以下に、本発明の実施の形態に係る電源装置及びこれを備えた画像形成装置を、図面を参照しながら説明する。以下の実施の形態は、例にすぎず、本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
《第1の実施の形態》
図1は、第1の実施の形態に係る画像形成装置50の構成を示す概略断面図である。画像形成装置50は、電子写真プロセスによって記録媒体に画像を形成する装置である。画像形成装置50は、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機(MFP)である。画像形成装置50は、主要な構成として、給紙部1、画像形成部2、定着部3、及び用紙排出部4を有している。給紙部1、画像形成部2、定着部3、及び用紙排出部4の動作は、後述する制御ブロックによって制御され、この制御ブロックには、後述する電源装置から制御電圧としてのDC電圧が供給される。なお、電源装置は、後述する第2から第4の実施の形態で説明される。
給紙部1は、記録媒体としての用紙が積載される用紙カセット5、用紙を給紙するためのピックアップローラ6、7、8、及び用紙を画像形成部2へ搬送するためのレジストローラ9、10を有している。
画像形成部2は、図1の右側から順に、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)の各色のトナー像を形成する画像形成ユニットを有している。画像形成ユニットの数は、4台に限定されない。各画像形成ユニットは、静電潜像担持体である感光ドラム11と、感光ドラム11に接触し、感光ドラム11の表面を均一且つ高電圧に帯電させる帯電ローラ12と、感光ドラム11に接触しているトナー担持体である現像ローラ13と、現像ローラ13に接触しトナーを現像ローラ13へ供給するトナー供給ローラ14とを有している。また、画像形成部2において、露光部であるLEDヘッド(すなわち、発光素子アレイヘッド)15が感光ドラム11の上部に配置され、着脱可能なトナーカートリッジ16が各色の画像形成ユニットに装着されている。また、画像形成部2には、用紙を搬送するとともに、感光ドラム11に形成されたトナー像を用紙へ転写させる転写体である転写ベルト17と、転写ベルト17を介して感光ドラム11と当接されている転写ローラ18とが配置されている。転写ベルト17は、駆動ローラ31と従動ローラ32とに巻き掛けられており、矢印方向に用紙を搬送する。画像形成部2のK、Y、M、Cの画像形成ユニットの感光ドラム11の表面に形成されたトナー像は、用紙上に転写される。
定着部3は、用紙に転写されたトナー像を定着させる定着ローラ19、19aと、定着ローラ19の内部に配置されたハロゲンランプに代表されるヒータ20と、定着ローラ19の表面温度を検出するためのサーミスタに代表される温度検出センサ21とを有している。定着部3は、トナー像が形成された用紙を加熱及び加圧して、トナー像を用紙上に定着させる。
用紙排出部4には、トナー像の定着が完了した用紙を矢印方向に搬送して排出するための排出ローラ22、22aが配置されている。トナー像が定着された用紙は、用紙排出部4から画像形成装置50の筐体の外部に排出される。
《比較例》
図2は、比較例の画像形成装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。図2には、画像形成装置の主要な構成として、メイン制御部701を有する制御ブロック700と、制御ブロック700にDC電圧を供給する電源部である電源装置500とが示されている。
電源部は、スイッチ501、ヒータオンオフ回路502、平滑部としての一次整流/平滑回路503、DC-DC変換部504、ゼロクロス検出部としてのACゼロクロス検出回路505、及び電圧閾値切替部としてのブラウンアウト切替回路506を有する。電源部は、商用電源1000から供給されるAC電圧(AC電力)によって動作する。
スイッチ501は、電源部の入力部に配置され、商用電源1000の出力をオンオフする(すなわち、電力供給又は電力停止にする)手動スイッチである。ヒータオンオフ回路502は、メイン制御部701から出力されるヒータオンオフ信号により、定着部3の内部のヒータをオンオフさせる回路である。一次整流/平滑回路503は、商用電源1000から供給されるAC電圧を整流し、平滑する回路である。
DC-DC変換部504は、制御ブロック700へ制御電圧としてのDC電圧を供給する回路である。一例では、アクチュエータ系へDC24Vが供給され、ロジック系へDC5Vが供給される。また、電源部又は制御ブロック700にて、DC24V又はDC5Vを降圧し、降圧されたDC電圧をロジック系へ供給する場合もある。電源部から出力されるDC電圧の種類は、制御ブロック700の構成に応じて決定される。例えば、電源部から、DC3.3Vが出力される場合もある。
ACゼロクロス検出回路505は、メイン制御部701にACゼロクロス信号を出力する回路である。ブラウンアウト切替回路506は、ACゼロクロス検出回路505の出力を用いて、DC-DC変換部504へ出力結果を出力する回路である。
制御ブロック700は、メイン制御部701、ROM(Read Only Memory)702、RAM(Random Access Memory)703、温度検出部706、センサオンオフ回路707、高圧電源708、ヘッド制御部709、及びアクチュエータ駆動部710、などを有する。
メイン制御部701は、プログラム及び設定データを保存している不揮発性の記憶部品であるROM702に書き込まれたプログラムによって動作するプロセッサを有する。メイン制御部701は、時間計測用のカウンタなどを内蔵している。RAM703は、データ保管、読み出しを行う記憶部としてのメモリである。
温度検出部706は、定着部3の内部の温度検出センサの出力を抵抗分圧し、メイン制御部701へ温度検出信号を出力する。センサオンオフ回路707は、トランジスタで構成され、電源オン時の装置ウォームアップ、ホスト802などの指示により動作する印刷時以外は基本的に、メイン制御部701よりセンサオフ信号が出力され、後述の各種センサに供給する電源をオフしている。
高圧電源708は、図1で説明した、画像形成部2の感光ドラム及び各種ローラへ高圧電圧を印加する電源である。ヘッド制御部709は、図1で説明した、LEDヘッド15のオンオフを制御する回路である。アクチュエータ駆動部710は、メイン制御部701から出力されるロジック信号を元に、後述するアクチュエータへ駆動信号を出力する専用ドライバである。
また、給紙部1、画像形成部2、用紙排出部4は、図1で説明した通りである。各種センサ800は、給紙部1、画像形成部2、定着部3、用紙排出部4に配設された用紙位置検出用の図示しない用紙走行路センサ及び画像濃度、色ずれ補正用のセンサなどを指す。アクチュエータ801は、アクチュエータ駆動部710により駆動する、給紙部1、画像形成部2、定着部3、用紙排出部4に配設された図示しないモータ、クラッチ、ソレノイド及び空冷用のファンを指す。
図3は、比較例の電源装置500の構成を示す回路図である。図3に示されるように、電源装置500は、スイッチ501、保護素子2000、フィルタ2001、ヒータオンオフ回路502、突入防止回路2002、一次整流/平滑回路503、DC-DC変換部504、ACゼロクロス検出回路505、ブラウンアウト切替回路506、二次整流/平滑回路2003、保護回路2004、二次フィルタ2005、電圧フィードバック部2006、及びDC-DCコンバータ2007を有する。
スイッチ501は、電源部の入力部に配置される。保護素子2000は、過電流保護用のヒューズ又は雷サージ保護用の抵抗素子であるバリスタなどを有する。フィルタ2001は、コモンモードチョークコイル又はノーマルモードチョークコイルと、コンデンサとで構成されることが一般的である。コンデンサは、LINE、NEUTRAL間に配置されるXコンデンサと、LINE又はNEUTRALとFG(フレームグラウンド)間に配置されるYコンデンサとを有する。
ヒータオンオフ回路502は、トライアックとフォトトライアックとを有する。ヒータオンオフ回路502は、トライアック暴走などのようなアブノーマル対策として、リレーを備える場合もある。メイン制御部701から出力されるヒータオンオフ信号により、フォトトライアックをオンオフし、トライアックをオンオフすることにより、定着部3内部のヒータへ通電する。ヒータオンオフ回路502は、ヒータ数に応じて複数備える場合もある。
突入防止回路2002は、一次整流/平滑回路503の電解コンデンサ3002の充電時の突入電流を防止する回路である。突入防止回路2002は、安価な構成としてサーミスタを備えてもよい。突入防止回路2002は、抵抗とスイッチ素子であるトライアック及びリレーを組み合わせた回路を備えてもよい。
一次整流/平滑回路503は、整流ダイオード3001と電解コンデンサ3002とを有する。整流ダイオード3001は、4つのダイオードで構成され、一般的に、4素子入りのブリッジダイオードが使用される。電解コンデンサ3002は、アルミ電解コンデンサを使用することが一般的である。
DC-DC変換部504は、トランス4001、メインFET(電界効果トランジスタ)4002、スナバ回路4003、電源制御部4004、及び補助巻線整流平滑回路4005を有する。トランス4001は、一次側と二次側とを絶縁させ、また、商用電源1000から入力され、一次整流/平滑回路503により整流及び平滑された電圧を変圧する機能を持つ。メインFET4002は、トランス4001の一次側巻線に供給する電力をオンオフする。スナバ回路4003は、メインFET4002のオフ時のサージ電圧を抑制する回路である。スナバ回路4003は、一般に、ダイオード、抵抗、コンデンサで構成される。
電源制御部4004は、主に二次側のDC出力電圧のフィードバック結果を元に、メインFET4002のゲート電圧のオンデューティを決定する。補助巻線整流平滑回路4005は、主に電源制御部4004の電源電圧となる補助巻線出力電圧を整流及び平滑する。補助巻線整流平滑回路4005は、整流ダイオードと電解コンデンサとを有する。
二次整流/平滑回路2003は、トランス4001の二次側巻線の出力電圧を整流及び平滑する。図3では、DC24Vを巻線の単一の出力としており、整流ダイオードと電解コンデンサを配置する。図示は省略するが、DC24VとDC5Vが2巻線出力である場合、DC24VとDC5Vの各々に、整流ダイオードと電解コンデンサが配置される。
保護回路2004は、過電圧検出回路及び過電流検出回路を搭載している。過電圧保護回路は、例えば、ツェナーダイオードとフォトカプラで構成され、過電圧検出時は、一次側の電源制御部4004により、ラッチ又は間欠でスイッチング停止させる。また、過電圧検出時は、補助巻線電圧も上昇するため、一次側の電源制御部4004で検出することもできる。過電流検出回路は、電流検出回路又はDC出力電圧の垂下の検出回路、ヒューズ、などの回路構成を有する。過電流検出回路は、電源制御部4004により一次電流を検出する構成とすることも可能である。
二次フィルタ2005は、LCフィルタである。二次フィルタ2005は、搭載しないことも可能であるが、リップル電圧及びリップルノイズ電圧を抑制するために搭載することが望ましい。
ACゼロクロス検出回路505は、一次整流/平滑回路503の前段に配置され、整流ダイオード5001とフォトカプラ5002により構成される。ACゼロクロス検出回路505は、メイン制御部701へゼロクロス点でハイ(Hi)レベルを出力する回路である。図3のACゼロクロス回路の構成は、一例であり、構成は図3のものに限定されない。
ブラウンアウト切替回路506は、ACゼロクロス検出回路505の整流ダイオード5001の出力と接続され、トランジスタ6001、抵抗6002、コンデンサ6003、分圧抵抗6004、及び抵抗6005を有する。トランジスタ6001は、NPNトランジスタであり、ベース電流を決定するベース抵抗6002に接続される。コンデンサ6003は、抵抗6002とトランジスタ6001のエミッタに接続される。トランジスタ6001のオフ時に、抵抗6002とコンデンサ6003によりオフを遅延させる働きをする。分圧抵抗6004は、トランジスタ6001のコレクタに接続され、分圧抵抗6004の出力は、電源制御部4004に接続される。抵抗6005は、トランジスタ6001のコレクタとエミッタ間に接続される。
図4(A)から(F)は、比較例の電源装置500の短時間停電時の動作を示すタイムチャートである。図4(A)から(F)は、数十msオーダーの短時間停電、すなわち、瞬断時の動作を示す。本願のタイムチャートでは、縦軸は電圧又は電流を示し、横軸は時間を示す。
図4(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧は、スイッチ501の後段の出力電圧であり、商用電源1000から出力されるAC電圧である。通常、ユーザの手動オフ又は装置制御部のオフにより、出力オフ(すなわち、電力の供給停止)の状態となる。ただし、スイッチオン状態の場合であって、停電になると出力オフの状態となる。
図4(B)に示されるように、一次整流/平滑電圧は、一次整流/平滑回路503の後段の整流及び平滑後の出力電圧である。一次整流/平滑電圧として、(AC電圧(rms)×√2)のDC電圧が出力される。
図4(C)に示されるように、一次電流(rms)は、電源部の入力部の一次電流の実効値である。装置の動作モードにより、電流値の大小を示している。
図4(D)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧は、DC-DC変換部504の電源制御部4004から出力される。
図4(E)に示されるように、DC24V出力は、DC-DC変換部504から出力されるDC24V出力部の電圧を表している。また、図4(F)に示されるように、DC5V出力は、DC-DCコンバータ2007から出力されるDC5V出力部の電圧を表している。
次に、時点t1以降の動作を説明する。時点t1にて、印刷中に停電が発生した場合、図4(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオフの状態となる。このとき、図4(B)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0は、放電開始される。つまり、一次スイッチ出力電圧がオフの状態となった後(例えば、直後)に、電圧閾値であるブラウンアウト閾値は、から第1の値である電圧値VT1からこれより低い第2の値である電圧値VT2に変化する。ここで、VT1>VT2である。ブラウンアウト閾値の変更は、ブラウンアウト切替回路506の分圧抵抗6004の定数変更により可能である。
また、時点t1では、図4(C)に示されるように、印刷時における一次電流(rms)の値をI0とすると、放電開始と共に、電流値が値I0′に向けて上昇する。図4(D)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧のオンデューティも上昇する。このとき、図4(E)及び(F)に示されるように、DC24V出力部の電圧、DC5V出力部の電圧は変化しない。
時点t2にて、停電から復旧となると、図4(A)に示されるように、スイッチ出力501の出力電圧がオンの状態となり、図4(B)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0は、充電開始となり、値V0′まで垂下した電圧は、値V0まで上昇する。
一次整流/平滑電圧の値V0の上昇によって、図4(C)に示されるように、一次電流(rms)は、値I0′から印刷時電流の値I0へ向けて低下する。図4(D)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧のオンデューティも同様に、通常のオンデューティとなる。このとき、図4(E)及び(F)に示されるように、DC24V出力部の電圧、DC5V出力部の電圧は変化しない。
時点t3にて、図4(B)に示されるように、電圧閾値であるブラウンアウト閾値が電圧値VT2から電圧値VT1に変化する。ここで、図3に示されるブラウンアウト切替回路506の動作を説明する。スイッチ501がオンの場合、ACゼロクロス検出回路505の整流ダイオード5001の出力により、トランジスタ6001がオン状態となり、抵抗6005がショート状態となり、分圧抵抗6004により設定されるブラウンアウト閾値を電圧値VT2とする。
時点t3にて、図4(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオフにより、整流ダイオード5001の出力がオフとなり、トランジスタ6001のベース入力がオフとなるが、コンデンサ6003が充電されているため、抵抗6002とコンデンサ6003の時定数により、オフが遅れる。時定数の設定を数十msで設定し、所定時間経過後に、トランジスタ6001がオフとなる。よって、抵抗6005により、分圧抵抗6004の出力電圧が変化する。ブラウンアウト閾値が電圧値VT1となるように設定する。以上より、時点t3のブラウンアウト閾値は電圧値VT2から瞬断後の所定時間経過で電圧値VT1に変化させることが可能となる。
図5(A)から(F)は、比較例の電源装置500の手動電源オフ時の動作を示すタイムチャートである。5(A)から(F)は、通常の電源オフ時の動作を示す。
時点t4にて、ユーザが電源オフの操作を行った場合、図5(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオフの状態となる。このとき、図5(B)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0は、AC電圧供給がオフとなるため、放電開始され徐々に低下する。電圧値VT1は、ブラウンアウト閾値である。図5(C)に示されるように、一次電流(rms)の値I0は、放電開始と共に、値I0′に向けて徐々に上昇する。図5(D)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧のオンデューティも上昇する。図5(E)及び(F)に示されるように、DC24V出力部の電圧及びDC5V出力部の電圧は、スイッチオフ(時点t4)の直後は、変化しない。
時点t5にて、図5(B)に示されるように、ブラウンアウト閾値が電圧値VT2から電圧値VT1に変化する。この、動作は、図4(A)から(F)に示されるものと同様である。図5(B)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0が低下して、ブラウンアウト閾値である電圧値VT1に到達する(すなわち、電圧値VT1以下になる)と、図5(D)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧はオフとなり、図5(E)に示されるように、DC24V出力部の電圧の垂下が開始する。その後、DC-DCコンバータ2007が停止し、図5(F)に示されるように、DC5V出力部の電圧が垂下し、制御ブロック700に供給されるDC電力がオフ状態となる。
図4(C)及び図5(C)に示されるように、比較例において過電流保護のために過電流閾値を電流値(第3の値)IT1を設定すると、時点t1~t3の間又は時点t4~t5の間で、一次電流I0が過電流閾値である電流値IT1に到達する状況が発生し得る。以下に説明される第2から第4の実施の形態において、一次電流I0が電流値IT1以上になり、時点t3より前に又は時点t5より前に、DC電源の供給が停止する状況を回避する対策を講じている。
《第2の実施の形態》
図6は、第2の実施の形態に係る画像形成装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。図6において、図2に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図2に示される符号と同じ符号が付される。第2の実施の形態に係る画像形成装置は、電源装置500aの構成の点で、図2に示される比較例の画像形成装置と異なる。図6に示される電源装置500aは、過電流保護(OCP)切替回路507を有する点が、図2に示される比較例の電源装置500と異なる。この点以外に関し、第2の実施の形態に係る画像形成装置は、比較例のものと同じである。
図7は、第2の実施の形態に係る電源装置500aの構成を示す回路図である。図7において、図3に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図3に示される符号と同じ符号が付される。第2の実施の形態に係る電源装置500aは、OCP切替回路の503を備える点で、図3に示される比較例の電源装置500と異なる。この点以外に関し、第2の実施の形態に係る電源装置500aは、比較例のものと同じである。
OCP切替回路507は、一次整流/平滑回路503の平滑出力部に接続され、ツェナーダイオード7001、抵抗7002、抵抗7003、トランジスタ7004、抵抗7005、トランジスタ7006、及び抵抗7007で構成される。ツェナーダイオード7001は、一次整流/平滑回路503の平滑出力部に接続され、抵抗7002は、ツェナーダイオード7001と抵抗7003とトランジスタ7004に接続され、トランジスタの7004のベース電流を制限する抵抗である。抵抗7003は、トランジスタ7004のベース-エミッタ間抵抗である、トランジスタ7004は、抵抗7005とトランジスタ7006に接続され、抵抗7005は、一次整流/平滑回路503の平滑出力部に接続され、トランジスタ7006は、メインFET4002と抵抗7007に接続され、抵抗7007は、一次整流/平滑回路503の平滑出力部のGNDに接続される。
図8(A)から(G)は、第2の実施の形態に係る電源装置の短時間停電時の動作を示すタイムチャートである。図8(A)から(G)は、数十msオーダーの短時間停電、すなわち、瞬断時の動作を示す。
図8(A)、(C)、(E)~(G)は、既に説明した図4(A)、(B)、(D)~(F)とそれぞれ同じである。図8(B)に示されるように、ACゼロクロス信号は、商用電源1000から出力されるAC電圧のゼロクロス点を検出するACゼロクロス検出回路505の出力信号である。また、図8(D)に示されるように、一次整流/平滑出力電圧は、整流/平滑回路503の後段の整流/平滑後の出力電圧である。(AC電圧(rms)×√2)のDC電圧が出力される。
次に、時点t6から順に図8(A)から(G)の動作を説明する。時点t6にて、印刷中に停電が発生した場合、図8(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオフの状態となり、その直後に、図8(B)に示されるように、ACゼロクロス信号は、AC電圧供給がオフとなるため、ロー(Lo)固定となる。また、図8(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0は、AC電圧供給がオフとなるため、放電開始となる。電圧閾値であるブラウンアウト閾値は、電圧値VT1から電圧値VT2になり、電圧値VT2を保持する。ブラウンアウト閾値の関係は、VT1>VT2である。つまり、AC電圧供給がオフとオフの状態となった後(例えば、直後)に、電圧閾値であるブラウンアウト閾値は、電圧値VT1から電圧値VT2になる。また、電圧値VT1、VT2は、ブラウンアウト切替回路506の分圧抵抗6004の定数変更により、設定変更可能である。
また、図8(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0が放電し、値V3に到達した時点で、OCP切替回路507のツェナーダイオード7001がオフし、トランジスタ7004がオフすることで、トランジスタ7006がオンし、抵抗7007にメインFET4002のスイッチング電流が流れることで、図8(D)に示されるように、過電流閾値であるOCP閾値が電流値(第3の値)IT1から電流値(第4の値)IT2に変化する。図8(D)に示されるように、一次電流(rms)の印刷時を値I0とすると、放電開始と共に、電流値が値I0′に上昇する。しかし、第2の実施の形態では、過電流保護のために過電流閾値を電流値IT2(>IT1)に設定しているので、時点t6~t8の間で、一次電流I0が過電流閾値に到達する状況は発生し難い。
時点t7にて、停電から復旧となり、図8(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオンの状態となり、図8(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0は、充電開始となり、値V0′まで垂下した電圧は、値V0まで上昇する。また、図8(D)に示されるように、一次電流(rms)は、値I0′から印刷時電流の値I0へ下がる。
時点t8にて、図8(C)に示されるように、ブラウンアウト閾値が電圧値VT2から電圧値VT1に変化する。ここで、スイッチ501がオンの場合、ACゼロクロス検出回路505の整流ダイオード5001の出力により、トランジスタ6001がオン状態となり、抵抗6005がショート状態となり、分圧抵抗6004により設定されるブラウンアウト閾値は電圧値VT2である。
時点t8にて、図8(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオフにより、整流ダイオード5001の出力がオフとなり、トランジスタ6001のベース入力がオフとなるが、コンデンサ6003が充電されているため、抵抗6002とコンデンサ6003の時定数により、オフが遅れる。時定数の設定を数十msで設定し、所定時間経過後に、トランジスタ6001がオフとなる。よって、抵抗6005により、分圧抵抗6004の出力電圧が変化する。ブラウンアウト閾値が電圧値VT1となるように設定する。以上より、時点t8のブラウンアウト閾値を、電圧値VT2から瞬断後の所定時間経過で電圧値VT1に変化させることが可能となる。
図9(A)から(G)は、第2の実施の形態に係る電源装置500aの手動電源オフ時の動作を示すタイムチャートである。図9(A)から(G)は、通常の電源オフ時の動作を示す。
次に、時点t9からの動作を説明する。時点t9にて、ユーザが電源オフにした場合、図9(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオフの状態となる。図9(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0は、AC電圧供給がオフとなるため、放電開始となる。電圧値VT1は、ブラウンアウト閾値を表している。図9(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0が放電し、値V3に到達した時点でOCP切替回路507のツェナーダイオード7001がオフし、トランジスタ7004がオフすることで、トランジスタ7006がオンし、抵抗7007にメインFET4002のスイッチング電流が流れることでOCP閾値が電流値IT1から電流値IT2へ変化する。
図9(D)に示されるように、一次電流(rms)の値I0は、放電開始と共に、電流値が値I0′に上昇する。図9(E)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧のオンデューティも上昇する。図9(F)及び(G)に示されるように、DC24V出力部の電圧、DC5V出力部の電圧は、スイッチオフの直後は変化しない。
時点t10にて、図9(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧グラフに記載しているブラウンアウト閾値が電圧値VT2から電圧値VT1に変化する。動作は、図5(B)のものと同様である。図9(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0がブラウンアウト閾値である電圧値VT1に到達すると、図9(D)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧は、オフとなり、図9(F)に示されるように、DC24V出力部の電圧の垂下が開始する。その後、DC-DCコンバータ2007が停止し、図9(G)に示されるように、DC5V出力部の電圧が垂下し、電源オフ状態となる。
以上に説明したように、第2の実施の形態によれば、電源装置500aのサイズアップを抑制しつつ、短時間停電時における出力電圧である24V出力及び5V出力を保持することができる。
また、手動で電源オフにした場合には、出力電圧である24V出力及び5V出力をオフ状態にすることができる。
さらに、過電流保護のために電源オフの直後の所定期間、過電流閾値を電流値IT2(>IT1)に設定しているので、一次電流I0が過電流閾値に到達する状況は発生し難く、時点t8より前に又は時点t10より前に、過電流保護機能が動作する状況の発生を回避できる。
《第3の実施の形態》
図10は、第3の実施の形態に係る画像形成装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。図10において、図6に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図6に示される符号と同じ符号が付される。第3の実施の形態に係る画像形成装置は、電源装置500bの構成の点で、図6に示される第2の実施の形態の画像形成装置と異なる。図10に示される電源装置500cは、ACゼロクロス検出回路505をACオフ検出回路508へ変更している点が、図6に示される第2の実施の形態の電源装置500aと異なる。この点以外に関し、第3の実施の形態に係る画像形成装置は、第2の実施の形態のものと同じである。
図11は、第3の実施の形態に係る電源装置500bの構成を示す回路図である。図11において、図7に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図7に示される符号と同じ符号が付される。電源装置500bでは、ACオフ検出回路508は、一次整流/平滑回路503の前段のLINE側に整流ダイオード8001とNeutral側に整流ダイオード8002を接続し、整流ダイオード8001と整流ダイオード8002のカソードを抵抗8004,8005,8006を介してトランジスタ8003のベースに接続し、トランジスタ8007のコレクタとフォトカプラ8008を接続する。トランジスタ8007のベース電流制限抵抗8009とフォトカプラ8008の電流制限抵抗8010は、一次整流/平滑回路503の後段に接続する。フォトカプラ8008の二次フォトトランジスタは、抵抗を介してDC5V出力部の電圧とメイン制御部701に接続される。なお、電源装置500bは、ACゼロクロス検出回路505を備えて、ACゼロクロス信号をメイン制御部701に提供してもよい。
図12(A)から(G)は、第3の実施の形態に係る電源装置の短時間停電時の動作を示すタイムチャートである。図12(A)から(G)は、数十msオーダーの短時間停電、すなわち、瞬断時の動作を示す。図12(A)、(C)~(G)に示される動作は、図8(A)、(C)~(G)に示されるものと同様である。
図12(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧は、スイッチ501の後段の出力電圧であり、商用電源1000から出力されるAC電圧である。通常、ユーザの手動オフ又は装置制御部のオフにより、出力オフの状態となるが、スイッチオン状態の場合も、停電になると出力オフの状態となる。図12(B)に示されるように、ACオフ検出信号は、商用電源1000から出力されるAC電圧の遮断を検知するACオフ検出回路508の出力信号である。図12(C)に示されるように、一次整流/平滑出力電圧は、整流/平滑回路503の後段の整流/平滑後の出力電圧である。(AC電圧(rms)×√2)のDC電圧が出力される。図12(D)に示されるように、一次電流(rms)は、電源部の入力部の一次電流の実効値である。装置の動作モードにより、電流値の大小を示している。図12(E)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧は、DC-DC変換部504の電源制御部4004から出力される。図12(F)に示されるように、DC24V出力は、DC-DC変換部504から出力されるDC24V出力部の電圧を表している。図12(G)に示されるように、DC5V出力は、DC-DCコンバータ2007から出力されるDC5V出力部の電圧を表している。
次に、時点t11から順に動作を説明する。時点t11にて、印刷中に停電が発生した場合、図12(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオフの状態となり、図12(B)に示されるように、ACオフ検出信号は、AC電圧供給がオフとなるため、Hi固定となる。また、図12(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0は、AC電圧供給がオフとなるため、放電開始となる。ブラウンアウト閾値は、電源オフの後(例えば、直後)に電圧値VT1から電圧値VT2に低下し、電圧値VT2を保持する。ブラウンアウト閾値の関係は、VT1>VT2である。ブラウンアウト切替回路506の分圧抵抗6004の定数変更により、設定変更可能である。また、図12(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0が放電し、値V3に到達した時点でOCP切替回路507のツェナーダイオード7001がオフし、トランジスタ7004がオフすることで、トランジスタ7006がオンし、抵抗7007にメインFET4002のスイッチング電流が流れることでOCP閾値が電流値IT1から電流値IT2へ変化する。図12(D)に示されるように、一次電流(rms)の印刷時を値I0とすると、放電開始と共に、電流値が値I0′に上昇する。図12(E)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧のオンデューティも上昇する。図12(F)及び(G)に示されるように、DC24V出力部の電圧、DC5V出力部の電圧は、変化しない。
時点t12にて、停電から復旧となり、図12(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオンの状態となる。図12(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0は、充電開始となり、値V0′まで垂下した電圧は、値V0まで上昇する。図12(D)に示されるように、一次電流(rms)は、値I0′から印刷時電流の値I0へ下がる。図12(E)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧のオンデューティも同様に、通常、オンデューティとなる。図12(F)及び(G)に示されるように、DC24V出力部の電圧、DC5V出力部の電圧は、変化しない。
時点t13にて、図12(C)に示されるように、電圧閾値であるブラウンアウト閾値が電圧値VT2から電圧値VT1に変化する。ここで、ブラウンアウト切替回路506の動作は、図8(A)から(G)のものと同様である。
図13(A)から(F)は、第3の実施の形態に係る電源装置500bの手動電源オフ時の動作を示すタイムチャートである。図13(A)から(F)は、通常の電源オフ時の動作を示す。図13(A)、(C)~(G)に示される動作は、図9(A)、(C)~(G)に示されるものと同様である。
次に、時点t14からの動作を説明する。時点t14にて、ユーザが電源オフにした場合、図13(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオフの状態となる。図13(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0は、AC電圧供給がオフとなるため、放電開始となる。電圧値VT1は、ブラウンアウト閾値を表している。図13(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0が放電し、値V3に到達した時点でOCP切替回路507のツェナーダイオード7001がオフし、トランジスタ7004がオフすることで、トランジスタ7006がオンし、抵抗7007にメインFET4002のスイッチング電流が流れることでOCP閾値が電流値IT1から電流値IT2へ変化する。図13(D)に示されるように、一次電流(rms)の値I0は、放電開始と共に、電流値が値I0′に上昇する。図13(E)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧のオンデューティも上昇する。図13(F)及び(G)に示されるように、DC24V出力部の電圧とDC5V出力部の電圧は、スイッチオフの直後は変化しない。
時点t15にて、図13(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧グラフに記載しているブラウンアウト閾値が電圧値VT2から電圧値VT1に変化する。動作は、図10説明と同様である。図13(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0がブラウンアウト閾値である電圧値VT1に到達すると、図13(D)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧は、オフとなり、図13(F)に示されるように、DC24V出力部の電圧の垂下が開始する。その後、DC-DCコンバータ2007が停止し、図13(G)に示されるように、DC5V出力部の電圧が垂下し、電源オフ状態となる。
以上に説明したように、第3の実施の形態によれば、電源装置500bのサイズアップを抑制しつつ、短時間停電時における出力電圧である24V出力及び5V出力を保持することができる。
また、手動で電源オフにした場合には、出力電圧である24V出力及び5V出力をオフ状態にすることができる。
さらに、過電流保護のために電源オフの直後の所定期間、過電流閾値を電流値IT2(>IT1)に設定しているので、一次電流I0が過電流閾値に到達する状況は発生し難く、時点t13より前に又は時点t15より前に、過電流保護機能が動作する状況の発生を回避できる。
《第4の実施の形態》
図14は、第4の実施の形態に係る画像形成装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。図14において、図6に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図6に示される符号と同じ符号が付される。第4の実施の形態に係る画像形成装置は、電源装置500cの構成の点で、図6に示される第2の実施の形態の画像形成装置と異なる。図14に示される電源装置500cは、ブラウンアウト切替回路506cの構成の点が、図6に示される第2の実施の形態の電源装置500aと異なる。この点以外に関し、第4の実施の形態に係る画像形成装置は、第2の実施の形態のものと同じである。
図15は、第4の実施の形態に係る電源装置500cの構成を示す回路図である。図15において、図7に示される構成要素と同一又は対応する構成要素には、図7に示される符号と同じ符号が付される。電源装置500cでは、ブラウンアウト切替回路506cの入力の接続を、ACゼロクロス検出回路505から一次整流/平滑回路503の出力へ変更している。また、ブラウンアウト切替回路506cは、一次整流/平滑回路503の平滑出力部に接続され、ツェナーダイオード6011、抵抗6012、抵抗6013、トランジスタ6014、トランジスタ6001、抵抗6002、コンデンサ6003、分圧抵抗6004、及び抵抗6005を有する。トランジスタ6001は、NPNトランジスタであり、ベース電流を決定するベース抵抗6002に接続される。コンデンサ6003は、抵抗6002とトランジスタ6001のエミッタに接続される。トランジスタ6001のオフ時に、抵抗6002とコンデンサ6003によりオフを遅延させる働きをする。分圧抵抗6004は、トランジスタ6001のコレクタに接続され、分圧抵抗6004の出力は、電源制御部4004に接続される。抵抗6005は、トランジスタ6001のコレクタとエミッタ間に接続される。
図16(A)から(F)は、第3の実施の形態に係る電源装置の短時間停電時の動作を示すタイムチャートである。
図16(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧は、スイッチ501の後段のスイッチ出力電圧であり、商用電源1000から出力されるAC電圧である。図16(B)に示されるように、一次整流/平滑出力電圧は、整流/平滑回路503の後段の整流/平滑後の出力電圧であり、(AC電圧(rms)×√2)のDC電圧が出力される。図16(C)に示されるように、一次電流(rms)は、電源部の入力部の一次電流の実効値である。図16(D)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧は、DC-DC変換部504の電源制御部4004から出力される。図16(E)に示されるように、DC24V出力は、DC-DC変換部504から出力されるDC24V出力部の電圧を表している。図16(F)に示されるように、DC5V出力は、DC-DCコンバータ2007から出力されるDC5V出力部の電圧を表している。
次に、時点t16から動作を説明する。時点t16にて、印刷中に停電が発生した場合、図16(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオフの状態となる。また、図16(B)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0は、AC電圧供給がオフとなるため、放電開始となる。電流閾値であるブラウンアウト閾値は、電圧値VT1から電圧値VT2に低下し、電圧値VT2を保持する。ブラウンアウト閾値の関係は、VT1>VT2である。つまり、AC電圧供給がオフとオフの状態となった後(例えば、直後)に、電圧閾値であるブラウンアウト閾値は、電圧値VT1から電圧値VT2になる。ブラウンアウト閾値は、ブラウンアウト切替回路506cの分圧抵抗6004の定数変更により、設定変更可能である。また、図16(B)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0が放電し、値V3に到達した時点でOCP切替回路507のツェナーダイオード7001がオフし、トランジスタ7004がオフすることで、トランジスタ7006がオンし、抵抗7007にメインFET4002のスイッチング電流が流れることでOCP閾値が電流値IT1から電流値IT2へ変化する。図16(C)に示されるように、一次電流(rms)の印刷時を値I0とすると、放電開始と共に、電流値が値I0′に上昇する。図16(D)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧のオンデューティも上昇する。図16(E)に示されるように、DC24V出力部の電圧、図16(F)に示されるように、DC5V出力部の電圧は変化しない。
時点t17にて、停電から復旧となり、図16(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオンの状態となる。また、図16(C)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0は、充電開始となり、値V0′まで垂下した電圧は、値V0まで上昇する。図16(D)に示されるように、一次電流(rms)は、値I0′から印刷時電流の値I0へ下がる。図16(E)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧のオンデューティも同様に、通常、オンデューティとなる。図16(E)及び(F)に示されるように、DC24V出力部の電圧とDC5V出力部の電圧は、変化しない。
時点t18にて、図16(B)に示されるように、ブラウンアウト閾値が電圧値VT2から電圧値VT1に変化する。ここで、ブラウンアウト切替回路506cの動作は、図8(C)のものと同様である。
図17(A)から(F)は、第4の実施の形態に係る電源装置500cの手動電源オフ時の動作を示すタイムチャートである。図17(A)から(F)は、通常の電源オフ時の動作を示す。
次に、時点t19からの動作を説明する。時点t19にて、ユーザが電源オフにした場合、図17(A)に示されるように、一次スイッチ出力電圧がオフの状態となる。図17(B)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0は、AC電圧供給がオフとなるため、放電開始となる。電圧値VT1は、ブラウンアウト閾値を表している。図17(B)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0が放電し、値V3に到達した時点でOCP切替回路507のツェナーダイオード7001がオフし、トランジスタ7004がオフすることで、トランジスタ7006がオンし、抵抗7007にメインFET4002のスイッチング電流が流れることでOCP閾値が電流値IT1から電流値IT2へ変化する。図17(C)に示されるように、一次電流(rms)の値I0は、放電開始と共に、電流値が値I0′に上昇する。図17(D)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧のオンデューティも上昇する。図17(E)に示されるように、DC24V出力部の電圧、図17(F)に示されるように、DC5V出力部の電圧は、スイッチオフの直後は変化しない。
時点t20にて、図17(B)に示されるように、一次整流/平滑電圧グラフに記載しているブラウンアウト閾値が電圧値VT2から電圧値VT1に変化する。動作は、図9(D)のものと同様である。図17(B)に示されるように、一次整流/平滑電圧の値V0がブラウンアウト閾値である電圧値VT1に到達すると、図17(D)に示されるように、メインFET4002のゲート電圧は、オフとなり、図17(E)に示されるように、DC24V出力部の電圧の垂下が開始する。その後、DC-DCコンバータ2007が停止し、図17(F)に示されるように、DC5V出力部の電圧が垂下し、電源オフ状態となる。
以上に説明したように、第4の実施の形態によれば、電源装置500cのサイズアップを抑制しつつ、短時間停電時における出力電圧である24V出力及び5V出力を保持することができる。
また、手動で電源オフにした場合には、出力電圧である24V出力及び5V出力をオフ状態にすることができる。
さらに、過電流保護のために電源オフの直後の所定期間、過電流閾値を電流値IT2(>IT1)に設定しているので、一次電流I0が過電流閾値に到達する状況は発生し難く、時点t18より前に又は時点t20より前に、過電流保護機能が動作する状況の発生を回避できる。