JP2022020972A - シリコンウエーハ中の酸素の拡散係数の算出方法 - Google Patents

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【課題】幅広い温度領域で、低抵抗率基板であっても、正確で簡便に酸素の拡散係数を算出する方法を提供する。【解決手段】方法は、ドープ濃度が異なる複数のシリコンウエーハを準備し、異なるドープ濃度ごとに異なる温度で熱処理した後、酸素の外方拡散プロファイルを測定し、式(1)でフィッティングして、酸素の拡散係数の温度依存性から、拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子を求め、それらとドープ濃度の相関関係を求め、所望のドープ濃度のときの拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子の値を決定し、式(2)に決定した拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子の値を代入し酸素の拡散係数を算出する。TIFF2022020972000010.tif981TIFF2022020972000011.tif1159【選択図】図1

Description

本発明は、シリコンウエーハ中の酸素の拡散係数の算出方法に関する。
半導体集積回路を作製するための基板として、主にCzochralski(CZ)法によって作製されたシリコンウエーハが用いられている。近年、低損失・大電流動作が可能な低耐圧パワーMOS用として、高濃度Pドープ基板を用いたn/n+++(P)エピタキシャルウエーハの要求が高まっている。
エピタキシャルウエーハにおける酸素析出制御は、耐圧やリーク等のデバイス特性への影響、析出過多による反り、ゲッタリングなどの観点から重要である。一般的に酸素析出を律速する因子には固溶度や析出核などがあるが、特に重要な因子として酸素の拡散係数が挙げられる。
さらに、エピタキシャルウエーハにおいては、デバイス工程で基板中の酸素がエピタキシャル層へ拡散する。拡散した酸素は、450℃程度の熱処理でサーマルドナーを形成し、エピタキシャル層の抵抗率を変化させる。
特開2014-232867号公報
Mat. Res. Soc. Symp. Proc. Vol. 59 (1986) pp. 19-30 J. Appl. Phys. 63, 1924 (1988) Paul G.Shewmon原著、笛木和雄、北澤宏一共訳、固体内の拡散、コロナ社、1976
これまでに、酸素の拡散係数は、700~1400℃の範囲で熱処理を行う通常抵抗率基板の場合(導電型はn型又はp型でドープ剤はB、P、As、Sb)では、D(cm/s)=0.13×exp(-2.53eV/kT)(k:ボルツマン定数、T:温度)という、温度に依存する指数関数で表されることが、非特許文献1で報告されている。
しかし、析出核形成に有効な430~650℃の温度帯においては、酸素の拡散係数は高温から外挿された値よりも大きく(非特許文献2)、さらに酸素濃度が高いほど大きくなることが知られている。これは、酸素がSiと結合していないOダイマーの形態で高速拡散するためであると考えられている。
n型低抵抗率基板における酸素の拡散係数に関しては、Sb、Asドープのとき、通常抵抗率基板と比べて抑制されるという報告がある。高濃度Pドープ基板については、特許文献1に、加熱により酸素を放出することが可能な絶縁膜にリンイオンを注入することで、加熱によって放出する酸素の量を低減できることが記載されているが、P濃度から酸素の拡散係数を見積もることまでは検討されていない。しかし、高濃度Pドープ基板は低耐圧パワーMOS用基板として使用されており、酸素の拡散係数を見積もることは非常に重要である。
上記のように、700℃よりも低い温度領域においては、非特許文献1に記載の式で高温から外挿された酸素の拡散係数の値よりも大きく、さらに酸素濃度が高いほど大きくなることが知られているため、正確に酸素の拡散係数を算出する方法が必要である。
また、上記のように、n型低抵抗率基板における酸素の拡散係数に関しては、Sb、Asドープのとき、通常抵抗率基板と比べて抑制されることが知られているため、正確に酸素の拡散係数を算出する方法が必要である。さらに、Pドープのn型低抵抗率基板の酸素の拡散係数についても、正確に求めることが必要である。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、低抵抗率基板及び/又は700℃よりも低い温度領域においても、正確で簡便にシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数を算出できる方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、シリコンウエーハ中の酸素の拡散係数の算出方法であって、予め、ドープ濃度がそれぞれ異なる複数のシリコンウエーハを準備し、前記シリコンウエーハをそれぞれ異なるドープ濃度ごとに異なる温度で熱処理した後、前記シリコンウエーハの酸素の外方拡散プロファイルを測定し、前記外方拡散プロファイルを下記の式(1)でフィッティングして、それぞれのドープ濃度及び熱処理温度におけるシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数を求める工程と、前記酸素の拡散係数を求める工程において求めた前記酸素の拡散係数の温度依存性から、拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子を求め、前記拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子と前記ドープ濃度の相関関係を求める工程と、前記拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子とドープ濃度の相関関係を用いて、所望のドープ濃度のときの拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子の値を決定し、下記の式(2)に前記決定した拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子の値を代入することによりシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数を算出する工程とを有する酸素の拡散係数の算出方法を提供する。
Figure 2022020972000002
(但し、式(1)において、C:ウエーハの酸素濃度、C :表面酸素濃度、C :バルク酸素濃度、erf:誤差関数、t:熱処理時間、x:深さ位置、D:酸素の拡散係数 である。)
Figure 2022020972000003
(但し、式(2)において、D:酸素の拡散係数、D:拡散頻度因子、E:拡散活性化エネルギー、k:ボルツマン定数、T:熱処理温度 である。)
このようなシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数の算出方法によれば、幅広い温度領域で、低抵抗率基板であっても、正確かつ簡便に酸素の拡散係数を算出することができる。
このとき、前記シリコンウエーハの酸素濃度を4×1017~1×1018atoms/cmとすることが好ましい。
広く用いられているCZシリコンウエーハの酸素濃度はこのような範囲のものであり、このような範囲の酸素濃度を有するCZシリコンウエーハの酸素の拡散係数を簡便に求めることができれば、より有用性、汎用性が高い。
このとき、前記熱処理を400~700℃で行うことが好ましい。
このような、シリコンウエーハ中の酸素の主な拡散種がOダイマーとなる温度領域で熱処理を行った場合についても、正確かつ簡便に酸素の拡散係数を求めることができる。
このとき、前記シリコンウエーハとしてPドープのn型シリコンウエーハを用いることが好ましい。
さらに、前記Pドープのn型シリコンウエーハとして抵抗率が0.001~1Ω・cmのものを用いる方法を提供することが好ましい。
このような、ロジックデバイス用に使用される通常抵抗率帯から低耐圧パワーMOS用に使用される低抵抗率帯まで、幅広い抵抗率帯のシリコンウエーハに対して、正確かつ簡便に酸素の拡散係数を求めることができる。
以上のように、本発明のシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数の算出方法によれば、幅広い温度領域で、低抵抗率基板であっても、正確かつ簡便に酸素の拡散係数を算出することができる。
本発明に係るシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数の算出方法の一例を示した図である。 外方拡散プロファイルとフィッティングの例を示した図である。 酸素の拡散係数の温度依存性を示した図である。 酸素の拡散係数のP濃度依存性を示した図である。 熱処理温度を600℃としたときの酸素の拡散係数の酸素濃度依存性を示した図である。 拡散頻度因子のP濃度依存性を示した図である。 拡散活性化エネルギーのP濃度依存性を示した図である。 実施例の外方拡散プロファイルの実測値と計算値を示した図である。 比較例1の外方拡散プロファイルの実測値と計算値を示した図である。 比較例2の外方拡散プロファイルの実測値と計算値を示した図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上述のように、低抵抗率基板及び/又は700℃よりも低い温度領域においても、正確かつ簡便に酸素の拡散係数を算出することができるシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数の算出方法が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、シリコンウエーハ中の酸素の拡散係数の算出方法であって、予め、ドープ濃度がそれぞれ異なる複数のシリコンウエーハを準備し、前記シリコンウエーハをそれぞれ異なるドープ濃度ごとに異なる温度で熱処理した後、前記シリコンウエーハの酸素の外方拡散プロファイルを測定し、前記外方拡散プロファイルを下記の式(1)でフィッティングして、それぞれのドープ濃度及び熱処理温度におけるシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数を求める工程と、前記酸素の拡散係数を求める工程において求めた前記酸素の拡散係数の温度依存性から、拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子を求め、前記拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子と前記ドープ濃度の相関関係を求める工程と、前記拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子とドープ濃度の相関関係を用いて、所望のドープ濃度のときの拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子の値を決定し、下記の式(2)に前記決定した拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子の値を代入することによりシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数を算出する工程とを有する酸素の拡散係数の算出方法により、幅広い温度領域で、低抵抗率基板であっても、正確かつ簡便に酸素の拡散係数を算出することができることを見出し、本発明を完成した。なお、本発明に係る酸素の拡散係数の算出方法は、低い温度領域や低抵抗率基板に限定されず、いかなる温度領域、抵抗率の基板においても適用可能である。
Figure 2022020972000004
(但し、式(1)において、C:ウエーハの酸素濃度、C :表面酸素濃度、C :バルク酸素濃度、erf:誤差関数、t:熱処理時間、x:深さ位置、D:酸素の拡散係数 である。)
Figure 2022020972000005
(但し、式(2)において、D:酸素の拡散係数、D:拡散頻度因子、E:拡散活性化エネルギー、k:ボルツマン定数、T:熱処理温度 である。)
本明細書では、シリコンウエーハの導電性を表す特性値として、抵抗率とドーパント濃度の両方を用いているが、両者が同等の特性を意味していることは明らかであり、いずれか一方に限定されることを意味していない。
以下、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係るシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数の算出方法の一例を示した図である。以下では、図1の流れに沿って本発明に係るシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数の算出方法を説明する。
まず、ドープ濃度がそれぞれ異なるシリコンウエーハを複数準備する。このシリコンウエーハとして、Pドープのn型シリコンウエーハを用いることが好ましい。さらに、Pドープのn型シリコンウエーハのうち、抵抗率が0.001~1Ω・cmのものを用いることが好ましい。シリコンウエーハは抵抗率の値に応じた用途で使用されるが、上述したように低抵抗率のウエーハは、通常抵抗率のウエーハに比べて酸素の拡散係数が抑制されてしまうため、従来知られていた文献値からのずれがより大きくなる。本発明に係る酸素の拡散係数の算出方法によれば、このような特に低抵抗率を含めた幅広い抵抗率のウエーハに対して、酸素の拡散係数を正確かつ簡便に求めることができる。以下、Pドープのn型シリコンウエーハを例にとり説明する。
これらのウエーハに対し、それぞれ異なるドープ濃度ごとに異なる温度で熱処理を施す。熱処理を行う温度領域は、特に限定されないが、例えば400~700℃とすることができる。上述のように、このような温度領域について正確に酸素の拡散係数を算出する方法の報告例はなく、従来知られていた酸素の拡散係数と温度の関係式からのずれが大きくなる温度領域である。本発明に係る酸素の拡散係数の算出方法によれば、熱処理温度がこのような低い温度であっても正確かつ簡便に酸素の拡散係数を求めることができる。
次に、熱処理後のウエーハについて、酸素の外方拡散プロファイルを実測する。外方拡散プロファイルの測定はどのように行っても良いが、例えばSIMSで行うことができる。
その後、得られた外方拡散プロファイルを下記式(1)の理論式でフィッティングすることで拡散係数を求める。式(1)において、Cはウエーハの酸素濃度(atoms/cm)、C は表面酸素濃度(atoms/cm)、C はバルク酸素濃度(atoms/cm)、erfは誤差関数、tは熱処理時間(sec)、xは深さ位置(cm)、Dは酸素の拡散係数(cm/s)を表す。C 、C は外方拡散プロファイルから求めることができる。C は、熱処理前のウエーハの酸素濃度としてもよい。図2は、外方拡散プロファイルとフィッティングの例を示した図である。図2は、SIMSで測定したプロファイル(実測値)に対し、式(1)でフィッティングした線を重ねており、両者は略一致している。このようにフィッティングを行うことで、ウエーハのドーパント濃度と熱処理温度ごとの、酸素の拡散係数を求めることができ、酸素の拡散係数の温度依存性を得ることができる。
Figure 2022020972000006
図3は、酸素の拡散係数の温度依存性を示した図である。抵抗率が下がるほど拡散係数が小さくなり、抵抗率が0.0010~0.0014Ω・cmである基板では非特許文献1の式の外挿値とほぼ一致していることがわかる。
しかし、非特許文献1の関係式は、約700℃から1260℃までの拡散係数を示したものであり、700℃以下では実際の場合と一致しない。この理由は、700℃以下の場合では酸素の拡散が高速拡散種であるOダイマーが主になるためである。
図4は、酸素の拡散係数のP濃度依存性を示した図である。ドープ濃度が高くなるにつれて、拡散係数は指数関数的に小さくなっている。また、熱処理温度が低いものほど、拡散係数の変化量は大きくなっている。
図5は、熱処理の温度を600℃としたときの、酸素の拡散係数の酸素濃度依存性を示した図である。図5から、抵抗率が0.12~0.14Ω・cmの基板における拡散係数は酸素濃度と正の相関を示すが、抵抗率が0.033Ω・cm以下になると酸素濃度との相関が弱くなる。これらの結果から、低抵抗率基板で拡散係数が小さくなる原因は、高濃度にドープされたPにより、高速拡散種であるOダイマーの形成が抑制されたためと考えることができる。
次に、上記のようにして求めた酸素の拡散係数の温度依存性から、拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子を求める。上記のようにして得られた酸素の拡散係数と熱処理温度の逆数の関係を指数関数でフィッティングした場合、その切片が拡散頻度因子で、傾きにk(ボルツマン定数)をかけたものが拡散活性化エネルギーとなる。
この計算を異なるP濃度ごとに行うことで、拡散頻度因子とP濃度、拡散活性化エネルギーとP濃度の関係を得ることができる。図6は、拡散頻度因子のP濃度依存性を示した図である。図7は、拡散活性化エネルギーのP濃度依存性を示した図である。図6、図7から、拡散活性化エネルギーおよび拡散頻度因子は、ともにP濃度と良い相関があることがわかった。
図6、図7に示す拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子とドープ濃度の相関関係の関係式を用いて、所望のドープ濃度のときの拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子の値を決定することができる。そして、(2)式で示した関係式に、決定した拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子の値を代入することにより、任意のP濃度および任意の温度における酸素の拡散係数を算出することができる。ここで、Dは酸素の拡散係数(cm/s)、Dは拡散頻度因子(cm/s)、Eは拡散活性化エネルギー(eV)、kはボルツマン定数(eV/K)、Tは熱処理温度(K)である。
Figure 2022020972000007
以上のような本発明に係る酸素の拡散係数の算出方法により得られた酸素の拡散係数は、デバイスプロセスやアニールプロセスにおける酸素の拡散プロファイルを予想することができ、酸素が起因となる酸素析出挙動やサーマルドナー挙動を予測するのに役立つ。
以下、実施例を挙げて本発明について具体的に説明するが、これは本発明を限定するものではない。
(実施例)
まず、サンプルとして、抵抗率0.0010~0.87Ω・cm、酸素濃度4×1017~1×1018atoms/cmの中から、合計15水準のPドープ基板を用意した。これらのサンプルに対して拡散係数の温度依存性から拡散頻度因子と拡散活性化エネルギーを求めるために、それぞれ異なるドープ濃度ごとに600、650、700℃/96hの熱処理を施し、SIMSで酸素の外方拡散プロファイルを測定した。その後、得られた外方拡散プロファイルを(1)式でフィッティングすることで、上記15水準のPドープ基板のそれぞれの熱処理温度に対応する拡散係数を求めた。
また、拡散係数の温度依存性からそれぞれのP濃度に対応する、拡散活性化エネルギーおよび拡散頻度因子を求めた。その結果、図6、図7に示すように、拡散活性化エネルギーおよび拡散頻度因子とP濃度([P])の間に良い相関があることがわかった。具体的には、拡散活性化エネルギーはE=0.00134686[P]0.160157となり、拡散頻度因子はD=5.30458×10-41[P]1.80818となった。
抵抗率が0.0084Ω・cm(P濃度が6.0×1018atoms/cm)のシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数を求めるために、上記のようにして求めた拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子とドープ濃度の関係式にP濃度を代入して、拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子を決定した。具体的には拡散活性化エネルギーは1.37eV、拡散頻度因子は4.77×10-7cm/sであった。さらに決定した拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子を式(2)に代入することにより、熱処理温度が600℃の場合のシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数を5.9×10-15cm/sと簡便に求めることができた。
次に、求めた酸素の拡散係数が正確であることを検証した。まず、抵抗率が0.0084Ω・cm(P濃度が6.0×1018atoms/cm)のサンプルに600℃/96hの熱処理を施した。その後、SIMSで外方拡散プロファイルを測定した。次に、(1)式における拡散係数として、上記のようにして算出した拡散係数(5.9×10-15cm/s)を用いて外方拡散プロファイルを算出し、SIMSによる外方拡散プロファイルと比較した。その結果、図8に示すように、両者はよく一致していることがわかった。これは、正確な拡散係数を算出することができたことを意味する。換言すれば、正確に求められた拡散係数を用いることで、基板中のドーパント濃度が高く(抵抗率が低く)、及び/又は、低温の熱処理の場合であっても、正確な酸素の外方拡散プロファイルを得ることができることがわかった。
(比較例1、2)
抵抗率が0.0084Ω・cm(P濃度が6.0×1018atoms/cm、酸素濃度が9.4×1017atoms/cm)のサンプルに600℃/96hの熱処理を施した。その後、SIMSで外方拡散プロファイルを測定し、(1)式を用いて計算した外方拡散プロファイルと比較した。その際に用いた拡散係数は、格子間酸素の拡散係数を示した非特許文献1での値(比較例1)と、Oダイマーでの拡散係数を示した非特許文献2での値(比較例2)である。比較例1において、非特許文献1における拡散係数は、D(cm/s)=0.13×exp(-2.53eV/kT)(k:ボルツマン定数、T:温度)から求めて、具体的には3.2×10-16cm/sとした。また、比較例2において、非特許文献2における拡散係数は文献に記載のある8種類のサンプルの実験値の平均として、具体的には、1.3×10-14cm/sとした。
比較例1、2の結果を、それぞれ図9、図10に示す。図8に示す実施例のフィッティング(計算値)が実測値とよく一致しているのに対し、図9、図10ではフィッティング(計算値)が実測値から大きくずれる結果となった。比較例1の非特許文献1での拡散係数を用いた場合では、図9に示すように、実測の場合よりも外方拡散が進行していない。また、比較例2の非特許文献2での拡散係数を用いた場合、図10に示すように、実測の場合よりも外方拡散が進行している。これらの結果から、いずれの場合でも実測の場合を再現することができず、P濃度や熱処理温度の影響を考慮しないと、拡散係数を正確に求めることができないことがわかった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
このとき、前記シリコンウエーハの酸素濃度を4×1017~1×1018atoms/cm とすることが好ましい。

Claims (5)

  1. シリコンウエーハ中の酸素の拡散係数の算出方法であって、
    予め、ドープ濃度がそれぞれ異なる複数のシリコンウエーハを準備し、前記シリコンウエーハをそれぞれ異なるドープ濃度ごとに異なる温度で熱処理した後、前記シリコンウエーハの酸素の外方拡散プロファイルを測定し、前記外方拡散プロファイルを下記の式(1)でフィッティングして、それぞれのドープ濃度及び熱処理温度におけるシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数を求める工程と、
    前記酸素の拡散係数を求める工程において求めた前記酸素の拡散係数の温度依存性から、拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子を求め、前記拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子と前記ドープ濃度の相関関係を求める工程と、
    前記拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子とドープ濃度の相関関係を用いて、所望のドープ濃度のときの拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子の値を決定し、下記の式(2)に前記決定した拡散活性化エネルギー及び拡散頻度因子の値を代入することによりシリコンウエーハ中の酸素の拡散係数を算出する工程とを有することを特徴とする酸素の拡散係数の算出方法。
    Figure 2022020972000008
    (但し、式(1)において、C:ウエーハの酸素濃度、C :表面酸素濃度、C :バルク酸素濃度、erf:誤差関数、t:熱処理時間、x:深さ位置、D:酸素の拡散係数 である。)
    Figure 2022020972000009
    (但し、式(2)において、D:酸素の拡散係数、D:拡散頻度因子、E:拡散活性化エネルギー、k:ボルツマン定数、T:熱処理温度 である。)
  2. 前記シリコンウエーハの酸素濃度を4×1017~1×1018atoms/cmとすることを特徴とする請求項1に記載の酸素の拡散係数の算出方法。
  3. 前記熱処理を400~700℃で行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の酸素の拡散係数の算出方法。
  4. 前記シリコンウエーハとしてPドープのn型シリコンウエーハを用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の酸素の拡散係数の算出方法。
  5. 前記Pドープのn型シリコンウエーハとして抵抗率が0.001~1Ω・cmのものを用いることを特徴とする請求項4に記載の酸素の拡散係数の算出方法。
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