以下、図1~図50を用いて、本発明を適用することができる遊技台(例えば、スロットマシン100等の回胴遊技機やパチンコ機等の弾球遊技機)について詳細に説明する。なお、図1~図50に示す符号は、原則として図1~図50を用いた説明にのみ用いることとし、重複する符号が他の図面に示されている場合であっても、図1~図50を用いた説明では図1~図50に示す符号を優先する。
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明を適用することができるパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を前方側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、所定条件が成立すると遊技者が利益を獲得することができる遊技台であって、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や左枠ランプ122L、右枠ランプ122R、および上部枠ランプ122Uが取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。前面枠扉106は、扉体の一例に相当する。なお、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている球貯留皿126と、球貯留皿126に貯留された遊技球を遊技者の操作によって球貯留皿126から排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置の演出態様に変化を与える演出ボタン136と、演出ボタン136に内蔵され、その演出ボタン136を発光させるボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、を備える。また、図1では不図示であるが、球貸操作ボタン140の右横には、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタンも設けられている。さらに、十字キーや決定ボタンが配置された操作キーユニット190も備えている。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射し、発射手段の一例に相当する。
図2は、図1のパチンコ機100を裏側から見た背面図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600(図4参照)へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した球貯留皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
また、主基板156上に、設定変更キー192と、設定変更ボタン194及び役物比率・設定表示器196が設けられている。電源投入時にRAMクリアスイッチ180が押下されることを条件に設定変更キー192が操作されると、少なくとも大当り確率が異なる複数の設定からいずれかに設定することができる設定変更モードに移行することができる。設定変更モードにおいては、現在の設定が役物比率・設定表示器196に表示され、店員は、これを確認しながら設定変更ボタン194を押下することにより設定の変更を行うことができる。なお、電源投入時にRAMクリアスイッチ180の押下がなくとも、電源投入時に設定変更キー192が操作された場合に設定変更可能な構成としてもよい。
役物比率・設定表示器196は、主基板156に実装されるとともに主基板ケース158の内部に配置される7セグLED基板であり、店員に視認可能な態様で取り付けられている。役物比率・設定表示器196は、図12(A)に示すように、2ケタの7セグLEDが上下に配置されるとともに、右側に1ケタの7セグLEDがモジュール化されたものであり、役物比率モニタは、役物比率(YH)及び連続役物比率(RY)を報知するインジケータであり、設定モニタは、現在の設定を確認するためのモニタである。役物比率・設定表示器196は、例えば、赤色の単色LEDにより構成されているが、赤・緑・オレンジの3色により発光可能なものとしてもよいし、フルカラーLEDであってもよい。なお、役物比率・設定表示器196のうちの少なくとも一部を、例えば、遊技盤200に設けて遊技者に視認可能としてもよい。
また、第1副基板ケース162の背面に、ディップスイッチ基板198が配設されている。ディップスイッチ基板198の詳細については後述する。
図3(a)は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。ここで、矢印d2及びd3はパチンコ機100を設置場所に固定した状態における方向を示している。矢印d2はパチンコ機100の幅方向(左右方向と呼ぶ場合がある)を示し、正面視で左手を左、右手を右と呼ぶ場合がある。矢印d3はパチンコ機100の高さ方向(上下方向と呼ぶ場合がある)を示し、高い方を上、低い方を下と呼ぶ場合がある。なお、図3では図示しないが、パチンコ機100の奥行き方向(前後方向と呼ぶ場合がある)では、手前側を前方側又は正面側と呼ぶ場合があり、奥側を後方側又は背面側と呼ぶ場合がある。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部から観察することができる。
本体104に対する遊技盤200の取付構造は、様々な構造を採用可能であるが、例えば、本体104の正面視左側(ヒンジ部112側)に遊技盤200の正面視左側部200aを挿入し、ここを回動中心として遊技盤200を回動させつつ遊技盤200の正面視右側部200bを本体104に押圧し、セットする構造を採用可能であり、このような構造であれば作業性を向上できる場合がある。
遊技盤200は、板状の本体となる遊技板201に各種の部品が取り付けられたユニットである。遊技板201は、例えば、樹脂により形成され、その表面(正面)は、パチンコ機100のキャラクタ等を表示した装飾面を構成する。装飾面は、例えば、パチンコ機100のキャラクタ等を印刷したシートを貼り付けることで形成してもよい。遊技板201の右下方には振動センサSR3が配設されている。振動センサSR3で検出された場合、エラー処理(例えば画像や音による報知、遊技の継続を不能とする遊技停止等)を行うことができる。振動センサSR3は磁気センサ等、他の不正検出センサであってもよい。
遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。外レール202の一部は、本体104に着脱自在なレール部材209により形成されている。遊技領域124のうち、外レール202と内レール204との間の領域は発射された遊技球を案内する案内領域201aを形成している。
遊技盤200の遊技領域124以外の領域を非遊技領域と呼ぶ場合がある。遊技領域124と非遊技領域とは外レール202を境界として区別することができる。また、遊技球の発射強度を最大にした状態で遊技球が通過する領域よりも内側の領域は少なくとも遊技領域124と呼ぶことができる。遊技領域124は、遊技領域124内に演出装置等が存在することで遊技球が通過しない領域を含む場合がある。遊技中に遊技球が流下する点で遊技領域124を流下領域と呼び、メンテナンスやアクシデントを除いて遊技中に遊技球が流下しない点で非遊技領域を非流下領域と呼ぶ場合がある。遊技領域124は、その全域を流下領域と呼ぶことも可能であるが、演出装置等の存在により遊技球が流下することがない領域は非流下領域と呼んでもよい。
遊技領域124の略中央には、装飾図柄表示装置208を配設している。遊技領域124よりも下方には、主制御ランプ基板254が設けられており、図3(b)に示すように、主制御ランプ基板254上には、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプRKと、電サポ中ランプRDと、右打ちランプRMと、ラウンド表示ランプRRとを配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
図3(b)に示すように、普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、縦2つのLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、それぞれ上下2段、合計8つのLEDによって構成する。
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、普図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。また、第2特別図柄保留ランプ220は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。
また、高確中ランプRKは、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプである。電サポ中ランプRDは、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、後述する電動チューリップ(電チュー)の羽根部材2311(図35参照)が長時間開放しやすい電サポ状態であることを示すためのランプである。右打ち表示ランプRMは、大当り遊技状態、確変状態及び電サポ状態であって、遊技者が右打ちすることでその恩恵を得られる状態となったことを示すためのランプである。ラウンド表示ランプRRは、大当りとなった場合に、当該大当りに係る大当り遊技におけるラウンド数を示すためのランプである。
図3(a)に示す遊技盤200には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244が設けられている。ワープ装置242は、装飾図柄表示装置208の左側に設けたワープ入口242aに入った遊技球をワープ出口242bからステージ244に排出する。ステージ244は、装飾図柄表示装置208よりも、下方でかつ前方側に設けられたものであり、ワープ装置242を抜けた遊技球が、往復動や回転運動等の動きをみせる舞台である。このステージ244では、遊技球が往復動や回転運動することで遊技球の滞留時間が長くなる。ステージ244にはステージカバー245が設けられている。ステージ244およびステージカバー245については、さらに後述する。
また、遊技領域124の上部には、本体104に支持されて第1演出可動ユニット7が配置されている。さらに、ステージ244よりも下方かつ後方側には、本体104に支持されて第2演出可動ユニット8が配置されているが、この図3(a)では、第2演出可動ユニット8は見えていない。上部の第1演出可動ユニット7および、後方側に隠れている第2演出可動ユニット8についても、後述する。
図3(a)に示すように、遊技領域124の上部の一部は、装飾上カバー203で覆われている。また、遊技領域124の右上部は、装飾右上カバー205で覆われており、装飾右上カバー205の奥(後方側)には、普図始動口228が配置されている。普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、遊技盤200の右側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は、遊技島側に排出することはないが、入球した場合に所定の個数(例えば、1個)の賞球を払い出すとともに、入球した遊技球をパチンコ機100の裏側に誘導して遊技島側に排出するようにしてもよい。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
また、遊技盤200の中央下部に第1特図始動口230が1つ配設されている。この第1特図始動口230は、左側に延びたランプユニット9の右端に設けられたものである。ランプユニット9についても詳細は後述するが、このランプユニット9には、一般入賞口も配置されている。一般入賞口は、図示省略しているが、この他にも遊技領域の複数箇所に設けられており、一般入賞口に入球すると所定の球検出センサ(図示省略)が検出し、一般入賞口に入賞したとして、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として球貯留皿126に排出する。球貯留皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
また、遊技盤200の中央下部に1つ配設された第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として球貯留皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。なお、遊技領域124の右下部にアタッカユニット23が設けられており、このアタッカユニット23にも電チュータイプの第1特図始動口が別途設けられている。以下、遊技盤200の中央下部に設けられた第1特図始動口230を第1特図始動口(固定)230と称し、アタッカユニット23に別途設けられた電チュータイプの第1特図始動口を第1特図始動口(可変)231と称して両者を区別する場合がある。なお、第1特図始動口(可変)231については、後述するアタッカユニット23の説明の中で詳述する。
また、アタッカユニット23には、第1特図始動口(可変)231の他に、第2特図始動口232や、複数の可変入賞口(アタッカ)234,235も設けられている。図3(a)に示す、中央下部に設けられた第1特図始動口(固定)230は、その配置上、右打ちした場合には、遊技球の入球が困難な構成となっている。一方、上述したステージ244の中央部には、ステージ244に到達した球が、遊技盤200の中央下部に設けられた第1特図始動口(固定)230へ入球し易くなるスペシャルルート244aが設けられている。なお、ステージ244を経由しなくても、左側から第1特図始動口(固定)230を狙うこともできる。したがって、遊技盤200の中央下部に設けられた第1特図始動口(固定)230は、左打ちを行うことで入球を期待することができる始動口である。
さらに、遊技領域124には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
このパチンコ機100では、遊技者が球貯留皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆および発射槌によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘等によって進行方向を変えながら下方に流下し、各種の入賞口や始動口に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。また、本体104の空間部114の下辺に、遊技盤200から排出されるすべての遊技球を受け入れる排出球受入口(図示しない)が上方に開口するように形成されるとともに、排出球受入口に受け入れられた遊技球の通過を検出するアウト球検出センサSWoutが本体104の所定位置に設けられている。なお、アウト球検出センサSWoutは、遊技盤200側に設けられてもよい。遊技盤200から排出されるすべての遊技球(アウト口240から排出された遊技球と各種入賞口に入賞した遊技球とを含む)は、この排出球受入口に受け入れられ、所定の排出通路を経由してパチンコ機100外に排出されるように構成されているが、アウト口240から排出された遊技球のみがアウト球検出センサSWoutを通過するようにしてもよい。
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の機能ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」という)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660とを備えて構成されている。
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えている。基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314と、乱数値生成回路(カウンタ回路)318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)とを搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、乱数値生成回路318は、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0~65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している。なお、乱数値生成回路318は、基本回路302に内蔵したものとしているが、基本回路302に対して接続されるものであってもよい。
また、基本回路302には、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや球貯留皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を基本回路302におけるCPU304や乱数値生成回路318等に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、高確中ランプRK、電サポ中ランプRD、右打ちランプRM、ラウンド表示ランプRR等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば、普通電動役物としての第1特図始動口(可変)231の羽根部材2311(図35参照)を駆動する駆動手段や、特別電動役物としての可変入賞口234,235の扉部材2341,2351(図38参照)を駆動する駆動手段等を含む各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334と、を接続している。本例では水晶発振器316aと乱数値生成回路318とが別に設けられているが、水晶発振器316aは乱数値生成回路318に含まれていてもよい。
なお、第1特図始動口230,231に球が入賞したことを球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を基本回路302における乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口230,231に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図1に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図2に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介し、図示しない外部端子板を経由して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本例では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースとをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300と払出制御部600との情報通信は双方向の通信である。主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。ただし、主制御部300と第1副制御部400との情報通信が双方向通信により行われるように構成してもよい。また、払出制御部600は、主制御部300にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、払出制御部600から主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成してもよい。
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412と、シリアル通信制御回路424とを搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。また、ROM406が基本回路402に備えらえた構成であってもよい。シリアル通信制御回路424は、遊技盤用ランプ442の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路440と、遊技台枠用ランプ452の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路450とを接続し、遊技盤用ランプ駆動回路440及び遊技台枠用ランプ駆動回路450との間でシリアル通信による点灯制御を行う。なお、遊技盤用ランプ442には、第2演出可動ユニット8に配置されたの発光ダイオードD(図17参照)や、ランプユニット9に配置された発光ダイオードDO,DI,DL(図32参照)や、アタッカユニット23に配置された発光ダイオードD1~D3(図40参照)等が含まれている。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC(S-ROM)416と、図3(a)に示す上部の第1演出可動ユニット7、後方側に隠れている第2演出可動ユニット8といった各種演出装置のモータ等の駆動制御を行うための駆動回路422と、センサ回路428と、スピーカ120から出力される音量を調整する音量スイッチ163と、を接続している。センサ回路428は、各種演出装置等の現在位置を検出する各種可動体センサ430や、演出ボタン136や操作キーユニット190を構成する各種ボタンの押下を検出するボタンセンサ426からの検出信号を基本回路402に出力する。なお、音量調整ボタン1903(図41参照)の押下をボタンセンサ426が検出した場合には、検出信号は音量スイッチ163に出力される。
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えている。基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのメモリ508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出してVRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)516と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路502には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラムおよびデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が接続されている。一時的記憶領域としてメモリ508を用いており、メモリ508は、電源が遮断されても記憶状態を保持可能な記録媒体(例えば、EEPROMやフラッシュメモリ等)によって構成されている。これにより、例えば、大当り履歴に関する表示を表示するための情報を、主制御部300において初期化されたり設定変更が行われた場合にも保持することができる。なお、電源が遮断されると記憶情報が揮発するRAMを用いるようにしてもよい。
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御するとともに、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払出しが完了したか否かを検出する。また払出制御部600は、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。また、払出制御部600は、所定個数(例えば、10個)の賞球の払出しが行われたことを示す賞球情報や、所定個数(例えば、25個)の貸球の払出しが行われたことを示す貸球情報等を、図示しない外部端子板を経由して、情報入力回路350に出力する。また、払出制御部600には、枠センサ605が接続されている。枠センサ605には、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041や、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061等が含まれており、本体104や前面枠扉106が開放されている場合にはこれらのセンサが検知し、開放信号を出力する。払出制御部600は、枠センサ605からの開放信号を出力すると、主制御部300に扉開放情報を出力する。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射ソレノイド632の制御や、球貯留皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源制御部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧の電源を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧の電源を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧の電源を供給してもよい。
次に、図5(a)~(d)を用いて、パチンコ機100の第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、装飾図柄表示装置208、普図表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
特図1始動口230,231に球が入球したことを球検出センサである第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを球検出センサである第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特図表示装置212は、8つのランプのうちの一部のランプ(例えば、左から1番目の下段のランプ)を点滅させる「特図1の変動表示」(特図変動遊技)を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特図表示装置214は、8つのランプのうちの一部のランプ(例えば、左から1番目の下段のランプ)を点滅させる「特図2の変動表示」(特図変動遊技)を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特図表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特図表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの変動表示を特図の変動表示と称することがある。この特図の変動表示は複数回、連続して行われることがある。
また、特図1と特図2とで一方の特図が他方の特図の変動表示を行っているか否かにかかわらず、特図の変動表示を開始する仕様(このような仕様のパチンコ機を、「同時変動機」などと呼ばれる場合がある。)とされている。
図5(a)は、特図1の停止図柄態様の一例を示したものである。この図5(a)には、「特図A」から「特図D」の4種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するランプを示し、黒塗りの部分が点灯するランプを示している。
特図1の停止図柄態様として、2種類の大当り図柄(「特図A」及び「特図B」)が用意されている。「特図A」は6ラウンド(R)通常大当り図柄であり、「特図A」が停止表示されると第1可変入賞口234が開放する大当り遊技状態に移行し、当該大当り遊技が終了した後、制御状態が特図低確率普図高確率状態になる。また、「特図B」は6R確変大当り図柄であり、「特図B」が停止表示されると第1可変入賞口234が開放する大当り遊技状態に移行し、大当り遊技が終了した後、制御状態が特図高確率普図低確率状態になる。なお、2種類の大当り図柄を用意しているが、3種類以上の大当り図柄を用意してもよいことは言うまでもない。また、一部のラウンドで実質的に入賞が困難(例えば、短開放により入賞が困難)な大当りを用意してもよい。
図1に示すパチンコ機100では、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、通常大当りとするか確変大当りとするかの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。通常大当りと確変大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(確変大当り)か低い(通常大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態(以下、「特図確変」または単に「確変」という場合がある)と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。なお、後述するように、特図低確率状態と特図高確率状態とで大当り確率にほとんど差はなく、特図低確率状態と特図高確率状態とで特図の変動時間が大きく異なるように構成されている。また、大当り遊技の終了後に時短状態(電サポ状態)に移行する場合がある。ここで、電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。時短については詳しくは後述するが、時短状態のことを普図高確率状態(以下、「普図確変」という場合がある)と称し、時短状態でない状態のことを普図低確率状態と称する。このように、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグが用意されており、その時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に当選しやすくなる(普図確変)。例えば、普図変動遊技の当選確率が、普図低確率状態(非電サポ状態)では0/100(すなわち、必ずはずれとなる。)であるのに対し、普図高確率状態(電サポ状態)では100/100(すなわち、必ず当りとなる。)に上昇する。また、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では10秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では2秒に短縮される。また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、特図1始動口(可変)231の羽根部材2311(図35参照)の1回の開放における開放時間が長くなりやすい(電チュー開放期間延長)。例えば、非電サポ状態では0.5秒の電チュー開放期間が電サポ状態では2秒に延長される。さらに、電サポ状態では非電サポ状態に比べて、羽根部材2311は多く開きやすい(電チュー開放回数増加)。例えば、普図始動口228への1回の入賞につき非電サポ状態では1回しか開かない羽根部材2311が、電サポ状態では2回開く(2秒開放して1秒閉鎖してまた2秒開放)。電チュー開放期間延長や電チュー開放回数増加により、特図1始動口(可変)231に入球する確率が高まる。なお、時短フラグは、大当り遊技中にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、特に大当り遊技において賞球数の少ない電チューに遊技球が拾われてしまい、第1可変入賞口234あるいは第2可変入賞口235(これらの可変入賞口を「アタッカ」という場合がある。)への遊技球の入賞が減ってしまうと遊技者に不利益が生じる場合があるからである。なお、電サポ状態(時短状態)では、普図確変、普図変短、電チュー開放期間延長、および電チュー開放回数増加の総てが行われるが、これらのうちの少なくともいずれか一つが行われれば、遊技者の有利度が高い状態になり、電サポ状態(時短状態)としてもよい。あるいは、特図1始動口(可変)231に入球する確率が高まる、電チュー開放期間延長または電チュー開放回数増加のうちのいずか一方が行われれば、電サポ状態(時短状態)としてもよい。非電サポ状態では、電サポ状態よりも遊技球が特図1始動口(可変)231に進入し難い。上述のごとく、特図1始動口(可変)231は、遊技球が進入し難い入賞困難状態と遊技球が進入しやすい入賞容易状態とに変化するものである。この特図1始動口(可変)231は、入り口が、電サポ状態では非電サポ状態よりも長期間にわたって入賞容易状態となる。「特図A」が停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、特図変動遊技が50回行われる間、電サポ状態が維持され、51回目には非電サポ状態(普図低確率状態)に移行する。一方、電サポ無しの大当り(「特図B」)に当選した場合には、大当り遊技終了後に電サポ状態に移行しない。
このように、「特図A」が停止表示されると、大当り遊技が終了した後、制御状態が特図低確率普図高確率状態になる。また、「特図B」が停止表示されると、大当り遊技が終了した後、制御状態が特図高確率普図低確率状態になる。
また、特図1について、大当り図柄の他に小当り図柄(「特図C」)も用意されている。「特図C」で小当りした場合は、図柄の停止後に第2可変入賞口235の扉部材2351が0.06秒の開放を12回行う。なお、扉部材2351の開放時間及び開放回数は適宜設定することができる。小当り遊技では、第2可変入賞口235に遊技球が所定球数(例えば10球)進入してしまうと、あるいは所定量の遊技価値(所定球数)を獲得してしまうと、小当り遊技が終了し、それ以降の扉部材2351の開放は行われない。小当り遊技中には、特図低確率普図低確率状態へ移行する。小当りは、小当り遊技前後で制御状態が変化しない当りであり、小当り遊技終了後には小当り遊技開始前の制御状態に復帰する。
なお、上述したように、同時変動機であるので、特図1で小当りとなって小当り遊技に移行する場合に、特図2が変動表示中である状況が起こりうる。この場合は、特図1で小当りとなると特図2の変動表示が中断され、当該小当りに係る小当り遊技が終了すると特図2の変動表示が再開される。また、特図1で大当りとなって大当り遊技に移行する場合に特図2が変動表示中である状況や、特図2で大当りとなって大当り遊技に移行する場合に特図1が変動表示中である状況が起こりうるが、この場合は、一方の特図で大当りとなると他方の特図の変動表示は強制的に終了され、変動表示の結果が破棄されてはずれの結果が表示されることとなる。
さらに、ハズレ図柄として1種類の停止図柄が用意されている。「特図D」はハズレ図柄である。
図5(b)は、特図2の停止図柄態様の一例を示したものである。この図5(b)には、「特図a」から「特図d」の5種類の特図が示されており、そのうち3種類の特図が大当り図柄(「特図a」~「特図c」)となっている。「特図a」は6R通常大当り図柄であり、「特図a」が停止表示されると第1可変入賞口234が開放する大当り遊技状態に移行し、当該大当り遊技が終了した後、制御状態が特図低確率普図高確率状態になる。また、「特図b」は6R確変大当り図柄であり、「特図b」が停止表示されると第1可変入賞口234が開放する大当り遊技状態に移行し、大当り遊技が終了した後、制御状態が特図高確率普図低確率状態になる。「特図c」は、10R確変大当り図柄であって、「特図c」が停止表示されると第1可変入賞口234が開放する大当り遊技状態に移行し、当該大当り遊技が終了した後、制御状態が特図高確率普図低確率状態になる。なお、一部のラウンドで実質的に入賞が困難(例えば、短開放により入賞が困難)な大当りを用意してもよい。また、特図2では、3種類の大当り図柄を用意しているが、3種類以上の大当り図柄を用意してもよい。
また、特図2でも、大当り図柄の他に小当り図柄(「特図d」)が用意されている。「特図d」で小当りした場合は、図柄の停止後に第2可変入賞口235の扉部材2351が0.06秒の開放を1回だけ行う。ここで、特図1の小当り図柄(「特図C」)と比較すると、特図2で小当り(「特図d」が停止表示)した場合よりも、特図1で小当り(特図C」が停止表示)した場合の方が、第2可変入賞口235により多くの遊技球が入球しやすく、より多くの出球を獲得することができるようになっている。換言すれば、特図2の小当りでは出球を与えず、特図1の小当りで出球を与えるといったゲーム性になる。なお、扉部材2351の開放時間及び開放回数は適宜設定することができる。
図5(c)は装飾図柄の一例を示したものである。装飾図柄には、「装飾1」~「装飾10」の10種類がある。特図1始動口(固定)230、特図1始動口(可変)231あるいは特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口(固定)230あるいは特図1始動口(可変)231に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、もしくは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う場合がある。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特図表示装置212および第2特図表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様を停止表示する。なお、特図1が主として変動表示が行われる通常遊技状態及び電サポ状態においては、特図1の変動表示に合わせて装飾図柄の変動表示が行われ、特図2が主として変動表示が行われる確変状態では、特図2の変動表示に合わせて装飾図柄の変動表示が行われる。一方で、通常遊技状態及び電サポ状態では、特図2の変動表示が行われても装飾図柄の変動表示は行われず、後述する第4図柄や第2特図表示装置214においてのみ図柄変動表示が行われ、確変状態では、特図1の変動表示が行われても装飾図柄の変動表示は行われず、第4図柄や第1特図表示装置212においてのみ図柄変動表示が行われる。
通常遊技状態あるいは電サポ状態において第1特図表示装置212で6R確変大当りを確定報知する場合、確変状態において第2特図表示装置214で10R確変大当りであることを確定報知する場合以外の態様で大当り又は小当りを報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、「装飾3-装飾3-装飾3」及び「装飾7-装飾7-装飾7」以外の同じ数字の装飾図柄が3つ並んだ装飾図柄の組み合わせ(例えば、「装飾1-装飾1-装飾1」や「装飾4-装飾4-装飾4」等)を停止表示する。また、通常遊技状態あるいは電サポ状態において第1特図表示装置212で6R確変大当り(「特図B」)を確定報知する場合、確変状態において第2特図表示装置214で10R確変大当り(「特図c」)であることを確定報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、「装飾3-装飾3-装飾3」又は「装飾7-装飾7-装飾7」を停止表示する。また、「特図D」あるいは「特図e」のハズレ図柄を報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに、これまで説明した装飾図柄の組合せ以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。
以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様を停止表示するまでの表示を装飾図柄の変動表示(「装飾図柄変動表示」という場合もある。)と称することがある。装飾図柄の変動表示は、第2副制御部500が制御することによって行われる。
図5(d)は普図の停止図柄態様の一例を示したものである。普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、上下に並んだ2つのLEDを交互に点灯させる「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、変動時間が経過した後に、当り図柄である「普図A」とはずれ図柄である「普図B」の内のいずれか一方の図柄を停止表示する。この図5(d)においても、図中の白抜きの部分が消灯するランプの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するランプの場所を示している。
以下、この「普図の変動表示」を開始してから普図の停止図柄態様を停止表示するまでの表示を普図の変動表示と称することがある。
<主制御部メイン処理>
次に、図6を用いて、図4に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300のRAM308には、特図乱数値、特図ラウンド決定乱数値、特図電サポ決定乱数値、および特図図柄決定乱数値等が記憶される。また、このRAM308には、これら各種の乱数値を生成する乱数カウンタが設けられている。さらに、RAM308には、特図の保留数、特図当選乱数値、および各種の判定(抽選)結果等が記憶される。以下、RAM308における特図の保留数を記憶する領域を特図保留数記憶領域と称することがある。またさらに、RAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた特図用の始動情報記憶部が用意されているとともに、普図用の乱数値記憶領域も用意されている。特図用の始動情報記憶部には、後述するように、複数種類の始動情報を1セットにしてこれらの始動情報が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。
上述したように、図4に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
ステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(ここでは9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
ステップS107では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をタイマ回路312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理を実行するべくステップS113以降の処理に進む。
電断前の状態に復帰すると判定しない場合は(ステップS109;No)、その要因が図2に示す電源基板182に設けたRAMクリアスイッチ180が遊技店の店員などにより操作されたものであるか否かを判定する(ステップS113)。すなわち、RAMクリアスイッチ180が操作された場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否かを判定する。RAMクリア信号がオンと判定された場合は(ステップS113;Yes)、設定変更キー192がON側に操作されているか否かを判定する(ステップS115)、設定変更キー192がON側に操作されていると判定した場合は(ステップS115;Yes)、設定変更処理を実行する(ステップS117)。
設定変更処理が実行されると、役物比率・設定表示器196における設定モニタに対応する7セグが「1」を示して点滅し、設定変更可能であることが示される。この状態で、設定変更ボタン194が押下操作されるごとに、設定モニタの7セグがインクリメントし、設定モニタに対応する7セグが「6」を示している状態で設定変更ボタン194が押下操作されると「1」に戻るようになっている。少なくとも大当り確率の異なる設定1~6のうちからいずれかを選択可能とされており、所望とする設定に変更した後で設定変更キー192をOFF側に操作することで、設定が確定する。このとき、設定モニタに表示されている設定値は消去される。その後、設定が確定した後は、設定変更ボタン194を操作することにより設定値を設定モニタに一定時間(例えば、5秒間)再表示させることができる。なお、設定値を役物比率・設定表示器196の設定モニタに表示させるようにしたが、例えば、装飾図柄表示装置208に表示させたり、音声出力により報知するようにしてもよい。また、設定1~6の6段階設定としているが、6段階設定以外であってもよいし、設定変更を行わないものであってもよい。また、設定モニタに表示される設定の初期値を「1」としたが、電源が遮断される前の設定値が保持され、保持された設定値が表示されるようにしてもよい。
また、ステップS113において、RAMクリア信号がONであると判定しなかった場合(ステップS113;No)や、ステップS115において設定変更キー192がON側に操作されていると判定しなかった場合は(ステップS115;No)、ステップS117の設定変更処理を実行することなく、ステップS119に移行する。
ステップS119では、基本回路302を初期状態にすべく初期化処理を実行する(ステップS119)。ここでは、RAMクリア信号がONである場合、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定し、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべく初期化処理を実行する。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。なお、初期化が行われた場合であっても設定変更処理(ステップS117)で設定された設定値は保持される。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンド及びステップS117で選択された設定を示す設定コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS119)が行われたことを表すコマンドであり、後述する復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS121では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0~99とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、このステップS121の処理を繰り返し実行する。
一方、ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS121内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図2に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300は、所定の周期(ここでは約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するタイマ回路312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(ここでは32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(ここでは、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図4に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記憶領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(ここで、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(ここでは、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口、第1可変入賞口234、第2可変入賞口235、第1特図始動口(固定)230、第1特図始動口(可変)231、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、一般入賞口、これらの可変入賞口234,235、これらの始動口230,231,232,228への入球があったと判定する。例えば、第1特図始動口(固定)230への入球を検出する第1始動口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、第1特図始動口(固定)230へ入賞があった、すなわち所定領域を通過する遊技媒体を検出したと判定し、以降の第1特図始動口(固定)230への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の第1特図始動口(固定)230への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(ここでは、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS121で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値および特図乱数値それぞれを生成するための乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0~99とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0~99の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。
ステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口234、235や始動口230,231,232に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。入賞受付処理では、所定の条件が満足されていれば、複数種類の始動情報を取得する。ここで取得された複数種類の始動情報は、RAM308に設けた始動情報記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1セットの始動情報として記憶される。
ステップS217に続いて実行されるステップS219では、払出要求数送信処理を行う。図4に示す払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4~5に暗号化のための今回加工種別(0~3)、およびビット0~3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する2つのLEDの交互点滅を行う点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する2つのLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、ハズレ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する2つのLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図5(d)に示す普図A)およびハズレ図柄(図5(d)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第1特図始動口(可変)231の羽根部材2311(図35参照)の開閉駆動用のソレノイド(図4に示す各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材2311を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、アタッカユニット23に設けられた第1特図始動口(可変)231の羽根部材2311の開閉駆動用のソレノイド(図4に示す各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材2311を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がハズレであれば、後述するように、普図ハズレフラグがオンされる。この普図ハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第1特図始動口(可変)231の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。なお、当り判定の結果に関わらず、所定の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
続いて、特図先読み処理(ステップS224)が実行される。特図先読み処理では、主制御部300は、特図1および特図2のそれぞれにおいて増加した始動情報を先読みして、当否判定処理よりも前に停止図柄や変動時間を事前判定し、事前判定結果(特図先読み結果)をRAM308内の先読み結果記憶部に記憶する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理では、特図2の状態に応じて、次の複数の処理のうちの1つの処理を行う。
例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、特図2表示装置214を構成する8つのLEDのうちの所定のLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算する。
また、主制御部300のRAM308には、10R大当りフラグ、6R大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグ等のフラグが用意されている。これらのフラグは、後述する特図2関連抽選処理において、決定した停止図柄に基づいてオンまたはオフに設定される。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、例えば、10R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグがオフの場合には図5(b)に示す特図c、6R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオフの場合には特図b、6R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図a、小当りフラグがオンの場合には特図d、ハズレフラグがオンの場合には特図eそれぞれの態様となるように、特図2表示装置214を構成するLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図2表示装置214は、10R確変大当り図柄(特図e)、6R確変大当り図柄(特図b)、6R通常大当り図柄(特図a)、小当り図柄(特図d)、ハズレ図柄(特図e)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。なお、同時変動機であるパチンコ機100では、特図2の変動表示中に特図1の変動表示が行われている場合があるが、特図2変動表示時間が経過したタイミングで大当り図柄が停止表示される場合には、特図1の抽選結果のいかんにかかわらず、特図2の大当り図柄表示のタイミングで特図1では抽選結果が破棄されてはずれ図柄が停止表示されることとなる。また、特図2の変動表示中に特図1の変動表示が行われている場合において、特図2変動表示時間が経過したタイミングで小当り図柄が停止表示される場合には、特図2の小当り図柄表示のタイミングで特図1の変動表示時間の進行が中断されることとなり、その結果、特図1の変動表示が開始してから特図1の図柄が停止表示されるまでの時間は、特図2の小当り図柄の停止表示から小当り遊技の終了までの時間だけ延ばされることとなる。
さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ms)その表示を維持するために、RAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が0であって時短フラグがオンであれば、時短フラグをオフにする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフにする。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または第1可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)第1可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(図4に示す各種ソレノイド332の一部)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)第1可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(図4に示す各種ソレノイド332の一部)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本例示形態では、10ラウンド又は6ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するために、RAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた時短回数記憶部に時短回数(例えば、50回)をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンにする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンにすることもない。また、特図確率変動フラグがオンに設定されていれば、大当り遊技の終了と同時、RAM308に設けられた確変フラグをオンにする。
ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態(普図確変)である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技で当りになる確率が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、特図1始動口(可変)231の一対の羽根部材2311の1回の開放における開放時間が長くなり易い(電チュー開延)。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材2311は多く開き易い。これらの普図確変、普図変短、電チュー開延のいずれかが設定される状態を電サポ(電動チューリップによる始動口入賞サポート)状態という。
また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に第1可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に特図1始動口(可変)231に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数(出球数)が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。なお、特図1始動口(可変)231への入賞に対する賞球数が「1」であるので、実質的に大当り遊技中の出球数が多くなることがないので、大当り遊技中においても時短フラグをオンのままにしてもよい。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。
以上、第1可変入賞口234を用いた大当り遊技の例について説明したが、第2可変入賞口235を用いた小当り遊技についても同様である。
さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、はずれフラグがオンにされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同様であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。特図2関連抽選処理(ステップS229)は、特図2の変動遊技を行っておらず、特図2の状態が非作動中であり、特図1及び特図2のいずれの大当り遊技中でもなく、かつ保留している特図2変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図2乱数値記憶領域内の最先の特図2当選乱数値および特図2乱数値を用いて実行される。特図1関連抽選処理は、特図1の変動遊技を行っておらず、特図1の状態が非作動中であり、特図1及び特図2のいずれの大当り遊技中でもなく、かつ保留している特図1変動遊技の数が1以上であることを開始条件として、特図1乱数値記憶領域内の最先の特図1当選乱数値および特図1乱数値を用いて実行される。すなわち、特図1は、特図2が変動遊技中であるか否かにかかわらず、変動遊技を開始することができ、特図2は、特図1が変動遊技中であるか否かにかかわらず、変動遊技を開始することができるように構成されている(同時変動機)。
装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の当否判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、確変状態においては、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図1始動口(固定)230、特図1始動口(可変)231への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われ、通常遊技状態及び時短状態においては、特図1始動口(固定)230、特図1始動口(可変)231への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。しかしながら、確変状態における特図1変動遊技の抽選結果が大当りとなる場合には、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知と並行して、または、一旦特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知を中断して特図1始動口(固定)230、特図1始動口(可変)231への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が実行される場合がある。また、通常遊技状態及び時短状態における特図2変動遊技の抽選結果が大当りとなる場合には、特図1始動口(固定)230、特図1始動口(可変)231への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知と並行して、または、特図1始動口(固定)230、特図1始動口(可変)231への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知を中断して特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が実行される場合がある。
ステップS229の特図2関連抽選処理の場合には、主制御部300は、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2始動情報(特図2当選乱数値および特図2乱数値の組)を取得し、取得した特図2始動情報内の特図2当選乱数値およびRAM308内の特図確率変動フラグの値などに基づいて、ROM306に記憶された当否判定用テーブルを用いて大当りとするか、小当りとするか、あるいははずれとするかの決定(当否判定)を行う。次いで、主制御部300は、取得した特図2始動情報内の特図2乱数値および決定した当否判定結果などに基づいて、ROM306に記憶された特図決定用テーブルを用いて特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定を行う。次いで、主制御部300は、例えば、決定した当否判定結果、停止図柄、当該当否判定時の特図2保留数、取得した特図変動時間決定用乱数値等に基づいて、ROM306に記憶された各種テーブルを用いて特図2の変動表示時間(タイマ番号)の決定を行う。
主制御部300は、特図2乱数値記憶領域から最先の特図2始動情報を取り出した後、当該最先の特図2始動情報を特図2乱数値記憶領域から消去するとともに、特図2保留数記憶領域の特図2保留数を1減算する。このとき、特図2乱数値記憶領域から取り出した特図2始動情報をRAM308に設けた一時領域に記憶し、この一時領域に記憶している特図2始動情報に基づいて上述の決定を行うようにしてもよい。
以上のような特図2関連抽選処理(ステップS229)の後に、特図1関連抽選処理(ステップS231)が同様にして行われる。なお、特図1関連抽選処理と特図2関連抽選処理の順番は逆でもよい。
以上の説明では、前述の特図状態更新処理および特図関連抽選処理を特図1および特図2でそれぞれ独立して行うことで、複数の特図を同時に変動させるように構成したが、これに限定されるものではなく、一方の特図の状態に応じて他方の特図の保留に関する抽選処理や変動遊技を行わないものとしてもよい。後述するように、複数の特図を同時に変動させる場合には、通常遊技状態及び時短状態では、特図1の変動表示に合わせた演出表示を装飾図柄表示装置208に行わせる一方で特図2の変動表示に関しては演出表示を行わず、確変状態では、特図2の変動表示に合わせた演出表示を装飾図柄表示装置208に行わせる一方で特図1の変動表示に関しては演出表示を行わないようにしたが、装飾図柄表示装置208にそれぞれの特図の抽選結果を表示する複数の領域を設けるか、またはそれぞれの特図の抽選結果を表示する複数の装飾図柄表示装置を設けて、それぞれの抽選結果を別箇に表示しても良い。また、複数の特図に関する変動が同時に行われている場合に、先に変動を停止した特図の抽選結果が後に変動を停止する特図の抽選結果に影響を与えても良い。
ステップS231の次のステップS233では、コマンド設定送信処理を行う。このコマンド設定送信処理では、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11~14はコマンド種別(本例示形態では、基本コマンド、入賞口入賞コマンド、アウト球コマンド、発射位置コマンド、特図変動開始コマンド、特図変動停止コマンド、特図停止種別コマンド(特図1及び特図2の変動開始時に送信されるコマンドであって、特図1と特図2のいずれかが先に停止表示するかを特定するコマンド)、特図当り開始コマンド、特図当り終了コマンド、大入賞口開放コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、先読み結果情報コマンド、設定コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0~10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオンまたはオフになるようにしている。また、コマンド種別が特図変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグ、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、さらに、特図変動開始コマンドがセットされるに際し、停止図柄を特定可能な停止図柄情報が含まれる。特図変動停止コマンドの場合であれば、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、特図1始動口(固定)230への入賞の有無、特図1始動口(可変)231への入賞の有無、特図2始動口232への入賞の有無、第1可変入賞口234への入賞の有無、第2可変入賞口235への入賞の有無などを含む。先読み結果情報コマンドの場合であれば、特図1および特図2の種別、先読み数記憶領域に記憶された先読み数、先読み結果記憶部に記憶された停止図柄等の情報をコマンドデータに含む。設定コマンドの場合であれば、設定の情報などを含む。
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、各種大当りフラグ、小当りフラグ、はずれフラグの値などを示す情報を設定する。
上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ(442,452)・スピーカ120に出力する演出制御情報、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ(442,452)・スピーカ120に出力する演出制御情報、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している大当りラウンド数、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している大当りラウンド数、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。
また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS233の次のステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS235の次のステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または球貯留皿満タンエラーの有無などを監視する。前面枠扉開放エラーまたは球貯留皿満タンエラーを検出した場合には、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または球貯留皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して第1特図始動口(可変)231や、第1可変入賞口234や第2可変入賞口235の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普図表示装置210、特図1表示装置212、特図2表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報をI/O310の出力ポートを介して払出制御部600に出力する。
ステップS237の次のステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、HALT状態となる。
次に、図7に示される主制御部タイマ割込処理における普図関連抽選処理(ステップS223)、特図2関連抽選処理(ステップS229)及び特図1関連抽選処理(ステップS231)で用いられる判定用テーブルについて、図8を参照しながら説明する。ここで、図8(a)は、普図当否判定用テーブルの内容の一例を示す図であり、図8(b)は、特図1・2当否判定用テーブルの内容の一例を示す図であり、図8(c)は、特図決定用振分けテーブルの内容の一例を示す図である。
図8(a)に示す普図当否判定用テーブルは、普図当否判定時に用いられる普図用の当否判定用テーブルである。なお、このテーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。図8(a)に示すように、この当否判定用テーブルが用いられた場合、普図低確率状態では、当りとなる値は存在せず、すなわち、当りの確率は0%であり、普図高確率状態では、乱数の取りうる範囲は0~65535であって、当りとなる値は0~65535となっている。すなわち、当りの確率は65536/65536(つまり、100%)である。なお、普図低確率状態(時短非作動時)においては、一定の確率(例えば、1%)で当りとなるようにしてもよいし、普図高確率状態(時短作動時)においては、一定の確率(例えば、1%)ではずれとなるようにしてもよい。
図8(b)に示す特図1・2当否判定用テーブルは、特図1及び特図2の当否判定を行う際に参照されるテーブルであって、設定1~6のいずれであるか、特図低確率状態であるか特図高確率状態であるかによって参照するレコードを選択する。なお、このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
設定1の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として329/65536の確率(約1/200)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として330/65536の確率(約1/199)で大当りが選択される。
設定2の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として341/65536の確率(約1/193)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として342/65536の確率(約1/192)で大当りが選択される。
設定3の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として363/65536の確率(約1/181)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として364/65536の確率(約1/180)で大当りが選択される。
設定4の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として375/65536の確率(約1/175)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として377/65536の確率(約1/174)で大当りが選択される。
設定5の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として451/65536の確率(約1/146)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として452/65536の確率(約1/145)で大当りが選択される。
設定6の特図低確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として701/65536の確率(約1/94)で大当りが選択され、特図高確率状態では、特図1及び特図2の大当り抽選の当否判定の結果として703/65536の確率(約1/93)で大当りが選択される。
また、設定1~6のいずれにかかわらず、また、特図高確率状態であるか特図低確率状態であるかにかかわらず、特図1の大当り抽選の当否判定の結果として6580/65536の確率(約1/10)で12回開閉の小当りが選択され、特図1の大当り抽選の当否判定の結果として6580/65536の確率(約1/10)で1回開閉の小当りが選択される。なお、特図1で小当りが発生しないようにして、特図2でのみ小当り(12回開放の小当りと1回開閉の小当り)が発生するようにしてもよい。また、小当りの確率を設定毎に異ならせるようにしてもよい。
このように、設定1~6のいずれにおいても、特図高確率状態における大当り確率の方が特図低確率状態における大当り確率よりもわずかに高いが、ほとんど同じ確率と同視しうるように設定されている。また、設定により大当り確率が異なっており、設定が高いほど大当りがしやすく、設定が低いほど大当りがし難くなっている。したがって、設定が低いほど、大当りとなり難いが、確変状態に移行した場合には、高設定よりも小当りの発生回数が多くなる傾向があり、異なるゲーム性を持たせることができる場合がある。
いずれの設定においても、特図高確率状態と特図低確率状態とで大当り確率がほとんど同じに設定されているが、大きく異なる点として、特図2の変動表示時間が挙げられる。特図高確率状態における特図2の変動時間は、例えば、1~5秒の変動時間が選択されるようになっている。特図高確率状態では、右打ちした場合には、第2特図始動口232へ多数の遊技球が入球しやすくなっており、特図2の変動表示を多数行うことができ、その結果、小当りの発生頻度が高くなるような仕組みとなっている。特図高確率状態では小当りの発生頻度が高まる状態ということができるため、「小当りラッシュ」という場合がある。また、保留されている特図2の図柄変動表示が4つ(満タン)である状態において、全ての特図2の図柄変動表示を消化するのにかかる時間よりも特図1の1回の図柄変動表示を消化するのにかかる時間の方が長いので、特図1で大当りが発生しにくいようになっている。一方、特図低確率状態における特図2の変動時間は、例えば、580秒の変動時間が選択されるようになっている。したがって、特図低確率状態では、右打ちすれば特図2始動口232への入球頻度も小当り確率も変わらないものの、特図2の変動表示の結果が表示されるまでの時間がおよそ10分毎ということになるので、右打ちしても、遊技者にとっては実質的に不利益となる。なお、特図低確率状態における、特図2の変動時間は、はずれ及び小当りにあっては580秒に設定されているが、大当りとなる場合の変動時間は、それよりも短く、例えば、227秒に設定されている。
図8(c)は、特図決定用振分けテーブルの一例を示すものであり、上述したようにして特図1あるいは特図2の当否判定結果に基づいて、停止図柄を決定する。なお、このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図決定用振分けテーブルは、当否判定結果ごとに特図の停止図柄態様(図5(a)、同図(b)参照)に対応した乱数範囲が規定されている。
まず、特図1当否判定の結果が大当りであれば、「特図A」と「特図B」からいずれか一方が選択される。上述したように、「特図A」は、第1可変入賞口234が開放する6R通常大当りであり、「特図B」は、第1可変入賞口234が開放する6R確変大当りである。各選択率は設定に関係なく1/2ずつとなっている。
また、特図1当否判定の結果が小当りであれば、「特図C」が選択される。上述したように、「特図C」は、第2可変入賞口235が最大で12回の短開放を繰り返す小当りである。
次に、特図2当否判定の結果が大当りであれば、「特図a」~「特図c」のうちいずれか一つが選択される。上述したように、「特図a」は、第1可変入賞口234が開放する6R通常大当りであり、「特図b」は、第1可変入賞口234が開放する6R確変大当りであり、「特図c」は、第1可変入賞口234が開放する10R確変大当りである。各選択率は、設定に関係なく、「特図a」は60/100、「特図b」は5/100、「特図c」は35/100となっている。
また、特図2当否判定の結果が小当りであれば、「特図d」が選択される。上述したように、「特図d」は、第2可変入賞口235が1回短開放する小当りである。
次に、第1副制御部400の処理について説明する。図9(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図9(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS301の次のステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS305の次のステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS307の次のステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS309の次のステップS311では、チャンスボタン制御処理を行う。チャンスボタン制御処理では、演出ボタン136や操作キーユニット190の操作を検出し、その検出結果に応じて、ステップS309で更新した演出データを演出ボタン136や操作キーユニット190の操作に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS311の次のステップS313では、音制御処理を行う。音制御処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS313の次のステップS315では、ランプ制御処理を行う。ランプ制御処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ442,452への命令がある場合には、この命令を遊技盤用ランプ駆動回路440及び遊技台枠用ランプ駆動回路450に出力する。こうして、第2演出可動ユニット8に配置された発光ダイオードD(図17参照)や、ランプユニット9に配置された発光ダイオードDO,DI,DL(図32参照)や、アタッカユニット23に配置された発光ダイオードD1~D3(図40参照)の発光制御が行われる。
ステップS315の次のステップS317では、可動体制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に、図3(a)に示す上部の第1演出可動ユニット7や、後方側に隠れている第2演出可動ユニット8への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS317の次のステップS319では、情報送信処理を行う。情報送信処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行う。その後、ステップS303に戻る。
図9(b)は、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部コマンド受信割込処理(ストローブ割込処理)のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が主制御部300からのストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300から受信したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
図9(c)は、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部タイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(ここでは2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、第1副制御部メイン処理のステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。したがって、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS341の次のステップS343では、第1副制御部メイン処理の情報送信処理(ステップS319)で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、その他演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、第2副制御部500の処理について説明する。図10(a)は、第2副制御部500の図示しないCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図10(a)のステップS401では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS401で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM(不図示)内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS401の次のステップS403では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS405の処理に移行する。ステップS405では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS405の次のステップS407では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPUは、第1副制御部400からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS407の次のステップS409では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS407で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データ(装飾図柄表示装置208による演出データ)をROM(不図示)から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS409の次のステップS411では、画像制御処理を行う。画像制御処理では、ステップS409で読み出した演出データの中にVDP516への命令がある場合には、この命令をVDP516に出力する(詳細は後述)。その後、ステップS403に戻る。
図10(b)は、第2副制御部500のCPUが実行するコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が第1副制御部400からのストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS431では、第1副制御部400から受信したコマンドを未処理コマンドとしてRAMに設けたコマンド記憶領域に記憶する。
図10(c)は、第2副制御部500のCPUが実行するタイマ割込処理のフローチャートである。第2副制御部500は、所定の周期(ここでは2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。タイマ割込処理のステップS441では、第2副制御部メイン処理のステップS403において説明したRAMのタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。したがって、ステップS403において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS441の次のステップS443では、その他演出用乱数値の更新処理等を行う。
図10(d)は、第2副制御部メイン処理のステップS411における画像制御処理のフローチャートである。ステップS451では、画像データ(後述するムービーデータやテクスチャデータ)の転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM518のフレームバッファ1とフレームバッファ2の描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていないフレームバッファに記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM518に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS451の次のステップS453では、VDP516からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合は(ステップS453:Yes)、ステップS455に進み、そうでない場合は(ステップS453:No)、転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS455では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS451でVRAM518に転送した画像データに基づいてVRAM518のフレームバッファ1または2に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP516に指示する。VDP516は、アトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS455の次のステップS457では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP516に画像の描画開始を指示する。VDP516は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS457の次のステップS459では、画像の描画終了に基づくVDP516からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合は、(ステップS459:Yes)、ステップS461に進み、そうでない場合は(ステップS459:No)、生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS461では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
次に、図11を参照して役物比率・設定表示器196及びディップスイッチ基板198の具体的構成について説明する。ここで、図11(A)は、役物比率・設定表示器196の具体的構成の一例を示す図であり、図11(B)は、ディップスイッチ基板198の具体的構成の一例を示す図である。
役物比率・設定表示器196は、上述したように、役物比率モニタと設定モニタとを有して構成されており、役物比率モニタは、連続役物比率(RY)及び役物比率(YH)を表示し、設定モニタは、現在の設定値を表示している。
ここで、連続役物比率とは、獲得する遊技球(すなわち、セーフ球)の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるもの(すなわち、大当り遊技中において第1可変入賞口234が開放して入賞したことにより獲得する遊技球の数)の割合のことをいう。なお、アウト球の数に対する第1可変入賞口234への入賞により獲得する遊技球の数の割合であってもよい。また、役物比率とは、獲得する遊技球(すなわち、セーフ球)の数のうち役物の作動によるもの(すなわち、第1特図始動口(可変)231、第1可変入賞口234及び第2可変入賞口235が開放して入賞したことにより獲得する遊技球の数)の割合のことをいう。なお、アウト球の数に対する第1可変入賞口234、第2可変入賞口235、第1特図始動口(固定)230、第1特図始動口(可変)231、第2特図始動口232及び一般入賞口への入賞により獲得する遊技球の数の割合であってもよい。
連続役物比率を算出した結果、連続役物比率が60%を超えていると判定した場合は、連続役物比率を表示する2ケタの7セグLEDを点滅表示させ、その後に、セキュリティ信号(RY)を出力する。ここで、セキュリティ信号(RY)は、連続役物比率が60%を超えた場合に出力されるエラー信号であり、情報出力回路336を介してパチンコ機100外に出力される。なお、主基板156に実装可能な試験端子から出力されてもよい。これにより、遊技機の型式申請試験を円滑に行わせることができる場合がある。
また、役物比率を算出した結果、役物比率が70%を超えていると判定した場合は、役物比率を表示する2ケタの7セグLEDを点滅表示させ、その後に、セキュリティ信号(YH)を出力する。ここで、セキュリティ信号(YH)は、役物比率が70%を超えた場合に出力されるエラー信号であり、情報出力回路336を介してパチンコ機100外に出力される。
なお、連続役物比率あるいは役物比率が正常値の上限を超えた場合には、所定の7セグLEDを点滅させるようにしたが、例えば、発光色を変化させるようにしてもよい。
図11(B)に示すように、ディップスイッチ基板198には、8つのディップスイッチが配設されている。各ディップスイッチは、第1副基板160に接続されており、電源投入時に各ディップスイッチの位置を読み取り、演出の出現確率を変更することができ、例えば、設定示唆を実行する頻度や、予告の出現率や、演出モードの突入率等を設定することができる。
なお、以上説明したパチンコ機100では、第2可変入賞口235のアタッタは大当り遊技では開放せず、小当り遊技でのみ開放したが、第2可変入賞口235のアタッタが開放する大当りを用意してもよい。例えば、特図2の大当りとして、第1可変入賞口234のアタッタではなく、第2可変入賞口235のアタッタが開放する、3R大当り(実質1R大当り)や、6R大当り等を用意してもよい。
また、特図1と特図2の両方に小当りが用意されていたが、特図2にのみ小当りを設けてもよい。すなわち、特図2に限って、第2可変入賞口235が、最大で或る回数(例えば、12回)の短開放を繰り返す小当りと、1回しか短開放しない小当りを設けてもよい。こうすることで、特図高確率普図低確率状態では、特図1始動口(可変)231が入賞容易状態にならず、第1可変入賞口234のアタッカが入賞困難状態であって、第2可変入賞口235のアタッカも入賞困難状態であれば、右打ちされた遊技球の多くは、第2特図始動口232に入球し、特図2変動遊技において大当りあるいは小当りを獲得することができる。特に、大当り遊技の当選確率よりも小当り遊技の当選確率の方が高い(例えば、およそ10倍程度高い)ことから、第2可変入賞口235が最大で或る回数(例えば、12回)の短開放を繰り返す小当りに当選しやすく、この小当り遊技で出球を稼ぐことが期待できる。
続いて、第2演出可動ユニット8について説明する。第2演出可動ユニット8は、魔女の手をイメージしたハンド可動体81を有する。このハンド可動体81は、昇降動作と、前方側へ向かって倒れ込む回動動作を行うことが可能な可動体である。
図12は、ハンド可動体81が初期位置にある第2演出可動ユニット8を示す図である。
ハンド可動体81は、初期位置では、ステージ244よりも下方かつ後方側に位置している。図12(a)は、図3に示す遊技盤の断面図であり、左側が前方側になる。図3では、第2演出可動ユニット8全体が後方側に隠れてしまっていたが、この図12(a)では、遊技盤200を図3に示すA-A’線で断面したときの様子が示されており、第2演出可動ユニット8が図示されている。
図12(a)に示す遊技盤200のさらに後方側には、ここでは不図示の液晶表示装置である装飾図柄表示装置208(図3参照)が取り付けられる。初期位置にあるハンド可動体81は、その装飾図柄表示装置208に前方側からオーバーラップせず、装飾図柄表示装置208の下縁よりも下方に位置することになる。
図12(b)は、同図(a)で1点鎖線で囲んだ部分から、第2演出可動ユニット8と、ステージ244と、ステージカバー245を抜き出しで示した図である。また、図13(a)は、遊技板201を図3に示すA-A’線で断面し、ステージ244とステージカバー245を前方側から表す斜視図であり、同図(b)は、後方側から表す斜視図である。図13(a)は、図の左手前側が前方側になり、同図(b)は、図の右手前側が後ろ側方側になる。
図13に示すステージ244は、遊技領域124に設けられたものである。遊技領域124は、図1に示す前面枠扉106に設けられた透明板部材118と、遊技板201の後面201bとの間の領域になる。ステージ244は、遊技板201に設けられた開口の縁201eに取り付けられており、図13(a)に示すように、遊技板201の厚みの中に収納されている。図13(a)には、スペシャルルート244aも示されており、スペシャルルート244aは、遊技球がステージ244から前方側に排出されるルートになる。ステージカバー245は、背面カバー部2451と、上方カバー部2452を有する透明なカバーである。なお、ステージカバー245は、半透明なカバーであってもよい。背面カバー部2451は、遊技板201に設けられた開口の縁201eに沿って、開口側に突出し、ステージ244よりも後方側への遊技球の移動を阻止するものである。また、上方カバー部2452は、ステージ244を上方から覆い、ステージ244よりも上方側への遊技球の移動も阻止するものである。図13(a)に示すように、上方カバー部2452は、ステージ244を超えて前方側に飛び出している。すなわち、上方カバー部2452の前側先端2452fは、遊技板201の前面201fよりも前方側に位置している。
図12に示すように、初期位置にあるハンド可動体81の先端(指先)は、真上を向いている。すなわち、初期位置にあるハンド可動体81の姿勢(初期姿勢)は、先端(指先)が真上を向いた姿勢である。図12(b)には、ステージ244の最下端の高さ位置を太い2点鎖線で示し、初期位置にあるハンド可動体81の先端(指先)の高さ位置を細い2点鎖線で示している。これらの2点鎖線の関係から明らかなように、初期位置にあるハンド可動体81の先端(指先)は、ステージ244よりも上方に位置している。背面カバー部2451は突出したものであるものの透明であることから、遊技盤200の正面に座った遊技者から、初期位置にあるハンド可動体81の先端は、その透明な背面カバー部2451を通して視認可能である。また、 ステージ244に遊技球がある場合には、初期位置にあるハンド可動体81の一部(先端部分)に、その遊技球が前方側からオーバーラップすることになる。なお、背面カバー部2451は不透明なものであってもよく、この場合には、遊技盤200の正面に座った遊技者からは、初期位置にあるハンド可動体81は、不透明な背面カバー部2451によって視認困難になる。
図14は、ハンド可動体81が最大上昇位置まで上昇した第2演出可動ユニット8を示す図である。図14(a)は、図13(a)と同じく図3に示す遊技盤の断面図であり、左側が前方側になる。図14(b)は、同図(a)で1点鎖線で囲んだ部分から、第2演出可動ユニット8と、ステージ244と、ステージカバー245を抜き出しで示した図である。
図14に示すハンド可動体81は、最大上昇位置まで上昇するとともに前方側へ向かって倒れ込む回動動作が行われ、ハンド可動体81の先端部分(指先部分)が、ステージ244の上方に位置している。すなわち、ハンド可動体81は、後述するように、上昇しながら手首を返す動作を行い、先端部分(指先部分)が、前方へ進出してくる。図14に示すように、最大上昇位置にあるハンド可動体81の先端(指先)は、斜め上方を向いている。すなわち、最大上昇位置にあるハンド可動体81の姿勢(最大移動姿勢)は、先端(指先)が斜め上方を向いた姿勢である。
最大上昇位置にあるハンド可動体81の指部分は、ここでは不図示の装飾図柄表示装置208の表示画面の下方側に前方側からオーバーラップする。すなわち、最大上昇位置にあるハンド可動体81の指部分は、装飾図柄表示装置208の下縁よりも上方に位置することになる。
図14(b)には、前方側を向いた垂直面vp1が太い2点鎖線で図示されている。この垂直面vp1は、図1に示す前面枠扉106に設けられた透明板部材118と略平行な面であり、遊技盤200の正面に座った遊技者に対向する面になる。ステージ244には、前後方向に重なるようにして複数の垂直面(vp1,vp2等)がかかるが、図14(b)に太い2点鎖線で示す垂直面vp1は、ステージ244の最も後方側にかかる垂直面であり、ちょうど、ステージカバー245の背面カバー部2451の前側で背面カバー部2451に沿って拡がる面になる。図14(b)に示すハンド可動体81の一部は、この垂直面vp1上の位置に位置しており、ハンド可動体81の、前方側に回動した先端部分は、この垂直面vp1を超えてさらに前方側に突出している。回動動作を行ったハンド可動体81の最前端は、ステージ244の最も前方側にかかる、細い2点鎖線の垂直面vp2近傍の位置まで到達しているが、図1に示す前面枠扉106に設けられた透明板部材118に接触するまで、あるいは接触する一歩手前まで前方に進出してもよい。すなわち、ハンド可動体81の一部が、ステージ244上にある遊技球よりも前方側に位置する場合があってもよいし、あるいは、ハンド可動体81の一部が、遊技盤200上の遊技釘の先端よりも前方側に位置する場合があってもよい。
図15は、ハンド可動体81の動作を示した図である。この図15では、図の右斜め手前側が前方側になる。
図15(a)は、ハンド可動体81が初期位置にある状態を示す図であり、図12に示す第2演出可動ユニット8と同じ状態である。第2演出可動ユニット8は、ハンド可動体81の他、ユニットベース80、駆動モータ82、回動部材83、昇降アーム84、可動ベース85、スライドベース86(図15(b)や図16参照)、およびサイドガイド87を備えている。
図16(a)は、第2演出可動ユニット8から、ユニットベース80を図示省略し、ハンド可動体81が初期位置にある状態を、後方側から見た斜視図であり、図の左斜め手前側が後方側になる。
図15(a)に示すように、ユニットベース80の左側には、駆動モータ82が取り付けられている。また、昇降アーム84の一端部分(左端部分)は、駆動モータ82の下方でユニットベース80に回動自在に軸支されている。昇降アーム84の他端部分(右端部分)は、スライドベース86に連結しており(図17(b)参照)、スライドベース86にハンド可動体81の手首側は取り付けられている。図16(a)には、スライドベース86にハンド可動体81を取り付ける取り付けネジ861の一部が図示されている。
また、ハンド可動体81の後ろに設置された可動ベース85にハンド可動体81は、スライドベース86を介して係止されている。図16(a)に示す可動ベース85は、ユニットベース80(図15参照)に取り付けられたスライドレール803に沿って上下動可能であり、スライドレール803の両側には可動溝852が設けられている。ハンド可動体81が取り付けられたスライドベース86からは、この可動溝852に係止突起862が、可動溝852内で上下動可能に挿入されている。したがって、ハンド可動体81は、可動ベース85に対して、上下動可能である。
図15(a)に示すように、ユニットベース80には、左右方向に間隔をあけて一対の上下案内溝801が設けられており、可動ベース85の裏面にある裏面突起851(図16参照)がその上下案内溝801に挿入されており、可動ベース85は、ユニットベース80に対して上下動可能である。したがって、ハンド可動体81は、ユニットベース80に対しても、可動ベース85を介して上下動可能である。
ハンド可動体81には図16(a)に示す回転レバー88が取り付けられており、その回転レバー88の端部には回動突起881が設けられている。回動突起881は、サイドガイド87に設けられたサイド溝871に、サイド溝871内で上下動することができるように挿入されている。サイド溝871には、下端から上方へ向かうにつれて後方側へ傾斜した傾斜部8711が設けられ、その傾斜部8711よりも上には、真っ直ぐ上方に延びた垂直部8712が設けられている。
回動部材83は、ギヤ部831とアーム部832を有する。ギヤ部831は、駆動モータ82の回転ギヤ821(図16(a)参照)と噛合している。アーム部832は、中間部分に中間突起8321(図15(b)や図16(a)参照)を有し、先端部分に先端突起8322を有する。図15に示すように、中間突起8321は、ユニットベース80に設けられた円弧状案内溝802に挿入されている。また、先端突起8322は、昇降アーム84に設けられた直線状案内溝841に挿入されている。図15(a)に示すアーム部832の先端は下方を向いており、そのアーム部832の中間突起8321は、円弧状案内溝802の下端側に位置している。また、図15(a)に示す昇降アーム84は、ユニットベース80の下端部分で左右方向に延在した状態である。すなわち、昇降アーム84は寝た状態であり、図15(a)に示すアーム部832の先端突起8322は、直線状案内溝841の左端側に位置している。
駆動モータ82が順回転すると、ギヤ部831が回動し、アーム部832は、中間突起8321が円弧状案内溝802に案内されて回動動作を行う。この結果、アーム部832の先端突起8322が、直線状案内溝841の右側に向かってスライドし、昇降アーム84は、回動自在に軸支された一端部分(左端部分)とは反対側の他端部分が持ち上げられるように、回動動作を行う。なお、昇降アーム84の一端部分(左端部分)には、回動方向とは逆方向に付勢するバネ部材843が設けられている。昇降アーム84の他端部分が、このバネ部材843の付勢力に抗して持ち上げられると、まず、ハンド可動体81は、図16に示す係止突起862が、可動ベース85に設けられた可動溝852に沿って上昇することで、上方に向けて移動する。やがて、係止突起862が、可動溝852の上縁に当接するまで上昇すると、今度は、可動ベース85が、図15に示すユニットベース80に設けられた一対の上下案内溝801に沿って上昇することで、ハンド可動体81の上昇は継続する。
ハンド可動体81が上昇するにつれて、図16に示す回動突起881は、サイド溝871の傾斜部8711を上昇する。回動突起881がサイド溝871の傾斜部8711を上昇するにつれて、ハンド可動体81の手首部分と、ユニットベース80との間隔が狭くなり、ハンド可動体81は、スライドベース86に設けられた回動軸864(図17(b)参照)を回動中心にしてスペースを確保するように前方側へ向けて徐々に回動する。
図15(b)は、回動突起881がサイド溝871の傾斜部8711を上昇し終えた状態を示す図である。図15(b)に示すハンド可動体81は、前方側へ向かって倒れ込むように回動しており、手首を返したように見える。
図16(b)は、第2演出可動ユニット8から、ユニットベース80を図示省略し、回動突起881がサイド溝871の傾斜部8711を上昇し終えた状態を、後方側から見た斜視図であり、図の左斜め手前側が後方側になる。
図16(b)に示す係止突起862は、可動溝852の上縁に当接しており、可動ベース85が、スライドレール803から抜け出るまで上昇している。また、図16(b)に示す回動突起881は、サイド溝871の傾斜部8711と垂直部8712との境目に到達している。
図15(c)は、ハンド可動体81が最大上昇位置まで上昇した状態を示す図であり、図14に示す第2演出可動ユニット8と同じである。
また、図17(a)は、最大上昇位置まで上昇したハンド可動体81の表側部材を取り外し、少し下方から見上げたときの斜視図である。この図17(a)では、図の右斜め手前側が前方側になる。
ハンド可動体81は、手の甲部分を含む表側部材と、手のひら部分を含む裏側部材811をネジ止めしたものである。図17(a)では、表側部材が取り外されたハンド可動体81の内部に、複数の発光ダイオードDを左右方向一列に実装したLED基板813が示されている。このLED基板813は、手首部分に設けられたものであり、実装された複数の発光ダイオードDは指先の方を向いている。ハンド可動体81の裏側部材811と表側部材の中には、ここでは不図示の、一回り小さな手の形をした導光板が配置され、発光ダイオードDからの光は、導光板の厚み面(端面)から入射される。図17(a)に示す発光ダイオードDは、斜め上方を向いている。これは、発光ダイオードDが、ハンド可動体81の手首部分に内蔵されたものであり、ハンド可動体81が前方側へ向かって倒れ込むように回動したことで、発光ダイオードDも斜め上方を向いた姿勢になっている。一方、図12や図15(a)に示すようにハンド可動体81が初期位置にある場合は、ハンド可動体81の指先は真上を向いており、発光ダイオードDも真上を向いた姿勢になっている。発光ダイオードDの姿勢は、ハンド可動体81が回動動作を行っている間、変化し続ける。ハンド可動体81の手首部分に内蔵された発光ダイオードDの発光タイミングは、ハンド可動体81が初期位置にある状態で発光する場合もあれば、ハンド可動体81が昇降中に発光する場合もあれば、ハンド可動体81が最大上昇位置に到達した時点で発光する場合もあれば、その最大上昇位置にある状態で発光する場合もある。発光ダイオードDの姿勢は、ハンド可動体81が回動動作を行っている間、変化し続けるため、発光ダイオードDからの光の出射方向も変化し続ける。
図17(b)は、ハンド可動体81の裏側部材811とLED基板813も取り外した様子を、少し上方から見たときの斜視図であり、この図17(b)でも、図の右斜め手前側が前方側になる。
図17(b)には、昇降アーム84の他端部分(右端部分)と、スライドベース86の連結構造が示されている。スライドベース86には、左右方向に延在した逃げ溝863が設けられている。昇降アーム84の他端部分(右端部分)に設けられた突起842は、この逃げ溝863に、逃げ溝863内で左右方向に移動可能に挿入されている。ハンド可動体81が初期位置にある場合は、昇降アーム84の突起842は、逃げ溝863の右端に位置しているが、昇降アーム84が回動動作により他端部分(右端部分)が持ち上げられてくると、突起842は逃げ溝863を左方向に移動し、ハンド可動体81が最大上昇位置まで上昇すると、突起842は、逃げ溝863の左端に到達する。
また、図17(b)には、回動突起881がサイド溝871の傾斜部8711を上昇するにつれてハンド可動体81が回動する際の回動中心になるた回動軸864が図示されている。この回動軸864には、回転レバーバネ865が取り付けられている。回転レバーバネ865は、ハンド可動体81が前方側に回動する方向とは逆方向に付勢するものであり、ハンド可動体81は、初期位置から上昇するにつれて、この回転レバーバネ865の付勢力に抗して前方側に回動する。
駆動モータ82が逆回転すると、アーム部832の先端突起8322が、直線状案内溝841の左側に向かってスライドし、昇降アーム84は他端部分(右端部分)が押し下げられるように、回動動作を行い、ハンド可動体81は初期位置へ向けて下降する。また、回動突起881が傾斜部8711に沿って下降すると、ハンド可動体81は後方側へ起き上がる回動動作を行う。すなわち、返された手首を元に戻すように見える動作を行う。
以上の記載によれば、
『 可動体[例えば、ハンド可動体81]と、
遊技球が流下する遊技領域[例えば、遊技領域124]と、
を備えた遊技台であって、
前記可動体は、前記遊技領域に設けられた或る領域(以下、「第一の領域」という。)[例えば、ステージ244]よりも後方側となる第一の位置[例えば、初期位置]に位置することが可能なものであり、
前記可動体の少なくとも一部[例えば、指先部分]は、前記第一の領域の最も後方側にかかる、前方側を向いた垂直面[例えば、図14(b)に太い2点鎖線で示す垂直面vp1]上の第二の位置[例えば、最大上昇位置]に位置することが可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、前記第一の領域にある遊技球を比較対象として前記可動体の動作を強調して遊技者に見せることができる。
なお、前記可動体の少なくとも一部は、前記第一の領域の最も前方側にかかる、前方側の面と後方側の面からなる垂直面上に位置することが可能なものであってもよい。
前記可動体の少なくとも一部は、前記第一の領域よりも前方側に位置することが可能なものであってもよい。
ここにいう少なくとも一部とは、前記可動体の前方側先端部であってもよいし、前方側先端部より後方側の部分であってもよい。
前記可動体の一部が、前記第二の位置に位置することが可能なものであってもよいし、前記可動体の全部が、前記第二の位置に位置することが可能なものであってもよい。
前記第二の位置は、前記第一の領域よりも、上方の位置であってもよいし、下方の位置であってもよいし、左側の位置であってもよいし、右側の位置であってもよい。すなわち、第一の領域から放射方向に広がったいずれの位置であってもよい。
また、
『 前記可動体は、発光手段[例えば、LED基板813]を有するものであり、
前記発光手段は、前記可動体が前記第一の位置と前記第二の位置のうちの一方から他方へ移動する際に姿勢が変化する手段である[例えば、真上を向いた姿勢と斜め上方を向いた姿勢との間で姿勢が変化する]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記発光手段は、基板[例えば、LED基板813]に実装された発光ダイオードであり、
前記可動体が前記第一の位置と前記第二の位置のうちの一方から他方へ移動する際に、前記発光ダイオードからの光の出射方向が変化する、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 第一の駆動手段[例えば、駆動モータ82]を備え、
前記可動体は、前記第一の駆動手段の第一の動作[例えば、順回転]で前記第一の位置と前記第二の位置のうちの一方から他方へ移動するものである[例えば、初期位置から最大上昇位置まで移動]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 ステージカバー[例えば、ステージカバー245]を備え、
前記第一の領域は、ステージ[例えば、ステージ244]であり、
前記第二の位置は、前記ステージよりも上方の位置であり、
前記ステージカバーは、前記ステージよりも後方側への遊技球の移動を阻止するもの[例えば、背面カバー部2451]であり、
前記ステージカバーは、前記ステージよりも上方側への遊技球の移動も阻止するもの[例えば、上方カバー部2452]である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記ステージは、遊技球の滞留時間が長くなる領域である。例えば、前記ステージ内で遊技球が往復動することで遊技球の滞留時間が長くなる領域であったり、遊技球が遊技盤上の遊技釘に弾かれて流下してくるよりもゆっくりと下方へ向かう領域であったりする。
また、前記可動体の一部が、前記ステージ上にある遊技球よりも前方側に位置するようにしてもよいし、遊技盤上の遊技釘の先端よりも前方側に位置するようにしてもよい。
また、
『 前記ステージカバーは、透明又は半透明なものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 演出手段[例えば、装飾図柄表示装置208]を備え、
前記可動体は、前記第一の位置に位置する場合には、前記演出手段にオーバーラップしないものであり、
前記可動体は、前記第二の位置に位置する場合には、前記演出手段に少なくとも一部[例えば、指部分]がオーバーラップするものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記可動体は、前記第一の位置に位置する場合には、前記演出手段に前方側から重ならず、前記第二の位置に位置する場合には、前記演出手段に少なくとも一部が前方側から重なるものである。
前記可動体は、前記第二の位置に位置する場合には、前記演出手段に、一部がオーバーラップするものであってもよいし、全部がオーバーラップするものであってもよい。
前記演出手段は、表示手段であってもよい。
前記ステージは、前記表示手段の下に設けられたものであってもよい。
前記可動体が、さらに可動部を有するものであってもよい。例えば、ハンド可動体81の指部分の指が伸びる可動部を設けてもよい。
前記遊技領域に設けられた或る領域(以下、「第二の領域」という。)[例えば、前記第一の領域と同じステージ244]よりも後方側に位置することが可能な第二の可動体[例えば、前記可動体が右手であった場合には第二の可動体は左手の可動体であってもよい]を備え、前記第二の可動体の少なくとも一部は、前記第二の領域の最も後方側にかかる、前方側を向いた垂直面上に位置することが可能なものであってもよい。
前記第二の領域は、前記第一の領域と同じ領域であってもよいし、異なる領域であってもよい。
続いて、第1演出可動ユニット7について説明する。
図18は、第1演出可動ユニット7の落下動作を説明するための図である。
第1演出可動ユニット7は、昇降ユニット71と、その昇降ユニット71を左右で支える左ベース72と右ベース73を有する。図3に示すように、左ベース72と右ベース73は、飾りパネル等によって隠され、遊技者からは見えないようになっている。左ベース72の上部には、左側モータ721が配置され、右ベース73の上部には、右側モータ731が配置されている。
図18(a)は、昇降ユニット71が初期位置にある状態を示す図である。すなわち、図3に示す第1演出可動ユニット7の状態と同じ状態を示す。図19(a)は、図18(a)に示す第1演出可動ユニット7を後方側から見た斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。また、図19(a)は、後方側から見た図であるため、図の左側が前方側から見たときの右側になり、図の右側が前方側から見たときの左側になる。図19(a)を用いた説明では、左右方向を、前方側から見たときを基準にして説明する。この図19(a)では、左ベース72と右ベース73それぞれから、後方側カバー部材が取り外されており、左ベース72と右ベース73それぞれの内部構造が示されている。図19(a)に示すように、左ベース72の内部には、左側モータ721の駆動によって循環する左走行ベルト722と、その左走行ベルト722に固定された左押上部材723と、前後に配置されそれぞれが上下方向に延びた左ガイド棒7241,7242が配置されている。また、右ベース73の内部には、右側モータ731の駆動によって循環する右走行ベルト732と、その右走行ベルト732に固定された右押上部材733と、前後に配置されそれぞれが上下方向に延びた右ガイド棒7341,7342が配置されている。
また、左ベース72の上端部分と右ベース73の上端部分の間には、ロックユニット74が配置されている。ロックユニット74は、昇降ユニット71の後方側に配置され、その昇降ユニット71を初期位置に保持するためのユニットである。ロックユニット74は、ロックユニット74の前面を構成するロック前カバー740fと、ロックユニット74の後面を構成するロック後カバー740bと、そのロック後カバー740bに設けられた駆動ギヤ741と、駆動ギヤ741に噛合した直線状のギヤ7421が設けられたロックアーム742と、ロックアーム742の左右方向両側それぞれに設けられたレバー部材743を有する。駆動ギヤ741は、ロック前カバー740fとロック後カバー740bとの間に設けられた、ここでは不図示のモータの駆動を受けて回転する。そのモータが順方向に回転すると、駆動ギヤ741に噛合したロックアーム742は、図19(a)の右側にスライドし(矢印S1参照)、レバー部材743は後方側に向けて回動する(矢印R1参照)。左右のレバー部材743それぞれは、ロック部材744(図22参照)と係合している。ロック部材744は、ロック前カバー740fから昇降ユニット71に向けて突出しており、ロック部材744の突出した部分は、昇降ユニット71に係合し、昇降ユニット71を初期位置に保持している。レバー部材743が後方側に向けて回動すると、ロック部材744は後退し、昇降ユニット71との係合が解かれ、昇降ユニット71は初期位置に保持されなくなり、落下する。駆動ギヤ741を駆動するモータは、ロック部材744の係合が解除されるまで順方向に回転すると、今度は、逆方向に回転を切り替え、ロックアーム742は左側にスライドし、レバー部材743は前方側に向けて回動する。この結果、ロック部材744は、前方に突出した姿勢に復帰する。
また、左ベース72には、昇降ユニット71の左端部に接続する左スライダ725が設けられ、右ベース73には、昇降ユニット71の右端部に接続する右スライダ735が設けられている。左スライダ725には、前方側の左ガイド棒7241が挿通されている。右スライダ735には、前方側の右ガイド棒7341が挿通されている。昇降ユニット71は、左スライダ725が前方側の左ガイド棒7241に案内されるとともに右スライダ735が前方側の右ガイド棒7341に案内されることで、落下動作を行う。また、左スライダ725には、左定荷重バネ745Lに設けられた帯状部材7450(図19(b)参照)の先端部分が接続され、右スライダ735には、右定荷重バネ745Rに設けられた帯状部材7451(図19(b)参照)の先端部分が接続されている。これらの定荷重バネ745L,745Rは、昇降ユニット71の落下速度を減速させる目的で設けられたものであり、帯状部材7450,7451の引出しトルクが一定に保たれたものである。
図18(b)は、昇降ユニット71が落下位置にある状態を示す図である。昇降ユニット71は、落下位置では、液晶表示装置である装飾図柄表示装置208の表示画面に前方側からオーバーラップする。ただし、この落下位置は、図14に示す第2演出可動ユニット8におけるハンド可動体81の最大上昇位置よりは上方であり、落下位置まで下降した昇降ユニット71が、最大上昇位置まで上昇したハンド可動体81の指先部分と干渉することはない。
昇降ユニット71には、ロゴ可動体712と、キャラ可動体713との2種類の可動体が搭載されている。ロゴ可動体712と、キャラ可動体713は、前後方向に並んで配置されている。すなわち、ロゴ可動体712は、相対的に前方側に配置され、キャラ可動体713は、相対的に後方側に配置されている。図18(b)では、ロゴ可動体712も、その後方側に配置されたキャラ可動体713も、初期位置に位置し、初期姿勢である。遊技盤200の正面に座った遊技者からは、ロゴ可動体712は、初期位置にあるキャラ可動体713に比べて視認容易であるが、初期位置にあるキャラ可動体713はロゴ可動体712に比べて視認困難である。
落下位置に位置する昇降ユニット71では、ロゴ可動体712が演出動作を実行する。ロゴ可動体712は、左側ロゴ部712Lと右側ロゴ部712Rを有する。
図20は、ロゴ可動体712を後方側から見た斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。この図20も、図19(a)と同じく、後方側から見た図であるため、図の左側が前方側から見たときの右側になり、図の右側が前方側から見たときの左側になる。ここでの説明でも、左右方向を、前方側から見たときを基準にして説明する。
図20(a)は、図18(a)に示す昇降ユニット71のロゴ可動体712を後方側から見た斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。図20(a)では、昇降ユニット71における後方側の部材(キャラ可動体713等)を図示省略してある。
第1演出可動ユニット7は、ギヤラック部材70を有する。ギヤラック部材70は、詳しくは後述するように、ここでは不図示のモータの駆動力を受けて左右方向に移動可能な板部材である。図20(a)に示すギヤラック部材70は初期位置に位置している。また、図20(a)に示す左側ロゴ部712Lにしても右側ロゴ部712Rにしても、初期位置に位置し、初期姿勢である。
左側ロゴ部712Lおよび右側ロゴ部712Rと、ギヤラック部材70との間には、ロゴ可動体取付板75が設けられている。
ギヤラック部材70には、左側溝70Lと右側溝70Rが形成されている。左側溝70Lには、左側ロゴ部712Lの後面に設けられた第1左用突起712L1が挿入されている。また、右側溝70Rには、右側ロゴ部712Rの後面に設けられた第1右用突起712R1が挿入されている。図20(a)に示す、初期位置にある左側ロゴ部712Lの第1左用突起712L1は、左側溝70Lの右端、すなわち左側溝70Lに設けられた傾斜部の上端に位置している。図20(a)に示す、初期位置にある右側ロゴ部712Rの第1右用突起712R1は、右側溝70Rの右端、すなわち右側溝70Rに設けられた傾斜部の上端からさらに右側に延びた部分に位置している。
また、ギヤラック部材70の右上隅部(図20(a)では左上隅部)に設けられた連結部705は、右側ロゴ部712Rの後面に設けられた第2右用突起712R2と連結している。
図20(b)は、同図(a)に示すギヤラック部材70を取り外した状態を示す図である。
左側ロゴ部712Lの後面には、第1左用突起712L1の他に、第2左用突起712L2が設けられている。ロゴ可動体取付板75には、第1左用溝751と第2左用溝752が形成されている。第1左用溝751にしても第2左用溝752にしても、右斜め下がり(図20(b)では左斜め下がり)の円弧状の溝である。第1左用溝751には、第1左用突起712L1が挿入され、図20(a)に示すように、第1左用突起712L1はさらにギヤラック部材70の左側溝70Lに挿入されている。図20(b)に示す第1左用突起712L1は、第1左用溝751の上側に位置している。第2左用溝752には、第2左用突起712L2が挿入され、図20(b)に示す第2左用突起712L2は、第2左用溝752の上側に位置している。
また、図20(b)に示すように、ロゴ可動体取付板75には、第1右用溝753と第2右用溝754が形成されている。第1右用溝753と第2右用溝754はいずれも、右斜め下がり(図20(b)では左斜め下がり)の直線状の溝である。第1右用溝753には、第1右用突起712R1が挿入され、図20(a)に示すように、第1右用突起712R1はさらにギヤラック部材70の右側溝70Rに挿入されている。図20(b)に示す第1右用突起712R1は、第1右用溝753の上側に位置している。また、第2右用溝754には、第2右用突起712R2が挿入されている。図20(b)に示す第2右用突起712R2は、第2右用溝754の上側に位置している。
図18(c)は、ロゴ可動体712が演出動作を行っている様子を示す図である。この演出動作では、左側ロゴ部712Lが反時計周りの方向に回転し、右側ロゴ部712Rが時計周りの方向に回転する。ロゴ可動体712が演出動作を行うと、演出動作を行う前よりもキャラ可動体713が視認容易になる。
図21は、図18(c)に示すロゴ可動体712を後方側から見た斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。この図21も、図20と同じく、後方側から見た図であるため、図の左側が前方側から見たときの右側になり、図の右側が前方側から見たときの左側になる。ここでの説明でも、左右方向を、前方側から見たときを基準にして説明する。
図21(a)では、図20(a)と同じく、昇降ユニット71における後方側の部材(キャラ可動体713等)を図示省略してある。図21(a)に示すギヤラック部材70は、右側(図21(a)では左側)に移動している。
図21(b)は、同図(a)に示すギヤラック部材70を取り外した状態を示す図である。
図21(b)に示す第1左用突起712L1は、円弧状の第1左用溝751に案内され第1左用溝751の中間位置に位置している。また、図21(b)に示す第2左用突起712L2は、円弧状の第2左用溝752に案内され第2左用溝752の中間位置に位置している。左側ロゴ部712Lの後面に設けられた、これらの第1左用突起712L1および第2左用突起712L2の移動によって、左側ロゴ部712Lは反時計周りの方向(図21では矢印Raが示す時計周りの方向)に回転する。
また、図21(b)に示す第1右用突起712R1は、第1右用溝753に案内され第1右用溝753の中間位置に位置している。また、図21(b)に示す第2右用突起712R2は、第2右用溝754に案内され第2右用溝754の中間位置に位置している。右側ロゴ部712Rの後面に設けられた、これらの第1右用突起712R1および第2右用突起712R2の移動によって、右側ロゴ部712Rは時計周りの方向(図21では矢印Rbが示す反時計周りの方向)に回転する。
ギヤラック部材70が、左側(図21では右側)に移動すると、左側ロゴ部712Lも右側ロゴ部712Rも初期位置に戻る。
図22は、キャラ可動体713が演出動作を行っている様子を示す図である。この図22には、ロック前カバー740fよりも前方に突出した姿勢に復帰したロック部材744が示されている。
ロゴ可動体712の演出動作が終了すると、今度は、後方側に配置されたキャラ可動体713が演出動作を開始する。キャラ可動体713は、左側キャラ部713Lと右側キャラ部713Rを有する。なお、左側キャラ部713Lにしても右側キャラ部713Rにしても、実際には前面にキャラクタの顔が印刷されたシールが貼付される。
左側キャラ部713Lは、右側キャラ部713Rよりも前側に配置されている。左側キャラ部713Lにしても右側キャラ部713Rにしても、初期姿勢では寝た姿勢である。演出動作が開始されると、右側キャラ部713Rが、左側が持ち上がるように時計周りの方向に回動動作を行う。図22に示す右側キャラ部713Rは、先端部分が、90°近くまで持ち上がり、ロック前カバー740fの前方側からロック前カバー740fにオーバーラップする位置まで回動している。左側キャラ部713Lは、右側キャラ部713Rの回動動作に連動して、右側が持ち上がるように反時計周りの方向に回動動作を行う。キャラ可動体713の演出動作の機構的な説明は後述する。
図19(b)は、図22に示す第1演出可動ユニット7を後方側から見た斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。この図19(b)も、同図(a)と同じく、後方側から見た図であるため、図の左側が前方側から見たときの右側になり、図の右側が前方側から見たときの左側になる。ここでの説明でも、左右方向を、前方側から見たときを基準にして説明する。
また、図19(b)でも、同図(a)と同じように、左ベース72と右ベース73それぞれから、後方側カバー部材が取り外されており、左ベース72と右ベース73それぞれの内部構造が示されている。左スライダ725には左後側ベース部726が取り付けられており、右スライダ735には右後側ベース部736が取り付けられている。左後側ベース部726には、後方側の左ガイド棒7242が挿通され、右後側ベース部736には、後方側の右ガイド棒7342が挿通されている。左走行ベルト722に固定された左押上部材723は、左後側ベース部726に下方から当接しており、右走行ベルト732に固定された右押上部材733は、右後側ベース部736に下方から当接している。
キャラ可動体713の演出動作が終了すると、落下位置では、キャラ可動体713が初期位置に向けての復帰動作を実行し、その復帰動作が完了すると、次いで、ロゴ可動体712も初期位置に向けての復帰動作を実行する。
また、昇降ユニット71は、落下位置から初期位置に上昇動作を行う。この上昇動作では、左側モータ721と右側モータ731が同期して駆動し、左走行ベルト722が循環することにより、左押上部材723が上昇し、上昇する左押上部材723に左後側ベース部726が押される。また、右走行ベルト732が循環することにより、右押上部材733が上昇し、上昇する右押上部材733に右後側ベース部736が押される。昇降ユニット71は、左後側ベース部726が後方側の左ガイド棒7242に案内されるとともに右後側ベース部736が後方側の右ガイド棒7342に案内されることで、落下位置から初期位置に向けて、水平姿勢を保ったまま上昇動作を行う。初期位置近傍まで戻ってきた昇降ユニット71は、前方に突出しているロック部材744(図22参照)を一旦押し下げ、初期位置に復帰する。昇降ユニット71が初期位置に復帰するとともに、ロック部材744も前方に突出した姿勢に復帰し、ロック部材744が昇降ユニット71に係合する。こうして、昇降ユニット71は初期位置に保持される。
図23は、昇降ユニット71からロゴ可動体712を取り外した状態を表す斜視図である。この図23では、図の左手前側が前方側になる。
図23には、左右方向に移動可能なギヤラック部材70が図示されている。このギヤラック部材70は、上縁の中央部分に上ラックギヤ701が設けられているとともに、下縁の右端から左側に向かって下ラックギヤ702が設けられている。また、ギヤラック部材70の右上隅には、後方側に向かって突出した係止突起703が設けられている。なお、係止突起703とは反対側の前方側には、図20を用いて説明した連結部705が設けられている。
昇降ユニット71は、後面にベース板711を有する。このベース板711には、ギヤラック部材70を移動させるモータ7111が取り付けられている。また、昇降ユニット71には、下ギヤ714が設けられている。モータ7111の駆動力は、ギヤ列によって下ギヤ714に伝達する。下ギヤ714は、ギヤラック部材70の下ラックギヤ702に噛合している。図23に示すギヤラック部材70は、左側に寄った初期位置にあり、下ギヤ714は、下ラックギヤ702の右端部分に噛合している。すなわち、図23では、図20(a)において後方側から示したギヤラック部材70を前方側から示している。
また、昇降ユニット71には、上ギヤ715も設けられている。上ギヤ715は前側ギヤ7151と後側ギヤ7152を有する。前側ギヤ7151は、上ラックギヤ701に噛合可能なギヤであるが、図23に示す前側ギヤ7151は、上ラックギヤ701に噛合していない。
図23に示す右側キャラ部713Rも左側キャラ部713Lも初期位置に位置し、寝た姿勢(初期姿勢)である。右側キャラ部713Rは、右端部が、後面のベース板711に回動可能に軸支されており、回動軸周りには、スプリング7131が取り付けられている。このスプリング7131は、右側キャラ部713Rが左側が持ち上がるように時計周りの方向に回動する方向とは逆方向に付勢するものである。また、右側キャラ部713Rには、右側キャラ用レバー7132が取り付けられている。
図24(a)は、図23に示す右側キャラ用レバー7132を中心にその周辺を斜め上方から拡大して示す図である。
右側キャラ用レバー7132には、ギヤ部7132aと係止溝7132bが設けられている。ギヤ部7132aは、上ギヤ715における後側ギヤ7152と噛合している。
初期姿勢の右側キャラ部713Rに取り付けられた右側キャラ用レバー7132は、図24(a)に示すように、左斜め下方を向いた姿勢である。すなわち、左側に寄った初期位置にあるギヤラック部材70の方を向いた姿勢であり、この姿勢が右側キャラ用レバー7132の初期姿勢になる。
初期姿勢の右側キャラ用レバー7132の係止溝7132bには、初期位置にあるギヤラック部材70の係止突起703が入り込んでいる。係止溝7132bは、右方向が開放した溝であるが、上下方向は閉塞している。図18(a)および同図(b)に示すように、昇降ユニット71は初期位置から落下位置まで落下する。この際、上述のごとく、図19や図22に示す左定荷重バネ745Lおよび右定荷重バネ745Rによって、昇降ユニット71の落下速度は減速されるものの、落下位置での停止時には、慣性力が作用し、昇降ユニット71には上方へ弾む力が加わる。この結果、昇降ユニット71に対する右側キャラ部713Rの相対位置が変化する。特に、右側キャラ部713Rは、ロゴ可動体712や左側キャラ部713Lに比べて長いものであるため、上方へ弾むと、左端の動きが目立ちやすい。図24(a)に示すように、上ギヤ715の前側ギヤ7151は、ギヤラック部材70の上ラックギヤ701には噛合していない。詳しくは後述するが、モータ7111の駆動力(回転力)は、右側キャラ部713Rに伝わる状態ではない。すなわち、モータ7111の駆動力(回転力)が右側キャラ部713Rに伝わるように各種のギヤ部材が噛合した駆動力伝達機構はまだ形成されていない。駆動力伝達機構が形成されていれば、バックラッシを超えたズレは許容されないが、駆動力伝達機構が形成されていなければ、右側キャラ部713Rのズレ(上方へ弾むこと)が許容されてしまうことになる。
しかしながら、ギヤラック部材70の係止突起703が、右側キャラ用レバー7132の係止溝7132bに入り込んでいるため、落下停止時に右側キャラ部713Rに上方へ弾む力が加わったとしても、係止突起703が係止溝7132bの下壁に衝突して、右側キャラ部713Rが上方へ弾むことが抑えられる。なお、上述のごとく、左側キャラ部713Lは、右側キャラ部713Rの回動動作に連動するため、右側キャラ部713Rが上方へ弾むことが抑えられれば、左側キャラ部713Lも上方へ弾むことが抑えられる。
図24(b)は、ギヤラック部材70が、左側に寄った初期位置から、モータ7111が駆動することで、右側に少し移動した様子を示す斜視図である。この図24(b)でも、図の左手前側が前方側になる。図24(b)では、図21(a)において後方側から示したギヤラック部材70を前方側から示している。
図24(b)に示すギヤラック部材70は、下ギヤ714が時計周りの方向に回転(矢印R2参照)することで右側に向けて(矢印S2参照)少し移動した状態である。図24(a)に示すように、ギヤラック部材70は、左側に寄った初期位置では、係止突起703が右側キャラ用レバー7132の係止溝7132bに入り込んでいたが、同図(b)に示す係止突起703は、係止溝7132bから抜け出ている。すなわち、右方向が開放した係止溝7132b内にあった係止突起703は、ギヤラック部材70が右側に移動することで、右側に抜け出ている。したがって、ロゴ可動体712の演出動作の実行中に、係止溝7132bから係止突起703が抜け出すことになり、右側キャラ部713Rに対する係止突起703の規制が解除される。
なお、図24(b)に示す上ギヤ715の前側ギヤ7151は、ギヤラック部材70が右側に少し移動したことで、上ラックギヤ701の真横に位置しているが、上ラックギヤ701に噛合するまでには至っていない。
モータ7111がさらに駆動し、下ギヤ714が時計周りの方向に回転を続けることで、前側ギヤ7151が、上ラックギヤ701に噛合し、上ギヤ715が回転を開始する。上ギヤ715が回転を開始すると、後側ギヤ7152に噛合した右側キャラ用レバー7132が回動を開始する。すなわち、これまで左斜め下方を向いた姿勢であった右側キャラ用レバー7132が、時計周りの方向に回動し始め、右斜め上方を向いた姿勢へと変化する。この右側キャラ用レバー7132の回動に合わせて、右側キャラ用レバー7132が取り付けられた右側キャラ部713Rも、左側が持ち上がるように時計周りの方向に回動動作を開始する。したがって、ロゴ可動体712の演出動作の実行が完了した後に、キャラ可動体713の演出動作の実行が開始される。
図25(a)は、キャラ可動体713が演出動作を行っている昇降ユニット71からロゴ可動体712を取り外した状態を表す斜視図である。この図25でも、図の左手前側が前方側になる。この図25に示すキャラ可動体713は、図19(b)に示すキャラ可動体713や、図22に示すキャラ可動体713と同じである。
図19(b)に示すように、ベース板711には、円弧状の案内溝7112が形成されている。この円弧状の案内溝7112には、右側キャラ部713Rの後面に設けられた突部7133が挿入されている。右側キャラ部713Rは、この突部7133が案内溝7112に案内されて回動動作を行う。図19(b)に示す突部7133は、円弧状の案内溝7112の上端に位置している。
図25(a)に示すギヤラック部材70は、最も右側まで移動した状態であり、右側キャラ用レバー7132は、右斜め上方を向いた姿勢になっている。また、図25に示す右側キャラ部713Rは、先端部分が、90°近くまで持ち上がっており、最大回動位置まで回動した状態である。
また、図25(a)に示す左側キャラ部713Lも回動し、右側が持ち上がっている。上ギヤ715の後方には、連動レバー7134が配置されている。
図25(b)は、図25(a)に示す上ギヤ715を取り外し、上ギヤ715の後方に配置された連動レバー7134が見えるようにした図である。
右側キャラ部713Rの前面には、連動レバー7134が取り付けられており、この連動レバー7134は、左側キャラ部713Lの下縁に下方から当接している。したがって、連動レバー7134は、右側キャラ部713Rとともに回動し、左側キャラ部713Lを下方から押し上げる。こうして、左側キャラ部713Lは、右側キャラ部713Rの回動動作に連動して、左側に設けられた回動軸7135を中心に、右側が持ち上がるように反時計周りの方向に回動動作を行う。図25に示す左側キャラ部713Lも、右側キャラ部713Rに連動して、最大回動位置まで回動した状態である。
モータ7111が逆方向に駆動すると、ギヤラック部材70は、左方向に移動を開始し、初期位置まで戻る。ギヤラック部材70が左方向に移動すると、上ギヤ715が逆回転を開始し、後側ギヤ7152に噛合した右側キャラ用レバー7132が、図23に示す左斜め下方を向いた初期姿勢に向けて逆回動する。こうして右側キャラ用レバー7132が初期姿勢に向けて逆回動することで、右側キャラ部713Rも初期姿勢に向けて逆回動する。
左側キャラ部713Lには、回動軸7135近傍に引張バネ7136が設けられている。右側キャラ部713Rの逆回動に合わせて連動レバー7134の押し上げが解除されていくと、この引張バネ7136の付勢力によって、左側キャラ部713Lも初期姿勢に向けて逆回動する。
なお、ここでの説明では、ロゴ可動体712の演出動作もキャラ可動体713の演出動作も、共通のギヤラック部材70を用いた動作であったため、ロゴ可動体712の演出動作が完了してからキャラ可動体713の演出動作が開始する構成であったが、ギヤラック部材70のような部材を別々に用意してもよい。こうすることで、ロゴ可動体712の演出動作と、キャラ可動体713が演出動作は、どちらか一方が先に開始することができるようになったり、同時に開始することができるようになったりする。また、いずれか一方のみの演出動作しか行われない場合があってもよい。さらに、キャラ可動体713の復帰動作と、ロゴ可動体712の復帰動作も、どちらか一方が先に開始することができるようになったり、同時に開始することができるようになったりする。また、いずれか一方のみの復帰動作しか行われない場合があってもよい。
また、図18~図25を用いて説明した右側キャラ部713R等の可動体の相対位置の変化を規制する構造は、回胴遊技機(スロットマシン)に設けられた可動体にも適用することができる。
以上の記載によれば、
『 演出動作[例えば、落下動作]を実行可能な可動ユニット[例えば、第1演出可動ユニット7、あるいは昇降ユニット71]と、
前記可動ユニットに設けられた第一の可動体[例えば、キャラ可動体713、あるいは右側キャラ部713R]と、
を備えた遊技台であって、
前記可動ユニットは、規制手段[例えば、係止溝7132bに入り込んだ係止突起703]を有するものであり、
前記規制手段は、前記演出動作を実行する前後における、前記可動ユニットに対する前記第一の可動体の相対位置の変化[例えば、落下停止時に慣性力が作用し第一の可動体が弾んでしまうことによる、初期位置からの変化]を規制するものである、
ことを特徴とする遊技台[例えば、パチンコ機100]。』
について説明した。
この遊技台によれば、意図しない前記第一の可動体の動きによって遊技者に違和感を与えることなく前記演出動作を実行できる。
なお、前記演出動作は、上昇動作であってもよいし、横方向のスライド動作であってもよいし、前方への進出動作であってもよいし、後方への後退動作であってもよい。
前記演出動作は、前記第一の可動体による演出を含まない動作であってもよい。ここにいう前記第一の可動体による演出とは、該第一の可動体の一部又は全部が姿勢変化をしたり、発光したり、回動したりする等といった、該第一の可動体が、演出開始前よりも目立つようになる演出のことであり、例えば、該第一の可動体が、目立たずに単に位置を変える(移動する)だけの演出等は該当しない。
また、
『 前記第一の可動体は、第一の動作[例えば、回動動作]を実行可能なものであり、
前記第一の動作は、前記演出動作に含まれない動作である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 第一の駆動手段[例えば、モータ7111]を備え、
前記第一の可動体は、前記第一の駆動手段の駆動によって前記第一の動作を実行可能なものであり[例えば、図25]、
前記第一の駆動手段の駆動によって、前記規制手段による規制が解除され[例えば、図24(b)]、前記第一の可動体が前記第一の動作を実行する、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
さらに、
「 前記第一の駆動手段[例えば、モータ7111]の駆動力を前記第一の可動体に伝達する駆動力伝達手段[例えば、下ギヤ714、ギヤラック部材70、上ギヤ715]を備え、
前記規制手段は、前記駆動力伝達手段とは異なる手段である、
ことを特徴とする遊技台。」
についても説明した。
また、
『 前記演出動作が、落下動作である[例えば、図18(b)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記可動ユニットに設けられた第二の可動体[例えば、ロゴ可動体712]を備え、
前記第二の可動体は、第二の動作[例えば、回転動作]を実行可能なものであり[例えば、図18(c)]、
前記第二の動作の実行中に、前記規制手段による規制が解除される[例えば、図24(b)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第二の動作の実行が完了した後に、前記第一の動作の実行が開始される[例えば、図25]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第二の可動体は、前記第一の駆動手段の駆動によって前記第二の動作を実行可能なものであってもよい。
次に、パチンコ機100の搬送時における昇降ユニット71の工夫について説明する。
図26は、図3に示す遊技台を前方側斜め上方から見た斜視図である。
遊技盤200では、遊技板201よりも後方は、樹脂製の裏ベース260によって覆われている。
また、図3では説明を省略したが、装飾上カバー203および装飾右上カバー205と、昇降ユニット71との間には、イルミパネル207が配置されている。このイルミパネル207は、厚み面(端面)から光が入射され、入射された光を反射させて前面から出射するものである。
昇降ユニット71は、前方側をこのイルミパネル207によって覆われており、前面枠扉106を開けても、昇降ユニット71には接触不能である。すなわち、イルミパネル207を取り外さなければ、昇降ユニット71に接触することはできない。昇降ユニット71は、上述した図22に示すロック部材744の係合によって初期位置に保持されている。したがって、パチンコ機100の搬送時には、衝撃等によって、ロック部材744の係合が外れる恐れがある。そこで、搬送時に、昇降ユニット71が落下しないように昇降ユニット71を初期位置に固定させておきたい。前面枠扉106を開けて接触可能な部材であれば、テープを貼る等して固定することができるが、上述のごとく、昇降ユニット71は、イルミパネル207によって覆われており、接触不能であるため、テープを貼る等して固定することができない。
そこで、図26に示す遊技盤200では、第1固定ピン261と第2固定ピン262を用いて、昇降ユニット71を吊り上げて、昇降ユニット71を初期位置に固定させている。図26では、裏ベース260に設けられた切欠部から第1固定ピン261の一部と第2固定ピン262の一部がそれぞれ見えている。また、第1固定ピン261の前端部分2611は、装飾上カバー203から前方側に突出し、第2固定ピン262の前端部分2621は、装飾右上カバー205から前方側に突出している。
図27は、図26に示す遊技盤200を真上から見た平面図であり、図の下側が前方側になる。
この図27でも、裏ベース260に設けられた切欠部から第1固定ピン261の一部と第2固定ピン262の一部がそれぞれ見えている。また、第1固定ピン261の前端部分2611が前方側に突出し、第2固定ピン262の前端部分2621も前方側に突出していることもわかる。
さらに、遊技盤200の後面からは、左右方向に間隔をあけて、第1搬送固定部材263と第2搬送固定部材264が差し込まれている。
図28は、遊技盤200から裏ベース260を外した状態を後方側から見た斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。この図28も、図19(a)等と同じく、後方側から見た図であるため、図の左側が前方側から見たときの右側になり、図の右側が前方側から見たときの左側になる。ここでの説明でも、左右方向を、前方側から見たときを基準にして説明する。
この図28でも、昇降ユニット71を貫通した第1固定ピン261の一部と、同じく昇降ユニット71を貫通した第2固定ピン262の一部がそれぞれ見えている。また、図28には、図19(a)を用いて説明したロックユニット74が示されている。このロックユニット74のロック後カバー740bには、第1搬送固定部材263と第2搬送固定部材264がそれぞれ差し込まれている。
図29は、第1固定ピン261および第2固定ピン262と、第1搬送固定部材263および第2搬送固定部材264の取り付け構造を説明するための分解斜視図である。この図29では、図の左奥側が前方側になり、図の右手前側が後方側になる。
図29では、前方に、装飾上カバー203および装飾右上カバー205が示され、その後ろに、昇降ユニット71、ロック前カバー740fの順で示され、後方にロック後カバー740bが示されている。
装飾上カバー203には、第1固定ピン261が挿通される貫通孔2031が設けられている。装飾右上カバー205には、第2固定ピン262が挿通される貫通孔2051が設けられている。
固定対象になる昇降ユニット71には、昇降ユニット71を固定するための第1固定ピン261が挿通される第1貫通孔7101と、同じく昇降ユニット71を固定するための第2固定ピン262が挿通される第2貫通孔7102が設けられている。第1貫通孔7101は、図23にも示したベース板711に設けられている。第2貫通孔7102は、図20にも示したロゴ可動体取付板75に設けられている。また、ベース板711には、第2固定ピン262が挿通される切欠き7103も設けられている。
ロック前カバー740fは、第1固定ピン261の後端部分2612が挿入される第1挿入部740fLと、第2固定ピン262の後端部分2622が挿入される第2挿入部740fRを有する。
固定対象になる昇降ユニット71が初期位置に位置した状態では、装飾上カバー203に設けられた貫通孔2031、昇降ユニット71の第1貫通孔7101、第1挿入部740fLは一直線上に並んでいる。また、装飾右上カバー205に設けられた貫通孔2051、昇降ユニット71の第2貫通孔7102および切欠き7103、第2挿入部740fRも一直線上に並んでいる。
パチンコ機100を搬送する前、すなわち工場出荷前に、第1固定ピン261および第2固定ピン262の取り付けが行われる。第1固定ピン261は、前方側から、後端部分2612が、装飾上カバー203に設けられた貫通孔2031に挿入される。第1固定ピン261を後方側に向けて挿入していくことで、第1固定ピン261の後端部分2612は、固定対象になる昇降ユニット71の第1貫通孔7101を通って、第1挿入部740fLに到達する。第1固定ピン261の後端部分2612が第1挿入部740fLに挿入されると、第1固定ピン261をそれ以上は後方側に向けて挿入することはできず、第1固定ピン261の後端部分2612は、第1挿入部740fLから突き出ることなく、第1挿入部740fL内に収納される。第2固定ピン262も同様に、前方側から、後端部分2622が、装飾右上カバー205に設けられた貫通孔2051に挿入される。第2固定ピン262を後方側に向けて挿入していくことで、第2固定ピン262の後端部分2622は、固定対象になる昇降ユニット71の第2貫通孔7102を通って、さらに切欠き7103も通り、第2挿入部740fRに到達する。第2固定ピン262の後端部分2612が第2挿入部740fRに挿入されると、第2固定ピン262をそれ以上は後方側に向けて挿入することはできず、第2固定ピン262の後端部分2622は、第2挿入部740fRから突き出ることなく、第2挿入部740fR内に収納される。第1挿入部740fLにしても第2挿入部740fRにしても樹脂製であり、可撓性を有する。第1挿入部740fLの収納空間は、第1固定ピン261の径よりもわずかに狭い空間であり、第2挿入部740fRの収納空間は、第2固定ピン262の径よりもわずかに狭い空間である。第1挿入部740fLにしても第2挿入部740fRにしても、それらの収納空間は、第1固定ピン261や第2固定ピン262といった固定ピンの後端部分が押し込まれることで、可撓性により一旦拡径した後、第1挿入部740fL、第2挿入部740fRは、その後端部分を締め付ける。この結果、固定ピンが前方側に抜け落ちることが防止されている。
図30は、第1固定ピン261および第2固定ピン262が取り付けられた遊技盤200の上端部分を拡大して示す斜視図であり、図の左手前側が前方側になる。
図30を見ると、昇降ユニット71に接触可能に見えるが、この図では、第1固定ピン261および第2固定ピン262が、初期位置にある昇降ユニット71を吊り上げている様子が見えやすいように、遊技盤200から、裏ベース260や遊技板201や外レール202等を取り外している。実際には、昇降ユニット71の上方は、裏ベース260や遊技板201や外レール202等によって覆われている。
図30には、装飾上カバー203および装飾右上カバー205が示され、そのすぐ後ろにイルミパネル207が配置さている様子も示されている。また、左側ロゴ部712L、右側ロゴ部712R、ロゴ可動体取付板75、昇降ユニット71のベース板711、ロックユニット74のロック前カバー740fおよびロック後カバー740bも示されている。図30に示すように、昇降ユニット71は、初期位置では、装飾上カバー203および装飾右上カバー205と、ロックユニット74(より具体的にはロック前カバー740f)の間に位置する。
以上説明した固定ピン(261,262)は、前方側から後方側に向けて挿入し、固定対象である昇降ユニット71を貫通して前方側と後方側に架け渡されるものであった。一方、図29に示す第1搬送固定部材263および第2搬送固定部材264は、平板状の舌片部材であり、後方側から前方側に向けて挿入し、固定対象である昇降ユニット71を貫通せずに、昇降ユニット71のベース板711に前端部分が係止される。
図29に示すロック後カバー740bは、左側(図29では右側)に第1開口740bLを有し、右側(図29では左側)に第2開口740bRを有する。また、ロック前カバー740fも、左側(図29では右側)に第1開口740fhを有し、右側(図29では左側)に第2開口740fmを有する。
固定対象になる昇降ユニット71には、ベース板711の、左側(図29では右側)に第1係止口711Lが設けられるとともに、右側(図29では左側)に第2係止口711Rが設けられている。
固定対象になる昇降ユニット71が初期位置に位置した状態では、ロック後カバー740bの第1開口740bL、ロック前カバー740fの第1開口740fh、昇降ユニット71の第1係止口711Lは一直線上に並んでいる。また、ロック後カバー740bの第2開口740bR、ロック前カバー740fの第2開口740fm、昇降ユニット71の第2係止口711Rも一直線上に並んでいる。
パチンコ機100の工場出荷前に、第1搬送固定部材263および第2搬送固定部材264の取り付けも行われる。第1搬送固定部材263は、後方側から、前端部分2631が、ロック後カバー740bの第1開口740bLに挿入される。第1搬送固定部材263を前方側に向けて挿入していくことで、第1搬送固定部材263の前端部分2631は、ロック前カバー740fの第1開口740fhを通って、固定対象になる昇降ユニット71の第1係止口711Lに到達する。第1搬送固定部材263の前端部分2631は、第1係止口711Lに係止される。第2搬送固定部材264も、第1搬送固定部材263と同じく後方側から、前端部分2641が、ロック後カバー740bの第2開口740bRに挿入される。第2搬送固定部材264を前方側に向けて挿入していくことで、第2搬送固定部材264の前端部分2641は、ロック前カバー740fの第2開口740fmを通って、固定対象になる昇降ユニット71の第2係止口711Rに到達する。第2搬送固定部材264の前端部分2641も、第2係止口711Rに係止される。
こうして、初期位置にある昇降ユニット71は、前方側からも後方側からも保持される。パチンコ機100の搬送が終了し、パチンコ機100が遊技店に設置された後、前面枠扉106を開ければ、第1固定ピン261の前端部分2611および第2固定ピン262の前端部分2621は接触可能である。遊技店の店員は、第1固定ピン261の前端部分2611を持って第1固定ピン261を前方側に引き抜くとともに、第2固定ピン262の前端部分2621を持って第2固定ピン262も前方側に引き抜く。また、島の裏側から、第1搬送固定部材263および第2搬送固定部材264を後方側に引き抜く。第1固定ピン261、第2固定ピン262、第1搬送固定部材263、および第2搬送固定部材264を取り外すことで、昇降ユニット71は落下動作を実行することが可能になる。
なお、図26~図30を用いて説明した、第1固定ピン261や第2固定ピン262を用いた昇降ユニット71の搬送時の固定構造や、第1搬送固定部材263や第2搬送固定部材264を用いた昇降ユニット71の搬送時の固定構造は、回胴遊技機(スロットマシン)に設けられた可動体にも適用することができる。
以上の記載によれば、
『 可動体[例えば、昇降ユニット71]を備えた遊技台であって、
遊技台の搬送時に前記可動体の移動を規制する移動規制手段[例えば、第1固定ピン261、第2固定ピン262、第1搬送固定部材263、第2搬送固定部材264]を取り付け可能に構成されている、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、遊技台の搬送時に前記可動体の破損を防止することができる。
また、
『 開閉可能な扉体[例えば、前面枠扉106]を備え、
前記可動体は、閉じた状態の扉体よりも後方側に配置されたものであり、
前記可動体は、前記扉体を開いた状態であっても、接触不能なものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記扉体と前記可動体との間に板状の透過手段[例えば、イルミパネル207]を備え、
前記可動体は、前記扉体を開いた状態であっても、前記透過手段によって接触不能なものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記透過手段は、取り外し可能な手段であり、前記可動体は、前記扉体を開いた状態で、前記透過手段を取り外せば接触可能なものであってもよい。
また、前記透過手段は、透明もしくは半透明の板部材であってもよい。
また、
『 前記透過手段は、発光演出を行うことが可能な手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記透過手段は、光が端面から入射されることにより演出表示を行うことが可能な導光板であってもよい。
また、
『 前記可動体は、初期位置から移動可能なものであり[例えば、図18]、
前記移動規制手段は、前記初期位置にある前記可動体の移動を規制する手段であり、
前記移動規制手段を着脱可能に構成されている、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 第一の構造体[例えば、装飾上カバー203,装飾右上カバー205]と、
第二の構造体[例えば、ロック前カバー740f]と、
を備え、
前記可動体[例えば、昇降ユニット71]は、初期位置では、前記第一の構造体と前記第二の構造体の間に位置するものである[例えば、図30]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記可動体は、前記移動規制手段が貫通する貫通孔[例えば、第1貫通孔7101,第2貫通孔7102]を有するものであり、
前記第一の構造体は、前記移動規制手段が貫通する第一の孔[例えば、貫通孔2031,貫通孔2051]を有するものであり、
前記第二の構造体は、前記移動規制手段が挿入される挿入部[例えば、第1挿入部740fL、第2挿入部740fR]を有するものであり、
前記貫通孔と前記第一の孔と前記挿入部は、前記可動体が初期位置にある場合に、一直線上に並ぶように配置されている[例えば、図29]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記移動規制手段は、棒状部材であってもよい。
前記挿入部は、貫通した孔であってもよいし、貫通していない穴であってもよい。
前記第一の構造体は、前記第二の構造体よりも、前側に設けられたものであってもよいし、後ろ側に設けられたものであってもよい。
前記第一の構造体は、閉じた状態の前記扉体よりも後方側に配置されたものであり、前記第一の構造体は、前記扉体を開くと、接触可能になるものであってもよい。また、言い方を変えれば、前記第一の孔の縁は、閉じた状態の前記扉体よりも後方側に位置し、前記第一の孔の縁は、前記扉体を開くと、接触可能になるものであってもよい。これらの場合、前記挿通部の大きさは、前記第一の孔よりも小さくてもよいし、前記挿通部は、後方側に貫通していない穴であってもよい。このような構成によって、前記移動規制手段は、前方には引き抜けるが、後方には引き抜けないようにすることができる。
前記貫通孔は、円形、楕円形、半円形、矩形、多角形、鍵穴形等であってもよい。
前記移動規制手段は複数あってもよく、移動規制手段ごとに、前記第一の孔と前記貫通孔と、前記挿入部が設けられている。
また、
『 前記第一の構造体と前記第二の構造体のうちのいずれか一方の構造体[例えば、ロック前カバー740f]は、前記移動規制手段が貫通する第二の孔[例えば、第1開口740fL,第2開口740fR]を有するものであり、
前記可動体[例えば、昇降ユニット71]は、前記移動規制手段の先端が差し込まれる差込口[例えば、第1係止口711L,第2係止口711R]を有するものであり、
前記第二の孔と前記差込口は、前記可動体が初期位置にある場合に、一直線上に並ぶように配置されている[例えば、図29]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この場合には、前記移動規制手段は、前記第二の孔を有する構造体側に引き抜くことが可能になる。
前記移動規制手段は複数あってもよく、移動規制手段ごとに、前記第二の孔と前記差込口が設けられている。
以上の記載によれば、
『 第一の構造体[例えば、装飾上カバー203,装飾右上カバー205]と、
第二の構造体[例えば、ロック前カバー740f]と、
可動体[例えば、昇降ユニット71]と、
を備えた遊技台であって、
前記可動体は、初期位置では、前記第一の構造体と前記第二の構造体の間に位置するものであり、
前記可動体は、貫通孔[例えば、第1貫通孔7101,第2貫通孔7102]を有するものであり、
前記第一の構造体は、第一の孔[例えば、貫通孔2031,貫通孔2051]を有するものであり、
前記第二の構造体は、挿入部[例えば、第1挿入部740fL、第2挿入部740fR]を有するものであり、
前記貫通孔と前記第一の孔と前記挿入部は、前記可動体が初期位置にある場合に、一直線上に並ぶように配置されており[例えば、図29]、
前記第一の孔と前記貫通孔を貫通し前記挿入部に挿入された第一の移動規制手段[例えば、第1固定ピン261,第2固定ピン262]を搬送時に備えることを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
搬送時には、初期位置にある可動体が、前記第一の構造体と前記第二の構造体の間に挿通した前記第一の移動規制手段によって吊り下げられ、移動することが規制されている。
また、
『 前記第一の構造体と前記第二の構造体のうちのいずれか一方の構造体[例えば、ロック前カバー740f]は、第二の孔[例えば、第1開口740fh,第2開口740fm]を有するものであり、
前記可動体は、差込口[例えば、第1係止口711L,第2係止口711R]を有するものであり、
前記第二の孔と前記差込口は、前記可動体が初期位置にある場合に、一直線上に並ぶように配置されており[例えば、図29]、
前記第二の孔を通して前記差込口に先端が差し込まれた第二の移動規制手段[例えば、第1搬送固定部材263,第2搬送固定部材264]を搬送時に備えることを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
搬送時には、初期位置にある可動体が、前記いずれか一方の構造体側から差し込まれた前記第二の移動規制手段によって支持され、移動することが規制されている。
続いて、遊技領域124の左下部に設けられたランプユニット9ついて説明する。なお、上述のごとく、光源をLEDとしていてもランプと称する。
図31は、図3に示すランプユニット9を右斜め上方からみた斜視図である。
図3を用いて説明したごとく、ランプユニット9の右側には第1特図始動口(固定)230が設けられており、この第1特図始動口(固定)230は、遊技領域124の中央下部に位置することになる。第1特図始動口(固定)230は、始動口形成部材230aによって形成されており、第1特図始動口(固定)230の両側には、図3に示すアウト口240につながる開口241も形成されている。
また、ランプユニット9の中央には発光演出部9aが設けられており、左側には一般入賞口部9bが設けられている。
図32は、ランプユニット9の分解斜視図であり、図の左手前側が前方側になる。
図32には、ベース部材90が示されている。このベース部材90の右側部分には、始動口形成部材230aが前方側から取り付けられる。一方、ベース部材90の左側部分には3つの一般入賞口901と、一つのアウト口902が設けられている。ベース部材90におけるこの左側部分には、サイド前飾り部材91が前方側から取り付けられ、サイド前飾り部材91とベース部材90との間が、一般入賞口部9bへの入球口9bi(図31参照)になっている。3つの一般入賞口901は、一般入賞口部9bの左右方向中央部分の上方に設けられており、図31に示す入球口9biの中央部分から進入した遊技球は、3つの一般入賞口901のいずれかの入賞口に案内される。3つの一般入賞口901それぞれに別の球検出センサを配置し、それぞれの球検出センサにより入球を検出するようにしてもよいし、3つの一般入賞口901それぞれに入球した遊技球を案内する球通路を合流させて一つの共通の球検出センサにより検出させるようにしてもよい。
入球口9biの左端部分と右端部分から進入した遊技球は、図32に実線の矢印で示すように、アウト口902に案内される。一般入賞口901に入賞した遊技球も、アウト口902に入球した遊技球も、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
図32に示すベース部材90には、後方側から照明基板92があてがわれ、その照明基板92は、さらに後方側から基板カバー93によって覆われる。照明基板92には、一般入賞口部9bに対応した左側領域92Lと、発光演出部9aに対応した右側領域92Rが設けられている。左側領域92Lには、一般入賞口901に対応した開口921や切り欠き922が形成されているとともに、アウト口902に対応した切り欠き923も形成されている。一方、右側領域92Rにおける外周部分92Roには、発光ダイオードDOが周方向に間隔をあけて実装され、外周部分92Roよりも内側になる内側部分92Riにも、複数の発光ダイオードDIが実装されている。外周部分92Roの発光ダイオードDOも、内側部分92Riの発光ダイオードDIも、前方側に向けて光を出射するものである。なお、左側領域92Lでも、開口921の近傍に発光ダイオードDLが実装されており、この発光ダイオードDLによって、一般入賞口901の周辺が照射される。
図32に示すベース部材90の中央部分には、切抜部903が設けられており、この切抜部903は、後方側から、照明基板92の右側領域92Rによって塞がれる。すなわち、切抜部903の内側に、照明基板92の右側領域92Rが位置し、複数の発光ダイオードDI,DOが前方側を向いて配置される。この結果、外周部分92Roに実装された発光ダイオードDOは、切抜部903の縁よりも内側に、その縁に沿って配置される。
リフレクタ部材94は、切抜部903の縁に沿って内側に配置された発光ダイオードDOのさらに内側に配置される。このリフレクタ部材94は、枠状の部材であって、内側部分92Riに実装された発光ダイオードDIの外周を取り囲むように配置され、その発光ダイオードDIから出射された光が外側に漏れ出さないように内側に向けて反射させる。
模様表示シート95は、枠状のリフレクタ部材94の前方側を塞ぐものであり、詳しくは後述する。この模様表示シート95には、前方側から板状のレンズ96が重ねられ、さらにそのレンズ96には、前方側から板状のハーフミラー97が重ねられる。こうしてリフレクタ部材94に重ね合わされた光学部材(95~97)は、導光カバー98の内側に収容される。導光カバー98は側壁部981と前面部982を有する。すなわち、側壁部981の前方側は前面部982で覆われ、側壁部981の後端側は後方に開放している。側壁部981の後端は、ベース部材90の切抜部903に嵌め込まれる。この結果、側壁部981の後端面、すなわち側壁部981を構成する板部材の肉厚面は、照明基板92の外周部分92Roに周方向に配置された発光ダイオードDOの真上に位置する。
飾り部材99は、枠状の部材であって、この飾り部材99を、導光カバー98に前方側から被せる。導光カバー98の前面部982の外周部分は、飾り部材99によって装飾される。
図33(a)は、左側に、ランプユニット9における発光演出部9aの前面側の斜視図を示し、右側に、その発光演出部9aの構造を模式的に示す断面図を示す。
図33(a)の右側には、外周側に設けられた発光ダイオードDOと、内側部分に設けられた発光ダイオードDIが図示されている。外周側に設けられた発光ダイオードDOと、内側部分に設けられた発光ダイオードDIは、共通の照明基板92に実装された発光ダイオードである。
図33(a)の右側に示すように、外周側に設けられた発光ダイオードDOの上には、導光カバー98の側壁部981の後端面981aが位置している。また、図33(a)の右側に示すハーフミラー97は、前方側からの光は反射し、後方側からの光は透過させる光学部材である。
図33(a)では、外周側の発光ダイオードDOも、内側の発光ダイオードDIもいずれも発光しておらず、ハーフミラー97が機能して、左側に示す発光演出部9aの前面側の斜視図においては、外周部が飾り部材99で装飾された前面部982に、何も表示されていない。すなわち、内側の発光ダイオードDIの存在自体も前方側から確認することはできない。
図33(b)は、外周側の発光ダイオードDOが発光した様子を示す図である。なお、この図33(b)では、内側の発光ダイオードDIは消灯したままである。
図33(b)の右側に矢印で示すように、外周側の発光ダイオードDOから出射された光は、導光カバー98の側壁部981の後端面981aから入射される。導光カバー98の前面部982には、側壁部981の後端面981aから入射された光を反射させて前面から出射させる反射部982aが形成されている。外周側の発光ダイオードDOから出射された光は、この反射部982aで反射され、前面から出射される。
図33(b)の左側に示す発光演出部9aの前面側の斜視図では、反射部982aで反射されたことにより、前面部982に、内部が発光していないハートのマークの発光模様が表示されている。なお、灰色の部分が発光表示されている部分になる。
図34(a)は、内側の発光ダイオードDIが発光した様子を示す図である。なお、この図34(a)では、外周側の発光ダイオードDOは消灯したままである。
図34(a)の右側に矢印で示すように、内側の発光ダイオードDIから出射された光のうち、外側へ拡散した光は、リフレクタ部材94によって内側に向けて反射される。模様表示シート95は、外周部に光不透過部951を有し、その内側に光透過部952を有する。リフレクタ部材94によって内側に向けて反射された光は、光不透過部951によって再び反射され、前方側へ出射されない。一方、内側の発光ダイオードDIから出射された光のうち、光透過部952に到達した光は、その光透過部952を通過する際に、図34(a)の左側に示すように、星形の模様となって、前面部982に表示される。なお、左側に示す前面部982では、黒色の部分が発光表示されている部分になる。
図34(b)は、共通の照明基板92に実装された、外周側の発光ダイオードDOと内側の発光ダイオードDIの両方が発光した様子を示す図である。
図33(b)を用いて説明したように、外周側の発光ダイオードDOから出射された光は、導光カバー98の側壁部981の後端面981aから入射され、反射部982aで反射されて、内部が発光していないハートの模様が発光表示される。また、図34(a)を用いて説明したように、内側の発光ダイオードDIから出射された光のうち、模様表示シート95の光透過部952に到達した光は、その光透過部952を通過する際に、星形の模様となって発光表示される。
図34(b)に示すように、模様表示シート95の光透過部952の前方に、導光カバー98の、反射部982aが形成された部分が位置している。すなわち、導光カバー98の、反射部982aが形成された部分と、模様表示シート95の光透過部952は前後方向に重なっている。このため、図34(b)の左側に示す発光演出部9aの前面側の斜視図に示すように、外周側の発光ダイオードDOの発光期間と、内側の発光ダイオードDIの発光期間が重なった場合には、前面部982に、内部が発光していないハートのマークと、星形の模様が重なって表示される。
なお、図31~図34を用いて説明したランプユニット9は、回胴遊技機(スロットマシン)にも適用することができる。
以上の記載によれば、
『 第一の発光手段[例えば、内側の発光ダイオードDI]と、
第二の発光手段[例えば、外周側の発光ダイオードDO]と、
前記第一の発光手段の発光によって第一の模様[例えば、星形の模様]を表示可能な第一の模様表示部[例えば、模様表示シート95の光透過部952]と、
前記第二の発光手段の発光によって第二の模様[例えば、内部が発光していないハートの模様]を表示可能な第二の模様表示部[例えば、導光カバー98の、反射部982aが形成された部分]と、
を備えた遊技台であって、
前記第一の模様表示部の少なくとも一部は、前記第二の模様表示部の少なくとも一部と前後方向に重なるものであり[例えば、図34(b)]、
前記第一の発光手段と前記第二の発光手段は、共通の基板[例えば、照明基板92]に実装された手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、前記第一の模様と前記第二の模様の一方または両方を同時に表示する演出を行うことができるとともに、前記第一の発光手段と前記第二の発光手段が共通の基板に実装されていることで断線や故障を同時に確認することができてメンテナンス性を高めることができる。
なお、前記第一の模様表示部の全部が、前記第二の模様表示部の全部と前後方向に重なるものであってもよいし、前記第一の模様表示部の一部が、前記第二の模様表示部の一部と前後方向に重なるものであってもよいし、前記第一の模様表示部の全部が、前記第二の模様表示部の一部と前後方向に重なるものであってもよいし、前記第一の模様表示部の一部が、前記第二の模様表示部の全部と前後方向に重なるものであってもよい。
前記第一の模様の少なくとも一部と、前記第二の模様の少なくとも一部は、重なって表示される場合があってもよい。すなわち、前記第一の模様の全部と、前記第二の模様の全部が、重なって表示される場合があってもよいし、前記第一の模様の一部と、前記第二の模様の一部が、重なって表示される場合があってもよいし、前記第一の模様の全部と、前記第二の模様の一部が、重なって表示される場合があってもよいし、前記第一の模様の一部と、前記第二の模様の全部が、重なって表示される場合があってもよい。
また、
『 前記第二の発光手段は、前記第一の発光手段の発光期間中に発光可能なものである[例えば、図34(b)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第一の発光手段と前記第二の発光手段の両方の発光手段の発光中に、前記第一の模様と前記第二の模様が両方表示される[例えば、図34(b)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記第一の模様と前記第二の模様が同時に表示されている期間があることになる。
また、
『 前記第一の模様表示部は、第一の表示方式[例えば、図34(a)に示す後面から入射される方式]によって前記第一の模様を表示するものであり、
前記第二の模様表示部は、第二の表示方式[例えば、図33(b)に示す端面から入射される方式]によって前記第二の模様を表示するものであり、
前記第一の表示方式は、前記第二の表示方式とは異なる方式である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
例えば、前記第一の表示形式と前記第二の表示形式のうちの、一方の表示形式は、端面から入射された光を反射させて前面から出射する方式であってもよい。また、他方の表示形式は、後面から光が入射され、前面に向けて通過する光によって模様が形成される方式であってもよく、さらには、不透過部では前面まで透過させず透過部では通過する光によって模様が形成される方式であってもよい。
また、
『 前記第一の発光手段[例えば、内側の発光ダイオードDI]は、前記第一の模様表示部[例えば、模様表示シート95の光透過部952]によって表示された前記第一の模様[例えば、星形の模様]と前後方向に重なる位置に配置された手段であり[例えば、図34(a)]、
前記第二の発光手段[例えば、外周側の発光ダイオードDO]は、前記第二の模様表示部[例えば、導光カバー98の、反射部982aが形成された部分]によって表示された前記第二の模様[例えば、内部が発光していないハートの模様]と前後方向に重ならず該第二の模様からずれた位置に配置された手段である[例えば、図33(b)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第一の発光手段[例えば、内側の発光ダイオードDI]の前方にハーフミラー[例えば、ハーフミラー97]を備えた、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、前記ハーフミラーによって、前方側からは消灯している前記第一の発光手段が視認困難になり、該第一の発光手段の存在を発光するまで隠すことができる。
なお、前記第二の模様表示部[例えば、導光カバー98の、反射部982aが形成された部分]と前記第一の発光手段[例えば、内側の発光ダイオードDI]の間にハーフミラー[例えば、ハーフミラー97]を備えた態様であってもよい。
また、前記第一の発光手段と、前記第二の発光手段と、前記第一の模様表示部と、前記第二の模様表示部とを有する発光ユニットであって、該発光ユニットが、移動可能なユニットであってもよいし、姿勢変化可能なユニットであってもよい。さらには、前記発光ユニットは、少なくとも一部(全部又は一部)が正面視で視認できない位置と視認できる位置との間で移動可能なユニットであってもよい。また、前記発光ユニットは、遊技者が接触可能な位置に取り付けられたユニットであってもよい。また、前記発光ユニットは、枠部材や扉体(例えば、前面枠扉106)、あるいは遊技盤に取り付けられたユニットであってもよい。
続いて、遊技領域124の右下部に設けられたアタッカユニット23について説明する。このアタッカユニット23は可変入球口ユニットの一例に相当する。
図3に示すアタッカユニット23は、アタッカ前板2301(図39参照)にアタッカシール2302が貼られたものである。なお、図3では、アタッカシール2302の装飾模様等は図示省略されている。
図35は、図3に示すアタッカユニット23からアタッカ前板2301を取り除いた状態を示す斜視図である。
アタッカユニット23は、電チュータイプの特図1始動口(可変)231、第1アタッカとなる第1可変入賞口234、第2アタッカとなる第2可変入賞口235、第2特図始動口232、およびアタッカベース板2303に開口したアウト口236を有する。
特図1始動口(可変)231は、羽根部材2311によって始動口の大きさが可変するものであり、図35(a)に示す羽根部材2311は、前方側に進出している。このように羽根部材2311が前方側に進出した状態では、進出した羽根部材2311の上を遊技球が通過する。すなわち、図35(a)では図の左側から右側に向けて遊技球が通過する。特図1始動口(可変)231の球検出センサ2312は、羽根部材2311よりも下方であって、かつ下流側に、上流側を向いて配置されている。したがって、図35(a)に示す特図1始動口(可変)231では、遊技球が球検出センサ2312を通過することは困難であり、図35(a)に示す特図1始動口(可変)231は、羽根部材2311によって塞がれており、入賞困難状態である。
第1アタッカとなる第1可変入賞口234は、第2アタッカとなる第2可変入賞口235よりも、遊技球の転動方向上流側に配置されたものであり、第一の可変入球口の一例に相当する。この第1可変入賞口234は、扉部材2341によって入賞口の大きさが可変するものであり、図35(a)に示す扉部材2341は、前方側に進出している。また、第1可変入賞口用の球検出センサ2342は、前方側に進出した扉部材2341よりも下方に、上方を向いて配置されている。扉部材2341が前方側に進出した状態では、進出した扉部材2341の上を遊技球が通過し、球検出センサ2342を通過することは困難である。したがって、図35(a)に示す第1可変入賞口234は、扉部材2341によって塞がれており、入賞困難状態である。第1可変入賞口234の扉部材2341は第一の可動部の一例に相当し、図35(a)に示す第1可変入賞口234の扉部材2341の位置(前方側に進出した位置)が第一の位置の一例に相当する。
第2可変入賞口235は第二の可変入球口の一例に相当する。第2可変入賞口235も、第1可変入賞口234と同じく、扉部材2351によって入賞口の大きさが可変するものであるが、球検出センサの配置位置が第1可変入賞口234とは異なる。この第2可変入賞口235に向かって転動してくる遊技球は、図35(a)では図の右側から左側に向けて転動してくる。第2可変入賞口235用の球検出センサ2352は、扉部材2351よりも下方ではなく、扉部材2351よりも下流側に、上流側を向いて配置されている。第2可変入賞口235では、扉部材2351が前方側に進出した状態では、進出した扉部材2351の上を遊技球が通過し、球検出センサ2352に到達する。一方、図35(a)に示すように、扉部材2351が後方側に後退した状態では、遊技球は球検出センサ2352のない所に落下する。したがって、図35(a)に示す第2可変入賞口235は、扉部材2351によって塞がれておらず、開口している状態であるが、入賞困難状態である。第2可変入賞口235の扉部材2351は第二の可動部の一例に相当し、図35(a)に示す第2可変入賞口235の扉部材2351の位置(後方側に後退した位置)が第二の位置の一例に相当する。
扉部材2351が後方側に後退していたことにより遊技球が落下した先には、第2特図始動口232が配置されている。この第2特図始動口232は、入賞口の大きさが固定されたものであり、第2特図始動口232用の球検出センサ2321は、上方を向いて配置されている。この球検出センサ2321を通過した遊技球は、第1案内口2322を通って、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
以上をまとめると、図35(a)に示すアタッカユニット23では、最上流に位置する特図1始動口(可変)231は入賞困難状態であり、次に位置する第1可変入賞口234も入賞困難状態であり、第2可変入賞口235も入賞困難状態である。
図36は、図35で取り除いたアタッカ前板2301の裏面を示す図である。
図36に示すように、アタッカ前板2301の裏面には、アタッカベース板2303に向けて突出した球通路形成壁230rが設けられている。球通路形成壁230rは、アタッカユニット23に入球した遊技球が転動していく、下流側に向かって傾斜した球通路を形成するものである。また、羽根部材2311が進出する位置や、扉部材2341,2351が進出する位置には、球通路形成壁230rが設けられておらず、進出した羽根部材2311や扉部材2341,2351が球通路形成壁になる。すなわち、羽根部材2311や扉部材2341,2351は、前方側へ進出した状態では下流側に向かって下方へ傾斜しており、この傾斜を利用して遊技球は下流側へ向かって転動していく。
図35(a)に示す実線の矢印は、図36に示す球通路形成壁230rや、進出した羽根部材2311や扉部材2341の上を転動したり、あるいは落下する遊技球の経路を示すものである(以下の図における矢印も同様。)。なお、アタッカユニット23に入球した遊技球は、実線の矢印で示す特図1始動口(可変)231側のルートに向かう場合と、アタッカユニット23に設けられたアウト口236へ向かう場合とがある。
第2特図始動口232の手前まで落下してきた遊技球は、多くは第2特図始動口232に入球し、特図2変動遊技が開始される。第2特図始動口232に入球しなかった遊技球は、図3に示すアウト口240に到達し、遊技島側に排出される(二股に分かれた実線の矢印参照)。
図35に示すように、アタッカベース板2303には、リブが複数本設けられている。また、図36に示すように、アタッカ前板2301にも、リブが複数本設けられている。遊技球の流れに沿って上流側から見ていくと、特図1始動口(可変)231の羽根部材2311の中間位置手前から右端までいき、折り返して第1可変入賞口234の扉部材2341の中間位置を超えたところまで、リブが設けられている。すなわち、上下2段に分かれて縦方向のリブが複数本設けられるとともに、折り返し部分では横方向のリブが1本設けられている。以下、アタッカベース板2303における、特図1始動口(可変)231側の上段の4本の縦方向のリブを、後側第1リブ23r1と称し、折り返し部分の1本の横方向のリブを後側横リブ23r2と称し、第1可変入賞口234側の下段の4本の縦方向のリブを、後側第2リブ23r3と称する。また、アタッカ前板2301における、特図1始動口(可変)231側の上段の3本の縦方向のリブを、前側第1リブ23f1と称し、折り返し部分の1本の横方向のリブを前側横リブ23f2と称し、第1可変入賞口234側の下段の3本の縦方向のリブを、前側第2リブ23f3と称する。
なお、図36に示すアタッカ前板2301には、前側第1リブ23f1、前側横リブ23f2、前側第2リブ23f3、および後述する前側縦リブ23f5の他に、各種の球案内リブ23f6~23f8も設けられている。
後側第1リブ23r1にしても、後側横リブ23r2にしても、後側第2リブ23r3にしても、また、前側第1リブ23f1にしても、前側横リブ23f2にしても、前側第2リブ23f3にしても、遊技球の転動速度を低下させるための減速用のリブである。
後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3によって転動速度が低下した遊技球は、第1可変入賞口234の扉部材2341の上に滞留しやくすなる。特に、4本の後側第2リブ23r3のうち下流側の2本の後側第2リブ23r3は、進出した扉部材2341によって形成される球経路に設けられたものであり、3本の前側第2リブ23f3のうち下流側の2本の前側第2リブ23f3も、進出した扉部材2341によって形成される球経路に設けられたものである。
図37は、アタッカユニット23を図35(a)に示すB-B’線で断面し、真上から見た様子を示す図であり、図の下方側が前方側になる。なお、図37は断面を表すハッチングは省略している。
図37には、右側に第1可変入賞口234が示され、左側に第2可変入賞口235が示されている。図37に示す第1可変入賞口234の扉部材2341は前方側に進出した状態であり、第1可変入賞口234は入賞困難状態である。一方、図37に示す第2可変入賞口235の扉部材2351も前方側に進出した状態であるが、この第2可変入賞口235は入賞容易状態である。また、この図37では、遊技球Ba~Bcも示されている。図37では、遊技球は図の右側から左側に向かって転動する。
第1可変入賞口234の近傍には、4本の後側第2リブ23r3と、3本の前側第2リブ23f3が示されている。遊技球Ba,Bbは、これら7本の第2リブ23r3,23f3に引っかかり、扉部材2341の上に滞留しやすくなる。なお、4本の後側第2リブ23r3において隣合うリブの間隔は、遊技球の直径以上であり、3本の前側第2リブ23f3において隣合うリブの間隔も、遊技球の直径以上である。
以上説明した後側第2リブ23r3にしても前側第2リブ23f3にしても、第2可変入賞口235よりも遊技球の転動方向上流側に設けられている。また、後側第2リブ23r3にしても前側第2リブ23f3にしても、一部のリブのみが第1可変入賞口234よりも上流側に設けられているが、全部のリブが、第1可変入賞口234よりも上流側に設けられていてもよい。
また、後側第2リブ23r3と前側第2リブ23f3のうち、いずれか一方のリブのみを設けるようにしてもよい。このことは、第2リブに限ったことではなく、後側に設けられたリブと前側に設けられたリブが両方ある場合(例えば、第1リブの場合等)に、いずれか一方側のリブのみ設けるようにしてもよい。
また、図37に示すように、前方側に進出した状態の扉部材2341の前端とアタッカ前板2301との間には、隙間CS1が設けられている。この隙間CS1は、遊技球Ba,Bbの直径の半分以下であるが、前側第2リブ23f3の後方側への突出長よりは広い。一方、扉部材2341の前後方向の長さ(幅)は、遊技球Ba,Bbの直径程度である。この隙間CS1が設けられていることで、入賞困難状態から、短時間のうちに入賞容易状態へ変化することができる。
図35(b)には、同図(a)に示すアタッカユニット23の第1可変入賞口234が入賞容易状態に変化した後の様子が示されている。すなわち、図35(b)に示す第1可変入賞口234の扉部材2341は後方側に後退している。図35(b)に示す第1可変入賞口234の扉部材2341の位置(後方側に後退した位置)が第三の位置の一例に相当し、この第2可変入賞口235の扉部材2351よりも、図35(a)に示す第1可変入賞口234の扉部材2341のほうが前端2341tが前側(遊技者側)に位置するものである。第1可変入賞口234は、扉部材2341が前方側に進出した位置(第一の位置)にある場合よりも後方側に後退した位置(第三の位置)にある場合のほうが、遊技球が入球しやすいものである。
扉部材2341の上に遊技球が滞留した状態で、扉部材2341が後退すると、扉部材2341の上に滞留していた遊技球が一気に落下し、第1可変入賞口用の球検出センサ2342で検出される。したがって、遊技球が扉部材2341を通過している状態で扉部材2341が後退する場合に比べて、第1可変入賞口234への入賞率が向上し、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3は、入賞率向上手段でもある。第1可変入賞口234が入賞容易状態である間は、特図1始動口(可変)231の羽根部材2311を通過して第1可変入賞口234に転動してきた遊技球は、第1可変入賞口234よりも下流側に転動することはなく、実線で示す矢印のように、球検出センサ2342を通過し、第2案内口2343を通って、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
図35(a)には、遊技球の流れとして2点鎖線でも示している。この2点鎖線は、第1可変入賞口234の扉部材2341から第2可変入賞口235に向かって飛び出した遊技球の流れを示す。
上述のごとく、図35(a)に示す第2可変入賞口235では、扉部材2351が後方側に後退した状態であり、入賞困難状態である。しかしながら、2点鎖線で示す流れで遊技球が飛んできた場合、球検出センサ2352を通過してしまう恐れがある。すなわち、入賞困難状態でありながらも第2可変入賞口235に入賞してしまう恐れがある。
しかしながら、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3によって転動速度が低下した遊技球は、第1可変入賞口234の扉部材2341から第2可変入賞口235に向かって飛び出すほどの勢いはなくなり、扉部材2341から、図36に示す球通路形成壁230rにおけるアタッカ中間部230r1にのった後、図35(a)において実線で示すように、すぐに落下する。したがって、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3は、第2可変入賞口235への入賞率を低下させる手段でもある。なお、厳密には、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3は、第2可変入賞口235への、本来であれば許されない入賞(イレギュラー入賞)の入賞率を低下させる手段であるといえる。
ところが、以上説明した、第2可変入賞口235への入賞率を低下させる、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3を設けていても、これらのリブ23r3,23f3によって減速されるはずの遊技球が、第2可変入賞口235に向かって飛び出してしまうことを完全になくすことは困難である。例えば、扉部材2341の上で遊技球が弾んでしまった場合等は、第2可変入賞口235に向かって飛び出してしまうことがある。そこで、第2可変入賞口235の扉部材2351の下流側(球検出センサ2352側)の端部に、前方側に突出した入賞阻止突起2351aを設けている。この入賞阻止突起2351aは、扉部材2351が後方側に後退した位置にあっても、球検出センサ2352の手前に突出している。このため、第2可変入賞口235に向かって飛び出してきた遊技球があっても、その遊技球は、入賞阻止突起2351aに衝突し、球検出センサ2352を通過できずに、点線で示すように落下する。さらに、図35(a)に示す、後退した位置にある扉部材2351における入賞阻止突起2351aの上には、縦リブの入賞阻止リブ23r4も設けられている。第2可変入賞口235に向かって飛び出してきた遊技球は、この入賞阻止リブ23r4に衝突し、入賞阻止突起2351aに衝突した場合と同じように、球検出センサ2352を通過できずに、点線で示すように落下する場合もある。
なお、第1可変入賞口234の扉部材2341からすぐに落下した遊技球は、落下経路途中に設けられた、図35(a)に示す後側縦リブ23r5や、図36に示す前側縦リブ23f5に衝突して、減速したり、あるいは、第2特図始動口232に入球しやすくなる。
図38(a)は、図35(a)に示すアタッカユニット23の第2可変入賞口235が入賞容易状態に変化した後の様子を示す斜視図である。
図38(a)に示す第2可変入賞口235の扉部材2351は前方側に進出している。この結果、図38(a)に示すアタッカユニット23では、最上流に位置する特図1始動口(可変)231は入賞困難状態であり、次に位置する第1可変入賞口234も入賞困難状態であり、第2可変入賞口235が入賞容易状態である。図38(a)に示す第2可変入賞口235の扉部材2351の位置(前方側に進出した位置)が第四の位置の一例に相当し、図35(a)に示す第2可変入賞口235の扉部材2351よりも、図38(a)に示す第2可変入賞口235の扉部材2351のほうが前端2351tが前側(遊技者側)に位置するものである。第2可変入賞口235は、扉部材2351が後方側に後退した位置(第二の位置)にある場合よりも前方側に進出した位置(第四の位置)にある場合のほうが、遊技球が入球しやすいものである。第1可変入賞口234の扉部材2341よりも、第2可変入賞口235の扉部材2351は低い位置に設けられており、両扉部材2341,2351の間には、図36に示す球通路形成壁230rのアタッカ中間部230r1が配置されている。図37に示すように、そのアタッカ中間部230r1と第2可変入賞口235の扉部材2351は少し離れている。このため、第2可変入賞口235が入賞容易状態である間は、遊技球の多くは、実線で示す矢印のように、第2可変入賞口235の扉部材2351の上にのって、その扉部材2351の上を転がり、球検出センサ2352に到達するが、第2可変入賞口235の扉部材2351の上にのることができずに、下に落ちてしまい、第2特図始動口232側へ流下していく遊技球もある。第2可変入賞口235の球検出センサ2352を通過した遊技球は、第3案内口2353を通って、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
また、図37に示すように、前方側に進出した状態の扉部材2351の前端とアタッカ前板2301との間には、隙間CS1と同程度の隙間CS2が設けられている。この隙間CS2によって、第2可変入賞口235が入賞困難状態から、短時間のうちに入賞容易状態へ変化することができる他、扉部材2351に設けられた入賞阻止突起2351aの突出長を長くとることができ、扉部材2351が後方側に後退した位置にあっても入賞阻止突起2351aに、第2可変入賞口235に向かって飛び出してきたイレギュラーな遊技球が確実に衝突するようになる。さらに、第2可変入賞口235の扉部材2351が0.06秒などの極めて短い開放を1回だけ行う場合には、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3によって転動速度が低下した遊技球が扉部材2351に乗ったとしても、扉部材2351の上を転動して球検出センサ2352に到達するまでに隙間CS2によって扉部材2351が前方側に前進した位置から後方側に後退した位置に短時間で移動できるため、該遊技球が下に落ちて該開放による入賞率を低下させることができる。
図38(b)は、図35(a)に示すアタッカユニット23の特図1始動口(可変)231が入賞容易状態に変化した後の様子を示す斜視図である。
図38(b)に示す特図1始動口(可変)231の羽根部材2311は後方側に後退している。特図1始動口(可変)231が入賞容易状態である間は、アタッカユニット23に入球した遊技球は、特図1始動口(可変)231よりも下流側に転動することはなく、実線で示す矢印のように、球検出センサ2312を通過し、特図1変動遊技が開始される。球検出センサ2312を通過した遊技球は、第4案内口2313を通って、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
以上、構造について詳述したアタッカユニット23では、第1可変入賞口234のアタッカは大当り専用のアタッカになり、第2可変入賞口235のアタッカは小当り専用のアタッカになる。特図高確率普図高確率状態では、右打ちが行われ、右打ちされた遊技球のほとんどが、特図1始動口(可変)231に入球してしまう。このため、第1可変入賞口234のアタッカが入賞容易状態になっても、第2可変入賞口235のアタッカが入賞容易状態になっても、アタッカへの入賞はほとんど期待することができない。一方、特図高確率普図低確率状態では、特図1始動口(可変)231は入球容易状態にならず、右打ちされた遊技球は、第1可変入賞口234のアタッカ、あるいは第2可変入賞口235のアタッカに入賞することを期待することができる。
また、このアタッカユニット23では、第1可変入賞口234が入賞容易状態であるときの扉部材2341の状態と、第2可変入賞口235が入賞容易状態であるときの扉部材2351の状態とが、正反対の状態であるため、遊技球の転動の様子が、2つの可変入賞口で大きく異なり、遊技者を楽しませることができる場合がある。しかも、2つの可変入賞口が遊技球の転動方向に並んでいるため、遊技者は、2つの可変入賞口の扉部材の状態の違いを把握しやすく、2つの扉部材の状態を比較しながら、その状態変化を楽しむことができる場合がある。
図39(a)は、第2可変入賞口235が入賞困難状態であるアタッカユニット23を示す図である。図39(a)に示すアタッカユニット23では、アタッカ前板2301は残し、アタッカシール2302のみが取り除かれている。アタッカ前板2301には、第2可変入賞口235における扉部材2351の下流側(球検出センサ2352側)端部に対応する位置に、逃げ開口2301aが設けられている。この逃げ開口2301aは、アタッカシール2302が貼られると、前方側から塞がれてしまい、遊技者からは視認困難になる。
図39(b)は、第2可変入賞口235が入賞容易状態であるアタッカユニット23を示す図である。この図39(b)に示すアタッカユニット23でも、アタッカ前板2301は残し、アタッカシール2302のみが取り除かれている。図39(b)に示す逃げ開口2301aには、前方側に進出した扉部材2351の入賞阻止突起2351aが入り込んでいる。逃げ開口2301aは、第2可変入賞口235の入賞容易状態において、前方側に突出した入賞阻止突起2351aが収納される空間である。入賞阻止突起2351aの先端は、逃げ開口2301aからさらに前方側に突出しておらず、アタッカシール2302が貼られると、アタッカシール2302によって、入賞阻止突起2351aの存在も遊技者からわからなくなる。ただし、アタッカシール2302にも開口を設けておき、入賞阻止突起2351aの先端が、逃げ開口2301aからさらに前方側へ突出するようにして、演出の一つとすることもできる。図37に示す逃げ開口2301aにも、前方側に進出した扉部材2351の入賞阻止突起2351aが入り込んでいる。なお、図37に示すアタッカユニット23には、アタッカシール2302が貼られており、アタッカシール2302によって、逃げ開口2301aが塞がれている。逃げ開口2301aを設けておくことで、図37に示す隙間CS2と同様に、入賞阻止突起2351aの突出長を長くとることができ、扉部材2351が後方側に後退した位置にあっても入賞阻止突起2351aに、第2可変入賞口235に向かって飛び出してきたイレギュラーな遊技球が確実に衝突するようになる。
図40は、アタッカユニット23の発光構造を説明するための図である。図40(a)は、アタッカベース板2303を前方側から見た図である。
図40(a)の他、図35等にも示したように、アタッカユニット23の右下部分には、複数の発光ダイオードD1が実装された前側LED基板2304が、アタッカベース板2303の前面に取り付けられている。不図示のアタッカ前板2301の裏面側には、上述した球通路形成壁の他、後方側に延在した細長い導光リブ(不図示)が複数本設けられている。複数の発光ダイオードD1のうちの一部の発光ダイオードD1には、導光リブが接触している。導光リブが接触した発光ダイオードD1の光は、この導光リブを通して前方に発せられる。
アタッカユニット23には、前方LED基板2304の他に、後方LED基板2305および中間LED基板2306も設けられている。図40(a)では、特図1始動口(可変)231の羽根部材2311を取り外すとともに、第1可変入賞口234の扉部材2341および第2可変入賞口235の扉部材2351も取り外している。アタッカベース板2303における、羽根部材2311が進退する羽根用開口2303a、扉部材2341が進退する第1開口2303b、および扉部材2351が進退する第2開口2303cそれぞれの奥には、後方LED基板2305に実装された複数の発光ダイオードD3が見えている。羽根用開口2303aの奥側に位置する発光ダイオードD3は、羽根部材2311の動作期間中等に発光し、特図1始動口(可変)231の奥から光が漏れ出しているように見える。第1開口2303bの奥側に位置する発光ダイオードD3は、扉部材2341の動作期間中等に発光し、第1可変入賞口234の奥から光が漏れ出しているように見える。第2開口2303cの奥側に位置する発光ダイオードD3は、扉部材2351の動作期間中等に発光し、第2可変入賞口235の奥から光が漏れ出しているように見える。
図40(b)は、前方LED基板2304、中間LED基板2306、および後方LED基板2305の位置関係がわかるように、側方からこれら3枚のLED基板2304,2305,2306を示す斜視図であり、図の左側が前方側になる。
中間LED基板2306は、アタッカベース板2303の後面(裏面)から後方側に間隔をあけて配置され、ここでは不図示のリフレクタ部材によって、中間LED基板2306とアタッカベース板2303との間は覆われている。アタッカベース板2303は、後方側が透けて見えない光透過性の部材であり、中間LED基板2306に実装された複数の発光ダイオードD2は、発光していない状態では、アタッカベース板2303に隠されて視認不能である。一方、これらの発光ダイオードD2が、発光すると、アタッカベース板2303から光が出射されている(面発光している)ように見える。
以上説明したように、アタッカユニット23では、複数のLED基板(2304~2306)が、前後方向に間隔をあけて配置されている。各LED基板(2304~2306)に設けられた発光ダイオードD1~D3どうしは重なっていないが、重なっていてもよく、また、発光ダイオードD1~D3の照射範囲が重なっていてもよい。
以上の記載によれば、
『 第一の可変入球口[例えば、第1可変入賞口234]と、
第二の可変入球口[例えば、第2可変入賞口235]と、
遊技球の速度を低下させる減速手段[例えば、後側第2リブ23r3および/または前側第2リブ23f3]と、
を備えた遊技台であって、
前記減速手段は、前記第一の可変入球口への入球率を向上させる手段であり、
前記減速手段は、前記第二の可変入球口への入球率を低下させる手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、前記第一の可変入球口と前記第二の可変入球口といった2つの可変入球口の入球率を、共通な減速手段で異ならせることができる。
また、
『 前記第一の可変入球口[例えば、第1可変入賞口234]は、前記第二の可変入球口[例えば、第2可変入賞口235]よりも遊技球の転動方向上流側に位置する可変入球口である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記減速手段[例えば、後側第2リブ23r3および/または前側第2リブ23f3]は、前記第一の可変入球口[例えば、第1可変入賞口234]よりも遊技球の転動方向上流側に位置する手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 第一の状態[例えば、進出状態]から該第一の状態よりも前記第一の可変入球口に入球し易い第三の状態[例えば、後退状態]へ状態変化させる第一の変化手段[例えば、扉部材2341]を備え、
前記第一の状態では、前記第一の変化手段によって前記第一の可変入球口[例えば、第1可変入賞口234]への入球が阻まれ遊技球は該第一の変化手段の上を転動可能である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記第一の状態は、前記第一の変化手段によって前記第一の可変入球口への入球が阻まれる状態であってもよい。
前記第一の変化手段は、前記第一の可変入球口を開閉する手段であり、前記第一の状態は、前記第一の可変入球口が前記第一の変化手段によって閉鎖された状態であり、前記第三の状態は、前記第一の可変入球口が前記第一の変化手段によって開放された状態であってもよい。
前記第一の変化手段は、前記第一の状態では、前記第一の可変入球口への入球経路を塞ぎ該入球経路と異なる球経路を形成する手段であり、前記第一の変化手段は、前記第三の状態では、前記入球経路から退避する手段であってもよい。
また、
『 前記減速手段[例えば、後側第2リブ23r3および/または前側第2リブ23f3]は、前記第二の可変入球口[例えば、第2可変入賞口235]よりも遊技球の転動方向上流側に位置する手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 第二の状態[例えば、後退状態]から該第二の状態よりも前記第二の可変入球口に入球し易い第四の状態[例えば、進出状態]へ状態変化させる第二の変化手段[例えば、扉部材2351]を備え、
前記第二の状態では、前記第二の変化手段の上を遊技球が転動不可能である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記第二の状態は、前記第二の変化手段によって前記第二の可変入球口への入球がサポートされない状態であってもよい。
前記第二の変化手段は、前記第二の可変入球口につながる空間に対して進退する手段であり、前記第二の状態は、前記第二の変化手段が前記空間から退避した状態であり、前記第四の状態は、前記第二の変化手段が前記空間に進出し前記第二の可変入球口への入球経路を形成した状態であってもよい。
前記第一の可変入球口と前記第二の可変入球口は、アタッカまたは電チューであってもよいし、あるいは、死に球領域における可変入球口、すなわち入球しても賞球が払い出されない入球口であってもよい。
前記第一の変化手段と前記第二の変化手段は、球通路の振分装置であってもよい。
次いで、球貯留皿126について説明する。
図41は、図1に示す本体104から取り外した前面枠扉106及び球貯留皿付扉108を左斜め上方から見た斜視図である。なお、図41に示す前面枠扉106からは、図3に示す左枠ランプ122L、右枠ランプ122R、および上部枠ランプ122Uが取り外されている。
図41には、球貯留皿付扉108の中央に配置された演出ボタン136、その演出ボタン136の右斜め上に配置された球抜ボタン130が図示されている。また、右側に配置された操作パネルOPには、十字キー1901、決定ボタン1902、音量調整ボタン1903、および光量調整ボタン1904が配置された操作キーユニット190、球貸操作ボタン140、返却操作ボタン141が図示されている。
また、球貯留皿付扉108の左側には、球貯留皿126が設けられ、球貯留皿126と演出ボタン136の間に球流しボタン131が配置されている。
球貯留皿126は、後面壁127と、皿構成部材128と、皿用可動部材129で構成されている。
後面壁127には、球払出口1271と戻り球口1272が設けられている。球払出口1271からは、賞球や貸球が払い出される。戻り球口1272には、図1に示す発射装置110から発射された遊技球のうち図3に示す遊技領域124に到達しなかった遊技球が戻ってくる。球払出口1271と戻り球口1272とでは、球払出口1271の方が高い位置に設けられている。
図42(a)は、皿構成部材128を後方側から示す斜視図であり、図の右手前側が後方側になる。また、図の左側が下流側になる。
皿構成部材128は、後面壁127に取り付けられ、前面壁128fと、第1傾斜面1281と、第2傾斜面1282を有する。第1傾斜面1281と第2傾斜面1282は連続している。第1傾斜面1281の方が第2傾斜面1282よりも高い位置にあり、第1傾斜面1281の下端が第2傾斜面1282の上端につながっている。したがって、球貯留皿126における遊技球の流れは、第1傾斜面1281から第2傾斜面1282に向かうことになる。以下の説明では、球貯留皿126における遊技球の流れを基準にして上流側、下流側と称する。また、第2傾斜面1282は第1傾斜面1281よりも傾斜が緩いが、その逆で、第1傾斜面1281が第2傾斜面1282よりも傾斜が緩くてもよい。球払出口1271から払い出される遊技球は、第1傾斜面1281に払い出される。球払出口1271は、球貯留皿126の上流端部に設けられたものであり、球払出口1271に近いほど上流側ともいえ、球払出口1271から離れるほど下流側ともいえる。
図42(a)に示す右側から左側に向かう矢印は、図42(a)が後面壁127側から示す図であるため、図41では左側から右側に向かう矢印になるが、球貯留皿126において遊技球が流れる方向(上流側から下流側に向かう方向)を表す矢印になる。
第2傾斜面1282における下流側の後面壁127側には、切欠部1283が設けられている。この切欠部1283の大きさは、遊技球よりも大きい。
図41に示す球貯留皿126では、この切欠部1283がシャッタ部1291で完全に塞がれている。シャッタ部1291は、左右方向に移動可能な皿用可動部材129に設けられたものである。図41には、皿用可動部材129が初期位置にあるときのシャッタ部1291が示されている。
図42(b)は、同図(a)に示した皿構成部材128と同じく、皿用可動部材129を後方側から示す斜視図であり、図の右手前側が後方側になり、図の左側が下流側になる。
図42(b)に示すように、皿用可動部材129は、移動方向に延在したステー部1290の上流側にシャッタ部1291が設けられている。なお、ステー部1290の前方側には、取付突起1290aと、2つの摺動突起1290bが設けられている。
シャッタ部1291は、前側部分1291fと後側部分1291bの間が段差Bp1になっている。すなわち、前側部分1291fは第2傾斜面1282と同じ高さ位置にあるが、後側部分1291bは、前側部分1291fより一段下がった高さ位置になる。戻り球口1272から戻される遊技球は、この後側部分1291bに戻される。
図42(b)に示すようにシャッタ部1291の後側部分1291bは下流側に向かって下方へ傾斜している。
さらに、図42(a)に示すように、皿構成部材128には、下流側に向かって下方へ傾斜しながら続く球通路1284が設けられている。なお、球通路1284は、皿構成部材128の一部1286と、皿構成部材128とは別の通路部材1284aとで構成されている。
図42(c)は、図41と同じように初期位置にあるときの皿用可動部材129および皿構成部材128を下流側から示す斜視図であり、図の左手前側が下流側になる。また、この図42(c)では、図の右側が後方側になる。
図42(c)に示すように、皿用可動部材129が初期位置にあるときには、シャッタ部1291の後側部分1291bから球通路1284につながった状態になる。この球通路1284は、発射装置110につながる通路である。
なお、図42(a)や同図(c)に示すように、球通路1284の前側にも段差Bp2が設けられており、その段差Bp2よりも前側にある遊技球は、球通路1284に落下する。
球貯留皿126に貯留された遊技球のうち下流側の遊技球は、この球通路1284に一列に並ぶ。図41に示す、演出ボタン136の右斜め上に配置された球抜ボタン130を押下すると、球通路1284の下流側から遊技球が排出される。
さらに、皿用可動部材129には、可動片1292が設けられている。この可動片1292は、シャッタ部1291の後側部分1291bから後面壁127に沿って立ち上がったものである。可動片1292には、第2傾斜面1282よりも上方に突出した作用部1292aが設けられている。
図42(a)に示すように、第2傾斜面1282の後面壁127側の端部には前方側に凹んだ可動領域前溝1285が設けられている。この可動領域前溝1285は、第1傾斜面1281の、第2傾斜面1282側(下流側)端部まで延在している。後面壁127にも、この可動領域前溝1285に対応して後方側に凹んだ可動領域後溝1273(図43参照)が設けられている。可動領域後溝1273は、図42(b)に示す作用部1292aの幅w分だけ、可動領域前溝1285よりも下流側に延長されている。可動片1292は、皿用可動部材129の移動に合わせて、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間内を移動する。
以上の説明では、シャッタ部1291と可動片1292は一体のものであったが、別体のものであってもよい。
図43は、皿用可動部材129が可動する様子を段階的に示す図である。この図43では、前面枠扉106及び球貯留皿付扉108を、真上より少し前方側から見たときの斜視図になっている。図43では、球貯留皿126における遊技球の流れは、左側から右側になる。
図43(a)は、皿用可動部材129が初期位置にあるときの様子を示す図である。すなわち、図43(a)に示す皿用可動部材129は、図41や図42に示す皿用可動部材129と同じ状態であり、第2傾斜面1282における切欠部1283は、皿用可動部材129のシャッタ部1291で完全に塞がれている。すなわち、シャッタ部1291が全閉状態である。また、可動片1292は、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間の最も下流側に位置し、その作用部1292aは、切欠部1283の上流端に位置している。
皿用可動部材129は、球貯留皿126と演出ボタン136の間に設けられた球流しボタン131を一番奥まで押下すると、初期位置から最大移動位置まで移動する。
図43(b)は、皿用可動部材129が初期位置と最大移動位置のちょうど中間になる中間位置にあるときの様子を示す図である。
皿用可動部材129のシャッタ部1291は、上流側(図では左側)に移動しており、第2傾斜面1282における切欠部1283は、上流側の半分しか、シャッタ部1291で塞がれておらず、下流側(図では右側)の半分には開口が形成されている。すなわち、シャッタ部1291が半分開いている状態である。この開口の大きさは、遊技球の大きさよりも大きく、遊技球は、この開口から下方へ排出される。すなわち、球流しボタン131を押下した場合であっても、シャッタ部1291が移動して開口の大きさが遊技球の大きさよりも大きくなれば、球貯留皿126に貯留されていた遊技球が、その開口から排出されるようになる。なお、開口の奥には、球抜き通路1266(図44参照)の一部が見えている。
また、可動片1292は、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間のちょうど中間位置に位置している。
図43(b)に示す状態から球流しボタン131をさらに押下すると、皿用可動部材129は最大移動位置まで移送する。
図43(c)は、皿用可動部材129が最大移動位置にあるときの様子を示す図である。
この図43(c)では、シャッタ部1291はさらに上流側(図では左側)に移動しており、第2傾斜面1282における切欠部1283から完全に外れた位置にある。すなわち、シャッタ部1291が全開状態である。このため、切欠部1283全体が開口になっており、遊技球が排出される。なお、ここでも、開口の奥に、球抜き通路1266(図44参照)の一部が見えている。
また、可動片1292は、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間の最も上流側に位置している。すなわち、可動片1292は、これ以上、上流側に移動することはできない。図43(c)に示す可動片1292の作用部1292aは、第1傾斜面1281と第2傾斜面1282の境界brに位置している。すなわち、作用部1292aは、第1傾斜面1281の下流端に位置している。なお、皿用可動部材129を最大移動位置まで移動させると、作用部1292aが、その境界brよりもさらに上流側まで移動するようにしてもよいし、反対に、その境界brの手前までしか移動しないようにしてもよい。
図44は、球流しボタン131が押下されると皿用可動部材129が可動する仕組みを示した図であり、同図(a)は、球流しボタン131が押下される前の状態を前方側から示した図である。すなわち、図44(a)に示す球流しボタン131は初期位置にあり、同図(a)は、図43(a)に示す、皿用可動部材129が初期位置にあるときの状態を示した図である。一方、図44(b)は、球流しボタン131が一番奥まで押下された状態を前方側から示した図である。すなわち、図44(b)に示す球流しボタン131は最大押下位置にあり、同図(b)は、図43(c)に示す、皿用可動部材129が最大移動位置にあるときの状態を示した図である。
図44には、球流しボタン131と、皿用可動部材129の他、可動ベース部材1260、引張りバネ1263、ボタンベース1264、回動レバー1265、球抜き通路1266が示されている。
可動ベース部材1260は、球流しボタン131が、ボタンベース1264を介して取り付けられているボタン部分1261と、皿用可動部材129が取り付けられている可動領域部分1262を有する。
ボタンベース1264は、球流しボタン131の押下方向に延在したものであり、上端は球流しボタン131に固定されている。また、ボタンベース1264の下端には被係止部1264aが設けられ、中間位置には連動突起1264bが設けられている。ボタンベース1264は、可動ベース部材1260のボタン部分1261に上方から上下方向に移動可能に挿入されている。
引張りバネ1263の上端は、可動ベース部材1260におけるボタン部分1261の上端に係止され、下端は、ボタンベース1264の下端に設けられた被係止部1264aに係止されている。この結果、押下する手を球流しボタン131から離すと、この引張りバネ1263の作用により、球流しボタン131は初期位置に復帰する。
回動レバー1265は三角形状の部材であり、一つの頂点(図では左上の頂点)近傍に回動中心軸1265aが設けられている。残り二つの頂点近傍それぞれには、短い長孔が設けられている。回動中心軸1265aは、可動ベース部材1260のボタン部分1261に回動可能に取り付けられている。ボタンベース1264に設けられた連動突起1264bは、ボタン部分1261に形成された縦溝1261a(図44(b)参照)を貫通し、先端部分は、回動レバー1265に設けられた一方の短い長孔に挿入され、回動レバー1265に取り付けられている。また、皿用可動部材129におけるステー部1290(図42(b)参照)の前方側の下流端に設けられた取付突起1290aは、ボタン部分1261に形成された横溝1261bを貫通し、先端部分は、回動レバー1265のもう一方の短い長孔に挿入され、取付突起1290aは、回動レバー1265の下端部分に取り付けられている。
可動ベース部材1260の可動領域部分1262は、ボタン部分1261から上流側に延在した部分であり、この可動領域部分1262に、上流側と下流側を結ぶ可動溝1262aが形成されている。可動溝1262aには、皿用可動部材129のステー部1290に設けられた2つの摺動突起1290bが挿入されている。これら2つの摺動突起1290bは、図44(a)では、1つの摺動突起1290bしか見えていないが可動溝1262aの下流側に位置している。一方、図44(b)では、これら2つの摺動突起1290bが可動溝1262aの上流側に位置している。
球流しボタン131が押下されはじめると(図44(b)に示す矢印P参照)、ボタンベース1264に設けられた連動突起1264bが縦溝1261aに沿って下がり、回動レバー1265は、回動中心軸1265aを中心に、図44では時計回りの方向(図44(b)に示す矢印RM参照)に回動を開始する。回動レバー1265の下端部分に取り付けられていた、皿用可動部材129の取付突起1290aは、この回動レバー1265の回動によって、横溝1261bに案内されて、上流側に向かって移動を開始する。この結果、皿用可動部材129は、2つの摺動突起1290bが可動溝1262aに案内されて上流側に移動し、図43(b)を用いて説明したように、シャッタ部1291も上流側に移動し切欠部1283に開口が形成されるとともに、可動片1292も上流側に移動する。
球流しボタン131を最大押下位置まで押下すると、図44(b)に示すように、皿用可動部材129は上流端となる最大移動位置まで移動し、図43(c)を用いて説明したように、シャッタ部1291は切欠部1283から完全に外れた位置まで移動し、切欠部1283全体が開口になるとともに、可動片1292も上流端まで移動する。図44に示す球抜き通路1266は、切欠部1283に形成される開口からつながった通路であり、球抜き通路1266を通過した遊技球は、パチンコ機100の外(例えば、遊技球収集容器(俗称、ドル箱))へ排出される。
なお、上述のごとく、押下する手を球流しボタン131から離すと、引張りバネ1263の作用により、球流しボタン131は初期位置に復帰し、皿用可動部材129は、図44(a)に示す状態になる。
続いて、可動片1292の作用について説明する。なお、可動片1292の作用とは、厳密には、可動片1292に設けられた、第2傾斜面1282よりも上方に突出した作用部1292aの作用になる。
図45は、球貯留皿126に滞留している一つの遊技球に可動片1292が接触する様子を段階的に示す図である。この図45では、球貯留皿126を中心に、真上より少し前方側から見たときの状態を示しており、右側には球流しボタン131が示されている(図49まで同じ)。また、図45では、球貯留皿126における遊技球の流れは、左側から右側になる(図49まで同じ)。
図45(a)は、皿用可動部材129が初期位置にあるときの状態を示す図であり、切欠部1283はシャッタ部1291で完全に塞がれている。また、可動片1292は、可動領域前溝1285と可動領域後溝1273によって形成された空間(以下、可動空間SKという。)の最も下流側に位置し、その作用部1292aは、切欠部1283の上流端に位置している。この例では、一つの遊技球B1が、第2傾斜面1282における上流側の後面壁127側、すなわち可動空間SKにかかる位置に滞留している。より詳しくは、可動空間SKのうち、上流側と下流側の中間となる中間位置にかかる位置に滞留している。遊技球にホコリや油成分が付着していると、傾斜面であっても、遊技球はこのように滞留してしまうことがある。
図45(b)では、球流しボタン131が押下され、可動片1292は、可動空間SKの最も下流側の位置から上流側に向けて移動し、中間位置に到達している。中間位置には、一つの遊技球B1が滞留しており、可動片1292はその遊技球B1に接触する。可動片1292が遊技球B1に接触すると、球流しボタン131から手を離す。すなわち、皿用可動部材129が最大移動位置に到達する前に、球流しボタン131の押下操作を終了する。球流しボタン131の押下操作を終了すると、皿用可動部材129は初期位置に戻る。
図45(c)は、皿用可動部材129が初期位置に戻ったときの状態を示す図である。可動片1292が遊技球B1に接触すると、接触した可動片1292によって遊技球B1には外力が付与され、滞留していた遊技球B1が動く。遊技球B1が少しでも動けば、あとは第2傾斜面1282における傾斜によって、遊技球B1は下流側へ流下する。図45(c)には、下流側へ流下する遊技球B1が示されている。
図45(c)から続く同図(d)に示すように、切欠部1283はシャッタ部1291で完全に塞がれており、遊技球B1は、シャッタ部1291の上を通って球通路1284に落下し、球通路1284を流下する。
図46は、球貯留皿126の上流側に滞留している一つの遊技球に可動片1292が接触する様子を段階的に示す図である。
図46(a)は、図45(a)と同じく、皿用可動部材129が初期位置にあるときの状態を示す図であり、切欠部1283はシャッタ部1291で完全に塞がれている。また、可動片1292は、可動空間SKの最も下流側に位置している。この例では、一つの遊技球B2が、可動空間SKの最も上流側となる上流端位置にかかる位置に滞留している。図46(a)に示す遊技球B2は、ちょうど、第1傾斜面1281と第2傾斜面1282の境界brに位置している。したがって、遊技球B2は、第2傾斜面1282の上流端に位置しているとも言えるし、第1傾斜面1281の下流端に位置しているとも言える。上述のごとく、遊技球にホコリや油成分が付着していると、傾斜面であっても、遊技球は滞留してしまうことがあるが、傾斜角度が変わる境界brであると、第1傾斜面1281と第2傾斜面1282の間に遊技球が挟まれ、滞留してしまうこがある。
図46(b)では、球流しボタン131が最大押下位置まで押下され、皿用可動部材129は最大移動位置まで移動する。この結果、切欠部1283全体が開口になるとともに、可動片1292は、可動空間SKの上流端位置まで到達しており、可動片1292は遊技球B2に接触する。可動片1292が遊技球B2に接触しても、球流しボタン131を最大押下位置まで押し続けたままにすると、皿用可動部材129は最大移動位置に留まった状態になる。
図46(c)は、皿用可動部材129が最大移動位置に留まった状態を示す図である。
可動片1292が遊技球B2に接触すると、接触した可動片1292によって遊技球B2には外力が付与され、上流側で滞留していた遊技球B2が動く。遊技球B2が少しでも動けば、ここでも第2傾斜面1282における傾斜によって、遊技球B2は下流側へ流下する。
図46(c)から続く同図(d)では、切欠部1283全体が開口になったままであり、流下する遊技球B2は、球通路1284に流入する前に、この開口に落下する。開口に落下した遊技球B2は、開口の奥側に一部が見えている球抜き通路1266を通って、パチンコ機100の外へ排出される。
可動片1292が移動する領域(可動空間SK)は、切欠部1283よりも上流側になる。したがって、可動片1292は、滞留している遊技球B2に切欠部1283よりも上流側で接し、外力を付与する。このため、可動片1292が接触して流下してきた遊技球B2は、シャッタ部1291が移動して開口の大きさが遊技球の大きさよりも大きくなったままであれば、その開口に落下する。
図47は、球貯留皿126に二つの遊技球が滞留している場合の例を段階的に示す図である。
図47(a)は、図45(a)と同じく、皿用可動部材129が初期位置にあるときの状態を示す図であり、切欠部1283はシャッタ部1291で完全に塞がれている。また、可動片1292は、可動空間SKの最も下流側に位置している。この例でも、図45(a)と同じく、一つの遊技球B3が、可動空間SKの中間位置にかかる位置に滞留している。この位置は、第2傾斜面1282の上流側の位置である。また、球貯留皿126における遊技球の流れる方向で見た場合、二つ目の遊技球B4は、一つ目の遊技球B3と、ほぼ同じレベルの位置に滞留している。すなわち、二つ目の遊技球B4も、第2傾斜面1282の上流側の位置に滞留している。
図47(b)では、球流しボタン131が押下され、可動片1292は、可動空間SKの中間位置に到達しており、可動片1292は遊技球B3に接触する。可動片1292が遊技球B3に接触すると、球流しボタン131から手を離す。
図47(c)では、接触した可動片1292によって外力が付与された遊技球B3が動き出し、動いた先に滞留していた二つ目の遊技球B4に衝突している。可動片1292が接触した遊技球B3と、その遊技球B3が衝突した遊技球B4はともに、第2傾斜面1282における傾斜によって下流側へ流下する。この例に示すように、可動片1292の可動領域から離れた位置に滞留している遊技球B4であっても流下させることができる場合がある。なお、可動片1292が接触した遊技球B3よりも下流側に滞留している遊技球であっても、可動片1292が接触した遊技球B3によって流下させることができる場合がある。
図48は、可動片1292が接触した遊技球よりも上流側に遊技球が滞留している場合の例を段階的に示す図である。以下、図47に示す例との相違点を中心に説明する。
この例でも、図47(a)と同じく、一つの遊技球B5が、可動空間SKの中間位置にかかる位置に滞留している。二つ目の遊技球B6は、一つ目の遊技球B5よりも上流側となる、球貯留皿126の上流端に滞留している。すなわち、一つ目の遊技球B5は、第2傾斜面1282の上流側の位置に滞留しており、二つ目の遊技球B6は、第1傾斜面1281の上流端に滞留している。
図48(b)では、球流しボタン131が押下され、可動片1292は、上流側に向かって移動し、可動空間SKの中間位置において遊技球B5に接触する。この例でも、可動片1292が遊技球B5に接触すると、球流しボタン131から手を離す。
上流側に移動する可動片1292によって、上流側に向けての外力が付与された遊技球B5が、図48(c)では上流側へ動き出し、球貯留皿126の上流端に滞留していた二つ目の遊技球B6に衝突している。可動片1292が接触した遊技球B5と、その遊技球B5が衝突した遊技球B6はともに、第1傾斜面1281における傾斜によって下流側へ流下し、その後、第2傾斜面1282における傾斜によってさらに下流側へ流下する。この例に示すように、可動片1292の可動領域(可動空間SK)よりも上流側の位置に滞留している遊技球B6であっても流下させることができる場合がある。
図49は、球貯留皿126での球噛みを可動片1292で解消する例を段階的に示す図である。
図49(a)に示す球貯留皿126には、多くの遊技球が貯留されているが、遊技球は、球通路1284の上流端部分までしかきておらず、球通路1284の下流側に向かって1列に並んだ状態ではない。これは、球貯留皿126内で球噛みが生じており、遊技球どうしが引っかかって下流側へ流下することができない状態にある。
図49(b)では、球流しボタン131が半分程度押下され、可動片1292は、可動空間SKの中間位置付近に到達している。球流しボタン131を半分程度押下したら、球流しボタン131から手を離す。図49(b)に示す可動片1292は、貯留されている遊技球に埋もれながらも、その中を移動し、複数の遊技球に接触して外力を付与している。また、シャッタ部1291も上流側に移動し、このシャッタ部1291も複数の遊技球の底に接触して外力を付与している。これらの結果、球貯留皿126内での球噛みが解消される。
図49(c)では、球噛みが解消され、貯留されていた遊技球は球通路1284の下流側まで流れ込み、図49(c)に示す球通路1284には、遊技球が1列に並んでいる。
なお、球噛みがなかなか解消されない場合には、球流しボタン131を複数回連続ですばやく押下するように操作して、可動片1292を高速で往復動させてもよい。
また、押下していた球流しボタン131から手を離すことで可動片1292は下流側へ向かって移動する。この下流側へ向かって移動する可動片1292によっても、遊技球に接触することで、外力を付与することができ、遊技球を動かすことができる。特に、下流側へ向かう外力を付与することができ、遊技球を下流側へより勢いよく流下させることが可能になる。
さらに、可動片1292は下流側へ向かって移動する際には、作用部1292aが第2傾斜面1282よりも低くなるように下降し、上流側へ向かって移動する際のみ、作用部1292aが第2傾斜面1282よりも突出するようにしてもよいし、これとは反対に、可動片1292が上流側へ向かって移動する際には、作用部1292aが第2傾斜面1282よりも低くなるように下降し、下流側へ向かって移動する際のみ、作用部1292aが第2傾斜面1282よりも突出するようにしてもよいし
以上説明した皿用可動部材129は、滞留している遊技球に外力を付与する駆動部の一例であり、移動して位置を変化するものであったが、上記駆動部としては、位置は変化せず、振動するものであってもよいし、回転するものであってもよい。また、姿勢が変化するものであってもよい。さらには、球貯留皿126における球載置面となる底面の一部又は全部が、可動(例えば、昇降)したり、振動したり、回転したりするものであってもよいし、その底面の一部又は全部の傾斜角度が変化したりするものであってもよい。また、上記駆動部としては、滞留している遊技球に必ずしも接触するものでなくてもよく、例えば、滞留している遊技球から離れた位置から風を吹き付けるものであってもよい。
また、前面枠扉106と球貯留皿付扉108とは別体のものであって、別々に開閉可能であったが、一体の扉体であって、一体で開閉するものであってもよい。さらに、球貯留皿126の他に、第二の球貯留皿を設け、第二の球貯留皿にも、皿用可動部材129と同じ部材を設けてもよい。この第二の球貯留皿は、球貯留皿126よりも上流に配置されるものであってもよいし、下流に配置されるものであってもよいし、同レベルに配置されるものであってもよい。
以上の記載によれば、
『 球貯留皿[例えば、球貯留皿126]と、
操作部[例えば、球流しボタン131]と、
前記操作部が操作されると駆動する駆動部[例えば、皿用可動部材129あるいは可動片1292]と、
を備えた遊技台であって、
前記駆動部は、前記球貯留皿に設けられたものであり、
前記駆動部は、前記球貯留皿に貯留されている或る遊技球[例えば、遊技球B1~B6]に駆動すること[例えば、移動したり、回転したり、振動したり、流体を吐出したりすること]で外力を付与するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
前記操作部を操作することで、前記球貯留皿に滞留する遊技球を、遊技者が手で触れることなく、前記駆動部からの外力によって下流側に流れ出す契機を与えることができ、衛生的であるとともに遊技者が遊技に集中することができる。
なお、前記球貯留皿は、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段を備え、前記発射手段から発射された遊技球のうち前記遊技領域に到達しなかった遊技球が戻ってくる皿であってもよいし、賞球が払い出される皿であってもよいし、貸球が払い出される皿であってもよい。また、貯留された遊技球を排出可能な皿であってもよく、例えば、他の皿へ排出可能な皿であってもよいし、遊技球収集容器(いわゆるドル箱)へ排出可能な皿であってもよい。すなわち、前記球貯留皿は、いわゆる上皿であってもよいし、いわゆる下皿であってもよいし、上皿の機能と下皿の機能が合わさった皿(上皿兼下皿)であってもよい。
前記駆動部は、前記操作部が操作されると、振動するものであってもよいし、回転するものであってもよいし、姿勢変化するものであってもよいし、流体を吐出するものであってもよい。あるいは、或る動作(例えば、上下方向の動作または/および左右方向の動作)を行うものであってもよい。
また、
『 前記駆動部は、前記操作部が操作されると、前記或る遊技球に非接触な位置[例えば、初期位置]から接触する位置に移動し、該或る遊技球に接触することで外力を付与するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記駆動部は、可動部であってもよい。
また、
『 前記球貯留皿は、開閉する球抜き開口[例えば、切欠部1283]が設けられたものであり、
前記球抜き開口は、前記駆動部が駆動することで閉じた状態[例えば、シャッタ部1291が閉じた状態]から開いた状態[例えば、シャッタ部1291が開いた状態]に変化するものである[例えば、図43]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記駆動部は、前記球抜き開口よりも前記球貯留皿における上流側で、前記或る遊技球に外力を付与するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記球貯留皿における上流側とは、前記球貯留皿を遊技球が流下する流下方向における上流側のことであってもよい(以下においても同じ。)。前記流下方向は、前記球貯留皿における下面(床面)の高さ位置の変化によって決まり、一般的に高い位置から低い位置に向かう方向が流下方向になる(以下においても同じ。)。
前記球貯留皿は、前記流下方向上流側に、球払出口を有するものであってもよい。前記球払出口からは賞球や貸球が払い出される。前記球払出口に近いほど上流側ともいえ、該球払出口から離れるほど下流側ともいえる(以下においても同じ。)。なお、前記球貯留皿は、前記球払出口とは別に、戻り球口を有するものであってもよい。前記戻り球口は、前記球払出口よりも前記流下方向下流側に設けられていてもよい。
遊技領域へ遊技球を発射する発射手段を備え、前記球貯留皿は、下流側が前記発射手段につながったものであってもよい。
また、
『 前記駆動部における駆動には、前記或る遊技球に外力を付与する部位[例えば、可動片1292あるいは作用部1292a]が、前記球貯留皿における上流側から下流側に向かって移動すること[例えば、押下していた球流しボタン131から手を離すことで移動すること]が含まれる、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記駆動部における駆動は、前記或る遊技球に外力を付与する部位が、前記球貯留皿における上流側から下流側に向かって移動することのみであってもよい。
外力を付与する部位が上流側から下流側に向かって移動することで、前記或る球に下流側へ移動する外力を付与することができる。
また、
『 前記駆動部における駆動には、前記或る遊技球に外力を付与する部位[例えば、可動片1292あるいは作用部1292a]が、前記球貯留皿における下流側から上流側に向かって移動すること[例えば、球流しボタン131を押下することで移動すること]が含まれる、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記駆動部における駆動は、前記或る遊技球に外力を付与する部位が、前記球貯留皿における下流側から上流側に向かって移動することのみであってもよい。
外力を付与する部位が下流側から上流側に向かって移動することで、前記或る球に上流側へ一旦移動する外力を付与することができ、該或る球は、自身よりも上流側で滞留している遊技球にぶつかって、該遊技球とともに最終的には下流側へ流下していくことになる。
前記駆動部は、前記操作部が操作されると、前記球貯留皿における上流側と下流側の間で往復移動し、前記或る遊技球に接触することで外力を付与するものであってもよい。
また、
『 前記駆動部は、直接接触していない遊技球[例えば、遊技球B4や遊技球B6]に対しても駆動することで外力を付与することができる場合があるものである[例えば、図47や図48に示す例]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記或る遊技球には、前記駆動部が直接接触する遊技球の他、直接は接触することができない遊技球も含まれる。これは、直接接触することで外力を付与された遊技球を介して、直接は接触することができない遊技球にも外力を付与することができるからである。
また、
『 前記球貯留皿は、第一の傾斜部[例えば、第1傾斜面1281]と第二の傾斜部[例えば、第2傾斜面1282]を有するものであり、
前記第二の傾斜部は、前記第一の傾斜部よりも傾斜が緩い傾斜部であり[例えば、図42(a)]、
前記駆動部は、前記第二の傾斜部に貯留される或る遊技球[例えば、遊技球B1や遊技球B2]に駆動することで外力を付与するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
図50は、本発明を適用可能な封入式のパチンコ機の正面図である。
図50に示す封入式のパチンコ機100hでは、所定数の遊技媒体(例えば、遊技球)を遊技台内部で循環させる。すなわち、発射手段101hから遊技領域102hに発射された遊技媒体が、遊技領域102hから排出されて再び発射手段101hへ供給可能としている。また、遊技媒体の数(賞球、貸球、総持玉数等)の情報や、その他の情報を表示する表示手段103hが遊技台前面の遊技領域102hの下方に配設されており、図1に示す、遊技者が接触可能な球貯留皿126は設けられていない。なお、遊技者が接触不能な球貯留皿は別途設けられており、図41~図49を用いて説明した球貯留皿の技術も適用することができ、遊技者が接触不能なことから、特に大きな効果を期待することができる。
以上説明したように、図50に示すパチンコ機100hは、球を封入し、封入した球をパチンコ機内で循環させて使用するものであって、封入した球を発射球として使用し、球の払出はクレジットによって実行されるものであってもよい。
次に、図51~図67を用いて、本発明を適用することができる他の遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴遊技機)について詳細に説明する。なお、図51~図67に示す符号は、原則として図51~図67を用いた説明にのみ用いることとし、重複する符号が他の図面に示されている場合であっても、図51~図67を用いた説明では図51~図67に示す符号を優先する。
<全体構成>
まず、図51を用いて、パチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、所定条件が成立すると遊技者が利益を獲得することができる遊技台であって、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。前面枠扉106は、扉体の一例に相当する。なお、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置2~5(図53参照)の演出態様に変化を与える演出ボタン136と、演出ボタン136に内蔵され、その演出ボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、図51に示すパチンコ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。さらに、操作キーユニット190も備えている。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射し、発射手段の一例に相当する。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図51では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図53に示す。
図52は、図51のパチンコ機100を裏側から見た背面図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部700(図60参照)へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図60参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図60参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図60参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部700(図60参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部730(図60参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部760(図60参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部700とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
また、主基板156上に、設定変更キー192と、設定変更ボタン194及び役物比率・設定表示器196が設けられている。電源投入時にRAMクリアスイッチ180が押下されることを条件に設定変更キー192が操作されると、少なくとも大当り確率が異なる複数の設定からいずれかに設定することができる設定変更モードに移行することができる。設定変更モードにおいては、現在の設定が役物比率・設定表示器196に表示され、店員は、これを確認しながら設定変更ボタン194を押下することにより設定の変更を行うことができる。なお、電源投入時にRAMクリアスイッチ180の押下がなくとも、電源投入時に設定変更キー192が操作された場合に設定変更可能な構成としてもよい。
役物比率・設定表示器196は、主基板156に実装されるとともに主基板ケース158の内部に配置される7セグLED基板であり、店員に視認可能な態様で取り付けられている。役物比率・設定表示器196は、図66(A)に示すように、2ケタの7セグLEDが上下に配置されるとともに、右側に1ケタの7セグLEDがモジュール化されたものであり、役物比率モニタは、役物比率(YH)及び連続役物比率(RY)を報知するインジケータであり、設定モニタは、現在の設定を確認するためのモニタである。役物比率・設定表示器196は、例えば、赤色の単色LEDにより構成されているが、赤・緑・オレンジの3色により発光可能なものとしてもよいし、フルカラーLEDであってもよい。なお、役物比率・設定表示器196のうちの少なくとも一部を、例えば、遊技盤200に設けて遊技者に視認可能としてもよい。
また、第1副基板ケース162の背面に、ディップスイッチ基板198が配設されている。ディップスイッチ基板198の詳細については後述する。
図53は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。ここで、図53の紙面に対して垂直な方向は、パチンコ機100の前後方向(奥行き方向と呼ぶ場合もある)になり、手前側を前側、正面側、あるいは遊技者側と呼ぶ場合があり、奥側を後ろ側、背面側、あるいは裏面側と呼ぶ場合がある。図53の紙面における左右方向はパチンコ機100の幅方向(左右方向と呼ぶ場合がある)になり、正面視で左手を左、右手を右と呼ぶ場合がある。図53の紙面における上下方向はパチンコ機100の高さ方向(上下方向と呼ぶ場合がある)になり、高い方を上、低い方を下と呼ぶ場合がある。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。
本体104に対する遊技盤200の取付構造は、様々な構造を採用可能であるが、例えば、本体104の正面視左側(ヒンジ部112側)に遊技盤200の正面視左側部200aを挿入し、ここを回動中心として遊技盤200を回動させつつ遊技盤200の正面視右側部200bを本体104に押圧し、セットする構造を採用可能であり、このような構造であれば作業性を向上できる場合がある。
遊技盤200は、板状の本体201に各種の部品が取り付けられたユニットである。本体201は、例えば、樹脂により形成され、その表面(正面)は、パチンコ機100のキャラクタ等を表示した装飾面を構成する。装飾面は、例えば、パチンコ機100のキャラクタ等を印刷したシートを貼り付けることで形成してもよい。本体201の右下方には振動センサSR3が配設されている。振動センサSR3で検出された場合、エラー処理(例えば画像や音による報知、遊技の継続を不能とする遊技停止等)を行うことができる。振動センサSR3は磁気センサ等、他の不正検出センサであってもよい。
遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。外レール202の一部は、本体104に着脱自在なレール部材209により形成されている。遊技領域124のうち、外レール202と内レール204との間の領域は発射された遊技球を案内する案内領域201aを形成している。
遊技盤200の遊技領域124以外の領域を非遊技領域と呼ぶ場合がある。遊技領域124と非遊技領域とは外レール202を境界として区別することができる。また、遊技球の発射強度を最大にした状態で遊技球が通過する領域よりも内側の領域は少なくとも遊技領域124と呼ぶことができる。遊技領域124は、遊技領域124内に演出装置等が存在することで遊技球が通過しない領域を含む場合がある。遊技中に遊技球が流下する点で遊技領域124を流下領域と呼び、メンテナンスやアクシデントを除いて遊技中に遊技球が流下しない点で非遊技領域を非流下領域と呼ぶ場合がある。遊技領域124は、その全域を流下領域と呼ぶことも可能であるが、演出装置等の存在により遊技球が流下することがない領域は非流下領域と呼んでもよい。
遊技領域124の略中央には、装飾図柄表示装置208を配設している。遊技領域124よりも下方には、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、普図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。また、第2特別図柄保留ランプ220は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。
なお、遊技状態として、大当りが発生し易い高確率状態や大当りが発生し難い低確率状態を設定可能とする場合、高確中ランプを設けてもよい。このランプは、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を大当りが発生し難い低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯するようにしてもよい。
装飾図柄表示装置208の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226a,226bを配設している。
一般入賞口226a,226bは、遊技領域124の左右にそれぞれ1又は複数個設けられている。ここでは、遊技領域124の左側に配置された一般入賞口を一般入賞口226aと称し、遊技領域124の右側に配置された一般入賞口を一般入賞口226bと称する。一般入賞口226aに入球すると所定の球検出センサ(図示省略)が検出し、一般入賞口226aに入賞したとして、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出し、一般入賞口226bに入球すると所定の球検出センサ(図示省略)が検出し、一般入賞口226bに入賞したとして、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、1個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。一般入賞口226aに入球した遊技球と一般入賞口226bに入球した遊技球とで別の球検出センサにより検出している。また、遊技領域124の左側に一般入賞口226aが複数設けられている場合には、入球した遊技球を案内する球通路を合流させて一つの共通の球検出センサにより検出させるようにしてもよいし、それぞれ別の球検出センサにより検出してもよい。また、遊技領域124の右側に一般入賞口226bが複数設けられている場合には、入球した遊技球を案内する球通路を合流させて一つの共通の球検出センサにより検出させるようにしてもよいし、それぞれ別の球検出センサにより検出してもよい。なお、一般入賞口226a,226bに入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
また、遊技盤200の右側下方には、可変入賞口ユニット6が配置されている。この可変入賞口ユニット6には、可変入賞口234、第1特図始動口230、第2特図始動口232、および普図始動口228が設けられている。可変入賞口ユニット6に設けられたこれらの入賞口234や始動口230,232,228には、右打ちをしないと入球しない。遊技盤200には、多数の遊技釘が設けられているが、図53では、左打ちした球が可変入賞口ユニット6に向かうことを阻止する遊技釘238のみが示されている。
可変入賞口234は、アタッカーと呼ばれるものであるが、詳しくは後述する。
第2特図始動口232は、可変入賞口234よりも下方に設けられている。この第2特図始動口232は、電動チューリップ(電チュー)により構成され、第2特図始動開口2320と左右方向に進退自在な舌状片2321(図56参照)を備え、舌状片2321が進出した状態では第2特図始動開口への球の入球が困難である。なお、舌状片2321が進出した状態とは、第2特図始動開口2320が舌状片2321によって閉じられた状態であり、舌状片2321が閉じた状態という場合がある。舌状片2321は、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に所定の時間間隔、所定の回数で進退する。なお、舌状片2321が後退した状態とは、第2特図始動開口2320が開放された状態であり、舌状片2321が開いた状態という場合があり、舌状片2321が進退することを、舌状片2321が開閉するという場合もある。第2特図始動口232への入球を特2用球検出センサ232c(図55等参照)が検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
普図始動口228は、第2特図始動口232よりも下方に設けられている。普図始動口228は、ゲートタイプのものはなく、普図始動口228に入球した球も、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。普図始動口228への入球を普図用球検出センサ228c(図55等参照)が検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。上述のごとく、左打ちした場合にはこの普図始動口228に入球することはなく、したがって舌状片が進退することもない。一方、右打ちした場合には、普図始動口228への遊技球の入球が期待できるため、普図変動遊技に当選して舌状片2321が進退する場合がある。すなわち、左打ち中は、第2特図始動口232への入賞の可能性はないが、右打ち中は、第2特図始動口232への入賞の可能性がある。
第1特図始動口230は、普図始動口228よりも下方に設けられている。この第1特図始動口230への入球を特1用球検出センサ230c(図55参照)が検出した場合、後述する払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。第1特図始動口230に入球した球も、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
図51に示すパチンコ機100は、特図1に優先して特図2の変動表示を開始する仕様(このような仕様のパチンコ機を、「特2優先変動機」などと呼ばれる場合がある。)とされている。ただし、特図1の変動表示中であっても特図2の変動表示を実行可能であり、特図2の変動表示中であっても特図1の変動表示を実行可能な仕様(このような仕様のパチンコ機を、「同時変動機」などと呼ばれる場合がある。)とされてもよい。
さらに、遊技領域124には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆および発射槌によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘等によって進行方向を変えながら下方に流下し、入賞口(一般入賞口226a,226b、可変入賞口234)や始動口(普図始動口228、第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなくアウト口240に到達する。また、本体104の空間部114の下辺に、遊技盤200から排出されるすべての遊技球を受け入れる排出球受入口(図示しない)が上方に開口するように形成されるとともに、排出球受入口に受け入れられた遊技球の通過を検出するアウト球検出センサSWoutが本体104の所定位置に設けられている。なお、アウト球検出センサSWoutは、遊技盤200側に設けられてもよい。遊技盤200から排出されるすべての遊技球(アウト口240から排出された遊技球と各種入賞口に入賞した遊技球とを含む)は、この排出球受入口に受け入れられ、所定の排出通路を経由してパチンコ機100外に排出されるように構成されている。
また、遊技領域124の上部に演出装置2が、下部に演出装置3が、それぞれ配置されると共に、左側、右側にそれぞれ演出装置4が配置されている。左側、右側にそれぞれ配置された演出装置4の背後には演出装置5が配置されている。これらの演出装置2~5は本体104に支持されている。
図54は、可変入賞口ユニットを拡大して示す図である。
可変入賞口ユニット6には、可変入賞口234に入賞した後の球を、遊技者に見えるように貯留しておく貯留通路61が設けられている。この貯留通路61は、透明部材で形成されており、通路内部が視認可能である。図53に示す可変入賞口ユニット6では、その貯留通路61に遊技球が1球も貯留されていないが、図54に示す可変入賞口ユニット6では、その貯留通路61に遊技球Bが貯留されている。貯留通路61については、詳しくは後述する。
上述のごとく、可変入賞口ユニット6には、可変入賞口234、第1特図始動口230、第2特図始動口232、および普図始動口228が設けられており、それぞれには球検出センサが配置されている。
図55は、可変入賞口ユニット6に設けられた各種の球検出センサを示す図である。図55では、紙面手前側が前側(遊技者側)になり、紙面奥側が後ろ側(裏面側)になる。
この図55には、可変入賞口ユニット6を構成する板状のベース部材601が示されている。このベース部材601が、遊技盤200の表面(装飾面)に前側から取り付けられる。ベース部材601よりも後ろ側に突出した部分は、遊技盤200に設けられた開口部から後ろ側に突出する。一方、ベース部材601よりも前側に突出した部分は、遊技盤200と透明板部材118との間の空間に位置することになる。
可変入賞口234への入球を検出するアタッカ用球検出センサ234cは、ベース部材601に取り付けられている。このアタッカ用球検出センサ234cが最も高い位置に設けられている。可変入賞口234へ入賞した遊技球は、このアタッカ用球検出センサ234cを通過し、貯留通路61(図54等参照)に入っていく。なお、この図55では、貯留通路61は図示されていない。
アタッカ用球検出センサ234cを通過した遊技球が通過する球通路から外れた位置であって、アタッカ用球検出センサ234cよりも下方には特2用球検出センサ232cが設けられている。また、特2用球検出センサ232cを通過した遊技球が通過する球通路から外れるとともにアタッカ用球検出センサ234cを通過した遊技球が通過する球通路からも外れた位置であって、特2用球検出センサ232cよりも下方には普図用球検出センサ228cが設けられている。特2用球検出センサ232cにしても、普図用球検出センサ228cにしても、アタッカ用球検出センサ234cと同じく、ベース部材601に取り付けられている。以上説明した3種類の球検出センサ234c,232c,228cは、遊技球が上方側から下方側に向かって通過するセンサである。すなわち、遊技球が縦方向に通過するセンサである。
一方、第1特図始動口230への入球を検出する特1用球検出センサ230cは、可変入賞口ユニット6の後ろ側(裏側)に設けられており、左側から右側に向かって通過するセンサである。すなわち、ベース部材601よりも後ろ側に設けられており、遊技球が横方向に通過するセンサである。
また、図55には、詳しくは後述する、円弧状のシャッタ部620も示されている。シャッタ部620は、図54等に示す貯留通路61の出口に配置されている。シャッタ部620はシャッタ部材に設けられている。シャッタ部材は、モータの駆動力を受けてシャッタ部620が回動することで貯留状態と非貯留状態との間で状態変化する。図55には、シャッタ部材が非貯留状態にあるときのシャッタ部620が示されている。このシャッタ部620よりもさらに先、すなわち貯留通路61の出口から続く先には、アウト球第1案内口661が設けられている。また、アタッカ用球検出センサ234cの下、すなわち貯留通路61の入口には、アウト球第2案内口662が設けられている。アウト球第1案内口661にしてもアウト球第2案内口662にしても、遊技盤200の裏側で、図53に示すアウト口240からの通路に繋がっている。なお、特2用球検出センサ232c、普図用球検出センサ228c、および特1用球検出センサ230cを通過した球も、最終的には、アウト口240からの通路に入り込む。
また、図55には、可変入賞口234が備える、開閉動作するアタッカ扉2341と、ベース部材601から前方に突出した複数の減速用第1突起2343が示されている。
図56は、可変入賞口ユニットを上方から見た平面図であり、同図(a)には、アタッカ扉2341が閉まった状態の可変入賞口ユニット6が示されており、その下の同図(b)には、アタッカ扉2341が開いた状態の可変入賞口ユニット6が示されている。なお、図62(a)にしても同図(b)にしてもそれぞれ、図の下方が前側(遊技者側)であり、上方が後ろ側(裏面側)になる。
この図56では、ベース部材601の前側に前側部材602が取り付けられている。なお、図55に示すベース部材601には、この前側部材602は取り付けられていない。前側部材602には、前板6021から後ろ側、すなわちベース部材601側に向かって突出し貯留通路61を形成する案内壁6022(図57(a)も参照)が設けられており、この前板6021とベース部材601の間が貯留通路61になる。
可変入賞口234は、アタッカ扉2341と、複数の減速用第1突起2343の他に、可変入賞開口2340と、複数の減速用第2突起2344も備えている。可変入賞開口2340は、大入賞口と呼ばれることがある。
アタッカ扉2341は、ソレノイドによってその可変入賞開口2340を開閉自在な扉部材であり、前後方向に進退する。アタッカ扉2341が進出した状態では可変入賞開口2340への球の入球が困難である。なお、アタッカ扉2341が進出した状態とは、可変入賞開口2340がアタッカ扉2341によって閉じられた状態であり、アタッカ扉2341が閉じた状態という場合がある。図55では、アタッカ扉2341が前方に進出しており、図56(a)でも、アタッカ扉2341が前方に進出している。ただし、図56(a)では、前方に進出したアタッカ扉2341の上に遊技球B1が5つ載っているため、アタッカ扉2341は見えにくくなっている。右打ちをした球は、可変入賞口ユニット6の右側から流下してくるため、以下、可変入賞口ユニット6の、右側を上流側と称し、左側を下流側と称する場合がある。アタッカ扉2341には、上流側から下流側に5つの遊技球B1が隣同士接した状態でストックされている。前板6021は透明であり、これら5つの遊技球B1は前方から視認可能である。こうしてアタッカ扉2341にストックされる遊技球の数は、1球だけであってもよいし、貯留通路61に貯留可能な数の遊技球であってもよい。
一方、図56(b)では、アタッカ扉2341が後方に退いており、見えなくなっているが、同図(a)では見えなかった可変入賞開口2340が見えている。アタッカ扉2341が後退した状態とは、可変入賞開口2340が開放された状態であり、アタッカ扉2341が開いた状態という場合があり、アタッカ扉2341が進退することを、アタッカ扉2341が開閉するという場合もある。
図55に示すように、アタッカ扉2341には、4つの段部2341sが設けられている。これら4つの段部2341sは盛り上がったものであり、アタッカ扉2341の上面には、4つの段部2341sによって、蛇行した経路が形成されている。また、アタッカ扉2341のうち、上流端の段部2341sが設けられた部分は、下流側2つの段部2341sが設けられた部分よりも高くなっており、上流端から2つ目の段部2341sが設けられた部分は傾斜している。図55のアタッカ扉2341の上面に示されている斜めの線は、この傾斜の縁を示す線である。
図56に示すように、減速用第2突起2344は、前側部材602の前板6021に3つ設けられている。これら3つの減速用第2突起2344は、後ろ側、すなわちベース部材601に向けて突出している。図56(a)をよく見るとわかるように、アタッカ扉2341は、前板6021に当接するまでは進出しておらず、進出したアタッカ扉2341と前板6021との間には隙間が生じている。減速用第2突起2344は、この隙間の幅分だけ突出したものになっている。一方、減速用第1突起2343は4つ設けられており、前板6021に向けて突出している。減速用第2突起2344と減速用第1突起2343は、いずれもアタッカ扉2341よりも上に設けられており、千鳥状に並んでいる。減速用第2突起2344は、前方に進出したアタッカ扉2341の4つの段部2341sのうち、上流側の3つの段部2341sそれぞれの上に位置している。減速用第1突起2343は、前方に進出したアタッカ扉2341の段部2341sと段部2341sの間の上に位置している。
右打ちをした球が、可変入賞口ユニット6に到達し、ベース部材601と、前側部材602の前板6021との間に進入した場合、アタッカ扉2341が開いていると、可変入賞開口2340に入球可能である。一方、アタッカ扉2341が閉まっていると、遊技球はアタッカ扉2341の上を転がる。この際、遊技球は、アタッカ扉2341の4つの段部2341sによって形成された蛇行した経路に沿って進み、減速用第1突起2343と減速用第2突起2344に交互に衝突することで速度が大きく低下する。アタッカ扉2341の上に1球も遊技球がなくても、この衝突によって、遊技球はアタッカ扉2341上で止まる。また、アタッカ扉2341の上には遊技球が最大で5球載ることができる。アタッカ扉2341の上には遊技球が載っている場合には、新たに転がってきた遊技球は、アタッカ扉2341の上に載っている遊技球にぶつかってアタッカ扉2341の上で止まる。アタッカ扉2341の上に遊技球が既に5球載っている場合には、新たに転がってきた遊技球は、アタッカ扉2341の上に載っている遊技球を、上述したアタッカ扉2341の傾斜も手伝って1球押し出し、代わりにアタッカ扉2341の上に載る。アタッカ扉2341の上から押し出された遊技球は落下し、R面6023を転がって、第2特図始動口232の電チューに到達する。
図56に示す第2特図始動口232では、舌状片2321が、第2特図始動開口2320の少なくとも一部を覆う位置まで進出した状態であり、その舌状片2321によって、第2特図始動開口2320への入球は困難な状態である。一方、舌状片2321が第2特図始動開口2320から後退した状態では、第2特図始動開口2320を覆うものはなく、第2特図始動開口2320への入球が容易な状態になる。
図56(a)では、遊技球B2が、舌状片2321の上にある様子が示されている。舌状片2321の上面は、下流側に向けて傾斜しており、舌状片2321の上に到達した遊技球は、その上面を転がり、第2特図始動開口へ入球しなかった場合は、第2特図始動口232よりも下流側に設けられた傾斜面6024に到達する。図56(a)では、遊技球B3が、傾斜面6024の上にある様子が示されている。この傾斜面6024も、下流側に向かって傾斜しており、遊技球は、傾斜面6024を経て、下流側に落下する。
傾斜面6024の下流側には、逆傾斜面6025と、第1特図始動口230が配置されている。逆傾斜面6025は、普図始動口228よりも高い位置で普図始動口228の下流側に設けられ、上流側、すなわち普図始動口228に向けて傾斜している。このため、逆傾斜面6025に落下した遊技球はほとんどが、普図始動口228に入球する。
この逆傾斜面6025に落下しなかった遊技球は、第1特図始動口230に入球する場合もあれば、第1特図始動口230に入球できずにアウト口240に向かう場合もある。アウト口240に向かう場合としては、第1特図始動口230を超えてしまう場合や、逆傾斜面6025と第1特図始動口230との間に落ちてしまう場合がある。
傾斜面6024を経て、下流側に落下した遊技球の多くは、逆傾斜面6025に落下し、最終的には、普図始動口228に入球する。したがって、当り遊技状態ではないことからアタッカ扉2341が閉鎖したままであり、電チュー作動中でもない場合には、遊技球は普図始動口228に入球し、普図抽選が行われ、時短状態(電サポ状態)であれば、その普図抽選に当選して、舌状片2321が開放しやすい。なお、傾斜面6024を経て、下流側に落下した遊技球の多くが、逆傾斜面6025に落下するのではなく、第1特図始動口230に入球するようにしてもよいし、アウト口240に向かうように、各部位の配置や角度等を変更してもよい。
また、以上説明した遊技球の流れは、一般的な流れであり、イレギュラーな遊技球の動きによって、ここで説明した遊技球の流れとは異なる流れになることもある。例えば、逆傾斜面6025に落下した場合であっても、逆傾斜面6025で弾かれて、普図始動口228に入球しない場合があったり、他の遊技球とぶつかって、逆傾斜面6025に落下せずに普図始動口228に直接入球する場合もある。また、右打ちをした球であっても、そもそも可変入賞口ユニット6に到達しない場合があったり、到達したとしても、ベース部材601と前側部材602の前板6021との間に進入しない場合もある。これらの場合であっても、遊技釘に当たったり、他の遊技球とぶつかって、可変入賞口234、第2特図始動口232、普図始動口228、あるいは第1特図始動口230に入球する場合もある。
続いて、シャッタ部材と貯留通路61について説明する。
図54では、シャッタ部材は貯留状態である。貯留通路61の出口に設けられた円弧状のシャッタ部620は、貯留状態では、全体が貯留通路61内における球の通り道に進出し、貯留通路61の出口を塞いでいる。このため、図54に示す遊技球Bは、シャッタ部620によって堰き止められており、貯留通路61より先に行くことができない。上述のごとく、貯留通路61は、透明部材で形成されており、通路内部が視認可能であり、貯留されている遊技球Bの一部は視認可能である。なお、貯留されている遊技球Bの全部を視認可能にしてもよい。貯留通路61に貯留された遊技球Bは、いわゆる死に球であり、この遊技球を見せることは死に球演出に相当する。また、通路内部が視認可能であることから、貯留通路61の出口を塞いでいるシャッタ部620も視認することができる。特に、シャッタ部620を透明ではなく有色にしておくことで、貯留状態であることを確認することができる。反対に、シャッタ部620を透明にしたり、貯留通路61の出口部分を不透明にしておくことで、遊技球が貯留されていない状態では、貯留状態か非貯留状態かの判別をすることができず、遊技者にシャッタ部材の状態について興味を持たせることもできる。
図57は、貯留状態にあったシャッタ部材が、非貯留状態に変化する様子を示す図である。
図57(a)は、ベース部材601に取り付けられた前側部材602のうちの前板6021を説明のため省略して可変入賞口ユニットを示す斜視図である。この図57(a)には、シャッタ部材62が図示されており、そのシャッタ部材62は、貯留状態と非貯留状態との中間の状態にある。すなわち、シャッタ部620の一部が、貯留通路61内における球の通り道に残っており、このため、遊技球Bは、そのシャッタ部620によって依然として堰き止められており、貯留通路61より先に未だに行くことができない。
図57(a)に示すように、前側部材602の案内壁6022によって形成された貯留通路61は、直線状の上側部分611と、折り返し部分612と、下側部分613から構成されており、最大で10球の遊技球Bを貯留することができる。すなわち、貯留通路61の入口に設けられたアウト球第2案内口662(図55参照)とシャッタ部620との間には遊技球Bを10球連ねることができる。この状態で、可変入賞口234にさらに1球の入球があった場合には、貯留通路61が満タンであるため、その1球の遊技球は、貯留通路61に入れず、アウト球第2案内口662から遊技盤200の裏側へ排出される。
図57(b)は、可変入賞口ユニットの正面図である。この図57(b)に示す可変入賞口ユニット6では、シャッタ部材は非貯留状態にある。すなわち、シャッタ部620の先端がわずかに貯留通路61に進出しているが、貯留通路61内における球の通り道からは完全に退避しており、シャッタ部620が、遊技球Bに触れることはない。このため、これまで貯留されていた遊技球Bは、貯留通路61から先に進み、アウト球第1案内口661から遊技盤200の裏側へ排出される。図57(b)では、貯留通路61内に遊技球は1球も残っていない。また、シャッタ部材が非貯留状態にあるときに、可変入賞口234に入球があった場合には、可変入賞口234に入球した遊技球は貯留通路61に貯留されることなくその貯留通路61を通過し、アウト球第1案内口661から遊技盤200の裏側へ排出される。
シャッタ部材62は、貯留状態が初期状態である。可変入賞口ユニット6では、大当り遊技におけるラウンド中、あるいはアタッカ扉2341が進出状態である間は、シャッタ部材62は初期状態の貯留状態である。この結果、遊技者は、1ラウンド中にアタッカに入賞した回数を、貯留通路61に貯留された遊技球の数から推測することができる。また、遊技者は、小当り遊技中にアタッカに入賞した回数も、貯留通路61に貯留された遊技球の数から推測することができる。可変入賞口ユニット6は、大当り遊技状態では、1ラウンドが終了するたびに、図54に示すモータ630が回転し、シャッタ部材62が非貯留状態へ状態変化し、貯留通路61から、これまで貯留されていた、1ラウンドの期間中に入賞した遊技球が排出される。そして、次ラウンドが開始される時までに、シャッタ部材62は非貯留状態から初期状態の貯留状態に復帰する。また、可変入賞口ユニット6は、小当り遊技状態では、小当り遊技が終了するたびに、図54に示すモータ630が回転し、シャッタ部材62が非貯留状態へ状態変化し、貯留通路61から、これまで貯留されていた、小当たり遊技の期間中に入賞した遊技球が排出される。そして、アタッカ扉2341が進出状態に戻るまでに、シャッタ部材62は非貯留状態から初期状態の貯留状態に復帰する。以上説明した、図54に示すモータ630によるシャッタ部材62の状態変化は演出動作の一例に相当する。
また、可変入賞口ユニット6には、連動部材64が設けられている。この連動部材64は、貯留通路61よりも前側に配置され、モータ駆動によるシャッタ部材62の回動に連動して動作する。連動部材64は、アーム部641と、そのアーム部641の一端側に設けられた意匠部642を有する。図57(a)には、そのアーム部641の一部が示されており、図54や、図57(b)には、アーム部641と意匠部642が示されている。
図54に示す連動部材64は、約30°の角度で持ち上がっているが、図57(b)に示す連動部材64は、図54に示す状態から15°程度寝かされた状態にある。なお、図57(a)に示すアーム部641の一部は、その中間の角度にある。連動部材64は、アーム部641の、意匠部642側とは反対側を回動中心にして回動するものであり、シャッタ部材62が貯留状態から非貯留状態に変化するのに合わせて、持ち上がった姿勢から寝た姿勢に変化する。以下の説明では、連動部材64が持ち上がった姿勢にあることを、意匠部642が上方に位置することから連動部材64が上位置にあると言い、連動部材64が寝た姿勢にあることを、意匠部642が下方に位置することから連動部材64が下位置にあると言う場合がある。図57(b)に示すように、連動部材64が下位置にあると、連動部材64が貯留通路61の一部に前側からオーバラップし、オーバラップする前よりも貯留通路61の一部が視認困難になる。すなわち、シャッタ部材が非貯留状態にあるときには、貯留通路61の上側部分611は、連動部材64によって前側からオーバラップされ、視認困難になっている。反対に、図54に示すように、シャッタ部材が貯留状態にあるときには、連動部材64は上位置にあり、意匠部642が貯留通路61よりも上方に位置し、貯留通路61の上側部分611に貯留された遊技球は視認容易である。
なお、貯留通路61の折り返し部分612のほとんどは装飾部材651によって前側から覆われており、下側部分613の一部も装飾部材652によって前側から覆われている。
以上説明したように、連動部材64は、シャッタ部材を回動させるモータの駆動力によって動作するが、この連動部材64は、手動操作によっても動作可能である。
図58は、連動部材64の手動操作を説明するための図である。
図58(a)は、パチンコ機100の前面枠扉106を90°程度開いた状態を示す図である。前面枠扉106を開くことで、遊技店の店員は、連動部材64に触れることが可能になる。一方、前面枠扉106を開いても、シャッタ部材に触れることはできない。
状態変化するはずのシャッタ部材が、モータの故障や通電不良で駆動力を得られずに状態変化できなかったり、シャッタ部620に遊技球が噛んでしまいシャッタ部材が状態変化できなくなっている場合がある。これらの場合、連動部材64を手動操作することで、シャッタ部材を強制的に状態変化させることができる。また、貯留通路61内で球詰まりが生じ、シャッタ部材が非貯留状態に状態変化しても、貯留通路61内から球が抜けない場合がある。この場合でも、連動部材64の手動操作を繰り返すことで、シャッタ部620に接する遊技球に振動を与えることができ、球詰まりが解消され、貯留通路61内から球を抜くことができる場合もある。
図58(b)では、貯留通路61に遊技球が2球貯留されている状態で、貯留状態から非貯留状態に状態変化するはずのシャッタ部材が状態変化しなかったため、遊技店の店員が、前面枠扉106を開け、連動部材64を押し下げている。連動部材64は下位置には到達しておらず、シャッタ部620がまだ遊技球を堰き止めていることがわかる。この後、連動部材64が下位置に到達すると、シャッタ部材は非貯留状態になっており、2球の遊技球が貯留通路61から先に進み、アウト球第1案内口661から遊技盤200の裏側へ排出される。
図59は、シャッタ部材62と連動部材64を含む可動機構を示す図である。図59(a)は、連動部材64が上位置にある状態を示し、シャッタ部材62は貯留状態である。一方、図59(b)は、連動部材64が下位置にある状態を示し、シャッタ部材62は非貯留状態である。
この図59には、シャッタ部材62と連動部材64の他、モータ630、モータギア部材631,連動ギア部材632、および連結部材633も示されている。
シャッタ部材62は、円弧状のシャッタ部620の他、図59(b)に示すようにギア部621も有する。
モータ630は、ステッピングモータである。モータギア部材631は、モータ630の回転軸に固定され、シャッタ部材62のギア部621に噛合する第1ギア部6311(図59(b)参照)と、連動ギア部材632のギアと噛合する第2ギア部6312を有する。連結部材633は、連結軸6331(図59(a)参照)によって連動ギア部材632と連動部材64を連結するものである。より具体的には、連結軸6331は、連動ギア部材632の、ギアが設けられた側とは反対側と、連動部材64のアーム部641を連結する。
モータ630が回転すると、そのモータの回転駆動力がモータギア部材631の第1ギア部6311からシャッタ部材62のギア部621に伝わり、シャッタ部材62が回動する。また、モータの回転駆動力はモータギア部材631の第2ギア部6312から連動ギア部材632のギアに伝わり、連動部材64も、連結軸6331を回動中心にして回動する。
また、連動部材64が手動操作されると、シャッタ部材62が回動する。すなわち、連動部材64の意匠部642が押し下げられると、連動ギア部材632が連結軸6331を回動中心にして回動し、連動ギア部材632のギアと噛合するモータギア部材631も回動し、その結果、モータギア部材631と噛合するシャッタ部材62が、シャッタ部620が12時の位置に向かうように反時計回りに回動する。反対に、連動部材64の意匠部642が持ち上げられた場合にも、連動ギア部材632が連結軸6331を回動中心にして回動し、連動ギア部材632のギアと噛合するモータギア部材631も回動し、その結果、モータギア部材631と噛合するシャッタ部材62が、シャッタ部620が3時の位置に向かうように時計回りに回動する。
図51に示すパチンコ機100によれば、球詰まりやモータ630の異常でシャッタ部材62が動作不能となった場合でも、店員が前面枠扉106を開けて操作可能な連動部材64を操作して貯留球を排出でき、ユニットの取り外しや分解と比べて、作業性を向上させることができる。
なお、可変入賞口ユニット6に設けられた可変入賞口234を、小当り専用の可変入賞口(アタッカー)とし、遊技盤200の右側領域における、可変入賞口ユニット6よりも上方に、大当り専用の可変入賞口(アタッカー)を配置してもよい。
また、第2特図始動口232を電チュータイプのものにしたが、図53等に示す第2特図始動口232の位置を第1特図始動口230として、その第1特図始動口230を電チュータイプのものにしてもよい。この場合には、図53等に示す第1特図始動口230の位置を第2特図始動口232として、その第2特図始動口232を固定始動口としてもよい。また、この場合には、同時変動機の仕様としてもよい。
また、可変入賞口ユニット6に設けられた普図始動口228とは別に、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる構成の普図始動口を、遊技盤200の右側領域における、可変入賞口ユニット6よりも上方に配置してもよい。ここで別途配置される普図始動口を通過した球は可変入賞口ユニット6に設けられた普図始動口228等に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。さらに、左打ちで狙える特図の始動口を設けてもよい。例えば、特図2が電チュータイプであれば、左打ちで狙える特図2の固定始動口を設けてもよいし、特図1が電チュータイプであれば、左打ちで狙える特図1の固定始動口を設けてもよい。
次に、図60を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の機能ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」という)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払出しに関する制御を行う払出制御部700と、遊技球の発射制御を行う発射制御部730と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部760とを備えて構成されている。
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えている。基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314と、乱数値生成回路(カウンタ回路)318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)とを搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、乱数値生成回路318は、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0~65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している。なお、乱数値生成回路318は、基本回路302に内蔵したものとしているが、基本回路302に対して接続されるものであってもよい。
また、基本回路302には、所定の球検出センサ、例えば、図55に示す、アタッカ用球検出センサ234c、特2用球検出センサ232c、普図用球検出センサ228c、特1用球検出センサ230cや下皿満タンセンサ等の各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を基本回路302におけるCPU304や乱数値生成回路318等に出力するためのセンサ回路322と、所定の図柄表示装置、例えば第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、所定の図柄表示装置、例えば普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、特図1保留ランプ218、特図2保留ランプ220、高確中ランプ等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば、普通電動役物としての第2特図始動口232の舌状片2321を駆動する駆動手段や、特別電動役物としての可変入賞口234のアタッカ扉2341を駆動する駆動手段等を含む各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334と、を接続している。本例では水晶発振器316aと乱数値生成回路318とが別に設けられているが、水晶発振器316aは乱数値生成回路318に含まれていてもよい。
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを特1用球検出センサ230cが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を基本回路302における乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介し、図示しない外部端子板を経由して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源制御部760から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本例では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部700にコマンドを送信するための出力インタフェースとをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部700との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300と払出制御部700との情報通信は双方向の通信である。主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。ただし、主制御部300と第1副制御部400との情報通信が双方向通信により行われるように構成してもよい。また、払出制御部700は、主制御部300にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、払出制御部700から主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成してもよい。
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412と、シリアル通信制御回路424とを搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。また、ROM406が基本回路402に備えらえた構成であってもよい。シリアル通信制御回路424は、遊技盤用ランプ442の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路440と、遊技台枠用ランプ452の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路450とを接続し、遊技盤用ランプ駆動回路440及び遊技台枠用ランプ駆動回路450との間でシリアル通信による点灯制御を行う。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC(S-ROM)416と、演出装置2~5等の駆動制御を行うための駆動回路422と、センサ回路428と、スピーカ120から出力される音量を調整する音量スイッチ163と、を接続している。センサ回路428は、演出装置2~5等の現在位置を検出する各種可動体センサ430や、演出ボタン136や操作キーユニット190を構成する各種ボタンの押下を検出するボタンセンサ426からの検出信号を基本回路402に出力する。
さらに、基本回路402には、図59に示すモータ630の駆動制御を行うための駆動回路429も接続している。
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えている。基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのメモリ508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出してVRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)516と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路502には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラムおよびデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506が接続されている。一時的記憶領域としてメモリ508を用いており、メモリ508は、電源が遮断されても記憶状態を保持可能な記録媒体(例えば、EEPROMやフラッシュメモリ等)によって構成されている。これにより、例えば、大当り履歴に関する表示を表示するための情報を、主制御部300において初期化されたり設定変更が行われた場合にも保持することができる。なお、電源が遮断されると記憶情報が揮発するRAMを用いるようにしてもよい。
次に、パチンコ機100の払出制御部700、発射制御部730、電源制御部760について説明する。払出制御部700は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ702を制御するとともに、払出センサ704が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払出しが完了したか否かを検出する。また払出制御部700は、インタフェース部706を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット708との通信を行う。また、払出制御部700は、所定個数(例えば、10個)の賞球の払出しが行われたことを示す賞球情報や、所定個数(例えば、25個)の貸球の払出しが行われたことを示す貸球情報等を、図示しない外部端子板を経由して、情報入力回路350に出力する。また、払出制御部700には、枠センサ705が接続されている。枠センサ705には、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041や、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061等が含まれており、本体104や前面枠扉106が開放されている場合にはこれらのセンサが検知し、開放信号を出力する。払出制御部700は、枠センサ705からの開放信号を出力すると、主制御部300に扉開放情報を出力する。
発射制御部730は、払出制御部700が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆146および発射槌148を駆動する発射ソレノイド732の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置734の制御を行う。
電源制御部760は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部760は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、電源制御部760から払出制御部700と第2副制御部500に所定電圧の電源を供給し、払出制御部700から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部730に所定電圧の電源を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧の電源を供給してもよい。
<図柄の種類>
続いて、図61(a)~(c)を用いて、パチンコ機100の第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。図61(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
第1特図始動口230に球が入球したことを図55に示す特1用球検出センサ230cが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを同じく図55に示す特2用球検出センサ232cが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が図柄変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するための確定表示を行う。
したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示して確定表示が終了するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示して確定表示が終了するまでが図柄変動表示の一例に相当する。後述するように、図柄変動表示は複数回、連続して行われることがある。図61(a)には、図柄変動表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されている。図61(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。図51に示すパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後はいずれも時短状態に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。
「特図C」は突然確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。
「特図E」は隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、時短状態に移行しない状態である。
「特図G」は第1小当り図柄であり、「特図H」は第2小当り図柄である。小当り遊技では、例えば、可変入賞口234のアタッカ扉2341が所定回(例えば2回)作動し、そのアタッカ扉2341は、1回の作動につき開状態を最大で0.2秒間しか維持しない。なお、小当り遊技におけるアタッカ扉2341の開放では、例えば、1回目の開放で、遊技球が所定球数(例えば10球)進入してしまうと、あるいは所定量の遊技価値(所定球数)を獲得してしまうと、2回目以降の開放は行われない。小当り遊技中には、特図低確率普図低確率状態へ移行する。小当りは、小当り遊技前後で制御状態が変化しない当りであり、小当り遊技終了後には小当り遊技開始前の制御状態に復帰する。
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に付与する利益量が相対的に小さな利益量になる図柄である。
なお、図51に示すパチンコ機100には、15R特別大当たり図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当たり図柄等の他の図柄についても同様である。
図61(b)は装飾図柄の一例を示したものである。ここでの装飾図柄には、「装飾1」~「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、「特図B」の15R大当たりを報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに15R大当たりに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1-装飾1-装飾1」や「装飾2-装飾2-装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当たりを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3-装飾3-装飾3」や「装飾7-装飾7-装飾7」等)を停止表示する。
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当たり、「特図F」の突然通常と称される2R大当たり、あるいは「特図G」の第1小当たり、「特図H」の第2小当たりを報知する場合には、「装飾1-装飾2-装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当たり、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当たりを報知する場合には、「装飾1-装飾3-装飾5」を停止表示する。
一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに図53(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
図61(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図A」と、外れ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普通図柄表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図B」を停止表示する。この図55(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
<主制御部メイン処理>
次に、図62を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図62に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、ここでは、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。ステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
ステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部760から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(例えば、9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
ステップS107では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図60に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための2つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、および特図タイマ乱数値それぞれを生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0~100とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。なお、初期値生成用乱数カウンタは、後述するステップS207でも更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図63を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(例えば、約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(例えば、32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(例えば、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。ここでは、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図60に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(例えば、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(例えば、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(例えば、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS115で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、特図1乱数値、および特図2乱数値をそれぞれ生成するための2つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0~100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0~100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。なお、ここでは特図1の乱数値を取得するためのカウンタと特図2の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特別図柄表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228および可変入賞口234への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS203における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。第1特図始動口230へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、乱数値生成回路318の、第1特図始動口230に対応した乱数値記憶用レジスタから値を取得し、加工した値(例えば、取得した値+Rレジスタの値+1)を特図1当選乱数値として取得するとともに特図1乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、加工した値(例えば、取得した値+Rレジスタの値+1)を特図1乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。第2特図始動口232へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、乱数値生成回路318の、第1特図始動口230に対応した乱数値カウンタ値記憶用レジスタから値を取得し、加工した値(例えば、取得した値+Rレジスタの値+1)を特図2当選乱数値として取得するとともに特図2乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、加工した値(例えば、取得した値+Rレジスタの値+1)を特図2乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。
ステップS219では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部700に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4~5に暗号化のための今回加工種別(0~3)、およびビット0~3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当たり図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、外れ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図61(c)に示す普図A)および外れ図柄(図61(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の舌状片2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、舌状片2321を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、舌状片2321の開閉駆動用のソレノイド332に、舌状片2321を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、普図外れフラグがオンされる。この普図外れフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図55(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当たりフラグがオンの場合には特図G、第2小当たりフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Iそれぞれの態様となるように、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第1はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234のアタッカ扉2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、アタッカ扉2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234のアタッカ扉2341の開閉駆動用のソレノイドに、アタッカ扉2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば、15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当たり遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた時短回数記憶部に時短回数100回をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に大当りする可能性が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間および特図変動遊技の変動時間は短くなる。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、第2特図始動口232の舌状片2321の1回の開放における開放時間が長くなりやすい。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、舌状片2321は多く開きやすい。また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当たり遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当たり遊技中に普図高確率状態であると、大当たり遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当たり中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果が外れであれば、後述するように、はずれフラグがオンされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
ステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11~14はコマンド種別(例えば、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、扉開放コマンド等のエラーコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0~10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択したタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択したタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当たりフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208、各種ランプ418、スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208、各種ランプ418、スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(先読予告情報、偽先読予告情報、または先読予告無情報のいずれか)を設定する。
さらに、払出制御部700から主制御部300に扉開放コマンドが送信されてきた場合には、その扉開放コマンドを第1副制御部400に送信する。なお、払出制御部700を介さずに、扉開放センサから扉開放コマンドが直接送信されてきた場合にも同様である。また、主制御部300が、扉開放センサの検出信号を直接受け取る場合には、検出信号が送信されてくると、扉開放コマンドを第1副制御部400に送信する。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
ステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進む。
ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図56に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図62に示す主制御部メイン処理に復帰する。
次に、第1副制御部400の処理について説明する。図64(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図64(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS301で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS301の次のステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS305の次のステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS307の次のステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS309の次のステップS311では、チャンスボタン制御処理を行う。チャンスボタン制御処理では、演出ボタン136や操作キーユニット190の操作を検出し、その検出結果に応じて、ステップS309で更新した演出データを演出ボタン136や操作キーユニット190の操作に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS311の次のステップS313では、音制御処理を行う。音制御処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS313の次のステップS315では、ランプ制御処理を行う。ランプ制御処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に各種ランプ442,452への命令がある場合には、この命令を遊技盤用ランプ駆動回路440及び遊技台枠用ランプ駆動回路450に出力する。
ステップS315の次のステップS317では、可動体制御処理を行う。例えば、ステップS309で読み出した演出データの中に演出装置2~5への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。また、ステップS309で読み出した演出データの中に、図59に示すモータ630を駆動させる命令がある場合には、この命令を図60に示す駆動回路429に出力する。この結果、例えば、大当り遊技のラウンド終了の際、あるいは小当り遊技の終了の際、モータ630が駆動し、シャッタ部材62が非貯留状態に変化するとともに、連動部材64が下位置に移動する演出動作が実行される。
ステップS317の次のステップS319では、情報送信処理を行う。情報送信処理では、ステップS309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行う。その後、ステップS303に戻る。
図64(b)は、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部コマンド受信割込処理(ストローブ割込処理)のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が主制御部300からのストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300から受信したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
図64(c)は、第1副制御部400のCPU404が実行する第1副制御部タイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(ここでは2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、第1副制御部メイン処理のステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。したがって、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS341の次のステップS343では、第1副制御部メイン処理の情報送信処理(ステップS319)で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、その他演出用乱数値の更新処理等を行う。
次に、第2副制御部500の処理について説明する。図65(a)は、第2副制御部500の図示しないCPUが実行するメイン処理のフローチャートである。まず、図65(a)のステップS401では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、まずステップS401で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM(不図示)内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS401の次のステップS403では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS405の処理に移行する。ステップS405では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS405の次のステップS407では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPUは、第1副制御部400からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS407の次のステップS409では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS407で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データ(装飾図柄表示装置208による演出データ)をROM(不図示)から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS409の次のステップS411では、画像制御処理を行う。画像制御処理では、ステップS409で読み出した演出データの中にVDP516への命令がある場合には、この命令をVDP516に出力する(詳細は後述)。その後、ステップS403に戻る。
図65(b)は、第2副制御部500のCPUが実行するコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が第1副制御部400からのストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS431では、第1副制御部400から受信したコマンドを未処理コマンドとしてRAMに設けたコマンド記憶領域に記憶する。
図65(c)は、第2副制御部500のCPUが実行するタイマ割込処理のフローチャートである。第2副制御部500は、所定の周期(ここでは2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。タイマ割込処理のステップS441では、第2副制御部メイン処理のステップS403において説明したRAMのタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。したがって、ステップS403において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。ステップS441の次のステップS443では、その他演出用乱数値の更新処理等を行う。
図65(d)は、第2副制御部メイン処理のステップS411における画像制御処理のフローチャートである。ステップS451では、画像データ(後述するムービーデータやテクスチャデータ)の転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM518のフレームバッファ1とフレームバッファ2の描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていないフレームバッファに記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPU504は、VDP516のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM518の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM518への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP516は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM518に転送する。その後、VDP516は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS451の次のステップS453では、VDP516からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合は(ステップS453:Yes)、ステップS455に進み、そうでない場合は(ステップS453:No)、転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS455では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS451でVRAM518に転送した画像データに基づいてVRAM518のフレームバッファ1または2に表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM518の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP516に指示する。VDP516は、アトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS455の次のステップS457では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP516に画像の描画開始を指示する。VDP516は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS457の次のステップS459では、画像の描画終了に基づくVDP516からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合は、(ステップS459:Yes)、ステップS461に進み、そうでない場合は(ステップS459:No)、生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS461では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
次に、図66を参照して役物比率・設定表示器196及びディップスイッチ基板198の具体的構成について説明する。ここで、図66(A)は、役物比率・設定表示器196の具体的構成の一例を示す図であり、図66(B)は、ディップスイッチ基板198の具体的構成の一例を示す図である。
役物比率・設定表示器196は、上述したように、役物比率モニタと設定モニタとを有して構成されており、役物比率モニタは、連続役物比率(RY)及び役物比率(YH)を表示し、設定モニタは、現在の設定値を表示している。
ここで、連続役物比率とは、獲得する遊技球(すなわち、セーフ球)の数のうち役物が連続して作動する場合における当該役物の作動によるもの(すなわち、大当り遊技中において可変入賞口234が開放して入賞したことにより獲得する遊技球の数)の割合のことをいう。なお、アウト球の数に対する可変入賞口234への入賞により獲得する遊技球の数の割合であってもよい。また、役物比率とは、獲得する遊技球(すなわち、セーフ球)の数のうち役物の作動によるもの(すなわち、第2特図始動口232及び可変入賞口234が開放して入賞したことにより獲得する遊技球の数)の割合のことをいう。なお、アウト球の数に対する可変入賞口234、第1特図始動口230、第2特図始動口232及び一般入賞口226a,226bへの入賞により獲得する遊技球の数の割合であってもよい。
連続役物比率を算出した結果、連続役物比率が60%を超えていると判定した場合は、連続役物比率を表示する2ケタの7セグLEDを点滅表示させ、その後に、セキュリティ信号(RY)を出力する。ここで、セキュリティ信号(RY)は、連続役物比率が60%を超えた場合に出力されるエラー信号であり、情報出力回路336を介してパチンコ機100外に出力される。なお、主基板156に実装可能な試験端子から出力されてもよい。これにより、遊技機の型式申請試験を円滑に行わせることができる場合がある。
また、役物比率を算出した結果、役物比率が70%を超えていると判定した場合は、役物比率を表示する2ケタの7セグLEDを点滅表示させ、その後に、セキュリティ信号(YH)を出力する。ここで、セキュリティ信号(YH)は、役物比率が70%を超えた場合に出力されるエラー信号であり、情報出力回路336を介してパチンコ機100外に出力される。
なお、連続役物比率あるいは役物比率が正常値の上限を超えた場合には、所定の7セグLEDを点滅させるようにしたが、例えば、発光色を変化させるようにしてもよい。
図66(B)に示すように、ディップスイッチ基板198には、8つのディップスイッチが配設されている。各ディップスイッチは、第1副基板160に接続されており、電源投入時に各ディップスイッチの位置を読み取り、演出の出現確率を変更することができ、例えば、設定示唆を実行する頻度や、予告の出現率や、演出モードの突入率等を設定することができる。
続いて、変形例について説明する。この変形例では、図54等に示す可変入賞口ユニット6とは異なる可変入賞口ユニットを用いる。ここでの可変入賞口ユニットは、可変入賞口234、貯留通路61、シャッタ部材62、アウト球第1案内口661、およびアウト球第2案内口662を有するが、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228は設けられておらず、可変入賞口234は小当り遊技専用のアタッカになる。なお、以下の説明では、遊技球が流下する方向を基準に、上流側といったり、下流側という場合がある。
まず、この変形例では、特図1の変動表示中であっても特図2の変動表示を実行可能であり、特図2の変動表示中であっても特図1の変動表示を実行可能であり、いわゆる同時変動可能なパチンコ機である。
遊技盤200では、右打ちした場合に入賞可能な普図始動ゲートを設け、その下流側に電チューである特図2始動口を設ける。さらに、その下流側に、小当り遊技専用のアタッカを有する可変入賞口ユニットを設ける。また、普図始動ゲートと可変入賞口ユニットの間に、大当り遊技専用のアタッカを設ける。この変形例においても、電チューである特図2始動口にしても、可変入賞口ユニットにおける可変入賞口(小当り遊技専用のアタッカ)にしても、大当り遊技用アタッカにしても、右打ちしなければ入球せず、左打ちでは入球しない。一方、左打ちで入球可能な始動口として特図1始動口を設ける。
以上説明した盤面構成では、左打ちを行っているときは、電チューの開放は行われない。一方、右打ちを行っているときは、遊技球の多くは、普図ゲートを通過して電チューへ向かうことになる。この変形例では、非電サポ状態であっても普図抽選にほとんど当選し電サポ状態であればさらに高い確率で普図抽選に当選する。したがって、電サポ状態で右打ちすれば、第2特図始動口232にほぼ入球することになる。ここで、小当り遊技が行われていても、可変入賞口ユニットにおける小当り遊技専用のアタッカよりも第2特図始動口232の方が上流側に設けられているため、小当り遊技専用のアタッカに入賞する遊技球はほぼない。一方、特図高確率普図低確率状態(確変かつ非電サポ状態)で右打ちを行えば、可変入賞口ユニットにおける小当り遊技専用のアタッカへの入賞が期待できる。また、特図低確普図低確状態(通常状態)では、右打ちが禁止され、左打ちを行うように設計されており、右打ちを禁止するため、通常状態では、特図2の変動表示の時間を非常に長い時間に設定している。
また、この変形例では、特図1には小当り当選が用意されておらず、特図2に限って、小当り当選が用意されている。小当りは、大当りよりもはるかに当選しやすく、小当りでは、可変入賞口ユニットにおける小当り遊技専用のアタッカのアタッカ扉2341が一回だけ短時間(或る大当り遊技における開放時間よりも短く、例えば1.6秒)開放する。アタッカ扉2341には、遊技球を複数球ストックすることができるため、短時間しか開放しなくても、アタッカ扉2341が一回開放されれば、ストックされていた遊技球の入賞が期待できる。すなわち、特図高確率普図高確率状態(確変かつ電サポ状態)では、ベース(発射球数に対する賞球数の割合)が「1」を超えないように設定されているのに対して、特図高確率普図低確率状態(確変かつ非電サポ状態)では、アタッカ扉2341による遊技球のストック機能も手伝って、ベースが「1」を超えるように設定されている。
よって、特図高確率普図低確率状態が遊技者とって有利な遊技状態になり、大当り遊技終了後、特図高確率普図高確率状態に移行しても、ある一定回数の特図変動を消化すると、電サポ切れになり、特図高確率普図高確率状態から特図高確率普図低確率状態に移行する。また、大当りの種別によっては、大当り遊技終了後、特図高確率普図低確率状態に移行する場合もある。そして、特図高確率普図低確率状態では、大当りには当選せず、小当たりに当選することを期待することになる。
図67は、本発明を適用可能な封入式のパチンコ機の正面図である。
図67に示す封入式のパチンコ機900では、所定数の遊技媒体(例えば、遊技球)を遊技台内部で循環させる。すなわち、発射手段901から遊技領域902に発射された遊技媒体が、遊技領域902から排出されて再び発射手段901へ供給可能としている。また、遊技媒体の数(賞球、貸球、総持玉数等)の情報や、その他の情報を表示する表示手段903が遊技台前面の遊技領域902の下方に配設されており、図51に示す上皿126や下皿128は設けられていない。
以上説明したように、図67に示すパチンコ機900は、球を封入し、封入した球をパチンコ機内で循環させて使用するものであって、封入した球を発射球として使用し、球の払出はクレジットによって実行されるものであってもよい。
また、これまでランプと称したものは、発光手段の一例であり、ランプは、LED、冷陰極管等の光を発するものであれば置換可能である。
以上の記載によれば、
『 開閉可能な扉体[例えば、前面枠扉106]を備えた遊技台[例えば、図51に示すパチンコ機100や図67に示す封入式のパチンコ機900]であって、
前記扉体が閉まった状態では該扉体よりも後側に位置し、動作することで貯留状態[例えば、図54に示す状態]と非貯留状態[例えば、図57(b)に示す状態]との間で状態変化する球貯留手段[例えば、シャッタ部材62]と、
前記球貯留手段を動作させる駆動手段[例えば、モータ630]と、
前記扉体が閉まった状態では該扉体よりも後側に位置し、前記球貯留手段の動作と連動する連動部材[例えば、連動部材64]と、
を備え、
前記連動部材は、前記扉体が開いた状態では手動操作可能な部材であり[例えば、図58]、
前記球貯留手段は、前記連動部材が操作されると状態変化する手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
また、
『 前記球貯留手段は、前記扉体が開いた状態であっても接触不能な手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記球貯留手段は、前記扉体が閉まった状態では該扉体よりも後側に位置する手段である。したがって、前記球貯留手段は、前記扉体が閉まった状態であっても接触不能な手段である。
前記球貯留手段は、前記扉体が開いた状態であっても接触不能な手段であるため、人が直接触れて動作させることができる手段ではない。
また、
『 可変入賞口[例えば、可変入賞口234]を備え、
前記球貯留手段は、前記可変入賞口へ進入した遊技球を貯留可能な手段である[例えば、図54]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記球貯留手段は、前記可変入賞口につながった通路に設けられた手段であってもよい。
また、前記可変入賞口を開閉する開閉部材[例えば、アタッカ扉2341]を備え、
前記開閉部材は、閉じた状態では遊技球を一又は複数個ストック可能なものであり[例えば、図56(a)]、
前記可変入賞口は、前記開閉部材が開くと、ストックされていた遊技球が入球するものであってもよい。
さらには、前記開閉部材は、一又は複数個の遊技球を視認可能にストックするものであってもよい。
また、
『 前記球貯留手段によって貯留されている遊技球が視認可能である[例えば、図54に示す可変入賞口ユニット6における貯留通路61]』、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記球貯留手段によって貯留される遊技球の貯留領域[例えば、貯留通路61]の少なくとも一部を前方からオーバーラップする位置に前記連動部材が移動する演出動作が行われる場合がある[例えば、図57]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記演出動作は、前記貯留領域の全部を前方からオーバーラップする位置に前記連動部材が移動する動作であってもよいし、前記貯留領域の一部のみを前方からオーバーラップする位置に前記連動部材が移動する動作であってもよい。
また、前記演出動作は、前記非貯留状態である場合に行われる場合がある動作であってもよいし、前記貯留状態である場合にも行われる場合がある動作であってもよいし、前記非貯留状態と前記貯留状態のうちの該非貯留状態に限って行われる場合がある動作であってもよい。
前記連動部材は、前記球貯留手段によって貯留される遊技球の貯留領域の少なくとも一部を前方からオーバーラップする位置に移動する場合がある部材である。前記位置に移動するのは、前記非貯留状態であってもよいし、前記貯留状態であってもよいし、前記非貯留状態と前記貯留状態のうちの該非貯留状態のみであってもよい。
また、
『 前記連動部材は、装飾部[例えば、意匠部642]を有する部材である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
以下、これまで説明したことを含めて付記する。
(付記1)
球貯留手段と、
前記球貯留手段を動作させる駆動手段と、
前記球貯留手段の動作と連動する部位とを備え、
前記部位は、扉開放状態で店員が前方から接触可能なものであり、
前記前記部位が操作されると前記球貯留手段が動作する、
ことを特徴とする遊技台。
(付記2)
付記1記載の遊技台であって、
前記球貯留手段は、扉開放状態で店員が前方から接触不可能な手段である、
ことを特徴とする遊技台。
(付記3)
付記1又は2記載の遊技台であって、
可変入賞口を備え、
前記球貯留手段は、前記可変入賞口へ進入した遊技球を貯留可能な手段である、
ことを特徴とする遊技台。
(付記4)
付記1乃至3のうちいずれか1に記載の遊技台であって、
前記球貯留手段に遊技球が貯留されているか否かを視認可能である、
ことを特徴とする遊技台。
(付記5)
付記1乃至4のうちいずれか1に記載の遊技台であって、
前記球貯留手段が非貯留状態である場合に、前記部位は該球貯留手段が貯留した遊技球があった領域の少なくとも一部を前方からオーバーラップする位置に位置する、
ことを特徴とする遊技台。
(付記6)
付記1乃至5のうちいずれか1に記載の遊技台であって、
前記部位は、装飾部を有する部位である、
ことを特徴とする遊技台。
続いて、図3に示すアタッカユニット23の変形例について説明する。以下の説明では、図1~図50を用いた説明における構成要件の名称と同じ名称の構成要件には、図1~図50で用いた符号を付して説明する。
図68(a)は、図3に示すアタッカユニット23の変形例を示す図である。
図68に示すアタッカユニット23も、図3に示す遊技領域124の右下部に設けられたものであり、可変入球口ユニットの一例に相当する。
図68(a)に示すように、この変形例のアタッカユニット23も、透明なアタッカ前板2301にアタッカシール2302が貼られたものである。なお、図68では、アタッカシール2302の装飾模様等は図示省略されている。また、図68(a)に示すアタッカ前板2301の下部2301Lは、一段後側に窪んでおり、その下部2301Lには、可動プレート2307が設けられている。さらに、アタッカユニット23の右端部分には、アタッカ入賞発光体237(図70参照)が設けられている。
図68(b)は、同図(a)に示すアタッカユニット23からアタッカ前板2301と可動プレート2307とアタッカ入賞発光体237を取り除いた状態を示す斜視図である。
アタッカユニット23は、電チュータイプの特図1始動口(可変)231、第1アタッカとなる第1可変入賞口234、第2アタッカとなる第2可変入賞口235、第2特図始動口232、およびアタッカベース板2303に開口したアウト口236を有する。
特図1始動口(可変)231は、羽根部材2311によって始動口の大きさが可変するものであり、図68(b)に示す羽根部材2311は、後方側に後退しており、前端2311tを含む前側の部分が見えているだけである。図68(b)に示す特図1始動口(可変)231は、開口した状態である。図68(b)に示す羽根部材2311も、図35(a)に示す羽根部材2311のように前方側に進出し、遊技球は、進出した羽根部材2311の上を左側から右側に向けて通過する。特図1始動口(可変)231の球検出センサ2312は、羽根部材2311よりも下方であって、かつ下流側に、上流側を向いて配置されている。図35(a)に示す羽根部材2311のように前方側に進出した状態では、遊技球が球検出センサ2312を通過することは困難であり、特図1始動口(可変)231は入賞困難状態である。
一方、羽根部材2311が後方側に後退した図68(b)に示す特図1始動口(可変)231は入賞容易状態である。特図1始動口(可変)231が入賞容易状態である間は、アタッカユニット23に入球した遊技球は、図38(b)を用いて説明した状況と同じように、特図1始動口(可変)231よりも下流側に転動することはなく、球検出センサ2312を通過し、特図1変動遊技が開始される。球検出センサ2312を通過した遊技球は、第4案内口2313を通って、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
第1アタッカとなる第1可変入賞口234は、第2アタッカとなる第2可変入賞口235よりも、遊技球の転動方向上流側に配置されたものであり、第一の可変入球口の一例に相当する。この第1可変入賞口234は、扉部材2341によって入賞口の大きさが可変するものであり、図68(b)に示す扉部材2341は、後方側に後退しており、前端2341tを含む前側の部分が見えているだけである。図68(b)に示す第1可変入賞口234は、開口した状態である。図68(b)に示す扉部材2341も、図35(a)に示す扉部材2341のように前方側に進出し、遊技球は、進出した扉部材2341の上を右側から左側に向けて通過する。第1可変入賞口用の球検出センサ2342は、前方側に進出した扉部材2341よりも下方に、上方を向いて配置されている。図35(a)に示す扉部材2341のように前方側に進出した状態では、遊技球が球検出センサ2342を通過することは困難であり、特図1始動口(可変)231は入賞困難状態である。第1可変入賞口234の扉部材2341は第一の可動部の一例に相当し、前方側に進出した位置が第一の位置の一例に相当する。
一方、扉部材2341が後方側に後退した図68(b)に示す第1可変入賞口234は入賞容易状態である。図68(b)に示す第1可変入賞口234の扉部材2341の位置(後方側に後退した位置)が第三の位置の一例に相当する。第1可変入賞口234は、扉部材2341が前方側に進出した位置(第一の位置)にある場合よりも後方側に後退した位置(第三の位置)にある場合のほうが、遊技球が入球しやすいものである。
第2可変入賞口235は第二の可変入球口の一例に相当する。第2可変入賞口235も、第1可変入賞口234と同じく、扉部材2351によって入賞口の大きさが可変するものであるが、球検出センサの配置位置が第1可変入賞口234とは異なる。この第2可変入賞口235に向かって転動してくる遊技球は、図68(b)では図の右側から左側に向けて転動してくる。第2可変入賞口235用の球検出センサ2352は、扉部材2351よりも下方ではなく、扉部材2351よりも下流側に、上流側を向いて配置されている。第2可変入賞口235では、扉部材2351が前方側に進出した状態では、進出した扉部材2351の上を遊技球が通過し、球検出センサ2352に到達する。一方、図68(b)に示すように、扉部材2351が後方側に後退した状態では、遊技球は球検出センサ2352のない所に落下する。したがって、図68(b)に示す第2可変入賞口235は、扉部材2351によって塞がれておらず、開口している状態であるが、入賞困難状態である。第2可変入賞口235の扉部材2351は第二の可動部の一例に相当し、図68(b)に示す第2可変入賞口235の扉部材2351の位置(後方側に後退した位置)が第二の位置の一例に相当する。
扉部材2351が後方側に後退していたことにより遊技球が落下した先には、第2特図始動口232が配置されている。この第2特図始動口232は、入賞口の大きさが固定されたものであり、第2特図始動口232用の球検出センサ2321は、上方を向いて配置されている。この球検出センサ2321を通過した遊技球は、第1案内口2322を通って、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
図69は、図68(b)で取り除いたアタッカ前板2301の裏面を示す図である。
図69に示すように、アタッカ前板2301の裏面には、アタッカベース板2303に向けて突出した球通路形成壁230rが設けられている。球通路形成壁230rは、アタッカユニット23に入球した遊技球が転動していく、下流側に向かって傾斜した球通路を形成するものである。また、羽根部材2311が進出する位置や、扉部材2341,2351が進出する位置には、球通路形成壁230rが設けられておらず、進出した羽根部材2311や扉部材2341,2351が球通路形成壁になる。すなわち、羽根部材2311や扉部材2341,2351は、前方側へ進出した状態では下流側に向かって下方へ傾斜しており、この傾斜を利用して遊技球は下流側へ向かって転動していく。
なお、アタッカユニット23に入球した遊技球は、特図1始動口(可変)231側のルートに向かう場合と、アタッカユニット23に設けられたアウト口236へ向かう場合とがある。
第2特図始動口232の手前まで落下してきた遊技球は、多くは第2特図始動口232に入球し、特図2変動遊技が開始される。第2特図始動口232に入球しなかった遊技球は、図3に示すアウト口240に到達し、遊技島側に排出される。
図68(b)に示すように、アタッカベース板2303には、リブが複数本設けられている。また、図69に示すように、アタッカ前板2301にも、リブが複数本設けられている。遊技球の流れに沿って上流側から見ていくと、特図1始動口(可変)231の羽根部材2311の中間位置手前から右端までいき、折り返して第1可変入賞口234の扉部材2341の中間位置を超えたところまで、リブが設けられている。すなわち、上下2段に分かれて縦方向のリブが複数本設けられるとともに、折り返し部分では横方向のリブが1本設けられている。以下、アタッカベース板2303における、特図1始動口(可変)231側の上段の4本の縦方向のリブを、後側第1リブ23r1と称し、折り返し部分の1本の横方向のリブを後側横リブ23r2と称し、第1可変入賞口234側の下段の4本の縦方向のリブを、後側第2リブ23r3と称する。また、アタッカ前板2301における、特図1始動口(可変)231側の上段の3本の縦方向のリブを、前側第1リブ23f1と称し、折り返し部分の1本の横方向のリブを前側横リブ23f2と称し、第1可変入賞口234側の下段の4本の縦方向のリブを、前側第2リブ23f3と称する。
なお、図69に示すアタッカ前板2301には、前側第1リブ23f1、前側横リブ23f2、前側第2リブ23f3、および後述する前側縦リブ23f5の他に、各種の球案内リブ23f6~23f8も設けられている。
後側第1リブ23r1にしても、後側横リブ23r2にしても、後側第2リブ23r3にしても、また、前側第1リブ23f1にしても、前側横リブ23f2にしても、前側第2リブ23f3にしても、遊技球の転動速度を低下させるための減速用のリブである。
後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3によって転動速度が低下した遊技球は、第1可変入賞口234の扉部材2341の上に滞留しやくすなる。特に、4本の後側第2リブ23r3のうち下流側の2本の後側第2リブ23r3は、進出した扉部材2341によって形成される球経路に設けられたものであり、4本の前側第2リブ23f3のうち下流側の3本の前側第2リブ23f3も、進出した扉部材2341によって形成される球経路に設けられたものである。
第1可変入賞口234の近傍には、4本の後側第2リブ23r3と、4本の前側第2リブ23f3が示されている。遊技球は、これら8本の第2リブ23r3,23f3に引っかかり、扉部材2341の上に滞留しやすくなる。なお、4本の後側第2リブ23r3において隣合うリブの間隔は、遊技球の直径以上であり、4本の前側第2リブ23f3において隣合うリブの間隔も、遊技球の直径以上である。
以上説明した後側第2リブ23r3にしても前側第2リブ23f3にしても、第2可変入賞口235よりも遊技球の転動方向上流側に設けられている。また、後側第2リブ23r3にしても前側第2リブ23f3にしても、一部のリブのみが第1可変入賞口234よりも上流側に設けられているが、全部のリブが、第1可変入賞口234よりも上流側に設けられていてもよい。
また、後側第2リブ23r3と前側第2リブ23f3のうち、いずれか一方のリブのみを設けるようにしてもよい。このことは、第2リブに限ったことではなく、後側に設けられたリブと前側に設けられたリブが両方ある場合(例えば、第1リブの場合等)に、いずれか一方側のリブのみ設けるようにしてもよい。
扉部材2341の上に遊技球が滞留した状態で、扉部材2341が後退すると、扉部材2341の上に滞留していた遊技球が一気に落下し、第1可変入賞口用の球検出センサ2342で検出される。したがって、遊技球が扉部材2341を通過している状態で扉部材2341が後退する場合に比べて、第1可変入賞口234への入賞率が向上し、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3は、入賞率向上手段でもある。第1可変入賞口234が入賞容易状態である間は、特図1始動口(可変)231の羽根部材2311を通過して第1可変入賞口234に転動してきた遊技球は、第1可変入賞口234よりも下流側に転動することはなく、球検出センサ2342を通過する。
この変形例のアタッカユニット23には、図54や図57に示す貯留通路61と似たような貯留通路61が設けられている。すなわち、図68(b)や図69に示す貯留通路61は、第1可変入賞口234に入賞した後の球を、遊技者に見えるように貯留しておく通路である。貯留通路61は、透明なアタッカ前板2301における下部2301Lと、アタッカベース板2303との間に形成されており、貯留通路61の内部は、透明な下部2301L越しに視認可能である。図54に示すアタッカユニット23では、その貯留通路61に遊技球Bが10球貯留されている。貯留通路61については、詳しくは後述する。
図68(b)には、遊技球の流れとして2点鎖線でも示している。この2点鎖線は、第1可変入賞口234の扉部材2341から第2可変入賞口235に向かって飛び出した遊技球の流れを示す。
上述のごとく、図68(b)に示す第2可変入賞口235では、扉部材2351が後方側に後退した状態であり、入賞困難状態である。しかしながら、2点鎖線で示す流れで遊技球が飛んできた場合、球検出センサ2352を通過してしまう恐れがある。すなわち、第2可変入賞口235が入賞困難状態でありながらもその第2可変入賞口235に入賞してしまう恐れがある。
しかしながら、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3によって転動速度が低下した遊技球は、第1可変入賞口234の扉部材2341から第2可変入賞口235に向かって飛び出すほどの勢いはなくなり、扉部材2341から、図69に示す球通路形成壁230rにおけるアタッカ中間部230r1にのった後、すぐに落下する。したがって、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3は、第2可変入賞口235への入賞率を低下させる手段でもある。なお、厳密には、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3は、第2可変入賞口235への、本来であれば許されない入賞(イレギュラー入賞)の入賞率を低下させる手段であるといえる。
ところが、以上説明した、第2可変入賞口235への入賞率を低下させる、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3を設けていても、これらのリブ23r3,23f3によって減速されるはずの遊技球が、第2可変入賞口235に向かって飛び出してしまうことを完全になくすことは困難である。例えば、扉部材2341の上で遊技球が弾んでしまった場合等は、第2可変入賞口235に向かって飛び出してしまうことがある。そこで、第2可変入賞口235の扉部材2351の下流側(球検出センサ2352側)の端部に、前方側に突出した入賞阻止突起2351aを設けている。この入賞阻止突起2351aは、扉部材2351が後方側に後退した位置にあっても、球検出センサ2352の手前に突出している。このため、第2可変入賞口235に向かって飛び出してきた遊技球があっても、その遊技球は、入賞阻止突起2351aに衝突し、球検出センサ2352を通過できずに、図68(b)に示す点線で示すように落下する。
アタッカ前板2301には、第2可変入賞口235における扉部材2351の下流側(球検出センサ2352側)端部に対応する位置に、逃げ開口が設けられている。この逃げ開口は、アタッカシール2302が貼られると、前方側から塞がれてしまい、遊技者からは視認困難になる。アタッカシール2302が貼られた図68(a)に示すアタッカ前板2301では、この逃げ開口2301aが点線で仮想的に表されている。扉部材2351が前方側に進出すると、入賞阻止突起2351aが逃げ開口2301aに入り込む。逃げ開口2301aは、第2可変入賞口235の入賞容易状態において、前方側に突出した入賞阻止突起2351aが収納される空間である。逃げ開口2301aを設けておくことで、入賞阻止突起2351aの突出長を長くとることができ、扉部材2351が後方側に後退した位置にあっても入賞阻止突起2351aに、第2可変入賞口235に向かって飛び出してきたイレギュラーな遊技球が確実に衝突するようになる。入賞阻止突起2351aの先端は、逃げ開口2301aからさらに前方側に突出しておらず、アタッカシール2302によって、入賞阻止突起2351aの存在も遊技者からわからなくなる。ただし、アタッカシール2302にも開口を設けておき、入賞阻止突起2351aの先端が、逃げ開口2301aからさらに前方側へ突出するようにして、演出の一つとすることもできる。
さらに、図図68(b)に示す、後退した位置にある扉部材2351における入賞阻止突起2351aの上には、縦リブの入賞阻止リブ23r4も設けられている。第2可変入賞口235に向かって飛び出してきた遊技球は、この入賞阻止リブ23r4に衝突し、入賞阻止突起2351aに衝突した場合と同じように、球検出センサ2352を通過できずに、点線で示すように落下する場合もある。
なお、アタッカ中間部230r1から落下した遊技球は、落下経路途中に設けられた、図68(b)に示す後側縦リブ23r5や、図69に示す前側縦リブ23f5に衝突して、減速したり、あるいは、第2特図始動口232に向けられその第2特図始動口232に入球しやすくなる。
第1可変入賞口234の扉部材2341よりも、第2可変入賞口235の扉部材2351は低い位置に設けられており、両扉部材2341,2351の間には、図69に示す球通路形成壁230rのアタッカ中間部230r1が配置されている。そのアタッカ中間部230r1と第2可変入賞口235の扉部材2351は少し離れている。
アタッカユニット23の最上流に位置する特図1始動口(可変)231の羽根部材2311が前方側に進出した状態(入賞困難状態)であり、次に位置する第1可変入賞口234の扉部材2341も前方側に進出した状態(入賞困難状態)であり、第2可変入賞口235の扉部材2351も前方側に進出した状態(入賞容易状態)であった場合には、遊技球の多くは、第2可変入賞口235の扉部材2351の上にのって、その扉部材2351の上を転がり、球検出センサ2352に到達するが、第2可変入賞口235の扉部材2351の上にのることができずに、下に落ちてしまい、第2特図始動口232側へ流下していく遊技球もある。第2可変入賞口235の球検出センサ2352を通過した遊技球は、第3案内口2353を通って、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
第2可変入賞口235の扉部材2351では、前方側に進出した位置が第四の位置の一例に相当する。第2可変入賞口235は、扉部材2351が後方側に後退した位置(第二の位置)にある場合よりも前方側に進出した位置(第四の位置)にある場合のほうが、遊技球が入球しやすいものである。
なお、図37を用いて説明した隙間CS1と同様の隙間が、第1可変入賞口234の扉部材2341の前端2341tとアタッカ前板2301との間に設けられており、第1可変入賞口234を入賞困難状態から入賞容易状態へ短時間のうちに変化させることができる。また、図37を用いて説明した隙間CS2と同様の隙間が、第2可変入賞口235の扉部材2351の前端2351tとアタッカ前板2301との間にも設けられており、第2可変入賞口235を入賞困難状態から入賞容易状態へ短時間のうちに変化させることができる他、扉部材2351に設けられた入賞阻止突起2351aの突出長を長くとることができ、扉部材2351が後方側に後退した位置にあっても入賞阻止突起2351aに、第2可変入賞口235に向かって飛び出してきたイレギュラーな遊技球が確実に衝突するようになる。さらに、第2可変入賞口235の扉部材2351が0.06秒などの極めて短い開放を1回だけ行う場合には、後側第2リブ23r3および前側第2リブ23f3によって転動速度が低下した遊技球が扉部材2351に乗ったとしても、扉部材2351の上を転動して球検出センサ2352に到達するまでに隙間CS2によって扉部材2351が前方側に前進した位置から後方側に後退した位置に短時間で移動できるため、該遊技球が下に落ちて該開放による入賞率を低下させることができる。
以上、構造について詳述したアタッカユニット23では、第1可変入賞口234のアタッカは大当り専用のアタッカになり、第2可変入賞口235のアタッカは小当り専用のアタッカになる。特図高確率普図高確率状態では、右打ちが行われ、右打ちされた遊技球のほとんどが、特図1始動口(可変)231に入球してしまう。このため、第1可変入賞口234のアタッカが入賞容易状態になっても、第2可変入賞口235のアタッカが入賞容易状態になっても、アタッカへの入賞はほとんど期待することができない。一方、特図高確率普図低確率状態では、特図1始動口(可変)231は入球容易状態にならず、右打ちされた遊技球は、第1可変入賞口234のアタッカ、あるいは第2可変入賞口235のアタッカに入賞することを期待することができる。
また、このアタッカユニット23では、第1可変入賞口234が入賞容易状態であるときの扉部材2341の状態と、第2可変入賞口235が入賞容易状態であるときの扉部材2351の状態とが、正反対の状態であるため、遊技球の転動の様子が、2つの可変入賞口で大きく異なり、遊技者を楽しませることができる場合がある。しかも、2つの可変入賞口が遊技球の転動方向に並んでいるため、遊技者は、2つの可変入賞口の扉部材の状態の違いを把握しやすく、2つの扉部材の状態を比較しながら、その状態変化を楽しむことができる場合がある。
続いて、貯留通路61について説明する。
貯留通路61の出口(最下流端)にはシャッタ部620が配置されている。シャッタ部620はシャッタ部材62(図71参照)に設けられている。シャッタ部材62は、詳しくは後述するように、モータの駆動力を受けてシャッタ部620が移動することで貯留状態と非貯留状態との間で状態変化する。
図70(a)は、シャッタ部材が非貯留状態にあるときのアタッカユニット23からアタッカ前板2301と、アタッカ入賞発光体237の前板を取り除いた状態を示す斜視図であり、同図(b)は、シャッタ部材が貯留状態にあるときのアタッカユニット23からアタッカ前板2301を取り除いた状態を示す斜視図である。
シャッタ部620よりもさらに先、すなわち貯留通路61の出口から続く先には、第2案内口2343が設けられている。球検出センサ2342を通過した遊技球は、貯留通路61に貯留された後、この第2案内口2343を通って、パチンコ機100の裏側に誘導され、最終的には、遊技島側に排出される。一方、貯留通路61の入口(最上流端)よりも上流側には第5案内口2344が設けられている。第5案内口2344に入球した遊技球も、パチンコ機100の裏側に誘導され、最終的には、遊技島側に排出される。
第1可変入賞口234の扉部材2341には、複数の遊技球が隣同士接した状態でストックされる。アタッカ前板2301(図68(a)参照)の、扉部材2341の前側に位置する部分には、アタッカシール2302の装飾模様は施されておらず、扉部材2341にストックされた遊技球は視認可能である。扉部材2341にストックされる遊技球の数は、1球だけであってもよいし、4球程度であってもよいし、貯留通路61に貯留可能な最大球数(ここでは10球)であってもよい。
紙面手前側が後側(裏側)になる図69に示すように、アタッカ前板2301の下部2301Lにおける貯留通路61を形成する部分には、後側に向けて突出した4つの後向き突部611Bが設けられている。また、紙面手前側が前側(遊技者側)になる図70(b)に示すように、アタッカベース板2303における貯留通路61を形成する部分には、前側に向けて突出した4つの前向き突部611Fが設けられている。後向き突部611Bと前向き突部611Fは、互いの突部の頂点が貯留通路61の延在方向にずれるように配置されており、後向き突部611Bと前向き突部611Fによって、蛇行した経路が形成される。隣合う後向き突部611Bの間隔は遊技球の直径以上あり、隣合う前向き突部611Fの間隔も遊技球の直径以上ある。この結果、後向き突部611Bにしても、前向き突部611Fにしても、隣合う突部の間に1球の遊技球が入り込むことが可能であり、4つある後向き突部611Bのうちの、上流端の後向き突部611Bよりも上流側に1球の遊技球、下流端の後向き突部611Bよりも下流側に1球の遊技球、4つある前向き突部611Fのうちの、上流端の前向き突部611Fよりも上流側に1球の遊技球、下流端の前向き突部611Fよりも下流側に1球の遊技球が留まることで、10球の遊技球が貯留される。貯留通路61に貯留可能な最大球数(ここでは10球)は、1ラウンド当りの最大入賞回数である。図68(b)にしても図70(a)にしても、シャッタ部620によって堰き止められた遊技球Bが貯留通路61に10球貯留されている様子が示されている。貯留通路61の出口に設けられたシャッタ部620は、貯留状態では、貯留通路61内における球の通り道にそれほど多くは進出していないが、進出したシャッタ部620によって、球の通り道の大きさは遊技球Bの直径未満に制限されている。このため、遊技球Bは、シャッタ部620によって堰き止められており、貯留通路61より先に行くことができない。上述のごとく、貯留通路61は、透明部材で形成されており、通路内部が視認可能であり、貯留されている遊技球Bは視認可能である。なお、貯留されている遊技球Bの一部がアタッカシール2302の装飾模様によって隠されるようにしてもよい。貯留通路61に貯留された遊技球Bは、いわゆる死に球であり、この遊技球を見せることは死に球演出に相当する。また、図68(a)や図70に示すように、シャッタ部620の前側には、可動プレート2307が設けられている。シャッタ部620とともに可動プレート2307も移動する。この可動プレート2307には装飾が施され、正面視ではシャッタ部620は可動プレート2307によって視認困難になっている。このため、遊技球が貯留されていない状態では、シャッタ部材が貯留状態か非貯留状態かの判別をすることができず、遊技者にシャッタ部材の状態について興味を持たせることができる場合がある。
なお、可動プレート2307は、正面視では、シャッタ部620を常に隠すものであったが、第2案内口2343を隠すものではなく、第2案内口2343は常に視認容易である。
貯留通路61には10球の遊技球Bが貯留されている状態は、貯留通路61の入口よりも上流側に設けられた第5案内口2344とシャッタ部620との間に遊技球Bが10球連ねられている状態である。この状態で、第1可変入賞口234にさらに1球の入球があった場合には、貯留通路61が満タンであるため、その1球の遊技球は、貯留通路61に入れず、第5案内口2344から遊技盤200の裏側へ排出される。
図70(b)に示すシャッタ部620は、貯留通路61内における球の通り道から完全に退避しており、シャッタ部620が、遊技球Bに触れることはない。このため、これまで貯留されていた遊技球Bは、貯留通路61から先に進み、第2案内口2343から遊技盤200の裏側へ排出される。図70(b)では、貯留通路61内に遊技球は1球も残っていない。また、シャッタ部材が非貯留状態にあるときに、第1可変入賞口234に入球があった場合には、第1可変入賞口234に入球した遊技球は貯留通路61に貯留されることなくその貯留通路61を通過し、第2案内口2343から遊技盤200の裏側へ排出される。
シャッタ部材は、貯留状態が初期状態である。アタッカユニット23では、大当り遊技におけるラウンド中、あるいは第1可変入賞口234の扉部材2341が進出状態である間は、シャッタ部材は初期状態の貯留状態である。この結果、遊技者は、1ラウンド中に第1可変入賞口234に入賞した回数を、貯留通路61に貯留された遊技球の数から推測することができる。アタッカユニット23は、大当り遊技状態では、1ラウンドが終了するたびに、ステッピングモータSM(図72参照)が回転し、シャッタ部材が非貯留状態へ状態変化し、貯留通路61から、これまで貯留されていた、1ラウンドの期間中に入賞した遊技球が排出される。そして、次ラウンドが開始される時までに、シャッタ部材は非貯留状態から初期状態の貯留状態に復帰する。そして、扉部材2341が進出状態に戻るまでに、シャッタ部材は非貯留状態から初期状態の貯留状態に復帰する。以上説明した、ステッピングモータSMによるシャッタ部材の状態変化は演出動作の一例に相当する。
図70(a)には、同図(b)に示すアタッカ入賞発光体237の前板237bを取り外した様子が示されている。この図70(a)に示すように、アタッカ入賞発光体237の内部は10個の領域に区分けされており、各領域にはLEDが配置されている。10個の領域のうち中央の領域2371が最も大きく、図70(a)では3つのLED237Lが見える。領域の数は、1ラウンド当りの最大入賞回数に対応しており、貯留通路61の貯留数と同数である。前板237bは透光性のものであり、1球の遊技球が球検出センサ2342を通過する度に、1領域ずつLEDが点灯していき、アタッカ入賞発光体237における領域の点灯数によっても、第1可変入賞口234に入賞した回数を確認することができる。
図71は、アタッカユニット23に備えられている駆動ユニットを示す図である。
図71(a-1)は、貯留状態にあるシャッタ部材62と、電チュータイプの特図1始動口(可変)の共通駆動ユニット231Uと、第1アタッカとなる第1可変入賞口の共通駆動ユニット234Uと、第2アタッカとなる第2可変入賞口の共通駆動ユニット235Uを示す斜視図であり、同図(a-2)は、貯留状態にあるシャッタ部材62の専用駆動ユニット62Uを示す図である。また、図71(b-1)は、非貯留状態にあるシャッタ部材62と、特図1始動口(可変)の共通駆動ユニット231Uと、第1可変入賞口の共通駆動ユニット234Uと、第2可変入賞口の共通駆動ユニット235Uを示す斜視図であり、同図(b-2)は、非貯留状態にあるシャッタ部材62の専用駆動ユニット62Uを示す図である。図71(a-1)にしても同図(b-1)にしても、シャッタ部材62や各共通駆動ユニット231U,234U,235Uの位置関係は、アタッカユニット23に配置された状態の位置関係のまま示しており、図70に示すアタッカユニット23との対応関係がわかりやすいよう、各球検出センサ2312、2342、2352、2321を示している。
まず、シャッタ部材62について説明する。シャッタ部材62は、シャッタ部620の他に、専用駆動ユニット62Uと、接続部材621を備えている。専用駆動ユニット62Uは、図71(a-2)や同図(b-2)に示すようにソレノイド62U1を有する。このソレノイド62U1は、ユニットベース62U2によって側面を覆われ、ユニットカバー62U3によって上面を覆われている。シャッタ部620は、アーム状の部材であり、先端部分620tが、貯留通路61の下流端に対して進退する。図71(a-2)や同図(b-2)に示すソレノイド62U1のプランジャ62U11は、コイル状の戻しバネ62U12の軸芯を通ったものである。このプランジャ62U11の先端部とアーム状のシャッタ部620の後端部は、接続部材621によって、アーム状のシャッタ部620が後端部を回動中心にして回動可能に接続されている。図71(a-2)に示す貯留状態にあるシャッタ部材62と、同図(b-2)に示す非貯留状態にあるシャッタ部材62とを比較すると、同図(b-2)に示すプランジャ62U11は吸引状態であり、アーム状のシャッタ部620は右側に回動して後退している。一方、図71(a-2)に示すプランジャ62U11は復帰状態であり、シャッタ部620は左側に回動して前進している。なお、アーム状のシャッタ部620の先端に取付けられた可動プレート2307によって、図72(a-2)ではシャッタ部620の先端部620tはほとんど見えておらず、同図(b-2)でもシャッタ部620の先端部620tはわずかしか見えていない。
また、図71(a-1)にしても同図(b-1)にしても、特図1始動口(可変)の羽根部材2311、第1可変入賞口の扉部材2341、および第2可変入賞口の扉部材2351が示されている。これらの羽根部材2311や扉部材2341,2351を駆動させる駆動ユニットは、いずれも構造、構成、形状、大きさが共通な駆動ユニットである。
図72は、特図1始動口(可変)の共通駆動ユニット231Uと、第1可変入賞口234の共通駆動ユニット234U、および第2可変入賞口235の共通駆動ユニット235Uを斜め上から示す斜視図である。
図72に示す特図1始動口(可変)の共通駆動ユニット231Uは一部が分解されており、第2可変入賞口235の共通駆動ユニット235Uも一部が分解されている。3つの共通駆動ユニット231U,234U,235Uはいずれも、駆動源になるステッピングモータSMと、ステッピングモータSMが収納されるモータベースMBと、ステッピングモータSMの回転駆動力を伝える伝達アームAPと、羽根部材2311や扉部材2341,2351の案内溝MC1が設けられたモータカバーMCを有する。
ステッピングモータSMは、動作角が360度未満の所定角度(例えば40度)のものである。すなわち、360度未満の動作角の範囲で順方向と逆方向に回転可能なものである。3つの共通駆動ユニット231U,234U,235UそれぞれにおけるステッピングモータSMは、共通の動作角で共通のトルクを有するものである。すなわち同じ製造メーカの同一の型番のステッピングモータになる。したっがて、ステッピングモータSMの形状や大きさも同じである。そのため、ステッピングモータSMが収納されるモータベースMBも、3つの共通駆動ユニット231U,234U,235Uそれぞれにおいて共通なものになる。
ステッピングモータSMの回転軸には伝達アームAPの後端部が取り付けられ、回転軸の回転に合わせて伝達アームAPは回動する。伝達アームAPの先端部AP1は、モータカバーMCの案内溝MC1に挿入されている。この伝達アームAPの先端部に、羽根部材2311や扉部材2341,2351が取り付けられる。したがって、羽根部材2311は、伝達アームAPによってステッピングモータSMの回転駆動力を伝えられて位置が変化するものであり、扉部材2341も、伝達アームAPによってステッピングモータSMの回転駆動力を伝えられて位置が変化するものであり、扉部材2351も、伝達アームAPによってステッピングモータSMの回転駆動力を伝えられて位置が変化するものである。
モータカバーMCに設けられた案内溝MC1は、羽根部材2311や扉部材2341,2351それぞれの移動を案内する円弧状の溝である。円弧状の案内溝MC1の円周角は、ステッピングモータSMの動作角に対応付けられてた角度である。すなわち、案内溝MC1の円周角は、動作角と同じ角度(例えば、40度)であってもよいし、動作角より大きな角度(例えば、45度)であってもよい。ステッピングモータSMの順方向と逆方向の回転を動作角の範囲の上限と下限で切り替える場合には、案内溝MC1の円周角が動作角以上の角度であれば、案内溝MC1を画定するの円周方向の両縁MCeに伝達アームAPの先端部AP1が当接せず、その両縁MCeが摩耗したり破損してしまうことが防止される。このように、ステッピングモータSMを、動作角を360度未満の所定角度に抑えたものを用いることで、可動部のメカエンドの構成は不要になり、メカエンドの摩耗や破損を気にしなくてすむようになる。また、ステッピングモータSMの順方向と逆方向の回転を動作角の範囲の上限と下限で切り替えることで、ステッピングモータSMの制御プログラムが複雑にならずにすむ。さらに、羽根部材2311や扉部材2341,2351の移動に、図71(a-2)に示すソレノイド62U1を使用した場合、ソレノイド通電時の羽根部材2311や扉部材2341,2351の移動速度よりも、ソレノイド非通電時の羽根部材2311や扉部材2341,2351の戻しバネ62U12による移動速度の方が遅くなるため、ゲーム性によっては、遊技者の利益に影響する不都合があったが、動作角が360度未満のモータを使用することで、羽根部材2311や扉部材2341,2351の開放時と閉鎖時の動作速度を、どちらもソレノイド62U1に比べて速くすることができる。なお、シャッタ部620の移動にソレノイド62U1を使用しても、そもそも死に球演出であることから遊技者の利益に影響する不都合はなく、問題はない。さらに、動作角を360度未満の所定角度に限定して動作を単純にすることでステップアウトなどの不具合を360度回転するモータよりも低減することができる。
特図1始動口(可変)の羽根部材2311、第1可変入賞口の扉部材2341、および第2可変入賞口の扉部材2351それぞれの移動範囲は同じであり、モータカバーMCおよび伝達アームAPも、3つの共通駆動ユニット231U,234U,235Uそれぞれにおいて共通なものになる。
以上説明したように、3つの共通駆動ユニット231U,234U,235Uは同じ共通駆動ユニットが用いられていることから、製造時や修理時のコストダウンが図れる。
また、図72に示す3つの共通駆動ユニット231U,234U,235Uは、いずれも同じ向きに取り付けられている。すなわち、図72に示す3つの共通駆動ユニット231U,234U,235Uはいずれも、ステッピングモータSMが左側に位置する向き(以下、「左向き」という。)に取り付けられている。左向きの共通駆動ユニットのステッピングモータSMを順方向に回転させた場合に、扉部材2341,2351や羽根部材2311といった可動部材が進出する場合、ステッピングモータSMが右側に位置する向き(以下、「右向き」という。)に共通駆動ユニットを取り付けると、右向きの共通駆動ユニットのステッピングモータSMを順方向に回転させた場合には、可動部材が後退することになる。したがって、2つの共通駆動ユニット間で、可動部材の状態が互いに逆になるように制御する場合には、左向きと右向きに共通駆動ユニットを取り付けておけば、ステッピングモータSMを同じ方向に回転させることで制御が可能になり、制御プログラムが複雑にならずにすむ。
以上の説明では、
『 第一の可変入球口[例えば、第1可変入賞口234]と第二の可変入球口[例えば、第2可変入賞口235]が設けられた可変入球口ユニット[例えば、アタッカユニット23]を備えた遊技台であって、
前記可変入球口ユニットは、第一の可動部[例えば、扉部材2341]と第二の可動部[例えば、扉部材2351]とを有するものであり、
前記第一の可変入球口は、前記第一の可動部が第一の位置[例えば、前方側に進出した位置]にある場合よりも第三の位置[例えば、後方側に後退した位置]にある場合のほうが、遊技球が入球しやすいものであり、
前記第二の可変入球口は、前記第二の可動部が第二の位置[例えば、後方側に後退した位置]にある場合よりも第四の位置[例えば、前方側に進出した位置]にある場合のほうが、遊技球が入球しやすいものであり、
前記第一の可動部は、前記第三の位置にある状態よりも前記第一の位置にある状態のほうが前端[例えば、前端2341t]が前側に位置するものであり、
前記第二の可動部は、前記第二の位置にある状態よりも前記第四の位置にある状態のほうが前端[例えば、前端2351t]が前側に位置するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
すなわち、前記第一の可動部は、前記第三の位置にある状態よりも前記第一の位置にある状態のほうが前側に位置した状態になるものであり、前記第二の可動部は、前記第二の位置にある状態よりも前記第四の位置にある状態のほうが前側に位置した状態になるものである。
この遊技台によれば、2つの可変入球口の開状態と閉状態をそれぞれで異ならせることで遊技球の転動態様を差別化させて遊技者を楽しませることができる。
また、
『 前記可変入球口ユニットは、第一の駆動部[例えば、第1可変入賞口234の共通駆動ユニット234Uに備えられたステッピングモータSM]と第二の駆動部[例えば、第2可変入賞口235の共通駆動ユニット235Uに備えられたステッピングモータSM]とを有するものであり、
前記第一の駆動部は、前記第一の可動部[例えば、扉部材2341]を前記第一の位置と前記第三の位置との間で駆動する第一の駆動力[例えば、回転駆動力]を発生するものであり、
前記第二の駆動部は、前記第二の可動部[例えば、扉部材2351]を前記第二の位置と前記第四の位置との間で駆動する第二の駆動力[例えば、回転駆動力]を発生するものであり、
前記第一の駆動部は、動作角が360度未満[例えば、40度]のステッピングモータであり、
前記第二の駆動部は、動作角が360度未満[例えば、40度]のステッピングモータである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記第一の駆動部は、順方向と逆方向の回転を該第一の駆動部の動作角の範囲の上限と下限で切り替えるものであり、前記第二の駆動部は、順方向と逆方向の回転を該第二の駆動部の動作角の範囲の上限と下限で切り替えるものであってもよい。
また、
『 前記可変入球口ユニットは、第一の駆動ユニット[例えば、第1可変入賞口234の共通駆動ユニット234U]と第二の駆動ユニット[例えば、第2可変入賞口235の共通駆動ユニット235U]とを有するものであり、
前記第一の駆動ユニットは、前記第一の駆動部[例えば、ステッピングモータSM]と、第一の駆動力伝達部[例えば、伝達アームAP]とを有するものであり、
前記第二の駆動ユニットは、前記第二の駆動部[例えば、ステッピングモータSM]と、第二の駆動力伝達部[例えば、伝達アームAP]とを有するものであり、
前記第一の可動部は、前記第一の駆動力伝達部によって前記第一の駆動力を伝えられて位置が変化する[例えば、進出したり後退する]ものであり、
前記第二の可動部は、前記第二の駆動力伝達部によって前記第二の駆動力を伝えられて位置が変化する[例えば、進出したり後退する]ものであり、
前記第一の駆動ユニットおよび前記第二の駆動ユニットとして、共通の駆動ユニットがそれぞれ用いられている、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、
「 第一の可動部[例えば、扉部材2341]と、
第二の可動部[例えば、扉部材2351]と、
第一の駆動部[例えば、第1可変入賞口234の共通駆動ユニット234Uに備えられたステッピングモータSM]と、
第二の駆動部[例えば、第2可変入賞口235の共通駆動ユニット235Uに備えられたステッピングモータSM]と、
を備えた遊技台であって、
前記第一の駆動部は、前記第一の可動部を駆動する第一の駆動力[例えば、回転駆動力]を発生するものであり、
前記第二の駆動部は、前記第二の可動部を駆動する第二の駆動力[例えば、回転駆動力]を発生するものであり、
前記第一の駆動部は、動作角が360度未満[例えば、40度]のステッピングモータであり、
前記第二の駆動部は、動作角が360度未満[例えば、40度]のステッピングモータである、
ことを特徴とする遊技台。」
であってもよい。
さらに、
「 第一の駆動ユニット[例えば、第1可変入賞口234の共通駆動ユニット234U]と、
第二の駆動ユニット[例えば、第2可変入賞口235の共通駆動ユニット235U]と、
を備え、
前記第一の駆動ユニットは、前記第一の駆動部[例えば、ステッピングモータSM]と、第一の駆動力伝達部[例えば、伝達アームAP]とを有するものであり、
前記第二の駆動ユニットは、前記第二の駆動部[例えば、ステッピングモータSM]と、第二の駆動力伝達部[例えば、伝達アームAP]とを有するものであり、
前記第一の可動部は、前記第一の駆動力伝達部によって前記第一の駆動力を伝えられて位置が変化する[例えば、進出したり後退する]ものであり、
前記第二の可動部は、前記第二の駆動力伝達部によって前記第二の駆動力を伝えられて位置が変化する[例えば、進出したり後退する]ものである、
ことを特徴とする遊技台。」
であってもよい。
また、前記第一の駆動部は、順方向と逆方向の回転を該第一の駆動部の動作角(以下、「第一の動作角」という。)の範囲の上限と下限で切り替えるものであり、前記第二の駆動部は、順方向と逆方向の回転を該第二の駆動部の動作角(以下、「第二の動作角」という。)の範囲の上限と下限で切り替えるものであってもよい。
加えて、前記第一の駆動力伝達部および/または前記第一の可動部が、前記第一の動作角の範囲に応じた動作領域内で動作するものであり、前記第二の駆動力伝達部および/または前記第二の可動部が、前記第二の動作角の範囲に応じた動作領域内で動作するものであってもよい。すなわち、前記第一の駆動力伝達部および/または前記第一の可動部が、前記第一の動作角の範囲の上限を超えて動作することを規制する規制部も、該第一の動作角の範囲の下限を超えて動作することを規制する規制部もなく、前記第二の駆動力伝達部および/または前記第二の可動部が、前記第二の動作角の範囲の上限を超えて動作することを規制する規制部も、該第二の動作角の範囲の下限を超えて動作することを規制する規制部もないといった、いわゆるメカエンドが存在しない態様であってもよい。
また、
『 前記可変入球口ユニットは、遊技球の速度を低下させる減速手段[例えば、後側第2リブ23r3および/または前側第2リブ23f3]を有するものであり、
前記減速手段は、前記第一の可変入球口への入球率を向上させる手段であり、
前記減速手段は、前記第二の可変入球口への入球率を低下させる手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
この遊技台によれば、前記第一の可変入球口と前記第二の可変入球口といった2つの可変入球口の入球率を、共通な減速手段で異ならせることができる。
また、
『 前記第一の可変入球口[例えば、第1可変入賞口234]は、前記第二の可変入球口[例えば、第2可変入賞口235]よりも遊技球の転動方向上流側に位置する可変入球口である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記第一の可動部は、前記第二の可動部よりも遊技球の転動方向上流側に設けられたものであってもよい。
また、
『 前記減速手段[例えば、後側第2リブ23r3および/または前側第2リブ23f3]は、前記第一の可変入球口[例えば、第1可変入賞口234]よりも遊技球の転動方向上流側に位置する手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記減速手段は、前記第二の可変入球口[例えば、第2可変入賞口235]よりも遊技球の転動方向上流側に位置する手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第一の可動部[例えば、扉部材2341]が前記第一の位置[例えば、前方側に進出した位置]にある状態では、該第一の可動部の上を遊技球が転動可能であり、
前記第二の可動部[例えば、扉部材2351]が前記第四の位置[例えば、前方側に進出した位置]にある状態では、該第二の可動部の上を遊技球が転動可能である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第一の可動部[例えば、扉部材2341]が前記第三の位置[例えば、後方側に後退した位置]にある状態では、該第一の可動部の上を遊技球が転動不可能であり、
前記第二の可動部[例えば、扉部材2351]が前記第二の位置[例えば、後方側に後退した位置]にある状態では、該第二の可動部の上を遊技球が転動不可能である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
以下、図73~図107を用いて、本発明を適用することができる遊技台(例えば、スロットマシン100等の回胴遊技機やパチンコ機等の弾球遊技機)について詳細に説明する。なお、図73~図107に示す符号は、原則として図73~図107を用いた説明にのみ用いることとし、重複する符号が他の図面に示されている場合であっても、図73~図107を用いた説明では図73~図107に示す符号を優先する。
<全体構成>
まず、図73を用いて、本発明を適用することができるパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を前方側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、所定条件が成立すると遊技者が利益を獲得することができる遊技台であって、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や左枠ランプ122L、右枠ランプ122R、および上部枠ランプ122Uが取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。前面枠扉106は、扉体の一例に相当する。なお、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている球貯留皿126と、球貯留皿126に貯留された遊技球を遊技者の操作によって球貯留皿126から排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置の演出態様に変化を与える演出ボタン136と、演出ボタン136に内蔵され、その演出ボタン136を発光させるボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、を備える。また、図73では不図示であるが、球貸操作ボタン140の右横には、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタンも設けられている。さらに、十字キーや決定ボタンが配置された操作キーユニット190も備えて
いる。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射し、発射手段の一例に相当する。
図74は、図73のパチンコ機100を裏側から見た背面図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した球貯留皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
また、主基板156上に、設定変更キー192と、設定変更ボタン194及び役物比率・設定表示器196が設けられている。電源投入時にRAMクリアスイッチ180が押下されることを条件に設定変更キー192が操作されると、少なくとも大当り確率が異なる複数の設定からいずれかに設定することができる設定変更モードに移行することができる。設定変更モードにおいては、現在の設定が役物比率・設定表示器196に表示され、店員は、これを確認しながら設定変更ボタン194を押下することにより設定の変更を行うことができる。なお、電源投入時にRAMクリアスイッチ180の押下がなくとも、電源投入時に設定変更キー192が操作された場合に設定変更可能な構成としてもよい。
役物比率・設定表示器196は、主基板156に実装されるとともに主基板ケース158の内部に配置される7セグLED基板であり、店員に視認可能な態様で取り付けられている。役物比率・設定表示器196は、2ケタの7セグLEDが上下に配置されるとともに、右側に1ケタの7セグLEDがモジュール化されたものであり、役物比率モニタは、役物比率(YH)及び連続役物比率(RY)を報知するインジケータであり、設定モニタは、現在の設定を確認するためのモニタである。役物比率・設定表示器196は、例えば、赤色の単色LEDにより構成されているが、赤・緑・オレンジの3色により発光可能なものとしてもよいし、フルカラーLEDであってもよい。なお、役物比率・設定表示器196のうちの少なくとも一部を、例えば、遊技盤200に設けて遊技者に視認可能としてもよい。
また、第1副基板ケース162の背面に、ディップスイッチ基板198が配設されている。
図75(a)は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。ここで、矢印d2及びd3はパチンコ機100を設置場所に固定した状態における方向を示している。矢印d2はパチンコ機100の幅方向(左右方向と呼ぶ場合がある)を示し、正面視で左手を左、右手を右と呼ぶ場合がある。矢印d3はパチンコ機100の高さ方向(上下方向と呼ぶ場合がある)を示し、高い方を上、低い方を下と呼ぶ場合がある。なお、図75では図示しないが、パチンコ機100の奥行き方向(前後方向と呼ぶ場合がある)では、手前側を前方側又は正面側と呼ぶ場合があり、奥側を後方側又は背面側と呼ぶ場合がある。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部から観察することができる。
本体104に対する遊技盤200の取付構造は、様々な構造を採用可能であるが、例えば、本体104の正面視左側(ヒンジ部112側)に遊技盤200の正面視左側部200Lを挿入し、ここを回動中心として遊技盤200を回動させつつ遊技盤200の正面視右側部200Rを本体104に押圧し、セットする構造を採用可能であり、このような構造であれば作業性を向上できる場合がある。
遊技盤200は、板状の本体となる透明な遊技板201に各種の部品が取り付けられたユニットである。遊技板201は、例えば、樹脂により形成され、その表面(正面)は、パチンコ機100のキャラクタ等を表示した装飾面を構成する。装飾面は、例えば、パチンコ機100のキャラクタ等を印刷したシートを貼り付けることで形成してもよい。
遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。外レール202の一部は、本体104に着脱自在なレール部材209により形成されている。遊技領域124のうち、外レール202と内レール204との間の領域は発射された遊技球を案内する案内領域201aを形成している。
遊技盤200の遊技領域124以外の領域を非遊技領域と呼ぶ場合がある。遊技領域124と非遊技領域とは外レール202を境界として区別することができる。また、遊技球の発射強度を最大にした状態で遊技球が通過する領域よりも内側の領域は少なくとも遊技領域124と呼ぶことができる。遊技領域124は、遊技領域124内に演出装置等が存在することで遊技球が通過しない領域を含む場合がある。遊技中に遊技球が流下する点で遊技領域124を流下領域と呼び、メンテナンスやアクシデントを除いて遊技中に遊技球が流下しない点で非遊技領域を非流下領域と呼ぶ場合がある。遊技領域124は、その全域を流下領域と呼ぶことも可能であるが、演出装置等の存在により遊技球が流下することがない領域は非流下領域と呼んでもよい。
遊技領域124の略中央には、装飾図柄表示装置208を配設している。なお、遊技領域124よりも下方には、主制御ランプ基板207が設けられている。
図75(b)は、主制御ランプ基板207を拡大して示す図である。
この図75(b)に示すように、主制御ランプ基板207上には、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプRKと、電サポ中ランプRDと、右打ち表示ランプRMと、ラウンド表示ランプRRとを配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
図75(b)に示すように、普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、縦2つのLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、それぞれ上下2段、合計8つのLEDによって構成する。
普図保留ランプ216は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、普図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。また、第2特別図柄保留ランプ220は、保留している特図変動遊技の数を示すためのランプであり、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。
また、高確中ランプRKは、遊技状態が大当りが発生し易い高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプである。電サポ中ランプRDは、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、後述する電動チューリップ(電チュー)の扉部材2320(図76参照)が長時間開放しやすい電サポ状態であることを示すためのランプである。右打ち表示ランプRMは、大当り遊技状態、確変状態及び電サポ状態であって、遊技者が右打ちすることでその恩恵を得られる状態となったことを示すためのランプである。ラウンド表示ランプRRは、大当りとなった場合に、当該大当りに係る大当り遊技におけるラウンド数を示すためのランプである。
また、遊技盤200の中央下部に特1始動チャッカー23が1つ配設されている。特1始動チャッカー23は、覆い板231を前方に有する。
図75(c)は、特1始動チャッカー23の覆い板231の裏側を右斜め下から覗いた様子を示す図である。
特1始動チャッカー23は、覆い板231と遊技板201との間に第1特図始動口230を有する。第1特図始動口230には、図75(a)ではほんの一部が中央下部付近に見えている回転体ユニット28から放出された遊技球が進入可能であるが、100%進入するとは限らない。すなわち、図75(c)に示すように、回転体ユニット28には、始動口側誘導路288と、その両脇にアウト排出口289L,289Rが設けられている。始動口側誘導路288の出口開口2881は、第1特図始動口230の真上ではあるが、第1特図始動口230と上下方向に遊技球1球分以上の間隔をあけた位置に配置されている。そのため、出口開口2881から放出された遊技球が左右にそれ、第1特図始動口230に進入しない場合もある。なお、出口開口2881から放出された遊技球が第1特図始動口230に100%進入するように構成してもよい。
第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、図74に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として球貯留皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
図75(a)に示すように、ほんの一部が示された回転体ユニット28の真上には、第1球通路2681と第2球通路2682が左側から延在している。回転体ユニット28や、第1球通路2681及び第2球通路2682については、詳細は後述する。
また、図75(a)に示す第1特図始動口230の右側には、第2アタッカとなる第2可変入賞口235が配置されている。第2アタッカは、下縁を回動軸にして第2扉部材2351が手前側に回動するものである。さらに、第2アタッカの上部には、一般入賞口226が一つ配置され、特1始動チャッカー23の左側には、一般入賞口226が二つ斜めに配置されている。一般入賞口226に入球すると所定の球検出センサ(図示省略)が検出し、一般入賞口226に入賞したとして、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として球貯留皿126に排出する。球貯留皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
また、図75(a)に示す遊技盤200には、右側に、第1アタッカユニットが配置されており、左側に、電動振り分けユニットが配置されている。第1アタッカユニットは、透明な右下透明板2591によって覆われており、本来なら、その右下透明板2591越しに視認可能であるが、図75(a)では、そのようには図示されていない。また、電動振り分けユニットも透明な左透明板2691によって覆われており、本来なら、その左透明板2691越しに視認可能であるが、図75(a)では、そのようには図示されていない。なお、第1アタッカユニットにしても、電動振り分けユニットにしても、裏側の一部が透過可能なユニットである。
また、遊技領域124の上部には、第1立体フィルム演出体271と第2立体フィルム演出体272が配置されている。第1立体フィルム演出体271は、第2立体フィルム演出体272に重ねて設けられたものであり、図75(a)では、両者は一体的に見える。第1立体フィルム演出体271と第2立体フィルム演出体272については詳しくは後述する。
また、遊技領域124の右側には、第3立体フィルム演出体273が配置されている。第3立体フィルム演出体273の半分以上は、透明な右下透明板2591及び透明な右上透明板2592によって覆われている。また、第3立体フィルム演出体273と右上透明板2592との間には、裏側の一部が透過可能な上記第1アタッカユニットが配置されている。本来なら、それらの透明板2591,2592および第1アタッカユニット25越しに第3立体フィルム演出体273は視認可能であるが、図75(a)では、そのようには図示されていない。
また、遊技領域124の左側には、第4立体フィルム演出体274が配置されている。第4立体フィルム演出体274も半分以上は、透明な遊技板201の一部と、透明な左透明板2691によって覆われている。また、第4立体フィルム演出体274と左透明板2691との間には、裏側の一部が透過可能な電動振分ユニット26(図76参照)が配置されている。本来なら、透明な遊技板201の一部と、左透明板2691と、電動振分ユニット26越しに第4立体フィルム演出体274も視認可能であるが、図75(a)ではそのようには図示されていない。第3立体フィルム演出体273と第4立体フィルム演出体274についても詳しくは後述する。
さらに、第3立体フィルム演出体273の斜め左下には、略円形のLED発光演出体278が配置されている。LED発光演出体278には、外周に複数のLED2781が設けられており、LED発光演出体278は、放射方向に光を照射する演出体である。第1立体フィルム演出体271、第2立体フィルム演出体272、第3立体フィルム演出体273、及び第4立体フィルム演出体274といった各立体フィルム演出体よりも、LED発光演出体278の方が、後方に配置されているが、LED発光演出体278から放射方向に照射された光は拡散し、前方に向かう光もある。このため、これらの立体フィルム演出体271~274は、LED発光演出体278によって側方から光を照射される。なお、LED発光演出体278を、これらの立体フィルム演出体271~274よりも前方に配置し、これらの立体フィルム演出体271~274が、LED発光演出体278によって前方から光を照射されるようにしてもよい。
加えて、遊技領域124には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材(不図示)や、遊技釘(不図示)を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
球貯留皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このパチンコ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、電動振分ユニット26や、不図示の打球方向変換部材や遊技釘等によって進行方向を変えながら下方に流下し、各種の入賞口や始動口に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなくアウト口240に到達する。なお、遊技盤200にアウトセンサが設けられていてもよい。アウトセンサは、入賞口のセンサを通過した遊技球、始動口のセンサを通過した遊技球およびアウト口へ進入した遊技球を検知可能に構成されたセンサである。また、入賞口、始動口およびアウト口のうちの一部のみを検知可能に構成されたセンサであってもよい。
図76は、図75に示す遊技盤200から、右下透明板2591、右上透明板2592、および左透明板2691を取り外した状態を示す図である。また、図76では、第1立体フィルム演出体271、第2立体フィルム演出体272、第3立体フィルム演出体273、及び第4立体フィルム演出体274も取り外され、LED発光演出体278も取り外されている。その結果、図76には装飾図柄表示装置208のフレーム208fが図示されている。
図76には、右側に第1アタッカユニット25が図示されており、左側に電動振分ユニット26も図示されている。
図76に示す第1アタッカユニット25は、遊技領域124のうちの右側領域に設けられたものである。右打ちした場合には、遊技球は、後述する第1領域1241および第2領域1242を超えて右側ルート1243に入り、右側領域へ向かう。右側ルート1243は、右上透明板2592によって覆われているが、二股に分岐してから合流する先に普図始動口228が配置されている。普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、遊技盤200の右側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は、遊技島側に排出することはないが、入球した場合に所定の個数(例えば、1個)の賞球を払い出すとともに、入球した遊技球をパチンコ機100の裏側に誘導して遊技島側に排出するようにしてもよい。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
第1アタッカユニット25の上流側に第2特図始動口232が配置されている。この第2特図始動口232は、球通路に対して扉部材2320が前後方向に進退するものである。扉部材2320と第2特図始動口232を併せて、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれることがある。第2特図始動口232用の球検出センサ2322は、前方側に進出した扉部材2320の下流側に横を向いて配置されている。図76に示す電チューでは、扉部材2320は後退しており、電チュー導入口2323に進入した遊技球であっても、落下し、球検出センサ2322には到達しない。一方、扉部材2320が前進した状態で、電チュー導入口2323を通過した遊技球は、球検出センサ2322に到達する。球検出センサ2322に到達した遊技球は、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。電チュー導入口2323に進入しなかった遊技球や、電チュー導入口2323に進入したが落下した遊技球は、第1アタッカユニット25の中間位置まで進む。
第1アタッカユニット25の中間位置には、第1アタッカとなる第1可変入賞口234が配置されている。第1アタッカは、球通路に対して第1扉部材2341が前後方向に進退するものである。第1可変入賞口用の球検出センサ2342は、前方側に進出した第1扉部材2341よりも下方に、上方を向いて配置されている。図76に示す第1アタッカでは、第1扉部材2341は後退しており、第1アタッカユニット25の中間位置まで流下してきた遊技球は、落下し、球検出センサ2342を通過することで、球検出センサ2342に検出される。球検出センサ2342を通過した遊技球は、第1アタッカユニット25の裏側に誘導される。第1アタッカユニット25の裏側には、不図示のV振分装置が配置されており、球検出センサ2342を通過した遊技球を、不図示のV入賞口へ向かわせるか、アウト口へ向かわせるかを振り分ける。第1扉部材2341は、小当たり遊技によって進退し、遊技球がV入賞口に進入すれば、V入賞となって大当り遊技が開始される。一方、第1扉部材2341が前方側に進出した状態では、進出した第1扉部材2341の上を遊技球が通過し、球検出センサ2342を通過することは困難である。第1扉部材2341は、遊技球の通過方向の下流側に向かうにつれて漸次下方へ傾斜したものである。また、進出した第1扉部材2341によって形成される球通路には、前方に突出した減速リブ234rが間隔をあけて複数設けられている。前方側に進出した第1扉部材2341では、第1扉部材2341の傾斜によって遊技球は流下しやすくなっているが、減速リブ234rに引っかかって、遊技球が第1扉部材2341の上にしばらくの間、滞留する場合がある。第1扉部材2341の上に遊技球が滞留した状態で、第1扉部材2341が後退すると、第1扉部材2341の上に滞留していた遊技球が一気に落下し、第1可変入賞口用の球検出センサ2342で検出される。したがって、遊技球が第1扉部材2341を通過している状態で第1扉部材2341が後退する場合に比べて、第1可変入賞口234への入賞率が向上し、減速リブ234rは入賞率向上手段の役目も担っている。
前方側に進出した状態の第1扉部材2341の上を通過した遊技球は、不図示のV振分装置を通過することなく、垂直な球通路251を通って、第1アタッカユニット25から排出される。垂直な球通路251には、通路に沿って複数の減速リブ251rが設けられている。これら複数の減速リブ251rも前方に突出したものである。
以上説明した第1アタッカユニット25には、遊技釘は設けられていない。
第1アタッカユニット25の先には、透明な遊技板201のうちの一部が介在しており、そこには図75では図示されていなかったが複数の遊技釘238が設けられている。これらの遊技釘238によって遊技球は、一般入賞口226に向かう場合がある。また、第2アタッカの第2扉部材2351が開いた状態であれば第2可変入賞口235に入賞する場合もある。さらに、第2アタッカの第2扉部材2351が閉じた状態であればアウト口240へ向かう場合もある。
図76に示す電動振分ユニット26は、遊技領域124のうちの左側領域に設けられたものである。左打ちした場合には、遊技球は、第1領域1241又は第2領域1242から、左側領域に進むことになる。左打ちは、通常状態(普図低確率状態)で推奨される打ち方である。なお、右打ちは、時短状態(普図高確率状態)で推奨される打ち方である。第1領域1241と第2領域1242は隣り合った領域であり、第1領域1241の方が、球の発射方向下流側になる。すなわち、第2領域1242の方が第1領域1241よりも戻り球防止片203から離れた領域になる。したがって、第1領域1241を狙う場合には、第2領域1242を狙う場合よりも、強い発射強度で遊技球を発射する必要があり、第2領域1242を狙う場合には、第1領域1241を狙う場合よりも、弱い発射強度で遊技球を発射する必要がある。ただし、遊技球を強い発射強度で発射しても、第1領域1241を区画する壁1241aで跳ね返って、第2領域1242に入り込んでしまう場合もあり得る。第1領域1241からは球通路1245が延び、この球通路1245には複数の減速突起1245pが設けられている。また、第2領域1242にも複数の減速突起1242pが設けられている。
球通路1245と電動振分ユニット26との間には、透明な遊技板201のうちの一部が介在しており、そこには図75では図示されていなかったが複数の遊技釘238が設けられている。また、第2領域1242と電動振分ユニット26との間にも、透明な遊技板201のうちの一部が介在しており、そこにも図75では図示されていなかったが複数の遊技釘238が設けられている。以下、この遊技板201の一部が設けられた領域を振分手前領域125と称する場合がある。
振分手前領域125には、球通路1245を通過してきた遊技球と、第2領域1242に入った遊技球が進入する。振分手前領域125では、右ルート125R、中央ルート125C、および左ルート125Lの3つのルートに分岐する。各ルートは、遊技釘238によって区画されている。なお、遊技釘238は、金属製のものであってもよいし、樹脂性のものであってもよい。球通路1245は右ルート125Rにつながり、第2領域1242は左ルート125Lにつながっている。中央ルート125Cは、振分手前領域125の下半分に設けられたルートであって、右ルート125Rと左ルート125Lの間に位置する。右ルート125Rを通過していた遊技球や左ルート125Lを通過していた遊技球は、この中央ルート125Cに入り込む場合がある。また、右ルート125Rを通過していた遊技球が左ルート125Lに入り込む場合もあれば、左ルート125Lを通過していた遊技球が右ルート125Rに入り込む場合もある。
電動振分ユニット26には、大きく分けて3つの球経路が設けられている。この3つの球経路は、第1球経路2601、第2球経路2602、および第3球経路2603になる。以下、各経路ごと説明を行う。
まず、第1球経路2601について説明する。第1球経路2601は、右ルート125Rからつながった右側の球経路になる。この第1球経路2601には、上流側から第1上流球遅延部2651、第3球方向変化部263、第1下流球遅延部2652、および第1球方向変化部261が設けられている。第1上流球遅延部2651にしても第1下流球遅延部2652にしても、垂直な球経路部分に設けられており、遊技球の移動速度が高くなりやすい箇所に設けられたものである。第1上流球遅延部2651は、第3球方向変化部263に向かう遊技球の移動速度を低下させるためのものであり、第1下流球遅延部2652は、第1球方向変化部261に向かう遊技球の移動速度を低下させるためのものである。第1上流球遅延部2651および第1下流球遅延部2652の詳しい説明については後述する。
第3球方向変化部263は、方向変化部材2631と不図示のモータを有する。なお、第1球方向変化部261は方向変化部材2611と不図示のモータを有し、第2球方向変化部262は方向変化部材2621と不図示のモータを有し、第4球方向変化部264は方向変化部材2641と不図示のモータを有する。以下の第3球方向変化部263についての説明は、第3球方向変化部263以外の方向変化部(261,262,264)についても同じである。
方向変化部材2631は、右傾斜面263Rと左傾斜面263Lを有する。この方向変化部材2631は不図示のモータによって回動することで、右向け姿勢と左向け姿勢との間で姿勢変化を行う。右向け姿勢は、図76に示す方向変化部材2631の姿勢であって、右傾斜面263Rが右下に向けて傾斜するとともに左傾斜面263Lが垂直になる姿勢である。左向け姿勢は、図76示す第4球方向変化部264の方向変化部材2641の姿勢であって、左傾斜面263Lが左下に向けて傾斜するとともに右傾斜面263Rが垂直になる姿勢である。方向変化部材2631は、乱数を用いて、いずれの姿勢に、どのタイミングで姿勢変化するかが決められる。また、変化速度(回動速度)も乱数を用いて決められ、ゆっくりと姿勢変化する場合もあれば、素早く姿勢変化する場合もある。方向変化部材2631の姿勢や、姿勢変化の様子は、遊技者が視認可能であるが、方向変化部材2631は乱数を用いた不規則な動きをするため、方向変化部材2631の姿勢を予測しての遊技球の発射は不可能である。図76に示すように、第3球方向変化部263の方向変化部材2631が右向け姿勢である場合、遊技球は、右傾斜面263Rに沿って右下に向けて流下する。すなわち、第1下流球遅延部2652に向けて流下し、第1球経路2601を移動し続けることになる。一方、第3球方向変化部263の方向変化部材2631が左向け姿勢である場合、遊技球は、左傾斜面263Lに沿って左下に向けて流下し、第1球経路2601を外れて、中央の第3球経路2603に入り込む。
図76に示すように、第1球方向変化部261の方向変化部材2611が右向け姿勢である場合、遊技球は、右傾斜面261Rに沿って右下に向けて流下する。第1球方向変化部261の右下には、第1誘導口2613が開口している。したがって、第1球方向変化部261の方向変化部材2611が右向け姿勢である場合、遊技球は、この第1誘導口2613に向けられる。遊技球は、第1誘導口2613を通って、電動振分ユニット26の裏側に誘導され、第1球通路2681に入り込む。第1球通路2681は、透明な上流側通路2681aと同じく透明な下流側通路2681bに分かれており、電動振分ユニット26の裏側に誘導された遊技球はまず、上流側通路2681aを流下する。次いで、遊技球は、上流側通路2681aの下流端で下流側通路2681bに落下し、今度は、下流側通路2681bを流下する。下流側通路2681bの下流端から遊技球は、図76でもほんの一部しか見えていない回転体ユニット28に落下する。第1球通路2681は透明であることから、第1球通路2681を流下する遊技球を遊技者は視認可能である。一方、第1球方向変化部261の方向変化部材2611が左向け姿勢である場合、遊技球は、左傾斜面261Lに沿って左下に向けて流下する。第1球方向変化部261の左下にはアウト口241が設けられており、このアウト口241に進入した遊技球は電動振分ユニット26の内部に設けられた経路2604(図77参照)を通って、最終的には遊技島側に排出される。
次に、第2球経路2602について説明する。第2球経路2602は、左ルート125Lからつながった左側の球経路になる。この第2球経路2602には、上流側から第2上流球遅延部2653、第4球方向変化部264、第2下流球遅延部2654、および第2球方向変化部262が設けられている。第4球方向変化部264は、第1球経路2601における第3球方向変化部263と第3球経路2603を挟んで横並びに設けられたものである。第2球方向変化部262は、第1球経路2601における第1球方向変化部261と第3球経路2603を挟んで横並びに設けられたものである。第2上流球遅延部2653にしても第2下流球遅延部2654にしても、垂直な球経路部分に設けられており、遊技球の移動速度が高くなりやすい箇所に設けられたものである。第2上流球遅延部2653は、第4球方向変化部264に向かう遊技球の移動速度を低下させるためのものであり、第2下流球遅延部2654は、第2球方向変化部262に向かう遊技球の移動速度を低下させるためのものである。第2上流球遅延部2653および第2下流球遅延部2654の詳しい説明についても後述する。
図76に示すように、第4球方向変化部264の方向変化部材2641が左向け姿勢である場合、遊技球は、左傾斜面264Lに沿って左下に向けて流下する。すなわち、第2下流球遅延部2654に向けて流下し、第2球経路2602を移動し続けることになる。一方、第4球方向変化部264の方向変化部材2641が右向け姿勢である場合、遊技球は、右傾斜面264Rに沿って右下に向けて流下し、第2球経路2602を外れて、中央の第3球経路2603に入り込む。
図76に示すように、第2球方向変化部262の方向変化部材2621が右向け姿勢である場合、遊技球は、右傾斜面262Rに沿って右下に向けて流下する。第2球方向変化部262の右下には、第2誘導口2623が開口している。したがって、第2球方向変化部262の方向変化部材2621が右向け姿勢である場合、遊技球は、この第2誘導口2623に向けられる。遊技球は、第2誘導口2623を通って、電動振分ユニット26の裏側に誘導され、透明な第2球通路2682に入り込んで、第2球通路2682を流下する。第2球通路2682の下流端から遊技球は、回転体ユニット28に落下する。第2球通路2682も透明であることから、第2球通路2682を流下する遊技球を遊技者は視認可能である。一方、第2球方向変化部262の方向変化部材2621が左向け姿勢である場合、遊技球は、左傾斜面262Lに沿って左下に向けて流下し、その後、第2球方向変化部262の真下に到達する。第2球方向変化部262の真下には、右経由では到達することができず、左経由でしか到達することができない。第2球方向変化部262の真下にはアウト口242が設けられており、このアウト口242に進入した遊技球は電動振分ユニット26の内部に設けられた経路2604(図77参照)を通って、最終的には遊技島側に排出される。
続いて、第3球経路2603について説明する。図76では、第3球経路2603を第1球経路2601及び第2球経路2602と区別するため、第3球経路2603には左下がりのハッチンクを施している。第3球経路2603は、中央ルート125Cからつながった中央の球経路になる。また、上述のごとく、第3球経路2603には、第3球方向変化部263の左向け姿勢となった方向変化部材2631によって遊技球が入り込んでくる場合や、第4球方向変化部264の右向け姿勢となった方向変化部材2641によって遊技球が入り込んでくる場合がある。この第3球経路2603には、上流側、すなわち方向変化部材2631,2641によって遊技球が入り込んでくる位置よりも上流側に一般入賞口227が設けられている。この一般入賞口227に進入した遊技球は、電動振分ユニット26の裏側に誘導され、第3球経路2603から外れる。第3球経路2603に設けられた一般入賞口227についての詳しい説明は後述することにする。また、第3球経路2603には、下流側、すなわち方向変化部材2631,2641によって遊技球が入り込んでくる位置よりも下流側に、演出スイッチ269が設けられている。演出スイッチ269は、ゲート状の球検出センサであり、上流側の一般入賞口227に進入せずに第3球経路2603を流下してきた遊技球は必ず通過する。この演出スイッチ269を遊技球が通過すると、或る演出が開始される。演出スイッチ269を通過した遊技球は、電動振分ユニット26から遊技領域124に排出される。電動振分ユニット26から遊技領域124に排出される遊技球は、この第3球経路2603を通過した遊技球のみである。すなわち、第1球経路2601に進入した遊技球も第2球経路2602に進入した遊技球も、電動振分ユニット26から遊技領域124に排出されることはない。なお、演出スイッチ269に代えて、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる普図始動口228を設けてもよい。この場合、右側領域と左側領域それぞれに普図始動口228が設けられていることになる。
以上説明した電動振分ユニット26には、遊技釘は設けられていない。
電動振分ユニット26とアウト口240との間には、透明な遊技板201のうちの一部が介在しており、そこには図75では図示されていなかったが複数の遊技釘238が設けられている。また、上述した2つの一般入賞口226が配置されている。
次に、図75(a)ではほんの一部が中央下部付近に見えている回転体ユニット28について詳述する。
図77は、遊技盤の裏側から回転体ユニット28を見たときの斜視図である。この図77では、紙面左奥側が前側(遊技者側)になり、右手間側が後側(裏側)になる。
図77には、回転体ユニット28に向かって、電動振分ユニット26の裏側から延びる第1球通路2681(上流側通路2681a及び下流側通路2681b)と第2球通路2682が示されている。第2球通路2682の下流端2682Lは、回転体ユニット28の中央部分の真上で開口している。一方、第1球通路2681(下流側通路2681b)の下流端2681Lは、回転体ユニット28の外周部分の真上で開口している。また、第1球通路2681よりも第2球通路2682の方が裏側に位置している。
さらに、第1球通路2681の長さ(上流側通路2681aと下流側通路2681bを合わせた長さ)よりも第2球通路2682の長さの方が長い。
また、第1球通路2681には遊技釘は設けられていないが、第1球通路2681の上流側通路2681aには、1つの減速リブr1と遅延手段d1が設けられ、下流側通路2681bには、複数の減速リブr2が設けられている。減速リブr1、r2は、縦方向に延在したリブであって、球通路内部に突出している。また、複数の減速リブr2は、対向する壁に交互に設けられている。一方、第1球通路2681よりも長い第2球通路2682にも、遊技釘は設けられていないが、1つの減速リブr3と遅延手段d2が設けられている。遊技球が減速リブr1,r2,r3に衝突すると、遊技球の移動速度は低下する。遅延手段d1,d2は、球通路の幅よりも大きな直径の円筒状の部位である。遅延手段d1,d2の下端には、遊技球が落下する開口が設けられている。この遅延手段d1に到達した遊技球は、円筒状の内周面に沿った周回移動を行い、やがて、下端の開口から落下する。遊技球の移動速度は、この遅延手段d1,d2でも低下する。減速リブの数からして、相対的に短い第1球通路2681の方が、相対的に長い第2球通路2682よりも、遊技球の移動速度は大きく低下させることができる。この結果、電動振分ユニット26から第1球通路2681を通って回転体ユニット28に到達するまでの時間と、電動振分ユニット26から第2球通路2682を通って回転体ユニット28に到達するまでの時間は、近付けられている。
また、図77には、電動振分ユニット26の内部に設けられた経路2604が点線で示されている。
図78は、図77に示す回転体ユニット28を示す図である。図78(a)及び同図(c)は、回転体ユニット28を斜め上方から見たときの斜視図であり、紙面左斜め下方側が前側(遊技者側)になり、右斜め上方が後側(裏側)になる。
図78(a)に示すように回転体ユニット28は、円筒状の上部カバー281と、外周案内面282と、その外周案内面282の内側に配置された一対の球受入口2831、2832を有する。一対の球受入口2831、2832は、180度対向した位置に配置され、それぞれ扇状の形をしており、高さは上部カバー281と同じ程度まである。回転体ユニット28は、モータ28Mを備え、そのモータ28Mによって回転される回転軸28A(図78(b)や同図(c)参照)は、回転体ユニット28の中心に位置している。一対の球受入口2831、2832は、不図示のベース板によってこの回転軸28Aに固定されており、モータ28Mが回転すると、回転軸28Aを回転中心にして回転する。不図示のベース板は、一対の傾斜板2833、2834によって上方から覆われており、一対の傾斜板2833、2834も、モータ28Mが回転すると、一対の球受入口2831、2832とともに回転する。一対の傾斜板2833、2834は、回転体ユニット28の中心部分を覆ったものであり、外周側に向かって傾斜している。すなわち、図78(a)に示す左側に位置する傾斜板2833は、左側に向かうにつれて下方へ傾斜しており、右側に位置する傾斜板2834は、右側に向かうにつれて下方へ傾斜している。下方へ傾斜した一対の傾斜板2833、2834の最も低い位置よりもさらに下方に外周案内面282が設けられている。したがって、一対の傾斜板2833、2834上に落下した遊技球は、傾斜板2833、2834の傾斜に従って傾斜板2833、2834上を転動し、外周案内面282に案内される。
図78(b)は、回転体ユニット28から、円筒状の上部カバー281と、一対の球受入口2831、2832及び不図示のベース板と、一対の傾斜板2833、2834を取り外した状態を、前側から見たときの斜視図であり、紙面左手前側が前側(遊技者側)になる。
この図78(b)に示すように、外周案内面282は前側に開口2821を有する。外周案内面282は、この開口2821に向けて下方へ傾斜した面であり、開口2821の位置が最も低い位置になる。また、外周案内面282の開口2821の近傍部分2822、2823は、傾斜角度が急になっている。さらに、外周案内面282の、開口2821と180度対向した位置に山部2824が設けられている。この山部2824は、少し高くなった位置2825から両側に傾斜したものである。開口2821は、始動口側誘導路288につながっている。図75(c)を用いて説明したように、始動口側誘導路288の出口開口2881は、第1特図始動口230と上下方向に間隔をあけた位置に配置されている。外周案内面282上の遊技球は、外周案内面282の傾斜に従って外周案内面282上を転動し、開口2821から始動口側誘導路288に進入する。始動口側誘導路288に進入した遊技球は、始動口側誘導路288を通って、始動口側誘導路288の出口開口2881から放出され、第1特図始動口230へ向かう。ただし、出口開口2881から放出された遊技球が左右にそれ、第1特図始動口230に進入しない場合もある。
図78(d)は、回転体ユニット28を前側下方から見たときの斜視図であり、紙面手前側が前側(遊技者側)になる。
この図78(d)にも、始動口側誘導路288の出口開口2881が図示されている。また、図78(b)や同図(d)には、始動口側誘導路288の両脇に設けられたアウト排出口289L,289Rも示されている。
また、図78(b)では、一対の球受入口2831、2832及び不図示のベース板と、一対の傾斜板2833、2834が取り外された後に、アウト排出口289L,289Rにつながるアウト排出面289が見えている。アウト排出面289は、アウト排出口289L,289Rに向かうにつれて下方へ傾斜した面である。このアウト排出面289は、外周案内面282よりも遊技球1個分以上下に設けられた面である。回転する一対の球受入口2831、2832に進入した遊技球は、このアウト排出面289に落下し、アウト排出口289L,289Rから遊技領域124に排出され、アウト口240に到達する。ただし、アウト排出口289L,289Rから排出された遊技球が第1特図始動口230にごく稀に入球する場合もある。なお、アウト排出口289L,289Rから排出された遊技球が、アウト口240に100%進入するように構成してもよい。
さらに、図78(b)や図78(d)には、始動口側誘導路288の出口開口2881よりも下方に設けられた始動入賞球案内経路284が示されている。始動入賞球案内経路284は、上流端は前方側に開口し、下流端は下方に開口した、下方へ向けて略90度折れ曲がった経路である。第1特図始動口230に入球した球は、図75(c)に示す特1始動チャッカー23の始動口ルート233を通って、回転体ユニット28の始動入賞球案内経路284に入り込む。始動入賞球案内経路284の他端側には、第1特図始動口230に入球した球を検出する球検出センサ2841が設けられている。球検出センサ2841を通過した遊技球は、最終的には遊技島側に排出される。
図78(c)は、図78(b)に示す回転体ユニット28からさらに、外周案内面282や、アウト排出口289L,289Rを構成する部材(アウト排出面289等)を取り外した状態を、斜め上方から見たときの斜視図である。
回転体ユニット28は、全体が透明部材で構成されており、外周案内面282を転がる遊技球や、アウト排出面289を流下する遊技球も視認可能な場合がある。このような回転体ユニット28には、複数のLED2851が実装されたLED基板285が設けられている。このLED基板285は、ここでは不図示のレンズ板に覆われ、アウト排出面289よりも下方に設けられている。複数のLED2851が発光することで、外周案内面282やアウト排出面289が下方から照らされ、遊技球の移動と相俟って演出効果が高まる。
以上説明した回転体ユニット28には、遊技釘は設けられていない。
図79は、電動振分ユニット26の状態と回転体ユニット28の状態を示す図である。
図79(a)に示す電動振分ユニット26の状態は、図76に示す電動振分ユニット26の状態と同じであり、第1球経路2601における第3球方向変化部は方向変化部材2631が右向け姿勢の状態であり、第1球方向変化部も方向変化部材2611が右向け姿勢の状態である。このため、第1球経路2601に進入した遊技球は、第1誘導口2613を通って第1球通路2681を流下し、回転体ユニット28に落下する。図79(a)に示す回転体ユニット28は、一対の球受入口2831、2832の両方ともが、第1球通路2681の下流端2681Lの真下にはなく、下流端2681Lから外れた位置にある状態である。このため、第1球通路2681を通ってきた遊技球は、一対の傾斜板2833、2834上に落下し、外周案内面282に案内される。そして、外周案内面282の上を転動し、図78(b)に示す開口2821から始動口側誘導路288を通って、その出口開口2881から放出され、図75(c)に示す第1特図始動口230へ向かう。
一方、第2球経路2602における第4球方向変化部は方向変化部材2641が左向け姿勢の状態であり、第2球方向変化部は方向変化部材2621が右向け姿勢の状態である。このため、第2球経路2602に進入した遊技球は、第2誘導口2623を通って第2球通路2682を流下し、回転体ユニット28の中心部、すなわち、一対の傾斜板2833、2834の上に落下し、ここでも、外周案内面282に案内される。そして、第1球経路2601に進入した遊技球と同じく、図78(b)に示す外周案内面282の開口2821から始動口側誘導路288を通って、出口開口2881から放出され、図75(c)に示す第1特図始動口230へ向かう。
図79(b)に示す電動振分ユニット26の状態は、同図(a)に示す電動振分ユニット26の状態と同じく、第1球経路2601における第3球方向変化部は方向変化部材2631が右向け姿勢の状態であり、第1球方向変化部も方向変化部材2611が右向け姿勢の状態である。このため、第1球経路2601に進入した遊技球は、第1誘導口2613を通って第1球通路2681を流下し、回転体ユニット28に落下する。図79(b)に示す回転体ユニット28は、180度対向した位置関係で回転する一対の球受入口2831、2832のうち一方の球受入口2832が、第1球通路2681の下流端2681Lの真下に位置した状態である。このため、第1球通路2681を通ってきた遊技球は、その球受入口2832の中を通って、図78(b)に示すアウト排出面289に落下し、アウト排出口289Lから遊技領域124に排出される。
一方、第2球経路2602における第4球方向変化部は方向変化部材2641が左向け姿勢の状態であり、第2球方向変化部は方向変化部材2621が右向け姿勢の状態である。このため、第2球経路2602に進入した遊技球は、第2誘導口2623を通って第2球通路2682を流下し、回転体ユニット28の中心部、すなわち、一対の傾斜板2833、2834の上に落下し、外周案内面282に案内される。そして、図78(b)に示す外周案内面282の開口2821から始動口側誘導路288を通って、出口開口2881から放出され、図75(c)に示す第1特図始動口230へ向かう。第2球経路2602においては、遊技球は、第2球通路2682まで到達すれば、常に、始動口側誘導路288を通って、出口開口2881から放出され、第1特図始動口230へ向かうことになる。すなわち、回転体ユニット28の状態に左右されない。このように、電動振分ユニット26の状態が遊技球を第2球経路2602に向かわせる状態であった場合、すなわち第4球方向変化部の方向変化部材2641が左向け姿勢の状態であり、第2球方向変化部の方向変化部材2621が右向け姿勢の状態であった場合は、特図1の保留数が最大保留数から1つ少ない状態であれば、特図1の保留が満タンになることの報知を行うようにしてもよい。例えば、カスタマイズ設定において、上記報知を球発射ハンドル134を用いて行うことを設定した場合には、球発射ハンドル134が振動することで上記報知が行われる。また、第2球経路2602の手前に球検出センサを設けておき、特図1の保留数が最大保留数から1つ少ない状態で、この球検出センサを遊技球が通過した場合に、上記報知を行うようにしてもよい。
図79(c)に示す電動振分ユニット26では、第1球経路2601における第3球方向変化部は方向変化部材2631が右向け姿勢の状態であるが、第1球方向変化部は方向変化部材2611が左向け姿勢の状態である。このため、第1球経路2601に進入した遊技球は、第1球方向変化部261の左下に設けられたアウト口241に進入し、電動振分ユニット26の内部に設けられた、図77に示す経路2604を通って、最終的には遊技島側に排出される。
また、第2球経路2602における第4球方向変化部は方向変化部材2641が左向け姿勢の状態であるが、第2球方向変化部も方向変化部材2621が左向け姿勢の状態である。このため、第2球経路2602に進入した遊技球は、第2球方向変化部の真下に設けられたアウト口242に進入し、この遊技球も、電動振分ユニット26の内部に設けられた経路2604を通って、最終的には遊技島側に排出される。
図79(d)に示す電動振分ユニット26では、第1球経路2601における第3球方向変化部は方向変化部材2631が左向け姿勢の状態である。このため、遊技球は、第1球経路2601を外れて、中央の第3球経路2603に入り込む。
また、第2球経路2602における第4球方向変化部は方向変化部材2641が右向け姿勢の状態である。このため、遊技球は、第2球経路2602を外れて、中央の第3球経路2603に入り込む。
上述のごとく、第3球経路2603に入り込んだ遊技球は、図76に示す演出スイッチ269を通過し、電動振分ユニット26から遊技領域124に排出される。
なお、第1球経路2601にしても第2球経路2602にしても第3球経路2603にしても、前方に突出した減速リブ26r1が複数設けられている。また、第3球経路2603の下流側の垂直部分には、左右方向に突出した減速リブ26r2が交互に配置されている。
また、第3球方向変化部(方向変化部材2631)から第3球経路2603までの距離(矢印3d参照)よりも、第4球方向変化部(方向変化部材2641)から第3球経路2603までの距離(矢印4d参照)の方が長い。このように距離が異なることで、遊技球が第3球経路2603へ向かうまでの時間や転動態様を、第3球方向変化部(方向変化部材2631)と第4球方向変化部(方向変化部材2641)といった2つの球方向変化部ごとに楽しむことができる。なお、第3球方向変化部(方向変化部材2631)から第3球経路2603までの距離(矢印3d参照)よりも、第4球方向変化部(方向変化部材2641)から第3球経路2603までの距離(矢印4d参照)の方が短くてもよい。すなわち、第3球方向変化部(方向変化部材2631)から第3球経路2603までの距離(矢印3d参照)と、第4球方向変化部(方向変化部材2641)から第3球経路2603までの距離(矢印4d参照)が異なっていればよい。
図80は、左打ちを行った結果の遊技球の流れを示す図である。
以下、これまでの説明と重複する場合もあるが、これまでの説明をまとめてもう一度説明する。
図73に示すパチンコ機100では、通常状態(普図低確率状態)では左打ちが推奨される。左打ちを行うと、遊技球は第1領域1241か第2領域1242に進入する。第1領域1241と第2領域1242の位置関係では、相対的に強めの発射強度で発射すると、第1領域1241を狙うことができ、相対的に弱めの発射強度で発射すると、第2領域1242を狙うことができる。ただし、相対的に強めの発射強度で遊技球を発射しても、遊技球が第1領域1241を区画する壁1241a(図76参照)で跳ね返って、第2領域1242に入り込んでしまう場合もあり得る。なお、右打ちを行ったつもりでも、発射強度不足で左打ちになってしまったり、反対に左打ちを行ったつもりでも、発射強度が強すぎで右打ちになってしまう場合もある。
第1領域1241に進入した遊技球は、振分手前領域125における右ルート125Rを最後まで進む場合と、右ルート125Rの途中から左ルート125Lに入り込む場合と、右ルート125Rの途中から中央ルート125Cに入り込む場合とがある。また、第2領域1242に進入した遊技球は、振分手前領域125における左ルート125Lを最後まで進む場合と、左ルート125Lの途中から右ルート125Rに入り込む場合と、左ルート125Lの途中から中央ルート125Cに入り込む場合とがある。
遊技球が右ルート125Rを進んだ場合には、電動振分ユニット26の第1球経路2601に進入し、第3球方向変化部263において、遊技球は、第1球方向変化部261に向けられるか、第3球経路2603に向けられる。遊技球が第1球方向変化部261に向けられた場合は、遊技球は第1球経路2601を依然として進み、第1球方向変化部261において、遊技球は、第1球通路2681に向けられるか、アウト口241に向けられる。第1球方向変化部261は、遊技球を、右方向(第1球通路2681の方向)と左方向(アウト口241の方向)に振り分ける手段(第1振分手段)と見ることもできる。遊技球が第1球通路2681に向けられた場合は、回転体ユニット28において、遊技球は、第1特図始動口230に向けられるか、アウト口240に向けられる。
遊技球が左ルート125Lを進んだ場合には、電動振分ユニット26の第2球経路2602に進入し、第4球方向変化部264において、遊技球は、第2球方向変化部262に向けられるか、第3球経路2603に向けられる。遊技球が第2球方向変化部262に向けられた場合は、遊技球は第2球経路2602を依然として進み、第2球方向変化部262において、遊技球は、第2球通路2682に向けられるか、アウト口242に向けられる。第2球方向変化部262は、遊技球を、右方向(第2球通路2682の方向)と左方向(アウト口242の方向)に振り分ける手段(第2振分手段)と見ることもできる。遊技球が第2球通路2682に向けられた場合は、回転体ユニット28において、遊技球は、第1特図始動口230に向けられる。
回転体ユニット28において、遊技球が第1特図始動口230に向けられた場合であっても、その遊技球は、第1特図始動口230に必ず入賞するとは限らず、第1特図始動口230から外れて、アウト口240に到達する場合もある。
遊技球が中央ルート125Cを進んだ場合には、電動振分ユニット26の第3球経路2603に進入し、一般入賞口227に入賞する場合がある。一般入賞口227に入賞しなかった場合は、遊技球は第3球経路2603を進み、演出スイッチ269を通過する。また、第3球方向変化部263において遊技球が第3球経路2603に向けられた場合であっても、第4球方向変化部264において遊技球が第3球経路2603に向けられた場合であっても、遊技球は、第3球経路2603を進み、演出スイッチ269を通過する。演出スイッチ269を通過した遊技球は、電動振分ユニット26から遊技領域124に排出される。電動振分ユニット26から遊技領域124に排出された遊技球は、2つの一般入賞口226、226のいずれかに入賞する場合があり、いずれの一般入賞口226にも入賞しなかった場合は、アウト口240に到達する。ここで、電動振分ユニット26には1つの一般入賞口227しかなかったが、電動振分ユニット26を通過した後では2つの一般入賞口226、226が、一般入賞口の数からすれば、電動振分ユニット26を通過した後の方が、一般入賞口への入賞確率は高いといえる。電動振分ユニット26における一般入賞口227にしても、電動振分ユニット26を通過した後の2つの一般入賞口226にしても、賞球数は同じである。
また、遊技球が第1球経路2601を進んだ場合には、回転体ユニット28への落下の段階で、遊技球は、第1特図始動口230に向けられるか、アウト口240に向けられる。回転体ユニット28は、回転する一対の球受入口2831によって、遊技球を、始動口側誘導路288の方向(第1特図始動口230の方向)とアウト排出面289の方向(アウト口240の方向)に振り分ける手段と見ることもできるし、遊技球の移動方向を、始動口側誘導路288の方向(第1特図始動口230の方向)へ向かわす状態と、アウト排出面289の方向(アウト口240の方向)へ向かわす状態に変更可能な球方向変化手段と見ることもできる。一方、遊技球が第2球経路2602を進んだ場合には、遊技球は、第1特図始動口230に必ず向けられる。しかしながら、遊技球が第2球経路2602を進んだ場合には、遊技球が第1球経路2601を進んだ場合よりも、回転体ユニット28に到達する可能性は低い。例えば、遊技球が第1球経路2601を進んだ場合には、回転体ユニット28への落下の段階で、遊技球は、50%の確率で第1特図始動口230に向けられ、50%の確率でアウト口240に向けられる。一方、第1球経路2601における第1球方向変化部261では、遊技球は、50%の確率で第1球通路2681に向けられ、50%の確率でアウト口241に向けられる。したがって、遊技球が第1球経路2601を進んだ場合には、遊技球は、25%の確率で第1特図始動口230に向けられることになる。これに対して、遊技球が第2球経路2602を進んだ場合には、回転体ユニット28へ到達すれば、遊技球は、100%の確率で第1特図始動口230に向けられる。しかしながら、第2球経路2602における第2球方向変化部262では、遊技球は、25%の確率で第2球通路2682に向けられ、75%の確率でアウト口242に向けられる。したがって、遊技球が第2球経路2602を進んだ場合にも、遊技球は、25%の確率で第1特図始動口230に向けられることになる。すなわち、遊技球が第1球経路2601を進んだ場合であっても第2球経路2602を進んだ場合であっても、遊技球が第1特図始動口230に向けられる確率は同じである。ただし、回転体ユニット28だけで見てみると、上述のごとく、第1球方向変化部261を経由した遊技球よりも、第2球方向変化部262を経由した遊技球の方が、始動口側誘導路288へ案内されやすい。なお、この例では、第1球方向変化部261の上流の第3球方向変化部263が、遊技球を第1球方向変化部261に向ける確率と、第2球方向変化部262の上流の第4球方向変化部264が、遊技球を第2球方向変化部262に向ける確率は同じである。電動振分ユニット26では、単位時間当り(予め用意された乱数表が一巡する間)に以上説明した確率となるよう、各方向変化部材のモータが制御される。以上説明した例によれば、第1領域1241に遊技球を進入させても、遊技球が第1球経路2601を進むとは限らず、第2領域1242に遊技球を進入させても、遊技球が第2球経路2602を進むとは限らないが、第1領域1241を狙うことによって、遊技球を回転体ユニット28まで相対的に高確率で到達させることができるが、第1特図始動口230に入賞する確率は相対的に低い。一方、第2領域1242を狙うことによって、遊技球を回転体ユニット28まで相対的に低確率でしか到達させることができないが、回転体ユニット28に到達すれば、第1特図始動口230に入賞する確率は相対的に高い。遊技者は、第1領域1241と第2領域1242のうちのどちらの領域を狙うかを楽しみながら選択することができる。しかも、第1領域1241に進入した遊技球も、第2領域1242に進入した遊技球も、電動振分ユニット26あるいは遊技板201の裏側に行くまでは、遊技者が視認可能であり、遊技球の転動する様を見たて、楽しむことができる。
図81は、装飾図柄表示装置208に表示される遊技説明の例を示す図である。
図81には(a)から(f)まで装飾図柄表示装置208が示されている。いずれの装飾図柄表示装置208でも、表示領域の左上に、「装飾4-装飾1-装飾7」の装飾図柄の組み合わせがミニ図柄として表示されている。また、装飾図柄表示装置208には、演出表示領域208dの中央下部に変動アイコン表示領域2081が設けられている。さらに、ここでの制御状態(遊技状態)は、通常遊技状態(普図低確率状態)であり、いずれの装飾図柄表示装置208にも、中央上部に「左打ち」の文字が表示され、左打ちを行うことを促している。また、通常遊技状態における装飾図柄表示装置208には、変動アイコン表示領域2081の左横に特図1の保留アイコン表示領域2082が設けられている。なお、通常遊技状態における装飾図柄表示装置208では、特図2の保留アイコン表示領域の明示を省略しているが、特図2の保留アイコン表示領域が設けられるようにしてもよい。特図1の保留アイコン表示領域2802には、特図1の保留を表す保留アイコンh11,h12が表示されている。
図81(a)に示す装飾図柄表示装置208では、表示画面の右下に、第1領域1241と第2領域1242を表す図が表示され、左打ちをした場合に、遊技球が流下する2つのルートがあることを紹介している。これら2つのルートは、具体的には、第1領域1241→右ルート125R→第1球経路2601→第3球方向変化部263→第1球方向変化部261といったルート(以下、「第1ルート」という。)と、第2領域1242→左ルート125L→第2球経路2602→第4球方向変化部264→第2球方向変化部262といったルート(以下、「第2ルート」という。)になる。
図81(b)に示す装飾図柄表示装置208でも、表示画面の右下に、第1領域1241と第2領域1242を表す図が表示され、第1領域1241と第2領域1242のどちらの領域を狙っても、遊技者の利益に差はないことを説明している。すなわち、上述のごとく、遊技球が第1球経路2601を進んだ場合であっても第2球経路2602を進んだ場合であっても、遊技球が第1特図始動口230に向けられる確率は同じであることを説明している。
図81(c)に示す装飾図柄表示装置208では、表示画面の右下に、回転体ユニット28を表す図が表示され、回転体ユニット28の説明が表示されている。すなわち、遊技球を回転体ユニット28に到達させるにあたり、第1球経路2601経由(第1ルート)に比べて、第2球経路2602経由(第2ルート)であれば、第1特図始動口230へ入賞するチャンスは2倍になることを説明している。上述のごとく、第1ルートでは、50%の確率でしか遊技球は始動口側誘導路288へ案内されず、第2ルートでは、100%の確率で遊技球は始動口側誘導路288へ案内される。なお、始動口側誘導路288へ案内されたからといって、第1特図始動口230に必ず入賞するとは限らず、稀に、第1特図始動口230から外れて、アウト口240に到達する場合もある。
図81(d)に示す装飾図柄表示装置208では、表示画面の右下に、第1領域1241と第2領域1242を表す図が表示され、第1領域1241が線で囲まれている。そして、その第1領域1241についての説明として、回転体ユニット28へ遊技球を到達させることを目指すのであれば、この第1領域1241を狙うべきであることが表示されている。この図81(d)では、第1領域1241についての説明表示のみが表示されている。一方、図81(e)に示す装飾図柄表示装置208では、表示画面の右下に、第1領域1241と第2領域1242を表す図が表示され、第2領域1242が線で囲まれている。そして、その第2領域1242についての説明として、第1特図始動口230への入賞を目指すのであれば、この第2領域1242を狙うべきであることが表示されている。この図81(e)では、第2領域1242についての説明表示のみが表示されている。
図81(f)に示す装飾図柄表示装置208でも、表示画面の右下に、第1領域1241と第2領域1242を表す図が表示されている。そして、この装飾図柄表示装置208では、第1領域1241(第1ルート)と第2領域1242(第2ルート)について最も詳しい説明表示が表示されている。
以上説明した説明表示は、特図の保留がないとき(例えば、デモ表示中)に限って表示されるものであってもよい。あるいは、説明表示は、大当り遊技中にも表示されてもよい。例えば、大当り遊技のエンディング演出中に説明表示が表示されてもよい。また、大当り遊技中のエンディング演出中に限らず、比較的余裕のある局面で説明表示が表示されてもよい。
図82は、装飾図柄表示装置208に表示される遊技説明の他の例を示す図である。
図81を用いて説明した説明表示は、特図の図柄変動が停止表示中に行われる例であったが、図82に示す例は、特図の図柄変動中に行われる例である。
図82(a)~同図(c)の制御状態(遊技状態)は、通常遊技状態(普図低確率状態)であり、いずれの装飾図柄表示装置208にも、中央上部に「左打ち」の文字が表示されている。
図82(a)では、特図の図柄変動中であり、装飾図柄表示装置208では装飾図柄の変動表示が画面中央に大きく表示されるとともに、左上にも変動中のミニ図柄が表示されている。また、変動アイコン表示領域2081には変動アイコンh10が表示されている。この例では、図81(f)を用いて説明した詳しい説明表示が、画面中央に大きく表示されている装飾図柄の変動表示の上に、左に向けて文字が流れていくテロップ状の表示2083が表示されている。
図82(b)では、同図(a)で行われていた特図の図柄変動が終了し、画面中央には装飾4-装飾1-装飾7」の装飾図柄の組み合わせが停止表示されている。また、表示領域の左上には、「装飾4-装飾1-装飾7」の装飾図柄の組み合わせがミニ図柄としても表示されている。なお、変動アイコンh10の表示は消えている。この図82(b)に示す装飾図柄表示装置208では、同図(a)で表示されていた説明表示の続きが表示されている。すなわち、テロップ状の表示2083が継続して表示されている。
図82(c)では、特図の図柄変動が開始されている。図82(c)に示す装飾図柄表示装置208では、装飾図柄の変動表示が画面中央に大きく表示されるとともに、左上にも変動中のミニ図柄が表示されている。また、保留アイコンがシフト表示され、変動アイコン表示領域2081には変動アイコンh10が表示されている。図82(c)に示す装飾図柄表示装置208では、同図(b)で表示されていた説明表示の続きが表示されている。すなわち、テロップ状の表示2083が継続して表示されている。
以上説明したように、複数変動に跨がって図柄変動中であっても図柄停止中であっても、説明表示(チュートリアル表示)が表示され続ける場合がある。
図82(d)~同図(f)の制御状態(遊技状態)も、通常遊技状態(普図低確率状態)であり、いずれの装飾図柄表示装置208にも、中央上部に「左打ち」の文字が表示されている。
図82(d)では、特図の図柄変動中であり、装飾図柄表示装置208では装飾図柄の変動表示が画面中央に大きく表示されるとともに、左上にも変動中のミニ図柄が表示されている。また、変動アイコン表示領域2081には変動アイコンh10が表示されている。この例では、図柄変動中に会話予告2084が開始されている。会話予告2084は、先読み予告の一種であり、登場するキャラクタによって大当りの信頼度が異なる。図82(d)に示す装飾図柄表示装置208には、大当りの信頼度が2番目に高いお姫様のキャラクタが登場し、本来であれば「チャンス」という文字表示が表示されるが、ここでは、図81(a)を用いて説明した説明表示が代わりに表示されている。
図82(e)では、同図(a)で行われていた特図の図柄変動が終了し、画面中央には装飾4-装飾1-装飾7」の装飾図柄の組み合わせが停止表示されている。また、表示領域の左上には、「装飾4-装飾1-装飾7」の装飾図柄の組み合わせがミニ図柄としても表示されている。なお、変動アイコンh10の表示は消えている。この図82(e)に示す装飾図柄表示装置208では、会話予告2084は消え、説明表示も消えている。
図82(f)では、特図の図柄変動が開始されている。図82(f)に示す装飾図柄表示装置208では、装飾図柄の変動表示が画面中央に大きく表示されるとともに、左上にも変動中のミニ図柄が表示されている。また、保留アイコンがシフト表示され、変動アイコン表示領域2081には変動アイコンh10が表示されている。図82(f)に示す装飾図柄表示装置208には、大当りの信頼度が最も高い殿様のキャラクタが登場し、本来であれば「激熱だよ」という文字表示が表示されるが、ここでは、図81(e)を用いて説明した説明表示が代わりに表示されている。
以上説明したように、説明表示は、会話予告の一部として表示される場合があってもよい。また、会話予告は、先読み予告ではなく、現在行われている図柄変動表示の予告であってもよい。さらに、説明表示が合わせて行われる予告の態様は、会話予告に限らず、ステップアップ予告やカットイン予告等であってもよい。
続いて、これまで説明した電動振分ユニット26を中心にした、遊技球の動きに変化を与える手段の変形例について説明する。以下の説明では、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明する。
図83は、図80に示す例の第1変形例を示す図である。ここでは、図80に示す例との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する場合がある。
図83に示す第1変形例では、図80に示す遊技球の動きに変化を与える手段から、遊技釘238が設けられた振分手前領域125が取り除かれている。このため、第1領域1241から、電動振分ユニット26の第1球経路2601までは分岐することなくつながっており、第1領域1241に進入した遊技球は、電動振分ユニット26の第1球経路2601に必ず進むことになる。また、第2領域1242から、電動振分ユニット26の第2球経路2602までは分岐することなくつながっており、第2領域1242に進入した遊技球は、電動振分ユニット26の第2球経路2602に必ず進むことになる。
また、図83に示す例では、第3球方向変化部263および第4球方向変化部264も取り除かれており、第3球経路2603も無くなっている。このため、第1球方向変化部261と第2球方向変化部262は横並びに設けられている。また、第1領域1241に進入した遊技球は、第1球方向変化部261において、第1球通路2681に向けられるか、アウト口241に向けられる。第2領域1242に進入した遊技球は、第2球方向変化部262において、第2球通路2682に向けられるか、アウト口242に向けられる。
図83に示す遊技球の動きに変化を与える手段でも、第1球方向変化部261において、遊技球は、50%の確率で第1球通路2681に向けられ、50%の確率でアウト口241に向けられる。第1球通路2681を流下してきた遊技球は、50%の確率で第1特図始動口230に向けられる。一方、第2球方向変化部262において、遊技球は、25%の確率で第2球通路2682に向けられ、75%の確率でアウト口242に向けられる。第2球通路2682を流下してきた遊技球は、100%の確率で第1特図始動口230に向けられる。よって、図83に示す遊技球の動きに変化を与える手段でも、遊技球が第1球経路2601を進んだ場合であっても第2球経路2602を進んだ場合であっても、遊技球が第1特図始動口230に向けられる確率は同じ(25%)である。図83に示す遊技球の動きに変化を与える手段は、図80に示す遊技球の動きに変化を与える手段に比べて、構成が簡単であり、遊技球の流れが遊技者によりわかりやすい。なお、図83に示す第1変形例でも、回転体ユニット28において、遊技球が第1特図始動口230に向けられた場合であっても、その遊技球は、第1特図始動口230に必ず入賞するとは限らず、第1特図始動口230から外れて、アウト口240に到達する場合もある。
図84は、図80に示す例の第2変形例を示す図である。ここでも、図80に示す例との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する場合がある。
図84に示す第2変形例では、振分手前領域125が存在し、第1領域1241に進入した遊技球は、右ルート125Rを最後まで進む場合と、途中から左ルート125Lあるいは中央ルート125Cに入り込む場合がある。また、第2領域1242に進入した遊技球は、左ルート125Lを最後まで進む場合と、途中から右ルート125Rあるいは中央ルート125Cに入り込む場合がある。
遊技球が中央ルート125Cを進んだ場合には、遊技球は、電動振分ユニット26の第3球経路2603に進入し、一般入賞口227に入賞する場合がある。一般入賞口227に入賞しなかった場合は、遊技球は第3球経路2603を進み、演出スイッチ269を通過した後、電動振分ユニット26から遊技領域124に排出される。
また、図84に示す遊技球の動きに変化を与える手段では、図80に示す遊技球の動きに変化を与える手段から、第1球方向変化部261および第2球方向変化部262が取り除かれている。
遊技球が右ルート125Rを進んだ場合には、電動振分ユニット26の第3球方向変化部263において、遊技球は、第1球通路2681に向けられるか、第3球経路2603に向けられる。遊技球が第1球通路2681に向けられた場合は、回転体ユニット28において、遊技球は、第1特図始動口230に向けられるか、アウト口240に向けられる。
遊技球が左ルート125Lを進んだ場合には、電動振分ユニット26の第4球方向変化部264において、遊技球は、第2球通路2682に向けられるか、第3球経路2603に向けられる。遊技球が第2球通路2682に向けられた場合は、回転体ユニット28において、遊技球は、第1特図始動口230に向けられる。
第3球方向変化部263あるいは第4球方向変化部264において、第3球経路2603に向けられた遊技球は、第3球経路2603の途中(一般入賞口227よりも下流側)から第3球経路2603を流下し、演出スイッチ269を通過した後、電動振分ユニット26から遊技領域124に排出される。
図84に示す遊技球の動きに変化を与える手段では、第3球方向変化部263において、遊技球は、50%の確率で第1球通路2681に向けられ、50%の確率で第3球経路2603に向けられる。第1球通路2681を流下してきた遊技球は、50%の確率で第1特図始動口230に向けられる。一方、第4球方向変化部264において、遊技球は、25%の確率で第2球通路2682に向けられ、75%の確率で第3球経路2603に向けられる。第2球通路2682を流下してきた遊技球は、100%の確率で第1特図始動口230に向けられる。よって、図84に示す遊技球の動きに変化を与える手段でも、遊技球が第1球経路2601を進んだ場合であっても第2球経路2602を進んだ場合であっても、遊技球が第1特図始動口230に向けられる確率は同じ(25%)である。図84に示す遊技球の動きに変化を与える手段も、図83に示す遊技球の動きに変化を与える手段と同じく、図80に示す遊技球の動きに変化を与える手段に比べて、構成が簡単であり、遊技球の流れが遊技者によりわかりやすい。なお、図84に示す第2変形例でも、回転体ユニット28において、遊技球が第1特図始動口230に向けられた場合であっても、その遊技球は、第1特図始動口230に必ず入賞するとは限らず、第1特図始動口230から外れて、アウト口240に到達する場合もある。
図85は、第3球方向変化部263および第1球方向変化部261の変形例を示す図である。
図85(a)に示す第3球方向変化部263の方向変化部材2631および第1球方向変化部261の方向変化部材2611はいずれも、樹脂製の固定部材に置き換えられている。この樹脂製の固定部材にも、右傾斜面263R,261Rと左傾斜面263L,261Lがそれぞれ設けられている。図85(a)に示す方向変化部材2631,2611は、回動するものではなく固定配置されたものであるが、図85(a)に示す右傾斜面263R,261Rは常に右下に向けて傾斜しており、左傾斜面263L,261Lは常に左下に向けて傾斜している。遊技球は、方向変化部材2631,2611との当り具合によって左方向に向けられたり、右方向に向けられたりする。
図85(b)に示す第3球方向変化部263の方向変化部材2631および第1球方向変化部261の方向変化部材2611はいずれも、樹脂製の3本の遊技釘に置き換えられている。これら樹脂製の3本の遊技釘239は、方向変化部材2631,2611のベース板2632,2612と一体成形されたものである。したがって、遊技釘の角度調節はできない。3本の遊技釘239は三角形の頂点に位置しており、遊技球は、これら3本の遊技釘239との当り具合によって左方向に向けられたり、右方向に向けられたりする。
なお、樹脂製の遊技釘に代えて金属製の遊技釘を用いてもよい。
また、図85を用いて説明した方向変化部材は、第3球方向変化部263と第1球方向変化部261のものであったが、第4球方向変化部264や第2球方向変化部262のものであってもよい。
図86は、振分手前領域125が変更された例を示す図である。以下、変更点を中心に説明する。
図86に示す振分手前領域125では、右ルート125Rと左ルート125Lの他に、第1中央ルート125C1と第2中央ルート125C2が用意されている。右ルート125Rは第1中央ルート125C1に分岐し、左ルート125Lは第2中央ルート125C2に分岐している。しかしながら、第1中央ルート125C1と第2中央ルート125C2は途中でつながっておらず、右ルート125Rを通過していた遊技球が左ルート125Lに入り込む場合もなければ、左ルート125Lを通過していた遊技球が右ルート125Rに入り込む場合もない。
図86に示す例でも、球通路1245は右ルート125Rにつながり、第2領域1242は左ルート125Lにつながっている。また、右ルート125Rは第1球経路2601につながり、左ルート125Lは第2球経路2602につながっている。第1中央ルート125C1は第3球経路2603につながり、第2中央ルート125C2は第4球経路2605につながっている。なお、第4球経路2605にも一般入賞口227が設けられている。第4球経路2605は、第4球方向変化部264が設けられた箇所で第3球経路2603に合流している。すなわち、第4球方向変化部264で右側に向けられた遊技球は第3球経路2603に進入し、第4球経路2605を通ってきた遊技球も第3球経路2603に進入し、第3球方向変化部263で左側に向けられた遊技球も第3球経路2603に進入する。
図87は、電動振分ユニット26における第3球経路2603の上流部分が変更された例を示す図である。以下、変更点を中心に説明する。
図87に示す第3球経路2603は、一般入賞口227に入賞する入賞ルート2603Wと、一般入賞口227には入賞せず一般入賞口227の左側を流下する左迂回ルート2603Lと、一般入賞口227には入賞せず一般入賞口227の右側を流下する右迂回ルート2603Rが設けられている。入賞ルート2603Wは、中央ルート125Cから直線的に進入した場合に進みやすいルートになる。
また、第1球経路2601と第2球経路2602は、第3球経路2603を挟んで横並びに設けられたものであったが、前後方向に重なるように設けられたものであってもよい。
以上の記載では、
『 遊技球の移動方向に変化を与える第一の球方向変化手段[例えば、図83に示す第1球方向変化部261]と、
遊技球の移動方向に変化を与える第二の球方向変化手段[例えば、図83に示す第2球方向変化部262]と、
を備え、
前記第一の球方向変化手段は、遊技球を第一のルート[例えば、アウト口(ここではアウト口241)に向かうルートあるいは電動振分ユニット26の内部に設けられた経路2604を通るルート]へ向かわす第一の状態[例えば、方向変化部材2611が左向け姿勢の状態]に変更可能な手段であり、
前記第一の球方向変化手段は、遊技球を第二のルート[例えば、誘導口(ここでは第1誘導口2613)に向かうルートあるいは始動口側誘導路288を通るルート]へ向かわす第三の状態[例えば、方向変化部材2611が右向け姿勢の状態]に変更可能な手段であり、
前記第二の球方向変化手段は、遊技球を前記第一のルート[例えば、アウト口(ここではアウト口242)に向かうルートあるいは電動振分ユニット26の内部に設けられた経路2604を通るルート]へ向かわす第二の状態[例えば、方向変化部材2621が左向け姿勢の状態]に変更可能な手段であり、
前記第二の球方向変化手段は、遊技球を前記第二のルート[例えば、誘導口(ここでは第2誘導口2623)に向かうルートあるいは始動口側誘導路288を通るルート]へ向かわす第四の状態[例えば、方向変化部材2621が右向け姿勢の状態]に変更可能な手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
遊技球が2つの球方向変化手段のどちらに向かっても2つのルートのいずれかを通過する可能性があるため、それぞれの球方向変化手段が変化させる遊技球の転動態様を遊技者が見て楽しめ、一方の球方向変化手段が汚れて狙ったルートに遊技球が向かい難くても他方の球方向変化手段へ遊技球が向かうことに期待して遊技することができる。
なお、前記第一のルートはアウト口から遊技板の裏側に延びるルートであってもよい。この第一のルートは、遊技者から視認不能なルートであってもよい。
また、前記第二のルートは、第五の球方向変化手段(例えば、回転体ユニット28)へ向かうルート(第1球通路2681,第2球通路2682)であってもよい。あるいは、前記第二のルートは、入賞手段に向かうルートであってもよい。この第二のルートは、少なくとも一部が遊技者から視認可能なルートであってもよい。なお、前記第二のルートを通過すると前記入賞手段に必ず入賞してもよいし、該第二のルートを通過しても該入賞手段に入賞しない場合があってもよい。
また、
『 前記第二のルートは、前記第一のルートよりも遊技球が通過することで遊技者が有利になりやすいルート[例えば、賞球を獲得することができる、より多くの賞球を獲得できる、始動入賞を得ることができる等]である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『前記第一のルートは、アウト口[例えば、アウト口241,242]に向かうルートである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記第一のルートは、アウト口[例えば、アウト口241,242]から延びたルートであってもよい。
また、
『 前記第二のルートは、入賞領域[例えば、第1特図始動口230]に向かうルートである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記第二のルートと前記入賞領域との間には遊技釘[例えば、金属製の遊技釘238]が設けられていなくてもよい。
また、
『 前記第一の球方向変化手段と前記第二の球方向変化手段は、横並びに設けられたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 発射手段[例えば、発射装置110]と、
前記第一の球方向変化手段よりも上流側に設けられた第一の領域[例えば、図83に示す第1領域1241]と、
前記第二の球方向変化手段よりも上流側に設けられた第二の領域[例えば、図83に示す第2領域1242]と、
を備え、
前記第一の球方向変化手段は、前記第一の領域を通過した遊技球が到達する手段であり、
前記第二の球方向変化手段は、前記第二の領域を通過した遊技球が到達する手段であり、
前記発射手段によって、前記第一の領域と前記第二の領域のいずれかの領域に遊技球を発射可能である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
遊技者が好みの球方向変化手段に遊技球を通過させることを狙って遊技球を発射して遊技を行ったり、遊技中に狙う球方向変化手段を適宜変更して遊技することが可能になる。
なお、前記第一の球方向変化手段は、前記第一の領域を通過した遊技球が必ず到達する手段であってもよい。
また、前記第二の球方向変化手段は、前記第二の領域を通過した遊技球が必ず到達する手段であってもよい。
また、
『 前記第一の領域と前記第一の球方向変化手段との間には遊技釘[例えば、金属製の遊技釘238]が設けられておらず、
前記第二の領域と前記第二の球方向変化手段との間にも遊技釘[例えば、金属製の遊技釘238]が設けられていない、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第二のルートを備え、該第二のルート[例えば、始動口側誘導路288を通るルート]へ遊技球を向かわす場合と、該第二のルート以外のルート[例えば、アウト排出面289を通るルート]へ遊技球を向かわす場合とがある第五の球方向変化手段[例えば、回転体ユニット28]と、
前記第一の球方向変化手段によって前記第二のルートへ向かわされた遊技球が前記第五の球方向変化手段へ向けて流下する第一の球通路[例えば、第1球通路2681]と、
前記第二の球方向変化手段によって前記第二のルートへ向かわされた遊技球が前記第五の球方向変化手段へ向けて流下する第二の球通路[例えば、第2球通路2682]と、
を備えたことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第一の球通路は、遊技釘[例えば、金属製の遊技釘238]が設けられていないものであり、
前記第二の球通路も、遊技釘[例えば、金属製の遊技釘238]が設けられていないものであり、
前記第一の球通路と前記第五の球方向変化手段との間にも遊技釘[例えば、金属製の遊技釘238]が設けられておらず、
前記第二の球通路と前記第五の球方向変化手段との間にも遊技釘[例えば、金属製の遊技釘238]が設けられていない、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
以上の記載では、
『 遊技球の移動方向に変化を与える第一の球方向変化手段[例えば、第1球方向変化部261]と、
遊技球の移動方向に変化を与える第二の球方向変化手段[例えば、第2球方向変化部262]と、
を備え、
前記第一の球方向変化手段は、遊技球を第二のルート[例えば、誘導口(ここでは第1誘導口2613)に向かうルートあるいは始動口側誘導路288を通るルート]へ向かわす状態に第一の割合[例えば、50%]で変更可能な手段であり、
前記第二の球方向変化手段は、遊技球を前記第二のルート[例えば、誘導口(ここでは第2誘導口2623)に向かうルートあるいは始動口側誘導路288を通るルート]へ向かわす状態に第二の割合[例えば、25%]で変更可能な手段であり、
前記第一の割合は、前記第二の割合より高い割合であり、
前記第二のルート[例えば、誘導口に向かうルートあるいは始動口側誘導路288を通るルート]は、前記第一の球方向変化手段を経由した遊技球[例えば、50%の確率で始動口側誘導路288を通るルーを通過]よりも、前記第二の球方向変化手段を経由した遊技球[例えば、100%の確率で始動口側誘導路288を通るルートを通過]の方が通過しやすいルートである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
遊技者がそれぞれの球方向変化手段が変化させる遊技球の転動態様を見て楽しめ、一方の球方向変化手段が汚れて狙ったルートに遊技球が向かい難くても他方の球方向変化手段へ遊技球が向かうことに期待して遊技することができる。
なお、上記遊技台では、前記第二の球方向変化手段を経由して前記第二のルートへ向かう遊技球が、前記第一の球方向変化手段を経由して該第二のルートへ向かう遊技球よりも該第二のルートを通過しやすくなるように構成されている。
前記第二のルートは、第五の球方向変化手段(例えば、回転体ユニット28)へ向かうルート(第1球通路2681,第2球通路2682)であってもよい。
また、前記第一の球方向変化手段よりも上流側に設けられた第三の球方向変化手段[例えば、第3球方向変化部263]を備え、前記第一の球方向変化手段[例えば、第1球方向変化部261]は、前記第三の球方向変化手段を通過した遊技球が通過する場合がある手段であってもよい。また、前記第二の球方向変化手段よりも上流側に設けられた第四の球方向変化手段[例えば、第4球方向変化部264]を備え、前記第二の球方向変化手段[例えば、第2球方向変化部262]は、前記第四の球方向変化手段を通過した遊技球が通過する場合がある手段であってもよい。さらに、前記第一の球方向変化手段は、前記第四の球方向変化手段を通過した遊技球は通過することがない手段であり、前記第二の球方向変化手段は、前記第三の球方向変化手段を通過した遊技球が通過することがない手段であってもよい。
また、
『 前記第一の球方向変化手段から前記第二のルートまでの距離[例えば、第1球通路2681の長さを含む距離]と、前記第二の球方向変化手段から該第二のルートまでの距離[例えば、第2球通路2682の長さを含む距離]とが異なる[例えば、第1球通路2681よりも第2球通路2682の方が長いことにより異なる]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
遊技球が前記第二のルートへ向かうまでの時間や転動態様を2つの球方向変化手段ごとに楽しめる。
また、
『 前記第一の球方向変化手段から前記第二のルートまでの間に設けられた、遊技球の移動速度を遅くさせることが可能な第一の遅延手段[例えば、1つの減速リブr1と遅延手段d1と複数の減速リブr2]と、
前記第二の球方向変化手段から前記第二のルートまでの間に設けられた、遊技球の移動速度を遅くさせることが可能な第二の遅延手段[例えば、1つの減速リブr3と遅延手段d2]と、
を備え、
前記第一の遅延手段の数と前記第二の遅延手段の数が異なる、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第二のルート[例えば、始動口側誘導路288を通るルート]へ遊技球を向かわす場合と、該第二のルート以外のルート[例えば、アウト排出面289を通るルート]へ遊技球を向かわす場合とがある第五の球方向変化手段[例えば、回転体ユニット28]を備え、
前記第五の球方向変化手段は、前記第一の球方向変化手段[例えば、第1球方向変化部261]を経由した遊技球を、前記第二のルートへ向かわす場合[例えば、遊技球が一対の傾斜板2833、2834に落下した場合]もあれば、該第二のルート以外のルートへ向かわす場合[例えば、遊技球が球受入口2831、2832に落下した場合]もある手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記第五の球方向変化手段は、前記第二の球方向変化手段[例えば、第2球方向変化部262]を経由した遊技球を、前記第二のルートへ向かわす手段であってもよい。
また、前記第二のルートへ遊技球を誘導する場合と、該第二のルート以外のルートへ遊技球を誘導する場合とがある誘導手段[例えば、回転体ユニット28]を備え、前記誘導手段は、前記第一の球方向変化手段を経由した遊技球を、前記第二のルートへ誘導する場合もあれば、該第二のルート以外のルートへ誘導する場合もある手段であってもよい。さらに、前記誘導手段は、前記第二の球方向変化手段を経由した遊技球を、前記第二のルートへ誘導する手段であってもよい。
また、
『 請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記第二のルートを通過した遊技球を検出可能な第二の検出手段[例えば、図78(d)に示す球検出センサ2841]を備えたことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第二の検出手段へ向かう遊技球の転動態様を楽しむことができる。
また、前記第一の球方向変化手段が、遊技球を前記第二のルートへ向かわす状態であっても、遊技球が該第二のルートを必ず通過するとは限らず、前記第二の検出手段を設けておくことで、遊技球の該第二のルートの通過を遊技者に報知(例えば、入賞による賞球の払出しや、払出し音の出力)することができる場合がある。
また、
『 前記第一の球方向変化手段は、遊技球を第一のルート[例えば、アウト口(ここではアウト口241)に向かうルートあるいは電動振分ユニット26の内部に設けられた経路2604を通るルート]へ向かわす状態[例えば、図79(c)に示す方向変化部材2611が左向け姿勢の状態]に変更可能な手段であり、
前記第二の検出手段は、前記第一のルートを通過した遊技球を検出不可能な手段である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
不正行為を目的とした特殊な球(糸付き球、油付き球、小球など)が前記第一のルートを通過した場合に該特殊な球が前記第二の検出手段に検出されないため、該第一のルートを通過した後の領域の傷や汚れによって不正行為の形跡を遊技台の点検時に確認し易くできる場合がある。
なお、前記第二のルートは、前記第一のルートよりも遊技球が通過することで遊技者が有利になりやすいルートであってもよい。
また、前記第一のルートを通過した遊技球を検出可能な第一の検出手段[例えば、アウトセンサ]を備えた態様であってもよく、さらに、前記第一の検出手段は、前記第二のルートを通過した遊技球を検出不可能な手段であってもよい。こうすることで、不正行為を目的とした特殊な球(糸付き球、油付き球、小球など)が前記第二のルートを通過した場合に該特殊な球が前記第一の検出手段に検出されないため、該第二のルートを通過した後の領域の傷や汚れによって不正行為の形跡を遊技台の点検時に確認し易くできる場合がある。なお、第一の検出手段は、電動振分ユニット26の内部に設けられた経路2604の出口端に設けられたものであってもよいし、遊技盤200裏側におけるアウト球が集合する樋に設けられたものであってもよい。
また、
『 前記第一の球方向変化手段が遊技球を前記第二のルートへ向かわす状態にあるときに前記第二の球方向変化手段も遊技球を該第二のルートへ向かわす状態にある場合がある[例えば、図79(a),(b),(d)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
いずれの球方向変化手段を遊技球が経由したとしても前記第二のルートへ遊技球を向かわせることができる場合がある。
なお、第一の或るタイミングにおいて、前記第一の球方向変化手段の状態と前記第二の球方向変化手段の状態が、遊技球を前記第二のルートへ向かわす状態になってもよい。
また、
『 発射手段[例えば、発射装置110]と、
前記第一の球方向変化手段よりも上流側に設けられた第一の領域[例えば、第1領域1241]と、
前記第二の球方向変化手段よりも上流側に設けられた第二の領域[例えば、第2領域1242]と、
を備え、
前記第一の球方向変化手段は、前記第一の領域を通過した遊技球が到達する場合がある手段であり、
前記第二の球方向変化手段は、前記第二の領域を通過した遊技球が到達する場合がある手段であり、
前記発射手段によって、前記第一の領域と前記第二の領域のいずれかの領域に遊技球を発射可能である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
遊技者が好みの球方向変化手段に遊技球を通過させることを狙って遊技球を発射して遊技を行ったり、遊技中に狙う球方向変化手段を適宜変更して遊技することが可能になる。
また、
『 前記第一の領域を通過した遊技球が前記第一の球方向変化手段にも前記第二の球方向変化手段にも到達しない場合[例えば、第3球経路2603を通過する場合]があるように構成され、
前記第二の領域を通過した遊技球が前記第一の球方向変化手段にも前記第二の球方向変化手段にも到達しない場合[例えば、第3球経路2603を通過する場合]があるように構成されている、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
以上の記載では、
『 遊技球の移動方向に変化を与える第三の球方向変化手段[例えば、第3球方向変化部263]と、
遊技球の移動方向に変化を与える第四の球方向変化手段[例えば、第4球方向変化部264]と、
遊技球が通過可能な第四のルート[例えば、中央ルート125C]と、
を備え、
前記第三の球方向変化手段は、遊技球を第三のルート[例えば、第3球経路2603のうち、一般入賞口227よりも下流側のルート]へ向かわす状態[例えば、図79(d)に示す方向変化部材2631の状態]に変更可能な手段であり、
前記第四の球方向変化手段は、遊技球を前記第三のルートへ向かわす状態[例えば、図79(d)に示す方向変化部材2641の状態]に変更可能な手段であり、
前記第四のルートは、前記第三の球方向変化手段および前記第四の球方向変化手段のいずれの球方向変化手段も経由しない遊技球が通過可能なルートであり、
前記第三のルートは、前記第四のルートを通過した遊技球が到達可能なルートである、ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
遊技球が2つの球方向変化手段のいずれかを経由してもしなくても前記第三のルートへ向かうため、該第三のルートまでの遊技球の転動態様を、それぞれの球方向変化手段が変化させる様を遊技者が見て楽しめる場合があり、それぞれの球方向変化手段を経由しない遊技球の転動態様も遊技者が見て楽しめる場合がある。
また、
『 前記第三のルートは、前記第四のルートを通過した遊技球が到達しない場合[例えば、一般入賞口227に入賞してしまう場合]もあるルートである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第四のルートを経由後の遊技球の転動態様を楽しめる場合がある。
また、
『 前記第四のルートと前記第三のルートの間に設けられた進入口[例えば、一般入賞口227]を備え、
前記進入口は、前記第四のルートを通過した遊技球が進入する場合がある、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第四のルートを経由後の遊技球の転動態様を楽しめる場合がある。
なお、前記進入口とは、遊技球が進入すると抽選が行われる進入口(特図始動口又は普図始動口)であってもよいし、遊技球が進入すると賞球が発生する進入口(入賞口)であってもよいし、遊技球が進入しても賞球が発生しない進入口(アウト口)であってもよい。
また、前記進入口に進入して該進入口を通過した遊技球が前記第三のルートへ向かう場合があってもよい。すなわち、前記進入口は、ゲートタイプのものであってもよい。
また、前記第四のルートと前記第三のルートの間に、複数個の進入口が設けられていてもよいし、複数種類の進入口が設けられていてもよい。
また、
『 前記第四のルートと前記第三のルートの間に複数のルート[例えば、第1球経路2601と第2球経路2602]を備えたことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第四のルートを経由後の遊技球の転動態様を楽しめる場合がある。
また、
『 前記第三の球方向変化手段よりも上流側に設けられた第一の領域[例えば、第1領域1241]を備え、
前記第三の球方向変化手段は、前記第一の領域を通過した遊技球が到達する場合[例えば、右ルート125Rを最後まで進む場合]がある手段であり、
前記第四のルートは、前記第一の領域を通過した遊技球が到達する場合[例えば、右ルート125Rの途中から入り込む場合]があるルートである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第三のルートまでに遊技球がどこを経由するのかについて遊技者が楽しめる場合がある。
また、
『 前記第四の球方向変化手段よりも上流側に設けられた第二の領域[例えば、第2領域1242]を備え、
前記第四の球方向変化手段は、前記第二の領域を通過した遊技球が到達する場合[例えば、左ルート125Lを最後まで進む場合]がある手段であり、
前記第四のルートは、前記第二の領域を通過した遊技球が到達する場合[例えば、左ルート125Lの途中から入り込む場合]があるルートである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第三のルートまでに遊技球がどこを経由するのかについて遊技者が楽しめる場合がある。
また、
『 前記第三の球方向変化手段よりも下流側に設けられた第一の球方向変化手段[例えば、第1球方向変化部261]を備え、
前記第一の球方向変化手段は、前記第三の球方向変化手段を通過した遊技球が通過する場合がある手段であり[例えば、図79(a),(b),(c)]、
前記第一の球方向変化手段は、前記第三のルートへ向かう遊技球は通過しない手段である[例えば、図79(d)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第四の球方向変化手段よりも下流側に設けられた第二の球方向変化手段[例えば、第2球方向変化部262]を備え、
前記第二の球方向変化手段は、前記第四の球方向変化手段を通過した遊技球が通過する場合がある手段であり[例えば、図79(a),(b),(c)]、
前記第二の球方向変化手段は、前記第三のルートへ向かう遊技球は通過しない手段である[例えば、図79(d)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第一の球方向変化手段は、遊技球を第一のルート[例えば、アウト口(ここではアウト口241)に向かうルート]へ向かわす状態に変更可能な手段であり、
前記第一の球方向変化手段は、遊技球を第二のルート[例えば、始動口側誘導路288を通るルート]へ向かわす状態に変更可能な手段であり、
前記第二の球方向変化手段は、遊技球を前記第一のルート[例えば、アウト口(ここではアウト口242)に向かうルート]へ向かわす状態に変更可能な手段であり、
前記第二の球方向変化手段は、遊技球を前記第二のルート[例えば、始動口側誘導路288を通るルート]へ向かわす状態に変更可能な手段であり、
前記第一のルートは、アウト口[例えば、アウト口241,242]に向かうルートであり、
前記第二のルートは、入賞領域[例えば、第1特図始動口230]に向かうルートであり、
前記第三のルートは、遊技釘[例えば、遊技釘238]が設けられた領域[例えば、透明な遊技板201のうちの一部の領域]に向かうルートである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記第一のルートは、アウト口[例えば、アウト口241,242]から延びたルート[例えば、電動振分ユニット26の内部に設けられた経路2604を通るルート]であってもよい。前記第二のルートは、第五の球方向変化手段(例えば、回転体ユニット28)へ向かうルート(誘導口(第1誘導口2613, 第2誘導口2623)に向かうルートであったり、第1球通路2681,第2球通路2682)であってもよい。前記第三のルートは、遊技領域[例えば、遊技領域124]に向かうルートであってもよい。また、前記第三のルートを通過した遊技球が、遊技領域[例えば、透明な遊技板201のうちの一部の領域]に設けられた進入口[例えば、一般入賞口226]に到達する場合があるように構成されていてもよいし、遊技領域[[例えば、透明な遊技板201のうちの一部の領域]に設けられたアウト口[例えば、アウト口240]に到達する場合があるように構成されていてもよい。
以上の記載では、
『 第一の発射強度[例えば、相対的に強い発射強度]で遊技球が発射された場合に遊技球が進入しやすい第一の領域[例えば、第1領域1241]と、
第二の発射強度[例えば、相対的に弱い発射強度]で遊技球が発射された場合に遊技球が進入しやすい第二の領域[例えば、第2領域1242]と、
前記第一の領域から進入した遊技球が通過可能な第一の振分手段[例えば、第1球方向変化部261]と、
前記第二の領域から進入した遊技球が通過可能な第二の振分手段[例えば、第2球方向変化部262]と、
を備え、
前記第一の振分手段は、遊技球を第一の方向[例えば、右方向(第1球通路2681の方向)]に振り分ける場合があるものであり、
前記第二の振分手段は、遊技球を第二の方向[例えば、右方向(第2球通路2682の方向)]に振り分ける場合があるものであり、
前記第一の振分手段が遊技球を前記第一の方向に振り分ける場合[例えば、50%の確率で生じる]の方が前記第二の振分手段が遊技球を前記第二の方向に振り分ける場合[例えば、25%の確率で生じる]よりも生じやすいものの、前記第二の方向[例えば、100%の確率で入賞]は前記第一の方向[例えば、50%の確率で入賞]よりも或る入賞手段[例えば、第1特図始動口230]に入賞しやすい方向である、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
この遊技台によれば、遊技者が、前記第一の領域を狙うか、前記第二の領域を狙うかを任意に選択することができる。また、前記或る入賞手段に入賞しやすい方向に振り分けされにくいが、振り分けられた場合には高確率で入賞する第二のルートと、該或る入賞手段に入賞しやすい方向に振り分けされやすいが、前記第二のルートよりも該或る入賞手段に入賞しにくい第一のルートとを、遊技者の好みによって選択することができる。
なお、前記第一の振分手段は、遊技球を前記第一の方向とは異なる方向[例えば、左方向(アウト口241の方向)]に振り分ける場合があるものであってもよい。
また、前記第二の振分手段は、遊技球を前記第二の方向とは異なる方向[例えば、左方向(アウト口242の方向)]に振り分ける場合があるものであってもよい。
また、
『 前記第一の領域は、或る遊技状態[例えば、通常状態]で推奨される打ち方で発射された遊技球が進入する場合がある領域であり、
前記第二の領域は、前記或る遊技状態[例えば、通常状態]で推奨される打ち方で発射された遊技球が進入する場合がある領域である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、或る遊技状態で推奨される打ち方で発射された遊技球は、前記第一の領域または前記第二の領域に進入する場合がある。言い換えれば、或る遊技状態で推奨される打ち方を実行すれば、前記第一の領域または前記第二の領域に遊技球を進入させることが可能である。
前記或る遊技状態という共通の遊技状態において遊技者が前記第一の領域または前記第二の領域を選択することができる。すなわち、一つの遊技状態において遊技者が任意にルートを選択することができる。
また、
『 前記第一の領域に進入した遊技球が前記第一の振分手段に到達[例えば、第1球経路2601→第3球方向変化部263→第1球経路2601→第1球方向変化部261]する前に通過する第三の領域[例えば、振分手前領域125]を備え、
前記第三の領域は、前記第二の領域に進入した遊技球が前記第二の振分手段に到達[例えば、第2球経路2602→第4球方向変化部264→第2球経路2602→第2球方向変化部262]する前に通過する領域でもあり、
前記第一の領域に進入した遊技球が前記第三の領域から前記第二の振分手段に到達[例えば、第2球経路2602→第4球方向変化部264→第2球経路2602→第2球方向変化部262]する場合があり、
前記第二の領域に進入した遊技球が前記第三の領域から前記第一の振分手段に到達[例えば、第1球経路2601→第3球方向変化部263→第1球経路2601→第1球方向変化部261]する場合がある、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記第一の領域を通過した遊技球が前記第三の領域において、(第一の振分手段ではなく)第二の振分手段に向かうように方向変化する場合があり、前記第二の領域を通過した遊技球が前記第三の領域において(前記第二の振分手段ではなく)前記第一の振分手段に向かうように方向変化する場合がある。
一方の領域を選択しながらも遊技球の転動方向が偶発的に変化して、他方の領域に進入した場合と同じ遊技球の流れを確認することができる場合がある。
また、
『 前記第一の領域と前記第二の領域は隣合った領域[例えば、左右方向に隣合った領域]であり、
前記第一の発射強度で発射された遊技球が前記第二の領域に進入する場合があり、
前記第二の発射強度で発射された遊技球が前記第一の領域に進入する場合がある、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
一方の領域を狙いながらも遊技球の転動方向が偶発的に変化して、他方の領域を狙った場合と同じ遊技球の流れを確認することができる場合がある。
また、
『 前記或る入賞手段[例えば、第1特図始動口230]の手前に設けられた第五の振分手段[例えば、回転体ユニット28]を備え、
前記第五の振分手段は、前記第一の振分手段によって前記第一の方向に振り分けられた遊技球[例えば、第1球通路2681を流下する遊技球]が通過する手段であり、
前記第五の振分手段は、前記第二の振分手段によって前記第二の方向に振り分けられた遊技球[例えば、第2球通路2682を流下する遊技球]が通過する手段であり、
前記第二の振分手段によって前記第二の方向に振り分けられた遊技球[例えば、始動口側誘導路288へ100%到達]が、前記第一の振分手段によって前記第一の方向に振り分けられた遊技球[例えば、始動口側誘導路288へ50%の確率で到達]よりも、前記第五の振分手段によって前記或る入賞手段に誘導[例えば、始動口側誘導路288を通過]されやすい、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記或る入賞手段の手前に設けられた誘導手段[例えば、回転体ユニット28]を備え、前記誘導手段は、前記第一の振分手段によって前記第一の方向に振り分けられた遊技球[例えば、第1球通路2681を流下する遊技球]が通過する手段であり、前記誘導手段は、前記第二の振分手段によって前記第二の方向に振り分けられた遊技球[例えば、第2球通路2682を流下する遊技球]が通過する手段であり、前記第二の振分手段によって前記第二の方向に振り分けられた遊技球[例えば、始動口側誘導路288へ100%到達]が、前記第一の振分手段によって前記第一の方向に振り分けられた遊技球[例えば、始動口側誘導路288へ50%の確率で到達]よりも、前記誘導手段によって前記或る入賞手段に誘導[例えば、始動口側誘導路288を通過]されやすくなるように構成されていてもよい。前記誘導手段は、前記第一の振分手段によって前記第一の方向に振り分けられた遊技球よりも、記第二の振分手段によって前記第二の方向に振り分けられた遊技球の方を、前記或る入賞手段に誘導しやすいものである。
また、前記誘導手段が前記第一の振分手段によって前記第一の方向に振り分けられた遊技球を前記或る入賞手段に誘導する確率よりも、該誘導手段が前記第二の振分手段によって前記第二の方向に振り分けられた遊技球を該或る入賞手段に誘導する確率の方が高い。すなわち、前記誘導手段から前記或る入賞手段に入賞する確率は、前記第一の振分手段によって前記第一の方向に振り分けられた遊技球よりも前記第二の振分手段によって前記第二の方向に振り分けられた遊技球の方が高い。
最終的には前記誘導手段に注目すれば良いため、複数のルートを備えていても遊技者にとって分かりやすく入賞ルートを見せることができる。
また、
『 前記第一の領域に遊技球を進入させた遊技者の有利度と、前記第二の領域に遊技球を進入させた遊技者の有利度は変わらない[例えば、遊技球が第1特図始動口230に向けられる確率はいずれも25%で同じ]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第一の振分手段の振り分けの制御設計および前記第二の振分手段の振り分けの制御設計と、前記第一の振分手段近辺および前記第二の振分手段近辺それぞれに釘が存在しない点で設計上は同じであるが個体差による微差ができる場合がある。しかし、遊技者が体感できるほどではない。
なお、前記第一の領域に進入した遊技球が前記或る入賞手段に入賞する確率と、前記第二の領域に進入した遊技球が該或る入賞手段に入賞する確率が同じであってもよい。ここにいう同じとは、極めて稀な事象が生じることを考慮すると、ほぼ同じという意味になる。すなわち、実質的に同じを含む意味である。
また、
『 表示手段[例えば、装飾図柄表示装置208]を備え、
前記表示手段は、前記第一の領域および前記第二の領域の少なくとも一方に関する説明表示を表示する手段である[例えば、図81(a)、(b)、(d)~(f)]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記表示手段は、前記第一の領域に遊技球を進入させた遊技者の有利度と、前記第二の領域に遊技球を進入させた遊技者の有利度は変わらないことに関する説明表示[例えば、図81(b)に示す説明表示]を表示するものであってもよい。
また、前記表示手段は、前記第一の場合の方が前記第二の場合よりも生じやすいものの、前記第二の方向は前記第一の方向よりも或る入賞手段に入賞しやすい方向であることに関する説明表示[例えば、図81(f)に示す説明表示]を表示するものであってもよい。
また、前記表示手段は、前記第一の領域および前記第二の領域の両方に関する説明表示を表示するものであってもよいし[例えば、図81(f)に示す説明表示]、該第一の領域および該第二の領域のうち、該第一の領域のみに関する説明表示[例えば、図81(d)に示す説明表示]を表示するものであってもよいし、該第二の領域のみに関する説明表示[例えば、図81(e)に示す説明表示]を表示するものであってもよい。
なお、前記第一の領域と前記第一の振分手段との間に配置され、該第一の領域から進入した遊技球が通過可能な第三の振分手段[例えば、第3球方向変化部263]を備えていてもよい。前記第三の振分手段は、遊技球を、前記第一の振分手段に向かう方向と、そうでない方向に振り分けるものであってもよい。また、前記第二の領域と前記第二の振分手段との間に配置され、該第二の領域から進入した遊技球が通過可能な第四の振分手段[例えば、第4球方向変化部264]を備えていてもよい。前記第四の振分手段は、遊技球を、前記第二の振分手段に向かう方向と、そうでない方向に振り分けるものであってもよい。前記第三の振分手段や前記第四の振分手段を設けることで、前記或る入賞手段に向かう遊技球の量を微調整することができる。
また、第1特図始動口230の近傍に、他の入賞領域(例えば、第2特図始動口232)を設け、始動口側誘導路288と、第1特図始動口230および他の入賞領域との間に、新たな振分装置(例えば、後述する図92(b)及び(c)に示す振分ユニット291)を設けてもよい。この新たな振分装置によって、第1特図始動口230と、他の入賞領域との間でさらに振り分けを行うようにしてもよい。また、第1特図始動口230に代えてV入賞領域を設け、始動口側誘導路288とV入賞領域との間に設けた新たな振分装置によって、V入賞領域とそれ以外の領域(例えば、アウト口)の間でさらに振り分けを行うようにしてもよい。また、第1特図始動口230に代えて第1大入賞口を設け、始動口側誘導路288と第1大入賞口との間に設けた新たな振分装置によって、第1大入賞口とそれ以外の領域(例えば、第2大入賞口)の間でさらに振り分けを行うようにしてもよい。ここで、第1大入賞口を通過するとV入賞のチャンスがあるが、第2大入賞口を通過してもV入賞のチャンスはない態様であってもよい。さらに、第1特図始動口230に代えて大入賞口を設け、始動口側誘導路288と大入賞口との間に設けた新たな振分装置によって、大入賞口とそれ以外の領域(例えば、一般入賞口)の間でさらに振り分けを行うようにしてもよい。ここにいう一般入賞口は、大当り遊技時に大入賞口への入賞とは別に賞球数を増やす一般入賞口に相当する。
また、いわゆる2種の機種における羽根役物に適用することも可能である。すなわち、一方向に可動する第1可動部材(例えば、左側に開く左羽根部材)と他方向に可動する第2可動部材(例えば、右側に開く右羽根部材)を備えた役物(例えば、一対の羽根部材)のうち、第1可動部材が可動して遊技球の進入が可能になる領域を第1領域1241とし、第2可動部材が可動して遊技球の進入が可能になる領域を第2領域1242とする。そして、第1特図始動口230に代えてV入賞領域を設ける。こうすることで、第1可動部材と第2可動部材を備えた役物が可動する遊技状態において、第1可動部材の可動を狙えば、高確率で回転体ユニット28までは誘導されるがV入賞領域への入賞は低確率になり、第2可動部材の可動を狙えば、回転体ユニット28への誘導は低確率になるがV入賞領域への入賞は高確率になる。ただし、遊技球が、第1領域1241に進入して第1球経路2601を進んだ場合であっても、第2領域1242に進入して第2球経路2602を進んだ場合であっても、遊技球がV入賞領域に向けられる確率は同じである。
電動振分ユニット26には遊技釘は設けられておらず、回転体ユニット28にも遊技釘は設けられていない。また、始動口側誘導路288の出口開口2881と第1特図始動口230との間にも遊技釘は設けられていない。したがって、第1球経路2601→第3球方向変化部263→第1球方向変化部261→第1球通路2681→回転体ユニット28→第1特図始動口230といったルートには、遊技釘は設けられていないことになる。また、第2球経路2602→第4球方向変化部264→第2球方向変化部262→第2球通路2682→回転体ユニット28→第1特図始動口230といったルートにも、遊技釘は設けられていないことになる。なお、図76に示すように、振分手前領域125には遊技釘が設けられているが、遊技釘があっても結局は、第3球方向変化部263か第4球方向変化部264に誘導されれば、どちらのルートを通過しようが、遊技球が第1特図始動口230に向けられる確率は同じであるため、遊技者が安心して遊技を行うことができる構造であるといえる。また、電動振分ユニット26を透明板部材118(図73参照)越しに叩いたとしても、各球方向変化部における遊技球の方向変化に影響はない。さらに、回転体ユニット28を透明板部材118越しに叩いたとしても、回転体ユニット28における遊技球の誘導にも影響はない。これらのことから、遊技者の叩く行為は無意味であり、このことがわかった遊技者が叩くことを止めることに、期待をすることができる。
続いて、第3球経路2603の、方向変化部材2631,2641によって遊技球が入り込んでくる位置よりも上流側の位置に設けられた一般入賞口227について詳述する。
図88(a)は、第3球経路2603を上下方向に断面したときの部分拡大斜視図であるが、切断面のハッチングは省略している。この図88(a)では、紙面右手前側が前側になり、紙面左奥側が後側になる。また、図89は、第3球経路2603を上下方向に断面したときの部分拡大側面図であるが、切断面のハッチングは省略している。この図89では、紙面右側が前側になり、紙面左側が後側になる。
図88及び図89に示すように、第3球経路2603には遊技釘は設けられていない。図88及び図89には、中央ルート125C(図89参照)の終端に接続した第3球経路2603の入口2603sが示されている。入口2603sは、前面壁2603f部分が後側に向けて下方へ傾斜するとともに、後面壁2603b部分が前側に向けて下方へ傾斜し、遊技球は、第3球経路2603における前後方向中間位置側へ案内される。
また、図88及び図89には、電動振分ユニット26の第3球経路2603を形成する前面壁2603fと後面壁2603bも示されている。一般入賞口227は、後面壁2603bに設けられた開口である。すなわち、一般入賞口227は、後側(奥側)に向かって開口したものである。一般入賞口227を画定する縁のうち、上端部分227aは下方へ突出している。また、一般入賞口227は、斜め上方を向いて開口したものであるともいえる。
図88(b)は、第3球経路2603の入口2603s部分を水平方向に断面したときの第3球経路2603の断面形状を示す図である。
この図88(b)では、図の上方が前側になり図の下方が後側になる。図88に示すように、後面壁2603bにおける、入口2603sと一般入賞口227との間の部分には、上下方向に延び前方に突出した突条部2603tが形成されている。図88(b)には、遊技球Bを実線と1点鎖線で示している。実線で示した遊技球Bは、突条部2603tに接触した状態の遊技球Bである。一方、1点鎖線で示した遊技球B’は、右後方側に寄った状態の遊技球である。図88(b)に示す第3球経路2603には、右後方の隅に埃Duが貯まっている。1点鎖線で示した遊技球B’は、突条部2603tに当たり、第3球経路2603の右後方の隅に完全に寄ることができず、埃Duと接することが避けられ、遊技球に埃が付着することが防止されている。
突条部2603tには、入口2603s側には、前側に向けて下方へ傾斜した傾斜部SL1が設けられており、遊技球は、この傾斜部SL1によって、より前側に向けられる。突条部2603tの、一般入賞口227側には、後側に向けて下方へ傾斜した傾斜部SL2が設けられている。この傾斜部SL2は一般入賞口227を画定する縁に続いている。さらに、前面壁2603fには、一般入賞口227に対向する位置に突起2603pが形成されている。この突起2603pには、一般入賞口227に向けて遊技球を案内する案内曲面CSが設けられている。案内曲面CSは、一般入賞口227に向かう曲面で構成されている。一般入賞口227を画定する縁に続く傾斜部SL2と、突起2603pに設けられた案内曲面CSによって、第3球経路2603には、一般入賞口227に向けての経路が形成されている。この経路は、一般入賞口227よりも上方から斜め下方に一般入賞口227に向かう経路になる。図88(a)には、この経路の手前まで流下してきた遊技球Bと、この経路に沿った場合の遊技球Bの動きを表す実線の矢印が示されている。一般入賞口227に進入した遊技球は、後側(奥側)に向かって進んだ後、点線示す矢印のように下方へ落下する。下方へ落下した遊技球は、不図示の球検出センサによって検出される。この球検出センサが遊技球を検出すると、一般入賞口227への入賞があったとして、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として球貯留皿126に排出する。なお、一般入賞口227に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。
図90は、遊技球が第3球経路2603の途中に設けられた一般入賞口227に進入するまで過程と、進入することができなかった様子を示す図である。図90は、第3球経路2603を上下方向に断面したときの断面図であって、図88及び図89に示した構造をわかりやすいように模式的に表した図であり、紙面左側が前側になり、紙面右側が後側になる。
図90(a)には、第3球経路2603の入口2603sから遊技球Bが第3球経路2603に進入してくる様子が示されている。この図90(a)では、図88や図89に示した後面壁2603bと突条部2603tが一体で表されているが、傾斜部SL1の傾斜によって遊技球Bは前面壁2603fに沿って流下しやすくなっている。遊技球Bが前面壁2603fに沿って流下すれば、突起2603pに設けられた案内曲面CSによって、遊技球Bの移動方向が後方(奥側)に向けられやすくなる。突起2603pは、通過する遊技球が接触すると、その遊技球の動きに変化を与えるものである。
なお、遊技球Bは、前面壁2603fに沿って流下するばかりでなく、後面壁2603bに沿って流下する場合もある。この場合、図90(a)に2点鎖線で示す遊技球B’’のように、一般入賞口227を画定する縁のうち、下方へ突出した上端部分227aに衝突し、一般入賞口227への進入が妨げられる。
図90(b)には、遊技球Bが前面壁2603fに沿って流下し、突起2603pに設けられた案内曲面CSに遊技球が到達した様子が示されている。案内曲面CSは、一般入賞口227と対向する位置に設けられている。また、案内曲面CSは、一般入賞口227から離間した位置に設けられている。さらに、案内曲面CSは、一般入賞口227よりも遊技者側の位置に設けられている。遊技球Bは、勢いが適度にあると、矢印Aが示すように、案内曲面CSから一般入賞口227に入り込む。一方、遊技球Bは、勢いが全く足りないと、矢印Bが示すように、案内曲面CSから落下する方向へ進む。案内曲面CSから落下する方向へ進んだ遊技球Bは、図76に示す演出スイッチ269を通過し、電動振分ユニット26から排出される。
図90(c)には、遊技球Bが、一般入賞口227を画定する縁のうちの下端部分に乗った様子が示されている。この図90(c)に示す遊技球Bは、一般入賞口227へ到達しており、この後、図90(c)に示す矢印のように一般入賞口227から後側(奥側)に向かって進む。
一方、図90(d)には、遊技球Bの勢いがわずかに足りず、遊技球Bが、一般入賞口227を画定する縁のうちの下端部分に乗る前に、その手前に衝突してしまい、矢印が示すように第3球経路2603を流下していく。
以上の説明では、遊技球Bの勢いによって、一般入賞口227に入賞したり、入賞できなかったりすることを説明したが、遊技球Bの勢いは遊技球の移動速度に関係するものである。また、遊技球Bの移動方向や移動する遊技球の状態(例えば、スピン状態等)も、一般入賞口227への入賞に影響する。
図91は、第3球経路2603の変形例を示す図であり、第3球経路2603を上下方向に断面したときの断面図であって、紙面左側が前側になり、紙面右側が後側になる。以下の説明では、重複する説明は省略し、変形例の特徴的な部分を中心に説明をする場がある。また、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明する。また、図91では、一般入賞口227をわかりやすく図示するため、矢印で示している。
図91(a)は、前面壁2603fから突起2603pが取り除かれた例である。上述のごとく突起2603pは、通過する遊技球が接触すると、その遊技球の動きに変化を与えるものであったが、この突起2603pがなくても、遊技球Bの勢い(移動速度)や遊技球Bの移動方向や移動する遊技球の状態によっては、一般入賞口227に進入する場合がある。
なお、第3球経路2603自体を下流側に向かうにつれて漸次縮径する逆円錐状の周面を有するものに代えてもよい。遊技球Bがその周面を周回しながら流下(スパイラル状に流下)してくると、一般入賞口227に進入しやすくなる。この場合には、逆円錐状の周面が、一般入賞口227が設けられた位置よりも上流側を通過する遊技球が接触すると、その遊技球の動きに変化を与えるものになる。
また、詳しくは後述する第2上流球遅延部2653(図76参照)と同じ構造のものを、第3球経路2603の入口2603sと一般入賞口227の間に設けてもよい。この場合には、一般入賞口227が設けられた位置よりも上流側を通過する遊技球に、周方向に移動する力が付与され、遊技球の動きが横向に変化する。
図91(b)は、一般入賞口227を画定する縁のうち下方へ突出した上端部分227aを設けなかった例である。図91(a)に示す一般入賞口227は、第3球経路2603に対して斜めに設けられた開口(図91(a)に示す矢印参照)であったが、同図(b)に示す一般入賞口227は、第3球経路2603と平行に設けられた開口(図91(b)に示す矢印参照)である。このような一般入賞口227であっても、遊技球Bの勢い(移動速度)や遊技球Bの移動方向や移動する遊技球の状態によっては、一般入賞口227に進入する場合がある。しかも、図91(b)に示す例では、突起2603pが設けられているため、遊技球の動きに変化が与えられ、一般入賞口227に進入しやすくなっている。
図91(c)は、同図(b)に示す例から、同図(a)に示す例と同じく突起2603pを取り除いた例である。遊技球Bの勢い(移動速度)や遊技球Bの移動方向や移動する遊技球の状態によっては、図91(c)に示す一般入賞口227にも進入する場合がある。図91(c)に示す第3球経路2603は、一般入賞口227よりも上流を流下する遊技球Bが、一般入賞口227への進入よりも第3球経路2603の下流へ流下しやすい球経路であってもよい。一方、図88~図90に示す第3球経路2603も、遊技球Bが、一般入賞口227への進入よりも第3球経路2603の下流へ流下しやすい球経路であってもよいが、図88~図90に示す第3球経路2603は、突起2603pの案内曲面CSを大きくする等して、一般入賞口227よりも上流を流下する遊技球Bが、第3球経路2603の下流への流下よりも一般入賞口227へ進入しやすい球経路にしてもよい。
また、ここでも、第2上流球遅延部2653(図76参照)と同じ構造のものを、第3球経路2603の入口2603sと一般入賞口227の間に設けてもよい。さらには、パチンコ機100自体を島設備に設置する際に、パチンコ機100全体の前後方向の傾きを調整可能であり、この場合には、パチンコ機100の上方を後側に傾けた姿勢で設置しておけば、一般入賞口227により進入しやすくなる。この島設備に設置する際のパチンコ機100の前後方向の傾き調整は、図88~図90に示す例や、その他にも適用可能である。
なお、一般入賞口227は、遊技球が後方(奥側)に向かって進入する開口であったが、前方に向かって進入する開口にも、ここで説明した技術は適用可能である。
図92は、球経路の途中に後側(奥側)に向けて開口した遊技球の進入口が設けられた他の例を示す図である。
図92(a)は、第3球経路2603を上下方向に断面したときの断面図であって、紙面左側が前側になり、紙面右側が後側になる。この図92(a)に示す第3球経路2603にも遊技釘は設けられておらず、この第3球経路2603には、2つの一般入賞口227が設けられている。すなわち、図90に示す一般入賞口227を設けた構造と同じ構造のさらに下流に、もう一つ別の一般入賞口227が同じ構造で設けられている。上流側の一般入賞口227と下流側の一般入賞口227の間にも、後側に傾斜部SL1が設けられ、遊技球Bは前面壁2603fに沿って流下しやすくなっている。
なお、下流側の一般入賞口227に代えてアウト口を設けてもよい。また、下流側の一般入賞口227よりもさらに下流に、一又は複数の一般入賞口227を設けてもよく、第3球経路2603に3つ以上の入賞口を設けてもよい。
図92(b)は、第1特図始動口230が設けられた第1流路2301と第2特図始動口232が設けられた第2流路2321とに遊技球を振り分ける振分ユニット291を正面から見た図であり、同図(c)は、同図(b)に示す振分ユニット291のA-A’断面図である。図92(b)では、紙面手前側が前側になり、紙面奥側が後側になる。また、図92(c)では、紙面左側が前側になり、紙面右側が後側になる。なお、図92(c)では、各進入口をわかりやすく図示するため、矢印で示している。
図92(b)及び図92(c)に示すように、第1流路2301にも第2流路2321にも遊技釘は設けられていない。また、図92(b)に示すように、振分ユニット291は、ユニット入口2911から進入した遊技球を左右の流路に振り分ける振分部2912を有する。振分部2912は遊技球の自重によって振り分ける姿勢を変化させる。振分ユニット291は、ユニット入口2911、振分部2912、およびアウト口243,244が設けられた部分は透明又は半透明であり、振分部2912が遊技球Bを振り分ける様子を遊技者は視認可能である。振分部2912は、遊技球の当り方や遊技球の動き(例えば、スピン等)によって振り分ける姿勢が変わるため、振分部2912の姿勢を予測しての遊技球の発射は不可能である。振分ユニット291は、左側の流路が第1流路2301になり、右側の流路が第2流路2321になる。
なお、振分部2912をモータで左右に回動するようにしてもよく、この場合には、振分部2912を、図76を用いて説明した方向変化部材2631のように乱数を用いた不規則な動きにすればよい。
図92(c)に示すように、振分ユニット291は、遊技板201の前面に設けられたものである。振分ユニット291の第2流路2321には、上方を向いて開口した第2特図始動口232(実線の矢印参照)と、後側(奥側)を向いて開口したアウト口244とが設けられている。アウト口244は、遊技板201の前面付近の位置になり、アウト口244に進入した遊技球は、遊技板201の裏側へと向かう。また、第2流路2321の、第2特図始動口232が設けられた位置よりも下流側を、不透明にして遊技者から視認不能にしてもよいが、ここも透明又は半透明にして遊技者から視認可能にしてもよい。
第2特図始動口232の位置は、第2流路2321の底壁2321b上の位置(例えば、2点鎖線の矢印参照)であってもよく、この位置の場合には、第2特図始動口232は、アウト口244と同じく、後側(奥側)を向いて開口したものになる。また、アウト口244は、第2特図始動口232よりも上方に位置するものになる。なお、アウト口244の位置と第2特図始動口232の位置を逆にしてもよく、この場合には、第2特図始動口232が、アウト口244よりも上方に位置するものになる。
実線の矢印で示す第2特図始動口232であっても、2点鎖線の矢印で示す第2特図始動口232であっても、第2流路2321の延在方向の途中に設けられたものである。一方、アウト口244は、第2流路2321の延在方向に交わる方向(ここでは略直交する方向)に設けられたものであって、より具体的には、前後方向に設けられたものである。第2流路2321の下流端には、第2特図始動口232を通過した遊技球を検知する球検出センサ2322が設けられている。
以上、図92(c)を用いて第2流路2321について説明したが、第1流路2301についても同様である。
また、図92(c)を用いて説明した、第2特図始動口232とアウト口244の構成を、図75(c)に示す特図1始動チャッカー23に適用させてもよい。すなわち、図75(c)に示す第1特図始動口230を、図92(c)に示す第2特図始動口232の構成にし、始動口側誘導路288の出口開口2881と第1特図始動口230との間に設けられた遊技球1球分以上の間隔を、図92(c)に示すアウト口244の構成にしてもよい。この場合、始動口側誘導路288の出口開口2881と第1特図始動口230との間に設けられた遊技球1球分以上の左右の間隔は両方ともなくなる。例えば、壁によって塞がれる。この構成では、図75(c)に示すアウト排出口289L,289Rから排出された遊技球は、100%の確率で図75(a)に示すアウト口240に到達する。ただし、始動口側誘導路288の出口開口2881と第1特図始動口230との間に設けられた遊技球1球分以上の左右の間隔のいずれか一方を残しておき、この間隔からの遊技球の出入りを許容する態様であってもよい。
図93は、球経路の途中で横方向に遊技球を移動させてから、後側(奥側)に向けて開口した遊技球の進入口にその遊技球が進入する例を示す図である。図93では、紙面手前側が前側になり、紙面奥側が後側になる。また、図93でも、進入口2606Wをわかりやすく図示するため、矢印で示している。
図93(a)は、図90を用いて説明した第3球経路2603を90度回転させて配置したような球通路の例を示す図である。
図93(a)に示す球経路2606にも遊技釘は設けられていない。この球経路2606の入口2606sでは、左側壁2606Lよりも右側壁2606Rの方が、通路内側に向かって下方へ長く傾斜している。このため、遊技球Bは、左側壁2606Lの方に寄りやすい。
右側壁2606Rの途中には、遊技球の進入口2606Wが開口している。この進入口2606Wは、一般入賞口であってもよいし、大入賞口であってもよいし、特図始動口であってもよいし、アウト口であってもよい。進入口2606Wは、横方向に向かって開口したものである。進入口2606Wを画定する縁のうち、上端部分2606aは下方へ突出している。また、右側壁2606Rには、上端部分2606aにつながる傾斜部SL3が設けられている。なお、進入口2606Wは、左斜め上方を向いて開口したものであるともいえる。
一方、左側壁2606Lには、進入口2606Wに対向する位置に突起2606pが形成されている。この突起2606pには、進入口2606Wに向けて遊技球を案内する案内曲面CSが設けられている。案内曲面CSは、進入口2606Wに向かう曲面で構成されている。進入口2606Wを画定する縁に続く傾斜部SL3と、突起2606pに設けられた案内曲面CSによって、図93(a)に示す球経路2606には、進入口2606Wに向けての経路が形成されている。この経路は、進入口2606Wよりも上方から斜め下方に進入口2606Wに向かう経路になる。
遊技球Bが左側壁2606Lに沿って流下すれば、突起2606pに設けられた案内曲面CSによって、遊技球Bの移動方向が右側に向けられやすくなる。突起2606pは、通過する遊技球が接触すると、その遊技球の動きに変化を与えるものである。
なお、遊技球Bは、左側壁2606Lに沿って流下するばかりでなく、右側壁2606Rに沿って流下する場合もある。この場合、上端部分2606aに衝突し、進入口2606Wへの進入が妨げられる。進入口2606Wへ進入しなかった遊技球Bは、球経路2606の下流へ進む。
進入口2606Wの奥(図93(a)では右下)には、遊技球1球よりも大きな空間の進入領域2606Eが設けられている。この進入領域2606Eには、後側に向けて流下経路2606Kが形成されている。流下経路2606Kは、遊技板201に開口し、パチンコ機100の裏側へ遊技球Bを流下させる通路になる。進入口2606Wに進入した遊技球は、流下経路2606Kに入り込み、流下経路2606Kを通って、パチンコ機100の裏側に誘導された後、遊技島側に排出される。流下経路2606Kには、遊技球を検出する球検出センサが設けられている。
図93(b)は、図93(a)に示す突起2606pを取り除き、代わりに凸部2606Tを複数設けた例を示す図である。
図93(a)に示す球経路2606の右側壁2606Rには、進入口2606Wよりも上流側に一つ、進入口2606Wよりも下流側に一つ、球通路内側に突出した凸部2606Tが設けられている。一方、図93(b)に示す球経路2606の左側壁2606Lには、進入口2606Wに対向した位置に一つの凸部2606Tが設けられている。図93(a)に示す球経路2606では、右側壁2606Rと左側壁2606Lに、遊技球の流下方向に沿って交互に凸部2606Tが設けられている。右側壁2606Rの上流側に設けられた凸部2606Tによって、遊技球Bは左斜め下に向けられる。こうして遊技球Bが向かった先に、左側壁2606Lに設けられた凸部2606Tがあれば、今度はその凸部2606Tによって、遊技球Bは右斜め下に向けられる。こうして遊技球Bが向かった先に、進入口2606Wがあれば、遊技球Bは進入口2606Wに進入する場合がある。図93(b)に示す複数の凸部2606Tは、通過する遊技球Bが接触すると、その遊技球Bの動きに変化を与えるものである。
なお、図93(b)に示す球経路2606では、進入口2606Wを画定する縁のうち下方へ突出した上端部分2606aも取り除かれ、進入口2606Wは、球経路2606と平行に設けられた開口(図93(b)に示す矢印参照)である。このような進入口2606Wであっても、複数の凸部2606Tによって、遊技球の動きに変化が与えられ、進入口2606Wに進入しやすくなっている。
図93(c)は、同図(b)に示す例から、複数の凸部2606Tを取り除いた例である。遊技球Bの勢い(移動速度)や遊技球Bの移動方向や移動する遊技球の状態によっては、図93(c)に示す進入口2606Wにも進入する場合がある。また、第2上流球遅延部2653(図76参照)と同じ構造のものを、球経路2606の入口2606sと進入口2606Wの間に設けてもよい。
以上の記載では、
『 遊技球が通過する第一の球通路[例えば、第3球経路2603、第1流路2301、第2流路2321、球経路2606]と、
前記第一の球通路の途中に設けられた第一の入賞口[例えば、一般入賞口227、第1特図始動口230、第2特図始動口232、進入口2606W]と、
を備え、
前記第一の入賞口は、壁面[例えば、後面壁2603b、遊技板201]に開口したものであり、
前記第一の球通路に進入した遊技球が、前記第一の入賞口に入賞する場合[例えば、図90(c)]もあれば、該第一の入賞口を通り越して該第一の入賞口が設けられた位置よりも下流側に到達する場合[例えば、図90(d)]もあるように構成されている、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
前記第一の球通路の途中に前記第一の入賞口を備えることにより、遊技領域をコンパクトにでき、遊技領域以外の領域を大きくすることができる。
なお、前記第一の球通路は、壁面によって区画された通路であってもよいし、壁面によって形成された通路であってもよい。
前記壁面は、遊技板のおもて面であってもよい。
前記第一の入賞口は、球通路ユニット[例えば、電動振分ユニット26、振分ユニット291]に形成されたものであってもよいし、遊技板に開口したものであってもよい。
前記第一の入賞口は、可変入賞口であってもよいし、一般入賞口であってもよい。また、特図始動口であってもよいし、普図始動口であってもよい。
前記第一の入賞口は、入賞すると賞球が払い出されるものであればよく、進入すると、パチンコ機の裏側に誘導された後、遊技島側に排出されるものであってもよいし、ゲートのように進入した後でも遊技領域に残るものであってもよい。
また、
『 遊技釘によって形成された第二の球通路[例えば、振分手前領域125における、右ルート125R、中央ルート125C、および左ルート125L]を備え、
前記第一の球通路は、遊技釘が設けられていない球通路である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第一の入賞口の入賞率が外部要因(例えば、遊技店舗による遊技釘の調整)で変化しないため、玄人も素人も平等に遊技できる。
なお、金属製の遊技釘によって形成された第二の球通路を備え、前記第一の球通路は、金属製の遊技釘が設けられていない球通路であってもよい。すなわち、前記第一の球通路は、樹脂製の遊技釘が設けられたものであってもよい。なお、樹脂製の遊技釘は、遊技板や球通路ユニットと一体に形成されたものであってもよい。
あるいは、前記遊技釘は、樹脂製であってもよい。
また、
『突起2603p、第2上流球遅延部2653と同じ構造のもの、凸部2606T]が設けられたものであり、
前記変化付与手段に接触した遊技球の方が該変化付与手段に非接触の遊技球よりも前記第一の入賞口に入賞しやすいように構成されている、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記変化付与手段によって遊技球の流下方向が変化する様を遊技者は楽しめる。
なお、前記第一の球通路は、前記第一の入賞口が設けられた位置よりも上流側を通過する遊技球が接触すると該遊技球の動きに変化を与える変化付与手段が設けられたものであってもよい。
また、
『 前記変化付与手段は、前記第一の入賞口から離間した位置[例えば、第一の入賞口よりも上流側の位置]に設けられたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記変化付与手段を離れた遊技球の球威や方向によって、前記第一の入賞口へ進入したり該第一の球通路の下流を流下したりする様を遊技者は楽しめる。
また、
『 前記変化付与手段は、前記第一の入賞口と対向する位置[例えば、前記壁面に対向する壁面の位置]に設けられたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記変化付与手段によって流下方向が変化した遊技球の流下先を遊技者が予想して楽しめる。
また、
『 前記変化付与手段は、前記第一の入賞口[例えば、後面壁2603bに設けられた開口(227)]よりも遊技者側の位置[例えば、前面壁2603fの位置]に設けられたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
遊技領域の遊技者と対向する面方向の領域をコンパクトにできる。
また、
『 前記第一の球通路は、球通路ユニット[例えば、電動振分ユニット26、振分ユニット291]に形成されたものであり、
前記球通路ユニットは、前記第一の入賞口が遊技者から視認可能になるように少なくとも一部が透明または半透明なものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
遊技球が前記第一の入賞口へ進入する様を前記球通路ユニットを通して遊技者が視認できる。
なお、前記第一の球通路を通過する遊技球が視認可能に構成されていてもよい。
前記第一の入賞口は、前記球通路ユニットに形成されたものであってもよいし、遊技板に開口したものであってもよい。
前記球通路ユニットは、一部のみが透明または半透明なものであってもよいし、全部が透明または半透明なものであってもよい。
また、
『 前記第一の入賞口は、前後方向に開口したものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記第一の入賞口は、手前側(前側,遊技者側)に向かって開口したものであってもよいし、奥側(後側)に向かって開口したものであってもよい。
また、
『 前記第一の球通路よりも下流側に設けられた第二の入賞口[例えば、図76に示す、電動振分ユニット26とアウト口240との間に設けられた一般入賞口226]を備え、
前記第一の入賞口と前記第二の入賞口は、賞球数[例えば、4個]が同じ一般入賞口である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
なお、前記第一の球通路の上流を流下する遊技球は、前記第一の入賞口への進入よりも該第一の球通路の下流へ流下しやすくてもよい[例えば、図91(c)に示す第3球経路2603]。
前記第一の球通路の上流を流下する遊技球は、該第一の球通路の下流への流下よりも前記第一の入賞口へ進入しやすくてもよい[例えば、図88~図90に示す第3球経路2603]。
前記第一の入賞口と前記第一の球通路の下流端との間に第三の入賞口[例えば、図92(a)に示す下流側の一般入賞口227]があってもよい。
前記変化付与手段は、遊技球の移動速度を遅くさせることが可能な球遅延手段[例えば、第2上流球遅延部2653と同じ構造のもの]であってもよい。
前記第一の球通路の上流を流下する遊技球は、前記第一の入賞口への進入よりも該第一の球通路の下流へ流下しやすくてもよい[例えば、図91(c)に示す第3球経路2603]。
前記第一の球通路の上流を流下する遊技球は、該第一の球通路の下流への流下よりも前記第一の入賞口へ進入しやすくてもよい[例えば、図88~図90に示す第3球経路2603]。
前記第一の入賞口と前記第一の球通路の下流端との間に第三の入賞口[例えば、図92(a)に示す下流側の一般入賞口227]があってもよい。
前記変化付与手段は、遊技球の移動速度を遅くさせることが可能な球遅延手段[例えば、第2上流球遅延部2653と同じ構造のもの]であってもよい。
続いて、図76に示した、第1上流球遅延部2651、第1下流球遅延部2652、第2上流球遅延部2653、および第2下流球遅延部2654について説明する。上述のごとく、第1上流球遅延部2651および第1下流球遅延部2652は、第1球経路2601に配置され、第2上流球遅延部2653および第2下流球遅延部2654は、第2球経路2602に配置されたものであり、配置された位置が異なるだけであり構造はいずれの遅延部も同じであるため、ここでは、第2上流球遅延部2653を例にあげて説明する。
図94(a)は、第2上流球遅延部2653および第4球方向変化部264を前後方向に直交する垂直面で断面したときの断面図であり、第2上流球遅延部2653の断面および第4球方向変化部264の断面にはハッチングを施してある。
第2上流球遅延部2653は、筒状の球通路部2653Aを有する。この球通路部2653Aの内側を遊技球が通過する。したがって、球通路部2653Aは、第2球経路2602の一部を形成している。この球通路部2653Aの内周面には、R面2653bと、下流側に向けて漸次縮径する逆円錐面2653cと、同じ内径の円筒面2653dが設けられている。R面2653bの上流端は、球通路部2653Aの上流端を構成し、逆円錐面2653cは、そのR面2653bの下流端に接続している。また、円筒面2653dは、逆円錐面2653cの下流端に接続し、円筒面2653dの下流端は、球通路部2653Aの下流端を構成している。言い換えれば、内周面は、上流側よりも下流側の方が幅が狭くなっている。ここにいう幅とは、遊技球の通過方向(図94(a)では上から下へ向かう方向)に直交する方向のうちの一方向の長さであるが、内周面は円環状であるため直交する方向であればどの方向も同じ長さになる。すなわち、ここにいう幅は、図94(a)に示す第2上流球遅延部2653では内径ということになる。なお、内周面が方向によって長さが異なる場合は、最も短い長さになる方向を幅とする。逆円錐面2653cの上流端の幅W1は、第2球経路2602における、第2上流球遅延部2653に接続した箇所の幅W2よりも狭い。また、逆円錐面2653cの下流端の幅W3は、逆円錐面2653cの上流端の幅W1よりも狭い。さらに、第2上流球遅延部2653の下流端の幅(円筒面2653dの下流端の幅)W4は、逆円錐面2653cの上流端の幅W1よりも狭い。このように、各部位の幅は、他の部位の幅との大小関係が重要であるが、一例として、逆円錐面2653cの上流端の幅W1は12.5mm、第2球経路2602における、第2上流球遅延部2653に接続した箇所の幅W2は13.0mm、逆円錐面2653cの下流端の幅W3は11.5mm、第2上流球遅延部2653の下流端の幅(円筒面2653dの下流端の幅)W4は11.5mmとしてもよい。また、円筒面2653dの幅は11.5mmである。なお、円筒面2653dは球通路部2653Aの高さ(通路長)を一定の値以上にするための調整代であり、逆円錐面2653cだけで一定の値を確保することができれば省略可能である。
図95は、第2上流球遅延部2653を斜め上方から見たときの斜視図である。図95では紙面左手前側が前側(遊技者側)になる。
第2上流球遅延部2653は、電動振分ユニット26とは別体のものである。すなわち、第2球経路2602に取り外し可能に取り付けられたものである。第2上流球遅延部2653は、球通路部2653Aの横方向両側それぞれに延在した係止部2653L,2653Rが、電動振分ユニット26の後面壁2603bに係止される。なお、第2球経路2602は、その後面壁2603bによって後側が画定されたものである。第2上流球遅延部2653が脱着可能であることで、第2上流球遅延部2653が汚れたり、破損した場合に、交換する部位が少なくてすむ。また、第2上流球遅延部2653を他のパチンコ機100に再利用することができるようになる。
また、図94(a)に示すように、第2上流球遅延部2653の下流側には、第2球経路2602の一部を形成する球挙動安定部266が位置している。第2上流球遅延部2653の下流端と、球挙動安定部266も上流端との間には、わずかに上下方向の隙間2653sが設けられている。球挙動安定部266の上流端の幅W5は、第2上流球遅延部2653の下流端の幅W4よりも広いが、第2上流球遅延部2653における逆円錐面2653cの上流端の幅W1よりは狭い。球挙動安定部266も、逆円錐面2653cと同じく、下流側に向けて漸次縮径する逆円錐状の内周面が形成された部分であり、球挙動安定部266の下流端の幅W6は、第2上流球遅延部2653における球通路部2653Aのいずれの箇所の幅よりも狭い幅になる。また、球挙動安定部266の下流端の幅W6は、第2球経路2602における、この下流端よりも上流側の部分の中でも最も狭い幅になっているともいえる。球挙動安定部266の下流端の幅W6は、遊技球の直径に対して、僅かに広い幅である。言い換えれば、第2球経路2602は、球挙動安定部266の下流端で最も絞られていることになる。球挙動安定部266の上流端の幅W5は12.0mmとしてもよい。また、球挙動安定部266の下流端の幅W6は、遊技球の直径(11m)に対して、僅かに広い11.3mmとしてもよい。以上説明した、各部位の幅(W1~W6)は、比率関係が同じであれば、他の値であってもよい。
球挙動安定部266の内周面における、下流側に向けて縮径する傾斜角度は、第2上流球遅延部2653の逆円錐面2653cにおける、下流側に向けて縮径する傾斜角度よりも大きな角度である。ここにいう傾斜角度とは、垂直軸に対する傾斜角度のことをいう。
球挙動安定部266の下流端を抜けると、球経路は左右に分岐し、左側の経路が第2球経路2602になり、右側の経路が、第3球経路2603(図76参照)につながる連絡経路2607になる。左側の経路(第2球経路2602)にしても、右側の経路(連絡経路2607)にしても、遊技球の直径(11m)よりも広い幅を有し、いずれの通路も遊技球は難なく通過可能である。したがって、球詰まりが発生しにくくなっている。球挙動安定部266の下流端の真下には、左側の経路(第2球経路2602)と右側の経路(連絡経路2607)の分岐部を挟んで第4球方向変化部264が配置されている。また、これらの通路(2602,2606)には、幅方向中央部分に減速リブ26r1が設けられている。
一方、第2球経路2602における、第2上流球遅延部2653よりも上流側には、前方に突出した球軌道変化リブ26r3が設けられている。第2球経路2602のうち、球軌道変化リブ26r3が設けられた箇所は、左側を向いた湾曲した通路になっており、この通路の幅方向中央部分に、この通路に沿って球軌道変化リブ26r3が設けられている。球軌道変化リブ26r3の形状も湾曲した形状である。
続いて、第2球経路2602を流下する遊技球の軌道について説明する。図94(b)は、第2上流球遅延部2653における遊技球の軌道を模式的に示した図である。図94(c)は、球挙動安定部266における遊技球の軌道を模式的に示した図である。図94(d)は、球挙動安定部266を抜けた遊技球の軌道を模式的に示した図である。
第2球経路2602に進入した遊技球は、球軌道変化リブ26r3に接触する。湾曲した形状の球軌道変化リブ26r3に接触した遊技球は、軌道が、外寄り、すなわち左寄りに変化しやすくなるとともに、遊技球にスピンがかかりやすくなる。軌道が左寄りに変化するとともにスピンがかかった遊技球は、第2上流球遅延部2653の内周面の左側部分に接触した後、その内周面に沿って周回移動を開始する。すなわち、第2上流球遅延部2653の逆円錐面2653cを下流側に向かってスパイラル状に移動する(図94(b)参照)。遊技球は、まっすぐに落下するよりもスパイラル状に移動することで移動距離が長くなり、結果として移動速度が低下する。遊技球は、第2上流球遅延部2653に、わずかな時間ではあるがスパイラル状に移動している間、滞留しているようになる。
第2上流球遅延部2653の下流端と、球挙動安定部266も上流端との間に設けられた隙間2653sでは、スパイラル状に移動してきた遊技球が沿って移動する内周面が途切れ、遊技球のスパイラル状の移動が終了しやすい。また、球挙動安定部266の上流端は、第2上流球遅延部2653の下流端よりも若干広がっているため、ここでもスパイラルの連続性が途切れ、スパイラル状の移動が終了しやすい。スパイラル状の移動を終了した遊技球は、球挙動安定部266の、漸次縮径する逆円錐状の内周面に衝突しながら、斜め下方へ進む。球挙動安定部266では、これまで周方向に移動してきた遊技球の外側へ向かおうとするモーメントをなくし、遊技球を真下に向かわせようとする。球挙動安定部266の最も狭い下流端では、遊技球がはまり込むイメージで遊技球の挙動が抑え込まれ、安定する。例えば、球挙動安定部266の内周面に衝突しながらガタガタと移動していた遊技球の挙動がピタっと収まる(図94(c)参照)。
やがて、遊技球は、球挙動安定部266を抜け、遊技球は第4球方向変化部264の方向変化部材2641の上に落下する。すなわち、球挙動安定部266の最も狭い下流端から、遊技球Bはまっすぐ真下に向かって落下し、方向変化部材2641に接触する(図94(d)参照)。遊技球は、方向変化部材2641の左傾斜面264Lに接触した場合には、左側の経路(第2球経路2602)を流下する。一方、遊技球は、方向変化部材2641の右傾斜面264Rに接触した場合には、右側の経路(連絡経路2607)を流下する。
以上、第2球経路2602おける第2上流球遅延部2653から第4球方向変化部264にかけての遊技球の軌道について説明したが、その他の球遅延部(2651、2652、2654)から球方向変化部(261~263)にかけての遊技球の軌道についても同じである。
なお、球軌道変化リブ26r3も方向変化部材2641も、遊技球の移動方向に変化を与えるという意味では同じ機能を有するものであるが、球軌道変化リブ26r3よりも方向変化部材2641の方が、遊技球の移動方向を大きく変化させる。また、球軌道変化リブ26r3は固定されたものであり可動部材ではないが、方向変化部材2641は可動部材である。すなわち、球軌道変化リブ26r3は状態が変化するものではないが、方向変化部材2641は状態が変化するものであり、その状態変化に応じて遊技球の移動方向も変化する。
続いて、球遅延部の変形例について説明する。ここでも第2上流球遅延部2653を例にあげて説明するが、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明する。
図96は、球遅延部の変形例を示す部分断面図である。この部分断面図は、第2上流球遅延部2653を前後方向に直交する垂直面で断面したときの第2上流球遅延部2653の下流側の一部を示す断面図であり、第2上流球遅延部2653の断面にはハッチングを施してある。
図94に示す第2上流球遅延部2653では、下流側には、下流側に向けて漸次縮径する逆円錐面2653cの下流側部分と、同じ内径の円筒面2653dが設けられていたが、図96(a)に示す第2上流球遅延部2653では、円筒面2653dが省略され、逆円錐面2653cが第2上流球遅延部2653の下流端まで延在している。すなわち、第2上流球遅延部2653の内周面に垂直な面が設けられていない。
また、下流側に向けて漸次縮径する逆円錐面2653cは平面であるが、図96(b)に示す第2上流球遅延部2653では、下流側に向けて漸次縮径する外側に凸の曲面である外側湾曲面2653eが第2上流球遅延部2653の下流端まで形成されている。この外側湾曲面2653eでも、遊技球は、外側に凸の曲面に沿って周回移動する。図96(c)に示す第2上流球遅延部2653では、下流側に向けて漸次縮径する内側に凸の曲面である内側湾曲面2653fが第2上流球遅延部2653の下流端まで形成されている。この内側湾曲面2653fでも、遊技球は、内側に凸の曲面に沿って周回移動する。
図96(d)に示す第2上流球遅延部2653では、下流側に向けて漸次縮径する逆円錐状の面にネジ溝2653gが形成されている。ネジ溝2653gは、スパイラル状につながる溝であり、遊技球は、このネジ溝2653gに沿って周回移動しやすくなる。
図97は、球挙動安定部266の変形例を示す断面図である。この断面図は、球挙動安定部266の下流端(最も幅が狭い部位)を水平方向に断面したときの断面形状を示す図であり、図97では、各図に遊技球Bの断面も示されている。この図97では、下側が前側(遊技者側)になる。なお、ここでも、これまで説明した構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明する。
まず、図97(a)に、図94に示す球挙動安定部266を示す。図94に示す球挙動安定部266は、全周が壁で覆われている。球挙動安定部266の前側には、前面壁2603fが示されている。なお、球挙動安定部266を構成する壁も前面壁2603fも透明であり、遊技者は、球挙動安定部266を通過する遊技球を視認可能である。
図97(b)に示す球挙動安定部266は、前側が開放されており、左右の側壁266L、266Rと後壁266Bで構成されている。球挙動安定部266の内側の寸法は、左右方向の長さの方が、前後方向の長さよりも短く、左右方向の長さが幅に相当し、例えば、11、3mmである。図97(b)に示す球挙動安定部266では、左右方向の一方向のみで遊技球の挙動を安定させる。
図97(c)に示す球挙動安定部266は、前側が、別の板部材266F’で塞がれたものであり、同図(d)に示す球挙動安定部266は、左右の側壁266L、266Rおよび後壁266Bと一体に形成された前壁266Fを有するものである。図97(c)に示す球挙動安定部266にしても、図97(d)に示す球挙動安定部266にしても、内側の寸法は、左右方向と前後方向で等しく、左右方向と前後方向の二方向によって遊技球の挙動を安定させる。
図97(e)に示す球挙動安定部266は、前側が開放されており、左右の側壁266L、266Rをつなぐ円弧状の後壁266B’を有する。円弧状の後壁266B’の円弧は、遊技球Bの直径より僅かに長い直径(例えば、11.3mm)の円における円孔になる。この図97(e)に示す球挙動安定部266は、遊技球Bの後側半分を拘束するものである。図91(c)における説明でも記したように、パチンコ機100自体を島設備に設置する際に、パチンコ機100全体の前後方向の傾きを調整可能である。パチンコ機100の上方を後側に傾けた姿勢で設置しておけば、遊技球Bの後側半分が、図97(e)に示す円弧状の後壁266B’にはまり、遊技球の挙動が安定する。
図97(f)に示す球挙動安定部266は、同図(e)に示す球挙動安定部266の前側を、別部材266F’’で塞ぎ、結果として、図97(a)に示す球挙動安定部266と同じ構成になっている。
以上の記載では、
『 遊技球の移動速度を遅くさせることが可能な球遅延手段[例えば、第1上流球遅延部2651、第1下流球遅延部2652、第2上流球遅延部2653、第2下流球遅延部2654]と、
移動する遊技球の挙動を安定させることが可能な球挙動安定手段[例えば、球挙動安定部266]と、
遊技球の移動方向に変化を与える球方向変化手段[例えば、第1球方向変化部261~第4球方向変化部264]と、
を備え、
前記球挙動安定手段は、前記球遅延手段を通過した遊技球の挙動を安定させるものであり、
前記球方向変化手段は、前記球挙動安定手段を通過した遊技球の移動方向に変化を与えるものである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
遊技球の移動速度を変化させて、遊技球の止め打ちや、前記球方向変化手段へ遊技球を向かわせるタイミングを狙った遊技球の発射を防止しつつ、前記球方向変化手段へ向かう遊技球の挙動を安定させることで、該球方向変化手段における遊技球の方向変化の精度を高めることができる。
なお、前記球方向変化手段は、遊技球の移動方向を振り分ける球振分手段であってもよい。
また、
『 前記球遅延手段は、球通路形成部[例えば、電動振分ユニット26の後面壁2603b]に設けられたものであり、
前記球遅延手段は、前記球通路形成部とは別体なものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記球通路形成部と別体にすることで前記球遅延手段が破損や汚損しても交換する部位が少なくて済む。また、異なる性能の前記球遅延手段を別の遊技台に取り付けたい場合に前記球通路形成部を再利用できる。
前記球挙動安定手段は、球通路形成部に設けられたものであり、前記球挙動安定手段は、前記球通路形成部とは別体なものであってもよい。
また、
『 前記球遅延手段は、遊技球が通過する部位が、上流側[例えば、12.5mm]よりも下流側[例えば、11.5mm]の方が幅が狭くなっているものであり、
前記幅とは、遊技球の通過方向に直交する方向のうちの一方向の長さのことである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記球遅延手段を構成する壁面に遊技球を接触しやすくさせて接触した遊技球の移動速度を遅延させることができる。
また、
『 前記球遅延手段は、遊技球が通過する部位が、下流側に向けて漸次縮径する逆円錐状の面[例えば、逆円錐面2653c]で構成されたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記球遅延手段を構成する壁面に接触した遊技球は、該壁面に沿って周回しながら下流側へ向かう。すなわち、スパイラル状に移動しながら下流側へ向かう。こうすることで、遊技球の移動速度を遅くすることができる。前記球遅延手段を構成する壁面に遊技球が接触するタイミングが遅いと、遊技球が該壁面に沿って周回しながら下流側へ向かう時間が短くなり、遊技球の移動速度を低下させる割合が減少する。さらに、前記球遅延手段を構成する壁面に遊技球が接触しなかった場合は、遊技球の移動速度は低下しない。これらのように、遊技球の移動速度が低下する度合いは定まっておらず、遊技球の移動速度はランダムになる。こうすることで、遊技球の止め打ちや、前記球方向変化手段のタイミングを合わせた遊技球の発射を防止することができる。
なお、前記球遅延手段を構成する壁面(前記球遅延手段の遊技球が通過する部位の内壁)の一部が垂直下方向に延在していてもよい。
前記球遅延手段は、遊技球が通過する部位が、上流側から下流側に向けて内側に凸の曲面で構成されたものであってもよいし、上流側から下流側に向けて外側に凸の曲面で構成されたものであってもよい。
前記球遅延手段を構成する壁面にネジ溝が形成されていてもよい。
また、
『 前記球挙動安定手段は、最も狭い部位[例えば、下流端]の幅が、前記球遅延手段における最も狭い幅[例えば、11.5mm]の部分[例えば、下流端]の幅よりもさらに狭い[例えば、11.3mm]ものであり、
前記幅とは、遊技球の通過方向に直交する方向のうちの一方向の長さのことである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記球遅延手段によって遊技球に加わった外向きの力(該球遅延手段を構成する壁面に沿って周回しながら下流側へ向かうことによって生じる遠心力による力)を、前記球挙動安定手段を構成する壁面に遊技球がぶつかることで抑制することができる。すなわち、上記外向きの力は、前記球挙動安定手段を構成する壁面に遊技球がぶつかることで、下向きの力に変わる。これにより、遊技球の挙動を安定させることができる。
なお、前記球挙動安定手段の左右方向の長さ(幅)は、該球挙動安定手段の前後方向の長さ(奥行き)よりも狭くてもよい。すなわち、前記球挙動安定手段は、断面形状が長方形のものであってもよい。
前記球挙動安定手段の左右方向の長さ(幅)は、該球挙動安定手段の前後方向の長さ(奥行き)と同じであってもよい。すなわち、前記球挙動安定手段は、断面形状が正方形のものであってもよい。
前記球挙動安定手段は、断面形状がコ字形状であってもよいし、U字形状であってもよいし、円形状であってもよい。
また、
『 前記球方向変化手段は、前記球挙動安定手段における下流端の真下に設けられたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記球挙動安定手段を通過した遊技球が、垂直に落下して前記球方向変化手段に接触するため、該球方向変化手段によって与える、遊技球の移動方向の変化の精度を高めることができる。
また、
『 前記球遅延手段よりも上流側に球軌道変化手段[例えば、球軌道変化リブ26r3]を備え、
前記球軌道変化手段は、前記球遅延手段を構成する壁面[例えば、第2上流球遅延部2653の内周面の左側部分の壁面]に、該球遅延手段に向けて移動する遊技球が接触しやすくなるように、該遊技球の軌道に変化を与えるものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記球遅延手段を構成する壁面に遊技球が接触しやすくなって、該球遅延手段によって、遊技球の移動速度を遅くさせやすくなる。
なお、前記球方向変化手段の方が、前記球軌道変化手段よりも遊技球に与える影響は大きい。すなわち、前記球方向変化手段は、移動する遊技球の向きを大きく変えるのに対し、前記球軌道変化手段は、移動する遊技球の向きをわずかしか変えない。
また、
『 前記球遅延手段の下流端と前記球挙動安定手段の上流端との間には、隙間[例えば、隙間2653s]が設けられている、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記球挙動安定手段は、前記球遅延手段から離間した位置に設けられたものであってもよい。あるいは、前記球挙動安定手段は、前記球遅延手段に接する位置に設けられたものであってもよい。
また、
『 前記球方向変化手段によって移動方向に変化を与えられた遊技球が通過する経路[例えば、図94に示す左側の経路(第2球経路2602)や右側の経路(連絡経路2607)]内に突出し、該遊技球の移動速度を遅くさせることが可能な減速リブ[例えば、減速リブ26r1]を備えたことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
続いて、第1立体フィルム演出体271、第2立体フィルム演出体272、第3立体フィルム演出体273、および第4立体フィルム演出体274について説明する。
図98は、遊技盤200から、第1立体フィルム演出体271、第2立体フィルム演出体272、第3立体フィルム演出体273、および第4立体フィルム演出体274に重なっていた各種の部材を取り外した状態を示す図である。
図98に示すように、上部には、第1立体フィルム演出体271と第2立体フィルム演出体272が配置されている。また、右側には第3立体フィルム演出体273が配置され、左側には第4立体フィルム演出体274が配置されている。第1立体フィルム演出体271は、第2立体フィルム演出体272に重ねて設けられたものである。
また、図98には、装飾図柄表示装置208が示されている。装飾図柄表示装置208は、液晶組成物を利用した光の変調による画像表示演出を実行可能である。この装飾図柄表示装置208の右端の一部は、右側に配置された第3立体フィルム演出体273の左側の一部に覆われている。
さらに、図98には、略円形のLED発光演出体278も示されている。上述のごとく、LED発光演出体278には、外周に複数のLED2781が設けられており、各立体フィルム演出体271~274は、LED発光演出体278によって側方から光を照射される。なお、各立体フィルム演出体271~274は、LED発光演出体278によって前方から光を照射されるものであってもよい。また、LED発光演出体278を前方から覆う部材を設け、その部材の少なくとも一部が第3立体フィルム演出体273の一部に覆われていてもよい。
図99は、図98に示す状態から第1立体フィルム演出体271と第3立体フィルム演出体273を取り外した状態を示す図である。
図100は、第1立体フィルム演出体271単体を示す図である。図100(a)は、第1立体フィルム演出体271を少し右側から見たときの斜視図であり、同図(b)は、第1立体フィルム演出体271を上方から見たときの概略斜視図である。
第1立体フィルム演出体271は、厚さ0.01mm程度の樹脂フィルム(例えば、ポリスチレン樹脂)を真空成形や圧空成形することで形成されたものであり、平板部2711と立体部2712を有する。平板部2711と立体部2712のうち少なくとも立体部2712は透過性のものである。なお、透過性とは透明であってもよいし半透明であってもよい(本明細書において同じ。)。また、立体部2712は、全体が透過性のものであってもよいし、一部のみが透過性のものであってもよい。
図100(c)は、立体部2712における透過性の部位が不透過性の部位の組み合わせの一例を示す図である。
図100(c)では、7セグメントの数字の縁取り部分が不透過性の部位npeであり、その不透過性の部位npeに囲まれた部位が透過性の部位perになる。なお、不透過性の部位npeの内側を透過性の部位perにしてもよい。
以上説明した第1立体フィルム演出体271についての事項は、その他の立体フィルム演出体272~274においても同様である。また、立体フィルム演出体は、重量や強度に応じた材料を用いて形成されたものであってもよく、厚さ0.01mm程度の樹脂フィルムに限らず、0.1mm未満のフィルム、0.1mm~0.8mm未満のシート、0.8mm以上のプレートなどを用いて形成されたものであってもよい。
図101は、第2立体フィルム演出体272を少し右側から見たときの斜視図である。
第2立体フィルム演出体272の立体部2722には、第1立体フィルム演出体271の立体部2712が被せられる装着部分2723が設けられている。図101に示す装着部分2723のうち前面2724は、全体が透明で平らであるが、全体又は一部がレンズを模した凹凸形状であってもよい。また、装着部分2723のうちの側面2725には、両面テープが貼り付けられ、この両面テープによって、第1立体フィルム演出体271の立体部2712は装着部分2723に固定される。透明な両面テープを用いることで、側面からの光の照射が可能になる。
図102は、第2立体フィルム演出体272の装着部分2723に、第1立体フィルム演出体271の立体部2712が固定された様子を示す斜視図である。
この図102には、第1立体フィルム演出体271から第4立体フィルム演出体274が示されているが、第2立体フィルム演出体272を区別するため、他の立体フィルム演出体とは色を異ならせて示している。第2立体フィルム演出体272のうち、第1立体フィルム演出体271が重なっていない部分は、正面視で、第2立体フィルム演出体272が見えている。また、図102に示すように、第1立体フィルム演出体271の中で1点鎖線で囲んだ部分は、第2立体フィルム演出体272と重なっていない部分であり、後側に第2立体フィルム演出体272が存在しない。
また、図102に示すように、第2立体フィルム演出体272と第4立体フィルム演出体274は、第2立体フィルム演出体272の左下縁2726と、第4立体フィルム演出体274の上縁2741が接触した状態で配置されている。すなわち、第2立体フィルム演出体272と第4立体フィルム演出体274は、互いに隣接した状態で配置されたものである。
また、図100に示すように、第1立体フィルム演出体271の平板部2711には、左右それぞれに、ネジ孔271Nと位置決め孔271Hが設けられている。一方、図99に示すように、遊技盤裏ベース200bには、ネジ受け筒200bPと位置決め突起200bTの組が左右に一つずつ設けられている。左側の位置決め突起200bTを左側の位置決め孔271Hに挿入して位置合わせ行い、右側の位置決め突起200bTを右側の位置決め孔271Hに挿入して位置合わせ行う。位置合わせが完了すると、左側のネジ孔271Nと左側のネジ受け筒200bPにネジが挿通可能になり、ネジ止めを行う。また、右側のネジ孔271Nと右側のネジ受け筒200bPにもネジが挿通可能になり、右側もネジ止めを行う。こうして、第1立体フィルム演出体271は、遊技盤裏ベース200bにネジ止めされる。
さらに、図101に示すように、第2立体フィルム演出体272の平板部2721にも、左右それぞれに、ネジ孔272Nと位置決め孔272Hが設けられている。
各立体フィルム演出体271~274は、レンズの上に配置されている。図102には、上レンズ2752の一部と、右レンズ2753の一部と、左レンズ2754の一部が示されている。これらいずれのレンズ2752~2754は、後側からの光を屈折させて前側に拡散又は集束させる。これらいずれのレンズ2752~2754にも、光拡散部が設けられている。ただし、レンズといっても単なる透明板のものを用いてもよい。
上レンズ2752には、左側と右側それぞれに、ネジ受け孔と位置決め突起が設けられている。図102に示すように、左側の位置決め突起を、第2立体フィルム演出体272の左側の位置決め孔272Hに挿入して位置合わせ行い、右側の位置決め突起を第2立体フィルム演出体272の右側の位置決め孔272Hに挿入して位置合わせ行う。位置合わせが完了すると、第2立体フィルム演出体272の左側のネジ孔272Nと上レンズ2752に設けられた左側のネジ受け孔にネジが挿通可能になり、ネジ止めを行う。また、第2立体フィルム演出体272の右側のネジ孔272Nと上レンズ2752に設けられた右側のネジ受け孔にもネジが挿通可能になり、右側もネジ止めを行う。こうして、第2立体フィルム演出体272は、上レンズ2752にネジ止めされる。図102には、第1立体フィルム演出体271を遊技盤裏ベース200bにネジ止めしているネジ271Sと、第2立体フィルム演出体272を上レンズ2752にネジ止めしているネジ272Sがそれぞれ図示されている。また、遊技盤裏ベース200bに設けられた位置決め突起200bTと、上レンズ2752に設けられた位置決め突起2752Tも図示されている。図102に示すように、第1立体フィルム演出体271の位置決め手段(位置決め突起200bT)や固定手段(ネジ271S)と、第2立体フィルム演出体272の位置決め手段(位置決め突起2752T)や固定手段(ネジ272S)とは、前後方向の位置が異なっている。すなわち、第1立体フィルム演出体271の位置決め手段(位置決め突起200bT)や固定手段(ネジ271S)の方が、第2立体フィルム演出体272の位置決め手段(位置決め突起2752T)や固定手段(ネジ272S)よりも前側に設けられている。こうすることで、演出手段が奥行きをもって配置される。
続いて、第3立体フィルム演出体273を例にあげて、立体フィルム演出体の取付構造について説明するが、以下に説明する事項は、他の立体フィルム演出体でも同様であったり、同じように適用することができる事項である。
図103は、第3立体フィルム演出体273の取付構造を示す分解斜視図である。図103では、左手前側が前側になり、右奥側が後側になる。
図103には、前側から、第3立体フィルム演出体273、右レンズ2753、右レンズ取付ベース2763、右LED基板2773が示されている。
第3立体フィルム演出体273は、平板部2731に、3つのネジ孔273Nと2つの位置決め孔273Hが設けられている。
右レンズ2753には、6つのネジ受け孔275H1~275H6と、2つの位置決め突起275Tと、3つのネジ孔275Nが設けられている。
右レンズ取付ベース2763も透過性のものであり、この右レンズ取付ベース2763には、4つのネジ受け筒276P1~276P4と、4つのネジ孔276Nが設けられている。
右LED基板2773には、複数のLED277Lがマトリックス状に配置されており、4つの切り欠き277Cと、4つのネジ孔277Nが設けられている。
第3立体フィルム演出体273の2つの位置決め孔273Hそれぞれに、右レンズ2753の2つの位置決め突起275Tそれぞれを挿入して位置合わせ行う。位置合わせが完了すると、第3立体フィルム演出体273の3つのネジ孔273Nそれぞれと、右レンズ2753に設けられた6つのネジ受け孔275H1~275H6のうちの3つのネジ受け孔275H1,275H5,275H6それぞれとが挿通可能になり、第3立体フィルム演出体273は右レンズ2753にネジ止めされる。第3立体フィルム演出体273は、左上端部分が右レンズ2753から左側にはみ出した状態でネジ止めされる。図103には、ネジ止めに用いられる3本の小ネジ273Sが示されている。また、図103に示す右レンズ2753には、ネジ止めされた第3立体フィルム演出体273によって覆われる領域を右下がりのハッチングで示している。さらに、図103では、これら3本の小ネジ273Sの位置を結んだ領域が点線で示されている。第3立体フィルム演出体273の重心の位置は、この点線で示された領域から外れた位置にある。
右レンズ取付ベース2763は、右レンズ2753と上レンズ2752の一部が取り付けられるものであり、4つのネジ受け筒276P1~276P4のうち3つのネジ受け筒276P2~276P4に右レンズ2753の3つのネジ孔275Nを一致させ、ネジ止めされる。図103には、右レンズ2753のネジ止めに用いられる3本のネジ275S1~275S3も示されている。これら3本のネジ275S1~275S3のうち、上部の1本のネジ275S1だけは、右下がりのハッチングで示したように、ネジ止めされた第3立体フィルム演出体273によって覆われる。したがって、図98に示すように、下部の2本のネジ275S2,S275S3は視認可能であるが、上部の1本のネジ275S1は視認不能である。なお、第3立体フィルム演出体273を取り外した図99には、そのネジ275S1が示されている。また、右レンズ2753の右端に設けられた下から3つ分のネジ受け孔275H2~275H4は、何ら使用されることなく、右下がりのハッチングで示したように、ネジ止めされた第3立体フィルム演出体273によって覆われ、図98に示すように視認不能である。さらに、4つのネジ受け筒276P1~276P4のうち、最も上レンズ2752側に位置する、最も上方に配置されたネジ受け筒276P1には、ここでは不図示の上レンズ2752のネジ孔を一致させ、ネジ止めが行われる。
このネジ止めに用いられるネジも、ネジ止めされた第3立体フィルム演出体273によって覆われ、図98に示すように視認不能であるが、第3立体フィルム演出体273を取り外した図99には、そのネジがネジ275S4として示されている。
右レンズ取付ベース2763および右LED基板2773は、ここでは不図示のフレーム板にネジ止めされる。すなわち、右レンズ取付ベース2763は、4つのネジ孔276Nに4本のネジ276Sを挿通させる。これら4本のネジ276Sは、右LED基板2773の切り欠き277Cを通って、不図示のフレーム板に固定される。また、右LED基板2773は、4つのネジ孔277Nに4本のネジ277Sを挿通させ、これら4本のネジ277Sによって不図示のフレーム板にネジ止めされる。
右LED基板2773は、右レンズ2753に設けられた光拡散部に覆われたものである。一方、第3立体フィルム演出体273は、その光拡散部を覆っており、第3立体フィルム演出体273を通して、右LED基板2773に実装されたLED277Lの点灯、点滅による発光演出が視認可能である。
なお、ここではネジ止めによってそれぞれが固定されているが、透明な両面テープによって固定されていてもよい。
図104は、フレーム板に取り付けられたLED基板を示す図である。なお、この図104では、図98に示す略円形のLED発光演出体278は取り外されている。
図104には、上LED基板2772、右LED基板2773、および左LED基板2774が示されている。
図105は、各LED基板2772~2774の上に取り付けられた各レンズ取付ベースを示す図である。なお、この図105でも、図98に示す略円形のLED発光演出体278は取り外されている。
図105には、上レンズ取付ベース2762、右レンズ取付ベース2763、および左レンズ取付ベース2764が示されている。上レンズ取付ベース2762は、図104に示す上LED基板2772とほぼ同じ形状であり、上LED基板2772の全域に重なっている。右レンズ取付ベース2763は、図104に示す右LED基板2773とほぼ同じ形状であり、右LED基板2773の全域に重なっている。左レンズ取付ベース2764は、図104に示す左LED基板2774よりも下方に長く、左LED基板2774の全域に重なっている。
図106は、各レンズ取付ベース2762~2764の上に取り付けられた各レンズを示す図である。なお、この図106でも、図98に示す略円形のLED発光演出体278は取り外されている。
図106には、上レンズ2752、右レンズ2753、および左レンズ2754が示されている。
左レンズ2754は、左レンズ取付ベース2764の他、上レンズ取付ベース2762の左端部分も前側から覆っている。また、上レンズ2752は、上レンズ取付ベース2762の他、右レンズ取付ベース2763の左上端部分も前側から覆っている。
図104~図106に示すように、LED基板2772~2774は、それぞれに対応したレンズ取付ベース2762~2764を有し、レンズ取付ベース2762~2764も、それぞれに対応したレンズ2752~2754を有する。ここにいう「対応した」とは、真上に配置され、最も重なった領域が多いものをいう。しかしながら、LED基板の一部が、他のレンズで覆われている場合もある。また、図103に示す第3立体フィルム演出体273の立体部2732のうち、左上端部分は、それ以外の部分の下に配置されたレンズ(右レンズ2753)とは異なるレンズ(上レンズ2752)を通ってきた光によって照らされる。
上LED基板2772に実装されたLEDの発する光は、上レンズ取付ベース2762を通過し、上レンズ2752と、左レンズ2754の一部を通って、第1立体フィルム演出体271および第2立体フィルム演出体272は、上LED基板2772に実装されたLEDによって後側から光を照射される。右LED基板2773に実装されたLEDの発する光は、右レンズ取付ベース2763を通過し、右レンズ2753と、上レンズ2752の一部を通って、第3立体フィルム演出体273は、右LED基板2773に実装されたLEDによって後側から光を照射される。左LED基板2774に実装されたLEDの発する光は、左レンズ取付ベース2764を通過し、左レンズ2754を通って、第3立体フィルム演出体273および第2立体フィルム演出体272の一部は、左LED基板2774に実装されたLEDによって後側から光を照射される。
以上の記載では、
『 立体形状を有する装飾体[例えば、第1立体フィルム演出体271、第2立体フィルム演出体272、第3立体フィルム演出体273、第4立体フィルム演出体274]と、
複数のネジ孔[例えば、ネジ孔275N,275H1~275H6]が設けられた部材[例えば、右レンズ2753]と、
を備え、
前記装飾体は、前記複数のネジ孔のうちネジが挿通されていないネジ孔[例えば、ネジ受け孔275H2~275H4]を覆うものである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
前記装飾体に、ネジが挿通されていないネジ孔につながる穿孔の跡が見つかった場合には、遊技台に不正な改造が施されている恐れがあることを遊技店員が把握することができる。また、前記部材を別の遊技台に再利用する場合に、ネジが挿通されていないネジ孔を用いてもネジ固定することができ、該部材の固定位置の自由度を高めることができる。
なお、前記装飾体は、樹脂製のシートあるいはフィルムを立体加工したものであってもよい。
前記部材は、一部が前記装飾体に覆われていなくてもよい。
前記装飾体は、複数のネジによって前記部材に固定されたものであり、前記装飾体は、重心の位置が、該装飾体を固定する複数のネジの位置を結んだ領域から外れた位置にあってもよい。
前記装飾体は、両面テープによって固定されたものであってもよい。例えば、前記装飾体は、両面テープによって前記部材に固定されたものであってもよい。
前記装飾体は、2以上の他の部品に挟みこまれて固定されたものであってもよい。
前記装飾体は、2以上の固定方法(例えば、ネジ、両面テープ、他の部品による挟持)によって固定されたものであってもよい。
また、
『 前記装飾体とは異なる物[例えば、部材(右レンズ2753)あるいは上レンズ2752]を固定するネジ[例えば、ネジ275S1,図99に示す275S4]を備え、
前記ネジは、前記装飾体[例えば、第3立体フィルム演出体273]に覆われたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
遊技台の外観品質を高めることができる。
なお、前記物は、前記部材であってもよい。
前記ネジは、前記部材[例えば、右レンズ2753]を或る構造体[例えば、右レンズ取付ベース2763]に固定するものであってもよい。
また、
『 前記部材[例えば、右レンズ2753]は、前記複数のネジ孔のうちの一部のネジ孔[例えば、ネジ孔275N]を用いてネジ固定されたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
遊技台の外観品質を高めることができる。
前記部材[例えば、右レンズ2753]は、前記物[例えば、右レンズ取付ベース2763]にネジ固定されたものであってもよい。
また、
『 前記ネジは、前記部材[例えば、右レンズ2753]とは異なる物[例えば、上レンズ2752]を固定するもの[例えば、図99に示す275S4]である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
遊技台の外観品質を高めることができる。
前記部材とは異なる物は、該部材と同じ種類の物であってもよいし、異なる種類の物であってもよい。
また、
『 第一の発光演出を実行可能な第一の演出手段[例えば、右LED基板2773]を備え、
前記装飾体は、透過性を持った部位を少なくとも一部に有するものであり、
前記部材[例えば、右レンズ2753]は、透過してきた光を拡散する光拡散部を少なくとも一部に有するものであり、
前記第一の演出手段は、前記光拡散部に覆われたものであり、
前記装飾体[例えば、第3立体フィルム演出体273]は、前記光拡散部を覆ったものであり、
前記装飾体を通して前記第一の発光演出[例えば、右LED基板2773に実装されたLED277Lの点灯、点滅による発光演出]が視認可能である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
すなわち、前記装飾体は、該装飾体を通して前記第一の発光演出を視認可能となるように前記光拡散部を覆ったものであってもよい。
前記装飾体でネジ孔を隠しつつ前記第一の発光演出を行うことができる。
なお、前記装飾体は、全体が透過性を持ったものであってもよいし、一部のみが透過性を持ったものであってもよい。
前記部材は、全体が透過する光を拡散するものであってもよいし、一部のみが透過する光を拡散するものであってもよい。
前記第一の演出手段は、例えば、LED基板であってもよいし液晶ディスプレイであってもよい。
前記第一の発光演出は、LEDの点灯や点滅による演出であってもよいし、液晶組成物を利用した光の変調による画像表示演出であってもよい。
前記部材は、例えば、レンズ部材であってもよい。
また、
『 第二の発光演出を実行可能な第二の演出手段[例えば、装飾図柄表示装置208]を備え、
前記第二の演出手段は、一部[例えば、右端の一部]が前記装飾体[例えば、第3立体フィルム演出体273]の一部[例えば、左側の一部]に覆われているものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記装飾体でネジ孔を隠しつつ前記第二の発光演出を行うことができる。
なお、前記第二の演出手段は液晶ディスプレイであり、前記第二の発光演出は液晶組成物を利用した光の変調による画像表示演出であってもよい。
また、
『 第三の発光演出を実行可能な第三の演出手段[例えば、LED発光演出体278]を備え、
前記装飾体は、前記第三の発光演出によって、前側又は側方から光を照射されるものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記装飾体でネジ孔を隠しつつ前記第三の発光演出を行うことができる。
なお、前記第三の表示手段を覆う第二の部材の少なくとも一部が前記装飾体の一部に覆われていてもよい。すなわち、前記第三の表示手段を覆う第二の部材の全部が前記装飾体の一部に覆われていてもよいし、前記第三の表示手段を覆う第二の部材の一部のみが前記装飾体の一部に覆われていてもよい。
また、
『 前記装飾体[例えば、第3立体フィルム演出体273]は、平板部[例えば、平板部2731]と立体部[例えば、立体部2732]とを有するものであり、
前記平板部は、前記複数のネジ孔[例えば、ネジ受け孔275H1~275H6]のうちの一部のネジ孔[例えば、ネジ受け孔275H1,275H5,275H6]を用いて前記部材[例えば、右レンズ2753]にネジ固定されたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記平板部は、前記複数のネジ孔[例えば、ネジ受け孔275H1~275H6]のうちネジが挿通されていないネジ孔[例えば、ネジ受け孔275H2~275H4]を覆うものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
以上の記載では、
『 立体形状を有する第一の装飾体[例えば、第1立体フィルム演出体271]と、
立体形状を有する第二の装飾体[例えば、第2立体フィルム演出体272]と、
を備え、
前記第二の装飾体は、少なくとも一部が前記第一の装飾体の少なくとも一部に覆われたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
について説明した。
前記第一の装飾体と前記第二の装飾体が重なることで遊技台の装飾をより立体感のある装飾にすることができる。
なお、前記第一の装飾体は、樹脂製のシートあるいはフィルムを立体加工したものであってもよい。前記第二の装飾体は、樹脂製のシートあるいはフィルムを立体加工したものであってもよい。
前記第一の装飾体は、複数のネジによって前記部材に固定されたものであり、前記第一の装飾体は、重心の位置が、該第一の装飾体を固定する複数のネジの位置を結んだ領域から外れた位置にあってもよい。前記第二の装飾体は、複数のネジによって前記部材に固定されたものであり、前記第二の装飾体は、重心の位置が、該第二の装飾体を固定する複数のネジの位置を結んだ領域から外れた位置にあってもよい。
前記第二の装飾体は、全部が前記第一の装飾体の全部に覆われたものであってもよいし、全部が前記第一の装飾体の一部のみに覆われたものであってもよいし、一部のみが前記第一の装飾体の全部に覆われたものであってもよいし、一部のみが前記第一の装飾体の一部のみに覆われたものであってもよい。
前記第一の装飾体は、第一の部材に固定されたものであり、前記第一の部材は、前記第一の装飾体とは重ならない部分があるものであってもよい。前記第二の装飾体は、第二の部材に固定されたものであり、前記第二の部材は、前記第二の装飾体とは重ならない部分があるものであってもよい。
前記第一の装飾体が前記第一の部材に固定された位置は、前記第二の装飾体が前記第二の部材に固定された位置よりも前側(遊技者側)であってもよい。
前記第一の装飾体は、一部の形状が前記第二の装飾体の一部の形状と相似関係にあってもよい。
前記第一の装飾体は、前記第二の装飾体に両面テープで固定されているものであってもよい。
また、
『 前記第二の装飾体は、前記第一の装飾体と前後方向に重ならない部位を有するものである[例えば、図102]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第一の装飾体と前記第二の装飾体が重なる部位と奥側の装飾体(該第二の装飾体)のみが見える部位とによって、該第一の装飾体と該第二の装飾体の組み合わせを正面視よりも斜め方向から見た場合により立体感のあるものにすることができる。
また、
『 前記第一の装飾体は、前記第二の装飾体と前後方向に重ならない部位[例えば、図102において1点鎖線で囲んだ部位]を有するものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第一の装飾体と前記第二の装飾体が重なる部位と前側の装飾体(該第一の装飾体)のみが見える部位とによって、該第一の装飾体と該第二の装飾体の組み合わせを正面視よりも斜め方向から見た場合により立体感のあるものにすることができる。
また、
『 第三の発光演出を実行可能な第三の演出手段[例えば、LED発光演出体278]を備え、
前記第一の装飾体は、前記第三の発光演出によって、前側又は側方から光を照射されるものであり、
前記第二の装飾体は、前記第三の発光演出によって、前側又は側方から光を照射されるものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第一の装飾体と前記第二の装飾体の組み合わせの影によって奥行き感や立体感のある装飾にすることができる。
また、
『 前記第一の装飾体は、少なくとも一部が透過性を有するものであり[例えば、図100]、
前記第二の装飾体は、少なくとも一部[例えば、装着部分2723]が、前記第一の装飾体の透過性を有する部位(以下、「第一の部位」という。)に覆われたものである[例えば、図101]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第一の装飾体と前記第二の装飾体の組み合わせをより立体感や奥行きのあるものにすることができる。
なお、前記第一の装飾体は、全体が透過性を有するものであってもよいし、一部のみが透過性を有するものであってもよい。
なお、前記第二の装飾体は、全体が、前記第一の部位に覆われたものであってもよいし、一部のみが、該第一の部位に覆われたものであってもよい。
また、
『 第四の発光演出を実行可能な第四の演出手段[例えば、上LED基板2772]を備え、
前記第二の装飾体における前記第一の部位に覆われた部位(以下、「第二の部位」という。)[例えば、装着部分2723]は、透過性を有するものであり、
前記第四の演出手段は、少なくとも前記第二の部位に覆われたものであり、
前記第一の部位から前記第二の部位を通して前記第四の発光演出が視認可能である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
立体感のある、前記第一の装飾体と前記第二の装飾体の組み合わせによって、発光演出を実行することができる。
前記第二の部位は、少なくとも一部が透過性を有するものであってもよい。すなわち、前記第二の部位は、全体が透過性を有するものであってもよいし、一部のみが透過性を有するものであってもよい。
前記第四の演出手段は、例えば、LED基板であってもよいし液晶ディスプレイであってもよい。前記第四の発光演出は、LEDの点灯や点滅による演出であってもよいし、液晶組成物を利用した光の変調による画像表示演出であってもよい。
前記第二の部位は、少なくとも一部が凹凸形状のものであってもよい。すなわち、前記第二の部位は、全体が凹凸形状のものであってもよいし、一部のみが凹凸形状のものであってもよい。あるいは、前記第二の部位は、少なくとも一部が平面状のものであってもよい。すなわち、前記第二の部位は、全体が平面状のものであってもよいし、一部のみが平面状のものであってもよい。また、前記第二の部位は、レンズを模した形状が形成されたものであってもよい。前記第二の部位は、前記形状が、全体に形成されたものであってもよいし、一部のみに形成されたものであってもよい。
また、
『 前記第一の装飾体は、不透過性の部位(以下、「第三の部位」という。)[例えば、文字等の縁取りの部分]を有するものであり、
前記第一の部位は、前記第三の部位に囲まれた部位である、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
前記第一の部位を強調して遊技者に視認させることができる場合がある。
なお、前記第二の装飾体は、透過部と、該透過部を囲む不透過部を有するものであってもよい。
また、
『 前記第一の装飾体は、第一の平板部[例えば、平板部2711]と第一の立体部[例
えば、立体部2712]とを有するものであり、
前記第一の平板部は、第一の部材[例えば、遊技盤裏ベース200b]に固定されたものである、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
また、
『 前記第二の装飾体は、第二の平板部[例えば、平板部2721]と第二の立体部[例えば、立体部2722]とを有するものであり、
前記第二の平板部は、第二の部材[例えば、上レンズ2752]に固定されたものであり、
前記第一の装飾体は、前記第二の装飾体にも固定されたものである[例えば、両面テープで固定されたものである]、
ことを特徴とする遊技台。』
についても説明した。
図107は、本発明を適用可能な封入式のパチンコ機の正面図である。
図107に示す封入式のパチンコ機100hでは、所定数の遊技媒体(例えば、遊技球)を遊技台内部で循環させる。すなわち、発射手段101hから遊技領域102hに発射された遊技媒体が、遊技領域102hから排出されて再び発射手段101hへ供給可能としている。また、遊技媒体の数(賞球、貸球、総持玉数等)の情報や、その他の情報を表示する表示手段103hが遊技台前面の遊技領域102hの下方に配設されており、図73に示す、遊技者が接触可能な球貯留皿126は設けられていない。
以上説明したように、図107に示すパチンコ機100hは、球を封入し、封入した球をパチンコ機内で循環させて使用するものであって、封入した球を発射球として使用し、球の払出はクレジットによって実行されるものであってもよい。
なお、本発明の実施の形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。また、以上説明した、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等に適用してもよい。すなわち、適用させることを妨げる要因がない限りは、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等の記載それぞれにのみ含まれている構成要件を他の、実施形態や実施例や変形例や各種の例や付記等に適用しても、一つのまとまりのある技術的思想として成り立つ。