JP2022029278A - 通信装置、通信装置の制御方法、及び、プログラム - Google Patents

通信装置、通信装置の制御方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

Figure 2022029278000001
【課題】マルチリンク通信において、適切に使用する周波数帯を決定する。
【解決手段】IEEE802.11シリーズの規格に準拠する通信装置は、各周波数帯において送信と受信を独立に行う第1のモード、又は、各周波数帯において同時に送信又は受信を行う第2のモードのいずれかの通信モードで通信を行うことが可能であり、
該第1のモード又は該第2のモードで複数の周波数帯の各周波数帯を使用して第1の他の通信装置と通信している間に、該通信モードに関する所定の条件を満たすと判定された場合に、該複数の周波数帯に基づいて、変更後の該通信モードで通信を行うための複数の周波数帯を決定し、該決定された複数の周波数帯を使用して、変更後の該通信モードで該第1の他の通信装置と通信する。
【選択図】図8

Description

本発明は、無線通信技術に関する。
近年、情報通信技術の発展とともにインターネット使用量が年々増加しており、需要の増加に応えるべく様々な通信技術の開発が進められている。中でも無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)技術は、端末装置によるパケットデータ、音声、ビデオなどのインターネット通信におけるスループット向上を実現しており、現在も様々な技術開発が盛んに行われている。
WLAN技術の発展において、WLAN技術の標準化機構であるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802による数多くの標準化作業が、重要な役割を果たしている。標準WLAN通信規格の一つとしてIEEE802.11シリーズの規格が知られており、IEEE802.11n/a/b/g/acまたはIEEE802.11axなどの規格がある(特許文献1)。例えば802.11axでは、OFDMA(直交周波数分割多重アクセス)により、最大9.6ギガビット毎秒(Gbps)という高いピークスループットに加え、混雑状況下での通信速度向上を実現している。
近年、更なるスループット向上や周波数利用効率の改善、通信レイテンシ改善を目指した後継規格として、IEEE802.11beというtask groupが発足した。IEEE802.11beにおいて、2.4GHz、5GHz、6GHz帯における複数の周波数帯(無線チャネル)を同時に利用して、単一のSTA(ステーション/端末装置)へ送信するマルチリンク技術が検討されている。従来、IEEE802.11規格に準拠するSTAはAP(アクセスポイント)に接続し、単一の周波数帯でアクセスポイントとデータ通信を行っていた。マルチリンク技術では、APとSTAが2つ以上の無線チャネルで同時にデータ通信を行うことにより、スループット向上を実現することができる。
特開2018-50133号公報
マルチリンク技術を用いた通信(マルチリンク通信)には、複数の通信モードがある。例えば、APとSTAが、複数の周波数帯でそれぞれ独立に送受信を行う非同期(Asynchronous)モードと、複数の周波数帯で同期を取りながら送受信を行う同期(Synchronous)モードがある。また、同期モードと非同期モードを状況により使い分ける準非同期モード(Semi-Asynchronousモード)等もある。
非同期モードは、使用する各周波数帯において、APとSTAが送信と受信をそれぞれ独立に行うモードであり、各機器(AP、STA)は、送信と受信を同時に行うことがある。同一機器で送信と受信を同時に行う場合において、送信、受信に使用するそれぞれの周波数帯の間隔が小さいと、送信信号が受信回路に妨害波として混入し、受信特性に悪影響を与える機器内妨害が生じ得る。よって、非同期モードでは、機器内妨害が生じるような間隔の小さい周波数帯は利用できない。一方、同期モードは、使用する各周波数帯において、APとSTAが同時に送信または受信を行うモードである。よって、機器内妨害が生じるような間隔の小さい周波数帯を使用することができる。以下、STAに関して、マルチリンク技術に対応したSTAをML-STAと称し、マルチリンク技術に対応していないSTAをNonML-STAと称する。
上記のように、マルチリンク通信によりスループットは向上し得るが、APとML-STAが適切な通信モードで通信していない場合、スループットが低下する可能性がある。例えば、APとML-STAが、機器内妨害が生じるような間隔の小さい複数の周波数帯を用いて同期モードでマルチリンク通信をしている状態を想定する。このような状態で、NonML-STAがAPと1つの周波数帯を用いて通信を行う場合、ML-STAとAPは、別の周波数帯においては機器内妨害を考慮した通信を行う必要がある。すなわち、当該別の周波数帯を用いたML-STAとAPの通信については、APがNonML-STAに対し送信を行っている場合は送信のみ、受信が行われている場合は受信のみしかできない。その結果、ML-STAにおいて通信の待ち時間が発生し、スループットが低下する。
また、APとML-STAが同期モードでマルチリンク通信をしている状態において、データを双方向でリアルタイムに送受信するようなアプリケーションにおいて使用する場合に、同時に送信と受信をすることができない。そのため、アプリケーションの使用に影響を与えることがあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、マルチリンク通信において、適切に使用する周波数帯を決定することを目的とする。
上記目的を達成するための一手段として、本発明の通信装置は以下の構成を有する。すなわち、
IEEE802.11シリーズの規格に準拠する通信装置であって、
各周波数帯において送信と受信を独立に行う第1のモード、又は、各周波数帯において同時に送信又は受信を行う第2のモードのいずれかの通信モードで通信を行う通信手段と、
前記通信モードの変更に関する所定の条件を満たすかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記所定の条件を満たすと判定された場合に、変更後の前記通信モードで通信を行うために使用する1つ以上の周波数帯を決定する決定手段と、を有し、
前記通信手段が前記第1のモード又は前記第2のモードで複数の周波数帯の各周波数帯を使用して第1の他の通信装置と通信している間に、前記判定手段により前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記決定手段は、前記複数の周波数帯に基づいて、変更後の前記通信モードで通信を行うための複数の周波数帯を決定し、前記通信手段は、前記決定された複数の周波数帯を使用して、変更後の前記通信モードで前記第1の他の通信装置と通信する。
マルチリンク通信において、適切に使用する周波数帯を決定することが可能となる。
ネットワークの構成例を示す。 通信装置の機能構成例を示すブロック図である。 通信装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 機器内妨害が発生しないために必要な周波数間隔値を説明するための概念図である。 第1実施形態におけるAPにより実行されるML-STAとの接続処理のフローチャートである。 第1実施形態における、APとML-STAにより実行される接続処理のシーケンスチャート図である。 第1実施形態におけるリンクの周波数間隔を示す図である。 第1実施形態におけるAPにより実行されるNonML-STAとの接続処理のフローチャートである。 第1実施形態における、APとNonML-STAにより実行される接続処理のシーケンスチャート図である。 第1実施形態におけるリンクの周波数帯変更の概念図である。 第1実施形態におけるAPにより実行されるNonML-STAとの接続切断後のリンクの周波数帯変更処理のフローチャートである。 第1実施形態における、NonML-STAとの接続切断後のリンクの周波数帯変更処理のシーケンスチャート図である。 第2実施形態におけるAPにより実行されるML-STAとの接続処理のフローチャートである。 第2実施形態におけるAPにより実行されるNonML-STAとの接続処理のフローチャートである。 第2実施形態における、APとNonML-STAとの接続処理のシーケンスチャート図である。 第3実施形態における、送信データの種類に基づく使用周波数帯の再変更処理のシーケンスチャート図である。 第3実施形態における、送信データの種類に基づく使用周波数帯の再変更処理のシーケンスチャート図である。 第4実施形態における、送信データの種類に基づく処理のシーケンスチャート図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
なお、以下の説明において、周波数チャネルについては、IEEE802シリーズの規格で定義されたものであり、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯におけるチャネル番号は、本明細書に開示されたものに限らず、任意の番号(チャネル)であってもよい。
[第1実施形態]
本実施形態は、APとML-STAが、同期モードを含む通信モードでマルチリンク通信をしている状態において、NonML-STAがAPに接続する場合に、使用するリンクを、同時に送信と受信を実行できる周波数帯に変更する処理についての実施形態である。上記のように、ML-STAはマルチリンク技術に対応したSTA(ステーション/端末装置)であり、NonML-STAはマルチリンク技術に対応していないSTAを示す。なお、リンクとは、データ送受信ができるようになった周波数チャネル(周波数帯)を指す。
(無線通信システムの構成)
図1に、本実施形態におけるネットワークの構成例を示す。図1は、IEEE802.11beに対応する通信装置として、AP(アクセスポイント)102と、ML-STA103、NonML-STA104を含んだ構成を示している。AP102は、マルチリンク技術に対応する通信装置である。AP102が形成するネットワークは円101で示される。AP102が送受信する信号を、ML-STA103およびNonML-STA104は送受信することができる。
本実施形態では、図2を用いて後述するように、AP102とML-STA103は複数の無線LAN制御部を備え、複数の周波数帯を用いて同時にフレームの送受信ができるものとする。一方、NonML-STA104は、1つの無線LAN制御部を備え、1つの周波数帯を用いてフレームの送受信を行うものとする。
なお、この図は一例であり、例えばさらに広範な領域に多数のML-STAおよびNonML-STAを含むネットワークに対して、また様々な通信装置の位置関係に対して、以下の議論を適用可能である。
(通信装置の構成)
続いて、本実施形態における通信装置(AP102、ML-STA103、NonML-STA104)の構成について説明する。まず、図2を参照して、通信装置の機能構成について説明する。図2(a)に、AP102とML-STA103の機能構成例のブロック図を示す。AP102とML-STA103はそれぞれ、機能構成の一例として無線LAN制御部201a、201b、201c、フレーム生成部202、フレーム解析部203、UI(ユーザインタフェース)制御部204、周波数帯決定部205、マルチリンク通信制御部206、及び通信モード制御部207を備える。
無線LAN制御部201a、201b、201cは、他の無線LAN装置との間で無線信号の送受信を行うための制御を行うプログラムを含んで構成される。無線LAN制御部201a、201b、201cは、IEEE802.11規格シリーズに従って、フレーム生成部202で生成されたフレームを元に無線LANの通信制御を実行する。本実施形態では、無線LAN制御部201a、201b、201cはそれぞれ、アンテナ306a、306b、306c(図3(a))を介して、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯のいずれかで通信(通信制御)を行うことができるものとする。なお、無線LAN制御部の数は3つに限らず、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
フレーム生成部202は、無線LAN制御部201a、201b、201cで送信するべき無線制御フレームを生成する。フレーム生成部202で生成する無線制御フレームの内容は記憶部301(図3(a))に保存されている設定によって制約を課してもよい。また、当該無線制御フレームの内容は、入力部304(図3(a))及びUI制御部204を介したユーザによる設定によって変更してもよい。
フレーム解析部203は、無線LAN制御部201a、201b、201cで受信したフレームを解釈し、その内容を無線LAN制御部201a、201b、201cに反映させる。どの無線LAN制御部で受信したフレームであっても、一度フレーム解析部203を通すことで、フレームを受信していない無線LAN制御部の制御も可能となる。
UI制御部204は、不図示のユーザによるAP102、ML-STA103の入力部304(図3(a))に対する操作を制御するプログラムを含んで構成される。また、UI制御部204は、出力部305(図3(a))を介して画像等の表示、または音声出力等の情報をユーザに提示するための機能も有する。周波数帯決定部205は、データ通信にどの周波数帯を利用可能とするかを決定するための機能を有する。マルチリンク通信制御部206は、マルチリンク通信に関する制御を行うための機能を有する。例えば、マルチリンク通信制御部206は、通信に使用すべき複数の周波数帯を決定(変更または維持を含む)するための制御を行う。通信モード制御部207は、通信モード(同期モードや非同期モード等)の制御を行う。例えば、通信モード制御部207は、通信モードの変更に関する所定の条件を満たすか否かを判定する。同期モードは、複数の周波数帯で同期を取りながら送受信を行う通信モードであり、非同期モードは、APとSTAが、複数の周波数帯でそれぞれ独立に送受信を行う通信モードである。
図2(b)に、NonML-STA104の機能構成例のブロック図を示す。無線LAN制御部211は、他の無線LAN装置との間で無線信号の送受信を行うための制御を行うプログラムを含んで構成される。無線LAN制御部211は、IEEE802.11規格シリーズに従って、フレーム生成部212で生成されたフレームを元に無線LANの通信制御を実行する。本実施形態では、無線LAN制御部211は、アンテナ316(図3(b))を介して、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯のいずれかで通信(通信制御)を行うことができるものとする。フレーム生成部212は、無線LAN制御部211で送信するべき無線制御フレームを生成する。フレーム生成部212で生成する無線制御フレームの内容は記憶部311(図3(b))に保存されている設定によって制約を課してもよい。また、当該無線制御フレームの内容は、UI制御部214を介したユーザによる設定によって変更してもよい。フレーム解析部213は、無線LAN制御部211で受信したフレームを解釈する。UI制御部214は、不図示のユーザによるNonML-STA104の入力部314(図3(b))に対する操作を制御するプログラムを含んで構成される。また、UI制御部214は、出力部315(図3(b))を介して画像等の表示、または音声出力等の情報をユーザに提示するための機能も有する。周波数帯決定部215は、データ通信にどの周波数帯を利用可能とするかを決定するための機能を有する。
次に、図3を参照して、通信装置のハードウェア構成について説明する。図3(a)に、AP102とML-STA103のハードウェア構成例のブロック図を示す。ここではAP102を例に説明するが、ML-STA103にも同様の説明を適用できる。AP102は、ハードウェア構成の一例として、記憶部301、制御部302、機能部303、入力部304、出力部305、通信部307およびアンテナ306a、306b、306cを有する。
記憶部301は、ROM、RAMの両方、または、いずれか一方により構成され、後述する各種動作を行うためのプログラムや、無線通信のための通信パラメータ等の各種情報を記憶する。なお、記憶部301として、ROM、RAM等のメモリの他に、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、DVDなどの記憶媒体が用いられてもよい。
制御部302は、例えば、CPUやMPU等のプロセッサ、ASIC(特定用途向け集積回路)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)等により構成される。ここで、CPUはCentral Processing Unitの、MPUはMicro Processing Unitの頭字語である。制御部302は、記憶部301に記憶されたプログラムを実行することによりAP102全体を制御する。なお、制御部302は、記憶部301に記憶されたプログラムとOS(Operating System)との協働によりAP102全体を制御するようにしてもよい。
また、制御部302は、機能部303を制御して、撮像や印刷、投影等の所定の処理を実行する。機能部303は、AP102が所定の処理を実行するためのハードウェアである。例えば、AP102がカメラである場合、機能部303は撮像部であり、撮像処理を行う。また、例えばAP102がプリンタである場合、機能部303は印刷部であり、印刷処理を行う。また、例えば、AP102がプロジェクタである場合、機能部303は投影部であり、投影処理を行う。機能部303が処理するデータは、記憶部301に記憶されているデータであってもよいし、後述する通信部307を介して他の通信装置と通信したデータであってもよい。
入力部304は、ユーザからの各種操作の受付を行う。出力部305は、ユーザに対して各種出力を行う。ここで、出力部305による出力とは、画面上への表示や、スピーカーによる音声出力、振動出力等の少なくとも1つを含む。なお、タッチパネルのように入力部304と出力部305の両方を1つのモジュールで実現するようにしてもよい。また、入力部304および出力部305は、それぞれAP102と一体であってもよいし別体であってもよい。
通信部307は、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線通信の制御や、IP通信の制御を行う。本実施形態では、通信部307は少なくともIEEE802.11be規格に準拠した処理を実行することができる。また、通信部307は、アンテナ306a、306b、306cを制御して、無線通信のための無線信号の送受信を行う。AP102は通信部307を介して、画像データや文書データ、映像データ等のコンテンツを他の通信装置と通信する。また、通信部307は、送信するデータを保持する送信キューを備える。
アンテナ306a、306b、306cはそれぞれ2.4GHz帯、5GHz帯、および6GHz帯の少なくともいずれかで通信可能なアンテナである。本実施形態では、アンテナ306a、306b、306cはそれぞれ、無線LAN制御部201a、201b、201c(図2(a))による通信のために使用されるものとする。アンテナ306a、306b、306cは、MIMO(Multi-Input and Multi-Output)送受信を実現するために、物理的にそれぞれ1本以上のアンテナで構成されていてもよい。
図3(b)に、NonML-STA104のハードウェア構成例のブロック図を示す。図3(b)において、記憶部311、制御部312、機能部313、入力部314、出力部315、通信部317は、図3(a)の記憶部301、制御部302、機能部303、入力部304、出力部305、及び通信部317と同様のため、説明を省略する。ただし、通信部317はIEEE802.11be規格に準拠していなくてもよい。NonML-STA104は、1本のアンテナ316を有する。アンテナ316は、2.4GHz帯、5GHz帯、および6GHz帯の少なくともいずれかで通信可能なアンテナである。本実施形態では、アンテナ316は、無線LAN制御部211(図2(b))による通信のために使用されるものとする。アンテナ316は、MIMO送受信を実現するために、物理的にそれぞれ1本以上のアンテナで構成されていてもよい。
(処理の流れ)
続いて、本実施形態における各通信装置の処理の流れについて説明する。まず、マルチリンク技術に対応したAP102とML-STA103において予め設定される、機器内妨害が発生しないために必要な周波数間隔値について説明する。非同期モードでのマルチリンク通信の場合(同一機器で送信と受信を同時に行い得る場合)、送信と受信に使用するそれぞれのリンクの周波数間隔が小さい場合、送信信号が受信回路に妨害波として混入し、受信特性に悪影響を与える機器内妨害が生じることがある。機器内妨害の発生を防ぐために、AP102とML-STA103において、機器内妨害が発生しないために必要な周波数間隔値が設定される。
図4に、機器内妨害が発生しないために必要な周波数間隔値Fを説明するための概念図を示す。図4に示すように、周波数間隔値Fは、2つのリンク(Link1とLink2)の使用時に、機器内妨害が発生しないために必要な周波数間隔値である。本実施形態では、AP102に対する周波数間隔値F(以下、FAPと称す)を200MHz、ML-STA103に対する周波数間隔値F(以下、FML-STAと称す)を300MHzに設定する。
<AP102とML-STA103の接続処理>
図5と図6を用いて、AP102とML-STA103との接続処理(データ送受信を行うまでの処理)を説明する。図5に、本実施形態におけるAP102により実行されるML-STA103との接続処理のフローチャートを示し、図6に、本実施形態における、AP102とML-STA103により実行される接続処理のシーケンスチャート図を示す。上述したように、AP102とML-STA103はそれぞれ2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯のいずれかで通信可能な無線LAN制御部201a、201b、201cを有する。
本実施形態では、AP102とML-STA103が接続処理のためのマネジメントフレーム(Management frame)を通信する周波数は、2.4GHzとし、当該通信により他の周波数帯での接続も制御される。なお、2.4GHzを用いることは一例であり、マネジメントフレームを送受信する周波数はこれに限定されない。マネジメントフレームは、IEEE802.11シリーズの規格において規定されており、Beaconフレーム、Probe Request/Response、Authentication Request/Response、Association Request/Response、Reassociation Request/Responseフレーム等を含む。当該フレームの生成処理は、フレーム生成部202により行われる。
図5において、まず、AP102の周波数帯決定部205は、どの周波数帯を利用可能とするかを決定する(S501)。AP102は、周囲の無線環境の混雑具合によって当該決定を行ってもよいが、これに限定されない。本実施形態では、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯が利用可能な状況にあるとする。
AP102の周波数帯決定部205により利用可能とする周波数帯が決定された後、AP102は、周波数帯情報を、利用可能周波数帯の中から1つ周波数帯を用いて送信する(S502)。ここでは、無線LAN制御部201aが、2.4GHz帯を用いて送信を行うものとする(AP102とML-STA103の両方において)。周波数帯情報には、AP102が利用可能な周波数帯の情報と、AP102がマルチリンク通信に対応していることを示す情報と、FAPの情報が含まれる(以下の説明でも同様である)。AP102の無線LAN制御部201aは、例えば、周波数帯情報をBeaconフレームに付与し、2.4GHz帯で送信する(F601)。なお、周波数帯情報はBeaconフレームだけでなく、AP102が送信するProbe Response、Authentication Response、Association Response、Reassociation Responseフレームに付与してもよい。
AP102が周波数帯情報をML-STA103に送信後、Beaconフレームを受信したML-STA103の無線LAN制御部201aは、Probe Requestフレームを2.4GHzで送信し、スキャン動作を開始する(F602)。ML-STA103の無線LAN制御部201aは、Probe Requestフレームに、ML-STA103の周波数帯情報を付与してもよい。周波数帯情報には、ML-STA103が利用可能な周波数帯の情報と、ML-STA103がマルチリンク通信に対応していることを示す情報と、FML-STAの情報が含まれ得る(以下の説明でも同様である)。なお、ML-STA103は、自身の利用可能周波数情報をAuthentication Request、Association Request、Reassociation Requestフレームに含めてAP102に通知してもよい。
ML-STA103からProbe Requestフレームを受信したAP102の無線LAN制御部201aは、Probe ResponseフレームをML-STA103へ送信する(F603)。Probe Responseフレームには、AP102の利用可能周波数情報が含まれ得る。ML-STA103のフレーム解析部203は、AP102からのBeaconフレームやProbe Responseフレームに含まれる利用可能周波数情報を用いて、AP102が対応する周波数、および、その周波数で動作するチャネルを検知する。
その後、AP102とML-STA103は、それぞれの無線LAN制御部201aを介した通信により、接続を確立する(S503、F604、F605)。AP102とML-STA103は、間で暗号化を用いたセキュアな接続を確立する場合は、この後にWPA(Wi-Fi Protected Access)、WPA2、WPA3などの通信処理を行ってもよい。本実施形態では暗号化なしの接続について記載するが、これに限定されない。AP102とML-STA103は、利用可能な2つ以上の周波数帯で接続を確立してもよい。例えば3つの利用可能な周波数帯がある場合、そのうち2つもしくはすべてを利用して接続を確立してもよい。以降、このようにデータ送受信できるようになったチャネル(周波数帯)が、「リンク」となる。本実施形態では、2.4GHz帯の5ch、5GHz帯の36ch、100chをリンクとする。またAP102とML-STA103はそれぞれ、2.4GHz帯においては最大40MHz帯域で、5GHz帯、6GHz帯においては最大160MHz帯域で通信できる機能を持つものとする。
AP102とML-STA103間で接続が確立されると、AP102のマルチリンク通信制御部206は、オプションで、送受信パラメータを決定する(S504、F606)。送受信パラメータは、複数の接続が確立された場合に、それぞれの接続に対してどのように送受信のデータを分配するかを決定するための情報(パラメータ)である。データの分配量は、例えば、各周波数帯で利用できる最大スループットに応じて、または、実際に試験パケットを送ることにより計算された現在のスループットに応じて、決めることができる。また、この値は随時変更してもよい。例えば、AP102は、一定期間データの送受信をした後に、実際に送受信できたデータ量から、次の一定期間のデータの分配量を決めてもよい。もしくは、制御用パケットとデータパケットで送受信する帯域を分けてもよい。
また、マルチリンク通信を行う場合には、AP102の通信モード制御部207は、各リンクでの通信モード、すなわち、各リンク間で同時に送信と受信を行うかどうかを決める。使用する2つのリンク間の周波数間隔が、FAP(=200MHz)とFML-STA(=300MHz)のいずれかよりも小さい場合、通信モード制御部207は、その2つのリンクを用いて同時に送信と受信を行わない(非同期モードを用いない)と決定する。すなわち、通信モード制御部207は、2つのリンク間の周波数間隔が、AP102とML-STA103の両方が当該2つのリンクで送信と受信とを同時に行うために必要な周波数間隔より小さい場合に、同期モードで通信すると決定することができる。また、通信モード制御部207は、2つのリンク間の周波数間隔が当該周波数間隔以上の場合は、同期モード及び/又は非同期モードで通信することを決定することができる。AP102の無線LAN制御部201aは当該決定を送受信パラメータとして(送受信パラメータに含めて)ML-STA103に通知する。
本実施形態におけるマルチリンク通信に使用するリンク間の周波数間隔は、通信に使用できる最大の帯域幅を考慮すると、下記のようになる。図7に、本実施形態におけるマルチリンク通信に使用するリンクの周波数間隔を示す。
・5chと36ch間の周波数間隔: 2708MHz
・36chと100ch間の周波数間隔: 160MHz
・5chと100ch間の周波数間隔: 3028MHz
これらの間隔値と、FAP(=200MHz)とFML-STA(=300MHz)とを比較すると、36chと100chの周波数間隔がFAPとFML-STAのいずれよりも小さい。よって、AP102の通信モード制御部207は、36chと100chのリンク間では、同時に送信と受信を行わずに(非同期モードを用いずに)、同期モードで通信すること決定する。一方、5chと36ch、5chと100chのリンク間では、周波数間隔がFAP、FML-STAのいずれよりも大きい。よって、AP102の通信モード制御部207は、これらのリンク間では、同時に送信と受信を行ってもよい(つまり、同期モードと非同期モードのどちらでもよい)ことを決定する。AP102の無線LAN制御部201aは当該決定を送受信パラメータとして(送受信パラメータに含めて)ML-STA103に通知する。
当該送受信パラメータを用いて、AP102とML-STA103は、マルチリンク通信を用いたデータの送受信を開始する(S505、F607~F609、F617~F6F618、F627~F628)。図6の例では、AP102とML-STA103の無線LAN制御部201aが5ch(2.4GHz帯)で非同期モードを用いてマルチリンク通信を行う。また、AP102とML-STA103の無線LAN制御部201bが36ch(5GHz帯)で同期モードを用いてマルチリンク通信を行う。また、AP102とML-STA103の無線LAN制御部201cが100ch(5GHz帯)で同期モードを用いてマルチリンク通信を行う。なお、同期モード用いたマルチリンク通信は、例えばAP102がML-STA103に通信タイミングについてのトリガーフレームを送信することにより、同期通信が実現され得る。
<AP102とNonML-STA104の接続処理と、使用周波数帯の変更処理>
次に、図8および図9を用いて、AP102がML-STA103とマルチリンク通信を確立した後の、AP102とNonML-STA104との接続処理、及び、AP102による機器内妨害を考慮した使用周波数帯の変更処理について説明する。図8に、本実施形態におけるAP102により実行されるNonML-STA104との接続処理のフローチャートを示し、図9に、本実施形態における、AP102とNonML-STA104により実行される接続処理のシーケンスチャート図を示す。上述したように、NonML-STA104は2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯のいずれかで通信可能な無線LAN制御部211を有する。
図9において、AP102とML-STA103は図5と図6に示したデータ送受信(S505、F607~F609、F617~F6F618、F627~F628)に継続して、データ送受信を行っているものとする(F901、F902、F911、F912、F931、F932)。このとき、AP102の周波数帯決定部205は、どの周波数帯を利用可能とするかを定期的に決定する(S801)。AP102は、周囲の無線環境の混雑具合によって当該決定を行ってもよいが、これに限定されない。本実施形態では、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯が利用可能な状況にあるとする。
S802において、AP102は利用可能周波数帯の中の1つの周波数帯を用いてBeaconフレームを定期的に送信する(F921)。ここでは、無線LAN制御部201bが、5GHz帯を用いてNonML-STA104に対してBeaconフレームを含むマネジメントフレームの送信を行うものとする。無線LAN制御部201bは、BeaconフレームにAP102の周波数帯情報を付与する。周波数帯情報は上記に説明した通りであり、AP102がマルチリンク通信に対応していることを示す情報も含まれ得る。
Beaconフレームを受信したNonML-STA104の無線LAN制御部211は、自身の利用可能な一つの周波数帯(ここでは5GHz)でProbe Requestフレームを送信し(F922)、スキャン動作を開始する。NonML-STA104の無線LAN制御部211は、Probe Requestフレームに、NonML-STA104の周波数帯情報を付与してもよい。周波数帯情報には、NonML-STA104が利用可能な周波数帯の情報と、NonML-STA104がマルチリンク通信に対応していないことを示す情報が含まれ得る。もしくは、周波数帯情報にNonML-STA104がマルチリンク通信に対応していることを示す情報が含まれないように構成されてもよい。なお、NonML-STA104は、自身の周波数情報をAuthentication Request、Association Request、Reassociation Requestフレームに含めてAP102に通知してもよい。
AP102のフレーム解析部203は、NonML-STA104からのProbe Requestフレームに付与されているNonML-STA104の利用可能周波数帯情報を解析する。フレーム解析部203は、にマルチリンク通信に対応していないことを示す情報が含まれている(もしくは、マルチリンク通信に対応していることを示す情報が含まれない)ことから、NonML-STA104がマルチリンク通信に対応していないことを検知する。
本例のように、AP102がNonML-STA104とは別のSTA(すなわち、ML-STA103)と同期モードでマルチリンク通信を行っている場合に、NonML-STA104が当該同期モードで使用しているリンク(36ch)に接続すると、ML-STA103の通信スループットが低下してしまう。そこで、AP102の通信モード制御部207は、36chのような、隣接する1つ以上のリンクとの周波数間隔がFAP(=300MHz)とFML-STA(=200MHz)よりも小さいリンクに、NonML-STA104が接続処理を行う場合に、通信モードの変更に関する条件を満たすと判定する。そして、マルチリンク通信制御部206は、各リンク間のそれぞれの周波数間隔が、FAPとFML-STAのどちらよりも大きくなるように、使用する複数のリンクを変更することを決定し、変更処理を行う。本例では、上記のように、36chと100chの2つのリンクの間隔160MHzがFAP(=300MHz)とFML-STA(=200MHz)よりも小さい。よって、AP102は、100chを変更する。本例では、AP102は、160MHz帯域幅を確保できる6GHz帯の1ch(中心周波数5945MHz)に変更する。
図10に、本実施形態におけるリンクの周波数帯変更の概念図を示す。図10に示すように、リンクの周波数帯変更することにより、周波数間隔は605MHzとなり、FAPとFML-STAよりも大きくなる。そのため、AP102とML-STA103は、5GHz帯の36chと6GHz帯の1chのリンクの間で、機器内妨害なく送信と受信を同時に実行することができるようになる。
AP102の無線LAN制御部201aは、ML-STA103に対し、channel switch announcementを送信し、リンクの周波数帯の変更と、変更後の周波数帯を通知する(F903)。その後、AP102とML-STA103のマルチリンク通信制御部206は、リンクを変更するための制御を行う(F933)。さらに、AP102の通信モード制御部207は、ML-STA103とのマルチリンク通信において、いずれのリンクにおいても同時に送信と受信を実行して良いことを決定する。つまり、AP102の通信モード制御部207は、同期モードと非同期モードのどちらで通信してもよいことを決定する。当該決定は、AP102の無線LAN制御部201aによりML-STA103に通知される。
AP102の無線LAN制御部201bは、NonML-STA104からのProbe Requestフレーム(F922)に対する返答として、Probe Responseフレームを送信する(F923)。Probe Responseフレームには、リンク変更後の利用可能な周波数帯の情報が含まれる。NonML-STA104のフレーム解析部213は、AP102からのProbe Responseフレームに含まれるリンク変更後の利用可能な周波数帯の情報から、AP102が対応する周波数およびその周波数で動作するチャネルを検知する。
その後、AP102とNonML-STA104は、無線LAN制御部201bと無線LAN制御部211を介した通信により、接続を確立する(S803、F924、F925)。AP102とNonML-STA104は、間で暗号化を用いたセキュアな接続を確立する場合は、この後にWPA、WPA2、WPA3などの通信処理を行ってもよい。本実施形態では暗号化なしの接続について記載するが、これに限定されない。
この後、AP102とML-STA103は、マルチリンク通信を用いたデータの送受信を行う(F904、F905、F913、F914、F934~F937)。また、AP102とNonML-STA104は、1つの周波数帯におけるシングルリンク通信を用いたデータの送受信を行う(F926)。
<マルチリンク非対応STAの切断後の使用周波数帯の変更処理>
次に、図11および図12を用いて、NonML-STA104がAP102との接続を切断した後、AP102がML-STA103とのマルチリンク通信に使用する周波数帯を元に(変更前に)戻す処理について説明する。NonML-STA104がAP102との接続を切断した後も、AP102は引き続きリンクの周波数帯を変えずにML-STA103と通信することができる。一方で、AP102は、使用周波数帯の通信状況が混雑してきた等の理由により、周波数帯を元に戻して同期モードに変更することもできる。
図11に、本実施形態における、AP102により実行されるNonML-STA104との接続切断後のリンクの周波数帯変更処理のフローチャートを示す。また、図12に、本実施形態における、NonML-STAとの接続切断後のリンクの周波数帯変更処理のシーケンスチャート図を示す。
図12において、AP102とML-STA103とNonML-STA104は図9と図10に示したデータ送受信(F904、F905、F913、F914、F934~F937、F926)に継続して、データ送受信を行っているものとする。ここで、NonML-STA104が、送受信するデータが終了するなどして、AP102との接続を切断する状況を想定する。このとき、NonML-STA104の無線LAN制御部211は、De-authenticationフレームをAP102に送信する(F1221)。これにより、AP102は、NonML-STA104との接続を切断する(S1101)。
その後、AP102とML-STA103とのデータ送受信は継続する(F1201、F1211、F1212、F1231、F1232)、一方で、AP102は、必要に応じて(例えば、周囲の無線環境の混雑具合(通信状況)やユーザによる入力操作等により)周波数帯を元に戻して同期モードに変更することができる。本例では、AP102の通信モード制御部207が、NonML-STA104がAP102との接続を切断した場合に、通信状況に応じて、通信モードの変更に関する条件を満たすと判定したとする。その後、AP102のマルチリンク通信制御部206は、F933で変更した周波数帯を元に戻すことを決定し、通信モード制御部207は同期モードに変更することを決定する。そして、無線LAN制御部201aは、ML-STA103に対し、channel switch announcementを送信する(F1202、S1102)。これにより、AP102は、リンクの周波数帯の変更と、変更後の周波数帯をML-STAに通知する。その後、AP102とML-STA103のマルチリンク通信制御部206は、リンクを変更する(F1233)。本例では、AP102は、6GHz帯の1chのリンクを、5GHz帯の100chに戻す。この後、AP102はマルチリンク通信により、ML-STA103とデータ送受信を行う(S1103、F1203、F1204、F1213、F1214、F1234、F1235)。
なお、AP102がNonML-STA104との接続を切断した後、通信モード制御部207の決定に関わらず、マルチリンク通信制御部206が使用周波数帯を変更し、その後、通信モード制御部207が通信モードを決定するように構成されてもよい。
このように、本実施形態では、マルチリンク通信に対応しているAPとSTAが同期モードでマルチリンク通信を行っているときに、マルチリンクに対応していないSTAがAPに接続する場合、同時に送信と受信を実行できる周波数帯にリンクを変更する。これにより、マルチリンク通信に対応しているSTAにおける通信のスループットの低下を抑制することができる。また、マルチリンクに対応していないSTAがAPと接続後に、当該接続を切断する場合に、APが周波数帯を基に戻して同期モードで通信する場合の手順についても説明した。
[第2実施形態]
本実施形態は、APとML-STAが、マルチリンク通信をしている状態において、NonML-STAがAPと通信を行う場合の処理についての実施形態である。無線通信システムの構成、AP102、ML-STA103、NonML-STA104の構成は第1実施形態と同様であるため、これらについての記載は省略する。なお、機器内妨害が発生しないために必要な周波数間隔値Fについても第1実施形態と同様である。すなわち、AP102とML-STA103の機器内妨害が発生しないために必要な周波数間隔値Fを、それぞれFAP=200MHzとFML-STA=300MHzとする。
<AP102とML-STA103との接続処理>
図5と図13を用いて、AP102とML-STA103との接続処理(データ送受信を行うまでの処理)を説明する。図5は、本実施形態におけるAP102により実行されるML-STA103との接続処理のフローチャートであり、第1実施形態と同様である。図13は、本実施形態における、AP102とML-STA103により実行される接続処理のシーケンスチャート図である。上述したように、AP102とML-STA103はそれぞれ2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯のいずれかで通信可能な無線LAN制御部201a、201b、201cを有する。
本実施形態では、AP102とML-STA103が接続処理のためのマネジメントフレーム(Management frame)を通信する周波数は、2.4GHzとし、当該通信により他の周波数帯での接続も制御される。なお、2.4GHzを用いることは一例であり、マネジメントフレームを送受信する周波数はこれに限定されない。マネジメントフレームについては、第1実施形態で説明した通りである。
図13のF1301からF1305までの処理は第1実施形態と同様であるため(図5のS501からS503、図6のF601~F605に対応)、説明を省略する。なお、本実施形態では、2.4GHz帯の5ch、5GHz帯の36ch、6GHz帯の1chをリンクとする。また、AP102とML-STA103は、2.4GHz帯においては最大40MHz帯域で、5GHz帯、6GHz帯においては最大160MHz帯域で通信できる機能を持つとする。
AP102とML-STA103間で接続が確立されると、AP102のマルチリンク通信制御部206は、オプションで、送受信パラメータを決定する(S504、F1306)。送受信パラメータは、複数の接続が確立された場合に、それぞれの接続に対してどのように送受信のデータを分配するかを決定するための情報(パラメータ)であり、第1実施形態で説明した通りである。
また、マルチリンク通信を行う場合には、AP102の通信モード制御部207は、各リンクでの通信モード、すなわち、各リンク間で同時に送信と受信を行うかどうかを決める。第1実施形態と同様に、使用する2つのリンク間の周波数間隔が、FAP(=200MHz)とFML-STA(=300MHz)のいずれかよりも小さい場合、通信モード制御部207は、その2つのリンクを用いて同時に送信と受信を行わない(非同期モードを用いない)と決定する。AP102の無線LAN制御部201aは当該決定を送受信パラメータとして(送受信パラメータに含めて)ML-STA103に通知する。
本実施形態におけるマルチリンク通信に使用するリンク間の周波数間隔は、通信に使用できる最大の帯域幅を考慮すると、下記のようになる。
・5chと36ch間の周波数間隔: 2708MHz
・36chと6GHz帯1ch間の周波数間隔: 605MHz
・5chと6GHz帯1ch間の周波数間隔: 3473MHz
これらの間隔値と、FAP(=200MHz)とFML-STA(=300MHz)とを比較すると、いずれの周波数間隔もFAPとFML-STAより大きい。よって、AP102の通信モード制御部207は、各リンク間では同時に送信と受信を行ってもよい(つまり、同期モードと非同期モードのどちらでもよい)ことを決定する。AP102の無線LAN制御部201aは当該決定を送受信パラメータとして(送受信パラメータに含めて)ML-STA103に通知する。
当該送受信パラメータを用いて、AP102とML-STA103は、マルチリンク通信を用いたデータの送受信を開始する(S505、F1307~1309、F1311~F1313、F1321~F1322)。図13の例では、AP102とML-STA103の無線LAN制御部201aが5ch(2.4GHz帯)で非同期モードを用いてマルチリンク通信を行う。また、AP102とML-STA103の無線LAN制御部201bが36ch(5GHz帯)で非同期モードを用いてマルチリンク通信を行う。また、AP102とML-STA103の無線LAN制御部201cが1ch(6GHz帯)で非同期モードを用いてマルチリンク通信を行う。
<AP102とNonML-STA104の接続処理>
次に、図14および図15を用いて、AP102がML-STA103とマルチリンク通信を確立した後の、AP102とNonML-STA104との接続処理について説明する。図14に、本実施形態におけるAP102により実行されるNonML-STA104との接続処理のフローチャートを示し、図15に、本実施形態における、AP102とNonML-STA104により実行される接続処理のシーケンスチャート図を示す。上述したように、NonML-STA104は2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯のいずれかで通信可能な無線LAN制御部211を有する。
図15において、AP102とML-STA103は、図5と図13に示したデータ送受信(S505、F1307~1309、F1311~F1313、F1321~F1322)に継続して、データ送受信を行っているものとする(F1501、F1502、F1511、F1512、F1531、F1532)。このとき、AP102の周波数帯決定部205は、どの周波数帯を利用可能とするかを定期的に決定する(S1401)。AP102は、周囲の無線環境の混雑具合によって当該決定を行ってもよいが、これに限定されない。本実施形態では、2.4GHz帯、5GHz帯、6GHz帯が利用可能な状況にあるとする。
S1402において、AP102は利用可能周波数帯の中の1つの周波数帯を用いてBeaconを定期的に送信する(F1521)。ここでは、無線LAN制御部201bが、5GHz帯を用いてNonML-STA104に対してBeaconフレームを含むマネジメントフレームの送信を行うものとする。無線LAN制御部201bは、BeaconフレームにAP102の周波数帯情報を付与する。周波数帯情報は上記に説明した通りであり、周波数帯情報には、AP102がマルチリンク通信に対応していることを示す情報も含まれ得る。
Beaconフレームを受信したNonML-STA104の無線LAN制御部211は、自身の利用可能な一つの周波数帯(ここでは5GHz)でProbe Requestフレームを送信し(F1522)、スキャン動作を開始する。NonML-STA104の無線LAN制御部211は、Probe Requestフレームに、NonML-STA104の周波数帯情報を付与してもよい。周波数帯情報には、NonML-STA104が利用可能な周波数帯の情報と、NonML-STA104がマルチリンク通信に対応していないことを示す情報が含まれ得る。もしくは、周波数帯情報にNonML-STA104がマルチリンク通信に対応していることを示す情報が含まれないように構成されてもよい。なお、NonML-STA104は、自身の周波数情報をAuthentication Request、Association Request、Reassociation Requestフレームに含めてAP102に通知してもよい。
AP102のフレーム解析部203は、NonML-STA104からのProbe Requestフレームに付与されているNonML-STA104の利用可能周波数帯情報を解析する。フレーム解析部203は、にマルチリンク通信に対応していないことを示す情報が含まれている(もしくは、マルチリンク通信に対応していることを示す情報が含まれない)ことから、NonML-STA104がマルチリンク通信に対応していないことを検知する。
本例では、各リンク間のそれぞれの周波数間隔が、FAPとFML-STAのどちらよりも大きいことから、AP102の通信モード制御部207は通信モードの変更に関する条件を満たさないと判定する。よって、マルチリンク通信制御部206は、第1実施形態のようにリンクの周波数帯の変更を行わない。AP102の無線LAN制御部201bは、NonML-STA104からのProbe Requestフレーム(F1522)に対する返答として、利用可能な周波数帯の情報を含んだProbe Responseフレームを送信する(F1523)。NonML-STA104のフレーム解析部213は、AP102からのProbe Responseフレームに含まれる利用可能な周波数帯の情報から、AP102が対応する周波数およびその周波数で動作するチャネルを検知する。
その後、AP102とNonML-STA104は、無線LAN制御部201bと無線LAN制御部211を介した通信により、接続を確立する(S1403、F1524、F1525)。AP102とNonML-STA104は間で暗号化を用いたセキュアな接続を確立する場合は、この後にWPA、WPA2、WPA3などの通信処理を行ってもよい。本実施形態では暗号化なしの接続について記載するが、これに限定されない。
この後、AP102とML-STA103は、引き続き同時に送信と受信を実行可能な(非同期モードでの)マルチリンク通信を行う(F1503~F1505、F1513~F1514、F1533~F1537)。また、AP102とNonML-STA104は1つの周波数帯におけるシングルリンク通信を用いたデータ送受信を行う(F1526)。
<マルチリンク非対応STAの切断後の使用周波数帯の変更>
NonML-STA104がAP102との接続を切断した後、AP102がML-STA103とのマルチリンク通信に使用する周波数帯を元に戻す処理については、第1実施形態と同様(図11と図12の説明を参照)である。すなわち、AP102の通信モード制御部207が、NonML-STA104がAP102との接続を切断した場合に、通信状況に応じて、通信モードの変更に関する条件を満たすと判定する。その後、AP102は、図12を参照して説明したように、ML-STA103に対し、channel switch announcementを送信する(F1202)。これにより、AP102は、リンクの周波数帯の変更と、変更後の周波数帯をML-STAに通知する。その後、AP102とML-STA103のマルチリンク通信制御部206は、リンクを変更する(F1233)。
このように、本実施形態では、マルチリンクに対応しているAPとSTAが同時に送信と受信を実行できるモードでマルチリンク通信を行っているときに、マルチリンクに対応していないSTAがAPに接続する場合においても、適切に接続することができる。これにより、APとマルチリンクに対応しているSTAは、通信スループットを低下させることなく、通信を継続することが可能となる。
[第3実施形態]
本実施形態は、APとML-STAが、同期モードでマルチリンク通信をしている状態において、データを双方向でリアルタイムに送受信するようなアプリケーションにおいて使用する場合に、同時に送信と受信を実行可能なモード(非同期モード)に変更する処理についての実施形態である。無線通信システムの構成、AP102、ML-STA103、NonML-STA104の構成は第1実施形態と同様であるため、これらについての記載は省略する。本実施形態ではIEEE802.11eで規定されているアクセスカテゴリに基づいて、マルチリンク通信の通信モードを非同期モードに変更する。アクセスカテゴリ(AC)は、フレーム(パケット)送信優先度を示すものである。
<送信データの種類に基づく使用周波数帯の変更>
図16を用いて、AP102とML-STA103がマルチリンク通信を確立した後に、送信データの種類に応じて非同期モードに変更する処理について説明する。図16は、本実施形態における、送信データの種類に基づく使用周波数帯の再変更処理のシーケンスチャート図である。本実施形態において、送信データの種類は、IEEE802.11eに規定されるアクセスカテゴリにより区別されるものとする。AP102のマルチリンク通信制御部206には、予め、非同期モードに変更する条件となるアクセスカテゴリとして、AC_VO(音声データ用アクセスカテゴリ)が設定されものとする。AC_VOは、最も高い送信優先度を有するアクセスカテゴリである。
図16において、AP102とML-STA103は、例えば第1実施形態に示した手順により、2.4GHzの5ch、5GHzの36ch、5GHzの100chをリンクとして同期モードで通信している状態とする(F1601、F1602、F1611、F1622、F1621、F1622)。ここで、AP102とML-STA103において、データを双方向でリアルタイムに送受信するようなアプリケーションが実行されているものとする。
F1603において、データを双方向でリアルタイムに送受信するアプリケーションで生成されたML-STA103宛のデータが、AC_VOカテゴリのフレームとしてAP102の通信部307内の送信キューに入ったとする。AP102のマルチリンク通信制御部206は、当該ML-STA103宛のデータ(送信データ)のアクセスカテゴリにより、当該送信データが、通信モードの変更に関する条件を満たす特定の種類のデータであることを検出する。この場合、通信モード制御部207は、通信モードの変更に関する条件を満たすと判定する。マルチリンク通信制御部206は、同期モードから同時送受信な(非同期モードが可能な)周波数帯にリンクを変更することを決定し、変更処理を行う。具体的には、マルチリンク通信制御部206は、各リンク間のそれぞれの周波数間隔が、FAPとFML-STAのどちらよりも大きくなるようにリンクを変更する。本例では、36chと100chの2つのリンクの間隔160MHzがFAP(=300MHz)とFML-STA(=200MHz)よりも小さい。よって、AP102は、100chを変更する。具体的には、第1実施形態で図10を参照して説明したように、AP102は、160MHz帯域幅を確保できる6GHz帯の1ch(中心周波数5945MHz)に変更する。これにより周波数間隔は605MHzとなり、FAPとFML-STAよりも大きくなるため、AP102とML-STA103は、5GHz帯の36chと6GHz帯の1chのリンクの間で、機器内妨害なく送信と受信を同時に実行することができるようになる。
AP102の無線LAN制御部201aは、ML-STA103に対し、channel switch announcementを送信し、リンクの周波数帯の変更と、変更後の周波数帯を通知する(F1604)。その後、AP102とML-STA103のマルチリンク通信制御部206は、リンクを変更するための制御を行う(F1623)。さらに、AP102のマルチリンク通信制御部206は、ML-STA103とのマルチリンク通信において、いずれのリンクにおいても同時に送信と受信を実行して良いことと決定する。つまり、AP102のマルチリンク通信制御部206は、同期モードと非同期モードのどちらで通信してもよいことを決定する。当該決定は、AP102の無線LAN制御部201aによりML-STA103に通知される。以後、AP102はML-STA103とマルチリンク通信によりデータの送受信を行う(F1605~F1607、F1613~F1615、F1624~F1627)。
なお、本実施形態では、AC_VOカテゴリのフレームが送信キューにはいることを条件として、同期モードから非同期モードに変更することを示したが、ほかのアクセスカテゴリでもよい。またアクセスカテゴリではなく、ほかのデータの送信優先度を示すパラメータを条件としてもよい。
<送信データの種類に基づく使用周波数帯の再変更処理>
次に図17を用いて、AC_VOカテゴリのフレームがAP102の送信キューに入らない状態になった後、AP102がML-STA103とのマルチリンク通信に使用する周波数帯を元に戻す処理について説明する。データを双方向でリアルタイムに送受信するアプリケーションの使用が終了した等の理由で、AC_VOカテゴリのフレームが送信キューに入らない状態になった後も、引き続きリンクの周波数帯を変えずにML-STA103と通信することができる。一方で、使用周波数帯の通信状況が混雑してきた等の理由により、周波数帯を元に戻して同期モードに変更することもできる。
図17に、本実施形態における、送信データの種類(アクセスカテゴリ)に基づく使用周波数帯の再変更処理のシーケンスチャート図である。まず、AP102のマルチリンク通信制御部206が、AC_VOカテゴリのフレームが送信キューに入らない状態になったと判断する(F1701)。マルチリンク通信制御部106は、例えば、予め設定された一定時間(例えば300秒)、AC_VOカテゴリのフレームが送信キューに入らないことを条件として判断する。これに応じて、AP102の通信モード制御部207が、通信状況に応じて、通信モードの変更に関する条件を満たすと判定する。この後の処理(F1702~F1725)については、第1実施形態において説明した図12の説明と同様のため、説明を省略する。
このように、本実施形態にでは、マルチリンク通信に対応しているAPとSTAが同期モードでマルチリンク通信をしている状態において、データを双方向でリアルタイムに送受信し始める場合に、非同期モードでマルチリンク通信可能な使用周波数帯に変更し、同時に送受信可能にする。これにより、同期モードでマルチリンク通信をしている状態においても、データを双方向でリアルタイムに送受信するアプリケーションの使用に影響を与えることを防止することができる。
[第4実施形態]
本実施形態は、APとML-STAが同時に送信と受信を実行できる周波数帯を用いてマルチリンク通信をしている状態において、データを双方向でリアルタイムに送受信するようなアプリケーションにおいて使用する場合の処理に関する実施形態である。無線通信システムの構成、AP102、ML-STA103、NonML-STA104の構成は第1実施形態と同様であるため、これらについての記載は省略する。第3実施形態と同様に、本実施形態では、送信データの種類として、IEEE802.11eで規定されているアクセスカテゴリを用いる例について説明する。
<送信データの種類に基づく処理>
図18を用いて、AP102とML-STA103がマルチリンク通信を確立した後に、送信データの種類に応じて行う処理について説明する。図18は、本実施形態における、送信データの種類に基づく処理のシーケンスチャート図である。AP102とML-STA103は、2.4GHzの5ch、5GHzの36ch、6GHzの1chをリンクとして同期モードで通信している状態とする(F1801、F1802、F1811、F1812、F1821、F1822)。ここで、AP102とML-STA103において、データを双方向でリアルタイムに送受信するようなアプリケーションが実行されているものとする。また、AP102のマルチリンク通信制御部206には、予め、非同期モードに変更する条件となるアクセスカテゴリとして、AC_VO(音声データ用アクセスカテゴリ)が設定されものとする。AC_VOは、最も高い送信優先度を有するアクセスカテゴリである。
F1803において、データを双方向でリアルタイムに送受信するアプリケーションで生成されたML-STA103宛のデータが、AC_VOカテゴリのフレームとしてAP102の通信部307内の送信キューに入ったとする。AP102のマルチリンク通信制御部206は、当該ML-STA103宛のデータ(送信データ)のアクセスカテゴリにより、当該送信データが、通信モードの変更に関する条件を満たす特定の種類のデータであることを検出する。この場合、通信モード制御部207は、通信モードの変更に関する条件を満たすと判定する。
AP102のマルチリンク通信制御部206は、リンクで使用する周波数帯を、各リンク間のそれぞれの周波数間隔を、FAP、FML-STAのどちらよりも大きくなるように決定する。本例ではすでに同時に送信と受信を実行できる周波数帯を用いてマルチリンク通信しているため、マルチリンク通信制御部206は、リンクの周波数帯の変更は行わない。継続して、AP102は、ML-STA103と同時送受信可能なモードを用いたマルチリンク通信(F1804~F1806、F1813~F1815、F1823~F1826)によりデータの送受信を行う。
<使用周波数帯の変更>
AP102は、AC_VOカテゴリのフレームが送信キューに入らない状態になった後も、引き続きリンクの周波数帯を変えずにML-STA103と通信することができる。一方で、AP102は、使用周波数帯の通信状況が混雑してきた等の理由により、周波数帯を変更して同期モードに変更することもできる。同期モードに戻す処理については、第3実施形態において説明した図17の説明と同様のため、説明を省略する。
このように、本実施形態では、APとマルチリンクに対応したSTAが同時に送信と受信を実行可能な周波数帯を用いてマルチリンク通信をしている状態において、データを双方向でリアルタイムに送受信するようなアプリケーションの使用を開始する場合に、適切に処理を行うことができる。
[その他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
101 ネットワーク、102 AP(アクセスポイント)、103;104 STA(ステーション/端末装置)

Claims (12)

  1. IEEE802.11シリーズの規格に準拠する通信装置であって、
    各周波数帯において送信と受信を独立に行う第1のモード、又は、各周波数帯において同時に送信又は受信を行う第2のモードのいずれかの通信モードで通信を行う通信手段と、
    前記通信モードの変更に関する所定の条件を満たすかを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記所定の条件を満たすと判定された場合に、変更後の前記通信モードで通信を行うために使用する1つ以上の周波数帯を決定する決定手段と、を有し、
    前記通信手段が前記第1のモード又は前記第2のモードで複数の周波数帯の各周波数帯を使用して第1の他の通信装置と通信している間に、前記判定手段により前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記決定手段は、前記複数の周波数帯に基づいて、変更後の前記通信モードで通信を行うための複数の周波数帯を決定し、前記通信手段は、前記決定された複数の周波数帯を使用して、変更後の前記通信モードで前記第1の他の通信装置と通信することを特徴とする通信装置。
  2. 前記通信手段は、前記複数の周波数帯のうち、2つの周波数帯の間の周波数間隔が、所定の間隔より小さい場合に、当該2つの周波数帯において前記第2のモードで前記第1の他の通信装置と通信し、前記2つの周波数帯の間の周波数間隔が、前記所定の間隔以上の場合に、当該2つの周波数帯において前記第1のモード又は前記第2のモードで前記第1の他の通信装置と通信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 前記所定の間隔は、前記通信装置と前記第1の他の通信装置の両方が前記2つの周波数帯で送信と受信とを同時に行うために必要な周波数間隔値であることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
  4. 前記複数の周波数帯のうち、前記通信手段が前記第2のモードで前記第1の他の通信装置と通信を行っている第1の周波数帯において、複数の周波数帯を使用した通信に対応しない第2の他の通信装置により接続が行われた場合に、前記判定手段は、前記所定の条件を満たすと判定し、
    、前記第1の周波数帯と、前記複数の周波数帯のうち前記第1の周波数帯に隣接する1つ以上の周波数帯との間の周波数間隔が前記所定の間隔より小さい場合に、前記決定手段は、前記第1の周波数帯と前記隣接する1つ以上の周波数帯との間の周波数間隔が前記所定の間隔以上となるように、前記隣接する1つ以上の周波数帯を変更し、変更された複数の周波数帯を使用することを決定することを特徴とする請求項2または3に記載の通信装置。
  5. 前記通信手段が前記変更された複数の周波数帯を使用して変更後の前記通信モードで前記第1の他の通信装置と通信している間に、前記第2の他の通信装置が前記第1の周波数帯において前記通信装置との接続を切断した場合、前記判定手段は、通信状況に応じて前記所定の条件を満たすと判定し、
    前記決定手段は、前記隣接する1つ以上の周波数帯を変更前の周波数帯に戻した複数の周波数帯を使用することを決定することを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
  6. 前記複数の周波数帯のうち、前記通信手段が前記第1のモードで前記第1の他の通信装置と通信を行っている第2の周波数帯において、複数の周波数帯を使用した通信に対応しない第2の他の通信装置により接続が行われた場合に、前記判定手段は、前記所定の条件を満たさないと判定することを特徴とする請求項2または3に記載の通信装置。
  7. 前記第2の周波数帯において前記第2の他の通信装置により接続が行われた後に、前記第2の他の通信装置が前記第2の周波数帯において前記通信装置との接続を切断した場合、前記判定手段は、通信状況に応じて前記所定の条件を満たすと判定し、
    前記決定手段は、前記第2の周波数帯と、前記複数の周波数帯において前記第2の周波数帯と隣接する1つ以上の周波数帯との間の周波数間隔が前記所定の間隔より小さくなるように、前記隣接する1つ以上の周波数帯を変更し、変更された複数の周波数帯を使用することを決定することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
  8. 前記第1の他の通信装置へ送信するために生成されたデータが特定の種類のデータであるかを検出する検出手段を更に有し、
    前記通信手段が前記複数の周波数帯のうち1つ以上の周波数帯において前記第2のモードで前記第1の他の通信装置と通信を行っている間に、前記検出手段により前記データが前記特定の種類のデータであることが検出された場合、前記判定手段は、前記所定の条件を満たすと判定し、
    前記決定手段は、前記複数の周波数帯における各周波数帯の周波数間隔が前記所定の間隔より小さい場合に、当該各周波数帯の周波数間隔が前記所定の間隔以上となるように、前記複数の周波数帯における少なくとも1つの周波数帯を変更し、変更された複数の周波数帯を使用することを決定することを特徴とする請求項2または3に記載の通信装置。
  9. 前記通信手段が前記変更された複数の周波数帯を使用して変更後の前記通信モードで前記第1の他の通信装置と通信している間に、前記検出手段により前記データが前記特定の種類のデータでないことが検出された場合、前記判定手段は、通信状況に応じて前記所定の条件を満たすと判定し、
    前記決定手段は、前記少なくとも1つの周波数帯を変更前の周波数帯に戻した複数の周波数帯を使用することを決定することを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
  10. 前記検出手段は、IEEE802.11eに規定されるアクセスカテゴリに基づいて、前記データが前記特定の種類のデータであるかを検出することを特徴とする請求項8または9に記載の通信装置。
  11. IEEE802.11シリーズの規格に準拠する通信装置の制御方法であって、
    各周波数帯において送信と受信を独立に行う第1のモード、又は、各周波数帯において同時に送信又は受信を行う第2のモードのいずれかの通信モードで通信を行う通信工程と、
    前記通信モードの変更に関する所定の条件を満たすかを判定する判定工程と、
    前記判定工程において前記所定の条件を満たすと判定された場合に、変更後の前記通信モードで通信を行うために使用する1つ以上の周波数帯を決定する決定工程と、を有し、
    前記通信工程において前記第1のモード又は前記第2のモードで複数の周波数帯の各周波数帯を使用して第1の他の通信装置と通信している間に、前記判定工程において前記所定の条件を満たすと判定された場合に、前記決定工程では、前記複数の周波数帯に基づいて、変更後の前記通信モードで通信を行うための複数の周波数帯を決定し、
    当該決定の後に、前記通信工程において前記決定された複数の周波数帯を使用して、変更後の前記通信モードで前記第1の他の通信装置と通信することを特徴とする制御方法。
  12. コンピュータを、請求項1から10のいずれか1項に記載の通信装置として機能させるためのプログラム。
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