JP2022035392A - 毛包細胞の増幅方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】毛包細胞の増幅に対する新しい手段の提供。【解決手段】下記、式(I)で示される化合物またはその塩を含む培地組成物を用いることを特徴とする毛包細胞の増幅方法。JPEG2022035392000066.jpg4167{式中、各記号は明細書中で定義される通りである。}【選択図】なし
Description
本発明は、毛包細胞を培養するための新しい培地組成物を用いることを特徴とする毛包細胞の増幅方法に関する。
脱毛症は、加齢、ストレス、紫外線等の様々な原因により発生するが、近年の美容意識の高まりにより、脱毛症により失われた毛髪を確実に再生する技術や薬剤の出現が期待されている。その様な状況の中、例えば、ミノキシジルは毛乳頭細胞に作用して毛包細胞を活性化し、発毛を促すことから育毛剤として開発されている(非特許文献1)。しかしながら、その発毛効果は使用する人によって異なり、必ずしも満足する結果が得られない場合がある。
また、近年になり毛包細胞の増殖を促進する植物抽出物や低分子化合物の報告がなされている(特許文献1、2、3)。しかしながら、未だ十分に満足できる発毛効果は得られておらず、新しい技術や化合物の開発が望まれている。
一方、様々な細胞の増殖を促進する低分子化合物の報告がなされている(特許文献4)。しかしながら、毛包細胞に対する当該化合物の増殖促進効果は報告されていない。
J. Invest. Dermatol., 117, 1594-1600 (2001)
本発明は、毛包細胞を増幅するための新規手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、特定の化合物が、毛包細胞の増殖を促進することを見出し、かかる知見に基づいてさらに研究を進めることによって本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]下記、式(I)で示される化合物またはその塩を含む、毛包細胞の増幅用培地添加剤。:
{式中、Xは、-NHCO-であり、R1は、-Y-NH-Z-Arであり(式中、Y、およびZは、単結合、または置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン基であり、Arは、置換基を有していてもよいアリール基またはヘテロアリール基である。)、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり、R3は、水酸基であり、nは、0、1または2の整数である。}
[2]R2が、メチル基、エチル基、またはイソブチル基であり、
nが0であり、
Arが、それぞれ、ハロゲノ基、水酸基およびメチル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基であり、
Yが、メチル基またはエチル基で置換されていてもよいメチレン基である、上記[1]記載の剤。
[3]式(I)で示される化合物が、以下で示される化合物から選択される、上記[1]または[2]記載の剤。
[2]R2が、メチル基、エチル基、またはイソブチル基であり、
nが0であり、
Arが、それぞれ、ハロゲノ基、水酸基およびメチル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基であり、
Yが、メチル基またはエチル基で置換されていてもよいメチレン基である、上記[1]記載の剤。
[3]式(I)で示される化合物が、以下で示される化合物から選択される、上記[1]または[2]記載の剤。
および
[4]式(I)で示される化合物が、以下で示される化合物である、上記[1]記載の剤。
および
[6]上記[1]~[5]のいずれかに記載の剤を含む、細胞培養用培地組成物。
[7]下記、式(I)で示される化合物またはその塩を含む培地組成物中において毛包細胞を培養することを含む、毛包細胞の増幅方法。
[7]下記、式(I)で示される化合物またはその塩を含む培地組成物中において毛包細胞を培養することを含む、毛包細胞の増幅方法。
{式中、Xは、-NHCO-であり、R1は、-Y-NH-Z-Arであり(式中、Y、およびZは、単結合、または置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン基であり、Arは、置換基を有していてもよいアリール基またはヘテロアリール基である。)、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり、R3は、水酸基であり、nは、0、1または2の整数である。}
[8]R2が、メチル基、エチル基、またはイソブチル基であり、
nが0であり、
Arが、それぞれ、ハロゲノ基、水酸基およびメチル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基であり、
Yが、メチル基またはエチル基で置換されていてもよいメチレン基である、
上記[7]記載の方法。
[9]式(I)で示される化合物が、以下で示される化合物から選択される、上記[7]または[8]記載の方法。
[8]R2が、メチル基、エチル基、またはイソブチル基であり、
nが0であり、
Arが、それぞれ、ハロゲノ基、水酸基およびメチル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基であり、
Yが、メチル基またはエチル基で置換されていてもよいメチレン基である、
上記[7]記載の方法。
[9]式(I)で示される化合物が、以下で示される化合物から選択される、上記[7]または[8]記載の方法。
および
[10]式(I)で示される化合物が、以下で示される化合物である、上記[7]記載の方法。
[11]式(I)で示される化合物が、以下で示される化合物から選択される、上記[7]または[8]記載の方法。
および
[12]毛包細胞が、外毛根鞘細胞である、上記[7]~[11]のいずれかに記載の方法。
[13]上記[7]~[12]のいずれかに記載の方法により増幅して得られた毛包細胞を含む、脱毛症の治療用組成物。
[14]下記、式(I)で示される化合物またはその塩を含む、育毛用組成物。
[13]上記[7]~[12]のいずれかに記載の方法により増幅して得られた毛包細胞を含む、脱毛症の治療用組成物。
[14]下記、式(I)で示される化合物またはその塩を含む、育毛用組成物。
{式中、Xは、-NHCO-であり、R1は、-Y-NH-Z-Arであり(式中、Y、およびZは、単結合、または置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン基であり、Arは、置換基を有していてもよいアリール基またはヘテロアリール基である。)、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり、R3は、水酸基であり、nは、0、1または2の整数である。}
[15]R2が、メチル基、エチル基、またはイソブチル基であり、
nが0であり、
Arが、ハロゲノ基、水酸基およびメチル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基であり、
Yが、メチル基またはエチル基で置換されていてもよいメチレン基である、上記[14]記載の組成物。
[16]式(I)で示される化合物が、以下で示される化合物から選択される、上記[14]または[15]記載の組成物。
[15]R2が、メチル基、エチル基、またはイソブチル基であり、
nが0であり、
Arが、ハロゲノ基、水酸基およびメチル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基であり、
Yが、メチル基またはエチル基で置換されていてもよいメチレン基である、上記[14]記載の組成物。
[16]式(I)で示される化合物が、以下で示される化合物から選択される、上記[14]または[15]記載の組成物。
および
[17]式(I)で示される化合物が、以下で示される化合物である、上記[14]記載の組成物。
[18]式(I)で示される化合物が、以下で示される化合物から選択される、上記[14]または[15]記載の組成物。
および
本発明によれば、毛包細胞の増殖を効率的に促進することができる。従って、本発明によれば、毛布細胞を大量に製造することができる。また、得られた毛包細胞を毛包移植用の移植片や医薬品等の評価用の細胞として利用することができる。更に、本発明により発毛が促進されるため、育毛用組成物として利用することができる。
本明細書において使用する用語を以下に定義する。
本明細書において、n-はノルマル、i-はイソ、sec-はセカンダリー及びtert-はターシャリーを各々意味する。また、本明細書において、o-はオルト、m-はメタ及びp-はパラを各々意味する。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。「ハロゲノ基」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードである。
「炭素数1~6のアルキル基」とは、炭素数1~6の直鎖または分岐状のアルキル基を意味し、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル等の基が挙げられる。かかるアルキル基としては、炭素数1~4の低級アルキル基、特にメチル基及びエチル基が好ましい。
「アリール基」とは、少なくとも1つの環が芳香族であり、各環が5~8の環原子を有する単環式、二環式、三環式および四環式炭素環式基が挙げられ、具体的には、フェニル、インデニル、ナフチル、フルオレニル等が挙げられる。特に、アリール基は、C6-10の芳香族のフェニル、インデニル、ナフチルであり得る。
「炭素数1~6のアルキレン基」とは、炭素数1~6の直鎖の炭素鎖を意味し、具体的には、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン等の基が挙げられる。
「炭素数1~6のアルキル基」、「アリール基」及び「炭素数1~6のアルキレン基」は、それぞれ置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、例えば以下が挙げられる。尚、「炭素数1~6のアルキル基」に対する置換基としては下記(1)~(40)が挙げられ、「アリール基」及び「炭素数1~6のアルキレン基」に対する置換基としては下記(1)~(41)が挙げられる。
(1)ハロゲノ基、
(2)水酸基、
(3)シアノ基、
(4)ニトロ基、
(5)カルボキシル基、
(6)アルケニル基(C2-10アルケニル基;例、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、へキセニル、ヘプテニル、ブタジエニル、ヘキサトリエニル、およびその各異性体)、
(7)アルキニル基(C2-10アルキニル基;例、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、および、その各異性体)、
(8)ハロゲノアルキル基(例、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノフルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、クロロメチル、クロロエチル、ジクロロエチル、およびその各異性体)、
(9)環状アルキル基(環中にヘテロ原子を含んでもよい)(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル)、
(10)アリール基(例、フェニル、ナフチル)、
(11)ヘテロアリール基(例、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、フリル、チオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル(例、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル)、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル(例、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル)、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、プテリジニル、イミダゾオキサゾリル、イミダゾチアゾリル、イミダゾイミダゾリル)、
(12)アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、tert-ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、2-ペンチルオキシ、3-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、2-ヘキシルオキシ)、
(13)アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、イソペンチルチオ、tert-ペンチルチオ、ネオペンチルチオ、2-ペンチルチオ、3-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオ、2-ヘキシルチオ)、
(14)アリール基(上記(10)と同義)で置換された、アルコキシ基(上記(12)と同義)、
(15)アリール基(上記(10)と同義)で置換された、アルキルチオ基(上記(13)と同義)、
(16)ヘテロアリール基(上記(11)と同義)で置換された、アルコキシ基(上記(12)と同義)、
(17)ヘテロアリール基(上記(11)と同義)で置換された、アルキルチオ基(上記(13)と同義)、
(18)環状アルキル(環中にヘテロ原子を含んでもよい)オキシ基(例、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、テトラヒドロフラニルオキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、アジリジニルオキシ、アゼチジニルオキシ、ピロリジニルオキシ、ピペリジニルオキシ、モルホリニルオキシ)、
(19)アリールオキシ基(例、アリール基(上記(10)と同義)が酸素原子に結合した基)、
(20)ヘテロアリールオキシ基(例、ヘテロアリール基(上記(11)と同義)が酸素原子に結合した基)、
(21)ハロゲノアルコキシ基(例、ハロゲノアルキル基(上記(8)と同義)が酸素原子に結合した基)、
(22)ハロゲノアルキルチオ基(例、ハロゲノアルキル基(上記(8)と同義)が硫黄原子に結合した基)、
(23)水酸基で置換された、アルコキシ基(上記(12)と同義)、
(24)アルコキシ基(上記(12)と同義)で置換された、アルコキシ基(上記(12)と同義)、
(25)アミノ基、
(26)アルキル基でモノまたはジ置換されたアミノ基、
ここで、「アルキル基」とは、C1-6アルキル基が挙げられ、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル等が挙げられる。
(27)カルバモイル基、
(28)アルキル基(上記(26)における「アルキル基」と同義)でモノまたはジ置換されたカルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル)、
(29)スルファモイル基、
(30)アルキル基(上記(26)における「アルキル基」と同義)でモノまたはジ置換されたスルファモイル基(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、エチルメチルスルファモイル)、
(31)アルカノイル基(例、水素原子若しくはアルキル基(上記(26)における「アルキル基」と同義)が炭素原子に結合したカルボニル基)、
(32)アロイル基(例、アリール基(上記(10)と同義)が炭素原子に結合したカルボニル基)、
(33)アルキルスルホニルアミノ基(例、アルキル基(上記(26)における「アルキル基」と同義)で置換されたスルホニルアミノ基)、
(34)アリールスルホニルアミノ基(例、アリール基(上記(10)と同義)で置換されたスルホニルアミノ基)、
(35)へテロアリールスルホニルアミノ基(例、ヘテロアリール基(上記(11)と同義)で置換されたスルホニルアミノ基)、
(36)アシルアミノ基(例、アシル基で置換されたアミノ基)、
ここで、「アシル基」とは、C1-6アルキル基、またはC6-10アリール基を有するアシル基である。ここで、「C1-6アルキル基」とは、上記「アルキル基」のうち、炭素数が1~6のものであり、「C6-10アリール基」とは、上記「アリール基」のうち、炭素数が6~10のものである。アシル基としては、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、イソブチロイル基、バレロイル基、イソバレロイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられる、
(37)アルコキシカルボニルアミノ基(例、アルコキシ基(上記(12)と同義)で置換されたカルボニルアミノ基)、
(38)アルキルスルホニル基(例、アルキル基(上記(26)における「アルキル基」と同義)で置換されたスルホニル基)、
(39)アルキルスルフィニル基(例、アルキル基(上記(26)における「アルキル基」と同義)で置換されたスルフィニル基)、
(40)アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、
(41)アルキル基(C1-6アルキル基;例、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル等)等が挙げられる。
置換基が2以上存在する場合は、それらは同一でも異なっていてもよい。
(1)ハロゲノ基、
(2)水酸基、
(3)シアノ基、
(4)ニトロ基、
(5)カルボキシル基、
(6)アルケニル基(C2-10アルケニル基;例、ビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、へキセニル、ヘプテニル、ブタジエニル、ヘキサトリエニル、およびその各異性体)、
(7)アルキニル基(C2-10アルキニル基;例、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、および、その各異性体)、
(8)ハロゲノアルキル基(例、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、モノフルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、クロロメチル、クロロエチル、ジクロロエチル、およびその各異性体)、
(9)環状アルキル基(環中にヘテロ原子を含んでもよい)(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル)、
(10)アリール基(例、フェニル、ナフチル)、
(11)ヘテロアリール基(例、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、フリル、チオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル(例、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル)、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル(例、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル)、チアジアゾリル(例、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル)、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、プテリジニル、イミダゾオキサゾリル、イミダゾチアゾリル、イミダゾイミダゾリル)、
(12)アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、tert-ペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、2-ペンチルオキシ、3-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、2-ヘキシルオキシ)、
(13)アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、イソプロピルチオ、n-ブチルチオ、イソブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ、n-ペンチルチオ、イソペンチルチオ、tert-ペンチルチオ、ネオペンチルチオ、2-ペンチルチオ、3-ペンチルチオ、n-ヘキシルチオ、2-ヘキシルチオ)、
(14)アリール基(上記(10)と同義)で置換された、アルコキシ基(上記(12)と同義)、
(15)アリール基(上記(10)と同義)で置換された、アルキルチオ基(上記(13)と同義)、
(16)ヘテロアリール基(上記(11)と同義)で置換された、アルコキシ基(上記(12)と同義)、
(17)ヘテロアリール基(上記(11)と同義)で置換された、アルキルチオ基(上記(13)と同義)、
(18)環状アルキル(環中にヘテロ原子を含んでもよい)オキシ基(例、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、テトラヒドロフラニルオキシ、テトラヒドロピラニルオキシ、アジリジニルオキシ、アゼチジニルオキシ、ピロリジニルオキシ、ピペリジニルオキシ、モルホリニルオキシ)、
(19)アリールオキシ基(例、アリール基(上記(10)と同義)が酸素原子に結合した基)、
(20)ヘテロアリールオキシ基(例、ヘテロアリール基(上記(11)と同義)が酸素原子に結合した基)、
(21)ハロゲノアルコキシ基(例、ハロゲノアルキル基(上記(8)と同義)が酸素原子に結合した基)、
(22)ハロゲノアルキルチオ基(例、ハロゲノアルキル基(上記(8)と同義)が硫黄原子に結合した基)、
(23)水酸基で置換された、アルコキシ基(上記(12)と同義)、
(24)アルコキシ基(上記(12)と同義)で置換された、アルコキシ基(上記(12)と同義)、
(25)アミノ基、
(26)アルキル基でモノまたはジ置換されたアミノ基、
ここで、「アルキル基」とは、C1-6アルキル基が挙げられ、具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル等が挙げられる。
(27)カルバモイル基、
(28)アルキル基(上記(26)における「アルキル基」と同義)でモノまたはジ置換されたカルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル)、
(29)スルファモイル基、
(30)アルキル基(上記(26)における「アルキル基」と同義)でモノまたはジ置換されたスルファモイル基(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、エチルメチルスルファモイル)、
(31)アルカノイル基(例、水素原子若しくはアルキル基(上記(26)における「アルキル基」と同義)が炭素原子に結合したカルボニル基)、
(32)アロイル基(例、アリール基(上記(10)と同義)が炭素原子に結合したカルボニル基)、
(33)アルキルスルホニルアミノ基(例、アルキル基(上記(26)における「アルキル基」と同義)で置換されたスルホニルアミノ基)、
(34)アリールスルホニルアミノ基(例、アリール基(上記(10)と同義)で置換されたスルホニルアミノ基)、
(35)へテロアリールスルホニルアミノ基(例、ヘテロアリール基(上記(11)と同義)で置換されたスルホニルアミノ基)、
(36)アシルアミノ基(例、アシル基で置換されたアミノ基)、
ここで、「アシル基」とは、C1-6アルキル基、またはC6-10アリール基を有するアシル基である。ここで、「C1-6アルキル基」とは、上記「アルキル基」のうち、炭素数が1~6のものであり、「C6-10アリール基」とは、上記「アリール基」のうち、炭素数が6~10のものである。アシル基としては、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、イソブチロイル基、バレロイル基、イソバレロイル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、ベンゾイル基、ナフトイル基等が挙げられる、
(37)アルコキシカルボニルアミノ基(例、アルコキシ基(上記(12)と同義)で置換されたカルボニルアミノ基)、
(38)アルキルスルホニル基(例、アルキル基(上記(26)における「アルキル基」と同義)で置換されたスルホニル基)、
(39)アルキルスルフィニル基(例、アルキル基(上記(26)における「アルキル基」と同義)で置換されたスルフィニル基)、
(40)アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、
(41)アルキル基(C1-6アルキル基;例、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ネオペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル等)等が挙げられる。
置換基が2以上存在する場合は、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(I)に示される化合物は、塩の形態であってもよい。前記式(I)で表される化合物の塩としては、例えば、塩酸及び臭化水素酸等の無機酸との塩ならびに酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸及び安息香酸等の有機酸との塩が挙げられる。これらの塩は、自体公知の方法によって製造される。
式(I)に示される化合物は、置換基の種類によってはEの立体配置を有するE体及びZの立体配置を有するZ体の幾何異性体が存在する場合がある。本発明はこれらE体、Z体またはE体およびZ体を任意の割合で含む混合物を包含するものである。
また、式(I)に示される化合物は、1個又は2個以上の不斉炭素原子の存在に起因する光学活性体が存在するが、式(I)に示される化合物は全ての光学活性体又はラセミ体を包含する。
[式(I)に示される化合物の合成]
式(I)に示される化合物は、下記式で表されるように、ケトン化合物とH2N-X-R1(式中、X及びR1は前記の意味を表し、例えば、ヒドラジド化合物、セミカルバジド化合物等)、それぞれを1当量ずつ用い、トルエン、1,4-ジオキサン、N、N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒中、100℃以上の温度範囲で、1時間から3日間反応を行なうのが好ましい。
[反応式1]
式(I)に示される化合物は、下記式で表されるように、ケトン化合物とH2N-X-R1(式中、X及びR1は前記の意味を表し、例えば、ヒドラジド化合物、セミカルバジド化合物等)、それぞれを1当量ずつ用い、トルエン、1,4-ジオキサン、N、N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒中、100℃以上の温度範囲で、1時間から3日間反応を行なうのが好ましい。
[反応式1]
反応終了後の反応混合物は、蒸留水を加えて析出させる、又は析出しない場合は、有機溶媒抽出後濃縮といった通常の後処理を行ない、目的の特定化合物を得ることができる。また、精製の必要が生じたときには、再結晶、カラムクロマトグラフ、薄層クロマトグラフ、液体クロマトグラフ分取等の任意の精製方法によって分離、精製することができる。
[光学活性体の取得]
上述の方法により合成される化合物のうち、光学異性体を有するものについては、光学活性体(ユートマー)が存在し得る。光学活性体の取得は、結晶化による方法、酵素反応を用いる方法、又はHPLCを用いる方法(例、光学活性担持法)等の自体公知の方法を用いて行うことができる。また、光学活性体を、不斉合成法等を用いて調製することもできる。
上述の方法により合成される化合物のうち、光学異性体を有するものについては、光学活性体(ユートマー)が存在し得る。光学活性体の取得は、結晶化による方法、酵素反応を用いる方法、又はHPLCを用いる方法(例、光学活性担持法)等の自体公知の方法を用いて行うことができる。また、光学活性体を、不斉合成法等を用いて調製することもできる。
[毛包細胞の増幅用培地添加剤]
本発明は、以下の特定化合物またはその塩を含む、毛包細胞の増幅用培地添加剤(以下、「本発明の培地添加剤」と称することがある)を提供する。本剤を用いることにより、毛包細胞の大量製造を達成することができる:
本発明は、以下の特定化合物またはその塩を含む、毛包細胞の増幅用培地添加剤(以下、「本発明の培地添加剤」と称することがある)を提供する。本剤を用いることにより、毛包細胞の大量製造を達成することができる:
本発明の培地添加剤に含まれる化合物は、式(I):
{式中、Xは、-NHCO-であり、
R1は、-Y-NH-Z-Arであり(式中、Y、およびZは、単結合、または置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン基であり、Arは、置換基を有していてもよいアリール基またはヘテロアリール基である。)、
R2は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり、
R3は、水酸基であり、nは、0、1または2の整数である。}で表される化合物、またはその塩である(以下、式(I)で示される化合物またはその塩を総称して、単に「本発明に用いられる特定化合物」等と称する場合がある)。
R1は、-Y-NH-Z-Arであり(式中、Y、およびZは、単結合、または置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン基であり、Arは、置換基を有していてもよいアリール基またはヘテロアリール基である。)、
R2は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり、
R3は、水酸基であり、nは、0、1または2の整数である。}で表される化合物、またはその塩である(以下、式(I)で示される化合物またはその塩を総称して、単に「本発明に用いられる特定化合物」等と称する場合がある)。
一態様において、Yが、単結合である場合は、Zは、置換基を有していてもよいアルキレン基(より好ましくは、置換基を有していないアルキレン基、特に好ましくは、メチレン基)であり、Arは、置換基(より好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、水酸基、またはメトキシ基)を有していてもよいアリール基(より好ましくは、水酸基を有するアリール基または置換基を有していないアリール基、特に好ましくはフェニル基または水酸基を有するフェニル基)、または置換基(より好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、水酸基、またはメトキシ基)を有していてもよいヘテロアリール基(より好ましくは、置換基を有していてもよいピリジル基、特に好ましくは、置換基を有していないピリジル基、クロロ基を有するピリジル基またはフルオロ基を有するピリジル基)であり、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基(より好ましくは、置換基を有していない炭素数1~6のアルキル基、特に好ましくは、エチル基)であり、nは、0、1または2の整数であり、好ましくは、nは0である。
また、一態様において、Yが、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン基(より好ましくは、置換基を有していない炭素数1~6のアルキレン基、特に好ましくはメチレン基、エチリデン基またはプロピリデン基;置換基を有する炭素数1~6のアルキレン基、特に好ましくは炭素数1~6のアルキル基で置換されたメチレン基)である場合は、Zは、単結合であり、Arは、置換基を有していてもよいアリール基(より好ましくは、置換基を有しているアリール基、特に好ましくは、ハロゲノ基、メチル基、水酸基もしくはエトキシ基を有するフェニル基、またはナフチル基)、または置換基を有していてもよいヘテロアリール基(より好ましくは、ハロゲノ基を有していてもよいヘテロアリール基、特に好ましくは、置換基を有していないピリジル基、クロロ基を有するピリジル基またはフルオロ基を有するピリジル基)であり、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基(より好ましくは、置換基を有していない炭素数1~6のアルキル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基、またはイソプロピル基)であり、nは、0、1または2の整数であり、好ましくは、nは0である。
別の一態様において、Yが、メチル基またはエチル基で置換されていてもよいメチレン基である場合は、Arは、それぞれ、ハロゲノ基、水酸基およびメチル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基であり、R2は、メチル基、エチル基、またはイソブチル基)であり、nは0である。
本発明の培地添加剤に配合される、本発明に用いられる特定化合物の量は、所望の効果を得られ得る限り特に限定されないが、通常0.01~100重量%、好ましくは0.1~100重量%、より好ましくは1~100重量%、さらに好ましくは5~100重量%、特に好ましくは10~100重量%で有り得る。
本発明の培地添加剤は、提供時あるいは保存時に任意の形状であり得る。本発明の培地添加剤は、固形状、液体状、及びゲル状等の形状であり得る。
また、本発明の培地添加剤は、必要に応じて滅菌処理を施してもよい。滅菌方法は特に制限はなく、本発明の培地添加剤の形状に合わせて適宜選択すればよい。滅菌方法としては、例えば、放射線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、オートクレーブ滅菌、フィルター滅菌等が挙げられる。フィルター滅菌(以下、ろ過滅菌という場合もある。)を行う際のフィルター部分の材質は特に制限されないが、例えば、グラスファイバー、ナイロン、PES(ポリエーテルスルホン)、親水性PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、セルロース混合エステル、セルロースアセテート、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。フィルターの細孔の大きさは特に制限されないが、好ましくは、0.1μm~10μm、より好ましくは、0.1μm~1μm、最も好ましくは、0.1μm~0.5μmである。
本発明の培地添加剤において「毛包細胞を増幅する」とは、毛包細胞の数を増加させることを意味する。尚、本明細書において、本発明の培地添加剤により増加する毛包細胞の数は、対照となる所定の細胞数と比較して、少なくとも120%以上、少なくとも130%以上、少なくとも140%以上、少なくとも150%以上、少なくとも160%以上、少なくとも170%以上、少なくとも180%以上、少なくとも190%以上、少なくとも200%以上、少なくとも300%以上、少なくとも400%以上、少なくとも500%以上、少なくとも600%以上、少なくとも700%以上、少なくとも800%以上、少なくとも900%以上、少なくとも1000%以上、毛包細胞の数が増大することを意味する。毛包細胞の数の測定は、以下の実施例において説明されるように、CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay法やトリパンブルー染色法などの自体公知の方法を用いることができる。
[細胞培養用培地組成物]
本発明はまた、本発明の培地添加剤を含む、細胞培養用培地組成物(以下、「本発明の培地組成物」と称することがある)を提供する。
本発明はまた、本発明の培地添加剤を含む、細胞培養用培地組成物(以下、「本発明の培地組成物」と称することがある)を提供する。
本発明の培地組成物は、細胞培養用の培地に本発明に用いられる特定化合物または本発明の培地添加剤を添加することにより調製される。本発明の培地組成物の調製に用い得る細胞培養用の培地には、以下に例示する市販培地が含まれるが、これらに限定されない。
本発明の培地組成物に有効成分として含まれる特定化合物の濃度は、本発明の所望の効果を得られる限り特に限定されないが、例えば、その濃度の下限値は、通常0.001μM以上、好ましくは0.01μM以上、より好ましくは0.1μM以上、さらに好ましくは1μM以上、特に好ましくは10μM以上であり得る。また、その濃度の上限値は、通常100μM以下、好ましくは50μM以下、特に好ましくは10μM以下であり得る。
本発明の培地組成物は、本発明に用いられる特定化合物または本発明の培地組成物が配合されている以外は、公知の培地の組成と同様とすることができる。
一態様において、本発明の培地組成物は、市販される培地に、本発明に用いられる特定化合物または本発明の培地添加剤を添加することにより調製することができる。本発明の培地組成物には、本発明に用いられる特定化合物以外に、例えば、水、生理食塩水、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、およびメタノール、エタノール、ブタノール、プロパノール等の各種アルコール、等の成分が含まれ得る。また、本発明の培地組成物は、必要に応じて滅菌処理を施してもよい。滅菌方法は特に制限はなく、例えば、放射線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、オートクレーブ滅菌、フィルター滅菌等が挙げられる。フィルター滅菌(以下、ろ過滅菌という場合もある)を行う際のフィルター部分の材質は特に制限されないが、例えば、グラスファイバー、ナイロン、PES(ポリエーテルスルホン)、親水性PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、セルロース混合エステル、セルロースアセテート、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。また、本発明の培地組成物は、提供時あるいは保存時に任意の形状であり得る。当該組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤のような製剤化された固体、適切な溶媒並びに溶解剤で溶解した溶液あるいは懸濁液のような液体、又は基板や担体に結合させた状態であり得る。
本発明に用いられる特定化合物または本発明の培地添加剤を添加することにより本発明の培地組成物とし得る市販の培地としては、所望の効果を得られる限り特に限定されないが、例えば、ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium;DMEM)、ハムF12培地(Ham’s Nutrient Mixture F12)、DMEM/F12培地、マッコイ5A培地(McCoy’s 5A medium)、イーグルMEM(Eagle’s Minimum Essential Medium;EMEM)、αMEM(alpha Modified Eagle’s Minimum Essential Medium)、MEM(Minimum Essential Medium)、S-MEM(Spinner Modified Eagle’s Minimum Essential Medium)、RPMI1640培地、イスコフ改変ダルベッコ培地(Iscove’s Modified Dulbecco’s Medium;IMDM)、MCDB131培地、ウィリアム培地E、IPL41培地、Fischer’s培地、StemPro34(インビトロジェン社製)、X-VIVO 10(ケンブレックス社製)、X-VIVO 15(ケンブレックス社製)、HPGM(ケンブレックス社製)、StemlineII(シグマアルドリッチ社製)、QBSF-60(クオリティバイオロジカル社製)、StemProhESCSFM(インビトロジェン社製)、CSTI-7培地(細胞科学研究所社製)、Sf-900II(インビトロジェン社製)、Opti-Pro(インビトロジェン社製)、イーグル基礎培地(Basal Medium Eagle)、199培地、角化細胞増殖培地2(コスモ・バイオ社製)、EpiLife培地(登録商標、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)、KGM(登録商標、ロンザ社製)等の培地が挙げられる。また、これらの培地に、脱アシル化ジェランガム等の多糖類を添加して3次元細胞培養培地化した培地を用いることができる。このような3次元細胞培養培地としては、例えば、FCeM(登録商標、日産化学社製)が挙げられるが、これに限定されない。
また、上記の培地に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、塩素、各種アミノ酸、各種ビタミン、抗生物質、血清、脂肪酸、糖、細胞増殖因子、分化誘導因子、細胞接着因子、抗体、酵素、サイトカイン、ホルモン、レクチン、細胞外マトリックス、生理活性物質等を目的に応じて添加してもよい。具体的な例としては、ヒト血清、ウシ胎児血清、マトリゲル(登録商標)、塩基性線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、上皮成長因子、インスリン様成長因子、Wnt蛋白質、インターフェロン類、インターロイキン類、血管内皮細胞増殖因子、オンコスタチンM、アルブミン、インスリン、トランスフェリン、β-メルカプトエタノール、Knockout Serum Replacement(KSR、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)、N2サプリメント(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)、B27サプリメント(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)、Glutamax(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)、ヒドロコルチゾン、21-ヘミコハク酸、デキサメタゾン、L-グルタミン、ピルビン酸、ニコチンアミド、亜セレン酸、ホスホエタノールアミン、2―アミノエタノールなどが挙げられるが、これに限定されない。
本発明の培地組成物における細胞の培養は、細胞培養に一般的に用いられるシャーレ、フラスコ、プラスチックバック、テフロン(登録商標)バック、ディッシュ、ペトリデッシュ、組織培養用ディッシュ、マルチディッシュ、マイクロプレート、マイクロウエルプレート、マルチプレート、マルチウエルプレート、チャンバースライド、チューブ、トレイ、培養バック、ローラーボトル等の培養容器を用いて実施することができる。これらの培養容器には、コラーゲン、ゼラチン、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、マトリゲル(登録商標)、Synthemax(登録商標、コーニング社製)、ポリ-L-オルニチン/ラミニン、ポリ-L-リジン、ポリ-D-リジン等の細胞外マトリックスをコーティングすることができる。細胞凝集塊(スフェア)を形成させる際には、細胞が培養容器へ接着しないよう、これらの培養容器は細胞低接着性であることが望ましい。細胞低接着性の培養容器としては、培養容器の表面が、細胞との接着性を向上させる目的で人工的に処理(例えば、細胞外マトリクス等によるコーティング処理)されていないもの、あるいは培養容器の表面が、細胞との接着性を低減させる目的で人工的に処理されているものを使用できる。このような容器の例としては、スミロンセルタイトプレート(住友ベークライト社製)、PrimeSurface(登録商標)プレート(住友ベークライト社製)、超低接着表面プレート(コーニング社製)、ヌンクロンスフェラプレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)等が挙げられるが、これに限定されない。
本発明の培地組成物により、細胞増殖促進等が達成される細胞種としては、毛包細胞が挙げられる。毛包細胞の由来は特に限定されないが、ラット、マウス、ウサギ、モルモット、リス、ハムスター、ハタネズミ、カモノハシ、イルカ、クジラ、イヌ、ネコ、ヤギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ゾウ、コモンマーモセット、リスザル、アカゲザル、チンパンジー、ヒト等の哺乳動物由来の細胞が好ましい。本発明において毛包細胞とは、毛を産生する皮膚付属器官である毛包を構成する細胞であり、具体的には、毛乳頭細胞、毛母細胞、メラノサイト、外毛根鞘細胞、内毛根鞘細胞、毛隆起(バルジ)細胞、毛包幹細胞、色素幹細胞等が含有される。毛包幹細胞は自己増殖能を有し、かつ他の毛包細胞に分化しうる能力を有する細胞を意味する。本発明において毛包幹細胞及び毛隆起(バルジ)細胞は、外毛根鞘細胞に含有される。これらの毛包細胞の内、本発明により増殖が促進される細胞としては、外毛根鞘細胞が最も望ましい。毛包細胞は、ウイルスやゲノム編集などで人為的に遺伝子操作をなされたものであってもよい。毛包細胞は、胚性幹細胞、人工多能性幹細胞等の多能性幹細胞から分化誘導して得ることができる。また、線維芽細胞等の生体細胞に毛包細胞の分化に関連した転写因子遺伝子を導入するダイレクトリプログラミング法により得ることができる。更に、遺伝子改変を伴わない方法として、動物個体から得た毛包幹細胞を生体外で培養することにより毛包細胞を誘導して得ることができる。
毛包細胞は、哺乳動物の毛包から単離することができる。例えばヒトの外毛根鞘細胞の場合、頭皮から無菌的に抜毛し、毛幹を除去した後に生理食塩水にて洗浄し、コラーゲンにてコートした培養容器に静置する。引き続き所定の培地を入れて培養することにより外毛根鞘細胞を単離することができる。この際、毛包の供給個体は生存していても、死亡してもよく、その年齢は制限されない。以上の様に単離或いは調製された毛包細胞は、凍結することにより保存できる。
毛包細胞を誘導する際の細胞培養条件(例えば、温度、二酸化炭素濃度、培養期間等)は自体公知の方法を用いればよく、あるいは、目的に応じて、適宜改変してもよい。例えば、細胞を培養する際の温度は、動物細胞であれば通常25℃~39℃、好ましくは33℃~39℃(例、37℃)である。二酸化炭素濃度は、通常、培養の雰囲気中、4体積%~10体積%であり、4体積%~6体積%が好ましい。培養期間は、例えば1乃至35日間であるが、好ましくは1乃至21日間、より好ましくは1乃至14日間であり、最も好ましくは1乃至7日間であり、培養の目的に合わせて適宜設定すればよい。毛包細胞は、CK15、CK19、PHLDA1、LHX2、CD200、CD34、Pcadh、ネスチン等のマーカー遺伝子又は蛋白質の発現を確認することにより同定できる。
毛包細胞を増幅する際には、本発明の培地組成物を用いて毛包細胞を培養すればよい。この際に、細胞培養条件(例えば、化合物濃度、添加剤濃度、阻害剤濃度、温度、二酸化炭素濃度、培養期間等)は本明細書に記載の方法を用いればよく、あるいは、目的に応じて、適宜改変してもよい。毛包細胞の増幅は、細胞数の測定と前記のマーカー遺伝子又は蛋白質の発現解析により確認できる。
[毛包細胞の増幅方法]
本発明はまた、本発明の培地組成物を用いた毛包細胞を増幅する方法を提供する。本発明の方法を用いることにより、毛包細胞を大量に得ることができる。即ち、本発明はまた、本発明の培地組成物を用いた毛包細胞を製造する方法を提供する。以下、本発明の毛包細胞の増幅方法および製造方法を「本発明の方法」と称する場合がある。本発明の方法により得られた毛包細胞は、毛包の疾患を治療するための移植片、医薬品やその候補化合物の評価用細胞として好適に用いることができる。
本発明はまた、本発明の培地組成物を用いた毛包細胞を増幅する方法を提供する。本発明の方法を用いることにより、毛包細胞を大量に得ることができる。即ち、本発明はまた、本発明の培地組成物を用いた毛包細胞を製造する方法を提供する。以下、本発明の毛包細胞の増幅方法および製造方法を「本発明の方法」と称する場合がある。本発明の方法により得られた毛包細胞は、毛包の疾患を治療するための移植片、医薬品やその候補化合物の評価用細胞として好適に用いることができる。
毛包細胞の増幅/製造は、本発明の培地組成物にて毛包細胞を生体外にて培養することにより達成される。毛包細胞の培養方法は、本明細書に記載の方法を用いればよく、あるいは、目的に応じて、適宜改変してもよい。本発明の方法により増幅/製造される毛包細胞としては、毛包幹細胞を含む外毛根鞘細胞が最も望ましい。
[毛包疾患治療用組成物]
本発明はまた、本発明の方法により得られた毛包細胞を含む、脱毛症の治療用組成物(以下、「本発明の治療用組成物」と称することがある)を提供する。本発明の治療用組成物は、脱毛症を罹患する対象に投与することで、疾患を治療することができる。
本発明はまた、本発明の方法により得られた毛包細胞を含む、脱毛症の治療用組成物(以下、「本発明の治療用組成物」と称することがある)を提供する。本発明の治療用組成物は、脱毛症を罹患する対象に投与することで、疾患を治療することができる。
本発明の治療組成物の対象への移植方法は、所望の効果を得ることができれば特に限定されないが、非常に簡便であることから、疾患部位への皮下移植或いは皮内移植が好ましい。その際の方法は、特に制限されないが、公知の投与方法を採用することができ、例えば、シリンジ、カニューレ等で注入する方法が挙げられる。
本発明の治療用組成物に含まれる毛包細胞は、本発明の方法により得られた毛包細胞であればよい。この際、本発明の治療用組成物に含まれる毛包細胞の含有量は、治療有効量であれば特に限定されず、組成物の形状等を考量して適宜決定すればよい。
本発明の治療用組成物の形状としては、対象に移植可能な形状であれば特に限定されないが、例えば、細胞と適切な分散媒とからなる液体状とすることができる。
本発明の治療用組成物を疾患部位へ移植する量は特に限定されず、治療有効量であればいかなる量であってもよい。治療有効量は、疾患の程度、対象の年齢や体重、投与方法、投与回数、本発明の治療組成物の形状等を考慮の上、適宜決定することができる。
本発明の治療用組成物は、本発明の方法で得られた毛包細胞に加えて、薬学的に許容可能な医薬品添加物を含んでいてもよい。医薬品添加物は、等張化剤、緩衝剤、pH調整剤、安定化剤、キレート剤、防腐剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の治療用組成物が好適に使用される疾患としては、脂漏性脱毛症、老人性脱毛症、円形脱毛症、抗がん剤の投与などが原因の薬物脱毛症、瘢痕性脱毛症、出産後に起こる産後脱毛症、精神疾患に由来する脱毛症、火傷や外傷による脱毛症、先天性脱毛症、トリコチロマニア等の脱毛症が挙げられるが、これらに限定されない。
[被検化合物のスクリーニング方法]
本発明はまた、本発明の方法により得られた毛包細胞を用いた被検化合物のスクリーニング方法(以下、「本発明のスクリーニング方法」と称することがある)を提供する。本発明の方法により得られた毛包細胞は、医薬品や化粧品等の開発の分野において有用である。具体的には、被験物質の効果や毒性の評価、脱毛症治療剤のスクリーニングに当該毛包細胞を利用できる。
本発明はまた、本発明の方法により得られた毛包細胞を用いた被検化合物のスクリーニング方法(以下、「本発明のスクリーニング方法」と称することがある)を提供する。本発明の方法により得られた毛包細胞は、医薬品や化粧品等の開発の分野において有用である。具体的には、被験物質の効果や毒性の評価、脱毛症治療剤のスクリーニングに当該毛包細胞を利用できる。
本発明の方法により得られた毛包細胞を利用することで、被験物質の効果や毒性を評価することができる。本発明における被験物質には、特に制限はない。例えば、天然化合物、有機化合物、無機化合物、タンパク質、ペプチドなどの単一化合物、並びに、化合物ライブラリー、遺伝子ライブラリーの発現産物、細胞抽出物、細胞培養上清、発酵微生物産生物、海洋生物抽出物、植物抽出物等が挙げられる。
本発明において、被験物質の評価は、培地や培養液に被験物質を添加し毛包細胞と接触させることによって達成できる。
また、本発明の方法により得られた毛包細胞は、脱毛症治療剤のスクリーニングに利用することができる。本発明においては、被験物質を接触させた毛包細胞において、細胞機能の亢進が見られた場合に、被験物質の脱毛症に対する治療効果が検出される。本発明における毛包細胞の機能は、例えば、毛包細胞数を指標に評価することができる。
[育毛用組成物]
本発明は、以下の特定化合物またはその塩を含む、脱毛症治療のための育毛用組成物(以下、「本発明の育毛用組成物」と称することがある)を提供する。本組成物を用いることにより、脱毛症の治療を達成することができる:
本発明は、以下の特定化合物またはその塩を含む、脱毛症治療のための育毛用組成物(以下、「本発明の育毛用組成物」と称することがある)を提供する。本組成物を用いることにより、脱毛症の治療を達成することができる:
本発明の育毛用組成物に含まれる化合物は、式(I):
{式中、Xは、-NHCO-であり、
R1は、-Y-NH-Z-Arであり(式中、Y、およびZは、単結合、または置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン基であり、Arは、置換基を有していてもよいアリール基またはヘテロアリール基である。)、
R2は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり、
R3は、水酸基であり、
nは、0、1または2の整数である。}で表される化合物、またはその塩である(式(I)で示される化合物またはその塩を総称して、単に「本発明に用いられる特定化合物」等と称する場合がある)。
R1は、-Y-NH-Z-Arであり(式中、Y、およびZは、単結合、または置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン基であり、Arは、置換基を有していてもよいアリール基またはヘテロアリール基である。)、
R2は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基であり、
R3は、水酸基であり、
nは、0、1または2の整数である。}で表される化合物、またはその塩である(式(I)で示される化合物またはその塩を総称して、単に「本発明に用いられる特定化合物」等と称する場合がある)。
一態様において、Yが、単結合である場合は、Zは、置換基を有していてもよいアルキレン基(より好ましくは、置換基を有していないアルキレン基、特に好ましくは、メチレン基)であり、Arは、置換基(より好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、水酸基、またはメトキシ基)を有していてもよいアリール基(より好ましくは、水酸基を有するアリール基または置換基を有していないアリール基、特に好ましくはフェニル基または水酸基を有するフェニル基)、または置換基(より好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、水酸基、またはメトキシ基)を有していてもよいヘテロアリール基(より好ましくは、置換基を有していてもよいピリジル基、特に好ましくは、置換基を有していないピリジル基、クロロ基を有するピリジル基またはフルオロ基を有するピリジル基)であり、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基(より好ましくは、置換基を有していない炭素数1~6のアルキル基、特に好ましくは、エチル基)であり、nは、0、1または2の整数であり、好ましくは、nは0である。
また、一態様において、Yが、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキレン基(より好ましくは、置換基を有していない炭素数1~6のアルキレン基、特に好ましくはメチレン基、エチリデン基またはプロピリデン基;置換基を有する炭素数1~6のアルキレン基、特に好ましくは炭素数1~6のアルキル基で置換されたメチレン基)である場合は、Zは、単結合であり、Arは、置換基を有していてもよいアリール基(より好ましくは、置換基を有しているアリール基、特に好ましくは、ハロゲノ基、メチル基、水酸基もしくはエトキシ基を有するフェニル基、またはナフチル基)、または置換基を有していてもよいヘテロアリール基(より好ましくは、ハロゲノ基を有していてもよいヘテロアリール基、特に好ましくは、置換基を有していないピリジル基、クロロ基を有するピリジル基またはフルオロ基を有するピリジル基)であり、R2は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基(より好ましくは、置換基を有していない炭素数1~6のアルキル基、特に好ましくは、メチル基、エチル基、またはイソプロピル基)であり、nは、0、1または2の整数であり、好ましくは、nは0である。
別の一態様において、Yが、メチル基またはエチル基で置換されていてもよいメチレン基である場合は、Arは、それぞれ、ハロゲノ基、水酸基およびメチル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基であり、R2は、メチル基、エチル基、またはイソブチル基)であり、nは0である。
本発明の育毛用組成物に配合される、本発明に用いられる特定化合物の量は、所望の効果を得られ得る限り特に限定されないが、通常0.001~10重量%、好ましくは0.01~10重量%、より好ましくは0.1~10重量%、さらに好ましくは0.1~5重量%で有り得る。
本発明の育毛用組成物には、医薬品、医薬部外品、化粧品等に用いられる各種成分を適宜配合することができる。そのような成分の例としては、水、水性成分、油性成分、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、色素、香料、美白剤、酸化防止剤、防腐剤、抗菌剤、各種アルコール、pH調整剤、紫外線防止剤等が挙げられる。
本発明の育毛用組成物の形態は任意であり、溶液、分散液、乳液、軟膏、クリーム、ゲル、エアロゾル、パック等の皮膚外用剤の形態で使用されることが好ましく、頭皮外用剤の形態で使用されることが特に好ましい。
本発明の育毛用組成物は、医薬品、医薬部外品、化粧品等として用いることができる。化粧品の例としては、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアリキッド、ヘアムース等が挙げられる。
本発明の育毛用組成物の投与回数は、特に制限されないが、滴下、塗布等により患部に対して1日あたり1~3回投与すればよい。
本発明の育毛用組成物が好適に使用される疾患としては、脂漏性脱毛症、老人性脱毛症、円形脱毛症、抗がん剤の投与などが原因の薬物脱毛症、瘢痕性脱毛症、出産後に起こる産後脱毛症、精神疾患に由来する脱毛症、火傷や外傷による脱毛症、先天性脱毛症、トリコチロマニア等の脱毛症が挙げられるが、これらに限定されない。
以下の実施例において本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
式(I)に示される化合物は、国際公開公報第2019/022222号、国際公開公報第2019/235569号及び国際公開公報第2020/158841号に記載されている。本発明において用いた化合物の例を第1乃至第4表に示すが、本発明に用いることが可能な化合物はこれらのみに限定されるものではない。
表中、Meとの記載はメチルを表し、以下同様に、Etとの記載はエチルを表す。R3は、水酸基である。R5は、アリール基の置換基であり、アリール基の置換基は前記したものと同様である。なお、(R3)nおよび(R5)mにおける「-」との記載は無置換を表す。構造式に記載された番号は、(R3)nまたは(R5)mの置換位置を表す。nは、0、1または2であり、mは、0、1、2、3、4または5である。R5が複数存在する場合、R5は、それぞれ同一であってもよく、または異なっていてもよい。
〔第1表〕
〔第2表〕
〔第3表〕
〔第4表〕
式(I)に示される化合物のうち、第1表乃至第4表に記載の化合物の1H-NMRデータを以下に示す。
プロトン核磁気共鳴ケミカルシフト値は、重ジメチルスルホキシドの値を2.49ppmとして、重ジメチルスルホキシド中で、270MHzまたは400MHzにて測定した。尚、表中の記号は下記の意味を表す。s:シングレット、brs:ブロードシングレット、d:ダブレット、dd:ダブルダブレット、t:トリプレット、q:カルテット、m:マルチプレット。
k-1:H-1;270MHz
δ13.98(s, 1H), 11.13(s, 1H), 10.01(s, 1H), 7.58(d, J=8.1Hz, 1H), 7.41(t, J=8.1Hz, 2H), 6.95(d, J=8.1Hz, 2H), 6.89(t, J=8.1Hz, 1H), 6.72(d, J=8.1Hz, 1H), 6.29(t, J=8.1Hz, NH), 4.27(d, J=8.1Hz, 2H), 3.11(q, J=8.1Hz, 2H), 2.29(s, 3H), 1.37(t, J=8.1Hz, 3H).
δ13.98(s, 1H), 11.13(s, 1H), 10.01(s, 1H), 7.58(d, J=8.1Hz, 1H), 7.41(t, J=8.1Hz, 2H), 6.95(d, J=8.1Hz, 2H), 6.89(t, J=8.1Hz, 1H), 6.72(d, J=8.1Hz, 1H), 6.29(t, J=8.1Hz, NH), 4.27(d, J=8.1Hz, 2H), 3.11(q, J=8.1Hz, 2H), 2.29(s, 3H), 1.37(t, J=8.1Hz, 3H).
k-1:D-1;270MHz
δ 13.66(s, 1H), 10.76(s, 1H), 9.70(s, 1H), 8.98(s, 1H), 7.25(d, J=10.8Hz, 1H), 6.86(t, J=10.8Hz, 1H), 6.40(d, J=8.1Hz, 1H), 6.20-5.95(m, 3H), 5.87(t, J=5.4Hz, NH), 3.88(d, J=5.4Hz, 2H), 2.78(q, J=8.0Hz, 2H), 1.97(s, 3H), 1.05(t, J=8.1Hz, 3H).
δ 13.66(s, 1H), 10.76(s, 1H), 9.70(s, 1H), 8.98(s, 1H), 7.25(d, J=10.8Hz, 1H), 6.86(t, J=10.8Hz, 1H), 6.40(d, J=8.1Hz, 1H), 6.20-5.95(m, 3H), 5.87(t, J=5.4Hz, NH), 3.88(d, J=5.4Hz, 2H), 2.78(q, J=8.0Hz, 2H), 1.97(s, 3H), 1.05(t, J=8.1Hz, 3H).
GA-002A;400MHz
δ10.82(s, 1H), 9.71(s, 1H), 7.25(d, J=8.0Hz, 1H), 7.07(t, J=8.0Hz, 2H), 6.63(d, J=8.0Hz, 2H), 6.56(t, J=8.0Hz, 1H), 6.39(d, J=8.0Hz, 1H), 5.93(d, J=12Hz, NH), 4.28(m, 1H), 2.80(q, J=8.0Hz, 2H), 1.95(s, 3H), 1.40(d, J=8.0Hz, 3H), 1.03(t, J=8.0Hz, 3H).(NHの一つのシグナルは観測されなかった。)
δ10.82(s, 1H), 9.71(s, 1H), 7.25(d, J=8.0Hz, 1H), 7.07(t, J=8.0Hz, 2H), 6.63(d, J=8.0Hz, 2H), 6.56(t, J=8.0Hz, 1H), 6.39(d, J=8.0Hz, 1H), 5.93(d, J=12Hz, NH), 4.28(m, 1H), 2.80(q, J=8.0Hz, 2H), 1.95(s, 3H), 1.40(d, J=8.0Hz, 3H), 1.03(t, J=8.0Hz, 3H).(NHの一つのシグナルは観測されなかった。)
GA-005A;270MHz
δ13.65(s, 1H), 10.75(s, 1H), 9.70(s, 1H), 8.97(s, 1H), 7.25(d, J=8.1Hz, 1H), 6.83(t, J=8.1Hz, 1H), 6.39(d, J=8.1Hz, 1H), 6.15-5.95(m, 3H), 5.81(d, J=8.1Hz, 1H), 4.18(m, 1H), 2.78(q, J=8.1Hz, 2H), 1.95(s, 3H), 1.37(d, J=8.1Hz, 3H), 1.03(t, J=8.1Hz, 3H).
δ13.65(s, 1H), 10.75(s, 1H), 9.70(s, 1H), 8.97(s, 1H), 7.25(d, J=8.1Hz, 1H), 6.83(t, J=8.1Hz, 1H), 6.39(d, J=8.1Hz, 1H), 6.15-5.95(m, 3H), 5.81(d, J=8.1Hz, 1H), 4.18(m, 1H), 2.78(q, J=8.1Hz, 2H), 1.95(s, 3H), 1.37(d, J=8.1Hz, 3H), 1.03(t, J=8.1Hz, 3H).
k-1:J-1;270MHz
δ13.45(br, 1H), 9.57(s, 1H), 9.53(s, 1H), 9.36(s, 1H), 7.17(d, J=8.1Hz, 1H), 7.11(d, J=8.1Hz, 1H), 6.80-6.70(m, 3H), 6.64(br, NH), 6.37(d, J=8.1Hz, 1H), 4.25(d, J=5.4Hz, 2H), 2.65(q, J=8.1Hz, 2H), 1.97(s, 3H), 1.08(t, J=8.1Hz, 3H).
δ13.45(br, 1H), 9.57(s, 1H), 9.53(s, 1H), 9.36(s, 1H), 7.17(d, J=8.1Hz, 1H), 7.11(d, J=8.1Hz, 1H), 6.80-6.70(m, 3H), 6.64(br, NH), 6.37(d, J=8.1Hz, 1H), 4.25(d, J=5.4Hz, 2H), 2.65(q, J=8.1Hz, 2H), 1.97(s, 3H), 1.08(t, J=8.1Hz, 3H).
A-004A;270MHz
δ13.63(s, 1H), 10.91(s, 1H), 9.71(s, 1H), 8.02(d, J=2.7Hz, 1H), 7.79(d, J=5.4Hz, 1H), 7.26(d, J=8.1Hz, 1H), 7.08(t, J=8.1Hz, 1H), 6.94(d, J=8.1Hz, 1H), 6.40(d, J=8.1Hz, 1H), 6.23(d, J=8.1Hz, 1H), 4.33(m, J=8.1Hz, 1H), 2.82(q, J=8.1Hz, 2H), 1.95(s, 3H), 1.42(d, J=8.1Hz, 3H), 1.05(t, J=8.1Hz, 3H).
δ13.63(s, 1H), 10.91(s, 1H), 9.71(s, 1H), 8.02(d, J=2.7Hz, 1H), 7.79(d, J=5.4Hz, 1H), 7.26(d, J=8.1Hz, 1H), 7.08(t, J=8.1Hz, 1H), 6.94(d, J=8.1Hz, 1H), 6.40(d, J=8.1Hz, 1H), 6.23(d, J=8.1Hz, 1H), 4.33(m, J=8.1Hz, 1H), 2.82(q, J=8.1Hz, 2H), 1.95(s, 3H), 1.42(d, J=8.1Hz, 3H), 1.05(t, J=8.1Hz, 3H).
A-007R;270MHz
δ13.63(s, 1H), 10.97(s, 1H), 9.73(s, 1H), 7.91(brs, 1H), 7.73(brs, 1H), 7.28(d,J=8.1Hz, 1H), 6.81(d, J=13.5Hz, 1H), 6.69(d, J=8.1Hz, 1H), 6.40(d, J=8.1Hz, 1H), 4.35(m, 1H), 2.84(q, J=8.1Hz, 2H), 1.95(s, 3H), 1.42(d, J=5.4Hz, 3H), 1.07(t, J=8.1Hz, 3H).
δ13.63(s, 1H), 10.97(s, 1H), 9.73(s, 1H), 7.91(brs, 1H), 7.73(brs, 1H), 7.28(d,J=8.1Hz, 1H), 6.81(d, J=13.5Hz, 1H), 6.69(d, J=8.1Hz, 1H), 6.40(d, J=8.1Hz, 1H), 4.35(m, 1H), 2.84(q, J=8.1Hz, 2H), 1.95(s, 3H), 1.42(d, J=5.4Hz, 3H), 1.07(t, J=8.1Hz, 3H).
A-010;270MHz
δ13.64(s, 1H), 10.93(s, 1H), 9.72(s, 1H), 7.53(brs, 1H), 7.27(d, J=8.1Hz, 1H), 7.19(m, 1H), 6.92(m, 1H), 6.40(d, J=8.1Hz, 1H), 6.23(d, J=8.1Hz, 1H), 4.31(m, 1H), 2.81(q, J=8.1Hz, 2H), 1.95(s, 3H), 1.41(d, J=8.1Hz, 3H), 1.06(m, 3H).
δ13.64(s, 1H), 10.93(s, 1H), 9.72(s, 1H), 7.53(brs, 1H), 7.27(d, J=8.1Hz, 1H), 7.19(m, 1H), 6.92(m, 1H), 6.40(d, J=8.1Hz, 1H), 6.23(d, J=8.1Hz, 1H), 4.31(m, 1H), 2.81(q, J=8.1Hz, 2H), 1.95(s, 3H), 1.41(d, J=8.1Hz, 3H), 1.06(m, 3H).
[実施例1]ヒト毛包外毛根鞘細胞を用いた細胞増殖試験
(ヒト初代毛包外毛根鞘細胞培養)
細胞は、ヒト初代毛包外毛根鞘細胞(ScienCell Research Laboratories社製)を用いた。細胞の培養に用いた培地は、8%FBS(シグマ・アルドリッチ社製),1%グルタミン/ペニシリン/ストレプトマイシン(ThermoFisherScientific社製),5μg/mL リコンビナントヒトインスリン(富士フイルム和光純薬社製),0.33μg/mL ハイドロコルチゾン(富士フイルム和光純薬社製),10μg/mL リコンビナントヒトトランスフェリン(富士フイルム和光純薬社製),10μM ホスホエタノールアミン(シグマ・アルドリッチ社製),10μM 2―アミノエタノール(富士フイルム和光純薬社製),20ng/mL リコンビナントヒトEGF(ぺプロテック社製)を含むS-MEM培地(シグマ・アルドリッチ社製)を用いた(以下、増殖培地A)。細胞は、37℃、5%CO2インキュベーター内にてPoly-L-Lysin(ScienCell Research Laboratories社製)でコーティングした直径10cmのシャーレ(培地10mL)を用いて2日間以上静置培養した。引き続き、本細胞をDetach Kit(PromoCell社製)を用いてシングルセルに分散した。本懸濁液を遠心分離(株式会社トミー精工製、型番LC-200、1000rpm/3分、室温)後、上清を除き、培養培地を添加して細胞懸濁液を調製した。一部をトリパンブルー(富士フイルム和光純薬社製)で懸濁してTC-20(BIO-RAD社製)にて生細胞数をカウントすることで細胞数を計測した。
(ヒト初代毛包外毛根鞘細胞培養)
細胞は、ヒト初代毛包外毛根鞘細胞(ScienCell Research Laboratories社製)を用いた。細胞の培養に用いた培地は、8%FBS(シグマ・アルドリッチ社製),1%グルタミン/ペニシリン/ストレプトマイシン(ThermoFisherScientific社製),5μg/mL リコンビナントヒトインスリン(富士フイルム和光純薬社製),0.33μg/mL ハイドロコルチゾン(富士フイルム和光純薬社製),10μg/mL リコンビナントヒトトランスフェリン(富士フイルム和光純薬社製),10μM ホスホエタノールアミン(シグマ・アルドリッチ社製),10μM 2―アミノエタノール(富士フイルム和光純薬社製),20ng/mL リコンビナントヒトEGF(ぺプロテック社製)を含むS-MEM培地(シグマ・アルドリッチ社製)を用いた(以下、増殖培地A)。細胞は、37℃、5%CO2インキュベーター内にてPoly-L-Lysin(ScienCell Research Laboratories社製)でコーティングした直径10cmのシャーレ(培地10mL)を用いて2日間以上静置培養した。引き続き、本細胞をDetach Kit(PromoCell社製)を用いてシングルセルに分散した。本懸濁液を遠心分離(株式会社トミー精工製、型番LC-200、1000rpm/3分、室温)後、上清を除き、培養培地を添加して細胞懸濁液を調製した。一部をトリパンブルー(富士フイルム和光純薬社製)で懸濁してTC-20(BIO-RAD社製)にて生細胞数をカウントすることで細胞数を計測した。
(細胞増殖評価)
回収したヒト毛包外毛根鞘細胞を増殖培地Aで懸濁した後、単層培養法(2D)ではPoly-L-Lysin(ScienCell Research Laboratories社製)でコーティングした96ウェル平底プレート(コーニング社,#3585)へ、三次元培養法(3D)では96ウェルU底細胞低接着プレート(コーニング社,#4520)へ、それぞれ700cells/90μL/ウェルで播種した。引き続き、終濃度10μM(DMSO濃度0.1%)となるように、DMSOに溶解した本発明に用いられる特定化合物を10μL/ウェル添加し、37℃、5%CO2インキュベーターにて4日間培養した。対照として、DMSOを終濃度0.1%となるよう添加した。
回収したヒト毛包外毛根鞘細胞を増殖培地Aで懸濁した後、単層培養法(2D)ではPoly-L-Lysin(ScienCell Research Laboratories社製)でコーティングした96ウェル平底プレート(コーニング社,#3585)へ、三次元培養法(3D)では96ウェルU底細胞低接着プレート(コーニング社,#4520)へ、それぞれ700cells/90μL/ウェルで播種した。引き続き、終濃度10μM(DMSO濃度0.1%)となるように、DMSOに溶解した本発明に用いられる特定化合物を10μL/ウェル添加し、37℃、5%CO2インキュベーターにて4日間培養した。対照として、DMSOを終濃度0.1%となるよう添加した。
ATP試薬(Promega社製,CellTiter-Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay)を用いて生細胞数を計測した。4日間培養した培養液に対してATP試薬を100μL/ウェル添加し懸濁させ、懸濁液100μL/ウェルをアッセイ用白色プレート(コーニング社,#3912)へ移した。10分間室温で静置した後、プレートリーダー(パーキンエルマー社,EnSpire)を用いて発光量を測定した。
測定した発光量について、対照群(DMSO)に対する相対値を算出したところ、下記の化合物を添加することで、2Dで発光量が1.2倍以上、3Dで発光量が1.5倍以上増加した。すなわち下記の化合物の添加により細胞数が2Dで1.2倍以上、3Dで1.5倍以上に増加していた。このことから、本発明の培地組成物は、ヒト毛包外毛根鞘細胞の増殖促進効果を有していることが示された。
細胞数が1.5倍以上に増加した化合物(2D):
k-1:J-1,k-1:D-1,GA-002A,A-004A,A-007R
細胞数が1.2倍以上に増加した化合物(2D):
k-1:J-1,k-1:D-1,k-1:H-1,GA-002A,GA-005A,A-004A,A-007R,A-010
細胞数が2.0倍以上に増加した化合物(3D):
k-1:J-1,k-1:D-1,GA-002A,GA-005A,A-007R
細胞数が1.5倍以上に増加した化合物(3D):
k-1:J-1,k-1:D-1,GA-002A,GA-005A,A-004A,A-007R,A-010
k-1:J-1,k-1:D-1,GA-002A,A-004A,A-007R
細胞数が1.2倍以上に増加した化合物(2D):
k-1:J-1,k-1:D-1,k-1:H-1,GA-002A,GA-005A,A-004A,A-007R,A-010
細胞数が2.0倍以上に増加した化合物(3D):
k-1:J-1,k-1:D-1,GA-002A,GA-005A,A-007R
細胞数が1.5倍以上に増加した化合物(3D):
k-1:J-1,k-1:D-1,GA-002A,GA-005A,A-004A,A-007R,A-010
本発明の方法により、毛包細胞の減少或いは機能低下に起因する疾患を治療することができる。また、医薬品開発における各種評価に必要な毛包細胞を大量に調製することができる。従って、本発明の方法は、脱毛症の治療や医薬品の開発に好適に用いられ、医療及び化粧品分野において極めて有益である。
Claims (18)
- R2が、メチル基、エチル基、またはイソブチル基であり、
nが0であり、
Arが、それぞれ、ハロゲノ基、水酸基およびメチル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基であり、
Yが、メチル基またはエチル基で置換されていてもよいメチレン基である、請求項1記載の剤。 - 請求項1~5のいずれか1項に記載の剤を含む、細胞培養用培地組成物。
- R2が、メチル基、エチル基、またはイソブチル基であり、
nが0であり、
Arが、それぞれ、ハロゲノ基、水酸基およびメチル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基であり、
Yが、メチル基またはエチル基で置換されていてもよいメチレン基である、
請求項7記載の方法。 - 毛包細胞が、外毛根鞘細胞である、請求項7~11のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項7~12のいずれか1項に記載の方法により増幅して得られた毛包細胞を含む、脱毛症の治療用組成物。
- R2が、メチル基、エチル基、またはイソブチル基であり、
nが0であり、
Arが、ハロゲノ基、水酸基およびメチル基からなる群より選択される少なくとも1種の置換基で置換されていてもよいフェニル基またはピリジル基であり、
Yが、メチル基またはエチル基で置換されていてもよいメチレン基である、請求項14記載の組成物。
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JP2020139689A JP2022035392A (ja) | 2020-08-20 | 2020-08-20 | 毛包細胞の増幅方法 |
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- 2020-08-20 JP JP2020139689A patent/JP2022035392A/ja active Pending
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