JP2022023390A - 検査システム、検査方法、及び検査プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
加工機械は、少なくとも1つの電動機が軸を駆動して工作物を加工する。
数値制御装置は、加工プログラムに基づき加工機械の軸を駆動するための指令を生成する。
仮判定部は、前記内部情報としきい値との比較結果に基づいて工作物の良否を判定する。
最終判定部は、生産された工作物を測定した測定結果に基づいて当該工作物の良否を判定する。
しきい値更新部は、仮判定部、及び最終判定部の判定結果に基づいて、仮判定部の判定に用いられるしきい値を更新する。
[検査システム1の構成]
図1は、一実施形態の検査システム1の構成、及び制御部12の機能構成を示すブロック図である。
検査システム1は、図1に示すように、検査装置10と、測定器11と、を備える。検査装置10は、コンピューターであり、CPU(Central Processing Unit)等により構成された制御部12と、メモリーまたはハードディスク等の記録回路により構成された記憶部13とを備える。
測定器11は、対象物21及び22の特徴と相関を有する物理量を計測できるものであればよい。本実施形態では、測定器11は、対象物21及び22で反射された光に含まれる複数波長の光のそれぞれの光強度を測定する、分光測定装置である。測定器11は、具体的には、測色計、RGBカメラ、マルチバンド光量計またはマルチバンドカメラ等により構成されている。
本実施形態では、第二対象物22が良品であるか不良品であるかを判別することを目的とする。そのため、第一対象物21として、良品であると予め確認されている複数の第一対象物21からなる良品群と、不良品であると予め確認されている複数の第一対象物21からなる不良品群とを用意する。
制御部12は、パラメーター学習処理では、第二対象物22を検査する前に、当該検査に使用する特徴量パラメーター、及び判別パラメーターを学習し、特徴量パラメーターを特徴量パラメーター保存部41に保存するとともに、判別パラメーターを判別パラメーター保存部42に保存する。
また、学習用の特徴量、検査用の特徴量を区別するため、学習用の特徴量を第一特徴量(事前特徴量)と称する。また、検査用の特徴量を第二特徴量と称する。
測定環境などが変動することにより、図6に示すように、工作物の特性が全体的に変動した場合、特許文献1の加工機械システムでは、仮判定部が判定処理に用いる内部情報のしきい値を、生産初期に用いられたもの(図6に示す1点鎖線の円)から、破線の円により示すものに更新するだけであるので、不良品を良品と判定する誤判定が増加するおそれがある。
図6において、白丸は生産初期に得られる良品の物理量1の測定値と物理量2の測定値とからなる座標、黒丸は所定時間経過後に生産された良品の物理量1の測定値と物理量2の測定値とからなる座標、×印は生産初期から所定時間経過後までに生産された良品の物理量1の測定値と物理量2の測定値とからなる座標の平均を表している。
図5は、工作物の良否を判別するために測定する物理量1(例えば、分光スペクトルの波長1)と物理量2(例えば、分光スペクトルの波長2)とからなる2次元空間を表している。
なお、工作物の良否を判別するために複数の物理量を測定するので、これらの物理量で形成される空間は多次元空間となる。
また、実線の×印は生産初期に得られる良品の物理量1の測定値の平均と物理量2の測定値の平均とからなる座標、破線の×印は所定時間経過後に生産された良品の物理量1の測定値の平均と物理量2の測定値の平均とからなる座標を表している。
さらに、1点鎖線の楕円は生産初期に用いられる判別域、破線の楕円は所定時間経過後に用いられる判別域を表している。
したがって、本実施形態では、特徴量として、フィッシャー情報量を用いる。
式(1)において、「L」は測定される物理量の数(例えば、スペクトルの波長数)を表している。「L」が測定される物理量の数を表すことは後述する式(10)においても同様である。
式(1)において、「T」はベクトルまたは行列の転置を表している。「T」が転置を表すことは後述する式(4)、式(5)、式(9)、式(10)、式(12)、式(13)、式(14)、及び式(16)においても同様である。
固有値Λはフィッシャー情報量スペクトルの寄与度である。
特徴ベクトルU、及び固有値Λはスペクトルの波長数Lと同数のL個がそれぞれ求まるが、このうち、上位K個が主成分である。
式(8)において、Iは単位行列を表している。
式(9)に示すように、特徴ベクトルUと測定値xijの内積をとることにより、対応する特徴量(フィッシャー情報量)yijを求めることができる。後述する対象物検査処理(図2のステップS2、及び図4参照)において第二測定値xから第二特徴量yを算出するために、特徴量算出部31は、特徴ベクトルUを特徴量パラメーターとして特徴量パラメーター保存部41に保存する。
判別パラメーターは、式(11)に示す平均特徴量と、式(12)に示す共分散行列とを含む。
判別部32は、パラメーター学習処理では、前記平均特徴量、及び前記共分散行列を含む判別パラメーターを判別パラメーター保存部42に保存する。
式(11)、及び式(12)において、Niは良品群と不良品群それぞれの特徴量yの総数を表している。
判別部32は、計算したマハラノビス距離の中で最も小さくなる群を第二対象物22の判別結果とし、判別結果を判別結果出力部33に供給する。
判別パラメーター監視部35は、判別パラメーター(平均特徴量、及び共分散行列)の変化を監視する。
アラート出力部36は、判別パラメーター(平均特徴量、及び共分散行列)の変化が大きくなった際にアラートを出力する。
判別パラメーター保存部42は、前記平均特徴量、及び前記共分散行列を含む判別パラメーターを保存する。
本実施形態の検査システム1は、生産工場で生産された生産物、すなわち、第二対象物22の良否を判別する。
図2は、本実施形態の検査方法の概略を示すフローチャートである。
本実施形態の検査方法は、パラメーター学習処理(ステップS1)と、対象物検査処理(ステップS2)とにより構成されている。
次に、パラメーター学習処理について説明する。
図3は、パラメーター学習処理の一例を示すフローチャートである。
まず、測定器11は、良品群、及び不良品群をそれぞれ構成する複数の第一対象物21の物理量を測定し、それぞれの測定結果を特徴量算出部31に順次供給する(ステップS11)。
次に、対象物検査処理について説明する。
図4は、対象物検査処理の一例を示すフローチャートである。
まず、測定器11は、生産ラインで実際に生産され、検査の対象である第二対象物22について、図3に示すステップS11の処理と同一の条件で測定し、測定結果である第二測定値xを特徴量算出部31に供給する(ステップS21)。
判別部32は、計算したマハラノビス距離の中で最もが小さくなる群を第二対象物22の判別結果とし、判別結果を判別結果出力部33に供給する(ステップS23;判別ステップ)。
次に、判別パラメーター更新部34は、新たな判別パラメーター(平均特徴量、及び共分散行列)を判別パラメーター保存部42に保存して更新した後、その旨を判別パラメーター監視部35に通知する(判別パラメーター更新ステップ)。
このステップS26の処理は、図5の例では、パラメーター学習処理で求めた平均特徴量(実線の×印)を、新たな平均特徴量(破線の×印)に変更することに相当する。
なお、パラメーター学習処理において算出した判別パラメーター(平均特徴量、及び共分散行列)は、判別パラメーター保存部42に記憶しておく。
式(15)、及び式(16)において、αは工作物の特性変化への追従速度を制御するパラメーターである。
これにより、作業者は、例えば、検査対象の生産ラインを停止させ、当該生産ラインにおいて4M変動が起こっていないかなどをチェックする。4M変動とは、人(man)、製造機械(machine)、材料(material)または製造方法(method)のいずれかが変化することを意味する。
つまり、この場合は、測定環境だけでなく、生産環境(例えば、電源電圧、加工機械の温度、切削工具の位置や切れ味など)にも何らかの変動が生じている可能性が高いのである。
前記しきい値は、このような変動を想定して予め設定しておくことが好ましい。
一方、ステップS30の判断結果が「NO」の場合、すなわち、第二特徴量y(式(14)参照)を算出するための第二測定値xが新たに供給されなかった場合には、特徴量算出部31は、図4に示す対象物検査処理を終了して、図2に示すメインの処理に復帰する。
本実施形態の検査システム1は、第一対象物21、及び第二対象物22を測定して測定値を出力する測定器11と、測定値に基づく第一対象物21、及び第二対象物22の特徴を表す特徴量と、対象物の種別の判別に用いる判別パラメーターとを用いて第一対象物21、及び第二対象物22の判別を行う判別部32と、特徴量を用いて判別パラメーターを更新する判別パラメーター更新部34と、を備える。
また、判別のためしきい値の更新ではないので、不良品を良品と誤判定するおそれが少ない。
したがって、測定環境だけでなく、生産や検査に影響を与えるような生産環境などに大きな変動があった場合にそれを確認することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、及び改良等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、第一対象物21として、特性が変動することを前提とせず、良品であると予め確認されている複数の第一対象物21からなる良品群と、不良品であると予め確認されている複数の第一対象物21からなる不良品群とを用意する例を示したが、これに限定されない。良品群、及び不良品群を構成する複数の第一対象物21には、時間が経過して特性が全体的に変動することを想定したものを含めてもよい。
前記実施形態では、測定器11は、測色計、RGBカメラ、マルチバンド光量計またはマルチバンドカメラ等により構成されている例を示したが、これに限定されない。測定器11は、第一対象物21、及び第二対象物22の特徴と相関を有する物理量を計測できるものであれば、他のものでもよいが、複数のセンサーによって検出される複数の測定値(例えば、対象物の重量や厚みなど)の組み合わせの方が共分散を求めるためにはよい。
前記実施形態では、図3に示すステップS15において特徴量算出部31が特徴量パラメーターを特徴量パラメーター保存部41に保存し、判別部32が判別パラメーターを判別パラメーター保存部42に保存する例を示したが、これに限定されない。ステップS13において特徴量算出部31が特徴量パラメーターを特徴量パラメーター保存部41に保存し、ステップS14において判別部32が判別パラメーターを判別パラメーター保存部42に保存してもよい。
前記実施形態では、図4に示すステップS21において、第二対象物22の全数について物理量を測定する例を示したが、これに限定されない。第二対象物22の一定数毎に抜き取って各物理量を測定してもよい。
前記実施形態では、図4に示すステップS26において、判別パラメーターだけを更新する例を示したが、これに限定されず、特徴量パラメーターも更新してもよい。
前記実施形態では、図4に示すステップS26において、第二対象物22を測定する毎に、判別パラメーターを更新する例を示したが、これに限定されず、判別パラメーターは、一定量の第二対象物22を測定する毎に、あるいは、ロット毎に更新してもよい。
前記実施形態では、図4に示すステップS27及びS28において、第二対象物22を測定する毎に、判別パラメーターの変動量を確認し、当該変動量がしきい値を超えているか否か判断する例を示したが、これに限定されない。判別パラメーターの変動量確認、及び当該変動量がしきい値を超えているか否かの判断は、一定量の第二対象物22を測定する毎に、あるいは、ロット毎に実行してもよい。
前記実施形態では、特徴量として、フィッシャー情報量を用いる例を示したが、これに限定されず、特徴量として、測定値をそのまま用いたり、測定値の主成分や機械学習で求めた他の特徴量を用いたりしてもよい。
前記実施形態では、第二対象物22の良否の判別にマハラノビス距離を用いる例を示したが、これに限定されず、第二対象物22の良否の判別には、通常のユークリッド空間距離を用いたり、機械学習法による判別を用いたりしてもよい。
前記実施形態では、本発明を第二対象物22の良否を判別する場合に適用する例を示したが、これに限定されず、本発明は、第二対象物22の種類を判別する場合にも適用できる。
前記実施形態では、第二対象物22の測定値のばらつきを示す値として分散を用いる例を示したが、これに限定されず、例えば、測定値とその平均値との差の絶対値、測定値と平均値との差の高次乗の積の高次乗根の絶対値などでもよい。
Claims (8)
- 対象物を測定して測定値を出力する測定器と、
前記測定値に基づく前記対象物の特徴を表す対象特徴量と、前記対象物の種別の判別に用いる判別パラメーターとを用いて前記対象物の判別を行う判別部と、
前記対象特徴量を用いて前記判別パラメーターを更新する判別パラメーター更新部と、
を備えることを特徴とする検査システム。 - 請求項1に記載の検査システムにおいて、
前記判別パラメーターの変化を監視する判別パラメーター監視部と、
前記判別パラメーターの変化が所定値よりも大きくなった場合にアラートを出力するアラート出力部と、
をさらに備えることを特徴とする検査システム。 - 請求項1又は請求項2に記載の検査システムにおいて、
前記判別パラメーターは、前記対象物を判別すべき群毎の事前特徴量の共分散と、前記対象物を判別すべき前記各群の前記事前特徴量の平均であり、
前記判別部は、検査用の前記対象物の前記事前特徴量から前記各群の前記事前特徴量の前記平均までのマハラノビス距離に基づいて前記群を前記対象物が属する前記群と判別することを特徴とする検査システム。 - 請求項3に記載の検査システムにおいて、
特徴量算出部と、
前記対象特徴量を算出するのに用いる特徴量パラメーターを保存する特徴量パラメーター保存部と、
前記判別パラメーターを保存する判別パラメーター保存部と、
をさらに備え、
前記測定器は、前記対象物を判別すべき各群をそれぞれ構成する複数の学習用の事前対象物を測定して複数の学習用の前記事前対象物の測定値を出力し、検査用の前記対象物を測定して検査用の前記対象物の前記測定値を出力し、
前記特徴量算出部は、前記各群にそれぞれ属する前記学習用の前記各事前対象物の前記各測定値と、前記学習用の前記各事前対象物の前記各群に関する情報とを用いて、前記学習用の前記各事前特徴量と、前記事前対象物の前記測定値を前記事前特徴量に変換する前記特徴量パラメーターを算出し前記特徴量パラメーター保存部に保存し、前記検査用の前記対象物の前記測定値と、前記特徴量パラメーターを用いて前記検査用の前記対象物の前記特徴量を算出し、
前記判別部は、前記各群のそれぞれについて、前記学習用の前記各事前特徴量を用いて、前記事前特徴量の前記共分散と、前記事前特徴量の前記平均を算出して前記判別パラメーター保存部に保存し、前記検査用の前記対象物の前記対象特徴量と、前記対象特徴量の前記共分散と、前記対象特徴量の前記平均とを用いて前記検査用の前記対象物の判別を行う
ことを特徴とする検査システム。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の検査システムにおいて、
前記対象特徴量及び前記事前特徴量は、フィッシャー情報量であることを特徴とする検査システム。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の検査システムにおいて、
前記測定器は、前記対象物で反射された光に含まれる複数波長の光のそれぞれの光強度を測定する、分光測定装置であることを特徴とする検査システム。 - 対象物を測定して測定値を出力する測定器により測定された前記対象物の前記測定値に基づいて、前記対象物を検査する検査方法であって、
前記測定値に基づく前記対象物の特徴を表す対象特徴量と、前記対象物の種別の判別に用いる判別パラメーターとを用いて前記対象物の判別を行う判別ステップと、
前記対象特徴量を用いて前記判別パラメーターを更新する判別パラメーター更新ステップと、
を備えることを特徴とする検査方法。 - コンピューターにより読み取り実行可能な検査プログラムであって、
請求項7に記載の検査方法を前記コンピューターに実施させる
ことを特徴とする検査プログラム。
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