JP2022023709A - 配電システム及び電源システム - Google Patents

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Fumitoshi Ogaki
明実 塩川
Akemi Shiokawa
知行 澤田
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Abstract

Figure 2022023709000001
【課題】一のコンセントに分散電源を接続して分散電源から他のコンセントに電力を供給するとき、その電力の供給を制御することが可能な配電システムを提供する。
【解決手段】配電システム1は、電磁開閉器24を備える。電磁開閉器24は、電力系統2と複数のコンセント3とを繋ぎかつ電力系統2と複数のコンセント3との間に主幹ブレーカ132が設けられた電路において主幹ブレーカ132と一のコンセント3aとの間に設けられる。主幹ブレーカ132の開状態で、かつ一のコンセント3aに接続された分散電源4からの電力が複数のコンセント3のうちの他のコンセント3bに供給される状態で、電磁開閉器24は、分散電源4から他のコンセント3bへの電力の供給を制御する。
【選択図】図1

Description

本開示は、配電システム及び電源システムに関する。より詳細には、本開示は、分散電源からの電力を一のコンセントに入力して他のコンセントに供給可能な配電システム、及び配電システムを備えた電源システムに関する。
特許文献1に記載のエネルギマネジメントシステム(分配システム)では、主電源(系統電力網、蓄電池及び太陽光発電装置)からの電力を分電盤で分岐して複数のコンセントに供給している。
特開2015-61418号公報
特許文献1に記載のエネルギマネジメントシステムでは、例えば主幹ブレーカが遮断された場合、主電源から複数のコンセントへの電力の供給が停止して、複数のコンセントが使用できなくなる。この場合、一のコンセントに分散電源を接続し、分散電源から他のコンセントに電力を供給することで、他のコンセントを使用可能にしたいという要求がある。
しかしながら、このような使用方法では、分散電源から他のコンセントに供給される電力は、主幹ブレーカを介さない。このため、分散電源から他のコンセントへの電力供給を制御することができず、例えば漏電などの異常な電流が発生した場合にシステムを保護できない。
本開示は上記事由に鑑みたものであり、その目的は、一のコンセントに分散電源を接続して分散電源から他のコンセントに電力を供給するとき、その電力の供給を制御することが可能な配電システム、及び配電システムを備える電源システムを提供することを目的とする。
本開示の一の態様の配電システムは、第2開閉器を備える。前記第2開閉器は、電力系統と複数のコンセントとを繋ぎかつ前記電力系統と前記複数のコンセントとの間に第1開閉器が設けられた電路において前記第1開閉器と前記複数のコンセントのうちの一のコンセントとの間に設けられている。前記第1開閉器の開状態で、かつ前記一のコンセントに接続された分散電源からの電力が前記複数のコンセントのうちの前記一のコンセント以外の他のコンセントに供給される状態で、前記第2開閉器は、前記分散電源から前記他のコンセントへの電力の供給を制御する。
本開示の一の態様の電源システムは、前記配電システムと、前記分散電源と、を備える。
本開示は、一のコンセントに分散電源を接続して分散電源から他のコンセントに電力を供給するとき、その電力供給を制御することが可能であるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る配電システム、系統配電システム及び分散電源を含むブロック図である。 図2は、同上の配電システムを示すブロック図である。 図3は、同上の配電システムの導通検出部の動作を説明する説明図である。 図4は、同上の配電システムの疑似漏電回路の動作を説明する説明図である。 図5は、同上の配電システムの動作を説明するフローチャートである。 図6は、変形例4に係る配電システム及び系統配電システムを含むブロック図である。 図7は、変形例5及び変形例6に係る配電システムのブロック図である。 図8は、変形例7に係る配電システムのブロック図である。 図9は、変形例8に係る配電システムのブロック図である。 図10は、変形例9に係る配電システムのブロック図である。
(実施形態)
図1~図5を参照して、本実施形態に係る配電システム1について説明する。
図1に示すように、配電システム1は、電力系統2(系統2とも言う)と複数のコンセント3とを繋ぎかつ電力系統2と複数のコンセント3との間に主幹ブレーカ132(第1開閉器)が設けられた電路(主電路11及び枝電路12)に設けられている。より詳細には、配電システム1は、上記の電路において、主幹ブレーカ132と複数のコンセント3aのうちの一のコンセント3aとの間に設けられている。これにより、分散電源4が一のコンセント3aに接続されることで、分散電源4からの電力を複数のコンセント3のうちの一のコンセント3a以外の他のコンセント3bに供給可能である。その際、その電力供給を配電システム1によって制御可能である。この結果、地震又は台風などの災害によって電力系統2からの電力の供給が停止した場合でも、異常電流(例えば漏電電流)による事故を抑制しつつ、分散電源4によって、他のコンセント3bに接続された電気機器5に電力の供給が可能となる。
なお、本実施形態では、一のコンセント3aに対して、電気機器5は直接接続可能であるが、分散電源4は、中継ケーブル60を介して接続可能である。以下、配電システム1について詳しく説明する。なお、以下の説明では、一のコンセント3aを受電コンセント3aとも記載する。
まず、配電システム1について詳しく説明する前に、建物に設置された系統配電システム10について説明する。系統配電システム10は、電力系統2からの電力を建物に設置された複数のコンセント3に分配するシステムである。
系統配電システム10は、柱上トランス6を介して電力系統2からの電力を受電する。より詳細には、電力系統2からの電力は、高電圧(例えば6600V)の単相2線式の交流電力である。電力系統2と柱上トランス6とは、2本の電路で接続されている。電力系統2からの電力は、2本の電路で電力系統2から柱上トランス6に送電される。柱上トランス6は、電力系統2からの電力を単相3線式の所定電圧(例えば100V又は200V)の交流電力に降圧する。柱上トランス6と系統配電システム10とは、3本の電路で接続されている。柱上トランス6で降圧された電力は、3本の電路で柱上トランス6から系統配電システム10に送電される。
柱上トランス6は、鉄心に巻回された1次コイル61及び2次コイル62を備えている。電力系統2からの2本の電路は、1次コイル61の両端に接続されている。系統配電システム10からの3本の電路はそれぞれ、2次コイル62の両端及び中央に接続されている。3本の電路はそれぞれ、L1相電路、L2相電路、及びN相電路である。N相電路は、2次コイル62の中央に接続されている。N相電路は、N相電路の分岐点B1が接地点A1で接地されている。接地点A1での電気抵抗は、例えば10Ω以下である。L1相電路及びL2相電路はそれぞれ、2次コイル62の両端に接続されている。L1相電路及びL2相電路にはそれぞれ、N相電路を基準として100Vの電圧が印加されている。
系統配電システム10は、主電路11、複数の枝電路12、分電盤13、複数のコンセント3、及びスマートメータ14を備えている。
主電路11は、柱上トランス6と系統配電システム10とを繋ぐ電路であり、系統配電システム10の内部に引き込まれている。主電路11は、上記の3本の電路(L1相電路、L2相電路及びN相電路)で構成されている。
複数の枝電路12は、主電路11上の複数の分岐点から分岐した電路であり、主電路11と複数のコンセント3とを接続する電路である。複数の枝電路12はそれぞれ、2本の電路で構成されている。複数のコンセント3は、L1側のコンセント3と、L2側のコンセント3とを含む。L1側のコンセント3は、枝電路12の2本の電路によって主電路11のL1相電路及びN相電路に接続されている。L2側のコンセント3は、枝電路12の2本の電路によって主電路11のL2相電路及びN相電路に接続されている。
分電盤13は、主電路11を通じて柱上トランス6から送電された電力を複数のコンセント3に分配する装置である。分電盤13は、分岐回路131、主幹ブレーカ132、複数の分岐ブレーカ133、及び、複数の接地端子134を備えている。
分岐回路131は、主電路11を通じて送電された電力を複数のコンセント3に分配する回路である。分岐回路131は、主電路11(より詳細には主電路11のうちの分電盤13の内部に引き込まれた部分)と、複数の枝電路12とで構成されている。
主幹ブレーカ132(第1開閉器)は、主電路11における複数の分岐点の上流側に設けられている。主幹ブレーカ132は、主電路11における柱上トランス6の下流側に設けられている。なお、本実施形態では、主幹ブレーカ132は、主電路11に設けられるが、電力系統2と複数のコンセント3の間の電路であれば、どの位置に設けられてもよい。主幹ブレーカ132は、主電路11に流れる電流の電流量が規定値を超えるか否か(すなわち主電路11を流れる電流が過電流であるか否か)に応じて開状態又は閉状態に切り換わる。そして、主幹ブレーカ132は、閉状態及び開状態に応じて、主電路11(電力系統2と複数のコンセント3との間の電路)を導通及び遮断する。主幹ブレーカ132は、複数のコンセント3に送電される電力を、一括して導通及び遮断する。
なお、主幹ブレーカ132が主電路11を遮断するとは、主電路11を構成する3本の電路を全て遮断することであり、主幹ブレーカ132が主電路11を導通するとは、主電路11を構成する3本の電路を全て導通させることである。
主幹ブレーカ132は、漏電検出回路132aを有する。すなわち、主幹ブレーカ132は、漏電検出機能を有する。漏電検出回路132aは、主幹ブレーカ132を経由する主電路11に流れる電流(すなわち電力系統2から複数のコンセント3に供給される電流)が漏電しているか否かを検出する。漏電検出回路132aは、漏電を検出しない場合、主幹ブレーカ132の閉状態を維持して主電路11を導通状態に維持する。また、漏電検出回路132aは、漏電を検出した場合は、主幹ブレーカ132を閉状態から開状態に切り換えることで、主電路11を遮断する。主幹ブレーカ132は、手動で開状態又は閉状態に切り換え可能である。従って、主幹ブレーカ132が閉状態から開状態に切り換わった場合、手動で主幹ブレーカ132を開状態から閉状態に切り換えることで、主電路11を導通させることが可能である。
主幹ブレーカ132は、その開状態及び閉状態が切り換わることで、電力系統2から複数のコンセント3への電力の供給を制御する。なお、上記の「電力の供給を制御する」とは、電力を供給及び停止することを含む。より詳細には、上記の「電力の供給を制御する」とは、上述のように、主電路11に流れる電流が異常電流(過電流又は漏電電流)であるか否かに応じて主電路11を導通及び遮断する場合を含む。
漏電検出回路132aは、主電路11を通じて供給される電力系統2からの電圧を動作電圧として動作(すなわち起動)する。本実施形態では、漏電検出回路132aは、主電路11のL1相電路とL2相電路の間の電圧(すなわち200V)の電圧を動作電圧として動作する。従って、本実施形態では、後述するように、分散電源4の出力電圧(100V)、及び、配電システム1の導通検出時の印加電圧(例えば100V)では、動作電圧が足りないため、漏電検出回路132aは動作しない。
複数の分岐ブレーカ133は、複数の枝電路12に1対1に対応し、対応する枝電路12に設けられている。複数の分岐ブレーカ133は、対応する枝電路12に流れる電流の電流量が所定条件を満たすか否かに応じて開状態又は閉状態に切り換わり、閉状態及び開状態に応じて対応する枝電路12を導通及び遮断する。上記の所定条件は、例えば、枝電路12に所定値(例えば20A)の電流が所定時間(例えば1時間)流れるという条件である。複数の分岐ブレーカ133は、複数のコンセント3に送電される電力を、コンセント3毎に個別に導通及び遮断する。なお、分岐ブレーカ133が枝電路12を遮断するとは、枝電路12を構成する2本の電路を全て遮断することであり、分岐ブレーカ133が枝電路12を導通するとは、枝電路12を構成する2本の電路を全て導通させることである。
複数の接地端子134は、各コンセント3の後述のE相極(接地極)を接地するときに使用される端子である。複数の接地端子134はそれぞれ、接地点A2に接地されている。接地点A2での電気抵抗は、例えば100Ω以下である。各コンセント3のE相極は、電路を介して接地端子134に接続される。各コンセント3のE相極は、接地端子134に接続されることで、接地点A2に接地される。
スマートメータ14は、主電路11における柱上トランス6と分電盤13との間に設けられている。スマートメータ14は、柱上トランス6から分電盤13に送電された電力(すなわち建物内の電気機器5で消費された電力)を計測する。スマートメータ14の計測結果は、例えば、電力会社に送信可能である。
複数のコンセント3は、建物の内部又は外部に設置されている。複数のコンセント3は、電気機器5の電源プラグが差し込まれる差込口であり、差し込まれた電源プラグを介して電気機器5に電力を供給する。電気機器5は、例えば、照明器具、冷蔵庫及びテレビなどである。
複数のコンセント3のうち、少なくとも1つのコンセント3は、3極のコンセントである。3極のコンセントとは、3極の個口を有するコンセントである。3極の個口とは、3極のプラグの3つの栓刃(L相極、N相極及びE相極(接地極))に対応する3つの差込口を有する個口である。なお、3極のコンセントは、2極の個口を更に有していてもよい。2極の個口とは、2極のプラグの2つの栓刃(L相極及びN相極)に対応する2つの差込口のみを有する個口である。本実施形態では、複数のコンセント3のうち、コンセント3aは、3極のコンセントであり、残りのコンセント3b,3cは、2極のコンセントである。2極のコンセントとは、2極の個口のみを有するコンセントである。なお、複数のコンセント3の全部が3極のコンセントであってもよい。
本実施形態では、例えば、L1側のコンセント3cは全て、2極のコンセントである。L2側のコンセント3のうち、コンセント3aのみが3極のコンセントであり、残りのコンセント3bは2極のコンセントである。L1側の2極のコンセント3cのL相極及びN相極はそれぞれ、枝電路12の2本の電路を介して主電路11のL1相電路及びN相電路に接続されている。L2側の3極のコンセント3aの3極のうち、L相極及びN相極はそれぞれ、枝電路12の2本の電路を介して主電路11のL2相電路及びN相電路に接続され、E相極は、電路16を介して接地端子134に接続されている。L2側の2極のコンセント3bのL相極及びN相極はそれぞれ、枝電路12の2本の電路を介して主電路11のL2相電路及びN相電路に接続されている。
複数のコンセント3は、屋内コンセントと屋外コンセントとを含む。屋外コンセントは、建物の屋外(例えば外壁)に設置されたコンセントであり、本実施形態では、3極のコンセント3aが屋外コンセントである。屋内コンセントは、建物の内部に設置されたコンセントであり、本実施形態では、コンセント3b,3cが屋内コンセントである。なお、複数のコンセント3の全部が、屋内コンセントであってもよいし、屋外コンセントであってもよい。
この系統配電システム10では、電力系統2からの電力(例えば6600V)は、柱上トランス6で所定電力(例えば100V/200V、15A)に降圧された後、主電路11を通じて分電盤13に送電される。分電盤13に送電された電力は、主幹ブレーカ132を経由した後に複数の枝電路12を通じて複数のコンセント3に分配される。各コンセント3からは所定規格(例えば100V、15A)の電力が出力可能である。各コンセント3に送電された電力は、コンセント3に接続された電気機器5に供給される。主幹ブレーカ132の漏電検出回路132aは、主電路11に印加された電圧を動作電源として動作し、主電路11を流れる電流の漏電を検出する。漏電検出回路132aは、漏電を検出すると、主幹ブレーカ132を閉状態から開状態に切り換えて主電路11を遮断する。この遮断によって、電力系統2から複数のコンセント3への電力の供給が停止される。主幹ブレーカ132を手動で開状態から閉状態に切り換えることで、電力系統2から複数のコンセント3への電力の供給を再開することが可能である。
なお、本実施形態では、配電システム1及び分散電源4は、建物に設置された系統配電システム10に電力を供給する電源システム70を構成している。
次に図1を参照して分散電源4について詳しく説明する。
分散電源4は、交流電力を出力する電源であって、電力系統2以外の電源である。分散電源4は、例えば、電力系統2に対する予備電源である。予備電源とは、電力系統2が使用できない場合に、電力系統2の代わりに、交流電力を供給する電源である。分散電源4は、例えば、発電機又は太陽光発電器である。発電機は、ガソリン又はLPガスなどを燃料とする発電機である。また、分散電源4は、ハイブリッド自動車又は電気自動車等に備えられた電源出力部(例えばAC100Vコンセント)であってもよい。分散電源4は、電力を出力する出力部4aを有する。出力部4aは、メス型(すなわちプラグが差し込まれる差込口を有する構造)の出力部である。出力部4aは、3極の個口を有する3極の出力部である。
次に図1を参照して中継ケーブル60について詳しく説明する。
中継ケーブル60は、系統配電システム10の受電コンセント3aと、分散電源4の出力部4aとを中継するケーブルである。中継ケーブル60は、2つのプラグ(入力プラグ20及び出力プラグ21)と、ケーブル22とを備えている。
入力プラグ20は、分散電源4の出力部4aに接続されて、分散電源4から出力される電力を入力する。出力プラグ21は、受電コンセント3aに接続されて、入力プラグ20に入力された分散電源4からの電力を受電コンセント3aに出力する。2つのプラグ20,21はそれぞれ、オス型のプラグであって3極のプラグである。3極のプラグは、3つの栓刃(L相極、N相極及びE相極)を有するプラグである。入力プラグ20の3極はそれぞれ、コンセント3の3極に対して、同じ相極同士が接続するように接続される。出力プラグ21の3極はそれぞれ、分散電源4の出力部4aの3極に対して、同じ相極同士が接続するように接続される。2つのプラグ20,21はそれぞれ、ケーブル22を介して接続されている。入力プラグ20が分散電源4の出力部4aに接続され、出力プラグ21が受電コンセント3aに接続される。これにより、中継ケーブル60は、受電コンセント3aと分散電源4の出力部4aとを中継する。
なお、本実施形態では、分散電源4は市販の分散電源を想定するため、分散電源4の出力部4aはメス型である。このため、分散電源4の出力部4aと受電コンセント3aとを接続するときは、中継ケーブル60が用いられる。なお、分散電源4は、市販の分散電源に限定されず、出力部4aがオス型のプラグを有する分散電源であってもよい。
次に図1を参照して配電システム1について詳しく説明する。
まず配電システム1の主要な特徴(特徴1及び特徴2)を説明する。
配電システム1は、例えば中継ケーブル60を介して分散電源4が受電コンセント3aに接続されることで、分散電源4からの電力を複数のコンセント3のうちの他のコンセント3bに供給可能である。受電コンセント3aは、後述のように配電システム1によって主幹ブレーカ132の開閉を制御する目的から、E相極(接地極)を含む3極のコンセントである。本実施形態では、受電コンセント3aは、屋外コンセントである。
以下の説明では、中継ケーブル60を介して受電コンセント3aに分散電源4が接続される時を、単に「分散電源4の接続時」とも記載する。また、中継ケーブル60を介して受電コンセント3aに分散電源4が接続される状態を、単に「分散電源4の接続状態」とも記載する。
(特徴1)
配電システム1は、分散電源4の接続時及び接続状態で、主幹ブレーカ132が開状態である場合のみ、分散電源4からの電力を分電盤13を介して他のコンセント3bに供給する。これにより、分散電源4の接続時に主幹ブレーカ132が閉状態である場合でも、また、分散電源4の接続状態で主幹ブレーカ132が手動で開状態から閉状態に切り換えられた場合でも、分散電源4からの電力が電力系統2に逆潮することを防止できる。
(特徴2)
配電システム1は、分散電源4の接続時及び接続状態で、主幹ブレーカ132が閉状態である場合、主幹ブレーカ132を強制的に閉状態から開状態になるように制御する。これにより、分散電源4の接続時に主幹ブレーカ132が閉状態である場合でも、また、分散電源4の接続状態で主幹ブレーカ132が手動で開状態から閉状態に切り換えられた場合でも、分散電源4からの電力が電力系統2に逆潮することを防止できる。
次に図1及び図2を参照して配電システム1の構成を詳しく説明する。
配電システム1は、受電コンセント3aが接続された枝電路12の途中に接続されている。また、配電システム1は、接地端子134に接続された電路16の途中に接続されている。配電システム1は、受電コンセント3aに入力された分散電源4からの電力を枝電路12を通じて分岐回路131に出力する。これにより、分岐回路131から他のコンセント3bに分散電源4からの電力が供給される。
配電システム1は、3つの第1入出力部71a~71cと、3つの第2入出力部70a~70cと、主電路23と、電磁開閉器24(第2開閉器)と、導通検出部25と、疑似漏電回路26と、2つの電圧検出部(第1電圧検出部28及び第2電圧検出部29(接続検出部))と、電源部30と、制御部32とを備えている。
3つの第2入出力部70a~70cはそれぞれ、電路(2つの枝電路12及び1つの電路16)を介して受電コンセント3aの3つの極(L相極、N相極及びE相極)と接続されている。第1入出力部71a,71bは、2つの枝電路12を介して分岐ブレーカ133に接続されている。第1入出力部71cは、電路16を介して接地端子134に接続されている。
主電路23は、第2入出力部70a~70cと第1入出力部71a~71cとを繋ぐ電路である(図2参照)。主電路23は、3つの電路(L相電路、N相電路及びE相電路)で構成されている。主電路23の3つの電路の一端部は、3つの第2入出力部70a~70cに接続されている。すなわち、主電路23の3つの電路の一端部は、第2入出力部70a~70cを介して、受電コンセント3aからの3つの電路と、L相同士、N相同士及びE相同士で接続されている。主電路23の3つの電路の他端部は、第1入出力部71a~71cに接続されている。すなわち、主電路23の2つの電路(L相及びN相)の他端部は、第1入出力部71a,71bを介して、分岐ブレーカ133からの2つの枝電路12と、L相同士及びN相同士で接続されている。主電路23のE相電路の他端部は、第1入出力部71cを介して、接地端子134からの電路16と接続されている。
電磁開閉器24(第2開閉器)は、閉状態及び開状態に切換可能であり、閉状態及び開状態に応じて主電路23を導通及び遮断する。この導通及び遮断により、第2入出力部70a~70cと第1入出力部71a~71cとの間の導通及び導通遮断が行われる。より詳細には、電磁開閉器24は、閉状態及び開状態に応じて、主電路23を構成する3つの電路のうちの2つの電路(L相電路及びN相電路)を個別に導通及び遮断する。
電磁開閉器24は、主幹ブレーカ132の開状態で、かつ受電コンセント3a(一のコンセント)に接続された分散電源4からの電力が複数のコンセント3のうちの受電コンセント3a以外の他のコンセント3bに供給される状態で、主幹ブレーカ132(第1開閉器)の代わりに、分散電源4から他のコンセント3bへの電力の供給を制御する。電磁開閉部24は、その開状態及び閉状態が切り換わることで、分散電源4から他のコンセント3bへの電力の供給を制御する。
上記の「電力の供給を制御する」とは、電力を供給及び停止することを含む。なお、電磁開閉器24が異常電流(漏電電流、アーク電流又は過電流)を検出し、その検出結果に応じて電磁開閉器24の開状態及び閉状態が切り換わる場合は、そのような切り換わりを上記の「電力の供給を制御する」ことに含めてもよい。また、上記の「主幹ブレーカ132の代わりに」とは、以下の意味である。すなわち、主幹ブレーカ132の開状態では、受電コンセント3aに接続された分散電源4から他のコンセント3bに供給される電力は、主幹ブレーカ132を流れないため、主幹ブレーカ132によって制御することができない。このため、電磁開閉器24が、主幹ブレーカ132の代わりに、その電力の供給を制御するという意味である。
導通検出部25は、分散電源4の接続時及び接続状態で、主幹ブレーカ132を経由する電路(換言すれば主電路11を含む電路)の導通状態に基づいて、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを検出する。より詳細には、導通検出部25は、分散電源4の接続時及び接続状態で、第1入出力部71a~71cと電磁開閉器24との間で主電路23のN相電路とE相電路との間のインピーダンスに基づいて、上記の電路の導通状態を検出する。なお、本実施形態では、主電路23のN相電路とE相電路との間のインピーダンスを検出することは、2つの第1入出力部71b,71cの間のインピーダンスを検出することと同じである。
疑似漏電回路26は、分散電源4の接続状態において主幹ブレーカ132が閉状態である場合に、配電システム1の主電路23を流れる電流を疑似漏電させる。これにより、分電盤13の主電路11(主幹ブレーカ132を経由する電路)を流れる電流が疑似漏電させられる。疑似漏電回路26は、上記の疑似漏電を主幹ブレーカ132の漏電検出回路132aに検出させることで、強制的に主幹ブレーカ132を閉状態から開状態になるように制御する。
疑似漏電回路26は、分散電源4の接続状態で、第1入出力部71a~71cと電磁開閉器24との間で主電路23のL相電路とE相電路とを短絡することで、主電路23を流れる電流に疑似漏電を発生させる。疑似漏電回路26は、リレー26aと、抵抗26bとを備えている。リレー26a及び抵抗26bは、互いに直列接続された状態で、主電路23のL相電路とE相電路との間に接続されている。リレー26aの閉状態及び開状態に応じてL相電路とE相電路との間が導通及び遮断され、導通によってL相電路とE相電路とが短絡する。
第1電圧検出部28は、第1入出力部71a,71bに入力される電圧(すなわち電力系統2側からの電圧)が所定電圧(例えば0V)を超えるか否かを検出する。より詳細には、第1電圧検出部28は、電磁開閉器24の開状態で、電磁開閉器24と第1入出力部71a~71cとの間で主電路23のL相電路とN相電路との間の電圧が所定電圧以上であるか否かを検出する。これにより、電力系統2が停電中であるか復電したかが検出可能である。すなわち、第1電圧検出部28の検出電圧が所定電圧以下である場合は、電力系統2は停電中と判断され、第1電圧検出部28の検出電圧が所定電圧を超える場合は、電力系統2は給電中(復電を含む)と判断される。
第2電圧検出部29(接続検出部)は、第2入出力部70a,70bに入力される電圧(すなわち受電コンセント3aからの電圧)が規定電圧を超えるか否かを検出する。より詳細には、第2電圧検出部29は、電磁開閉器24の開状態で、電磁開閉器24と第2入出力部70a,70bとの間で主電路23のL相電路とN相電路との間の電圧が規定電圧を超えるか否かを検出する。これにより、受電コンセント3aに分散電源4が接続されているか(すなわち分散電源4の接続時又は接続状態であるか)否かが判断可能である。すなわち、第2電圧検出部29の検出電圧が規定電圧を超える場合は、受電コンセント3aに分散電源4が接続されていると判断され、第2電圧検出部29の検出電圧が規定電圧以下である場合は、受電コンセント3aに分散電源4が接続されていないと判断される。なお、受電コンセント3aに分散電源4が接続されていないと判断された場合には、受電コンセント3aに電気機器5が接続されている場合が含まれる。
なお、本実施形態では、各検出部(導通検出部25、第1電圧検出部28及び第2電圧検出部29)は、分散電源4の接続状態で、一定間隔で上記の検出を行う。上記の一定間隔を比較的短い間隔(例えば1秒)とすることで、各検出部は、実質的に分散電源4の接続時に速やかに上記の検出を行うことが可能である。
電源部30は、配電システム1の電源として機能する。電源部30は、第2入出力部70a~70cに入力された分散電源4の出力電圧を所定電圧に降圧して配電システム1の動作電圧とする。
制御部32は、各検出部(導通検出部25、第1電圧検出部28及び第2電圧検出部29)の検出結果に応じて、電磁開閉器24及び疑似漏電回路26を制御する。
より詳細には、制御部32は、主幹ブレーカ132の閉状態でかつ受電コンセント3aに分散電源4が接続されていない場合は、電磁開閉器24を開状態から閉状態に制御する。これにより、電力系統2からの電力が配電システム1を介して受電コンセント3aに供給される。この結果、受電コンセント3aが通常の電源コンセントとして使用可能になる。すなわち、受電コンセント3aに電気機器5が接続されると、受電コンセント3aから電気機器5に電力が供給される。
また、制御部32は、分散電源4の接続時又は接続状態で、主幹ブレーカ132が閉状態であることを導通検出部25が検出した場合は、電磁開閉器24を閉状態から開状態になるように制御する。これにより、配電システム1の主電路23が遮断される。したがって、分散電源4からの電力が配電システム1を通じて分電盤13に出力されることが禁止される。この結果、分散電源4からの電力が電力系統2に逆潮することが防止される。このように、制御部32は、電磁開閉器24の開閉を制御することで、分散電源4から分電盤13への電力の出力(送電)を制御する。
また、制御部32は、分散電源4の接続時又は接続状態で、主幹ブレーカ132が開状態であることを導通検出部25が検出した場合、電磁開閉器24を開状態から閉状態になるように制御する。これにより、配電システム1の主電路23が導通し、分散電源4からの電力が主電路23を通じて分電盤13に出力される。このように、主幹ブレーカ132の開状態で、制御部32は、分散電源4からの電力を分電盤13に出力させる。この結果、分散電源4からの電力が受電コンセント3aから分電盤13内の電路を通じて他のコンセント3bに供給される。
また、制御部32は、分散電源4の接続時又は接続状態で、主幹ブレーカ132が閉状態であることを導通検出部25が検出した場合、疑似漏電回路26を起動するように(すなわちリレー26aを開状態から閉状態になるように)制御する。これにより、分電盤13の主電路11を流れた電流に疑似漏電が発生する。そして、主幹ブレーカ132の漏電検出回路132aが、その疑似漏電を検出することで、主幹ブレーカ132が自動的に閉状態から開状態に切り換わる。すなわち、制御部32は、疑似漏電回路26を起動させて疑似漏電を発生させ、漏電検出回路132aに疑似漏電を検出させることで、主幹ブレーカ132を強制的に閉状態から開状態になるように制御している。
また、制御部32は、分散電源4の接続時又は接続状態で、主幹ブレーカ132が開状態であることを導通検出部25が検出した場合、疑似漏電回路26を停止するように(すなわちリレー26aを開状態に維持するように)制御する。これにより、分電盤13の主電路11を流れた電流に疑似漏電が発生することが禁止される。
より詳細には、制御部32は、分散電源4の接続時又は接続状態で、主幹ブレーカ132が開状態であることを導通検出部25が検出した場合において、第1電圧検出部28の検出電圧が所定電圧(例えば0V)を超える場合は、疑似漏電回路26を起動するように制御し、第1電圧検出部28の検出電圧が所定電圧以下である場合は、疑似漏電回路26を停止するように制御する。
次に図2を参して配電システム1の上記の特徴1について詳しく説明する。
特徴1では、配電システム1は、分散電源4の接続時及び接続状態で、主幹ブレーカ132が開状態である場合のみ、分散電源4からの電力を分電盤13を介して他のコンセント3bに供給する。
より詳細には、導通検出部25は、分散電源4の接続時又は接続状態で、配電システム1の主電路23のN相電路とE相電路との間のインピーダンスが所定値(例えば200Ω)以下であるか否かを検出する。これにより、導通検出部25は、図3に示す経路T1が閉じているか否かを検出し、その検出結果に応じて、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを判断(検出)する。
経路T1は、導通検出部25から順に、主電路23のN相電路の分岐点B2、第1入出力部71b、主電路11のN相電路の分岐点B3、主幹ブレーカ132のN相側リレー、N相電路の分岐点B1、接地点A1、接地点A2、接地端子134、電路16、第1入出力部71c、及び、主電路23のE相電路の分岐点B4を経て導通検出部25に戻る経路である。
経路T1が導通している場合は、導通検出部25が検出するインピーダンスは、概略的に2つの接地点A1,A2での接地抵抗の和の値(例えば110Ω)となる。他方、経路T1が導通していない場合は、導通検出部25が検出するインピーダンスは、無限大になる。このため、導通検出部25が検出するインピーダンスが所定値(例えば200Ω)以下である場合は、導通検出部25は、経路T1は導通している(すなわち主幹ブレーカ132は閉状態である)と判断する。また、導通検出部25は、導通検出部25が検出するインピーダンスが所定値を超える場合は、経路T1は導通していない(すなわち主幹ブレーカ132は開状態である)と判断する。
より詳細には、導通検出部25は、配電システム1の主電路23のN相電路とE相電路との間に所定電圧(数V程度の電圧)を印加する。そして、導通検出部25は、その印加の際に、N相電路とE相電路との間に流れる電流を検出する。そして、導通検出部25は、検出した電流に基づいて、主電路23のN相電路とE相電路との間のインピーダンスが所定値以下であるか(すなわち主幹ブレーカ132を経由する電路11,23が導通しているか)否かを検出する。なお、この検出時は、電磁開閉器24は、制御部32によって開状態に制御されていることが望ましい。
なお、主幹ブレーカ132の漏電検出回路132aは、分電盤13内の主電路11のL1相電路とL2相電路との間の電圧(200V)で起動する。このため、漏電検出回路132aは、導通検出部25の検出時の電圧印加、及び、分散電源4の出力電圧によって、漏電検出回路132aは起動しない。
また、導通検出部25の検出が比較的短い一定間隔(例えば1秒間隔)で繰り返し行われることで、手動で主幹ブレーカ132が開状態から閉状態に切り換えられた場合、速やかに主幹ブレーカ132の閉状態を検出可能である。
そして、主幹ブレーカ132が閉状態である場合は、仮に電磁開閉器24が閉状態であるとすると、分散電源4の接続状態において、分散電源4からの電力が電力系統2に逆潮する可能性がある。このため、この場合は、電磁開閉器24は、制御部32によって開状態に維持される。これにより、分散電源4の接続状態において、分散電源4からの電力が分電盤13を介して他のコンセント3bに供給されることが遮断される。他方、主幹ブレーカ132が開状態である場合は、分散電源4の接続状態において仮に電磁開閉器24が閉状態であっても、分散電源4からの電力が電力系統2に逆潮する可能性が無い。このため、この場合は、電磁開閉器24は、制御部32によって開状態から閉状態になるように制御される。これにより、分散電源4の接続状態において、分散電源4からの電力が分電盤13を介して他のコンセント3bに供給される。
次に図4を参照して配電システム1の上記の特徴2について詳しく説明する。
特徴2では、配電システム1は、分散電源4の接続時及び接続状態で、主幹ブレーカ132が閉状態である場合、主幹ブレーカ132を強制的に閉状態から開状態になるように制御する。
例えば、電力系統2の給電中(復電後を含む)に、主幹ブレーカ132が手動で開状態から閉状態に切り換えられると、主幹ブレーカ132の漏電検出回路132aが起動する。この場合、配電システム1の疑似漏電回路26は、図4に示す経路T2(すなわち主幹ブレーカ132を経由する電路)を流れる電流を疑似漏電させ、この疑似漏電を漏電検出回路132aに検出させる。漏電検出回路132aが疑似漏電を検出すると、主幹ブレーカ132は自動的に閉状態から開状態に切り換わる。このように、配電システム1は、漏電検出回路132aが起動している場合は、疑似漏電回路26によって疑似漏電を発生させ、漏電検出回路132aに疑似漏電を検出させることで、主幹ブレーカ132を強制的に閉状態から開状態になるように制御する。
なお、経路T2は、柱上トランス6の2次コイルの下端B5から順に、主電路11のL2相電路の分岐点B6、分岐点B6に接続された枝電路12のL側の電路、第1入出力部71a、配電システム1の主電路23のL相電路の分岐点B7、抵抗26b、リレー26a、主電路23のE相電路の分岐点B8、第1入出力部71c、電路16、接地端子134、接地点A2、接地点A1、主電路11のN相電路の分岐点B1、2次コイル62の中央点、及び2次コイル62の下端B5に至る経路である。
より詳細には、本実施形態では、分散電源4の接続時及び接続状態で、導通検出部25が、主幹ブレーカ132が閉状態であることを検出する。そして、この検出結果に応じて、制御部32が、疑似漏電回路26を起動するように(すなわちリレー26aを開状態から閉状態になるように)制御する。
なお、本実施形態では、上述のように、疑似漏電回路26は、導通検出部25の検出結果に応じて起動(動作)される。ただし、疑似漏電回路26を、導通検出部25の検出結果に依らず、常時、動作させてもよい。すなわちリレー26aを常時、閉状態に維持していてもよい。この場合は、分散電源4の接続状態かつ電磁開閉器24の閉状態において、電力系統2の給電中(復電後を含む)に主幹ブレーカ132が開状態から閉状態に切り換えられると、電力系統2からの電力供給と、分散電源4からの電力供給とが併行して行われる。しかし、漏電検出回路132aが疑似漏電回路26による疑似漏電を検出することで、速やかに主幹ブレーカ132が閉状態から開状態に切り換えられて電力系統2からの電力供給が遮断される。
上記の場合(すなわちリレー26aを常時閉状態に維持しかつ電磁開閉器24が閉状態である場合)は、配電システム1の主電路23のE相電路の電位が上昇する場合がある。このため、E相電路の電位が規定電位以上にならないように、抵抗26bの値を設定することが望ましい。
なお、疑似漏電回路26のリレー26aは、電磁開閉器24が開状態のときは、開状態に制御されることが望ましい。
次に図5のフローチャートを参照して配電システム1の動作を説明する。なお、以下の説明において、Sn(n=1、2、…)は、図5のフローチャートにおける各ステップを示している。
電力系統2で停電が発生する(S1のYes)。この状況で、利用者は、手動で主幹ブレーカ132を閉状態から開状態に切り換えた後(S2)、又は主幹ブレーカ132を閉状態に放置して(S3)、中継ケーブル60を介して分散電源4を受電コンセント3aに接続する(S4)。そして、分散電源4の接続後、利用者が分散電源4を起動させる(S5)。これにより、分散電源4からの電力(電圧)が受電コンセント3aに入力される。そして、この入力電圧に基づいて、配電システム1の第2電圧検出部29が、受電コンセント3aに分散電源4が接続されていることを検出する(S6)。より詳細には、第2電圧検出部29は、電磁開閉器24の開状態で第2入出力部70a,70bの間の電圧(すなわち主電路23のL相電路とN相電路の間の電圧)が規定電圧を超えるか否かの検出を行っている。そして、第2電圧検出部29は、第2入出力部70a,70bの間の電圧が規定電圧を超えることを検出することで、受電コンセント3aに分散電源4が接続されていることを検出する。
そして、配電システム1の導通検出部25が、配電システム1の主電路23のN相電路とE相電路との間のインピーダンスに基づいて、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを検出する(S7)。この検出の結果、主幹ブレーカ132が開状態である場合(S7のYes)は、配電システム1の制御部32は、電磁開閉器24を開状態から閉状態になるように制御する(S8)。これにより、分散電源4からの電力が配電システム1を経由して分電盤13に出力される。この結果、分散電源4からの電力が、受電コンセント3aから分電盤13の内部の電路を流れて他のコンセント3bに供給される。これにより、分散電源4からの電力が他のコンセント3bに接続された電気機器5に供給される。このように、電力系統2の停電時でも、電気機器5を他のコンセント3bに接続して使用することができる。
そして、配電システム1の第2電圧検出部29は、分散電源4が受電コンセント3aに接続されているか否か(換言すれば分散電源4が受電コンセント3aから外されたか否か)の検出を行う(S9)。そして、利用者が分散電源4を受電コンセント3aから取り外すと、第2電圧検出部29がその取り外しを検出する(S9のYes)。このとき、配電システム1の導通検出部25が主幹ブレーカ132の閉状態を検出している場合(S10のYes)は、制御部32は、電磁開閉器24を閉状態になるように制御する(S11)。これにより、電力系統2からの電力が配電システム1を介して受電コンセント3aに出力可能となり、受電コンセント3aが電源コンセントとして使用可能になる。これにより、電力系統2が復旧(復電)したときに、電気機器5を受電コンセント3aに接続して使用可能になる。そして、処理が終了する。
他方、ステップS10で、導通検出部25が主幹ブレーカ132の開状態を検出している場合(S10のNo)は、処理がステップS4に戻り、ステップS4以降の処理が実行される。他方、ステップS9で、分散電源4が受電コンセント3aから取り外されていない場合(S9のNo)は、処理がステップS7に戻り、ステップS7以降の処理が実行される。
他方、ステップS7の検出の結果、主幹ブレーカ132が開状態でない(すなわち閉状態である)場合(S7のNo)は、配電システム1の制御部32は、電磁開閉器24を閉状態から開状態になるように制御する(S12)。これにより、分散電源4からの電力の受電コンセント3aから分電盤13への出力が遮断される。この結果、分散電源4からの電力が主幹ブレーカ132を通じて電力系統2に逆潮することを防止できる。
そして、配電システム1の制御部32は、第1電圧検出部28の検出結果(第1入出力部71a,71bの間の電圧)が所定値を超える否かを検出する(S13)。そして、第1電圧検出部28が検出する電圧が所定値を超える場合(S13のYes)は、制御部32は、電力系統2の給電中(復電後を含む)でかつ主幹ブレーカ132の漏電検出回路132aは起動していると判断して、疑似漏電回路26を起動させる。すなわち制御部32は、リレー26aを開状態から閉状態になるように制御する(S14)。この結果、図3に示す経路T2を流れる電流に疑似漏電が発生し、漏電検出回路132aは、疑似漏電を検出することで、主幹ブレーカ132を閉状態から開状態になるように制御する。この後、処理はS7,S8と順に進み、分散電源4からの電力が他のコンセント3bに供給される。ステップS14で主幹ブレーカ132が開状態にされることで、分散電源4からの電力が主幹ブレーカ132を介して電力系統2に逆潮することが防止される。
また、ステップS1で、停電が発生していない場合(S1のNo)は、主幹ブレーカ132は閉状態であるため、配電システム1の制御部32によって主幹ブレーカ132の閉状態が維持される(S15)。そして、配電システム1の第2電圧検出部29が、受電コンセント3aに分散電源4が接続されているか否かの検出を行う。この結果、受電コンセント3aに分散電源4が接続されている場合(S16のYes)は、処理がステップS12に戻り、ステップS12以降の処理が実行される。他方、受電コンセント3aに分散電源4が接続されていない場合(S16のNo)は、制御部32が電磁開閉器24を開状態から閉状態になるように制御する(S17)。これにより、電力系統2からの電力が配電システム1を介して受電コンセント3aに出力可能となり、受電コンセント3aが電源コンセントとして使用可能になる。これにより、電気機器5を受電コンセント3aに接続して使用可能になる。処理が終了する。
このように、主幹ブレーカ132が開状態から閉状態に切り換えられた場合(S12)において、第1電圧検出部28が検出する電圧が所定値を超える場合(S13のYes)は、電力系統2の給電中(復電後を含む)で、電力系統2からの電圧によって主幹ブレーカ132の漏電検出回路132aが起動している。このため、制御部32は、疑似漏電回路26を起動させて疑似漏電を流すことで、主幹ブレーカ132の漏電検出回路132aの機能を利用して、主幹ブレーカ132を強制的に開状態から閉状態になるように制御している。
そして、処理がステップS14からステップS7に戻り、ステップS7以降の処理が実行される。これにより、配電システム1の導通検出部25が、主幹ブレーカ132が開状態であることを検出すると(S7のYes)、配電システム1の制御部32が、電磁開閉器24を開状態から閉状態になるように制御する(S8)。これにより、分散電源4からの電力が電力系統2に逆潮することを防止して、分散電源4からの電力が、配電システム1及び分電盤13を経由して他のコンセント3bに供給される。
他方、ステップS13で、第1電圧検出部28が検出する電圧が所定値以下である場合(S13のNo)は、制御部32は、電力系統2は停電中(すなわち復電していない)と判断する。すなわち、制御部32は、ステップS7における主幹ブレーカ132の開状態から閉状態への切り換わりは、利用者の誤操作であると判断する。そして、処理がステップS2に戻り、ステップS2以降の処理が実行される。これにより、配電システム1の制御部32は、例えば利用者が手動で主幹ブレーカ132を閉状態から開状態に切り換えた後(S2)、各処理(S4~S7)を経て、電磁開閉器24を開状態から閉状態になるように制御する(S8)。これにより、分散電源4からの電力が電力系統2に逆潮することを防止して、分散電源4からの電力が、配電システム1及び分電盤13を経由して他のコンセント3bに供給される。
(主要な効果)
以上、本実施形態の配電システム1は、電磁開閉器24(第2開閉器)を備える。電磁開閉器24は、電力系統2と複数のコンセント3とを繋ぎかつ電力系統2と複数のコンセント3との間に主幹ブレーカ132(第1開閉器)が設けられた電路において、主幹ブレーカ132と受電コンセント3aとの間に設けられている。受電コンセント3aは、複数のコンセント3のうちの一のコンセントである。主幹ブレーカ132の開状態で、かつ受電コンセント3aに接続された分散電源4からの電力が複数のコンセント3のうちの受電コンセント3a以外の他のコンセント3bに供給される状態で、電磁開閉器24は、分散電源4から他のコンセント3bへの電力の供給を制御する。
この構成によれば、停電などで主幹ブレーカ132が開状態である場合、受電コンセント3aに分散電源4を接続して分散電源4からの電力を他のコンセント3bに供給することで、非停電時と同様に、他のコンセント3bを電源コンセントとして使用可能である。その際、電磁開閉器24によって、分散電源4から他のコンセント3bへの電力の供給を制御することができる。これにより、漏電などの異常電流による事故を抑制できる。
(変形例)
上記の実施形態の変形例を説明する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
(変形例1)
上記の実施形態では、特に説明されていないが、受電コンセント3aは、筐体を有し、筐体内に各種構成部品(3つの極など)を収容している。また、分電盤13も、筐体を有し、筐体内に各種構成部品(開閉接点及び漏電検出回路132aなど)を収容している。上記の実施形態において、配電システム1のうちの少なくとも電磁開閉器24は、受電コンセント3a(一のコンセント)と同一の筐体に収容されてもよいし、又は、主幹ブレーカ132(第1開閉器)と同一の筐体に収容されてもよい。これにより、配電システム1のうちの少なくとも電磁開閉器24を、受電コンセント3a又は主幹ブレーカ132に内蔵することができる。
(変形例2)
上記の実施形態では、受電コンセント3aは、分散電源4及び電気機器5の何れもが接続可能である。すなわち、非停電時(主幹ブレーカ132の閉状態のとき)に受電コンセント3aに電気機器5を接続すれば、受電コンセント3aを、電気機器5に電力を供給する電源コンセントして使用可能である。他方、停電時(主幹ブレーカ132の開状態のとき)に受電コンセント3aに分散電源4を接続すれば、分散電源4からの電力を受電コンセント3aから他のコンセント3bに供給して他のコンセント3bを電源コンセントとして使用可能にする。
ただし、受電コンセント3aを、分散電源4のみを接続する分散電源専用のコンセントとしてもよい。この場合は、主幹ブレーカ132が閉状態(非停電時)である場合は、電磁開閉器24は、制御部32によって常に開状態に制御される。すなわち、この場合は、電磁開閉器24の制御が簡易になる。このように、主幹ブレーカ132が閉状態(非停電時)である場合は、電磁開閉器24は、制御部32によって常に開状態に制御される。これにより、主幹ブレーカ132の閉状態(非停電時)で分散電源4が受電コンセント3aに接続されても、分散電源4からの電力が逆潮流することを防止できる。しかし、この場合は、非停電時に、受電コンセント3aに電気機器5を接続しても、受電コンセント3aから電気機器5に電力が供給されない。このため、受電コンセント3aが分散電源専用のコンセントとして使用される場合は、受電コンセント3aは、非停電時に電源コンセントとして使用できなくなる。
(変形例3)
上記の実施形態では、導通検出部25は、第1入出力部71b,71cの間のインピーダンス(すなわち主電路23のN相極とE相極との間のインピーダンス)が所定値を超えるか否かに基づいて、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを検出する。ただし、導通検出部25は、第1入出力部71a,71cの間のインピーダンス(すなわち主電路23のL相極とE相極との間のインピーダンス)が所定値を超えるか否かに基づいて、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを検出してもよい。また、導通検出部25は、第1入出力部71a,71bの間のインピーダンス(すなわち主電路23のL相極とN相極との間のインピーダンス)が所定値を超えるか否かに基づいて、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを検出してもよい。
(変形例4)
上記の実施形態では、導通検出部25は、第1入出力部71b,71cの間のインピーダンス(すなわち主電路23のN相極とE相極との間のインピーダンス)が所定値を超えるか否かに基づいて、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを検出する。ただし、図6に示すように、系統配電システム10は、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを検出する検出器40(外部装置)を備えてもよい。この場合は、導通検出部25は、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを表す開閉信号を検出器40から取得し、取得した開閉信号に基づいて、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを検出してもよい。この場合、導通検出部25及び検出器40は、互いに通信(例えば無線通信)を行う通信機能を有し、それらの通信機能を用いて上記の開閉信号の送受を行う。なお、本変形例では、上記の通信機能は、無線通信を行うことを想定するが、有線通信を行ってもよい。
(変形例5)
上記の実施形態では、導通検出部25は、第1入出力部71b,71cの間のインピーダンス(すなわち主電路23のN相極とE相極との間のインピーダンス)が所定値を超えるか否かに基づいて、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを検出する。ただし、図7に示すように、配電システム1は、利用者による開閉情報の入力を受け付ける操作入力部50を備えてもよい。この場合は、導通検出部25は、操作入力部50に入力された開閉情報に基づいて、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを検出してもよい。上記の開閉情報とは、主幹ブレーカ132が開状態であるか否かを表す情報である。操作入力部50は、例えば、壁の表面など、人が操作可能な場所に配置されている。
(変形例6)
変形例5において、図7に示すように、配電システム1の主電路23に漏電ブレーカ33(保護遮断部)を更に備えてもよい。漏電ブレーカ33は、開状態及び閉状態に切換可能であり、開状態及び閉状態に応じて主電路23を遮断及び導通する。図7の例では、漏電ブレーカ33は、主電路23に含まれる2つの電路(L相電路及びN相電路)を遮断及び導通する。なお、主電路23のうち、E相電路は、接地される接地線であり、L相電路及びN相電路は、接地線ではない非接地線である。漏電ブレーカ33は、主電路23(例えばL相電路又はN相電路)に流れる電流を検出する。この検出によって、漏電ブレーカ33は、受電コンセント3a(一のコンセント)に接続された枝電路12の異常(例えば、漏電、短絡及び地絡)の検出を行う。そして、漏電ブレーカ33は、この検出の結果に応じて、第2入出力部70a~70cと第1入出力部71a~71cとの間の主電路23(電路)を導通及び遮断する。漏電ブレーカ33は、主電路23に規定値未満の電流が流れる場合は閉状態になって主電路23を導通し、主電路23に規定値以上の電流(例えば地絡電流、漏電電流及び短絡電流)が流れると開状態になって主電路23を遮断する。
なお、漏電ブレーカ33は、手動で開状態及び閉状態の切り換えが可能であってもよい。漏電ブレーカ33は、例えば、主電路23における電磁開閉器24と第1入出力部71a~71cとの間に設けられている。漏電ブレーカ33は、主電路23の3つの電路のうちのL相電路及びE相電路を個別に導通及び遮断する。漏電ブレーカ33により、分散電源4の接続状態で系統配電システム10の内部で漏電又は短絡があった場合に、配電システム1の内部回路を漏電電流又は短絡電流から保護することができる。
なお、本変形例は変形例3に適用する場合を例示するが、上記の実施形態又は他の変形例にも適用可能である。
(変形例7)
変形例6では、漏電ブレーカ33(保護遮断部)は、主電路23における電磁開閉器24と第1入出力部71a~71cとの間に設けられる。ただし、図8に示すように、漏電ブレーカ33は、主電路23における電磁開閉器24と第2入出力部70a~70cとの間に設けられてもよい。本変形例の漏電ブレーカ33は、変形例4の漏電ブレーカ33と同様に構成されている。
図8に示すように、漏電ブレーカ33は、受電コンセント3a(一のコンセント)と接続された枝電路12の異常(例えば地絡)の検出を行う。そして、漏電ブレーカ33は、この検出の結果に応じて、第1入出力部71a~71cと第2入出力部70a~70cとの間の主電路23(電路)を導通及び遮断する。より詳細には、漏電ブレーカ33は、主電路23(例えばL相電路又はN相電路)に流れる電流に基づいて、受電コンセント3aと接続された枝電路12の異常の検出を行う。なお、枝電路12は、L相電路及びN相電路で構成されている。漏電ブレーカ33は、主電路23に含まれるL相電路及びE相電路(すなわち接地線)を個別に導通及び遮断する。漏電ブレーカ33は、主電路23に規定値未満の電流が流れる場合(すなわち漏電ブレーカ33が地絡電流を検出しない場合)は、閉状態になって主電路23を導通する。また、漏電ブレーカ33は、主電路23に規定値以上の電流が流れる場合(すなわち漏電ブレーカ33が地絡電流を検出する場合)は、開状態になって主電路23を遮断する。
分散電源4は、出力部4aの3極(すなわちL相電極、N相電極及びE相電極)及び交流電源4cの他に、接地端子4bを有する。交流電源4cの2つの出力端のうち、一方の出力端は上記のL相電極に接続され、他方の出力端は上記のN相電極及びE相電極に接続されている。接地端子4bは、分散電源4の出力部4aの3極の何れかの電極(例えばN相電極及びE想電極)に接続されている。また、接地端子4bは、接地されている。
ここで、分散電源4の接続状態において、受電コンセント3aに接続された枝電路12(例えばL相電路)が導電物体200を介して地絡する場合を考える。例えば、生き物である導電物体200が枝電路12のL相電路に接触することで、L相電路が地絡する場合を考える。この場合、図8に示すように、受電コンセント3aに接続された枝電路12のL相電路から導電物体200を介して大地へと地絡電流Iaが流れる。この地絡電流Iaは、大地から分散電源4の接地端子4bを通って分散電源4の内部に流れる。そして、この地絡電流Iaは、接地端子4bから分散電源4内の3つの電路の何れかの電路(例えばN相電極)に流れ、出力部4aに接続された中継ケーブル60及び受電コンセント3aを流れて、配電システム1の主電路23(例えばN相電路)に流れる。なお、分散電源4から受電コンセント3aに電力が供給される状態であるため、電磁開閉器24は閉じている。
漏電ブレーカ33は、主電路23のN相電路に流れる地絡電流Iaを検出すると、開状態になって主電路23(例えばE相電路及びL相電路)を遮断する。これにより、受電コンセント3aに接続された枝電路12で発生する地絡(異常)から、配電システム1を保護することができる。
このように、受電コンセント3aに接続された枝電路12が地絡した場合において、分散電源4の接地端子4bが接地されている場合は、地絡電流Iaが配電システム1の主電路23の非接地線に流れる。このため、漏電ブレーカ33によって非接地線に流れる地絡電流Iaを検出することで、上記の地絡を検出可能である。
なお、本変形例は、変形例4と同様に、変形例3に適用する場合を例示するが、上記の実施形態又は他の変形例にも適用可能である。
(変形例8)
変形例7では、分散電源4の接地端子4bが接地された場合において地絡を検出する場合を例示するが、本変形例では、分散電源4の接地端子4bが接地されない場合において地絡を検出する場合を例示する。
図9に示すように、本変形例の配電システム1は、変形例7の配電システム1において、電流検出部34を更に備える。電流検出部34は、配電システム1の主電路23に含まれるE相電路(接地線)に流れる電流を検出する。
本変形例の漏電ブレーカ33(保護遮断部)は、変形例5で説明した異常の検出に加えて、更に、電流検出部34の検出結果に基づいて、受電コンセント3a(一のコンセント)に接続された枝電路12の異常(例えば地絡)の検出を行う。より詳細には、漏電ブレーカ33は、電流検出部34の検出値が規定値未満の電流値である場合(すなわち電流検出部34が地絡電流を検出しない場合)は、閉状態になって主電路23を導通する。また、漏電ブレーカ33は、電流検出部34の検出値が規定値以上の電流値である場合(すなわち電流検出部34が地絡電流を検出する場合)は、開状態になって主電路23を遮断する。
ここで、分散電源4の接続状態において、受電コンセント3aに接続された枝電路12(例えばL相電路)が導電物体200を介して地絡する場合を考える。例えば、生き物である導電物体200が枝電路12のL相電路に接触することで、L相電路が地絡する場合を考える。この場合、図9に示すように、枝電路12のL相電路から導電物体200を介して大地に地絡電流Ibが流れる。この地絡電流Ibは、大地から受電コンセント3aのE相電極に流れる。そして、この地絡電流Ibは、受電コンセント3aのE相電極から、配電システム1の第2入出力部70cを介して主電路23のE相電路を流れ、第1入出力部71cから電路16を通って接地端子134に流れる。
電流検出部34が配電システム1の主電路23のE相電路に流れる地絡電流Ibを検出すると、漏電ブレーカ33は、開状態になって主電路23のE相電路及びL相電路を遮断する。これにより、受電コンセント3aに接続された枝電路12で発生する地絡(異常)から、配電システム1を保護することができる。
このように、受電コンセント3aに接続された枝電路12が地絡した場合において、分散電源4の接地端子4bが接地されていない場合は、地絡電流Ibが配電システム1の主電路23の接地線を流れる。このため、電流検出部34によって接地線に流れる地絡電流Ibを検出することで、上記の地絡を検出可能である。
(変形例9)
変形例7及び変形例8では、受電コンセント3aに接続された枝電路12で発生する異常を検出する場合を例示するが、変形例7では、図10に示すように、受電コンセント3aに接続された枝電路12の半断線時に発生するアーク36を検出する場合を例示する。なお、半断線とは、2つの電路のうちの一方の電路が断線することである。図10の例では、枝電路12のうちの一方の電路(例えばL相電路)が断線し、その断線箇所でアーク36が発生する場合を例示する。
図10に示すように、本変形例の配電システム1は、変形例7の配電システム1において、漏電ブレーカ33の代わりに、アーク検出ブレーカ35(保護遮断部)を備える。アーク検出ブレーカ35は、配電システム1の主電路23(例えばL相電路又はN相電路)に流れる電流の波形に基づいて、受電コンセント3aに接続された枝電路12が半断線し、その半断線箇所でアーク36が発生したか否かの検出を行う。
より詳細には、枝電路12が半断線し、その半断線箇所にアーク36が発生したときに主電路23に流れる電流(アーク電流)の波形(異常波形)は、枝電路12が半断線していないときに主電路23に流れる電流の波形(正常波形)と異なる。このため、アーク検出ブレーカ35は、予め、アーク電流の波形(異常波形)を参照用波形として記憶している。そして、アーク検出ブレーカ35は、主電路23に流れる電流の波形が参照用波形と合致する場合(すなわち主電路23に流れる電流の波形が異常波形である場合)に、この合致をもって、枝電路12が半断線しその断線箇所でアーク36が発生したことを検出する。
アーク検出ブレーカ35は、主電路23(例えばL相電路又はN相電路)に流れる電流の波形が正常波形である場合(すなわち枝電路12が半断線せずアーク36が発生していない場合)は、閉状態になって主電路23を導通する。また、アーク検出ブレーカ35は、主電路23に流れる電流の波形が異常波形である場合(すなわちアーク36が発生した場合)は、開状態になって主電路23を遮断する。これにより、受電コンセント3aに接続された枝電路12の半断線、及びこの半断線の箇所で発生するアークから、配電システム1を保護することができる。
なお、本変形例では、受電コンセント3aに接続された枝電路12の半断線箇所に発生するアーク(シリーズアーク)を検出する。ただし、受電コンセント3aに接続された枝電路12の2つの電路(L相電路及びN相電路)間の短絡時に発生するアーク(シリアルアーク)も、検出してもよい。
また、本変形例では、アーク検出ブレーカ35は、主電路23に流れる電流の波形に基づいてアーク36の検出を行うが、主電路23に発生する電圧の波形に基づいてアーク36の検出を行ってもよい。
(変形例10)
上記の実施形態では、複数のコンセント3は全て、建物の壁に設けられる壁コンセントを想定する。壁コンセントとは、屋内配線を経由したコンセントである。屋内配線とは、枝電路12における分岐ブレーカ133とコンセント3との間の電路部分である。ただし、複数のコンセント3は、壁コンセントでないコンセントとして、分電盤コンセントを含んでもよい。分電盤コンセントは、分電盤13に設けられており、屋内配線が省略されたコンセントである。この場合、配電システム1は、分電盤コンセントに内蔵されてもよい。すなわち、この場合は、分電盤コンセントが受電コンセント3aになる。
(その他の変形例)
上記の実施形態では、配電システム1の制御部32は、逆潮防止のために、主幹ブレーカ132を閉状態から開状態に制御する。ただし、スマートメータ14が主電路11を開閉する開閉器を備える場合は、制御部32は、逆潮防止のために、主幹ブレーカ132の代わりにスマートメータ14の開閉器を閉状態から開状態に制御してもよい。この場合は、スマートメータ14の開閉器が第1開閉器となる。
また、上記の実施形態では、配電システム1は、更に、第2入出力部70a,70bに入力される電流(すなわち分散電源4の出力電流)を検出する電流検出部を備えてもよい。この場合、制御部32は、電流検出部の検出電流が規定電流を超える場合、受電コンセント3aに分散電源4が接続されていると判断し、電流検出部の検出電流が規定電流を超えない場合、受電コンセント3aに分散電源4が接続されていないと判断してもよい。
(まとめ)
以上説明した実施形態及び変形例から明らかなように、以下の態様を取り得る。
第1の態様の配電システム(1)は、第2開閉器(24)を備える。第2開閉器(24)は、電力系統(2)と複数のコンセント(3)とを繋ぎかつ電力系統(2)と複数のコンセント(3)との間に第1開閉器(132)が設けられた電路(11,12)において第1開閉器(132)と複数のコンセント(3)のうちの一のコンセント(3a)との間に設けられている。第1開閉器(132)の開状態で、かつ一のコンセント(3a)に接続された分散電源(4)からの電力が複数のコンセント(3)のうちの一のコンセント(3a)以外の他のコンセント(3b)に供給される状態で、第2開閉器(24)は、分散電源(4)から他のコンセント(3b)への電力の供給を制御する。
この構成によれば、第1開閉器(132)の開状態で一のコンセント(3a)に分散電源(4)からの電力を入力して他のコンセント(3b)に供給するとき、第2開閉器(24)によって、分散電源(4)から他のコンセント(3b)への電力の供給を制御することができる。
第2の態様の配電システム(1)では、第1の態様において、第1開閉器(132)の閉状態で、第2開閉器(24)は開状態である。
この構成によれば、第1開閉器(132)の閉状態で一のコンセント(3a)に分散電源(4)からの電力が入力された場合、第2開閉器(24)によって分散電源(4)からの電力の入力が遮断される。これにより、分散電源(4)からの電力供給と電力系統(2)からの電力供給とが同時に行われることを防止できる。この場合、第1開閉器(132)の閉状態(例えば非停電時)では、第2開閉器(24)が開状態であるため、一のコンセント(3a)を電源コンセントとして使用できない。このため、この場合は、一のコンセント(3a)は分散電源専用のコンセントになる。
第3の態様の配電システム(1)は、第1の態様において、一のコンセント(3a)に分散電源(4)が接続されているか否かを検出する接続検出部(29)を備える。第1開閉器(132)の閉状態でかつ一のコンセント(3a)に分散電源(4)が接続されていない場合は、第2開閉器(24)は、開状態から閉状態に切り替わる。
この構成によれば、第1開閉器(132)の閉状態でかつ一のコンセント(3a)に分散電源(4)が接続されていない場合は、一のコンセント(3a)を通常の電源コンセントとして使用できる。なお、通常の電源コンセントとは、電気機器が接続されると、電気機器に電力を供給するコンセントである。
第4の態様の配電システム(1)では、第1~第3の態様の何れか1つにおいて、第1開閉器(132)は、電路(11)に異常な電流が流れた場合に電路(11)を遮断する機能を有する。
この構成によれば、第1開閉器(132)が異常電流検出機能付きの開閉器である場合に、本願発明を適用できる。
第5の態様の配電システム(1)では、第1~第4の態様の何れか1つにおいて、第2開閉器(24)は、電路(23)に異常な電流が流れた場合に電路(23)を遮断する機能を有する。
この構成によれば、第2開閉器(24)による分散電源(4)から他のコンセント(3b)への電力供給の制御として、電路(23)に異常な電流が流れた場合に電力供給を停止できる。すなわち、異常電流から配電システム(1)を保護できる。
第6の態様の配電システム(1)では、第1~第5の態様の何れか1つにおいて、一のコンセント(3a)は、接地極(E相極)を含む3極のコンセントである。
この構成によれば、分散電源(4)として、接地極を含む3極の出力部(4a)を有する分散電源を一のコンセント(3a)に接続可能である。
第7の態様の配電システム(1)では、第1~第6の態様の何れか1つにおいて、第2開閉器(24)は、一のコンセント(3a)と同一の筐体に収容されている。
この構成によれば、第2開閉器(24)を一のコンセント(3a)に内蔵できる。
第8の態様の配電システム(1)は、第1~第7の態様の何れか1つにおいて、開閉器は、第2開閉器(24)と同一の筐体に収容されている。
この構成によれば、第2開閉器(24)を第1開閉器(132)に内蔵できる。
第9の態様の電源システム(70)は、第1~第8の態様の何れか1つの配電システム(1)と、分散電源(4)と、を備える。
この構成によれば、配電システム(1)と分散電源(4)とを含む電源システム(70)を提供できる。
1 配電システム
2 電力系統
3 コンセント
3a 受電コンセント(一のコンセント)
3b 他のコンセント
4 分散電源
11,23 主電路(電路)
24 電磁開閉器(第2開閉器)
29 第2電圧検出部(接続検出部)
70 電源システム
132 主幹ブレーカ(第1開閉器)

Claims (9)

  1. 電力系統と複数のコンセントとを繋ぎかつ前記電力系統と前記複数のコンセントとの間に第1開閉器が設けられた電路において前記第1開閉器と前記複数のコンセントのうちの一のコンセントとの間に設けられた第2開閉器を備え、
    前記第1開閉器の開状態で、かつ前記一のコンセントに接続された分散電源からの電力が前記複数のコンセントのうちの前記一のコンセント以外の他のコンセントに供給される状態で、前記第2開閉器は、前記分散電源から前記他のコンセントへの電力の供給を制御する、
    配電システム。
  2. 前記第1開閉器の閉状態で、前記第2開閉器は開状態である、
    請求項1に記載の配電システム。
  3. 前記一のコンセントに前記分散電源が接続されているか否かを検出する接続検出部を備え、
    前記第1開閉部の閉状態でかつ前記一のコンセントに前記分散電源が接続されていない場合は、前記第2開閉器は、開状態から閉状態に切り替わる、
    請求項1に記載の配電システム。
  4. 前記第1開閉器は、前記電路に異常な電流が流れた場合に前記電路を遮断する機能を有する、
    請求項1~3の何れか1項に記載の配電システム。
  5. 前記第2開閉部は、前記電路に異常な電流が流れた場合に前記電路を遮断する機能を有する、
    請求項1~4の何れか1項に記載の配電システム。
  6. 前記一のコンセントは、接地極を含む3極のコンセントである、
    請求項1~5の何れか1項に記載の配電システム。
  7. 前記第2開閉器は、前記一のコンセントと同一の筐体に収容されている、
    請求項1~6に記載の配電システム。
  8. 前記開閉器は、前記第2開閉器と同一の筐体に収容されている、
    請求項1~7に記載の配電システム。
  9. 請求項1~8の何れか1項に記載の配電システムと、
    前記分散電源と、を備える、
    電源システム。
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