JP2022038517A - 免疫刺激オリゴヌクレオチド - Google Patents

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Abstract

【課題】核酸分解酵素に対する優れた耐性を有する、免疫刺激性の一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドの提供。【解決手段】14~100個のデオキシヌクレオチドからなり、塩基配列として、2~5個の連続するグアニン(G)からなる同一のポリG部位を4つ含み、ポリG部位の2つはぞれぞれ5’末端と3’末端に配置され、残りのポリG部位は、他のポリG部位とスペーサ部位を介して配置されており、スペーサ部位は、1個、又は、2個以上の塩基からなり、スペーサ部位の少なくとも1つ以上は、ホスホジエステルを介したシトシン(C)-グアニン(G)配列を含む連続する3~6個の塩基からなるCpG部位を1~5個含み、CpG部位を含むスペーサ部位以外のスペーサ部位は、グアニン(G)以外の塩基からなり、デオキシヌクレオチド間の結合の75%以上がホスホジエステル結合である、1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。【選択図】図3

Description

本発明は、免疫刺激オリゴヌクレオチドに関する。
メチル化されていないシトシン(C)とグアニン(G)とがホスホジエステルを介して結合した配列(CpG)は、Toll様受容体9番(TLR9)を刺激して免疫応答を引き起こすことが知られている。
非特許文献1には、塩基配列が5’-TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT-3’であるCpG オリゴデオキシヌクレオチドである「2006」がヒトTLR9を活性化することが示されている。
Proceedings of the National Academy of Sciences,2001,vol.98,no.16,p.9237-9242
CpG オリゴデオキシヌクレオチド「2006」は一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドであって、免疫刺激作用を有しているが、核酸分解酵素に対する耐性が不十分であった。
そこで本発明は、核酸分解酵素に対する優れた耐性を有する免疫刺激性の一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドを提供することを課題とする。また、本発明はよれば、四重鎖構造体、免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体、ワクチンのアジュバント、方法、免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用、医薬組成物、ガンを治療または予防する方法、及び、アレルギーを治療または予防する方法を提供することも課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を達成することができることを見出した。
[1] 14~100個のデオキシヌクレオチドからなる一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドであって、塩基配列として、2~5個の連続するグアニン(G)からなる同一のポリG部位を4つ含み、上記ポリG部位の2つはぞれぞれ5’末端と3’末端に配置され、残りの上記ポリG部位は、他のポリG部位とスペーサ部位を介して配置されており、上記スペーサ部位は、1個、又は、2個以上の塩基からなり、上記スペーサ部位の少なくとも1つ以上は、ホスホジエステルを介したシトシン(C)-グアニン(G)配列を含む連続する3~6個の塩基からなるCpG部位を1~5個含み、CpG部位を含む上記スペーサ部位以外のスペーサ部位は、グアニン(G)以外の塩基からなり、上記デオキシヌクレオチド間の結合の75%以上がホスホジエステル結合である、1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
[2] デオキシヌクレオチド間の結合の全部がホスホジエステル結合である[1]に記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
[3] 一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドの全体として、上記CpG部位を1~5個有する[1]又は[2]に記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
[4] 22~54個のデオキシヌクレオチドからなる[1]~[3]のいずれかに記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
[5] 上記CpG部位が、YCGYで表され、Y及びYは、それぞれ独立にアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、及び、チミン(T)からなる群より選択される少なくとも1種の塩基であり、Y及びYはそれぞれ独立にアデニン(A)、又は、チミン(T)である、[1]~[4]のいずれかに記載の1本鎖オリゴヌクレオチド。
[6] 上記CpG部位がGTCGTTである、[1]~[5]のいずれかに記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
[7] 上記CpG部位を含むスペーサ部位以外のスペーサ部位が同一の塩基配列である、[1]~[6]のいずれかに記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
[8] 後述する配列番号1~9、17~22の塩基配列、及び、上記塩基配列において、上記スペーサ部位におけるCG配列以外の1~3塩基が欠損、置換若しくは付加された配列のいずれかの配列を有する、[1]~[7]のいずれかに記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
[9] [1]~[8]のいずれかに記載の一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドからなる四重鎖構造体。
[10] 担体と、上記担体に担持された[9]に記載の四重鎖構造体とを含む、免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体。
[11] [10]に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体を含む、ワクチンのアジュバント。
[12] ヒトを含む哺乳動物、鳥類、又は、魚類の感染症予防のための方法であって、感染症の原因となる病原体由来の無毒化、又は、弱毒化された抗原と、[10]に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体を、連続して、又は、同時に投与することにより、体内に病原体に対する抗体産生を促し、感染症に対する免疫を獲得することを含む、方法。
[13] ヒトを含む哺乳動物、鳥類、又は、魚類の感染症予防用ワクチン製造における、[10]に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用。
[14] ヒトを含む哺乳動物、鳥類、又は、魚類の感染症予防用のための、[10]に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用。
[15] がん治療、又は、予防用ワクチン製造における[10]に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用。
[16] がん治療、又は、予防のための[10]に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用。
[17] [10]に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体を含む、アレルギー治療又は予防のための医薬組成物。
[18] 更にアレルゲン又はその一部を含む、[17]に記載の医薬組成物。
[19] アレルギー治療又は予防用医薬製造における、[10]に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用。
[20] アレルギー治療又は予防のための、[10]に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用。
[21] がんの治療又は予防のための方法であって、がん抗原又はその一部分と、[10]に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチド複合体を、連続して或いは同時に投与することにより、体内にがん抗原に対する細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導し、がん抗原を提示するがん細胞を攻撃させることにより、がんを治療、又は、予防する方法。
[22] アレルギーの治療又は予防のための方法であって、[10]に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチド複合体を投与することにより、アレルゲン特異的なヘルパー1T(Th1)細胞をヘルパー2T(Th2)細胞よりも活性化させることによって、アレルギーを治療、又は、予防する方法。
本発明によれば、核酸分解酵素に対する優れた耐性を有する免疫刺激性の一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドが提供できる。また、本発明によれば、四重鎖構造体、免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体、ワクチンのアジュバント、方法、免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用、医薬組成物、ガンを治療または予防する方法、及び、アレルギーを治療または予防する方法も提供できる。
CpG オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)の構造解析結果である。具体的には、各CpG ODNの20℃で得られた光吸収スペクトルから90℃で得られた光吸収スペクトルを減算して得られた差分吸収スペクトルである。 各CpG ODNの4mM Kの存在下での25℃での円偏光二色性スペクトルである。 10-bp DNA ladder(レーン1)、GD1と同じ22merの鎖長で直鎖構造のオリゴヌクレオチド(レーン2、配列番号14)、GD1(レーン3)、GD2と同じ30merの鎖長で直鎖構造のオリゴヌクレオチド(レーン4、配列番号15)、GD2(レーン5)、GD3と同じ38merの鎖長で直鎖構造のヌクレオチド(レーン6、配列番号16)、及び、GD3(レーン7)のポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果である。 ヒトTLR9の構造遺伝子を組み込み、ヒトTLR9が恒常的に発現するようにした293XL-hTLR9細胞と、ヒトTLR9が発現していない293XL-null細胞とにおける、各試料の転写因子NF-κBの活性化を誘導する作用を調べるために、細胞破砕液内のレポータータンパク質であるルシフェラーゼの発現量を定量した結果である。 データは平均±SD(n=5)を表す。*は一元配置分散分析を行った後にDulbeccoのリン酸緩衝生理食塩水[D-PBS]対照群との比較のためのシダックの多重比較検定を行った結果を示す。****はp<0.0001、***はp<0.001、**はp<0.01、はp<0.05を表す。nsはp>0.05を表し、有意差がないことを表す。 50%ウシ胎児血清(FBS)で1、2、4、24時間インキュベートした後の各CpG ODNのポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)分析結果である。 図5Aの試験におけるインキュベート開始時のODN量に対する残留ODNを表すグラフである。 蛍光色素で修飾した各試料のマウスマクロファージ様RAW264細胞への取り込みを、細胞の蛍光強度を指標に測定し、細胞表面に結合している各試料に由来する蛍光強度を求め、差分した結果である。-CpGは蛍光色素で修飾した各試料を加えていない未処理の細胞の蛍光強度を示す。 各試料で刺激したマウスマクロファージ様RAW264細胞におけるサイトカイン誘導、4μMの各試料で24時間刺激した後のマウスマクロファージ様RAW264細胞におけるIL-6、IL-12、及び、IFN-βの相対的なmRNAレベルである。 データは平均±SD(n=5)を表す。*は一元配置分散分析を行った後に他のグループとの比較のためのテューキーの多重比較検定を行った結果を示す。****はp<0.0001、***はp<0.001、**はp<0.01、はp<0.05を表す。nsはp>0.05を表し、有意差がないことを表す。#は、一元配置分散分析を行った後にDulbeccoのリン酸緩衝生理食塩水[D-PBS]対照群との比較のためのダネットの多重比較検定を行った結果を示す。####はp<0.0001、###はp<0.001、##はp<0.01、はp<0.05を表す。nsはp>0.05を表し、有意差がないことを表す。 各試料で刺激したマウスマクロファージ様RAW264細胞におけるサイトカイン誘導、4μMの各試料で24時間刺激した後のマウスマクロファージ様RAW264細胞におけるIL-6、IL-12、及び、IFN-βの相対的なmRNAレベルである。 各試料の免疫賦活特性に及ぼすCpG部位の位置、及び、数の影響を示すグラフであり、そのうちCpG部位の位置の影響を示すものである。データは平均±SD(n=5)を表す。*は一元配置分散分析を行った後に他のグループとの比較のためのテューキーの多重比較検定を行った結果を示す。****はp<0.0001、***はp<0.001、**はp<0.01、はp<0.05を表す。nsはp>0.05を表し、有意差がないことを表す。 図9Aと同様の試験結果であり、CpG部位と、ポリG配列との距離の影響を示すものである。 図9Aと同様の試験結果であり、CpG部位の数の影響を示すものである。 ヒト末梢単核細胞(PBMC)におけるG4 CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)誘導性サイトカイン産生を表す図である。このうち、ヒトPBMCにおけるG4 CpG ODNのサイトカイン誘導に対するインキュベーション時間の影響である。8μMのG4 CpG ODNsを4、24、及び、48時間インキュベートしたヒトPBMCの上清に含まれるIL-6をELISA方法により定量した。 データは平均±SD(n=5)を表す。*は二元配置分散分析を行った後に他のグループとの比較のためのテューキーの多重比較検定を行った結果を示す。****はp<0.0001、***はp<0.001、**はp<0.01、はp<0.05を表す。 ヒト末梢単核細胞(PBMC)におけるG4 CpGオリゴデオキシヌクレオチド(ODN)誘導性サイトカイン産生を表す図である。このうち、ポジティブコントロール2006_PDと比較したG4 CpG ODNのサイトカイン誘導である。8μM GD3、又は、2006_PDを24時間インキュベートしたヒトPBMCからの上清に含まれるIL-6、及び、IFN-γのELISA方法により定量した。 データは平均±SD(n=4)を表す。*は一元配置分散分析を行った後に他のグループとの比較のためのテューキーの多重比較検定を行った結果を示す。はp<0.05を表す。 マウスにおけるGD3、又は、2006_PDによるIL-6の経時的誘導を表す図である。データは5匹のマウスの平均±SDを表す。*は二元配置分散分析を行った後にシダックの多重比較検定を行った結果を示す。**はp<0.01を表す。nsはp>0.05を表し、有意差がないことを表す。§は検出下限(3.9pg/mL)、BIは注入前を表す。 10-bp DNA ladder(レーン1、レーン12)、GD2と同じ30merの鎖長で直鎖構造のオリゴヌクレオチド(レーン2、配列番号15)、GD2-1L(レーン3、配列番号17)、GD2(レーン4、配列番号2)、GD2-3L(レーン5、配列番号19)、GD3と同じ38merの鎖長で直鎖構造のヌクレオチド(レーン6、配列番号16)、GD3-1L(レーン7、配列番号18)、GD3(レーン8、配列番号3)、GD2T-1L(レーン9、配列番号20)、GD2T-2L(レーン10、配列番号21)、及び、GD2T-3L(レーン11、配列番号22)のポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果である。 10-bp DNA ladder(レーン1)、GD3と同じ38merの鎖長で直鎖構造のヌクレオチド(レーン2、列番号16)、GD3(レーン3、配列番号3)、GD3-GC123(レーン4、配列番号12)、GD3-GC3(レーン5、配列番号9)のポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果である。 NF-κB転写因子によって誘導される分泌型胚性アルカリホスファターゼ遺伝子を組み込んだRAW 264.7 マクロファージであるRAW-BLUE細胞を用いて、各試料の転写因子NF-κBの活性化を誘導する作用を調べるために、培地中に分泌されたアルカリホスファターゼの発現量を定量した結果である。データは平均±SD(n=5)を表す。対照群としてDulbeccoのリン酸緩衝生理食塩水[D-PBS]を用いた。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施形態に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(一本鎖オリゴデオキシヌクレオチド)
本明細書において、「オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)」は、オリゴデオキシリボヌクレオチドであり、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、及びチミン(T)から選ばれる塩基に、デオキシリボースを介してリン酸が結合された構成単位(デオキシリボヌクレオチド、以下、単に「デオキシヌクレオチド」ともいう。)の複数からなる。
本発明の1本鎖ODNは、14~100個のデオキシヌクレオチドからなり、好ましくは20~80個のデオキシヌクレオチドからなり、より好ましくは、22~54個のデオキシヌクレオチドからなる。
本発明の1本鎖ODNにおけるデオキシヌクレオチド間の結合は、全結合数の75%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは、すべての結合がホスホジエステル結合である。
なお、なお、以下の一本鎖ODNの塩基配列の説明では、デオキシヌクレオチド間のすべての結合がホスホジエステル結合(大文字の塩基の配列として表される)である場合について説明するが、上記のとおり、オリゴデオキシヌクレオチド間の結合の25%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは5%以下は、デオキシヌクレオチドのリン酸基の酸素原子が硫黄原子に置換されたホスホロチオエート結合等が含まれいてもよい。
本発明の1本鎖ODNは、2~5個の連続するグアニン(G)からなる同一の(配列の)ポリG部位を4つ含む。なかでも、3~5個の連続するグアニン(G)からなる同一のポリG部位を4つ含むことが好ましく、3個の連続するグアニンからなる同一のポリG部位(GGG)を4つ含むことがより好ましい。
このうち、2つのポリG部位は、5’末端と3’末端にそれぞれ配置され、残りの(2つの)ポリG部位は、他のポリG部位とスペーサ部位を介して配置されている。すなわち、本発明の1本鎖ODNは、5’-(ポリG部位)-(スペーサ部位)-(ポリG部位)-(スペーサ部位)-(ポリG部位)-(スペーサ部位)-(ポリG部位)-3’であり、4つのポリG部位と、それらの間に配置された3つのスペーサ部位を有している。
このスペーサ部位は、1個、又は、2個以上の塩基からなり、一般に5個以下の塩基からなることが好ましく、3つのスペーサ部位の少なくとも1つ以上は、ホスホジエステルを介したシトシン(C)-グアニン(G)配列を含む連続する3~6個の塩基からなるCpG部位を1~5個含む。なお、隣り合うCpG部位は、1塩基以上離れていることが好ましく、この塩基は、A又はTが好ましく、Tがより好ましい。
一本鎖ODNの全体として3つ含まれるスペーサ部位のうち、CpG部位を含むもの以外、すなわち、CpG部位を含まないスペーサ部位は、グアニン(G)以外の塩基(A、T、及び、Cからなる群より選択される少なくとも1種の塩基)からなることが好ましい。
CpG部位は、好ましくは、(5’末端側)YCGY(3’末端側)で表され、Y及びYは、A、C、G、又は、Tであり、YはA又はTであり、YはA又はTである。
なかでも、一本鎖ODNがより優れた本発明の効果を有する点で、Yは、Tが好ましく、YはTが好ましい。
なかでも、CpG部位がGTCGTTである場合、更に優れた本発明の効果が得られる。
本発明の1本鎖ODNは、全体として上記CpG部位を1~5個有することが好ましく、スペーサ部位のいずれか1つが、CpG部位を1~5個有し、残りの2つのスペーサ部位は、CpG部位を含まないことが好ましい。また、このとき、CpG部位を有しない2つのスペーサ部位は、同一の塩基配列であることが好ましい。
本発明の1本鎖オリゴヌクレオチドは、下記塩基配列、及び、下記塩基配列において、すでに説明したスペーサ部位におけるCG以外の1~3塩基が欠損、置換若しくは付加された配列のいずれかの配列を有することが好ましい。
なお、「スペーサ部位におけるCG以外の」塩基とは、一本鎖ODN全体との関係で表すと、ポリG部位、及び、「CG」のいずれにも該当しない塩基を意味する。
5’-GGGTTGGGGTCGTTGGGTTGGG-3’(配列番号1)
5’-GGGTTGGGGTCGTTTTGTCGTTGGGTTGGG-3’(配列番号2)
5’-GGGTTGGGGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTTGGGTTGGG-3’(配列番号3)
5’-GGGTTGGGGTCGTTTTGTm5CGTTGGGTTGGG-3’(配列番号4)
5’-GGGTTGGGGTm5CGTTTTGTCGTTTTGTCGTTGGGTTGGG-3’(配列番号5)
5’-GGGTTGGGGTCGTTTTGTm5CGTTTTGTCGTTGGGTTGGG-3’(配列番号6)
5’-GGGTTGGGGTCGTTTTGTCGTTTTGTm5CGTTGGGTTGGG-3’(配列番号7)
5’-GGGTTGGGGTm5CGTTTTGTCGTTTTGTm5CGTTGGGTTGGG-3’(配列番号8)
5’-GGGTTGGGGTCGTTTTGTCGTTTTGTGCTTGGGTTGGG-3’(配列番号9)
5’-GGGGTCGTTTTGTCGTTGGGTTGGGTTGGG-3’(配列番号17)
5’-GGGGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTTGGGTTGGGTTGGG-3’(配列番号18)
5’-GGGTTGGGTTGGGGTCGTTTTGTCGTTGGG-3’(配列番号19)
5’-GGGGTCGTTTTGTCGTTGGGTGGGTGGG-3’(配列番号20)
5’-GGGTGGGGTCGTTTTGTCGTTGGGTGGG-3’(配列番号21)
5’-GGGTGGGTGGGGTCGTTTTGTCGTTGGG-3’(配列番号22)
なお、上記配列中、m5Cはメチル化シトシン(5-メチルシトシン)を示す。上記配列は、デオキシヌクレオチド間の全ての結合がホスホジエステル結合であるが、上述のとおり、一部がホスホロチオエート結合等であってもよい。また、本明細書において大文字の塩基はデオキシヌクレオチド間の結合がホスホジエステル結合であることを意味する。なお、「m5C」は、大文字1字として扱う。
1本鎖ODNは、核酸合成装置を用いて合成できる。また、バクテリア、又は、ウイルスのゲノムODNを鋳型として、CpGを含む領域をPCRによって増幅させる方法を用いることもできる。また、環状プラスミドODNを宿主細胞中で増幅させ、回収した環状プラスミドを制限酵素で切断して得ることもできる。
本発明の1本鎖ODNは、4組のポリG部位を有する。そのため、1本鎖からなる四重鎖構造体(グアニン四重鎖構造体)が容易に誘起される。本発明の1本鎖ODNからなる四重鎖構造体は、1本鎖ODNのみから構成されることが好ましい。一本鎖ODNからなる四重鎖構造体(以下、「G4 CpG ODN」ともいう。)は、そのトポロジーとして、「平行」型、「逆平行」型、及び、「ハイブリッド」型が知られている。本発明の四重鎖構造体はいずれの形態であってもよいが、「ハイブリッド」型が好ましい。
本発明の四重鎖構造体は核酸分解酵素に対する優れた耐性を有するとともに、驚くべきことに、そのコンパクトな構造から、細胞への優れた吸収性を併せ持ち、結果として、線状一本鎖CpG ODNと比較して、優れた免疫刺激作用を有する。
一本鎖ODNから四重鎖構造体を誘起する方法は特に制限されず、後述する実施例に記載するような公知の方法を用いることができる。具体的には、四重鎖構造体の内部に、1価の金属イオン(カチオン)を取り込むことで、四重鎖構造体の安定性がより向上するため、イオン源化合物の存在下で、加熱する方法等が使用できる。なお、1価の金属イオンとしては、例えば、カリウムイオン、及び、ナトリウムイオン等が挙げられる。
<免疫刺激ODN複合体>
本発明の第2の側面は、上記のようにして調製された1本鎖ODNからなる四重鎖構造体と生理学的に許容しうる担体とが複合体化された免疫刺激ODN複合体である。複合体化させることによって、より優れた本発明の効果が得られる。
「生理学的に許容しうる担体」とは、体内の細胞、組織あるいは器官に、本発明の目的を阻害するような障害を及ぼさない物質を指す。このような担体の例には、たとえば、高分子化合物、エマルション、リポソーム、無機化合物粒子、金属粒子、金属酸化物粒子、炭素系粒子、及び、これらの修飾物が包含され、好ましくはカチオン性である。
高分子化合物としては、カチオン性ポリマーであるポリエチレンイミン、キトサン、ポリリシン、LL-37、Tatなどが例示される。これらのカチオン性ポリマーは本発明の四重鎖構造体と静電的に結合する。生分解性ポリマーであるpoly(lactic-co-glycolic acid) (PLGA)に四重鎖構造体を内包する方法もある。また、デンドリマー等の多量体も担体として利用しうる。
エマルションとしては、水/油型エマルションや水/油/水型エマルションが例示され、その水相に四重鎖構造体を内包する方法などがありうる。リポソームとしては、脂質二重膜で構成されたリポソームに四重鎖構造体を内包する方法や、カチオン性リポソーム、例えば長鎖アルキル基とアミノ基もしくはアンモニウム基を含むものに四重鎖構造体を静電的に結合する方法などがある。
無機化合物粒子としては、たとえばリン酸カルシウム粒子、水酸化アパタイト粒子、炭酸アパタイト粒子、シリカナノ粒子などが例示される。金属粒子としては、金粒子、銀粒子、白金粒子、シリコンナノ粒子などがある。金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛粒子や二酸化チタン粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子などが例示される。炭素系粒子には、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどが例示される。
これらの担体粒子のサイズは特に限定しないが、長さ又は最も長い径の平均(D50)が10nm~1μmであることが好ましく、より好ましくは100~800nmである。粒子形状は特に限定されず、球状、フレーク状、円柱状等であってよい。
上記担体のうち、カチオン性リポソーム及び無機化合物粒子が好ましく、長鎖アルキル基とアミノ基もしくはアンモニウム基を含むカチオン性リポソーム、例えばリポフェクトアミン(Lipofectamine)(商標)、DOTAP(N-[1-(2,3-Dioleoyloxy)propyl]-N,N,N-trimethylammonium methylsulfate)、 DMTAP(dimyristoyltrimethylammonium propane)、DOAB(dimethyldioctadecylammonium (bromide salt))、DODAP(1,2-dioleoyl-3-dimethylammonium-propane)、DC-CHOL(3b-[N-(N’,N’-dimethylaminoethane)-caramoyl]cholesterol hycrochloride)、DOSPA(N-[2-[(1,5,10,14-Tetraazatetradecane-1-yl)carbonylamino]ethyl]-N,N-dimethyl-2,3-bis(oleoyloxy)-1-propanaminium)等あるいは、電荷を持たないDOPE(1,2-dioleoyl-sn-glycero-3-phosphoethanolamin)等との混合物であってもよく(たとえば、DOSPA/DOPE (3:1 wt/wt))、無機化合物としてリン酸カルシウムやDEAEデキストランが好ましい。或いはこれらの混合物が好ましい。
本発明の四重鎖構造体のこれらの担体との複合体化方法は特に限定されない。表面が正に帯電している担体には四重鎖構造体を適当なバッファ中で混合することによって静電的に結合させることができる。四重鎖構造体はリン酸カルシウム粒子、水酸化アパタイト粒子、炭酸アパタイト粒子、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンに吸着する。また、表面が正に帯電していない担体への担持方法としては、担体粒子の表面を、正電荷をもつ物質、たとえばポリエチレンイミン、キトサン、ポリリシンなど、で修飾して四重鎖構造体を静電的に結合させる、あるいは、担体粒子表面にマレイミド基を導入し、一方、四重鎖構造体の末端にチオール基を導入することによって共有結合を形成させることなどの方法がある。
四重鎖構造体と担体との質量比は、1本鎖オリゴヌクレオチドの塩基鎖長、担体の性状、共に使用する抗原等に応じて、適宜調整することが好ましい。典型的には、四重鎖構造体:担体の質量比を0.05:1~10:1とするのが好ましい。
免疫刺激ODN複合体の効果は、TLR9を有する細胞、たとえばヒト及びマウスの形質細胞様樹状細胞、マウスマクロファージ、マウス定常型樹状細胞、に与えた後、I型IFNや炎症性サイトカインの遺伝子の発現量を定量すること、あるいはI型IFNや炎症性サイトカインの分泌量を定量することによって求めることができる。たとえば、遺伝子発現量はリアルタイム定量PCRなどによって、分泌量はELISA法などによって定量することができる。
免疫刺激ODN複合体は、抗原やアレルゲンとともに与えることによってアジュバント効果を発揮することが期待できる。該複合体は、遊離の抗原やアレルゲンと混合して投与することができる。また、抗原やアレルゲンを該複合体と同一の担体に複合化させて投与する方法、あるいは抗原やアレルゲンを予め1本鎖ODNと結合させてから担体に複合化させて投与する方法がある。更に、抗原やアレルゲンを該複合体と別の担体に複合化し、該複合体と混合して投与する方法などがある。
抗原やアレルゲンの担体との複合体化方法は特に限定されないが、たとえば、カチオン性リポソームの中空に抗原やアレルゲンを内包した後、カチオン性リポソームの表面に四重鎖構造体を静電的に結合する方法や、リン酸カルシウム粒子、水酸化アパタイト粒子、炭酸アパタイト粒子の表面に四重鎖構造体と抗原あるいはアレルゲンを同時に吸着させる方法などがある。
また、リン酸カルシウム粒子、水酸化アパタイト粒子、炭酸アパタイト粒子を調製する際の原料液に四重鎖構造体と抗原あるいはアレルゲンを混合しておくことによって、これらの粒子の中に四重鎖構造体と抗原あるいはアレルゲンを同時に内包することもできる。予め四重鎖構造体に抗原やアレルゲンを結合させてから担体に担持する場合には、四重鎖構造体の末端をチオール基で修飾し、一方、抗原やアレルゲンのアミノ基にマレイミド基を導入し、チオール基とマレイミド基を共有結合させる方法などがある。
抗原の例としては、SARS-CoV-2抗原、手足口病ウイルス抗原、デング熱ウイルス抗原、及びウエストナイル熱ウイルス抗原などが挙げられる。また、アレルゲンの例としては、スギ花粉アレルゲン、ブタクサアレルゲン、イネアレルゲン、及びダニアレルゲンなどが挙げられる。また、癌細胞の抗原なども挙げられる。
ワクチンとは、感染症の予防に用いる医薬品を指す。無毒化あるいは弱毒化された抗原を投与することで、体内に病原体に対する抗体産生を促し、感染症に対する免疫を獲得する。特に限定しないが、毒性を弱めた微生物やウイルスを使用する生ワクチンとしては、BCG、経口生ポリオ(OPV)ワクチン、痘苗(天然痘)、麻疹ワクチン、風疹ワクチン、麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)、流行性耳下腺炎(おたふく)、ワクチン水痘ワクチン、黄熱ワクチン、ロタウイルスワクチン、帯状疱疹ワクチンなどが実用化されている。化学処理などにより死んだウイルス、細菌、リケッチア、或いは抗原部分のみを培養したものを含めた不活化ワクチンとしては、インフルエンザウイルスワクチン、肺炎球菌ワクチン、狂犬病ワクチン、コレラワクチン、二種混合(DT)ワクチン(ジフテリア・破傷風混合ワクチン)、三種混合(DPT)ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風混合ワクチン)、四種混合(DPT-IPV)ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ混合ワクチン)、日本脳炎ワクチン、百日咳ワクチンなどが実用化されている。
がんワクチンは、がんの治療又は予防目的で使用されるワクチンのことを指す。抗原(がん抗原)としては、正常細胞ではまったく発現していないか、発現していても少量であり、癌細胞においては過剰に発現している抗原タンパク質の全長又は一部分(ペプチド)を用いる。特に限定しないが、悪性黒色腫(メラノーマ)におけるMAGE、乳癌などにおけるHER2/neu、大腸癌におけるCEA、各種白血病や各種癌におけるWT1、悪性黒色腫、食道癌、胃癌、卵巣癌などにおけるNY-ESO-1などが挙げられる。これらのがん抗原タンパク質(又はその分解ペプチド)を体内の細胞傷害性T細胞(CTL)が認識し、癌細胞を攻撃する(細胞性免疫)。癌抗原(ペプチド)を人為的に投与し、特異的なCTLを誘導(分化増殖)することでがんを治療するのが、がんワクチン療法である。
なお、発がんウイルスの感染阻止を目的とするワクチンもがんワクチンに含まれる。B型肝炎ウィルスワクチン(肝硬変を経て肝がんを引き起こす)やヒトパピローマウイルス(子宮頸がんを引き起こす)などが実用化されている。
花粉症やハウスダストアレルギーの患者は、それぞれのアレルゲンに特異的なヘルパー2T(Th2)経路がヘルパー1T(Th1)経路に対して優勢になっている。すなわち、アレルゲン特異的なTh1経路を活性化し、Th2経路に対して優勢にすることが治療戦略のひとつである。マウスにおいてはIgG2a/IgG1の比がTh1/Th2の比の指標となるが、ヒトにおいてはIgG4/IgG1の比がTh1/Th2の比の指標となる場合もある。
本願に係る治療対象として、ヒトを含む哺乳動物(サルなどの霊長類;イヌ、ネコなどのコンパニオンアニマル;馬、ブタ、牛、ヤギ、羊などの家畜;ラット、マウスなどの実験動物)、鳥類(野鳥又は鶏や七面鳥などの家禽)或いは魚類(水産養殖の生物種:例えば、アユやサケ科魚類などの淡水魚や、ブリ、カンパチなどの海水魚)が挙げられ、TLR9が発現している種であれば特に限定しなくてよい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(分子内グアニン四重鎖構造の形成)
表1の配列番号1~9、及び、17~22の塩基配列を有する一本鎖CpG ODNを合成し、熱処理によりグアニン四重鎖構造を形成させた(G4 CpG ODN)。具体的には、2.68mM KCl、137mM NaCl、1.47mM KHPO、8.10mM NaHPOを含む緩衝液(Dulbecco’s phosphate-buffered salin:以下、「D-PBS」ともいう。)中に一本鎖CpG ODNを溶解し、95℃で5分間インキュベーション後、温度を30℃まで30分かけて下げることにより行った。
また、比較のために、表1の配列番号10~16の一本鎖ODNも準備した。
Figure 2022038517000002
(吸収スペクトル解析)
熱処理によりグアニン四重鎖構造を形成させた一本鎖CpG ODNをD-PBSを用いて2μMに調製した。紫外可視近赤外分光光度計(Jasco V-670 spectrophotometer)を用いて220-320nmの吸収スペクトルを測定した。測定条件は「scan speed」が400nm/min、「data pitch」が1nm、「band width」が2.0nmで、UV/Vis(紫外/可視)測定である。測定は、20℃と90℃で行い、20℃での吸収スペクトルから90℃での吸収スペクトルを差し引くことで、差分スペクトルを得た。図1は、GD1、GD2、及び、GD3の差分吸収スペクトルである。
図1から、GD1、GD2、及び、GD3はいずれも295nmに負のピークを示したことから、グアニン四重鎖構造を形成していることが示された。
(円偏光二色性スペクトル解析)
熱処理によりグアニン四重鎖構造を形成させた一本鎖CpG ODNをD-PBSを用いて2uMに調製した。円二色性分散計(Jasco J-725 CD spectropolarimeter)を用いて220~320nmの円偏光二色性スペクトルを25℃で測定した。測定条件は、「scan rate」が50nm/min、「response time」が2.0s、「band width」が1.0nm、「resolution」が0.2nm、「sensitivity」が100mdegである。
図2は、GD1、GD2、及び、GD3の円偏光二色性スペクトルである。
図2から、GD1、GD2は260nmと290nmに正のピークを示した。またGD3は260nmと290nmにわたるブロードのピークをもつことから、ハイブリッド型のグアニン四重鎖構造を形成していることが示された。
(電気泳動による構造の解析)
12%のポリアクリルアミドゲル(PAGE;1-mm thick;TEFCO,Tokyo,Japan)を用いて、4mM KClを含む0.5×Tris-borate-EDTA(TBE)buffer(0.089M、pH8.3-8.5;TakaraBio,Kusatsu,Japan)中で電気泳動を行った。泳動は180Vの定電圧で行った。
図3は、PAGE電気泳動の結果である。レーン1は、10-bp DNA ladderであり、レーン2は、GD1と同じ22merの鎖長で直鎖構造のオリゴヌクレオチドであり、レーン3は、GD1であり、レーン4はGD2と同じ30merの鎖長で直鎖構造のオリゴヌクレオチドであり、レーン5はGD2であり、レーン6は、GD3と同じ38merの鎖長で直鎖構造のヌクレオチドであり、レーン7はGD3である。
図3の結果から、同じ鎖長を持つ直鎖オリゴヌクレオチドと比較して、GD1、GD2、及び、GD3は低分子量の位置に存在することが示された。このことから、GD1、GD2、及び、GD3はコンパクトに折りたたまれた構造(グアニン四重鎖構造体)を形成していることを示された。
(HEK293細胞を用いた免疫活性化の評価)
ヒト胎児腎細胞をアデノウィルスのE1遺伝子によりトランスフォーメーションして樹立された細胞株HEK293細胞に、ヒトTLR9の構造遺伝子を組み込み、ヒトTLR9が恒常的に発現するようにした293XL-hTLR9細胞において、転写因子NF-κBの活性化を誘導する作用を調べることで、免疫活性化を評価した。
293XL-hTLR9細胞を、1.3×10cell/mlの濃度でダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に播種した。転写因子NF-κBの活性化を調べるためのレポーターアッセイ用プラスミドpNiFty-luc(インビボジェン社)ならびに遺伝子導入の標準化のためのプラスミドpGL4.74(プロメガ社)をトランスフェクション試薬であるLyoVec(インビボジェン社)を用いて、導入した。
20時間後、GD1、GD2、GD3、及び、2006_PDを終濃度が0.5μMとなるように添加した。各試料の添加24時間後に、細胞を回収し、破砕し、細胞破砕液内のレポータータンパク質であるルシフェラーゼの発現量を定量した。
図4は、得られた細胞破砕液についてルシフェラーゼの発現量の定量を行った結果である。グアニン四重鎖構造を形成させたCpGオリゴヌクレオチドGD1、GD2、GD3は293XL-hTLR9細胞においてNF-κBの活性化の誘導を示した。また、ヒトTLR9が発現していない293XL-null細胞ではNF-κBの活性化は誘導されなかった。このことから、グアニン四重鎖構造を形成させたCpGオリゴヌクレオチドGD1、GD2、GD3はヒトTLR9を介して、転写因子NF-κBの活性化を誘導することが示された。また、転写因子NF-κBの活性化は直鎖のCpG ODNである「2006_PD」よりも高いことが示された。
(血清中での安定性)
核酸分解酵素が含まれる牛胎児血清中でのグアニン四重鎖構造を形成させたGD1、GD2、及び、GD3の安定性を電気泳動のバンドを指標に定量した。終濃度が50%となるように牛胎児血清を調製し、その中でグアニン四重鎖構造を形成させたGD1、GD2、GD3と、比較として直鎖CpG ODN2006_PDを1時間、2時間、4時間、24時間インキュベートした。その後、電気泳動を行い、それぞれのオリゴヌクレオチド由来のバンドの濃さを定量することで、分解されていないオリゴヌクレオチドの量を求め、血清処理する前のサンプルを100%とした残存量を算出した。図5A、及び、図5Bはその結果である。
図5A、及び、図5Bから、直鎖CpG ODN「2006_PD」は牛胎児血清中で1時間後にはほとんど分解されたのに対して、グアニン四重鎖構造を形成させたCpGオリゴヌクレオチドGD1、GD2、GD3はそれぞれ81%、50%、32%が分解されずに残っていることが示された。また牛胎児血清中で4時間処理した場合でも、分解されないGD1、GD2、GD3が観察された。このことから、グアニン四重鎖構造を形成させたGD1、GD2、GD3は直鎖CpG ODNと比較して、核酸分解酵素に対する耐性を有していることが示された。
(細胞への取り込み)
5’末端に蛍光色素であるCy5を修飾したグアニン四重鎖構造を形成させたGD2、GD3のマウスマクロファージ様RAW264細胞への取り込みを細胞の蛍光強度を指標に測定した。グアニン四重鎖構造を形成させた5’末端Cy5修飾GD1、GD2をOpti MEMに終濃度が5μMとなるように添加した。
この溶液をRAW264細胞が接着している96wellプレートに添加し、37℃で2時間インキュベートした。その後、溶液を取り除き、PBSで2回洗浄した。次に細胞をトリプシン-EDTA(エチレンジアミン四酢酸)を用いて剥離し、遠心分離で回収しPBSに懸濁した。
細胞が取り込んだCy5修飾CpG ODNの量をCy5由来の蛍光を指標にSONYスペクトル型セルアナライザー SP6800において解析した。また、5’末端Cy5修飾GD1、GD2とRAW264細胞を4℃で2時間インキュベートしたサンプルを準備し、細胞表面に結合しているCpGオリゴヌクレオチドGD1、GD2の蛍光強度を求め、差分することにより、細胞内に取り込まれた5’末端Cy5修飾CpG ODNを定量した。図6はその結果である。
図6から、5’末端Cy5修飾CpGオリゴヌクレオチドGD1、GD2はRAW細胞に取り込まれていることが示された。また、直鎖CpG ODN「2006_PD」と比較して、グアニン四重鎖構造を形成させたCpG ODNは細胞に多く取り込まれることが示された。
(マウスマクロファージ様RAW264細胞を用いた免疫活性化の評価)
トル様受容体9を発現しているRAW264細胞を用いて、グアニン四重鎖構造を形成させたGD1、GD2、GD3から誘導されるインタロイキン6(IL-6)、IL-12、インターフェロン(IFN)-βの誘導を調べた。RAW264細胞を、5.3×10cells/mlの密度でイーグル最小必須培地(MEM)に播種した。24時間後、グアニン四重鎖構造を形成させたCGD1、GD2、及び、GD3を終濃度が4μMとなるように添加した。24時間後、細胞を回収し、ISOGEN(日本ジーン製)で全RNAを抽出した後、逆転写酵素(TaKaRa Bio)でcDNAを合成した。このcDNAを鋳型として、IL-6、IL-12、IFN-β遺伝子の発現量をリアルタイム定量PCRによって測定した。IFN-β遺伝子の発現量は、GAPDH(Glyceraldehyde 3-phosphate dehydrogenase)遺伝子の発現量によりノーマライゼーションした。図7はその結果である。
図7から、グアニン四重鎖構造を形成させたGD2、GD3は顕著に高いIL-6、IL-12、IFN-βが誘導されることが示された。
グアニン四重鎖構造を形成させたCpG ODNの効果がグアニン四重鎖構造のループ領域に導入したCpG部位に起因することを示すために、CpG部位のシトシン(C)がメチル化されたもので、5-メチルシトシンに置換したグアニン四重鎖構造を形成させたODNである、GD2-Met、GD3-Metを用いて図7と同様の実験をした。図8はその結果である。
図8から、グアニン四重鎖構造を形成させたGD2、GD3のCpG部位中のシトシンをメチル化することによりIL-6、IL-12、IFN-β遺伝子の誘導は認められなかった。トル様受容体9はメチル化されていないCpG部位と結合して構造を変化させることにより、シグナル伝達を行うことが報告されている。このことから、グアニン四重鎖構造自身には免疫活性化する機能は無く、グアニン四重鎖構造に導入したCpG部位が免疫活性化の機能を有することが示された。
グアニン四重鎖構造を形成させたGD2、GD3に存在する複数のCpG部位の効果をより詳細に検討するために、1カ所もしくは2カ所シトシンを5-メチルシトシンに置換したグアニン四重鎖構造を形成させたオリゴヌクレオチドのIL-6、IL-12、IFN-β遺伝子の誘導を調べた。図9A、図9B、及び、図9Cはその結果である。図9A~図9Cから、一カ所でもCpG部位があれば、IL-6、IL-12、IFN-βが誘導されることが示された。
(ヒト末梢血単核球細胞を用いた免疫活性化の評価)
Cellular Technology Limited(Ohio,USA)から購入したヒト末梢血単核球 (Cellular Technology Limited.,Ohio,USA)を用いて、グアニン四重鎖構造を形成させたGD1、GD2、GD3から誘導されるインタロイキン6(IL-6),IL-12,IFN-βの誘導を調べた。
ヒト末梢血単核球細胞を2.6×10cell/mlの濃度でロズウェルパーク記念研究所培地(RPMI 1640)に播種した。グアニン四重鎖構造を形成させたGD1、GD2、GD3を終濃度が4μMとなるように添加した。
6、24、48時間後、IL-6、IFN-γ、IFN-αの誘導量をIL-6 Ready-Set-Go ELISA kits(Thermo Fisher Science)、IFN-γ Ready-Set-Go ELISA kits (Thermo Fisher Science), Human IFN-α Module Set enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) (Thermo Fisher Science)にて測定した。図10A、及び、図10Bはその結果である。
図10A、及び、図10Bから、グアニン四重鎖構造を形成させたGD2、GD3を添加して、24時間後、48時間後にヒト末梢血単核球細胞からIL-6の発現を誘導したことが示された。IL-6の誘導量はCpGオリゴヌクレオチド添加後24時間が最も高い値を示した。また、グアニン四重鎖構造を形成させたGD3は、直鎖のCpG ODN「2006_PD」よりも顕著に高くIL-6とIFN-γを誘導することが示された。GD3はループ領域に2006_PDと同じ数のCpG部位を有している。このことから、グアニン四重鎖構造を用いることにより、免疫活性化機能が有意に向上することが示された。
(マウスを用いた生体内での免疫活性化の評価)
マウス(C57BL/6J)にグアニン四重鎖構造を形成させたGD3を投与することにより、血液中に誘導されるIL-6の量を評価した。7週齢のメスのマウス(C57BL/6)の腹腔に10nmolのグアニン四重鎖構造を形成させたGD3、又は、直鎖のCpG ODN「2006_PD」を投与した。投与後2、4、24時間毎にアニマルランセットを用いて、顎骨後ろに位置する静脈から採血を行った。採血した血液をEDTA処理し、遠心分離により血漿を調製した。血漿中のIL-6の量をIL-6 Ready-Set-Go ELISA kits(Thermo Fisher Science)を用いて測定した。図11はその結果である。
図11から、投与後2時間、4時間でIL-6が誘導されることが示された。IL-6の誘導量はCpGオリゴヌクレオチド添加後4時間が最も高い値を示した。また、グアニン四重鎖構造を形成させたGD3は直鎖のCpG ODN「2006_PD」よりも顕著に高くIL-6を誘導することが示された。
(電気泳動による構造の解析)
10-20%のポリアクリルアミドゲル(PAGE;1-mm thick;ATTO,Tokyo,Japan)を用いて、4mM KClを含む25mMTris-192mMGlysin buffer中で電気泳動を行った。泳動は21mAの定電流で行った。
図12は、PAGE電気泳動の結果である。レーン1(及びレーン12)は、10-bp DNA ladderであり、レーン2は、GD2(配列番号2)とGD2-1L(配列番号17)とGD2-3L(配列番号19)と同じ30merの鎖長で直鎖構造のオリゴヌクレオチド(配列番号15)であり、レーン3は、GD2-1L(配列番号17)であり、レーン4は、GD2(配列番号2)であり、レーン5は、GD2-3L(配列番号19)である。レーン6は、GD3(配列番号3)とGD3-1L(配列番号18)と同じ38merの鎖長で直鎖構造のヌクレオチド(配列番号16)であり、レーン7は、GD3-1L(配列番号18)であり、レーン8は、GD3(配列番号3)である。レーン9は、28merの鎖長のGD2T-1L(配列番号20)であり、レーン10は、28merの鎖長のGD2T-2L(配列番号21)であり、レーン11は28merの鎖長のGD2T-3L(配列番号22)である。
図12の結果から、同じ鎖長を持つ直鎖オリゴヌクレオチドと比較して、GD2-1L、GD2、GD2-3L、GD3-1L、及び、GD3は低分子量の位置に存在することが示された。また、10-bp DNA ladderと比較して、28merの鎖長であるGD2T-1L、GD2T-2L、及び、GD2T-3Lは低分子量の位置に存在することが示された。このことから、GD2-1L、GD2、GD2-3L、GD3-1L、GD3、GD2T-1L、GD2T-2L、GD2T-3Lはコンパクトに折りたたまれた構造(グアニン四重鎖構造体)を形成していることが示された。
(電気泳動による構造の解析)
10-20%のポリアクリルアミドゲル(PAGE;1-mm thick;ATTO,Tokyo,Japan)を用いて、4mM KClを含む25mMTris-192mMGlysin buffer中で電気泳動を行った。泳動は21mAの定電流で行った。
図13は、PAGE電気泳動の結果である。レーン1は、10-bp DNA ladderであり、レーン2は、GD3(配列番号3)とGD3-GC123(配列番号12)とGD3-GC3(配列番号9)と同じ38merの鎖長で直鎖構造のオリゴヌクレオチド(配列番号16)であり、レーン3は、GD3(配列番号3)であり、レーン4は、GD3-GC123(配列番号12)であり、レーン5は、GD3-GC3(配列番号9)である。
図13の結果から、同じ鎖長を持つ直鎖オリゴヌクレオチドと比較して、GD3、GD3-GC123、及び、GD3-GC3は低分子量の位置に存在することが示された。このことから、GD3、GD3-GC123、及び、GD3-GC3はコンパクトに折りたたまれた構造(グアニン四重鎖構造体)を形成していることが示された。
(RAW-BLUE細胞を用いた免疫活性化の評価)
NF-κB転写因子によって誘導される分泌型胚性アルカリホスファターゼ遺伝子を組み込んだRAW 264.7 マクロファージであるRAW-BLUE細胞(インビボジェン社)において、転写因子NF-κBの活性化を誘導する作用を調べることで、免疫活性化(免疫刺激性)を評価した。
RAW-BLUE細胞を、1.0×10cellが96ウェルプレートの1ウェルに存在するようにダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に播種した。播種後、すぐにGD2-1L、GD2、GD2-3L、GD3-1L、GD3、GD2T-1L、GD2T-2L、及び、GD2T-3Lを終濃度が2.0μMとなるように添加した。各試料の添加24時間後に、培養液を回収した。培養液に含まれるアルカリホスファターゼをアルカリホスファターゼの基質試薬であるQUANTI-Blue溶液(インビボジェン社)を用いて、定量した。
図14は、得られた培養液についてアルカリホスファターゼの発現量の定量を行った結果である。グアニン四重鎖構造を形成させたCpGオリゴヌクレオチドGD2-1L、GD2、GD2-3L、GD3-1L、GD3、GD2T-1L、GD2T-2L、及び、GD2T-3LはRAW-BLUE細胞においてNF-κBの活性化の誘導を示した。このことから、グアニン四重鎖構造を形成させたCpGオリゴヌクレオチドを用いることにより、免疫活性化機能が有意に向上することが示された。
本発明の一本鎖ODNは、単量体でのグアニン四重鎖構造が形成できる。これは、高次構造の制御が可能であることを示している。2014年に発表されたアメリカ食品医薬品局(FDA)のガイドラインは、リスク管理の観点から、凝集体量を可能な限り減らすことを製造者に推奨している。また、保管中の凝集体の変化を監視することが非常に重要とも指摘している。凝集体が時間と共に発生・成長すると考えられているため、出荷時に十分除去されていても、その後の輸送・保管・調剤・投薬プロセスで再び凝集体が増加するおそれがあるからである。その点、高次構造の制御が可能である本発明の一本鎖ODNは従来の複数のオリゴヌクレオチドを組み合わせて、デンドリマーなどDNA立体構造体を形成させることにより、安定性を向上させるものと比較して、種々の高次構造が混在しない、という点で優れている。
また、本発明の一本鎖ODNの一形態は、デオキシヌクレオチド間の結合の全てがホスホジエステル結合であり、従来のホスホロチオエート骨格を有するオリゴヌクレオチドにおいて懸念される副作用がより起こりにくい。
更に本発明の一本鎖ODNからなる四重鎖構造体は、核酸分解酵素に対する優れた耐性を有するとともに、そのコンパクトな構造に起因して、優れた細胞への吸収性も有している。結果として、従来の線状一本鎖ODNと比較して、より優れた免疫刺激作用を有している。
上記のような特徴を併せ持つ、本発明の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体は、アレルギー等の治療薬、及び、ワクチンアジュバント等として有用である。

Claims (22)

  1. 14~100個のデオキシヌクレオチドからなる一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドであって、塩基配列として、
    2~5個の連続するグアニン(G)からなる同一のポリG部位を4つ含み、
    前記ポリG部位の2つはぞれぞれ5’末端と3’末端に配置され、
    残りの前記ポリG部位は、他のポリG部位とスペーサ部位を介して配置されており、
    前記スペーサ部位は、1個、又は、2個以上の塩基からなり、
    前記スペーサ部位の少なくとも1つ以上は、ホスホジエステルを介したシトシン(C)-グアニン(G)配列を含む連続する3~6個の塩基からなるCpG部位を1~5個含み、
    CpG部位を含む前記スペーサ部位以外のスペーサ部位は、グアニン(G)以外の塩基からなり、
    前記デオキシヌクレオチド間の結合の75%以上がホスホジエステル結合である、1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
  2. 前記デオキシヌクレオチド間の結合の全部がホスホジエステル結合である請求項1に記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
  3. 一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドの全体として、前記CpG部位を1~5個有する請求項1又は2に記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
  4. 22~54個のデオキシヌクレオチドからなる請求項1~3のいずれか1項に記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
  5. 前記CpG部位が、YCGYで表され、Y及びYは、それぞれ独立にアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、及び、チミン(T)からなる群より選択される少なくとも1種の塩基であり、Y及びYはそれぞれ独立にアデニン(A)、又は、チミン(T)である、請求項1~4のいずれか1項に記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
  6. 前記CpG部位がGTCGTTである、請求項1~5のいずれか1項に記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
  7. 前記CpG部位を含むスペーサ部位以外のスペーサ部位が同一の塩基配列である、請求項1~6のいずれか1項に記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
  8. 下記塩基配列、及び、下記塩基配列において、前記スペーサ部位におけるCG配列以外の1~3塩基が欠損、置換若しくは付加された配列のいずれかの配列を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の1本鎖オリゴデオキシヌクレオチド。
    5’-GGGTTGGGGTCGTTGGGTTGGG-3’(配列番号1)
    5’-GGGTTGGGGTCGTTTTGTCGTTGGGTTGGG-3’(配列番号2)
    5’-GGGTTGGGGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTTGGGTTGGG-3’(配列番号3)
    5’-GGGTTGGGGTCGTTTTGTm5CGTTGGGTTGGG-3’(配列番号4)
    5’-GGGTTGGGGTm5CGTTTTGTCGTTTTGTCGTTGGGTTGGG-3’(配列番号5)
    5’-GGGTTGGGGTCGTTTTGTm5CGTTTTGTCGTTGGGTTGGG-3’(配列番号6)
    5’-GGGTTGGGGTCGTTTTGTCGTTTTGTm5CGTTGGGTTGGG-3’(配列番号7)
    5’-GGGTTGGGGTm5CGTTTTGTCGTTTTGTm5CGTTGGGTTGGG-3’(配列番号8)
    5’-GGGTTGGGGTCGTTTTGTCGTTTTGTGCTTGGGTTGGG-3’(配列番号9)
    5’-GGGGTCGTTTTGTCGTTGGGTTGGGTTGGG-3’(配列番号17)
    5’-GGGGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTTGGGTTGGGTTGGG-3’(配列番号18)
    5’-GGGTTGGGTTGGGGTCGTTTTGTCGTTGGG-3’(配列番号19)
    5’-GGGGTCGTTTTGTCGTTGGGTGGGTGGG-3’(配列番号20)
    5’-GGGTGGGGTCGTTTTGTCGTTGGGTGGG-3’(配列番号21)
    5’-GGGTGGGTGGGGTCGTTTTGTCGTTGGG-3’(配列番号22)
    (上記配列中、m5Cはメチル化シトシンを示す。)
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の一本鎖オリゴデオキシヌクレオチドからなる四重鎖構造体。
  10. 担体と、前記担体に担持された請求項9に記載の四重鎖構造体とを含む、免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体。
  11. 請求項10に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体を含む、ワクチンのアジュバント。
  12. ヒトを含む哺乳動物、鳥類、又は、魚類の感染症予防のための方法であって、感染症の原因となる病原体由来の無毒化、又は、弱毒化された抗原と、請求項10に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体を、連続して、又は、同時に投与することにより、体内に病原体に対する抗体産生を促し、感染症に対する免疫を獲得することを含む、方法。
  13. ヒトを含む哺乳動物、鳥類、又は、魚類の感染症予防用ワクチン製造における、請求項10に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用。
  14. ヒトを含む哺乳動物、鳥類、又は、魚類の感染症予防用のための、請求項10に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用。
  15. がん治療、又は、予防用ワクチン製造における請求項10に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用。
  16. がん治療、又は、予防のための請求項10に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用。
  17. 請求項10に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体を含む、アレルギー治療又は予防のための医薬組成物。
  18. 更にアレルゲン又はその一部を含む、請求項17に記載の医薬組成物。
  19. アレルギー治療又は予防用医薬製造における、請求項10に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用。
  20. アレルギー治療又は予防のための、請求項10に記載の免疫刺激オリゴデオキシヌクレオチド複合体の使用。
  21. がんの治療又は予防のための方法であって、
    がん抗原又はその一部分と、請求項10に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチド複合体を、連続して或いは同時に投与することにより、体内にがん抗原に対する細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導し、がん抗原を提示するがん細胞を攻撃させることにより、がんを治療、又は、予防する方法。
  22. アレルギーの治療又は予防のための方法であって、
    請求項10に記載の免疫刺激オリゴヌクレオチド複合体を投与することにより、アレルゲン特異的なヘルパー1T(Th1)細胞をヘルパー2T(Th2)細胞よりも活性化させることによって、アレルギーを治療、又は、予防する方法。
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