JP2017206397A - Tiを精製する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】チタン製錬における塩化残渣からTiを回収する方法を提供すること。【解決手段】チタン製錬における塩化残渣からTiを回収する方法であって、塩化残渣に対して浮遊選鉱処理を行い、それによって、尾鉱、浮鉱、及び浮選後液を得る工程と、前記尾鉱に対して比重選別を行い、それによって、Siを除去する工程を含む、を含む、該方法。【選択図】図1

Description

本発明は、Tiを精製する方法に関する。より具体的には、Tiを含む混合物からSiを分離する方法に関する。
チタンはクロール法によりチタン鉱石から精製される。このクロール法では、チタン鉱石とコークスが流動床反応炉に投入され、塩素ガスが流動床反応炉の下部から吹入される。その結果、気体状の四塩化チタンが生成され、これを回収してマグネシウム等で還元し、最終的にはスポンジチタンが生成される。
チタンの精製過程では、様々な廃棄物が生じる。しかし、こうした廃棄物の中には有用な物質が含まれている。特許文献1では、チタン鉱石から有用な金属を回収するための方法が開示されている。具体的には、チタン鉱石を塩素化し、得られた粗製塩素化炉の残渣をHCl浸出する方法が開示されている。
また、特許文献2では、塩化残渣の中から未反応のチタン鉱石やコークスを回収する方法を開示している。具体的には塩化残渣を水洗処理後、固形物と廃液に分離する旨、そして、固形物には未反応のチタン鉱石やコークスが含まれるのでこれを流動床反応炉に戻して再利用する旨が開示されている。
特開平3−115534号明細書 特開2014−181153号明細書
上述したクロール法においては、図10に示すように、不純物金属塩化物が生じる。これらは通常廃棄され、その際にコストがかかる。その一方で、不純物金属塩化物には、有用な物質が含まれる。例えば、不純物金属塩化物の中にはTiやSiやカーボンが混入している。従って、こうした混合物をそのまま廃棄することなく、チタンを回収することができれば、工業上有益であろう。また、回収する際に他の物質の混入を抑制することができれば、更に有用であろう。特に、上述した不純物金属塩化物に混入しているTiやSiはそれぞれTiO2及びSiO2等の形で存在しており、分離が困難である。そこで、本発明は、特定の物質の混入を抑制しながら、チタン品位を上昇させて、チタンを回収する方法を提供する事を目的とする。
本発明者が鋭意調査した結果、TiO2及びSiO2は、比重に違いがあることが分かり、これを利用した分離方法を用いると、Tiの品位を上昇させることができることが見出された。
こうした知見に基づいて、本発明は以下のように特定される。
(発明1)
チタン製錬における塩化残渣からTiを回収する方法であって、
塩化残渣に対して浮遊選鉱処理を行い、それによって、尾鉱、浮鉱、及び浮選後液を得る工程と、
前記尾鉱に対して比重選別を行い、それによって、Siを除去する工程
を含む、該方法。
(発明2)
前記比重選別が、テーブル選別機を用いた湿式比重選別である、発明1に記載の方法。
(発明3)
発明1又は2に記載の方法であって、前記比重選別後、TiO2/(TiO2+SiO2)が0.9以上の画分を回収する工程を更に含む方法。
(発明4)
発明1〜3のいずれか1つに記載の方法であって、
前記方法は、前記浮遊選鉱処理を行う前に、前記塩化残渣を粗粒と細粒とに分級する工程を含み、
前記浮遊選鉱処理を行う工程は、前記粗粒に対して実施される、該方法。
(発明5)
発明1〜3のいずれか1つに記載の方法であって、
前記方法は、前記浮遊選鉱処理と前記比重選別の間に、前記尾鉱を粗粒と細粒とに分級する工程を含み、
前記分級する工程は、前記浮遊選鉱処理で得られた尾鉱に対して実施され、
前記比重選別は、前記粗粒に対して実施される、該方法。
本発明では、一側面において、浮遊選鉱処理を行う工程を実施する。これにより、カーボンなどの混入量を減少させたうえで、チタンを尾鉱へ分配することができる。更に、本発明では、一側面において、比重選別を行う工程を実施する。これにより、Siなどの混入量を減少させることができる。
本発明の一実施形態に係る、Tiを回収するためのフロー図である。 本発明の一実施形態に係る、Tiを回収するためのフロー図である。 本発明の一実施形態に係る、Tiを回収するためのフロー図である。 本発明の一実施形態に係る、比重選別を表す図である。 本発明の一実施形態において、浮遊選鉱を行ったときの分配率を示す。 本発明の一実施形態において、傾斜角度を5°としたときの比重選別の結果を示す。 本発明の一実施形態において、傾斜角度を3.5°としたときの比重選別の結果を示す。 本発明の一実施形態において、傾斜角度を2°としたときの比重選別の結果を示す。 本発明の一実施形態において、塩化残渣の分級結果を示す。 本発明の一実施形態において、塩化残渣におけるTiとSiの分級結果を示す。 クロール法についての図である(従来技術)。
1.塩化残渣
1−1.チタンの精製
従来、チタンは、チタン鉱石からクロール法により精製されるのが一般的である。図10に流れの一部を示す。チタン鉱石とコークスを流動床反応炉に投入する。そして、流動床反応炉の下部から塩素ガスを吹入させる。チタン鉱石は塩素ガスと反応し、四塩化チタンを生じる。四塩化チタンは反応炉内の温度では気体状態にある。この気体状態の四塩化チタンが、次の冷却システムに送られ、冷却される。冷却された四塩化チタンは液体状になり、回収される。
1−2.塩化残渣
気体状態の四塩化チタンが次の冷却システムに送られる際に、気流に乗って微粉状の不純物が一緒に冷却システムに送られる。該不純物には、チタン以外の物質(鉄、スカンジウム、バナジウム、シリコン等、一部は塩化物)、未反応の鉱石、未反応のコークス等が含まれる。こうした不純物は、冷却システムにおいて、固体の形状で回収される。本明細書では、この回収された物を塩化残渣と呼ぶ。塩化残渣はスラリー化してもよいし、乾燥粒子群の形態であってもよい。典型的には、スラリー化した物を用いて、有価金属を回収することができる。
1−3.塩化残渣の品位
上述した工程で得られた塩化残渣は、様々な有用物質を含む可能性がある。例えば、塩化残渣1t中には、Tiが260kg程度存在する可能性がある。従って、こうした塩化残渣をそのまま廃棄することなく、Tiを回収することができれば、廃棄コストを抑制することができると同時に、回収物を用いて利益を向上させることができる。
1−4.塩化残渣の前処理
上述した塩化残渣は、チタン製錬時に回収した直後高温状態であり、ここからチタンを回収する処理を行う前に冷却する必要がある。冷却方法は、特に限定されず、空冷、又は水冷等の手段で冷却してもよい。
また、後述する浮遊選鉱や分級を行う前に、塩化残渣を水洗しておくことが好ましい。水洗することでFeCl2等の水溶性の不純物を除去することが出来るからである。また水洗であれば、上述した冷却処理も同時に行うことが出来る。
2.浮遊選鉱(浮選)
上記塩化残渣に対して、浮遊選鉱(浮選)を行うことにより、所望の物質を回収し、そして、望ましくない物質を排除することができる。より具体的には、浮遊選鉱を行うことにより、塩化残渣中の物質を、尾鉱、浮鉱、浮選後液へと振り分けることができる。例えば、Tiは主に尾鉱へ分配され、カーボン等は主に浮鉱へ分配される。そして、それぞれの画分から所望の物質を回収することができる。望ましくない物質については他の画分に分配されるため、回収率を高めることができる。また、後述するが、浮遊選鉱を行う前後で、塩化残渣を分級してもよい。
2−1. 浮遊選鉱の条件
上記回収及び排除のための浮遊選鉱の条件として、以下の条件を採用することができる。
パルプ濃度 200〜600(dry−g/L)
浮選時間 5〜30分
浮選pH 2以上(好ましくは、5以下、更に好ましくは4以下)
捕収剤 100〜300g/t(好ましくは200〜300g/t)
起泡剤 50〜200g/t(好ましくは100〜150g/t)
捕収剤は、目的とする鉱物の表面に選択的に吸着することにより、その表面の疎水性を高める働きをする。具体的な物質としては、特に限定されないが、ケロシン等が挙げられる。捕収剤の量は、100〜300g/t(好ましくは200〜300g/t)である。100g/t未満だと、浮鉱が得られにくいため望ましくなく、300g/t超だと効果が頭打ちになるのでそれ以上添加しても意味が無い。
起泡剤は、溶媒に溶けて溶液の泡を安定化する物質である。具体的な物質としては、特に限定されないが、メチルイソブチルカルビノール(MIBC)、パイン油等が挙げられる。起泡剤の量は、50〜200g/t(好ましくは100〜150g/t)である。50g/t未満だと、浮鉱が得られにくいため望ましくなく、200g/t超だと効果が頭打ちになるのでそれ以上添加しても意味が無い。更に、起泡剤を過剰に添加した場合は本来尾鉱側に配分されるべき粒子が浮鉱側に配分され、浮鉱として回収されるカーボンの品位低下、尾鉱に含まれるTi量の減少といったデメリットが発生する。
尾鉱については、後述する比重選別を行うことができる。必要に応じて、比重選別を行う前に、尾鉱を予めHCl等で特定の元素(例:Sc、V、Al、Cr等)を浸出させてもよい。そして、その浸出残渣に対して比重選別を行ってもよい。
3.比重選別
上述した浮遊選鉱を実施した後、尾鉱を回収し、更なる選別を行うことができる。あるいは、後述する分級を実施した後、粗粒に対して、更なる選別を行うことができる。
3−1.酸化チタン(TiO 2 等)とSiO 2 の比重
上記尾鉱や粗粒には、チタンのほか、Si等が混入している。チタンは酸化チタンの形態で存在しており、SiについてはSiO2の形態で存在している。酸化チタンと、SiO2の比重は以下の通りとなっている。
従って、チタン酸化物とSiO2と比べると、チタン酸化物の比重が大きい。従って、比重差を利用した選別方法を行うことにより、SiO2の混入を抑制することができる。
3−2.比重選別の種類
本発明で用いる比重選別については、特に限定されず、湿式でも乾式でもよい。ただし、選別対象は浮遊選鉱を通して得られる尾鉱である場合には、乾式だと尾鉱を予め乾燥させる手間が必要となる。こうした理由から、湿式であることが好ましい。
また、比重選別には、湿式及び乾式以外に様々な分類がある。選別する媒体となる物を基準として、重液選別、水力選別、空気選別等が挙げられる。本発明は、いずれの選別を用いてもよい。より具体的な例として、本発明では、テーブル選別機、コーン選別機、スパイラル選別機、遠心式比重選鉱機などを利用できる。以下では、典型的な方法として、テーブル選別機を用いた湿式比重選別について説明する。
3−3.テーブル式
テーブル選別機では、図3に示すように、テーブルを所定の角度に傾斜させ(図3では、上から下への方向へ下り坂となるように傾斜している)、上方の右側から対象物をテーブルに投入することができる。同時に、テーブルを傾斜方向とは垂直な方向に振動させることができる。また、テーブルの下方の縁側には、回収スポット(図3中の1〜7)を設けることができる。場合により、テーブル上方の縁側から散水してもよい。
各スポット1〜7には、比重に応じて、各成分が異なる割合で分配される。どのように分配されるかについては、テーブルの角度、テーブルの振幅、テーブルの回転数、水量等を考慮することにより、調整することができる。
ただし、極端な条件に設定してしまうと、チタンとSiとの分離が起こりにくくなってしまうので(そして、チタンの品位が上昇しないので)、もしくはチタンの回収率が低下してしまうので、典型的には、以下の範囲で、条件を決めることが好ましい。
傾斜角度 2°超〜5°以下(好ましくは2.5°超〜3.5°以下)、
振幅 5mm〜10mm(好ましくは6mm〜8mm)
回転数 200rpm〜600rpm(好ましくは300rpm〜500rpm)
シャワー水量 5L/min〜10L/min(好ましくは6L/min〜8L/min)
また、回収スポットについても、図3では7か所に設けているが、スポットの数、大きさ、及び位置については特に限定されない。実際には比重の大きい粒子ほど、図3で言うところの左下側に移動する傾向があるため、これを考慮しながら最適な数及び位置の回収スポットを設定することが好ましい。
3−4.Ti及びSiの含有量
上記比重選別により、Tiの品位を上昇させ、Siの含有量を減少させることができる。例えば、Ti、Siの元素としての品位[%]を分析して残渣中の各元素含有量[g]を求め、それぞれ全てTiO2、SiO2の形態であると仮定してTiO2、SiO2の含有量[g]を計算し、TiO2/(TiO2+SiO2)の比を計算した値が好ましくは0.90以上、更に好ましくは0.92以上、最も好ましくは0.95以上にすることができる。こうしたTi品位の上昇した画分は、特定の回収スポットにて得ることができる。
3−5.回収したTiの利用
上述した工程で回収された画分は、チタンの品位が高いため、これらを造粒、整粒する事で、再度、クロール法における流動反応炉に投入することができる。特に、TiO2/(TiO2+SiO2)が0.90以上の回収物であれば、流動反応炉で得られるTiCl4の純度を低下させる懸念が少ないと考えられる。
4.分級方法
また、更なる実施形態では、上述した浮選処理の前後に、分級を行ってもよい(図2A)。より具体的には、分級を行い、塩化残渣を粗粒と細粒とに分けて、粗粒側に対して浮選処理を行ってもよい。あるいは、浮選処理を行った後、尾鉱に対して、分級を行い、尾鉱を粗粒と細粒とに分けてもよい(図2B)。この理由として、特定の元素を含んだ粒子は、細粒側に偏在することが多い(例、Siなど)からである。従って、分級することにより、予め特定の元素を含んだ粒子を排除することができる。その結果、Tiを回収する際に不純物の混入を抑制することができる。
塩化残渣に対して分級を行う場合には、分級を行う前に予め塩化残渣を水洗しておくことが好ましい。上述したように、水洗することでFeCl2等の水溶性の不純物を除去することが出来るからである。また水洗であれば、上述した冷却処理も同時に行うことが出来る。
塩化残渣又は浮選処理後の尾鉱に対して、分級を行い、粗粒と細粒とに分けることができる。分級の方法としては、特に限定されず、乾式でも湿式でもよい。より好ましいのは湿式である。これは、塩化残渣が水洗されている場合、乾燥させる手間を必要としないからである。また、分級の方法として、特定の大きさの目開きの篩を用いてもよい。湿式の分級として、水力分級機、水平水流分級機、遠心沈降機の分級機械を使用してもよい。乾式の分級として、エアセパレータ、空気式の分級機を用いてもよい。
分級の基準値については、特に限定されず、Siが多く含まれる粒子群の範囲を考慮して、上限値として採用すればよい。例えば、基準値の上限については、53μm以下、38μm以下、又は25μm以下であってもよい。基準値の下限については、10μm以上、15μm以上、又は20μm以上であってもよい。これにより、粗粒側においては、塩化残渣中に存在するSiのうちの、約38%(基準値を約53μmにした場合)、約33%(基準値を約38μmにした場合)、又は約30%(基準値を約25μmにした場合)を除去することができる。
分級手段として篩を用いる場合には、上記分級の基準値に基づいて、網目のサイズを適宜決定することができる。例えば、25μmを基準値として分級する場合には、目開きが25μm(JIS規格だと、500メッシュ)を使用する。そして、篩を通過した物を細粒とし、篩上に残った物を粗粒とする。
上述した実施形態について、さらに具体的な実施例を説明する。
塩化残渣、尾鉱、浮鉱等における品位は、アルカリ融解−ICP発光分光分析法(ICP−AES、セイコーインスツル株式会社製、SPS7700)により測定した。また、溶液中の各元素の構成量については、ICP発光分光分析法ICP−AES、セイコーインスツル株式会社製、SPS7700)により測定した。
5.実施例1(浮遊選鉱)
5−1.塩化残渣
塩化残渣は、チタン製錬において揮発した四塩化チタンを回収するための炉において、固形物として、大気で徐冷後に回収された物質である。該塩化残渣は、東邦チタニウム(株)から入手した。そして、次の浮選工程にかける前に、塩化残渣の品位を測定した(図4)。また、該塩化残渣は、水洗済みのスラリー状態であった。
5−2.浮選条件
品位を測定した塩化残渣に対して、以下の条件で浮選を行った。
パルプ濃度 300dry−g/L
浮選時間 15分
浮選pH 4〜5 (未調整のまま実施)
浮選液温度 常温
捕収剤 100g/t(ケロシン)
起泡剤 200g/t(パイン油)
空気吹込量 1〜2L/min・L
浮選後得られた、尾鉱、浮鉱、及び浮選後液について、構成成分を測定した。その結果を図4に示す。浮選工程前の塩化残渣においては、Ti、C及びSiが含まれていた。そして、浮選工程後、C(コークス)の大半は浮鉱へ分配された(分配率約80%)。従って、C(コークス)などを除去したうえでTiを回収することが可能となる。一方で、Siについては、Tiと同様の分配率で尾鉱へ分配された。
6.実施例2(テーブル選別)
上記と同様の方法で、浮遊選鉱を行った。
浮遊選鉱後、尾鉱を回収し、4MのHClで浸出を行い、その残渣に対して、比重選別を行った。比重選別には、テーブル選別機を用いた(試験用ウィルフレーテーブル選鉱機 太田機械製作所製、型番0―WCT1000 1000mm×500mm)。振幅は7.5mm、回転数は300rpm、シャワー水量は6L/minに設定した。テーブルの迎角を5°、3.5°、及び2°に設定した。図3に示すように、テーブルの下縁側に回収スポットを7つ設けた。スポットの幅は、以下の通りである。
スポット1:横幅27cm
スポット2:横幅33cm
スポット3:横幅30cm
スポット4:横幅25cm
スポット5:横幅20cm&縦幅23cm
スポット6:縦幅30cm
スポット7:縦幅27cm
それぞれの迎角、それぞれの回収スポットにおける、TiO2及びSiO2の含有量を、アルカリ融解−ICP発光分光分析法(ICP−AES、セイコーインスツル株式会社製、SPS7700)を用いて測定した。結果を、図5(迎角5°)、図6(迎角3.5°)、図7(迎角2°)にそれぞれ示す。
図5を参照すると、比重選別前のTiO2の含有率が75%であったのに対して、回収スポット3及び回収スポット4においてTiO2の含有率が78%及び80%に上昇した。一方で、比重選別前のSiO2の含有率が10%であったのに対して、回収スポット3及び回収スポット4においてSiO2の含有率が7%及び10%となった。
図6を参照すると、比重選別前のTiO2の含有率が75%であったのに対して、回収スポット4において80%に上昇した。また、より多くのTiO2を回収スポット4に分配することができた(分配率61.2%)。一方で、比重選別前のSiO2の含有率が10%であったのに対して、回収スポット4においてSiO2の含有率が9%となった。
図7を参照すると、比重選別前のTiO2の含有率が75%であったのに対して、回収スポット5及び回収スポット6においてTiO2の含有率が83%、92%に上昇した。一方で、比重選別前のSiO2の含有率が10%であったのに対して、回収スポット5及び回収スポット6においてSiO2の含有率が6%及び3%となった。
このように、比重選別を行うことにより、Tiの品位を上昇させることができる。場合により、SiO2の量を下げることができる。
7.実施例3(分級によるSi等の排除)
塩化残渣は、チタン製錬において揮発した四塩化チタンを回収するための炉において、固形物として回収されたダストである。該塩化残渣は、東邦チタニウム(株)から入手した。また、該塩化残渣は、水洗済みのスラリー状態であった。
前記塩化残渣に対して分級を行った。具体的には、「JIS Z 8815−1994 ふるい分け試験方法通則」の手順に沿って以下の通り実施した。
(1)目開きの大きい篩が上段になる様に重ねる。
(2)最上段の篩に試料を入れて蓋をする。
(3)篩分け装置(Retsch社製 AS200)を「Amplitude:1.00」で作動させる。
(4)シャワーで散水し、最下段から出る液が透明になるまで篩う。
(5)篩を装置から取り出す。
(6)試料を回収し、濾過、秤量する。
結果を図8に示す。分級した結果、塩化残渣において、目開きが25μmの篩を通過した粒子群は全体の約20%を占めることが示された。また、目開きが38μmの篩を通過した粒子群は全体の約22%、そして、目開きが53μmの篩を通過した粒子群は全体の約35%占めることが示された。
次に、分級された各粒子群の秤量を行った。そして、各粒子群のTiとSiに関する元素分析を行った。各粒子群の元素分析は、アルカリ融解‐ICP発光分光分析法を用いた(ICP−AES、セイコーインスツル株式会社製、SPS7700)。結果を図9に示す。表中、分布率「+150」は、目開きが150μmの篩上に残った粒子群を表す。また、「−25」は、目開きが25μmの篩を通過した粒子群を表す。また、「150/106」は、目開きが150μmの篩を通過し且つ目開きが106μmの篩上に残った粒子群を表す。Tiの約9%が、25μmの篩を通過した粒子群に存在することが示された。同様にSiの約30%については、25μmの篩を通過した粒子群に存在することが示された。従って、25μmを基準値として分級することにより、TiO2/(TiO2+SiO2)に換算した量を向上させる事ができる。よって、所定の基準値で予め分級しておくと、Tiを回収する際にSiの含有量を低下させることができる。即ち、比重選別後の回収物におけるTiの品位を更に上昇させることができる。

Claims (5)

  1. チタン製錬における塩化残渣からTiを回収する方法であって、
    塩化残渣に対して浮遊選鉱処理を行い、それによって、尾鉱、浮鉱、及び浮選後液を得る工程と、
    前記尾鉱に対して比重選別を行い、それによって、Siを除去する工程を含む、
    を含む、該方法。
  2. 前記比重選別が、テーブル選別機を用いた湿式比重選別である、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法であって、前記比重選別後、TiO2/(TiO2+SiO2)が0.90以上の画分を回収する工程を更に含む方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記方法は、前記浮遊選鉱処理を行う前に、前記塩化残渣を粗粒と細粒とに分級する工程を含み、
    前記浮遊選鉱処理を行う工程は、前記粗粒に対して実施される、該方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、
    前記方法は、前記浮遊選鉱処理と前記比重選別の間に、前記尾鉱を粗粒と細粒とに分級する工程を含み、
    前記分級する工程は、前記浮遊選鉱処理で得られた尾鉱に対して実施され、
    前記比重選別は、前記粗粒に対して実施される、該方法。
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KR102328235B1 (ko) * 2021-04-05 2021-11-19 한국지질자원연구원 바나듐티탄철광(vtm)에서 바나듐 직접 회수방법

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