1)全体構成
以下、本発明にかかる遊技機1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明における画像とは、特に明示した場合を除き、静止画像および動画像の両方を含むものとする。
まず、遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤(遊技板)90を備える(図2参照)。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)(図1参照)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。遊技領域902には、始動領域904、大入賞領域906、アウト口907などが設けられている。遊技盤90の後方には表示装置91が固定されている。当該表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901より視認される。表示領域911の形状は適宜変更可能である。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、大入賞領域906等の入賞領域に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。本実施形態では始動領域904も入賞領域とされている。
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否抽選手段が始動領域904への遊技球の進入を契機として実行する。具体的には、始動領域904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否抽選情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、始動領域904として、第一始動領域904a(いわゆる特図1の始動領域)および第二始動領域904b(いわゆる特図2の始動領域)の二つが設けられている。
本実施形態では、表示装置91の表示領域911に表示される装飾図柄80(図3参照)の組み合わせによって当否抽選結果が報知される。それぞれが複数種の装飾図柄80を含む装飾図柄群80g(本実施形態では左装飾図柄群80gL、中装飾図柄群80gC、右装飾図柄群80gRの三つ)が変動表示され、各装飾図柄群80gから一の装飾図柄80(計三つの装飾図柄80)が選択されて当該変動が停止することで当否抽選結果が報知される。本実施形態では、大当たりとなる場合には三つの装飾図柄80が同じ種類となる組み合わせ(当たり組み合わせ)が表示される。はずれとなる場合にはそれ以外の組み合わせ(はずれ組み合わせ)が表示される。
装飾図柄80(装飾図柄群80g)の変動が開始されてから、当否抽選結果に応じた態様で停止するまでに実行される演出を変動中演出(以下、単に変動、回転と称することもある)とする。本実施形態では、上記当否抽選情報が取得された順に対応する変動中演出が開始されることとなるが、ある当否抽選情報が新たに取得されたときに、それより前に取得された当否抽選情報に基づく変動中演出が開始されている際には、新たに取得された当否抽選情報は保留情報(以下、単に保留と称することもある)として図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される(保留情報は当否抽選情報の下位概念であるといえる)。保留情報の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、第一始動領域904aに遊技球が進入することを契機として取得された保留(いわゆる特図1保留)、第二始動領域904bに遊技球が進入することを契機として取得された保留(いわゆる特図2保留)のそれぞれについて四つずつである。なお、特図1保留と特図2保留の両方が記憶手段に記憶されている場合には、特図2保留に対応する当否抽選結果が優先して報知される(特図2優先消化である)
本実施形態では、対応する変動中演出が開始される時点で、取得された当否抽選情報が大当たりとなるものか否かが判断されることとなるが、当否抽選情報(保留情報)が取得されたときに当否抽選を行い、当否抽選結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された当否抽選情報は、変動中演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。本実施形態では、対応する変動中演出が開始されているものの、当該変動中演出が終了していない当否抽選情報は変動中情報として記憶手段に記憶された状態にある。
本実施形態では、記憶手段に記憶されている当否抽選情報の存在を示す保留図柄70が表示領域911に表示される(図3参照)。保留図柄70は、保留情報の存在を示す変動前保留図柄71と、変動中情報の存在を示す変動中保留図柄72に区分けされる。なお、変動中情報は、既に当否抽選が実行されたものであって厳密には「保留」ではないが、一般的に「当該変動保留」等と称されることが多いため、変動中情報の存在を示すものを変動中保留図柄72と称することとする。本実施形態では、遊技状態に応じ、特図1および特図2の保留の一方に対応する保留図柄70のみが表示されるようにしている。したがって、変動中保留図柄72は一つ、変動前保留図柄71は最大四つ表示されることになる。保留図柄70を表示する専用の表示手段が設けられていてもよい。
なお、遊技球を貯留する下皿や上皿(図1参照)など、周知の構成要素は説明を省略する。
2)スペック(遊技状態)
本実施形態では、当否抽選結果が大当たりとなることを目指して遊技者が遊技する遊技状態として、基本状態および当該基本状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である有利状態が設けられている(図4(a)参照)。本実施形態では、基本状態よりも有利状態の方が、当否抽選結果が大当たりとなる確率(大当たり確率)が高い。各状態の当否抽選確率は適宜設定することができる。本実施形態では、基本状態の大当たり確率(低確率)は約1/199であり、有利状態の大当たり確率(高確率)は約1/49である。
基本状態は、第一始動領域904aを狙って遊技球を発射すべき状態である。すなわち基本状態は、第一始動領域904aに遊技球が進入することを契機とした当否抽選(以下、第一当否抽選と称することもある)に当選することで大当たりの獲得を目指す状態である。本実施形態では、表示領域911の左側を遊技球が流下するように「左打ち」を行うべき状態である。有利状態は、第二始動領域904bを狙って遊技球を発射すべき状態である。すなわち有利状態は、第二始動領域904bに遊技球が進入することを契機とした当否抽選(以下、第二当否抽選と称することもある)に当選することで大当たりの獲得を目指す状態である。本実施形態では、表示領域911の右側を遊技球が流下するように「右打ち」を行うべき状態である。基本状態にて「右打ち」を行うことや、有利状態で「左打ち」を行うことは、遊技者にとって不利となる(損をする)。遊技者が現在の遊技状態に適した遊技を行っていない場合には、現在の遊技状態に適した遊技をすべき旨の指示が出される(左打ちしてください、右打ちしてくださいといった指示が出される)。
遊技領域902の右側(右打ちしたときに遊技球が進入する可能性がある位置)には普通始動領域905が設けられている(図2参照)。当該普通始動領域905に遊技球が進入することを契機として普通抽選が実行される。普通抽選に当選した場合には第二始動領域904bが開放される。第二始動領域904bは常態においては閉鎖された(遊技球が進入不能な)領域であり、普通抽選に当選した場合には開放される。有利状態は、基本状態に比して、当該普通抽選に当選する確率が高い。したがって、有利状態にて、継続的に右打ちしていれば第二始動領域904bが頻繁に開放し、比較的容易に第二始動領域904bに遊技球が進入する。本実施形態では第二始動領域904bに遊技球が進入することを契機として所定数の賞球が払い出されることになるため、有利状態(右打ち)においては、基本状態(左打ち)に比していわゆる持ち球の減りが遅い(発射した遊技球数あたりの賞球数が多い)。すなわち、有利状態はいわゆる「高ベース」状態であり、基本状態はいわゆる「低ベース」状態である。また、本実施形態では、変動中演出に要する時間(いわゆる変動時間)の平均も有利状態の方が基本状態に比して短くなるように設定されている。そのため、有利状態では基本状態に比してテンポよく遊技が進行する(ある当否抽選結果の報知から次の当否抽選結果の報知に至るまでの時間が短い)。
本実施形態では、有利状態として、通常有利状態と特別有利状態が設けられている(図4(a)参照)。いずれの状態も、規定回数連続して当否抽選結果がはずれとなることで終了し、基本状態に移行する。通常有利状態は、70回連続して当否抽選結果がはずれとなることを契機として終了する(規定回数=70とされた)ものである。特別有利状態は、1000回連続して当否抽選結果がはずれとなることを契機として終了する(規定回数=1000とされた)ものである。上述した通り、有利状態での大当たり確率は1/49であるから、通常有利状態に移行した場合に70回連続してはずれとなる前に(通常有利状態が終了するよりも前に)、次の大当たりに当選する確率(いわゆる継続確率)は約76%である。一方、特別有利状態に移行した場合に1000回連続してはずれとなる前に(特別有利状態が終了するよりも前に)、次の大当たりに当選する確率(いわゆる継続確率)は約99.999999%である。すなわち、約48/49のはずれが1000回連続しなければ特別有利状態が終了しないことになるが、このような事象が起こることはほぼ無く、特別有利状態は、その状態が終了して基本状態に移行する前に次回の大当たりに当選すること(連荘すること)が実質的に約束された状態であるといえる。なお、継続確率が99%超である状態(大当たりに当選せずに有利状態が終了することが1%未満である状態)を、「次回の大当たりに当選することが実質的に約束された状態」と規定することとする。
本実施形態では、全ての大当たりが、大当たり遊技終了後の遊技状態が有利状態となる大当たりとされている。当該大当たりは、大当たり遊技終了後の遊技状態が通常有利状態となる通常大当たりと、大当たり遊技終了後の遊技状態が特別有利状態となる特別大当たりに区分けされる。第一当否抽選(特図1抽選)で大当たりとなった場合の大当たり振り分けは、通常大当たり100%である。第二当否抽選(特図2抽選)で大当たりとなった場合の大当たり振り分けは、通常大当たり95%、特別大当たり5%である(図4(b)参照)。なお、大当たりとして、大当たり遊技終了後の遊技状態が基本状態となるものが設定された構成としてもよい。
大当たり遊技は、常態において閉鎖されている大入賞領域906が所定の終了条件成立まで開放されるラウンド遊技(単位遊技)を一または複数回繰り返すものである。終了条件は、大入賞領域906が開放されてから所定時間経過すること、および、大入賞領域906が開放されてから所定個数の遊技球が入賞すること、のいずれか一方が発生したときに成立するものとする。ただし、継続的に大入賞領域906を狙って遊技球を発射していれば(本実施形態では右打ちしていれば)、所定時間経過する前(タイムアップする前)に所定個数の遊技球が大入賞領域906に入賞するように設定されている。当該所定個数は「カウント(数)」等と称されるものであり、本実施形態ではカウント=10とされている。つまり、遊技者が継続的に大入賞領域906を狙って遊技球を発射していれば、一回のラウンド遊技にて10個の遊技球が大入賞領域906に入賞する。本実施形態では、大入賞領域906に一の遊技球が入賞したときに払い出される賞球数=10とされている。したがって、遊技者が継続的に大入賞領域906を狙って遊技球を発射していれば、一回のラウンド遊技にて10×10=100個の賞球が払い出されることになる。
各大当たり遊技のラウンド数(単位遊技数)は適宜設定することができる。本実施形態では、第一当否抽選(特図1抽選)で大当たりとなった場合の通常大当たりは5ラウンド(5R通常大当たり)とされている。また、第二当否抽選(特図2抽選)で大当たりとなった場合には、いずれの大当たりも10ラウンド(10R通常大当たり、10R特別大当たり)とされている(図4(b)参照)。
通常、遊技者は基本状態にて遊技を開始する。基本状態にて当選した大当たりは通常大当たりであるから、当該大当たり遊技終了後は通常有利状態に移行する。通常有利状態で通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技終了後は再び通常有利状態に移行する。通常有利状態で特別大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技終了後は特別有利状態に移行する。特別有利状態で通常大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技終了後は通常有利状態に移行する。特別有利状態で特別大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技終了後は再び特別有利状態に移行する。通常有利状態や特別有利状態で規定回数連続してはずれとなることをもって基本状態に移行する(いわゆる連荘状態が終了する)ことになるが、上述した通り、特別有利状態にて1000回連続してはずれとなる事象が生じることは実質的に起こり得ない事象であるため、事実上、通常有利状態にて70回連続してはずれとならない限り、連荘状態が継続するという遊技性(スペック)である。
3)特別連荘画像、保留連荘画像
本実施形態では、いわゆる連荘の発生を示す画像として、特別連荘画像11(図5(a)参照)、保留連荘画像12(図5(b)参照)が表示領域911の全体に表示されることがある。以下、両画像について説明する。なお、いずれの画像も、以下で説明する条件が成立した場合でなければ表示されることはない。いずれの画像も「連荘」の発生を示すものであるから、「連荘」の発生が決まっていない状況においては表示されることはないということになる。
上述した通り、本実施形態では、有利状態の一種として特別有利状態が設けられている。特別有利状態は、特別大当たりとなる大当たり遊技終了後に移行する状態であるところ、特別大当たりに当選した場合には特別連荘画像11(図5(a)参照)が表示されることがある。本実施形態では、通常有利状態にて特別大当たりに当選した場合には、もれなく特別連荘画像11が表示されるようにしている(本実施形態では、特別有利状態にて特別大当たりに当選した場合には特別連荘画像11は表示されない)。ただし、通常有利状態にて特別大当たりに当選した場合に所定の抽選(当選確率≠100%ではない)を実行し、当該抽選に当選した場合に特別連荘画像11が表示されるようにしてもよい。
特別有利状態は、次回の大当たりが実質的に約束されていることから、特別連荘画像11は「連荘」が発生することを踏まえた態様とされる(以下、特別有利状態に移行することによって生じる連荘を特別連荘と称することもある)。特別連荘画像11が表示されるきっかけとなる大当たり(特別大当たり)を、先の大当たり(先の大当たり遊技)と、特別有利状態にて当選することになる大当たり(特別大当たりまたは通常大当たり)を、後の大当たり(後の大当たり遊技)とすると、特別連荘画像11は、先の大当たりと後の大当たりという二回分の大当たりが獲得できることが事実上確定したことを踏まえた態様とされる。
特別連荘画像11は、遊技者に付与される二回分の大当たり(先の大当たり、後の大当たり)を合わせたものを表す特典名称131と、二回分の大当たり遊技にて遊技者が得られる利益を表す利益数値132と、を含むものとされる。本実施形態における特別連荘画像11は、特典名称131として「超絶ボーナス」の文字を含む(図5(a)参照)。つまり、本実施形態では、先の大当たりと後の大当たりという本来であれば二つの大当たりを、「超絶ボーナス」という一つの大当たりであるかのように見せるものとしている。なお、一回の大当たりについて同じ名称を用いてはいない。本実施形態では通常の10ラウンド大当たりは「ビッグボーナス」という名称を用いている。
また、本実施形態における特別連荘画像11は、利益数値132として「2000」の数字を含む(図5(a)参照)。先の大当たりおよび後の大当たりは、いずれも10ラウンド大当たりである。上述した通り、1ラウンドあたりの賞球数は10×10=100個であるから、一回の10ラウンド大当たりで得られる賞球数は1000個であり、二回の10ラウンド大当たりで得られる賞球数は2000個である。よって、将来的に得られるであろう賞球数を表す「2000」の数字が特別連荘画像11に表示される。なお、ここでいう賞球数は、いわゆるオーバー入賞等を加味しない値である。換言すれば、大当たり遊技中に遊技者が継続的に大入賞領域906に向かって遊技球を発射し続けていれば(各ラウンド遊技でタイムアップしなければ)得られる最低のトータル賞球数を表したものである。なお、賞球数ではなく、発射する遊技球の数を踏まえた純増球数(最低の純増球数)を表示するといった態様としてもよい(ただし、発射された遊技球の全てが大入賞領域906に入賞するわけではないのが通常であるため、純増球数を表すのは困難である)。
特別連荘画像11が表示された先の大当たり遊技(図5(b)(c)参照)終了後、特別有利状態に移行することになるが、当該特別有利状態における演出モード(変動中演出の内容(様式)を司る要素。ステージ等とも称される)は、特別演出モードとされる。本実施形態における特別演出モードは「超絶モード」と称されるものであり、特別演出モードに移行する直前(例えば先の大当たり遊技のエンディング期間)、または、特別演出モードが設定されている少なくとも一部の期間中に当該特別演出モードを示す名称(「超絶モード」の文字)が表示領域911に表示される(図5(d)参照)。これにより、遊技者は特殊な演出モードに移行したことを把握する。
本実施形態では、特別有利状態(特別演出モード中)は、変動が高速化される。具体的には、当否抽選結果がはずれとなる変動中演出に要する時間(変動時間)は、本実施形態にかかる遊技機1にて設定されうる全ての変動時間のうち、最も短い時間(最短変動時間)とされる。つまり、当否抽選結果が大当たりとなる変動(後の大当たりに対応する変動)が開始されるまでは、はずれ変動が最短の変動時間とされて、高速で「消化」されていく。このようにすることで、先の大当たり遊技終了後、後の大当たりに当選するまでに要する時間が比較的短くなり、二回の大当たりを一回の大当たりであるかのように見せる効果が高められている。
また、本実施形態では、特別演出モード中は、基本状態中に表示されるような保留図柄70(図3参照)は表示されない(図5(d)参照)。二回の大当たりを一回の大当たりであるかのように見せるため、先の大当たり遊技と後の大当たり遊技の間の期間は、保留図柄70が表示されないようにしてあたかも「変動中」ではないかのように見せる。ただし、図示しないが、表示領域911の外縁近傍に保留情報の数を示す図柄等が目立たないように表示されるようにしてもよい。同様の趣旨で、装飾図柄80も表示領域911の外縁近傍に小さく表示される(図5(d)参照)。
一方、保留連荘画像12(図6(a)参照)は、いわゆる保留(内)連荘が発生するときに表示される場合がある。本実施形態では、通常有利状態にて通常大当たり(先の大当たり)に当選し、かつ、当該当選時点にて記憶手段に記憶されている最大四つの保留情報(第二始動領域904bに遊技球が進入することを契機として取得された特図2保留)の中(以下、単に保留内と称することもある)に、対応する当否抽選結果が大当たり(後の大当たり)となるものが存在する場合に表示されることがある。ただし、本実施形態では、後の大当たりが通常大当たりでなければ保留連荘画像12が表示されることはないように設定されている。後の大当たりが特別大当たりであれば先の大当たり(保留連荘画像12が表示される大当たり)から起算して三連荘が確定することになるところ、このような状況にて保留連荘画像12は表示されない。つまり、先の大当たりから起算して二連荘までが確定している状況にて保留連荘画像12が表示されるようにしている。同様の理由から、記憶手段に記憶されている保留内に対応する当否抽選結果が大当たりとなるものが二以上存在する場合にも保留連荘画像12が表示されることがないように設定されている。
また、本実施形態では、保留内で通常大当たりに当選する場合であっても、保留連荘画像12が表示されないこともある。保留内で通常大当たりに当選することが確認された場合、所定の抽選(当選確率≠100%である)が実行され、その抽選に当選した場合に保留連荘画像12が表示される。したがって、保留連荘画像12が表示されない場合でも、保留内で通常大当たりに当選することはある。ただし、保留内で通常大当たりに当選する場合にはもれなく保留連荘画像12が表示される設定とすることを否定するわけではない。
保留連荘画像12は、特別連荘画像11と同じ態様とされる(説明のため、名称、符号を異ならせているが、両画像は同じ態様である)。つまり、保留連荘画像12も「超絶ボーナス」という特典名称131と、「2000」の利益数値132を含むものとされる(図6(a)参照)。なお、ここでいう同じ態様とは、遊技者視点で同一視できる(遊技者が同じ画像であると感じる)ことをいうものとし、微差が存在すること(例えば表示領域911の外縁近傍に目立たないように小さく表示される情報の違い等)は許容される。ただし、少なくとも上記特典名称131や利益数値132は、その内容のみならず、文字の大きさやフォント、表示領域911における表示される位置が同じとされる。
通常大当たりである先の大当たり遊技の終了後、通常有利状態に移行すること自体は連荘確定の事象ではないが、保留内に大当たりとなるものが存在することは連荘確定の事象である。そこで、本実施形態では、先の大当たり遊技終了後、特別有利状態に移行するがゆえに(実質的に)確定する連荘(二回の大当たり)と、先の大当たり遊技終了後、保留内で大当たりに当選するがゆえに確定する連荘(二回の大当たり)を、同じ一回の大当たり(超絶ボーナスと名付けられた賞球数が2000個の大当たり)であるかのように見せるため、特別連荘画像11と保留連荘画像12とを同じ態様としている。なお、上述した通り、本実施形態では二連荘までが確定している状況にて保留連荘画像12が表示されるようにしている。これは、保留連荘画像12が特別連荘画像11と同じ利益数値132「2000」を含むものであるからである。すなわち、利益数値132は二回分の大当たり(先の大当たり、後の大当たり)で得られるトータルの賞球数を表したものであるから、先の大当たりから起算して二連荘までが確定している状況にて表示されるようにしている。
特別連荘画像11および保留連荘画像12のいずれも、先の大当たり遊技中(特別連荘画像11は特別大当たり遊技中に、保留連荘画像12は通常大当たり遊技中)に表示される。本実施形態では、いずれの画像も、先の大当たりを報知する変動中演出が終了した後、先の大当たり遊技の1ラウンド目が開始されるよりも前のオープニング期間中に表示される(図5、図6のタイムチャート参照)。すなわち、特別連荘および保留連荘のいずれが発生する場合であっても、先の大当たり遊技にておける各画像が表示されるタイミングは同じであるから、そのタイミングによりいずれの連荘が発生したのか区別することはできない。上述した通り、特別連荘画像11および保留連荘画像12は、二回の大当たり(先の大当たり、後の大当たり)を一回の大当たりであるかのように見せるためのものであるため、先の大当たり遊技の冒頭(少なくとも1ラウンド目の遊技が終了するまで)に表示されるようにするとよい。なお、先の大当たりを報知する変動中演出の末尾(変動中演出の終了時点を含む期間中)に特別連荘画像11や保留連荘画像12が表示されるようにすることも、大当たり遊技中の表示であるものとする。
保留連荘画像12が表示された先の大当たり遊技(図6(b)(c)参照)終了後、通常有利状態に移行することになるが、当該通常有利状態における演出モードは、上述した特別演出モード(超絶モード)とされる(図6(d)参照)。つまり、本実施形態では、特別連荘時に先の大当たり遊技終了後に移行する遊技状態と、保留連荘時に先の大当たり遊技終了後に移行する遊技状態とは、特別有利状態と通常有利状態とで異なるものの、いずれの場合であっても特別演出モードに移行する。先の大当たり遊技終了後に移行する遊技状態が厳密には異なるにもかかわらず、同じ特別演出モードに移行するものとして、遊技者に対し同じ事象が発生しているように見せる。なお、当該特別演出モードが設定されるのは、先の大当たり遊技にて保留連荘画像12または特別連荘画像11が表示された場合に限られている。例えば、これらの画像が表示されずに大当たり遊技終了後に通常有利状態に移行する場合において、特別演出モードが設定されることはない。
特別連荘時と同様に、保留連荘時においても、特別演出モードに移行する直前(例えば先の大当たり遊技のエンディング期間)、または、特別演出モードが設定されている少なくとも一部の期間中に当該特別演出モードを示す名称(「超絶モード」の文字)が表示領域911に表示される(図6(d)参照)。これにより、遊技者は特殊な演出モードに移行したことを把握する。
また、特別連荘時と同様に、保留連荘時においても、先の大当たり遊技終了後の通常有利状態での特別演出モード中は、はずれ変動が最短の変動時間とされる(ただし、当然ではあるが、先の大当たり遊技終了後の最初の保留が通常大当たりであれば、はずれ変動は生じない)。つまり、特別連荘時および保留連荘時のいずれであっても、次の大当たりに当選するまでのはずれ変動が高速で「消化」されていく。
さらに、特別連荘時と同様に、保留連荘時においても、先の大当たり遊技終了後の通常有利状態での特別演出モード中は、基本状態中に表示されるような保留図柄70(図3参照)は表示されない。装飾図柄80も表示領域911の外縁近傍に小さく表示される(図6(d)参照)。
特別連荘時および保留連荘時のいずれにおいても、後の大当たりは先の大当たりの「続き」であるかのように見せられる。つまり、後の大当たりの開始時(図5(e)、図6(e)参照)に、新たな大当たりが開始されることを示すような画像は表示されない。
本実施形態では、大当たり遊技中に、実行された単位遊技(ラウンド)の数を示す画像(以下、単位画像15と称する)が表示されるところ、後の大当たり遊技中(図5(e)(f)、図6(e)(f)参照)は先の大当たり遊技にて実行された単位遊技を含めた単位画像15の態様とされる。例えば、先の大当たり遊技の開始時(最初の単位遊技が終了していない時点)にて、計20個の単位画像15が表示され(図5(b)、図6(b)参照)、一回の単位遊技が実行される度に、一つずつ単位画像15が消去されるものとされる(図5(b)(c)(e)(f)、図6(b)(c)(e)(f)参照)。本実施形態では、先の大当たり遊技および後の大当たり遊技のいずれも10ラウンドであるため、先の大当たり遊技の終了時には10個の単位画像15が消去された(10個の単位画像15が残った)状態となり、後の大当たり遊技の終了時には全ての単位画像15が消去された状態となる。つまり、実際には10ラウンド大当たり遊技が二回実行されるものであるものの、(一回の)20ラウンド大当たり遊技が実行されたように見せる画像が表示されるものとされる。
さらに、先の大当たり遊技および後の大当たり遊技においては、利益画像16が表示される。利益画像16は、大当たり遊技にて得られた賞球を示す数値を含むものであり、大入賞領域906に遊技球が入賞する度に、払い出される賞球数(本実施形態では「10」)が加算されていく。ただし、本実施形態では、いわゆるオーバー入賞分の賞球は加算されないようにされる。先の大当たり遊技が終了しても、当該利益画像16の数値はリセットされず、後の大当たり遊技に引き継がれる(図5(b)(c)(e)(f)、図6(b)(c)(e)(f)参照)。本実施形態では、先の大当たり遊技の終了時には利益画像16の数値が「1000」となり、後の大当たり遊技の終了時には利益画像16の数値が「2000」となることになる。また、当該利益画像16の数値に対比させるように「2000」の文字(利益数値132が表す数字)が付される。例えば、利益画像16の数値が「分子」であり、「2000」の文字が「分母」であるような態様とされる。これにより、利益画像16の数値が「2000」に到達することをもって「超絶ボーナス」が終了することを遊技者が理解しやすくなる。
なお、保留連荘時における後の大当たりは、通常大当たりである。一方、特別連荘時における後の大当たりは、通常大当たりだけでなく、特別大当たりとなる可能性もある。本実施形態では、通常大当たりであるか特別大当たりであるかにかかわらず、後の大当たりを上記のように制御する。後の大当たりが特別大当たりである場合、当該後の大当たり遊技終了後は特別有利状態に移行することになるが、当該後の大当たり遊技時に特別連荘画像11が表示されるわけではないため、上述した特別演出モードには移行しない。図示しないが、本実施形態では、当該特別有利状態(特別演出モードが設定されない特別有利状態)は、遊技者の見た目上は通常有利状態であるかのように制御される。当該特別有利状態にて70回連続してはずれとなった場合には、有利状態の「延長」が発生したかのように見せる演出が実行される。
このように、本実施形態では、特別連荘および保留連荘のいずれが発生する場合であっても、同じ態様の画像(特別連荘画像11、保留連荘画像12)が表示される(図5(a)、図6(a)参照)。連荘の要因は異なるものであっても、遊技者にとっては実質的に同じ利益(二回分の大当たりの利益)が得られることに変わりはないから、いずれの場合であっても同じ態様の画像が表示されるようにして、遊技が分かりにくくなるのを抑制するようにしている。また、連荘の要因毎に異なる画像を用意しないものであるから、コスト低減、制御の容易化に資するという利点もある。
また、本実施形態のように、特別連荘画像11および保留連荘画像12が、同じ特典名称131を含むものとすることで、実際には特典付与の要因(特別連荘であるか、保留連荘であるか)が異なるものであるが、遊技者はその要因の違いを意識することなく(同じ特典と捉えて)遊技することができる。
また、本実施形態のように、特別連荘画像11および保留連荘画像12が、同じ値の利益数値132を含むものとすることで、実際には特典付与の要因(特別連荘であるか、保留連荘であるか)が異なるものであるが、同じ利益が得られる同じ特典であるような印象を遊技者に与えることができる。
また、本実施形態では、特別連荘画像11が表示される先の大当たり(特別大当たり)遊技終了後は特別有利状態に移行し、保留連荘画像12が表示される先の大当たり(通常大当たり)遊技終了後は通常有利状態に移行するものであって、厳密には先の大当たりの種類(先の大当たり遊技終了後に移行する遊技状態)が異なるものであるが、いずれのケースにおいても「超絶ボーナス」という特典(遊技者には同種であるように見える特典)を得られる可能性があるという遊技性が実現される。すなわち、一般的には大当たりの種類等によって特典の種類が異なるように見せるのが通常であるところ、本実施形態のようにすることで先の大当たりの種類(先の大当たり遊技終了後に移行する遊技状態)が異なっても同じ種類の特典が得られたかのように見せることができる。
また、本実施形態では、特別連荘画像11が表示される先の大当たり遊技終了後に移行する遊技状態と、保留連荘画像12が表示される先の大当たり遊技終了後に移行する遊技状態とは、特別有利状態と通常有利状態とで異なるものの、いずれの場合であっても特別演出モードに移行する(図5(d)、図6(d)参照)ものであるため、特別有利状態と通常有利状態の違いを遊技者が感じにくい(同じ事象が発生していると遊技者が感じやすくなる)。
以下、上記特別連荘画像11、保留連荘画像12に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇具体例1-1
特別有利状態が、次回大当たりまで継続する有利状態である設定としてもよい。すなわち、特別連荘は、先の大当たり遊技終了後に次回大当たりまで継続する特別有利状態に移行するがゆえに、次回の大当たりの獲得が事実上約束されている構成としてもよい。
〇具体例1-2
上記実施形態では、同じ態様である特別連荘画像11と保留連荘画像12は特典名称131および利益数値132を含むものであることを説明したが、(同じ態様であることは維持しつつも)特典名称131および利益数値132の一方のみを含む構成としてもよい。
また、同じ態様である特別連荘画像11と保留連荘画像12が、特典名称131や利益数値132以外の要素を含むものとしてもよい。上記実施形態では、先の大当たりと後の大当たりという二回の大当たりを一回の大当たりと見せることを目的として両画像の態様が構成されていることを説明したが、これとは異なり「連荘」であることを示唆するような要素を含むものとしてもよい。例えば、両画像とも「W」といった文言を含む態様として、連荘(二回の大当たり)が発生することを遊技者に示唆するものとすることが考えられる(図7参照)。ただし、このような構成としても、「連荘」が発生する要因の違いが特別連荘画像11や保留連荘画像12により遊技者に明示されるわけではない。
〇具体例1-3
上記実施形態では、特別連荘画像11と保留連荘画像12が同じ態様であることを説明したが、一部の態様が異なるものとしてもよい。例えば、上記実施形態のように、同じ態様の特典名称131および利益数値132が含まれることは共通するものの、その背景として表示される画像の色が異なる(図8参照)ものとしてもよい。
遊技者によっては、特別連荘なのか保留連荘なのかを区別して遊技したいと考える可能性がある。両画像の一部が異なるものとすることで、このような遊技者はその違いによりいずれの連荘が発生したのかを容易に判別することができる。ただし、本例のように、特典名称131および利益数値132(具体例1-2にて説明したように、特典名称131および利益数値132の一方しか表示しないのであればその一方)については同じ態様であることを維持することで、多くの遊技者は同じ事象が発生したと捉える蓋然性が高い。
〇具体例1-4
事実上起こり得ない極めて稀な事象であるが、特別連荘画像11が表示された先の大当たり(特別大当たり)遊技終了後の特別有利状態にて大当たりに当選しなかった場合(規定回数(上記実施形態では1000回)連続してはずれとなった場合)には、「連荘」(後の大当たり遊技)が発生しないことになる。この場合の特別有利状態の終了方法は種々考えられる。例えば、上記実施形態のように、特別演出モード(超絶モード)に移行するのであれば、特別有利状態の最後のはずれ変動(1000回目の変動)にて当該特別演出モードが終了したかのような演出が実行されるようにする。
4)特別操作演出
変動中演出を構成する演出として、特別操作演出が発生することがある。なお、本実施形態では、特別操作演出は、基本状態での変動中演出を構成するものとして発生しうる。ただし、有利状態での変動中演出を構成するものとして発生しうるようにしてもよい。
本実施形態にかかる遊技機1は、遊技者が操作可能な操作手段20を備える。本実施形態では、操作手段20として、第一操作手段21および第二操作手段22が設けられている(図1参照)。第一操作手段21は押ボタン(以下、第一操作手段21を演出ボタンと称する)である。第二操作手段22は、操作対象が「剣」を模した形状を呈する有体物であるもの(以下、第二操作手段22を剣デバイスと称する)である。特別操作演出は、剣デバイスを用いた演出である。なお、当該剣デバイスの構造、駆動機構等自体は、例えば特開2018-139876号公報に記載されているように公知であり、本実施形態にかかる遊技機1も同じものを用いているから詳細な説明を省略する。
剣デバイスは、第一位置から駆動源であるモータの動力によって当該第一位置よりも上方である第二位置に自動的(遊技者の力によらないという意味である)に変位することが可能なものである。剣デバイスは、常態において第一位置に位置する。すなわち、第一位置は原位置である。剣デバイスは、第一位置よりも下方に変位することはできない。特別操作演出は、剣デバイスを第一位置から第二位置に自動的に変位させた上で、当該剣デバイスを第二位置から第一位置に向かって変位させるよう遊技者に促す演出である(図9(a)(b)、図10(a)(b)参照)。遊技者視点でいえば、「剣」を下方に押し込むように操作することが促される演出である。剣デバイスは常態において第一位置に位置しているのであるから、特別操作演出は剣デバイスを第一位置から第二位置まで変位させなければ実行できない(遊技者が剣デバイスを操作することができない)演出であるといえる。剣デバイスを第一位置から第二位置に変位させることは、特別操作演出を実行するための準備である(第二位置は特別操作演出の準備状態である)ということができる。
本実施形態では、特別操作演出は、一または複数種の特定リーチ演出の一部として発生しうる。ある当否抽選結果(以下、対象当否抽選結果とする)に対応する変動中演出にて特定リーチ演出が発生する場合、対象当否抽選結果が大当たりであれば特定リーチ演出は有利結末(図9(d-1)、図11(c)参照)に至り、はずれであれば不利結末(図9(d-2)参照)に至る(なお、有利結末には、一旦不利結末に至ったかのように見せかけてそれが覆される、いわゆる逆転パターンを含むものとする)。つまり、特定リーチ演出における結末が判明する前の時点は、当否抽選結果が判明する当落分岐時点であるということができる。本実施形態における特定リーチ演出はいわゆるバトル演出とされている。具体的には、遊技者側のキャラクタである味方キャラクタと、それに対峙する敵キャラクタが戦い、味方キャラクタが勝利することが有利結末とされ、味方キャラクタが敗北する(敵キャラクタが勝利する)ことが不利結末とされたものである。
特定リーチ演出にて発生する特別操作演出は、通常演出(基本態様)(図9参照)とそれとは異なる特殊演出(図10、図11参照)に区分けされる。なお、発生する特別操作演出のほとんど(95%以上)は通常演出となるように設定されている。つまり、特別操作演出は、通常演出となることが「デフォルト」である。
通常演出は、遊技者に対して剣デバイスの操作が促され(図9(b)参照)、当該剣デバイスの操作が検出される(剣デバイスが第一位置に位置したことが検出されることをいう)こと(図9(c)参照)を契機として結末(図9(d-1)(d-2)参照)に至る。通常演出は、対象当否抽選結果がはずれである場合でも、大当たりである場合でも発生しうる。したがって、通常演出は、剣デバイスの操作を契機として上記有利結末(図9(d-1)参照)または不利結末(図9(d-2)参照)に至る。通常演出では、操作有効期間が設定された上で、剣デバイスの操作を促す操作指示画像25が表示領域911に表示される。本実施形態では、操作有効期間の残りを示す残時間画像251(例えば、実際の時間の経過とともに減少するメータの画像)、操作すべき対象(すなわち剣デバイス)を示す操作対象画像252、操作態様(操作の仕方)を示す操作態様画像253を含むものが操作指示画像25として表示される(図9(b)参照)。操作有効期間中に剣デバイスが操作されることを契機として結末に至るため、当該操作を契機として操作指示画像25は消去されることになる。なお、剣デバイスの操作が促されることを遊技者が把握できるのであれば、残時間画像251、操作対象画像252、操作態様画像253の一部が含まれない操作指示画像25としてもよいし、その他の画像を含む操作指示画像25としてもよい。
通常演出では、操作有効期間が開始されてから最初の剣デバイスの操作が検出されることを契機として結末に至る。遊技者にとってみれば、剣デバイスの操作を契機として当否が判明することになるから、操作に力が入るところであるといえる。なお、通常演出にて操作有効期間中に剣デバイスの操作が検出されない場合には、操作有効期間の終了を契機として結末に至る。
特殊演出は、通常演出と同様に操作有効期間が設定される(図10(b)参照)。なお、操作有効期間が開始された後、実際に剣デバイスが操作される前の状態においては、遊技者にはそれが通常演出である特殊演出であるか見分けがつかない(図9(b)、図10(b)の状態においては、それが通常演出であるか特殊演出であるか見分けがつかない)ようにされる。つまり、上述した操作指示画像25の表示形態は、通常演出と変わりはない。
特殊演出では、通常演出とは異なり、操作有効期間(後述する第二操作有効期間と区別するため第一操作有効期間と称することもある)(図10(b)参照)が開始されてから最初の剣デバイスの操作が検出されること(図10(c)参照)を契機としては結末に至らない。本実施形態では、第一操作有効期間が開始されてから最初の剣デバイスの操作(一回目の操作)が検出されても、第一操作有効期間が残っていれば、操作指示画像25(残時間画像251、操作対象画像252、操作態様画像253)がそのまま表示され続ける(残時間画像251は、実際の時間経過とともに変化していく)(図10(d)参照)。換言すれば、一回目の操作が演出に反映されない(無反応である)ということである。したがって、遊技者は、遊技機が壊れたのではないかといった印象を受ける可能性がある。
このように第一操作有効期間にて剣デバイスの操作が検出されても結末に至らない特殊演出では、第一操作有効期間の終了を契機として第一位置に位置した剣デバイスが再び第二位置まで自動的に変位する特殊事象(図11(a)参照)が発生する。当該特殊事象後、再び剣デバイスを操作すること(二回目の操作)が遊技者に促される。本実施形態では、上述した残時間画像251、操作対象画像252、操作態様画像253が再び表示される(図11(b)参照)。なお、ここでの残時間画像251は、二回目の操作用に新たに設定される第二操作有効期間の残りを示すものとされる。再び第二位置に位置した第二操作有効期間中に剣デバイスの操作が検出されること(図11(c)参照)を契機として結末(図11(d)参照)に至る。なお、第二操作有効期間中に剣デバイスの操作が検出されない場合には、第二操作有効期間の終了を契機として結末に至る。本実施形態では、特殊演出は、対象当否抽選結果が大当たりである場合にしか発生しないものとされている。つまり、特殊演出は、大当たり確定演出であり、第二操作有効期間中に剣デバイスの操作が検出されることを契機として有利結末に至ることになる。
なお、第一操作有効期間中に剣デバイスの操作がなされなかった場合には、剣デバイスが第一位置に位置していないことになるため、第一操作有効期間の終了を契機とした剣デバイスの自動的な第二位置への変位(特殊事象)は発生しない。ただ、剣デバイスは第二位置に位置していることになるため、そのまま第二操作有効期間が開始されて、再び剣デバイスの操作が促されることになる。当該第二操作有効期間中に剣デバイスの操作がなされればそれを契機(剣デバイスの操作がなされなければ第二操作有効期間の終了を契機)として結末(有利結末)に至るのは、第一操作有効期間にて剣デバイスの操作がなされた場合と同様である。
このように、本実施形態における特別操作演出は、剣デバイスの操作が検出されても結末に至らない特殊演出とされる場合がある。よって、既に「デフォルト」の演出である通常演出に何度か接した遊技者や、この種の操作演出(当落分岐に用いられる操作演出)が操作を契機として結末に至るであろうと予測している遊技者に対して驚きを与えることができる。
また、本実施形態における特殊演出は、特定事象の発生により再び第二位置に位置した剣デバイスの操作が促され、その結果として結末(有利結末)に至るものであるから、遊技者自らの操作により結末が判明する(本実施形態のように大当たり確定とするのであれば、遊技者が自らの力により大当たりを獲得したという印象を与える)という操作演出本来の醍醐味(面白さ)は残されているといえる。
以下、上記特別操作演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇具体例2-1
上記実施形態では、特別操作演出が特殊演出となることは有利結末に至ること(対象当否抽選結果が大当たりであること)が確定するものであることを説明したが、特殊演出は、通常演出よりも、有利結末に至る蓋然性(対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性((大当たり)信頼度))が高いに留まり、有利結末に至るとは限らない(対象当否抽選結果がはずれとなる場合も発生しうる)設定としてもよい。端的にいえば、特殊演出が、有利結末確定ではないいわゆるチャンスアップとして設定されたものとしてもよい。
〇具体例2-2
剣デバイス(第二操作手段22)の操作が促される特別操作演出が発生すること自体がチャンスアップである設定とする。例えば、上記実施形態のように特定リーチ演出(図12(a)参照)にて、演出ボタン(第一操作手段21)の操作が促される通常操作演出が発生する(図12(b-1)参照)こともあれば、剣デバイス(第二操作手段22)の操作が促される特別操作演出が発生する(b-2)参照)こともある設定とし、通常操作演出が発生した場合よりも、特別操作演出が発生した場合の方が、有利結末に至る蓋然性(対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性((大当たり)信頼度))が高いものとする。その上で、特別操作演出が、上記実施形態にて説明したように通常演出となることもあれば、特殊演出となることもあるものとする。
このようにすることで、遊技者にとってみれば、基本的には演出ボタンではなく剣デバイスの操作が促されることを願い、剣デバイスの操作が促される喜ばしい状況となったときに、驚きのある特殊演出が発生することがあるという遊技性が実現される。
〇具体例2-3
上記実施形態では、特殊演出となる場合、第一操作有効期間(一回目の操作が促される期間)が終了した後、第二操作有効期間(二回目の操作が促される)が設定されるものである(分離した第一操作有効期間と第二操作有効期間が設定される)ことを説明したが、一回目の操作および二回目の操作が、一続きの操作有効期間中に促されるものとしてもよい。つまり、一回目の操作がなされても結末に至らずにそのまま操作有効期間が継続し、剣デバイスが第二位置に戻った後、当該継続している操作有効期間にて二回目の操作がなされることを契機として結末(有利結末)に至るような構成とする。
〇具体例2-4
上記実施形態における特殊演出では、第一操作有効期間における剣デバイスの操作(一回目の操作)がなされてもそのまま操作指示画像25が表示されたままである(演出への反映がない)ことを説明したが、図13に示すように一回目の操作を契機として(図13(b)参照)通常演出では表示されない特殊演出専用の画像(特殊画像28)が表示領域911に表示される(図13(c)参照)ようにすることが考えられる。つまり、一回目の操作を契機として結末には至らないが、演出への反映が生じる構成とする。このような特殊画像28が表示された上で、剣デバイスが自動的に再び第二位置に位置し、二回目の操作が促される(第二操作有効期間が設定される)ようにする(図13(d)参照)。
第二操作有効期間中も特殊画像28が表示されたままとされる構成(図13(c)の状態にて表示される特殊画像28が、図13(d)の状態まで表示され続ける構成)としてもよい。つまり、特殊画像28が表示された状態で、二回目の操作が促される構成としてもよい。
〇具体例2-5
上記実施形態における特殊演出は、一回目の剣デバイスを操作しても結末に至らず、二回目の剣デバイスの操作を契機として結末に至るものであることを説明したが、二回目の剣デバイスの操作が要求されない構成としてもよい。
操作有効期間中における剣デバイスの操作(図14(b)参照)を契機として結末に至らないのは上記実施形態と同様である。すなわち、当該操作が演出に反映されず、操作指示画像25がそのまま表示され続ける(図14(c)参照)ようにする。そして、しばらくしてから大当たり確定であることを示す演出が実行される(図14(d)参照)ものとする。つまり、剣デバイスの操作が無反応であることを示す演出(無反応演出)を所定時間実行した後、大当たりが確定であることを示す演出(確定演出)が発生するようにする。当該所定時間は、剣デバイスの操作が無反応であることを遊技者が感じ取れる長さ(例えば3秒以上)が確保される。すなわち、剣デバイスの操作がなされてすぐに確定演出が発生してしまうと、当該確定演出が剣デバイスの操作を契機として発生したものと遊技者が感じでしまうであろうから、剣デバイスの操作が検出されてから所定時間は無反応演出が実行されるようにする。このようにしても、剣デバイスの操作が無反応であることに遊技者が驚く演出形態となる。
〇具体例2-6
特別操作演出にて操作が要求される操作手段20(第二操作手段22)は、第一位置から第二位置に自動的に変位させることが可能なものであればよく、上記剣デバイスはあくまで一例である。例えば、特開2007-307281号公報に記載されるような押ボタンを用いることもできる。
5)画像予告演出
変動中演出を構成する演出として、画像予告演出が発生することがある。なお、本実施形態では、画像予告演出は、基本状態での変動中演出を構成するものとして発生しうる。ただし、有利状態での変動中演出を構成するものとして発生しうるようにしてもよい。
画像予告演出は、表示領域911に対象画像30が表示される演出である(図15(a)、図17(a)参照)。対象画像30は、対象演出が発生することを示唆するものである。なお、本実施形態では、ある当否抽選結果(対象当否抽選結果)を報知する一の変動中演出(対象変動中演出)中に画像予告演出と、それによって発生が予告された対象演出が一または複数回発生する。
本実施形態における対象演出は、遊技者に対し、演出ボタン(第一操作手段21)の操作が促される操作演出である(図15(d)、図16(c)、図17(d)、図18(c)参照)。操作有効期間中に演出ボタンの操作(単発操作)がなされること(または操作有効期間が終了すること)を契機として、当該操作が演出に反映される。本実施形態では、当該操作を契機として、遊技者にとって有利な複数種の好機事象(対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性が高まったことを示唆するいわゆるチャンスアップ)のいずれか一種が発生する(図16(a)、図16(d)、図18(a)、図18(d)参照)。つまり、基本的には、対象演出の発生回数が多いほど、好機事象の発生回数が多くなるため、遊技者は多くの対象演出が発生することを願うことになる。
なお、対象演出(操作演出)を経て発生しうる複数種の好機事象は、対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高まったことを示唆するようなものであればどのようなものであってもよいから詳細な説明を省略する。いわゆる保留変化演出(当該変動保留図柄70が信頼度が高まる方向に変化)、特定のゾーン(チャンスゾーン)への移行、特定のリーチ演出の発生、疑似連続演出等の連続演出の発生、所定の画像の色の変化(例:キャラクタのセリフを表す文字の色の変化、リーチタイトルの色の変化等)、表示されることがチャンスアップとされている演出画像等の表示(例:カットイン画像の表示)、発光することがチャンスアップとされている発光体の発光、出力されることがチャンスアップとされている効果音の出力等が例示できる。発生した場合には対象当否抽選結果が大当たりとなることが確定する事象が好機事象として設定されたものとしてもよい。また、対象変動中演出にて同じ種類の好機事象が二回以上発生することがあってもよい。また、上記のような事象が発生することの予告(操作演出後すぐに発生するわけではないが、将来的に発生することの予告)も、好機事象の発生に含まれるものとする。
また、本実施形態における対象演出としての操作演出は、単発操作が促される(操作有効期間における一回の操作で好機事象が発生する)ものであるが、その他の操作(連打や長押し等)が促されるものとしてもよい。ただし、操作態様がどのようなものであっても、一回の対象演出にて付与される操作機会は「一回」であるとする。例えば、連打が促される操作演出では、通常は遊技者が演出ボタンを複数回操作することになるが、当該複数回の操作をひとまとまりとして一回の操作機会であるとする。換言すれば、一回の操作有効期間(一続きの操作有効期間)が設定されることが、一回の操作機会であるとする。
上記の通り、対象演出は演出ボタンの操作が促される操作演出であるため、画像予告演出の発生時に表示される対象画像30はそれを示唆するものとされる(図15(a)、図17(a)参照)。本実施形態では、演出ボタンを表した画像(遊技者が演出ボタンを表していると認識可能であればよい)が対象画像30として表示される。画像予告演出は、N個の対象画像30が表示領域911に表示されるものである。遊技者には、ボタンが「ストック」されたかのように見える。本実施形態では、N=1、2、3、4のいずれかとされる。詳細については後述するが、対象画像30の数は対象当否抽選結果の大当たり信頼度を示唆するものとされるため、対象当否抽選結果を踏まえて何個の対象画像30を表示するかが決定される。なお、対象画像30そのものを実際にN個表示する態様だけでなく、対象画像30がN個表示されていることが別の文字等により示される態様としてもよい。例えば「○×N」(○は対象画像30を表す)といった態様としてもよい。このような表示態様とする場合も、「N個の対象画像30が表示領域911に表示された状態」にあるものとする(後述するような対象画像30の減少が発生する際には、「×N」のNの値を減少させればよい)。
このような画像予告演出が発生した後の対象演出の発生パターンは、通常パターン(図15、図16に一例を示すパターン)と特殊パターン(図17、図18に一例を示すパターン)に区分けされる。通常パターンは、「デフォルト」のパターンであるといえる。画像予告演出が発生した場合、95%以上は当該通常パターンとなるように設定されており、遊技者は滅多に特殊パターンに接することがない。
通常パターン(図15、図16参照)は、画像予告演出としてN個の対象画像30が表示された後、対象変動中演出が終了するまでに、計N回の対象演出が発生するというものである(図15、図16にはN=2である場合の例を示す)。なお、計N回の対象演出のそれぞれが発生する期間は重複しない(時間差がある)。このように、画像予告演出(通常パターン)は、N個の対象画像30を表示することで、その後N回の対象演出が発生することを事前に予告することを基本態様とする。本実施形態でいえば、N個の演出ボタンを表した画像が表示される(図15(a)(b)参照)から、それを見た遊技者は、計N回の演出ボタンの操作機会が付与されるということを感じ取ることができる。
対象演出は、対象画像30が表示されたことに基づいて発生したものであることが遊技者に理解できるものとされる。本実施形態では、対象演出が発生する度に、表示される対象画像30の数が減少する(通常パターンでは、一回の対象演出が発生する度に、対象画像30が一つ減少する)ように制御される(図15(d)、図16(c)参照)ことで、一つの対象画像30を「消費」(一または複数のボタンのストックのうちの一つを放出した)結果として一回の対象演出が発生したのだと遊技者が理解できるようにされる。また、本実施形態における対象演出は、対象画像30が拡大表示される等して強調される導入期間(図15(c)、図16(b)参照)と、遊技者に対し演出ボタンの操作が促される主期間(図15(d)、図16(c)参照)とを含む。つまり、導入期間が設けられていることにより、一つの対象画像30が「消費」された結果、一回の対象演出(操作演出)が発生したのであることが強調される。さらに、本実施形態では、主期間にて演出ボタンの操作を促すために表示するボタン画像31(操作対象である演出ボタンを表した画像)として、対象画像30が用いられる(対象画像30とボタン画像31は、遊技者に同一視される態様とされる)。すなわち、導入期間にて強調された対象画像30(図15(c)、図16(b)参照)が、そのまま(消去されることなく)主期間においても表示され続け、それをボタン画像31として利用して遊技者に対し演出ボタンの操作が促される(図15(d)、図16(c)参照)。このようにすることで、対象画像30が「消費」されたことがより分かりやすくなる。
主期間においては、ボタン画像31とともに、操作有効期間の残りを示す操作対象画像252(本実施形態では残時間を表すメータ画像)、操作態様を表す操作態様画像253(本実施形態では単発操作を表す「押せ」の文字を含む画像)が表示される(図15(d)、図16(c)参照)。なお、画像予告演出が発生した後、導入期間を経ずに演出ボタンの操作が促される操作演出が発生するとしても、その操作演出が導入期間を経ずに発生したもの(対象画像30が「消費」されないもの)であれば当該操作演出は対象演出とされないものとする。当然、このような操作演出が発生しても対象画像30の数は減少しない。
特殊パターン(図17、図18参照)は、画像予告演出としてN個の対象画像30が表示された後、対象変動中演出が終了するまでに、計M回(ただし、M<Nである)の対象演出が発生するというものである。つまり、画像予告演出にて表示された対象画像30の数よりもその後発生する対象演出の数が少ないということである。なお、本実施形態では、画像予告演出が発生した場合には、少なくとも一回の対象演出が発生するように設定されている(M≧1である)ので、N≧2のケースしか特殊パターンは発生しない(N=1のケースでは特殊パターンは発生しない)。
本実施形態では、特殊パターンとなる場合には合体演出が発生する(通常パターンとなる場合に当該合体演出が発生することはない)。図17、図18に示す例のように、3個の対象画像30が表示される画像予告演出(N=3である画像予告演出)が発生し、その後2回の対象演出が発生する(M=2である))特殊パターンの場合には一回の合体演出が発生することになる。そのケースの流れの一例は次の通りである。
合体演出が発生しない場合は、通常パターンと同様である。すなわち、一つの対象画像30が消費された結果、一回の対象演出が発生したかのように制御される(図17(c)(d)参照)。
合体演出は、上述した導入期間にて実行されるものであり、二つの対象画像30が一度に消費された結果、当該一回の対象演出が発生したかのように見せるためのものである。具体的には、画像予告演出にて表示された対象画像30のうちの二つが拡大され、当該拡大表示された二つの対象画像30が合わさって一つとなったかのように表示される合体演出が実行される(図18(b)参照)。合体した後の対象画像30は、そのまま(消去されることなく)主期間においても表示され続け、それをボタン画像31として利用して遊技者に対し演出ボタンの操作が促される(図18(c)参照)。つまり、二つの対象画像30が消費されることに基づき、一回の操作機会が付与される。二つの対象画像30が消費されるのであるから、当該対象演出の発生を契機として表示領域911に表示される対象画像30の数は二つ減少する。このような合体演出が発生するようにすることで、二つの対象画像30が「消費」された結果として一回の対象演出が実行されることが遊技者に分かりやすく示されることとなる。
なお、図17、図18に示した例は、二つの対象画像30が消費された結果として発生するのは「二回目」の対象演出であるが、「一回目」の対象演出として発生することがあってもよい。つまり、二つの対象画像30が消費された結果として発生する対象演出が何回目に発生するものかは決まっていない。ただし、二つの対象画像30が消費された結果として発生する対象演出が、「最後」の対象演出となるような設定としてもよい。このようにした場合には、対象画像30が残り二つとなるまでは対象画像30が一つずつ消化されていき、残り二つとなった後の展開で、通常パターンおよび特殊パターンのいずれとなるかが決まることになるから、分かりやすい演出形態となるという利点がある。
本実施形態では、通常パターンとなる場合であれば、画像予告演出にて表示される対象画像30の数(N)が多いほど対象演出(好機事象)の発生回数が多くなるから、対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高い。
また、本実施形態では、画像予告演出にて表示される対象画像30の数が同じであるケース同士を比較した場合、通常パターンとなったときよりも、前記特殊パターンとなったときの方が、対象当否抽選結果が当たりとなる蓋然性が高い。例えば、N=4である画像予告演出が発生したとした場合、通常パターンとなって4回の対象演出が発生したときよりも、特殊パターンとなって3回の対象演出が発生したときの方が、対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高い(N=2、3の場合も同様である)。換言すれば、合体演出の発生がチャンスアップとして設定されたものであるから、遊技者は画像予告演出が発生した場合には合体演出の発生を願うという遊技性が実現される。
このように、本実施形態における画像予告演出は、基本的には(通常パターンである場合には)表示された対象画像30の数分の対象演出が発生するのを予告するものであるものの、表示された対象画像30の数よりも対象演出の発生回数が少なくなる(特殊パターンとなる)可能性もあるという面白みのある演出である。遊技者は画像予告演出にて表示された対象画像30の数を見て、その数分の対象演出が発生することを予測するであろうから、特殊パターンの発生はこのような予測をしている遊技者に対し驚きを与えるものとなる。
また、本実施形態では、特殊パターンの発生により対象当否抽選結果が大当たりとなる蓋然性が高まることから、(それを知っている遊技者は)対象画像30の数よりも対象演出の発生回数が少なくなること(合体演出が発生すること)を願う遊技性となる。
また、本実施形態では、特殊パターンとなる場合、二つの対象画像30が合体したかのように表示される合体演出が発生するから、二つの対象画像30が消費された結果、一の対象演出が発生したということ(特殊パターンが発生したこと)が分かりやすい。
また、本実施形態における対象演出は遊技者に対し操作手段20の操作が要求される操作演出であるところ、基本的には(通常パターンである場合には)対象画像30の数により遊技者に対し付与される操作機会の数が表されるという遊技者にとって分かりやすい演出形態である。また、対象画像30は演出ボタン(第一操作手段21)を表したものであるから、対象画像30は演出ボタンの操作機会が付与されるのであろうということを遊技者が予測しやすい。
以下、上記画像予告演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇具体例3-1
上記実施形態における対象演出は、演出ボタン(操作手段)の操作が促される操作演出であることを説明したが、このような操作演出ではないものを対象演出としてもよい。対象画像30は、対象演出とされる演出を表していることを遊技者が理解できるような態様とすればよい。
〇具体例3-2
上記実施形態では、画像予告演出およびそれに基づいて発生する対象演出は、一の変動中演出(対象変動中演出)中に実行されるものであることを説明したが、複数の変動中演出に亘って実行されるものとしてもよい。例えば、ある変動中演出(先の変動中演出)にて画像予告演出が発生し、当該ある変動中演出が終了した後、それ以降の変動中演出(後の変動中演出)にて対象演出が発生するものとしてもよい。この場合、対象演出(好機事象)の発生により信頼度が示唆されるのは、後の変動中演出に対応する当否抽選結果となる。このようにすることで、画像予告演出を、いわゆる先読み演出として機能させることができる。
〇具体例3-3
上記実施形態では、特殊パターンとなる場合には合体演出が発生することを説明したが、このような合体演出が発生しない構成としてもよい。つまり、一回の対象演出の発生により、二つの対象画像30が「消費」されることが、合体演出を経ずに発生するような構成としてもよい。
〇具体例3-4
上記実施形態では、特殊パターンとなる場合、二つの対象画像30が消費された結果、一回の対象演出が発生することを説明したが、三つ以上の対象画像30が消費された結果、一回の対象演出が発生することがある構成としてもよい(図19参照;当該図19には、三つの対象画像30が消費されて一回の対象演出が発生する例を示す)。つまり、二つの対象画像30が一つとなるような合体演出が発生する場合だけでなく、三つ以上の対象画像30が一つとなるような合体演出が発生する場合がある構成としてもよい。
本例のようにする場合、特殊パターンとなるケースにおいて、一度に消費される対象画像30の数が多いほど対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高い設定とするとよい。例えば、画像予告演出にて四つの対象画像30が表示された上で一回の合体演出が発生するとした場合、当該合体演出が「二つの対象画像30が一つになる」(図19(c-1)参照)ものである(対象演出の発生回数は三回となる)ときよりも「三つの対象画像30が一つになる」(図19(c-2)参照)ものである(対象演出の発生回数は二回となる)ときの方が、「三つの対象画像30が一つになる」(図19(c-2)参照)ものであるときよりも「四つの対象画像30が一つになる」(図19(c-3)参照)ものである(対象演出の発生回数は一回となる)ときの方が、大当たり信頼度が高いということになる。このようにすることで、合体演出が発生する場合には、当該合体演出の対象となる対象画像30の数にも遊技者が注目すべき演出形態となる。
〇具体例3-5
対象演出を経て発生する好機事象として、発生したときの大当たり信頼度が異なる複数種の事象が設定されているとする。通常パターンや特殊パターンにて一つの対象画像30が消費された結果として一回の対象演出が発生した場合(通常対象演出)よりも、特殊パターンにて二つの対象画像30が消費された結果として一回の対象演出が発生した場合(特殊対象演出)の方が、その後の好機事象が高信頼度のものとなる蓋然性が高い設定とする。例えば、発生しうる好機事象として、信頼度の順に第一好機事象~第五好機事象(第五好機事象が最も高信頼度である)という五つが設定されているとすれば、少なくとも第五好機事象が発生する蓋然性は、一つの対象画像30が消費された場合よりも、二つの対象画像30が表示された場合の方が高いものとされる(図20参照)。
上記具体例3-4にて説明したように、三つ以上の対象画像30が消費された結果として対象演出が発生することがある構成とするのであれば、消費された対象画像30の数が多いほど、好機事象が高信頼度のものとなる蓋然性が高い設定とすればよい。
〇具体例3-6
上述した通り、一つの対象画像30が表示される(N=1である)画像予告演出が発生した場合(図21(d)参照)には特殊パターンは発生しない(合体演出を発生させることができないから、当該合体演出が発生することによるチャンスアップが発生する可能性はない)。これを踏まえ、N=1の画像予告演出が、他の画像予告演出(N=2~4とされるケース)に比してチャンスである設定とする。例えば、上記実施形態では、画像予告演出にて表示される対象画像30の数が多いほど対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高いことを説明したが、N=2~4の場合(図21(a)~(c)参照)にはその法則が成り立つ(信頼度:N=2<N=3<N=4)ようにするものの、このいずれの場合よりもN=1の場合(図21(d)参照)の方が高信頼度である設定とする。
このようにすることで、画像予告演出が発生する場合、N=1となることに遊技者が期待しつつも、N=1とならなかった場合(N=2~4となった場合)であっても合体演出の発生に期待できるという遊技性が実現される。つまり、合体演出を発生させることができないN=1の画像予告演出を高信頼度とすることで、画像予告演出が当該高信頼度の態様とならなかった場合であっても、その後に合体演出が発生する可能性は残存することになるから、最後まで期待が持てる遊技性が実現される。
〇具体例3-7
対象画像30の変化(対象画像30によって発生が予告される対象演出の変化)が発生することがある構成とする。上述した通り、対象画像30は演出ボタン(第一操作手段21)を表した画像である。画像予告演出の当初は、当該演出ボタンを表した対象画像30がN個表示される。ある対象画像30が「消費」される際に、当該対象画像30が演出ボタンを表したものから、剣デバイス(第二操作手段22)を表したものに変化する可能性がある(図22(a)(b)参照)構成とする。当該変化が発生した場合には、対象演出として、演出ボタンの操作が促される操作演出(第一操作演出)ではなく、剣デバイスの操作が促される操作演出(第二操作演出)が発生する(図22(c)参照)。このような対象画像30の変化が発生する可能性があるようにすることで、画像予告演出が発生した時点では、将来的に演出ボタンの操作が促されるであろうことを予測している遊技者に驚きを与える演出形態となる。
本例のようにする場合、対象画像30の変化が発生したとき(第二操作演出が実行されるとき)の方が、発生しなかったとき(第二操作演出が実行されなかったとき)に比して、対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高い設定とするとよい。このようにすることで、対象画像30の変化(対象演出の変化)に遊技者が期待する遊技性が実現される。
6)タイマ演出
変動中演出を構成する演出として、タイマ演出(図23、図24参照)が発生することがある。なお、本実施形態では、タイマ演出は、基本状態での変動中演出を構成するものとして発生しうる。ただし、有利状態での変動中演出を構成するものとして発生しうるようにしてもよい。
タイマ演出は、実際の時間(実時間)の経過とともに変化していく時間表示41(数値)を含む時間画像40が表示領域911に表示されることがその実行が示されるものである。当該時間表示41が終了時間に到達するタイムアップ時点後、複数種の特定事象のいずれかが発生する(このようなタイマ演出の基本構成自体は公知である)。本実施形態における時間表示41は、時間の経過を1/100秒単位で表す(「○○:○○」という表示とされる)。なお、本実施形態では、実時間の経過と、時間表示41が表す時間の変化は完全に一致するものとされるが、両者の間にずれがある設定としてもよい(時間表示41が「演出上の時間経過」を表すものであってもよい)。タイマ演出は、時間表示41(時間表示41が表す値)が終了時間に到達した時点がタイムアップ時点とされている。本実施形態では、実時間の経過とともに時間表示41がカウントダウンされていき、当該時間表示41が0(00:00)となったとき(図24(c)参照)がタイムアップ時点とされている(終了時間=00:00である)。これとは異なり、実時間の経過とともに時間表示41がカウントアップされていき、当該時間表示41が所定の終了時間(例えば、50:00)に到達したときがタイムアップ時点とされた構成としてもよい。
本実施形態では、タイマ演出が開始されるとき(図23(a)参照)における時間表示41の値(以下、初期時間と称する)は毎回変化しうる。本実施形態では、初期時間として、50:00(タイムアップまで50秒)、30:00(タイムアップまで30秒)、20:00(タイムアップまで20秒)、10:00(タイムアップまで10秒)の四種類が設けられており、新たにタイマ演出が発生する際には当該初期時間はこの四種類のいずれかとされる。なお、当該初期時間の種類の数は適宜増減可能である。本実施形態では、時間表示41のカウントダウン速度は、実時間の経過速度と一致するため、上記初期時間はカウントダウンの開始からタイムアップ時点までの実時間の長さいうことになる。
タイマ演出が開始され、上記タイムアップ時点に到達するまでの期間は、時間表示41(時間表示41が表す値)が上記終了時間よりも前の途中時間に到達するまでの通常期間(図23(a)(b)参照)と、前記途中時間に到達した後の直前期間(図23(c)、図24(a)(b)参照)とに区分けされる。すなわち、通常期間は初期時間~途中時間までの期間であり、直前期間は途中時間~終了時間までの期間である。なお、上述した通り、タイマ演出での初期時間は毎回変化しうるが、途中時間は変化しない。本実施形態では、途中時間=5秒(05:00)とされている。つまり、初期時間がどのようなものとなる場合であっても、上記直前期間の長さは5秒で一定である(直前期間の長さはタイマ演出発生の度に変化しない)ということである。また、上記四種類の初期時間のいずれも途中時間よりも大きい(初期時間>途中時間である)ため、どの種の初期時間が設定された場合であっても、初期時間から途中時間までの期間(通常期間)は生じ得る。初期時間はタイマ演出発生の度に変化しうるのであるから、通常期間の長さはタイマ演出発生の度に変化しうることになる。
本実施形態における時間画像40は、上記時間表示41およびその背景として表示される背景部42を含む。タイマ演出が通常期間にあるときには、時間画像40は表示領域911の隅に小さく表示された状態にある(図23(a)(b)参照)。通常期間から直前期間に移行すること(すなわち時間表示41が途中時間に到達すること)を契機として、時間画像40が大きくなる(図23(c)参照)。つまり、通常期間から直前期間に移行することを契機として、表示領域911における時間画像40が表示される範囲が大きくなる変化が生じる。「時間画像40の大きさ≒背景部42の大きさ」であるから、通常期間から直前期間に移行することを契機として背景部42の大きさが大きくなるともいえる。大きくなる前の時間画像40を時間画像40「小」と、大きくなった後の時間画像40を時間画像40「大」とすれば、表示領域911における時間画像40「小」が占める範囲の大きさよりも、時間画像40「大」が占める範囲の大きさの方が大きいということである。なお、時間表示41が途中時間に到達することを契機として、瞬時に時間画像40「小」から時間画像40「大」に変化するのではなく、時間画像40が大きくなる過程が遊技者に示されるようにすることが好ましい。時間表示41が途中時間に到達することを契機として時間画像40「小」から次第に大きくなるようにしてもよいし、(時間表示41が途中時間に到達するよりも前に変化が開始されて)時間表示41が途中時間に到達する時点と時間画像40「大」に到達する時点が一致するようにしてもよい(本実施形態では、後者の設定とされる(図23(c)参照))。いずれの場合も、「通常期間から直前期間に移行することを契機として時間画像40が大きくなる態様に含まれるものとする。
そのまま時間画像40「大」でカウントダウンが継続され、タイムアップに至る(図24(a)(b)参照)。タイムアップ時点に到達することを契機として発生する複数種の特定事象はどのようなものであってもよいから説明を省略する。ただし、当然ではあるが、タイムアップ時点後に発生する可能性のあるもののみが実際に発生する。例えば、特定事象の一つとして、公知の擬似連(疑似連続演出)が設定されているとした場合、タイムアップ時点がそれ以降に擬似連発生の可能性がある時点であれば当該擬似連が実際に発生する特定事象として選択される可能性はあるものの、タイムアップ時点がそれ以降に擬似連発生の可能性がない時点であれば当該擬似連が実際に発生する特定事象として選択される可能性はない。したがって、遊技者は、時間表示41の長さに応じてタイムアップ時点を想定しながら、発生する可能性がある特定事象を予測して(発生する可能性が無くなる特定事象を排除して)タイマ演出を楽しむことができる。なお、本実施形態におけるタイマ演出は、タイマ演出の開始から特定事象発生までが、一の変動中(特定事象の発生により信頼度が示唆される対象当否抽選結果に対応する対象変動中演出中)に実行される。ただし、タイマ演出の開始から特定事象発生までが、複数の変動に亘るものとしてもよい(特定事象が発生する変動が、対象変動中演出ということになる)。このようにした場合には、タイマ演出を、いわゆる先読み演出として機能させることができる。
タイムアップ時点に到達することを契機として、表示領域911には実際に発生する特定事象の内容を示す事象画像45が表示される(図24(c)参照)。ここで、事象画像45は、実際に発生する特定事象そのものを示す画像(事象画像45の表示自体が特定事象の発生となる構成)であってもよいし、将来的に発生する特定事象を示すもの(事象画像45の表示の後、それに対応する特定事象が発生する構成)であってもよい。図24には、事象画像45により保留変化(当該変動保留図柄70が信頼度が高まる方向に変化)することが示された(図24(c)参照)後、実際に保留変化が発生する(図24(d)参照)例を示した。
上述した通り、直前期間中においては、時間画像40「大」が表示領域911に表示された状態にある。つまり、タイムアップ時点到達までは時間画像40「大」が表示領域911に表示されている(図24(b)参照)。タイムアップ時点に到達することを契機として当該時間画像40「大」が消去され、直前期間中においては当該時間画像40「大」が表示されていた箇所に事象画像45が表示される(図24(c)参照)。遊技者からは、時間画像40「大」が消去された結果、事象画像45が現れたかのように見える演出形態となる。
このように、本実施形態におけるタイマ演出は、通常期間から直前期間に移行することを契機として時間画像40の大きさが大きくなる変化(図23(b)(c)参照)が生じる(時間画像40が強調される)ため、タイムアップが近づいていることを遊技者に分かりやすく示すことができる(タイムアップに遊技者が気付かないといった状況が生じてしまうおそれが低減される)。
また、本実施形態では、タイムアップ時点に到達することを契機として時間画像40が消去された結果として事象画像45が現れるように構成されている(図24(b)(c)参照)ため、特定事象がタイマ演出(タイムアップ)の結果として発生しているものであるということが容易に理解できる。変動中演出中には様々な事象(演出)が発生するため、従来のタイマ演出はいずれの事象がタイマ演出の結果として発生しているのか分かりにくい状況となってしまうおそれがあったところ、本実施形態によればこのような状況となるおそれを低減することができる。本実施形態では、タイムアップが近づいていることを強調するためタイムアップ時点直前には時間画像40「大」が表示されていることになるところ、当該時間画像40「大」が表示されていること(時間画像40が大きいこと)を巧みに利用して、上記のような作用が奏されるようにしている(時間画像40「大」を、タイムアップが近づいていることの強調のみならず、事象画像45がタイマ演出の結果として表示されたことを明確に示すのにも利用している)。
また、本実施形態では、タイマ演出の発生の度に、通常期間の長さは変化しうるものの、直前期間の長さは変化しない(一定である)。つまり、どのようなタイマ演出が発生する場合であっても(図23(a)の時点にて表示される初期時間の長さが種々変化しても)、タイムアップが近づいていることが強調される時間画像40の大きさの変化が生じてからタイムアップに至るまでの長さ(図23(c)から図24(b)までの長さ)は毎回同じとされる。このようにすることで、当該時間画像40の大きさの変化から事象画像45が表示される(特定事象の内容が判明する)までの演出の進行のテンポが毎回同じになるから、遊技者が心地よく遊技することができる。
以下、上記タイマ演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇具体例4-1
直前期間にて表示領域911の全体に時間画像40(時間画像40「大」)が表示されるものとする。上述した通り、時間画像40が時間表示41および背景部42を含むものとするのであれば、当該背景部42が表示領域911の全体に表示された状態であるとみることもできる。例えば、時間画像40(時間画像40「小」)が拡大されて、時間画像40の外側の一部が表示領域911外まではみ出ることで、表示領域911の全体に時間画像40が表示されたかのように見える変化(図25(a)~(c)参照)の態様とすることが考えられる。そして、上記実施形態にて説明したように、タイムアップ時点にて表示領域911の全体に表示された時間画像40(時間画像40「大」)が消去されて、事象画像45が現れる(図25(d)参照)ことになる。表示領域911の全体に時間画像40「大」が表示されているのであるから、事象画像45の大きさをどのようなものとしても、直前期間中においては時間画像40「大」が表示されていた箇所に事象画像45が表示されるという構成となる。
このように、直前期間にて時間画像40が表示領域911の全体に表示されるようにすることで、直前期間中はその他の演出画像(装飾図柄80や保留図柄70等、常時表示される基本的な情報を表示するための画像以外の画像)が見えない状態となるのであるから、当該時間画像40が消去された結果として表示される画像(事象画像45)は、タイマ演出の結果として発生したものであることを遊技者がより明確に把握することができる。
〇具体例4-2
上記実施形態にて説明したように、途中時間に到達することを契機として時間画像40が大きく表示されることがチャンスアップとされた構成とする。つまり、タイマ演出にて、演出画像が途中で大きくなること(図26(b-2)参照)もあれば、大きくならないこともある(図26(b-1)参照)設定とし、前者となった場合の方が、後者となった場合よりも、対象当否抽選結果の大当たり信頼度が高いものとする。前者となった場合の方が、後者となった場合よりも、特定事象として大当たり信頼度が高い事象が発生する蓋然性が高い設定としてもよい。
このようにすることで、タイマ演出のカウントダウンの途中で、時間画像40が拡大されるかどうかに遊技者が注目することになるという演出形態とすることができる。
〇具体例4-3
直前期間にて表示される時間画像40「大」の態様がタイマ演出の度に異なり得るものとする(なお、態様の違いには、時間表示41が表す値そのものの違いは含まれないものとする)。そして、当該時間画像40「大」の態様が、対象当否抽選結果の大当たり信頼度を示唆するものとする。例えば、時間画像40「大」の背景部42が白である第一態様となった場合(図27(b-1)参照)よりも、時間画像40「大」の背景部42が赤である第二態様となった場合(図27(b-2)参照)の方が、大当たり信頼度が高い設定とする。なお、時間画像40「小」の状態(図27(a)参照)においては、このような態様の差は生じない(時間画像40「小」は大当たり信頼度を示唆しない)ものとする。すなわち、時間画像40「大」となってはじめて把握できる信頼度示唆要素が設定された構成とする。
なお、信頼度が低い方の態様である上記第一態様を基準の態様(デフォルトの態様)と考え、時間画像40「小」の状態での背景部42は第一態様と同じとする(白とする)ことが好ましい。このようにすることで、第二態様が「チャンスアップ」であることが分かりやすい演出形態(時間画像40「小」から「大」に変化する際に態様変化が生じなかった場合(図27(a)→(b-1)参照)よりも、態様変化が生じた場合(図27(a)→(b-2)参照)の方が、信頼度が高いという分かりやすい演出形態)となる。
上記実施形態にて説明した通り、時間画像40の変化は、タイムアップが近づいていることを強調するものであるところ、時間画像40「大」となってはじめて顕在化する信頼度示唆要素を設けておくことにより、遊技者が当該時間画像40「大」の態様に注目することになるため、当該時間画像40の変化による強調作用がより高められる。
〇具体例4-4
上記実施形態では、初期時間がどのようなものとなる場合であっても、上記直前期間の長さは一定である(途中時間は毎回同じである)ことを説明したが、初期時間が長い(カウントダウン開始からタイムアップまでの時間が長い)ほど直前期間が長くなるような設定とする。例えば、上記実施形態のような四種の初期時間が設定されているとした場合、初期時間50:00であれば直前期間の長さは15秒(途中時間15:00)、初期時間30:00であれば直前期間の長さは10秒(途中時間10:00)、初期時間20:00であれば直前期間の長さは5秒(途中時間5:00)、初期時間10:00であれば直前期間の長さは3秒(途中時間3:00)といったような設定とする。
タイマ演出は、カウントダウン開始からタイムアップまでに要する時間が長いほど、演出が「間延び」してしまうおそれがある。このような「間延び」による趣向性の低下を抑制するのであれば、当該時間が長いほど、より早いタイミング(タイムアップ時点を基準としたタイミング)で時間画像40「小」から時間画像40「大」への変化(遊技者が注目するであろう変化)が生じるようにすればよい。
7)画像演出
変動中演出を構成する演出として、画像演出が発生することがある。なお、本実施形態では、画像演出は、基本状態での変動中演出を構成するものとして発生しうる。ただし、有利状態での変動中演出を構成するものとしてや、大当たり遊技中に発生しうるようにしてもよい。
本実施形態における画像演出(図28参照)は、第一段階(図28(a)参照)、第二段階(図28(b)参照)、第三段階(図28(b)参照)の順で進行するものである。第一段階(図28(a)参照)では、表示領域911に複数の演出画像が表示される。例えば、演出画像として第一演出画像51および第二演出画像52の二つが表示されるとする。各演出画像は、互いに異なるキャラクタを表すものとされる。本実施形態では、第一演出画像51はキャラクタAを、第二演出画像52はキャラクタBを表したものとされる。第一段階においては、第一演出画像51および第二演出画像52の両方ともカラー表示された状態にある(なお、図面においては、カラー表示された演出画像を実線で、後述するモノクロ表示された演出画像を点線で示す)。
第一段階の後、第二段階に移行する。第二段階(図28(b)参照)では、複数の演出画像のうちのいずれかを対象演出画像と、その他の演出画像を非対象演出画像とする。対象演出画像はアクティブな状態にある演出画像をいい、非対象演出画像はアクティブな状態にはない(パッシブな状態にある)演出画像をいう。その状態の違いを表すため、対象演出画像を、非対象演出画像よりも明瞭な状態とする。本実施形態では、対象演出画像をカラー表示とし、非対象演出画像をモノクロ表示とする。一般的にカラーの方がモノクロよりも目立つ表示態様であるといえるため、このようにすることで、対象演出画像が非対象演出画像よりも明瞭な状態として遊技者には認識される。本実施形態における第二段階では、第一演出画像51を対象演出画像(カラー表示)と、第二演出画像52を非対象演出画像(モノクロ表示)とする。上述した通り、第一段階においては、全ての演出画像がカラー表示された状態にあるのであるから、第一段階から第二段階の移行に際しては、第一演出画像51のカラー表示を維持しつつ、第二演出画像52をカラー表示からモノクロ表示に変化させることになる。
このように第一演出画像51をカラー表示と、第二演出画像52をモノクロ表示とした上で、対象演出画像である第一演出画像51に対応づけた演出要素を出力する。なお、以下の説明においては、第一演出画像51に対応づけた演出要素を第一演出要素511と、第二演出画像52に対応づけた演出要素を第二演出要素512と称することもある。本実施形態では、第一演出画像51が表すキャラクタAのセリフを表す文字を第一演出要素511として表示領域911に表示する。第二演出画像52よりも第一演出画像51が明瞭な状態とされる変化(第一演出画像51を「アクティブ」な状態として示す(第二演出画像52を「パッシブ」な状態として示す)変化)が生じた上で当該第一演出要素511が表示されるのであるから、遊技者は当該第一演出要素511が表す文字を第一演出画像51が表すキャラクタAがしゃべっているかのように見える演出形態となる。また、第二演出画像52(キャラクタB)が消去されるわけではないから、キャラクタAがキャラクタBに話しかけている状態を表すものであることは容易に理解できる。
ここで、本実施形態では、第一演出要素511(キャラクタAのセリフを表す文字)は、その少なくとも一部がモノクロ表示された第二演出画像52(非対象演出画像)に重なるように表示される(図28(b)参照)。第一演出要素511は第一演出画像51(対象演出画像)に対応づけたものと表示されるものであり、第二演出画像52はモノクロ表示されて明瞭さの度合いが低まった状態にあるのであるから、当該第二演出画像52に重ねて第一演出要素511を表示しても、当該第一演出要素511が第一演出画像51に対応づけられたものであること(キャラクタAから発せられたセリフであること)を遊技者が理解できる。また、第一演出要素511を第二演出画像52に重ねて表示することができるため、第一演出要素511を表示するためのスペースの確保が容易である。
第二段階後、第三段階に移行する。第三段階(図28(c)参照)では、第二段階では非対象演出画像であった演出画像を対象演出画像と、第二段階では対象演出画像であった演出画像を非対象演出画像とする。本実施形態の第二段階に即していえば、第二段階ではモノクロ表示であった第二演出画像52をカラー表示と、第二段階ではカラー表示であった第一演出画像51をモノクロ表示とし、対象演出画像を非対象演出画像よりも明瞭な状態とする。端的にいえば、対象演出画像と非対象演出画像を第二段階と入れ替える。このようにすることで、第二段階とは異なり、第二演出画像52が「アクティブ」な状態となったこと(第一演出画像51が「パッシブ」な状態となったこと)が遊技者に把握される。
その上で、対象演出画像である第二演出画像52に対応づけた第二演出要素512を出力する。具体的には、第二演出画像52が表すキャラクタであるキャラクタBのセリフを表す文字を第二演出要素512として表示領域911に表示する。第一演出画像51よりも第二演出画像52が明瞭な状態とされる変化(第二演出画像52を「アクティブ」な状態として示す(第一演出画像51を「パッシブ」な状態として示す)変化)が生じた上で当該第二演出要素512が表示されるのであるから、遊技者は当該第二演出要素512が表す文字を第二演出画像52が表すキャラクタAがしゃべっているかのように見える演出形態となる。
第二段階と同様に、第三段階においても、第二演出要素512(キャラクタBのセリフを表す文字)は、その少なくとも一部がモノクロ表示された第一演出画像51(非対象演出画像)に重なるように表示される(図28(c)参照)。第二演出要素512は第二演出画像52(対象演出画像)に対応づけたものと表示されるものであり、第一演出画像51はモノクロ表示されて明瞭さの度合いが低まった状態にあるのであるから、当該第一演出画像51に重ねて第二演出要素512を表示しても、当該第二演出要素512が第二演出画像52に対応づけられたものであること(キャラクタBから発せられたセリフであること)を遊技者が理解できる。また、第二演出要素512を第一演出画像51に重ねて表示することができるため、第二演出要素512を表示するためのスペースの確保が容易である。
このような第一段階~第三段階を含む画像演出とすることで、第一演出画像51が表すキャラクタAと第二演出画像52が表すキャラクタBが演出要素により表されるセリフをしゃべっているかのように見える演出形態となる。特に、本実施形態のように、対象演出画像が第一演出画像51である第二段階と、対象演出画像が第二演出画像52である第三段階を経ることで、キャラクタAとキャラクタBが「会話」しているように見える演出形態とすることもできる。
なお、本実施形態における画像演出は第二段階および第三段階を含むものであるが、第三段階を含まない構成としてもよい。例えば、キャラクタAがキャラクタBに対して一方的に話しかけているように見せる演出形態とするのであれば、第二段階にて終了する演出としてもよい。また、第三段階以降にも演出が継続するものとしてもよい。例えば、第三段階の後再び第一演出画像51が対象演出画像とされる第四段階、第四段階の後再び第二演出画像52が対象演出画像とされる第五段階、が実行されるといったようにしてもよい。このようにすることで、キャラクタAとキャラクタBの会話が「往復」していることを表す演出形態とすることができる。
以上説明したように、本実施形態における画像演出は、第一段階にて複数の演出画像が表示されるものの、第二段階や第三段階においては、表示された演出要素が対象演出画像(カラー表示された演出画像)に対応づけられたものであることが分かりやすい演出形態となる。
特に、本実施形態では、全ての演出画像がカラー表示される状態(第一段階)を基準として、対象演出画像のみがカラー表示された状態(第二段階、第三段階)に変化することになるから、いずれの演出画像が対象演出画像であるのかがより分かりやすい。
以下、画像演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、可能な限りにおいて、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
〇具体例5-1
上記実施形態では、対象演出画像はカラー表示されるものであり、非対象演出画像はモノクロ表示されるものであること、すなわち両演出画像の明瞭さの度合に差を設定する手法としてカラー表示、モノクロ表示を用いたものであることを説明したが、対象演出画像の方が非対象演出画像よりも遊技者視点で「目立つ」表示態様であれば、その手法は上記以外にも考えられる。例えば、画像を構成する線を対象演出画像の方が相対的に太くなるようにする、非対象演出画像を相対的に薄く表示する(例;非対象演出画像を通じて背景が透けて見えるような表示態様とする)等が考えられる。
〇具体例5-2
上記実施形態では、第一段階では全ての演出画像がカラー表示されることを説明したが、第一段階にて全ての演出画像がモノクロ表示される構成としてもよい(図29参照)。つまり、第一段階にて全ての演出画像がモノクロ表示され(図29(a)参照)、第二段階では第二演出画像52(キャラクタB)のモノクロ表示は維持されるものの、第一演出画像51(キャラクタA)はモノクロ表示からカラー表示に変化するものとする(第三段階ではその関係が逆になるようにする)(図29(b)(c)参照)。このようにしても、第二段階や第三段階にて、いずれの演出画像が対象演出画像であるのか容易に把握できる。
ただし、画像演出の冒頭である第一段階は、演出に関与する演出画像を紹介する役割を果たす(上記実施形態のように各演出画像がキャラクタを表したものであるとするのであれば、演出に登場するキャラクタを紹介する役割を果たす)ものであるともいえる。これを考慮するのであれば、上記実施形態のように第一段階においては各演出画像が明瞭に表示される(カラー表示される)(図28(a)参照)ことが望ましいともいえる。
〇具体例5-3
上記実施形態における演出要素は、表示領域911に表示される(表示装置91に出力される)ものである(すなわち画像である)ことを説明したが、演出を構成する要素であればそれ以外のものであってもよい。例えば、スピーカ(図示せず)から出力される演出音が演出要素とされたものとしてもよい。上記実施形態のように対象演出画像が表すキャラクタがしゃべっているかのように見える演出形態とするのであれば、各キャラクタのセリフを表す音がスピーカから出力されるようにする。上記実施形態にて説明したように、セリフを表す文字が表示されるとともに、当該セリフを表す音がスピーカから出力されるようにしてもよい。すなわち、出力される演出要素が「画像+音」である構成としてもよい。
〇具体例5-4
上記実施形態では、各演出画像は互いに異なるキャラクタを表したものであることを説明したが、各演出画像はそれ以外のものを表したものとしてもよい。例えば、各演出画像は互いに異なるアイテム(道具)を表したものとする。第二段階や第三段階においては、いずれかのアイテムを表した演出画像が対象演出画像とされた(それ以外の演出画像が非対象演出画像とされた)上で、当該アイテムを紹介する文言が演出要素として表示されるようにする(図30参照)。
〇具体例5-5
上記実施形態における画像演出は、演出画像として第一演出画像51および第二演出画像52の二つが表示されるものであることを説明したが、三つ以上の演出画像が表示されるものとしてもよい。演出要素が出力される際には、当該三つ以上の演出画像のうちのいずれか一つが対象演出画像とされた上で、それ以外の演出画像が非対象演出画像とされるようにすればよい(図31参照)。
また、三つ以上の演出画像が表示されるのであれば、画像演出は、全ての演出画像が一度は対象演出画像とされるようにするとよい。例えば、三つの演出画像(第一演出画像51~第三演出画像)が表示される画像演出とするのであれば、第一段階の後、第一演出画像51が対象演出画像とされる(第二演出画像52、第三演出画像が非対象演出画像とされる)段階(図31(b)参照)の他に、図示しないが第二演出画像52が対象演出画像とされる(第一演出画像51、第三演出画像が非対象演出画像とされる)段階や第三演出画像が対象演出画像とされる(第一演出画像51、第二演出画像52が非対象演出画像とされる)段階を含むものとすることが好ましい。
〇具体例5-6
画像演出が実行される際、表示領域911の全体が演出画像の数分に分割され(分割された各領域を分割領域とする)、各分割領域911a、911bに演出画像が表示されるようにする。上記実施形態のように、演出画像として第一演出画像51および第二演出画像52の二つが表示されるのであれば、表示領域911全体を二つの分割領域に分割した上で、当該二つの分割領域911a、911bのそれぞれに第一演出画像51および第二演出画像52を表示する(図32参照)。
本例のようにすることで、インパクトのある演出形態とすることができる。また、このように表示領域911の全体が二以上の分割領域に占められている(いずれの分割領域にも属しない領域が存在しない)ようにすると、対象演出画像に対応する演出要素を表示する領域が存在しなくなってしまう(演出要素を表示する領域の確保が困難になる)ようにも思われる。しかし、上記実施形態にて説明したように、当該演出要素はその少なくとも一部を非対象演出画像に重ねて表示することができる(非対象演出画像が表示されている分割領域に表示できる)(図32(b)(c)参照)から、演出要素を表示する領域は容易に確保できる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
上記実施形態にて説明した事項は、ぱちんこ遊技機特有の構成を利用した点を除いて、回胴式遊技機等その他の遊技機にも適用することが可能である。
上記実施形態では、当否抽選結果の態様として大当たりおよびはずれが設定され、大当たりとなることで大当たりが獲得される(大当たり遊技が実行される)ものであるが、いわゆる小当たり経由により大当たりが獲得できるものとしてもよい。このように小当たり経由で大当たりが獲得できる遊技性(いわゆる「二種遊技機」の遊技性)を備えたもの自体は周知であるため詳細な説明を省略するが、例えば小当たりに当選した場合、(遊技機の故障や遊技者が指示通り遊技を行わない等のイレギュラーな事象が発生した場合を除き)それが大当たりの獲得に繋がるという設定(実質的に小当たり当選と大当たり当選が同一視できる設定)である設定とするのであれば、上記実施形態にて説明した大当たりの確率等は、大当たりに当選する確率(いわゆる直当たりの確率)と、小当たりに当選する確率とを合算したものとすればよい。これとは逆に大当たりの獲得が不可能または困難な小当たり(大当たりの獲得に結び付かない小当たり)に当選することは、大当たりの当選ではないものとされるようにすればよい。すなわち、当たりの態様(大当たり、小当たり)によらず、実質的な大当たりの獲得確率(実質大当たり確率)が、上記実施形態にて説明した大当たり確率とされた構成とすればよく、当否抽選についての低確率や高確率とは当該実質大当たり確率の高低をいうものとすればよい。
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
○手段1-1
当否抽選結果が当たりとなることを目指して遊技者が遊技する遊技状態として、基本状態および当該基本状態よりも遊技者にとって有利な有利状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、当否抽選に用いられる当否抽選情報であって、未だ当否抽選結果を報知する演出が開始されていないものを保留情報として所定数を限度に記憶する記憶手段と、当否抽選結果が当たりとなった場合に当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、を備え、前記有利状態として、所定回数連続してはずれとなることで終了するものの、当該有利状態が終了する前に当否抽選結果が当たりとなることが実質的に約束されている特別有利状態が設けられており、前記当たり遊技中に表示されうる画像であって、前記記憶手段に記憶されている前記保留情報のなかに当否抽選結果が当たりとなるものが含まれている場合に表示されうる保留連荘画像と、前記当たり遊技の終了後に前記特別有利状態に移行する場合に表示されうる特別連荘画像とが同じ態様とされることを特徴とする遊技機。
このようにすることで、連荘の発生要因(保留連荘が発生するのか、特別有利状態に移行することによる連荘が発生するのか)を意識することなく遊技することができるため、特別有利状態が設けられた遊技機の遊技を分かりやすくすることができる。
○手段1-2
前記保留連荘画像および前記特別連荘画像は、二回分の前記当たり遊技にて遊技者が得られる利益を表す同じ値の利益数値を含むものであることを特徴とする手段1-1に記載の遊技機。
このようにすることで、特別連荘画像が表示される場合と保留連荘画像が表示される場合とは連荘の発生要因が異なるにもかかわらず、同じ特典が付与されたと遊技者が感じやすい遊技性が実現される。
○手段1-3
前記有利状態として、前記特別有利状態とは異なる通常有利状態が設けられており、前記保留連荘画像は、前記当たり遊技終了後の遊技状態が前記通常有利状態に移行するときに、前記記憶手段に記憶されている前記保留情報のなかに当否抽選結果が当たりとなるものが含まれている場合に表示されうることを特徴とする手段1-1または手段1-2に記載の遊技機。
このようにすることで、特別連荘画像が表示される場合と保留連荘画像が表示される場合とは当たり遊技終了後の遊技状態が異なる(特別有利状態と通常有利状態とで異なる)にもかかわらず、同じ特典が付与されたと遊技者が感じやすい遊技性が実現される。
○手段1-4
前記保留連荘画像が表示された前記当たり遊技終了後に前記通常有利状態に移行する場合、および、前記特別連荘画像が表示された前記当たり遊技終了後に前記特別有利状態に移行する場合のいずれであっても、同じ演出モードが設定されることを特徴とする手段1-3に記載の遊技機。
このように、特別連荘画像が表示される場合と保留連荘画像が表示される場合とは当たり遊技終了後の遊技状態が異なる(特別有利状態と通常有利状態とで異なる)ものの、両遊技状態にて設定される演出モードが同じになるようにすれば、当該遊技状態の違い(連荘の要因の違い)を遊技者が意識することなく遊技することができる。
○手段2-1
第一位置から第二位置に自動的に変位することが可能な操作手段と、前記操作手段を自動的に前記第二位置に位置させた上で、当該操作手段を当該第二位置から変位させるように操作することを遊技者に促す特別操作演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記特別操作演出として、前記操作手段の操作が検出されることを契機として結末に至る通常演出と、前記操作手段の操作が検出されても結末に至らず、当該操作手段が再び前記第二位置まで自動的に変位する特殊事象が発生する特殊演出と、が発生しうることを特徴とする遊技機。
上記遊技機の特別操作演出は、操作手段の操作が検出されても結末に至らないことがあるという面白み(驚き)のある演出形態である。
○手段2-2
前記特殊演出は、前記特殊事象が発生して前記第二位置に位置した前記操作手段の操作が検出されることを契機として結末に至ることを特徴とする手段2-1に記載の遊技機。
このようにすることで、特殊演出となる場合であっても、遊技者自らの操作により結末が判明するという操作演出本来の面白さは保たれる。
○手段2-3
前記特別操作演出では、遊技者に対して前記操作手段の操作を促す操作指示画像が表示され、前記通常演出は、前記操作手段の操作が検出されることを契機として前記操作指示画像が消去されて結末に移行するものである一方、前記特殊演出は、前記特殊事象が発生する前の前記操作手段の操作が検出されてもそのまま前記操作指示画像が表示され続けることを特徴とする手段2-1または手段2-2に記載の遊技機。
このようにすることで、特殊演出が発生した場合、遊技機が壊れたのではないかといった印象を遊技者が受ける可能性がある演出形態となる。
○手段2-4
前記特別操作演出は、遊技者に有利な有利結末または当該有利結末に至らなかった場合の結末である不利結末に至るものであり、前記通常演出は前記有利結末に至ることが確定するものではなく、前記特殊演出は前記有利結末に至ることが確定するものであることを特徴とする手段2-1から手段2-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、特殊演出が発生したことの驚きと共に、有利結末に至ったことの喜びが訪れる演出形態となる。
○手段3-1
表示領域を有する表示装置と、前記表示領域に対象画像を表示して対象演出が発生することを予告する画像予告演出を実行することが可能な演出実行手段と、を備え、前記画像予告演出が発生した後の前記対象演出の発生パターンとして、前記表示領域にN個の前記対象画像が表示された後、計N回の前記対象演出が発生する通常パターンと、前記表示領域にN個の前記対象画像が表示された後、計M回(M<Nである)の前記対象演出が発生する特殊パターンと、が設けられていることを特徴とする遊技機。
上記遊技機の画像予告演出は、表示された対象画像の数分の対象演出が発生すると考えている遊技者に対し、特殊パターンの発生により驚きを与えることができる。
○手段3-2
前記画像予告演出および前記対象演出は、ある当否抽選結果を報知する変動中演出の一部として発生しうるものであり、前記画像予告演出にて表示される前記対象画像の数が同じであるケース同士を比較した場合、前記通常パターンとなったときよりも、前記特殊パターンとなったときの方が、当否抽選結果が当たりとなる蓋然性が高いことを特徴とする手段3-1に記載の遊技機。
このようにすることで、特殊パターンの発生を遊技者が願う演出形態となる。
○手段3-3
前記対象演出が発生する度に、前記表示領域に表示される前記対象画像の減少が生じるように設定されており、前記通常パターンは、計N回の前記対象演出が発生する度に、一つずつ前記対象画像が減少していくものであり、前記特殊パターンは、計N回未満の前記対象演出の発生のうち、少なくとも一回の前記対象演出が発生した際に、二以上の前記対象画像が減少するものであることを特徴とする手段3-1または手段3-2に記載の遊技機。
このようにすることで、通常パターンと特殊パターンの違いが明確になる。
○手段3-4
前記特殊パターンとなる場合、前記通常パターンとなる場合には発生しない演出である、前記表示領域に表示されたN個の前記対象画像のうちの二以上の前記対象画像が一つとなったかのように表示される合体演出が発生することを特徴とする手段3-1から手段3-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、二以上の対象画像が一度に消費されたということが強調され、特殊パターンが発生したことを遊技者が見逃してしまうおそれが低減される。
○手段3-5
前記対象演出は、演出に反映されることになる前記操作手段の操作機会が付与される操作演出であり、前記通常パターンは、前記表示領域にN個の前記対象画像が表示された後、当該対象画像が表示されたことに基づく前記操作手段の操作機会が計N回付与されるものであり、前記特殊パターンは、前記表示領域にN個の前記対象画像が表示された後、当該対象画像が表示されたことに基づく前記操作手段の操作機会が計M回付与されるものであることを特徴とする手段3-1から手段3-4のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、画像予告演出として表示される対象画像の数は、基本的には操作手段の操作機会の数を表すものであることを前提(通常パターンの場合)としつつ、特殊パターンの発生によりその操作機会の数が減少する場合があるという演出形態となる。
○手段3-6
前記対象画像は、前記操作手段を表した画像であることを特徴とする手段3-5に記載の遊技機。
このようにすることで、対象画像は操作手段の操作機会を示唆するものであることが分かりやすい。
○手段4-1
表示領域を有する表示装置と、実時間の経過とともに変化していく時間表示を含む時間画像が前記表示領域に表示され、当該時間表示が終了時間に到達するタイムアップ時点後、複数種の特定事象のいずれかが発生するタイマ演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記タイマ演出が開始され、前記タイムアップ時点に到達するまでの期間は、前記時間表示が前記終了時間よりも前の途中時間に到達するまでの通常期間と、前記時間表示が前記途中時間に到達した後の直前期間とに区分けされ、前記通常期間から前記直前期間に移行することを契機として、前記表示領域における前記時間画像が表示される範囲が大きくなる変化が生じることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、時間画像が大きくなることでタイムアップが近づいていることが示される分かりやすいタイマ演出を実行することが可能である。
○手段4-2
前記時間画像は、前記タイムアップ時点に到達することを契機として消去され、前記直前期間中においては前記時間画像が表示されていた箇所に、前記特定事象の内容を示す事象画像が表示されることを特徴とする手段4-1に記載の遊技機。
このようにすることで、事象画像が示す特定事象が、タイマ演出(タイムアップ)の結果として発生したものであることを明確に示すことができる。
○手段4-3
前記タイマ演出毎に、前記通常期間の長さは異なりうるものの、前記直前期間の長さは一定であることを特徴とする手段4-1または手段4-2に記載の遊技機。
このようにすることで、時間画像が大きくなる変化が生じてからタイムアップまでの長さが毎回一定となるから、演出の進行のテンポが変わらず、遊技者にとって心地よいタイマ演出となる。
○手段4-4
前記直前期間では、前記表示領域の全体に前記時間画像が表示されることを特徴とする手段4-1から手段4-3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、タイムアップの結果として特定事象が発生することをより明確に示すことができる。
○手段5-1
表示装置の表示領域に複数の演出画像を表示する第一段階と、前記第一段階の後、複数の前記演出画像のうちのいずれかを対象演出画像と、その他の前記演出画像を非対象演出画像とし、当該対象演出画像を当該非対象演出画像よりも明瞭な状態となるよう変化させた上で、当該対象演出画像に対応づけた演出要素を出力する第二段階と、を含む画像演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記遊技機によれば、複数の演出画像が表示されるものの、出力された演出要素が対象演出画像に対応づけられたものであることが分かりやすい画像演出とすることができる。
○手段5-2
前記画像演出は、前記第二段階の後、前記第二段階では前記非対象演出画像であったものを前記対象演出画像と、前記第二段階では前記対象演出画像であったものを前記非対象演出画像とし、当該対象演出画像を当該非対象演出画像よりも明瞭な状態となるよう変化させた上で、当該対象演出画像に対応づけた演出要素を出力する第三段階を含むことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
このように、非対象演出画像であったものを対象演出画像した上で演出要素が出力されるようにすれば、当該演出要素が対象演出画像となったものに対応づけられたものであることが分かりやすい。
○手段5-3
前記対象演出画像はカラー表示された画像であり、前記非対象演出画像はモノクロ表示された画像であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
このように、モノクロ表示に対して目立つカラー表示で対象演出画像を表すことで、いずれの演出画像が対象演出画像であるのかが分かりやすい。
○手段5-4
前記第一段階においては、複数の前記演出画像の全てがカラー表示されることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
このようにすることで、全ての演出画像がカラー表示された状態を基準として、対象演出画像のみがカラー表示された状態に変化することになるから、いずれの演出画像が対象演出画像であるのかがより分かりやすくなる。
○手段5-5
複数の前記演出画像のそれぞれは、互いに異なるキャラクタを表したものであり、前記演出要素は、前記対象演出画像が表すキャラクタから発せられたセリフを表すものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遊技機。
このように、画像演出は、演出画像が表すキャラクタの少なくとも一部が言葉を発していることを示す演出に利用することができる。
○手段5-6
前記演出要素である前記対象演出画像が表すキャラクタから発せられたセリフを表す文字は、少なくとも一部が前記非対象演出画像に重なるように前記表示領域に表示されることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
このように、非対象演出画像に重ねてセリフを表示しても、当該セリフが対象演出画像が表すキャラクタから発せられたものであることが理解できる。また、セリフを非対象演出画像に重ねて表示することができるため、各演出画像を大きく表示する等してもセリフを表示するスペースの確保が容易である。