1)遊技機の基本構成
以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、以下の説明において、特に明示することなく「画像」というときは、動画および静止画の両方を含むものとする。また、以下で説明する各領域等には、遊技球が検出可能なセンサ(図示せず)が設けられており、当該センサにより各領域に遊技球が進入(入賞)したかどうかが検出される。例えば「○○領域に遊技球が進入(入賞)」とは、厳密には当該○○領域に設けられたセンサが遊技球を検出したことをいうものとする。
遊技機1の筐体には遊技球を発射するための発射装置908が設けられている。発射装置908を操作することで、上皿909aに貯留された遊技球が発射される。いわゆる賞球は上皿909aに払い出され、上皿909aから溢れた遊技球は下皿909bに送られる。
発射された遊技球が到達する遊技領域902は、その手前に位置する透明板を通じて視認される。遊技機1は手前側に遊技領域902が形成される遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、始動領域904(第一始動領域904a、第二始動領域904b)、大入賞領域906、アウト口907などが設けられている。各種演出を実行する表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、大入賞領域906等の入賞領域に進入すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否抽選手段が始動領域904への遊技球の入賞を契機として実行する。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる「特図1」の始動領域)と第二始動領域904b(いわゆる「特図2」の始動領域)が設けられている。始動領域904への遊技球の進入を契機として乱数源から数値(当否抽選情報)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。
本実施形態では、当該数値が取得された順に当否抽選結果の報知が開始される(いわゆる変動が開始される)こととなるが、未だ当否抽選結果の報知が完了していない当否抽選情報が存在する場合には、新たに取得された当否抽選情報は保留情報として図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。記憶手段に保留情報が記憶されていることは、保留図柄70として表示される。つまり、保留図柄70は、対応する当否抽選結果の報知が完了していない当否抽選情報の存在を示す。
本実施形態では、保留図柄70として、当否抽選結果を報知する報知演出(装飾図柄10(装飾図柄群10g)の変動開始から、当否抽選結果を示す組み合わせで完全に停止するまでの演出、いわゆる一変動中分の演出をいう)は開始されているものの、当否抽選結果の報知は完了していない当否抽選情報(以下、変動中保留情報と称することもある)に対応する変動中保留図柄71(いわゆる「当該変動保留」の存在を示す図柄)と、当否抽選結果を報知する報知演出が開始されていない当否抽選情報(以下、変動前保留情報と称することもある)に対応する変動前保留図柄72が表示される(図2参照)。本実施形態では、変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態は同じである。変動中保留図柄71と変動前保留図柄72の基本的な形態が全く異なるものとしてもよい。また、変動中保留図柄71が表示されない構成としてもよい。なお、変動前保留図柄72に対応する当否抽選結果の報知が完了する順番(いわゆる保留「消化順」)は、右に位置するものほど早い。
変動前保留情報の最大の記憶数は上限が決められている。本実施形態では、第一始動領域904aに入賞することによって得られる第一変動前保留情報(特図1保留)の最大の記憶数は四つであり、第二始動領域904bに入賞することによって得られる第二変動前保留情報(特図2保留)の最大の記憶数は四つである。したがって、特図1および特図2の一方に相当する保留図柄70に関していえば、一つの変動中保留図柄71と、最大四つの変動前保留図柄72が表示されることがある(図2参照)。
本実施形態では、記憶手段に第一変動前保留情報(特図1保留)と第二変動前保留情報(特図2保留)の両方が記憶されているときには、第二変動前保留情報に対応する当否抽選結果(特図2抽選の結果)の報知が優先的に実行される(「特図2保留優先消化」である)。
本実施形態では、公知の遊技機と同様に、表示装置91の表示領域911に表示される装飾図柄10(図2参照)によって当否抽選結果を遊技者に報知する。具体的には、複数種の装飾図柄10を含む装飾図柄群10g(左装飾図柄群10gL、中装飾図柄群10gC、右装飾図柄群10gR)が変動を開始し、最終的に各装飾図柄群10gから一の装飾図柄10が選択されて停止する。最終的に示された三つの装飾図柄10の組み合わせにより当否抽選結果が報知される。大当たりに当選している場合には同じ種類の装飾図柄10の組み合わせ(同じ種類の装飾図柄10の三つ揃い)となる。はずれである場合にはそれ以外(大当たりとなる組み合わせ以外)の組み合わせとなる。
2)継続的操作演出
本実施形態では、一の当否判定結果を報知する報知演出中に、事前演出(継続的操作演出)および事後演出(図3~図6参照)を実行することが可能である(以下の継続的操作演出の説明にて、事前演出(継続的操作演出)や事後演出が発生する報知演出を対象報知演出と称することもある)。本実施形態における事前演出および事後演出は、遊技者側のキャラクタと敵側のキャラクタが戦う(図4(a)参照)いわゆるバトル演出である。事前演出がバトル演出の前半部分、事後演出がバトル演出の後半部分とみることもできる。当該バトルは、前半(事前演出)で勝負がつく(遊技者側のキャラクタが「勝つ」or「負ける」)こともある。遊技者側のキャラクタが勝利する結末を事前有利結末(図5(c-1)参照)と、敗北する結末を事前不利結末とする(図5(c-2)参照)。前半(事前演出)から後半(事後演出)に移行するケースを継続結末とする(図5(b-2)参照)。つまり、当該継続結末は、いわゆる「発展」パターンであるといえる。後半(事後演出)に移行した場合(図6(a)参照)には、当該後半にて必ず勝負がつくことになる。遊技者側のキャラクタが勝利する結末を事後有利結末(図6(b-1)参照)と、敗北する結末を事後不利結末(図6(b-2)参照)とする。つまり、バトル演出を通じてみれば、後半(事後演出)に移行するか否かに関わらず、最終的には遊技者側のキャラクタが勝利するか敗北するかの結末に至る。対象報知演出に対応する当否抽選結果(以下の継続的操作演出の説明にて、対象当否抽選結果と称することもある)が大当たりである場合には遊技者側のキャラクタが勝利する結末(事前有利結末または事後有利結末)に至り、はずれである場合には遊技者側のキャラクタが敗北する結末(事前不利結末または事後不利結末)に至る(図3参照)。なお、遊技者側のキャラクタが勝利する結末には、一旦敗北したように見せかけて逆転するいわゆる「逆転パターン」を含む。
本実施形態における事前演出は、二つの分岐箇所が存在するものである(図3参照)。まず継続するか否か(継続結末に至るか否か)の分岐(以下、継続分岐と称する)(図5(a)参照)が訪れる。継続結末に至った場合(図5(b-2)参照)には事後演出に移行し、当該事後演出の結末(事後有利結末または事後不利結末)にて対象当否抽選結果が示される(図6(b-1)(b-2)参照)。一方、継続結末に至らなかった場合(図5(b-1)参照)には、事後演出に移行することはなくなり、勝つか負けるかの分岐(以下、勝敗分岐と称する)が訪れる。つまり、事前演出の結末(事前有利結末または事前不利結末)にて対象当否抽選結果が示される(図5(c-1)(c-2)参照)。
このように、本実施形態における事前演出は、まずは継続(発展)するか否かの継続分岐が訪れ、継続しなかった場合(事後演出に移行しなかった場合)には前半部分で勝つか負けるかの勝敗分岐が訪れるものである(図3参照)。継続分岐にて継続結末に至った場合の方が、継続結末に至らなかった場合よりも、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(以下、(大当たり)信頼度と称することもある)が高い。つまり、継続分岐にて継続結末に至り、事後演出に移行することは遊技者にとって喜ばしい事象であるといえる。換言すれば、継続演出に至らなかった場合は、そのほとんどが事前不利結末に至る(事前有利結末に至ることは稀である)ということである。さらにいえば、対象当否抽選結果が大当たりとなる場合に最も選択されやすいルートは、事前結末が継続結末に至り、事後演出が事後有利結末に至ることで大当たりが報知されるというものであるといえる。
事後演出は、その結末(事後有利結末または事後不利結末)により当否抽選結果が必ず示されるのであるから、いわゆる(スーパー(SP))リーチ演出の一種であるといえる。また、事前演出は、継続結末に至らなければ当否抽選結果が示されるという(スーパー(SP))リーチ演出であるといえる。事前演出をショートSPリーチ、事後演出(事後演出に発展した場合)をロングSPリーチとみることもできる。
上記事前演出中に継続的操作演出(後述する特定操作演出と区別するため「継続的」の文言を付す)が発生する(図3、図4参照)。つまり、当該継続的操作演出も対象報知演出の一部を構成するものである。継続的操作演出は、操作有効期間中における操作手段60の操作が演出として反映されるものである。操作有効期間の長さは、事前演出に要する時間未満とされる。つまり、継続的操作演出は、事前演出が実行されている一部の期間中に実行されるものである。操作有効期間の終了時点は、事前演出にて継続分岐に到達するよりも前である。
本実施形態における操作手段60は押ボタン(図1参照)である。なお、遊技者の身体を検出することができるセンサを設け、当該センサに身体の一部(「手」等)が検出されることが操作手段60の操作と取り扱われるものとしてもよい。以下、操作手段60を連続的に操作すること(いわゆる「連打」すること)を連続操作と、操作手段60が操作された状態を維持すること(いわゆる「長押し」すること)を維持操作と称する。
上記継続的操作演出は、遊技者に対し、操作手段60の操作が促されるものではない(図4(b)参照)。つまり、表示領域911に操作手段60を操作すべき状況である(操作有効期間中である)ことが表示されるものではない。このような継続的操作演出は、一般的に隠れ操作演出(隠れボタン演出)等とも称されている。なお、操作手段60の内部にランプ(常態において消灯している)を設け、操作有効期間中には当該ランプが点灯するような構成としてもよい。このようにすることで、操作有効期間中であることが暗に示されるようにしてもよい。
継続的操作演出は、操作有効期間中における操作手段60の連続操作または維持操作によって所定の演出装置から出力される演出要素が段階的に変化しうるものである(図4(b)(c)参照)。なお、本実施形態における継続的操作演出は、本来的には連続操作がなされるべきものである。ただし、維持操作が連続操作に置換される公知の自動連打機能(所定時間の維持操作が、一回の操作に置き換わる機能)が搭載されているため、維持操作によっても演出操作が段階的に変化しうる。なお、連続操作および維持操作の一方によってのみ演出要素が変化し、他方によっては変化しない構成としてもよい。いずれにせよ、本実施形態における継続的操作演出は、連続操作や維持操作といった操作手段60の「継続的な操作」がなされることで演出要素が段階的に変化しうるものである。以下では、連続操作がなされるものとして継続的操作演出を説明するが、以下の説明における一回の操作は、所定時間の維持操作に置き換えることが可能であるとする。
本実施形態では、所定位置に設けられた発光部65(図1参照)の発光が演出要素とされている。具体的には、発光部65の発光色(図面においては当該発光色を「文字」で表す)が段階的に変化する。上記演出要素の段階数(二以上)は適宜設定可能である。本実施形態では、演出要素の段階として第1段階、第2段階、第3段階の三つ(三段階)が設定されている。発光部65が青色に発光するのを第1段階と、緑色に発光するのを第2段階と、赤色に発光するのを第3段階としている。本実施形態では、操作手段60が操作されることを契機として発光部65が現在の段階に対応した発光色で一時的に(例えば0.5秒間)発光する。よって、操作手段60が操作されなければ現在の段階を把握することはできない。
継続的操作演出の開始時点においては、発光部65は白色に発光している(初期発光態様=白色である)(図4(b)参照)。継続的操作演出にて全く操作がなされなければ発光部65は白色で発光したままとなる。当該白色で発光した段階を一つの段階(0段階)とみなせば、演出要素の段階としては計四つが設定されているということである。なお、本実施形態では、後述する限界段階として「0段階」が設定されることはない(ただし、限界段階として「0段階」が設定されうる構成とすることを否定するわけではない)。また、上述した通り、操作手段60が操作されることを契機として発光部65が現在の段階に対応した発光色で一時的に発光するが、当該対応した発光色で発光していないときには(操作間では)白色で発光するものとする(ただし、全く発光しないようにしてもよい)。
このように段階的に変化するものであれば演出要素は適宜設定可能である。ただし、本実施形態のように「隠れ操作演出(隠れボタン演出)」とするのであれば、あまり目立たない演出要素とすることが好ましい。例えば、表示領域911に表示される画像を演出要素として設定するのは、当該観点からいえば(「隠れ操作演出」とした意味が薄れてしまうという点で)あまり好ましくないといえる。
継続的操作演出が発生する対象報知演出に対応する当否抽選結果に基づく抽選(以下、段階抽選と称することもある)により限界段階が定められる。限界段階は、継続的操作演出にて到達しうる最高(限界)の段階である。本実施形態では、限界段階に到達していない段階(以下、未達段階と称することもある)において、操作有効期間中の操作を契機として演出要素の段階を進行させるか否かの抽選(進行抽選)が実行される。当該進行抽選に当選することを契機として演出要素の段階が進行する。限界段階に到達した後は、当該進行抽選が実行されない(または進行抽選に当選する確率が0とされる)ため、それ以上段階が進行しない。進行抽選の当選確率は適宜設定することができるが、操作有効期間中に十分な操作がなされれば(操作有効期間中を通じて継続的に連続操作がなされれば)、ほとんどのケースにおいて限界段階まで到達する(進行抽選に漏れ続けることで限界段階まで到達しない可能性はあるが、そのような状況が発生する確率は極めて低い)ような設定とされる。限界段階が第1段階であれば、操作有効期間中にどれだけの操作がなされたとしても第2段階や第3段階に到達することはない。限界段階が第2段階であれば、操作有効期間中にどれだけの操作がなされたとしても第3段階に到達することはない。未達段階で操作有効期間が終了すれば、当該未達段階で継続的操作演出は終了する。つまり、限界段階に到達せずに継続的操作演出が終了することもある。
上述した通り、継続的操作演出においては、操作手段60が操作されることを契機として発光部65が現在の段階に対応した発光色で一時的に発光する。つまり、未達段階にて操作手段60が操作されたときには、発光部65が当該段階に対応した発光色で一時的に発光するとともに上記進行抽選が実行されることとなる。一方、限界段階にて操作手段60が操作されたときには発光部65が限界段階に対応した発光色で一時的に発光するものの、進行抽選は実行されない。
なお、出力された場合に対象当否抽選結果が大当たりとなることが確定する演出要素が設定されてもよい。例えば、発光部65が虹色(レインボー)で発光した場合には大当たりとなることが確定する。ただし、特に明示した場合を除き、上記限界段階には、当該大当たり確定の演出要素が出力される段階を含まないものとする。つまり、上述した第1段階(青)、第2段階(緑)、第3段階(赤)は、いずれも対象当否抽選結果が大当たりとなることもあれば、はずれとなることもある限界段階である。
限界段階は、次のように設定される(段階抽選は次のような関係を満たすものとされる)。限界段階が高いほど、事後演出が発生する蓋然性(発展確率)が高くなるように設定される(図7(a)参照)。つまり、限界段階がN段階である場合よりも、M段階(N<Mである)である場合の方が、事後演出が発生する蓋然性が高い。換言すれば、事前演出が継続結末となる蓋然性が高いということである。上述した通り、事前演出が継続結末となる場合の方が、継続結末とならない場合よりも大当たり信頼度は高いのであるから、基本的には、限界段階の高さは大当たり信頼度を示唆するものであるともいえる。
一方、限界段階が低いほど、事後演出が発生したときにおける対象当否抽選結果大当たりとなる蓋然性(発展時信頼度)は高い(図7(b)参照)。上述したNおよびM(N<Mである)の関係でいえば、限界段階がN段階である場合の方が、M段階である場合よりも、事後演出が発生したときにおける対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性が高い。つまり、限界段階は高いほど事後演出に移行する蓋然性は高いが、事後演出に移行すると仮定した場合における事後有利結末に至る蓋然性は限界段階が低いほど高い。
なお、本実施形態では、第1段階、第2段階、第3段階が上記のような関係を満たすものであるが、一部の段階のみ上記のような関係を満たすものであってもよい。例えば、第1段階と第3段階が上記のような関係を満たすもの(上記N=1、M=3である)であってもよい(以下の説明においても同じ)。
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、事後演出に移行するという点(事後演出に移行するかどうか分からない状態)においては限界段階は高いことが好ましいといえるが、事後演出に移行したと仮定した場合においては限界段階は低いことが好ましいという斬新かつ面白みのある継続的操作演出を実行することが可能である。
上記継続的操作演出(事前演出、事後演出)に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例を以下に示す。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例にて説明する事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○第一具体例
限界段階が最も低い段階であるときに事後演出が発生したときには、対象当否抽選結果が当たりとなることが確定する設定とする。上記実施形態に即していえば、限界段階が第1段階とされた場合に、事前演出が継続結末に至り、事後演出が発生した場合には、当該事後演出の結末が事後有利結末となることが確定する設定とする。
本例のようにすることで、事後演出に移行する蓋然性が最も低い状況を乗り越えた場合には大当たりが確定するという面白みのある遊技性が実現される。
○第二具体例
限界段階が高いほど、事後演出が発生しなかったときにおける、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(未発展時信頼度)が高い設定とする(図7(c)参照)。つまり、限界段階がN段階である場合よりも、限界段階がM段階(N<Mである)である場合の方が、事後演出が発生しなかったときにおける、大当たり信頼度が高い設定とする。
上記実施形態にて説明した通り、限界段階が高いほど、事後演出が発生する蓋然性が高い。つまり、限界段階が高いほど、事後演出が発生せずに事前演出にて対象当否抽選結果が示される状況に至る蓋然性は低い(限界段階が高いほど、事後演出が発生しないことは「レア」な事象となる)。それを踏まえ、事後演出が発生する確率が高い状況で事後演出が発生しなかった場合ほど、事前演出が事前有利結末に至る蓋然性が高い設定とする。つまり、事後演出が発生しないことが「レア」である場合ほど、実際に事後演出が発生しなかった場合には遊技者に有利な結末に至る蓋然性が高い設定とする。
事前演出が継続結末に至り事後演出に移行することは基本的には遊技者にとって有利な事象とされている。したがって、限界段階が高いほど事後演出に移行することに遊技者は期待することになり、事後演出に移行しなかった場合には遊技者は落胆する。それを踏まえ、事後演出に移行することが期待できる状況であるほど、事後演出に移行しなかった場合に事前演出が事前有利結末に至る蓋然性が高くなるようにすることで、(事後演出に移行しなかったことによる)落胆と(対象当否抽選結果が大当たりとなったときの)喜びの差を大きなものとすることができる。
○第三具体例(第二具体例をさらに具体化した例)
限界段階が最も高い段階であるときに事後演出が発生しなかったときには、対象当否抽選結果が大当たりとなることが確定する設定とする。上記実施形態に即していえば、限界段階が第3段階とされた場合に、事前演出が継続結末に至らなかった場合には、事前演出の結末が事前有利結末となることが確定する設定とする。
本例のようにすることで、事後演出に移行する蓋然性が最も高い状況であったにも関わらず事後演出に移行しないという極めてレアな状況が発生した場合には大当たりが確定するという面白みのある遊技性が実現される。
○第四具体例
上記実施形態における継続的操作演出は遊技者に対して操作手段60の操作が促されるものではないこと(隠れ操作演出であること)を説明したが、遊技者に対して操作手段60の操作が促されるものとしてもよい。つまり、継続的操作演出中に、操作手段60を操作すべき状況であること(操作手段60の操作が演出に反映されること)を遊技者が把握できるような表示がなされるものとする。併せて操作有効期間の経過(操作有効期間の残り)を示すような表示(メータ等の表示)がなされるようにしてもよい。ただし、隠れ操作演出は、「知る人ぞ知る」演出として機能するものあるから、当該隠れ操作演出の限界段階について上記のような隠れた「法則」を設定することと親和性が高いといえる。
○第五具体例
上記実施形態にて説明した通り、限界段階は、対象当否抽選結果を踏まえて内部的に決定されるものであり、遊技者が把握できるものではない。例えば、継続的操作演出にて十分な操作がなされなければ(特に、全く操作がなされなければ)内部的に決定された限界段階は不明である。したがって、限界段階について上記のような法則を設けたとしても、限界段階が把握できない(予測できない)がゆえにその作用が有効に発現されないおそれがある。このようなおそれを懸念するのであれば、例えば以下のような構成とすることが考えられる。
未達段階にて操作手段60が所定回数操作された場合には、必ず次段階に移行するものとする。換言すれば、ある段階にて操作手段60が所定回数操作されたにも関わらず次段階への移行が発生しなかった場合には、当該ある段階が限界段階であることが確定するものとする。例えば、所定回数=10であり、限界段階が第2段階に設定されたとする。第1段階(未達段階)にて1~9回目の操作まで進行抽選に当選せず、10回目の操作がなされた場合には、第2段階への移行が発生する(図8(a)(b-1)参照)。一方、限界段階が第1段階に設定されている場合には、第1段階においては10回の操作がなされても第2段階への移行は発生しない(図8(a)(b-2)参照)。つまり、ある段階において10回の操作がなされても次段階に移行しない場合には、当該ある段階が限界段階であるものとする。このようにすることで、未達段階にはあるが進行抽選に漏れ続けて次段階に移行しないのか、限界段階に到達したから移行しないのかの目安を遊技者が得ることができる。つまり、遊技者が限界段階を予測しやすくなる。
また、限界段階に到達した後、所定条件を満たしたときに当該限界段階に到達したことの示唆がなされるようにすることも考えられる。上記実施形態にて説明したように、操作手段60が操作されることを契機として発光部65が現在の段階に対応した発光色で一時的に発光することを基本態様とする。一方、限界段階に到達し、所定条件を満たしたときには、当該限界段階に対応する発光色で発光部65が発光し続ける(操作手段60の操作がなくても発光が維持される)ものとする。例えば、限界段階に到達した後、10回の操作手段60の操作がなされることを所定条件の成立とする。限界段階が第2段階に設定された場合において、当該第2段階に移行した後、1~9回目の操作までは、操作を契機として発光部65が一時的に緑色に発光するものとし(図9(a)(b)参照)、10回目の操作がなされて以降は発光部65が緑色に発光し続けるものとする(図9(c)(d)参照)。このようにすることで、遊技者が限界段階に到達したかどうかを把握することが可能となる。
3)特定操作演出
以下、特定操作演出(上述した継続的操作演出と区別するため「特定」の文言を付す)について説明する。特定操作演出は、リーチ数演出が発生した後発生するものであるから、まずはリーチ数演出について説明する。
リーチ数演出は、スーパーリーチ演出の一種として発生しうるものである。リーチは、三つの装飾図柄群10gのうちの二つから選択された装飾図柄10が同じ種類のものとなる態様をいう。本実施形態では、左装飾図柄群10gLから選択された一の左装飾図柄10Lと、右装飾図柄群10gRから選択された一の右装飾図柄10Rが同じ種類のものとなることがリーチとして設定されている。
リーチ数演出は、最終的に成立するリーチの数(リーチ数)がいくつになるかを決める演出である。リーチ数演出が発生した場合、最終的なリーチ数は1~3のいずれかとなる。本実施形態では、リーチ数演出にて煽り演出(図10(a)(c)(e)参照)が実行される。煽り演出は、リーチ数が増加しそうな(リーチが成立しそうな)状況であることを示した上で、リーチ数が増加する(リーチが成立する)増加結末または維持結末の一方に至るものである。一回のリーチ数演出において、煽り演出は計三回発生する。つまり、成立しうる最大のリーチ数(3)と同じ数発生する。全ての煽り演出が増加結末に至った場合、最終的なリーチ数=3となる。二回の煽り演出が増加結末に至り一回の煽り演出が維持結末に至った場合(図10に示した例に相当する)、最終的なリーチ数=2となる。一回の煽り演出が増加結末に至り二回の煽り演出が維持結末に至った場合、最終的なリーチ数=1となる。本実施形態では、リーチ数演出が発生した場合、最低でも一つのリーチは成立する設定とされている。つまり、少なくとも一回の煽り演出は増加結末に至る。
煽り演出の具体的な態様は種々考えられる。リーチが成立しそうな状況であることを遊技者が感じられる態様であればよい。本実施形態では、左装飾図柄群10gLから選択された一の左装飾図柄10Lと右装飾図柄群10gRから選択された一の右装飾図柄10R(左装飾図柄10Lと同じ種類の図柄)が表示領域911の左側および右側に停止しそうな状況であることが示された上で(図10(a)(c)(e)参照)、そのまま停止した場合がリーチ成立(増加結末)(図10(b)(f)参照)、停止しなかった場合がリーチ不成立(維持結末)(図10(d)参照)とされている。増加結末となって成立したリーチは、表示領域911の上側に表示される(図10(c)以降参照)。そのため、リーチ数演出の途中時点において、既に成立したリーチ(リーチ数)を把握することができる。本実施形態では、リーチ数演出の最後に、成立したリーチ数を示す表示(リーチ数=1であれば「シングルリーチ」、リーチ数=2であれば「ダブルリーチ」、リーチ数=3であれば「トリプルリーチ」の表示)がなされる(図10(g)参照)。
リーチ数演出の後、特定操作演出が発生する。リーチ数演出と特定操作演出は一続きの演出である(遊技者には、リーチ数演出と特定操作演出とを含む一連のスーパーリーチ演出のようにみえる)。つまり、リーチ数演出と特定操作演出とは同じ当否抽選結果を報知する報知演出中に発生する(以下、リーチ数演出および特定操作演出の説明において、当該当否抽選結果を対象当否抽選結果と、当該報知演出を対象報知演出と称することもある)特定操作演出は、遊技者に対し操作手段60の操作を促す演出である。特定操作演出は、遊技者に対し、「単発操作」(本実施形態のような押ボタンであれば一回押すこと)を促す演出である(以下、特定操作演出の説明において、単に操作というときは単発操作を指すものとする)。ここで、遊技者に促される操作(単発操作)の最大回数(以下、最大操作回数と称することもある。当該最大操作回数の詳細については後述する)は、先に発生したリーチ数演出にて成立したリーチ数と同じである。つまり、リーチ数=3であれば最大操作回数3回、リーチ数2であれば最大操作回数2回、リーチ数1であれば最大操作回数1回となる。
特定操作演出の結末として、成功結末(図11(b-2)(c-2)参照)および失敗結末(図11(c-1)参照)が設定されている。本実施形態における特定操作演出は、その結末により対象当否抽選結果を示すものでもある。すなわち、対象当否抽選結果が大当たりである場合には成功結末に至り、はずれである場合には失敗結末に至る。上記最大操作回数(すなわちリーチ数演出にて成立したリーチ数)は、特定操作演出が成功結末に至る蓋然性、すなわち対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性(大当たり信頼度)を示唆するものである。本実施形態では、最大操作回数が多いほど、成功結末に至る蓋然性は高い。
対象当否抽選結果が大当たりである場合、特定操作演出における操作手段60の操作を契機として成功結末に至る(大当たりであることが示される)。成功結末に至った場合には、リーチ数演出にて成立したいずれかのリーチを構成する装飾図柄10の三つ揃いが表示される。図示しないが、最大操作回数が1回である場合には、当該1回の操作を契機として成功結末に至る。
図11に示すように、最大操作回数が2回である場合には、1回目の操作または2回目の操作を契機として成功結末に至る。1回目の操作を契機として成功結末に至る場合(図11(b-2)参照)には、2回目の操作は不要となる(2回目の操作がなされたとしてもそれは演出として反映されない)。1回目の操作を契機として成功結末に至らない場合(図11(b-1)参照)には、2回目の操作を契機として成功結末に至る(図11(c-2)参照)。
図示しないが、最大操作回数が3回である場合には、1回目の操作、2回目の操作、または3回目の操作を契機として成功結末に至る。1回目の操作を契機として成功結末に至る場合には、2回目、3回目の操作は不要となる(2回目、3回目の操作がなされたとしてもそれは演出として反映されない)。1回目の操作を契機として成功結末に至らず、2回目の操作を契機として成功結末に至る場合には、3回目の操作は不要となる。2回目の操作を契機として成功結末に至らない場合には、3回目の操作を契機として成功結末に至る。
このように、最大操作回数が2以上とされた場合において、最大操作回数となる操作以外の操作においては、成功結末とならない場合にはそのまま演出が継続する。成功結末となる場合にはそれ以降の操作は不要となる(演出に反映されない)。
対象当否抽選結果がはずれである場合、特定操作演出にて操作手段60の操作が何回なされたとしても(最大操作回数が何回であっても)成功結末に至ることはない。本実施形態では、最後の操作を契機として失敗結末に至るように設定されている。図示しないが、最大操作回数が1回である場合には、1回目の操作を契機として失敗結末に至る。図11に示すように、最大操作回数が2回である場合には、2回目の操作を契機として失敗結末に至る(図11(c-1)参照)。図示しないが、最大操作回数が3回である場合には、3回目の操作を契機として失敗結末に至る。つまり、対象当否抽選結果がはずれである場合には、最大操作回数分の操作機会が付与されることになる。
まとめると、最大操作回数は、特定操作演出にて遊技者に与えられる可能性がある操作手段60の操作機会(演出に反映される可能性がある操作の機会)の最大数である。対象当否抽選結果が大当たりとなる場合であって、最後の操作を契機として成功結末に至るケース以外のケースにて、最大操作回数未満の操作回数である可能性がある(それ以外のケースは最大操作回数分の操作機会が付与される)。与えられる操作機会は、成功結末に至るための「チャンス」であるといえるため、当該チャンスの回数が多いほど、成功結末に至る蓋然性が高い設定とされている。
本実施形態では、特定操作演出にて設定される操作有効期間(操作手段60の操作が演出に反映されうる期間)は、最大操作回数が何回であっても一続きの期間(連続する期間)とされている。つまり、最大操作回数が2以上である場合に、各操作に対応する分離した操作有効期間が設定されるわけではない。特定操作演出においては、遊技者に対し操作手段60を操作すべき状況であることを示す操作画像50とともに、操作有効期間の経過(残り)を示すためのメータ画像51が表示される(図11(a)(b-1)参照)。
本実施形態における上記画像の態様は次のようなものである。操作画像50は、操作手段60の少なくとも一部を模した部分を含む画像である。操作手段60を表したものであることが遊技者に把握できる程度の改変(簡略化等)が加えられたものとしてもよい。操作有効期間の開始時点においては、最大操作回数分の操作画像50が表示される。つまり、最大操作回数が1回である場合には一の操作画像50(図12(a)参照)が表示されるが、2回以上である場合には二以上の操作画像50(これら二以上の操作画像50をひとまとまりとして複合操作画像50Cと称することもある)(図12(b)(c)参照)が表示されることになる。本実施形態では、操作手段60は押ボタンであるところ、複合操作画像50Cは当該押ボタンが上下に積み重ねられたような態様とされる(本実施形態では、三次元的に表示される)。換言すれば、複合操作画像50Cは、各操作画像50が所定方向(本実施形態では上下方向)に沿って並ぶ(所定方向に沿って整列する)ように表示されたものであるといえる(左端、右端が上下に揃っている)。上下に積み重ねられているため、一番上に表示される操作画像50以外の操作画像50は、それよりも上にある操作画像50やメータ画像51に覆われて一部が見えないような態様とされる。
メータ画像51は、操作画像50に対応づけられて設けられる。本実施形態では、操作画像50の下側縁に沿うように設けられる(図12参照)。操作画像50の数とメータ画像51の数は一致する。つまり、最大操作回数と同じ数のメータ画像51が表示される。二以上の操作画像50が表示される(複合操作画像50Cが表示される)場合、上から、操作画像50とメータ画像51が交互に並ぶように表示される表示される(図12(b)(c)参照)。メータ画像51は、操作画像50と同様に、所定方向(本実施形態では上下方向)に沿って並ぶ(所定方向に沿って整列する)ように表示されたものであるといえる(左端、右端が上下に揃っている)。
操作有効期間の経過とともに、メータ画像51のメータ部分が減少する。上述した通り、最大操作回数が何回であっても操作有効期間は一の連続する期間である。二以上のメータ画像51が表示される場合(最大操作回数が2回以上である場合)には、各メータ画像51のメータ部分の減少の変化態様は一致する。つまり、メータ部分の一方側端部(本実施形態では左側端部)が、上下に揃うようにしてメータ部分が減少する(左側端部が上下に揃うようにして右側に変位する)(図11(a)、図12参照)。このようにすることで、二以上の操作機会が与えられていることだけでなく、二以上の操作は一の連続する操作有効期間中に行わなければならないことが遊技者に示唆される。なお、本実施形態では、最大操作回数によらず操作有効期間の長さは一定である。このようにすることで、最大操作回数によらず、特定操作演出に要する時間を変化させずに済む(特定操作演出に要する時間一定とすることが容易になる)。ただし、最大操作回数に応じて操作有効期間が異なる(最大操作回数が多いほど操作有効期間が長くなる)設定としてもよい。この場合には、操作有効期間が長いほど、上記メータの減少速度が小さくなるようにすればよい。
最大操作回数が2回以上である場合、すなわち複合操作画像50Cが表示される場合には、操作有効期間中に成功結末に至らない操作がなされることを契機として、当該複合操作画像50Cが含む一つの操作画像50の態様が変化する。例えば、最大操作回数が2回である場合には、二つの操作画像50を含む複合操作画像50Cが表示される(図11(a)参照)。操作有効期間中の1回目の操作(成功結末に至らない操作)がなされることを契機として、複合操作画像50Cのうちの一番上の操作画像50の態様が変化する(その他の操作画像50の態様は維持される)。これにより、一回の操作機会が「消化(消費)」されたことを分かりやすく示すことが可能である。上記操作画像50の態様の変化としては種々考えられる(操作機会が消化されたことを遊技者が感じるような態様の変化であればよい)。例えば、対応する操作画像50が消去される(画像が消去されることも態様変化に含まれるものとする)(図11(a)→(b-1)の変化を参照)ことや、カラーで表示されていた操作画像50がモノクロ(白黒)に変化するような態様を挙げることができる。対応する操作画像50の変化に合わせてメータ画像51も変化するようにすればよい。対応する操作画像50が消去される構成とするのであれば、それに付随した一のメータ画像51が消去されるようにするとよい(図11(a)→(b-1)の変化を参照)。対応する操作画像50がカラーからモノクロに変化するのであれば、それに合わせてメータ画像51もカラーからモノクロに変化するようにすればよい。
本実施形態における特定操作演出では、成功結末に至らず、かつ、最大操作回数の操作がなされる前に操作有効期間が終了した場合には、それを契機として結末(成功結末および失敗結末の一方)に移行することになる。一般的な操作演出とは異なり、操作有効期間の終了時点で二以上の操作機会が残存していた場合であっても、当該操作機会が一気に消化されることになる。例えば、最大操作回数が3回である場合において、成功結末に至らずに操作有効期間中になされた操作が0回または1回である状態で操作有効期間の終了時点に到達した場合には、最大で残り2回であった操作機会が当該終了時点到達で一気に消化されることになる。対象当否抽選結果が大当たりである場合には操作有効期間の終了時点到達を契機として成功結末に至り、はずれである場合には操作有効期間の終了時点到達を契機として失敗結末に至る。
以上の通り、本実施形態における特定操作演出は、それよりも前に実行されるリーチ数演出にて成立したリーチ数が多くなるほど、最大操作回数が多くなるという、分かりやすくかつ面白みあるものである。本実施形態のようにリーチ数=最大操作回数とすることで、より分かりやすいものとなる。
上記特定操作演出(リーチ数演出)に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例を以下に示す。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例にて説明する事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○第一具体例
リーチ数演出にて成立するリーチを構成する装飾図柄10の種類が同じである設定とする。つまり、二以上のリーチが成立する場合においても、当該二以上のリーチのそれぞれを構成する装飾図柄10の種類が互いに同じである設定とする。つまり、リーチ数演出にて演出の対象となる装飾図柄10(対象装飾図柄10T)は一種類とされる。煽り演出にて示される装飾図柄10も同じである。例えば、「6」の装飾図柄10が対象装飾図柄10Tとされるのであれば、当該「6」の装飾図柄10での煽り演出(図13(a)(c)(e)参照)が複数回発生することとなる。
本例のようにする場合、成立したリーチをそのまま表示するのではなく、対象装飾図柄10Tにリーチ数を表す文字(数字)を含む画像(数画像55)を付して示されるようにするとよい。例えばリーチ成立1回(リーチ数=1)のときには「×1」の数画像55(図13(c)参照)が、リーチ成立2回(リーチ数=2)のときには「×2」の数画像55(図13(e)参照)が、リーチ成立3回(リーチ数=3)のときには「×3」の数画像55(図13(g)参照)が表示されるものとする(リーチ数=1のときに「×1」は表示されなくてもよい)。煽り演出が増加結末に至ることを契機として当該数画像55の数字が1増加することになる。同じ種類の装飾図柄10によるリーチが一または二以上成立するのであるから、このような数画像55が表示されるようにした方が、リーチ数がより分かりやすい。
一般的に、大当たりを報知する装飾図柄10の種類は大当たりの種類を示すものであるから、いずれの種類の装飾図柄10により大当たりが報知されるかは、遊技者が享受する利益を左右するものである。つまり、装飾図柄10は遊技者の利益を左右する「価値要素」を含むものである。例えば、偶数の装飾図柄10にて大当たりが報知された場合は大当たり遊技終了後の遊技状態が低確率状態であり、奇数の装飾図柄10にて大当たりが報知された場合は大当たり遊技終了後の遊技状態が確変状態であるといった設定とした場合は、数字の偶奇が「価値要素」に相当することになる。
このように各種の装飾図柄10に価値要素が設定された構成とする場合、上記実施形態のようにリーチ数演出にて異なる種類の装飾図柄10による二以上のリーチが成立しうる設定とすれば、大当たりとなるときであってもどの種類の装飾図柄10により大当たりが報知されるか分からないという遊技性が実現される。一方、本例のように対象装飾図柄10T(一種の装飾図柄10)によるリーチが構成されることが決まっている設定とすれば、二以上のリーチが成立する場合であっても、大当たりとなるときには対象装飾図柄10Tにより大当たりが報知されることが決まっており、一連の演出が分かりやすいという利点がある。
また、特定操作演出は、リーチ数の数に応じた操作機会(最大操作回数)が付与されるものであるところ、本例のようにすることで「ある種の装飾図柄10(対象装飾図柄10T)のリーチ一つ」が「一回の操作機会」に置き換わっているという印象をより高めることが可能となる。
○第二具体例(第一具体例をさらに具体化した例)
第一具体例にて説明したように、リーチ数演出にて二以上のリーチが成立する場合であっても、各リーチを構成する装飾図柄10の種類が同じである(対象装飾図柄10Tである)設定とする。その場合において、対象装飾図柄10Tの種類により、リーチ数演出にて成立するリーチ数が示唆されるものとする。例えば、「7」の装飾図柄10が対象装飾図柄10Tとされた(「7」の装飾図柄10による煽り演出が発生する)場合の方が、それ以外のいずれかの種類の装飾図柄が対象図柄とされた(「7」以外の装飾図柄10による煽り演出が発生する)場合よりも、リーチ数演出にて成立するリーチ数の期待値が高い(リーチ数が多くなりやすい)ものとする。換言すれば、「7」の装飾図柄10が対象装飾図柄10Tとされた場合の方が、それ以外のいずれかの種類の装飾図柄10が対象装飾図柄10Tとされた場合よりも、各煽り演出が増加結末に至る蓋然性が高いといえる(図14参照)。
このようにすることで、遊技者は、リーチ数演出にて対象となる装飾図柄10の種類にも注目することになる。また、リーチ数=最大操作回数であり、当該リーチ数が多くなるほど大当たり信頼度が高い設定であるから、対象となる装飾図柄10の種類に応じて信頼度が異なる(上記例でいえば、「7」の装飾図柄10が他の装飾図柄10よりも信頼度が高い)という遊技性を実現することが可能である。
○第三具体例
上記実施形態とは異なり、リーチ数演出が発生した時点で既に一つのリーチが成立した状態にある設定としてもよい。つまり、リーチ(以下、通常リーチと称する)が成立した後、リーチ数演出が実行されることとなって、当該リーチ数演出にて煽り演出が計二回実行されることとする(リーチ数演出にて成立しうる最大のリーチ数=3とする場合)。二回の煽り演出とも増加結末に至った場合、最終的なリーチ数=3となる。一回の煽り演出が増加結末に至り一回の煽り演出が維持結末に至った場合、最終的なリーチ数=2となる。二回の煽り演出とも維持結末に至った場合、最終的なリーチ数=1となる。このように、リーチ数演出が発生した時点においては、既に通常リーチ分がリーチ数にカウントされているものとする。
また、このような設定とする場合、特定の種類の装飾図柄10による通常リーチが成立した場合に限り、リーチ数演出が発生しうる設定としてもよい。例えば、「7」の通常リーチが成立した場合に限りリーチ数演出が発生する可能性があり、それ以外の装飾図柄10による通常リーチが成立した場合にはリーチ数演出が発生しない設定とする。このようにすることで、通常リーチ成立時の装飾図柄10の種類に注目することとなる遊技性が実現される。
○第四具体例
上記実施形態では、リーチ数演出が発生した場合、少なくとも一つのリーチが成立すること(リーチ数=1~3となること)を説明したが、リーチが全く成立しないケースが発生しうるものとしてもよい。つまり、煽り演出が全て増加結末に至らず、リーチ演出が終了するパターンである。リーチが全く成立しない場合には、特定操作演出は発生せず、当否抽選結果がはずれであることが確定するものとする。
○第五具体例
上記実施形態では、リーチ数演出にて煽り演出が3回(成立しうる最大のリーチ数と同じ回数)発生することを説明したが、当該煽り演出の発生回数は適宜変更可能である。例えば、一回の煽り演出にて、成立するリーチ数が決まる設定としてもよい。
また、一のリーチ数演出にて発生する煽り演出の回数が不定であるものとしてもよい。この場合には、発生する煽り演出の回数が多いほど、最終的に成立するリーチ数の期待値が大きくなる設定にするとよい。
○第六具体例
上記の通り、特定操作演出においては、最大操作回数分の操作機会が与えられる可能性がある。当該操作機会が減少したこと(消化されたこと)がリーチを表す表示(装飾図柄10)を用いて示されるものとする。
例えば、リーチ数演出にて三つのリーチが成立して特定操作演出(最大操作回数3回)に移行したとする。特定操作演出の開始時点においては、当該三つのリーチ(リーチを構成する装飾図柄10)が表示されている(図15(a)参照)。操作有効期間中に1回目の操作がなされることを契機としては成功結末に至らなかったとする。その場合には、三つのリーチのうちの一つが「消化(消費)」されたかのような表示がなされる。例えば、三つのうちのリーチの一つが消去されたり、三つのリーチのうちの一つ(当該リーチを表す装飾図柄10)に「×」が付されたりする(図15(b)参照)。2回目の操作を契機として成功結末に至らなかった場合には、もう一つのリーチについても同様の事象が発生する(図15(c)参照)。このように、成功結末に至らない操作がなされることを契機として、表示されている二以上のリーチのうちの一つに態様の変化(消去されることも態様の変化であるとする)が生じる。
リーチ数演出にて成立したリーチは、特定操作演出にて付与される操作機会と対応関係にある。つまり、リーチの成立は、操作手段60を「操作する権利」に相当するものであるといえる。よって、当該「操作する権利」が消費されたことを、対応するリーチを消去させること等によって示す。このようにすることで、リーチの成立と、操作機会の付与がリンクしているということがより明確に示されることとなる。
上記第一具体例として説明した数画像55により成立したリーチ数が示される場合には、成功結末に至らない操作がなされることを契機として、当該数画像55の数字が減少するようにすればよい。数画像55として「×3」が表示されている(図16(a)参照)ときに成功結末に至らない操作がなされることを契機として、当該数画像55が「×2」に変化する(図16(b)参照)処理がなされ、数画像55として「×2」が表示されている(図16(b)参照)ときに成功結末に至らない操作がなされることを契機として、当該数画像55が「×1」に変化する(図16(c)参照)処理がなされるようにする。
○第七具体例
特定操作演出にて表示される操作画像50の態様により、対応する操作を契機として成功結末に至る蓋然性が示唆されるものとする。例えば、操作画像50の態様として青色を呈するものと、赤色を呈するものが設定されており、そのいずれかが操作画像50として表示されるものとする。操作画像50が青である場合よりも赤である場合の方が、対応する操作を契機として成功結末に至る蓋然性が高い設定とする。
最大操作回数が2回以上である場合、複合操作画像50Cが表示される。当該複合操作画像50Cは二以上の操作画像50を含む。当該複合操作画像50Cが含むある操作画像50と別の操作画像50の態様が異なる場合がある設定とする。例えば、図17に示すように、二つの操作画像50を含む複合操作画像50Cについて、1回目の操作に対応する操作画像50が青であり、2回目の操作に対応する操作画像50が赤であるといったケースが生じ得るものとする。これにより、1回目の操作にて成功結末に蓋然性よりも、2回目の操作にて成功結末に至る蓋然性の方が高いこと(2回目の操作の方が期待できること)が示される。
○第八具体例
上記実施形態では、リーチ数演出にて成立したリーチ数と、特定操作演出の最大操作回数が一致するという設定であることを説明したが、一致しない設定としてもよい。リーチ数が多くなるほど最大操作回数が多くなるという設定であればよい。例えば、「リーチ数-1=最大操作回数」である設定としてもよい。
○第九具体例
上記実施形態では、特定操作演出における最大操作回数が多くなるほど成功結末に至る(対象当否抽選結果が大当たりとなる)蓋然性が高いことを説明したが、特定の操作回数が最も当該蓋然性が高い設定としてもよい。例えば、最大操作回数=2回、最大操作回数=3回、最大操作回数=1回の順で成功結末に至る蓋然性が高い(最大操作回数=1回が最も高い)といった設定としてもよい。
○第十具体例
最大操作回数に至る操作よりも前の操作において、その後の展開が示唆される構成とする。例えば、最大操作回数=3回に設定された構成において、1回目の操作や2回目の操作で結末(成功結末)に至らない場合、当該1回目の操作や2回目の操作で成功結末に至る蓋然性が高まったことを示唆する演出(いわゆるチャンスアップ演出)が発生するものとする。つまり、1回目の操作および2回目の操作の少なくともいずれか一方を契機としてチャンスアップ演出が発生した場合の方が、チャンスアップ演出が発生しなかった場合よりも成功結末に至る蓋然性が高い設定とされる。また、1回目の操作および2回目の操作の両方でチャンスアップ演出が発生した場合(二回のチャンスアップ演出が発生した場合)の方が、一方のみでチャンスアップ演出が発生した場合(一回のチャンスアップ演出が発生した場合)よりも成功結末に至る蓋然性が高い設定とされてもよい。
チャンスアップ演出としては、操作手段60が振動する(バイブする)ことが例示できる(このような振動する操作手段自体は公知であるため説明を省略する)。つまり、最大操作回数に至る操作よりも前の操作手段60の操作を契機として当該操作手段60が振動することがチャンスアップ演出として発生する。なお、当該振動は、所定時間で終了するものとしてもよいし、結末に至るまで継続するものとしてもよい。
また、これ以外にも、操作手段60の操作を契機として表示領域911に所定の画像(チャンスアップ画像)が表示されることをチャンスアップ演出として設定することが考えられる。
さらに、複数種類のチャンスアップ演出を設定し、ある種類のチャンスアップ演出が発生した場合よりも、別の種類のチャンスアップ演出が発生した場合の方が、成功結末に至る蓋然性が高いという設定としてもよい。つまり、チャンスアップ演出の種類(内容)により、成功結末に至る蓋然性の高低が示唆されるものとしてもよい。
4)図柄演出
本実施形態にかかる遊技機1は、当否抽選結果を報知する報知演出の一部として、装飾図柄10を利用した図柄演出(以下、図柄演出の説明において、当該当否抽選結果を対象当否抽選結果と、当該報知演出を対象報知演出と称することもある)を実行することが可能である。本実施形態では、図柄演出中は「○○チャンス」(図柄演出を指す名称)が表示領域911に表示される(図18、図19参照)。
図柄演出は、表示領域911に表示される複数の装飾図柄10(本実施形態では、左装飾図柄群10gLから選択された左装飾図柄10L、右装飾図柄群10gRから選択された右装飾図柄10R、中選択図柄群から選択された中装飾図柄10Cの三つ)の組み合わせが特定組み合わせとなる可能性がある単位演出が複数回発生する。各単位演出の結果として、特定組み合わせが構築される成立結果(図18(c)、図19(b-1)参照)、特定組み合わせが構築されない(特定組み合わせではない組み合わせを非特定組み合わせと称することもある)不成立結果(図18(g)、図19(b-2)参照)が設定されている。なお、特定組み合わせや非特定組み合わせが表示された時点では、各装飾図柄10は完全に停止しておらず疑似停止(わずかに揺れているような態様を例示することができる)した状態にある。なお、大当たり当選と勘違いしてしまうことを防止するため、単位演出の結果(特定組み合わせ、非特定組み合わせ)として同じ種類の装飾図柄10の三つ揃いは表示されない。また、本実施形態における図柄演出の各単位演出は、左装飾図柄10L、右装飾図柄10R、中装飾図柄10Cの順で示される(図18(a)~(c)、(e)~(g)参照)こととなるが、「リーチ」が成立したと勘違いすることのないよう、左装飾図柄10Lと右装飾図柄10Rが同じ種類の図柄とならないようにしている。
特定組み合わせは、いわゆる「チャンス目」である(非特定組み合わせは「非チャンス目」である)。特定組み合わせは、種々の観点から設定することができる。本実施形態における図柄演出では、三つの装飾図柄10が全て「奇数の数字」を含む図柄となることが特定組み合わせ(図18(c)、図19(b-1)参照)とされている。それ以外の組み合わせは非特定組み合わせ(図18(g)、図19(b-2)参照)となる。その他の例としては、各装飾図柄10が「色」の要素を含むものとし(二種以上の色のうちのいずれかが各装飾図柄10の色として設定される)、三つの装飾図柄10が全て同色の図柄となることが特定組み合わせ(三つの装飾図柄10のうちのある図柄と他の図柄が異なる色となることが非特定組み合わせ)として設定されたものとしてもよい。
図柄演出においては、上記単位演出が複数回発生する。本実施形態では、予め定められた上限回数(後述する規定回数以上の回数である)単位演出が発生する。上限回数は、特定組み合わせが構築されるチャンス(の機会)の数とみることもできる。本実施形態では上限回数=5回に設定されている。
図柄演出の後、発展演出(対象報知演出の一部を構成する演出である)が発生する可能性がある。その条件は、図柄演出にて特定組み合わせが構成された回数(成立結果となった回数。以下単に成立回数と称することもある)が規定回数に到達することである。本実施形態では、規定回数=3回に設定されている。つまり、図柄演出にて成立回数が3回となった場合(図19(b-1)に示す状態等に至った場合)には、発展演出が発生する。これとは逆に、単位演出の発生回数が上限回数に到達した時点で成立回数が3回に到達していない場合(図19(b-2)に示す状態等に至った場合)には発展演出が発生しない。本実施形態では、発展演出が発生する場合には対象当否抽選結果が大当たりとなる可能性があり、発展演出が発生しない場合には対象当否抽選結果がはずれであることが確定する。つまり、図柄演出から発展演出に移行することは、遊技者にとって有利な事象とされている。
発展演出の具体的態様は適宜設定可能であるから詳細な説明は省略する。本実施形態における発展演出は、その結末により当否抽選結果を示すいわゆる(スーパー)リーチ演出の一種である。対象当否抽選結果が大当たりである場合には発展演出の結末が遊技者に有利な結末に至り、はずれである場合には発展演出の結末が遊技者に不利な結末に至る。本実施形態にかかる発展演出は、味方キャラクタと敵キャラクタが戦うバトル演出である。味方キャラクタが勝利する結末が遊技者に有利な結末であり、味方キャラクタが敗北する(敵キャラクタが勝利する)結末が遊技者に不利な結末である。
本実施形態では、図柄演出の後発生しうる発展演出として、複数種類の演出が設定されている。図柄演出後には、複数種類の発展演出のうちのいずれか一つが発生する。本実施形態では、第一発展演出~第三発展演出の三種類が設定されている。各発展演出は、互いに異なる特徴(モチーフ等)を有するものとされる。本実施形態では、登場する味方キャラクタがそれぞれ異なるものとされる。第一発展演出(図20(a)の右側参照)は味方キャラクタX(味X)が、第二発展演出(図20(b)の右側参照)は味方キャラクタY(味Y)が、第三発展演出(図20(c)の右側参照)は味方キャラクタZ(味Z)が登場するものとされる。つまり、各発展演出は、少なくとも、登場する味方キャラクタ(発展演出の演出要素)が異なるという点において相違する(互いに区別できる)ものである。なお、本実施形態では第一発展演出、第二発展演出、第三発展演出の順で、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性((大当たり)信頼度)が高いものとされている(第三発展演出が最も信頼度が高い)。
図柄演出では、特定組み合わせが構成される(成立結果となる)度に、その後発生しうる発展演出を示唆する画像(示唆画像40)が表示される(図18(d)、図19(c-1)参照)。規定回数=3回であるから、一の図柄演出にて最大三回の示唆画像40が表示される可能性がある。示唆画像40は、図柄演出の後発生しうる発展演出を示唆するものとされる。本実施形態における示唆画像40は、図柄演出の後発生しうる発展演出に登場する味方キャラクタを示唆するものとされる。すなわち、図柄演出の後、第一発展演出が発生する可能性を示唆するのであれば味方キャラクタXの一部が示唆画像40(第一示唆画像401)とされる(図18、図19に示した演出は第一示唆画像401が表示されるものである)。図柄演出の後、第二発展演出が発生する可能性を示唆するのであれば味方キャラクタYの一部が示唆画像40(第二示唆画像402)とされる。図柄演出の後、第三発展演出が発生する可能性を示唆するのであれば味方キャラクタZの一部が示唆画像40(第三示唆画像403)とされる。このような示唆画像40(第一示唆画像401~第三示唆画像403のいずれか)を見た遊技者は、図柄演出の後発生する発展演出の種類を予測することが可能となる。発展演出毎の信頼度の差を知っている遊技者であれば、第一示唆画像401が表示された場合よりも第二示唆画像402が表示された場合の方が、第二示唆画像402が表示された場合よりも第三示唆画像403が表示された場合の方が、発展演出に移行して大当たりが報知されることに期待することになる。なお、本実施形態では、同じ図柄演出(一連の図柄演出)においては、異なる種類の示唆画像40は表示されない。
上記の通り、一の図柄演出においては、最大で三つの示唆画像40が表示される可能性がある。各示唆画像40は、対応する味方キャラクタの一部を表したものとされる。三つの示唆画像40が表示されることで、対応する味方キャラクタを表したことが理解できるような画像(発展画像41)が完成する(図19(c-1)参照)。つまり、ある図柄演出において、第一示唆画像401が三つ表示されることで味方キャラクタXを表した第一発展画像411(図19(c-1)、図20(a)の左側参照)が完成して第一発展演出(図20(a)の右側参照)に移行する。以下同様に、第二示唆画像402が三つ表示されることで味方キャラクタYを表した第二発展画像412(図20(b)の左側参照)が完成して第二発展演出(図20(b)の右側参照)に移行する。第三示唆画像403が三つ表示されることで味方キャラクタZを表した第三発展画像413(図20(c)の左側参照)が完成して第三発展演出(図20(c)の左側参照)に移行する。なお、発展画像41は、三つの示唆画像40が連続する(つながっている)状態とされることが好ましいが、全体が把握できるのであれば互いに分離した状態にあってもよい。
図柄演出において、上限回数の単位演出が発生した結果、三つの示唆画像40が表示されなかった場合(成立結果が三回発生しなかった場合)(図19(c-2)の参照)には、発展画像41が完成せず、当該示唆画像40が示唆する発展演出に移行しない。
このように、本実施形態における図柄演出は、特定組み合わせが構築されることが規定回数発生することを発展演出移行の条件とした上で、特定組み合わせが構築される度に発展演出を示唆する示唆画像40が表示されるものであるから、演出(図柄演出および発展演出を含めた一連の演出)の流れが分かりやすいものとなる。
また、規定回数と同数の示唆画像40が表示されることで、発展演出に移行することを示す(移行する発展演出の種類を示す)発展画像41が完成するように設定されているから、図柄演出と発展演出の関係がより分かりやすいものとなる。
上記図柄演出(発展演出)に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例を以下に示す。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例にて説明する事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○第一具体例
上記実施形態では、図柄演出の後発生しうる発展演出が複数種類設定されていることを説明したが、一種類のみであってもよい。つまり、特定組み合わせが構築される度に当該一種類の発展演出を示唆する示唆画像40が表示される構成とする。ただし、上記実施形態のように図柄演出が発生した時点(示唆画像40が表示されていない時点)では、いずれの発展演出に移行する可能性があるのか把握することができず、示唆画像40が表示されてはじめて移行する可能性がある発展演出(信頼度が高い発展演出に移行するのかどうか等)を把握できる構成とすることで、示唆画像40が表示されることに対する遊技者の注目の度合を高めることが可能となる。
○第二具体例
一回目の特定組み合わせが構築されること(図21(c)参照)が図柄演出移行(図21(d)参照)の契機とする。つまり、上記実施形態のように、図柄演出に移行した後、特定組み合わせが構築される可能性が生じるのではなく、図柄演出に移行した時点で既に一回目の特定組み合わせが構築されている設定とする。この場合、図柄演出に移行した時点で一の示唆画像40(一回目の特定組み合わせが構築されたことに伴う示唆画像40)が表示されていることになる(図21(d)参照)。上記実施形態のように、三つの示唆画像40が表示されて発展画像41が完成することが発展演出に移行する条件とするのであれば、図柄演出に移行した後、単位演出が上限回数に至るよりも前に、二回の特定組み合わせが構築された場合に発展演出に移行することになる。
本例のようにすることで、特定組み合わせが構築されてはじめて(示唆画像40が表示されてはじめて)図柄演出に移行することになるため、図柄演出が開始された時点で、当該図柄演出がどのような演出であるか予測がしやすい。
また、本例のようにする場合、一回目の特定組み合わせが構築される報知演出(先の報知演出)と、図柄演出が発生する報知演出(対象報知演出)を別のものとすることができる。つまり、一回目の特定組み合わせにより、先の報知演出に対応する先の当否抽選結果がはずれであることが報知された(図21(c)の特定組み合わせは、先の当否抽選結果がはずれであることを示す組み合わせでもある。当否抽選結果を示すものであるから、図21(c)の時点において各装飾図柄10は完全に停止している)上で、対象報知演出に移行して図柄演出が発生する(図21(d)参照)ものとすることができる。この場合、先の報知演出は、対象報知演出についてのいわゆる先読み演出として機能するといえる。ただし、図21(a)~(c)が、対象報知演出(図柄演出を含む報知演出)の一部として発生するような構成とすることを否定するわけではない。
○第三具体例
特定組み合わせとして、複数種類の組み合わせが設定されている構成とする。例えば、「奇数」の数字を有する装飾図柄10から構成される第一特定組み合わせ(上記実施形態にて説明した特定組み合わせ)(図22(a)参照)と、「偶数」の数字を有する装飾図柄10から構成される第二特定組み合わせ(図22(b)参照)が設定されているとする。
そして、図柄演出として、第一特定組み合わせとなる可能性がある単位演出が発生する第一図柄演出と、第二特定組み合わせとなる可能性がある単位演出が発生する第二図柄演出とが設定されているとする。第一図柄演出は、第一特定組み合わせが構築されることが成功結果(新たな示唆画像40が表示される結果)として設定されたもの(第二特定組み合わせが構築されることは成功結果ではないもの)である。第二図柄演出は、第二特定組み合わせが構築されることが成功結果(新たな示唆画像40が表示される結果)として設定されたもの(第一特定組み合わせが構築されることは成功結果ではないもの)である。
このような構成であることを前提とし、第一図柄演出と、第二図柄演出とでは、上限回数(特定組み合わせが構築されるチャンスの機会の回数)が異なる設定とする。例えば、第一図柄演出の方が、第二図柄演出よりも、上限回数が多い設定とする(図22参照)。当該上限回数が相対的に多い第一図柄演出の方が、相対的に少ない第二図柄演出よりも発展演出が発生する蓋然性(規定回数の特定組み合わせが構築される蓋然性)が高い設定とすることが好ましい。つまり、特定組み合わせが構築される「チャンスの機会」が多いほど、特定組み合わせが構築された回数が規定回数に到達しやすい設定とする。
本例のようにすることで、特定組み合わせがどのような態様のものとなるかにも遊技者が注目する演出形態とすることができる。
図柄演出(第一図柄演出、第二図柄演出)が発生した段階で、特定組み合わせとなる組み合わせが示される構成としてもよい。例えば、第一図柄演出であれば「奇数揃いでチャンス」(図22(a)参照)、第二図柄演出であれば「偶数揃いでチャンス」(図22(b)参照)といった表示がなされるようにする。このようにすることで、特定組み合わせが示されるよりも前の段階で、どのような組み合わせが特定組み合わせであるのか(第一図柄演出であるのか、第二図柄演出であるのか)を遊技者が把握することができる。
また、本例のような構成とすることを前提とし、第二具体例にて説明したような構成を採用したとすれば、次のような利点がある。第二具体例にて説明した構成とする場合、一回目の特定組み合わせが構築されることを契機として図柄演出に移行することになる。当該一回目の特定組み合わせが第一特定組み合わせ(図23(a-1)参照)であれば第一図柄演出(図23(a-2)参照)が、第二特定組み合わせ(図23(b-1)参照)であれば第二図柄演出(図23(b-2)参照)が発生するものとする。つまり、図柄演出が発生する時点で、当該図柄演出の種類(第一特定組み合わせが構築される演出なのか、第二特定組み合わせが構築される演出なのか)が把握できる。ひいでは、図柄演出が開始される時点で、上限回数(上限回数が多い方の演出なのか、少ない方の演出なのか)が把握できる。
図23のような構成とする場合、第一特定組み合わせが構築されて移行した第一図柄演出の方が、第二特定組み合わせが構築されて移行した第二図柄演出よりも、大当たり信頼度の高い示唆画像40が表示されやすい設定とすることも考えられる。つまり、第二特定組み合わせよりも第一特定組み合わせの方が有利であることが、示唆画像40の種類(発展する可能性がある発展演出の種類)に反映されるようにする。
○第四具体例
図柄演出にて、一回の特定組み合わせが構築されることを契機として、二以上の示唆画像40が表示されることもある設定とする。例えば、特定組み合わせとして、装飾図柄10の数字が左から順に並ぶ「順目組み合わせ」(特定組み合わせA)(図24(a-1)参照)、右から順に並ぶ「逆順目組み合わせ」(特定組み合わせB)(図24(b-1)参照)が設定されているとする。一の図柄演出においては、順目組み合わせおよび逆順目組み合わせのいずれも成立しうるとする。
順目組み合わせが構築された場合(図24(a-1)参照)には、それを契機として一の示唆画像40が表示されるものとする(図24(a-2)参照)。一方、逆順目組み合わせが構築された場合(図24(b-1)参照)には、それを契機として二の示唆画像40が表示されるものとする(図24(b-2)参照)。上記実施形態のように、三つの示唆画像40が表示されることで発展画像41が完成して発展演出に移行する設定とするのであれば、逆順目組み合わせが構築されることは、順目組み合わせが構築されることよりも、遊技者にとって有利な事象であるといえる。
このようにすることで、単位演出が成立結果に至る場合であっても、表示される示唆画像40の数が異なる(二以上の示唆画像40が表示されることもある)という遊技性が実現される。表示される示唆画像40の数と特定組み合わせの種類(特定組み合わせA、特定組み合わせB)を対応づけたものとすれば、特定組み合わせの種類に遊技者は注目することになる。
本例のようにする場合、一回の特定組み合わせが構築されることを契機として、発展画像41を構成する全ての示唆画像40(上記実施形態に即していえば三つの示唆画像40)が一気に表示されることがある設定としてもよい。このようにすることで、最後の単位演出まで全く示唆画像40が表示されていなくても、最後の単位演出で一気に発展画像41が完成する可能性もある設定とすることができる。
○第五具体例
上記実施形態では、図柄演出にて、特定組み合わせが構築されることが規定回数発生し、それと同数の同じ種類の示唆画像40が表示されることで発展演出に移行することを説明したが、特定組み合わせが構築されても同じ種類の示唆画像40が表示されるとは限らない設定とする。
例えば、二つの第一示唆画像401が表示された(図25(a)参照)後、特定組み合わせが構築されて(図25(b)参照)新たな示唆画像40が表示されるとする。当該新たに表示される示唆画像40が第一示唆画像401であれば第一発展画像411が完成し(図25(c-1)参照)、第一発展演出に移行する。一方、当該新たに表示される示唆画像40が第二示唆画像402や第三示唆画像403である可能性もあり、この場合には第一発展画像411が完成しない(図25(c-2)参照)から、発展演出には移行しないこととなる。つまり、既に一以上の示唆画像40が表示された状態で特定組み合わせが構築されたとき、無条件に既に表示された示唆画像40と同じ種類の示唆画像40が表示されるのではなく、別の種類の示唆画像40が表示されることもある設定とする。別の種類の示唆画像40が表示されたときには、発展画像41が完成しないことになるから、発展演出には移行しない(はずれであることが確定する)ものとする。このようにすることで、特定組み合わせが構築されたときに、同じ種類の示唆画像40が表示されるかどうかにも注目することとなる演出形態とすることができる。
なお、別の種類の示唆画像40が表示されても、単位演出の発生回数が上限回数に至っていない場合には、発展演出に移行する可能性がある設定としてもよい。つまり、単位演出の発生回数が上限回数に至るまで単位演出が繰り返され、同じ種類の示唆画像40が規定回数(上記実施形態に即していえば3回)表示される(別の種類の示唆画像40が表示されることは当該規定回数に含まれないようにする)ことで発展演出に移行する設定としてもよい。
5)装飾演出
本実施形態にかかる遊技機1は、装飾部材30を用いた装飾演出を実行することが可能である。装飾演出は、報知演出の一部を構成するものである(以下の装飾演出の説明にて、装飾演出が発生する報知演出を対象報知演出と、対象報知演出に対応する当否抽選結果を対象当否抽選結果と称することもある)。なお、装飾演出を説明するための図および図1以外においては、装飾図柄30の図示を省略する。装飾演出は、対象当否抽選結果を示唆する演出として発生する。
装飾部材30は、表示領域911に臨むように所定位置に固定された有体物(いわゆる役物)である(図1参照)。本実施形態では、表示領域911の右側に固定されている。所定の範囲を動作するものであってもよいが、装飾部材30が上記所定位置に位置した状態で装飾演出が実行される。本実施形態における装飾部材30は「爆弾」のような形状(「爆弾」の一部が見切れたような形状)を呈するものとされる。
装飾部材30は、その態様を変化させることが可能なものである。本実施形態における装飾部材30は、内部に発光体(図示せず)を有し、当該発光体から出射される光が遊技者に視認できる構成とされている。当該発光体の発光色を変化させることにより、装飾部材30の態様(見た目)が変化する(装飾部材30の外面を構成する材料は光透過性を有する)。装飾演出を説明する各図においては、当該発光色を「文字」で表す。上記発光体は、常態においては発光していない(各図において「文字」が付されていない装飾部材30は、発光体が発光していない状態を表す)。
装飾演出(図26参照)では、表示領域911に演出画像35が表示される(図26(b)参照)。本実施形態における演出画像35は、装飾部材30から延びるような線状の画像である。正面視で装飾部材30と演出画像35は連続するように表示される。上述した通り、装飾部材30は「爆弾」を呈するものであるところ、演出画像35は当該爆弾の「導火線」を呈する画像とされる。
装飾演出の開始時点においては、演出画像35は初期形態にある。詳細を後述するように、装飾演出が経過するにつれて演出画像35は次第に小さくなる(短くなる)ように変化するから、初期形態にある演出画像35は、変化前の一番大きい(長い)状態にあるといえる。
「導火線」を表した演出画像35の先端(装飾部材30側とは反対側の端部をいう)に、「着火」されるような演出が発生する。本実施形態では、表示領域911に表示されるキャラクタが導火線の先端に着火するような演出が発生する(図26(c)参照)。当該演出が発生することを契機として演出画像35の変化がはじまる。具体的には、演出画像35が装飾部材30側に向かって小さくなるように変化していく(図26(d)参照)。つまり「導火線」が短くなっていく変化が起こる。本実施形態では、当該短くなっていく速度は一定とされる。つまり、演出画像35の変化が開始されてから、単位時間あたりの演出画像35の変化量は一定である。
本実施形態では、演出画像35の初期形態(導火線の長さ)は、装飾演出の度に変化しうる。上記の通り、演出画像35の変化速度は一定であるから、初期形態が大きい(長い)ほど、初期形態から最終形態に至るまでの時間が長くなるという演出態様となる。つまり、初期形態の長短により、最終形態に至るまでの時間の長短が示唆されることになる。ただし、演出画像35の初期形態が一定である構成とすることを否定するわけではない。
上記演出画像35の変化が開始された後、当該演出画像35が最終形態に至る(図26(e)参照)ことを契機として装飾部材30の態様が変化する。本実施形態では、小さくなる演出画像35が全く表示されなくなる(大きさ(長さ)が0となる)ことを契機として装飾部材30の態様が変化する(すなわち上記「最終形態」には演出画像35が表示されない態様も含むものとする)。ただし、装飾部材30の大きさが所定の長さ(きわめて小さい(短い)状態)に至った状態が最終形態とされたものとしてもよい。
演出画像35が最終形態に至ることを契機として爆発が起きたかのような画像(タイムアップ画像38)が表示領域911に表示された(図26(f)参照)上で、装飾部材30(発光体)が非発光状態(常態)から発光状態に態様変化する(図26(g)参照)。つまり、「爆弾」が爆発した結果、その態様が変化したかのような演出とされる。装飾部材30(発光体)は、「青」、「緑」、「赤」のいずれかの発光色で発光する。「青」で発光した場合よりも「緑」で発光した場合の方が、「緑」で発光した場合よりも「赤」で発光した場合の方が、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性が高い設定とされる。つまり、態様変化後の装飾部材30により、大当たり信頼度が示唆される。
このように、本実施形態における装飾演出は、初期形態にある演出画像35が装飾部材30側に小さくなっていく表示がなされた上で、当該演出画像35が最終形態に至ることを契機として装飾部材30の態様変化という事象(イベント)が発生するものである。当該装飾部材30の態様変化が起こるタイミングは、演出形態の変化によるものであるから、おおよそ予測できる(カウントダウンされる時間が表示され、当該時間がタイムアップした時点でイベントが発生するような演出よりも予測しづらい)という演出効果が奏される。
なお、本実施形態における演出画像35は曲線状であるから、タイムアップ時点がより予測しづらいといえる。ただし、演出画像35を直線状とすることを否定するわけではない。
上記装飾演出に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例を以下に示す。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例にて説明する事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○第一具体例
上記実施形態では、装飾部材30の態様変化により対象当否抽選結果の大当たり信頼度が示唆されるものであることを説明したが、装飾部材30の態様変化により示唆、報知等できる事象であればそれに限られるものではない。例えば、装飾部材30の内部に文字等を表示することができる表示器(図示せず)を設け、当該文字によりこれから発生する事象(イベント)を予告する構成とすることが考えられる。当該イベント(文字)としては、「リーチ」の文字が表示されることでこれからリーチが発生することを予告したり、「NEXT」の文字が表示されることでこれから疑似連続演出(疑似連)が発生することを予告したり(疑似連続演出は周知であるから説明を省略する)、「当」の文字が表示されることで対象当否抽選結果が大当たりであることを予告したりすることが考えられる(図27(a)参照)。
これらのイベントは、発生することが遊技者にとって有利なものであることが好ましい。ただし、各イベントは、発生したときにおける遊技者の利益(対象当否抽選結果の大当たり信頼度)が異なるものとすることが好ましい。例えば、リーチが発生することよりも、疑似連続演出が発生することの方が、対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性が高い設定とする。これにより、より有利なイベントが発生することに遊技者は注目することになる。
また、少なくとも一部のイベントは、対象報知演出が所定時点を過ぎた結果発生する可能性がなくなるものである。例えば、演出部材が最終形態に到達するよりも前に対象報知演出にて「リーチ」が成立した後は、既にリーチが成立しているのであるから装飾演出により「リーチ」の発生が予告される可能性はなくなる(リーチが発生した時点で、装飾演出として発生が予告されうる候補のうちの一つが発生する可能性がなくなる)(図27(b)参照)。そのため、演出画像35が最終形態に到達するタイミング(装飾部材30の態様変化が起こるタイミング)が極めて重要となる。上述した通り、本実施形態では、当該タイミングは演出形態の変化によるものであるから、イベントが発生するタイミングが時間(カウントダウン)により示されるような演出よりも予測がしづらく、面白みがあるということがいえる。
○第二具体例
演出画像35の変化が途中で停止し、最終形態まで到達しないことが生じうる装飾演出とする。演出画像35が最終形態まで至らなければ装飾部材30の態様変化(イベント)が生じない。上記第一具体例にて説明したように、装飾部材30の態様変化により発生が予告されるイベントが遊技者にとって有利な事象であれば、演出画像35が最終形態に至ることは遊技者にとって好ましい状況であるといえるところ、演出画像35が最終形態に至らずに装飾演出が終了してしまう(イベントの予告がなされない)ケースが生じうるものとする。このような構成とすることで、装飾演出が発生したときには、とりあえずは演出画像35が最終形態に至ることを遊技者が願うという遊技性が実現される。なお、演出画像35が最終形態に至らない場合には、対象当否抽選結果がはずれであることが確定する設定としてもよい。
本例のようにする場合、演出画像35の変化が停止してしまうかもしれないことを示唆する演出が発生するようにしてもよい。当該演出の結果が維持結果に至れば演出画像35の変化が停止せず、停止結果に至れば演出画像35の変化が停止するものとする。上記実施形態のように、演出画像35が「導火線」であるとすれば、導火線の火を消す(消火する)のではないかというキャラクタが登場し(図28(a)参照)、当該キャラクタが消化できないことが維持結果(図28(b-1)参照)と、消化することが停止結果(図28(b-2)参照)として設定された演出とすることが考えられる。演出画像35が最終形態に至ることは遊技者にとって望ましいイベントが発生することにつながるから、停止結果に至るよりも維持結果に至る方が遊技者にとって有利な結果であるといえる。
○第三具体例
演出画像35が最終形態に至ったとしても、装飾部材30の態様変化が生じないケースが生じうるものとする。つまり、装飾演出として、演出画像35が最終形態に至る(図29(b)参照)ことを契機として装飾部材30の態様が変化するというイベントが発生する結末(発生結末)に至る(図29(c-1)参照)こともあれば、演出画像35が最終形態に至っても装飾部材30の態様が変化しない、すなわちイベントが発生しない(非発生結末)こと(図29(c-2)参照)もある設定とする。上記イベントの発生が遊技者にとって有利な事象であるとすれば、発生結末の方が非発生結末よりも遊技者にとって有利な装飾演出の結末であるといえる。
本例のようにする場合、演出画像35の態様により発生結末に至る蓋然性が示唆されるものとしてもよい。例えば、演出画像35として、白色を呈する演出画像35(導火線)および赤色を呈する演出画像35(導火線)のいずれかが表示される(図29(a)参照)ものとし、前者が表示された場合よりも後者が表示された場合の方が、演出画像35が最終形態に至ったときに発生結末となる蓋然性が高い設定とする。このようにすることで、演出画像35の態様にも遊技者が注目する遊技性が実現される。
○第四具体例
上記実施形態では、演出画像35の変化速度(装飾部材30側に向かって小さくなっていく速度)が一定であることを説明したが、当該変化速度が変化しうる構成としてもよい。この場合、装飾演出中に変化しうる構成(構成1)としてもよいし、装飾演出中は一定であるが、装飾演出毎に異なる構成(構成2)としてもよい。
構成1のように、装飾演出中に変化速度が変わりうる設定であれば、演出画像35が最終形態に至るタイミングが極めて予測しづらくなるという作用が奏される。なお、構成1とする場合、変化速度が0となる設定としてもよいし、変化速度が0となることはない設定としてもよい。前者のようにすれば、変化速度が0となりうるのであるから、最終形態に至るタイミングが全く予測できなくなるという作用が奏される。一方、後者のようにすれば、変化速度が0となることはない(常に変化はしている)のであるから、前者のようにするよりも最終形態に至るタイミングは予測しやすいといえる。
構成2のように、装飾演出中には変化速度は変わらない設定とするのであれば、装飾演出における演出画像35の変化速度から最終形態に至るタイミングをおおよそ予測することができるという作用が奏される。加えて、新たな装飾演出の発生の度に変化速度は異なりうるのであるから、演出画像35の初期形態が同じであっても、当該初期形態から最終形態に至るまでの時間は装飾演出毎に異なりうるものとすることができる。
○第五具体例
演出画像35が表示されるよりも前に、装飾部材30の態様が常態(図30(a)参照)とは異なる態様(演出前態様)に変化する(図30(b)参照)ものとする。このようにすることで、演出画像35が表示される前の段階から、装飾演出が発生する可能性があることを遊技者は知ることができる。なお、演出前態様は、装飾演出の結果として実行される装飾部材30の態様(上記実施形態に即していえば、「青」、「緑」、「赤」の態様)のいずれとも異なるものとされる。例えば、常態において非発光状態にある装飾部材30が、「白」で発光することが演出前態様として設定される(図30(b)参照)。なお、本例のようにする場合、装飾演出が開始された後(演出画像35が表示された後)、演出画像35が最終形態に到達するまでの段階においては、装飾部材30が演出前態様とされる構成としてもよいし、演出前態様とは異なる態様(例えば、一旦常態に戻る)構成としてもよい(図30に示した例は、最終形態に到達するまで演出前態様が維持される構成である(図30(b)~(d)参照))。
装飾部材30が演出前態様となったときには、その後装飾演出が発生することが確定する設定としてもよいし、装飾演出が発生するとは限らない設定としてもよい。前者のようにすれば、装飾部材30が演出前態様となることが装飾演出の「予告」として機能することになる。後者のようにすれば、装飾部材30が演出前態様となることが、装飾演出が発生する蓋然性が高まったことの示唆として機能することになる。なお、後者のようにする場合、装飾部材30が演出前態様になった後、装飾演出が発生せずに(演出画像35が表示されずに)、装飾部材30が常態に戻ることがあるものとすればよい。
○第六具体例(第五具体例をさらに具体化した例)
始動領域904に遊技球が進入することを契機として装飾部材30が常態から演出前態様に変化する(図31(a)→(b)参照)構成とする。具体的には、始動領域904に遊技球が進入することを契機として当否判定情報が取得されることになるところ、当該当否判定情報に対応する当否抽選結果を報知する報知演出にて装飾演出が発生すること(発生する蓋然性が高まったこと)を示唆するために、装飾部材30が演出前態様に変化するような構成とする。端的にいえば、対象当否抽選結果の基となる保留(当否抽選情報)が取得されることを契機として、当該対象当否抽選結果に関して装飾演出が発生することを示唆する装飾部材30の変化が発生するものとする。図31では、装飾部材30が演出前態様に変化する契機となった当否判定情報に対応する保留図柄70に「×」印を付してある(当該印は説明のために付したものであって実際に付されるものではない。ただし、対象の保留図柄70の態様を常態とは異なる態様に変化させて装飾演出の対象となる保留図柄70を明確にするものとしてもよい)。装飾演出は、当該保留図柄70が変動中保留図柄71となった報知演出にて発生することとなる(図31(c)参照)。
本例のようにする場合、装飾部材30が演出前態様となる契機となった当否判定情報が変動前保留情報である場合には、当該装飾部材30の演出前態様の変化は、いわゆる先読み演出(当該先読み演出自体は公知であるから説明を省略する)の一種である、始動入賞時先読み演出(始動領域904に遊技球が入賞(進入)することを契機として発生する先読み演出であって、当該入賞に基づく当否抽選結果を示唆する先読み演出)として機能することになる。つまり、対象報知演出よりも前に実行される報知演出にて(対象報知演出が開始されるよりも前に)、装飾部材30が演出前態様に変化して対象報知演出にて装飾演出が発生することの示唆がなされるのであるから、当該変化は始動入賞時先読み演出として機能するといえる。
○第七具体例
装飾演出が発生するよりも前に、事前演出が発生するものとする。当該事前演出は、表示領域911における装飾部材30側から次第に大きくなる事前画像39(図32(a)(b)参照)が表示されるものである。当該事前画像39は、最終的に初期形態の演出画像35(図32(c-1)参照)となりうるものである。上記実施形態に即していえば、導火線が装飾部材30である爆弾側から引き延ばされるような演出であるといえる。当該導火線を引き延ばすキャラクタ等が表示されるようにするとよい。仮に、(上記のような事前演出が起こらず)突発的に初期形態の演出画像35が表示されてしまうとすると、遊技者は何が起こったのかよく分からない状態となってしまうおそれがある。このような状態とならないために、上記のような事前演出が発生するものとして、装飾演出が発生することに対しての遊技者の理解を助けるようにするとよい。
本例のように構成する場合、事前画像39が表示された場合、必ず事前画像39が初期形態の演出画像35に至る(装飾演出が発生する)構成としてもよい。このようにすれば、事前画像39が表示されることは、装飾演出の予告として機能することになる。
一方、事前画像39が初期形態の演出画像35(初期形態と同じ大きさ(長さ))に至る場合(図32(c-1)参照)と、そうでない場合(図32(c-2)参照)とが発生しうるようにしてもよい。前者の場合は装飾演出が発生することとなるが、後者の場合は装飾演出が発生しない設定とする。つまり、事前画像39が初期形態の演出画像35に至ることが、装飾演出の発生の条件とされた設定とする。このようにすることで、事前画像39が初期形態の演出画像35に至り(初期形態の演出画像35となるまで引き延ばされ)、装飾演出が発生することになることを遊技者が願う遊技性が実現される。演出画像35を引き延ばす(大きくする)キャラクタ等の画像として複数種の候補のうちのいずれかが表示されるものとし、いずれの画像が表示されるかに応じて事前画像39が初期形態の演出画像35に至る蓋然性が示唆されるようにしてもよい。
6)図柄送り演出
本実施形態にかかる遊技機1は、装飾図柄10を用いた図柄送り演出を実行することが可能である。以下、当該図柄送り演出の詳細について説明する。図柄送り演出は、所定位置に表示される第一装飾図柄の種類が切り替わっていく(送られていく)ものである。本実施形態では、中装飾図柄10C(中装飾図柄群10gC)が第一装飾図柄(第一装飾図柄群)に対応づけられている。
図柄送り演出にて所定位置に表示される第一装飾図柄の種類が切り替わっていく際、第二装飾図柄が動作(アクション)する。具体的には、動作する第二装飾図柄が第一装飾図柄を移動させている(送っている)かのような演出形態とされる。本実施形態では、左装飾図柄10L(左装飾図柄群10gL)および右装飾図柄10R(右装飾図柄群10gR)が第二装飾図柄(第二装飾図柄群)に対応づけられている。
図柄送り演出は次のように進行する。左装飾図柄群10gLから一の左装飾図柄10Lが、右装飾図柄群10gRから一の右装飾図柄10Rが選択される(図33(a)(b)参照)。本実施形態における図柄送り演出は、リーチが成立したときに発生する(図柄送り演出がリーチ演出の一種であるともいえる)。つまり、左装飾図柄群10gLから選択された左装飾図柄10Lと、右装飾図柄群10gRから選択された右装飾図柄10Rとは同じ種類の図柄である(図33(b)参照)。リーチが成立した時点においては、中装飾図柄群10gCの変動速度は、個々の中装飾図柄10Cを把握できないほど高い。
その後、個々の中装飾図柄10Cを把握できる程度に中装飾図柄群10gCの変動速度が低下し、所定位置(左装飾図柄10Lと右装飾図柄10Rの間に存在する中装飾図柄10Cであることが把握できる位置であればよい)に一の中装飾図柄10Cが表示された状態になる(図33(c)参照)。つまり、所定位置の幅方向における一方側に左装飾図柄10Lが、他方側に右第二装飾図柄が表示された状態になる。ただし、図柄送り演出が実行されている最中に当該一の中装飾図柄10Cが完全に停止した状態にはならない(中装飾図柄群10gCが変動した状態は維持される)。換言すれば、一の中装飾図柄10Cが所定位置で疑似停止した状態にあるといえる。本実施形態では、最初に所定位置に疑似停止する一の中装飾図柄10Cは、リーチを構成する左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rとは異なる種類の図柄とされる。つまり、大当たりに当選したと遊技者が勘違いしてしまわないようにする。
そして、左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rが所定位置に表示された中装飾図柄10Cの方(表示領域911の中央側)に移動し、中装飾図柄10Cを下方に押し下げるような動作(以下、送り動作と称することもある)を一緒に行う(図33(d)参照)。当該送り動作に伴って中装飾図柄10Cが下方に移動し、新たな中装飾図柄10Cが所定位置に表示された(疑似停止した)状態になる(図33(e)参照)。端的にいえば、中装飾図柄10Cがコマ送りされる。本実施形態では、中装飾図柄群10gCにて中装飾図柄10Cは「数字」の順で変動する。そのため、所定位置にある中装飾図柄10Cが表示された状態で送り動作が発生することで、当該ある中装飾図柄10Cの次の順の中装飾図柄10Cが所定位置に表示された状態になる。これを繰り返す(図33(f)参照)ことで、所定位置に表示される中装飾図柄10Cの種類が「数字」の順で切り替わっていく。
最終的に、当該中装飾図柄10Cの図柄送りが停止し、最終的に所定位置に表示された中装飾図柄10Cの種類と、リーチを構成する左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rの種類とが同じとなった場合には大当たりとなる(図33(g-1)参照)。最終的に所定位置に表示された中装飾図柄10Cの種類が、リーチを構成する左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rの種類と異なるものとなった場合にははずれとなる(図33(g-2)参照)。また、本実施形態では、中装飾図柄10Cの図柄送りが停止しなかった(コマ送り数が所定数以上となった)場合には、スーパーリーチ演出に移行(発展)する(図33(g-3)参照)。
上記図柄送り演出に関する事項を改良、変形、具体化等した具体例を以下に示す。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例にて説明する事項を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
○第一具体例
第二装飾図柄である左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rが以下のような態様であるとする。上述した通り、左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄は、その種類を区別するための数字(以下、当該数字を含む部分を主要素部Mと称することもある)を有する(主要素部Mの数字が同じであれば同じ種類の図柄である)。主要素部Mは、数字以外の要素を含むものであってもよい(例えば、アルファベットの文字の一致、不一致により種類の異同が示されるものであってもよい)。加えて、当該主要素部Mに付随する副要素部Sを有する(図34参照)。本実施形態における副要素部SはキャラクタA~Gのいずれかを表した部分を含むものである。本実施形態における各キャラクタは、人物(アニメのキャラクタのような空想上の人物を含む)を表したものである。なお、同じキャラクタ(同じ対象)を表していると遊技者が把握可能な範囲で、各キャラクタの態様は変化しうるものとしてもよい。
主要素部Mと副要素部Sは所定の対応関係にある。本実施形態では、数字の「1」に「キャラクタA」が、数字の「2」に「キャラクタB」が、数字の「3」に「キャラクタC」が・・・数字の「7」に「キャラクタG」が対応づけられた関係にある(図34参照)。つまり、装飾図柄10の種類の変化に応じ、副要素部S(キャラクタ)の種類も変化するというものである。
なお、第一装飾図柄である中装飾図柄10Cは、主要素部Mおよび副要素部Sに相当する部分を有するものであってもよいし、主要素部Mに相当する部分を有するものの副要素部Sに相当する部分を有さないものとしてもよい(図面においては後者の態様で表す)。
図柄送り演出においては、左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10R(リーチを構成する装飾図柄10)の副要素部Sが一緒に動作するものとする。すなわち、副要素部Sとして表示される二つのキャラクタ(中装飾図柄10Cの幅方向両側に位置するキャラクタ)が、中装飾図柄10Cを下方に移動させるような送り動作を行う。図柄送り演出が実行されていないとき(図35(a)参照)には表示されない画像(図柄送り演出専用の専用画像20)が図柄送り演出にて加えられることで送り動作が実行される(図35(b)(c)参照)構成としてもよい。例えば、図柄送り演出にて左右のキャラクタが「バット」(専用画像20)を持ち、当該バットにより図柄送りがなされているかのように見える演出形態とすることが考えられる。
このように、第二装飾図柄(左装飾図柄群10gLおよび右装飾図柄群10gR)を、主要素部Mおよびそれに付随する副要素部Sを有するものとすることで、副要素部Sを利用してリアルな図柄送り動作が実行される図柄送り演出とすることができる。
○第二具体例(第一具体例をさらに具体化した例)
左装飾図柄10Lと右装飾図柄10Rが同じ種類となり、リーチが構成される場合であっても、左装飾図柄10Lの副要素部Sと右装飾図柄10Rの副要素部Sとが異なる対象(上記実施形態に即していえばキャラクタ)を表したものとなる構成とする。例えば、左装飾図柄10Lについては、上記第一具体例にて説明した通り、数字の「1」に「キャラクタA」が、数字の「2」に「キャラクタB」が、数字の「3」に「キャラクタC」が・・・数字の「7」に「キャラクタG」が対応づけられた関係とする(図36の上側参照)。一方、右装飾図柄10Rについては、数字の「1」に「キャラクタH」が、数字の「2」に「キャラクタI」が、数字の「3」に「キャラクタJ」が・・・数字の「7」に「キャラクタN」が対応づけられた関係とする(図36の下側参照)。このように、左装飾図柄10Lと右装飾図柄10Rの副要素部Sが全く重複しない設定とすることで、左装飾図柄10Lと右装飾図柄10Rの副要素部Sが同じ対象(キャラクタ)を表したものとなることはない。同じ種類の左装飾図柄10Lと右装飾図柄10Rが表示された場合(リーチが成立した場合)であっても、それぞれに対応づけられた副要素部S(キャラクタ)は異なるものとなる(図37(a)参照)。
図柄送り演出においては、所定位置に表示される中装飾図柄10Cを挟むように、一方側および他方側に異なる副要素部S(キャラクタ)が表示され、中装飾図柄10Cを下方に移動させるような送り動作を一緒に行うこととなる(図37(b)(c)参照)。
図柄送り演出では、左装飾図柄10Lの副要素部Sと右装飾図柄10Rの副要素部Sが一緒に動作するものであるから、当該副要素部S(キャラクタ)が同じであると遊技者が違和を感じてしまうおそれがある(同じキャラクタが同時期に表示されて一緒に動作することが現実離れしていると感じてしまうおそれがある)。このようなおそれを低減するのであれば、本例のように左装飾図柄10Lの副要素部Sと右装飾図柄10Rの副要素部Sが同じになることはない(リーチが構成されても異なる副要素部Sとなる)設定とすればよい。
○第三具体例(第一具体例をさらに具体化した例)
図柄送り演出にて、第一具体例にて説明した専用画像20が表示されるものとする。図柄送り演出にて表示されうる専用画像20として、複数種類の画像が設定されているとする。例えば、「バット」(図38(a-2)参照)、「テニスラケット」(図38(b-2)参照)、「ボクシンググローブ」(図38(c-2)参照)の三種類が設定されているとする。
図柄送り演出が発生する場合、第二装飾図柄(左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10R)の副要素部Sが、専用画像20を示唆する態様とされる。具体的には、図柄送りが発生するよりも前に副要素部Sとして表示されるキャラクタが野球の格好をしている場合(図38(a-1)参照)には送り動作の際の専用画像20として「バット」が表示され(図38(a-2)参照)、テニスの格好をしている場合(図38(b-1)参照)には送り動作の際の専用画像20として「テニスラケット」が表示され(図38(b-2)参照)、ボクシングの格好をしている場合(図38(c-1)参照)には送り動作の際の専用画像20として「ボクシンググローブ」が表示される(図38(c-2)参照)。左装飾図柄群10gLおよび右装飾図柄群10gRとして変動している最中から副要素部Sが上記の態様のいずれかとされ、左装飾図柄群10gLおよび右装飾図柄群10gRの変動が停止して一の左装飾図柄10Lおよび一の右装飾図柄10Rが選択された後、対応する専用画像20が表示されて送り動作が実行されるものとする。このように、中装飾図柄10Cを送るための画像が、事前に副要素部Sにより示唆されるものとする。
○第四具体例
上記実施形態では、左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rによりリーチが成立した場合に図柄送り演出が発生することを説明したが、リーチが成立しない場合に図柄送り演出が発生しうる構成としてもよい。例えば、いわゆるチャンス目が構築されるかどうかの演出として、図柄送り演出が発生するものとすることが考えられる(図39参照)。例えば、チャンス目が構築されることが連続演出(疑似連続演出、先読み連続演出)の発生を示す設定とすることが考えられる。つまり、チャンス目が構築されることは、既に取得されているいずれかの当否判定情報に基づく当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性が高まることであるから、遊技者にとって有利な事象の発生であるといえる。
左から装飾図柄10の数字が順に並ぶこと(順目となること)がチャンス目として設定された構成を想定する。左装飾図柄10Lと右装飾図柄10Rの関係が、「左装飾図柄10Lの数字+2=右装飾図柄10Rの数字」であるときにチャンス目成立の可能性がある(図39(a)参照)ことになる。この状態で、左装飾図柄10Lと右装飾図柄10Rが送り動作を行い(図39(b)(c)参照)、最終的に「左装飾図柄10Lの数字+1」(「右装飾図柄10Rの数字-1」)の図柄が中装飾図柄10Cとして表示された場合にチャンス目成立となり(図39(d-1)参照)、それ以外の図柄の場合にはチャンス目不成立となる(図39(d-2)参照)図柄送り演出が発生するものとする。
○第五具体例
上記実施形態では、送り動作を行う第二装飾図柄が左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rの二つであることを説明したが、一つの第二装飾図柄が送り動作を行うものとしてもよい。例えば、左装飾図柄10Lが中装飾図柄10Cを送る動作を行う(右装飾図柄10Rは行わない)ものとする(図40(b-1)(b-2)参照)。
また、左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rの二つが送り動作を行う(複合動作する)こともあれば、左装飾図柄10Lおよび右装飾図柄10Rの一方が送り動作を行う(単独動作する)こともある設定としてもよい。この場合、複合動作であれば中装飾図柄10Cが二コマ送られ(一回の送り動作で中装飾図柄10Cの数字が「2」増える)(図40(a-1)(a-2)参照)、単独動作であれば中装飾図柄10Cが一コマ送られる(一回の送り動作で中装飾図柄10Cの数字が「1」増える)(図40(b-1)(b-2)参照)といった演出形態とすることが考えられる。つまり、送り動作に作用する装飾図柄10の数が多い方が、送りコマ数が多い設定とする。一連の図柄送り演出において、複合動作が発生することもあれば、単独動作が発生することもある設定としてもよい。
7)以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態にかかる遊技機1はぱちんこ遊技機であるが、ぱちんこ遊技機特有の構成を前提とした点を除き、回胴式遊技機等のその他の遊技機にも適用可能である。
8)上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
・手段1-1
遊技者が操作可能な操作手段と、一の当否抽選結果を報知する報知演出を構成するものとして、遊技者が前記操作手段を連続操作または維持操作することで所定の演出要素が段階的に変化しうる操作演出、および、当該操作演出の後発生しうる事後演出を実行することが可能な演出実行手段と、を備え、前記当否抽選結果に基づいて、前記操作演出にて到達しうる前記演出要素の最高の段階である限界段階が定められ、前記限界段階がN段階である場合よりも、前記限界段階がM段階(ただし、N<Mである)である場合の方が、前記事後演出が発生する蓋然性が高くなるように設定されており、前記限界段階が前記N段階である場合の方が、前記限界段階が前記M段階である場合よりも、前記事後演出が発生したときにおける、前記当否抽選結果が当たりとなる蓋然性が高くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、事後演出に移行するかどうか分からない状態においては限界段階は高いことが好ましいといえるが、事後演出に移行したと仮定した場合においては限界段階は低いことが好ましいという面白みのある操作演出を実行することが可能である。
・手段1-2
前記限界段階が最も低い段階で前記事後演出が発生したときには、当否抽選結果が当たりとなることが確定することを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、事後演出に移行する期待が最も低い状態で事後演出に移行することが当たり確定として設定されているという面白みのある遊技性が実現される。
・手段1-3
前記限界段階が前記N段階である場合よりも、前記限界段階が前記M段階である場合の方が、前記事後演出が発生しなかったときにおける、前記当否抽選結果が当たりとなる蓋然性が高くなるように設定されていることを特徴とする手段1-1または手段1-2に記載の遊技機。
このようにすることで、事後演出に移行することが期待できる状態で事後演出に移行しなかったときには当たりに期待できるという面白みのある遊技性が実現される。
・手段1-4
前記限界段階が最も高い段階で前記事後演出が発生しなかったときには、当否抽選結果が当たりとなることが確定することを特徴とする手段1-3に記載の遊技機。
このようにすることで、事後演出に移行する期待が最も高い状態で事後演出に移行しないことが当たり確定として設定されているという面白みのある遊技性が実現される。
・手段1-5
前記操作演出は、遊技者に対して前記操作手段の操作が促されるものではないことを特徴とする手段1-1から手段1-4のいずれかに記載の遊技機。
上記操作演出をいわゆる隠れ操作演出とすることで、上記のような法則が設定されていることの面白みが増す。
・手段1-6
前記事後演出は、その結末の態様により、当否抽選結果が当たりであるか否かを示すリーチ演出であることを特徴とする手段1-1から手段1-5のいずれかに記載の遊技機。
・手段2-1
三つの装飾図柄から構成される図柄組み合わせが同じ種類のものからなる当たり組み合わせとすることで当否抽選結果が当たりであることが報知され、三つの前記装飾図柄のうちの二つが同じ種類となることがリーチとして設定された遊技機であって、遊技者が操作可能な操作手段と、遊技者に対し前記操作手段の操作を促す操作演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記操作演出は、当該操作演出の前に実行されるリーチ数演出にて成立した前記リーチの数であるリーチ数が多くなるほど、遊技者に対し促される前記操作手段の最大操作回数が多くなるものであることを特徴とする遊技機。
このようにすることで、成立したリーチの数が多くなるほど、最大操作回数(操作機会の数)が多くなるという面白みのある遊技性が実現される。
・手段2-2
前記リーチ数と前記最大操作回数は同じであることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このように、リーチ数と最大操作回数が一致する設定とすることで、リーチ数演出から操作演出に至る一連の演出が分かりやすくなる。
・手段2-3
当否抽選結果が当たりである場合には前記操作演出が遊技者に有利な成功結末に至るように設定されており、前記最大操作回数が多くなるほど、前記成功結末に至る蓋然性が高いことを特徴とする手段2-1または手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、「操作機会が多くなるほど、成功しやすい」という分かりやすい操作演出とすることができる。
・手段2-4
前記リーチ数演出は、前記リーチ数が増加しそうな状況であることを示した上で、前記リーチ数が増加する増加結末または増加しない維持結末の一方に至る煽り演出が実行されるものであることを特徴とする手段2-1から手段2-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、リーチ数演出を、リーチ数が増加する機会が与えられていることが把握される分かりやすい演出とすることができる。
・手段2-5
前記リーチ数演出にて前記リーチが二以上成立する場合、各リーチ構成する前記装飾図柄の種類が互いに同じであることを特徴とする手段2-1から手段2-4のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、リーチ数演出で成立したリーチ一つが、操作演出における一回の操作機会に置き換わっているという印象をより高めることが可能となる。
・手段2-6
前記リーチ数演出にてリーチを構成しうる前記装飾図柄としてある種類の前記装飾図柄が示された場合と、当該ある種類とは異なる種類の前記装飾図柄が示された場合とでは、前記リーチ数の期待値が異なることを特徴とする手段2-5に記載の遊技機。
このようにすることで、リーチを構成しうる装飾図柄の種類によりリーチ数が示唆されるという面白みのある遊技性が実現される。
・手段3-1
表示装置に表示される複数の装飾図柄の組み合わせが特定組み合わせとなる可能性がある単位演出が上限回数を限度として発生する図柄演出を実行する図柄演出実行手段と、前記図柄演出の後発生しうる発展演出を実行する発展演出実行手段と、を備え、前記図柄演出にて前記特定組み合わせが構成される度に、前記発展演出を示唆する示唆画像が表示されることを特徴とする遊技機。
上記遊技機における図柄演出は、特定組み合わせが構築される度に図柄演出後に発生しうる発展演出を示唆する示唆画像が表示されるものであるから、演出の流れが分かりやすいものとなる。
・手段3-2
前記図柄演出にて前記特定組み合わせが構成された回数が規定回数に到達した場合に前記発展演出が発生するように設定されていることを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
このようにすることで、発展演出が発生するための目安が明確になる。
・手段3-3
前記示唆画像が前記規定回数表示されることで発展画像が完成して前記発展演出に移行することを特徴とする手段3-2に記載の遊技機。
このように、規定回数と同数の示唆画像が表示されることで発展演出に移行することを示す発展画像が完成するようにすれば、図柄演出と発展演出の関係がより分かりやすいものとなる。
・手段3-4
前記特定組み合わせとして、第一特定組み合わせおよび第二特定組み合わせが設定されており、前記図柄演出にて、前記第一特定組み合わせとなる可能性がある前記単位演出が発生する場合と、前記第二特定組み合わせとなる可能性がある前記単位演出が発生する場合とでは、前記上限回数が異なることを特徴とする手段3-1から手段3-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、特定組み合わせの態様(第一特定組み合わせであるか第二特定組み合わせであるか)にも遊技者が注目する演出形態とすることができる。
・手段4-1
表示領域を有する表示装置と、有体物であり、その態様を変化させることが可能な装飾部材と、前記表示領域に表示される初期形態の演出画像が、前記装飾部材側に向かって小さくなるように変化していき、当該演出画像が最終形態に至ることを契機として前記装飾部材の態様が変化する装飾演出を実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、演出画像の変化により装飾部材の態様が変化するタイミングが示唆されるという面白みのある演出を実行することが可能である。
・手段4-2
前記演出画像が表示されるよりも前に、前記装飾部材の態様が常態とは異なる演出前態様となることを特徴とする手段4-1に記載の遊技機。
このようにすることで、装飾演出が発生することが事前に示唆され、分かりやすい演出態様となる。
・手段4-3
遊技球が進入することが当否抽選の契機となる始動領域を備え、前記始動領域に遊技球が進入することを契機として前記装飾部材が常態から前記演出前態様に変化することを特徴とする手段4-2に記載の遊技機。
このようにすることで、装飾演出をいわゆる始動入賞時先読み演出として機能させることが可能である。
・手段4-4
前記表示領域における前記装飾部材側から次第に大きくなる事前画像が表示され、最終的に前記初期形態の前記演出画像に至る事前演出が前記装飾演出よりも前に発生することを特徴とする手段4-1から手段4-3のいずれかに記載の遊技機。
装飾演出の前に上記のような事前演出が発生するようにすることで、装飾演出の発生が理解しやすくなる。
・手段5-1
複数種類の第一装飾図柄を含む第一装飾図柄群、複数種類の第二装飾図柄を含む第二装飾図柄群を表示する表示手段と、前記第一装飾図柄群のうちから選択されて所定位置に表示される第一装飾図柄の種類が切り替わっていく図柄送り演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記図柄送り演出は、前記第二装飾図柄群のうちから選択されて表示された第二装飾図柄が動作することで、前記所定位置に表示される前記第一装飾図柄の種類が切り替わっていくものであることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、第一装飾図柄の種類が切り替わることが、それとは異なる第二装飾図柄の動作により実現されているように見える面白みのある演出を実行することが可能である。
・手段5-2
前記第二装飾図柄は、図柄の種類を示す主要素部と、当該主要素部に付随する副要素部を含み、前記図柄送り演出は、前記副要素部が動作することで、前記所定位置に表示される前記第一装飾図柄の種類が切り替わっていくものであることを特徴とする手段5-1に記載の遊技機。
このようにすることで、副要素部が図柄送りを行うという演出形態とすることが可能である。
・手段5-3
前記第二装飾図柄として、前記所定位置の一方側に一方側第二装飾図柄が、他方側に他方側第二装飾図柄が表示され、前記図柄送り演出は、前記一方側第二装飾図柄と前記他方側第二装飾図柄とが一緒に動作することで、前記所定位置に表示される前記第一装飾図柄の種類が切り替わっていくものであることを特徴とする手段5-1または手段5-2に記載の遊技機。
このようにすることで、第一装飾図柄を間に挟む第二装飾図柄により図柄送りがなされる演出形態とすることができる。
・手段5-4
前記図柄送り演出は、前記一方側第二装飾図柄の種類と前記他方側第二装飾図柄の種類が同じであるときに発生するものであることを特徴とする手段5-2を引用する手段5-3に記載の遊技機。
図柄送り演出をリーチ演出の一種として実行することができる。
・手段5-5
前記一方側第二装飾図柄の種類と前記他方側第二装飾図柄の種類とが同じであるときでも、前記一方側第二装飾図柄の前記副要素部と前記他方側第二装飾図柄の前記副要素部とが異なる対象を表したものとされることを特徴とする手段5-4に記載の遊技機。
二つの副要素部が一緒に動作するものであるから、当該二つの副要素部が同じ対象を表すものであると遊技者が違和を感じてしまうおそれがある。よって、一方側第二装飾図柄の種類と他方側第二装飾図柄の種類とが同じであっても、両第二装飾図柄の副装飾部が表す対象が異なるものとすることが好ましい。