JP2022026613A - 固形物の回収方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタの目詰まりを防止して固形物の回収コストを低減する、固形物の回収方法および装置の提供。【解決手段】被処理液1を加熱濃縮して濃縮液2を得る濃縮工程と、濃縮液を冷却して固形物4を析出させることにより、固形物を含む第1のスラリー5aを得る冷却工程と、第1のスラリーを回転するドラム11に取り付けられた円筒状のフィルタ12に連続的に供給ろ過して固形物を回収するろ過工程と、所定のタイミングで、ドラム11を回転させたままの状態で、フィルタ12に洗浄液を噴射することによりフィルタ12を洗浄した後、フィルタ12への第1のスラリー5aの供給を再開する洗浄工程を周期的に繰り返すことにより、微細な固形物を回収する。【選択図】図1

Description

本発明は、被処理液から該被処理液に含まれる微細な固形物を回収する、固形物の回収方法および装置に関する。
銅の製錬法には、銅精鉱から酸などに銅を浸出する湿式法と、銅精鉱を熔融してアノードを作製し(熔錬工程)、得られたアノードから電解精製により電気銅を作製する(電解精製工程)、乾式法とが存在する。乾式法は、大規模生産が可能であり、コストが低いことから、特に硫化精鉱を中心に、銅製錬の主流となっている。
乾式法について、より具体的に説明する。まず、熔錬工程において、銅精鉱を自溶炉で熔解してマットとし、得られたマットを転炉で酸化して粗銅とし、得られた粗銅を精製炉で精製して純度99%程度の精製粗銅を得て、この精製粗銅を鋳型に流し込んで、銅電解精製用のアノード(陽極板)を鋳造する。
続く電解精製工程において、複数のアノードと、別に用意した複数のカソード(陰極板)とを、銅電解液が保持されている電解槽内に一定の間隔で交互に配置し、これらのアノードとカソードに通電する。これにより、アノードから電解液中に銅イオンが溶出し、この銅イオンがカソードに電着して、カソード上に銅品位が99.99%以上の電気銅が得られる。
電解精製工程において、アノードから銅が、銅イオンとして電解液中に溶出すると同時に、アノードに含有されている、ヒ素、ビスマス、アンチモン、ニッケルなどの不純物も電解液に溶出する。電解液から銅イオンのみがカソードに電着し、高純度な電気銅が得られるが、不純物は電解液に残るため、その結果として、電解液の不純物濃度が上昇する。
電解精製の進行に伴って電解液の不純物濃度が高くなると、不純物が銅とともに共析して、電気銅の銅品位を低下させる、電解液の配管にスケールを生じさせて操業を阻害する、および、電解液の電気伝導度を低下させて電力コストを増加させるなどの問題が生じる。
このため、電解液の一部を浄液工程に送って、不純物を除去したうえで、電解槽へ再度供給することが行われている。浄液工程では、電解液を真空蒸発して濃縮し、急冷することで過飽和となった銅を粗硫酸銅として析出させて除去する、濃縮および冷却工程、次いで、粗硫酸銅を回収した後のろ液である粗母液から、残留した銅、ヒ素、ビスマス、アンチモンをカソード上に析出させるなどして除去する、脱銅電解工程(脱砒電解工程)、さらに、脱銅後の含ニッケル溶液である脱銅終液から、ニッケルを粗硫酸ニッケルとして分離回収する、脱ニッケル工程などが行われる。
脱ニッケル工程では、脱銅終液をニッケル濃縮槽に給液し、このニッケル濃縮槽において脱銅終液に黒鉛電極を浸漬して通電し、この脱銅終液をジュール熱により加熱濃縮する(蒸発させる)。次に、加熱濃縮された濃縮液を、冷却結晶槽に送り、冷却による溶解度の減少により、この濃縮液から粗硫酸ニッケルを析出させる。さらに、析出した粗硫酸ニッケルを含むスラリーを、冷却結晶槽ポンプによりろ過器に送り、ろ過により粗硫酸ニッケルを固形物として回収し、かつ、ろ液を真空ポンプにより吸引して、レシーバタンクに溜め、適宜払い出している。
このように、粗硫酸ニッケルの回収工程のみならず、一般的に溶解度の差を用いて固形化して固形物となった対象物を回収する工程では、加熱濃縮された濃縮液を、冷却結晶槽に送り、濃縮とその後の冷却による溶解度の減少により固形物を析出させ、この固形物が析出したスラリーを、ろ過工程に供給する。ろ過工程では、ろ布、ろ紙、メッシュスクリーン、フィルタ(オリバーフィルタ)などのろ材によって、スラリーを固形物(析出物)とろ液に分離する。特に、真空ろ過などの吸引ろ過では、ろ材よりろ液側を減圧することによってろ液を吸引することで、分離を速やかに行うことが可能である。吸引したろ液は、レシーバタンクに溜められ、適宜払い出される。
払い出されるろ液には、溶解度により溶解状態にある対象物と、ろ過器からろ過漏れした微細な固形物(脱ニッケル工程においてはそれぞれ、溶液中に溶解した硫酸ニッケルおよび微細な粗硫酸ニッケル)とが含有されており、これらは、回収ロスの原因となっている。
ろ過漏れを低減するために、ろ材の目を細かくする方法が考えられるが、この方法ではろ過速度が低下するため、ろ過器の能力に余裕がない場合には、ろ液および固形物の生産量が低下するという問題が生ずる。
特開2020-6302号公報には、ろ過漏れした微細な固形物を含有するろ液を、沈降槽で沈降分離させ、該沈降槽の底部に沈殿している固形物を底抜きし、冷却結晶槽に返送し粒成長させてから、再びろ過することにより、固形物の回収率を向上させる方法が開示されている。特開2020-6302号公報に記載の方法によれば、固形物を回収した後のろ液の一部を、レシーバタンクから冷却結晶槽に直接返送する場合に比べて、冷却結晶槽で処理すべき液体の量を少なく抑えられ、主として微細な固形物を、系内循環により効果的に回収することができて、原料液からの固形物の回収率を飛躍的に向上させることができる。
特開2020-6302号公報
特開2020-6302号公報に記載の固形物の回収方法では、ろ過器として、回転するドラムと、該ドラムに着脱可能に取り付けられた円筒状のフィルタ(オリバーフィルタ)とを備える、回転ドラム式真空ろ過器を使用している。このようなろ過器は長時間使用すると、フィルタに目詰まりが発生し、単位時間当たりの処理液量が低下するため、定期的に交換する必要がある。しかしながら、フィルタを交換するためには、ろ過器を停止する必要があり、生産性の面からは改善の余地がある。また、フィルタの交換にかかるコストを抑える面からも、フィルタの交換頻度を削減することが望まれる。
本発明の目的は、上述のような事情を鑑み、フィルタの目詰まりを防止して、固形物の回収コストを低減することができる、固形物の回収方法および回収装置を提供することにある。
本発明の固形物の回収方法は、
被処理液を加熱濃縮して濃縮液を得る濃縮工程と、
前記濃縮液を冷却して固形物を析出させることにより、該固形物を含む第1のスラリーを得る冷却工程と、
第1のスラリーを、回転するドラムに取り付けられた円筒状のフィルタに連続的に供給することによりろ過して、ろ液と前記固形物とに分離し、該固形物を回収するろ過工程と、および、
前記ろ液中に含まれる、ろ過漏れした残留固形物を、前記冷却工程以前に返送する返送工程と、
を備える。
特に本発明の固形物の回収方法は、前記ろ過工程を実施中に、所定のタイミングで、前記ドラムを回転させたままの状態で、前記フィルタに洗浄液を噴射する洗浄工程を有する。
前記洗浄液として、水または酸性の液体を使用することができる。
前記所定のタイミングは、前記フィルタに固着した前記固形物の量や前記フィルタを通過して得られる被処理液の単位時間当たりの流量(流量の減少率)などに応じて、任意に決定することができる。本発明の固形物の回収方法の一態様では、前記洗浄工程を周期的に実施する。また、前記洗浄工程の1回あたりの実施時間は、少なくとも前記フィルタ全体を洗浄することができる時間、すなわち、前記ドラムが1回転する時間以上とすることが好ましい。
前記返送工程においては、前記ろ液を沈降槽に投入し、該ろ液中の前記残留固形物を前記沈降槽の底部に沈殿させ、該底部に沈殿した前記残留固形物を含む第2のスラリーを、前記冷却工程以前に返送することができる。
本発明の固形物の回収装置は、
被処理液を加熱濃縮して濃縮液を得るための濃縮槽と、
前記濃縮槽から送られた前記濃縮液を冷却して固形物を析出させることにより、該固形物を含む第1のスラリーを得るための冷却結晶槽と、
回転するドラムと、該ドラムの周囲に取り付けられた円筒状のフィルタとを有し、第1のスラリーを連続的にろ過して、ろ液と前記固形物とに分離し、該固形物を回収するためのろ過器と、
前記フィルタに向けて洗浄液を噴射するノズルと、および、
前記ろ液中に含まれる、ろ過漏れした残留固形物を、前記冷却結晶槽または前記冷却結晶槽よりも上流に返送するための返送手段と、
を備える。
特に本発明の固形物の回収装置においては、前記ノズルは、所定のタイミングで、前記ドラムを回転させたままの状態で、前記フィルタに洗浄液を噴射することにより、前記フィルタを洗浄する。
前記返送手段は、
前記ろ液から前記残留固形物を沈殿させるための沈降槽と、
前記沈降槽から沈殿した前記残留固形物を底抜きして、前記冷却結晶槽または前記冷却結晶層よりも上流に返送するための戻り配管と、
を有することができる。
本発明の固形物の回収方法および回収装置によれば、フィルタの目詰まりを防止することができて、フィルタの洗浄や交換の頻度を少なく抑えられ、固形物の回収コストを低減することができる。
図1は、原料液から固形物を回収する装置の全体構成を示す概略図である。 図2(A)は、ろ過器のフィルタを洗浄する様子を示す側面図であり、図2(B)は、図2(A)の上方から見た平面図である。
本発明は、銅の電解精製のための浄液工程で生じる脱銅終液からニッケルを粗硫酸ニッケルとして分離回収する脱ニッケル工程など、被処理液から固形物を回収する工程に関する。被処理液から固形物を回収するための回収装置は、図1に示すように、基本的に、原料液1を加熱濃縮して濃縮液2を得るための濃縮槽3と、濃縮槽3から送られた濃縮液2を冷却し固形物(粗硫酸ニッケル)4を析出させることにより、固形物4を含む第1のスラリー5aを得るための冷却結晶槽6と、第1のスラリー5aをろ過して固形物4を回収するためのろ過器7と、固形物4を回収した後のろ液である被処理液8を沈降分離して、該被処理液8中に残留する微細な残留固形物4aを沈殿させるための沈降槽9と、沈降槽9から沈殿した残留固形物4aを含む第2のスラリー5bを、冷却結晶槽6に返送するための戻り配管10とを備える。
濃縮槽3には、原料液1の沸点以上の温度で原料液1を加熱可能であれば、任意の濃縮槽を適用することができる。例えば、電気蒸発槽が適用可能である。電気蒸発槽は、槽内に、通電可能で、かつ、被処理液に浸漬される黒鉛電極棒が挿入配置されており、この黒鉛電極棒を介して、原料液1に通電し、原料液1をジュール熱により加熱して水分を蒸発させて、濃縮液2を得る。加熱温度は、被処理液の種類に応じるが、脱銅終液の場合は、約150℃~200℃の範囲にある温度とすることが好ましい。濃縮槽3としては、その他、重油バーナを用いて、原料液1を直接あるいは槽の周囲から間接的に加熱可能な構造も採り得る。
冷却結晶槽6についても、濃縮液2に含まれる溶質の種類に応じて、固形物4が十分に析出する温度、例えば粗硫酸ニッケルの回収の場合には約50℃まで、濃縮液2を冷却可能な任意の構造を採り得る。例えば、槽の周囲あるいは槽内にジャケットや蛇管を設置して、これらに冷媒を通す構造が、冷却結晶槽6に適用可能である。
ろ過器7としては、回転ドラム式真空ろ過器が使用されている。すなわち、ろ過器7は、回転するドラム11と、該ドラム11の周囲に、着脱可能に取り付けられた円筒状のフィルタ(オリバーフィルタ)12とを備える。
ろ過器7において粗硫酸ニッケルなどの固形物4が回収され、固形物4を回収した後のろ液である被処理液8は、真空ポンプにより吸引され、必要に応じてレシーバタンク13を介して、沈降槽9に投入される。沈降槽9では、被処理液8を十分な時間保持することで、微細な残留固形物4aを沈殿させる。そして、残留固形物4aの沈殿により生じた上澄み14のみを系外に一旦払い出し、電解液に添加して酸濃度の調整などに使用し、かつ、沈殿した残留固形物4aを含む第2のスラリー5bを、沈降槽9の底部15から底抜きする。
なお、被処理液8中に、比較的結晶粒径が大きい残留固形物4aの粒子が含まれている場合、該粒子が、沈降槽9に到達する前にレシーバタンク13内で沈殿することもある。そこで、残留固形物4aの粒子のほぼ全量を沈降槽9に送ることができるように、レシーバタンク13の出口配管の位置やレシーバタンク13での被処理液8の滞留時間を調整することが好ましい。
沈降槽9の全体的な形状および大きさは、基本的には沈降させる対象物の粒子の大きさなどに応じた滞留時間を確保できれば良い。具体的には、沈降槽9の形状および大きさを、ろ過器7のろ材の目開きと同径の粒子の沈降時間以上の滞留時間を確保できる形状および大きさとする。沈降槽9の底部15は、第2のスラリー5bを底抜きするためのアウトレットに向けて下傾しており、下方に向かうほど狭まる形状であることが好ましい。具体的には、沈降槽9の上部の形状が円筒形である場合には、底部15の形状は、コーン型(円錐)もしくは臼状の形状を有することができる。
被処理液8を十分な時間保持して残留固形物4aを沈殿させるために、沈降槽9は、被処理液8の受け入れ後、あるいは、残留固形物4aの底抜きおよび上澄み14の抜き出しの前に、被処理液8の沈降分離のみを行う待機時間を設ける機能を有する。具体的には、沈降槽9は、被処理液8が投入されてから15分以上、好ましくは20分以上保持する(滞留させる)機能を有する。
なお、沈降槽9により被処理液8を保持している(滞留させている)間は、レシーバタンク13からの沈降槽9への被処理液8の供給を停止し、必要に応じて上流の工程を一時停止するか、あるいは、被処理液8を他の槽(レシーバタンク13若しくは別の沈降槽9)に供給する。被処理液8の保持時間は50分以下、好ましくは40分以下とすることが望ましい。
沈降槽9は、被処理液8を十分な時間保持して、残留固形物4aを十分量沈殿させる機能が確保できる限り、沈降槽9は1基設置すれば十分である。ただし、十分な保持時間を確保するには、沈降槽9を2基以上設置することが有効である。例えば、図1に示すように沈降槽9を2基設けて、第1の工程として、このうちの1基で被処理液8の受け入れを行い、別の1基で残留固形物4aの沈殿および底抜き、並びに、上澄み14の抜き出しを行い、第2の工程として、第1の工程において被処理液8の受け入れを行っていた1基が担当する作業を残留固形物4aの沈殿および底抜き、並びに、上澄み14の抜き出しに切り替えて、これらを行い、第1の工程において残留固形物4aの沈殿および底抜き、並びに、上澄み14の抜き出しを行っていた別の1基では、これらの代わりに被処理液8の受け入れを行うようにして、第1の工程と第2の工程とをそれぞれ交互に行うことが好ましい。これにより、被処理液8の受け入れ後、あるいは、残留固形物4aの底抜きおよび上澄み14の抜き出しの前に、被処理液8の沈降分離のみを行う待機時間を十分に設けることが可能となり、残留固形物4aの沈降および底抜きの時間的な区別が確実になされる。なお、沈降槽9を2基以上設ける場合には、三方弁を沈降槽9の上流に配置することで、沈降槽9のそれぞれに被処理液8を振り分けることができるが、沈降槽9のそれぞれに被処理液8を振り分ける機構および方法はこの態様に限らない。
戻り配管10は、沈降槽9の底部15から底抜きされた第2のスラリー5bを、冷却結晶槽6に返送する。本例では、戻り配管10は、ポンプ16を有する。すなわち、ポンプ16の吸入口により、沈降槽9の底部15から第2のスラリー5bを底抜きして吸い込み、かつ、ポンプ16の吐出口から吐出することで、第2のスラリー5bを冷却結晶槽6に繰り返す。本例では、沈降槽9と戻り配管10とにより、返送手段が構成される。
なお、本例では、沈降槽9の底部15から底抜きされた第2のスラリー5bを、冷却結晶槽6に返送しているが、本発明を実施する場合、第2のスラリー5bを、冷却結晶槽6よりも上流の工程、例えば濃縮槽3などに返送することもできる。
本例の回収装置は、洗浄液17を噴出する噴出口を複数(図示の例では6個)有するノズル18をさらに備える。ノズル18は、フィルタ12の径方向外方に、該フィルタ12の幅方向(軸方向、図2(B)の上下方向)に並んで配置され、噴出口のそれぞれをフィルタ12に向け対向させている。これにより、ノズル18から噴出した洗浄液17を、フィルタ12の表面の円周方向1箇所に、軸方向全幅にわたって吹き付けられるようにしている。
本例の回収装置を使用して、原料液1から固形物4を回収する方法について説明する。
まず、電解精製工程から送られてきた原料液1を濃縮槽3に所定量供給し、加熱濃縮して濃縮液2を得る。次いで、濃縮液2を冷却結晶槽6に供給し、所定温度まで冷却して、固形物4を析出させる。次に、析出した固形物4を含む第1のスラリー5aを、冷却結晶槽6から抜き出して連続的にろ過器7に送り、第1のスラリー5aをろ過する。すなわち、ろ過器7のドラム11を回転させながら、ドラム11に取り付けられたフィルタ12に、第1のスラリー5aを供給して、ろ液である被処理液8と固形物4とに分離する。そして、フィルタ12の表面上に残った固形物4を回収する。
ろ過漏れした微細な残留固形物4aを含む被処理液8は、レシーバタンク13を介して、沈降槽9に供給される。沈降槽9において、被処理液8を所定時間保持し、残留固形物4aを沈殿させる。残留固形物4aの沈殿により生じた上澄み14は、系外に一旦払い出され、電解液の酸濃度調整などに使用される。一方、沈殿した残留固形物4aを含む第2のスラリー5bは、沈降槽9の底部15から底抜きされ、戻り配管10を通じて冷却結晶槽6に繰り返される。冷却結晶槽6に繰り返された第2のスラリー5bは、濃縮槽3から送られてきた濃縮液2と混合され、再び冷却工程に供される。
本例では、第1のスラリー5aをろ過器7によりろ過する、ろ過工程中、ろ過器7のフィルタ12を洗浄する洗浄工程を所定のタイミングで実施する。特に本例では、ろ過工程において、洗浄工程を周期的に実施する。洗浄工程では、ドラム11を回転させたままの状態で、ノズル18から洗浄液17を噴出して、フィルタ12に向け洗浄液17を吹き付ける。具体的には、ノズル18の複数の噴出口から噴出された洗浄液17を、フィルタ12に吹き付けながら、ドラム11を1回以上回転させて、フィルタ12の目に詰まった残留固形物4aを洗い流すことで、フィルタ12を全幅かつ全周にわたって洗浄する。なお、ノズルの複数の噴出口は、フィルタ12が幅方向にわたって均一に洗浄されるように、それぞれの噴出口からの噴出量および噴出圧力に応じて、適切な個数および間隔で配置される。
なお、フィルタ12に吹き付ける洗浄液17は、固形物4(残留固形物4a)の種類やフィルタ12の材質などに応じて適宜選択される。具体的には、固形物4が粗硫酸ニッケルである場合、洗浄液17として、弱酸性ないし弱アルカリ性の水(工業用水)、または、酸性のケーキ洗浄液を使用することができる。ただし、アルカリ性の洗浄液を用いると、フィルタ12の表面に付着している金属イオンと反応し、微粒の金属水酸化物が形成され、フィルタ12の表面からの除去が困難となるため、弱酸性の水または酸性のケーキ洗浄液を用いることが好ましい。また、洗浄液17の噴射量および噴出圧力についても、フィルタ12の洗浄が十分に行われるように、適切に決定される。
洗浄液17によりフィルタ12を洗浄するために、洗浄液17を高圧でノズル18から噴出し、フィルタ12に吹き付けることが好ましい。具体的には、洗浄液17を、0.15MPa以上11MPa以下の圧力でノズル18から噴出することができる。洗浄液17を噴出する圧力が0.15MPa未満の場合、フィルタ12を十分に洗浄できない可能性がある。一方、洗浄液17を噴出する圧力が11MPaよりも大きいと、フィルタ12を損傷してしまう可能性がある。
ろ過工程において、洗浄工程を行うタイミングは、フィルタ12の表面に固着した固形物4の量やフィルタ12を通過して得られる被処理液8の単位時間当たりの流量(流量の減少率)などに応じて、任意に決定することができるが、周期的に行うことが好ましい。例えば、洗浄工程は、所定時間ごとに(定期的に)行うことができる。この場合、洗浄工程を実施する間隔は、フィルタ12の表面に固着した固形物4の量やフィルタ12を通過して得られる被処理液8の単位時間当たりの流量などに応じて適宜決定される。例えば、ろ過器の単位時間当たりの処理液量が所定値以下となったタイミング、または、交換若しくは洗浄直後の処理液量よりも所定割合だけ低下したタイミングで、洗浄工程を実施することができる。フィルタ12によるろ過速度を高水準に維持した場合、洗浄工程を、被処理液8の希釈を許容できる範囲で高頻度に実施しても良い。
あるいは、所定のタイミングを、ドラム11の回転数を基準とすることもできる。例えば、ドラム11の回転数が50回転以上100回転以下あたり、1回転分だけ洗浄工程を行うことができる。
また、1回あたりの洗浄時間は、少なくともフィルタ12を全周にわたって洗浄できる時間、すなわち、ドラム11が1回転する時間以上とすることが好ましい。具体的には、ドラム11の回転速度によって異なるが、1回あたりの洗浄時間を、0.5分間~2分以下とすることが好ましく、0.75分以上1.5分以下とすることがより好ましい。
なお、フィルタ12の洗浄工程を行っている間も、フィルタ12のうちで洗浄液17が直撃しない部分により、第1のスラリー5aのろ過処理を行うこともできる。例えば、ドラム11が、第1のスラリー5aの液面よりも下に沈んでいる部分(下側部分)において、第1のスラリー5aを吸引して、該第1のスラリー5aのろ過処理を行っても良い。あるいは、ろ過器7の液量が過剰になることを防止するため、洗浄液17を供給している間は、第1のスラリー5aの供給を一時停止し、かつ、フィルタ12の洗浄を完了し、洗浄液17の供給を停止した後で、第1のスラリー5aの供給を再開しても良い。
本例によれば、特開2020-6302号公報に記載の方法と同様の原理により、原料液1からの固形物4の回収率を向上させることができる。すなわち、本例では、沈降槽9において、被処理液8を所定時間保持し、微細な残留固形物4aを沈殿させてから、該残留固形物4aを含む第2のスラリー5bを上流工程に繰り返すようにしている。このため、被処理液8の一部を、レシーバタンク13から上流工程に直接返送する場合に比べて、上流工程において処理すべき液体の量を少なく抑えられ、残留固形物4aをより効果的に回収することができる。
特に本例では、ドラム11を回転させたままの状態で、ノズル18から洗浄液17を噴出して、フィルタ12に向け洗浄液17を吹き付けて洗浄する洗浄工程を実施するようにしている。したがって、ろ過器7の停止を伴うフィルタ12の交換を実施することなく、フィルタ12の目詰まりを防止することができ、ろ過器7による第1のスラリー5aの処理量(固形物4および被処理液8の回収量)の低下を防止することができる。この結果、フィルタ12の交換の頻度を低く抑えることができ、固形物4の回収効率を向上させ、該固形物4の回収コストを低減することができる。
なお、フィルタ12を洗浄しても、処理液量を十分に回復させることができなくなった場合には、フィルタ12への第1のスラリー5aの供給およびドラム11の回転を停止して、フィルタ12を交換する。
以下、本発明の効果を確認するために行った試験について説明する。なお、下記の実施例では、図1~図2(B)に示すような装置を使用して、銅の電解精製において生じる脱銅終液から粗硫酸ニッケルを回収した。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
銅の電解精製において生じた脱銅終液(銅:0g/L、ニッケル:30g/L~40g/L)を濃縮槽3に供給し、濃縮槽3内の脱銅終液を、黒鉛電極のジュール熱により、150℃~170℃までに加熱して、脱銅終液から水分を蒸発させることで、濃縮液2を得た。
濃縮槽3からオーバーフローにより濃縮液2を冷却結晶槽6に払い出し、濃縮液2を、冷却結晶槽6において液温が50℃になるまで冷却した。なお、冷却は、冷却結晶槽6内に設けた蛇管に工業用水を流入させることで行った。
生成された粗硫酸ニッケルを含む第1のスラリー5aを、フィルタ12としてポリプロピレンろ布を装着したオリバーフィルタ(ドラム径:1m、ドラム幅:0.4m)を備えたろ過器7に連続的に供給してろ過し、ろ液である被処理液8と固形物4とに分離した。試験操業開始直後のろ過器7の処理液量は、35L/minであった。
被処理液8を、沈降槽9において、30分保持することで、残留固形物4aを沈殿させ、沈殿した残留固形物4aを含む第2のスラリー5bを、沈降槽9の底部15から底抜きし、戻り配管10を通じて冷却結晶槽6に繰り返した。
ろ過工程において、1時間ごとに、フィルタ12への第1のスラリー5aの供給を停止し、洗浄工程を実施した。すなわち、図2(A)および図2(B)に示すように、ノズル18から洗浄液17として工業用水を噴出し、フィルタ12に吹き付け、ドラム11を1回だけ回転させることにより、フィルタ12の洗浄を行った。フィルタ12の洗浄に要する時間は、1回あたり1分であった。
操業開始から1か月経過した後のろ過器7の処理液量は、30L/minであり、2か月経過した後に、20L/minまで低下したため、フィルタ12を交換した。フィルタ12の交換までの2か月の間に、フィルタ12の洗浄に要した時間の合計は、24時間であった。
(比較例)
洗浄工程を実施せず、ろ過器7による処理を連続して実施したこと以外は、実施例と同様にして、試験操業を行った。ろ過器7の処理液量は、操業開始から1か月で、35L/minから20L/minまで低下したため、フィルタ12を交換した。フィルタ12の交換に要した時間は、36時間である。
実施例と比較例の比較から明らかなとおり、第1のスラリー5aをろ過する工程において、フィルタ12を洗浄する洗浄工程を周期的に行うことで、フィルタ12の連続使用時間を長くすることができ、かつ、フィルタ12の交換頻度を削減することができる。これにより、フィルタ12の交換にかかるコストを削減できて、粗硫酸ニッケルの回収コストを低減することができる。
1 原料液(脱銅終液)
2 濃縮液
3 濃縮槽
4 固形物(粗硫酸ニッケル)
4a 残留固形物
5a 第1のスラリー
5b 第2のスラリー
6 冷却結晶槽
7 ろ過器
8 被処理液
9 沈降槽
10 戻り配管
11 ドラム
12 フィルタ
13 レシーバタンク
14 上澄み
15 底部
16 ポンプ
17 洗浄液
18 ノズル

Claims (6)

  1. 被処理液を加熱濃縮して濃縮液を得る濃縮工程と、
    前記濃縮液を冷却して固形物を析出させることにより、該固形物を含む第1のスラリーを得る冷却工程と、
    第1のスラリーを、回転するドラムに取り付けられた円筒状のフィルタに連続的に供給することによりろ過して、ろ液と前記固形物とに分離し、該固形物を回収するろ過工程と、および、
    前記ろ液中に含まれる、ろ過漏れした残留固形物を、前記冷却工程以前に返送する返送工程と、
    を備え、
    前記ろ過工程を実施中に、所定のタイミングで、前記ドラムを回転させたままの状態で、前記フィルタに洗浄液を噴射することにより前記フィルタを洗浄する、固形物の回収方法。
  2. 前記洗浄液は、水または酸性の液体である、
    請求項1に記載の固形物の回収方法。
  3. 前記洗浄工程を周期的に実施する、
    請求項1または2に記載の固形物の回収方法。
  4. 前記返送工程においては、前記ろ液を沈降槽に投入し、該ろ液中の前記残留固形物を前記沈降槽の底部に沈殿させ、該底部に沈殿した前記残留固形物を含む第2のスラリーを、前記冷却工程以前に返送する、
    請求項1~3のいずれかに記載の固形物の回収方法。
  5. 被処理液を加熱濃縮して濃縮液を得るための濃縮槽と、
    前記濃縮槽から送られた前記濃縮液を冷却して固形物を析出させることにより、該固形物を含む第1のスラリーを得るための冷却結晶槽と、
    回転するドラムと、該ドラムの周囲に取り付けられた円筒状のフィルタとを有し、第1のスラリーを連続的にろ過して、ろ液と前記固形物とに分離し、該固形物を回収するためのろ過器と、
    前記フィルタに向けて洗浄液を噴射するノズルと、
    前記ろ液中に含まれる、ろ過漏れした残留固形物を、前記冷却結晶槽または前記冷却結晶槽よりも上流に返送するための返送手段と、
    を備え、
    前記ノズルは、所定のタイミングで、前記ドラムを回転させたままの状態で、前記フィルタに洗浄液を噴射することにより、前記フィルタを洗浄する、
    固形物の回収装置。
  6. 前記返送手段は、
    前記ろ液から前記残留固形物を沈殿させるための沈降槽と、
    前記沈降槽から沈殿した前記残留固形物を底抜きして、前記冷却結晶槽または前記冷却結晶槽よりも上流に返送するための戻り配管と、
    を有する、
    請求項5に記載の固形物の回収装置。
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