以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係るアルコール測定システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係るアルコール測定システム10のブロック図である。
図1に示すように、アルコール測定システム10は、吹き込まれた呼気中のアルコール濃度を測定するアルコール測定器20と、電子機器としてのスマートフォン40と、クラウド60とを備えている。アルコール測定システム10は、被測定者の呼気中のアルコール濃度を測定するシステムである。ここで、被測定者は、例えば、車両の運転者である。
アルコール測定システム10は、アルコール測定器20と同様なアルコール測定器を、アルコール測定器20以外に少なくとも1つ備えても良い。アルコール測定システム10においては、被測定者によって使用されるアルコール測定器を被測定者毎に異ならせても良い。
アルコール測定システム10は、スマートフォン40と同様なスマートフォンを、スマートフォン40以外に少なくとも1つ備えても良い。アルコール測定システム10においては、被測定者によって使用されるスマートフォンを被測定者毎に異ならせても良い。
クラウド60は、少なくとも1つのコンピューターによって実現されている。
図2は、アルコール測定器20の一例の外観斜視図である。図3は、アルコール測定器20のブロック図である。
図2および図3に示すように、アルコール測定器20は、筐体21と、筐体21に対して着脱可能であり、被測定者によって咥えられて呼気が吹き込まれるマウスピース22と、呼気中のアルコール濃度の測定を開始するためのスイッチ23と、アルコール濃度などの情報を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部24と、アルコール測定器20の外部へ光25a(図4または図5参照。)を発する発光デバイス25と、マウスピース22に吹き込まれた呼気の強さとしての呼気圧を検出する呼気圧センサー26と、マウスピース22に吹き込まれた呼気を吸引する吸引ポンプ27と、吸引ポンプ27によって吸引された呼気中のアルコール濃度を検出するアルコールセンサー28と、アルコールセンサー28から出力される信号を増幅するアンプ29と、有線通信またはBluetoothなどの無線通信によって直接にスマートフォンと通信を行うための通信デバイスである通信部30と、各種のデータを記憶している半導体メモリーなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部31と、アルコール測定器20全体を制御する制御部32とを備えている。
発光デバイス25としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)、電球、有機EL(Electro-Luminescence)などが採用されても良いし、LCDなどの表示デバイスが採用されても良い。
記憶部31は、アルコール測定器20の識別情報としての測定器ID31aを記憶している。測定器IDとしては、例えば、アルコール測定器の製造時に付与されるシリアルナンバーが採用されても良い。
記憶部31は、アルコール濃度の測定の結果を示す測定結果情報31bを記憶することができる。測定結果情報31bは、例えば「アルコール未検知 0.000mg/L」などの情報である。
制御部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、制御部32のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAM(Random Access Memory)とを備えている。制御部32のCPUは、記憶部31または制御部32のROMに記憶されているプログラムを実行する。
制御部32は、アルコール測定器20によるアルコール濃度の測定中の画像としての測定中画像をスマートフォンに取得させるための情報としての測定中画像取得命令であるシャッターコマンドを、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によって出力することが可能である。
図4は、図2に示す例とは異なる一例のアルコール測定器20と、スマートフォン40との側面図である。図5は、図2および図4に示す例とは異なる一例のアルコール測定器20と、スマートフォン40との側面図である。
図4および図5は、被測定者がアルコール濃度の測定に適した姿勢でアルコール測定器20を右手で掴み、スマートフォン40を左手で掴んでいる状況を示している。アルコール濃度の測定に適した姿勢は、例えば、アルコール測定器20の製造者によって推奨されている姿勢である。図4および図5において、アルコール測定器20は、アルコール濃度の測定に適した角度で配置されており、スマートフォン40は、アルコール測定器20の発光デバイス25によって発せられた光25aがスマートフォン40のカメラ43によって撮影される位置に配置されている。図4および図5は、筐体21のうち発光デバイス25の近傍の部分が断面で示されている。
図4および図5には、アルコール測定器20の外部の光源91が描かれている。光源91は、アルコール測定器20およびスマートフォン40が図4および図5に示す状態である場合に、発光デバイス25からカメラ43に向かう矢印90aで示す方向における位置が発光デバイス25より下流であるとともに、矢印90bで示す鉛直方向における位置が発光デバイス25より上である。光源91は、例えば太陽である。
図4に示すアルコール測定器20は、アルコール測定器20およびスマートフォン40が図4に示す状態である場合に、光源91から発光デバイス25に向かう光91aを遮蔽する外部光遮蔽部として、ひさし21aが筐体21に設けられている。
図5に示すアルコール測定器20は、発光デバイス25が内部に配置されている溝部21bが筐体21に設けられている。溝部21bの天井21cは、アルコール測定器20およびスマートフォン40が図5に示す状態である場合に、光源91から発光デバイス25に向かう光91aを遮蔽する外部光遮蔽部を構成している。
図6は、図2、図4および図5に示す例とは異なるアルコール測定器20の一例の外観斜視図である。
図6に示すアルコール測定器20は、発光デバイス25が筐体21に複数設けられている。図6に示すアルコール測定器20に設けられている複数の発光デバイス25は、点灯する場合には全て同時に点灯し、消灯する場合にも全て同時に消灯する。すなわち、図6に示すアルコール測定器20に設けられている複数の発光デバイス25は、互いに同一のタイミングで点滅する。図6に示すアルコール測定器20は、少なくとも1つの発光デバイス25に対して図4または図5に示す外部光遮蔽部を備えても良い。なお、図6においては、発光デバイス25が3つ描かれている。しかしながら、アルコール測定器20に設けられ発光デバイス25の数、形状、大きさおよび配置の少なくとも1つは、図6に示すもの以外のものでも良い。
図7は、スマートフォン40の外観斜視図である。図8は、スマートフォン40のブロック図である。
図7および図8に示すように、スマートフォン40は、筐体41と、種々の操作が入力される例えばボタンなどの操作デバイスである操作部42と、画像を撮影する撮影デバイスとしてのカメラ43と、種々の情報を表示する例えばLCDなどの表示デバイスである表示部44と、音声を入力するマイク45と、音声を出力するスピーカー46と、有線通信またはBluetoothなどの無線通信によって直接にアルコール測定器と通信を行うための通信デバイスである通信部47と、LTE(Long Term Evolution)などの携帯電話用の無線通信によってクラウド60(図1参照。)と通信を行うための通信デバイスである通信部48と、各種のデータを記憶している半導体メモリーなどの不揮発性の記憶デバイスである記憶部49と、スマートフォン40全体を制御する制御部50とを備えている。
操作部42の少なくとも一部は、表示部44とともにタッチパネルを構成しても良い。
記憶部49は、スマートフォン40の識別情報としてのスマートフォンID49aを記憶している。スマートフォンIDとしては、例えば、電子メールアドレスが採用されても良い。
記憶部49は、アルコール測定器と連携するためのアプリケーションプログラムとしての測定器連携用アプリ49bを記憶している。
制御部50は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROMと、制御部50のCPUの作業領域として用いられるメモリーとしてのRAMとを備えている。制御部50のCPUは、記憶部49または制御部50のROMに記憶されているプログラムを実行する。
制御部50は、測定器連携用アプリ49bを実行することによって、アルコール測定器と連携する測定器連携手段50aを実現する。
次に、アルコール測定システム10の動作について説明する。
図9は、アルコール測定システム10の動作のシーケンス図である。
図9に示すように、被測定者がスマートフォン40の操作部42を操作することによってスマートフォン40の測定器連携用アプリ49bを起動する(S101)と、スマートフォン40の測定器連携手段50aは、メイン画面70(図10参照。)を表示部44に表示する(S102)。
図10は、メイン画面70の一例を示す図である。
図10に示すメイン画面70は、被測定者の識別情報としての被測定者IDが入力されるためのテキストボックス71と、アルコール測定器との連携を開始する場合に押されるための連携開始ボタン72とを含んでいる。
連携開始ボタン72は、テキストボックス71に被測定者IDが入力されている場合にのみ、押されることが可能である。
図9に示すように、被測定者は、S102の処理の後、スマートフォン40の操作部42を操作することによってテキストボックス71に被測定者IDを入力して(S103)、スマートフォン40の操作部42を操作することによって連携開始ボタン72を押す(S104)。
なお、スマートフォン40の測定器連携手段50aは、テキストボックス71に入力された被測定者IDを記憶部49に記憶することによって、記憶部49に記憶した被測定者IDを、表示部44へのメイン画面70の表示の度に、テキストボックス71に自動で入力しても良い。測定器連携手段50aが被測定者IDをテキストボックス71に自動で入力する場合、S103は、省略されても良い。
測定器連携手段50aは、S104において連携開始ボタン72が押されると、図11に示す動作を開始する。
図11は、アルコール測定器と連携する場合のスマートフォン40の動作のフローチャートである。
図11に示すように、測定器連携手段50aは、カメラ43による画像の撮影を開始し(S121)、カメラ43によって撮影されている画像を表示部44に表示することを開始する(S122)。
なお、被測定者は、スマートフォン40の表示部44に表示されている、カメラ43によって撮影されている画像を確認しながら、この画像内に被測定者自身の顔が含まれるように、被測定者自身の顔の位置と、スマートフォン40の位置との少なくとも一方を調整する。
測定器連携手段50aは、S122の処理の後、カメラ43によって撮影された画像に基づいてシャッターコマンドを取得したと判断するまで、カメラ43によって撮影された画像に基づいてシャッターコマンドを取得したか否かを判断する(S123)。ここで、測定器連携手段50aは、カメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅を信号としてサンプリングを行い、カメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅の信号にシャッターコマンドが含まれる場合に、カメラ43によって撮影された画像に基づいてシャッターコマンドを取得したと判断する。
図9に示すように、被測定者は、S104の実行後、アルコール測定器20のスイッチ23を押す(S105)。なお、S105は、S104の実行時以前に実行されても良い。
アルコール測定器20の制御部32は、S105においてスイッチ23が押されると、図12に示す動作を開始する。
図12は、呼気中のアルコール濃度を測定する場合のアルコール測定器20の動作のフローチャートである。
図12に示すように、制御部32は、アルコールセンサー28によるアルコール濃度の検出の準備のための動作を実行し(S141)、被測定者に呼気の吹き込みを促すメッセージを表示部24に表示する(S142)。
次いで、制御部32は、呼気圧センサー26によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上であるか否かを判断する(S143)。
制御部32は、呼気圧センサー26によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上ではないとS143において判断すると、S142の処理の実行時からの経過時間が特定の時間を超えたか否かを判断する(S144)。
制御部32は、S142の処理の実行時からの経過時間が特定の時間を超えていないとS144において判断すると、S143の処理を実行する。
制御部32は、S142の処理の実行時からの経過時間が特定の時間を超えたとS144において判断すると、タイムアウトによるエラーであることを表示部24に表示して(S145)、図12に示す動作を終了する。
図9に示すように、被測定者は、S142においてアルコール測定器20の表示部24に表示されたメッセージを見て、マウスピース22に呼気の吹き込みを開始する(S106)。
図12に示すように、アルコール測定器20の制御部32は、呼気圧センサー26によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上であるとS143において判断すると、直前のS143において特定の呼気圧以上であると判断してからマウスピース22に吹き込まれた呼気の流量が特定の流量に到達したか否かを判断する(S146)。ここで、制御部32は、呼気圧センサー26によって検出された呼気圧に基づいて流量を算出する。
制御部32は、直前のS143において特定の呼気圧以上であると判断してからマウスピース22に吹き込まれた呼気の流量が特定の流量に到達していないとS146において判断すると、呼気圧センサー26によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上であるか否かを判断する(S147)。S147の判断における閾値である「特定の呼気圧」は、S143の判断における閾値である「特定の呼気圧」と同一である。
制御部32は、呼気圧センサー26によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上ではないとS147において判断すると、S144の処理を実行する。
制御部32は、呼気圧センサー26によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上であるとS147において判断すると、S146の処理を実行する。
制御部32は、直前のS143において特定の呼気圧以上であると判断してからマウスピース22に吹き込まれた呼気の流量が特定の流量に到達したとS146において判断すると、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によってシャッターコマンドを出力する(S148)。
図11に示すように、スマートフォン40の測定器連携手段50aは、カメラ43によって撮影された画像に基づいてシャッターコマンドを取得したとS123において判断すると、カメラ43によって撮影されている画像の静止画像を測定中画像として取得する(S124)。
次いで、測定器連携手段50aは、アルコール測定器によるアルコール濃度の測定の結果を示す測定結果情報を通信部47経由で取得したと判断するまで、測定結果情報を通信部47経由で取得したか否かを判断する(S125)。
図12に示すように、アルコール測定器20の制御部32は、S148の処理の後、マウスピース22に吹き込まれた呼気を吸引ポンプ27によって吸引し(S149)、S149において吸引した呼気に対してアルコールセンサー28によって出力されてアンプ29によって増幅された信号に基づいてアルコール濃度を算出する(S150)。なお、制御部32は、S150において算出したアルコール濃度を含む測定結果情報を、測定結果情報31bとして記憶部31に記憶しても良いし、表示部24に表示しても良い。
制御部32は、S150の処理の後、記憶部31に記憶されている測定器ID31aと、S150において算出したアルコール濃度を含む測定結果情報とを通信部30経由で送信して(S151)、図12に示す動作を終了する。
図11に示すように、スマートフォン40の測定器連携手段50aは、測定結果情報を通信部47経由で取得したとS125において判断すると、S104において連携開始ボタン72が押された時点でテキストボックス71に入力されていた被測定者IDと、アルコール測定器20によってS151において送信されて通信部47経由で取得した測定器IDと、記憶部49に記憶されているスマートフォンID49aと、S124において取得した測定中画像と、アルコール測定器20によってS151において送信されて通信部47経由で取得した測定結果情報と、この測定結果情報を通信部47経由で取得した日時とを通信部48経由でクラウド60に送信して(S126)、図11に示す動作を終了する。
図9に示すように、クラウド60は、S126においてスマートフォン40から送信されてきた被測定者ID、測定器ID、スマートフォンID、測定中画像、測定結果情報および日時の組み合わせを保存する(S107)。
以上に説明したように、アルコール測定システム10は、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によってアルコール測定器20がシャッターコマンドをアルコール濃度の測定中に出力し(S148)、カメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅の信号に基づいてスマートフォン40がシャッターコマンドを取得した場合(S123でYES)に、スマートフォン40が測定中画像を取得する(S124)ので、アルコール測定器20と、このアルコール測定器20に呼気を吹き込む被測定者とが測定中画像に含まれる可能性を向上することができ、その結果、なりすまし測定の発生を抑えることができる。
特に、アルコール測定システム10は、アルコール濃度の測定中に呼気が吹き込まれたことをアルコール測定器20が検出した場合(S143でYES)に、アルコール測定器20がシャッターコマンドを出力する(S148)ので、被測定者がアルコール測定器20に呼気を吹き込んだ様子が測定中画像に含まれる可能性を更に向上することができる。
なお、アルコール測定器20は、アルコール濃度の測定中に呼気が吹き込まれたことを検出した場合にシャッターコマンドを出力するタイミングとして、直前のS143において特定の呼気圧以上であると判断してからマウスピース22に吹き込まれた呼気の流量が特定の流量に到達したとS146において判断したタイミング以外のタイミングが採用されても良い。例えば、アルコール測定器20は、被測定者によるアルコール測定器20への呼気の吹き込みの開始時から、被測定者によるアルコール測定器20への呼気の吹き込みの終了時までのいずれかのタイミングで、シャッターコマンドを出力しても良い。例えば、アルコール測定器20は、呼気圧センサー26によって検出されている呼気圧が0を超えた場合にシャッターコマンドを出力しても良い。
また、アルコール測定器20は、呼気が吹き込まれたことを検出したか否かに関係なく、アルコール濃度の測定中の特定のタイミングでシャッターコマンドを出力しても良い。例えば、アルコール測定器20は、スイッチ23が押された後、呼気が吹き込まれたことを検出する前にシャッターコマンドを出力しても良い。なお、アルコール測定器20によるアルコール濃度の測定開始時は、例えば、スイッチ23が押された時点である。また、アルコール測定器20によるアルコール濃度の測定終了時は、例えば、測定結果情報がアルコール測定器20の外部に出力された時点である。この出力には、表示部24による表示と、通信部30による送信とが含まれる。
アルコール測定システム10は、アルコール測定器20が図4および図5に示すように外部光遮蔽部を備える場合、アルコール測定器20によってアルコール濃度の測定が実行されるときに外部の光源91からの光91aが発光デバイス25に当たることを外部光遮蔽部によって抑えるので、例えば、太陽光の影響が想定される場所でアルコール測定器20によってアルコール濃度の測定が実行されるときであっても、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によって出力される情報がスマートフォン40によって取得されることが失敗することを抑えることができる。
アルコール測定システム10は、アルコール測定器20が図6に示すように複数の発光デバイス25を備える場合、互いに同一のタイミングで点滅する複数の発光デバイス25の一部が、アルコール測定器20が被測定者によって掴まれる場合の被測定者の手など、何らかの物体によって覆われたときであっても、覆われていない部分によって発する光25aの点滅がカメラ43によって撮影されるので、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によって出力される情報がスマートフォン40によって取得されることが失敗することを抑えることができる。
なお、アルコール測定システム10は、アルコール測定器20の測定器IDと、測定結果情報とが、互いに同一のタイミングでアルコール測定器20からスマートフォン40に通知される。しかしながら、アルコール測定システム10は、アルコール測定器20の測定器IDと、測定結果情報とが、互いに異なるタイミングでアルコール測定器20からスマートフォン40に通知されても良い。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るアルコール測定システムの構成は、第1の実施の形態に係るアルコール測定システム10(図1参照。)の構成と同様であるので、アルコール測定システム10の構成と同一の符号を付して、説明を省略する。
本実施の形態に係るアルコール測定システムの動作は、以下に述べる内容を除いて、アルコール測定システム10の動作と同様である。
図13は、本実施の形態に係るアルコール測定システムの動作のシーケンス図である。
アルコール測定システム10において、アルコール測定器20の制御部32は、図9に示すように、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によってシャッターコマンドを出力する(S148)とともに、記憶部31に記憶されている測定器ID31aと、測定結果情報とを通信部30経由でスマートフォン40に送信する(S151)。しかしながら、本実施の形態に係るアルコール測定システムにおいて、アルコール測定器20の制御部32は、図13に示すように、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によってシャッターコマンドと、記憶部31に記憶されている測定器ID31aとを出力する(S248)とともに、測定結果情報を通信部30経由でスマートフォン40に送信する(S251)。
なお、本実施の形態に係るアルコール測定システムにおいて、アルコール測定器20が発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によってシャッターコマンドと、記憶部31に記憶されている測定器ID31aとを出力する(S248)ので、スマートフォン40の測定器連携手段50aは、カメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅を信号としてサンプリングを行い、カメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅の信号に基づいてシャッターコマンドおよび測定器IDを取得する。
また、本実施の形態に係るアルコール測定システムにおいて、記憶部31に記憶されている測定器ID31aをアルコール測定器20が発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によって出力する(S248)ので、スマートフォン40の測定器連携手段50aは、S104において連携開始ボタン72が押された時点でテキストボックス71に入力されていた被測定者IDと、アルコール測定器20によって光25aの点滅の信号によってS248において出力されてカメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅の信号に基づいて取得した測定器IDと、記憶部49に記憶されているスマートフォンID49aと、S124において取得した測定中画像と、アルコール測定器20によってS251において送信されて通信部47経由で取得した測定結果情報と、この測定結果情報を通信部47経由で取得した日時とを通信部48経由でクラウド60に送信する(S226)。
本実施の形態に係るアルコール測定システムは、以上に説明したように動作するので、アルコール測定システム10によって得られる効果に加えて、以下に説明する効果を得ることができる。
本実施の形態に係るアルコール測定システムは、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によってアルコール測定器20がアルコール測定器20の測定器IDを出力し(S248)、カメラ43によって撮影した画像に含まれる光の点滅の信号に基づいてスマートフォン40がアルコール測定器20の測定器IDを取得するので、測定中画像に含まれるアルコール測定器20、すなわち、被測定者が呼気を吹き込んだ可能性が高いアルコール測定器20の識別情報をスマートフォン40が取得することができ、その結果、不正な測定の発生を抑えることができる。
なお、本実施の形態に係るアルコール測定システムは、アルコール測定器の測定器IDと、シャッターコマンドとが、互いに同一のタイミングでアルコール測定器から出力されてスマートフォンによって取得される。しかしながら、本実施の形態に係るアルコール測定システムは、アルコール測定器の測定器IDと、シャッターコマンドとが、互いに異なるタイミングでアルコール測定器から出力されてスマートフォンによって取得されても良い。すなわち、本実施の形態に係るアルコール測定器20は、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によってシャッターコマンドを出力するタイミングとは異なるタイミングで、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によってアルコール測定器20自身の測定器IDを出力しても良い。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係るアルコール測定システムの構成は、第1の実施の形態に係るアルコール測定システム10(図1参照。)の構成と同様であるので、アルコール測定システム10の構成と同一の符号を付して、説明を省略する。
本実施の形態に係るアルコール測定システムの動作は、以下に述べる内容を除いて、アルコール測定システム10の動作と同様である。
図14は、本実施の形態に係るアルコール測定システムの動作のシーケンス図である。
アルコール測定システム10において、アルコール測定器20の制御部32は、図9に示すように、記憶部31に記憶されている測定器ID31aと、測定結果情報とを通信部30経由でスマートフォン40に送信する(S151)。しかしながら、本実施の形態に係るアルコール測定システムにおいて、アルコール測定器20の制御部32は、図14に示すように、記憶部31に記憶されている測定器ID31aと、測定結果情報とを、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によって出力する(S351)。
なお、本実施の形態に係るアルコール測定システムにおいて、アルコール測定器20が記憶部31に記憶されている測定器ID31aと、測定結果情報とを発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によって出力する(S351)ので、スマートフォン40の測定器連携手段50aは、カメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅を信号としてサンプリングを行い、カメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅の信号に基づいて測定結果情報および測定器IDを取得する。
また、本実施の形態に係るアルコール測定システムにおいて、アルコール測定器20が記憶部31に記憶されている測定器ID31aと、測定結果情報とを発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によって出力する(S351)ので、スマートフォン40の測定器連携手段50aは、S104において連携開始ボタン72が押された時点でテキストボックス71に入力されていた被測定者IDと、アルコール測定器20によって光25aの点滅の信号によってS351において出力されてカメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅の信号に基づいて取得した測定器IDと、記憶部49に記憶されているスマートフォンID49aと、S124において取得した測定中画像と、アルコール測定器20によって光25aの点滅の信号によってS351において出力されてカメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅の信号に基づいて取得した測定結果情報と、この測定結果情報をカメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅の信号に基づいて取得した日時とを通信部48経由でクラウド60に送信する(S326)。
本実施の形態に係るアルコール測定システムは、以上に説明したように動作するので、第2の実施の形態に係るアルコール測定システムによって得られる効果に加えて、以下に説明する効果を得ることができる。
本実施の形態に係るアルコール測定システムは、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によってアルコール測定器20が測定結果情報を出力し(S351)、カメラ43によって撮影した画像に含まれる光の点滅の信号に基づいてスマートフォン40が測定結果情報を取得するので、測定中画像に含まれるアルコール測定器20、すなわち、被測定者が呼気を吹き込んだ可能性が高いアルコール測定器20によって出力された測定結果情報をスマートフォン40が取得することができ、その結果、なりすまし測定の発生を抑えることができる。
なお、本実施の形態に係るアルコール測定システムは、アルコール測定器の測定器IDと、測定結果情報とが、互いに同一のタイミングでアルコール測定器から出力されてスマートフォンによって取得される。しかしながら、本実施の形態に係るアルコール測定システムは、アルコール測定器の測定器IDと、測定結果情報とが、互いに異なるタイミングでアルコール測定器から出力されてスマートフォンによって取得されても良い。すなわち、本実施の形態に係るアルコール測定器20は、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によって測定結果情報を出力するタイミングとは異なるタイミングで、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によってアルコール測定器20自身の測定器IDを出力しても良い。例えば、本実施の形態に係るアルコール測定器20は、第2の実施の形態と同様に、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によって、アルコール測定器の測定器IDを、シャッターコマンドとともに出力しても良い。
本実施の形態に係るアルコール測定システムは、アルコール測定器20からスマートフォン40に通知する全ての情報を、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によってアルコール測定器20が出力し、アルコール測定器20からスマートフォン40に通知する全ての情報を、カメラ43によって撮影した画像に含まれる光の点滅の信号に基づいてスマートフォン40が取得するので、アルコール測定器20と、スマートフォン40との間の通信方式の種類を低減することができる。したがって、本実施の形態に係るアルコール測定システムは、例えば、アルコール測定器20、スマートフォン40が、それぞれ、通信部30、通信部47を備えなくても良いので、部品のために必要なコストを低減することができる。また、本実施の形態に係るアルコール測定システムは、アルコール測定器20と、スマートフォン40とがBluetoothなどの無線通信によって通信を行う必要がないので、アルコール測定器20と、スマートフォン40とがBluetoothなどの無線通信によって通信を行う場合に必要となる煩雑な通信設定作業を省略することができる。
なお、本実施の形態に係るアルコール測定システムは、第1の実施の形態に係るアルコール測定システム10と同様に、アルコール測定器20の測定器IDがアルコール測定器20からスマートフォン40に通信部30および通信部47を介して通知されても良い。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係るアルコール測定システムの構成は、第1の実施の形態に係るアルコール測定システム10(図1参照。)の構成と同様であるので、アルコール測定システム10の構成と同一の符号を付して、説明を省略する。
本実施の形態に係るアルコール測定システムの動作は、以下に述べる内容を除いて、第3の実施の形態に係るアルコール測定システムの動作と同様である。
図15は、アルコール測定器と連携する場合の、本実施の形態に係るアルコール測定システムのスマートフォン40の動作の一部のフローチャートである。
図15に示すように、スマートフォン40の測定器連携手段50aは、S122の処理の後、カメラ43による撮影の範囲内におけるアルコール測定器の発光デバイスの存在の判定のために使用される撮影判定用情報を、カメラ43によって撮影された画像に基づいて、直前の特定の時間内に取得したか否かを判断する(S421)。ここで、測定器連携手段50aは、カメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅を信号としてサンプリングを行い、カメラ43によって撮影された画像に含まれる光の点滅の信号に撮影判定用情報が含まれる場合に、カメラ43によって撮影された画像に基づいて撮影判定用情報を取得したと判断する。
測定器連携手段50aは、カメラ43によって撮影された画像に基づいて撮影判定用情報を直前の特定の時間内に取得しなかったとS421において判断すると、カメラ43によって撮影されている画像を表示部44に表示することをS122において開始してからの経過時間が特定の時間を超えたか否かを判断する(S422)。ここで、S421における「特定の時間」と、S422における「特定の時間」とは、同一の長さの時間である。例えば、S421における「特定の時間」と、S422における「特定の時間」とは、1秒程度の時間でも良い。
測定器連携手段50aは、カメラ43によって撮影されている画像を表示部44に表示することをS122において開始してからの経過時間が特定の時間を超えていないとS422において判断すると、S421の処理を実行する。
測定器連携手段50aは、カメラ43によって撮影されている画像を表示部44に表示することをS122において開始してからの経過時間が特定の時間を超えたとS422において判断すると、特定の通知としてスピーカー46による警告音の出力を実行して(S423)、S421の処理を実行する。
測定器連携手段50aは、カメラ43によって撮影された画像に基づいて撮影判定用情報を直前の特定の時間内に取得したとS421において判断すると、S123(図11参照。)の処理と同様に、カメラ43によって撮影された画像に基づいてシャッターコマンドを取得したか否かを判断する(S424)。
測定器連携手段50aは、カメラ43によって撮影された画像に基づいてシャッターコマンドを取得しなかったとS424において判断すると、S421の処理を実行する。
測定器連携手段50aは、カメラ43によって撮影された画像に基づいてシャッターコマンドを取得したとS424において判断すると、S124の処理を実行する。
図16は、呼気中のアルコール濃度を測定する場合の、本実施の形態に係るアルコール測定システムのアルコール測定器20の動作の一部のフローチャートである。
図16に示すように、アルコール測定器20の制御部32は、S142の処理の後、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によって撮影判定用情報を一定または不定の間隔で繰り返し出力する撮影判定用情報出力処理を開始する(S441)。ここで、撮影判定用情報出力処理における撮影判定用情報の出力の間隔は、S421における「特定の時間」以下の時間であることが好ましい。
制御部32は、S441の処理の後、S143の処理を実行する。
制御部32は、直前のS143において特定の呼気圧以上であると判断してからマウスピース22に吹き込まれた呼気の流量が特定の流量に到達したとS146において判断すると、撮影判定用情報出力処理を終了して(S442)、S148の処理を実行する。
本実施の形態に係るアルコール測定システムは、以上に説明したように動作するので、第3の実施の形態に係るアルコール測定システムによって得られる効果に加えて、以下に説明する効果を得ることができる。
本実施の形態に係るアルコール測定システムは、発光デバイス25によって発する光25aの点滅の信号によってアルコール測定器20が撮影判定用情報を出力し(S441)、カメラ43によって撮影した画像に含まれる光の点滅の信号に基づいてスマートフォン40が撮影判定用情報を取得し(S421でYES)、撮影判定用情報を取得していない場合(S421でNO)にスマートフォン40が警告音の出力を実行する(S423)ので、カメラ43による撮影の範囲内に発光デバイス25が存在しない場合にスマートフォン40によって実行される警告音の出力によって、カメラ43による撮影の範囲内に発光デバイス25を存在させるように被測定者に促すことができ、その結果、スマートフォン40によるシャッターコマンドの取得の成功の可能性を向上することができる。
なお、本実施の形態に係るアルコール測定器20は、S142の処理の後であってS143の処理の前であるタイミングに、撮影判定用情報出力処理を開始する(S441)。しかしながら、本実施の形態に係るアルコール測定器20は、撮影判定用情報出力処理の開始のタイミングとして、他のタイミングが採用されても良い。例えば、本実施の形態に係るアルコール測定器20は、図16に示す動作に代えて、図17に示す動作を実行しても良い。
図17は、呼気中のアルコール濃度を測定する場合の、本実施の形態に係るアルコール測定システムのアルコール測定器20の、図16に示す例とは異なる例の動作の一部のフローチャートである。
図17に示す動作において、本実施の形態に係るアルコール測定器20の制御部32は、S142の処理の後であってS143の処理の前であるタイミングではなく、呼気圧センサー26によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上であるとS143において判断した後であってS146の処理の前であるタイミングに、撮影判定用情報出力処理を開始する(S443)。また、制御部32は、S442のタイミングに加えて、呼気圧センサー26によって検出されている呼気圧が特定の呼気圧以上ではないとS147において判断した後であってS144の処理の前であるタイミングにも、撮影判定用情報出力処理を終了する(S444)。
本実施の形態に係るスマートフォン40は、撮影判定用情報を取得していない場合(S421でNO)に、特定の通知として警告音の出力を実行する(S423)。しかしながら、本実施の形態に係るスマートフォン40は、撮影判定用情報を取得していない場合に、警告音の出力以外の方法によって特定の通知を実行しても良い。例えば、本実施の形態に係るスマートフォン40は、撮影判定用情報を取得していない場合に、特定の通知として表示部44による警告表示の出力を実行しても良い。
なお、本実施の形態に係るアルコール測定システムは、アルコール測定器20の測定器IDおよび測定結果情報の少なくとも1つがアルコール測定器20からスマートフォン40に通信部30および通信部47を介して通知されても良い。
本発明の測定中画像は、上述の各実施の形態において静止画像であるが、動画像でも良い。
本発明の電子機器は、上述の各実施の形態においてスマートフォンであるが、撮影デバイスを備えていれば、スマートフォン以外の電子機器でも良い。