JP2022026271A - 燃料電池システムおよび燃料電池船 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池補機への電力供給が喪失されることを防止できる燃料電池システムを提供する。【解決手段】実施の形態による燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池補機と、燃料電池補機に電力を供給する補機側電路と、燃料電池から補機側電路に電力を供給する第1電路と、船体電源から補機側電路に電力を供給する第2電路と、を備えている。第1電路および第2電路から補機側電路への電力供給は、電力制御器によって制御される。【選択図】図1
Description
本発明の実施の形態は、燃料電池システムおよび燃料電池船に関する。
燃料電池の発電電力を、船体のスクリュー駆動モータの駆動電源等に用いる燃料電池船が知られている。
例えば、図6に示すシステムにおいては、配電盤に設置された船体交流電源100から、燃料電池101を作動させるための燃料電池補機102に電力が供給される。このことにより、燃料電池補機102が駆動されて、燃料電池101が運転を行う。なお、燃料電池補機102が直流電力で駆動される場合には、船体交流電源100からの出力電力は、図示しないAC/DCコンバータによって直流電力に変換される。燃料電池101の発電電力は、DC/DCコンバータ103を通って船体蓄電池104に供給されて、蓄電される。船体蓄電池104の放電電力は、インバータ105によって交流電力に変換されて、上述した船体交流電源100に供給される。
スクリュー駆動モータ106には、船体交流電源100から電力が供給される。すなわち、船体蓄電池104からの放電電力が、船体交流電源100を通ってスクリュー駆動モータ106に供給される。このことにより、スクリュー駆動モータ106が駆動される。そして、スクリュー107が回転し、燃料電池船は航行し得る。また、船体交流電源100から船体負荷108にも電力が供給され、船体の照明や各種計器、各種ポンプなどに用いられる。船体交流電源100には、ディーゼル発電機109の発電電力も供給可能になっており、この発電電力も、スクリュー駆動モータ106および船体負荷108に供給され得る。
しかしながら、配電盤が故障した場合には、船体交流電源100から燃料電池補機102への電力供給が喪失され、燃料電池補機102が停止する。この場合、燃料電池101の運転も停止する。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、燃料電池補機への電力供給が喪失されることを防止できる燃料電池システムおよび燃料電池船を提供することを目的とする。
実施の形態による燃料電池システムは、船体電源を備えた船体に搭載されるシステムである。燃料電池システムは、燃料電池と、燃料電池を作動させるための燃料電池補機と、燃料電池補機に電力を供給する補機側電路と、燃料電池から補機側電路に電力を供給する第1電路と、船体電源から補機側電路に電力を供給する第2電路と、を備えている。第1電路および第2電路から補機側電路への電力供給は、電力制御器によって制御される。
また、実施の形態による燃料電池船は、船体と、船体に搭載された、上述の燃料電池システムと、を備えている。
本発明によれば、燃料電池補機への電力供給が喪失されることを防止できる。
以下、図面を参照して、本実施の形態による燃料電池システムおよび燃料電池船について説明する。
まず、図1を用いて、本実施の形態による燃料電池船1について説明する。
燃料電池船1は、船体2と、船体2に搭載された燃料電池システム20と、を備えている。船体2は、スクリュー3と、スクリュー駆動モータ4と、船体負荷5と、船体電源10と、を含んでいる。
スクリュー3は、スクリュー駆動モータ4が駆動されることにより回転し、船体2を航行させるための推進力を発生させる。スクリュー駆動モータ4は、主として、後述する燃料電池21の発電電力を駆動電力として駆動される。本実施の形態においては、スクリュー駆動モータ4は、直流モータである。しかしながら、交流モータであってもよく、この場合、燃料電池21から供給される直流電力を交流電力に変換するインバータを用いてもよい。船体負荷5は、船体2の照明や各種計器、各種ポンプなどの電力負荷を伴う各種計器の総称である。
本実施の形態による船体電源10は、船体交流電源11と、第1船体蓄電池12と、インバータ13と、ディーゼル発電機14と、第2船体蓄電池15と、を含んでいる。
船体交流電源11は、船体2の配電盤に設置されている。船体交流電源11には、第1船体蓄電池12から放電された電力が供給されてもよく、2つのディーゼル発電機14の発電電力が供給されてもよい。船体交流電源11の電力は、後述する燃料電池補機24の駆動電力に用いることができる。その詳細については、後述する。なお、本実施の形態においては、船体2に2つのディーゼル発電機14が設置されている例が示されているが、ディーゼル発電機14の個数はこれに限られることはない。
第1船体蓄電池12は、港等での停泊時に、地上の電源設備等から供給される電力で蓄電される。第1船体蓄電池12の放電電力は、インバータ13で交流電力に変換されて船体交流電源11に供給される。
第2船体蓄電池15は、燃料電池21の発電電力が供給されて蓄電される。第2船体蓄電池15は、船体蓄電池の一例である。第2船体蓄電池15の放電電力は、後述する燃料電池補機24の駆動電力として用いることができる。その詳細については、後述する。なお、第2船体蓄電池15の放電電力は、スクリュー駆動モータ4の駆動電力として用いることもできる。
次に、本実施の形態による燃料電池システム20について説明する。
図1に示すように、燃料電池システム20は、燃料電池21と、駆動電力供給電路22と、DC/DCコンバータ23と、燃料電池補機24と、補機側電路25と、補機電圧変換回路26、第1電路30と、第1電圧変換回路31と、第1電圧測定回路32と、電源側電路40と、AC/DCコンバータ41と、蓄電池側電路42と、第2電圧変換回路43と、第2電路44と、切替器45と、第2電圧測定回路46と、電力制御器50と、制御回路60と、を含んでいる。
燃料電池21は、燃料ガスと、酸化剤ガスとを用いて発電を行う発電装置である。燃料ガスとしては、水素ガス、水素ガスを含む混合ガス等が挙げられる。酸化剤ガスとしては空気等が挙げられる。図示しないが、燃料電池21は、セルスタックと、マニホールドと、収納容器と、を含んでいてもよい。セルスタックは、積層された複数の燃料電池セルを含んでいる。各燃料電池セルにおいて、燃料ガスと酸化剤ガスとが電気化学反応して、発電が行われる。マニホールドは、燃料ガスや酸化剤ガスを各燃料電池セルに導入するとともに各燃料電池セルから排出させるための部材である。収容容器には、セルスタックがマニホールドとともに収容されている。燃料電池21の発電電力は、スクリュー駆動モータ4を駆動するための駆動電力として用いられたり、燃料電池補機24を駆動するための駆動電力として用いられたりする。また、燃料電池21の発電電力は、船体負荷5に用いられたり、第2船体蓄電池15を蓄電するための電力として用いられたりする。なお、燃料電池21は、固体高分子形燃料電池であってもよいが、これに限られることはなく、リン酸型燃料電池など他の形式の燃料電池であってもよい。
駆動電力供給電路22は、燃料電池21で発電された電力をスクリュー駆動モータ4に供給する。より具体的には、駆動電力供給電路22は、燃料電池21とスクリュー駆動モータ4とを接続している。燃料電池21の発電電力が、駆動電力供給電路22によって、スクリュー駆動モータ4に供給される。また、駆動電力供給電路22から分岐した電路に船体負荷5および第2船体蓄電池15が接続されており、燃料電池21の発電電力が、船体負荷5および第2船体蓄電池15にそれぞれ供給される。
DC/DCコンバータ23は、燃料電池21の発電電力の電圧を変換して出力する。DC/DCコンバータ23は、駆動電力供給電路22の電力の電圧を、スクリュー駆動モータ4等の駆動に適した電圧に変換する。なお、DC/DCコンバータ23から出力されてスクリュー駆動モータ4等に供給される電力は、船体2の側に設けられた制御手段などによって制御されてもよい。
燃料電池補機24は、燃料電池21を作動させるための機器である。例えば、燃料電池21に燃料ガスを供給するブロワ、燃料電池21に酸化剤ガスを供給するブロワ、および燃料電池21に冷却水を供給するポンプなどが、燃料電池補機24に該当する。燃料電池補機24には、補機側電路25で供給される電力が供給される。
補機側電路25は、電力制御器50から燃料電池補機24に電力を供給する。補機側電路25は、電力制御器50と燃料電池補機24とを接続している。
補機電圧変換回路26は、電力制御器50から供給された直流電力の電圧を変換して出力する。補機電圧変換回路26は、補機側電路25の電圧を、燃料電池補機24の駆動に適した電圧に変換する。燃料電池補機24が直流電力で駆動される場合には、補機電圧変換回路26は、電圧を変換した直流電力を出力する。この場合、補機電圧変換回路26は、DC/DCコンバータであってもよい。また、燃料電池補機24が交流電力で駆動される場合には、補機電圧変換回路26は、インバータであってもよい。
第1電路30は、燃料電池21から補機側電路25に電力を供給する。より具体的には、第1電路30は、駆動電力供給電路22から分岐しており、駆動電力供給電路22と電力制御器50とを接続している。DC/DCコンバータ23の出力電力の一部は、電力制御器50に供給される。
第1電圧変換回路31は、DC/DCコンバータ23の出力電力の電圧を変換して出力する。第1電圧変換回路31は、第1電路30の電力の電圧を、AC/DCコンバータ41から出力される電力の電圧に合わせるように変換してもよい。例えば、駆動電力供給電路22から第1電路30に供給される電力の電圧が、AC/DCコンバータ41からの出力電力の電圧と等しくなるように変換されてもよい。このことにより、後述する制御回路60において、第1電路30の電圧値と第2電路44の電圧値との比較を行うことが可能になる。
第1電圧測定回路32は、第1電路30の電力の電圧を測定する。より具体的には、第1電圧測定回路32は、第1電圧変換回路31から出力された電力の電圧を測定する。測定された電圧値は、制御回路60に送信される。
電源側電路40は、上述の船体交流電源11から第2電路44に電力を供給する。より具体的には、電源側電路40は、船体交流電源11と切替器45とを接続しており、船体交流電源11の出力電力は切替器45に供給される。
AC/DCコンバータ41は、船体交流電源11から出力された交流電力を、直流電力に変換する。AC/DCコンバータ41から出力された直流電力が、切替器45に供給される。AC/DCコンバータ41は、補機電圧変換回路26の入力電圧に適した電圧となるように直流電力を出力してもよい。
蓄電池側電路42は、上述の第2船体蓄電池15から第2電路44に電力を供給する。より具体的には、蓄電池側電路42には、第2船体蓄電池と切替器45とを接続しており、第2船体蓄電池15の放電電力は切替器45に供給される。
第2電圧変換回路43は、第2船体蓄電池15の放電電力の電圧を変換して出力する。第2電圧変換回路43は、蓄電池側電路42の電圧を、AC/DCコンバータ41から出力される電力の電圧に合わせるように変換してもよい。例えば、第2船体蓄電池15の放電電力の電圧が、AC/DCコンバータ41からの出力電力の電圧と等しくなるように変換されてもよい。このことにより、第2船体蓄電池15の放電電力を電力制御器50に供給する場合に、後述する制御回路60において、第1電路30の電圧値と第2電路44の電圧値との比較を行うことが可能になる。
第2電路44は、船体電源10から補機側電路25に電力を供給する。より具体的には、第2電路44は、切替器45と電力制御器50とを接続している。船体電源10のうち、上述した船体交流電源11から切替器45に供給された電力、および第2船体蓄電池15から切替器45に供給された電力のいずれか一方が、補機側電路25に供給される。すなわち、電源側電路40の電力と蓄電池側電路42の電力のいずれか一方が、補機側電路25に供給される。
切替器45は、第2電路44に供給する電力を、電源側電路40の電力と蓄電池側電路42の電力との間で切り替える。切替器45は、船体交流電源11が設置された配電盤に故障が発生した等の理由により船体交流電源11から電力が出力されない場合に、第2電路44に供給する電力の供給源を切り替える。この場合、蓄電池側電路42の電力が第2電路44に供給される。例えば、電源側電路40の電力の電圧に異常が発生したことを検出した場合に、第2電路44への電力供給源を自動的に切り替えるようにしてもよい。あるいは、切替器45は、第2電路44への電力供給源を手動操作で切り替えるようにしてもよい。電源側電路40の電力の電圧に異常が発生していない場合には、電源側電路40の電力を第2電路44に供給してもよい。電源側電路40の電力の電圧は、図示しない電圧測定回路によって測定してもよい。切替器45は、リレーであってもよい。
第2電圧測定回路46は、第2電路44の電力の電圧を測定する。より具体的には、第2電圧測定回路46は、切替器45から供給された電力の電圧を測定する。測定された電圧値は、制御回路60に送信される。
電力制御器50は、第1電路30および第2電路44から補機側電路25への電力供給を制御する。電力制御器50は、第1電路30を補機側電路25に電気的に接続する第1モード(図2参照)と、第1電路30および第2電路44を補機側電路25に電気的に接続する第2モード(図3参照)と、第2電路44を補機側電路25に電気的に接続する第3モード(図4参照)と、を選択可能になっている。第1モードでは、第1電路30は、補機側電路25と電気的に遮断される。第3モードでは、第2電路44は、補機側電路25と電気的遮断される。電力制御器50は、リレーであってもよい。
制御回路60は、電力制御器50を制御する。制御回路60は、電力制御器50が選択すべきモードを指令信号として電力制御器50に送信する。
より具体的には、制御回路60は、燃料電池21の起動時に、第1モードを選択する指令信号を電力制御器50に送信する。この場合、図2に示すように、第2電路44の電力が、補機側電路25に供給される。
また、制御回路60は、燃料電池21の起動後、第1電路30の電力の電圧が第2電路44の電力の電圧に達した場合に、第2モードを選択する指令信号を電力制御器50に送信する。この場合、図3に示すように、補機側電路25への第1電路30の電力の供給が開始される。すなわち、第1電路30の電力と第2電路44の電力の両方が、補機側電路25に供給される。
そして、制御回路60は、補機側電路25への燃料電池21の電力の供給を開始した場合に、第2モードを継続し、その後、第3モードを選択する指令信号を電力制御器50に送信する。この場合、図4に示すように、補機側電路25への第2電路44の電力の供給が継続され、その後、補機側電路25への第2電路44の電力の供給を遮断する。すなわち、所定時間が経過するまでは、第1電路30の電力と第2電路44の電力の両方が補機側電路25に供給される。所定時間経過後には、第2電路44の電力の供給が遮断され、補機側電路25には、第1電路30の電力が供給される。
制御回路60は、上述した第1電圧測定回路32で測定された電圧値と、第2電圧測定回路46で測定された電圧値と、に基づいて、電力制御器50を制御する。より具体的には、制御回路60に、第1電圧測定回路32で測定された電圧値が送信されるとともに、第2電圧測定回路46で測定された電圧値が送信される。制御回路60は、第1電路30の電圧値と第2電路44の電圧値とを比較し、比較した結果に基づいて、上述のように電力制御器50を制御する。
次に、このような構成からなる本実施の形態による燃料電池船1における燃料電池システム20の運転方法について説明する。
燃料電池船1が停泊している間、船体2に搭載された燃料電池21の運転は停止している。この間、第1船体蓄電池12には、地上の電源設備等から供給される電力で蓄電されていてもよい。
燃料電池21を起動する場合、図2に示すように、船体電源10から第2電路44を通って補機側電路25に電力が供給される。ここでは、船体交流電源11から供給される電力が、補機側電路25に供給される場合について説明する。
この場合、切替器45は、第2電路44に供給する電力の供給源を、電源側電路40に切り替える。このことにより、電源側電路40の電力が、第2電路44に供給される。蓄電池側電路42から第2電路44への電力供給は遮断される。船体交流電源11には、例えば、第1船体蓄電池12から放電された電力が供給されるようにしてもよい。第1船体蓄電池12の放電電力は、インバータ13によって交流電力に変換されて、船体交流電源11に供給される。船体交流電源11の出力電力は、AC/DCコンバータ41によって直流電力に変換されて、第2電路44に供給される。なお、第1船体蓄電池12からの放電電力に代えて、ディーゼル発電機14を駆動して、その発電電力を船体交流電源11に供給してもよい。
電力制御器50は、制御回路60から、第1モードを選択する指令を受ける。より具体的には、第1電路30の電力の電圧が第1電圧測定回路32によって測定され、第2電路44の電圧が第2電圧測定回路46によって測定されている。燃料電池21の発電電力が駆動電力供給電路22に供給される前の段階では、第1電路30の電圧はゼロである。このことにより、電力制御器50は、制御回路60から第1モードを選択する指令を受け、第2電路44の電力が補機側電路25に供給される。第1電路30から補機側電路25への電力供給は遮断される。
このようにして、船体交流電源11の電力が、補機側電路25に供給され、補機電圧変換回路26によって電圧を変換して燃料電池補機24に供給される。
燃料電池補機24は、供給された電力によって駆動される。すると、燃料電池21に、燃料ガス、酸化剤ガスおよび冷却水が供給される。燃料ガスおよび酸化剤ガスが燃料電池セルに到達して電気化学反応が行われると、発電が行われる。
燃料電池21の発電電力が、駆動電力供給電路22に供給されると、スクリュー駆動モータ4に発電電力が供給される。この際、燃料電池21の発電電力は、DC/DCコンバータ23によって電圧を変換してスクリュー駆動モータ4に供給される。そして、スクリュー駆動モータ4が駆動されてスクリュー3が回転する。このことにより、燃料電池船1は、推進力を得て、航行することができる。なお、スクリュー駆動モータ4が交流モータである場合には、スクリュー駆動モータ4の回転を制御するための調速機に適応した高価なインバータが用いられる。本実施の形態では、スクリュー駆動モータ4は直流モータであるため、そのような調速機やインバータを不要にすることができる。また、駆動電力供給電路22では直流送電となるため、送電効率を向上させることができる。燃料電池21から駆動電力供給電路22に供給された発電電力の一部は、船体負荷5に供給されるとともに、第2船体蓄電池15に供給されて第2船体蓄電池15に蓄電される。
また、燃料電池21から駆動電力供給電路22に供給された電力の一部は、第1電路30に供給される。駆動電力供給電路22から第1電路30に供給された電力は、第1電圧変換回路31によって電圧を変換して、電力制御器50に供給される。
駆動電力供給電路22から第1電路30に電力が供給されると、第1電路30の電圧は、第2電路44の電圧に達する。すると、電力制御器50は、制御回路60から第2モードを選択する指令を受ける。このことにより、図3に示すように、第1電路30の電力および第2電路44の電力の両方が補機側電路25に供給される。
第2モードを選択してから所定時間経過後、電力制御器50は、制御回路60から第3モードを選択する指令を受ける。このことにより、図4に示すように、第1電路30の電力が補機側電路25に供給される。第2電路44から補機側電路25への電力供給は遮断される。
なお、上述した例では、船体交流電源11から供給される電力が、第2電路44に供給されていた。しかしながら、このことに限られることはなく、図5に示すように、第2船体蓄電池15の放電電力を、第2電路44に供給することもできる。第2船体蓄電池15からの電力は、第2電圧変換回路43によって電圧を変換して切替器45に供給される。切替器45は、第2電路44に供給する電力の供給源を、蓄電池側電路42に切り替える。このことにより、蓄電池側電路42の電力が、第2電路44に供給される。電源側電路40から第2電路44への電力供給は遮断される。本実施の形態では、第1船体蓄電池12の放電電力を船体交流電源11を通って第2電路44に供給することができるとともに、第2船体蓄電池15の放電電力を第2電路44に供給することができる。このため、蓄電池から燃料電池補機24に電力を供給するための回路を二重化することができ、システムの安定性および頑強性を向上させることができる。
このように本実施の形態によれば、電力制御器50によって、第1電路30および第2電路44から補機側電路25への電力供給が制御される。このことにより、燃料電池21から第1電路30を通って供給される電力と、船体電源10から第2電路44を通って供給される電力の少なくとも一方を燃料電池補機24に供給することができる。このため、燃料電池システム20の運転中に、船体電源10が喪失された場合であっても、燃料電池21の発電電力を、燃料電池補機24に供給することができる。このため、燃料電池補機24への電力供給が喪失されることを防止できる。この場合、燃料電池21の運転を継続することができ、燃料電池船1の航行を継続することもできる。
また、本実施の形態によれば、燃料電池21の起動時には、電力制御器50は、第1モードを選択し、第2電路44の電力を補機側電路25に供給する。このことにより、燃料電池21が発電する前には、船体電源10の電力を燃料電池補機24に供給することができ、燃料電池補機24を駆動することができる。このため、燃料電池21を起動することができる。
また、本実施の形態によれば、燃料電池21の起動後、第1電路30の電力の電圧が第2電路44の電力の電圧に達した場合に、電力制御器50は、補機側電路25への第1電路30の電力の供給を開始する。このことにより、燃料電池21の発電電力を燃料電池補機24に供給することができる。このため、燃料電池補機24への電力供給が喪失されることを防止できる。また、第1電路30の電力と第2電路44の電力の両方を補機側電路25に供給する場合に、第1電路30で逆流が発生することを防止できる。
また、本実施の形態によれば、補機側電路25への燃料電池21の電力の供給を開始した場合に、電力制御器50は、第2モードを選択し、補機側電路25への第2電路44の電力の供給を継続する。その後、電力制御器50は、第3モードを選択し、補機側電路25への第2電路44の電力の供給を遮断する。このことにより、第1電路30の電力を補機側電路25に供給し始めてから所定時間経過するまで、第1電路30の電力と第2電路44の電力の両方を補機側電路25に供給することができる。このため、燃料電池補機24に供給される電力が途切れることを防止でき、燃料電池補機24の駆動を継続することができる。
また、本実施の形態によれば、第1電圧測定回路32によって測定された第1電路30の電圧値と、第2電圧測定回路46によって測定された第2電路44の電圧値と、に基づいて、電力制御器50が制御される。このことにより、第1電路30の計測された電圧値と、第2電路44の計測された電圧値とに基づいて、補機側電路25への電力の供給源を制御することができる。このため、電流の逆流や、燃料電池補機24への供給電力の電圧不足を効果的に防止することができる。
また、本実施の形態によれば、船体電源10が船体交流電源11と第2船体蓄電池15と、を含んでおり、第2電路44に供給する電力を、船体交流電源11から電力が供給される電源側電路40の電力と、第2船体蓄電池15から電力が供給される蓄電池側電路42の電力と、の間で切り替えられる。このことにより、燃料電池21の起動時に、船体交流電源11が喪失された場合であっても、第2船体蓄電池15の放電電力を、燃料電池補機24に供給することができる。このため、燃料電池補機24への電力供給が喪失されることを防止でき、システムの安定性および頑強性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、燃料電池21の発電電力が、駆動電力供給電路22を通ってスクリュー駆動モータ4に供給される。このことにより、燃料電池21の発電電力で、スクリュー駆動モータ4を駆動することができ、スクリュー3を回転させることができる。このため、燃料電池船1は、燃料電池21の発電電力で航行することができる。
以上述べた実施の形態によれば、燃料電池補機24への電力供給が喪失されることを防止できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1:燃料電池船、2:船体、4:スクリュー駆動モータ、10:船体電源、11:船体交流電源、15:第2船体蓄電池、20:燃料電池システム、21:燃料電池、24:燃料電池補機、25:補機側電路、30:第1電路、32:第1電圧測定回路、40:電源側電路、42:蓄電池側電路、44:第2電路、45:切替器、46:第2電圧測定回路、50:電力制御器、60:制御回路
Claims (8)
- 船体電源を備えた船体に搭載される燃料電池システムであって、
燃料電池と、
前記燃料電池を作動させるための燃料電池補機と、
前記燃料電池補機に電力を供給する補機側電路と、
前記燃料電池から前記補機側電路に電力を供給する第1電路と、
前記船体電源から前記補機側電路に電力を供給する第2電路と、
前記第1電路および前記第2電路から前記補機側電路への電力供給を制御する電力制御器と、を備えた、燃料電池システム。 - 制御回路を更に備え、
前記制御回路は、前記燃料電池の起動時に、前記第2電路の電力を前記補機側電路に供給するように前記電力制御器を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記制御回路は、前記燃料電池の起動後、前記第1電路の電力の電圧が前記第2電路の電力の電圧に達した場合に、前記補機側電路への前記第1電路の電力の供給を開始するように前記電力制御器を制御する、請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記制御回路は、前記補機側電路への前記燃料電池の電力の供給を開始した場合に、前記補機側電路への前記第2電路の電力の供給を継続し、その後、前記補機側電路への前記第2電路の電力の供給を遮断する、請求項3に記載の燃料電池システム。
- 前記第1電路の電力の電圧を測定する第1電圧測定回路と、
前記第2電路の電力の電圧を測定する第2電圧測定回路と、を更に備え、
前記制御回路は、前記第1電圧測定回路で測定された電圧値と、前記第2電圧測定回路で測定された電圧値と、に基づいて、前記電力制御器を制御する、請求項3または4に記載の燃料電池システム。 - 前記船体電源は、船体交流電源と、船体蓄電池と、を含み、
前記燃料電池システムは、
前記船体交流電源から前記第2電路に電力を供給する電源側電路と、
前記船体蓄電池から前記第2電路に電力を供給する蓄電池側電路と、
前記第2電路に供給する電力を、前記電源側電路の電力と前記蓄電池側電路の電力との間で切り替える切替器と、を更に備えた、請求項1~5のいずれか一項に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池で発電された電力を前記船体のスクリュー駆動モータに供給する駆動電力供給電路を更に備えた、請求項1~6のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
- 船体と、
前記船体に搭載された、請求項1~7のいずれか一項に記載の燃料電池システムと、を備えた、燃料電池船。
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JP2020129652A Pending JP2022026271A (ja) | 2020-07-30 | 2020-07-30 | 燃料電池システムおよび燃料電池船 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2022026271A (ja) |
-
2020
- 2020-07-30 JP JP2020129652A patent/JP2022026271A/ja active Pending
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