JP2022027536A - 貴金属回収方法 - Google Patents

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奨太 田畑
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Yoshihiro Honma
亮栄 渡邊
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Abstract

【課題】飛灰から貴金属を回収する。【解決手段】飛灰から貴金属を回収する方法であって、貴金属を含む微細な一次粒子と粗大な一次粒子との凝集体を含む飛灰を解砕する解砕工程と、解砕工程で得られた解砕済みの飛灰を分級し、粗粉と微粉を得る分級工程と、微粉から貴金属を得る回収工程と、を有する、貴金属回収方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、貴金属回収方法に関する。
特許文献1には、廃棄物中に混入していた貴金属が付着した貴金属付着粒子を含む焼却灰から貴金属を回収する焼却灰からの貴金属回収方法であって、前記焼却灰を破砕し、焼却灰中の貴金属付着粒子の表面から削り取られた貴金属部分を含む貴金属濃縮粒子と、その他の粒子とを生成する破砕工程と、破砕工程で得られた貴金属濃縮粒子とその他の粒子とを一定の粒径に分級する分級工程と、分級工程で分級された粒子を比重選別して貴金属濃縮粒子をその他の粒子から選別する比重選別工程とを有する、焼却灰からの貴金属回収方法が記載されている。
特開2017-140555号公報
本発明者により以下の課題が知見された。
焼却時に焼却炉から発生する排ガスに含まれるばいじんである飛灰(フライアッシュ)は、前記焼却灰に比べて軽量であり、例えば、排ガスから熱回収を行うボイラー下部から排出される灰(ボイラー灰とも略する)や、排ガスを浄化するためのバグフィルターで捕集される灰がある。飛灰が軽量なのは、飛灰を構成する粒子が小粒径(例えばミクロンオーダー)であることに由来している。
一方、前記焼却灰は、焼却時に焼却炉の底から排出され、燃え殻(又は主灰)とも呼ばれ、飛灰よりも大粒径(例えばミリオーダー)である。
本発明者は、上述の飛灰から貴金属を回収する手法について鋭意検討を行った。
特許文献1には、焼却灰から貴金属を回収する方法が記載されている。しかしながら、単に、特許文献1に記載の技術を飛灰に対して適用しようとしたところ、有効ではなかった。
本発明は、飛灰から貴金属を回収することを課題とするものである。
本発明の第1の態様は、
飛灰から貴金属を回収する方法であって、
貴金属を含む微細な一次粒子と粗大な一次粒子との凝集体を含む前記飛灰を解砕する解砕工程と、
前記解砕工程で得られた解砕済みの飛灰を分級し、粗粉と微粉を得る分級工程と、
前記微粉から貴金属を得る回収工程と、
を有する、貴金属回収方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
前記飛灰を構成する一次粒子の最大粒径は500μm以下である。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の発明において、
前記解砕工程は、振動ミル又はビーズミルを用いた乾式若しくは湿式、又は超音波を用いた湿式で行う。
本発明の第4の態様は、第1~第3のいずれか一つの態様に記載の発明において、
前記微粉の粒径は150μm以下である。
本発明の第5の態様は、第1~第4のいずれか一つの態様に記載の発明において、
前記回収工程では、前記分級工程で得られた前記微粉を、比重及び粒径の少なくともいずれか一方に基づいて分離する分離工程を行って得られた貴金属の濃縮物から貴金属を得る。
本発明の第6の態様は、第1~第5のいずれか一つの態様に記載の発明において、
前記分級工程で得られた前記微粉を再度解砕する二次解砕工程を行い、その後に前記回収工程を行う。
本発明によれば、飛灰から貴金属を回収できる。
図1は、本実施形態及び本実施例に係る貴金属回収方法のフローチャート(左側)と各工程での飛灰の状態を示す概略説明図(右側)である。 図2は、ボイラー灰を構成する凝集体(b)に対する解砕(本発明)と粉砕(従来技術)との相違を示す概略説明図である。 図3は、ボイラー灰を構成する一次粒子を粒径で分けた様子を示す概略説明図である。 図4は、ボイラー灰の様子を示す概略説明図である。 図5は、図1で示したそれぞれの粒子とそれらに対応するSEM像を示す。
以下、本発明の実施の形態について説明を行う。本明細書では「~」は所定の数値以上且つ所定の数値以下を指す。
本実施形態は以下の構成を有する。
「飛灰から貴金属を回収する方法であって、
貴金属を含む微細な一次粒子と粗大な一次粒子との凝集体を含む前記飛灰を解砕する解砕工程と、
前記解砕工程で得られた解砕済みの飛灰を分級し、粗粉と微粉を得る分級工程と、
前記微粉から貴金属を得る回収工程と、
を有する、貴金属回収方法。」
(解砕工程)
解砕工程は、飛灰に対して行うが、このときは貴金属をほとんど含まない粗大な一次粒子を粉砕せずに、貴金属を含む微細な一次粒子と、粗大な一次粒子とが凝集した凝集体を解砕し、貴金属を含む一次粒子と、粗大な一次粒子とを含む解砕粉を得ることを目的とする。ボイラー灰又はバグフィルターで捕集される灰(即ち飛灰)には、貴金属を含む一次粒子が存在する(以降、貴金属から成る一次粒子を例示)。その一方、飛灰のような軽量ひいては小粒径な粒子だと、貴金属から成る一次粒子は、それ以外の一次粒子(貴金属を全く含まない一次粒子又は一部含む一次粒子)であって、粗大な一次粒子に付着して凝集体を形成する場合があることがわかった。
図1は、本実施形態及び本実施例に係る貴金属回収方法のフローチャート(左側)と各工程での飛灰の状態を示す概略説明図(右側)である。
図2は、ボイラー灰を構成する凝集体(b)に対する解砕(本発明)と粉砕(従来技術)との相違を示す概略説明図である。
なお、図2中の数値はあくまで一例であり、本発明を限定しない。
飛灰とは、焼却時に焼却炉から発生する排ガスに含まれるばいじんであり、本発明では排ガスの熱回収のためのボイラーや、排ガスの浄化処理のための集塵設備(バグフィルター)から回収した灰を示す。飛灰を構成する粒子は、焼却灰に比べて小粒径(例えばミクロンオーダー)で軽量である。
ここで、飛灰の一例として、ボイラー灰を構成する一次粒子の最大粒径が500μm以下(好適には300μm以下)である場合を例示する。なお、ボイラー灰の一部(例えば粒径頻度5%)に粒径500μmのものが含まれている場合でも、本発明の効果を奏する。粒径頻度を得る場合は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器を用い、ボイラー灰を溶媒中に分散させたうえで測定してもよい。
ボイラー灰を構成する一次粒子の形態は、球状又は楕円体であることが好ましい。この場合、本実施形態の解砕工程をより効果的に適用可能である。
ボイラー灰は、小規模装置即ち家庭用焼却炉のボイラー灰から、大規模装置即ち製造工場用(特に金属製錬用)焼却炉のボイラー灰まで、本実施形態を適用可能である。製造工場用焼却炉だと、一般廃棄物焼却炉に比べ、ボイラー灰中の貴金属の割合が100倍近く高くなることがあり、本実施形態を使用することのメリットが更に大きくなる。
図3は、ボイラー灰を構成する一次粒子を粒径で分けた様子を示す概略説明図である。
図4は、飛灰(ボイラー灰)の様子を示す概略説明図である。即ち、飛灰は、貴金属を含む微細な一次粒子、貴金属以外の微細な一次粒子、貴金属を含まない粗大な一次粒子、微細な一次粒子同士の凝集体(不図示)、微細な一次粒子と粗大な一次粒子の凝集体、を含んで構成されている。
図5は、解砕前の貴金属を含むボイラー灰と、解砕後の篩上の粗大な一次粒子及び篩下の貴金属を含む微細な一次粒子と貴金属以外の微粉の概略説明図及びSEM写真である。
一次粒子には、比較的粗大なグループと比較的微細なグループとが存在する(図2(a)、図3)。貴金属から成る一次粒子は比較的微細なグループに属する。なお、両グループは一義的に区別する必要はなく、貴金属から成る一次粒子が比較的微細なグループに属するようなグループ分けがなされればよい。
以降、貴金属として金(Au)を例示する。但し、貴金属と称される金属元素であれば限定は無い。
そして、ボイラー灰においては、主に貴金属から成る微細な一次粒子とそれ以外の粗大な一次粒子とが凝集体を形成している(図2(b)、図4、図5)。
特許文献1に記載の技術は、ミリオーダーの粒子により焼却灰が構成されることを前提とした装置構成により実現されている(例えばロータリーインパクトミル)。ボイラー灰に対してロータリーインパクトミルを使用すると、ボイラー灰を構成する一次粒子の粒径が小さいため、そもそも打撃を与えられない場合も想定される。仮に、ボイラー灰を構成する一次粒子に打撃を与えた場合、凝集体を解すどころか凝集体を構成する微細な一次粒子とそれ以外の粗大な一次粒子そのものを粉砕してしまう場合も想定される(図2(c))。
粉砕が行われる場合、図2(c)に示すように、粉砕後に得られるのは、粒径が揃った粒子群となる。この粒径が揃った粒子群には、貴金属から成る一次粒子に加え、それ以外の一次粒子(貴金属を全く含まない一次粒子又は一部含む一次粒子)も含まれる。つまり、粉砕後に得られるのは、粗大粒子と微細粒子との粒径の差が無くなった一次粒子群である。この一次粒子群から貴金属から成る一次粒子を回収しようとしても、一次粒子の母数が多すぎる。
その一方、粉砕ではなく解砕、即ち凝集体を解す場合、図2(d)に示すように、構成単位のままの粒径の一次粒子群が得られる。これは、一次粒子群を、比較的粗大な一次粒子のグループと比較的微細な一次粒子グループとに区分け可能であることを意味する。貴金属から成る一次粒子は、比較的微細なグループに属する。その結果、解砕後の一次粒子群より貴金属から成る一次粒子を回収する際、従来技術のように粉砕を行う場合に比べ、一次粒子の母数が少なくなる。このことを、「貴金属から成る一次粒子の濃縮化」ともいい、得られた一次粒子群のうち比較的微細なグループのことを「濃縮物」ともいう。
上記濃縮化を図ることにより種々のメリットが得られる。
(最終的に得られる貴金属濃縮物の高品位化)
図2に示すように、解砕を経た後に篩分を行うことにより得られる産物からだと、従来技術のような粉砕を採用する場合に比べ、貴金属(以降、Auを例示)品位の高い産物が得られる。
本発明のように解砕で得られた産物の貴金属品位と、従来技術のように粉砕で得られた産物の貴金属品位との違いは、最終的に、後掲の好適例である分離工程(例:比重分離工程)で得られる貴金属濃縮物の品位にも大きな影響を与える。
仮に後掲の分離工程で貴金属品位が100倍になったとすると、従来技術の粉砕の手法で得られる貴金属濃縮物のAu品位は500g/tとなるが、本発明の解砕の手法で得られる貴金属濃縮物のAu品位は1000g/tとなる(図2中の数値参照)。
(省エネルギーに伴うコスト削減)
従来技術の粉砕と本発明の解砕とでは、作業に投入されるエネルギーが大きく異なる(粉砕>>解砕)。本発明の解砕の方が、低コストで貴金属を回収することが出来る。更に、本発明の解砕の場合、分離工程に投入する物量を減らすことが出来るため、分離装置のイニシャルコスト及びランニングコストを削減することが可能となる。
(作業環境悪化の抑制)
従来技術の粉砕の作業により、大量の粉塵が発生する。本発明の解砕の作業においても微細な粒子は発生するものの、粉砕の場合と比較すると、その量は少ない。その結果、作業環境悪化を抑制可能となる。
解砕工程を湿式で行う場合、ボイラー灰を溶媒中に分散させた後、例えば超音波等により凝集体を解砕する。特に、超音波ならば、特許文献1に記載のロータリーインパクトミルとは異なり、凝集体に適度な衝撃が与えられ、凝集体を選択的に解すことが可能となる。他には、例えば湿式ビーズミル、湿式振動ミルやタワーミルなどを用いることができる。
湿式の解砕工程を行う際、溶媒の種類には限定は無く、ボイラー灰を良好に分散させられればよい。その一方、貴金属以外の物質の少なくとも一部を溶解可能な溶媒を用いてもよい。その場合、解砕物中の微細な一次粒子群において、貴金属から成る一次粒子の濃度(個数割合)が増加し、貴金属が濃縮する。
解砕工程を乾式で行う場合、例えばビーズミルにより凝集体を解砕する。ビーズミルならば、特許文献1に記載のロータリーインパクトミルとは異なり、ビーズの材質・粒径、アジテーター周速や投入量を調整することで(たとえばビーズ材質アルミナ、ビーズ径1.5~20mm、周速3.0~5.0m/sec)、凝集体に比較的弱いせん断力及び摩擦力が与えられ、凝集体を解すことが可能となる。他には、例えば乾式振動ミルやインテンシブミキサーなどを用いることができる。
なお、湿式にしても乾式にしても、凝集体を解す際に、凝集体同士の衝突等により不可避的に一次粒子が粉砕されることはゼロではない。その一方、特許文献1に記載のロータリーインパクトミルと比べ、超音波の場合は衝撃度合いが明らかに小さく、凝集体の解砕が主に行われることは明らかである。また、特許文献1に記載の内容だと、ボイラー灰における凝集体を有効に解せないことは上述の通りである。
本明細書の解砕工程は、従来技術の粉砕とは異なる。即ち、従来技術の粉砕後に得られる一次粒子の粒度分布は、粉砕前に含まれていた粗大な一次粒子も粉砕されるため、粉砕前の粒子の粒度分布から大きく変化する場合があるが、本発明の解砕後に得られる一次粒子の粒度分布は、解砕前の粒子の粒度分布からあまり変化しない。解砕後に得られる一次粒子の粒度分布は、走査電子顕微鏡(SEM)やデジタルマイクロスコープによる粒子解析またはレーザー回折・散乱式粒度分布測定器により測定できる。
なお、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器を用いて、解砕後の凝集粒子を含む粒度分布を測定する際、過度の超音波分散は凝集体の解砕につながり、粒度分布を正確に測定出来ないことが想定されるため、超音波分散は行わない若しくは1分以下とすることが望ましい。
なお、本発明の解砕工程前の粒度分布のピーク位置(具体的には粒子のモード径X)と、解砕工程後の粒度分布のピーク位置(具体的には一次粒子群のモード径Y)との差が100μm以下であるのが好ましく、50μm以下がより好ましい。比率でいうと、(モード径Y)/(モード径X)は0.7~1.3であるのが好ましい。粉砕とは異なり、解砕を採用するため、解砕前後のモード径の変化は少ない。
本発明の解砕工程で得られる、貴金属を含む微細な一次粒子の粒径は、例えば150μm以下が好ましく、より好ましくは100μm以下、最も好ましくは75μm以下である。貴金属を含む微細な一次粒子の粒径が上記範囲であれば、後述する分級工程において、貴金属を含む微細な一次粒子のグループを効率的に分級することができる。
(分級工程)
本工程では、解砕済みの飛灰より、微細な一次粒子を多く含む微粉と、粗大な一次粒子を多く含む粗粉とを分級により得る。この意図としては、金(Au)等の貴金属粒子の多くが50μm以下の粒子として存在しており、粗粉には貴金属があまり含まれていないという知見に基づく。
分級工程の具体的手法には限定は無い。解砕工程を湿式で行った場合、連続して湿式分級機等による分級も行えるし、乾燥後に乾式分級を行うこともできる。解砕工程を乾式で行った場合、公知の分級機や篩等により分級を行えばよい。
また、分級点の範囲(例えば篩の目の大きさ)は、例えば10~150μm、好適には50~100μm、更に好適には75μmとするのがよい。この範囲は、解砕工程により、Au等の貴金属粒子を含む一次粒子の凝集体を、上述の分級点以下の微粉とし、これを分級することによりAu等の貴金属粒子の回収率を高め、かつ効率的に濃縮するためである。
(二次解砕工程)
分級工程を経た後に、微細な粒子群(貴金属を含む微粉)に対して再度解砕を行う二次解砕工程を行っても構わない。また、解砕工程を行った後でも、微粉同士が未だに凝集している場合も想定される。本工程により、そのような凝集体から、貴金属から成る微粉とそれ以外の微粉とを分けることが可能となる。そして、その後に行う分離工程によって、貴金属とそれ以外とに分離する効率が高められる。このとき二次解砕後の粒子径は75μm以下であることが好適である。
ちなみに、分級工程を経た後だと、既に解砕済みの飛灰のうち微細な微粉が区分けされているため、貴金属を回収するにしても、解砕前の全一次粒子数に比べて母数は少ない状態である。そのため、分級工程を経た後に二次解砕工程を行ったとしても貴金属の回収に悪影響は与えない。
(回収工程)
本工程では、分級された微粉(濃縮物)から貴金属を分離して得る。本工程の具体的な手法には限定は無い。例えば、分級された微粉を全溶解した後に、公知の手法(電解析出等)により貴金属を析出させ、その貴金属を回収してもよい。
その一方、分級された微細グループの微粉を比重、粒径のいずれか一方又は双方に基づいて分離する分離工程を行い、貴金属を比較的多く含む微粉(更なる濃縮物)を得、その濃縮物から貴金属を回収するのが好ましい。本実施形態では比重を採用する場合を例示する。そのため、分離工程を比重分離工程とも称する。
貴金属はそれ以外の元素に比べて重いため、上記分離工程により、微細グループの微粉の中でも比較的重い微粉を分離できれば、貴金属を更に濃縮可能である。なお、比重による分離方法には、重さに基づいて分離する機構を有するものであれば特に制限はなく、重さに加え、サイズや形状など複合的な原理を利用したものも含む。
分離工程の具体的手法には限定は無い。湿式比重分離方法、例えば、ネルソン選別機、Multi-Gravity Separators、ファルコン選別機、Kelsey Jig等の選別法により分離工程を行えばよい。乾式で分離する場合、公知の質量分級装置、例えば、エルボージェット分級機、ハイプレック分級機、ターボクラシファイヤ等により分離工程を行えばよい。
以上の作業により、飛灰から貴金属を回収できる。
本発明の技術的範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
例えば、分級工程により得られる粗粉は、再度、解砕工程及び分級工程に戻してもよい。本明細書における「解砕工程で得られた解砕済みの飛灰」には、該粗扮も含まれる。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。もちろん本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例および比較例においては、産業廃棄物焼却炉のボイラーから排出されたボイラー灰を使用した。灰を構成する一次粒子の大半の粒径は500μm以下であり、一部(粒径頻度5%)は粒径300μmを超えるものが含まれていた。
(実施例1)
解砕工程を湿式で行った。即ち、ボイラー灰を500g用意し、100gずつをイオン交換水中に投入した後、超音波洗浄器(MCS:アズワン株式会社製)を用い、周波数40Hzで90分間の解砕を行った。
解砕工程後、目開きが75μmの試験用篩にて湿式分級を行い、篩下の微細グループの微粉(-75μm)と篩上の粗大グループの粗粉(+75μm)とを得た。
分級後の微粉と粗粉とを十分に乾燥させた後、前記試験用篩を通して、75μm以下の微粉と75μm超の粗粉粒子を分離回収し、各々に対し、組成分析を行った。組成は、試料を酸分解した後、テルル共沈法により貴金属を沈殿物として回収、沈殿物を王水で溶解(全溶解)し、ICP-AES(iCAP6300Duo:サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)にて分析した。その組成分析の結果と重量比率から金(Au)の分配率を得た。その結果を表1に示す。なお、実施例1では組成分析に留めるが、全溶解後の溶液から貴金属を公知の手法で回収可能である。
(実施例2)
解砕工程を乾式で行った。即ち、ボイラー灰の凝集体を連続乾式ビーズミル(SDA1:アシザワ・ファインテック株式会社製、アルミナビーズφ3mm、ビーズ充填60%、周速4.0m/sec、フィード量30kg/hr)を用い、解砕を行った。
解砕工程後、目開きが75μmの試験用篩にて乾式分級を行い、篩下の微細グループの微粉と篩上の粗大グループの粗粉とを得た。上記内容以外は実施例1と同様の作業を行った。
(実施例3)
解砕工程を乾式で行った。即ち、ボイラー灰を700g用意し、バッチ式乾式振動ミル(MB-1型:中央化工機株式会社製、アルミナポット、アルミナボール)を用いて、まずアルミナボールφ10mm、ボール充填30%、振動数16.2Hzの条件で10分間解砕し、その後アルミナボールφ5mm、ボール充填50%、振動数16.2Hzの条件で再び10分間の解砕を行った。
解砕工程後、目開きが75μmの試験用篩にて湿式分級を行い、篩下の微細グループの微粉と篩上の粗大グループの粗分とを得た。上記内容以外は実施例1と同様の作業を行った。
(実施例4)
実施例3において、バッチ式乾式振動ミルでの1回目の解砕の際にアルミナボールのボール充填30%を50%に変更した以外は、実施例3と同様の作業を行った。分析結果を表1に示す。
(比較例1)
解砕工程を行わず、実施例1と同様の操作により湿式分級のみを行った。分析結果を表1に示す。
(比較例2)
解砕工程を行わず、実施例1と同様の操作により乾式分級のみを行った。分析結果を表1に示す。
(比較例3)
解砕工程を行わず、実施例3と同様の操作により湿式分級のみを行った。分析結果を表1に示す。
(比較例4)
解砕工程を行わず、実施例3と同様の試験用篩を用いて乾式分級のみを行った。分析結果を表1に示す。
(比較例5)
粉砕工程を湿式で行った。即ち、ボイラー灰を830g用意し、湿式タワーミル(NE008型:日本アイリッヒ株式会社製、鉄球φ6mm、鉄球充填量10kg、スラリー濃度40wt%、スクリュー回転数716rpm)を用い、30分間の粉砕を行った。粉砕後は、粒径が75μm以下の微細な一次粒子のみとなった。
粉砕工程後、目開きが75μmの試験用篩にて湿式分級を行ったところ、すべて篩下の微細グループの微粉として得られた。上記内容以外は実施例1と同様の作業を行った。
Figure 2022027536000002
表1より、解砕工程と分級工程を行った実施例1,2,3,4で得られた-75μm(75μmアンダー)の微粉は、Au分配率が比較例1,2,3,4と比べて明らかに高かった。また、粉砕を行った比較例5では、全量が-75μmに粉砕され、Au濃縮効果が得られなかった。
(実施例5)
実施例1の微粉に対して、再度解砕を行った。即ち、ディスクミル(RS200:レッチェ社製)を用い、回転数700rpmで1分間の二次解砕を行った。
その後、二次解砕後の微粉(Au品位:5g/t)に対し、Laboratory Mineral Separatorにより分離工程を行った。装置を稼働する際の設定は、Tilt Angle:1.5°、Speed:80rpm、Wash Water:2.5L/min、Test Time:2.5minとした。
分離工程により、微粉を投入側から近い順に4分割して回収し、濃縮物1~4を得た。各濃縮物及び尾鉱に対し、組成分析を行い、Auの品位と濃縮率を求めた。その結果を表2に示す。
Figure 2022027536000003
(実施例6)
実施例3の微粉に対して、再度解砕を行った。即ち、ディスクミル(RS200:レッチェ社製)を用い、回転数700rpmで1分間の二次解砕を行った。
その後、二次解砕後の微粉(Au品位:6g/t)に対し、Laboratory Mineral Separatorにより分離工程を行った。装置を稼働する際の設定は、Tilt Angle:1.5°、Speed:80rpm、Wash Water:2.5L/min、Test Time:3.0minとした。
分離工程により、微粉を投入側から近い順に4分割して回収し、濃縮物1~4を得た。各濃縮物及び尾鉱に対し、組成分析を行い、Auの品位と濃縮率を求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2022027536000004
(実施例7)
実施例4の微粉に対して、再度解砕を行った。即ち、ディスクミル(RS200:レッチェ社製)を用い、回転数700rpmで1分間の二次解砕を行った。
その後、二次解砕後の微粉(Au品位:5g/t)に対し、Laboratory Mineral Separatorにより分離工程を行った。装置を稼働する際の設定は、Tilt Angle:1.5°、Speed:80rpm、Wash Water:2.5L/min、Test Time:3.0minとした。
分離工程により、微粉を投入側から近い順に4分割して回収し、濃縮物1~4を得た。各濃縮物及び尾鉱に対し、組成分析を行い、Auの品位と濃縮率を求めた。その結果を表4に示す。
Figure 2022027536000005
(実施例8)
実施例2の微粉に対して、再度解砕を行った。即ち、ディスクミル(RS200:レッチェ社製)を用い、回転数700rpmで1分間の二次解砕を行った。
その後、二次解砕後の微粉(Au品位:4g/t)に対し、ハイプレック分級機により分離工程を行った。設定は、軽産物、中産物及び重産物の3種を回収できるようにし、重産物の回収量が投入量の10重量パーセント程度になるように、フラップの位置等を調整した。
分離工程により分離された、軽産物、中産物及び重産物の各産物に対し、組成分析を行い、Auの品位と濃縮率を求めた。その結果を表5に示す。
Figure 2022027536000006
以上のことから、各実施例では、解砕、分級、二次解砕及び分離の各工程を経ることにより、Au品位が濃縮された状態で回収できることがわかった。また、表には示していないが、AgやCuと比較すると、Auの濃縮率が極めて高かった。つまり、ボイラー灰から貴金属を選択的に回収できた。

Claims (6)

  1. 飛灰から貴金属を回収する方法であって、
    貴金属を含む微細な一次粒子と粗大な一次粒子との凝集体を含む前記飛灰を解砕する解砕工程と、
    前記解砕工程で得られた解砕済みの飛灰を分級し、粗粉と微粉を得る分級工程と、
    前記微粉から貴金属を得る回収工程と、
    を有する、貴金属回収方法。
  2. 前記飛灰を構成する一次粒子の最大粒径は500μm以下である、請求項1に記載の貴金属回収方法。
  3. 前記解砕工程は、振動ミル又はビーズミルを用いた乾式若しくは湿式、又は超音波を用いた湿式で行う、請求項1又は2に記載の貴金属回収方法。
  4. 前記微粉の粒径は150μm以下である、請求項1~3のいずれか一つに記載の貴金属回収方法。
  5. 前記回収工程では、前記分級工程で得られた前記微粉を、比重及び粒径の少なくともいずれか一方に基づいて分離する分離工程を行って得られた貴金属の濃縮物から貴金属を得る、請求項1~4のいずれか一つに記載の貴金属回収方法。
  6. 前記分級工程で得られた前記微粉を再度解砕する二次解砕工程を行い、その後に前記回収工程を行う、請求項1~5のいずれか一つに記載の貴金属回収方法。
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