JP2022029573A - タービンロータの突起部の補修方法 - Google Patents

タービンロータの突起部の補修方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な設備でタービンロータの突起部を良好に補修することができるタービンロータの突起部の補修方法を提供する。【解決手段】突起部201の先端面211に対してレーザークラッディングを用いた表面処理を行うことにより、先端面211に肉盛層135を形成して突起部201を補修する。レーザークラッディングでは、粉末材料からなる溶材132を先端面211に向けて噴射しつつ、先端面211に向けてレーザービーム133を照射し、溶材132を溶融させて先端面211に固着させることにより肉盛層135を形成する。【選択図】 図3

Description

本発明は、タービンに用いられるタービンロータの突起部を補修する方法に関するものである。
タービンに用いられるタービンロータに備えられた突起部は、その先端面が使用とともに摩耗するため、定期的に補修を行う必要がある。突起部の補修は、納期短縮及びコスト削減の観点では、現場で行うことが好ましい。特にタービンロータが大型である場合などには、現場で補修を行うことにより、運搬コストを削減することができる。
一方で、レーザービームを照射して溶材を溶融させることにより、溶接又は肉盛り等の加工を行う加工方法が従来から知られている。この種の従来の加工方法では、溶材だけでなく母材も溶融してしまうため、近年では、母材の溶融を防止することができる加工方法の一例として、レーザークラッディングが提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
国際公開第2017/170890号
タービンロータの突起部の補修を現場で行うためには、可搬サイズの簡単な設備で補修できることが重要となる。しかしながら、そのような簡単な設備で突起部を良好に補修することができるような技術は、従来提案されていない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、簡単な設備で突起部を良好に補修することができるタービンロータの突起部の補修方法を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るタービンロータの突起部の補修方法は、タービンロータの突起部の先端面に対してレーザークラッディングを用いた表面処理を行うことにより、前記先端面に肉盛層を形成して前記突起部を補修する補修工程を含む。前記レーザークラッディングでは、粉末材料からなる溶材を前記先端面に向けて噴射しつつ、前記先端面に向けてレーザービームを照射し、前記溶材を溶融させて前記先端面に固着させることにより肉盛層を形成する。
このような構成によれば、簡単な設備で表面処理が可能なレーザークラッディングを用いて、突起部の先端面に肉盛層を形成して突起部を補修することができる。これにより、突起部の補修を現場で行うことが可能となるため、突起部の補修についての納期短縮及びコスト削減を図ることができる。また、レーザークラッディングでは、母材としての突起部の溶融を防止することができるため、突起部を良好に補修することができる。
(2)前記補修工程では、前記先端面に対して前記レーザークラッディングを用いた表面処理を複数回行うことにより、肉盛層を複数層形成してもよい。
このような構成によれば、レーザークラッディングを用いた表面処理を複数回行うことにより、複数層からなる分厚い肉盛層を突起部の先端面に形成することができる。これにより、摩耗した突起部の先端面を所望の高さまで肉盛りして補修することが可能となる。
(3)前記補修工程では、前記先端面に対するレーザービームの照射位置を徐々に遠ざけることにより、肉盛層を複数層形成してもよい。
このような構成によれば、レーザービームの照射位置を突起部の先端面から徐々に遠ざけることにより、母材としての突起部を溶融させることなく、複数層からなる肉盛層を良好に形成することができる。したがって、突起部をさらに良好に補修することができる。
(4)前記突起部は、回転体の外周面から突出するように周方向に形成されていてもよい。
このような構成によれば、回転体の外周面に形成された周方向に延びる突起部を良好に補修することができる。
(5)前記補修工程では、前記回転体を回転させながら、前記周方向に延びる前記先端面に肉盛層を形成してもよい。
このような構成によれば、回転体を回転させながら、周方向に延びる突起部の先端面に肉盛層を容易に形成することができるため、突起部の補修についてのさらなる納期短縮及びコスト削減を実現することができる。
(6)前記タービンロータの突起部の補修方法は、前記先端面に向けてレーザービームが照射されるように照射位置を調整する位置調整工程をさらに含んでいてもよい。この場合、前記補修工程は、前記位置調整工程の後に行われてもよい。
このような構成によれば、突起部の先端面に対するレーザービームの照射位置を正確に調整した上で、当該先端面に肉盛層を形成して突起部を補修することができる。したがって、突起部をより良好に補修することができる。
(7)前記位置調整工程では、前記先端面に向けてレーザービームを照射しながら照射位置を調整してもよい。
このような構成によれば、突起部の先端面に照射されるレーザービームを目視しながら照射位置を調整することができるため、容易かつ正確に照射位置を調整することができる。
(8)前記タービンロータの突起部の補修方法は、前記先端面を平滑化する平滑化工程をさらに含んでいてもよい。この場合、前記補修工程は、前記平滑化工程の後に行われてもよい。
このような構成によれば、突起部の先端面を平滑化した上で、当該先端面に肉盛層を形成して突起部を補修することができる。したがって、突起部をより良好に補修することができる。
本発明によれば、簡単な設備で表面処理が可能なレーザークラッディングを用いて、母材としての突起部の溶融を防止しつつ突起部の先端面に肉盛層を形成することができるため、簡単な設備で突起部を良好に補修することができる。
本発明の一実施形態に係るタービンロータの突起部の補修方法を実施するための補修システムの構成例を示した正面図である。 図1の補修システムの側面図である。 レーザークラッディングの具体的方法について説明するための概略図である。 突起部の補修手順の一例を示したフローチャートである。 平滑化工程について説明するための概略図である。 位置調整工程について説明するための概略図である。 補修工程について説明するための概略図である。
1.タービンロータの突起部の補修システム
図1は、本発明の一実施形態に係るタービンロータの突起部の補修方法を実施するための補修システム100の構成例を示した正面図である。図2は、図1の補修システム100の側面図である。
補修システム100により補修される突起部201は、タービンに用いられるタービンロータ200(以下、単に「ロータ200」という。)に形成されている。この場合、ロータ200に形成された突起部201の先端面に対して表面処理が行われることにより、当該突起部201の補修が行われる。
ロータ200は、上記突起部201の他に、例えば回転体202及び軸部203を備えている。回転体202は、例えば円筒状又は円柱状であり、その中心軸線Lに沿って延びるように軸部203が連結されている。突起部201は、回転体202の外周面から突出している。具体的には、回転体202の外周面に沿って周方向に延びるように突起部201が形成されている。
この例では、突起部201が円環状に形成されている。突起部201の先端面における中心軸線Lに沿った幅は、例えば0.5~1.0mmであり、より具体的には約0.8mmである。回転体202の外径は、例えば700~1500mmである。突起部201は、例えば複数設けられており、中心軸線Lが延びる方向に互いに間隔を隔てて平行に配置されている。ただし、突起部201の数は、複数に限らず、1つであってもよい。また、突起部201は、円環状に限らず、円弧状又は螺旋状などの他の態様で形成されていてもよい。
補修システム100には、ロータ200を保持する保持機構101と、ロータ200の突起部201に対して表面処理を行う処理機構102とが含まれる。これらの保持機構101及び処理機構102は、本実施形態のように分離して構成されていてもよいし、一体的に構成されていてもよい。保持機構101及び処理機構102は、それぞれ可搬式であり、ロータ200が設置されている現場(工場内又は敷地内など)に搬入して、ロータ200の突起部201に対する補修作業を行うことができる。
保持機構101は、ロータ200の軸部203の一端部を保持する第1保持部110と、ロータ200の軸部203の他端部を保持する第2保持部120とを備えている。第1保持部110は、チャック部111、駆動部112及び土台部113を含む。チャック部111は、軸部203の端部を着脱可能であり、水平方向に延びる回転軸線を中心に回転可能な状態で駆動部112に保持されている。駆動部112は、例えばモータなどの駆動源を備えており、設定された速度でチャック部111を回転させることができる。駆動部112は、土台部113に固定された状態で、作業現場に設置される。第2保持部120は、支持部121及び土台部122を含む。支持部121は、土台部122に固定された状態で、作業現場に設置される。
ロータ200は、軸部203が水平方向に延びるように、保持機構101により保持される。このとき、軸部203の一端部は、第1保持部110のチャック部111に固定される。一方、軸部203の他端部は、第2保持部120の支持部121上に回転可能に支持される。保持機構101により保持された軸部203の中心軸線Lは、チャック部111の回転軸線上に位置している。この状態で第1保持部110の駆動部112を駆動させ、チャック部111を回転させることにより、中心軸線Lを中心にロータ200を回転させることができる。
処理機構102は、処理装置130及び高さ調整機構140を備えている。処理装置130は、ロータ200の突起部201の先端面に対してレーザービームを照射することにより、レーザークラッディングを用いた表面処理を行う。レーザービームは、下方に向かって照射される。レーザークラッディングの具体的方法については後述する。
高さ調整機構140は、アーム部141と土台部142とを備えている。処理機構102は、アーム部141に固定されている。アーム部141には、微調整機構143が設けられており、この微調整機構143を介して処理機構102がアーム部141により保持されている。アーム部141は、土台部142に対して上下方向に変位可能に取り付けられている。土台部142の底部にはローラなどの転動部材144が設けられており、当該転動部材144を転動させながら処理機構102を容易に移動させることができる。
処理装置130の高さ調整は、高さ調整機構140を用いて行うことができる。具体的には、土台部142に対してアーム部141を変位させることにより、高さの粗調整を行うことができる。また、粗調整後に微調整機構143を用いて高さの微調整を行うことができる。微調整機構143には、高さの微調整を行う際に作業者が操作するためのレバー(図示せず)が備えられていてもよい。
処理装置130の水平方向の位置決めは、転動部材144を転動させて土台部42を水平移動させることにより行うことができる。ただし、転動部材144を用いた水平方向の粗調整とは別に、微調整を行うことができるようになっていてもよい。この場合、例えば、微調整機構143が高さの微調整だけでなく水平方向の微調整も行うことができるような構成となっていてもよい。また、微調整機構143は、鉛直方向に対するレーザービームの角度調整も行うことができるような構成であってもよい。
ロータ200の突起部201に対して処理装置130による表面処理を行う際には、ロータ200を保持機構101により保持した状態で、突起部201に対する処理装置130の位置合わせが行われる。処理装置130の位置合わせは、上記のように処理装置130を高さ方向及び水平方向に移動させることにより行われる。ただし、このような構成に限らず、一定の位置に設置された処理装置130に対して、ロータ200が移動されることにより位置合わせが行われるような構成であってもよい。また、突起部201に対する処理装置130の位置合わせは、作業者により手動で行われるような構成に限らず、センサなどを用いて制御部(図示せず)が自動で行うような構成であってもよい。
処理装置130は、当該処理装置130から出力されるレーザービームが突起部201の先端面に照射されるように位置合わせされる。ロータ200は中心軸線Lを中心に回転可能に保持されているため、ロータ200を回転させると、ロータ200の突起部201も中心軸線Lを中心に周方向に回転する。このとき、レーザービームの照射位置が、円環状の突起部201の先端面上を周方向に移動する。したがって、駆動部112の駆動によりロータ200を回転させながら処理装置130からレーザービームを照射することにより、突起部201の先端面に対して周方向に連続的に表面処理を行うことができる。
2.レーザークラッディングの具体的方法
図3は、レーザークラッディングの具体的方法について説明するための概略図である。レーザークラッディングでは、母材に対して溶材の粉末を噴射しながらレーザービームを照射することにより、溶材を直接加熱溶融させて母材上に固着させる。特に、本実施形態では、複数の方向からレーザービームを照射することにより溶材を溶融させる方式(マルチレーザー方式)を用いて、レーザークラッディングが行われる。ただし、複数の方向からレーザービームを照射するような構成に限らず、1方向からのみレーザービームを照射するような構成であってもよい。
具体的には、処理装置130に備えられたノズル131から、母材としての突起部201の先端面211に向けて、粉末材料からなる溶材132がガスとともに噴射される。溶材132は、例えば突起部201の先端面211に対して直交方向に照射される。このとき、複数の方向から突起部201の先端面211に向けて、レーザービーム133が照射される。図3では、2つの方向からレーザービーム133が照射されているが、3つ以上の方向からレーザービーム133が照射されてもよい。
各レーザービーム133は、溶材132の噴射経路に対して外側から、当該噴射経路に徐々に近付くように斜めに照射される。各レーザービーム133は、同一の照射位置134に集光するように連続的に照射される。照射位置134における各レーザービーム133のスポット径は、突起部201の先端面211における中心軸線Lに沿った幅よりも小さく、例えば約0.6mmである。溶材132は、照射位置134に向かって連続的に噴射される。照射位置134は、例えば突起部201の先端面211上、又は先端面211の直上方に設定される。これにより、母材としての突起部201を溶融させることなく、溶材132を溶融させ、その後に自然冷却させることにより溶材132が突起部201の先端面211に固着される。
ロータ200を回転させながら上記処理を行うことにより、図3のように、突起部201の周方向に沿って肉盛層135を形成することができる。このとき、ロータ200を一定速度で回転させれば、周方向に延びる突起部201の先端面211に、均一な厚みの肉盛層135を形成することができる。このように、突起部201の先端面211に肉盛層135を形成することにより、摩耗した突起部201を補修することが可能である。
溶材132は、例えばNi基金属間化合物合金を含む粉末材料からなる。Ni基金属間化合物合金は、Ni(ニッケル)と他の金属との金属間の化合物からなる合金である。他の金属としては、シリコン(Si)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)などを例示することができる。
具体的には、Ni、Si及びTiを含むNi基金属間化合物合金や、Ni、Al及びVを含むNi基金属間化合物合金などが用いられる。Ni、Si及びTiを含むNi基金属間化合物合金において、Niは78.5at%以上81.0at%以下、Siは7.5at%以上12.5at%以下、Tiは1.5at%以上7.5at%以下であることが好ましく、Niが78.5at%以上80.5at%以下、Siが10.0at%以上12.0at%以下、Tiが4.5at%以上6.5at%以下であればより好ましい。Ni、Al及びVを含むNi基金属間化合物合金において、Niは65.0at%以上80.0at%以下、Alは4.0at%以上15.0at%以下、Vは4.0at%以上15.0at%以下であることが好ましく、Niが67.0at%以上77.0at%以下、Alが5.0at%以上10.0at%以下、Vが7.0at%以上14.0at%以下であればより好ましい。ただし、Ni基金属間化合物合金の組成は、上記に限られるものではない。
3.タービンロータの突起部の補修手順
図4は、突起部201の補修手順の一例を示したフローチャートである。図5Aは、平滑化工程について説明するための概略図である。図5Bは、位置調整工程について説明するための概略図である。図5Cは、補修工程について説明するための概略図である。
作業者は、まず、突起部201の前加工として平滑化工程を行う(ステップS101)。平滑化工程では、突起部201の先端面211を平滑化するための表面加工が行われる。図5A(a)に示すように、突起部201は、先端に向かうにつれて幅が狭くなるように先細りした断面台形状に形成されており、摩耗した先端面211は多数の凹凸を有している。作業者は、先端面211に対して機械加工を行うことにより、図5A(b)に示すように先端面211を平坦面に加工する。
その後、作業者は、ロータ200を保持機構101に回転可能に取り付ける(ステップS102)。これにより、ロータ200の軸部203の一端部がチャック部111に固定され、軸部203の他端部が支持部121上に回転可能に支持された状態となる。この状態で、駆動部112を駆動させることにより、突起部201の振れ確認が行われる(ステップS103)。振れ確認では、ロータ200の回転に伴う突起部201の振れ(振幅)が許容範囲内であるか否かが確認される。
突起部201の振れが許容範囲であれば、作業者は、肉盛速度、供給ガス量及び溶材供給量などの各種設定作業を行う(ステップS104~S106)。各種設定作業は、補修システム100に備えられた表示部及び操作部(いずれも図示せず)を用いて行われる。表示部及び操作部は、保持機構101又は処理機構102に設けられていてもよいし、別個に設けられていてもよい。
肉盛速度の設定(ステップS104)では、駆動部112によるロータ200の回転数が設定される。回転数は、一定の値(例えば1200mm/min)に設定される。供給ガス量の設定(ステップS105)では、溶材132とともに噴射されるガス(シールドガス)の流量が設定される。ガス流量は、圧力調整器などを用いて一定の値(例えば5.7L/min)に設定される。溶材供給量の設定では(ステップS106)、噴射される粉末の溶材132の供給量が設定される。溶材132の供給量は、溶材供給装置(図示せず)を調整することにより一定の値(例えば5g/min)に設定される。
上記のような各種設定作業を行った後、作業者は、レーザービーム133の照射位置134の位置調整を行う(ステップS107:位置調整工程)。この位置調整工程により、処理装置130から出力されるレーザービーム133が突起部201の先端面211に向けて照射されるように、レーザービーム133の照射位置134が調整される。
具体的には、処理装置130による表面処理時(肉盛層形成時)よりも弱いレーザービーム133が出力される。そして、図5Bに示すように、処理装置130のノズル131から出力されるレーザービーム133が、突起部201の先端面211の中心に照射されるように、作業者が目視しながら照射位置134の位置調整を行う。すなわち、突起部201の先端面211に向けてレーザービーム133を照射しながら照射位置134が調整される。このとき、複数のレーザービーム133が同一の照射位置134に集光されるに調整される。
その後、突起部201の先端面211に向けて、位置調整時よりも強いレーザービーム133を照射しながら溶材132を噴射することにより、先端面211に肉盛層135を形成する工程(ステップS108:補修工程)が行われる。補修工程では、図5Cに示すように、突起部201の先端面211に対してレーザークラッディングを用いた表面処理が複数回行われることにより、肉盛層135が複数層形成される。
具体的には、レーザークラッディングを行いながらロータ200を複数回転させることにより、突起部201の先端面211上にレーザービーム133の照射位置134を複数回通過させる。これにより、既に形成されている肉盛層135の上に肉盛層135が繰り返し形成され、積層された肉盛層135が形成される。積層された肉盛層135の厚みは、1~5mm程度であり、例えば約3mmである。
複数層の肉盛層135を突起部201の先端面211に形成する場合には、先端面211に対するレーザービーム133の照射位置134を、先端面211から徐々に遠ざけながら肉盛層135を形成することが好ましい。例えば、ロータ200が1回転するごとに、1層の肉盛層135の厚み分だけ先端面211からレーザービーム133の照射位置134を遠ざければ、常に最適な照射位置134にレーザービーム133を照射して肉盛層135を形成することができる。ただし、ロータ200が1回転するごとに断続的にレーザービーム133の照射位置134が先端面211から遠ざかるような構成に限らず、連続的にレーザービーム133の照射位置134が先端面211から遠ざかるような構成であってもよい。
このようにして突起部201の先端面211に複数層の肉盛層135を形成した後、応力を除去するための熱処理が行われ(ステップS109:後熱処理)、突起部201の補修作業が完了する。
4.作用効果
(1)本実施形態では、簡単な設備で表面処理が可能なレーザークラッディングを用いて、突起部201の先端面211に肉盛層135を形成して突起部201を補修することができる。これにより、突起部201の補修を現場で行うことが可能となるため、突起部201の補修についての納期短縮及びコスト削減を図ることができる。また、レーザークラッディングでは、母材としての突起部201の溶融を防止することができるため、突起部201を良好に補修することができる。
(2)特に、本実施形態では、レーザークラッディングを用いた表面処理を複数回行うことにより、図5Cに示すように、複数層からなる分厚い肉盛層135を突起部201の先端面211に形成することができる。これにより、摩耗した突起部201の先端面211を所望の高さまで肉盛りして補修することが可能となる。
(3)また、本実施形態では、複数層の肉盛層135を形成する際に、レーザービーム133の照射位置134を突起部201の先端面211から徐々に遠ざけることにより、母材としての突起部201を溶融させることなく、複数層からなる肉盛層135を良好に形成することができる。したがって、突起部201をさらに良好に補修することができる。
(4)本実施形態では、ロータ200における回転体202の外周面から突出するように突起部201が周方向に形成されており、回転体202を回転させながら、周方向に延びる突起部201の先端面211に肉盛層135を形成することができる。これにより、回転体202を回転させながら、周方向に延びる突起部201の先端面211に肉盛層135を容易に形成することができるため、突起部201の補修についてのさらなる納期短縮及びコスト削減を実現することができるとともに、回転体202の外周面に形成された周方向に延びる突起部201を良好に補修することができる。
(5)また、本実施形態では、図5Bに示すように、突起部201の先端面211に対するレーザービーム133の照射位置134を正確に調整した上で、当該先端面211に肉盛層135を形成して突起部201を補修することができる。したがって、突起部201をより良好に補修することができる。このとき、突起部201の先端面211に向けてレーザービーム133を照射しながら照射位置134を調整することにより、突起部201の先端面211に照射されるレーザービーム133を目視しながら照射位置134を調整することができるため、容易かつ正確に照射位置134を調整することができる。
(6)さらに、本実施形態では、図5Aに示すように、突起部201の先端面211を平滑化した上で、当該先端面211に肉盛層135を形成して突起部201を補修することができる。したがって、突起部201をより良好に補修することができる。
100 補修システム
101 保持機構
102 処理機構
130 処理装置
131 ノズル
132 溶材
133 レーザービーム
134 照射位置
135 肉盛層
140 調整機構
200 ロータ
201 突起部
202 回転体
203 軸部
211 先端面

Claims (8)

  1. タービンロータの突起部の先端面に対してレーザークラッディングを用いた表面処理を行うことにより、前記先端面に肉盛層を形成して前記突起部を補修する補修工程を含み、
    前記レーザークラッディングでは、粉末材料からなる溶材を前記先端面に向けて噴射しつつ、前記先端面に向けてレーザービームを照射し、前記溶材を溶融させて前記先端面に固着させることにより肉盛層を形成することを特徴とするタービンロータの突起部の補修方法。
  2. 前記補修工程では、前記先端面に対して前記レーザークラッディングを用いた表面処理を複数回行うことにより、肉盛層を複数層形成することを特徴とする請求項1に記載のタービンロータの突起部の補修方法。
  3. 前記補修工程では、前記先端面に対するレーザービームの照射位置を徐々に遠ざけることにより、肉盛層を複数層形成することを特徴とする請求項2に記載のタービンロータの突起部の補修方法。
  4. 前記突起部は、回転体の外周面から突出するように周方向に形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のタービンロータの突起部の補修方法。
  5. 前記補修工程では、前記回転体を回転させながら、前記周方向に延びる前記先端面に肉盛層を形成することを特徴とする請求項4に記載のタービンロータの突起部の補修方法。
  6. 前記先端面に向けてレーザービームが照射されるように照射位置を調整する位置調整工程をさらに含み、
    前記補修工程は、前記位置調整工程の後に行われることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のタービンロータの突起部の補修方法。
  7. 前記位置調整工程では、前記先端面に向けてレーザービームを照射しながら照射位置を調整することを特徴とする請求項6に記載のタービンロータの突起部の補修方法。
  8. 前記先端面を平滑化する平滑化工程をさらに含み、
    前記補修工程は、前記平滑化工程の後に行われることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のタービンロータの突起部の補修方法。
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