JP2022018277A - 大気浮遊物質質量濃度計測ライダー、大気浮遊物質質量濃度計測方法及びプログラム - Google Patents

大気浮遊物質質量濃度計測ライダー、大気浮遊物質質量濃度計測方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】航空機が飛行中に前方の火山灰や氷晶等の遠隔の大気中に浮遊する物質の質量濃度を計測する装置を提供する。【解決手段】大気浮遊物質質量濃度計測ライダーは、一波長のレーザ光を用いて遠隔の大気中に浮遊する物質の後方散乱強度を計測するライダーと、前記物質の後方散乱強度に支配的な粒径に基づき、あらかじめ設定した質量濃度の近傍において前記後方散乱強度を質量濃度に換算する質量濃度換算器とを具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、レーザ光を大気中に放射して、そのレーザ光の大気中での後方散乱光を受信することにより、数kmから数100km程度までの遠隔領域の大気浮遊物質の質量濃度を前記受信光の強度に基づき計測する、大気浮遊物質質量濃度計測ライダー技術に関するものである。
航空機の運航に対する気象現象の脅威は乱気流に代表されるが、それ以外にも火山灰や氷晶など危険な大気状態は存在し、これらは現状の航空機搭載気象レーダでは検知できないこともあって運航上の障害となっている。本発明者らは乱気流事故を防止する対策としては、レーザ光を利用したドップラーライダーを研究開発している。(例えば、特許文献1や非特許文献1を参照。)なお、ライダー(LIDAR)とは、光を利用した検知手法で「Light Detection And Ranging」を略したものである。また、照射された光線が、大気中に浮遊する微小なエアロゾル粒子によって散乱され、その散乱光を受信してドップラー効果による周波数変化量(波長変化量)を測定することによって風速を測定することからドップラーライダーと呼ばれている。本ドップラーライダーでは、エアロゾル粒子からの受信強度を計測することは可能であるが、そのエアロゾル粒子の大気中の質量濃度を計測することはできない。また、航空機搭載用として既に実用化されている気象レーダは、波長数センチのマイクロ波を利用しているために、火山灰や氷晶などの微細な粒子に対しては散乱強度が小さいために計測できない。地上設備による上空の観測や人工衛星からの観測は可能であるが、全飛行空域をカバーすることはその費用対効果の面で現実的ではない。人工衛星からの観測に関しては、大気浮遊物質の存在する領域の上面のみ観測となるため、実際に航空機が運航する高度の情報が得られるとは限らないという欠点もある。特許文献2では、大気浮遊物質がどのような物質であるかを特定する方法を示しているが、その質量濃度を計測する方法までには至らなかった。一方、既に実用化されている地上設備では、2種類のレーザ波長を用いて、それぞれのレーザ光の散乱強度の比較に基づき大気浮遊物質の質量濃度を算出している。ところが航空機に搭載可能なレーザ波長は、人体にとってもっとも安全性が高い1.5μm帯以外は実用上不可能である。したがって、航空機のパイロットは現状では目視により観察しているが、夜間や雲中など視程が低ければ観察できないし、目視では定量的な数値は確認できない。そのような状況の中、一部の航空機については、火山灰に遭遇した場合の点検要否について、具体的な質量濃度の数値が整備マニュアルに基準として設定されている。この基準に達したかどうかを確認する方法が現状ではないのである。
航空機が火山灰に遭遇してジェットエンジンが停止した例は数件あるが、1982年6月24日の英国航空9便では火山灰がジェットエンジンの熱で溶解し、内部で粘着したためにエンジンが全発停止したとされている。これは安全性が高いとされている4発ジェット機のすべてのエンジンが停止した初めての事例である。その後、1989年12月15日のオランダ航空867便でもエンジン全発停止が発生しており、再発防止のために航空路火山灰情報センター (Volcanic Ash Advisory Center, International Airways Volcano Watch等)が世界9ヶ所に設置された。しかし、その業務は活火山の監視や火山灰拡散予測など広域の情報提供であって、個別の航空便に対する詳細な情報はない。なお、エンジンが火山灰を吸い込んだ場合、たとえ事故には至らなくとも高額な修理費用を要し、我が国でも桜島や三宅島の噴煙の影響で少なからず被害が生じている。
2010年4月にはアイスランド南部の火山が噴火して、大量の火山灰が吹き上げられたが、大気の安定した高高度では火山灰が特定の高度に長期間滞留する可能性がある。このときは危険空域を詳細に特定することができなかったために、欧州全体の運航を全面的に停止せざるをえず、全世界で甚大な経済的損失をもたらした。その教訓に基づき、米国ではNASAを中心に実機を使った曝露試験が行われ、2017年に結果が公表された。同年、試験に参加したRolls-Royce社より、大気中の火山灰質量濃度2mg/m×2時間以下が飛行可能な基準値として示された。
氷晶が原因で航空機事故が発生したと推定されている例としては、1994年10月31日のアメリカンイーグル4184便があげられる。本事故では、氷晶に遭遇して主翼に着氷したことにより機体の制御を失い、墜落したとされている。また、2001年5月21日の全日空173便や2004年9月23日の日本航空2408便は、乱気流事故とされているが、積乱雲上部の氷晶を事前に検知していれば乱気流を予測できた可能性がある。2009年6月1日には、エールフランス447便が大西洋上で高濃度氷晶域に入り、全ピトー管凍結により墜落した。その他、原因不明の墜落事故の中には氷晶が関係しているのではないかと疑われている例が数多く存在する。
日常的に多発している航空機の被雷は、大事故に至ることはまずないとはいえ、機材が破損する事象がたびたび生じている。航空機の被雷は火山灰や氷晶などが機体と衝突することにより機体に静電気が過度に帯電することが原因となっており、氷晶や火山灰の事前検知は被雷防止の効果も期待できる。
特許第3740525号公報 米国特許第8724099号明細書
H. Inokuchi, H. Tanaka, and T. Ando, "Development of an Onboard Doppler LIDAR for Flight Safety," Volume 46, Number 4 of the Journal of Aircraft, AIAA, July-August, 2009.
本発明の目的は、遠隔の大気中に浮遊する物質の質量濃度を計測することができる大気浮遊物質質量濃度計測ライダー、大気浮遊物質質量濃度計測方法及びプログラムを提供することにある。
典型的には、本発明は、航空機が飛行中に前方の火山灰や氷晶等の遠隔の大気中に浮遊する物質の質量濃度を計測することができる大気浮遊物質質量濃度計測ライダー、大気浮遊物質質量濃度計測方法及びプログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る大気浮遊物質質量濃度計測ライダーは、一波長のレーザ光を用いて遠隔の大気中に浮遊する物質の後方散乱強度を計測するライダーと、前記物質の後方散乱強度に支配的な粒径に基づき、あらかじめ設定した質量濃度の近傍において前記後方散乱強度を質量濃度に換算する質量濃度換算器とを具備する。本発明によれば、物質の後方散乱強度に支配的な粒径と後方散乱強度と質量濃度に換算するため、複数種類のレーザ波長を用いる必要が無い。このため、一波長のレーザ光の後方散乱強度がわかれば、質量濃度を算出することができる。これにより、人体にとってもっとも安全性が高い一波長のレーザ光を用いて、大気浮遊物質の質量濃度を算出することができる。また、大気浮遊物質質量濃度計測ライダーに、複数種類のレーザ波長を出力するために2個の設備を搭載する必要が無い。これにより、大気浮遊物質質量濃度計測ライダーの軽量化を図れる。
前記質量濃度換算器は、多様な粒径の物質が遠隔の大気中に浮遊して混在する状態において、前記質量濃度を計測しようとする特定の前記物質の後方散乱強度に支配的な粒径を代表粒径とすると、前記代表粒径を用いて、前記特定の物質の後方散乱強度を質量濃度に換算する。本発明によれば、代表粒径(質量濃度を計測しようとする特定の物質の後方散乱強度に支配的な粒径)を用いて後方散乱強度を質量濃度に換算するため、物質の粒径の違いにより異なる物質の質量濃度をより正確に換算することを図れる。
前記大気浮遊物質質量濃度計測ライダーにおいて、
前記質量濃度換算器は、後方散乱係数をβとしたときに、質量濃度Wを以下の式で求める。
W=n・m-3/2・β3/2
ただし、
n:代表粒径と質量濃度とを結びつける係数(g /m6
m:代表粒径と後方散乱係数を結びつける係数(/m3/sr)
前記質量濃度換算器は、特定の質量濃度の範囲について前記質量濃度を求める。本発明によれば、特定の質量濃度のときに後方散乱強度を計測して換算係数を求めておき、この換算係数に基づき特定の質量濃度近辺の値を計測することで、粒径分布の差異に影響されにくく、より正確に質量濃度を算出することを図れる。
当該大気浮遊物質質量濃度計測ライダーが航空機に搭載されるものであって、前記質量濃度換算器は、前記あらかじめ設定した質量濃度として前記航空機の運航に影響がある質量濃度付近の近傍の前記質量濃度を求める。本発明によれば、観測すべき質量濃度を航空機運航の可否判断に使用する狭い範囲に限定した場合に粒径分布に大きな差異はないと推定できることから、粒径分布の差異に影響されにくく、より正確に質量濃度を算出することを図れる。
前記質量濃度換算器は、レンジビンごとに前記物質の後方散乱強度を質量濃度に換算する。本発明によれば、品質が良いレンジビン(雑音ではない有効な信号を受信したレンジビン)の質量濃度のみを出力することを図れる。
大気浮遊物質質量濃度計測ライダーは、前記ライダーより送信されたレーザ光の偏光が解消された受信光と解消しない受信光との比である偏光解消度を計測する偏光解消度計測器と、前記偏光解消度に基づき前記遠隔の大気中に浮遊する物質の種類を識別する大気浮遊物質識別器とを更に具備する。本発明によれば、識別された物質の種類を特定した上での物質の種類ごとの質量濃度を出力することを図れる。
前記大気浮遊物質識別器は、前記後方散乱係数と減衰係数の比であるライダー比を用いてあらかじめ設定されたテーブルに照らし合わせて前記遠隔の大気中に浮遊する物質の種類を識別し、前記ライダー比を用いた識別結果と、前記偏光解消度を用いた識別結果との論理和を用いて前記物質の種類を識別する。本発明によれば、識別を2段階とすることで、物質の種類の識別について信頼性の向上を図れる。
前記質量濃度換算器は、必要とされる前記偏光解消度の測定精度と前記偏光解消度の値に対応する受信強度への閾値を算出し、得られた受信強度に対する閾値処理を予め行い、前記偏光解消度計測器は、前記閾値以上の信号を用いて前記偏光解消度を計測し、前記大気浮遊物質識別器は、前記計測された偏光解消度に基づき前記遠隔の大気中に浮遊する物質の種類を識別する。本発明によれば、十分な信号(閾値以上の信号)を得た場合のみ、偏光解消度を計測し物質の種類を識別するので、物質の種類の識別について信頼性の向上を図れる。
前記質量濃度換算器は、前記ライダーにより受信された受信信号のドップラー周波数から算出される速度の変化が時間的に所定の閾値以下の変動である場合には、雑音ではなく信号を受信しているとして判定する。本発明によれば、時間的変化と、空間的変化(大気浮遊物質質量濃度計測ライダーが搭載された航空機の運動)とを同時に考慮することが可能となるため、より正確に質量濃度を出力することを図れる。
前記ライダーは、レーザ光を大気中に放射してレンジビンごとの前記物質の後方散乱強度を計測し、前記質量濃度換算器は、前記ライダーにより受信された受信信号の隣接するレンジビンの、前記ライダーにより受信された受信信号のドップラー周波数から算出される速度の絶対差が所定の閾値以下である場合、雑音ではなく信号を受信しているとして判定する。本発明によれば、雑音ではない有効な信号を受信した場合のみ、後方散乱強度を質量濃度に換算するので、質量濃度について信頼性の向上を図れる。
前記質量濃度換算器は、各偏光のピークを比較後に、両者のうちピークが高い方の周波数ビンの、各偏光の信号量を出力する信号量算出器を有する。本発明によれば、同一周波数ビンのみでの強度比とすることで、偏光解消度測定精度向上に寄与することが可能となる。
前記目的を達成するために、本発明に係る大気浮遊物質質量濃度計測方法は、一波長のレーザ光を用いて遠隔の大気中に浮遊する物質の後方散乱強度を計測し、前記物質の後方散乱強度に支配的な粒径に基づき、あらかじめ設定した質量濃度の近傍において前記後方散乱強度を質量濃度に換算する。
前記目的を達成するために、本発明に係るプログラムは、ライダーにより一波長のレーザ光を用いて計測された遠隔の大気中に浮遊する物質の後方散乱強度を入力するステップと前記物質の後方散乱強度に支配的な粒径に基づき、あらかじめ設定した質量濃度の近傍において 前記後方散乱強度を質量濃度に換算するステップとをコンピュータに実行させる。
本発明によれば、遠隔の大気中に浮遊する物質の質量濃度を計測することができる。
本発明の一実施形態に係る大気浮遊物質質量濃度計測ライダーの構成説明図である。 本発明の一実施形態による大気浮遊物質識別の原理を説明する図である。 本発明の一実施形態に係る偏光解消度計測器の構成説明図である。 本発明の一実施形態による偏光解消度と大気浮遊物質の対応を示した図である。 本発明の実施例1に係る大気浮遊物質質量濃度計測ライダーの構成説明図である。 本発明の一実施形態による大気浮遊物質の質量濃度計測の手法を説明する図である。 本発明の実施例2に係わる大気浮遊物質質量濃度計測ライダーの構成説明図である。 本発明の実施例2の質量濃度換算器の処理内容を表す図である。 所望偏光解消度、所望精度と必要信号量の関係を表す図である。 本発明の実施例3の質量濃度換算器の処理内容を表す図である。 本発明の実施例3の処理内容を表す模擬図である。 本発明の実施例4に係わる大気浮遊物質質量濃度計測ライダーの構成説明図である。 本発明の実施例5に係わる信号量算出器の処理内容説明図である。 本発明の実施例5に係わる信号量算出器の処理内容説明図である。
まず、本発明の一実施形態の概要を説明する。本発明の一実施形態に係るドップラーライダーは、一波長(1種類の波長)のパルス状レーザ光を送信光として大気中に放射(送信)して、該レーザ光の大気中の浮遊物質によるレーザ散乱光を受信光として受信する。質量濃度換算器は、受信光の時分割により観測レンジを分離したうえで、それぞれの観測レンジ内の受信光の受信強度から火山灰や氷晶などの大気浮遊物質の質量濃度を遭遇前に計測する。
大気浮遊物質によるレーザ光の後方散乱強度と大気浮遊物質の質量濃度とが強い相関関係にあることは自明であるが、粒径分布によって相関に差異が生ずる。一実施形態に係る大気浮遊物質質量濃度計測ライダーは、大気浮遊物質質量濃度計測ライダーが航空機に搭載されるものであって、質量濃度換算器は、計測すべき質量濃度を航空機の運航に影響がある質量濃度付近(即ち、航空機の運航の可否判断に使用する狭い範囲)に限定して、計測した後方散乱強度を質量濃度に換算する。
航空機の運航に影響を与える火山灰や氷晶の直径は、2~100μm程度であって、本発明による装置で使用が想定されるレーザ光の波長(1.5μm帯)に対して大きいため、単純散乱が卓越する。多様な粒径の大気浮遊物質が混在する状態において、質量濃度を計測しようとする特定の物質の後方散乱に支配的な粒径として代表粒径Dを定義した場合、単純散乱では後方散乱強度は代表粒径Dの2乗に比例する。一方、質量濃度は代表粒径Dの3乗に比例することから、質量濃度Wは後方散乱強度と代表粒径Dとの積に比例する。つまり一波長のドップラーライダーの場合、代表粒径Dがわからなければ質量濃度Wを求めることはできない。ところが、観測すべき質量濃度を航空機運航に影響がある質量濃度付近(即ち、航空機の運航の可否判断に使用する狭い範囲)に限定した場合、粒径分布に大きな差異はないと推定できる。一実施形態に係る大気浮遊物質質量濃度計測ライダーでは、ある特定の質量濃度Wのときに後方散乱強度を計測して換算係数を求め、質量濃度Wは後方散乱強度の3/2乗に比例して変化することに基づき、特定の質量濃度の近傍の値を計測する。このように、本実施形態によれば、代表粒径を用いて後方散乱強度を質量濃度に換算するため、物質の粒径の違いにより異なる物質の質量濃度をより正確に換算することを図れる。
以下、図に示す実施の形態により本発明を詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る大気浮遊物質質量濃度計測ライダーの構成説明図である。この大気浮遊物質質量濃度計測ライダー100は、ドップラーライダー10と、質量濃度換算器6と、表示器7と、大気浮遊物質検知部20から構成されている。ドップラーライダー10は、一波長のレーザ光を送信光として大気中に放射(送信)して、該レーザ光の大気中のエアロゾルによるレーザ散乱光を受信光として受信する。これにより、ドップラーライダー10は、一波長のレーザ光を用いて遠隔の大気中に浮遊する物質の後方散乱強度を計測する。質量濃度換算器6は、物質の後方散乱強度に支配的な粒径に基づき、あらかじめ設定した質量濃度の近傍において後方散乱強度を質量濃度に換算することにより、該受信光(レーザ散乱光)の強度(後方散乱強度)を質量濃度に換算する。大気浮遊物質検知部20は、該送信光と該受信光の間における偏光解消度を計測し、その計測された偏光状態の変化した割合から火山灰や氷晶などの大気浮遊物質を特定する。
ドップラーライダー10は、送信光となる一波長の微弱なレーザ光(参照光)を発生する基準光源1と、その微弱なレーザ光を増幅して送信光とする光アンプ2と、光アンプ2を励起するポンプ光としてのレーザ光を発生する励起光源3と、送信光を遠方に放射すると共に遠方からの散乱光を集光する光学望遠鏡4と、レーザ散乱光を受信して基準光源1からの参照光との比較によりドップラー効果による周波数変化量(波長変化量)を測定し、その測定結果を電気信号として出力する光受信機5と、から成る。光受信機5が出力する電気信号の信号対雑音比が、後方散乱強度を示す。質量濃度換算器6は、その電気信号の信号対雑音比である後方散乱強度から、信号強度である質量濃度を算出(換算)する。表示器7は、浮遊物質の質量濃度計測結果や浮遊物質識別結果を表示する。なお、送信光となる一波長のレーザ光としては、例えば気象状態の影響を受け難く網膜に対する安全性の高い波長1.5μm帯の近赤外線レーザ光を、励起光源としては高効率のレーザダイオードを各々使用する。
大気浮遊物質検知部20は、受信光と送信光の間における偏光解消度を計測する偏光解消度計測器8と、その計測された偏光解消度から氷晶や火山灰などの大気浮遊物質(遠隔の大気中に浮遊する物質)の種類を識別し浮遊物質識別結果を表示器7に出力する大気浮遊物質識別器9とから成る。大気浮遊物質識別器9が大気浮遊物質(遠隔の大気中に浮遊する物質)の種類を識別するため、識別された物質の種類を特定した上での物質の種類ごとの質量濃度を表示器7に出力することができる。
次に、大気浮遊物質検知部20が大気浮遊物質の成分を検知する計測原理の詳細を説明する。レーザ光は電磁波として特定の方向に振動する偏光の性質を持っており、大気中の浮遊物質などにより散乱の影響を受けると浮遊物質の形状に応じてその偏光状態が変化する。例えば、球形の形状またはレーザ光の波長に比して十分に滑らかな表面を持つ浮遊物質からの散乱であればその偏光状態はあまり変化しないが、非球形の形状、結晶構造を持つあるいは火山灰のように表面がレーザ光の波長オーダーでの複雑な凹凸を持つ浮遊物質からの散乱であればその偏光状態は大きく変化する。すなわち、浮遊物資の形状に応じてその偏光状態が変化するため、散乱体で偏光状態が変化する割合(偏光解消度)を計測することにより形状の異なる浮遊物質の成分を識別することが可能となる。
例えば、図2に示すように、レーザ光としてある一つの方向(この場合はX軸方向)に偏光したレーザ光を送信光として大気中に放射したとき、偏光解消度計測器8では、大気中の氷晶や火山灰などの大気浮遊物質によるレーザ散乱光を受信光として受信し、この送信光と受信光の間における偏光解消度δを計測する。偏光解消度δは、大気浮遊物質からの散乱によって送信光に対する受信光の偏光状態が変化する割合を示す指標である。言い換えれば、偏光解消度δは、ドップラーライダー10より送信されたレーザ光の偏光が解消された受信光と、解消しない受信光との比である。偏光解消度δは、例えば、以下のように表される。
δ=|Ry|/(|Ry|+|Rx|) (1)
ここで、|Rx|は大気浮遊物質により散乱され送信元に戻ってきた受信光RのX軸方向(送信光の偏光方向と平行)の偏光成分の強度、|Ry|は受信光RのY軸方向(送信光の偏光方向と垂直)の偏光成分の強度である。
図3は偏光解消度計測器8の構成例である。偏光解消度計測器8は、受信光分離手段30、参照光分離手段31、第1の光受信機32、第2の光受信機33及び第1の信号処理器34を有する。
図3に基づいて、偏光解消度計測器8の動作を説明する。受信光分離手段30は受信光をX方向の偏光成分(Rx)とY方向の偏光成分(Ry)に分離する。参照光分離手段31は基準光源からの参照光よりX方向に直線偏光した参照光LxとY方向に直線偏光した参照光Lyを生成する。第1の光受信機は受信光のX方向の偏光成分(Rx)とX方向に直線偏光した参照光Lxとをコヒーレント検波する。第2の光受信機は同様に受信光のY方向の偏光成分(Ry)とY方向に直線偏光した参照光Lyとをコヒーレント検波する。第1の信号処理器34において、第1の光受信機の受信信号から受信光のX方向の偏光成分(Rx)の強度|Rx|を、第2の光受信機の受信信号から受信光のY方向の偏光成分(Ry)の強度|Ry|を求め、式(1)より偏光解消度δを得ることができる。
例えば、偏光解消度δと大気浮遊物質成分の対応関係を実測などで事前に測定して、図4に示す浮遊物質の成分の対応表を作成しておく。大気浮遊物質識別器9は、その対応表を用いて、偏光解消度計測器8により計測された偏光解消度δの値から氷晶や火山灰などの大気浮遊物質の種類(物質の成分)を識別する。
一方、質量濃度換算器6は、光受信機5から出力される信号(受信光)の強度からライダー方程式により後方散乱係数βを求める。ライダー方程式は、以下の式で示される。
Figure 2022018277000002
α、Sはそれぞれ減衰係数(/m)、散乱光のコヒーレンス長(m)を表し、大気パラメータである。ΔRは減衰係数距離依存性の距離分解能であり、Mは距離RをΔRで割った自然数に相当する。対して、ηsys、λ(m)、E(J)、D(m)、F(m)、B(Hz)、N (回)、はそれぞれシステム効率、波長、送信パルスエネルギー、光学系の有効開口径、集光距離、受信帯域幅、積算回数を表す。受信帯域幅Bはc/2Rres(cは光速度、Rresは距離分解能)にて表される。なお、hはプランク定数(Js)、Aは、光アンテナによってケラレたガウシアンビームに対して相関の高い回折限界のガウシアンビームに置き換えるための近似係数を表し、Rは観測距離(m)を表す。DetectabilityはSNRに積算効果を加えた指標であり、受信信号量に相当する。
航空機の運航に影響を与える火山灰や氷晶の直径は、2~100μm程度であって、本発明による装置で使用が想定されるレーザ光の波長(1.5μm帯)に対して大きいため、単純散乱が卓越する。質量濃度換算器6は、多様な粒径の大気浮遊物質が混在する状態において、質量濃度を計測しようとする特定の物質の後方散乱強度に支配的な粒径として代表粒径Dを定義した場合、代表粒径Dを用いて、特定の物質の後方散乱強度を質量濃度Wに換算する。具体的には、単純散乱では後方散乱強度は代表粒径Dの2乗に比例する。一方、質量濃度Wは代表粒径Dの3乗に比例することから、質量濃度Wは後方散乱強度と代表粒径Dとの積に比例する。つまり一波長のドップラーライダーの場合、代表粒径Dがわからなければ質量濃度Wを求めることはできない。
大気浮遊物質の代表粒径Dを後方散乱係数β=mDで定義し、質量濃度W=nDとすると、質量濃度換算器6は、質量濃度Wを以下の式で求めることができる。
W=n・m-3/2・β3/2 (2)
ただし、
n:代表粒径と質量濃度とを結びつける係数(g/m
m:代表粒径と後方散乱係数を結びつける係数(/m/sr)
ここで、n・mの値は、あらかじめ本発明による装置の実測による後方散乱係数βとその実測領域の質量濃度のサンプリング観測(例えば空気を取り込んでエアロゾルモニタで測定)により、平均値を求めておく。ただし、代表粒径Dは本実施形態中で定義した仮想的なパラメータ(仮想的な粒径値)であって、実際には粒径分布が一定ではないため代表粒径Dは観測ごとにばらつく要素がある。特に、あらかじめ実測していない範囲では代表粒径Dの誤差が大きい。ところが、大気浮遊物質質量濃度計測ライダー100を航空機に搭載する場合、実際に計測すべき質量濃度Wは、航空機の運航に影響がある質量濃度W(あらかじめ設定した質量濃度W)の近傍のみ必要である。このため、予め設定した質量濃度Wから大きく離れる領域については、定量的な計測は不要である。すなわち、質量濃度Wが非常に小さい場合は安全と判断し、質量濃度Wが非常に大きい場合は危険と判断するだけで充分である。本実施形態によれば、特定の質量濃度のときに後方散乱強度を計測して換算係数を求めておき、この換算係数に基づき特定の質量濃度近辺の値を計測することで、粒径分布の差異に影響されにくく、より正確に質量濃度を算出することを図れる。
従って、質量濃度換算器6は、特定の質量濃度の範囲について質量濃度Wを求める。より具体的には、質量濃度換算器6は、航空機の運航に影響がある質量濃度W(あらかじめ設定した質量濃度W)の近傍の質量濃度Wを求める。本実施形態で「あらかじめ設定した質量濃度Wの近傍」とは、あらかじめ設定した質量濃度W以下の値、あらかじめ設定した質量濃度W以上の値、あらかじめ設定した質量濃度W以下の値からあらかじめ設定した質量濃度W以上の値まで、の何れも含む。本実施形態によれば、観測すべき質量濃度を航空機運航の可否判断に使用する狭い範囲に限定した場合に粒径分布に大きな差異はないと推定できることから、粒径分布の差異に影響されにくく、より正確に質量濃度を算出することを図れる。
このように、本発明の実施形態に係る大気浮遊物質質量濃度計測ライダー100を航空機に搭載することにより、航空機の運航に危険を及ぼす火山灰や氷晶などの大気浮遊物質の質量濃度を事前に計測することが可能となり、航空機の安全運航に大きく貢献することができる。本実施形態で「大気浮遊物質」及び「物質」は火山灰や氷晶の他にも、航空機の運航に影響を与える物質なら何でもよく、具体的には、黄砂、雹、鳥の群れ、バッタの群れ等を含む。なお、「物質」が鳥の群れ又はバッタの群れの場合、その物質の代表粒径は、鳥1羽のサイズ又はバッタ1匹のサイズとすればよい。
なお、本発明の実施形態では、航空機搭載用として説明したが、衛星搭載であっても車両搭載であっても、船舶搭載であっても、地上設置型であっても利用できるものである。また、受信方式はコヒーレント検波方式としているが直接検波方式でも構わない。同様に波長1.5μm帯のレーザ光を用いるとしているが、その他の赤外線領域であっても、可視領域あるいは紫外領域のレーザ光でも構わない。さらに、本実施形態は、光波を使用するライダーだけでなく、電波を使用するレーダ技術にも利用することができる。即ち、一波長の電波を大気中に放射(送信)して、該電波の大気中の浮遊物質による反射波を受信してもよい。
<実施例1>
図5は、航空機に本発明の大気浮遊物質質量濃度計測ライダー100を搭載した状態を示す図である。図5では、光学望遠鏡4と光アンプ2とを含む機外装置40を機体200の下面に搭載し、空気抵抗を減らすなどの目的のために機外装置40にフェアリング41を被せた構成としている。また、レーザ光が送信される方向にはウインドウ42を設置し、レーザ光の送信及び散乱光の受信ができるようにしている。なお、本実施例1では、光学望遠鏡4と光アンプ2を機体200の下面に搭載する構成としたが、これに限らず、機首側面や主翼下面などへの搭載も考えられ、個々の機体200によって搭載しやすい場所に搭載することが可能である。上記機外装置40以外の機器である基準光源1、励起光源3、光受信機5、質量濃度換算器6、表示器7、偏光解消度計測器8及び大気浮遊物質識別器9を含む機内装置50は、機体200内に搭載される。
大気浮遊物質の識別では、ドップラーライダー10は、一波長のレーザ光としてある一つの方向に偏光したレーザを送信光として大気中に放射し、大気中の火山灰や氷晶などの大気浮遊物質によるレーザ散乱光を受信光として受信する。大気浮遊物質検知部20は、この送信光と受信光の間における偏光解消度を計測し、その偏光解消度から大気浮遊物質成分の識別を行う。特に、大気浮遊物質質量濃度計測ライダー100を航空機に搭載する場合は、運航に脅威となる氷晶や火山灰とその危険性のない水滴などを識別できればよいため、以下のような偏光解消度と大気浮遊物質成分の対応関係を事前に決定し、大気浮遊物質検知部20はこれを利用して大気浮遊物質成分の識別を行えばよい。
Figure 2022018277000003
例えば、具体例として可視光領域のレーザ光(緑色レーザ光[波長:532nm])を送信光として使用した場合、偏光解消度と大気浮遊物質との対応関係は、以下のようになる。
Figure 2022018277000004
なお、赤外線領域のレーザ光[波長:1550nm]であっても、実測することにより同様の対応関係を事前に取得することが可能である。
次に、質量濃度換算器6が火山灰の質量濃度を計測する具体的な手法を説明する。図6は、送受信の信号強度を時系列で表現した図である。コヒーレント方式のライダーは、信号強度(後方散乱強度)を信号対雑音比として求める。まず、ドップラーライダー10は、パルス状の送信光を送信すると、火山灰がない場合であっても大気中に存在する塵や水滴などのエアロゾル粒子からの散乱光を受信する。これをバックグラウンドの散乱光と称する。大気中で光速度はほとんど一定であるから、送信から受信までの時間を観測レンジに換算することは容易である。質量濃度換算器6は、受信光を時分割することによりレンジビン(時分割されたデータ群)毎のバックグラウンドの散乱光の信号強度を飛行中に取得しておく。このバックグラウンドの散乱光の信号強度は、大気条件によって大きく変化するものであるから、できるだけ火山灰に遭遇する直前のデータを使うことが望ましい。大気中に火山灰があると破線部のように火山灰による散乱光の信号強度が重畳される。質量濃度換算器6は、受信光の信号強度からバックグラウンドの散乱光の信号強度を差し引けば、火山灰のみによる散乱光の信号強度(後方散乱強度)を求めることができる。
信号強度(後方散乱強度)が求まれば、質量濃度換算器6は、ライダー方程式(後述の式(9)で示される)を用いて該火山灰の後方散乱係数を求めることができる。質量濃度換算器6が後方散乱係数を火山灰の質量濃度に換算する手順を以下に示す。
火山灰などの大気浮遊物質は、市販のオプティカル・パーティクル・カウンターで、その場所での、粒径ごとの数濃度を計測することが可能である。したがって、本発明の実施形態による大気浮遊物質質量濃度計測ライダー100とオプティカル・パーティクル・カウンターの両方を航空機に搭載して計測すれば、大気浮遊物質質量濃度計測ライダー100の較正を行うことが可能である。ただし、火山灰が非常に薄い場合は、計測誤差が大きいことと、火山灰が非常に濃い場合は飛行ができないことから、オプティカル・パーティクル・カウンターによる大気浮遊物質質量濃度計測ライダー100の較正データが得られない。較正データが得られない質量濃度Wの範囲は、式(2)を用いて外挿する。航空機の運航判断にとって重要な火山灰の質量濃度Wは、2mg/mであるので、その近傍の質量濃度Wが計測できれば、実用上は問題ない。
<実施例2>
本実施例2の構成を図7に示す。本実施例2では、質量濃度換算器6が受信光強度に対し閾値処理を行い、その品質フラグを、質量濃度データと共に表示器7に出力する仕組みを有する。質量濃度換算器6は、ユーザによって指定される所望測定精度(必要とされる偏光解消度の測定精度)と偏光解消度の最低値より閾値を算出する。要するに、閾値は、受信光強度のデータが有効か無効かを判断するのに用いられる。
本実施例2における質量濃度換算器6の処理を図8に示す。
信号量算出器ST6001では、光受信機5より得られた受信電気信号から信号量を算出する。例えば、信号量算出器ST6001は、時分割した受信信号に対しそれぞれフーリエ変換を行い、そのスペクトルピーク値を信号量(後述のDetectabilityと同義)として算出し、算出した信号量の値に相当する電気信号を出力する。ここでは、時分割されたデータ群をレンジビンと呼び、時間が早いものから順にレンジビン1,2,3…Nとする。
閾値算出器ST6002では、ユーザによって指定される所望の(必要とされる)偏光解消度の測定精度と測定偏光解消度最低値をもとに、信号量に対する閾値を算出し、算出した閾値を出力する。
X、Y方向それぞれの偏光の受信信号強度をR、Rとし、偏光解消度の定義をσ=R/(R+R)とすると、偏光解消度(偏光解消度計測器8により計測)の測定精度σは誤差の伝搬により以下式(3)のように求められる。
Figure 2022018277000005
σ、σはそれぞれ、X、Y方向それぞれの偏光の受信信号強度の標準偏差を表し、σは以下式(4)で表される(σも同様。添え字は各偏光での値を表す)。
Figure 2022018277000006
また、X、Y方向の信号量を足し合わせた信号量全体(Detectability)は以下式(5)で定義される。
Figure 2022018277000007
ユーザ指定の所望偏光解消度測定精度をσに、測定偏光解消度最低値をδに入力し、閾値となるDetectabilityを算出し、THdetとする。上記偏光解消度最低値、Detectabilityの測定精度特性の計算結果例を図9に示す。これより、例えばX方向のDetectability閾値THdet_Xは以下より計算する。
Figure 2022018277000008
判定部ST6003では、得られた受信信号が上記閾値THdet_X以上かを判定する。
品質フラグ設定器ST6004では十分な信号(閾値以上の信号)を得ているとして品質フラグを1とし、そうでない場合は品質フラグを0として表示器7に出力する。
減衰係数算出器ST6005では、各距離における減衰係数α(/m)を以下式により算出する。
Figure 2022018277000009
iはレンジビン番号を表し、Rbin(i)は各レンジビンに対応する距離を表し、距離分解能Rres(m)を用いて以下のように表すことができる。
Figure 2022018277000010
後方散乱係数算出器ST6006では各レンジビンにおける後方散乱係数を算出する。言い換えれば、後方散乱係数算出器ST6006では、レンジビンごとに前記物質の後方散乱強度を質量濃度に換算する。これにより、品質が良いレンジビン(雑音ではない有効な信号を受信したレンジビン)の質量濃度のみを出力することを図れる。質量濃度の算出には上述のように回線計算を用い、例えば以下のライダー方程式(9)を用いる。
Figure 2022018277000011
β、α、Sはそれぞれ後方散乱係数(m-1sr-1)、減衰係数、散乱光のコヒーレンス長(m)を表し、大気パラメータである。ΔRは減衰係数距離依存性の距離分解能であり、Mは距離RをΔRで割った自然数に相当する。対して、ηsys、λ(m)、E(J)、D(m)、F(m)、B(Hz)、N (回)、はそれぞれシステム効率、波長、送信パルスエネルギー、光学系の有効開口径、集光距離、受信帯域幅、積算回数を表す。受信帯域幅Bはc/2Rres(cは光速度、Rresは距離分解能)にて表される。なお、hはプランク定数(Js)、Aは、光アンテナによってケラレたガウシアンビームに対して相関の高い回折限界のガウシアンビームに置き換えるための近似係数を表し、Rは観測距離(m)を表す。
質量濃度算出器ST6007では、実施例1記載の手法を用いて、レンジビンごとに物質の後方散乱係数を質量濃度に換算する。
表示器7では、質量濃度換算器6から出力された各レンジビンの質量濃度と品質フラグを用い、品質フラグが1の場合のみ正しい検知ができていたとして当該レンジビンの質量濃度を表示することにより、品質が良いレンジビン(雑音ではない有効な信号を受信したレンジビン)の質量濃度のみを出力することができる。
本実施例2では、検知目標となる対象物によって受信信号強度に対する閾値を変化させる方法について示した。所望測定偏光解消度、所望精度(必要とされる偏光解消度の測定精度)に依存して閾値を設定することで、一定の閾値とするよりも、測定距離の延伸が可能となる効果がある。
偏光解消度計測器8は、判定部ST6003が判定した閾値以上の信号を用いて偏光解消度を計測してもよい。大気浮遊物質識別器9は、偏光解消度計測器8により計測された偏光解消度に基づき遠隔の大気中に浮遊する物質の種類を識別すればよい。本実施形態によれば、十分な信号(閾値以上の信号)を得た場合のみ、偏光解消度を計測し物質の種類を識別するので、物質の種類の識別について信頼性の向上を図れる。
<実施例3>
本実施例3の構成は実施例2と同じであり、異なる点は質量濃度換算器6の処理内容である。本実施例では、受信信号のドップラー効果より、得られる速度値の変動成分が指定範囲内である場合を有効とし、それ以外は無効とすることにより、データの信頼性を判断することを特徴とする。
本実施例における質量濃度換算器6の処理を図10に示す。
ドップラー速度算出処理器ST6008では、光受信機5より得られた受信電気信号を実施例2同様、複数のレンジビンに時分割し、時分割した時系列信号に対しフーリエ変換を行う。これにより得られた周波数スペクトルのピーク周波数fdをドップラー周波数として定義する。速度vは以下で定義され、iはレンジビン番号を表す。言い換えれば、ドップラー速度算出処理器ST6008は、レンジビン(i)の速度vを、ピーク周波数fd(ドップラー周波数)から算出する。
Figure 2022018277000012
ST6010では、判定する直前の、品質フラグが0ではないレンジビンとの速度差(直前のレンジビンの速度との絶対差)がユーザによって指定されるST6009の許容範囲TH(閾値)以下の場合、当該レンジビンのデータは有効であるとして、品質フラグを1(即ち、雑音ではなく信号を受信している)として出力する(図11上)。言い換えれば、質量濃度換算器6は、ドップラーライダー10により受信された受信信号の隣接するレンジビンの、ドップラーライダー10により受信された受信信号のドップラー周波数から算出される速度の絶対差が所定の閾値以下である場合、雑音ではなく信号を受信しているとして判定する。本実施形態によれば、雑音ではない有効な信号を受信した場合のみ、後方散乱強度を質量濃度に換算するので、質量濃度について信頼性の向上を図れる。
Figure 2022018277000013
なお、i=1は直近のデータであり、強い受信信号強度が見込まれるため、正しいデータが得られるものとして扱う。
上記では直前のレンジビンに対する差分に対する閾値処理としたが、同一レンジビンの直前データとの差分としてもよい。言い換えれば、ST6010で、質量濃度換算器6は、ドップラーライダー10により受信された受信信号のドップラー周波数から算出される速度の変化が時間的に所定の閾値以下の変動である場合には、雑音ではなく信号を受信している(当該レンジビンのデータは有効)として判定する。これにより、機体は運動しているため、時間的変化と、空間的変化(大気浮遊物質質量濃度計測ライダーが搭載された航空機の運動)とを同時に考慮することが可能となるため、より正確に質量濃度を出力することを図れる(より厳しい品質処理が可能となる)。
また、実施例2と並列に行い、Detectability(光受信機5より得られた受信電気信号から算出された信号量)に対する閾値処理と、当該速度に対する閾値処理を行い、or条件でどちらかが範囲外、閾値以下の場合は品質フラグ=0としてもよく、また、品質に重みを設けてもよい。
そのほか、レンジビン番号の小さい順から上記処理を行い、初めて異常値が検出されたレンジビン番号以降はすべて異常であるとして判定し、品質フラグを0(無効)としてもよい。これは、偶発的に速度値が式(11)の範囲内に入り、実際は雑音を検出しているような状況を除去するためのものである。
さらに、図11下にあるように、全レンジビンすべての速度値を用いて導出された近似関数Yの値に対し、上記許容範囲TH以下の場合は有効であるとして判定してもよい。この場合、近似関数は多項式近似などで求められるが、逸脱した速度値に過剰に引っ張られることを避けるために、Y=ax+bの1次関数などを用いることが望ましい。しかし、速度モデルが事前にある場合などはそれを用いてもよく、これに限るものではない。
<実施例4>
後方散乱係数と減衰係数の比であるライダー比は物質固有の複素屈折率に依存して変化する。これを用い、当該ライダー比を用いた大気浮遊物質の識別を行う。本実施例4の構成は実施例2と同じであり、異なる点は大気浮遊物質識別器9の処理内容である。本実施例4では、質量濃度換算器6において出力される各レンジビンの後方散乱係数と減衰係数を大気浮遊物質識別器9に入力し、当該値より大気浮遊物質の識別を行う機能を特徴とする。
本実施例4のブロック図を図12に示す。
大気浮遊物質識別器9では、質量濃度換算器6から出力される後方散乱係数β(i)と、減衰係数α(i)を用いてライダー比S(i)を以下式により導出する。言い換えれば、ライダー比S(i)は、後方散乱係数β(i)と減衰係数α(i)との比である。
Figure 2022018277000014
例えばエアロゾルであれば当該ライダー比は50sr、火山灰であれば30~40sr、氷であれば10~30srであるとし、以下のテーブルに従って(照らし合わせて)識別を行う。当該テーブルはライダー比S(i)を用いてあらかじめ設定されている。
Figure 2022018277000015
大気浮遊物質識別器9は、本ライダー比を用いた識別結果と、実施例1記載の偏光解消度を用いた識別結果との論理和を用いて物質の種類を識別する。大気浮遊物質識別器9は、総合物質判定により両方の識別結果が合致した場合、表示器7へその情報を出力する。
本実施例4では、識別機能を多段(2段階)とすることで信頼性を向上できる効果がある。
<実施例5>
図13及び図14は、本発明の実施例5に係わる信号量算出器の処理内容説明図である。
信号量算出器ST6001は、各偏光のピークを比較後に、両者のうちピークが高い方の周波数ビンの、各偏光の信号量を出力する。具体的には、信号量算出器ST6001におけるスペクトルピーク値の検出方法として、X方向、Y方向それぞれのスペクトルをSx、Syとし、そのピーク値Px、Pyを検出する。その際の周波数アドレス(FFTビン)をfx、fyとする(図14の(1)に示す)。次に、PxとPyを比較し、Pxの方が大きい場合はPy=Sy(fx)として出力し、逆に、Pyの方が大きい場合はPx=Sx(fy)として更新して出力する(図14の(2)に示す)。X方向受信信号、Y方向受信信号どちらも同じ対象を測定した信号のため、得られるドップラー速度は同等となる。ゆえに、ピーク検知を行う周波数ビンも同じとする。ピークを捜索する領域が広ければ広いほど、高い雑音信号を誤検知する可能性、すなわち、本来の信号を見落とす可能性が高くなる。これを抑圧するため、同一周波数ビンのみでの強度比とすることで、偏光解消度測定精度向上に寄与することが可能となる。
本実施形態の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーは、受信光の後方散乱強度からレーザ光を反射させた物質の質量濃度を計測するもので、大気浮遊物質質量濃度計測ライダーが航空機に搭載される場合には、航空機の前方に悪影響を及ぼす物質が存在する場合に、その脅威の程度を事前に検知することが可能である。すなわち、パイロットが本発明の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーを飛行中に使用することにより、飛行前方の大気状況を事前に認識し、危険を回避するための適切な措置を取ることが出来るようになる。あるいは専用の観測機に本発明の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーを搭載し、危険空域を詳細に調査することも可能である。
また、旅客機が巡航するような高高度では、一般的に大気が安定しているので、浮遊物質は一定の高度に層状に広がることが多い。したがって検知した危険物質は急旋回により回避するよりも、特に危険な高度を飛行しないか、短時間で危険高度を通過することが現実的である。回避できなかった場合に火山灰の吸い込み量を積算して、エンジンの点検間隔を短くする判断材料に活用することも可能である。従って、本発明の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーは、航空機事故や機材損傷を防止することが好適に期待される。
既に実用化されている地上設備では、2種類のレーザ波長を用いて、それぞれのレーザ光の後方散乱強度の連立方程式を用いた比較に基づき大気浮遊物質の質量濃度を算出している。これに対して、本実施形態では、質量濃度を計測しようとする特定の物質の後方散乱強度に支配的な粒径(代表粒径)と、レーザ光の後方散乱強度とに基づき、大気浮遊物質の質量濃度を算出する。代表粒径と後方散乱強度とに基づくため、本実施形態では、2種類のレーザ波長を用いる必要が無くなり、一波長のレーザ光の後方散乱強度がわかれば、質量濃度を算出することができる。これにより、人体(特に大気浮遊物質質量濃度計測ライダーを航空機に搭載する場合にはレーザ光照射範囲に存在する不特定多数の人体)にとってもっとも安全性が高い1.5μm帯だけの一波長のレーザ光を用いて、大気浮遊物質の質量濃度を算出することができる。また、大気浮遊物質質量濃度計測ライダーに、2種類のレーザ波長を出力するために2個の設備を搭載する必要が無い。これにより、特に大気浮遊物質質量濃度計測ライダーを航空機に搭載する場合には軽量化を図れる。
我が国周辺では日常的に火山の噴火が生じているが、現状では飛行経路上の火山灰の質量濃度を知る手段がないため、過度な運航制限により経済的損失が生じている。また、意図せず火山灰領域を飛行する事例が数年ごとに発生しており、整備のためのエンジン換装に5億円程度の経費が掛かっている。氷晶については、墜落事故が発生しているうえ、安全確保のための過度な回避飛行により経済的損失が生じている。しかし本発明の適用により、火山灰や氷晶を原因とする航空機事故や機材損傷防止にも効果があるため、安全性向上や経済性向上が見込まれる。
6 質量濃度換算器
8 偏光解消度計測器
9 大気浮遊物質識別器
10 ドップラーライダー
100 大気浮遊物質質量濃度計測ライダー

Claims (14)

  1. 一波長のレーザ光を用いて遠隔の大気中に浮遊する物質の後方散乱強度を計測するライダーと
    前記物質の後方散乱強度に支配的な粒径に基づき、あらかじめ設定した質量濃度の近傍において前記後方散乱強度を質量濃度に換算する質量濃度換算器と
    を具備する大気浮遊物質質量濃度計測ライダー。
  2. 請求項1に記載の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーであって、
    前記質量濃度換算器は、多様な粒径の物質が遠隔の大気中に浮遊して混在する状態において、前記質量濃度を計測しようとする特定の前記物質の後方散乱強度に支配的な粒径を代表粒径とすると、前記代表粒径を用いて、前記特定の物質の後方散乱強度を質量濃度に換算する
    大気浮遊物質質量濃度計測ライダー。
  3. 請求項2に記載の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーであって、
    前記質量濃度換算器は、後方散乱係数をβとしたときに、質量濃度Wを以下の式で求める
    W=n・m-3/2・β3/2
    ただし、
    n:代表粒径と質量濃度とを結びつける係数(g/m6
    m:代表粒径と後方散乱係数を結びつける係数(/m3/sr)
    大気浮遊物質質量濃度計測ライダー。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーであって、
    前記質量濃度換算器は、特定の質量濃度の範囲について前記質量濃度を求める
    大気浮遊物質質量濃度計測ライダー。
  5. 請求項4に記載の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーであって、
    当該大気浮遊物質質量濃度計測ライダーが航空機に搭載されるものであって、
    前記質量濃度換算器は、前記あらかじめ設定した質量濃度として前記航空機の運航に影響がある質量濃度の近傍の前記質量濃度を求める
    大気浮遊物質質量濃度計測ライダー。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーであって、
    前記質量濃度換算器は、レンジビンごとに前記物質の後方散乱強度を質量濃度に換算する
    大気浮遊物質質量濃度計測ライダー。
  7. 請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーであって、
    前記ライダーより送信されたレーザ光の偏光が解消された受信光と解消しない受信光との比である偏光解消度を計測する偏光解消度計測器と、
    前記偏光解消度に基づき前記遠隔の大気中に浮遊する物質の種類を識別する大気浮遊物質識別器と
    を更に具備する大気浮遊物質質量濃度計測ライダー。
  8. 請求項7に記載の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーであって、
    前記大気浮遊物質識別器は、
    前記後方散乱係数と減衰係数の比であるライダー比を用いてあらかじめ設定されたテーブルに照らし合わせて前記遠隔の大気中に浮遊する物質の種類を識別し、
    前記ライダー比を用いた識別結果と、前記偏光解消度を用いた識別結果との論理和を用いて前記物質の種類を識別する
    大気浮遊物質質量濃度計測ライダー。
  9. 請求項7又は8に記載の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーであって、
    前記質量濃度換算器は、必要とされる前記偏光解消度の測定精度と前記偏光解消度の値に対応する受信強度への閾値を算出し、得られた受信強度に対する閾値処理を予め行い、
    前記偏光解消度計測器は、前記閾値以上の信号を用いて前記偏光解消度を計測し、
    前記大気浮遊物質識別器は、前記計測された偏光解消度に基づき前記遠隔の大気中に浮遊する物質の種類を識別する
    大気浮遊物質質量濃度計測ライダー。
  10. 請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーであって、
    前記質量濃度換算器は、前記ライダーにより受信された受信信号のドップラー周波数から算出される速度の変化が時間的に所定の閾値以下の変動である場合には、雑音ではなく信号を受信しているとして判定する
    大気浮遊物質質量濃度計測ライダー。
  11. 請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーであって、
    前記ライダーは、レーザ光を大気中に放射してレンジビンごとの前記物質の後方散乱強度を計測し、
    前記質量濃度換算器は、前記ライダーにより受信された受信信号の隣接するレンジビンの、前記ライダーにより受信された受信信号のドップラー周波数から算出される速度の絶対差が所定の閾値以下である場合、雑音ではなく信号を受信しているとして判定する
    大気浮遊物質質量濃度計測ライダー。
  12. 請求項7乃至9のうちいずれか1項に記載の大気浮遊物質質量濃度計測ライダーであって、
    前記質量濃度換算器は、各偏光のピークを比較後に、両者のうちピークが高い方の周波数ビンの、各偏光の信号量を出力する信号量算出器を有する
    大気浮遊物質質量濃度計測ライダー。
  13. 一波長のレーザ光を用いて遠隔の大気中に浮遊する物質の後方散乱強度を計測し、
    前記物質の後方散乱強度に支配的な粒径に基づき、あらかじめ設定した質量濃度の近傍において前記後方散乱強度を質量濃度に換算する
    大気浮遊物質質量濃度計測方法。
  14. ライダーにより一波長のレーザ光を用いて計測された遠隔の大気中に浮遊する物質の後方散乱強度を入力するステップと
    前記物質の後方散乱強度に支配的な粒径に基づき、あらかじめ設定した質量濃度の近傍において前記後方散乱強度を質量濃度に換算するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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