JP2022039929A - 光学フィルム、光学フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置 - Google Patents

光学フィルム、光学フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】表示特性不良が抑制または防止された光学フィルムを提供する。【解決手段】光透過性基材(A)11上に樹脂層(B)12が形成され、樹脂層(B)12を構成する元素がケイ素を含み、樹脂層(B)12中において、光透過性基材(A)11と反対側の表面から1nmの深さでの原子数が、下記数式を満たすことを特徴とする光学フィルム10。5.0≦[(nSi/ntotal)×100]≦9.0数式中、ntotalは、炭素、窒素、酸素およびケイ素の原子数の合計であり、nSiは、ケイ素原子数である。【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルム、光学フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置に関する。
画像表示装置等に用いる光学フィルムには、光透過性基材上にハードコート層等の樹脂層が形成されたものがある(特許文献1等)。また、前記樹脂層上には、さらに他の層を貼付して用いる場合がある。
特開2008―221746号公報
画像表示装置等の装置を薄型化するためには、それに用いる光学フィルムもなるべく薄型化することが好ましい。
しかし、前記光学フィルムにおいて、光透過性基材上に形成された樹脂層の厚みを薄くすると、ハジキと呼ばれる表示特性不良が起こるおそれがある。一方、ハジキを防止する目的で前記樹脂層中の添加剤の量を増やすと、前記樹脂層上に他の層を貼付した場合に、汚染または剥がれ等により、やはり表示特性不良が起こるおそれがある。
そこで、本発明は、表示特性不良が抑制または防止された光学フィルム、光学フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置の提供を目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の光学フィルムは、
光透過性基材(A)上に樹脂層(B)が形成され、
前記樹脂層(B)を構成する元素が、ケイ素を含み、
前記樹脂層(B)中において、前記光透過性基材(A)と反対側の表面から1nmの深さでの原子数が、下記数式(1)を満たすことを特徴とする。

5.0≦[(nSi/ntotal)×100]≦9.0 (1)

前記数式(1)中、ntotalは、炭素、窒素、酸素およびケイ素の原子数の合計であり、nSiは、ケイ素原子数である。
本発明の光学フィルムの製造方法は、
前記光透過性基材(A)上に、前記樹脂層(B)を、前記数式(1)を満たすように形成する樹脂層(B)形成工程を含み、
前記樹脂層(B)形成工程が、前記光透過性基材(A)上に樹脂層形成用塗工液を塗工する塗工工程と、塗工した前記樹脂層形成用塗工液を乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程とを含み、
前記樹脂層形成用塗工液が、樹脂と、ケイ素元素含有添加剤と、希釈溶媒とを含むことを特徴とする前記本発明の光学フィルムの製造方法である。
本発明の光学部材は、本発明の光学フィルムを含む光学部材である。
本発明の画像表示装置は、本発明の光学フィルム、または本発明の光学部材を含む画像表示装置である。
本発明によれば、表示特性不良が抑制または防止された光学フィルム、光学フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置を提供することができる。
図1は、本発明の光学フィルムおよびその製造方法の一例を示す断面図である。 図2は、本発明の光学フィルムの別の一例を示す断面図である。
つぎに、本発明について、例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の説明により、なんら限定されない。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記樹脂層(B)の厚みが1.0~5.0μmであってもよい。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記樹脂層(B)が、表面調整剤を含み、前記表面調整剤を構成する元素が、ケイ素を含んでいてもよい。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記表面調整剤が、ジメチルシロキサン骨格を有するケイ素化合物を含んでいてもよい。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記樹脂層(B)が、官能基を有するオリゴマーとモノマーとの共重合体により形成されていてもよい。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記樹脂層(B)が、ハードコート層であってもよい。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記樹脂層(B)における前記光透過性基材(A)と反対側の面上に、粘着層によって他の層(C)が貼付されていてもよい。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記粘着層が、下記数式(2)の条件を満たしていてもよい。なお、下記数式(2)中における水接触角dおよびdの測定方法は、特に限定されないが、例えば、後述の実施例に記載の方法で測定することができる。

(d-d)/d≧0.10 (2)

前記数式(2)中、dは、前記樹脂層(B)表面に前記粘着層および前記他の層(C)が無い場合における前記樹脂層(B)表面の水接触角(°)であり、dは、前記粘着層から前記他の層(C)を剥離した後における前記粘着層表面の水接触角(°)である。なお、前記数式(2)は、dが、dの90%以下である(10%以上減少している)ことと同義である。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記他の層(C)が、ガラスまたは樹脂フィルムであってもよい。
本発明の光学フィルムの製造方法は、例えば、前記樹脂層(B)形成工程が、さらに、前記塗膜を硬化させる硬化工程を含んでいてもよい。
本発明の光学フィルムの製造方法は、例えば、前記光学フィルムにおける前記樹脂層(B)が、表面調整剤を含み、前記表面調整剤を構成する元素が、ケイ素を含み、前記ケイ素元素含有添加剤が、前記表面調整剤であってもよい。前記表面調整剤は、例えば、前述のとおり、ジメチルシロキサン骨格を有するケイ素化合物を含んでいてもよい。
本発明の光学フィルムの製造方法は、例えば、前記希釈溶媒が、MIBK(メチルイソブチルケトン)およびシクロペンタノンを含んでいてもよい。
本発明の光学部材は、例えば、偏光板であってもよい。
なお、本発明において、「重量」と「質量」とは、特に断らない限り、互いに読み替えてもよいものとする。例えば、「質量部」は「重量部」と読み替えてもよく、「重量部」は「質量部」と読み替えてもよく、「質量%」は「重量%」と読み替えてもよく、「重量%」は「質量%」と読み替えてもよいものとする。
[1.光学フィルム]
本発明の光学フィルムは、前述のとおり、
光透過性基材(A)上に樹脂層(B)が形成され、
前記樹脂層(B)を構成する元素が、ケイ素を含み、
前記樹脂層(B)中において、前記光透過性基材(A)と反対側の表面から1nmの深さでの原子数が、下記数式(1)を満たすことを特徴とする。

5.0≦[(nSi/ntotal)×100]≦9.0 (1)

前記数式(1)中、ntotalは、炭素、窒素、酸素およびケイ素の原子数の合計であり、nSiは、ケイ素原子数である。
図1に、本発明の光学フィルムおよびその製造方法の一例を示す。まず、図1(a)に示すとおり、光透過性基材(A)11を準備する。つぎに、図1(b)に示すとおり、光透過性基材(A)11の一方の面に、樹脂層(B)12を形成する。樹脂層(B)12は、光透過性基材(A)11と反対側の表面から1nmの深さでの原子数が、前記数式(1)を満たす。このようにして、図1(b)に示す本発明の光学フィルム10を製造することができる。なお、本発明の光学フィルムの製造方法については、後に詳述する。
また、図1(c)に示すように、さらに、樹脂層(B)12における光透過性基材(A)11と反対側の面上に、粘着層13によって他の層(C)20を貼付し、他の層(C)20を含む本発明の光学フィルム10’としてもよい。
また、図2の断面図に、本発明の光学フィルムの別の一例を示す。図示のとおり、この光学フィルム10は、光透過性基材(A)11の一方の面に、樹脂層(B)12が積層されている。図2の光学フィルム10では、樹脂層(B)12は、防眩性ハードコート層である。防眩性ハードコート層(B)12は、樹脂層形成樹脂12a中に粒子12bおよびチキソトロピー付与剤12cが含まれている。
なお、本発明において、前記樹脂層(B)は、樹脂のみで形成されていてもよいが、他の成分を含んでいてもよい。前記他の成分は、特に限定されず、一種類でも複数種類でもよく、例えば、図2に示したように、粒子、チキソトロピー付与剤等であってもよい。
また、前記樹脂層(B)において、前記光透過性基材(A)と反対側の表面は、平坦でもよいが、例えば、図2で示したように、凹凸を有していてもよい。なお、本発明において、前記樹脂層(B)における光透過性基材(A)と反対側の表面からの「深さ」は、前記光透過性基材(A)の表面と垂直方向に向かっての深さであり、前記表面が平坦な場合も凹凸を有する場合も同様とする。
本発明の光学フィルムは、前述のとおり、前記樹脂層(B)中において、前記光透過性基材(A)と反対側の表面から1nmの深さでの原子数が、前記数式(1)を満たす。前記数式(1)を満たすことは、前記樹脂層(B)中において、前記光透過性基材(A)と反対側の表面から1nmの深さで、炭素、窒素、酸素およびケイ素の原子数の合計に対し、ケイ素原子数が5.0~9.0%であることと同義である。前記光透過性基材(A)と反対側の表面から1nmの深さで、炭素、窒素、酸素およびケイ素の原子数の合計に対し、ケイ素原子数は、例えば、5.5%以上、6.0%以上、または6.5%以上であってもよいし、例えば、8.5%以下、8.0%以下、または7.5%以下であってもよい。
なお、前記樹脂層(B)は、前記数式(1)で定義されるとおり、元素としてのケイ素を必ず含む。また、前記樹脂層(B)は、元素としての炭素、窒素および酸素を、全種類(三種類)含んでいてもよいが、全種類を含まなくてもよく、一種類または二種類のみ含んでいてもよい。また、前記樹脂層(B)は、炭素、窒素、酸素およびケイ素以外の元素を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
また、前記樹脂層(B)の厚みは、例えば、前述のとおり、1.0~5.0μmであってもよい。前記樹脂層(B)の厚みは、例えば、1.5μm以上であってもよいし、例えば、4.5μm以下、4.0μm以下、3.5μm以下、3.0μm以下、または2.5μm以下であってもよい。
以下、前記光透過性基材(A)、前記樹脂層(B)、前記粘着層、および前記他の層(C)のそれぞれについて、さらに例を挙げて説明する。
前記光透過性基材(A)は、特に制限されないが、例えば、透明プラスチックフィルム基材等があげられる。前記透明プラスチックフィルム基材は、特に制限されないが、可視光の光線透過率に優れ(好ましくは光線透過率90%以上)、透明性に優れるもの(好ましくはヘイズ値1%以下のもの)が好ましく、例えば、特開2008-90263号公報に記載の透明プラスチックフィルム基材があげられる。前記透明プラスチックフィルム基材としては、光学的に複屈折の少ないものが好適に用いられる。本発明の光学フィルムは、例えば、保護フィルムとして偏光板に使用することもでき、この場合には、前記透明プラスチックフィルム基材としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート、アクリル系ポリマー、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン等から形成されたフィルムが好ましい。また、本発明において、後述するように、前記透明プラスチックフィルム基材は、偏光子自体であってもよい。このような構成であると、TAC等からなる保護層を不要とし偏光板の構造を単純化できるので、偏光板もしくは画像表示装置の製造工程数を減少させ、生産効率の向上が図れる。また、このような構成であれば、偏光板を、より薄層化することができる。なお、前記透明プラスチックフィルム基材が偏光子である場合には、前記樹脂層(B)および前記他の層(C)が、保護層としての役割を果たすことになる。また、このような構成であれば、光学フィルムは、例えば、液晶セル表面に装着される場合、カバープレートとしての機能を兼ねることになる。
本発明において、前記光透過性基材(A)の厚みは、特に制限されないが、強度、取り扱い性などの作業性および薄層性などの点を考慮すると、例えば、10~500μm、20~300μm、または30~200μmの範囲である。前記光透過性基材(A)の屈折率は、特に制限されない。前記屈折率は、例えば、1.30~1.80または1.40~1.70の範囲である。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記光透過性基材(A)に含まれる樹脂が、アクリル樹脂を含んでいてもよい。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記光透過性基材(A)が、アクリルフィルムであってもよい。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記樹脂層(B)における前記光透過性基材の反対側の表面が凹凸を有し、前記凹凸に起因する外部ヘイズ値が5%以上であってもよい。高防眩のフィルムにおいては、全体の外観が白ボケし、白黒の濃淡模様が発生しやすくなるおそれがある。これを抑制または防止する観点から、および、映り込みを抑制する観点から、前記外部ヘイズ値がなるべく大きいことが好ましい。一方、表示特性の低下(例えば、画像が不鮮明になる、暗所でのコントラストが低下する等)を抑制または防止する観点からは、前記外部ヘイズ値が大きすぎないことが好ましい。前記外部ヘイズ値は、特に限定されないが、例えば、5%以上、10%以上、15%以上、または20%以上であってもよく、例えば、50%以下、45%以下、40%以下、または35%以下であってもよい。本発明において、前記外部ヘイズ値の測定方法は、特に限定されないが、例えば、下記(1)~(3)の測定方法により測定することができる。

(1) 本発明の光学フィルムの全ヘイズ値を、JIS K 7136に準拠した方法に基づいて測定する。

(2) 前記(1)の光学フィルムの樹脂層(B)における光透過性基材(A)と逆側の面に透光性粘着剤を積層し、さらにその上に、COPフィルム(日本ゼオン社製、商品名ZEONORフィルム)を貼付して積層体を作製する。この積層体に対し、JIS K 7136に準拠した全ヘイズ値の測定方法(すなわち、前記(1)の測定方法)と同じ測定方法で測定すると、前記(1)の光学フィルムの内部ヘイズ値を得ることができる。この内部ヘイズ値は、前記(1)の全ヘイズ値から、前記樹脂層(B)側の最表面の前記凹凸の影響を排除したヘイズ値である。

(3) 前記(1)で測定した全ヘイズ値から前記(2)で測定した内部ヘイズ値を減算して得られた数値を、前記(1)の光学フィルムの外部ヘイズ値とする。
本発明の光学フィルムにおいて、前記樹脂層(B)に含まれる樹脂は、特に限定されないが、例えば、アクリレート樹脂(アクリル樹脂ともいう)を含んでいてもよい。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記樹脂層(B)に含まれる樹脂が、ウレタンアクリレート樹脂を含んでいてもよい。
本発明の光学フィルムは、例えば、前述のとおり、前記樹脂層(B)が、官能基を有するオリゴマーとモノマーとの共重合体により形成されていてもよい。前記官能基を有するオリゴマーとしては、特に限定されないが、例えば、硬化型ウレタンアクリレート樹脂等が挙げられる。前記硬化型ウレタンアクリレート樹脂としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製の商品名「UV-1700TL」等が挙げられる。前記モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、多官能アクリレート等が挙げられる。前記多官能アクリレートとしては、例えば、東亜合成株式会社製の商品名「M-920」等が挙げられる。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記樹脂層(B)に含まれる樹脂が、硬化型ウレタンアクリレート樹脂および多官能アクリレートの共重合物であってもよい。
本発明の光学フィルムにおいて、前記樹脂層(B)は、前述のとおり、元素としてのケイ素を必ず含む。このため、前述のとおり、前記樹脂層(B)が、表面調整剤を含み、前記表面調整剤を構成する元素が、ケイ素を含んでいてもよい。また、前記表面調整剤が、ジメチルシロキサン骨格を有するケイ素化合物を含んでいてもよい。前記表面調整剤は、例えば、レベリング剤、ジメチルシロキサン変性メタクリル酸エステル、ポリジメチルシロキサン環状物等であってもよい。前記表面調整剤としては、共栄社化学(株)製の商品名「LE-303」、DIC(株)製の商品名「PC4100」等が挙げられる。前記表面調整剤の添加量は、特に限定されないが、例えば、前記樹脂層(B)中におけるケイ素含有率が前述の範囲内となるように適宜設定すればよい。
本発明の光学フィルムにおいて、前記樹脂層(B)は、特に限定されないが、例えば、ハードコート層であってもよく、例えば、防眩性ハードコート層であってもよい。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記樹脂層(B)が、樹脂およびフィラーを含む防眩性ハードコート層形成材料を用いて形成されており、前記樹脂層(B)が、前記フィラーが凝集することによって、前記樹脂層(B)の表面に凸状部を形成する凝集部を有していてもよい。また、前記凸状部を形成する凝集部において、前記フィラーが、前記樹脂層(B)の面方向における一方向に複数集まった状態で存在していてもよい。本発明の画像表示装置は、例えば、前記フィラーが複数集まった一方向と、前記ブラックマトリックスパターンの長辺方向とが一致するように、前記本発明の光学フィルムが配置されていてもよい。前記フィラーとしては、例えば、前記粒子、前記チキソトロピー付与剤等が挙げられる。
前記樹脂層(B)は、例えば、後述するように、樹脂と、ケイ素元素含有添加剤と、希釈溶媒とを含む塗工液を、前記光透過性基材(A)の面上に塗工して塗膜を形成し、次いで、前記塗膜から前記溶媒を除去することで形成される。前記樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂、紫外線や光で硬化する電離放射線硬化性樹脂があげられる。前記樹脂として、市販の熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂等を用いることも可能である。
前記熱硬化型樹脂や紫外線硬化型樹脂としては、例えば、熱、光(紫外線等)または電子線等により硬化するアクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する硬化型化合物が使用でき、例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂、多価アルコール等の多官能化合物のアクリレートやメタクリレート等のオリゴマーまたはプレポリマー等があげられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記樹脂には、例えば、アクリレート基およびメタクリレート基の少なくとも一方の基を有する反応性希釈剤を用いることもできる。前記反応性希釈剤は、例えば、特開2008-88309号公報に記載の反応性希釈剤を用いることができ、例えば、単官能アクリレート、単官能メタクリレート、多官能アクリレート、多官能メタクリレート等を含む。前記反応性希釈剤としては、3官能以上のアクリレート、3官能以上のメタクリレートが好ましい。これは、樹脂層(B)の硬度を、優れたものにできるからである。前記反応性希釈剤としては、例えば、ブタンジオールグリセリンエーテルジアクリレート、イソシアヌル酸のアクリレート、イソシアヌル酸のメタクリレート等もあげられる。これらは、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記樹脂層(B)は、前述のとおり、チキソトロピー付与剤を含んでいても含んでいなくてもよい。前記チキソトロピー付与剤は、例えば、有機粘土、酸化ポリオレフィンおよび変性ウレアからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。また、前記チキソトロピー付与剤は、例えば、増粘剤であってもよい。前記チキソトロピー付与剤は、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。
本発明の光学フィルムにおいて、前記樹脂層(B)の前記樹脂層を形成する樹脂の全質量に対し、例えば、前記チキソトロピー付与剤が0.2~5質量%または0.4~4質量%含まれていてもよい。
前記他の層(C)は、特に限定されず、例えば、保護層、加飾層等であってもよい。前記他の層(C)は、例えば、ガラスまたは樹脂フィルム(プラスチックフィルム)であってもよい。前記樹脂フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、日東電工株式会社製の商品名「E-MASK」シリーズ等が挙げられる。前記他の層(C)の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm以上、20μm以上、または30μm以上であってもよいし、例えば、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、または40μm以下であってもよい。
前記粘着層は、例えば、粘着剤(粘着剤組成物)により形成された粘着層でもよい。本発明において、前記粘着層は、前記樹脂層(B)から前記他の層(C)を再剥離可能な層であることが好ましい。前記粘着層の厚みは、特に限定されないが、例えば、5μm以上、または10μm以上であってもよいし、例えば、50μm以下、40μm以下、30μm以下、または20μm以下であってもよい。前記粘着剤は、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系ポリマー等が挙げられる。これらは、例えば、溶媒に溶解または分散させて溶液または分散液の形態とし、それを前記粘着剤(粘着剤組成物)として用いてもよい。前記溶媒としては、例えば、酢酸エチル等が挙げられ、1種類のみ用いても複数種類併用してもよい。前記溶液または分散液中の溶質または分散質(例えば、前記アクリル系ポリマー)の濃度は、例えば、10質量%以上、または15質量%以上であってもよく、例えば、60質量%以下、50質量%以下、40質量%以下、または25質量%以下であってもよい。なお、本発明において、「(メタ)アクリル系ポリマー」は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、および(メタ)アクリルアミドの少なくとも一種類のモノマーの重合体または共重合体をいう。また、本発明において、(メタ)アクリル酸は、「アクリル酸およびメタクリル酸の少なくとも一方」を意味し、「(メタ)アクリル酸エステル」は、「アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの少なくとも一方」を意味する。前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸の直鎖または分枝アルキルエステル等があげられる。前記(メタ)アクリル酸の直鎖または分枝アルキルエステルにおいて、アルキル基の炭素数は、例えば、1以上、2以上、3以上、または4以上であってもよく、例えば、18以下、16以下、14以下、12以下、10以下、または8以下であってもよい。前記アルキル基は、例えば、1または複数の置換基で置換されていても置換されていなくてもよい。前記置換基は、例えば、水酸基等が挙げられ、複数の場合は、同一でも異なっていてもよい。前記(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、2-エチルヘキシルアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート等が挙げられる。また、前記粘着剤は、一種類のみ用いてもよいし、複数種類併用してもよい。
また、本発明の光学フィルムは、前記光透過性基材(A)、前記樹脂層(B)、前記粘着層、前記他の層(C)以外のさらに別の層を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。前記別の層は、特に限定されないが、例えば、易接着層、反射防止層、粘着剤が付着した基材層等が挙げられる。
前述のとおり、光学フィルムにおいて、光透過性基材上に形成された樹脂層の厚みを薄くすると、ハジキと呼ばれる表示特性不良が起こるおそれがある。一方、ハジキを防止する目的で前記樹脂層中の添加剤(例えば、レベリング剤等の表面調整剤)の量を増やすと、前記樹脂層上に他の層を貼付した場合に、汚染または剥がれ等により、やはり表示特性不良が起こるおそれがある。これに対し、本発明では、前記樹脂層(B)が前記数式(1)を満たすことで、例えば、前記汚染、剥がれ等を抑制または防止することが可能であり、その結果、表示特性不良が抑制または防止された光学フィルムを提供することができる。
[2.光学フィルムの製造方法]
本発明の光学フィルムの製造方法は、特に制限されず、どのような方法で製造されてもよいが、前記本発明の光学フィルムの製造方法により製造することが好ましい。
前記光学フィルムの製造方法は、例えば、以下のようにして行うことができる。
まず、前記光透過性基材(A)上に、前記樹脂層(B)を、前記数式(1)を満たすように形成する(樹脂層(B)形成工程)。これにより、前記光透過性基材(A)と前記樹脂層(B)との積層体を製造する。前記樹脂層(B)形成工程は、前述のとおり、前記光透過性基材(A)上に前記樹脂層形成用塗工液(以下、単に「塗工液」または「樹脂層(B)形成材料」という場合がある。)を塗工する塗工工程と、塗工した前記塗工液を乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程とを含む。また、例えば、前述のとおり、前記樹脂層(B)形成工程が、さらに、前記塗膜を硬化させる硬化工程を含んでいてもよい。前記硬化は、例えば、前記乾燥の後に行なうことができるが、これに限定されない。前記硬化は、例えば、加熱、光照射等により行うことができる。前記光は、特に限定されないが、例えば、紫外線等であってもよい。前記光照射の光源も特に限定されないが、例えば、高圧水銀ランプ等であってもよい。
前記塗工液(樹脂層(B)形成材料)は、前述のとおり、前記樹脂と、前記ケイ素元素含有添加剤と、前記希釈溶媒(以下、単に「溶媒」という場合がある。)とを含む。前記塗工液は、これら以外の他の成分を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。前記他の成分としては、特に限定されないが、例えば、前記粒子、前記チキソトロピー付与剤等が挙げられる。
前記溶媒は、特に制限されず、種々の溶媒を使用可能であり、一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。前記樹脂の組成、前記粒子および前記チキソトロピー付与剤の種類、含有量等に応じて、本発明の光学フィルムを得るために、最適な溶媒種類や溶媒比率を適宜選択してもよい。溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、ブタノール、t-ブチルアルコール(TBA)、2-メトキシエタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等があげられる。また、例えば、前記溶媒が、炭化水素溶媒と、ケトン溶媒とを含んでいてもよい。前記炭化水素溶媒は、例えば、芳香族炭化水素であってもよい。前記芳香族炭化水素は、例えば、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、およびベンゼンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。前記ケトン溶媒は、例えば、シクロペンタノン、およびアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。前記溶媒は、例えば、チキソトロピー付与剤(例えば増粘剤)を溶解させるために、前記炭化水素溶媒(例えばトルエン)を含むことが好ましい。前記溶媒は、例えば、前記炭化水素溶媒と、前記ケトン溶媒とを、90:10~10:90の質量比で混合した溶媒であってもよい。前記炭化水素溶媒と、前記ケトン溶媒との質量比は、例えば、80:20~20:80、70:30~30:70、または40:60~60:40等であってもよい。この場合において、例えば、前記炭化水素溶媒がトルエンであり、前記ケトン溶媒がメチルエチルケトンであってもよい。また、前記溶媒は、例えば、トルエンを含むとともに、さらに、酢酸エチル、酢酸ブチル、IPA、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、およびTBAからなる群から選択される少なくとも一つを含んでいてもよい。
光透過性基材(A)として、例えば、アクリルフィルムを採用して中間層(浸透層)を形成する場合は、アクリルフィルム(アクリル樹脂)に対する良溶媒が好適に使用できる。その溶媒としては、例えば、前述のとおり、炭化水素溶媒と、ケトン溶媒とを含む溶媒でもよい。前記炭化水素溶媒は、例えば、芳香族炭化水素であってもよい。前記芳香族炭化水素は、例えば、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、エチルベンゼン、およびベンゼンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。前記ケトン溶媒は、例えば、シクロペンタノン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、およびアセトフェノンからなる群から選択される少なくとも一つであってもよい。前記溶媒は、例えば、前記炭化水素溶媒と、前記ケトン溶媒とを、90:10~10:90の質量比で混合した溶媒であってもよい。前記炭化水素溶媒と、前記ケトン溶媒との質量比は、例えば、80:20~20:80、70:30~30:70、または40:60~60:40等であってもよい。この場合において、例えば、前記炭化水素溶媒がトルエンであり、前記ケトン溶媒がメチルエチルケトンであってもよい。
光透過性基材(A)として、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)を用いる場合は、前記溶媒としては、特に限定されないが、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、MIBK(メチルイソブチルケトン)、シクロペンタノン等が挙げられ、一種類のみ用いても複数種類併用してもよい。この場合、前記溶媒は、例えば、MIBKおよびシクロペンタノンの混合溶媒でもよい。MIBKおよびシクロペンタノンの混合比は、特に限定されないが、例えば、質量比で、90:10~10:90、80:20~20:80、70:30~30:70であってもよい。
また、溶媒を適宜選択することによって、チキソトロピー付与剤を含有する場合において防眩性ハードコート層形成材料(塗工液)へのチキソ性を良好に発現させることができる。例えば、有機粘土を用いる場合には、トルエンおよびキシレンを好適に、単独使用または併用することができ、例えば、酸化ポリオレフィンを用いる場合には、メチルエチルケトン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルメーテルを好適に、単独使用または併用することができ、例えば、変性ウレアを用いる場合には、酢酸ブチルおよびメチルイソブチルケトンを好適に、単独使用または併用することができる。
前記樹脂層(B)形成材料には、各種レベリング剤を添加することができる。前記レベリング剤としては、塗工ムラ防止(塗工面の均一化)を目的に、例えば、フッ素系またはシリコーン系のレベリング剤を用いることができる。シリコーン系のレベリング剤は、前記樹脂層(B)に元素としてのケイ素を含ませる目的でも使用することができる。本発明では、樹脂層(B)表面に防汚性が求められる場合、または、前記他の層(C)として反射防止層(低屈折率層)や層間充填剤を含む層が樹脂層(B)上に形成される場合などに応じて、適宜レベリング剤を選定することができる。
前記レベリング剤の配合量は、前記樹脂100重量部に対して、例えば、5重量部以下、好ましくは0.01~5重量部の範囲である。
前記樹脂層(B)形成材料には、必要に応じて、性能を損なわない範囲で、顔料、充填剤、分散剤、可塑剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、防汚剤、酸化防止剤等が添加されてもよい。これらの添加剤は一種類を単独で使用してもよく、また二種類以上併用してもよい。
前記樹脂層(B)形成材料には、例えば、特開2008-88309号公報に記載されるような、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。
前記樹脂層(B)形成材料(塗工液)を前記光透過性基材(A)上に塗工して塗膜を形成する方法としては、例えば、ファンテンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、バーコート法等の塗工法を用いることができる。
つぎに、前述のとおり、前記塗膜を乾燥および硬化させ、樹脂層(B)を形成する。前記乾燥は、例えば、自然乾燥でもよいし、風を吹きつけての風乾であってもよいし、加熱乾燥であってもよいし、これらを組み合わせた方法であってもよい。
前記樹脂層(B)形成材料(塗工液)の乾燥温度は、例えば、30~200℃の範囲であってもよい。前記乾燥温度は、例えば、40℃以上、50℃以上、60℃以上、70℃以上、80℃以上、90℃以上、または100℃以上であってもよく、190℃以下、180℃以下、170℃以下、160℃以下、150℃以下、140℃以下、135℃以下、130℃以下、120℃以下、または110℃以下であってもよい。乾燥時間は特に限定されないが、例えば、30秒以上、40秒以上、50秒以上、または60秒以上であってもよく、150秒以下、130秒以下、110秒以下、または90秒以下であってもよい。
前記塗膜の硬化手段は、特に制限されないが、紫外線硬化が好ましい。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50~500mJ/cmが好ましい。照射量が、50mJ/cm以上であれば、硬化が十分に進行しやすく、形成される樹脂層(B)の硬度が高くなりやすい。また、500mJ/cm以下であれば、形成される樹脂層(B)の着色を防止することができる。
以上のようにして、前記光透過性基材(A)と前記樹脂層(B)との積層体を製造できる。この積層体を、そのまま本発明の光学フィルムとしてもよいし、例えば、前記樹脂層(B)における前記光透過性基材(A)と反対側の面上に、前記粘着層によって前記他の層(C)を貼付して本発明の光学フィルムとしてもよい。
[3.光学部材および画像表示装置]
本発明の光学部材は、特に限定されないが、例えば、偏光板であってもよい。前記偏光板も、特に限定されないが、例えば、本発明の光学フィルムおよび偏光子を含んでいてもよいし、さらに、他の構成要素を含んでいてもよい。前記偏光板の各構成要素は、例えば、接着剤または粘着剤等により貼り合わせられていてもよい。
本発明の画像表示装置も特に限定されず、どのような画像表示装置でもよいが、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置等があげられる。
本発明の画像表示装置は、例えば、本発明の光学フィルムを視認側表面に有する画像表示装置であって、前記画像表示装置がブラックマトリックスパターンを有していてもよい。
本発明の光学フィルムは、例えば、前記光透過性基材(A)側を、粘着剤や接着剤を介して、LCDに用いられている光学部材に貼り合せることができる。なお、この貼り合わせにあたり、前記光透過性基材(A)表面に対し、前述のような各種の表面処理を行ってもよい。前述のとおり、本発明の光学フィルムの製造方法によれば、光学フィルムの表面形状を広い範囲で自在に制御可能である。このため、前記光学フィルムを、接着剤や粘着剤などを用いて他の光学部材と積層することによって得ることができる光学特性は、前記光学フィルムの表面形状に対応した広い範囲にわたる。
前記光学部材としては、例えば、偏光子または偏光板があげられる。偏光板は、偏光子の片側または両側に透明保護フィルムを有するという構成が一般的である。偏光子の両面に透明保護フィルムを設ける場合は、表裏の透明保護フィルムは、同じ材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。偏光板は、通常、液晶セルの両側に配置される。また、偏光板は、2枚の偏光板の吸収軸が互いに略直交するように配置される。
前記光学フィルムを積層した偏光板の構成は、特に制限されないが、例えば、前記光学フィルムの上に、透明保護フィルム、前記偏光子および前記透明保護フィルムを、この順番で積層した構成でもよいし、前記光学フィルム上に、前記偏光子、前記透明保護フィルムを、この順番で積層した構成でもよい。
本発明の画像表示装置は、前記光学フィルムを特定の方向で配置する以外は、従来の画像表示装置と同様の構成である。例えば、LCDの場合、液晶セル、偏光板等の光学部材、および必要に応じ照明システム(バックライト等)等の各構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むこと等により製造できる。
本発明の光学フィルムの用途は、特に限定されず、任意の用途に使用可能である。その用途としては、例えば、パソコンモニター、ノートパソコン、コピー機等のOA機器、携帯電話、時計、デジタルカメラ、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム機等の携帯機器、ビデオカメラ、テレビ、電子レンジ等の家庭用電気機器、バックモニター、カーナビゲーションシステム用モニター、カーオーディオ等の車載用機器、商業店舗用インフォメーション用モニター等の展示機器、監視用モニター等の警備機器、介護用モニター、医療用モニター等の介護・医療機器等があげられる。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、以下の実施例および比較例により制限されない。
なお、以下の実施例および比較例において、物質の部数は、特に断らない限り、質量部(重量部)である。
[実施例1]
以下のようにして、光透過性基材(A)上に樹脂層(ハードコート層)(B)が形成された本発明の光学フィルムを製造した。
ハードコート層に含まれる樹脂として、紫外線硬化型アクリレート樹脂(東亜合成(株)製、商品名「M-920」、固形分100%)40重量部、紫外線硬化型アクリレート樹脂(三菱ケミカル(株)製、商品名「UV-1700TL」、固形分80%)60重量部を準備した。前記樹脂の樹脂固形分100重量部あたり、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)を3重量部、レベリング剤(共栄社化学(株)製、商品名「LE-303」、固形分40%)を0.12重量部混合した。この混合物を固形分濃度が30%となるように、MIBK/シクロペンタノン混合溶媒(重量比70/30)で希釈して、ハードコート層形成用塗工液(E1)を調製した。
光透過性基材(A)として、透明プラスチックフィルム基材(TAC、コニカミノルタ(株)製、商品名「KC2UA」)を準備した。つぎに、前記透明プラスチックフィルム基材の一方の面に、前記ハードコート層形成用塗工液(E1)を、バーコータを用いて塗布(塗工)し、塗布層(塗工層)を形成した(塗工工程)。この塗布層が形成された透明プラスチックフィルム基材を、乾燥工程(塗膜形成工程)へと搬送した。さらに、乾燥工程(塗膜形成工程)において、80℃で1分間加熱することにより前記塗布層を乾燥させて塗膜を形成した。その後、前記塗膜に、高圧水銀ランプにて積算光量240mJ/cmの紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理し(硬化工程)、厚み2.0μmのハードコート層(樹脂層(B))を形成した。以上のようにして、前記光透過性基材(A)上に前記樹脂層(B)が形成された実施例1のハードコートフィルム(光学フィルム)を得た。
[実施例2]
以下のようにして、光透過性基材(A)上に樹脂層(ハードコート層)(B)が形成された本発明の光学フィルムを製造した。
ハードコート層に含まれる樹脂として、紫外線硬化型アクリレート樹脂(東亜合成(株)製、商品名「M-920」、固形分100%)40重量部、紫外線硬化型アクリレート樹脂(三菱ケミカル(株)製、商品名「UV-1700TL」、固形分80%)60重量部を準備した。前記樹脂の樹脂固形分100重量部あたり、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)を3重量部、レベリング剤(共栄社化学(株)製、商品名「LE-303」、固形分40%)を0.20重量部混合した。この混合物を固形分濃度が30%となるように、MIBK/シクロペンタノン混合溶媒(重量比70/30)で希釈して、ハードコート層形成用塗工液(E2)を調製した。
光透過性基材(A)として、透明プラスチックフィルム基材(TAC、コニカミノルタ(株)製、商品名「KC2UA」)を準備した。つぎに、前記透明プラスチックフィルム基材の一方の面に、前記ハードコート層形成用塗工液(E2)を、バーコータを用いて塗布(塗工)し、塗布層(塗工層)を形成した(塗工工程)。この塗布層が形成された透明プラスチックフィルム基材を、乾燥工程(塗膜形成工程)へと搬送した。さらに、乾燥工程(塗膜形成工程)において、80℃で1分間加熱することにより前記塗布層を乾燥させて塗膜を形成した。その後、前記塗膜に、高圧水銀ランプにて積算光量240mJ/cmの紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理し(硬化工程)、厚み2.0μmのハードコート層(樹脂層(B))を形成した。以上のようにして、前記光透過性基材(A)上に前記樹脂層(B)が形成された実施例2のハードコートフィルム(光学フィルム)を得た。
[実施例3]
以下のようにして、光透過性基材(A)上に樹脂層(ハードコート層)(B)が形成された本発明の光学フィルムを製造した。
ハードコート層に含まれる樹脂として、紫外線硬化型アクリレート樹脂(新中村化学(株)製、商品名「A-DCP」、固形分100%)50重量部、紫外線硬化型アクリレート樹脂(三菱ケミカル(株)製、商品名「UV-1700TL」、固形分80%)50重量部を準備した。前記樹脂の樹脂固形分100重量部あたり、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)を5重量部、レベリング剤(共栄社化学(株)製、商品名「LE-303」、固形分40%)を0.20重量部混合した。この混合物を固形分濃度が30%となるように、MIBK/シクロペンタノン混合溶媒(重量比60/40)で希釈して、ハードコート層形成用塗工液(E3)を調整した。
光透過性基材(A)として、透明プラスチックフィルム基材(TAC、富士フイルム(株)製、商品名「TJ25UL」)を準備した。つぎに、前記透明プラスチックフィルム基材の片面に、前記ハードコート層形成用塗工液(E3)を、バーコータを用いて塗布(塗工)し、塗布層(塗工層)を形成した(塗工工程)。この塗布層が形成された透明プラスチックフィルム基材を、乾燥工程(塗膜形成工程)へと搬送した。さらに、乾燥工程(塗膜形成工程)において、60℃で1分間加熱することにより前記塗布層を乾燥させて塗膜を形成した。その後、前記塗膜に、高圧水銀ランプにて積算光量220mJ/cmの紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理し(硬化工程)、厚み2.5μmのハードコート層(樹脂層(B))を形成した。以上のようにして、前記光透過性基材(A)上に前記樹脂層(B)が形成された実施例3のハードコートフィルム(光学フィルム)を得た。
[実施例4]
以下のようにして、光透過性基材(A)上に樹脂層(ハードコート層)(B)が形成された本発明の光学フィルムを製造した。
ハードコート層に含まれる樹脂として、紫外線硬化型アクリレート樹脂(新中村化学(株)製、商品名「A-DCP」、固形分100%)50重量部、紫外線硬化型アクリレート樹脂(三菱ケミカル(株)製、商品名「UV-1700TL」、固形分80%)50重量部を準備した。前記樹脂の樹脂固形分100重量部あたり、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)を5重量部、レベリング剤(共栄社化学(株)製、商品名「LE-303」、固形分40%)を0.10重量部混合した。この混合物を固形分濃度が30%となるように、MIBK/シクロペンタノン混合溶媒(重量比60/40)で希釈して、ハードコート層形成用塗工液(E4)を調整した。
光透過性基材(A)として、透明プラスチックフィルム基材(TAC、富士フイルム(株)製、商品名「TJ25UL」)を準備した。前記透明プラスチックフィルム基材の片面に、前記ハードコート層形成用塗工液(E4)を、バーコータを用いて塗布(塗工)し、塗布層(塗工層)を形成した(塗工工程)。この塗布層が形成された透明プラスチックフィルム基材を、乾燥工程(塗膜形成工程)へと搬送した。さらに、乾燥工程(塗膜形成工程)において、60℃で1分間加熱することにより前記塗布層を乾燥させて塗膜を形成した。その後、前記塗膜に、高圧水銀ランプにて積算光量220mJ/cmの紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理し(硬化工程)、厚み2.5μmのハードコート層(樹脂層(B))を形成した。以上のようにして、前記光透過性基材(A)上に前記樹脂層(B)が形成された実施例4のハードコートフィルム(光学フィルム)を得た。
[比較例1]
以下のようにして、光透過性基材上に樹脂層(ハードコート層)が形成された光学フィルムを製造した。
ハードコート層に含まれる樹脂として、紫外線硬化型アクリレート樹脂(東亜合成(株)製、商品名「M-920」、固形分100%)40重量部、紫外線硬化型アクリレート樹脂(三菱ケミカル(株)製、商品名「UV-1700TL」、固形分80%)60重量部を準備した。前記樹脂の樹脂固形分100重量部あたり、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)を3重量部、レベリング剤(DIC(株)製、商品名「PC4100」、固形分40%)を0.01重量部混合した。この混合物を固形分濃度が25%となるように、MIBK/シクロペンタノン混合溶媒(重量比72/28)で希釈して、ハードコート層形成用塗工液(C1)を調製した。
光透過性基材として、透明プラスチックフィルム基材(TAC、コニカミノルタ(株)製、商品名「KC2UA」)を準備した。なお、この光透過性基材(透明プラスチックフィルム基材)は、実施例1の光透過性基材(A)と同じものである。前記透明プラスチックフィルム基材の一方の面に、前記ハードコート層形成用塗工液(C1)を、バーコータを用いて塗布(塗工)して塗布層(塗工層)を形成した。そして、この塗布層が形成された透明プラスチックフィルム基材を、乾燥工程へと搬送した。乾燥工程において、80℃で1分間加熱することにより前記塗布層を乾燥させ、塗膜を形成した。その後、前記塗膜に高圧水銀ランプにて積算光量240mJ/cmの紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理し、厚み2.0μmのハードコート層を形成した。以上のようにして、前記光透過性基材上に前記ハードコート層が形成された比較例1のハードコートフィルムを得た。
[比較例2]
以下のようにして、光透過性基材上に樹脂層(ハードコート層)が形成された光学フィルムを製造した。
ハードコート層に含まれる樹脂として、紫外線硬化型アクリレート樹脂(東亜合成(株)製、商品名「M-920」、固形分100%)40重量部、紫外線硬化型アクリレート樹脂(三菱ケミカル(株)製、商品名「UV-1700TL」、固形分80%)60重量部を準備した。前記樹脂の樹脂固形分100重量部あたり、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)を3重量部、レベリング剤(共栄社化学(株)製、商品名「LE-303」、固形分40%)を0.10重量部混合した。この混合物を固形分濃度が30%となるように、MIBK/シクロペンタノン混合溶媒(重量比70/30)で希釈して、ハードコート層形成用塗工液(C2)を調製した。
光透過性基材として、透明プラスチックフィルム基材(TAC、コニカミノルタ(株)製、商品名「KC2UA」)を準備した。なお、この光透過性基材(透明プラスチックフィルム基材)は、実施例1の光透過性基材(A)と同じものである。前記透明プラスチックフィルム基材の一方の面に、前記ハードコート層形成用塗工液(C2)を、バーコータを用いて塗布(塗工)して塗布層(塗工層)を形成した。そして、この塗布層が形成された透明プラスチックフィルム基材を、乾燥工程へと搬送した。乾燥工程において、80℃で1分間加熱することにより前記塗布層を乾燥させ、塗膜を形成した。その後、前記塗膜に高圧水銀ランプにて積算光量240mJ/cmの紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理し、厚み2.0μmのハードコート層を形成した。以上のようにして、前記光透過性基材上に前記ハードコート層が形成された比較例2のハードコートフィルムを得た。
[比較例3]
以下のようにして、光透過性基材上に樹脂層(ハードコート層)が形成された光学フィルムを製造した。
ハードコート層に含まれる樹脂として、紫外線硬化型アクリレート樹脂(東亜合成(株)製、商品名「M-920」、固形分100%)40重量部、紫外線硬化型アクリレート樹脂(三菱ケミカル(株)製、商品名「UV-1700TL」、固形分80%)60重量部を準備した。前記樹脂の樹脂固形分100重量部あたり、光重合開始剤(BASF社製、商品名「OMNIRAD907」)を3重量部、レベリング剤(共栄社化学(株)製、商品名「LE-303」、固形分40%)を0.50重量部混合した。この混合物を固形分濃度が30%となるように、MIBK/シクロペンタノン混合溶媒(重量比70/30)で希釈して、ハードコート層形成用塗工液(C3)を調製した。
光透過性基材として、透明プラスチックフィルム基材(TAC、コニカミノルタ(株)製、商品名「KC2UA」)を準備した。なお、この光透過性基材(透明プラスチックフィルム基材)は、実施例1の光透過性基材(A)と同じものである。前記透明プラスチックフィルム基材の一方の面に、前記ハードコート層形成用塗工液(C3)を、バーコータを用いて塗布(塗工)して塗布層(塗工層)を形成した。そして、この塗布層が形成された透明プラスチックフィルム基材を、乾燥工程へと搬送した。乾燥工程において、80℃で1分間加熱することにより前記塗布層を乾燥させ、塗膜を形成した。その後、前記塗膜に高圧水銀ランプにて積算光量240mJ/cmの紫外線を照射し、前記塗膜を硬化処理し、厚み2.0μmのハードコート層を形成した。以上のようにして、前記光透過性基材上に前記ハードコート層が形成された比較例3のハードコートフィルムを得た。
[ケイ素原子数比率の測定]
前記各実施例および比較例の光学フィルム(ハードコートフィルム)に対し、下記の測定方法によるXPS測定で、前記樹脂層(A)または比較例の前記樹脂層において、前記光透過性基材(A)または比較例の前記光透過性基材と反対側の表面から1nmの深さでの、炭素、窒素、酸素およびケイ素の原子数の合計に対するケイ素原子数の比率を測定した。

(XPS測定)
実施例および比較例のハードコートフィルムにおけるハードコート樹脂層の、光透過性基材と反対側の表面からの深さ1nmの範囲におけるケイ素(Si)原子の原子数比を、XPS(X線光電分光法)により測定した。なお、XPSすなわちX線光電分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)は、ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)ともよばれる。測定条件としては、測定試料であるハードコートフィルムを5mm×5mm角に切り出した後に、Mo(モリブデン)板で試料台に固定し、下記に示す条件で測定した。具体的には、まず、下記測定条件で前記測定試料をワイドスキャン測定し、定性分析を行った。さらに、1nm深さにおけるC(炭素)、N(窒素)、O(酸素)及びSi(ケイ素)およびF(フッ素)に対してナロースキャン測定を行い、C(炭素)、N(窒素)、O(酸素)及びSi(ケイ素)およびF(フッ素)の全原子数の合計を100%としたSi(ケイ素)原子の比率(%)を算出した。

XPS測定条件:
測定試料:ハードコートフィルム5mm×5mm角
装置 ; ULVAC-PHI製 Quantera SXM
X線源 ; モノクロAl Ka.
Xray Setting ; 200μmφ[15kV, 30W]
光電子取り出し角 ; 試料表面に対して10度(分析深さ:1nm)
結合エネルギーの補正 ; C1sスペクトルのC-C結合由来のピークを285.0eVに補正
[ハジキの有無の確認]
前記各実施例および比較例のハードコートフィルム(光学フィルム)を、440mm×1000mm角にカット(裁断)し、測定サンプルとした。これらの測定サンプルに対し、下記のオレンジライト反射検査、Zライト反射検査、点光源透過検査およびファイバーライト反射検査の各測定方法により、ハジキ(表示ムラ)の有無を確認した。その結果、下記の全ての測定方法でハジキ無しであった光学フィルムを「ハジキ無し」と判定し、1種類以上の測定方法でハジキ有りであった光学フィルムを「ハジキ有り」と判定した。
〈ハジキ確認方法: オレンジライト反射検査〉
オレンジライト(フナテック社製、型番「FNA-35」)を、測定サンプルであるハードコートフィルムのハードコート塗工面(光透過性基材(A)に対し樹脂層(B)を形成した側の面、または、比較例の光透過性基材に対し樹脂層を形成した側の面。以下同じ。)から300mm離れた位置から並行に照射した。その結果、前記測定サンプルから45度の角度で、前記ハードコート塗工面の中心から300mm離れた位置からハードコート塗工面を確認した際に、ハジキ(表示ムラ)が視認可能であったサンプルを「ハジキ有り」、視認不可能であったサンプルを「ハジキ無し」とした。
〈ハジキ確認方法: Zライト反射検査〉
Zライト(山田電機社製、型番「Z-208」)を、測定サンプルであるハードコートフィルムのハードコート塗工面に対して45度の角度で400mm離れた位置から照射した。その結果、前記測定サンプルから45度(光源から90度)の角度で、前記ハードコート塗工面の中心から300mm離れた位置からハードコート塗工面を確認した際に、ハジキ(表示ムラ)が視認可能であったサンプルを「ハジキ有り」、視認不可能であったサンプルを「ハジキ無し」とした。
〈ハジキ確認方法: 点光源透過検査〉
点光源(浜松ホトニクス社製、型番「L8425-01」)を、測定サンプルであるハードコートフィルムのハードコート塗工面に対して45度の角度で、前記ハードコート塗工面の中心から560mm離れた位置から照射した。その照射光が前記測定サンプルを透過した透過光を、前記点光源から1050mm離れた位置に設置したホワイトボードに投影した。すなわち、前記測定サンプルが前記点光源および前記ホワイトボードに挟まれた(前記点光源および前記ホワイトボードの間に位置する)状態で、前記光照射および前記透過光の投影を行った。この条件で前記ホワイトボードに投影された前記透過光を視認した際に、ハジキ(表示ムラ)が視認可能であったサンプルを「ハジキ有り」、視認不可能であったサンプルを「ハジキ無し」とした。
〈ハジキ確認方法: ファイバーライト反射検査〉
ファイバーライト(メック(株)製、型番「INS-1303-103」(特注))を、測定サンプルであるハードコートフィルムのハードコート塗工面に対して45度の角度で、前記ハードコート塗工面の中心から400mm離れた位置から照射した。その結果、前記測定サンプルから45度(光源から90度)の角度で、前記ハードコート塗工面の中心から300mm離れた位置からハードコート塗工面を確認した際に、強度の強い欠点のみ輪郭のハジキ(表示ムラ)が視認可能であったサンプルを「ハジキ有り」、視認不可能であったサンプルを「ハジキ無し」とした。
[他の層(C)を有するハードコートフィルム(光学フィルム)の製造]
前記各実施例および比較例のハードコートフィルム(光学フィルム)に対し、他の層(C)および粘着層として、日東電工株式会社製の粘着剤付き表面保護フィルム「E-MASK(商品名)」を貼付し、前記他の層(C)を有するハードコートフィルム(光学フィルム)を製造した。なお、前記表面保護フィルム「E-MASK(商品名)」については、下記(1)(2)(3)の3種類製造した。前記各実施例および比較例のハードコートフィルム(光学フィルム)に対し、それぞれ、前記他の層(C)を有するハードコートフィルム(光学フィルム)を、下記「E-MASK(商品名)」(1)(2)(3)に対応する3種類製造した。なお、後述する「リング跡」、「汚染」および「ストップマーク」の各特性の測定結果は、下記「E-MASK(商品名)」(1)(2)(3)に対応する3種類のどれに対しても、同じ測定結果が得られた。
[E-MASK(1)の製造方法]
以下のようにして、E-MASK(1)を製造した。
(コーティング剤の製造)
バインダとしてのポリエステル樹脂を25%含む分散液(商品名「バイナロールMD-1480」、東洋紡株式会社製(飽和共重合ポリエステル樹脂の水分散液)(バインダ分散液))を準備した。また、滑り剤としてのカルナバワックス(ワックスエステル)の水分散液(滑り剤分散液)を準備した。さらに、導電性ポリマーとしてのポリ(3,4-ジオキシチオフェン)(PEDOT)0.5%およびポリスチレンスルホネート(数平均分子量15万)(PSS)0.8%を含む水溶液(商品名「Baytron P」、H.C.Stark社製品)(導電性ポリマー水溶液)を準備した。
水とエタノールとを質量比1:1で混合した混合溶媒に、前記バインダ分散液を固形分量で100部と、前記滑り剤分散液を固形分量で30部と、前記導電性ポリマー水溶液を固形分量で50部と、メラミン系架橋剤とを加え、約20分間撹拌して十分に混合した。このようにして、NV約0.15%のコーティング剤を製造した。
(トップコート層の形成)
一方の面(第一面)にコロナ処理が施された厚さ38μm、幅30cm、長さ40cmの透明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを準備した。このPETフィルムのコロナ処理面に前記コーティング剤をバーコータで塗付し、130℃に2分間加熱して乾燥させた。このようにして、PETフィルムの第一面に厚さ10nmの透明なトップコート層を有する基材(トップコート付き基材)を製造した。
(粘着剤組成物の製造)
撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、2-エチルヘキシルアクリレート200重量部、2-ヒドロキシエチルアクリレート8重量部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、溶剤として酢酸エチル312重量部を仕込み、緩やかに撹拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、アクリル系ポリマー溶液(40重量%)を製造した。前記アクリル系ポリマーの重量平均分子量は54万、ガラス転移温度(Tg)は-68℃、酸価は0.0であった。
前記アクリル系ポリマー溶液(40重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液中の固形分100重量部に対して、アニオン系界面活性剤であるポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム(商品名「アクアロンHS-10」、第一工業製薬社製)0.3重量部、架橋剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(商品名「コロネートHX」、日本ポリウレタン工業社製)3重量部、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(商品名「OL-1」、東京ファインケミカル社製、0.5重量%酢酸エチル溶液)0.03重量部、架橋遅延剤としてアセチルアセトンを全溶剤量に対して3重量部を加えて混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤組成物を製造した。
(E-MASK(1)の製造)
PETフィルムの片面にシリコーン系剥離処理剤による剥離処理が施された離型シートを準備した。この離型シートの剥離面(前記剥離処理が施された面)上に前記アクリル系粘着剤組成物を塗付し、130℃で1分間乾燥させて、厚さ10μmのアクリル系粘着剤層(粘着層)を形成した。そのアクリル系粘着剤層を前記トップコート付き基材の他方の面(第二面、すなわち前記トップコート層が設けられていない面)に貼り合わせた後、50℃、15%RHの環境下で3日間養生(エージング)して、表面保護フィルム(粘着シート)であるE-MASK(1)を得た。この表面保護フィルム(E-MASK(1))は、前記他の層(C)として前記トップコート付き基材を有し、前記粘着層として前記アクリル系粘着剤層を有する。
[E-MASK(2)の製造方法]
アクリル系粘着剤層(粘着層)の厚みを10μmから20μmに変更した以外は前記E-MASK(1)の製造方法と同一の製造方法で、表面保護フィルム(E-MASK(2))を製造した。この表面保護フィルム(E-MASK(2))は、前記他の層(C)として前記トップコート付き基材を有し、前記粘着層として前記アクリル系粘着剤層を有する。
[E-MASK(3)の製造方法]
以下のようにして、E-MASK(3)を製造した。
((メタ)アクリル系ポリマーの製造)
撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器を備えた四つ口フラスコに、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)100重量部、4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA)10重量部、アクリル酸(AA)0.02重量部、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部、酢酸エチル157重量部を仕込み、緩やかに撹拌しながら窒素ガスを導入し、フラスコ内の液温を65℃付近に保って6時間重合反応を行い、(メタ)アクリル系ポリマー溶液(40重量%)を製造した。前記アクリル系ポリマーの重量平均分子量は54万、ガラス転移温度(Tg)は、-67℃であった。
(アクリルオリゴマーの製造)
撹拌羽根、温度計、窒素ガス導入管、冷却器、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、トルエン100重量部、ジシクロペンタニルメタクリレート(DCPMA)(商品名:FA-513M、日立化成工業社製)60重量部、メチルメタクリレート(MMA)40重量部および連鎖移動剤としてチオグリコール酸メチル3.5重量部を投入した。そして、70℃にて窒素雰囲気下で1時間撹拌した後、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を投入し、70℃で2時間反応させ、続いて80℃で4時間反応させた後に、90℃で1時間反応させ、アクリルオリゴマーを得た。前記アクリルオリゴマーの重量平均分子量は4000であり、ガラス転移温度(Tg)は144℃であった。
(粘着剤溶液の製造)
前記(メタ)アクリル系ポリマー溶液(40重量%)を酢酸エチルで20重量%に希釈し、この溶液500重量部(固形分100重量部)に、前記アクリルオリゴマー(固形分0.5重量部)、シリコーン成分であるオキシアルキレン鎖を有するオルガノポリシロキサン(KF-353、信越化学工業社製)を酢酸エチルで10%に希釈した溶液2重量部(固形分0.2重量部)、帯電防止剤であるアルカリ金属塩(イオン性化合物)として、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiN(CFSO:LiTFSI、東京化成工業社製)を酢酸エチルで1%に希釈した溶液15重量部(固形分0.15重量部)、架橋剤として、3官能イソシアネート化合物であるヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(日本ポリウレタン工業社製、コロネートHX)3.5重量部(固形分3.5重量部)、2官能イソシアネート化合物である1,3-ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン(三井化学社製、タケネート600)0.3重量部(固形分0.3重量部)、架橋触媒としてジラウリン酸ジブチルスズ(1重量%酢酸エチル溶液)2重量部(固形分0.02重量部)を加えて、混合撹拌を行い、アクリル系粘着剤溶液を製造した。
(帯電防止処理フィルムの製造)
帯電防止剤(ソルベックス社製、マイクロソルバーRMd-142、酸化スズとポリエステル樹脂を主成分とする)10重量部を、水30重量部とメタノール70重量部からなる混合溶媒で希釈することにより帯電防止剤溶液を製造した。
得られた帯電防止剤溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ:38μm)上にバーコータを用いて塗布し、130℃で1分間乾燥することにより溶剤を除去して帯電防止層(厚さ:0.2μm)を形成し、帯電防止処理フィルムを製造した。
(E-MASK(3)の製造)
前記アクリル系粘着剤溶液を、前記帯電防止処理フィルムの帯電防止処理面とは反対の面に塗布し、130℃で2分間加熱して、厚さ15μmの粘着剤層を形成した。次いで、前記粘着剤層の表面に、片面にシリコーン処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)のシリコーン処理面を貼り合わせ、表面保護フィルム(粘着シート)であるE-MASK(3)を得た。この表面保護フィルム(E-MASK(3))は、前記他の層(C)として前記帯電防止処理フィルムを有し、前記粘着層として前記アクリル系粘着剤層を有する。
[水接触角の測定]
前述のようにして製造した、前記他の層(C)を有するハードコートフィルム(光学フィルム)に対し、下記の測定方法で、前記粘着層表面の水接触角dを測定した。すなわち、まず、前記他の層(C)を有するハードコートフィルム(光学フィルム)を、室温(24±2℃)、相対湿度(50±20%)の条件下で24時間静置し、その後、前記他の層(C)を剥離して前記粘着層を露出させた。つぎに、水接触角測定装置(商品名「DM-301」、協和界面科学社製)を用いて、液適法により、室温(24±2℃)、相対湿度(50±20%)の雰囲気下で、前記他の層(C)が貼付されていた前記粘着層表面に、約4.0μLの水滴を滴下し、滴下から1秒後の被着体表面と滴下水滴端部の接線からなる角度を測定し、水接触角(°)とした。さらに、測定サンプル内の5点で同じ測定をし、その5点の測定値の平均値を、前記粘着層表面の水接触角d(°)とした。
さらに、同じ方法で、前記樹脂層(B)表面に前記粘着層および前記他の層(C)が無い、前記各実施例および比較例の光学フィルム(ハードコートフィルム)における前記樹脂層(B)表面の水接触角d(°)を測定した。
前記水接触角dおよびdの測定結果を、下記表1~6に示す。下記表1~6に示すとおり、E-MASK(1)、E-MASK(2)、E-MASK(3)のいずれを用いても、前記粘着層表面の水接触角dが、前記樹脂層(B)表面の水接触角dの90%以下(10%以上減少)であった。
Figure 2022039929000002
Figure 2022039929000003
Figure 2022039929000004
Figure 2022039929000005
Figure 2022039929000006
Figure 2022039929000007
[製品SPV試験]
前述のようにして製造した、前記他の層(C)を有するハードコートフィルム(光学フィルム)に対し、下記の測定方法で、「リング跡」、「汚染」および「ストップマーク」の各特性を測定し、評価した。これらの測定および評価を、本実施例において、まとめて「製品SPV試験」という。
〈リング跡:評価方法〉
前記他の層(C)を有するハードコートフィルム(光学フィルム)を、40mm×40mm角にカットし、測定サンプルとした。この測定サンプルの光透過性基材側を、粘着剤付きアクリル板に貼付した後に、前記測定サンプルの保護フィルム(前記他の層(C))を一旦剥離し、気泡を入れた状態で再度貼付した。これを、室温(24±2℃)、相対湿度(50±20%)の条件下で所定の時間(120時間または240時間)放置後、前記保護フィルムを剥がして気泡の跡が見えるかどうか確認した。

〈リング跡:判定基準〉
240時間放置後に、暗室外でもリング跡が見えなかった場合は○と判定し、同じ条件でリング跡が見えた場合は×と判定した。
〈汚染:評価方法〉
前記他の層(C)を有するハードコートフィルム(光学フィルム)を、40mm×40mm角にカットし、測定サンプルとした。この測定サンプルの光透過性基材側を、粘着剤付きアクリル板に貼付し、所定条件(60℃、60℃/湿度90%)のオーブンに投入した。前記オーブンとしては、恒温器(エスペック株式会社製、商品名PH(H)-202)、または低温恒温恒湿器(エスペック株式会社製、商品名PL-2J)を用いた。その後、所定時間(120時間、240時間、または500時間)で前記測定サンプルを取り出し、前記測定サンプルの保護フィルム(前記他の層(C))を剥離した。その剥離後の粘着層表面に粘着テープ(ニチバン株式会社製、商品名「セロテープ大巻 CT405AP-24」)を貼付し、その後、視認により汚染を確認した。

〈汚染:判定基準〉
500時間放置後に、暗室外でも汚染が見えなかった場合は○と判定し、同じ条件で汚染が見えた場合は×と判定した。
〈ストップマーク:評価方法〉
前記他の層(C)を有するハードコートフィルム(光学フィルム)を、25mm×100mm角にカットし、測定サンプルとした。この測定サンプルの光透過性基材側を、粘着剤付きアクリル板に貼付し、所定条件(60℃、 40℃/湿度92%)のオーブンに投入した。前記オーブンとしては、恒温器(エスペック株式会社製、商品名PH(H)-202)、または低温恒温恒湿器(エスペック株式会社製、商品名PL-2J)を用いた。その後、所定時間(120時間)で前記測定サンプルを取り出し、前記測定サンプルの保護フィルム(前記他の層(C))の面積の半分剥離したところで一旦剥離を止め、残りの保護フィルムを剥離した。視認によりストップマーク(前記保護フィルムの跡)が見えるかどうかを確認した。

〈ストップマーク:判定基準〉
120時間放置後に、暗室外でもストップマークが見えなかった場合は○と判定し、同じ条件でストップマークが見えた場合は×と判定した。
以上のようにして測定したケイ素原子数比率(Si元素比率)、ハジキの有無、および製品SPV試験結果を、下記表7にまとめて示す。下記表7において、「HC表面1nmのSi元素比率」は、前記樹脂層(A)または比較例の前記樹脂層において、前記光透過性基材(A)または比較例の前記光透過性基材と反対側の表面から1nmの深さでの、炭素、窒素、酸素およびケイ素の原子数の合計に対するケイ素原子数の比率を意味する。
Figure 2022039929000008
前記表7に示したとおり、本発明の要件を全て満たす実施例の光学フィルムは、ハジキも無く、製品SPV試験結果も全て良好であったことから、表示特性不良が抑制されていることが確認された。これに対し、比較例2は、Si元素比率が4.7%で、本発明の条件(5.0~9.0%)を満たさなかった。その結果、比較例2は、製品SPV試験結果は良好だったものの、ハジキが有った。また、比較例3は、Si元素比率が9.2%で、本発明の条件(5.0~9.0%)を満たさなかった。その結果、比較例3は、ハジキは無かったものの、製品SPV試験結果が不良だった。また、比較例1は、Si元素比率が1.2%で、本発明の条件(5.0~9.0%)から大きく外れていた。その結果、比較例1では、ハジキが多発していた。このため、比較例1の光学フィルムは、製品SPV試験結果を確認するまでも無く、実用に耐えないことが明らかであったため、製品SPV試験は行わなかった。
以上、説明したとおり、本発明によれば、表示特性不良が抑制または防止された光学フィルム、光学フィルムの製造方法、光学部材および画像表示装置を提供することができる。本発明の光学フィルムの用途は特に限定されず、例えば、任意の多様な用途の画像表示装置に対して使用することができる。
10、10’ 光学フィルム
11 光透過性基材(A)
12 防眩層(B)
12a 樹脂層形成樹脂
12b 粒子
12c チキソトロピー付与剤
13 粘着層
20 他の層(C)

Claims (16)

  1. 光透過性基材(A)上に樹脂層(B)が形成され、
    前記樹脂層(B)を構成する元素が、ケイ素を含み、
    前記樹脂層(B)中において、前記光透過性基材(A)と反対側の表面から1nmの深さでの原子数が、下記数式(1)を満たすことを特徴とする光学フィルム。

    5.0≦[(nSi/ntotal)×100]≦9.0 (1)

    前記数式(1)中、ntotalは、炭素、窒素、酸素およびケイ素の原子数の合計であり、nSiは、ケイ素原子数である。
  2. 前記樹脂層(B)の厚みが1.0~5.0μmである請求項1記載の光学フィルム。
  3. 前記樹脂層(B)が、表面調整剤を含み、
    前記表面調整剤を構成する元素が、ケイ素を含む請求項1または2記載の光学フィルム。
  4. 前記表面調整剤が、ジメチルシロキサン骨格を有するケイ素化合物を含む請求項3記載の光学フィルム。
  5. 前記樹脂層(B)が、官能基を有するオリゴマーとモノマーとの共重合体により形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  6. 前記樹脂層(B)が、ハードコート層である請求項1から5のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  7. 前記樹脂層(B)における前記光透過性基材(A)と反対側の面上に、粘着層によって他の層(C)が貼付されている請求項1から6のいずれか一項に記載の光学フィルム。
  8. 前記粘着層が、下記数式(2)の条件を満たす請求項7記載の光学フィルム。

    (d-d)/d≧0.10 (2)

    前記数式(2)中、dは、前記樹脂層(B)表面に前記粘着層および前記他の層(C)が無い場合における前記樹脂層(B)表面の水接触角(°)であり、dは、前記粘着層から前記他の層(C)を剥離した後における前記粘着層表面の水接触角(°)である。
  9. 前記他の層(C)が、ガラスまたは樹脂フィルムである請求項7または8記載の光学フィルム。
  10. 前記光透過性基材(A)上に、前記樹脂層(B)を、前記数式(1)を満たすように形成する樹脂層(B)形成工程を含み、
    前記樹脂層(B)形成工程が、前記光透過性基材(A)上に樹脂層形成用塗工液を塗工する塗工工程と、塗工した前記樹脂層形成用塗工液を乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程とを含み、
    前記樹脂層形成用塗工液が、樹脂と、ケイ素元素含有添加剤と、希釈溶媒とを含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  11. 前記樹脂層(B)形成工程が、さらに、前記塗膜を硬化させる硬化工程を含む請求項10記載の光学フィルムの製造方法。
  12. 前記光学フィルムが、請求項3または4記載の光学フィルムであり、
    前記ケイ素元素含有添加剤が、前記表面調整剤である請求項10または11記載の光学フィルムの製造方法。
  13. 前記希釈溶媒が、MIBK(メチルイソブチルケトン)およびシクロペンタノンを含む請求項10から12のいずれか一項に記載の光学フィルムの製造方法。
  14. 請求項1から9のいずれか一項に記載の光学フィルムを含む光学部材。
  15. 偏光板である請求項14記載の光学部材。
  16. 請求項1から9のいずれか一項に記載の光学フィルム、または請求項14もしくは15記載の光学部材を含む画像表示装置。
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