JP2022039554A - 観覧施設評価システム、観覧施設評価方法、および、観覧施設評価プログラム - Google Patents

観覧施設評価システム、観覧施設評価方法、および、観覧施設評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】観客席から舞台上の特定の座標に対する観やすさを容易に評価できる観覧施設評価システムを提供する。【解決手段】舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、観覧施設に対応した空間座標を設定する空間座標設定部100と、観覧施設に関する施設情報が入力される施設情報入力部200と、サイトライン算出部300と、注視点算出部400と、注視点判定部500と、表示部600とを備える。サイトライン算出部300は、客席に着座した観客の視点と、観客が着座する客席より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であって、観客の視線であるサイトラインを、施設情報に基づいて算出する。注視点算出部400は、サイトラインと、舞台上の特定の平面とが交わる点である注視点を算出する。注視点判定部500は、注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台の観やすさを判定する。【選択図】図1

Description

本発明は、観覧施設評価システム、観覧施設評価方法、および、観覧施設評価プログラムに関する。
従来から、劇場、アリーナ、スタジアム等の観覧施設の客席、観覧席(以下、観客席とする)の断面形状を二次元の図面により検討し、観客の視点から舞台や競技フィールドの観やすさを判定する手法がある。
例えば、特許文献1には、競技フィールドの使用状況に応じて、観客席の一部を上方または下方に移動させ、競技フィールドに対する観客の視線(サイトライン)を確保する観客席構造が開示されている。
特開2016-75117号公報
特許文献1に開示された観客席構造は、競技フィールド上のある特定の点(注視点)に対して、集合体としてまとめられた観客席からの観やすさを判定し、サイトラインを確保するものである。通常、観覧施設の建築設計においてサイトラインは、舞台にある特定の点や競技フィールドの端から、前列の観客の頭越しに観客の視点まで直線が引けるか否かを判定し、評価される。しかし、この判定は、前列の観客の頭が邪魔になるか否かの判定であるため、実際の観客の視点からの競技フィールドや舞台の観やすさの評価とは異なる。すなわち、従来のサイトラインの評価においては、競技フィールドや舞台の特定の点が観えるか否かにのみについて行われ、設計者の主観的判断に委ねられており客観的ではない。また、どの程度見えるか否かについては数値化された評価がなされていないので、建築設計の発注者は観やすさを容易に確認することができない。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、観客席から舞台上の注視点に対するサイトラインを評価し、観客席からの舞台の観やすさを容易に評価できる観覧施設評価システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係わる観覧施設評価システムは、舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、観覧施設に対応した空間座標を設定する空間座標設定部と、空間座標における観覧施設に関する施設情報が入力される施設情報入力部と、客席に着座した観客の視点と、観客が着座する客席より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であって、観客の視線であるサイトラインを、施設情報に基づいて算出するサイトライン算出部と、サイトラインと、舞台上の特定の平面である注視平面と、が交わる点である注視点を算出する注視点算出部と、注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台の観やすさを判定する注視点判定部と、注視点判定部で判定された判定結果を表示する表示部と、を備える。
本発明の第2の態様に係わる観覧施設評価システムは、舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、観覧施設に対応した空間座標を設定する空間座標設定部と、空間座標における観覧施設に関する施設情報が入力される施設情報入力部と、客席側に位置する光源と、光源より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であるサイトラインを、施設情報に基づいて算出するサイトライン算出部と、サイトラインと、舞台上の特定の平面である注視平面と、が交わる点である注視点を算出する注視点算出部と、注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台における光源からの光の照射具合を判定する注視点判定部と、注視点判定部で判定された判定結果を表示する表示部と、を備える。
本発明の第3の態様に係わる観覧施設評価方法は、コンピュータによって実行される観覧施設評価方法であって、舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、観覧施設に対応した空間座標を設定し、空間座標における観覧施設に関する施設情報が入力され、客席に着座した観客の視点と、観客が着座する客席より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であって、観客の視線であるサイトラインを、施設情報に基づいて算出し、サイトラインと、舞台上の特定の平面である注視平面と、が交わる点である注視点を算出し、注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台の観やすさを判定し、判定された判定結果を表示する。
本発明の第4の態様に係わる観覧施設評価プログラムは、舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、観覧施設に対応した空間座標を設定し、空間座標における観覧施設に関する施設情報が入力され、客席に着座した観客の視点と、観客が着座する客席より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であって、観客の視線であるサイトラインを、施設情報に基づいて算出し、サイトラインと、舞台上の特定の平面である注視平面と、が交わる点である注視点を算出し、注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台の観やすさを判定し、判定された判定結果を表示する処理を、コンピュータに実行させる。
本開示によれば、観客席から舞台上の注視点に対するサイトラインを評価し、観客席からの舞台の観やすさを容易に評価できる観覧施設評価システムを提供することが可能となる。
第1の実施形態に係わる観覧施設評価システムの一例を示すブロック図である。 第1、第2および第3の実施形態に係わる観覧施設評価システムによって評価される観覧施設の一例を示す平面図および断面図である。 第1、第2および第3の実施形態に係わる観覧施設評価システムによって評価される観覧施設の一例を示す斜視図である。 第1、第2および第3の実施形態に係わる施設情報を入力する際の入力画面の一例を示す図である。 舞台上の注視点の例を説明するための模式図である。 客席に着座した観客に関する寸法を説明するための模式図である。 観覧施設の断面図における1階席の座標を示すための模式図である。 観覧施設の断面図における2階席およびバルコニーの座標を示すための模式図である。 観覧施設の平面図における客席の座標および座席角を示すための模式図である。 舞台空間座標を示す点と、客席空間座標を示す点とを結ぶサイトラインを説明するための模式図である。 第1の実施形態に係わる評価基準の一例を示す図である。 第1、第2および第3の実施形態に係わる観覧施設評価システムにおける評価結果の一例を示す図である。 図8Aに示す評価結果の一例を示す図のうち、頭頂差設定領域611および、注視点位置設定領域612を拡大した図である。 図8Aに示す評価結果の一例を示す図のうち、判定結果表示領域614を拡大した図である。 第1、第2および第3の実施形態に係わる観覧施設評価システムにおける観客席の位置をグラフにより表示させた一例を示す図である。 観客席の形状および頭頂差を説明するための模式図である。 観覧施設に対する中心軸および対象線の例を示す平面図である。 第1の実施形態に係わる観覧施設評価システムの動作の一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係わる観覧施設評価システムの一例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係わる舞台空間座標を示す点と、客席空間座標を示す点とを結ぶサイトラインを説明するための模式図である。 図8Aに示す評価結果の一例を示す図のうち、プロセニアム判定結果領域616を拡大した図である。 第3の実施形態に係わる観覧施設評価システムの一例を示すブロック図である。 第3の実施形態に係わる舞台空間座標を示す点と、客席空間座標を示す点とを結ぶサイトラインを説明するための模式図である。 第3の実施形態に係わる観客の視点からプロセニアム上端およびバルコニー先端への視線の仰角を説明するための模式図である。 他の実施形態に係わる観覧施設の断面図の例を示す模式図である。 他の実施形態に係わる観覧施設における観客の視点からの振れ角、ずれ角、および水平舞台視界角を説明するための図である。 他の実施形態に係わる観覧施設における観客の視点からの垂直舞台視界角を説明するための図である。 他の実施形態に係わる観覧施設における各種角度の計算結果の一覧の例を示す図である。 他の実施形態に係わるXY平面におけるサイトラインを説明するための模式図である。 他の実施形態に係わる領域判定の例を示す図である。 他の実施形態に係わる観覧施設における前列頭間視界角について説明するための図である。 他の実施形態に係わる観覧施設における前列頭間視界角について、観客の視点を単眼に置き換えた場合について説明するための図である。 他の実施形態に係わる観覧施設における前列頭間視界角に基づいて、舞台の見やすさを評価する場合の例を説明するための図である。 他の実施形態に係わる3階席を備える観覧施設の断面図の例を示す模式図である。 他の実施形態に係わる観覧施設の断面図の例を示す模式図である。 照明装置における光度角を説明するための模式図である。 他の実施形態に係わる観覧施設における照明が舞台を照らす場合の照明シミュレーションの模式図である。 図26Aに示された照明シミュレーションにおけるXZ平面を示す模式図である。 図26Aに示された照明シミュレーションにおけるXY平面を示す模式図である。 他の実施形態に係わる観覧施設における、プロジェクターがスクリーンを照らす場合の投射シミュレーションの模式図である。 図27Aに示された投射シミュレーションにおける、プロジェクターとスクリーンの関係を示す模式図である。 図27Aに示された投射シミュレーションにおける、観客の視点とスクリーンの関係を示す模式図である。
以下、図面を用いて本実施形態に係わる観覧施設評価システムについて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施形態は、包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続状態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示に限定する主旨ではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。さらに、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
(観覧施設評価システムの概要)
本実施形態に係わる観覧施設評価システムは、評価対象となる観覧施設において、観客席からの舞台の観やすさを判定し評価するシステムである。以下に、観覧施設評価システムについて幾つかの具体的な実施形態を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係わる観覧施設評価システム1の一例を示すブロック図である。観覧施設評価システム1は、空間座標設定部100と、記憶部150と、施設情報入力部200と、サイトライン算出部300と、注視点算出部400と、注視点判定部500と、表示部600と、を備える。
観覧施設評価システム1を構成する上記の各機能部は、パーソナルコンピュータ等に設けられたプロセッサがメモリ上のプログラムを実行することによって構成される。観覧施設評価システム1を構成するパーソナルコンピュータは、1台であっても複数であってもよい。物理的に離れた場所に設置されている複数のパーソナルコンピュータが連結することによって、観覧施設評価システム1の機能を実現することも可能である。また、観覧施設評価システム1の機能を実現するものは、パーソナルコンピュータに限定されず、例えば、プロセッサを備えたサーバやタブレット等の機器においても実現可能である。
空間座標設定部100は、評価対象となる観覧施設のサイズ(寸法)や構造に関する設計情報を入力し、入力した設計情報を3次元軸上に空間座標として割り当てる。評価対象となる観覧施設の設計情報は、例えば観覧施設の3次元CAD(Computer Aided Design)データ、BIM(Building Information Modeling)データ、設計図面等である。これら設計情報は、あらかじめ観覧施設評価システム1内の記憶部150に格納されている。空間座標設定部100は、これらの設計情報を記憶部150から読み込むことで取得し、3次元軸上で座標を割り当てる。
具体的には、空間座標設定部100は、図2(a)に示すように、まず観覧施設の上位方向から見た平面図をXY平面として設定する。空間座標設定部100は、XY平面において、舞台120から観客席130の方向に向かって左右対称となる中心軸111を定め、中心軸111と、舞台120と観客席130との境とが交わる点を、座標原点110として定める。すなわち、XY平面において、X軸におけるマイナス側が舞台120側となり、X軸におけるプラス側が観客席130側となる。なお、本明細書において、観覧施設の客席や観覧席を総じて観客席130と称し、観客席130における個別の座席を客席と称する。
図2(a)に示すアクティングエリア120aは、舞台120における演技領域を示し、このアクティングエリア120aにおいて、演劇や演奏などが行われる。また、図2(a)は、Y軸のプラス側に1階席130aを示し、Y軸のマイナス側に2階席130bおよびサイドバルコニー席130cを示す概念図である。実際の観覧施設は、Y軸のプラス、マイナス両軸方向に、1階席130a、2階席130b、および、サイドバルコニー席130cが存在する。
また、空間座標設定部100は、図2(b)に示すように、中心軸111を通る垂直面をXZ平面として定める。さらに、空間座標設定部100は、XY平面およびXZ平面と直交する面をYZ平面として定める。図2(c)は、図2(a)の一点鎖線A-Aにおける観覧施設の断面図であり、YZ平面の一例を示す断面図である。なお、図2(c)には、プロセニアム120bが示されている。ここで、プロセニアムとは、舞台120の開口を形成し、舞台120の最前列に設けられた観客席130と舞台とを区切る額縁型の壁面である。図3は、空間座標設定部100によって空間座標が設定された観覧施設を、等角投影図法で示した場合の斜視図である。
なお、観覧施設の設計情報は、空間座標設定部100が、あらかじめ観覧施設評価システム1の記憶部150に格納された設計情報から読み込むことで取得する例を示したが、設計情報の取得方法はこれに限定されない。例えば、ユーザが観覧施設評価システム1の外部から観覧施設に関する設計情報を入力することで、空間座標設定部100が設計情報を取得する方法を用いてもよい。
施設情報入力部200は、評価対象となる観覧施設の舞台120や観客席130に関する寸法や座標を施設情報として入力し、記憶部150に記憶する。この施設情報は、空間座標設定部100で設定された3次元軸上の座標空間に対応する値が入力される。施設情報入力部200における施設情報の入力は、例えば、ユーザが、図4に示す初期値入力画面210から値を入力することにより行われる。ユーザが、図4に示す初期値入力画面210において、必要な値を入力した後、入力ボタン211を押すことで、施設情報入力部200に施設情報が入力され、記憶部150に記憶される。なお、初期値入力画面210は、例えば、観覧施設評価システム1に接続されたディスプレイ等(図示なし)に表示される。
施設情報のうち、舞台120に関する情報は、例えば、舞台120の高さStおよびプロセニアム120bの高さPrHである。図3に、観覧施設における、舞台120の高さStおよびプロセニアム120bの高さPrHを示す。舞台120の高さStは、観客席130の最前部の床から舞台床面までの高さである。また、プロセニアム120bの高さPrHは、舞台床面からプロセニアム120bの上端までの高さである。
また、施設情報入力部200は、舞台上における観客からの視線の対象となる平面(以下、注視平面とする)の座標を入力する。注視平面は、YZ平面と平行な平面であり、舞台先端からX軸のマイナス方向への寸法をPSxとして、設定する。なお、注視平面は、舞台上の特定の平面に相当する。第1の実施形態において注視平面は、XZ平面の中心軸111上にあるものとする。すなわち、第1の実施形態において、注視平面は、Y=0となり、X=PSxにおいて垂直方向に延びる線(以下、舞台注視線221とする)となる。また、PSxは、X軸上のマイナス方向(図2(a)における左方向)をプラスの値とし、X軸上のプラス方向(図2(a)における右方向)をマイナスの値とする。これは舞台においては通常、前端から奥に向かって各種寸法、座標を設定することを意識したものである。
図5に、舞台注視線221の設定の例を示す。なお、PSxは、舞台120の奥行に対し、観客席130からどの地点が見えなければならないかを明確にするためのものである。1階席の前方など低い位置にある客席からは、舞台の観客席130側の高い位置が観えやすく、舞台の奥行方向の低い位置に向かうにしたがって見えにくくなる。逆に1階席の後方や2階席では、舞台の前方の低い点に向かうにしたがって見えにくくなる。すなわちPSxの値としては、客席から見えるべき地点の最小値が入力される。図5においては、演奏や演劇等の演目によって異なる幾つかの注視点の例を示している。
例えば、舞台先端から舞台奥の方向にいるダンサー222aに対する舞台注視線221aとしては、PSx=3000となる。同様にチェロ奏者222bの場合の舞台注視線221bとしては、PSx=2000となる。舞台先端から1500mmの位置にいる俳優222cにおいては、舞台注視線221cは、PSx=1500となる。
また、舞台よりも観客席130側に前舞台120cやオーケストラピット120dが存在する場合も同様に、舞台注視線221を定めることができる。舞台先端より観客席130側にある前舞台120cにいる俳優222dの場合の舞台注視線221dは、例えば、PSx=-1000となる。一方、オーケストラピット120dにいる指揮者222eについても同様に、舞台注視線221eは、例えば、PSx=-1500となる。
さらに、施設情報入力部200は、客席情報として、客席、および、客席に着座した観客に関する寸法や座標を入力し、記憶部150に記憶する。なお、客席情報についても、上述の舞台情報と同様に、図4に示す初期値入力画面210を通じてユーザによって入力される。
図6Aは客席に着座した観客に関する寸法等について説明するための図である。図6Aに示す各寸法は、図4に示す初期値入力画面210の客席情報の領域にある「OST」、「EH」、および、「TH」に対応する寸法である。図6Aにおける水平距離231bは、着座した観客の目と直後の段床蹴上231aとの水平距離「OST」を示す値である。また、図6Aにおける垂直距離231cは、着座した観客の床面からの目の高さ「EH」を示す値である。さらに、図6Aにおける垂直距離231dは、目と頭頂との距離「TH」を示す。なお、目と頭頂との距離「TH」は、髪の毛等の長さを考慮し一定のマージンを加えたものである。なお、「EH」のデフォルト値は、例えば、1120mmとなる。性別や年齢層により目の高さは異なる。そのため、対象となる視点のみ高さを変える場合、例えば、「EH」が1120mmの場合は、青壮年層の70%の女性が舞台を見ることができる視点の高さとされている。
また、施設情報入力部200は、客席情報として、1階席の最前列における直後の段床蹴上240までの水平位置H1を入力し、記憶部150に記憶する。水平位置H1についても、図4に示す初期値入力画面210を通じてユーザによって入力される。図6Bに示す図は、中心軸111上の観客席130の断面図である。客席座標241は、1階席の最前列の客席の座標である。客席座標241は、初期値入力画面210により入力された水平距離241a(水平位置H1)が用いられ、座標は(X1、Z1)=(H1、0)となる。ただし、V1の値は0であるとする。一方、1階席のn列目の客席座標242は、(Xn、Zn)=(Xn-1+Hn、Zn-1+Vn)となる。ここで、Hnは、n列目の客席とn-1列目の客席との水平距離242aである。同様にVnは、n列目の客席とn-1列目の客席との垂直距離242bである。
さらに、施設情報入力部200は、客席情報として、2階席の最前列席の座標(H2_1、V2_1)および、バルコニーの天井先端の座標(Bx、Bz)等を入力し、記憶部150に記憶する。2階席の最前列席の座標およびバルコニーの天井先端の座標についても初期値入力画面210を通じてユーザによって入力される。図6Cに示す図は、2階席およびバルコニーの天井先端を示す断面模式図である。2階席の最前列の客席の座標251のうち、水平方向の位置を示す座標H2_1は、2階席の最前列席の直後の段床蹴上250と座標原点110との水平距離251aである。同様に、2階席の最前列の客席の座標251のうち、垂直方向の位置を示す座標V2_1は、2階席の最前列席の椅子の最後部と座標原点110との垂直距離251bである。同様に、バルコニーの天井先端の座標261(Bx、Bz)のうち、水平方向の位置を示す座標Bxは、バルコニーの天井先端と座標原点110との水平距離261aで示される。また、バルコニーの天井先端の座標261(Bx、Bz)のうち、垂直方向の位置を示す座標Bzは、バルコニーの天井先端と座標原点110との垂直距離261bで示される。
また、図6Dは、前からn列目、左からm番目の客席をXY平面上に示した模式図である。客席座標242は、観覧施設評価システム1の記憶部150に格納された設計情報および施設情報入力部200において入力された座標情報等に基づいて算出することができる。また、観客の視点座標Enm(Ex、Ey、Ez)は、客席座標242、着座した観客の目と直後の段床蹴上との水平距離「OST」、着座した観客の床面からの目の高さ「EH」、および座席角θに基づいて算出することができる。ここで座席角θは、座席の向きを示す線分と、X軸と、に基づいて算出される角度である。
上述の通り、1階席および2階席の前後の席の水平方向および垂直方向の位置は、全ての客席に対する値を入力するものではない。第1の実施形態において、ユーザは、図4に示す初期値入力画面210を通じて、代表値として最前列の客席に関する前後の席の水平方向の幅であるH1、H2_1、V2_1を入力する。なお、最前列以外の各客席間の客席幅等の値については、施設情報入力部200においてはあらかじめ定められたデフォルト値が入力され、後述の判定結果画面上において、ユーザが必要に応じて適切な値を入力する。第1の実施形態において、前後の客席間の水平方向の距離のデフォルト値としては、例えば、950mmが用いられる。一方、前後の客席間の垂直方向の距離のデフォルト値としては、例えば、1階席では、前列から後列にいくにしたがって120mmから250mmまで少しずつ増加した値が用いられ、2階席においては、前方では480mm、後方では490mmの値が用いられる。なお、施設情報の入力は、施設情報入力部200においてデフォルト値を入力し、後述の判定結果画面上でユーザが必要に応じて値を入力する手段に限定されない。例えば、初期値入力画面210において、客席の位置を指定して、全ての客席に関する前後の席の水平方向および垂直方向の距離を入力する手段を用いてもよい。
次にサイトライン算出部300について説明する。本明細書において、サイトラインとは、舞台上の特定の点に対する観客の視線である。サイトライン算出部300は、施設情報入力部200で入力され、記憶部150に記憶された観客席130に関する施設情報に基づいてサイトライン310を算出する。具体的には、サイトライン310は、客席に着座した観客であって、評価対象となる観客の視点と、観客が着座する客席より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標230で示される点と、を通る直線により算出される。第1の実施形態において、前方空間座標230としては、評価対象となる客席の前方の客席に着座した観客の頭頂位置の座標が用いられる。
図7Aに、サイトライン310を模式化した図を示す。第1の実施形態において、観やすさの評価の対象となる客席は前からn列目にある客席であるとする。この場合、サイトライン310は、観客席130の最前列からn列目にある客席に着座した観客の視点233の座標と、観客席130の最前列からn-1列目にある客席の観客の頭頂座標である前方空間座標230と、を通る直線である。なお、観客席130の最前列からn-1列目にある客席の観客は、前方観客に相当する。すなわち、サイトライン310は、評価対象となる観客の視点233を示す座標En(Exn、Ezn)と、前方空間座標230の座標Tn-1(Txn-1、Tzn-1)と、を結ぶ直線として算出される。
次に注視点算出部400について説明する。サイトライン310と、舞台注視線221との交点が注視点220となる。注視点220の座標をPS(PSx、PSz)とする。ただし、PSzは、舞台床面からの高さとする。注視点220の高さ(PSz)の値は、以下の計算により定まる。
まず、評価対象となる観客の視点233の座標Enと、前方空間座標230の座標Tn-1と、注視点の座標PSとの関係は、以下の式(1)で表すことができる。
Figure 2022039554000002
式(1)に上述の各座標を当てはめると、評価対象となる観客の視点233の座標Enと、前方空間座標230の座標Tn-1と、注視点の座標PSとの関係は、以下の式(2)で表すことができる。
Figure 2022039554000003
式(2)より、注視点220の高さ(PSz)は式(3)で表すことができる。ここで、前方空間座標230の座標Tn-1(Txn-1、Tzn-1)は、座標Tn-1((Xn-1-0ST)、(Zn-1+EH+TH))である。また、評価対象となる観客の視点233の座標Enは、座標En((Xn-OST)、Zn+EH)である。さらに、Hn=Xn-(Xn-1)、Vn=Zn-(Zn-1)である。
Figure 2022039554000004
式(3)で示される値が、サイトライン310と、舞台注視線221とが交わる点である注視点220の値(Z座標)として定まる。
次に注視点判定部500について説明する。注視点判定部500は、式(3)で定められた注視点の座標PSの高さ方向の値であるZ座標PSzと、あらかじめ設定された評価基準501の値とを比較する。図7Bに評価基準501と、PSzの値に対する観やすさの判定結果を示す。比較した結果、図7Bに示す通り、PSzの値が、0以下の場合には、舞台面が観えるため、判定結果としては問題がない。PSzの値が、0より大きく150mm以下の場合は、足元まで見える、あるいは全身が観えるという状況となる。PSzの値が150mmより大きく、450mm以下の場合には膝以上が観えるという状況となる。PSzの値が450mmより大きく、900mm以下の場合には、腰以上が観えるという状況になる。PSzの値が、900mmより大きく、1050mm以下の場合には、胸以上が観える、あるいは上肢の動作や、顔が観えるという状況になる。PSzの値が、1050mmより大きく、1200mm以下の場合は、顔の表情が観えるという状況となる。PSzの値が1200mmより大きい場合には、よく観えないという判定結果となる。注視点判定部500は、各客席に対する判定結果を記憶部150に記憶する。
表示部600は、注視点判定部500で判定され、記憶部150に記憶された判定結果610をまとめて表示する。具体的には、図7Bで示される判定結果に対する結果表示が各客席に対して行われる。図8Aに判定結果610の例を示す。図8Aに示す判定結果610は、例えば、観覧施設評価システム1に接続されたディスプレイ等(図示なし)に表示される。判定結果610は、頭頂差設定領域611と、注視点位置設定領域612と、観客席設定領域613と、判定結果表示領域614と、プロセニアム判定結果領域616と、バルコニー判定結果領域617と、を備える。さらに、判定結果610は、客席断面図表示ボタン615と、終了ボタン619と、を備える。図8Aに示すように、複数の注視点に対して、中心軸111上の全ての客席からの観やすさの判定結果が表示されるため、ユーザは、一見して中心軸111上の全ての客席からの観やすさの判定結果を認識することができる。
ユーザは、判定結果表示領域614に表示された判定結果を確認し、値を変更したい場合は、直接、表示結果の表の入力可能な個所に値を入力する。一方で、ユーザが判定結果を修正する必要がないと判断した場合、すなわち終了する場合は、ユーザが終了ボタン619をクリックすることで結果の表示が終了する。ユーザは、頭頂差設定領域611、注視点位置設定領域612、および、観客席設定領域613に対して値の入力を行うことができる。各領域に対する値の入力については後述する。
図8Aにおいて、判定結果610は、舞台上の5つの注視点に対して判定されたものが表示された場合の例を示す。図8Bに、判定結果610の右上部分の頭頂差設定領域611と、注視点位置設定領域612との部分を拡大した図を示す。図8Bの注視点位置設定領域612に示すように、舞台上の5つの舞台注視線221は、左から順にPSx=9000、3000、1500、0、-2500の位置を設定している。これらの舞台注視線221に対する各客席での判定結果が、図8Aの判定結果表示領域614に示される。図8Cに、判定結果表示領域614を拡大した概略図を示す。
図8Cに示す例では、図8Bに示す結果表示の色彩に対して濃淡で示した図である。全ての客席に対して、判定結果を色彩や濃淡で表示することで、ユーザが観覧施設の観客席130における舞台の観やすさの度合いがイメージとして認識できる。これにより、ユーザは、観客席130のどのあたりで観やすさに問題があるかなど、観覧施設における観客席130の配置の良し悪しを容易に確認することができる。
また、ユーザが図8Aに示す客席断面図表示ボタン615を押すと、図8Dに示すように断面図(XZ平面)における観客席130の垂直方向の位置がグラフ620で表示される。これにより、ユーザは、図8Aに示す数値ではイメージすることが難しい客席の配置の形状を、グラフ620により認識することができ、誤入力等の発見が容易となる。
また、ユーザは、図8Aに示す頭頂差設定領域611において、客席の配置に対応した値を確認し、必要に応じて適切な値に変更することができる。図8Bに図8Aの判定結果610における頭頂差設定領域611を拡大した図を示す。ここで頭頂差設定領域611に示される値は、図4に示す初期値入力画面210の目と頭頂との距離「TH」において入力された値となる。目と頭頂との距離「TH」は、客席の配置形状により、110mmまたは、60mmの2種類の値が用いられる。図8Bでは、目と頭頂との距離「TH」が110mmである場合の例を示す。
図9に2種類の客席の配置形状、および、それぞれの配置形状におけるサイトラインの概念図を示す。客席の配置は、図9(a)に示すような格子状配置、または、図9(b)に示すような千鳥配置が定められ、この客席の配置の種類によって、頭頂差設定領域611で設定される値が異なる。また、図9(c)には、客席が格子状配置の場合の観客から舞台へのサイトライン310aの概略図を示し、図9(d)には、客席が千鳥配置の場合の観客から舞台へのサイトライン310bの概略図を示す。
客席の配置が格子状配置の場合は、図9(a)および図9(c)に示すように、前列の客席との関係において頭頂差が求まるため、例えば頭頂差設定領域611には、110mmが入る。ここで110mmは、目と頭頂との距離の統計的平均値を100mmとし、この100mmに毛髪等のマージン分の10mmを加えた値である。
一方で、千鳥配置の場合は、図9(b)および図9(d)に示すように、2列前の客席との関係において頭頂差が定まる。千鳥配置の場合は2列前の客席に着座した観客の頭との関係でサイトライン310bが定まるため、格子状配置の場合のサイトライン310aより、サイトライン310bは下方に傾斜する。よって、千鳥配置の場合は、目と頭頂との距離「TH」の値を格子状配置の場合に比べて小さくする。具体的には、目と頭頂の距離を100/2=50mmとして計算する。よって、千鳥配置の場合のTH=100/2+10=60mmとなり、頭頂差設定領域611には、60mmが入力される。
図4に示す初期値入力画面210で、例えば格子状配置の場合のTH=110が入力された場合は、前方空間座標230は、評価対象となる客席の1列前の客席となる。一方で、図4に示す初期値入力画面210で、千鳥配置の場合のTH=60が入力された場合は、前方空間座標230は、評価対象となる客席の2列前の客席となる。なお、目と頭頂との距離の統計的平均値、および毛髪等のマージン値、および千鳥配置の場合の目と頭頂との距離の値をそれぞれ、100mm、10mmおよび50mmとしたが、値はこれらに限定されない。例えば、サッカースタジアムにおいては国際サッカー連盟の基準で最低90mm、望ましい数字は120mmとされる。また壮青年層の女性と男性が半々に混合した場合において女性の70%が見える等、統計的手法による数値などの入力も可能である。
また、図8Aに示す判定結果では、3次元座標軸においてY=0となる場合の中心軸111に対する評価結果を示したが、評価対象となる軸は、これに限定されない。例えば、図10(a)に示すように中心軸111からY軸のプラス方向に移動した点を起点に中心軸111に平行な対象線111aや、斜めに延びる対象線111b上の客席について評価を行うことも可能である。2階席も同様に、図10(b)に示すように中心軸111と並行な対象線111a、または、斜めに延びる対象線111c、111dおよび111e上の客席について、評価を行うことが可能である。中心軸上以外の客席に対して、評価を行う場合、図8Aに示す観客席設定領域613の客席数および間隔値を変更することで容易に評価することができる。すなわち、第1の実施形態に係わる観覧施設評価システム1においては、段床勾配に直交しない場合の評価も容易にできる。よって、馬蹄形状のオペラハウス等において、中心軸上にない断面の判定および評価も断面図の作図を行うことなく可能となる。
また、作図においてサイトラインを評価する場合、複数の注視点に対して、全ての客席からのサイトラインを算出し評価するのは困難であるため、結果として段床の後部を過度に上げた断面の設計がなされることが多い。この場合、観覧施設の高さや観客席130の列数など制限が加わる。一方で、第1の実施形態に係わる観覧施設評価システム1を用いることで、複数の注視点に対して、全ての客席における評価が可能である。よって、様々なケースを想定した注視点を用いて評価を行うことで、観客席130の勾配等について十分な評価が可能となり、高さを抑えた観覧施設の設計を行うことが可能となる。1階席よりさらに施設全体の一体性が求められる2階席については、注視点を客席寄りに設定する等、階層によって注視点を変えた上での同時検証も容易になる。
(観覧施設評価システムの処理フローの概略)
次に、観覧施設評価システム1の動作の一例のフローチャートについて、図11に基づいて説明する。図11に示す処理手順は、観覧施設評価システム1が実行されるパーソナルコンピュータが有するプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)が実行する。CPUの一部の機能を実行する動作部の一例には、空間座標設定部100、施設情報入力部200、サイトライン算出部300、注視点算出部400、注視点判定部500、および、表示部600が挙げられる。この場合において、CPUはROM(Read Only Memory)(図示せず)に格納されたプログラムにしたがい実行する。
なお、以下の処理手順の一部または全部は、例えば、DSP(Digital Signal Processing)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアにより実行できる。但し第1の実施形態では、ROMのプログラムにしたがってCPUが実行する形態とした場合について説明する。
ステップS1101において、空間座標設定部100は、観覧施設に関する設計情報に基づいて空間座標を設定する。観覧施設の設計情報は、例えば観覧施設のCADデータやBIMデータであり、記憶部150に記憶されている。具体的には、空間座標設定部100は、上述の図2に示す3次元座標軸を設定する。
ステップS1102において、施設情報入力部200は、施設情報を入力し、記憶部150に記憶する。具体的には、例えば図4に示される初期値入力画面210において、ユーザが数値を入力することにより、施設情報が入力される。ステップS1102において入力される施設情報は、舞台情報および客席情報である。ステップS1102において入力される舞台情報は、例えば、舞台の高さSt、プロセニアムの上端までの高さPrH、舞台注視線221のX座標(PSx)である。
また、ステップS1102において、施設情報入力部200は、客席における観客の各種情報である客席情報を入力し、記憶部150に記憶する。図4に示す初期値入力画面210において、「着座した観客の目と直後の段床蹴上との水平距離OST」、「着座した観客の目の床面からの高さEH」、「目と頭頂の距離TH」が客席情報として入力される。さらにステップS1102では、施設情報入力部200は、1階席情報、2階席情報、およびバルコニー先端位置情報を入力し、記憶部150に記憶する。1階席情報、2階席情報、およびバルコニー先端位置情報についても、初期値入力画面210を通じて入力される。
その後、ステップS1103において、サイトライン算出部300は、施設情報入力部200において入力され記憶部150に記憶された舞台情報および客席情報に基づいて、サイトライン310を算出し、記憶部150に記憶する。さらに、ステップS1103において、注視点算出部400は、記憶部150に記憶された、舞台情報、客席情報、およびサイトライン310に基づいて、サイトライン310と舞台注視線221との交点である注視点220を算出し、記憶部150に記憶する。注視点220は上述の式(1)~式(3)に基づいて、算出される。
その後、ステップS1104において、注視点判定部500は、注視点220の高さについて、あらかじめ設定された評価基準との比較を行う。具体的には、注視点判定部500は、注視点の高さ(PSz)を評価基準に照らし合わせ、評価対象となる客席からの舞台の観えやすさを判定する。注視点判定部500は、各客席に対する判定結果を、記憶部150に記憶する。その後、ステップS1105に進む。
ステップS1105において、表示部600は、注視点判定部500において記憶部150に記憶された判定結果を出力結果として表示する。その後、ステップS1106に進む。
ステップS1106において、表示部600は、ユーザからの指示情報を取得する。ユーザからの指示情報は、値の入力指示、グラフ表示指示および終了指示である。ユーザは、画面に表示された出力結果に対して、値を調整したい場合は、調整したい項目に値を入力し、値の入力を指示する。また、ユーザは、図8Dに示す観客席130の断面を示すグラフ620を表示させる場合には、客席断面図表示ボタン615を選択し、グラフ表示を指示する。一方で、値の調整が必要なく、グラフ620も表示させない場合には、ユーザは、終了ボタン619を選択し、終了を指示する。
ステップS1107において、表示部600は、ユーザからの指示情報の有無を判定する。ユーザからの指示情報がない場合(ステップS1107:NO)には、ステップS1106に戻り、ユーザからの指示情報を取得する。一方で、ユーザからの指示がある場合(ステップS1107:YES)には、ステップS1108に進む。
ステップS1108において、表示部600は、グラフ620の表示の指示があるか否かを判定する。ユーザからグラフ620の表示の指示がある場合(ステップS1108:YES)には、ステップS1109に進む。一方で、ユーザからのグラフ620の表示の指示がない場合(ステップS1108:NO)には、ステップS1110に進む。
ステップS1109において、表示部600は、図8Dに示すグラフ620を表示させる。その後、ユーザからグラフ620の表示終了の指示があった場合には、ステップS1106に戻り、ユーザからの指示情報を取得する。なお、グラフ620の表示終了については、例えば、ユーザが図8Dに示すグラフ620の右上に表示された終了ボタン621をクリックすることにより行われる。なお、グラフ620の表示の終了については、この終了ボタン621のクリックによる手段に限定されない。例えば、ユーザがカーソル(図示なし)をグラフ620以外に合わせることで、グラフ620の表示が終了するという手段を用いてもよい。
ステップS1110において、表示部600は、ユーザが入力した確認結果を判定し、ユーザが終了を指定した場合(ステップS1110:YES)には、処理フローが終了する。一方で値の再調整など、ユーザが値を入力した場合(ステップS1110:NO)には、ステップS1103に戻り再度計算を行い、計算結果が表示される。ユーザがステップS1110で終了を指定するまでステップS1103からS1110までの処理が繰り返される。
以上のように第1の実施形態における観覧施設評価システム1は、評価対象となる客席に着座した観客の視点233の座標と、観客より前列の客席に着座した観客の頭頂座標と、を通るサイトライン310を算出する。さらに、観覧施設評価システム1は、サイトライン310と舞台注視線221との交点である注視点220を算出し、注視点220と、評価基準とを比較し、観客席130からの舞台120への観やすさを判定する。さらに、観覧施設評価システム1は、各客席において判定結果を表示する。これにより観覧施設評価システムのユーザは、一目で観覧施設全体における各客席からの舞台の観やすさを認識することができる。
また、観覧施設評価システム1では、舞台上の特定の舞台注視線221を複数設定して、その設定した複数の舞台注視線221に対してサイトライン310を評価することができる。これにより、舞台上の複数の注視点220に対する各客席からの観やすさの判定が可能となる。
(第2の実施形態)
以上のとおり、具体的な実施形態を一つ説明したが、上述した実施形態は例示である。例えば、上述の実施形態では、観客の視点と、観客の前方の客席に着座する観客の頭頂位置とを通る直線としてサイトライン310を算出し、サイトライン310と舞台上の舞台注視線221とが交わる注視点220を算出する形態を例示した。ここではさらに、舞台のプロセニアム120bの上端に対して注視点220を算出し、判定を行う第2の実施形態にかかる観覧施設評価システム2について、第1の実施形態と異なる構成について説明する。
図12は、第2の実施形態における観覧施設評価システム2のブロック図の一例を示す。図12に示すように第2の実施形態においては、第1の実施形態における観覧施設評価システム1の注視点判定部500の代わりに、プロセニアム判定部510を備える構成となる。
プロセニアム判定部510は、ある観客の視点233がプロセニアム120bの上端を超えていないかの判定を行う。観客の視点233がプロセニアム120bの上端を超えた高さにあると、舞台内の背景の上部が、プロセニアム120bの額縁に隠れて観えない箇所が出てくるため、客席としては上部見切れ席とよばれ、格が下がり、好ましくない。このような客席を多く備える観覧施設においては、興行収入の減少につながるため、観覧施設の設計においては、常に意識する必要のある判定項目となる。基本的には、全ての客席の視点がプロセニアム120bの上端より下にあることが観覧施設の設計上の理想となる。
図13に第2の実施形態に係わる、プロセニアム判定におけるサイトライン310模式図を示す。第2の実施形態において、舞台注視線221は、プロセニアムが設けられた舞台の先端(PSx=0)における垂直方向に延びる直線である。また、前方空間座標230は、高さが、観客の視点233と同じ任意の座標となる。これにより、サイトライン310は、観客の視点233を通り、床面と水平方向に平行となる直線として定まる。注視点算出部400は、サイトライン310と、舞台注視線221とが交わる点を注視点220として算出する。プロセニアム判定部510は、注視点220が、プロセニアムの上端より上にあるか、下にあるかを比較する。
すなわち、プロセニアム判定部510は、注視点220の高さ(PSz)、すなわち、観客席130の最前列からn列目の客席に着座した観客の目の高さEznが、プロセニアムの上端の高さPrHより高いか否かを比較し、舞台の観えやすさを判定する。図14に、図8Aに示すプロセニアム判定結果領域616を拡大した概略図を示す。観客席130の最前列からn列目の客席に着座した観客の目の高さEznがプロセニアム120bの上端の高さより高い場合、図14の判定結果610のプロセニアム判定結果領域616に示すように該当セルに「上」の文字が付され、セルに着色が行われる。Eznがプロセニアム120bの上端の高さより低い場合は、セルは空白のままとなる。
上述のように、第2の実施形態において、観覧施設評価システム2がプロセニアム判定部510を備えることにより、評価対象となる客席に着座した観客の目の高さがプロセニアムの上端より高いか低いかを容易に判定することができる。また、この判定結果をすべての客席に対して行うことで、ユーザは、観覧施設における客席において、プロセニアム判定部510による判定結果を認識することができる。
また、第2の実施形態において、注視点判定部500の代わりにプロセニアム判定部510を備える観覧施設評価システム2の構成例を示したが、第2の実施形態はこの構成に限定されない。例えば、注視点判定部500に加えてプロセニアム判定部510を備える構成としてもよい。この場合、注視点判定部500の結果に加えて、プロセニアム判定部510の結果を判定結果に表示させることにより、ユーザは、第1の実施形態におけるサイトラインの判定結果に加えて、プロセニアムの判定結果も同時に認識することができる。例えば、サイトラインの判定結果を踏まえ、客席の高さを必要以上に高めた場合、プロセニアム判定部510の判定を得ることで、設計上、客席が高くなりすぎることを防ぐことができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、第1および/または第2の実施形態と同じ符号を用いる場合、第1および/または第2の実施形態と同一の構成を示し、特に説明がない限り先行する説明を参照する。以下、バルコニーの先端との判定を行う、第3の実施形態にかかる観覧施設評価システム3について、第1および/または第2の実施形態と異なる構成について説明する。
図15は、第3の実施形態における観覧施設評価システム3のブロック図の一例を示す。図15に示すように第3の実施形態においては、第1の実施形態における観覧施設評価システム1における注視点判定部500の代わりに、バルコニー判定部520を備える点で、第1の実施形態と異なる。
プロセニアム式の観覧施設の場合、客席から、額縁の上枠が見えることが観覧施設の設計における必要条件となる。
図16に第3の実施形態に係わる、バルコニー判定におけるサイトライン310の模式図を示す。第3の実施形態において、舞台注視線221は、プロセニアム120bが設けられた舞台の先端(PSx=0)における垂直方向に延びる直線である。また、前方空間座標230は、バルコニーの天井先端位置の座標(Bx、Bz)となる。これにより、サイトライン310は、観客の視点233と、バルコニーの天井先端とを通る直線として定まる。注視点算出部400は、サイトライン310と、舞台注視線221とが交わる点を注視点220として算出する。バルコニー判定部520は、注視点220が、プロセニアムの上端より上にあるか、下にあるかを比較する。
すなわち、バルコニー判定部520は、注視点220の高さ(PSz)がプロセニアムの上端(PrH)より上であるか否かを比較し舞台の観えやすさを判定する。注視点220の高さ(PSz)がプロセニアムの上端(PrH)の高さより低い場合、プロセニアム120bの上端がバルコニーの天井先端によって見えなくなる。この場合、図8Aの判定結果610のバルコニー判定結果領域617の該当セルに「NG」の文字が付され、セルに着色が行われる。一方で、注視点220の高さ(PSz)がプロセニアムの上端(PrH)の高さより高い場合は、評価対象の客席からプロセニアム120bの上端は見えるため、セルは空白のままとなる。
以上のように第3の実施形態において、観客の視点233とバルコニー天井先端とを結ぶ直線であるサイトライン310に基づいて、プロセニアムの上端が観えるか否かを判定し、それにより評価対象となる客席からの舞台の観えやすさを判定することができる。また、この判定結果をすべての客席に対して行うことで、ユーザは、観覧施設における客席において、バルコニー判定部520による判定結果を認識することができる。
上述の第3の実施形態の説明において、バルコニー判定部520は、サイトライン310に基づいて、バルコニー天井先端によりプロセニアム120bの上端が見えるか否かを判定する実施形態を示したが、バルコニー判定部520は、この形態に限定されない。例えば、バルコニー判定部520は、図17に示すように、プロセニアム120bの上端と客席とのサイトラインと、バルコニーの先端と客席とのサイトラインの角度を比較する方法を用いてもよい。具体的には、バルコニー判定部520は、n列の視点の座標En(Exn、Ezn)から見て、プロセニアム上端の座標(0、PrH+St)より、バルコニー天井先端の座標(Bx、Bz)が上に見えるか否かを判定する。すなわち、バルコニー判定部520は、図17に示すように視点の座標Enから見た仰角(タンジェント)の大小により判定する。すなわち、プロセニアム仰角320が、バルコニー仰角330より小さいか否かで判定する。プロセニアム仰角320は、arctan((PrH+St-Ezn)/Exn)で示すことができる。同様に、バルコニー仰角330は、arctan((Bz-Ezn)/(Exn-Bx))で示すことができる。
よって、バルコニー判定部520は、(プロセニアム仰角320<バルコニー仰角330)を判定する。(プロセニアム仰角320<バルコニー仰角330)は以下の式(4)で示すことができる。
(PrH+St-Ezn)/Exn<(Bz-Ezn)/(Exn-Bx)…(4)
すなわち、式(4)に示す判定式の条件を満たす場合、バルコニーの先端の位置は問題ない。一方で、式(4)に示す判定式の条件を満たさない場合、バルコニーの先端により、プロセニアム120bの上端が見えないことになり、図8Aの判定結果610に示す、バルコニー判定結果領域617に着色することで結果を表示する。
また、第3の実施形態において、注視点判定部500の代わりにバルコニー判定部520を備える観覧施設評価システム3の構成例を示したが、第3の実施形態はこの構成に限定されない。例えば、注視点判定部500に加えてバルコニー判定部520を備える構成としてもよい。この場合、注視点判定部500の結果に加えて、バルコニー判定部520の結果を判定結果に表示させることにより、ユーザは、第1の実施形態におけるサイトライン310の判定結果に加えて、プロセニアム120bの判定結果も同時に認識することができる。例えば、サイトライン310の判定結果を踏まえ、客席の高さを必要以上に高めた場合、バルコニー判定部520の判定を得ることで、設計上、客席が高くなりすぎることを防ぐことができる。さらには、注視点判定部500、および、プロセニアム判定部510に加えてバルコニー判定部520を備える構成としてもよい。
(他の実施形態)
以上、本実施形態を説明したが、実施形態はこれらに限定されるものではなく、実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。また、さまざまな実施形態の一部または全部を組み合わせて新たな実施形態とすることも可能である。
(ホリゾントにおける見切り高さの判定への適用)
上述の各実施形態において、前方空間座標230が、舞台先端から評価対象となる客席に着座した観客の間に位置する座標である場合を示したが、前方空間座標230は、これに限定されない。例えば、図18に示すように、前方空間座標230を、プロセニアムの上端とし、観客の視点233の座標Enとプロセニアムの上端の座標とに基づいてサイトライン310を算出することができる。舞台注視線221をホリゾントの位置とすると注視点220は、以下の式(5)により算出できる。なお、ホリゾントとは、舞台やスタジオで使われる背景用の布製の幕または壁である。舞台先端からホリゾントまでの距離をDPとし、注視点220であるホリゾント上の見切れ高さをHPとすると、(PrH-HP)/DP=(Ezn-St-PrH)/Exnの関係式が成り立つ。この関係式を展開することにより、ホリゾント上の見切れ高さHPを求めることができる。
HP=PrH-DP×(Ezn-St-PrH)/Exn …(5)
式(5)で算出されたHPに対して、ホリゾントにおける見切りの高さを判定することにより、評価対象となる客席からのサイトライン310が適切であるか否かを判定することが可能となる。
(振れ角の評価への適用)
また、本実施形態に係る観覧施設評価システムを用いることで、ユーザは、振れ角iの評価を行うことが可能となる。本明細書において振れ角iとは、観客の視点から舞台上の演技の中心である演技中心点を見た場合のX軸のマイナス方向に対する角度である。すなわち、観客の視点からの演技中心点に対する向きが劇場中心軸に対して振れている水平平面上の角度となる。図19Aに各客席における振れ角iを示す。図19Aに示す例では、演技中心点を、注視点のX座標PSx=-5000(デフォルト値)、Y座標PSy=0、Z座標PSz=1500+St(デフォルト値)としている。各観客の視点の座標Enm(Ex、Ey、Ez)は、図6Dに示すn列m番の観客の客席座標242(Xnm、Ynm、Znm)、および座席角θ(X軸との振れ)に基づいて算出することができる。視点座標Eの算出に用いる数値は、CAD、BIMまたは記憶装置から得られる。なお、目の位置は観客の視点の中間値(両眼の瞳孔の中心)を想定しており、椅子の中心軸上にある。また、演技中心点の位置の座標は任意に設定することが可能である。例えば、演技中心点は、注視点に割り当てることができる。この場合、振れ角iは、注視点220の座標PSと観客の目の座標Eとで定まる線分PS-Eと、X軸と、に基づいて算出される角度である。なお、演技中心点は、舞台に位置する場合は中心軸111上に位置する場合が多いが、それ以外の場所に設定することも可能である。また、演技中心点の奥行き方向は演目によって大きく異なる。例えば、運動競技等では、通常、注視点は、フィールドまたはコートの中心となるが、野球場の場合には、ピッチャーマウンドかバッテリー間が注視点(演技中心点)となる場合もある。観覧施設では一般的に演技中心点に対して正面にある客席が好ましいとされる。したがって、振れ角iの値は、0度である場合が最も好ましく、客席ごとに振れ角iの絶対値が小さいほうが好ましいと評価される。これらが振れ角iの評価基準となり、この評価基準を用いることで、振れ角iの値を、個々の席の評価の指標に用いることができる。例えば、図19Aに示す客席C1から客席C5においては、それぞれ振れ角iが、30度、20度、0度、0度、および45度となる。すなわち、客席C3および客席C4が振れ角iにおける客席の評価が高い席となる。なお、振れ角iは、平面的な角度のみでなく演技中心点に対する俯角(垂直方向の角度)に対して算出することも可能である。
(ずれ角の評価への適用)
また、本実施形態に係る観覧施設評価システムを用いることで、ユーザは、ずれ角kの評価を行うことが可能となる。本明細書において、ずれ角kとは、客席の椅子の方向と、演技中心点(例えば、注視点の座標PSx=-5000、PSy=0、PSz=0)に対する方向と、の角度差である。ずれ角kは、上述の振れ角iと座席角θの差分により算出することができる。なお、ずれ角kに関する「ずれ」は、客席から舞台に向いた時に中心軸方向の「ずれ」(内旋)と、中心軸から離れる方向の「ずれ」(外旋)がある。外旋は舞台の向きから離れるだけでなく、観客席130の中心から離れるのでより好ましくないとされる。内旋は観客席130全体との一体感が高まる方向にあり、好ましい場合もある。なお、ずれ角kは0度が最も好ましく、客席ごとに絶対値が小さいほうが好ましいと評価され、個々の客席の評価の指標に用いることができる。一般的に、通常20~30度を超えると、観客は苦痛を感じるようになり、45度を超えると長時間の鑑賞は困難になるが、座席の身体拘束力が小さいベンチシートや桟敷席では快適性が改善される。例えば、図19Aに示す客席C1から客席C5においては、それぞれ、ずれ角kが、-30度、-10度、0度、0度、および45度となる。すなわち、客席C3および客席C4が、ずれ角kにおける客席の評価が高い席となる。
(水平舞台視界角の評価への適用)
また、本実施形態に係る観覧施設評価システムを用いることで、ユーザは、水平舞台視界角λの評価を行うことができる。ここで、水平舞台視界角λとは、客席から舞台を見た場合の、舞台の端から端までの観客の視界の角度である。具体的には、客席から見てプロセニアムの右端(図19Aにおける上手側)の垂直線PrR-SRが示す右端座標と、客席から見た舞台上の演技中心点までの直線と、がなす角度を上手側水平舞台視界角λRとして算出する。同様に、客席から見て左端(図19Aにおける下手側)の垂直線PrL-SLが示す左端座標と、客席から見た舞台上の演技中心点までの直線と、がなす角度を下手側水平舞台視界角λLとして算出する。さらに、上手側水平舞台視界角λRと下手側水平舞台視界角λLとの合計の角度(水平舞台視界角(合計)λ=λR+λL)を算出する。すわなち、左端座標と観客の視点とを結ぶ直線である左端サイトラインおよび右端座標と観客の視点とを結ぶ直線である右端サイトラインによって定まる角度である水平舞台視界角が算出される。なお、プロセニアム(舞台額縁)の座標情報は、舞台側の座標情報から得られる。また、観客の視点座標Enm(Ex、Ey、Ez)は、上述の通り、図6Dに示すn列m番の観客の客席座標242(Xnm、Ynm、Znm)、および座席角θ(X軸との振れ)に基づいて算出することができる。観客の視点から見た水平舞台視界角λは、大きすぎると演技全体の視界に入らなくなるため観客は不快に感じ、小さすぎると舞台が小さく見えるため観客は不満を感じる。水平舞台視界角λは、適切な範囲が30度から60度とされ、個々の席の評価の指標に用いることができる。例えば、図19Aに示す客席C1から客席C5においては、客席C2から客席C5が、水平舞台視界角λが30度から60度の範囲に収まるため、範客席の評価が高い席となる。
(垂直舞台視界角の評価への適用)
また、本実施形態に係る観覧施設評価システムを用いることで、ユーザは、垂直舞台視界角μの評価を行うことができる。本明細書において、垂直舞台視界角μは、舞台端またはプロセニアム(またはポータル等)までの視界視野の垂直角度である。図19Bは、垂直舞台視界角μを説明するための図である。客席から見てプロセニアム(舞台額縁)の右端(上手側)の垂直線の下端点および上端点を、それぞれ右下端点SRおよび右上端点PrRとする。同様に、客席から見て左端(下手側)の垂直線の下端点および上端点を、それぞれ左下端点SLおよび左上端点PrLとする。また、中心軸上の垂直線の下端点および上端点を、それぞれ中心下端点SCおよび中心上端点PrCとする。観客の視点から、これら各下端点の下端座標および各上端点の上端座標との垂直面内の角度である、右垂直舞台視界角μr1、μr2、左垂直舞台視界角μl1、μl2、および中心線垂直舞台視界角μc1、μc2を算出する。すわなち、上端座標と観客の視点とを結ぶ直線である上端サイトラインおよび下端座標と観客の視点とを結ぶ直線である下端サイトラインによって定まる角度である垂直舞台視界角μが算出される。すなわち、垂直舞台視界角μは、μr1+μr2、μl1+μl2、または、μc1+μc2により算出することができる。この垂直舞台視界角μが示す数値は、それぞれの客席から見て、舞台先端およびプロセニアムに相当する位置を見上げるか、または見下ろす角度を示すため、個々の客席の評価の指標に用いることができる。単位にはラジアンまたは度を用い、見上げる場合を正(プラス)とし、見下ろす場合を負(マイナス)とする。なお、観客の視点から見た垂直舞台視界角μは、その合計が大きすぎると視野が大きすぎて演技全体の視界に入らなくなるため観客は不快に感じ、小さすぎると舞台が小さく見えるため観客は不満を感じる。また、個々の値において数値が大きすぎる場合は見上げることになり観客は苦痛に感じる。一方で、垂直舞台視界角μが水平か、やや見下げる場合が、観客にとって快適であり、マイナスの値が多すぎると見下げ角が大きくなり、観客にとって苦痛や高所の恐怖感につながるとされる。個々の感覚差は大きいが、通常は、垂直舞台視界角μが0~-30度であるのが好ましいとされる。
(評価結果の表示)
上述の、振れ角i、ずれ角k、水平舞台視界角λ、および垂直舞台視界角μは、いずれも、舞台が観えるか否かの評価と並び、観覧施設の評価において重要な指標となる。舞台やスポーツの鑑賞において、観客は座席の選定に当たっては、個人の嗜好とともに、その角度から、どのような視野の角度と大きさで、どの距離で鑑賞するかを慎重に選択し、客席の価格に見合うかどうかを判断する。図19Cは、各種角度に関する計算結果を一覧にした表示方法の一例であり、さらには、それに一定の5段階評価を加えた表示方法の一例でもある。このような方法は、建設の発注者、設計者、主催者、鑑賞者に対し、各座席における空間的な指標を理解することを支援することができる。
また、図20に示すように、舞台注視線221を中心軸111上に設定し、中心軸111上で注視点220を算出し、観やすさを評価することも可能である。この場合、注視点220の位置によって、客席の位置する領域が定まり、例えば、観やすさに応じて領域A、領域B、領域C、領域D、および、領域Fという具合に領域を区別しランクを定めることができる。領域区別の判定については、例えば図21に示す内容で行われる。なお、図20においては、プロセニアムの横幅をPrWとする。また、図20に示す例では、プロセニアム120bは、舞台の先端からプロセニアムオフセットPrOの距離について離れた場所に位置する。また、図21に示す例では、Y軸のプラス方向についての領域計算がなされているが、Y軸のマイナス方向の領域についても同様に領域の計算を行うことが可能である。図21に示す領域計算では、図20に示す各サイトライン310を式で表し、その直線の間に位置する領域で観やすさのランクを定めている。
(前列頭間視界角の評価への適用)
多数の客席がある劇場等の建築設計において、全ての客席のサイトラインを3Dモデルにより作成し、評価を数値化して評価することは、通常容易でない。小規模な施設でない限り、サイトライン設計において、身体寸法差がある観客に対し前列頭越しに各視点から舞台上の注視点へのラインを確保することは不可能に近い。そのため頭越しでは千鳥配置の設計をすることになる。その場合に斜め前方に位置する前列の頭越しに舞台上のどの範囲が可視なのか判定することが重要になる。この場合、舞台の周辺部は通常重要でなく、舞台上のアクティングエリアのさらに主要な演技中心領域が見えることが判定の基準となるため、その部分に領域を絞って見切れの判定を行うこともできる。その際は単一の視点ではなく両眼のいずれかから見えるかを検証することが現実的と考えられる。なお、演技中心領域については、後述する。
また、上述の各実施形態においては、注視平面に対し、Y=0である中心軸111上のサイトライン310の評価について示したがこれに限定されない。例えば、Z=0であるXY平面におけるサイトライン310の評価を行うことも可能である。例えば図22Aに示すように、観客席130が千鳥配置の場合において、前方空間座標230を、前列の左側の客席に着座した観客(左前方観客)の右側頭部に設定する。同様に、前方空間座標230を、前列の右側の客席に着座した観客(右前方観客)の左側頭部に設定する。観客の視点233と、左右2つの前方空間座標230とを通るサイトライン310を算出することもできる。なお、観客の視点233は、左右の目の視点の中間値(瞳孔間の中心位置)で近似している。図22Aに示すΔθは、単眼に対し両眼の場合の片目毎の差分になるが、頭の横幅の統計的平均値をHD、瞳孔間距離の統計的平均値をaとし、前後の座席間隔(段床の距離に通常等しい)をHnとすると、Δ/Hn=a/2Hn=tanΔθの関係が成り立つ。
これを視点の中間値から見た場合は、図22Bに示すように、前列の視点間にある線分が、視線障害としてあると置き換えることができる。この線分の長さは、例えば、式(6)で示すことができる。
HD-2Δ=HD-2-a-α=8cm …(6)
ただし、HDは、頭の横幅の統計的平均値であり、例えば、日本人ではHDは、約16cmとなる。また、式(6)におけるaは、瞳孔間距離の統計的平均値であり、例えば、日本人では約6cmとなる。また、式(6)におけるαは、観客の首が可動であることによるマージンであり、値は約2cmである。この視線障害を除いた観客視野を前列頭間視界角と呼ぶ。
また、演技中心領域は、演目や演出により異なるので一般化される場合が多い。例えば、図22Cにおいては、演技中心領域をアクティングエリア内にある多角形ABCD(各辺は互いに交差しない)とする。観客の視点、および多角形ABCDは、Z=0であるXY平面にあると仮定する。視点座標情報および、前列の座席座標情報はCAD、BIMもしくは記憶装置から得られる。視点座標Enmと、多角形ABCDの各頂点とを結ぶ線分EA、EB、EC、EDと、上記の前列の全ての頭部における上述の8cmの視線障害部の線分と、が交差するかを確認し、交差する部分について、面積を算出することが可能である。その場合、プロセニアム側方の壁による演技中心領域の見切れ面積を算出することも可能である。
(各種観覧施設への適用)
また、上述の各実施形態において、観覧施設が劇場である例を示したが、観覧施設はこれに限定されない。例えば、音楽堂、公会堂、講堂、教室、競技場、アリーナ、スタジアム等の観劇、音楽鑑賞、教育、集会、スポーツ観覧、展示、演出を目的とする施設であってもよい。また、観覧施設は、恒久的または仮設的といった施設の設置期間に関する種別を問わない。
(多層バルコニー構造の観覧施設への適用)
また、上述の各実施形態において、観覧施設は、2階層のバルコニー構成である例を示したがこれに限定されず、3階以上のバルコニーを有する多層バルコニー構造の観覧施設にも適用できる。例えば、図23に示すように、3階席130dを有する観覧施設についても評価が可能となる。
(舞台上の注視点の設定)
また、上述の各実施形態において、1階席130aが後部に向かうにつれて上昇する例を示したがこれに限定されない。例えば、図24(a)に示すように1階席130aの前段および中段がフラットであり、後段が緩やかに上昇する形状、または図24(b)に示すように1階席130a全てがフラットの形状である観覧施設についても評価することが可能となる。この場合、例えば図24(a)のように舞台奥に進むにつれて緩やかに上方向に傾斜する舞台や、図24(b)に示すように段差を有する舞台を想定して、舞台上の注視点を設定することで観やすさの評価が可能となる。
(最大視距離および最大俯角の評価への適用)
さらに、上述の各実施形態においては、各階最後部の客席の視点の座標についても数値化が行えているため、この数値を用いて、観覧施設における最大視距離および最大俯角の評価が可能となる。ここで、最大視距離および最大俯角は、評価対象となる観覧施設における中心軸上の最後部の客席からの最大の視距離および俯角である。各観覧施設は、中心軸上の最後部の客席からの視距離および俯角が最大視距離および最大俯角より小さくなるように設計されることが望ましい。ここで、舞台先端から最後列n列目の観客の目の位置までの水平距離はExnであり、垂直距離は、Ezn-Stである。よって、最大視距離は、水平距離Exnの2乗と、垂直距離(Ezn-St)の2乗との和の平方根を求めることにより、定めることができる。同様に、最大俯角は、arctan((Ezn-St)/Exn)で定めることができる。なお、最大視距離に対する評価としては、小劇場では15m以内、中劇場では20ないし22m以内、大劇場では30mないし39m以内であることが好ましい。一方、最大俯角は25度以内であることが好ましい。上述の各実施形態において、表示部600は、判定結果に最大視距離および最大俯角を表示し、上述の適切な範囲内にあるか否かを表示させることができる。
(加重評価による観客席の総合評価)
上述の実施形態によって得られる各種の観え方に関する指標は、個々の客席について算出することができる。要素ごとの配点について、これらの複数の情報を用いて高低を定めて加重評価を行い、観客席130の総合評価を行うことが可能である。例えば、設計時に複数案を計画し、全体の評価を行うことにより案の比較検討を行うことも出来る。完成した観覧施設においては、客席ごとの値付けの基礎資料とすることも可能である。
(照明装置または投影装置の評価への適用)
また、上述の各実施形態においては、観客の視点から舞台やプロセニアムへのサイトラインを判定および評価するものであるが、これに限定されない。例えば、観客の視点の代わりに観客席130側の天井また客席の壁面部またはバルコニー席の先端または舞台上部に設けられた照明の投光位置を用いて判定および評価することも可能である。また、観客の視点の代わりに、映像装置のレンズを用いることが可能であり、舞台正面または斜め前方またはバルコニー先端からプロセニアムまたはホリゾント、背景幕またはその他の舞台装置への投射環境が可能か、適切か否かを検証することができる。本実施形態においては、具体的な照明装置または投影装置をシミュレーションするものではなく、あくまで簡易な検証方法として提案するものである。
(舞台照明に対する本実施形態の適用)
図25に、舞台照明における光度角を説明するための図を示す。適切に調整された舞台照明用スポットライトから放射される光円錐は、中心が最も明るく、すなわち光円錐の中心は光度(単位:カンデラcd)が最も強くなる。そして、光円錐の中心から周辺に行くにしたがって同心円状に光度が落ちる。その光度が半分、すなわち50%になる円をビームエッジといい、その直径が光源となす角度をビーム角という。また、周辺の光度が10%まで落ちる円をフィールドエッジといい、その直径が光源となす角度をフィールド角という。ビーム角とフィールド角はともに光度特性を示す光度角である。舞台上で複数のライトにより隣接する領域を照射する際は、図25に示すように、お互いにビームエッジが接するようにライトを照らさなければならない。このようにライトを照らすことで、その領域を横切る俳優は途中で顔が暗くなるのを防ぐことができる。
図26A、図26B、および図26Cに、照明が舞台を照らす場合の照明のシミュレーションの図を示す。俳優を照らす舞台照明には、例えば、前明かりといわれるフロントサイドライトとシーリングライトと、俳優の輪郭を際立たせるバックライトまたはサイドライト、その他目的の異なる灯りがあり、それぞれに適切な角度がある。例えば、前明かりは舞台面に対して45度前後の傾きが適切である。図26Aに示す例では、観客の視点を光源Sとし、舞台上の照射の対象となる点を照射中心点Pとして割り当てる。また、XY平面(水平平面)およびYZ平面(垂直平面)に、照射中心点Pを中心として、楕円形状の照射領域が示される。なお、本実施形態において、楕円は、上述のフィールドエッジに該当するが、楕円は、これに限定されない。例えば、評価対象に応じて、楕円をビームエッジとしてもよい。
図26Bは、XZ平面において、XY平面(水平平面)およびYZ平面(垂直平面)に投射された楕円形状の照射領域の長さを示す例である。図26Bにおいて、XY平面(水平平面)に投射された楕円の長径は、X1+X2で示される長さとなる。同様に、図26Bにおいて、YZ平面(垂直平面)に投射された楕円の長径は、Z1+Z2で示される長さとなる。図26Cは、XY平面における光源Sと楕円との関係を示す例である。例えば、図26Bおよび図26Cにおいて、光源Sから照射中心点Pまでの直線、光源Sから楕円への接線、または光源から楕円の任意の点への直線が、プロセニアムや障害物ABの影響を受けるか否かの評価を行うことができる。
舞台上の俳優が演技する領域を照射したり、水平、垂直または傾斜した舞台装置の面を均一に照射したりするには、適切な光源配置と、適切な照射方向と、適切な光度角とを持つ照明器具の選択が必要となる。本実施形態では、このような要件を解決することが求められる劇場の建築設計者または照明ディザイナに対し、情報の提供を支援することを目的とし、上述のサイトラインの手法を応用して解決を図ることができる。すなわち、サイトラインと同様に舞台120側の座標情報と、観客席130側の座標情報とを、それぞれ、照射する中心位置の座標情報と、光源位置の座標情報とに換えて適用する。そして、任意の光度角を与えた場合に、その光の水平平面上の方向の角度と、光が水平面となす角度と、光源と照射中心の距離と、水平面または垂直面に照らされた光のエッジの半径がアウトプットとして得ることができるプログラムを作成する。この情報から、ユーザは、照射された光円錐の適切な重なりや適切な角度が得られるかが検証できる。また光源から発せられた光が、プロセニアムの両側の壁と、上部の下がり壁と、それ以外の障害物によって進路を阻まれるか否かを判定することができる。なお、インプットとアウトプットの組み合わせはこれに限定されず、これ以外の組み合わせを用いることも可能である。
上述の実施形態を舞台照明の評価に適応させる場合、サイトライン算出部300は、照明装置の光源位置の座標情報と、光源より前方方向に位置する任意の前方空間座標に基づいてサイトラインを算出する。ここで任意の前方空間座標は、例えば光源から照射される光の中心軸である。注視点算出部400は、舞台の床面と水平なXY平面または舞台の床面に垂直なYZ平面を注視平面とし、サイトラインと注視平面とが交わる点である注視点を算出する。注視点判定部500は、サイトライン、または注視点を中心として、XY平面またはYZ平面に生成される楕円上の点と光源とを通る直線が、障害物やプロセニアムによってさえぎられるか否かを判定する。表示部600は、注視点判定部500での判定結果を表示する。表示部600での表示は、例えば、どの照明装置からの光が障害物によってさえぎられているか否か等を表示するものである。
(プロジェクターによる映像投影に対する本実施形態の適用)
プロジェクターによる映像投影は、従来からある映画等の映写に加え、今日ではプロジェクターの性能の向上と小型化、ディジタル映像作成技術の向上等を背景に、舞台美術には不可欠なものとして更なる発達を遂げつつある。しかし任意の投影目標となるスクリーン、幕類、舞台装置等に対し、どの方向からどの大きさで投影を行うことができ、どれくらいの明るさ(光度)が得られるかを検証することは意外に難しい。本実施形態においては、このような要件を解決することが求められる劇場の建築設計者、舞台美術家、または照明ディザイナに対し、情報の提供を支援することを目的とし、上述のサイトラインの手法を応用して解決を図る。
図27A、図27B、および図27Cに、プロジェクターによりスクリーンに映像投影した場合のシミュレーションの図を示す。図27Aにおいて、スクリーンの大きさは、横A、縦Bのそれぞれの長さで示される。よって、評価対象となるスクリーンの面積、およびアスペクト比は、それぞれA×B、およびA÷Bで表すことができる。また、図27Aにおいて、角度TLは、スクリーンのZ軸に対する垂直方向の傾きを示す。また、図27Aにおいて、角度PNは、スクリーンのY軸に対する水平方向の傾きを示す。
図27Aにおいて、点SP1~点SP8はスクリーン上の端の点を示す。また、SPは、スクリーンの中心を示し、中心点SPの座標は、(SPx、SPy、SPz)で表すことができる。また、プロジェクターの光源PJの座標は、PJ(PJx、PJy、PJz)、観客の視点の座標は、E(Ex、Ey、Ez)で示される。また、SP′、E′、およびPJ′は、それぞれスクリーンの中心点SP、観客の視点E、およびプロジェクターの光源PJをXY平面(Z=0)に投射した点である。図27Aに示す水平角度ρは、E′とSP′とを結ぶ直線と、PJ′とSP′とを結ぶ直線とがなす角度である。例えば、評価対象となる観覧施設が映画間の場合であって、評価対象となる客席が最前列の端に位置する場合に、水平角度ρは、45度以内であることが好ましい。
図27Bは、PJ、PJ′、SP、およびSP′を含む垂直面において、プロジェクターの光源(PJ)からの、スクリーンの中心点SP、並びに点SP8、および点SP7に対する直線を示す。v1は、PJと中心点SPとを結ぶ直線と、PJと点SP7とを結ぶ直線とがなす角度である。またv2は、PJと中心点SPとを結ぶ直線と、PJと点SP8とを結ぶ直線とがなす角度である。
図27Cは、E、E′、SP、およびSP′を含む垂直面において、任意の観客の視点Eからの、スクリーンの中心点SPに対する直線を示す。垂直角度φは、観客の視点Eからスクリーンの中心点SPまでの直線とXY平面とがなす角度である。例えば、評価対象となる観覧施設が映画間の場合であって、評価対象となる客席が中心軸上の最前列である場合に、垂直角度φは、45度以内であることが好ましい。
上述の通り、サイトラインと同様の舞台側の座標情報と観客席130側の座標情報とを、投影面の中心点SPの座標情報と、任意の投射面の縦横の長さ(縦:B、横:A)と、面の傾きTLとしてプロジェクターの光源PJの位置の座標情報とに適用して与える。その投影軸の水平平面上の方向の角度と、投影軸の水平面とがなす角度と、光源PJと投影中心の距離と、投影面積と、軸に対するスクリーン面の傾きTLが得ることができるプログラムを作成する。照明と同様に障害物に阻まれるかの判定を加えることも可能である。例えば、上述の各実施形態において、表示部600は、判定結果に垂直角度φおよび/または水平角度ρを表示し、上述の適切な範囲内にあるか否かを表示させることができる。
(数値化、指標化された数値の総合評価)
さらに、上述の各実施形態において数値化、指標化された各項目は、各客席に対するXYZの座標値、椅子の方向を設定し、それらを表計算により自動処理することで値が得られるような表計算プログラムで実現することができる。すなわち、表計算プログラムによって、平面座標データを活用した3次元的な要素が数値化、指標化できる。ここで、数値化できる各項目は、俯角、最大視距離、視点がプロセニアムより上か下か、ホリゾントにおける見切りの高さ、偏向角、ずれ角、水平舞台視界角、垂直舞台視界角までの視野の角度などである。また、プロセニアムの見通し角との関係、前列頭間視界角、演技中心領域が見えるかの判定、総合評価等についても数値化できる。
以下に、本実施形態に係わる観覧施設評価システム、観覧施設評価方法、および、観覧施設評価プログラムの特徴について記載する。
(1) 観覧施設評価システム1は、以下の構成を有する。
(i) 舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、観覧施設に対応した空間座標を設定する空間座標設定部100を含む。
(ii) 空間座標における観覧施設に関する施設情報が入力される施設情報入力部200を含む。
(iii) 客席に着座した観客の視点と、観客が着座する客席より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であって、観客の視線であるサイトラインを、施設情報に基づいて算出するサイトライン算出部300を含む。
(iv) サイトラインと、舞台上の特定の平面である注視平面と、が交わる点である注視点を算出する注視点算出部400を含む。
(v) 注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台の観やすさを判定する注視点判定部500を含む。
(vi) 判定部で判定された判定結果を表示する表示部600を含む。
本開示によれば、観覧施設評価システムは、客席に着座した観客の視点と、観客が着座する客席より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点とでサイトライン310を算出する。さらに、観覧施設評価システムは、サイトラインと、舞台上の特定の平面とが交わる点である注視点を算出し、注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台の観やすさを判定し、判定結果を表示する。ユーザが当該判定結果を見ることで容易に客席全体の観やすさを認識することができる。
(2) 注視点220は、注視平面の平面上であって、舞台の床面と垂直な直線上に位置する座標であることが好ましい。
本開示によれば、舞台の床面と垂直な直線上に位置する座標を評価基準で判定することにより、ユーザは、評価対象となる観客からの舞台の観える度合いを認識することができる。
(3) 前方空間座標230は、評価対象となる客席より前方に位置する客席に着座した前方観客の頭頂の座標であることが好ましい。
本開示によれば、観覧施設評価システム1では、観客からの視点と観客の前方に着座した観客の頭頂とでサイトラインを算出することにより、前方に着座した観客の頭頂を通るサイトラインによって舞台上のどの位置まで観ることができるか判定することができる。
(4) 前方空間座標230は、評価対象となる客席の1列前に位置する客席に着座した前方観客の頭頂の座標であることが好ましい。
本開示によれば、観客席が格子状である場合の観客席からの舞台の観やすさについて、正確に判定することが可能となる。
(5) 前方空間座標230は、評価対象となる客席の2列前に位置する客席に着座した前方観客の頭頂の座標であることが好ましい。
本開示によれば、観客席が千鳥形状である場合の観客席からの舞台の観やすさについて、正確に判定することが可能となる。
(6) 前方空間座標230は、観客の視点と同じ高さである任意の座標であることが好ましい。
本開示によれば、観客の目の高さがプロセニアムの上端より上であるか否かを判定することができる。
(7) 前方空間座標230は、バルコニーの天井先端の座標であることが好ましい。
本開示によれば、プロセニアムの上端がバルコニーの天井先端によって見えなくなるか否かを確認することが可能となる。
(8) 注視点220は、注視平面の平面上であって、舞台の床面と平行な直線上に位置することが好ましい。
本開示によれば、舞台の床面と平行な直線上に位置する座標を評価基準で判定することにより、ユーザは、評価対象となる観客からの、舞台の水平方向における観える度合いを認識することができる。
(9) 前方空間座標230は、評価対象となる客席の1列前に位置する客席に着座した前方観客の片側側頭部の座標である、ことが好ましい。
本開示によれば、観客席が千鳥形状である場合の観客席からの舞台の観やすさについて、1列前の客席に着座した観客の頭と頭の間からの観え具合を判定することが可能となる。
(10) 前方空間座標は、評価対象となる観客の視点から舞台の演技中心領域への視線の水平方向の左側に位置する左前方観客の右側頭部の座標、および視線の水平方向の右側に位置する右前方観客の左側頭部の座標であることが好ましい。
また、右側頭部の座標および左側頭部の座標によって定まる2つのサイトラインによって算出される角度である前列頭間視界角が適切であるか否かを判定することが好ましい。
本開示によれば、斜め前方に位置する前列の観客の頭越しに舞台上のどの範囲が可視なのか判定することが可能となる。
(11) 注視点判定部は、さらに、サイトラインと、舞台上の演技の中心点である演技中心点から客席の方向へ延びる中心軸とによって定まる角度である振れ角が適切であるか否かを判定することが好ましい。
本開示によれば、サイトラインと、舞台上の演技の中心点である演技中心点から客席の方向へ延びる中心軸とによって定まる角度である振れ角を判定することが可能となる。これにより、ユーザは、観覧施設における各客席の振れ角を把握することが可能となり、観覧施設全体において、観客席の全体的な位置が適正か否かを評価することが可能となる。
(12) 注視点判定部は、さらに、客席の向く方向が、サイトラインに対して振れている角度であるずれ角が適切であるか否かを判定することが好ましい。
本開示によれば、客席の向く方向が、サイトラインに対して振れている角度であるずれ角を判定することが可能となり、観覧施設における各客席の向く方向が適切か否かを判定することが可能となる。
(13) 前方空間座標は、舞台の左端に位置する左端座標および、舞台の右端に位置する右端座標であることが好ましい。また、サイトライン算出部は、左端座標との左端サイトライン、および右端座標との右端サイトラインを算出することが好ましい。注視点判定部は、さらに、左端サイトラインおよび右端サイトラインによって定まる角度である水平舞台視界角が適切であるか否かを判定することが好ましい。
本開示によれば、評価対象となる客席に着座した観客からの水平舞台視界角を判定することが可能となる。すなわち、評価対象となる客席に着座した観客が舞台を見る場合の水平方向の角度が算出可能となり、評価対象となる客席の水平方向における舞台の見やすさに基づく快適度を評価することが可能となる。
(14) 前方空間座標は、舞台の上端に位置する上端座標および、舞台の下端に位置する下端座標であることが好ましい。また、サイトライン算出部は、上端座標との上端サイトライン、および下端座標との下端サイトラインを算出することが好ましい。また、注視点判定部は、さらに、上端サイトラインおよび下端サイトラインによって定まる角度である垂直舞台視界角が適切であるか否かを判定することが好ましい。
本開示によれば、評価対象となる客席に着座した観客からの垂直舞台視界角を判定することが可能となる。すなわち、評価対象となる客席に着座した観客が舞台を見上げる場合、または見下ろす場合の角度が算出可能となり、評価対象となる客席の垂直方向における舞台の見やすさに基づく快適度を評価することが可能となる。
(15) 表示部は、注視点判定部で判定された判定結果を複数の評価方法を用いて評価し表示することが好ましい。
本開示によれば、注視点判定部で判定された判定結果を複数の評価方法を用いて評価することで、複数の評価指標によって、総合的に観覧施設を評価することができ、観覧施設全体としての評価値向上を図ることができる。
(16) 観覧施設評価システム1は、以下の構成を有する。
(i) 舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、観覧施設に対応した空間座標を設定する空間座標設定部100を含む。
(ii) 空間座標における観覧施設に関する施設情報が入力される施設情報入力部200を含む。
(iii) 客席側に位置する光源と、光源より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であるサイトラインを、施設情報に基づいて算出するサイトライン算出部300を含む。
(iv) サイトラインと、舞台上の特定の平面である注視平面と、が交わる点である注視点を算出する注視点算出部400を含む。
(v) 注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台における光源からの光の照射具合を判定する注視点判定部500を含む。
(vi) 判定部で判定された判定結果を表示する表示部600を含む。
本開示によれば、光源から照射された光の光円錐の適切な重なりや適切な角度が得られるかが検証できる。また光源から発せられた光が、プロセニアムの両側の壁と、上部の下がり壁と、それ以外の障害物によって進路を阻まれるか否かを判定することができる。
(17) コンピュータによって実行される観覧施設評価方法は、以下の処理を有することが好ましい。
(i) 舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、観覧施設に対応した空間座標を設定する処理を含む。
(ii) 空間座標における観覧施設に関する施設情報が入力される処理を含む。
(iii) 客席に着座した観客の視点と、観客が着座する客席より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であって、観客の視線であるサイトラインを、施設情報に基づいて算出する処理を含む。
(iv) サイトラインと、舞台上の特定の平面とが交わる点である注視点を算出する処理を含む。
(v) 注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台の観やすさを判定する処理を含む。
(vi) 判定された判定結果を表示する処理を含むことが好ましい。
本開示によれば、観覧施設評価方法は、客席に着座した観客の視点と、観客が着座する客席より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点とでサイトライン310を算出する。さらに、観覧施設評価方法は、サイトラインと、舞台上の特定の平面とが交わる点である注視点を算出し、注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台の観やすさを判定し、判定結果を表示する。ユーザが当該判定結果を見ることで容易に客席全体の観やすさを認識することができる。
(18) コンピュータに実行させるための観覧施設評価プログラムは、以下の処理を有する。
(i) 舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、観覧施設に対応した空間座標を設定する処理を含む。
(ii) 空間座標における観覧施設に関する施設情報が入力される処理を含む。
(iii) 客席に着座した観客の視点と、観客が着座する客席より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であって、観客の視線であるサイトラインを、施設情報に基づいて算出する処理を含む。
(iv) サイトラインと、舞台上の特定の平面である注視平面と、が交わる点である注視点を算出する処理を含む。
(v) 注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台の観やすさを判定する処理を含む。
(vi) 判定された判定結果を表示する処理を含むことが好ましい。
本開示によれば、観覧施設評価プログラムは、客席に着座した観客の視点と、観客が着座する客席より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点とでサイトライン310を算出する。さらに、観覧施設評価プログラムは、サイトラインと、舞台上の特定の平面とが交わる点である注視点を算出し、注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台の観やすさを判定し、判定結果を表示する。ユーザが当該判定結果を見ることで容易に客席全体の観やすさを認識することができる。
(19) 観覧施設評価プログラムを、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶した態様とすることもできる。
本開示によれば、観覧施設評価プログラムは、客席に着座した観客の視点と、観客が着座する客席より前方方向に位置し、空間座標に対応させた前方空間座標で示される点とでサイトライン310を算出する。さらに、観覧施設評価プログラムは、サイトラインと、舞台上の特定の平面である注視平面と、が交わる点である注視点を算出し、注視点の空間座標と所定の評価基準とを比較し、舞台の観やすさを判定し、判定結果を表示する。ユーザが当該判定結果を見ることで容易に客席全体の観やすさを認識することができる。
1、2、3 観覧施設評価システム
100 空間座標設定部
200 施設情報入力部
220 注視点
230 前方空間座標
300 サイトライン算出部
310 サイトライン
400 注視点算出部
500 注視点判定部
510 プロセニアム判定部
520 バルコニー判定部
600 表示部

Claims (19)

  1. 舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、前記観覧施設に対応した空間座標を設定する空間座標設定部と、
    前記空間座標における前記観覧施設に関する施設情報が入力される施設情報入力部と、
    前記客席に着座した観客の視点と、前記観客が着座する前記客席より前方方向に位置し、前記空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であって、前記観客の視線であるサイトラインを、前記施設情報に基づいて算出するサイトライン算出部と、
    前記サイトラインと、前記舞台上の特定の平面である注視平面と、が交わる点である注視点を算出する注視点算出部と、
    前記注視点の前記空間座標と所定の評価基準とを比較し、前記舞台の観やすさを判定する注視点判定部と、
    前記注視点判定部で判定された判定結果を表示する表示部と、を備える観覧施設評価システム。
  2. 前記注視点は、前記注視平面の平面上であって、前記舞台の床面と垂直な直線上に位置する、請求項1に記載の観覧施設評価システム。
  3. 前記前方空間座標は、前記客席より前方に位置する前記客席に着座した前方観客の頭頂の座標である、請求項2に記載の観覧施設評価システム。
  4. 前記前方空間座標は、前記客席の1列前に位置する前記客席に着座した前記前方観客の頭頂の座標である、請求項3に記載の観覧施設評価システム。
  5. 前記前方空間座標は、前記客席の2列前に位置する前記客席に着座した前記前方観客の頭頂の座標である、請求項3に記載の観覧施設評価システム。
  6. 前記前方空間座標は、前記観客の視点と同じ高さである任意の座標である、請求項1または2に記載の観覧施設評価システム。
  7. 前記前方空間座標は、バルコニーの天井先端の座標である、請求項1または2に記載の観覧施設評価システム。
  8. 前記注視点は、前記注視平面の平面上であって、前記舞台の床面と平行な直線上に位置する、請求項1に記載の観覧施設評価システム。
  9. 前記前方空間座標は、評価対象となる前記客席の1列前に位置する前記客席に着座した前方観客の片側側頭部の座標である、請求項1または8に記載の観覧施設評価システム。
  10. 前記前方空間座標は、評価対象となる前記観客の視点から前記舞台の演技中心領域への視線の水平方向の左側に位置する左前方観客の右側頭部の座標、および前記視線の水平方向の右側に位置する右前方観客の左側頭部の座標であり、
    前記注視点判定部は、前記右側頭部の座標および前記左側頭部の座標によって定まる2つの前記サイトラインによって算出される角度である前列頭間視界角が適切であるか否かを判定する、請求項9に記載の観覧施設評価システム。
  11. 前記注視点判定部は、さらに、前記サイトラインと、前記舞台上の演技の中心点である演技中心点から前記客席の方向へ延びる中心軸とによって定まる角度である振れ角が適切であるか否かを判定する、請求項1または8に記載の観覧施設評価システム。
  12. 前記注視点判定部は、さらに、前記客席の向く方向が、前記サイトラインに対して振れている角度であるずれ角が適切であるか否かを判定する、請求項1、8または11に記載の観覧施設評価システム。
  13. 前記前方空間座標は、前記舞台の左端に位置する左端座標および、前記舞台の右端に位置する右端座標であり、
    前記サイトライン算出部は、前記左端座標との左端サイトライン、および前記右端座標との右端サイトラインを算出し、
    前記注視点判定部は、さらに、前記左端サイトラインおよび前記右端サイトラインによって定まる角度である水平舞台視界角が適切であるか否かを判定する、請求項1、8、10または11に記載の観覧施設評価システム。
  14. 前記前方空間座標は、前記舞台の上端に位置する上端座標および、前記舞台の下端に位置する下端座標であり、
    前記サイトライン算出部は、前記上端座標との上端サイトライン、および前記下端座標との下端サイトラインを算出し、
    前記注視点判定部は、さらに、前記上端サイトラインおよび前記下端サイトラインによって定まる角度である垂直舞台視界角が適切であるか否かを判定する、請求項1または2に記載の観覧施設評価システム。
  15. 前記表示部は、前記注視点判定部で判定された判定結果を複数の評価方法を用いて評価し表示する、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の観覧施設評価システム。
  16. 舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、前記観覧施設に対応した空間座標を設定する空間座標設定部と、
    前記空間座標における前記観覧施設に関する施設情報が入力される施設情報入力部と、
    前記客席側に位置する光源と、前記光源より前方方向に位置し、前記空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であるサイトラインを、前記施設情報に基づいて算出するサイトライン算出部と、
    前記サイトラインと、前記舞台上の特定の平面である注視平面と、が交わる点である注視点を算出する注視点算出部と、
    前記注視点の前記空間座標と所定の評価基準とを比較し、前記舞台における前記光源からの光の照射具合を判定する注視点判定部と、
    前記注視点判定部で判定された判定結果を表示する表示部と、を備える観覧施設評価システム。
  17. コンピュータによって実行される観覧施設評価方法であって、
    舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、前記観覧施設に対応した空間座標を設定し、
    前記空間座標における前記観覧施設に関する施設情報が入力され、
    前記客席に着座した観客の視点と、前記観客が着座する前記客席より前方方向に位置し、前記空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であって、前記観客の視線であるサイトラインを、前記施設情報に基づいて算出し、
    前記サイトラインと、前記舞台上の特定の平面である注視平面と、が交わる点である注視点を算出し、
    前記注視点の前記空間座標と所定の評価基準とを比較し、前記舞台の観やすさを判定し、
    判定された判定結果を表示する、観覧施設評価方法。
  18. 舞台と客席とを備える観覧施設に関する設計情報に基づいて、前記観覧施設に対応した空間座標を設定し、
    前記空間座標における前記観覧施設に関する施設情報が入力され、
    前記客席に着座した観客の視点と、前記観客が着座する前記客席より前方方向に位置し、前記空間座標に対応させた前方空間座標で示される点と、を通る直線であって、前記観客の視線であるサイトラインを、前記施設情報に基づいて算出し、
    前記サイトラインと、前記舞台上の特定の平面である注視平面と、が交わる点である注視点を算出し、
    前記注視点の前記空間座標と所定の評価基準とを比較し、前記舞台の観やすさを判定し、
    判定された判定結果を表示する処理を、コンピュータに実行させるための観覧施設評価プログラム。
  19. 請求項18に記載のプログラムを記憶した、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
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田中 茂良: "マルチメディアにおける AV空間談義", 放送技術, vol. 第52巻・第8号, JPN6021011925, 1 August 1999 (1999-08-01), JP, pages 123 - 127, ISSN: 0004478763 *

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