<第1の実施の態様>
第1の実施の態様の光源装置は、
光を発する光源(例えば、光源90)と、
前記光源に対して移動可能に設けられた移動体(例えば、フィルターチェンジャー60)であって、前記光源から発せられた光が通過可能な複数の透光部(例えば、フィルター61~65)と、前記移動体の位置を検出するための複数の検出用パターンと、を含み、前記複数の検出用パターンは、前記移動体の原点位置と、前記複数の透光部のうちの一の透光部の位置と、を決定するための第1の検出用パターン(例えば、1番スリット71)と、前記複数の透光部のうちの残りの透光部の位置を決定するための第2の検出用パターン(例えば、2番スリット72)と、を含む移動体と、
前記複数の検出用パターンを検出する検出部(例えば、センサ99)と、
を備える光源装置である。
<第2の実施の態様>
第2の実施の態様の光源装置は、第1の実施の態様において、
前記第1の検出用パターンと、前記第1の検出用パターンに隣り合う前記第2の検出用パターンと、の間に、前記第1の検出用パターン及び前記第2の検出用パターンとは異なる第3の検出用パターン(例えば、2番遮光部82)を含む、光源装置である。
<第3の実施の態様>
第3の実施の態様の光源装置は、第1の実施の態様において、
前記複数の検出用パターンは、前記移動体の移動方向に沿って配置され、
前記第1の検出用パターンは、移動方向に沿って第1の端部(例えば、第1の端部71A)と第2の端部(例えば、第2の端部71B)とを有し、
前記原点位置は、前記第1の検出用パターンの前記第1の端部に対応し、
前記一の透光部の位置は、前記第1の検出用パターンの前記第1の端部と前記第2の端部との間に対応する、光源装置である。
<第4の実施の態様>
第4の実施の態様の光源装置は、第3の実施の態様において、
前記第2の検出用パターンは、移動方向に沿って第1の端部(例えば、第1の端部72A)と第2の端部(例えば、第2の端部72B)とを有し、
前記残りの透光部の位置は、前記第2の検出用パターンの前記第1の端部と前記第2の端部との間に対応する、光源装置である。
<第5の実施の態様>
第5の実施の態様の光源装置は、第4の実施の態様において、
前記第1の検出用パターンの前記第1の端部と前記第2の端部との間隔が、前記第2の検出用パターンの前記第1の端部と前記第2の端部との間隔と異なる、光源装置である。
<<<<本実施の形態>>>>
以下、図面を参照しながら、本発明の本実施の形態(以下、本実施形態と称する)について説明する。本明細書及び図面においては、同一の符号が付された構成要素は、実質的に同一の構造または機能を有するものとする。
<<<光源装置100の概要>>>
光源装置100は、画像処理および工業用検査等で使用するための装置である。例えば、工業用検査で使用する場合、光源装置100で物品の表面を照明して、欠陥の有無や、欠陥の態様を検査するために用いられる。
<<<光源装置100の全体構成>>>
図1、図2を参照しながら光源装置100の全体構成を説明する。光源装置100は、筐体10を備える。
<<筐体10>
筐体10は、光源装置100の各種部品を収納する。筐体10は、アルミ製であり、正面部、背面部、天面部、底面部、左側面部、右側面部とからなる箱状の形状となっている。
<<筐体10の正面構成>>
筐体10の正面には、フィルターチェンジャー用入力部20、フィルターセレクトボタン30、パワーランプ32、エラーランプ34、操作スイッチ36、ON/OFFボタン37、メニューボタン38、液晶表示装置40、25ピンコネクタ42、9ピンコネクタ44、LANコネクタ46、フィルター交換蓋48、コントラスト調整スイッチ49、ライトガイド装着用アダプター50等の部品が設けられている。
フィルターチェンジャー用入力部20は、コネクタを繋ぐことにより、パラレル通信モード時にフィルター61~65を切り替えるための入力部である。検査員は、フィルターチェンジャー用入力部20に対して、パラレル通信モードに対応した所定の操作を実行し、検査で使用するフィルター番号をセットすることができるようになっている。
フィルターセレクトボタン30は、パネルモード時にフィルターを切り替えるためのボタンである。検査員は、フィルターセレクトボタン30を用いて、パネルモードに対応した所定の操作を実行し、検査で使用するフィルター番号をセットすることができるようになっている。
パワーランプ32は、光源装置100の電源がONの状態に点灯するランプである。
エラーランプ34は、光源装置100のエラー発生時のエラー処理において点灯や点滅するランプである。特に、エラーランプ34は、光量フィードバックエラーの場合に点滅する。
操作スイッチ36は、回転を検出し、かつ、押下を検出可能なスイッチである。
ON/OFFボタン37は、手動制御のときに有効となるボタンであり、光源90の点灯、消灯を切り替えるボタンである。
メニューボタン38は、約4秒の長押しをすることによって、メニュー画面を液晶表示装置40に表示させるためのボタンである。メニューボタン38の4秒以下の操作時は、液晶表示装置40に運用画面が表示される。
液晶表示装置40は、光源装置100の状態や設定画面、エラーの表示画面等を表示する表示装置である。
25ピンコネクタ42は、25ピンのコネクタを接続するコネクタである。
9ピンコネクタ44は、9ピンのコネクタを接続するコネクタである。
LANコネクタ46は、有線通信モード用のLANケーブルを接続するコネクタである。検査員は、LAN接続されたパソコン等に対して有線通信モードに対応した所定の操作を実行し、検査で使用するフィルター番号をセットすることができるようになっている。
フィルター交換蓋48は、フィルター61~65を交換する際に開ける蓋である。フィルター交換蓋48は、ネジ47によって、筐体10の正面部に固定されている。
コントラスト調整スイッチ49は、液晶表示装置40のコントラストを調整するためのスイッチである。
ライトガイド装着用アダプター50は、検査で使用するライトガイドを装着するためのアダプターである。
<<筐体10の背面構成、側面構成>>
図示しないが、筐体10の背面には、電源コネクタ、電源スイッチ等の部品が設けられている。また、筐体10の背面には、冷却ファン吸気孔が設けられている。
電源コネクタは、光源装置100に電力を供給するための電源装置とケーブル等に接続される。
電源スイッチは、光源装置100の電源をON/OFFするスイッチである。光源装置100と電源装置とがケーブル等によって接続されている状態で、電源スイッチをONにすると、光源装置100へ電力が供給される。電源スイッチをOFFにすると、光源装置100へ電力の供給が停止する。
冷却ファン吸気孔は、光源装置100の内部に設けられている冷却ファン97の吸気用の孔である。
筐体10の左右の側面には、吸気された空気を筐体10の外部へ排気する複数の排気孔が設けられている。
<<筐体10の内部構成>>
図2に示すように筐体10の内部には、移動体60、光源90、光出射部91、駆動部92、制御基板94、ヒートシンク96、冷却ファン97、検出部99等の部品が設けられている。移動体60は、回転体、フィルターチェンジャーとも呼ぶ。駆動部92は、モータとも呼ぶ。検出部99は、センサとも呼ぶ。
移動体60は、5個のフィルター61~65、5個のスリット71~75を備える回転体としてのフィルターチェンジャーである。フィルターチェンジャー60の詳細は、後述する。
光源90は、光源装置100から光を発するための光源である。光源は、レーザーダイオードである。光源は、例えば、LEDやメタハライドランプ、キセノンランプを用いることもできる。
光出射部91は、光源90からの光を光源装置100の外部に出射する出口の部位である。
駆動部92は、フィルターチェンジャー60を回転させるためのモータである。例えば、ステッピングモータを用いることができる。
制御基板94は、光源装置100を制御する基板である。制御基板94には、CPU、ROM、RAM等が実装されている。RAMは、後述の記憶部として使用する。RAMは、制御基板94とは異なる別の基板に設けても良い。
ヒートシンク96は、光源装置100の内部を放熱するための部品である。
冷却ファン97は、光源装置100の内部を冷却するための部品である。
検出部99は、スリット71~75を検出するためのセンサである。検出部99は、光学式センサである。検出部99は、機械式センサや磁気センサ等であっても良い。
<フィルターチェンジャー60>
図3に示すように、フィルターチェンジャー60は、5個の透光部を備える。透光部の数は、5個に限定されない。5個よりも多い数(例えば、12個)であっても良いし、少ない数(例えば、2個)であっても良い。フィルターチェンジャー60は、複数の透光部を備えていれば良い。透光部は、フィルターである。フィルター61~65は、1番フィルター61、2番フィルター62、3番フィルター63、4番フィルター64、5番フィルター65とからなる。フィルター61~65は、フィルター押さえ金具68(図2参照)によって、フィルターチェンジャー60に固定される。フィルターチェンジャー60は、光源90に対して移動可能である。
また、フィルターチェンジャー60は、複数の検出用パターンである5個のスリット71~75を備える。スリット71~75は、1番フィルター61用の1番スリット71、2番フィルター62用の2番スリット72、3番フィルター63用の3番スリット73、4番フィルター64用の4番スリット74、5番フィルター65用の5番スリット75である。
1番スリット71は、第1の検出用パターンである。1番スリット71は、原点スリットや第一透過部とも呼ぶ。1番スリット71は、フィルターチェンジャー60の移動方向に沿って、第1の端部71Aと、第2の端部71Bを備える。第1の検出用パターンは、フィルターチェンジャー60の移動方向に沿って配置される。
2番スリット72は、第2の検出用パターンである。2番スリット72は、第二透過部とも呼ぶ。2番スリット72は、フィルターチェンジャー60の移動方向に沿って、第1の端部72Aと、第2の端部72Bを備える。第2の検出用パターンは、フィルターチェンジャー60の移動方向に沿って配置される。
3番スリット73は、第2の検出用パターンである。3番スリット73は、第三透過部とも呼ぶ。3番スリット73は、フィルターチェンジャー60の移動方向に沿って、第1の端部73Aと、第2の端部73Bを備える。第2の検出用パターンは、フィルターチェンジャー60の移動方向に沿って配置される。
4番スリット74は、第2の検出用パターンである。4番スリット74は、第四透過部とも呼ぶ。4番スリット74は、フィルターチェンジャー60の移動方向に沿って、第1の端部74Aと、第2の端部74Bを備える。第2の検出用パターンは、フィルターチェンジャー60の移動方向に沿って配置される。
5番スリット75は、第2の検出用パターンである。5番スリット75は、第五透過部とも呼ぶ。5番スリット75は、フィルターチェンジャー60の移動方向に沿って、第1の端部75Aと、第2の端部75Bを備える。第2の検出用パターンは、フィルターチェンジャー60の移動方向に沿って配置される。
第1の検出用パターン、第2の検出用パターンは、スリットに限定されない。センサ99によって検出される検出片等であっても良い。各スリットの位置は、図3で示す位置に限定されない。センサ99の位置に応じて設けられていれば良い。フィルターチェンジャー60は、中心軸70を中心にモータ92によって時計回り方向(CW)に回転可能である。なお、反時計回り方向(CCW)にも回転可能である。
また、フィルターチェンジャー60は、複数の第3の検出用パターンである5個の遮光部81~85を備える。遮光部81~85は、1番遮光部81、2番遮光部82、3番遮光部83、4番遮光部84、5番遮光部85である。第3の検出用パターンは、フィルターチェンジャー60の移動方向に沿って配置される。
1番遮光部81は、第3の検出用パターンである。1番遮光部81は、1番スリット71と5番スリット75に挟まれている。1番遮光部81は、第1の端部81Aと、第2の端部81Bを備える。第1の端部81Aは、1番スリット71の第1の端部71Aと隣接する部位である。第2の端部81Bは、5番スリット75の第2の端部75Bと隣接する部位である。
2番遮光部82は、第3の検出用パターンである。2番遮光部82は、1番スリット71と2番スリット72に挟まれている。2番遮光部82は、第1の端部82Aと、第2の端部82Bを備える。第1の端部82Aは、2番スリット72の第1の端部72Aと隣接する部位である。第2の端部82Bは、1番スリット71の第2の端部71Bと隣接する部位である。
3番遮光部83は、第3の検出用パターンである。3番遮光部83は、2番スリット72と3番スリット73に挟まれている。3番遮光部83は、第1の端部83Aと、第2の端部83Bを備える。第1の端部83Aは、3番スリット73の第1の端部73Aと隣接する部位である。第2の端部83Bは、2番スリット72の第2の端部72Bと隣接する部位である。
4番遮光部84は、第3の検出用パターンである。4番遮光部84は、3番スリット73と4番スリット74に挟まれている。4番遮光部84は、第1の端部84Aと、第2の端部84Bを備える。第1の端部84Aは、4番スリット74の第1の端部74Aと隣接する部位である。第2の端部84Bは、3番スリット73の第2の端部73Bと隣接する部位である。
5番遮光部85は、第3の検出用パターンである。5番遮光部85は、4番スリット74と5番スリット75に挟まれている。5番遮光部85は、第1の端部85Aと、第2の端部85Bを備える。第1の端部85Aは、5番スリット75の第1の端部75Aと隣接する部位である。第2の端部85Bは、4番スリット74の第2の端部74Bと隣接する部位である。
第3の検出用パターンは、遮光部に限定されない。センサ99によって検出される状態が第1の検出用パターンや第2の検出用パターンと逆の状態になるものであれば良い。各遮光部の位置は、図3で示す位置に限定されない。スリットの位置に応じて設けられていれば良い。
フィルターチェンジャー60は、スリットと遮光部とを交互に配置し、センサ99によってスリットと遮光部とを検出可能としている。
光源点灯位置に位置するフィルターは、光源90の光を前に透過可能である。図3では、1番フィルター61を示すが、使用する用途に応じてフィルターチェンジャー60を回転させてフィルターを変更することができる。このように、光源装置内に複数のフィルター61~65を備え、使用するフィルターを自動で切り換えることで、フィルターの切り換え作業の時間を短時間にすることができる。
フィルターチェンジャー60およびフィルター61~65は、これに限定されない。フィルターチェンジャー60が回転ではなく直線移動するようなタイプであっても良い。フィルター61~65は、フィルターチェンジャー60の回転や直線移動に伴って、フィルターが変更されるものであれば良い。
<フィルター61~65>
フィルター61~65は、透過する光を波長や偏光で制限するレンズである。フィルター61~65は、光源90から発せられた光が通過可能である。フィルター61~65は、複数種類の色を備えるカラーフィルターである。色の種類は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリーン、レッド等があり、使用する用途に応じて、フィルターチェンジャー60に取付ける。
<フィルターの取付方法>
次に、図4を参照しながら光源装置100のフィルターの取付方法を説明する。図4の(a)に示す筐体10の正面に取付けられているフィルター交換蓋48を固定しているネジ47を外す。
図4の(b)に示すように筐体10からフィルター交換蓋48を外す。フィルター押さえ金具68を固定しているネジ67を外し、フィルター押さえ金具68を外す。4番フィルター64(例えば、イエロー)をフィルターチェンジャー60の4番フィルターの取付用の溝64aに嵌め込む。
図4の(c)に示すように4番フィルター64の上にフィルター押さえ金具68をセットする。フィルター押さえ金具68をネジ67でフィルターチェンジャー60に固定する。このようにして、4番フィルター64がフィルターチェンジャー60に固定される。
フィルターチェンジャー60を時計回りに回転させ5番フィルター65から3番フィルター63まで、この手順を繰り返し、5つのフィルターをフィルターチェンジャー60に取付ける。最後にフィルター交換蓋48を筐体10にセットし、ネジ47で固定する。
<<フィルターチェンジャー60の初期化処理>>
次に、図5、図6を参照しながらフィルターチェンジャー60の初期化処理S1100を説明する。初期化処理は、光源装置100の起動時(電源スイッチをONにした時)に、フィルターチェンジャー60を1番フィルター位置にセットする処理である。なお、1番フィルター位置ではなく原点位置にセットする処理としても良い。その場合は、ステップ1150で本処理を終了することが好適である。
制御基板94のCPUは、ステップ1102で、タイマを起動する。このタイマは5秒を計測するタイマである。タイマは、5秒を計測するタイマに限定されない。予め定めた秒数内で初期化処理を終了する値が設定されたタイマであれば良い。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1104で、センサ99が透過状態であるか否かを判定する。つまり、制御基板94のCPUは、センサ99が透過状態のON状態であり、スリットを検出しているか否かを判定する。
ステップ1104でNoの場合、ステップ1106で、制御基板94のCPUは、モータ92に対して1回の駆動パルスを出力し、モータ92を時計回り方向に回転させる。モータ92に対する駆動パルスの出力は、ステップ1104で、センサ99が透過状態のON状態となるまで実行される。
一方、ステップ1104でYesの場合、ステップ1108で、制御基板94のCPUは、モータ92に対して1回の駆動パルスを出力し、モータ92を時計回り方向に回転させる。
次に、ステップ1110で、制御基板94のCPUは、スリット検出中フラグがオンであるか否かを判定する。詳細には、後述するステップ1114で設定されたスリット検出中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1110で、Noの場合、つまり、スリット検出中フラグがオフの場合、ステップ1112に移行する。一方、ステップ1110で、Yesの場合、つまり、スリット検出中フラグがオンの場合、図6のステップ1120に移行する。
次に、ステップ1112で、制御基板94のCPUは、センサ99の検出結果が遮光状態のOFF状態から透過状態のON状態に変化したか否かを判定する。ステップ1112で、Yesの場合、ステップ1114に移行する。一方、ステップ1112で、Noの場合、ステップ1118に移行する。
次に、ステップ1114で、制御基板94のCPUは、スリット検出中フラグをセットする処理を実行する。詳細には、制御基板94のCPUは、スリット検出中フラグをオフからオンに設定する。この処理またはこの処理とは別の処理において、透過カウンタの値をクリアする。
次に、ステップ1116で、制御基板94のCPUは、透過カウンタを+1にする(1を加算する)透過カウンタ処理を実行する。
ここで、透過カウンタ処理を説明する。図7の(0)に示すようにフィルターチェンジャー60の1番スリット71がセンサ99の位置にある場合、センサ99は光学式センサのため光を検出する。この状態において、制御基板94のCPUは、センサ99が透過状態のON状態であると判断する。すなわち、制御基板94のCPUは、センサ99がON状態の場合、スリットであると認識する。制御基板94のCPUは、スリットであると認識した際、透過カウンタを+1にして、透過カウンタの値を記憶部(例えば、RAM)に記憶する。
次に、ステップ1118で、制御基板94のCPUは、タイマの値が5秒を示す値であるか否かを判定する。つまり、初期化処理を開始してから5秒以上経過したか否かを判定する。詳細には、初期化処理を開始した際に5秒の減算式のタイマを設定し、減算式のタイマの値が0となった場合に、5秒以上経過したと判断するようになっている。なお、減算式のタイマの代わりに加算式のタイマを用いて5秒を示す値になったタイミングで5秒以上経過したと判断しても良い。ステップ1118で、Yesの場合、ステップ1300のエラー処理に移行する。詳細には、ステップ1118でYesの場合、位置ずれのエラーと判断し、ステップ1300に移行し、位置ずれのエラー処理を実行する。なお、位置ずれエラー処理については、後述する。一方、ステップ1118で、Noの場合、ステップ1108に移行し、再びモータ92に対して1回の駆動パルスを出力し、モータ92を時計回り方向に回転させる。
次に、ステップ1110で、Yesの場合の処理を説明する。ステップ1110で、スリット検出中フラグがオンの場合、図6のステップ1120で、制御基板94のCPUは、センサ99の検出結果が透過状態のON状態から遮光状態のOFF状態に変化したか否かを判定する。ステップ1120で、Yesの場合、ステップ1122に移行する。一方、ステップ1120で、Noの場合、ステップ1118に移行する。
次に、ステップ1122で、制御基板94のCPUは、スリット幅を記憶する処理を実行する。詳細には、透過カウンタが示す値をスリット幅として記憶部(RAM)に記憶する。正常な初期化処理において、スリット幅を記憶する処理は5回行われる。
例えば、図7の(0)または(1)の1番スリット71のスリット幅を記憶する処理を実行する。このスリット幅を記憶する処理を最初に実行する場合、1回目のスリット幅を記憶する処理において、記憶部に記憶されている透過カウンタの値が15であるので、第1のスリット幅を15として記憶する。
次に、図7の(2)の2番スリット72のスリット幅を記憶する処理を実行する。このスリット幅を記憶する処理を2番目に実行する場合、2回目のスリット幅を記憶する処理において、記憶部に記憶されている透過カウンタの値が10であるので、第2のスリット幅を10として記憶する。
次に、図7の(3)の3番スリット73のスリット幅を記憶する処理を実行する。このスリット幅を記憶する処理を3番目に実行する場合、3回目のスリット幅を記憶する処理において、記憶部に記憶されている透過カウンタの値が10であるので、第3のスリット幅を10として記憶する。
次に、図7の(4)の4番スリット74のスリット幅を記憶する処理を実行する。このスリット幅を記憶する処理を4番目に実行する場合、4回目のスリット幅を記憶する処理において、記憶部に記憶されている透過カウンタの値が10であるので、第4のスリット幅を10として記憶する。
次に、図7の(5)の5番スリット75のスリット幅を記憶する処理を実行する。このスリット幅を記憶する処理を5番目に実行する場合、5回目のスリット幅を記憶する処理において、記憶部に記憶されている透過カウンタの値が10であるので、第5のスリット幅を10として記憶する。
なお、ステップ1122のスリット幅を記憶する処理において、透過カウンタの値が10、15ではない値の場合、スリット幅を記憶せず、ステップ1300のエラー処理を実行するようにしても良い。
次に、ステップ1124で、制御基板94のCPUは、検出したスリットの数が5個であるかを判定する。詳細には、スリット幅の値が記憶部に5個記憶されているか否かを判定する。ステップ1124で、Noの場合、ステップ1126に移行する。一方、ステップ1124で、Yesの場合、ステップ1128に移行する。
次に、ステップ1126で、制御基板94のCPUは、スリット検出中フラグを初期化する。詳細には、制御基板94のCPUは、ステップ1114で設定されたスリット検出中フラグをオフに設定する。スリット検出中フラグをオフに設定した後は、ステップ1118に移行する。また、この処理またはこの処理とは別の処理において、透過カウンタの値をクリアしても良い。
次に、ステップ1124で、Yesの場合のステップ1128の処理を説明する。ステップ1124で検出したスリットの数が5個の場合、ステップ1128で、制御基板94のCPUは、スリット幅の値に原点位置の値があるか否かを判定する。詳細には、制御基板94のCPUは、記憶部に記憶された5個のスリット幅の値の中から原点位置のスリットに対応した値である15があるか否かを判定する。ステップ1128で、Yesの場合、ステップ1130に移行する。一方、ステップ1128で、Noの場合、ステップ1300に移行する。
次に、ステップ1130で、制御基板94のCPUは、原点位置のスリットに対応した値が、5個の第1~第5のスリット幅の値うちの何個目の値であったかを確認し、確認した値を何個目情報として記憶部に記憶する。つまり、制御基板94のCPUは、現在位置から何個目のスリットが原点位置のスリットであるかを確認して、その情報を記憶部に記憶する。
<原点位置への移動処理>
次に、ステップ1150で、制御基板94のCPUは、原点位置への移動処理を実行する。原点位置への移動処理は、図8を用いて説明する。先ず、制御基板94のCPUは、ステップ1152で、ステップ1130で記憶した何個目情報を取得する。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1154で、取得した何個目情報に基づき、現在位置から原点位置まで移動する過程で、センサ99が何回遮光状態から透過状態となるかを示す回数情報をセットする。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1156で、モータ92に対して1回の駆動パルスを出力し、モータ92を時計回り方向に回転させる。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1158で、センサ99の検出結果が遮光状態のOFF状態から透過状態のON状態に変化したか否かを判定する。ステップ1158で、Yesの場合、ステップ1160に移行する。一方、ステップ1158で、Noの場合、ステップ1156に移行する。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1160で、原点差カウンタを+1にして、記憶部に記憶する。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1162で、記憶部に記憶した原点差カウンタの値がセットした回数情報の値と同じであるか否かを判定する。ステップ1162で、Yesの場合、ステップ1164に移行する。一方、ステップ1162で、Noの場合、ステップ1156に移行する。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1164で、センサ99が透過状態であるか否かを判定する。つまり、制御基板94のCPUは、センサ99がON状態であり、スリットを検出しているか否かを判定する。ステップ1164でYesの場合、原点位置にいると判断し本処理を終了する。一方、ステップ1164でNoの場合、位置ずれのエラーと判断し、ステップ1300に移行し、後述の位置ずれのエラー処理を実行する。
上述した図7の例で説明する。制御基板94のCPUは、ステップ1152で、ステップ1130で記憶した何個目情報である1個目の値の情報を取得する。原点位置のスリットに対応した値である15は、第1のスリット幅の値であるため、1個目の値である。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1154で、取得した1個目の値の情報に基づき、現在位置から原点位置まで移動する過程で、センサ99が遮光状態から透過状態となる回数が1回となる回数情報をセットする。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1156で、モータ92に対して1回の駆動パルスを出力し、モータ92を時計回り方向に回転させる。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1158で、センサ99の検出結果が遮光状態のOFF状態から透過状態のON状態に変化したか否かを判定する。図7の(0)においては、モータ92に対して1回の駆動パルスを出力し、モータ92を時計回り方向に回転させた位置がセンサ99の検出結果が遮光状態のOFF状態から透過状態のON状態に変化するため、Yesとなり、ステップ1160に移行する。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1160で、原点差カウンタを+1にして、原点差カウンタの値として1を記憶部に記憶する。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1162で、記憶部に記憶した原点差カウンタの値である1が、セットした回数情報の値である1と同じであるか否かを判定する。ステップ1162で、同じであるのでYesとして、ステップ1164に移行する。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1164で、センサ99が透過状態であるか否かを判定する。図7の(0)においては、Yesとなるため、原点位置にいると判断し本処理を終了する。
<1番フィルター位置への移動処理>
次に、図6のステップ1170で、制御基板94のCPUは、1番フィルター位置への移動処理を実行する。1番フィルター位置への移動処理は、図9を用いて説明する。
制御基板94のCPUは、ステップ1172で、モータ92に対して10回の駆動パルスを出力し、モータ92を時計回り方向に回転させる。原点位置から10回の駆動パルス分を時計回り方向に回転させた位置が1番フィルター位置である。10回の駆動パルス分に限定されない。原点位置から1番フィルター位置までの駆動パルス数を予め定めておき、その駆動パルス数分を出力すれば良い。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1174で、センサ99が透過状態であるか否かを判定する。つまり、制御基板94のCPUは、センサ99がON状態であり、スリットを検出しているか否かを判定する。ステップ1174でYesの場合、1番フィルター位置にいると判断し本処理を終了する。一方、ステップ1174でNoの場合、位置ずれのエラーと判断し、ステップ1300に移行し、後述の位置ずれのエラー処理を実行する。なお、本処理において、移動完了後のフィルターの番号を、記憶部(例えば、RAM)に記憶する。
ステップ1150の原点位置への移動処理は、以下のように処理しても良い。制御基板94のCPUは、ステップ1130で記憶した現在位置から何個目のスリットが原点位置のスリットであるかの情報を取得する。その際、制御基板94のCPUは、原点位置はCW制御の範囲内であるか否かを判定する。詳細には、モータ92を時計回り方向に回転すると仮定した場合、原点位置が現在位置から2個目以内のスリットであるか否かを判定する。そして、原点位置が現在位置から2個目以内のスリットである場合、制御基板94のCPUは、時計回り方向にモータ92を回転させる。一方、原点位置が現在位置から2個目以内のスリットでない場合、制御基板94のCPUは、反時計回り方向にモータ92を回転させる。
本実施形態では、第1の検出用パターン、第2の検出用パターンがスリットである場合を説明した。第1の検出用パターン、第2の検出用パターンとして検出片を用いる場合、透過カウンタ処理は遮光カウンタを用いた処理とし、遮光カウンタ処理は透過カウンタを用いた処理とするのが好適である。
透過カウンタ処理の結果は、位置ずれのエラー時において確認することが可能である。初期化処理において、透過カウンタの値を記憶しておくことで、フィルターチェンジャー60が動作しなかった場合の状態を検出することができる。
本実施形態では、幅が一番大きいスリットを原点スリット(1番スリット71)としたが、幅が一番小さいスリットを原点スリットとしても良い。また、各スリット71~75のスリットの幅をそれぞれ相違する幅とし、所定の幅のスリットが原点スリットとなるようにしても良い。少なくとも原点スリットがその他のスリットと相違する形状であれば良い。つまり、1番スリット71の第1の端部71Aと第2の端部71Bとの間隔が、2番~5番スリット72~75の第1の端部72A~75Aと第2の端部72B~75Bとの間隔とが異なるように形成されていれば良い。
次に、図7を用いて、各フィルター61~65の位置を説明する。図7の(0)は、制御基板94のCPUが、モータ92に対して1回の駆動パルスを出力し、モータ92を時計回り方向に回転させた位置である。この位置を、原点位置という。センサ99は、第1の検出用パターンを検出する。
図7の(1)は、原点位置からモータ92に対して10回の駆動パルスを出力し、モータ92を時計回り方向に回転させた位置である。この位置を、1番フィルター位置という。1番フィルター位置において、1番フィルター61が光源点灯位置に位置する。なお、1番フィルター61に対応する1番スリット71のスリット幅は、モータ92に対する15回の駆動パルス分の幅である。また、1番スリット71のスリット幅は15(透過カウンタの値が15)である。センサ99は、第1の検出用パターンを検出する。
図7の(2)は、2番フィルター位置である。2番フィルター位置において、2番フィルター62が光源点灯位置に位置する。なお、2番フィルター62に対応する2番スリット72のスリット幅は、モータ92に対する10回の駆動パルス分の幅である。換言すると、2番スリット72のスリット幅は10(透過カウンタの値が10)である。センサ99は、第2の検出用パターンを検出する。また、1番スリット71から2番スリット72の間のスリットではない部分の2番遮光部82の幅は、モータ92に対する70回の駆動パルス分の幅である。センサ99は、第3の検出用パターンを検出する。遮光カウンタ処理を実行する場合、遮光カウンタの値は70となる。
図7の(3)は、3番フィルター位置である。3番フィルター位置において、3番フィルター63が光源点灯位置に位置する。なお、3番フィルター63に対応する3番スリット73のスリット幅は、モータ92に対する10回の駆動パルス分の幅である。換言すると、3番スリット73のスリット幅は10(透過カウンタの値が10)である。センサ99は、第2の検出用パターンを検出する。また、2番スリット72から3番スリット73の間のスリットではない部分の3番遮光部83の幅は、モータ92に対する70回の駆動パルス分の幅である。センサ99は、第3の検出用パターンを検出する。遮光カウンタ処理を実行する場合、遮光カウンタの値は70となる。
図7の(4)は、4番フィルター位置である。4番フィルター位置において、4番フィルター64が光源点灯位置に位置する。なお、4番フィルター64に対応する4番スリット74のスリット幅は、モータ92に対する10回の駆動パルス分の幅である。換言すると、4番スリット74のスリット幅は10(透過カウンタの値が10)である。センサ99は、第2の検出用パターンを検出する。また、3番スリット73から4番スリット74の間のスリットではない部分の4番遮光部84の幅は、モータ92に対する70回の駆動パルス分の幅である。センサ99は、第3の検出用パターンを検出する。遮光カウンタ処理を実行する場合、遮光カウンタの値は70となる。
図7の(5)は、5番フィルター位置である。5番フィルター位置において、5番フィルター65が光源点灯位置に位置する。なお、5番フィルター65に対応する5番スリット75のスリット幅は、モータ92に対する10回の駆動パルス分の幅である。換言すると、5番スリット75のスリット幅は10(透過カウンタの値が10)である。センサ99は、第2の検出用パターンを検出する。また、4番スリット74から5番スリット75の間のスリットではない部分の5番遮光部85の幅は、モータ92に対する70回の駆動パルス分の幅である。センサ99は、第3の検出用パターンを検出する。遮光カウンタ処理を実行する場合、遮光カウンタの値は70となる。
5番スリット75から1番スリット71の間のスリットではない部分の1番遮光部81の幅は、モータ92に対する65回の駆動パルス分の幅である。センサ99は、第3の検出用パターンを検出する。遮光カウンタ処理を実行する場合、遮光カウンタの値は65となる。
<<フィルターチェンジャー移動処理>>
次に、図10を参照しながらフィルターチェンジャー60の移動処理を説明する。フィルターチェンジャー移動処理は、有線通信モード、パネルモード、パラレル通信モードのうちいずれかのモードの設定時に、検査員の所定の操作によって実行される処理である。検査員は、モードに対応した所定の操作を実行し、検査で使用するフィルター番号をセットする。
制御基板94のCPUは、ステップ1202で、現在位置が目的位置であるか否かを判定する。詳細には、現在位置である移動前の現在のフィルター番号と、目的位置であるセットされた目標のフィルター番号を比較する。
ステップ1202でNoの場合、ステップ1204で、制御基板94のCPUは、透過カウンタおよび遮光カウンタのカウンタをクリアする。ステップ1202でYesの場合、既に検査で使用するフィルターがセットされているため、本処理を終了する。なお、移動前、移動完了後のフィルターの番号は、記憶部(例えば、RAM)に記憶しておくのが好適である。
次に、ステップ1206で、制御基板94のCPUは、移動前の現在のフィルター番号からセットされた目標のフィルター番号まで移動するための所定数のモータ駆動用のパルス数をセットする。また、制御基板94のCPUは、記憶部(RAM)に所定の駆動パルス数の値を記憶する。
次に、ステップ1208で、制御基板94のCPUは、モータ92に対して1回の駆動パルスを出力し、モータ92を時計回り方向に回転させる。
ここで、ステップ1206、1208の処理は、以下のように処理しても良い。制御基板94のCPUは、ステップ1206で、移動前の現在のフィルター番号からセットされた目標のフィルター番号まで移動するための所定数のモータ駆動用のパルス数をセットする前に、目的位置はCW制御の範囲内であるか否かを判定する。詳細には、モータ92を時計回り方向に回転すると仮定した場合、セットされた目標のフィルター番号が移動前の現在のフィルター番号から2個目以内のスリットであるか否かを判定する。そして、2個目以内のスリットである場合、制御基板94のCPUは、ステップ1206で現在のフィルター番号から目標のフィルター番号まで移動するための所定の駆動パルス数をセットし、ステップ1208で時計回り方向にモータ92を回転させる。
一方、セットされた目標のフィルター番号が移動前の現在のフィルター番号から2個目以内のスリットでない場合、制御基板94のCPUは、反時計回り方向にモータ92を回転させる。この際、制御基板94のCPUは、ステップ1206で反時計回り方向で回転させた場合の現在のフィルター番号から目標のフィルター番号まで移動するための所定数のモータ駆動用のパルス数をセットし、ステップ1208で反時計回り方向にモータ92を回転させる。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1210で、センサ99が透過状態であるか否かを判定する。つまり、制御基板94のCPUは、センサ99がON状態であり、スリットを検出しているか否かを判定する。ステップ1210でYesの場合、ステップ1212で、制御基板94のCPUは、透過カウンタを+1にする透過カウンタ処理を実行する。この透過カウンタ処理は、ステップ1116の透過カウンタ処理と同じ処理である。一方、ステップ1210でNoの場合、ステップ1214で、制御基板94のCPUは、遮光カウンタを+1にする(1を加算する)遮光カウンタ処理を実行する。
ここで、遮光カウンタ処理を説明する。フィルターチェンジャー60のスリット71~75ではない部分である遮光部81~85がセンサ99の位置にある場合、センサ99は光を検出できない。この状態において、制御基板94のCPUは、センサ99が遮光状態のOFF状態であると判断する。また、制御基板94のCPUは、センサ99が第3の検出用パターンを検出していると判断する。すなわち、制御基板94のCPUは、センサ99がOFF状態の場合、スリットではなく遮光部であると認識する。制御基板94のCPUは、遮光部であると認識した際、遮光カウンタを+1にして、遮光カウンタの値を記憶部(例えば、RAM)に記憶する。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1216で、制御基板94のCPUは、セットした所定数の駆動パルス数分の駆動パルスの出力を完了したか否かを判定する。換言すると、制御基板94のCPUは、目的位置に到達しているか否かを判定する。例えば、モータ92に対して1回の駆動パルスを出力する毎に、制御基板94のCPUは、記憶部(RAM)に記憶してある所定の駆動パルス数の値から1を減算する。そして、記憶していた所定の駆動パルス数の値が0になった場合、制御基板94のCPUは、目的位置到達と判断する。ステップ1216でYesの場合、ステップ1218に移行する。一方、ステップ1216でNoの場合、ステップ1208に移行する。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1218で、目的位置においてセンサ99が透過状態であるか否かを判定する。つまり、制御基板94のCPUは、目的位置においてセンサ99がON状態であり、スリットを検出しているか否かを判定する。ステップ1218でYesの場合、ステップ1220に移行する。一方、ステップ1218でNoの場合、位置ずれのエラーと判断し、ステップ1300に移行し、位置ずれのエラー処理を実行する。つまり、目的位置においてセンサ99が遮光状態のOFF状態であると判定した場合、制御基板94のCPUは、フィルターの位置がずれていると判断(位置ずれのエラーと判断)し、位置ずれのエラー処理を実行する。なお、センサ99が遮光状態のOFF状態であると判定した場合は、センサ99が第3の検出用パターンを検出していると判定した場合である。
次に、制御基板94のCPUは、ステップ1220で、透過カウンタの値と遮光カウンタの値との合計が所定値であるかを判定する。ステップ1220でYesの場合、フィルターチェンジャー60の移動処理が正常に行われたので、本処理を終了して、液晶表示装置40に変更後のフィルターの番号を表示する。一方、ステップ1220でNoの場合、フィルターの位置がずれていると判断(位置ずれのエラーと判断)し、ステップ1300に移行し、位置ずれのエラー処理を実行する。なお、ステップ1220でYesの場合、移動完了後のフィルターの番号を、記憶部(例えば、RAM)に記憶する。
例えば、1番フィルター61から2番フィルター62の1つ先のフィルターに変更する場合のステップ1220を説明する。図7の(1)の1番フィルター位置から図7の(2)の2番フィルター位置まで移動する場合、透過カウンタの値は5、遮光カウンタの値は70である。この場合、透過カウンタの値と遮光カウンタの値との合計値が所定値である75であるか否かを判定する。合計値が75の場合、ステップ1220でYesとなり、フィルターチェンジャー60の移動処理が正常に行われたと判断し、本処理を終了する。一方、合計値が75ではない場合、ステップ1220でNoとなり、フィルターの位置がずれていると判断(位置ずれのエラーと判断)し、ステップ1300に移行し、位置ずれのエラー処理を実行する。
次に、例えば、1番フィルター61から3番フィルター63の2つ先のフィルターに変更する場合のステップ1220を説明する。図7の(1)の1番フィルター位置から図7の(2)の2番フィルター位置まで移動する場合、透過カウンタの値は5、遮光カウンタの値は70である。図7の(2)の2番フィルター位置から図7の(3)の3番フィルター位置まで移動する場合、透過カウンタの値は10加算され15となり、遮光カウンタの値は70加算され140となる。この場合、透過カウンタの値と遮光カウンタの値との合計値が所定値である155であるか否かを判定する。合計値が155の場合、ステップ1220でYesとなり、フィルターチェンジャー60の移動処理が正常に行われたと判断し、本処理を終了する。一方、合計値が155ではない場合、ステップ1220でNoとなり、フィルターの位置がずれていると判断(位置ずれのエラーと判断)し、ステップ1300に移行し、位置ずれのエラー処理を実行する。
なお、1番フィルター61から3番フィルター63に2つ先のフィルターに変更する場合のステップ1220は、以下のように判定しても良い。図7の(1)の1番フィルター位置から図7の(2)の2番フィルター位置まで移動する場合、先ず、1番フィルター61から2番フィルター62の移動に伴う透過カウンタの値と遮光カウンタの値との合計値が所定値である75であるか否かを判定する。判定後、透過カウンタと遮光カウンタをクリアする。次に、2番フィルター62から3番フィルター63の移動に伴う透過カウンタの値と遮光カウンタの値との合計値が所定値である80であるか否かを判定する。ここで、図7の(2)の2番フィルター位置から図7の(3)の3番フィルター位置まで移動する場合、透過カウンタの値は10、遮光カウンタの値は70である。各判定の結果がYesの場合は、正常と判断されるが、いずれか一方の判定の結果がNoの場合は、位置ずれのエラー処理を実行する。
<<エラー処理>>
<位置ずれのエラー処理>
次に、図11を用いてステップ1300の位置ずれのエラー処理を説明する。ステップ1302で、制御基板94のCPUは、モータ92への駆動パルスの出力を停止し、位置ずれのエラーとなった際の状態を維持する。
次に、ステップ1304で、制御基板94のCPUは、光源90への電力の出力を停止し、光源90を消灯状態にする。
次に、ステップ1306で、制御基板94のCPUは、筐体10の正面のエラーランプ34を点灯させる。エラーランプ34を点滅させても良い。
次に、ステップ1308で、制御基板94のCPUは、液晶表示装置40に位置ずれのエラーメッセージを表示させる。エラーメッセージは、エラーの表示画面であり、エラー画像を表示する。位置ずれのエラーの表示画面は、液晶表示装置40に『FC』を表示する画面である。この『FC』の表示は、『FC』を強調する表示や『FC』の文字表示と周辺表示とを反転させる表示としても良い。
このようにすることで、フィルターの変更が正しく動作しなかった場合、誤った検査処理が行われてしまう問題を防ぐことができる。また、位置ずれのエラーと判断された際にどのフィルターの位置で位置ずれのエラーが起こったかを検査員が確認することができる。さらに、検査員は、エラー状態を容易に判別することができる。
本実施形態では、第1の検出用パターン、第2の検出用パターンがスリットである場合を説明した。第1の検出用パターン、第2の検出用パターンとして検出片を用いる場合、透過カウンタ処理は遮光カウンタを用いた処理とし、遮光カウンタ処理は透過カウンタを用いた処理とするのが好適である。この場合、ステップ1218で、制御基板94のCPUは、目的位置においてセンサ99が透過状態であると判定した場合、フィルターの位置がずれていると判断(位置ずれのエラーと判断)し、位置ずれのエラー処理を実行することが好適である。
位置ずれのエラーを解除する場合は、電源スイッチを再度ONとすることにより解除することができる。電源スイッチが再度ONとなった際、制御基板94のCPUは、初期化処理を実行する。原点位置を確認できた場合に限り、その後にフィルターチェンジャー移動処理を実行することができるようになっている。
透過カウンタ処理および遮光カウンタ処理の結果は、位置ずれのエラー時において確認することが可能である。初期化処理において、透過カウンタ、遮光カウンタの値を記憶しておくことで、フィルターチェンジャー60が動作しなかった場合の状態を検出することができる。
<<その他のエラー>>
光源装置100のエラーとして、光源温度エラー、光量フィードバックエラー、光源状態検知エラー等を備える。
<光源温度エラー>
制御基板94のCPUが、光源90のユニットが高温を示す所定温度に到達したことを検知した際のエラーである。制御基板94のCPUは、光源90の光の照射を停止させる。制御基板94のCPUは、エラーランプ34を点灯させる。制御基板94のCPUは、液晶表示装置40に光源温度を表示する。光源温度の表示は、光源温度を強調する表示や光源温度の文字表示と周辺表示とを反転させる表示としても良い。強調する表示は、文字を大きく表示したり、文字を点滅させたり、文字に飾りを付加して表示したりする表示である。光源温度エラーを解除する場合は、電源スイッチを再度ONとすることにより解除することができる。なお、光源90の温度が下がったことを確認してから電源スイッチを再度ONとすることが好適である。
<光量フィードバックエラー>
制御基板94のCPUが、光量フィードバックができないことを検知した際のエラーである。制御基板94のCPUは、光源90の光の照射を継続させる。制御基板94のCPUは、エラーランプ34を点滅させる。制御基板94のCPUは、液晶表示装置40に『FEEDBACK』を表示する。この表示は、『FEEDBACK』を強調する表示や『FEEDBACK』の文字表示と周辺表示とを反転させる表示としても良い。光量フィードバックエラーを解除する場合は、光量フィードバックを無効にすることにより解除することができる。また、光量の安定化時間を再度設定することによっても解除することができる。
光量フィードバックを無効にする場合、メニュー画面を液晶表示装置40に表示させてから、光量フィードバック制御の設定画面を表示させる。光量フィードバック制御の設定画面において、光量フィードバックを無効にする設定を選択することにより、光量フィードバックエラーを解除することができる。
光量の安定化時間を再度設定する場合、メニュー画面を液晶表示装置40に表示させてから、光量の安定化時間を設定する画面を表示させる。光量の安定化時間を設定する画面において、5000時間、10000時間、15000時間、20000時間の中から希望する安定化時間を選択する。選択した安定化時間に対応した調光最大値を自動設定し、光量フィードバックが実行されたことに基づき、光量フィードバックエラーを解除することができる。
<光源状態検知エラー>
制御基板94のCPUが、光源装置100の駆動回路にオープン異常またはショート異常が生じたことを検知した際のエラーである。制御基板94のCPUは、エラーランプ34を点灯させる。制御基板94のCPUは、液晶表示装置40に『OPEN』または『SHORT』を表示する。この表示は、『OPEN』または『SHORT』を強調する表示や『OPEN』または『SHORT』の文字表示と周辺表示とを反転させる表示としても良い。光源状態検知エラーを解除する場合は、電源スイッチを再度ONとすることにより解除することができる。
複数のエラーが発生した場合、各々のエラーを液晶表示装置40に表示する。また、エラーの優先順位を設定しておき、優先順位の高いエラーに関する表示を優先順位の低いエラーよりも優先して表示しても良い。例えば、優先順位は、光源状態検知エラー(第1のエラー)、位置ずれのエラー(第2のエラー)、光量フィードバックエラー(第3のエラー)、光源温度エラー(第4のエラー)の順に設定しておく。
位置ずれのエラー(第2のエラー)と光量フィードバックエラー(第3のエラー)とが同じ時期に発生した場合、位置ずれのエラーを示す『FC』の表示を、光量フィードバックエラーを示す『FEEDBACK』の表示よりも優先して液晶表示装置40に表示する。結果的に、液晶表示装置40には、『FC』が表示され、『FEEDBACK』は表示されない。『FC』の表示を『FEEDBACK』の表示の上に重ねて表示しても良い。この際、上に重ねて表示している『FC』の表示によって、完全に『FEEDBACK』の表示が見えない状態であっても、『FEEDBACK』の表示の一部が見える状態であっても良い。このようなエラー表示をすることによって、重要なエラーを優先して検査員に報知することができる。
光量フィードバックエラー(第3のエラー)と光源温度エラー(第4のエラー)とが同じ時期に発生した場合、光量フィードバックエラーを示す『FEEDBACK』の表示を、光源温度エラーを示す温度表示よりも優先して液晶表示装置40に表示する。結果的に、液晶表示装置40には、『FEEDBACK』が表示され、温度表示はされない。『FEEDBACK』の表示を温度表示の上に重ねて表示しても良い。この際、上に重ねて表示している『FEEDBACK』の表示によって、完全に温度表示が見えない状態であっても、温度表示の一部が見える状態であっても良い。その後、光量フィードバックエラーが解除された場合、液晶表示装置40には、温度表示がなされる。このようなエラー表示をすることによって、重要なエラーを優先して検査員に報知することができる。また、優先順位の高いエラーが解除された場合は、優先順位の低いエラーを報知することができるため、確実に検査員にエラーを報知することができる。
光源装置100にスピーカを設けて、エラーの発生時にエラー音を出力しても良い。各エラーのエラー音は同じであっても良いし、相違しても良い。
<位置ずれのエラー処理の変更例>
制御基板94のCPUは、位置ずれのエラーと判断した場合、初期化処理を実行するようにしても良い。そして、原点位置を確認できた場合に限り、その後にフィルターチェンジャー移動処理を実行するようにしても良い。
初期化処理の実行中は、液晶表示装置40に初期化処理が実行されていることを示す『初期化処理中』の表示を継続して表示するようにしても良い。また、パワーランプ32やエラーランプ34を所定の態様(点滅等)で点灯するようにしても良い。この場合、液晶表示装置40の『初期化処理中』の表示は、初期化処理が終了した後の所定時間後に終了する。また、パワーランプ32やエラーランプ34の点灯も初期化処理が終了した後の所定時間後に終了する。このように初期化処理が終了してから所定時間後に液晶表示装置40の表示や各種ランプの点灯が終了するように構成することで、初期化処理が確実に終了してからフィルターチェンジャー移動処理の操作を実行することができる。
<<<本実施の形態の詳細>>>
上述したように、本発明は、本実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記載及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきでない。このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことはもちろんである。