JP2022022644A - 強制吸排気機能付きヘルメット型マスク - Google Patents

強制吸排気機能付きヘルメット型マスク Download PDF

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JP2022022644A JP2020113097A JP2020113097A JP2022022644A JP 2022022644 A JP2022022644 A JP 2022022644A JP 2020113097 A JP2020113097 A JP 2020113097A JP 2020113097 A JP2020113097 A JP 2020113097A JP 2022022644 A JP2022022644 A JP 2022022644A
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雄作 藤井
Yusaku Fujii
誠司 橋本
Seiji Hashimoto
誉夫 山口
Yoshio Yamaguchi
啓洋 田北
Akihiro Takita
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Abstract

【課題】軽量なフルフェイスヘルメット型の外部からのウイルスの侵入を完全に遮蔽するマスクを提供することを課題とする.特に,ウイルスの完全遮蔽,軽量な本体,楽な呼吸,安価な製造コスト,の4項目を高い次元で同時に実現することを課題とする.【解決手段】気密ヘルメット内を微正圧に制御することにより,軽量素材製とすることができる.また,清浄な空気の一定の流れを作ることにより,負荷の掛からない呼吸動作が可能になる.【選択図】図1

Description

本発明は,給気マスクに関し,より詳細には,宇宙服のヘルメットに類似した機密型ヘルメット内に清浄な空気を供給する機器に関するものである.本発明は,気密ヘルメット内の空気の圧力・流れを,給気と排気を制御することにより,目標範囲に制御する機能をもったヘルメット型マスクに関するものである.ここでは,「給気」と「排気」をまとめて表す用語として,「吸排気」を使う.
新型コロナウイルスは突然変異を繰り返し,地球上に留まり続けることが予想されている.これからの社会は,社会的距離をとることを前提として,社会様態が変革されていくことが予想される.
テレワーク,オンライン授業なども標準として普及していくだろうが,通勤・通学や,企業・役所での対面会議・対談,学校・大学での実験・実習など,人々の物理的な移動に対する要求も,確実に残ることが予想される.
集団免疫獲得に必要な集団免疫率Pcは,基本再生産数R0を用いて,次式で表せる.
Pc = 1 – 1/R0
例: R0=2の場合,集団免疫獲得に必要な感染割合Pc=1-1/2=0.5 (50%)となる.R0=1.2であれば,Pc=1-1/1.2=0.17(17%)で済む.なお,上記の計算式では,感染拡大して集団免疫率が増大しても,個々人の移動や接触の様態は変化しないという,かなり無理がある仮定が前提となっている.
基本再生産数R0は,次式で表せる.
R0=β×k×D
β:一回の接触当たりの感染確率
k:単位時間あたりに一人の人間が集団内で他者(=未感染者)と接触する平均回数
D:平均感染期間
基本再生産数R0は,感染症に感染した1人の感染者が、誰も免疫を持たない集団(社会)に加わったとき、感染期間中に直接感染させる平均人数として定義される.定義から,“周りに感染者が殆どいない状態”においては,当該集団(社会)についてR0=1なら定常状態,R0<1なら収束,R0>1なら拡大,ということになる.R0は,ウイルスの性質だけでなく,当該集団の性質(人種的体質,状態,公衆衛生の状態,各人の健康状態,など)にも依存する.公衆衛生を向上させることにより,あらゆるウイルスに対してR0を低減できると考えられる.
すなわち,以下が有効となる.
βの低減: 免疫力UP,マスク着用,手洗い励行.
kの低減: 在宅勤務,在宅学習の導入,3密忌避,社会的距離の確保.
βとkが低減された状態の社会様態を作ることにより,R0が低減され,Pcが低減される.
ロックダウン状態は,β,kを極端に低減させた状態であるとも言える.
実効再生産数Reは,感染が社会にある程度拡大した段階(=集団免疫率がある程度の大きさになった段階)で,感染症に感染した1人の感染者が、当該集団に加わったとき、感染期間中に直接感染させる平均人数として定義される.例えば,集団免疫率20%の集団の場合,(接触する人の20%が免疫を持った人となるため,)上記kは実質的に80%となり,Re=0.8R0となる.
実効再生産数(Rt)は,基本再生産数(R0)と同様に,便宜的に,次式のように表すことができる.
Rt =β× k × D
β:未感染者との接触1回当たりの感染確率
k:1人の感染者が、1日当たり、集団内で未感染者と接触する回数
D:感染日数
感染を収束させる(Rt<1を実現する)ためには,以下が有効であろうと考えられる.
βの低減:マスク着用,手洗い励行,免疫力向上,など
kの低減:在宅勤務・在宅学習の導入,社会的距離の確保,免疫保有者の増加(集団免疫率の向上),など.
もしも,「ウイルスを完璧に遮蔽できるマスク」を全国民が着用して外出すれば,あらゆるウイルスに対して,基本再生産数R0がゼロである社会を実現できる.
ウイルスの感染拡大の危険性が予測された段階で,十分に多くの国民が「ウイルスを完璧に遮蔽できるマスク」を着用することにより,当該社会における基本再生産数(R0),および,実効再生産数(Rt)を1未満の十分に小さな値とすることが可能になり,感染を収束させることができる.
「ウイルスを完璧に遮蔽できるマスク」を装着した未感染者は,治癒済みの免疫保有者と同様に,ウイルスに感染することもなければ,他者にウイルスを感染させることもない.すなわち,「ウイルスを完璧に遮蔽できるマスク」をしている未感染者の割合が増えると,その割合で,上記kが低減される.「本発明によるマスクを装着した感染者」はウイルスを外部に出すことが出来なくなる,あるいは,「本発明によるマスクを装着した未感染者」にウイルスが侵入することができなくなる,ということから,上記β(未感染者との接触1回当たりの感染確率)が低減すると解釈することもできる.
市販の通常のマスクは,フィルタ性能が良く,空気漏れ(空気漏れ率)の少ないものほど,呼吸が困難であり,息苦しくなり,長時間の装着が困難かつ危険であるという問題があった.市販の安価な不織布マスクの多くについては,通常の装着状態では,呼気の大部分が,不織布を透過せずに,マスクと顔の間の隙間を通過しており,空気中からのウイルスの侵入を防止する効果は殆ど無いことを確認している.
厳重な感染症対策が必要となる医療用として,電動ファン付き呼吸用保護具(Powered Air-purifying Respirator)が開発されているが,大きくかさ張り,マスク(フード,ヘルメット)内の騒音も酷く,また,装着における圧迫感の為に長時間の装着は精神的な苦痛を伴う.
ウイルスを完璧に遮蔽でき,かつ,呼吸が楽にでき,かつ,装着部が軽量であるマスクについては,製品・技術・アイデアは見当たらない.
下記のような関連文献がある.
特許文献1:特開2016-209698
特許文献1は,装着者の気道の入口(鼻孔)に配置されたインターフェース構造に関するものであり,本発明と組み合わせて利用することもできる.

特許文献2:特開2018-083102
特許文献2は,様々なサイズの構成要素を設けることなく,広い範囲の装着者に寸法合わせすることを可能とするマスクシステムに関するものであり,本発明と組み合わせて利用することもできる.
超軽量なフルフェイスヘルメット型のウイルス完全遮蔽マスクを提供することを課題とする.特に,以下の4つの項目を高い次元で同時に実現することを課題とする.
* ウイルスを完全に遮蔽
* 軽量な本体
* 楽な呼吸
* 安価な製造コスト
上記目的を達成するために,請求項1に関わる発明は,気密ヘルメット内を正圧に制御し,及び/または,給気流量を一定レベルに制御することを特徴とする空気供給装置である.
請求項2に関わる発明は,気密ヘルメット内の圧力計測値,及び/または,ヘルメット内の空気流量計測値に基づいて,給気側のポンプ,排気側のポンプ,給気側のバルブ,排気側のバルブのうち,いずれか1つ以上を制御することを特徴としている.
請求項3に関わる発明は,ヘルメット部の圧力,および/または,流量を,呼吸のタイミングに合わせて制御することを特徴としている.
請求項4に関わる発明は,給気チューブ,および/または,排気チューブの途中に,紫外線照射装置,および/または,プラズマ発生装置を挿入することを特徴としている.
請求項5に関わる発明は,給気チューブの途中に,酸素供給装置,及び/または,二酸化炭素除去装置を挿入することを特徴としている.
請求項6に関わる発明は,吸排気制御機能付きヘルメット型マスク用のヘルメット部を,バックパック部ではなく,外部の吸排気サービスポートに接続できるシステムとすることを特徴としている.
請求項7に関わる発明は,吸排気制御機能付きヘルメット型マスク用のヘルメット部を,気密空間に置き換えることを特徴としている.
請求項8に関わる発明は,給気側のポンプ,および排気側のバルブの制御において,流量が一定となるようにポンプの回転速度をフィードバック制御し,同様にヘルメット内の圧力が一定となるようにバルブの開度をフィードバック制御することを特徴としている.
請求項9に関わる発明は,給気側,排気側のポンプ,および/または,給気側,排気側のバルブの制御において,流量が一定となるようにあらかじめ2つのポンプの回転速度,および/または,バルブの開度を一定に調整し,同様に,ヘルメット内の圧力が一定となるようにあらかじめ2つのポンプの回転速度の差,および/または,バルブの開度の差を一定に調整する.また,設定値に対する変動分に対しては1つのポンプの回転速度,および/または,バルブ開度で流量を補正するようフィードバック制御し,もう1つのポンプの回転速度,および/または,バルブの開度でヘルメット内の圧力を補正するようフィードバック制御することを特徴としている.
請求項10に関わる発明は,給気側,排気側のポンプ,および/または,給気側,排気側のバルブの制御において,2つのポンプの回転速度の和,および/または,2つのバルブの開度の和をフィードバック制御することにより給気量を制御し,2つのポンプの回転速度の差,および/または,2つのバルブの開度の差をフィードバック制御することによりヘルメット内の圧力を制御することを特徴とする特徴としている.
請求項11に関わる発明は,口,及び/または,耳に近い部分の気密ヘルメットの壁面を,軽くすることを特徴としている.
請求項12に関わる発明は,ヘルメット部の構造の一部に吸音材を用いることを特徴としている.
請求項13に関わる発明は,ヘルメット部, 及び/または,バックパック部の空気供給装置の作動音源近傍, 及び/または,給気チューブ, 及び/または,排気チューブに,ノイズキャンセリング装置を組み込むことを特徴としている.
請求項14に関わる発明は,ヘルメット部の内側に手動操作用グローブを内蔵することを特長としている.
請求項15に関わる発明は,ヘルメット部に,仮想現実スクリーンを組み込むことを特長としている.
請求項16に関わる発明は,機密ヘルメット内における装着者の呼吸による空気の流れを考慮した吸排気口を持つことを特長としている.
請求項17に関わる発明は,機密ヘルメット部の内側に小物入れを内蔵することを特長としている.
請求項18に関わる発明は,機密ヘルメット外側表面が汚染された場合であっても安全に水分を補給する装置を組み込むことを特長としている.
請求項19に関わる発明は,機密ヘルメット内部に頭部に触れることのできる棒を収納することを特長としている.
本発明においては,ヘルメット内を,微正圧に保持することにより,ヘルメット(透明ドーム)部を軽量で柔軟な透明樹脂素材で製作することができる.また,ヘルメット内を,微正圧に保持することにより,首のシール部からの外気の進入を完全に防止することができる.ウイルスの侵入をほぼ100%遮蔽することが可能になる.ウイルスの外部への漏洩は,首シール部からの「空気漏れ」の程度に依存するが,通常のマスクと比べれば,遥かに高い水準での遮蔽を実現できる.ポンプ/ファン(送風器)による強制的な給気,および,排気を行うことにより,給気側,及び,排気側に分厚いフィルタを使うことが可能となる.
配管(チューブ)や,圧力バッファに,ウイルス死滅機能(紫外線,プラズマなど)を付加することは,ウイルスを完全に遮蔽する上で,特に,有効である.ヘルメット内へ給気される空気内のウイルスを死滅させるには,給気側圧力バッファ内に,ウイルス死滅装置(紫外線照射装置,プラズマ発生装置など)を設置することが有効である.外部に排出される空気内のウイルスを死滅させるには,排気側圧力バッファ内に,ウイルス死滅装置(紫外線照射装置,プラズマ発生装置,オゾン発生装置など)を設置することが有効である.
ヘルメット内に清浄な空気の流れを作ることにより,清浄な空気を,自然な呼吸動作で呼吸することが可能となる.
バックパック部に納めたポンプ,圧力バッファ,電磁制御弁などによる強制給気,強制排気により,流れ抵抗が非常に大きな強力フィルタを挿入しても,呼吸の妨げにはならない.装着者の呼吸動作により給気,排気を行う,紙マスク,医療用マスク着用時のような息苦しさが全く無い状態を作ることができる.フィルタ部には,市販の空気清浄機にも使われる集塵フィルタ,脱臭フィルタを組み合わせて使うことが好適である.集塵フィルタとしては,ウイルス,花粉,ハウスダストなどに対する捕獲能力が高いHEPAフィルタ,ULPAフィルタ,超ULPAフィルタなどが好適である.
スカート部は,伸縮性のある気密布製,あるいは,薄いゴム材料製として,ネックシール部は伸縮性のあるゴム材料製,あるいは,スポンジ材料製とすることが好適である.スカート部のネックシール部はマジックテープで着脱する方式も,好適である.スカート部は,また,ドライスーツ用ネックリング,または,それに類似した形状,材質のものも好適である.
汚染された屋外から,清浄な室内に入る際には,エアロックブースを経由することが考えられる.エアロックブースでは,清浄な空気が流され,また,紫外線や,消毒薬剤(アルコールなど)の噴霧などが行われる.消毒薬剤を浴びるタイプのエアロックブースには,マスクの給気チューブに接続するサービス給気口が提供され,新鮮な空気がマスク外部から直接,供給されるようにすることが好適である.これにより,エアロックブース内で薬剤噴霧が行われる際に,薬剤を含むブース内の空気がマスク内に侵入しないようにすることが好適である.
乗り物(自動車,バス,電車,航空機,など)や施設(オフィス,会議室,劇場,映画館,など)の各座席に,マスクの給気チューブに接続するサービス給気口が提供され, マスク内に,温湿度と成分(組成)が調整された清浄な空気が供給されるようにすることは,より快適で,より清潔で,より静音なマスク内環境を提供する上で,好適である.
本発明は,ヘルメット部を気密服に置き換えることで,全身用の清浄空気供給装置とすることができる.本発明は,ヘルメット部を気密構造の部屋全体,気密構造の家屋全体に置き換えることで,それぞれ,部屋用の清浄空気供給装置,家屋用の清浄空気供給装置とすることができる.本発明は,ヘルメット部を,気密構造のベビーカー,気密構造のベッドに置き換えることで,それぞれ,ベビーカー用の清浄空気供給装置,ベッド用の清浄空気供給装置とすることができる.
本発明は,気密ヘルメットを装着したまま汗を拭い,鼻をかむなど,手を使った作業をヘルメット内で行うことができる.マスク内に収納されている棒で頭を掻くことができる.
本発明は,映像投影装置および音響装置によりマスクを着用したまま映画の鑑賞,ゲームのプレイ,仮想現実の体験,拡張現実による作業補助,スマートフォンを介した通話を行うことができる.
本発明は,呼吸を考慮した吸排気により,二酸化炭素濃度の上昇の抑制,口臭の防止を行うことができる.
本発明は,マスクを着用したまま,マスク内部に所持しておいた食料または薬を摂取することができる.
マスク外側表面が汚染されている場合であっても,外部の給水ボトルから飲料を汚染の心配なく摂取することができる.
図1に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクの基本構成の模式図である. 図2に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメット部の模式図である. 図3に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメット部内部の空気の流れを示す模式図である. 図4に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのバックパック部の模式図である. 図5に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクの基本構成の発展形の模式図である. 図6に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクに,呼吸センサ(微差圧センサ)を設置した場合の模式図である. 図7に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクにウイルス死滅装置を付加した実施例の模式図である. 図8に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクに空気組成調整装置を付加した実施例の模式図である. 図9に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメット部を,座席に設置された吸排気サービスポートに接続できるシステムとした実施例の模式図である. 図10に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルヘルメット部を,気密状態にしたベビーカーで置き換えた実施例の模式図である.
図11に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクの制御ブロック図(基本構成)の実施例の模式図である. 図12に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクの制御ブロック図(発展形1)の実施例の模式図である. 図13に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクの制御ブロック図(発展形2)の実施例の模式図である. 図14に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクの発展形のフィードバック制御器C1の構成例の実施例の模式図である. 図15に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメット部の口近傍、耳近傍に軽量材料を使用した実施例の模式図である. 図16に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメット部に吸音材の設置した実施例の模式図である. 図17に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメット部にノイズキャンセング装置を装着した実施例の模式図である. 図18に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメット部にグローブを内蔵した実施例の模式図である. 図19に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメット部に仮想現実スクリーンおよび音響装置を内蔵した実施例の模式図である.
図20に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメット部に呼吸の流れを考慮した吸排気口レイアウトの実施例の模式図である. 図21に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメット部にヘルメット内ポケットを設置した実施例の模式図である. 図22に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメットのフランジ部に給水装置を設置した実施例の模式図である. 図23に示す実施例は,本発明に基づく吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメット部に頭部刺激用の棒を設置した実施例の模式図である.
図1に示す実施例1は請求項1の実施例である.実施例1においては,給気側ポンプの出力と,排気側バルブ(弁)の開口量(流路抵抗)を,以下の条件が満たされるように制御する.
条件1:排気チューブ内の流量を一定範囲(70L/min±20 L/min)に保持する.
条件2:ヘルメット内の圧力を外気圧に対して一定範囲(+0.03気圧±0.02気圧)に保持する.
排気チューブ内の流量は,排気チューブの途中に設置した流量センサで計測する.ヘルメット内の圧力はヘルメット内に設置した圧力センサ(差圧センサ)により外気圧との差圧として計測する.
本発明の基本構成は,図1に示すように,ヘルメット部とバックパック部からなる.ヘルメット部とバックパック部は,給気チューブ,排気チューブ,圧力センサ用ケーブルで接続される.外部からの空気は,バックパック部に設置された給気側ポンプにより静圧が付加され,フィルタにより微粒子が除去されたのち,給気チューブを介して,ヘルメット部に送り込まれる.ヘルメット部からの空気は,排気チューブ,流量センサ,排気側バルブを通り,外部に放出される.ヘルメット内の圧力と,ヘルメット内を流れる空気の流量の2つが所定の範囲に収まるように,コントローラにより,給気側ポンプの出力,および,排気側バルブの開口量(流路抵抗)が制御される.ヘルメット内の圧力は圧力センサで測定され,ヘルメット内を流れる空気の流量は排気チューブの途中に設置された流量センサにより計測される.バックパック部には,バッテリ(電源)も設置される.
図2に本発明に基づく「強制吸排気機能付きヘルメット型マスク」のヘルメット部の模式図を示す.「ヘルメット部」は,薄く透明な樹脂材料製の「透明ドーム部」,弾力性・気密性のある気密シール材料製の「スカート部」,ドーム部とスカート部を気密接続する脱着式の「フランジ部」,スカート部を装着者の首部に気密装着する「首部シール部」,及び,給気チューブと排気チューブの「脱着コネクタ部」からなる.ヘルメット部の後頭部付近を柔らかく変形しやすい素材で構成することは,装着者がリクライニングして楽な姿勢を取ることを可能とする上で好適である.「透明ドーム部」と「スカート部」が,「フランジ部」において着脱可能な構造とすることにより,ヘルメット部の着脱が容易となり,かつ,仕様前後における清掃・消毒の作業も効率的に行うことができる.
ヘルメット部に,装着者が自分自身の手を入れられるように,「グローブボックス」と同様に,グローブ(手袋)を備えることは好適である.また,外部との物品の出し入れを安全に行う上では,理化学実験でしばしば使われる「グローブボックス」と同様に,各種フィードスルー,及び,または,真空エアロックを備えることは好適である
図2の実施例では,ヘルメット部は一様な透明樹脂材料製としたが,使用する環境に合わせて,様々な材料を組み合わせて製作することができる.例えば,衝撃に対して装着者の頭部を保護したい場合は,自動二輪乗車用のヘルメット,または,工事作業用のヘルメットのような耐衝撃性に優れた強靭な構造・材質としても良い.紫外線をカットしたい場合は,紫外線反射膜を表面に蒸着しても良い.また,プライバシーを守る目的で,一部,不透明にしても良い.外部環境が高温多湿の環境である場合等において,明瞭な視界を確保する目的で,曇防止加工を施しても良い.また,ヘルメットの視野に入る部分を2重膜構造として,内部に,高温気体を流すことによって,ヘルメットの視野に入る部分の温度を高めることにより結露(曇)を防止しても良い.
図3に本発明に基づく「強制吸排気機能付きヘルメット型マスク」のヘルメット部内部の空気の流れの模式図を示す.本実施例では,給気チューブからの供給される空気がヘルメット部内全域に行き渡り,そして,排気チューブから排出されるように,空気の流れを調整している.図には書いていないが,ヘルメット内の給気口,排気口にルーバや可変ノズルを設置することにより,気流の向きを調整することは好適である.
ヘルメットを2重シェル構造として,ヘルメット内に給気を導入し,ヘルメットの内側の多孔質材料などで作られた部分全面から給気する構造としても良い.同様に,た,ヘルメットを2重シェル構造として,ヘルメットの内側の多孔質材料などで作られた部分全面から,排気する構造としても良い.
図4に本発明に基づく「強制吸排気機能付きヘルメット型マスク」のバックパック部の模式図を示す.バックパック部は,背負い式のリュックサック(バックパック)の中に必要な部品を組み込んだものである.バックパック部は,ウエストポーチの中に必要な部品を組み込んだものとしても良い.また,バックパック部は,ジャンパー(上着)の中に必要な部品を組み込んだものとしても良い.バックパック部に装着される部品はバッテリのみとして,他の部品は,ヘルメット部に,直接,装着するようにしても良い.また,短時間の装着で良い場合は,バックパック部を廃して,全ての部品を,ヘルメット部に,直接,装着するようにしても良い.
より簡易な実施例として,ヘルメット内の圧力センサの計測値に基づき,給気側ポンプの出力,および/または,排気側バルブの開口量(流路抵抗)を制御することは,安価な製品を提供する上で好適である.同様に,排気チューブの途中に設置された流量センサの計測値に基づき,給気側ポンプの出力,および/または,排気側バルブの開口量(流路抵抗)を制御することは,安価な製品を提供する上で好適である.
図5に示す実施例2は請求項2の実施例である.実施例2では,気密ヘルメット内の圧力計測値,及び/または,ヘルメット内の空気流量計測値に基づいて,給気側のポンプ,排気側のポンプ,給気側のバルブ,排気側のバルブのうち,いずれか1つ以上を制御する.給気側,および,排気側の両方に,圧力バッファを設置することにより,呼吸サイクルに伴うヘルメット内の圧力変動をより効果的に抑制することができる.また,二酸化炭素濃度センサ(CO2センサ)の計測値に基づき,二酸化炭素濃度が一定以上になった際には,流量目標値を上げる,及び/または,警報を出すことが装着者の安全をより確実に確保する上で好適である.警報の出し方として,スピーカをバックパック部に設置し,そこからのブザー音を出す,及び/または,LEDをバックパック部表面,あるいは,ヘルメットの装着者の視野内に設置し点滅・点灯する,などが好適である.
本発明においては,ヘルメット内を,微正圧に保持することにより,ヘルメット(透明ドーム)部を軽量で柔軟な透明樹脂素材で製作することができる.また,ヘルメット内を,微正圧に保持することにより,首のシール部からの外気の進入を完全に防止することができる.ウイルスの侵入をほぼ100%遮蔽することが可能になる.ウイルスの外部への漏洩は,首シール部からの「空気漏れ」の程度に依存するが,通常のマスクと比べれば,遥かに高い水準での遮蔽を実現できる.ポンプ/ファン(送風器)による強制的な給気,および,排気を行うことにより,給気側,及び,排気側に分厚いフィルタを使うことが可能となる.
給気側ポンプ,および,排気側ポンプとしては,ポンプ(サイクロンポンプ,シロッコポンプ,プロペラポンプ,ロータリーポンプ),送風機(シロッコファン,プロペラファン)などが好適である.仕様としては,流量50 L/分 - 200L/分程度,最大静圧 0.01 &#8211; 0.1気圧程度が好適である.
配管(チューブ)や,圧力バッファに,ウイルス死滅機能(紫外線,プラズマなど)を付加することは,ウイルスを完全に遮蔽する上で,特に,有効である.ヘルメット内へ給気される空気内のウイルスを死滅させるには,給気側圧力バッファ内に,ウイルス死滅装置(紫外線照射装置,プラズマ発生装置など)を設置することが有効である.外部に排出される空気内のウイルスを死滅させるには,排気側圧力バッファ内に,ウイルス死滅装置(紫外線照射装置,プラズマ発生装置,オゾン発生装置など)を設置することが有効である.
ヘルメット内に清浄な空気の流れを作ることにより,清浄な空気を,肺に余分な負担をかけない自然な呼吸動作で呼吸することが可能となる.
ヘルメット内の反響を防止する上では,ヘルメット内壁の頭部付近や後頭部付近に,吸音材を貼ること,及び/または,吸音構造を設置すること,は有効である.ヘルメット内での反響防止のためには,ヘルメット内にノイズキャンセリングを入れることも有効である.装着者の声を,小さな歪み・損失で外部に伝達する上では,ヘルメット部の口周りの材料・構造を密度が低く,薄い材料・構造とすることは有効である装着者の声を外部に通す上では,ヘルメット部の口周りの材料・構造を密度が低く,薄い材料・構造とすることは有効である.装着者の耳に,小さな歪み・損失で外部からの音を伝達する上では,ヘルメット部の耳周りの材料・構造を密度が低く,薄い材料・構造とすることは有効である.
給気ファン,および,排気ファンからの騒音を防止する上では,それぞれ,(給気側バッファを含む)給気チューブの内側,および,(排気側バッファを含む)排気チューブの内側に吸音材を貼ること,及び/または,吸音構造を設置すること,が有効である.給気ファン,および,排気ファンからの騒音を防止する上では,それぞれ,(給気側バッファを含む)給気チューブ,および,(排気側バッファを含む)排気チューブにノイズキャンセリング装置を挿入することは,特に,有効である.
バックパック部に納めたポンプ,圧力バッファ,電磁制御弁などによる強制給気,強制排気により,流れ抵抗が非常に大きな強力フィルタを挿入しても,呼吸の妨げにはならない.装着者の呼吸動作により給気,排気を行う,紙マスク,医療用マスク着用時のような息苦しさが全く無い状態を作ることができる.フィルタ部には,市販の空気清浄機にも使われる集塵フィルタ,脱臭フィルタを組み合わせて使うことが好適である.集塵フィルタとしては,ウイルス,花粉,ハウスダストなどに対する捕獲能力が高いHEPAフィルタ,ULPAフィルタ,超ULPAフィルタなどが好適である.
スカート部は,伸縮性のある気密布製,あるいは,薄いゴム材料製として,ネックシール部は伸縮性のあるゴム材料製,あるいは,スポンジ材料製とすることが好適である.スカート部のネックシール部はマジックテープで着脱する方式も,好適である.スカート部は,また,ドライスーツ用ネックリング,または,それに類似した形状,材質のものも好適である.
図6に示す実施例3は請求項3の実施例である.図6に示す実施例3は,ヘルメット部の圧力,および/または,流量を,呼吸のタイミングに合わせて制御することを特徴とする実施例である.実施例3では,ヘルメット内の鼻孔近くに設置した呼吸センサ(微差圧センサ)により,呼吸動作(吐く動作,吸う動作)を検知し,その情報に基づいて,流量と圧力を制御する.「吸う動作」の間は,圧力目標値,及び/または,流量目標値を高めに設定する.内圧が高くなることで,「吸う動作」を楽に行うことが可能になる.流量目標値を高めに設定することにより,より新鮮な空気を吸うことができる.「吐く動作」の間は,圧力目標値を低めに設定する,及び/または,流量目標値を高めに設定する.内圧を若干,低く設定することにより,「吐く動作」を楽に行うことが可能になる.流量目標値を高めに設定することにより,吐息の排出をよるスムースに行うことができる.
向きを可変制御できるルーバを,ヘルメット内の給気口,排気口に設置し,以下のように制御することは,より効率的な呼吸を実現する上で好適である.
吸う動作の際:給気の気流が,装着者の鼻周辺に向かうようにルーバ角度を調整する.排気は,装着者の鼻周辺から遠い場所から来るようにルーバ角度を調整する.
吐く動作の際:給気の気流は,装着者の鼻周辺から遠い場所に向かうようにルーバ角度を調整する.排気は,装着者の鼻周辺から来るようにルーバ角度を調整する.
図7に示す実施例4は請求項4の実施例である.図7に示す実施例4は,吸排気制御機能付きヘルメット型マスクにウイルス死滅装置を付加したことを特徴とする実施例である.ウイルス死滅装置・ウイルス破壊装置としては,赤外線照射装置,プラズマイオン発生装置,オゾン発生装置,高電圧殺菌装置,コロナ放電殺菌装置,加熱殺菌装置,薬剤噴霧装置などがある.ウイルス死滅装置を,給気側に配置することにより,ヘルメット内に送り込まれる空気を活性ウイルスの存在しない安全な状態なものとすることができる.ウイルス死滅装置を,排気側に配置することにより,本装置(吸排気制御機能付きヘルメット型マスク)から排出される空気を活性ウイルスの存在しない安全な状態なものとすることができる.「プラズマイオン発生装置」は,「シャープのプラズマクラスターイオン発生機」,「パナソニックのナノイー発生器」など,市販の空気清浄機に内蔵されているものを想定している.
図7の実施例では,温湿度調整装置を給気側に設置している.空気組成に加えて,温度・湿度が調整された清浄な空気が,ヘルメット部に供給される.外気温と,ヘルメット内の温度に大きな差がある場合には,給気チューブと排気チューブの間で熱交換を行わせる「熱交換ユニット」の採用が好適である.
図8に示す実施例5は請求項5の実施例である.図8に示す実施例5は,吸排気制御機能付きヘルメット型マスクに空気組成調整装置を付加したことを特徴とする実施例である.空気組成調整装置としては,二酸化炭素吸着・除去装置,酸素発生装置,一酸化炭素除去装置,有毒ガス除去装置,などがある.二酸化炭素吸着・除去装置としては,二酸化炭素吸着キャニスター(水酸化リチウム缶)などが好適である.酸素発生・濃縮装置としては,小型軽量.低コストの酸素ガスボンベの他,ゼオライトを用いた酸素発生装置(窒素吸着装置)などが好適である.一酸化炭素除去装置としては,CO選択酸化除去触媒を用いた一酸化炭素酸化除去装置などが好適である.各種の有毒ガスについて,それに対する除去装置を装着することも好適である.各種ガスは,その濃度を測定するセンサにより計測される.図8には,給気側のフィルタの下流側の給気チューブの途中,および,排気側フィルタの上流側の排気チューブの途中に二酸化炭素濃度センサ,酸素濃度センサを設置した実施例を示している.
図8に示した実施例5においては,給気チューブ内の二酸化炭素濃度の計測値が1000ppmを超えた場合は,「流路切換え弁」により,給気空気が二酸化炭素吸着装置を流れるように切り替えられる.そして,給気チューブ内の二酸化炭素濃度の計測値が600ppmを下回った場合は,「流路切換え弁」により,給気空気が二酸化炭素吸着装置を介さない「通常流路」を流れるように切り替えられる.
図8に示した実施例5においては,給気チューブ内の酸素濃度の計測値が18%を下回った場合は,給気空気が酸素発生装置を流れるように切り替え,「酸素発生装置」が起動し,流路を流れる空気の酸素濃度を高める.そして,給気チューブ内の酸素濃度の計測値が18%を下回った場合は,給気空気が酸素発生装置を流れるように切り替える.
実施例においては,排気チューブ内の酸素濃度,二酸化炭素濃度の計測値は異常事態の発生の監視目的で使われる.排気チューブの酸素濃度が16%を下回る,あるいは,排気チューブの二酸化炭素濃度が1200ppmを上回る場合は異常事態と判定し,非常事態体制を取る.警報音を鳴らし,警報ランプを点灯すると共に,流量の増大,二酸化炭素の除去,酸素の発生などを行う.
図9に示す実施例6は請求項6の実施例である.図9に示す実施例6は,吸排気制御機能付きヘルメット型マスクのヘルメット部を,外部の吸排気サービスポートに接続できるシステムとすることを特徴とする実施例である.図には,給気チューブと排気チューブをまとめた吸排気チューブとして表示してあるが,実際には,センサ信号線,電源線などもまとめて,ヘルメット部からひじ掛け部に接続される.給気チューブ,排気チューブ,信号線,電源線などは,一本にまとめた形状とすることが好適であり,脱着コネクタも統合型とすることが好適である.
汚染された屋外から,清浄な室内に入る際には,エアロックブースを経由することが考えられる.エアロックブースでは,清浄なエアシャワーによる着衣等からのダスト除去が為され,また,紫外線や,消毒薬剤(アルコールなど)の噴霧などによる付着ウイルス・細菌,などの死滅化・不活性化が行われる.消毒薬剤を浴びるタイプのエアロックブースには,マスクの給気チューブに接続するサービス給気口が提供され,新鮮な空気がマスク外部から直接,供給されるようにすることが好適である.これにより,エアロックブース内で薬剤噴霧が行われる際に,薬剤を含むブース内の空気がマスク内に侵入しないようにすることが好適である.また,エアロックブース内に紫外線照射などのウイルス死滅装置を内蔵した保管庫を設置し,外したマスク一式を保管しながら消毒できるようにすることは,安全を高める上で好適である.
乗り物(自動車,バス,電車,航空機,など)や施設(オフィス,会議室,劇場,映画館,など)の各座席に,マスクの給気チューブに接続するサービス給気口が提供され, マスク内に,温湿度と成分(組成)が調整された清浄な空気が供給されるようにすることは,より快適で,より清潔で,より静音なマスク内環境を提供する上で,好適である.また,各座席に,マスクの排気チューブに接続するサービス排気口が提供され, マスクから排出される空気を室外に出すことは,ウイルス濃度がより低く,より安全な室内環境を実現する上で,好適である.
図10に示す実施例7は請求項7の実施例である.図10に示す実施例7は,「吸排気制御機能付きヘルメット型マスク用」のヘルメット部を,気密布で覆い気密構造化したベビーカーに置き換えた実施例を示している.この実施例では,バックパック部は,「ベビーカーのかご部」の下に設置されている.あかちゃんを外部から手でケアするためには,グローブボックスと同様に,グローブ(手袋)を備えることは好適である.また,外部との物品の出し入れを安全に行う上では,グローブボックスと同様に,真空エアロックを備えることは好適である.
本発明は,ヘルメット部を気密服に置き換えることで,全身用の清浄空気供給装置とすることができる.本発明は,ヘルメット部を気密構造の部屋全体,気密構造の家屋全体に置き換えることで,それぞれ,部屋用の清浄空気供給装置,家屋用の清浄空気供給装置とすることができる.本発明は,ヘルメット部を,気密構造のベビーカー,気密構造のベッドに置き換えることで,それぞれ,ベビーカー用の清浄空気供給装置,ベッド用の清浄空気供給装置とすることができる.同様に,バスや航空機の座席毎,ホテルや客船の客室毎に,気密構造として,本発明を適用することは有効である.
図11に示す実施例8は請求項8の実施例である.
図11は,本実施形態に係る制御系の基本構成のブロック図である.本実施形態に係る制御系は,制御対象とフィードバック制御器を含む.制御対象は1つのポンプ1つのバルブ,流量計,圧力計がついたヘルメットであり,その入力(制御入力とも称する)はポンプに関しては,例えば一定電圧のオンオフの比率(Dutyと称する)信号であり,バルブに関してはバルブ開度である.また,その出力(制御量とも称する)は,流量計からえられる流量Qと圧力計からえられる圧力Pである.流量計の出力Qがその設定値Q*に一致するように,フィードバック制御器1によりポンプのDutyを制御し,圧力計の出力Pがその設定値P*に一致するようにフィードバック制御器2によりバルブの開度を制御する.あるいは,流量Qの制御にバルブの開度を利用し,圧力Pの制御にポンプのDutyを利用しても良い.2つの制御器は古典制御理論や現代制御理論を用いて設計しても良い.
本実施形態の制御装置によると,例えば以下の効果を奏する.ただし,本実施形態の制御装置は,必ずしも以下の全ての効果を奏する装置に限定されるものではない.
流量と圧力を設定値に制御するために,流量計と圧力計の計測値を用いて,ポンプとバルブを2つのフィードバック制御器を用いて直接制御するため,流量と圧力を高精度に制御できる.
図12に示す実施例9は請求項9の実施例である.
図12は,本実施形態に係る制御系の基本構成の発展形(発展形1とする)のブロック図である.本実施形態に係る制御系は,制御対象とフィードバック制御器を含む.制御対象は2つのポンプと2つのバルブ,そして流量計,圧力計がついたヘルメットであり,その制御入力は,例えば2つのポンプを駆動するDuty信号である.またその出力(制御量とも称する)は,流量計と圧力計からえられる流量Qと圧力Pである.流量Qの制御については,その設定値Q*となるようにポンプ1とポンプ2の回転速度(またはバルブ1とバルブ2の開度でもよい)を予め調整しておく.圧力Pの制御については,その設定値P*となるようポンプ1とポンプ2の回転速度の差(またはバルブ1とバルブ2の開度の差)を予め調整しておく.これら2つの調整した値をDuty信号(またはバルブ開度信号)のオフセット信号(それぞれu1,u2とする)とし,それぞれフィードバック制御器1とフィードバック制御器2の出力に加算する.呼吸やヘルメットの変形などによる変動分に対しては, 2つのフィードバック制御器により補償する.フィードバック制御器1は,流量の追従誤差を入力とし,その出力をu1と加算しDuty1信号(またはバルブ1開度信号)とし,ポンプ1(またはバルブ1)を駆動する.フィードバック制御器2は,圧力の追従誤差を入力とし,その出力をu2と加算しDuty2信号(またはバルブ2開度信号)とし,ポンプ2(またはバルブ2)を駆動する.2つの制御器は古典制御理論や現代制御理論を用いて設計しても良い.
本実施形態の制御装置によると,例えば以下の効果を奏する.ただし,本実施形態の制御装置は,必ずしも以下の全ての効果を奏する装置に限定されるものではない.
流量と圧力を一定に制御するために予め2つのポンプの回転速度(またはバルブ開度)と,回転速度の差(またはバルブ開度の差)を調整するが,設定値からの誤差分については2つのフィードバック制御器による制御により減加算して補償するため,流量と圧力を素早く高精度に制御できる.
図13に示す実施例9は請求項9の実施例である.図13は,本実施形態に係る制御系の基本構成の発展形(発展形1とする)のブロック図である.本実施形態に係る制御系は,制御対象とフィードバック制御器を含む.制御対象は2つのポンプと2つのバルブ,そして流量計,圧力計がついたヘルメットであり,その制御入力は,例えば2つのポンプを駆動するDuty信号である.またその出力(制御量とも称する)は,流量計と圧力計からえられる流量Qと圧力Pである.流量Qの制御については,その設定値Q*となるようにポンプ1とポンプ2の回転速度(またはバルブ1とバルブ2の開度でもよい)を予め調整しておく.圧力Pの制御については,その設定値P*となるようポンプ1とポンプ2の回転速度の差(またはバルブ1とバルブ2の開度の差)を予め調整しておく.これら2つの調整した値をDuty信号(またはバルブ開度信号)のオフセット信号(それぞれu1,u2とする)とし,それぞれフィードバック制御器1とフィードバック制御器2の出力に加算する.呼吸やヘルメットの変形などによる変動分に対しては, 2つのフィードバック制御器により補償する.フィードバック制御器1は,流量の追従誤差を入力とし,その出力をu1と加算しDuty1信号(またはバルブ1開度信号)とし,ポンプ1(またはバルブ1)を駆動する.フィードバック制御器2は,圧力の追従誤差を入力とし,その出力をu2と加算しDuty2信号(またはバルブ2開度信号)とし,ポンプ2(またはバルブ2)を駆動する.2つの制御器は古典制御理論や現代制御理論を用いて設計しても良い.図14は,発展形のフィードバック制御器C1の構成例を示している.
本実施形態の制御装置によると,例えば以下の効果を奏する.ただし,本実施形態の制御装置は,必ずしも以下の全ての効果を奏する装置に限定されるものではない.
流量と圧力を一定に制御するために予め2つのポンプの回転速度(またはバルブ開度)と,回転速度の差(またはバルブ開度の差)を調整するが,設定値からの誤差分については2つのフィードバック制御器による制御により減加算して補償するため,流量と圧力を素早く高精度に制御できる.
図15に示す実施例11は請求項11の実施例である.気密ヘルメットを構成する壁面の材料は,通気性が無い,あるいは少ない材質である必要があり,さらに壁面には静圧で破壊しない程度の強度が求められる.一方で、強度のために壁面の板厚を増し,あるいは重い材料を使用し,気密ヘルメットを作製すると,遮音性能が高くなる.そのために外部の音が聞き取りにくくなる問題や,ヘルメットを装着している者が発する声や音が,外部に伝えにくくなる問題が発生する.さらに、発する声や音が気密ヘルメット内で反響してしまい不快に感じる問題が発生する.通気性のない一様な材質の壁面の遮音性能は,質量則に従うことが知られており,壁面が重いほど,高い周波数の音が遮断される.
これを解決し自然な音環境とするために,図15に示す実施例11のように,口,及び/または,耳に近い部分の気密ヘルメットの壁面を,非通気で板厚10μm~5mmで比重0.1~3の樹脂またはゴムまたは布を用いて軽くし,静圧は壁面を抜けさせないが,音波の動圧は,透過させるようにするものである. これらの樹脂またはゴムまたは布の代替として、非通気で板厚1μm~1mmで比重1~10の金属薄膜を用いても良い。これより外部の音を聞き取りやすくし,ヘルメットを装着している者が発する声や音を,外部に自然に伝えられるようにし、さらに,ヘルメット内部の不快な反響も減らすことができる.
図16に示す実施例12は請求項12の実施例である.気密ヘルメットの内部で,ヘルメットを装着する者が発する声や音が反響し,不快となる問題がある.また,空気供給装置からの作動音も気密ヘルメットの内部で、反響,増幅し騒音になる問題がある.多孔率0.2~0.999の発泡材(ウレタンフォーム,メラミンフォーム,PPフォーム,PEフォーム,スチレンフォーム,発泡金属), および/または多孔率0.2~0.999の繊維材(グラスウール,ロックウール,PET繊維,不織布,ウール)の吸音材を気密ヘルメットの内部空間に配置し、音波の反響や増幅を防止する. ここで記載した発泡材や繊維材以外の材料も多孔率0.2~0.999の範囲で作製すれば使用可能である.目,口,鼻,耳の近傍には視覚,発声、臭覚,聴覚,呼吸を妨げるために設置しない.
気密ヘルメットの壁面の一部を,多孔率0.2~0.999でヤング率0.0005~1000GPaの構造部材を構成できる多孔質弾性材で作製し,吸音効果を得る方法もある. この時,多孔質弾性材が通気性を持つ場合には,非通気な樹脂フィルムあるいは非通気な薄膜ゴムあるいは非通気な布あるいは非通気な金属薄膜を併用し,機密性の維持と吸音効果を両立する方法もある.
給気チューブの一部や排気チューブの一部、バックパック部内部の流路の一部に、同様な吸音材を設置することも考えられる. これらの部品の一部を,同様な多孔質弾性材で作製し,吸音効果を得る方法もある. この時も,多孔質弾性材が通気性を持つ場合には,同様な非通気なフィルムを併用する.
図17に示す実施例13は請求項13の実施例である.ヘルメット部, 及び/または,バックパック部の空気供給装置の作動音源近傍, および/または給気チューブ, 及び/または,排気チューブに,ノイズキャンセリング装置を組み込む.スピーカ, 及び/または,圧電体を用いたアクチュエータをヘルメットの耳近傍, 及び/または,バックパック部の空気供給装置の作動音源近傍に設置する.マイクロフォン, 及び/または,流量計, 及び/または,圧力計のセンサは, ヘルメット部, 及び/または,バックパック部の空気供給装置の作動音源近傍, 及び/または,給気チューブ, 及び/または,排気チューブに設置する.センサからの音圧信号を用いて,あるいは他の信号を音圧に換算し、コントローラにより,時間領域,あるいは,周波数領域で位相を反転させて,アクチュエータで制御音圧を出力することで作動音源, および/またはヘルメット外部のノイズキャンセリングを行う.
図18に示す実施例14は請求項14の実施例である.気密ヘルメットの内部のスカート部に右手及び/または左手型のグローブを1個または複数個組み込む.グローブの材質は,伸縮性と柔軟性の高い,ニトリルゴム,シリコンゴム,ビニールなどが好適である.グローブは,スカート部と同じ材質で一体成形しても良く,別の素材で作成してスカートに接着しても良い.未使用時は,邪魔にならないよう,グローブを平らにつぶしてスカート部に収納する.装着者の顔面に触れるために前側に2個,後頭部に触れるために後ろ側に1個のグローブが望ましい.
本実施形態のグローブによると,例えば以下の効果を奏する.ただし,本実施形態のグローブは,必ずしも以下の全ての効果を奏する装置に限定されるものではない.ヘルメット着用時に顔面に発生した汗や皮膚のかゆみをグローブ越しに接触することにより解消することができる.ヘルメット内部に保管しておいた紙を用いて鼻をかむことができる.ヘルメット内部に保管しておいた食料または薬を摂取することができる.
図19に示す実施例15は請求項15の実施例である.機密ヘルメット内部に,凹面型ハーフミラー,および,投影機,および,スピーカ,および,マイクを設置する.凹面型ハーフミラーは,ヘルメット内部の装着者の目の前に設置しても良いし,ヘルメット前面の視界部分と一体型となっていても良い.ハーフミラーの,装着者の目と反対方向の表面に,液晶シャッターを設置し,電気信号により光の透過,不透過を制御できるようにしても良い.投影装置はヘルメットの左側面,および/または,右側面に設置される.投影装置により,装着者の前方の仮想スクリーンに映像が映し出される.仮想スクリーンまでの距離は,投影装置内部の光学系により調節され,ヘルメット外の注視物との距離にあわせて,数十cmから数メートル先に設定することが望ましい.映像は現実の視界と重ねて表示,または,ハーフミラーに設置された液晶シャッターにより外の光を遮光することで,投影機の映像のみを表示する.表示する映像は,気密ヘルメットのセンサの値,及び/または,バッテリ残量,及び/または,システムの作動状態,及び/または,外部機器から入力された映像信号である.
スピーカは,ヘルメットの左側面,および/または,右側面の耳付近に設置される.ヘルメットのスピーカは,気密ヘルメットのシステム音声の再生及び/または,外部から入力された音声を再生する.マイクは,ヘルメットの前方,口付近に設置される.マイクは,気密ヘルメットの音声による制御,及び/または,外部機器への入力に用いられる.騒音環境下では,スピーカとして骨伝導スピーカ,及び/または,マイクとして咽喉マイク,の使用が望ましい.スマートフォンを外部機器として接続することが有用である.
本実施形態の映像投影装置および音響装置によると,例えば以下の効果を奏する.ただし,本実施形態の映像投影装置および音響装置は,必ずしも以下の全ての効果を奏する装置に限定されるものではない.マスクをしたまま映画の鑑賞をすることができる.仮想現実の体験ができる.ゲームをプレイすることができる.拡張現実により作業の指示を現実世界に重ねて表示することができる.スマートフォンとの接続により映像を見ながら通話ができる.
図20に示す実施例16は請求項16の実施例である.機密ヘルメットの基本構成において,給気口に風向を調節可能なルーバを設置し,排気口を口の前に設置する.装着者の呼吸によって鼻から下向きに息が吐かれるため,口呼吸,及び/または,鼻呼吸において吐いた後の息は口元を通る.その息は口前に設けられた排気口を通って速やかにマスク外へ排出される.給気口に設けられたルーバは,装着者の鼻方向へ外から取り入れた空気を送る.この吸排気口レイアウトにより,鼻の周りにおいて,一度呼吸に使われた後の空気の割合を減らし,外から取り入れられた空気の割合を増やす.
本実施形態の吸排気口レイアウトによると,例えば以下の効果を奏する.ただし,本実施形態の吸排気口レイアウトは,必ずしも以下の全ての効果を奏する装置に限定されるものではない.ヘルメット内二酸化炭素濃度の上昇を抑制することができる.口臭が鼻に回り込むことによる不快感を低減することができる.鼻,目元付近のマスクの曇りを抑制することができる.
図21に示す実施例17は請求項17の実施例である.機密ヘルメットのスカート部,及び/または,フランジ部に袋状のポケットを形成する.ポケットの材質は,フランジ,または,スカート部と同じでもかまわないし,異なっていてもかまわない.ポケットは,ボタン,及び/または,線ファスナー,及び/または,面ファスナーで入口を閉じられるようになっていても良いし,閉じられなくても良い.ポケットの中に仕切りを作り,異なる種類のものを分けて入れられるようにしても良い.ポケットの中に,食料,薬,ハンカチ,ティッシュを入れておくことが有効である.スカートの柔軟性を利用して,外側から手でポケット内の小物を動かす事で,ポケットの中のものを取り出して使用する.ポケットの中のものを使用するには,実施例14に示す内蔵グローブを用いても良い.
本実施形態のポケットによると,たとえば以下の効果を奏する.ただし,本実施形態のポケットは,必ずしも以下の全ての効果を奏する装置に限定されるものではない.ポケットに食料を保管し,空腹時に食べることができる.ポケットに飲み薬を保管し,定時に服薬することができる.ポケットにハンカチを保管し顔を拭くことができる.ポケットにティッシュを保管し,鼻をかむことができる.
図22に示す実施例22は請求項18の実施例である.図22はヘルメット内のフランジ部に設けられた,外部から飲料を供給するためのストローを通すための給水穴と,その内ぶたと,ボトル本体のストローにストローを保護する外ぶたとヘルメット内部へ入り込まないようにするためのツメを持つストローカバーと,ストローカバーを支えるバネからなる給水装置を使用する機密ヘルメットである.ヘルメット内部の内ぶたは,ヒンジとヒンジ内部のバネと穴を取り囲むゴムパッキンにより通常時は密閉されている.ストローカバーの外ぶたは,ヒンジとヒンジ内部のバネと穴を取り囲むゴムパッキンにより通常時は密閉されている.ストローカバーは,ボトル本体のストローを通すことのできる穴を持ち,中にストローを通して上下に移動することができる.ストローカバーの移動範囲はバネにより制限されている.バネの強さは,内ぶたヒンジ部のバネ,外ぶたヒンジ部のバネ,ストローカバーを支えるバネの順に強くなるように設定する.バネは,ストローカバー,及び/または,ボトル本体と,固定されていても良いし,固定されていなくても良い.
給水時は,まずボトル本体を持ち,ストローカバーをヘルメット吸水穴に差し込み,内ぶたを押し上げる.そのままボトル本体を押し上げるとストローカバーのツメがフランジに引っかかり,ストローが押し上げられてストロー外ぶたが開き,ストローがヘルメット内部に露出する.露出したストローを口でくわえ水を吸い上げることで補水する.ストローを抜く際は,バネによりストローカバーはフランジに押しつけられたままストローが下へ下がる.ストローがストロー外ぶたよりも下がるとストロー外ぶたが閉まる.バネが伸びきったところでストローカバーも下に下がり給水穴から抜ける.ストローカバーが下がり始めると同時に内ぶたも閉じ始め,最終的には密閉状態へ戻る.給水時にボトル側がマスクと接触するのは,ストロー外ぶたを含むストローカバー外側のみであり,ストローおよびボトル内の液体は清浄に保たれる.
本実施形態の給水装置によると,たとえば以下の効果を奏する.ただし,本実施形態の給水装置は,必ずしも以下の全ての効果を奏する装置に限定されるものではない.マスクの外部表面が汚染された状態であっても,装着者の口が触れる給水ボトルのストローを汚染することなくストローをマスク内に差し込むことができため,安心して飲料を摂取することができる.給水時に複雑な操作が必要なく,装着者が片手でボトルを押し込むだけで利用することができる.
図23に示す実施例23は請求項19の実施例である.図23はヘルメット内に,手の届かない頭部を掻くためのとげのついた棒を収納することのできる機密ヘルメットの実施例である.この棒を,以後,「頭かき棒」と呼称する.頭かき棒は,平らな長い棒の先端に皮膚に刺激を与えるための丸みをおびたとげがついている.棒,および,とげは皮膚を傷つけず,弾性の高い,ナイロン樹脂が好適である.棒の反対側はスカート部に固定されたゴムスリットを通して外側に出ており,外側に出ている部分を持ち手として,スカート部の柔軟性を利用して棒を動かし,頭部の希望する場所をとげで掻くことができる.スカート部のゴムスリットにより,空気の漏れを抑えつつ,頭かき棒の出し入れと交換をすることができる.棒には緩やかな曲げが付いており,卵形の頭部を掻くのに適した形となっている.頭かき棒は,未使用時には,ドーム部内壁に沿って,丸めて収納することができる.先端部のとげを,へら,もしくは,ガーゼに置き換えても良い.
本実施形態の棒によると,たとえば以下の効果を奏する.ただし,本実施形態の棒は,必ずしも以下の全ての効果を奏する装置に限定されるものではない.本頭かき棒により頭を掻き,皮膚のかゆみを解消することができる.先端部に「へら」を用いることで頭部に薬を塗ることができる.先端部にガーゼを用いることで頭部の汗を拭うことができる.
今回の発明は,超軽量なフルフェイスヘルメット型のウイルス完全遮蔽マスクを提供する.今回の発明は,ウイルスの完全遮蔽,軽量な本体,楽な呼吸,安価な製造コスト,の4項目を高い次元での同時実現を可能とする.新型コロナウイルスは突然変異を繰り返し,地球上に留まり続けることが予想される状況において,「ウイルスを完全遮蔽できるマスク」は,極めて重要な必需品になると考えられる.本発明に基づく「ウイルスを完全遮蔽できるマスク」,及び,その発展型・変形型の開発・製造・流通に関して,巨大な新産業が創出されることが予想される.

Claims (19)

  1. 気密ヘルメット内を正圧に制御し,及び/または,給気流量を一定レベルに制御することを特徴とする空気供給装置.
  2. 気密ヘルメット内の圧力計測値,及び/または,ヘルメット内の空気流量計測値に基づいて,給気側のポンプ,排気側のポンプ,給気側のバルブ,排気側のバルブのうち,いずれか1つ以上を制御することを特徴とする請求項1に記載の空気供給装置.
  3. ヘルメット部の圧力,および/または,流量を,呼吸のタイミングに合わせて制御することを特徴とする,請求項1,または,請求項2に記載の空気供給装置.
  4. 給気チューブ,及び/または,排気チューブの途中に,紫外線照射装置,及び/または,プラズマ発生装置を挿入することを特徴とする,請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  5. 給気チューブの途中に,酸素供給装置,及び/または,二酸化炭素除去装置を挿入することを特徴とする,請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  6. 吸排気制御機能付きヘルメット型マスク用のヘルメット部を,バックパック部ではなく,外部の吸排気サービスポートに接続できるシステムとすることを特徴とする,請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  7. 吸排気制御機能付きヘルメット型マスク用のヘルメット部を,気密空間に置き換えることを特徴とする,請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  8. 給気側のポンプ,および排気側のバルブの制御において,流量が一定となるようにポンプの回転速度をフィードバック制御し,同様にヘルメット内の圧力が一定となるようにバルブの開度をフィードバック制御することを特徴とする,請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  9. 給気側,排気側のポンプ,および/または,給気側,排気側のバルブの制御において,流量が一定となるようにあらかじめ2つのポンプの回転速度,および/または,バルブの開度を一定に調整し,同様に,ヘルメット内の圧力が一定となるようにあらかじめ2つのポンプの回転速度の差,および/または,バルブの開度の差を一定に調整する.また,設定値に対する変動分に対しては1つのポンプの回転速度,および/または,バルブ開度で流量を補正するようフィードバック制御し,もう1つのポンプの回転速度,および/または,バルブの開度でヘルメット内の圧力を補正するようフィードバック制御することを特徴とする,請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  10. 給気側,排気側のポンプ,および/または,給気側,排気側のバルブの制御において,2つのポンプの回転速度の和,および/または,2つのバルブの開度の和をフィードバック制御することにより給気量を制御し,2つのポンプの回転速度の差,および/または,2つのバルブの開度の差をフィードバック制御することによりヘルメット内の圧力を制御することを特徴とする特徴とする,請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  11. 口,及び/または,耳に近い部分の気密ヘルメットの壁面を,軽くすることを特徴とする,請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  12. ヘルメット部の構造の一部に吸音材を用いることを特徴とする,請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  13. ヘルメット部, 及び/または,バックパック部の空気供給装置の作動音源近傍, 及び/または,給気チューブ, 及び/または,排気チューブに,ノイズキャンセリング装置を組み込むことを特徴とする,請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  14. ヘルメット部の内側に手動操作用グローブを内蔵することを特徴とする,請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  15. ヘルメット部に,仮想現実スクリーンを組み込むことを特徴とする,請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  16. 機密ヘルメット内における装着者の呼吸による空気の流れを考慮した吸排気口を特徴とする,請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  17. 機密ヘルメット部の内側に小物入れを内蔵することを特徴とする,請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  18. 機密ヘルメット外側表面が汚染された場合であっても安全に水分を補給する装置を特徴とする,請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の空気供給装置.
  19. 機密ヘルメット内部に頭部に触れることのできる棒を収納することを特徴とする,請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の空気供給装置.


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