは、内部センサ13Bの計測結果が端子部振動下限値Gminから第2の端子部振動上限値G2maxまでの範囲外である場合に、異常があると判定する。これにより、遮断器1Bは、接続端子7と電線6との接続部分の振動異常が発生したことを検出することができる。なお、算出部40Bは、端子部振動下限値Gminおよび第2の端子部振動上限値G2maxの一方だけを算出する構成であってもよく、この場合、端子部振動下限値Gminおよび第2の端子部振動上限値G2maxの他方は、例えば、予め設定された固定値である。
また、算出部40Bは、電線6の線径φaと遮断器1Bの種別である遮断器種別Braとに基づいて決定される関数G2max(Ic)に、受信部15Bで受信された外部センサ9Bの計測値と電流センサ11で検出された電流の値である電流値Icとを代入することによって、第2の端子部振動上限値G2maxを算出する。これにより、遮断器1Bは、接続端子7と電線6との接続部分の振動異常が発生したことを精度よく検出することができる。関数G2max(Ic)は、第1の関数の一例である。
また、算出部40Bは、電線6の線径φaと遮断器1Bの種別である遮断器種別Braとに基づいて決定される関数Gmin(Ic)に、電流センサ11で検出された電流の値である電流値Icを代入することによって、端子部振動下限値Gminを算出する。これにより、遮断器1Bは、接続端子7と電線6との接続部分の振動異常が発生したことをさらに精度よく検出することができる。関数Gmin(Ic)は、第2の関数の一例である。
また、算出部40Bは、電線6の線径φaと遮断器1Bの種別である遮断器種別Braとに基づいて第1の端子部振動上限値G1maxを決定する。第1の端子部振動上限値G1maxは、第2の上限値の一例である。判定部41Bは、内部センサ13Bによって計測された振動が端子部振動下限値Gminから第1の端子部振動上限値G1maxまでの範囲外且つ端子部振動下限値Gminから第2の端子部振動上限値G2maxまでの範囲外である場合に、異常があると判定する。これにより、遮断器1Bは、接続端子7と電線6との接続部分の振動異常が発生したことをさらに精度よく検出することができる。
上述した遮断器1,1A,1Bでは、外部センサ9,9A,9Bおよび内部センサ13,13A,13Bは、盤内100の環境状態として、温度、ガス濃度、または振動を計測するが、温度、ガス濃度、または振動に代えてまたは加えて、盤内100の湿度、臭い、または音などを計測する構成であってもよい。
この場合、算出部40,40A,40Bは、例えば、受信部15,15A,15Bで受信された外部センサ9,9A,9Bの計測結果と電流センサ11で検出された電流の値である電流値Icとに基づいて、湿度下限値と湿度上限値とを算出する。判定部41,41A,41Bは、内部センサ13,13A,13Bの計測結果が湿度下限値から湿度上限値までの範囲外である場合に、湿度の異常があると判定する。湿度下限値と湿度上限値の算出方法は、上述した温度、ガス濃度、または振動の下限値と上限値の算出方法と同様である。
また、算出部40,40A,40Bは、例えば、受信部15,15A,15Bで受信された外部センサ9,9A,9Bの計測結果と電流センサ11で検出された電流の値である電流値Icとに基づいて、臭い下限値と匂い上限値とを算出する。判定部41,41A,41Bは、内部センサ13,13A,13Bの計測結果が臭い下限値から匂い上限値までの範囲外である場合に、臭いの異常があると判定する。臭い下限値と匂い上限値の算出方法は、上述した温度、ガス濃度、または振動の下限値と上限値の算出方法と同様である。
また、算出部40,40A,40Bは、例えば、受信部15,15A,15Bで受信された外部センサ9,9A,9Bの計測結果と電流センサ11で検出された電流の値である電流値Icとに基づいて、音の周波数の下限値と上限値である周波数下限値と周波数上限値とを算出する。判定部41,41A,41Bは、内部センサ13,13A,13Bの計測結果が周波数下限値から周波数上限値までの範囲外である場合に、音の異常があると判定する。周波数下限値と周波数上限値の算出方法は、上述した温度、ガス濃度、または振動の下限値と上限値の算出方法と同様である。
また、外部センサ9,9A,9Bおよび内部センサ13,13A,13Bは、盤内100の環境状態として、温度、ガス濃度、振動、湿度、臭い、および音のうち2以上を計測する構成であってもよい。
実施の形態4.
実施の形態4にかかる遮断器システムは、遮断器の端子カバーが算出部と判定部とに代えて、学習済モデル記憶部と推論部とを備えると共に、学習済モデルを生成する学習装置を備える。なお、実施の形態4にかかる遮断器の遮断器本体は、実施の形態1にかかる遮断器1の遮断器本体2と同じである。以下においては、実施の形態1と同様の機能を有する構成要素については同一符号を付して説明を省略し、実施の形態1にかかる遮断器1の端子カバー3と異なる点と学習装置の構成とについて具体的に説明する。
図19は、実施の形態4にかかる遮断器システムの構成例を示す図である。図19に示すように、実施の形態4にかかる遮断器システム300は、遮断器1Cと学習装置200とを備える。遮断器1Cは、端子カバー3に代えて、端子カバー3Cを備える点で、遮断器1と異なる。
端子カバー3Cは、通信部30をさらに備える点、および異常判定部16に代えて異常判定部16Cを備える点で、実施の形態1にかかる端子カバー3と異なる。通信部30は、無線または有線で学習装置200との間で情報の送受信を行う。なお、端子カバー3Cにおける内部センサ13C,13C,13Cは、内部センサ13,13,13と同様の位置で端子温度Tnを計測するセンサである。外部センサ9Cは、外部センサ9と同様の位置で盤内温度Taを計測するセンサであり、判定対象となる異常が温度であるものとして説明する。以下、内部センサ13C,13C,13Cの各々を個別に区別せずに示す場合、内部センサ13Cと記載する場合がある。
異常判定部16Cは、算出部40および判定部41に代えて、学習済モデル記憶部42と推論部43とを備える点で、異常判定部16と異なる。学習済モデル記憶部42には、学習済モデルが記憶される。かかる学習済モデルは、学習装置200によって生成される。図20は、実施の形態4にかかる学習装置の機能ブロック図である。図20に示すように、実施の形態4にかかる学習装置200は、データ取得部201と、モデル生成部202と、通信部203とを備える。
データ取得部201は、入力データDa1とラベルデータDa2との組み合わせを含む、データセットを学習用データとして取得する。入力データDa1は、外部センサ9Cの計測結果を示す情報と電流センサ11が検出する電流値Icを示す情報とを含む。ラベルデータDa2は、正解データであり、内部センサ13Cの計測結果から異常を判定するための下限値および上限値の少なくとも一方を、組み合わせられた入力データDa1に対応する正解値として含む。
モデル生成部202は、データ取得部201から出力され入力データDa1とラベルデータDa2との組み合わせを含む学習用データに基づく機械学習によって学習済モデルを生成する。かかる学習済モデルは、外部センサ9Cの計測結果を示す情報と電流センサ11が検出する電流値Icを示す情報とから、異常の有無を判定するための下限値および上限値の少なくとも一方を推論するモデルである。なお、学習用データは、入力データDa1とラベルデータDa2とを互いに関連付けたデータであり、予めの実験、予めの計算、過去の正常時の動作実績、または故障事例などから得ることができる。
また、学習用データの入力データDa1として、電流センサ11が検出する電流値Icが予め設定された値以上のものを選択して用いてもよい。たとえば、電流値Icの平均値に対し、50%以上のものを学習用データの入力データDa1として選択し、50%以下のものを学習用データの入力データDa1として使わないことが好ましい。これにより、内部センサ13Cに対する外乱の影響が大きいデータは学習に使われ難くなり、学習済モデルの精度、および学習済モデルを用いた推論の精度を向上させることができる。
学習装置200は、端子カバー3Cの製品出荷時に、無線または有線で端子カバー3Cに接続され、生成した学習済モデルを端子カバー3Cの学習済モデル記憶部42に記憶させる。具体的には、学習装置200は、モデル生成部202によって生成された学習済モデルを通信部203から無線または有線で端子カバー3Cへ送信する。端子カバー3Cの通信部30は、学習装置200の通信部203から無線または有線でモデル生成部202から送信される学習済モデルを受信し、受信した学習済モデルを学習済モデル記憶部42に記憶させる。
なお、学習装置200の通信部203は、端子カバー3Cを製品として出荷した後に、モデル生成部202によって生成された学習済モデルをインターネットなどのネットワーク経由で端子カバー3Cへ送信し、端子カバー3Cの学習済モデル記憶部42に記憶させることもできる。なお、学習装置200は、遮断器1Cの端子カバー3Cに内蔵されてもよいし、クラウドサーバ上に存在してもよい。
また、学習装置200は、出荷後の遮断器1Cの端子カバー3Cから学習用データを有線または無線などにより収集することもできる。たとえば、端子カバー3Cは、出荷後から予め設定された期間は故障がないものと仮定して、端子カバー3Cの出荷後から予め設定された期間内における実績データを学習用データとして通信部30から学習装置200へ送信することもできる。予め設定された期間は、例えば、数カ月の期間である。また、実績データには、外部センサ9Cの計測結果を示す情報と電流センサ11が検出する電流値Icを示す情報と異常を判定するための下限値および上限値とが互いに関連付けられた情報を含む。実績データにおいて、異常を判定するための下限値および上限値は、正解値である。
また、学習装置200は、出荷前に端子カバー3Cに学習済モデルを記憶させ、さらにその後の予め設定された期間内に出荷した端子カバー3Cから無線または有線で通信部203によって実績データを取得することもできる。学習装置200は、このように通信部203によって取得された実績データを学習用データとして用いてモデル生成部202によって追加学習をすることもできる。
また、端子カバー3Cにリセットボタンを設け、リセットボタンを押してから予め設定された期間が経過するまでの間は端子カバー3Cの故障がないものとして扱うこともできる。この場合、端子カバー3Cは、リセットボタンが押されてから予め設定された期間が経過するまでの間の実績データを学習用データとして通信部30から学習装置200へ有線または無線で送信する。学習装置200は、端子カバー3Cから無線または有線で通信部203により取得された実績データを学習用データとして用いてモデル生成部202によって追加学習をすることもできる。
モデル生成部202が用いる学習アルゴリズムは、教師あり学習、教師なし学習、または強化学習などの公知のアルゴリズムを用いることができる。一例として、モデル生成部202が用いる学習アルゴリズムにニューラルネットワークを適用した場合について説明する。モデル生成部202は、例えば、ニューラルネットワークモデルに従って、いわゆる教師あり学習により、学習済モデルを生成する。ここで、教師あり学習とは、入力と結果のデータの組を学習装置に与えることで、それらの学習用データにある特徴を学習し、入力から結果を推論する手法をいう。結果は、ラベルとも呼ばれる。
ニューラルネットワークは、複数のニューロンからなる入力層、複数のニューロンからなる中間層、および複数のニューロンからなる出力層で構成される。中間層は、隠れ層とも呼ばれる。図21は、実施の形態4にかかるニューラルネットワークの一例を示す図である。図21に示すニューラルネットワークは、3層のニューラルネットワークである。
図21に示す3層のニューラルネットワークでは、複数の入力が入力層X1,X2,X3に入力されると、その値に重みw11~w16が掛けられて中間層Y1,Y2に入力される。中間層Y1,Y2に入力された値は、さらに重みw21~w26が掛けられて出力層Z1,Z2,Z3に入力され、出力層Z1,Z2,Z3から出力される。出力層Z1,Z2,Z3の出力結果は、重みw11~w16,w21~w26の値によって変わる。
モデル生成部202は、データ取得部201によって取得される入力データDa1とラベルデータDa2との組み合わせを含む学習用データに従って、いわゆる教師あり学習を行う。すなわち、モデル生成部202は、入力層X1,X2,X3に入力データDa1を入力して出力層Z1,Z2,Z3から出力された結果が、ラベルデータDa2に近づくように重みw11~w16,w21~w26を調整することによって学習を行う。
モデル生成部202は、以上のような学習を実行することで学習済モデルを生成し、生成した学習済モデルを出力する。モデル生成部202から出力された学習済モデルは、上述のように学習済モデル記憶部42に記憶される。なお、図21に示すニューラルネットワークの中間層は、2層であるが、1層、または3層以上であってもよい。
つづいて、フローチャートを用いて学習装置200による学習処理を説明する。図22は、実施の形態4にかかる学習装置による学習処理の一例を示すフローチャートである。
図22に示すように、学習装置200のデータ取得部201は、入力データDa1とラベルデータDa2との組み合わせを含む学習用データを取得する(ステップS40)。なお、データ取得部201による入力データDa1とラベルデータDa2との取得は、入力データDa1とラベルデータDa2とが関連付けられていればよく、入力データDa1とラベルデータDa2との同時取得に限定されない。すなわち、データ取得部201は、入力データDa1とラベルデータDa2とが関連付けられていれば、入力データDa1とラベルデータDa2とを互いに異なるタイミングで取得することもできる。
次に、学習装置200のモデル生成部202は、データ取得部201によって取得された学習用データに基づいて、いわゆる教師あり学習によって、学習済モデルを生成する(ステップS41)。
次に、学習装置200は、モデル生成部202によって生成された学習済モデルを端子カバー3Cの学習済モデル記憶部42に記憶させ(ステップS42)、図22に示す処理を終了する。なお、ステップS42において、学習装置200は、モデル生成部202によって作成された学習済モデルを通信部203から有線または無線によって端子カバー3Cへ送信することによって、学習済モデルを端子カバー3Cの学習済モデル記憶部42に記憶させる。
次に、端子カバー3Cにおける異常判定部16Cの推論部43について説明する。図23は、実施の形態4にかかる推論部の機能ブロックの一例を示す図である。図23に示すように、推論部43は、データ取得部44と、推論処理部45とを備える。データ取得部44は、外部センサ9Cの計測結果と電流センサ11で検出される電流値Icとの組み合わせを、入力データDa1として取得する。また、データ取得部44は、内部センサ13Cの計測結果を、入力データDa3として取得する。
なお、電流センサ11が検出する電流値Icが予め設定された値以上のものを入力データDa1として選択して用いることが好ましい。たとえば、電流値Icの平均値に対し、50%以上のものを入力データDa1として選択し、50%以下のものを入力データDa1として使わないことが好ましい。これにより、内部センサ13Cに対する外乱の影響が大きいものは推定に使われ難くなり、推論の精度を向上させることができる。
推論処理部45は、算出部46と、判定部47とを備える。推論処理部45の算出部46は、学習済モデル記憶部42に記憶された学習済モデルを取得し、取得した学習済モデルにデータ取得部44で取得された入力データDa1を入力する。そして、推論処理部45の算出部46は、学習済モデルから出力されるデータを判定部47へ出力する。学習済モデルから出力されるデータは、内部センサ13Cの計測結果から異常を判定するための下限値および上限値である。
そして、推論処理部45の判定部47は、データ取得部44で取得された入力データDa3に基づいて、内部センサ13Cの計測結果が学習済モデルから出力される下限値および上限値の範囲外であるか否かを判定する。判定部47は、内部センサ13Cの計測結果が学習済モデルから出力される下限値および上限値の範囲外である場合に、異常があると判定する。なお、学習済モデルの出力を下限値および上限値のいずれか一方として、異常を判定するようにしてもよい。この場合、算出部46は、算出部40と同様の機能を有し、下限値および上限値の他方は、例えば、算出部40と同様の機能によって算出部46によって算出されるか、または固定値である。
本実施の形態では、学習済モデル記憶部42および推論部43を含む異常判定部16Cを、端子カバー3C内に設けたが、異常判定部16Cを端子カバー3Cとは異なるサーバなどの外部装置に設けてもよい。この場合、外部装置は、有線または無線によって端子カバー3Cから入力データDa1,Da3を取得し、取得した入力データDa1,Da3に基づいて異常判定部16Cによって異常があるか否かを判定する。外部装置は、判定結果を端子カバー3C内へ送信する。
つづいて、フローチャートを用いて端子カバー3Cの推論部43による異常判定処理を説明する。図24は、実施の形態4にかかる推論部による異常判定処理の一例を示すフローチャートである。
図24に示すように、端子カバー3Cの推論部43におけるデータ取得部44は、入力データDa1,Da3を取得する(ステップS50)。そして、推論部43の推論処理部45は、入力データDa1を学習済モデルに入力する(ステップS51)。
次に、推論処理部45は、学習済モデルから出力される下限値および上限値で示される範囲外に入力データDa3である内部センサ13Cの計測結果があるか否かの判定によって、異常の有無を判定する(ステップS52)。そして、推論処理部45は、判定した異常の有無を警報出力部17へ出力し(ステップS53)、図24に示す処理を終了する。
なお、上述した例では、入力データDa1は、外部センサ9Cの計測結果と電流センサ11が検出する電流値Icとの組み合わせとし、ラベルデータDa2は、内部センサ13Cの計測結果から異常を判定するための、下限値および上限値の少なくとも一方である場合を説明したが、かかる例に限定されない。例えば、入力データDa1は、外部センサ9Cの計測結果と、電流センサ11が検出する電流値Icと、内部センサ13Cの計測結果とを含むデータとし、ラベルデータDa2は、異常の判定結果を示す値としてもよい。
この場合、モデル生成部202は、外部センサ9Cの計測結果と、電流センサ11が検出する電流値Icと、内部センサ13Cの計測結果とを含むデータセットに基づいて、異常の有無の判定結果を示す値を推論する学習済モデルを生成する。また、データ取得部44は、外部センサ9Cの計測結果と、電流センサ11が検出する電流値Icと、内部センサ13Cの計測結果とを含むデータセットを入力データとして取得する。そして、推論処理部45は、外部センサ9Cの計測結果と、電流センサ11が検出する電流値Icと、内部センサ13Cの計測結果とを含む入力データを学習済モデルに入力し、学習済モデルから出力される異常の判定結果を示す値に基づいて、異常の有無を判定する。
また、外部センサ9Cの計測結果は、電流が流れていない他の遮断器1Cの内部センサ13Cの値を用いてもよい。また、端子カバー3Cの警報出力部17は、内部センサ13Cの計測結果が、下限値および上限値に近い場合に、遮断器1Cのメンテナンスをユーザに通知することもできる。また、警報出力部17は、推論部43によって異常があると判定された場合における異常であると判定したときの直前の、電流センサ11、内部センサ13C、電圧センサ12,12,12、外部センサ9C、およびその他の任意のセンサの計測結果を蓄積し、蓄積した状態に近い場合に、遮断器1Cのメンテナンスをユーザに通知するようにしてもよい。
また、不図示のサーバが、電流センサ11、内部センサ13C、電圧センサ12,12,12、外部センサ9C、およびその他の任意のセンサの計測結果を複数の端子カバー3Cから有線または無線で取得して蓄積することもできる。不図示のサーバは、ある端子カバー3Cから取得した各センサの計測結果が、他の端子カバー3Cの推論部43が過去に異常と判定した直前の各センサの計測結果に類似する場合に、ある端子カバー3Cの警報出力部17に遮断器1Cのメンテナンスをユーザに通知させることもできる。ここで、各センサの計測結果に類似するとは、各センサの計測結果の変化度合いが類似することを含む。例えば、センサの計測結果に類似するとは、センサの計測結果の上昇度合いが類似することが含まれる。
なお、モデル生成部202は、入力データDa1に遮断器1Cの種別である遮断器種別Braと電線6の線径φaとを含めることもできる。また、モデル生成部202は、遮断器1Cの種別である遮断器種別Braと電線6の線径φaとの組み合わせ毎に、学習済モデルを生成することもできる。
また、本実施の形態では、モデル生成部202が用いる学習アルゴリズムに教師あり学習を適用した場合について説明したが、これに限られるものではない。学習アルゴリズムについては、教師あり学習以外にも、強化学習、教師なし学習、または半教師あり学習などを適用することも可能である。
また、モデル生成部202に用いられる学習アルゴリズムとしては、特徴量そのものの抽出を学習する、深層学習(Deep Learning)を用いることもでき、他の公知の方法、例えば遺伝的プログラミング、機能論理プログラミング、サポートベクターマシンなどに従って機械学習を実行してもよい。
また、上述した例では、内部センサ13Cが内部センサ13と同じであるものとしたが内部センサ13Cは内部センサ13Aと同じであってもよく、外部センサ9Cは外部センサ9Aと同じであってもよい。この場合、内部センサ13Cは、端子部ガス濃度Dnを検出し、外部センサ9Cは、盤内ガス濃度Daを検出する。この場合、判定対象となる異常は、ガス濃度である。さらに、モデル生成部202は、入力データDa1に電線6の線径φaと電線6の被膜種別Caとを含めることもできる。また、モデル生成部202は、電線6の線径φaと電線6の被膜種別Caとの組み合わせ毎に、学習済モデルを生成することもできる。
また、内部センサ13Cは内部センサ13Bと同じであってもよく、外部センサ9Cは外部センサ9Bと同じであってもよい。この場合、内部センサ13Cは、端子部振動値Gnを検出し、外部センサ9Cは、盤内振動値Gaを検出する。この場合、判定対象となる異常は、振動である。モデル生成部202は、入力データDa1に遮断器1Cの種別と電線6の線径φaとを含めることもできる。また、モデル生成部202は、遮断器1Cの種別と電線6の線径φaとの組み合わせ毎に、学習済モデルを生成することもできる。
なお、内部センサ13Cおよび外部センサ9Cは、盤内100の環境状態として、音、湿度、または臭いを検出するセンサであってもよい。この場合、判定対象となる異常は、音、湿度、または臭いである。
端子カバー3Cのハードウェア構成は、図8に示す端子カバー3のハードウェア構成と同様であり、端子カバー3Cは、処理部22および内部センサ13,13,13に代えて、不図示の処理部および内部センサ13C,13C,13Cを備える。端子カバー3Cの処理部は、処理部22と同様に、プロセッサ52およびメモリ53を備える。プロセッサ52は、メモリ53に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、第1の電流値算出部31、第2の電流値算出部32、第3の電流値算出部33、計量部14、および異常判定部16Cなどの機能を実行する。
以上のように、実施の形態4にかかる学習装置200は、データ取得部201と、モデル生成部202とを備える。データ取得部201は、分電盤または配電盤の内部である盤内100に配置される遮断器1Cの外部に配置され盤内100の環境状態を計測する外部センサ9Cの計測結果と、遮断器1Cに設けられた接続端子7に接続される電線6に流れる電流を検出する電流センサ11で検出される電流値Icと、接続端子7と電線6との接続部分の環境状態または接続部分に対応する位置の環境状態を計測する内部センサ13Cの計測結果から異常を判定するための下限値および上限値の少なくとも一方と、を含む学習用データを取得する。モデル生成部202は、学習用データを用いて、外部センサ9Cの計測結果、および電流センサ11で検出される電流値Icから、下限値および上限値の少なくとも一方を推論するための学習済モデルを生成する。これにより、学習装置200は、異常が発生したことを精度よく検出することができる学習済モデルを生成することができる。
また、推論部43は、データ取得部44と、推論処理部45とを備える。推論部43は、推論装置の一例である。データ取得部44は、分電盤または配電盤の内部である盤内100に配置される遮断器1Cの外部に配置され盤内100の環境状態を計測する外部センサ9Cの計測結果と、遮断器1Cに設けられた接続端子7に接続される電線6に流れる電流を検出する電流センサ11で検出される電流値Icとを含むデータセットを取得する。推論処理部45は、データセットから接続端子7と電線6との接続部分の環境状態または接続部分に対応する位置の環境状態を計測する内部センサ13Cの計測結果から異常を判定するための下限値および上限値の少なくとも一方、を推論するための学習済モデルを用いて、データセットから下限値および上限値の少なくとも一方を推論する。これにより、推論部43は、異常を判定するための下限値および上限値の少なくとも一方を精度よく推論することができる。
また、学習装置200は、データ取得部201と、モデル生成部202とを備える。データ取得部201は、分電盤または配電盤の内部である盤内100に配置される遮断器1Cの外部に配置され盤内100の環境状態を計測する外部センサ9Cの計測結果と、遮断器1Cに設けられた接続端子7に接続される電線6に流れる電流を検出する電流センサ11で検出される電流値Icと、接続端子7と電線6との接続部分の環境状態または接続部分に対応する位置の環境状態を計測する内部センサ13Cの計測結果と、異常の有無の判定結果とを含む学習用データを取得する。モデル生成部202は、学習用データを用いて、外部センサ9Cの計測結果と、電流センサ11で検出される電流値Icと、内部センサ13Cの計測結果とに基づき、異常の有無の判定結果を推論するための学習済モデルを生成する。これにより、学習装置200は、異常が発生したことを精度よく検出することができる学習済モデルを生成することができる。
また、推論部43は、データ取得部44と、推論処理部45とを備える。推論部43は、推論装置の一例である。データ取得部44は、分電盤または配電盤の内部である盤内100に配置される遮断器1Cの外部に配置され盤内100の環境状態を計測する外部センサ9Cの計測結果と、遮断器1Cに設けられた接続端子7に接続される電線6に流れる電流を検出する電流センサ11で検出される電流値Icと、接続端子7と電線6との接続部分の環境状態または接続部分に対応する位置の環境状態を計測する内部センサ13Cの計測結果とを含むデータセットを取得する。推論処理部45は、データセットから外部センサ9Cの計測結果と電流値Icと内部センサ13Cの計測結果とから異常の有無を推論するための学習済モデルを用いて、異常の有無を推論する。これにより、推論部43は、異常の有無を精度よく推論することができる。
上述した学習用データは、電流値Icが予め定められた値以上のものが選択されたものである。これにより、内部センサ13Cに対する外乱の影響が大きいものは推定に使われ難くなり、推論の精度を向上させることができる。
また、予め定められた値は50%である。これにより、内部センサ13Cに対する外乱の影響が大きいものは推定に使われ難くなり、推論の精度をさらに向上させることができる。
上述した学習用データは、遮断器1Cが設置された後の予め設定され期間内における遮断器1Cの状態、または遮断器1Cの状態から演算される値を含む。これにより、学習装置200は、学習済モデルを精度よく生成することができる。
また、学習用データに含まれる遮断器の状態は、内部センサ13Cの上限値および下限値の少なくともいずれかである。これにより、学習装置200は、学習済モデルを精度よく生成することができる。
また、モデル生成部202は、遮断器1Cが設置された後に、遮断器1Cの状態により、追加学習を行って学習済モデルを更新する。これにより、学習装置200は、学習済モデルを精度よく生成することができる。
また、遮断器1Cの端子カバー3Cはリセットボタンを備える。モデル生成部202は、リセットボタンが押されてから予め定められた期間が経過するまでの間は故障がないとして、遮断器1Cの状態により、追加学習を行って学習済モデルを更新し、更新した学習済モデルを端子カバー3Cへ出力する。これにより、学習装置200は、学習済モデルを精度よく生成することができる。
また、外部センサ9Cの計測結果は、電流が流れていない他の遮断器1Cの内部センサ13Cの値である。これにより、学習装置200は、複数の遮断器1Cが設置されている状況において、他の遮断器1Cの内部センサ13Cを外部センサ9Cとして利用することができる。
また、端子カバー3Cは、外部センサ9Cの計測結果を受信する受信部15と、電流センサ11と、内部センサ13Cと、推論部43と、遮断器1Cのメンテナンスをユーザに提案する警報出力部17とを備える。これにより、端子カバー3Cは、遮断器1Cのメンテナンスが必要になったことをユーザに通知することができる。
また、警報出力部17は、各センサの計測結果が、推論部43が過去に異常と判定した直前の各センサの計測結果に類似する場合に、遮断器1Cのメンテナンスをユーザに提案する。これにより、端子カバー3Cは、遮断器1Cのメンテナンスが必要になったことを精度よくユーザに通知することができる。
また、警報出力部17は、推論部43が異常と判定する直前の各センサの計測結果を蓄積するサーバにおいて、端子カバー3Cから取得した各センサの計測結果が、推論部43が過去に異常と判定した直前の各センサの計測結果に類似すると判定した場合に、遮断器1Cのメンテナンスをユーザに提案する。これにより、端子カバー3Cは、遮断器1Cのメンテナンスが必要になったことを精度よくユーザに通知することができる。
また、警報出力部17は、各センサの計測結果の変化度合いが、推論部43が過去に異常と判定した直前の各センサの計測結果の変化度合いと類似すると判定した場合に、遮断器1Cのメンテナンスをユーザに提案する。これにより、端子カバー3Cは、遮断器1Cのメンテナンスが必要になったことを精度よくユーザに通知することができる。
また、警報出力部17は、各センサの計測結果の変化度合いが、推論部43が過去に異常と判定した直前の各センサの計測結果の変化度合いと類似するとサーバに判定された場合に、遮断器1Cのメンテナンスをユーザに提案する。これにより、端子カバー3Cは、遮断器1Cのメンテナンスが必要になったことを精度よくユーザに通知することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,1A,1B,1C 遮断器、2 遮断器本体、3,3A,3B,3C 端子カバー、4 筐体、6,6,6,6 電線、7,7,7,7 接続端子、9,9A,9B,9C 外部センサ、10 基板、11,11,11,11 電流センサ、12,12,12,12 電圧センサ、13,13,13,13,13A,13A,13A,13A,13B,13B,13B,13B,13C,13C,13C,13C 内部センサ、14 計量部、15,15A,15B 受信部、16,16A,16B,16C 異常判定部、17 警報出力部、18,18,18,18,19,19,19,19 感磁素子、20,20A,20B 記憶部、22,22A,22B 処理部、30,203 通信部、31 第1の電流値算出部、32 第2の電流値算出部、33 第3の電流値算出部、40,40A,40B,46 算出部、41,41A,41B,47 判定部、42 学習済モデル記憶部、43 推論部、44,201 データ取得部、45 推論処理部、50 マイクロコンピュータ、51 AD変換器、52 プロセッサ、53 メモリ、54 バス、200 学習装置、202 モデル生成部、300 遮断器システム。

Claims (26)

  1. 分電盤または配電盤の内部である盤内に配置される遮断器の端子カバーであって、
    前記端子カバーを含む前記遮断器の外部に配置され前記盤内の環境状態を計測する外部センサの計測結果を受信する受信部と、
    前記遮断器に設けられた接続端子に接続される電線に流れる電流を検出する電流センサと、
    前記接続端子と前記電線との接続部分の環境状態または前記接続部分に対応する位置の環境状態を計測する内部センサと、
    前記受信部で受信された前記外部センサの計測結果と前記電流センサで検出された前記電流の値とに基づいて、下限値および上限値の少なくとも一方を算出する算出部と、
    前記内部センサの計測結果が前記下限値から前記上限値までの範囲外である場合に、異常があると判定する判定部と、を備える
    ことを特徴とする遮断器の端子カバー。
  2. 前記外部センサおよび前記内部センサの各々は、
    前記環境状態として、温度、ガス濃度、振動、湿度、臭い、および音のうちの1以上を計測する
    ことを特徴とする請求項1に記載の遮断器の端子カバー。
  3. 前記外部センサは、
    前記盤内の温度を計測する温度センサであり、
    前記内部センサは、
    前記接続部分の温度または前記接続部分に対応する位置の温度を計測する温度センサであり、
    前記算出部は、
    前記電線の線径と前記遮断器の種別とに基づいて決定される関数に、前記受信部で受信された前記外部センサの計測結果と前記電流センサで検出された前記電流の値とを代入することによって、前記下限値と前記上限値とを算出し、
    前記判定部は、
    前記内部センサによって計測された温度が前記下限値から前記上限値までの範囲外である場合に、異常があると判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の遮断器の端子カバー。
  4. 前記外部センサは、
    前記盤内のガス濃度を前記盤内の環境状態として計測し、
    前記内部センサは、
    前記端子カバーの内部のガス濃度を前記端子カバーの環境状態として計測し、
    前記算出部は、
    前記電線の線径と前記電線の被膜の種別とに基づいて決定される関数に、前記受信部で受信された前記外部センサの計測結果と前記電流センサで検出された前記電流の値とを代入することによって、前記下限値と前記上限値とを算出し、
    前記判定部は、
    前記内部センサによって計測されたガス濃度が前記下限値から前記上限値までの範囲外である場合に、異常があると判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の遮断器の端子カバー。
  5. 前記外部センサは、
    前記盤内の振動を前記盤内の環境状態として計測し、
    前記内部センサは、
    前記端子カバーの内部の振動を前記端子カバーの環境状態として計測し、
    前記算出部は、
    前記電線の線径と前記遮断器の種別とに基づいて決定される関数に、前記電流センサで検出された前記電流の値を代入することによって、前記上限値を算出し、
    前記判定部は、
    前記内部センサによって計測された振動が前記下限値から前記上限値までの範囲外である場合に、異常があると判定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の遮断器の端子カバー。
  6. 前記算出部は、
    前記電線の線径と前記遮断器の種別とに基づいて決定される関数に、前記受信部で受信された前記外部センサの計測結果と前記電流センサで検出された前記電流の値を代入することによって、前記下限値を算出する
    ことを特徴とする請求項5に記載の遮断器の端子カバー。
  7. 前記算出部は、
    前記上限値を第1の上限値とした場合に、前記電線の線径と前記遮断器の種別とに基づいて第2の上限値を決定し、
    前記判定部は、
    前記内部センサによって計測された振動が前記下限値から前記第1の上限値までの範囲外且つ前記下限値から前記第2の上限値までの範囲外である場合に、異常があると判定する
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の遮断器の端子カバー。
  8. 前記算出部は、
    前記外部センサの計測結果、および前記電流センサで検出される前記電流の値から、前記下限値および前記上限値の少なくとも一方を推論するための学習済モデルを用いて、前記下限値および前記上限値の少なくとも一方を算出する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の遮断器の端子カバー。
  9. 分電盤または配電盤の内部である盤内に配置される遮断器の外部に配置され前記盤内の環境状態を計測する外部センサの計測結果と、前記遮断器に設けられた接続端子に接続される電線に流れる電流を検出する電流センサで検出される前記電流の値と、前記接続端子と前記電線との接続部分の環境状態または前記接続部分に対応する位置の環境状態を計測する内部センサの計測結果から異常を判定するための下限値および上限値の少なくとも一方と、を含む学習用データを取得するデータ取得部と、
    前記学習用データを用いて、前記外部センサの計測結果、および前記電流センサで検出される前記電流の値から、前記下限値および前記上限値の少なくとも一方を推論するための学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備える
    ことを特徴とする学習装置。
  10. 分電盤または配電盤の内部である盤内に配置される遮断器の外部に配置され前記盤内の環境状態を計測する外部センサの計測結果と、前記遮断器に設けられた接続端子に接続される電線に流れる電流を検出する電流センサで検出される前記電流の値とを含むデータセットを取得するデータ取得部と、
    前記データセットから前記接続端子と前記電線との接続部分の環境状態または前記接続部分に対応する位置の環境状態を計測する内部センサの計測結果から異常を判定するための下限値および上限値の少なくとも一方を推論するための学習済モデルを用いて、前記データセットから前記下限値および前記上限値の少なくとも一方を推論する推論処理部と、を備える
    ことを特徴とする推論装置。
  11. 分電盤または配電盤の内部である盤内に配置される遮断器の外部に配置され前記盤内の環境状態を計測する外部センサの計測結果と、前記遮断器に設けられた接続端子に接続される電線に流れる電流を検出する電流センサで検出される前記電流の値と、前記接続端子と前記電線との接続部分の環境状態または前記接続部分に対応する位置の環境状態を計測する内部センサの計測結果と、異常の有無の判定結果とを含む学習用データを取得するデータ取得部と、
    前記学習用データを用いて、前記外部センサの計測結果と、前記電流センサで検出される前記電流の値と、前記内部センサの計測結果とに基づき、前記異常の有無の判定結果を推論するための学習済モデルを生成するモデル生成部と、を備える
    ことを特徴とする学習装置。
  12. 分電盤または配電盤の内部である盤内に配置される遮断器の外部に配置され前記盤内の環境状態を計測する外部センサの計測結果と、前記遮断器に設けられた接続端子に接続される電線に流れる電流を検出する電流センサで検出される前記電流の値と、前記接続端子と前記電線との接続部分の環境状態または前記接続部分に対応する位置の環境状態を計測する内部センサの計測結果とを含むデータセットを取得するデータ取得部と、
    前記データセットから前記外部センサの計測結果と前記電流の値と前記内部センサの計測結果とから異常の有無を推論するための学習済モデルを用いて、前記異常の有無を推論する推論処理部と、を備える
    ことを特徴とする推論装置。
  13. 前記学習用データは、
    前記電流の値が予め定められた値以上のものが選択されたものである
    ことを特徴とする請求項9または11に記載の学習装置。
  14. 前記データセットは、
    前記電流の値が予め定められた値以上のものが選択されたものである
    ことを特徴とする請求項10または12に記載の推論装置。
  15. 前記予め定められた値は50%である
    ことを特徴とする請求項13に記載の学習装置。
  16. 前記予め定められた値は50%である
    ことを特徴とする請求項14に記載の推論装置。
  17. 前記学習用データは、
    前記遮断器が設置された後の予め設定され期間内における当該遮断器の状態、または当該状態から演算される値を含む
    ことを特徴とする請求項9または11に記載の学習装置。
  18. 前記遮断器の状態は、
    前記内部センサの上限値および下限値の少なくともいずれかである
    ことを特徴とする請求項17に記載の学習装置。
  19. 前記モデル生成部は、
    前記遮断器が設置された後に、当該遮断器の状態により、追加学習を行って前記学習済モデルを更新する
    ことを特徴とする請求項17または18に記載の学習装置。
  20. 前記遮断器の端子カバーはリセットボタンを備え、
    前記モデル生成部は、
    前記リセットボタンが押されてから予め定められた期間が経過するまでの間は故障がないとして、当該遮断器の状態により、追加学習を行って前記学習済モデルを更新し、更新した前記学習済モデルを前記端子カバーへ出力する
    ことを特徴とする請求項17から19のいずれか1項に記載の学習装置。
  21. 前記外部センサの計測結果は、
    前記電流が流れていない他の遮断器の内部センサの値である
    ことを特徴とする請求項9または11または13または15または17または18または19または20に記載の学習装置。
  22. 前記外部センサの計測結果を受信する受信部と、
    前記電流センサと、
    前記内部センサと、
    請求項10または12または14または16に記載の推論装置と、
    前記遮断器のメンテナンスをユーザに提案する警報出力部と、を備える
    ことを特徴とする遮断器の端子カバー。
  23. 前記警報出力部は、
    各前記センサの計測結果が、前記推論装置が過去に異常と判定した直前の各前記センサの計測結果に類似する場合に、前記遮断器のメンテナンスをユーザに提案する
    ことを特徴とする請求項22に記載の遮断器の端子カバー。
  24. 前記警報出力部は、
    前記推論装置が異常と判定する直前の各前記センサの計測結果を蓄積するサーバにおいて、前記端子カバーから取得した各前記センサの計測結果が、前記推論装置が過去に異常と判定した直前の各前記センサの計測結果に類似すると判定した場合に、前記遮断器のメンテナンスをユーザに提案する
    ことを特徴とする請求項22に記載の遮断器の端子カバー。
  25. 前記警報出力部は、
    各前記センサの計測結果の変化度合いが、前記推論装置が過去に異常と判定した直前の各前記センサの計測結果の変化度合いと類似すると判定した場合に、前記遮断器のメンテナンスをユーザに提案する
    ことを特徴とする請求項23に記載の遮断器の端子カバー。
  26. 前記警報出力部は、
    各前記センサの計測結果の変化度合いが、前記推論装置が過去に異常と判定した直前の各前記センサの計測結果の変化度合いと類似すると前記サーバに判定された場合に、前記遮断器のメンテナンスをユーザに提案する
    ことを特徴とする請求項24に記載の遮断器の端子カバー。
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