JP2022018133A - フラーレンナノチューブ、その製造方法およびそれを用いた水晶振動子ガスセンサ - Google Patents

フラーレンナノチューブ、その製造方法およびそれを用いた水晶振動子ガスセンサ Download PDF

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Abstract

【課題】 機能性を有するフラーレンナノチューブ、その製造方法およびそれを用いた水晶振動子ガスセンサを提供すること。【解決手段】 本発明のフラーレンナノチューブは、フラーレンを主成分とし、親水性を有し、フラーレンが窒素原子を含有し、。窒素原子は、4原子%以上10原子%以下の範囲で含有される。窒素原子は、ピロール型窒素を含有する。フラーレンナノチューブの表面はアミノ化されている。フラーレンは、C60フラーレンおよびその誘導体である。【選択図】 図1A

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和1年12月3日公開 ROYAL SOCIETY OF CHEMISTRY 発行 Materials Horizons,2020,vol.7,787-795 DOI: 10.1039/c9mh01866b (2)令和2年3月2日発行 The 13th MANA International Symposium 2020 jointly with ICYS予稿集P.9
本発明は、フラーレンナノチューブ、その製造方法およびそれを用いた水晶振動子ガスセンサに関する。
近年、液-液界面析出法(LLIP法)によって製造されたフラーレンナノチューブが報告されている(例えば、非特許文献1、2を参照)。非特許文献1によれば、C60からなるフラーレンナノチューブが製造され、それがベンゼンやトルエンといった芳香族溶媒分子に対して選択的な応答をすることが報告されている。また、非特許文献2によれば、C70からなるフラーレンナノチューブが製造され、900℃で炭化後、スーパーキャパシタの電極材料として有効であることが報告されている。
また、このようなフラーレンナノチューブは、中空構造を利用したナノメートルサイズやサブミクロンサイズ物体等のカプセル化、輸送、放出等のバイオ関連用途への適用が期待されている。しかしながら、このようなフラーレンナノチューブは疎水性を有しているため、バイオ関連用途への適用に際して親水性の処理を施す必要がある。
Lok Kumar Shresthaら,Angew.Chem.Int.Ed.,2015,54,951-955 Partha Bairiら,J.Mater.Chem.A,2016,4,13899-13906
芳香族溶媒分子以外にも揮発性の酸などと選択的に応答可能な新たな機能を有するフラーレンナノチューブの開発が求められる。また、新たな親水性処理を施すことなく親水性を有するフラーレンナノチューブを製造する技術が開発されれば望ましい。
以上より、本発明の課題は、機能性を有するフラーレンナノチューブ、その製造方法およびそれを用いた水晶振動子ガスセンサを提供することである。
本発明によるフラーレンナノチューブは、フラーレンを主成分とし、前記フラーレンは、窒素原子を含有し、親水性を有する。
前記フラーレンは、C60フラーレン、C70フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、C82フラーレン、C84フラーレン、C90フラーレン、C94フラーレン、および、これらの誘導体からなる群から少なくとも1種選択されてもよい。
前記フラーレンは、C60フラーレンおよび/またはその誘導体であってもよい。
六方最密充填構造を有してもよい。
X線回折装置によるX線パターンにおいてfcc構造の回折ピークを有しなくてもよい。
前記フラーレンナノチューブの長手方向の長さは、1μm以上3μm以下の範囲であり、前記フラーレンナノチューブの壁厚は、100nm以上300nm以下の範囲であり、前記フラーレンナノチューブの直径は、450nm以上950nm以下の範囲であってもよい。
フーリエ変換赤外分光高度計で測定されるFTIRスペクトルにおいて3000cm-1以上3450cm-1以下の範囲にN-H伸縮振動に起因するピークを有してもよい。
X線光電子分光法で測定されるXPSスペクトルにおいて結合エネルギーが398.5eV以上400.5eV以下の範囲に窒素のN1sピークを有してもよい。
前記窒素原子は、4原子%以上10原子%以下の範囲で含有されてもよい。
前記窒素原子は、ピロール型窒素を含有してもよい。
前記フラーレンナノチューブの表面はアミノ化されていてもよい。
上記フラーレンナノチューブを製造する方法は、炭素数7以上15以下の芳香族炭化水素にフラーレンが分散したフラーレン分散液と、炭素数5以下の低級アルコールとを混合し、液液界面析出法によりフラーレンナノロッドを形成することと、前記芳香族炭化水素と前記低級アルコールとの合計に対して15wt%以上30wt%以下の範囲のエチレンジアミンを添加し、混合液を得ることと、前記混合液に以下のa)~c)のいずれかの処理を行うことと、
a)混合液を15時間以上36時間以下の時間インキュベーションする処理、
b)混合液を少なくとも5回洗浄する処理、
c)混合液を5時間以上10時間以下の時間インキュベーションし、少なくとも1回洗浄する処理、
を包含し、これにより上記課題を解決する。
前記洗浄は、前記芳香族炭化水素、低級アルコールおよびエチレンジアミンの混合溶液を用いてもよい。
前記芳香族炭化水素は、m-キシレン、トルエン、および、エチルベンゼンからなる群から少なくとも1つ選択されてもよい。
前記芳香族炭化水素は、m-キシレンであってもよい。
前記低級アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、および、イソプロパノールからなる群から少なくとも1つ選択されてもよい。
前記フラーレンナノロッドを形成することは、超音波処理しながら行ってもよい。
前記a)~c)のいずれかの処理を行うことは、超音波処理しながら行ってもよい。
本発明によるガスセンサ膜を備えた水晶振動子ガスセンサは、前記ガスセンサ膜が上記フラーレンナノチューブを含有し、これにより上記課題を解決する。
ギ酸、酢酸およびプロピオン酸からなる群から選択される酸性ガスを検知してもよい。
本発明のフラーレンナノチューブは、フラーレンを主成分としており、フラーレンは、窒素を含有するので、親水性を有する。これにより、本発明のフラーレンナノチューブは水に対して分散性に優れるため、バイオ関連用途へ適用され得る。また、本発明のフラーレンナノチューブは揮発性の酸性ガスに対して優れた選択性を示す。そのため、本発明のフラーレンナノチューブは水晶振動子ガスセンサに利用できる。
本発明のフラーレンナノチューブの製造方法によれば、親水性処理を新たに施すことなく、上述の親水性を有し、かつ、高い機能を有するフラーレンナノチューブが得られるので、製造プロセスを簡略化でき、有利である。
本発明のフラーレンナノチューブを示す模式図 本発明のフラーレンナノチューブを構成する例示的なフラーレンを示す模式図 本発明のフラーレンナノチューブを製造する工程を示すフローチャート 本発明のフラーレンナノチューブを用いた水晶振動子ガスセンサの正面図 本発明のフラーレンナノチューブを用いた水晶振動子ガスセンサの側面図 図2のステップS210によって得られたフラーレンナノロッドのSEM像を示す図 フラーレンナノロッドの長手方向の長さ分布(A)と直径の分布(B)とを示す図 フラーレンナノロッドのSTEM像を示す図 例14~例17の試料のSEM像とSTEM像とを示す図 種々の条件におけるエッチング体積とインキュベーション時間との関係を示す図 例14、例18、例20および例22の試料のSEM像とSTEM像とを示す図 種々の条件におけるエッチング体積と洗浄回数との関係を示す図 例15および例23の試料のSEM像とSTEM像とを示す図 例23の試料のSEM像とSTEM像とを示す図 例23の試料のSEM像を示す図 例23の試料のSTEM像を示す図 例14および例24~例28の試料のSEM像を示す図 例14および例24~例28の試料のSTEM像を示す図 例23の試料の長手方向の長さ分布(a)と直径の分布(b)とを示す図 例23の試料のTEM像およびHR-TEM像を示す図 例23の試料のXRDパターンを示す図 例23の試料のラマンスペクトルを示す図 例23の試料の高周波数側のFTIRスペクトルを示す図 例23の試料の低周波数側のFTIRスペクトルを示す図 例23の試料のUV-visスペクトルを示す図 例23の試料のXPSスペクトルを示す図 例23の試料のC1sコアレベルのXPSスペクトルを示す図 例23の試料のN1sコアレベルのXPSスペクトルを示す図 例23の試料のマススペクトルを示す図 例23の試料の接触角を示す図 例23のQCMセンサによる種々の揮発性有機化合物に対するQCM周波数シフトを示す図
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。なお、同様の要素には同様の符号を付し、その説明を省略する。
(実施の形態1)
実施の形態1では、本発明のフラーレンナノチューブおよびその製造方法について詳述する。
図1Aは、本発明のフラーレンナノチューブを示す模式図である。
図1Bは、本発明のフラーレンナノチューブを構成する例示的なフラーレンを示す模式図である。
本発明のフラーレンナノチューブ100は、図1Aに模式的に示すように、中空構造を有しており、その断面形状が円形や楕円形等である。
本発明のフラーレンナノチューブ100は、フラーレンを主成分とし、親水性を有する。本願明細書において、フラーレンは、置換基を有する、および/または、有しない、炭素原子を含有する球状の分子であれば、特に制限はないが、例示的には、C60フラーレン、C70フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、C82フラーレン、C84フラーレン、C90フラーレン、C94フラーレン、および、これらの誘導体からなる群から少なくとも1種選択される。なお、フラーレン誘導体とは、フラーレンの少なくとも一部が修飾された化合物を意味する。
中でも、フラーレンは、より好ましくは、C60フラーレンおよび/またはその誘導体である。これにより、後述する方法によりナノチューブが収率よく製造され得る。フラーレンがC60である場合、本発明のフラーレンナノチューブは、好ましくは、六方最密充填構造(hcp)を有する。さらに好ましくは、本発明のフラーレンナノチューブは、X線回折装置によるX線回折パターンにおいて、面心立方格子構造(fcc)の回折ピークを有しない。これにより、フラーレンナノチューブ内の一部が塞がるなどなく、中空構造となり得る。
本明細書においてフラーレンを主成分とするとは、X線回折パターンにおいて、フラーレン以外の明瞭な回折ピークを有さなければよいが、例示的には、フラーレンナノチューブは、90質量%以上、好ましくは95質量%以上のフラーレンを含有することをいう。
本発明のフラーレンナノチューブ100は、フラーレンが窒素原子を含有する。窒素原子は、フラーレンを構成する炭素原子と置換されていてもよいし、フラーレンに修飾した置換基に含有されていてもよい。窒素原子によってフラーレンナノチューブ100は、親水性を有する。
窒素原子は、好ましくは、4原子%以上10原子%以下の範囲で含有される。これにより高い親水性を示す。窒素原子は、より好ましくは、4原子%以上7原子%以下の範囲で含有される。これにより、さらに高い親水性を示す。なお、窒素原子の含有量は、X線光電子分光法(XPS)によって測定される。
本発明のフラーレンナノチューブ100は、好ましくは、フーリエ変換赤外分光高度計で測定されるFTIRスペクトルにおいて3000cm-1以上3450cm-1以下の範囲にN-H伸縮振動に起因するピークを有する。このN-H伸縮振動に起因するピークを有することにより、親水性を発揮し得る。
本発明のフラーレンナノチューブ100は、より好ましくは、フーリエ変換赤外分光高度計で測定されるFTIRスペクトルにおいて3300cm-1以上3350cm-1以下の範囲にN-H伸縮振動に起因するピークを有する。これにより、高い親水性を発揮し得る。
本発明のフラーレンナノチューブ100は、好ましくは、X線光電子分光法で測定されるXPSスペクトルにおいて結合エネルギーが398.5eV以上400.5eV以下の範囲に窒素のN1sピークを有する。これにより、高い親水性を可能にする。さらに好ましくは、本発明のフラーレンナノチューブ100は、C=C結合(sp)、C-N結合(sp)およびO-C=O結合を有する。これにより、高い親水性を示すとともに、酸に対して高い選択性を示す。なお、このような結合の存在は、XPSスペクトルにおいてC1sのコアレベルのピークの畳み込み(コンボリューション)を解けばよい。
含有される窒素原子は、好ましくは、ピロール型窒素である。これにより、窒素原子が安定となる。ピロール型窒素も、XPSスペクトルのN1sのコアレベルのピークの畳み込みを解くことによって特定できる。
本発明のフラーレンナノチューブ100の表面は、好ましくは、図1Bに示すように、アミノ化されている。図1BではフラーレンとしてC60の例を示すが、これに限らない。後述する製造方法において原料に用いるエチレンジアミンとフラーレンとが反応することにより、表面がアミノ化されるので、高い親水性を示し得る。表面のアミノ化は、マススペクトルによって特定できる。
当然ながら、本発明のフラーレンナノチューブ100は、ピロール型窒素を含有していてもよいし、表面がアミノ化されていてもよいし、その両方であってもよい。
本発明のフラーレンナノチューブ100は、好ましくは、以下の大きさを有する。
長手方向の長さが、1μm以上3μm以下の範囲である。
壁厚が、100nm以上300nm以下の範囲である。
直径が、450nm以上950nm以下の範囲である。
このような大きさを有することにより、酸に対する高い選択性を示す。
本発明のフラーレンナノチューブ100は、より好ましくは、以下の大きさを有する。
長手方向の長さが、1.5μm以上2.7μm以下の範囲である。
壁厚が、150nm以上250nm以下の範囲である。
直径が、550nm以上850nm以下の範囲である。このような大きさを有することにより、酸に対するさらに高い選択性を示す。
次に、本発明のフラーレンナノチューブの製造方法を説明する。
図2は、本発明のフラーレンナノチューブを製造する工程を示すフローチャートである。
本発明のフラーレンナノチューブは、以下のステップS210~S230によって製造される。
ステップS210:炭素数7以上15以下の芳香族炭化水素にフラーレンが分散したフラーレン分散液と、炭素数5以下の低級アルコールとを混合し、液液界面析出法によりフラーレンナノロッドを形成する。
ステップS220:芳香族炭化水素と低級アルコールとの合計に対して15wt%以上30wt%以下の範囲のエチレンジアミンを添加し、混合液を得る。
ステップS230:混合液に以下のa)~c)のいずれかの処理を行う。これにより、ステップS210で得られたフラーレンナノロッドが選択的にエッチングされ、中空構造が形成される。
a)混合液を15時間以上36時間以下の時間インキュベーションする処理、
b)混合液を少なくとも5回洗浄する処理、
c)混合液を5時間以上10時間以下の時間インキュベーションし、かつ、少なくとも1回洗浄する処理。
各ステップについて詳述する。
ステップS210において、フラーレンは上述したフラーレンと同じであるため、説明を省略する。得られるフラーレンナノロッドは、中空構造を有しないロッド状の形状を意図し、例えば、長手方向の長さが、1μm以上3μm以下の範囲であり、直径が、450nm以上950nm以下の範囲である大きさを有する。
ステップS210において、上述の炭素数を満たす芳香族炭化水素は、フラーレンの良溶媒であるため、フラーレンが良好に分散し得る。芳香族炭化水素は、上述の炭素数を満たせば特に制限はないが、好ましくは、m-キシレン、トルエン、および、エチルベンゼンからなる群から少なくとも1つ選択される。これらは、フラーレンの分散性に優れる。中でも、収率の観点からm-キシレンがよい。
ステップS210において、低級アルコールは、フラーレンの貧溶媒であり、上述の芳香族炭化水素と液液界面を形成し得る。上述の炭素数を満たせば特に制限はないが、好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、および、イソプロパノールからなる群から少なくとも1つ選択される。これらは、上述の芳香族炭化水素と液液界面を形成し得、収率よくフラーレンナノロッドが得られる。
ステップS210において、好ましくは、フラーレン分散液に低級アルコールを添加する。これにより液液界面の形成が促進する。さらに、好ましくは、フラーレン分散液を超音波処理しながら、低級アルコールを添加する。これにより、良質な液液界面が形成され、フラーレンナノロッドの形成が促進する。
ステップS210において、低級アルコールは、好ましくは、芳香族炭化水素に対して、体積比で、2倍以上10倍以下の量を添加する。これにより、液液界面が形成され、フラーレンナノロッドの形成が促進する。
ステップS210において、フラーレン分散液中のフラーレンの濃度(g/mL)は、好ましくは、1g/mL以上2g/mL以下の範囲である。この範囲であれば、フラーレンナノロッドの形成が促進する。
ステップS210の液液界面析出法は、15℃以上200℃未満の温度範囲で行われてよい。200℃を超えると反応が進まない場合があり得る。好ましくは、15℃以上100℃以下、さらに好ましくは15℃以上50℃以下である。
ステップS220において、上述の所定量のエチレンジアミンを添加することにより、エチレンジアミンとフラーレンナノロッドとの間でアミノ化を生じさせる。
ステップS220において、エチレンジアミンの添加量が15wt%よりも少ないと、アミノ化が十分に進まない場合がある。エチレンジアミンの添加量が30wt%を超えても、アミノ化の進行に変化はないため、30wt%を上限とするとよい。より好ましくは、エチレンジアミンの添加量は、芳香族炭化水素と低級アルコールとの合計に対して15wt%以上25wt%以下の範囲である。この範囲であれば、効率よくアミノ化が進行し得る。
本願発明者らは、ステップS230においてa)~c)のいずれかの所定の処理を行うことにより、ステップS210で得られたフラーレンナノロッドが選択的にエッチングされ、中空構造を有するフラーレンナノチューブとなることを見出した。
ステップS230において、a)混合液を15時間以上36時間以下の時間インキュベーションする処理は、この時間範囲保持することにより、エッチングが進行し、本発明のフラーレンナノチューブが得られる。15時間より短いとエッチングが十分でなく、中空が一部塞がったままとなり得る。36時間を超えてもエッチングに変化はないため、36時間を上限とするとよい。なお、インキュベーションは、15℃以上50℃以下の温度範囲で行われてよい。
ステップS230において、b)混合液を少なくとも5回洗浄する処理は、処理a)のようにインキュベーションすることなく、5回以上洗浄するだけで、本発明のフラーレンナノチューブが得られるため、製造時間を短縮できる。洗浄には、好ましくは、上述の芳香族炭化水素、低級アルコールおよびエチレンジアミンの混合溶液を用いる。これにより、選択的エッチングを促進し得る。さらに好ましくは、洗浄のたびにフレッシュな混合溶液を用いる。これにより、選択的エッチングをさらに促進し得る。
ステップS230において、c)混合液を5時間以上10時間以下の時間インキュベーションし、かつ、少なくとも1回洗浄する処理は、少ないインキュベーション時間と少ない洗浄回数によって、効率的に選択的エッチングを行うことができる。ここでも、洗浄は処理b)の洗浄と同様にして行ってよい。
ステップS230において、処理a)~c)を、超音波処理をしながら行ってもよい。これによりエッチングが促進される。
このようにして本発明のフラーレンナノチューブが得られるが、ステップS230に続いて、遠心分離を行い、低級アルコールで洗浄後、生成物を乾燥して回収されてよい。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1で説明した本発明のフラーレンナノチューブを用いた水晶振動子ガスセンサを説明する。
図3Aは、本発明のフラーレンナノチューブを用いた水晶振動子ガスセンサの正面図を示す。
図3Bは、本発明のフラーレンナノチューブを用いた水晶振動子ガスセンサの側面図を示す。
本発明によるQCMガスセンサ300の水晶振動子(QCM)電極310には、実施の形態1で説明したフラーレンナノチューブを含有するガスセンサ膜320が設けられている。
詳細には、QCM電極310は、水晶基板330と、その表裏主面に形成された電極340a、340bと、電極340a、340bにそれぞれ接続されたリード線350a、350bとを備える。水晶基板330は、略円板形状のATカット基板である。電極340a、340bは、物理蒸着等で形成される金、白金、クロム、ニッケル等の電極である。リード線350a、350bは、交流電源等に接続され、水晶基板330に電位を加えるとともに、周波数の変化を測定可能な周波数カウンタ等に接続され得る。ガスセンサ膜320は、少なくとも電極340a、340bのいずれか一方の上に付与されるが、両方の電極340a、340b上に形成されてもよい。
ガスセンサ膜320は、フラーレンナノチューブ100を含有する膜の形態であってよい。このような膜は、フラーレンナノチューブ100を水または有機溶媒に分散させ、これを電極340a、340bが形成された水晶基板330上に付与すれば得られる。有機溶媒は、例示的には、エタノール、エチレングリコール、α-テルピネオールである。付与は、塗布、ドロップキャスト、スプレー、浸漬、スピンコート、スクリーン印刷などによって行われる。好ましくは、付与後に溶媒を除去するために、加熱が行われる。ガスセンサ膜320は、50nm以上500nm以下の範囲の厚さを有する。これにより、センサ感度が高まる。ガスセンサ膜320は、フラーレンナノチューブ100単体からなってもよいし、これに加えて、有機バインダ樹脂、有機溶剤等を含んでもよい。
本発明のQCMガスセンサ300の動作を説明する。QCMガスセンサ300のリード線350a、350bおよび電極340a、340bを介して、水晶基板330に電位を印加する。これにより、水晶基板330は、厚みすべり振動にて所定の共振周波数にて振動する。ここで、酸性ガスをQCMガスセンサ300に通すと、ガス中の酸がガスセンサ膜320中のフラーレンナノチューブに吸着される。これにより、吸着した酸の質量分のエネルギー損失が発生するため、所定の共振周波数が変化する。周波数変化は、リード線350a、350bを介して周波数カウンタ等により測定される。このようにして、本発明のQCMガスセンサ300を用いれば、周波数変化によりガス中の酸を検出することができる。
特に、本発明のQCMガスセンサ300は、好ましくは、ギ酸、酢酸およびプロピオン酸からなる群から選択される酸性ガスを高精度に検知する。
本発明のフラーレンナノチューブの酸性ガスに対する高い選択性からQCMセンサ用途を説明してきたが、本発明のフラーレンナノチューブは親水性を有するため、ナノサイズやサブミクロンサイズ物体等をカプセル化し、輸送・放出等を行うバイオ関連用途への適用も可能である。
次に、具体的な実施例を用いて本発明を詳述するが、本発明がこれら実施例に限定されないことに留意されたい。
[例1~例28]
例1~例28では、表1に示す出発原料および条件を用いて、フラーレンナノチューブの製造を試みた。
フラーレンC60粉末(純度99.5%、MTR Ltd.製)をm-キシレン(純度98.0%、富士フイルム和光純薬株式会社製)に分散させ、1時間超音波処理をし、フラーレン分散液を調製した。フラーレン分散液中のフラーレン濃度は、1.4mg/mLであった。フラーレン分散液を用いて液液界面析出法によりフラーレンナノロッドを形成した(図2のステップS210)。
詳細には、フラーレン分散液(1mL)を13.5mLの洗浄したガラス瓶に入れ、これを超音波浴に配置し、超音波処理した。次いで、イソプロパノール(5mL、純度99.7%、ナカライテスク株式会社製)をフラーレン分散液に迅速(約2秒)に添加した。超音波処理を1分間行い、ガラス瓶を超音波浴から取り出し、25℃で5分間保持した。
一部の試料について、遠心分離を行い、生成物をイソプロパノールで洗浄し、80℃で24時間乾燥後、フラーレンナノロッド(以降ではFNRと称することがある)が形成していることを、電界放出形走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、S-4800)を用いて確認した。結果を図4~図6に示す。
表1に示す量のエチレンジアミン(EDA、純度99.0%、富士フイルム和光純薬株式会社製)および/またはトリエチルアミン(TEA、純度99.0%、ナカライテスク株式会社製)を、先のフラーレン分散液に添加した(図2のステップS220)。添加後、超音波浴にて10分間超音波処理をした。
試料のいくつかについては、表1の条件にしたがって、インキュベーションおよび/または洗浄を行った。インキュベーションの温度は25℃であった。
洗浄の前に、遠心分離し、ステップS220で添加したエチレンジアミンを除去した。洗浄のたびに、イソプロパノール(5mL)とm-キシレン(1mL)とエチレンジアミン(0.24mLまたは1.2mL)との混合溶液を調製し、これを洗浄溶液として用いた。
例17、例22および例23の試料の溶液の色は、黄褐色であった。最後に、遠心分離を行い、生成物をイソプロパノールで3回洗浄し、80℃で24時間乾燥後、観察、評価を行った。なお、表1に示すように、例17、例22および例23の実験条件が、図2のステップS230の処理a)~c)を満たすことに留意されたい。評価に用いた試料をFNR-EDAと称する場合がある。
Figure 2022018133000002
試料を、電界放出形走査電子顕微鏡、電界放出形透過電子顕微鏡(TEM、日本電子株式会社製、JEM-2100F)を用いて観察した。試料を、X線回折装置(XRD、株式会社リガク製、RINT-Ultima III)を用いて評価した。試料の表面官能基を、全反射式フーリエ変換赤外分光高度計(ATR-FTIR、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社、Nexus 670)を用いて特定した。
試料のラマンスペクトルを、トリプルレーザラマン分光測定装置(Jobin Yvon社製、T64000)を用いて測定した。測定には、0.01mW出力の波長514.5nmのレーザを用いた。
試料のX線光電子スペクトルを、シータプローブ分光計(サーモエレクトロン社製)を用いて測定した。測定には、Al-Kα単色線(エネルギー15keV)を用いた。コアレベルXPSのC1s(Cの1s軌道のエネルギーピーク位置)、O1s(Oの1s軌道のエネルギーピーク位置)およびN1s(Nの1s軌道のエネルギーピーク位置)を0.05eVステップで記録した。試料に電荷が蓄積するのを避けるため、測定には、ビルトイン式エレクトロフラッドガンを用いた。試料の紫外可視光(UV-vis)スペクトルを、分光光度計(日本分光株式会社製、V-670)を用いて測定した。試料の質量分析スペクトルを、質量分析計(MALDI-TOF-MS、株式会社島津製作所製、H17S00282)を用いて測定した。
水晶振動子マイクロバランス(QCM)を用いて、得られた試料のガスセンサ能を調べた。9MHz(AT-カット)の共振周波数を用い、各試料を塗布したAu共振器(QCM電極)について、ゲストガスの吸着/脱着時の周波数変化を記録した。QCM電極は次のようにして調整した。試料(0.5mg)をイソプロパノール(1mL)に分散させ、30秒攪拌した。得られた懸濁液の一定分量(2μL)をQCM電極にドロップキャストし、真空中、12時間、80℃で乾燥させた。
なお、周波数変化が平衡に達した際には、QCM電極を空気に晒し、吸着したガスを脱離させた。QCM電極の再現性試験については、ガスの暴露と脱離の繰り返し時の周波数シフト(Δf)の時間依存性を記録した。以上の結果を図7~図28に示す。
図4は、図2のステップS210によって得られたフラーレンナノロッドのSEM像を示す図である。
図5は、フラーレンナノロッドの長手方向の長さ分布(A)と直径の分布(B)とを示す図である。
図6は、フラーレンナノロッドのSTEM像を示す図である。
図4によれば、均一な結晶性のフラーレンからなるロッド(フラーレンナノロッド)であることが分かる。その先端は、ファセットになっており、尖っている。SEM像から100個のランダムに選別したロッドについて、長手方向の長さおよび直径のヒストグラムを図5に示す。図5によれば、ロッドの長手方向の長さは、1μm以上3μm以下の範囲であり、その直径は、500nm以上900nm以下の範囲であった。そのアスペクト比(長手方向の長さ/直径)は、約3.6であった。また、図6によれば、フラーレンナノロッドは中空ではないことが分かった。
まず、図2のステップS230におけるインキュベーション時間とエッチングとの関係を調べた。
図7は、例14~例17の試料のSEM像とSTEM像とを示す図である。
図8は、種々の条件におけるエッチング体積とインキュベーション時間との関係を示す図である。
図7(a)、(c)、(e)および(g)は、それぞれ、例14~例17の試料のSEM像を示し、図7(b)、(d)、(f)および(h)は、それぞれ、例14~例17の試料のSTEM像を示す。図7によれば、エチレンジアミンの濃度が20wt%の場合には、12時間以下のインキュベーションでは、一部が塞がった中空構造となり、24時間のインキュベーションでは、完全な中空構造となった。
図8には、種々のエチレンジアミン濃度に対するエッチング体積とインキュベーション時間との関係を示す。ここで、エッチング体積(%)は次式より求めた。
エッチング体積(%)=100×(2×π×(r/2)×h)/(π×(R/2)×H)
ここで、hはフラーレンナノロッドの内腔の深さ(エッチング深さ)であり、Hはフラーレンナノロッドの長さであり、Rはフラーレンナノロッドの直径であり、rは内腔の内径であり、エッチングされた体積の形状は円柱状であるものとして算出した。
図8によれば、エチレンジアミン濃度が4wt%から20wt%まで増加すると、エッチング速度は、6時間のインキュベーション後、38%から51%まで増加し、12時間のインキュベーション後には、42%から63%まで増加した。なお、いずれのエチレンジアミン濃度においても、24時間のインキュベーションを行うと、エッチング体積は飽和する傾向を示した。
図7および図8の結果から、図2のステップS210の液液界面析出法によって得られたフラーレンナノロッドは、図2のステップS230の処理(a)によって、フラーレンナノロッドの端部から選択的にエッチングされた、中空構造を有するフラーレンナノチューブが得られることが示された。
次に、図2のステップS230におけるインキュベーションをしない場合の洗浄回数とエッチングとの関係を調べた。
図9は、例14、例18、例20および例22の試料のSEM像とSTEM像とを示す図である。
図10は、種々の条件におけるエッチング体積と洗浄回数との関係を示す図である。
図9(a)、(c)、(e)および(g)は、それぞれ、例14、例18、例20および例22の試料のSEM像を示し、図9(b)、(d)、(f)および(h)は、それぞれ、例14、例18、例20および例22の試料のSTEM像を示す。図9によれば、エチレンジアミンの濃度が20wt%であり、インキュベーション0時間の場合には、5回未満の洗浄をした例14、例18~例21の試料は、いずれも、一部が塞がった中空構造を有した。一方、エチレンジアミンの濃度が20wt%であり、インキュベーション0時間の場合には、5回以上洗浄をした例22の試料は、一部が塞がることなく、完全な中空構造を有した。図示しないが、エチレンジアミンの濃度が4wt%であり、インキュベーション0時間である例4~例9の試料は、5回以上洗浄しても、完全な中空構造を有しなかった。
図10によれば、エチレンジアミン濃度に関わらず、洗浄回数が増えると、エッチング体積が増大する傾向を示すが、洗浄回数が5回でエッチング体積は飽和することを示唆する。
図9および図10の結果から、図2のステップS210の液液界面析出法によって得られたフラーレンナノロッドは、図2のステップS230の処理(b)によって、フラーレンナノロッドの端部から選択的にエッチングされた、中空構造を有するフラーレンナノチューブが得られることが示された。
次に、図2のステップS230におけるインキュベーションおよび洗浄をする場合の洗浄回数およびインキュベーション時間とエッチングとの関係を調べた。
図11は、例15および例23の試料のSEM像とSTEM像とを示す図である。
図12は、例23の試料のSEM像とSTEM像とを示す図である。
図13は、例23の試料のSEM像を示す図である。
図14は、例23の試料のSTEM像を示す図である。
図11(a)および(c)は、それぞれ、例15および例23の試料のSEM像を示し、図11(b)および(d)は、それぞれ、例15および例23の試料のSTEM像を示す。図11によれば、エチレンジアミンの濃度が20wt%であり、インキュベーション6時間場合には、洗浄をしない例15の試料は、一部が塞がった中空構造を有した。一方、1回洗浄した例22の試料は、完全な中空構造を有した。
図12には、例23の試料のSEM像(C)およびSTEM像(D)に加えて、フラーレンナノロッドのSEM像(A)およびSTEM像(B)を併せて示す。図12~図14によれば、例23の試料は、完全な中空構造を有するフラーレンナノチューブであることが分かった。例23の試料の表面と、フラーレンナノロッドの表面とを比較すると、例23の試料の表面は、フラーレンナノロッドのそれに比べて粗く、滑らかでなかった。このことからも、フラーレンナノロッドの表面がエチレンジアミンによってエッチングされたことを示唆する。
図11~図14の結果から、図2のステップS210の液液界面析出法によって得られたフラーレンナノロッドは、図2のステップS230の処理(c)によって、フラーレンナノロッドの端部から選択的にエッチングされた、中空構造を有するフラーレンナノチューブが得られることが示された。
次に、図2のステップS230におけるエチレンジアミンとエッチングとの関係を調べた。
図15Aは、例14および例24~例28の試料のSEM像を示す図である。
図15Bは、例14および例24~例28の試料のSTEM像を示す図である。
図15Aの(a)~(f)は、それぞれ、例14および例24~例28の試料のSEM像を示し、図15Bの(a)~(f)は、それぞれ、例14および例24~例28の試料のSTEM像を示す。図15Aおよび図15Bによれば、エチレンジアミンの添加量が小さくなり、トリエチルアミンの添加量が大きくなるほど、エッチングが進行しないことが分かった。このことから、図2のステップS210の液液界面析出法によって得られたフラーレンナノロッドは、図2のステップS220において、任意のアミンではなく、エチレンジアミン単体によって選択的かつ効率的にエッチングされることが示された。
以上説明してきたように、図2の製造プロセスを行うことにより、フラーレンナノロッドは、選択的に一次元方向にエッチングされ、中空構造を有するフラーレンナノチューブが得られることが示された。
次に、図2の製造プロセスにより得られた例17、例22および例23の試料の詳細について説明する。
図16は、例23の試料の長手方向の長さ分布(a)と直径の分布(b)とを示す図である。
図16によれば、例23の試料の長手方向の長さは、1.5μm以上2.7μm以下の範囲であり、その直径は、550nm以上800nm以下の範囲であった。図2の製造プロセスによって得られるフラーレンナノチューブは、元のフラーレンナノロッドの長手方向の長さや直径を実質的に維持していることが分かった。例えば、図14によれば、例23の試料の壁厚は、必ずしも一定ではないものの、100nm以上300nm以下の範囲であった。例17および例22の試料も、例23の試料と同様の大きさを有した。
図17は、例23の試料のTEM像およびHR-TEM像を示す図である。
図17には、例23の試料のTEM像(C)およびHR-TEM像(D)に加えて、フラーレンナノロッドのTEM像(A)およびHR-TEM像(B)を併せて示す。TEM像はすでに説明した通りであるが、HR-TEM像に着目すると、例23の試料もフラーレンナノロッドもいずれも、フラーレンC60に由来する格子縞を示し、エッチング後のフラーレンナノチューブも、フラーレンナノロッドの結晶性を有することが分かった。図示しないが、例17および例22の試料も同様であった。
図18は、例23の試料のXRDパターンを示す図である。
図18には、例23の試料(FNR-EDA)のXRDパターンに加えて、フラーレンナノロッドのXRDパターンも併せて示す。C60は、格子定数a=1.4206nm、格子体積V=2.867nmを有する面心立方(fcc)構造を有することが知られているが、図18によれば、フラーレンナノロッドは、六方最密充填(hcp)構造および面心立方(fcc)構造の両方に指数付けされた。フラーレンナノロッドのhcp構造の格子パラメータは、a=2.3885nm、c=1.024nm(a/c=2.331)であった。
一方、例23の試料は、驚くべきことに、フラーレンナノロッドにあったfcc構造の(111)面に相当する回折パターンを示さず、hcp構造の回折パターンのみを示した。このとき、例23の試料のhcp構造の格子パラメータは、a=2.3849nm、c=1.020nm(a/c=2.338)であった。図示しないが、例17および例22の試料のXRDパターンも、例23のそれと同様に、hcp構造の回折パターンのみ示した。
例1~例16、例18~例21および例24~例28の試料のXRDパターンは、いずれも、フラーレンナノロッドと同様に、fcc構造の回折パターンとhcp構造の回折パターンとの両方を示した。
このことから、図2の製造プロセスを行うことにより、hcp構造のみを有するフラーレンナノチューブが得られることが示された。
図19は、例23の試料のラマンスペクトルを示す図である。
図19には、例23の試料(FNR-EDA)のラマンスペクトルに加えて、フラーレンナノロッドのラマンスペクトルも併せて示す。図19によれば、例23の試料のラマンスペクトルは、フラーレンナノロッドのそれと同じであった。C60の分子間結合に対して活性な1464cm-1に位置するペンタゴナルピンチモードAg(2)モードは、ステップS230のエチレンジアミンによるエッチング後もシフトしなかった。このことは、フラーレンナノロッドがエッチングされたフラーレンナノチューブにおいてもC60を主とすることを示す。図示しないが、例17および例22の試料のラマンスペクトルも同様であった。
図20は、例23の試料の高周波数側のFTIRスペクトルを示す図である。
図21は、例23の試料の低周波数側のFTIRスペクトルを示す図である。
図20および図21には、例23の試料(FNR-EDA)のFTIRスペクトルに加えて、フラーレンナノロッドのFTIRスペクトルも併せて示す。フラーレンナノロッドおよび例23の試料のFTIRスペクトルに着目すると、いずれも、フラーレンC60の特徴である525cm-1、575cm-1、1181cm-1および1427cm-1にピークを示した。
また、フラーレンナノロッドおよび例23の試料のFTIRスペクトルも、3018cm-1~2900cm-1に小さなピークを示した。これらのピークは、溶媒分子に相当するC-H伸縮振動に起因する。しかしながら、例23の試料のFTIRペクトルは、N-H伸縮振動に起因する3315cm-1にブロードなバンドを示したが、フラーレンナノロッドのそれは示さなかった。このことは、例23の試料の表面には、エチレンジアミンに係る種が存在することを示す。図示しないが、例17および例22の試料のFTIRスペクトルも同様に、N-H伸縮振動に起因するピークを示した。
図22は、例23の試料のUV-visスペクトルを示す図である。
図22には、例23の試料(FNR-EDA)のUV-visスペクトルに加えて、フラーレンナノロッドのUV-visスペクトルも併せて示す。図22によれば、例23の試料の電子吸収バンドの強度は、フラーレンナノロッドのそれにくらべて大きく減少した。このことは、例23の試料溶液の色が黄褐色であったことからも、例23の試料中には、Herzberg-Tellerの振動・電子相互作用を示す窒素原子が存在しており、電子遷移が減衰したことを示唆する。図示しないが、例17および例22の試料のUV-visスペクトルも同様に、電子吸収バンドの強度の減少を示したが、それ以外の試料はフラーレンナノロッドのそれと同程度であった。
図23は、例23の試料のXPSスペクトルを示す図である。
図23には、例23の試料(FNR-EDA)のXPSスペクトルに加えて、C60およびフラーレンナノロッドのXPSスペクトルも併せて示す。図23によれば、原料に用いたC60およびフラーレンナノロッドのXPSスペクトルは、C1sおよびO1sのコアレベルピークを示した。酸素は、空気酸化によるものである。一方、例23の試料のXPSスペクトルは、C1sおよびO1sのコアレベルピークに加えて、400eVにN1sのコアレベルピークを示した。図示しないが、例17および例22の試料のXPSスペクトルも同様に、N1sのコアレベルピークを示したが、それ以外の試料は示さなかった。
このことから、図2の製造プロセスを行うことにより、窒素原子を含有するフラーレンナノチューブが得られることが示された。
さらに、例17、例22および例23の試料のXPSスペクトルから窒素原子の含有量を算出したところ、いずれの試料も、4.87原子%の窒素原子を含有した。本発明のフラーレンナノチューブは、4原子%以上7原子%以下の範囲の窒素原子を含有することが分かった。
図24は、例23の試料のC1sコアレベルのXPSスペクトルを示す図である。
図25は、例23の試料のN1sコアレベルのXPSスペクトルを示す図である。
図24には、例23の試料(FNR-EDA)のXPSスペクトルに加えて、C60およびフラーレンナノロッドのXPSスペクトルも併せて示す。C60およびフラーレンナノロッドの畳み込みを解いたC1sピークは、C=C(sp)、C-C(sp)、O-C=OおよびC-Oの存在を示した。一方、例23の試料のC1sピークは、C=C(sp)、C-N(sp)およびO-C=Oの存在を示した。さらに、図25によれば、試料23の試料の畳み込みを解いたN1sピークは、ピロール型窒素の存在を示した。例17および例22の試料も同様にピロール型窒素を有することを確認した。
図26は、例23の試料のマススペクトルを示す図である。
図26(a)によれば、例23の試料は主としてフラーレンC60(m/z=719.42)からなることが分かった。図26(b)および(c)によれば、例23の試料は、さらに、C60NH(CHNH[M-H](m/z=777.9)、C60NH(CHNH(O)[M-H](m/z=794.1)、C60NH(CHNH(O)[M-H](m/z=819.7)、C60(NH(CHNH[M-H](m/z=837.5)、C60(NH(CHNH(O)[M-H](m/z=860.3)、および、(C60(NH(CHNH)[M+3H](m/z=1501.7)を含んだ。このことから、例23の試料の表面は、図1Bに示すように、アミノ化されていることが分かった。
図27は、例23の試料の接触角を示す図である。
図27には、例23の試料の接触角の様子(C)に加えて、原料であるフラーレンナノロッドの接触角の様子(A)および一部が塞がった中空構造を有する例15の接触角の様子(B)を併せて示す。図中にナノロッド、一部塞がった中空構造、完全な中空構造を模式図で示す。図27によれば、原料であるフラーレンナノロッドや一部が塞がったフラーレンナノチューブは、142°を超える高い撥水性を示したが、完全な中空構造を有する本発明のフラーレンナノチューブは、43°の高い親水性を有することが分かった。図示しないが、例17および例22の試料も同様に親水性を有することを確認した。
次に、窒素原子を含有し、親水性を有するフラーレンナノチューブである例17、例22および例23の試料を用いたQCMセンサについて説明する。以降では、例23の試料を用いたQCMセンサを例23のQCMセンサと称する。
図28は、例23のQCMセンサによる種々の揮発性有機化合物に対するQCM周波数シフトを示す図である。
図28(a)によれば、例23のQCMセンサは、トルエン、プロピオン酸、ギ酸、酢酸などに対して周波数シフトの応答を示した。詳細には、例23の試料を用いたQCMセンサは、ベンゼン(32Hz)やトルエン(71Hz)等の芳香族溶剤よりも、ギ酸(1758Hz)や酢酸(1206Hz)等の酸性ガスの吸着によって、より大きな周波数シフトを示した。このことから、本発明のフラーレンナノチューブは、酸性ガスを選択的に吸着することが分かった。また、図28(b)によれば、例23のQCMセンサは、再現性にも優れていることが分かった。図示しないが、例17および例22のQCMセンサも同様の傾向を示した。
図28(c)には、例23のQCMセンサに加えて、原料であるフラーレンナノロッドを用いたQCMセンサ(FNRのQCMセンサ)の種々の揮発性有機化合物に対するQCM周波数シフトの結果も併せて示す。図28(c)によれば、FNRのQCMセンサは、例23のQCMセンサよりも、ベンゼン(118Hz)、トルエン(131Hz)等の芳香族ガスに対してより大きな周波数シフトを示した。一方、例23のQCMセンサは、FNRのQCMセンサよりも、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の酸性ガスに対してより大きな周波数シフトを示した。
このようなフラーレンナノロッドと本発明のフラーレンナノチューブとの間の選択性の違いは、本発明のフラーレンナノチューブが、ピロール型窒素原子を有すること、および/または、表面がアミン化されていることによる。
本発明のフラーレンナノチューブは、親水性を有するため、バイオ関連用途に適用される。本発明のフラーレンナノチューブは、特定の酸性ガスに対して選択的反応性を有するため、水晶振動子ガスセンサに適用される。
100 フラーレンナノチューブ
300 水晶振動子(QCM)ガスセンサ
310 水晶振動子(QCM)電極
320 ガスセンサ膜
330 水晶基板
340a、340b 電極
350a、350b リード線

Claims (20)

  1. フラーレンを主成分とするフラーレンナノチューブであって、
    親水性を有し、
    前記フラーレンは、窒素原子を含有する、フラーレンナノチューブ。
  2. 前記フラーレンは、C60フラーレン、C70フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、C82フラーレン、C84フラーレン、C90フラーレン、C94フラーレン、および、これらの誘導体からなる群から少なくとも1種選択される、請求項1に記載のフラーレンナノチューブ。
  3. 前記フラーレンは、C60フラーレンおよび/またはその誘導体である、請求項2に記載のフラーレンナノチューブ。
  4. 六方最密充填構造を有する、請求項3に記載のフラーレンナノチューブ。
  5. X線回折装置によるX線パターンにおいてfcc構造の回折ピークを有しない、請求項4に記載のフラーレンナノチューブ。
  6. 前記フラーレンナノチューブの長手方向の長さは、1μm以上3μm以下の範囲であり、
    前記フラーレンナノチューブの壁厚は、100nm以上300nm以下の範囲であり、
    前記フラーレンナノチューブの直径は、450nm以上950nm以下の範囲である、請求項1~5のいずれかに記載のフラーレンナノチューブ。
  7. フーリエ変換赤外分光高度計で測定されるFTIRスペクトルにおいて3000cm-1以上3450cm-1以下の範囲にN-H伸縮振動に起因するピークを有する、請求項1~6のいずれかに記載のフラーレンナノチューブ。
  8. X線光電子分光法で測定されるXPSスペクトルにおいて結合エネルギーが398.5eV以上400.5eV以下の範囲に窒素のN1sピークを有する、請求項1~7のいずれかに記載のフラーレンナノチューブ。
  9. 前記窒素原子は、4原子%以上10原子%以下の範囲で含有される、請求項1~8のいずれかに記載のフラーレンナノチューブ。
  10. 前記窒素原子は、ピロール型窒素を含有する、請求項1~9のいずれかに記載のフラーレンナノチューブ。
  11. 前記フラーレンナノチューブの表面はアミノ化されている、請求項1~10のいずれかに記載のフラーレンナノチューブ。
  12. 炭素数7以上15以下の芳香族炭化水素にフラーレンが分散したフラーレン分散液と、炭素数5以下の低級アルコールとを混合し、液液界面析出法によりフラーレンナノロッドを形成することと、
    前記芳香族炭化水素と前記低級アルコールとの合計に対して15wt%以上30wt%以下の範囲のエチレンジアミンを添加し、混合液を得ることと、
    前記混合液に以下のa)~c)のいずれかの処理を行うことと
    a)混合液を15時間以上36時間以下の時間インキュベーションする処理、
    b)混合液を少なくとも5回洗浄する処理、
    c)混合液を5時間以上10時間以下の時間インキュベーションし、少なくとも1回洗浄する処理、
    を包含する、請求項1~11のいずれかに記載のフラーレンナノチューブを製造する方法。
  13. 前記洗浄は、前記芳香族炭化水素、低級アルコールおよびエチレンジアミンの混合溶液を用いる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記芳香族炭化水素は、m-キシレン、トルエン、および、エチルベンゼンからなる群から少なくとも1つ選択される、請求項12または13に記載の方法。
  15. 前記芳香族炭化水素は、m-キシレンである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記低級アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、および、イソプロパノールからなる群から少なくとも1つ選択される、請求項12~15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記フラーレンナノロッドを形成することは、超音波処理しながら行う、請求項12~16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記a)~c)のいずれかの処理を行うことは、超音波処理しながら行う、請求項12~17のいずれかに記載の方法。
  19. ガスセンサ膜を備えた水晶振動子ガスセンサであって、
    前記ガスセンサ膜は、請求項1~11のいずれかに記載のフラーレンナノチューブを含有する、水晶振動子ガスセンサ。
  20. ギ酸、酢酸およびプロピオン酸からなる群から選択される酸性ガスを検知する、請求項19に記載の水晶振動子ガスセンサ。
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