JP2022014872A - 歩行支援システム - Google Patents

歩行支援システム Download PDF

Info

Publication number
JP2022014872A
JP2022014872A JP2021065578A JP2021065578A JP2022014872A JP 2022014872 A JP2022014872 A JP 2022014872A JP 2021065578 A JP2021065578 A JP 2021065578A JP 2021065578 A JP2021065578 A JP 2021065578A JP 2022014872 A JP2022014872 A JP 2022014872A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
walking
speed
user
arm swing
music
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2021065578A
Other languages
English (en)
Inventor
由之 柴田
Yoshiyuki Shibata
祐樹 松岡
Yuki Matsuoka
学 金谷
Manabu Kanetani
俊貴 粂野
Toshiki Kumeno
修 本田
Osamu Honda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to CN202110768751.8A priority Critical patent/CN113893139A/zh
Publication of JP2022014872A publication Critical patent/JP2022014872A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rehabilitation Tools (AREA)

Abstract

【課題】歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を引きつけて、継続して歩行支援ロボットを使用した歩行を続けることができる歩行支援システムを提供する。【解決手段】ユーザに対して歩行を支援する歩行支援ロボットと、歩行支援ロボットを用いて歩行を行っているユーザの歩行状態を取得する歩行状態取得部と、歩行支援ロボットを用いて歩行を行う際に、音と光と振動と音楽のうちの少なくとも1つを含む知覚可能な刺激情報をユーザに対して出力する知覚情報出力部と、歩行状態取得部を介して取得した歩行状態に基づいて知覚情報出力部による前記刺激情報の出力を調整する知覚出力調整部と、を備えるように構成する。【選択図】図1

Description

本開示は、歩行支援システムに関する。
高齢者等の歩行を支援する技術が種々提案されている。例えば、下記特許文献1に記載された歩行補助車は、基体とグリップを握る使用者との使用距離を検出する距離検出手段を備えている。また、歩行補助車は、使用者がグリップを押す力とグリップを引く力とを検出する作用力検出部を備えている。そして、歩行補助車は、基体と使用者との使用距離が距離閾値よりも小さい場合は、使用者の歩行に合わせて前進させて、使用者がグリップに引かれるようにして歩行をアシストするように構成されている。
一方、歩行補助車は、基体と使用者との使用距離が距離閾値より大きい場合は、使用者の転倒防止のためにブレーキを掛けて減速するように構成されている。また、歩行補助車は、使用者がグリップを押す力が支持力閾値よりも大きい状態が一定時間を超えて継続している場合には、歩行者が前傾した状態でグリップに体重を預け、転倒の危険が継続していると判断する。そして、歩行補助車は、ゆっくり後進して使用者に近づき、使用者を前傾状態から正立状態に立ち直らせて転倒を防止するように構成されている。
特開2016-63980号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された歩行補助車では、高齢者等は、歩行補助車を使うことによって楽に歩行をすることができるが、身体的な歩行能力を改善させる機能を備えていない。つまり、歩行補助車では、楽に歩けるが、歩行補助車を使って歩行することによって歩行能力を向上させる機能を備えていないため、歩行補助車を使用する高齢者等は、徐々に歩行能力が低下していくという課題がある。
そこで、ユーザが使用することによって歩行能力を向上させることが可能となる歩行支援ロボットが考えられる(例えば、特開2019-146951号公報参照)。しかし、このような歩行支援ロボットを使用して歩行することにユーザの興味を引きつけて、継続的に行うことは、難しいという問題がある。更に、ユーザは、歩行支援ロボットを使用して、効果的な歩行を行えているか否かを容易に判断することが難しいという問題がある。
そこで、本開示は、このような点に鑑みてなされたものであり、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を引きつけて、継続して歩行支援ロボットを使用した歩行を続けることができる歩行支援システムを提供することを目的とする。
本開示の第1の形態は、ユーザに対して歩行を支援する歩行支援ロボットと、前記歩行支援ロボットを用いて歩行を行っている前記ユーザの歩行状態を取得する歩行状態取得部と、前記歩行支援ロボットを用いて歩行を行う際に、音と光と振動と音楽のうちの少なくとも1つを含む知覚可能な刺激情報を前記ユーザに対して出力する知覚情報出力部と、前記歩行状態取得部を介して取得した前記歩行状態に基づいて前記知覚情報出力部による前記刺激情報の出力を調整する知覚出力調整部と、を備えた、歩行支援システムである。
第1の形態によれば、ユーザが歩行支援ロボットを用いて歩行を行う際に、音と光と振動と音楽のうちの少なくとも1つを含む知覚可能な刺激情報が出力される。そして、歩行支援ロボットを用いて歩行を行っているユーザの歩行状態に基づいて知覚可能な刺激情報の出力が調整される。これにより、ユーザは、知覚可能な刺激情報の出力状態によってユーザの歩行状態を知ることができ、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を引きつけて、継続して歩行支援ロボットを使用した歩行を続けることができる。また、ユーザは知覚可能な刺激情報を認識しながら歩行支援ロボットを使用した歩行を行うことができ、認知機能にプラスの影響が期待できる。
本開示の第2の形態は、上記第1の形態に係る歩行支援システムにおいて、前記歩行支援ロボットは、前記ユーザが腕振り歩行を行う際に操作可能な左右一対の腕振り機構部を有し、前記歩行状態は、歩行速度又は一対の前記腕振り機構部を操作して歩行する腕振り歩行状態における腕振りに関する腕振り関連速度を含み、前記知覚情報出力部による前記刺激情報の出力は、前記音楽を再生する音量を含み、前記知覚出力調整部は、前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度に関する基準規定速度を予め格納する第1格納部と、前記音楽を再生する基準音量を予め格納する第2格納部と、を有し、前記知覚出力調整部は、前記歩行状態取得部を介して取得した前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度よりも遅い場合には、前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度に応じて前記音楽の音量を前記基準音量よりも小さい音量に設定する、歩行支援システムである。
第2の形態によれば、ユーザの歩行速度又は一対の腕振り機構部を操作して歩行する腕振り歩行状態における腕振りに関する腕振り関連速度が基準規定速度よりも遅い場合には、ユーザの腕振り関連速度又は歩行速度に応じて音楽の音量が基準音量よりも小さい音量に設定される。従って、歩行支援ロボットを使用して歩行トレーニングを行っているユーザは、自身の腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度よりも遅いか否かを音楽の音量によって迅速に確認することができる。
これにより、ユーザは、音楽の音量が基準音量よりも小さくならないように頑張って腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上で歩行するように継続して歩行を続けることができる。つまり、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を引きつけることができ、歩行支援ロボットを使用した歩行が長続きして歩行能力を向上させることが可能となる。
本開示の第3の形態は、上記第2の形態に係る歩行支援システムにおいて、前記知覚出力調整部は、前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度よりも遅くなってからの経過時間を計測する経過時間測定部と、前記経過時間測定部を介して計測した前記経過時間が所定の規定時間以上であるか否かを判定する経過時間判定部と、を有し、前記知覚出力調整部は、前記経過時間判定部を介して前記経過時間が所定の前記規定時間未満であると判定した場合には、前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度よりも遅くなったときの前記音楽の音量を維持するように設定し、前記経過時間判定部を介して前記経過時間が所定の前記規定時間以上であると判定した場合には、前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度に応じて前記音楽の音量を前記基準音量よりも小さい音量に設定する、歩行支援システムである。
第3の形態によれば、ユーザの腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度よりも遅くなってからの経過時間が所定の規定時間未満であると判定された場合には、音楽の音量が、ユーザの腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度よりも遅くなったときの音量に設定される。一方、ユーザの腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度よりも遅くなってからの経過時間が所定の規定時間以上であると判定された場合には、音楽の音量が、ユーザの腕振り関連速度又は歩行速度に応じて基準音量よりも小さい音量に設定される。これにより、ユーザの歩行速度のバラツキを吸収することができ、ユーザは腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上で歩行しようとするモチベーションを効果的に高めることが可能となる。引いては、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を効果的に引きつけることができる。
本開示の第4の形態は、上記第2の形態又は第3の形態に係る歩行支援システムにおいて、前記知覚出力調整部は、前記歩行状態取得部を介して取得した前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度以上の場合には、前記音楽の音量を前記基準音量に設定する、歩行支援システムである。
第4の形態によれば、ユーザの腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上の場合には、音楽の音量が基準音量に設定されるため、ユーザは、歩行支援ロボットを使用して、腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上の歩行状態で歩行していることを容易に認識できる。従って、ユーザは、音楽を聴きながら、腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上の歩行状態で楽しく歩行を行うことができ、歩行支援ロボットを使用した歩行が長続きして歩行能力を向上させることが可能となる。
本開示の第5の形態は、上記第2の形態から第4の形態のいずれか1つに係る歩行支援システムにおいて、前記知覚出力調整部は、前記ユーザの前記歩行支援ロボットを用いた歩行の開始時には、前記歩行状態取得部を介して取得した前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度以上になった場合に、前記音楽の再生を前記基準音量で開始する、歩行支援システムである。
第5の形態によれば、歩行支援ロボットを使用して歩行を開始したときは、ユーザの腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上になった場合に、音楽の再生が基準音量で開始される。これにより、ユーザは、歩行支援ロボットを使用した歩行の腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度に達したことを確認でき、腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上で歩行しようとするモチベーションを効果的に高めることが可能となる。引いては、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を効果的に引きつけることができる。
本開示の第6の形態は、上記第1の形態に係る歩行支援システムにおいて、前記歩行支援ロボットは、前記ユーザが腕振り歩行を行う際に操作可能な左右一対の腕振り機構部を有し、前記歩行状態は、歩行速度又は一対の前記腕振り機構部を操作して歩行する腕振り歩行状態における腕振りに関する腕振り関連速度を含み、前記知覚情報出力部による前記刺激情報の出力は、前記音楽を再生する再生速度を含み、前記知覚出力調整部は、前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度に関する基準規定速度を予め格納する第1格納部と、前記音楽を再生する基準再生速度を予め格納する第3格納部と、を有し、前記知覚出力調整部は、前記歩行状態取得部を介して取得した前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度よりも遅い場合には、前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度に応じて前記音楽の再生速度を前記基準再生速度よりも遅い再生速度に設定する、歩行支援システムである。
第6の形態によれば、ユーザの歩行速度又は一対の腕振り機構部を操作して歩行する腕振り歩行状態における腕振りに関する腕振り関連速度が基準規定速度よりも遅い場合には、ユーザの腕振り関連速度又は歩行速度に応じて音楽の再生速度が基準再生速度よりも遅い再生速度に設定される。従って、歩行支援ロボットを使用して歩行を行っているユーザは、自身の腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度よりも遅いか否かを音楽の再生速度によって迅速に確認することができる。
これにより、ユーザは、音楽の再生速度が基準再生速度よりも遅くならないように頑張って腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上で歩行するように継続して歩行を続けることができる。つまり、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を引きつけることができ、歩行支援ロボットを使用した歩行が長続きして歩行能力を向上させることが可能となる。
本開示の第7の形態は、上記第6の形態に係る歩行支援システムにおいて、前記知覚出力調整部は、前記歩行状態取得部を介して取得した前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度以上の場合には、前記音楽の再生速度を前記基準再生速度に設定する、歩行支援システムである。
第7の形態によれば、ユーザの腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上の場合には、音楽の再生速度が基準再生速度に設定されるため、ユーザは、歩行支援ロボットを使用して、腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上の歩行状態で歩行している場合には、確実に音楽を聴きながら歩行を行うことができる。従って、ユーザは、音楽を聴きながら、腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上の歩行状態で楽しく歩行を行うことができ、歩行支援ロボットを使用した歩行が長続きして歩行能力を向上させることが可能となる。
本開示の第8の形態は、上記第6の形態又は第7の形態に係る歩行支援システムにおいて、前記知覚出力調整部は、前記ユーザの前記歩行支援ロボットを用いた歩行の開始時には、前記歩行状態取得部を介して取得した前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度以上になった場合に、前記音楽の再生を前記基準再生速度で開始する、歩行支援システムである。
第8の形態によれば、歩行支援ロボットを使用して歩行を開始したときは、ユーザの腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上になった場合に、音楽の再生が基準再生速度で開始される。これにより、ユーザは、歩行支援ロボットを使用した歩行の腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度に達したことを確認でき、腕振り関連速度又は歩行速度が基準規定速度以上で歩行しようとするモチベーションを効果的に高めることが可能となる。引いては、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を効果的に引きつけることができる。
本開示の第9の形態は、上記第2の形態から第8の形態のいずれか1つに係る歩行支援システムにおいて、前記歩行支援ロボットは、フレームと、前記フレームに設けられた駆動輪を含む複数の車輪と、前記駆動輪を駆動する駆動装置と、前記駆動装置を駆動制御する走行制御装置と、走行速度を検出する走行速度検出装置と、を有し、左右一対の前記腕振り機構部は、前記フレームに対して前後方向に延びる左右一対のシャフトのそれぞれの後端部に取り付けられた左右一対のグリップハンドルと、一対の前記シャフトのそれぞれの前後方向の移動量を検出する一対の移動量検出装置と、を有し、前記歩行状態取得部は、一対の前記移動量検出装置を介して検出した一対の前記シャフトのそれぞれの前後方向の移動量に基づいて前記腕振り関連速度を取得し、または、前記走行速度検出装置を介して検出した前記走行速度に基づいて前記歩行速度を取得する、歩行支援システムである。
第9の形態によれば、ユーザが左右一対のグリップハンドルを把持して、グリップハンドルと共に腕を振りながら歩行する腕振り歩行を行った場合には、歩行支援ロボットは、一対の移動量検出装置を介して検出した一対のシャフトのそれぞれの前後方向の移動量に基づいて腕振り関連速度を取得することができる。また、歩行支援ロボットは、走行速度検出装置を介して検出した走行速度に基づいて歩行速度を取得することができる。
これにより、歩行支援ロボットは、ユーザの腕振り関連速度又は歩行速度に応じて知覚可能な刺激情報の出力状態を調整することができる。その結果、ユーザは、知覚可能な刺激情報の出力状態によってユーザの歩行状態を知ることができ、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を引きつけて、継続して歩行支援ロボットを使用した歩行を続けることができる。つまり、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を引きつけることができ、歩行支援ロボットを使用した歩行が長続きして歩行能力を向上させることが可能となる。
本開示の第10の形態は、上記第2の形態から第9の形態のいずれか1つに係る歩行支援システムにおいて、前記知覚出力調整部は、前記基準規定速度に基づいて目標歩行周期を設定する目標歩行周期設定部と、前記目標歩行周期に基づいて知覚可能な周期刺激情報を設定する周期刺激情報設定部と、前記音楽が出力される際に、前記知覚情報出力部を介して前記周期刺激情報を出力して歩行のタイミングを前記ユーザに教示する歩行タイミング教示部と、を有する、歩行支援システムである。
第10の形態によれば、ユーザの基準規定速度に基づいて目標歩行周期が設定される。そして、この目標歩行周期に基づいて設定された知覚可能な周期刺激情報(例えば、一定周期のメトロノームのテンポ音、楽器のリズム音、掛け声等)が、音楽が出力される際に、知覚情報出力部を介して出力されて、ユーザの歩行タイミングが教示される。これにより、歩行支援ロボットを用いた歩行を行う際に、ユーザは、教示される歩行タイミングに従って歩行することによって、歩行速度が改善される歩行を行うことができ、歩行能力を改善することができる。また、ユーザは、教示される歩行のタイミングに従って歩行することによって、歩行のタイミングを取り易くなり、歩行速度が改善される歩行を容易に実行することができる。
本開示の第11の形態は、上記第1の形態から第10の形態のいずれか1つに係る歩行支援システムにおいて、前記歩行支援ロボットは、装置用通信装置を有し、前記装置用通信装置と通信可能な端末用通信装置を有する携帯端末を備え、前記携帯端末は、前記歩行状態取得部と前記知覚情報出力部と前記知覚出力調整部とを有する、歩行支援システムである。
第11の形態によれば、携帯端末(例えば、スマーフォン又はタブレットPCである。)は、ユーザが歩行支援ロボットを用いて歩行を行う際に、知覚可能な刺激情報を出力することができる。そして、携帯端末は、歩行支援ロボットを用いて歩行を行っているユーザの歩行状態に基づいて知覚可能な刺激情報の出力を調整する。従って、簡易な構成で、ユーザは歩行支援ロボットを用いて歩行を行いつつ、携帯端末による知覚可能な刺激情報の出力状態によってユーザの歩行状態を知ることができる。これにより、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を更に効果的に引きつけて、歩行支援ロボットを使用した歩行を継続することができる。
本開示の第12の形態は、上記第2の形態から第10の形態のいずれか1つに係る歩行支援システムにおいて、前記歩行支援ロボットは、装置用通信装置を有し、前記装置用通信装置と通信可能な端末用通信装置を有する携帯端末と、前記端末用通信装置と通信可能なサーバ用通信装置を有するサーバと、を備え、前記携帯端末は、前記歩行状態取得部と前記知覚情報出力部と前記知覚出力調整部とを有して、前記歩行状態取得部によって取得された前記ユーザの前記歩行速度又は前記腕振り歩行状態における前記腕振り関連速度を、前記端末用通信装置を介して前記サーバへ送信する端末送信部と、前記音楽に関する楽曲情報と、前記ユーザの前記基準規定速度とを受信する端末受信部と、を有し、前記サーバは、前記ユーザの前記歩行速度又は前記腕振り歩行状態における前記腕振り関連速度を、前記サーバ用通信装置を介して受信するサーバ受信部と、前記サーバ受信部によって受信した前記ユーザの前記歩行速度又は前記腕振り歩行状態における前記腕振り関連速度に基づいて前記ユーザの前記基準規定速度を設定する基準規定速度設定部と、前記音楽に関する複数の楽曲情報を格納する楽曲情報格納部と、前記楽曲情報格納部に格納された複数の前記楽曲情報から前記ユーザに応じた楽曲情報を選択する楽曲情報選択部と、前記基準規定速度設定部を介して設定した前記ユーザの前記基準規定速度と、前記楽曲情報選択部を介して選択した前記ユーザに応じた楽曲情報とを、前記サーバ用通信装置を介して前記携帯端末に送信するサーバ送信部と、を有する、歩行支援システムである。
第12の形態によれば、携帯端末は、歩行状態取得部によって取得されたユーザの腕振り関連速度又は歩行速度をサーバに送信する。一方、サーバは、受信したユーザの腕振り関連速度又は歩行速度に基づいてユーザの基準規定速度を設定する。また、サーバは、ユーザに応じた楽曲情報を選択する。そして、サーバは、ユーザの基準規定速度と、ユーザに応じた楽曲情報とを携帯端末に送信する。その後、携帯端末は、サーバから受信した基準規定速度を第1格納部に格納して、サーバから受信した楽曲情報を出力する。
これにより、歩行状態取得部によって取得されたユーザの腕振り関連速度又は歩行速度に基づいてユーザの基準規定速度を設定する処理をサーバが実行するため、携帯端末の処理負荷を削減することができる。また、サーバから携帯端末だけでなく、他の処理装置にもユーザの基準規定速度を送信することが可能となる。また、ユーザは歩行支援ロボットを用いて歩行を行いつつ、携帯端末による楽曲情報の出力状態によってユーザの腕振り関連速度又は歩行速度の状態を知ることができる。これにより、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を更に効果的に引きつけて、歩行支援ロボットを使用した歩行を継続することができる。
本開示の第13の形態は、上記第12の形態に係る歩行支援システムにおいて、前記楽曲情報選択部は、前記楽曲情報格納部に格納された複数の前記楽曲情報から前記ユーザに応じた所定個数の楽曲情報を選択し、前記サーバ送信部は、前記基準規定速度と、前記ユーザに応じた所定個数の前記楽曲情報とを、前記サーバ用通信装置を介して前記携帯端末に送信し、前記携帯端末は、前記端末受信部を介して受信した所定個数の前記楽曲情報を格納する第1楽曲格納部と、前記第1楽曲格納部に格納した所定個数の前記楽曲情報から1の楽曲情報の選択を受け付ける第1選択受付部と、を有し、前記知覚情報出力部は、前記第1選択受付部を介して選択された前記楽曲情報を出力する、歩行支援システムである。
第13の形態によれば、ユーザは、第1選択受付部を介して、携帯端末の第1音楽格納部に格納された所定個数の楽曲情報から1の楽曲情報を選択して、歩行支援ロボットを用いて歩行を行う際に、この選択した1の楽曲情報を再生することができる。従って、ユーザは歩行支援ロボットを用いて歩行を行いつつ、選択した1の楽曲情報の出力状態によってユーザの腕振り関連速度又は歩行速度の状態を知ることができる。これにより、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を更に効果的に引きつけて、継続して歩行支援ロボットを使用した歩行を続けることができる。
本開示の第14の形態は、上記第11の形態から第13の形態のいずれか1つに係る歩行支援システムにおいて、前記歩行支援ロボットは、前記携帯端末が着脱可能に取り付けられる取付部材を有する、歩行支援システムである。
第14の形態によれば、携帯端末は、歩行支援ロボットに設けられた取付部材に着脱可能に取り付けられる。その結果、歩行支援ロボットの装置用通信装置と、携帯端末の端末用通信装置との通信距離を短くすることができ、確実に通信することができる。また、ユーザは、歩行支援ロボットを用いて歩行を行いながら、携帯端末を容易に操作することが可能となる。また、ユーザは、歩行支援ロボットを用いた歩行が終了すれば、携帯端末を取付部材から取り外して、持ち運ぶことができる。
本開示の第15の形態は、上記第2の形態から第10の形態のいずれか1つに係る歩行支援システムにおいて、前記歩行支援ロボットは、装置用通信装置を有し、前記装置用通信装置と通信可能なサーバ用通信装置を有するサーバを備え、前記歩行支援ロボットは、前記歩行状態取得部と前記知覚情報出力部と前記知覚出力調整部とを有して、前記歩行状態取得部によって取得された前記ユーザの前記歩行速度又は前記腕振り歩行状態における前記腕振り関連速度を、前記装置用通信装置を介して前記サーバに送信する装置送信部と、前記音楽に関する楽曲情報と、前記ユーザに関する前記基準規定速度とを受信する装置受信部と、を有し、前記サーバは、前記ユーザの前記歩行速度又は前記腕振り歩行状態における前記腕振り関連速度を、前記サーバ用通信装置を介して受信するサーバ受信部と、前記サーバ受信部によって受信した前記ユーザの前記歩行速度又は前記腕振り歩行状態における前記腕振り関連速度に基づいて前記ユーザの前記基準規定速度を設定する基準規定速度設定部と、前記音楽に関する複数の楽曲情報を格納する楽曲情報格納部と、前記楽曲情報格納部に格納された複数の前記楽曲情報から前記ユーザに応じた楽曲情報を選択する楽曲情報選択部と、前記基準規定速度設定部を介して設定した前記ユーザの前記基準規定速度と、前記楽曲情報選択部を介して選択した前記ユーザに応じた楽曲情報とを、前記サーバ用通信装置を介して前記歩行支援ロボットに送信するサーバ送信部と、を有する、歩行支援システムである。
第15の形態によれば、歩行支援ロボットは、歩行状態取得部によって取得されたユーザの歩行速度又は腕振り歩行状態における腕振り関連速度をサーバに送信する。一方、サーバは、受信したユーザの歩行速度又は腕振り関連速度に基づいてユーザの基準規定速度を設定する。また、サーバは、ユーザに応じた楽曲情報を選択する。そして、サーバは、ユーザの基準規定速度と、ユーザに応じた楽曲情報とを歩行支援ロボットに送信する。その後、歩行支援ロボットは、サーバから受信した基準規定速度を第1格納部に格納して、サーバから受信した楽曲情報を出力する。
これにより、歩行状態取得部によって取得されたユーザの腕振り関連速度又は歩行速度に基づいてユーザの基準規定速度を設定する処理をサーバが実行するため、歩行支援ロボットの処理負荷を削減することができる。また、サーバから歩行支援ロボットだけでなく、他の処理装置にもユーザの基準規定速度を送信することが可能となる。また、ユーザは歩行支援ロボットを用いて歩行を行いつつ、歩行支援ロボットによる楽曲情報の出力状態によってユーザの腕振り関連速度又は歩行速度の状態を知ることができる。これにより、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を更に効果的に引きつけて、継続して歩行支援ロボットを使用した歩行を続けることができる。
本開示の第16の形態は、上記第15の形態に係る歩行支援システムにおいて、前記楽曲情報選択部は、前記楽曲情報格納部に格納された複数の前記楽曲情報から前記ユーザに応じた所定個数の楽曲情報を選択し、前記サーバ送信部は、前記基準規定速度と、前記ユーザに応じた所定個数の前記楽曲情報とを、前記サーバ用通信装置を介して前記歩行支援ロボットに送信し、前記歩行支援ロボットは、前記装置受信部を介して受信した所定個数の前記楽曲情報を格納する第2楽曲格納部と、前記第2楽曲格納部に格納した所定個数の前記楽曲情報から1の楽曲情報の選択を受け付ける第2選択受付部と、を有し、前記知覚情報出力部は、前記第2選択受付部を介して選択された前記楽曲情報を出力する、歩行支援システムである。
第16の形態によれば、ユーザは、第2選択受付部を介して、歩行支援ロボットの第2楽曲情報格納部に格納された所定個数の楽曲情報から1の楽曲情報を選択して、歩行支援ロボットを用いて歩行を行う際に、この選択した1の楽曲情報を再生することができる。従って、ユーザは歩行支援ロボットを用いて歩行を行いつつ、選択した1の楽曲情報の出力状態によってユーザの腕振り関連速度又は歩行速度の状態を知ることができる。これにより、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を更に効果的に引きつけて、継続して歩行支援ロボットを使用した歩行を続けることができる。
本開示の第17の形態は、上記第1の形態から第5の形態のいずれか1つに係る歩行支援システムにおいて、前記知覚情報出力部は、前記刺激情報を周期的に出力し、前記知覚出力調整部は、前記ユーザの歩行の開始された場合に、前記刺激情報が出力される周期を、予め定められた目標歩行周期よりも長い周期から前記目標歩行周期に徐々に近づける、歩行支援システムである。
第17の形態によれば、ユーザの歩行の開始時において刺激情報の出力される周期が、ユーザの歩行の周期から予め設定された目標歩行周期に近づけられる。これにより、ユーザは、歩行のペースを徐々に上げることができる。そのため、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を引きつけることができ、歩行支援ロボットを使用した歩行が長続きして歩行能力を向上させることが可能となる。
本開示の第18の形態は、上記第17の形態に係る歩行支援システムにおいて、前記歩行支援ロボットは、前記ユーザが腕振り歩行を行う際に操作可能な左右一対の腕振り機構部を有し、前記歩行状態は、一対の前記腕振り機構部を操作して歩行する腕振り歩行状態における歩行の周期を含み、前記知覚出力調整部は、前記歩行状態取得部によって取得された前記ユーザの歩行の周期が、前記目標歩行周期を含む予め定められた範囲内の場合に、前記刺激情報が出力される周期を前記ユーザの歩行の周期に合わせる、歩行支援システムである。
第18の形態によれば、ユーザの歩行の周期が予め定められた範囲に収まる場合には、刺激情報が出力される周期が歩行の周期に合わせられる。これにより、ユーザは、自身のペースで歩行を行うことができる。
本開示の第19の形態は、上記第18の形態に係る歩行支援システムにおいて、前記知覚出力調整部は、前記歩行状態取得部によって取得された前記ユーザの歩行の周期が、前記範囲の最も長い周期よりも長くなる場合に、前記刺激情報が出力される周期を、前記目標歩行周期よりも長い周期から前記目標歩行周期に徐々に近づける、歩行支援システムである。
第19の形態によれば、ユーザの歩行の周期が、予め定めた範囲の最も長い周期よりも長くなる場合に、刺激情報が出力される周期が、目標歩行周期よりも長い周期から目標歩行周期に徐々に近づけられる。これにより、ユーザは、歩行の周期が遅れた場合であっても、歩行のペースを徐々に上げることができる。
本開示の第20の形態は、上記第18の形態または第19の形態に係る歩行支援システムにおいて、前記歩行状態取得部は、前記歩行の周期として、前記ユーザの踵が地面に接するヒールコンタクトの周期に相当する周期を取得する、歩行支援システムである。
第20の形態によれば、ヒールコンタクトの周期に相当する周期に応じて刺激情報が出力されるので、ユーザは、タイミング良く歩行を行うことができる。
本開示の第21の形態は、上記第17の形態から第20の形態のいずれか1つに係る歩行支援システムにおいて、前記知覚情報出力部は、前記刺激情報を1回出力する毎に前記刺激情報の出力態様を切り換える、歩行支援システムである。
第21の形態によれば、刺激情報が1回出力される毎にその出力態様が切り換えられる。これにより、ユーザは、左右どちらの腕または足を動作させるべきかを容易に判別できる。
本開示の第22の形態は、上記第17の形態から第21の形態のいずれか1つに係る歩行支援システムにおいて、前記知覚情報出力部は、前記刺激情報の出力態様を、前記目標歩行周期と、前記歩行状態取得部によって取得された前記ユーザの歩行の周期との差に応じて変化させる、歩行支援システムである。
第22の形態によれば、刺激情報の出力態様が、予め設定された目標歩行周期と実際の歩行周期との差に応じて変化するので、歩行の周期が、目標歩行周期から外れたことや、近づいていることを認識しやすくなる。
第1実施形態に係る歩行支援システムの概略構成を説明する斜視図である。 シャフト保持部、シャフト、グリップハンドルの構成を説明する図である。 歩行支援ロボットの制御構成を示すブロック図である。 左右のグリップハンドルの状態と歩行支援ロボットの動作モードの対応を説明する図である。 左右のグリップハンドルを固定状態にした際の、各グリップハンドルの操作力方向と走行モードの対応を記憶するロック時駆動テーブルの一例を示す図である。 左右のグリップハンドルを解除状態にした際の、腕振り振幅と走行モードの対応を記憶する解除時駆動テーブルの一例を示す図である。 スマートフォンの制御構成を示すブロック図である。 スマートフォンの表示画面の一例を示す図である。 スマートフォンの表示画面の一例を示す図である。 サーバの制御構成を示すブロック図である。 歩行支援ロボットの制御装置が実行する「歩行トレーニング支援処理」の一例を示すメインフローチャートである。 図11の「走行開始判定処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 図11の「走行制御処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 図11の「バッテリ処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 スマートフォンの制御装置が実行する「第1音楽出力処理」の一例を示すメインフローチャートである。 図15の「モード選択処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 図15の「スタート・停止処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 図15の「情報取得処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 腕振り歩行時の腕振り速度の一例を示す説明図である。 図15の「音楽選択処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 図15の「音楽再生処理」のサブ処理の一例を示す第1サブフローチャートである。 図15の「音楽再生処理」のサブ処理の一例を示す第2サブフローチャートである。 図21の「音量低下処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 図22の「トレーニング情報送信処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 ユーザの腕振り平均速度に対する音楽を再生する音量の変化の一例を示したタイムチャートである。 サーバの制御装置が実行する「トレーニング情報作成処理」の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る歩行支援システムのスマートフォンの制御装置が実行する「第2音楽出力処理」の一例を示すメインフローチャートである。 図27の「第2音楽再生処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 図28の「再生速度減速処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 スマートフォンの制御装置が再生速度の減速量を算出する際に用いる再生減速量マップの一例を示す図である。 ユーザの腕振り平均速度に対する音楽を再生する再生速度の変化の一例を示したタイムチャートである。 第3実施形態に係る歩行支援システムの概略構成を説明する斜視図である。 表示装置の表示画面の一例を示す図である。 図32の歩行支援ロボットの制御構成を示すブロック図である。 歩行支援ロボットの制御装置が実行する「第2歩行トレーニング支援処理」の一例を示すメインフローチャートである。 図35の「第2スタート・停止処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 図35の「第2バッテリ処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 図35の「第2走行制御処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 図35の「第2情報取得処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 図35の「第3音楽再生処理」のサブ処理の一例を示す第1サブフローチャートである。 図35の「第3音楽再生処理」のサブ処理の一例を示す第2サブフローチャートである。 第4実施形態に係る歩行支援システムの歩行支援ロボットの制御装置が実行する「第3歩行トレーニング支援処理」の一例を示すメインフローチャートである。 図42の「第4音楽再生処理」のサブ処理の一例を示すサブフローチャートである。 他の第9実施形態に係る歩行支援システムのユーザの歩行速度に対する音楽を再生する音量の変化の一例を示したタイムチャートである。 他の第9実施形態に係る歩行支援システムのユーザの歩行速度に対する音楽を再生する再生速度の変化の一例を示したタイムチャートである。 第5実施形態に係る歩行支援システムのスマートフォンの制御装置が実行する「周期音出力処理」の一例を示すフローチャートである。 経過時間と周期音のテンポとの関係を示す図である。 人間の歩行周期を表す図である。 テンポ調整処理の説明図である。 復調処理の説明図である。 復調処理が失敗した状態を示す説明図である。
以下、本開示に係る歩行支援システムを具体化した第1実施形態から第4実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、第1実施形態に係る歩行支援システム1について図1~図26に基づいて説明する。尚、図中にX軸、Y軸、Z軸が記載されている場合、各軸は互いに直交している。そしてX軸方向は、歩行支援ロボット3から見て前方に向かう方向を示し、Y軸方向は、歩行支援ロボット3から見て左に向かう方向を示し、Z軸方向は、歩行支援ロボット3から見て上方に向かう方向を示している。
[第1実施形態]
図1に示すように、歩行支援システム1は、歩行支援ロボット3と、スマートフォン5(携帯端末)と、サーバ9と、から構成されている。歩行支援ロボット3とスマートフォン5は、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))又はWi-Fi(登録商標)等により相互に無線通信による情報データの送受信が可能に構成されている。また、スマートフォン5とサーバ9は、インターネット等のネットワーク7を介してWi-Fi等により相互に無線通信による情報データの送受信が可能に構成されている。尚、スマートフォン5に替えて、タブレットPC等を用いてもよい。
次に、歩行支援ロボット3の概略構成について図1及び図2に基づいて説明する。図1に示すように、歩行支援ロボット3は、旋回自在なキャスタ輪31L、31Rと、駆動輪32L、32Rと、フレーム13L、13Rと、電動モータ33L、33Rと、バッテリBと、制御装置40と、操作部24L、24Rと、ブレーキレバーBKLと、シャフト保持部22L、22Rと、収容ボックス14、バッグ16等を有している。
駆動輪32L、32R(後輪)は、電動モータ33L、33Rにて回転駆動される。電動モータ33L、33Rには、進行速度検出装置33LE、33RE(走行速度検出装置)が設けられている。進行速度検出装置33LE、33REは、例えば、エンコーダであり、電動モータ33L、33Rの回転に応じた検出信号を制御装置40に出力する。制御装置40は、進行速度検出装置33LE、33REからの検出信号に基づいて、地面に対する歩行支援ロボット3の進行速度(駆動輪32L、32Rによる進行速度)を検出することができる。そして、制御装置40は、進行速度検出装置33LE、33REからの制御信号に基づいて電動モータ33L、33Rを制御する。
キャスタ輪31Lと駆動輪32Lは、前後方向に延びるフレーム13Lに支持されており、キャスタ輪31Rと駆動輪32Rは、前後方向に延びるフレーム13Rに支持されている。そして、フレーム13Lとフレーム13Rは、連結部材17によって連結されている。また、連結部材17の前方側には、バッグ16が設けられている。また、連結部材17には、3軸加速度・角速度センサ15Sが設けられている。
3軸加速度・角速度センサ15Sは、X軸・Y軸・Z軸の3方向の軸のそれぞれに対して加速度を計測するとともに、3方向のそれぞれの軸を中心とした回転の角速度を計測し、計測結果に基づいた検出信号を制御装置40に出力する。例えば、3軸加速度・角速度センサ15Sは、歩行支援ロボット3が傾斜面を進行している場合、X軸・Y軸・Z軸のそれぞれに対する歩行支援ロボット3の傾斜角度に応じた検出信号を制御装置40に出力する。
フレーム13Lには、上下方向に高さ調節可能なスライド体12Lが設けられており、フレーム13Rには、上下方向に高さ調整可能なスライド体12Rが設けられている。スライド体12L、12Rの上端には、シャフト保持部22L、22Rが設けられている。シャフト保持部22Lは、前後方向に摺動可能となるようにシャフト21Lを保持しており、シャフト保持部22Rは、前後方向に摺動可能となるようにシャフト21Rを保持している。また、シャフト保持部22L、22Rの相対向する各側壁面には、前方側に突出する弾性変形可能な連結体11の両端部がそれぞれに取り付けられている。
シャフト21L、21Rのそれぞれの後端には、利用者が把持するための(把持可能な)グリップハンドル20L、20Rがそれぞれ設けられている。また、グリップハンドル20L、20Rには、前後方向に延びるグリップと上方に延びるグリップとの双方が設けられており、ユーザは、把持しやすい方のグリップを選択して歩行トレーニングを行うことができる。また、グリップハンドル20L、20Rには、ブレーキレバーBKLが設けられている。
そして、ユーザが左手で把持するグリップハンドル20Lとシャフト21Lにて、ユーザの操作によって往復移動可能な操作部24Lが構成されている。また、ユーザが右手で把持するグリップハンドル20Rとシャフト21Rにて、ユーザの操作によって往復移動可能な操作部24Rが構成されている。このように、グリップハンドル20L、20Rとシャフト21L、21Rから構成される操作部24L、24Rが左右一対で設けられている。
シャフト保持部22L、22Rは、図1及び図2に示すように、シャフト21L、21Rの前後方向の摺動に応じた検出信号を制御装置40に出力する移動量検出装置21LS、21RS(例えば、エンコーダ)を収容している。移動量検出装置21LS、21RSがエンコーダの場合、当該エンコーダは、シャフト21L、21R(操作部24L、24R)の前後方向の移動に伴って回転し、回転に応じた検出信号(パルス信号等)を制御装置40に出力する。制御装置40は、移動量検出装置21LS、21RSからの検出信号に基づいて、シャフト21L、21Rが、それぞれどれくらい押し込まれているか、または引張られているか(すなわち、腕振り状態や、手押し状態)、を検出することができる。
シャフト保持部22L、22Rは、図1に示すように、シャフト21L、21Rが前後方向に摺動可能な「解除状態」と、シャフト21L、21Rの前後方向の摺動が禁止された「ロック状態」と、を切替え可能なロック切替レバー23L、23Rを有している。尚、シャフト21L、21Rは、図2に示すように、バネ等の弾性体の付勢部材25A、25Bにて、シャフト保持部22L、22Rに対して予め設定されたシャフト基準位置Mzとなるように付勢されている。また、図2に示すように、シャフト21L、21Rは、左右一対で設けられており、各ローラ25Rと移動量検出装置21LS、21RSにて前後方向に摺動可能となるように保持されている。
図1に示すように、ロック切替レバー23L、23Rは、前後方向にスライド可能に設けられている。シャフト保持部22L、22Rは、ロック切替レバー23L、23Rの前後方向のスライドに応じた検出信号を制御装置40に出力するスライド検出スイッチ23LS、23RS(例えば、押圧スイッチ等)を有している。制御装置40は、スライド検出スイッチ23LS、23RSからの検出信号に基づいてロック切替レバー23L、23Rの前後方向へのスライド状態を検出することができる。
また、図2に示すように、シャフト21L、21Rの前後方向の摺動を規制するロック機構27は、シャフト21L、21Rのそれぞれに形成されたロック孔27Aと、ロックピン27Bと、ロックバネ27C等から構成されている。各ロックピン27Bは、シャフト基準位置Mzにシャフト21L、21Rが位置する際に、各ロック孔27Aの略中心に対向する位置に配置され、それぞれロックバネ27Cによって上方へ移動するように付勢されている。
そして、ロック切替レバー23L、23Rが、例えば、後方側(X軸方向と反対側)へスライドされると、図2の上段に示すように、各ロックピン27Bがロックバネ27Cによって上方へ移動されて、ロック孔27A内に挿入された「ロック状態」となる。ロック孔27Aの内径は、ロックピン27Bの外径よりも所定寸法(例えば、約2mm~4mm)だけ大きい径に形成されている。その結果、「ロック状態」では、シャフト21L、21Rの前後方向の移動範囲は、シャフト基準位置Mzを挟んだ前後規制範囲内に規制され、制御装置40は、移動量検出装置21LS、21RSによって各移動量を検出できる。
一方、ロック切替レバー23L、23Rが、例えば、前方側(X軸方向側)へスライドされると、図2の中段及び下段に示すように、各ロックピン27Bがロックバネ27Cの付勢力に抗して下方へ移動されて、ロック孔27Aの外側に位置した「解除状態」となる。その結果、図2の中段に示すように、「解除状態」では、シャフト21L、21Rは、各ローラ25Rと移動量検出装置21LS、21RSにて、シャフト基準位置Mzから前方側の前方側限界位置Maまでの最大移動距離L1を摺動可能となる。
また、図2の下段に示すように、「解除状態」では、シャフト21L、21Rは、各ローラ25Rと移動量検出装置21LS、21RSにて、シャフト基準位置Mzから後方側の後方側限界位置Mbまでの最大移動距離L2を摺動可能となる。そして、制御装置40は、移動量検出装置21LS、21RSによって、シャフト21L、21Rのシャフト基準位置Mzから前後方向への各移動量を検出できる。
また、図1に示すように、シャフト保持部22Rの上端面の後端部側には、メインスイッチ29が設けられている。メインスイッチ29は、歩行支援ロボット3の起動を指示するスイッチであり、ユーザがONにするとバッテリBから制御装置40と電動モータ33L、33Rへ電力を供給し、歩行支援ロボット3の操作及び駆動走行を可能にする。
また、シャフト保持部22Rの上端面の前端部側には、スマートフォン5が着脱可能に取り付けられる取付部材18が設けられている。取付部材18は、シャフト保持部22Rの上端面から、前方斜め上側へ延出されて、スマートフォン5の左右方向の幅とほぼ同じ幅を有する左右方向の断面が浅い略溝状に形成されている。スマートフォン5は、取付部材18に上方から嵌入されて、ネジ止め等によって着脱可能に固定されている。また、フレーム13R(または、フレーム13L)には、収容ボックス14が取り付けられている。収容ボックス14には、バッテリB(電源)と制御装置40が収容されている。
[歩行支援ロボット3の制御構成]
次に、歩行支援ロボット3の制御構成について図3に基づいて説明する。図3に示すように、制御装置40は、CPU、EEPROM、RAM、タイマ等を備えた公知のものである。CPUは、EEPROMに記憶された各種プログラムや各種パラメータに基づいて、種々の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や各検出装置から入力されたデータ等を一時的に記憶する。
制御装置40には、進行速度検出装置33LE、33REからの検出信号、移動量検出装置21LS、21RSからの検出信号、スライド検出スイッチ23LS、23RSからの検出信号、3軸加速度・角速度センサ15Sからの検出信号が入力されている。また、制御装置40には、バッテリBに設けられた不図示のバッテリ残量検出装置からのバッテリ残量(SOC)検出信号が入力される。また、制御装置40は、電動モータ33L、33Rに制御信号を出力する。
また、制御装置40には、通信装置35(図1参照)が電気的に接続されている。制御装置40は、通信装置35を介して、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))又はWi-Fi(登録商標)等によりスマートフォン5と無線通信による情報データの送受信が可能に構成されている。
ここで、図4に示すように、歩行支援ロボット3の動作モードには、「腕振りトレーニングモード」と、「制動トレーニングモード」と、「アシストモード」とが設定されている。「腕振りトレーニングモード」では、ユーザは、ロック切替レバー23L、23Rを前方側(X軸方向側)へスライドして、グリップハンドル20L、20R及びシャフト21L、21Rを前後可動に、つまり、「解除状態」に設定する。そして、制御装置40は、ユーザのグリップハンドル20L、20Rを把持した腕振り歩行に合わせて電動モータ33L、33Rにより左右の駆動輪32L、32Rを駆動し、自走するモードである。
「制動トレーニングモード」と「アシストモード」では、ユーザは、ロック切替レバー23L、23Rを後方側(X軸方向に対して反対側)へスライドして、グリップハンドル20L、20R及びシャフト21L、21Rの移動範囲を前後規制範囲内に規制する、つまり、「ロック状態」に設定する。そして、「制動トレーニングモード」では、制御装置40は、ユーザのグリップハンドル20L、20Rを把持した状態で押して歩行する「手押し歩行」に対して、電動モータ33L、33Rに回生制動等によって負荷を掛けつつ、自走するモードである。従って、ユーザの「手押し歩行」に対して歩行負荷を掛けることができる。
一方、「アシストモード」では、制御装置40は、ユーザのグリップハンドル20L、20Rを把持した状態で押して歩行する「手押し歩行」に合わせて電動モータ33L、33Rにより左右の駆動輪32L、32Rを駆動し、自走するモードである。従って、ユーザの「手押し歩行」に合わせて歩行支援ロボット3が進行するため、ユーザの「手押し歩行」に対して歩行負荷を掛けないで、歩行を支援することができる。
また、制御装置40のEEPROMには、例えば、図5に示すロック時駆動テーブル42が予め記憶されている。ロック時駆動テーブル42は、後述の「走行制御処理」(図13参照)にて、ロック切替レバー23L、23Rが後方側(X軸方向に対して反対側)へスライドされた場合に、つまり、シャフト21L、21Rが「ロック状態」に設定された場合に、制御装置40が、進行・旋回モードを決定する際に用いる。
ロック時駆動テーブル42には、移動量検出装置21LS、21RSから入力された検出信号に対応する「左グリップハンドルの操作方向」と「右グリップハンドルの操作方向」のそれぞれの「前方向」、「中立」、「後ろ方向」の組み合わせに応じて、「前進」、「停止」、「右旋回」、又は「左旋回」のうちの1つの進行・旋回モードが記憶されている。
例えば、ロック時駆動テーブル42には、「左グリップハンドルの操作方向」と「右グリップハンドルの操作方向」が共に「前方向」である場合は、「前進」の進行・旋回モードが記憶されている。また、ロック時駆動テーブル42には、「左グリップハンドルの操作方向」が「前方向」であり、「右グリップハンドルの操作方向」が「後ろ方向」である場合は、「右旋回」の進行・旋回モードが記憶されている。
また、制御装置40のEEPROMには、例えば、図6に示す解除時駆動テーブル43が予め記憶されている。解除時駆動テーブル43は、後述の「走行制御処理」(図13参照)にて、ロック切替レバー23L、23Rが前方側(X軸方向側)へスライドされた場合に、つまり、シャフト21L、21Rが「解除状態」に設定された場合に、制御装置40が、進行・旋回モードを決定する際に用いる。
解除時駆動テーブル43には、移動量検出装置21LS、21RSによって検出されたグリップハンドル20L、20R及びシャフト21L、21Rの前後振幅、つまり、ユーザの左右の腕振り振幅に応じて、「前進」、「右旋回」、「左旋回」の走行モードが記憶されている。例えば、解除時駆動テーブル43には、左右の腕振りの前後振幅が、左右で同等の振幅である場合は、「前進」の走行モードが記憶されている。また、解除時駆動テーブル43には、左の腕振りの前後振幅が、右の腕振りの前後振幅よりも大きい場合には、「右旋回」の走行モードが記憶されている。また、解除時駆動テーブル43には、右の腕振りの前後振幅が、左の腕振りの前後振幅よりも大きい場合には、「左旋回」の走行モードが記憶されている。
[スマートフォン5の概略構成]
次に、スマートフォン5の概略構成について図7から図9に基づいて説明する。図7及び図8に示すように、スマートフォン5は、公知のものであり、制御装置80と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ81と、スピーカ82と、マイク83と、ディスプレイ81の背面側に配置されるメインカメラ84Aと、ディスプレイ81の画面側に配置されるサブカメラ84Bと、操作ボタン又はディスプレイ81の画面を覆うタッチパネル等からなる操作部85と、GPSセンサ等からなるセンサ部86と、無線により通信可能な通信装置87と、バッテリ88等を備えている。
制御装置80は、CPU、EEPROM、RAM、タイマ等を備えた公知のものである。CPUは、EEPROMに記憶された各種プログラムや各種パラメータに基づいて、種々の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や通信装置87を介して受信したデータ等を一時的に記憶する。
制御装置80には、マイク83からの音声検出信号、各カメラ84A、84Bからの撮影した画像信号、操作部85からのユーザによる操作ボタン又はタッチパネルの操作に対応する操作信号、センサ部86からのGPSセンサによる現在位置検出信号等が入力される。また、制御装置80には、バッテリ88に設けられた不図示のバッテリ残量検出装置からのバッテリ残量(SOC)検出信号が入力される。
また、制御装置80には、通信装置87が電気的に接続されている。制御装置80は、通信装置87を介してブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)等により歩行支援ロボット3の制御装置40やインターネット等のネットワーク7に接続されたサーバ9等と、無線通信による情報データの送受信が可能に構成されている。また、制御装置80は、ディスプレイ81に各種アイコンや種々の入力ボタン等の画像を表示させる画像表示信号を出力し、スピーカ82に音声や楽曲や音を出力させる駆動信号を出力する。
ここで、制御装置80がディスプレイ81に表示する表示画面の一例について図8に基づいて説明する。図8に示すように、スマートフォン5は、ディスプレイ81の上端縁部の上側にスピーカ82とサブカメラ84Bが配置され、ディスプレイ81の下端縁部の下側にマイク83が配置されている。また、ディスプレイ81の表示画面の全体を覆うようにタッチパネルから構成される操作部85が設けられている。
そして、制御装置80は、ディスプレイ81の上端縁部に、通信装置87の受信状態を表すアンテナ表示部や、時刻、バッテリ88のバッテリ残量(SOC)表示部等を表示する。また、図8の左側に示すように、制御装置80は、ディスプレイ81の初期画面に、電話アイコン81A、メールアイコン81B、カメラアイコン81C、歩行トレーニングアイコン81D等を表示する。
そして、ユーザが指89で電話アイコン81Aを押下すると、制御装置80は、スマートフォン5を電話として機能させる電話アプリケーションプログラムを起動して実行する。ユーザが指89でメールアイコン81Bを押下すると、制御装置80は、Eメールを送受信できるように機能させるメールアプリケーションプログラムを起動して実行する。ユーザが指89でカメラアイコン81Cを押下すると、制御装置80は、スマートフォン5をカメラとして機能させるカメラアプリケーションプログラムを起動して実行する。
また、図8の左側に示すように、ユーザが指89で歩行トレーニングアイコン81Dを押下すると、制御装置80は、歩行支援ロボット3を使用するユーザの名前又はユーザIDを登録するユーザ登録アプリケーションプログラムを起動して実行する。具体的には、図8の右側に示すように、制御装置80は、ディスプレイ81の中央部に文字ボタン81Gを表示すると共に、文字ボタン81Gを押下して入力した名前またはユーザIDを表示する表示欄81Fを文字ボタン81Gの上側に表示する。また、制御装置80は、表示欄81Fに表示した名前又はユーザIDを登録するように指示する登録ボタン81Hを文字ボタン81Gの右下側に表示する。
そして、図9の左側に示すように、ユーザは、文字ボタン81Gを押下して歩行支援ロボット3を使用するユーザの名前又はユーザIDを表示欄81Fに表示する。その後、ユーザが指89で登録ボタン81Hを押下すると、制御装置80は、ユーザ名又はユーザIDをEEPROMに記憶した後、例えば、図9の右側に示すように、スマートフォン5を歩行支援ロボット3の操作パネルとして機能させると共に、後述の第1音楽出力処理(図16参照)のプログラムを含む歩行トレーニング用アプリケーションプログラムを起動して実行する。
具体的には、図9の右側に示すように、制御装置80は、スタートボタン90A、終了ボタン90B、アシスト開始ボタン90C、トレーニング開始ボタン90D、バッテリ残量表示部90E、リズム開始ボタン90F、音楽選択部90G等が表示された操作パネル画面90をディスプレイ81に表示する。また、制御装置80は、タッチパネル等で構成された操作部85を介して、各ボタン90A~90D、90F等が指89で押下されたことを検出する。
例えば、ディスプレイ81に表示されたスタートボタン90Aが押下されると歩行支援ロボット3の走行制御が開始される。終了ボタン90Bが押下されると歩行支援ロボット3の走行制御が停止される。アシスト開始ボタン90Cが押下されると歩行支援ロボット3の動作モードがアシストモードに設定される。トレーニング開始ボタン90Dが押下されると歩行支援ロボット3の動作モードが腕振りトレーニングモード、又は、制動トレーニングモードに設定される。リズム開始ボタン90Fが押下されると目標歩行周期に合わせたリズム音が出力される。
バッテリ残量表示部90Eには、歩行支援ロボット3のバッテリBのバッテリ残量が表示される。音楽選択部90Gは、歩行トレーニング時に出力する楽曲をユーザが選択するための入力部である。例えば、ユーザは、各曲名選択ボタン90GAを押下して、好みの楽曲の曲名を一番上の曲名表示欄90GBに移動させて表示する。その結果、歩行支援ロボット3を用いた腕振りトレーニングモードの歩行トレーニング時に、一番上の曲名表示欄90GBに表示された曲名の楽曲がスピーカ82を介して出力(再生)される。
次に、サーバ9の概略構成について図10に基づいて説明する。図10に示すように、サーバ9は、公知のものであり、制御装置93と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ94と、キーボード及びマウス等からなる操作部95と、例えば、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等からなる記憶装置96と、Wi-Fi等による無線により通信可能な通信装置97等を備えている。
制御装置93は、CPU、EEPROM、RAM、タイマ等を備えた公知のものである。CPUは、EEPROMに記憶された各種プログラムや各種パラメータに基づいて、種々の演算処理を実行する。また、RAMは、CPUでの演算結果や通信装置97を介して受信したデータ等を一時的に記憶する。
制御装置93には、操作部95からのユーザによるキーボード又はマウス等の操作に対応する操作信号が入力される。また、制御装置93は、通信装置97が電気的に接続されている。制御装置93は、通信装置97を介してWi-Fi等によりネットワーク7に接続されたスマートフォン5等と無線通信による情報データの送受信が可能に構成されている。また、制御装置93は、ディスプレイ94にキーボードから入力されたメッセージや、通信装置97を介して受信した各種画像データを表示させる画像表示信号を出力する。また、制御装置93は、通信装置97を介して受信した各種情報データや、演算した各種計算結果を記憶装置96に記憶する。
また、記憶装置96には、音楽情報データベース(音楽情報DB)96Aと、ユーザ別音楽情報記憶部96Bと、ユーザ別腕振り速度記憶部96Cと、ユーザ別腕振り速度規定値記憶部96D等が設けられている。例えば、音楽情報データベース(音楽情報DB)96Aには、複数のジャンル別に音楽に関する複数の楽曲情報が格納される。この音楽に関する楽曲情報には、歌や楽器演奏等から構成される音楽、曲名、この音楽を再生する再生速度規定値(基準再生速度)等が含まれる。ユーザ別音楽情報記憶部96Bには、ユーザの好む複数(例えば、5個)の楽曲情報がユーザID及びユーザの名前に対応づけて格納されている。
ユーザ別腕振り速度記憶部96Cには、過去1ヶ月~過去3ヶ月の各グリップハンドル20L、20Rを把持した腕振り歩行時の腕振り平均速度(腕振り関連速度)等がユーザID及びユーザの名前に対応づけて時系列的に格納されている。ユーザ別腕振り速度規定値記憶部96Dには、過去1ヶ月内~過去3ヶ月内に算出された腕振り速度規定値(基準規定速度)がユーザID及びユーザの名前に対応づけて時系列的に格納されている。
[歩行トレーニング制御の詳細]
次に、ユーザが上記のように構成された歩行支援システム1の歩行支援ロボット3を用いて歩行トレーニングを行う際に、各制御装置40、80、93が行う処理手順について図11から図26に基づいて説明する。
具体的には、先ず、ユーザは、上記のように構成された歩行支援ロボット3のメインスイッチ29(図1参照)をONにする。また、ユーザは、歩行支援ロボット3の取付部材18(図1参照)に着脱可能に取り付けたスマートフォン5を起動して、ディスプレイ81の初期画面に表示された歩行トレーニングアイコン81Dを指89で押下して、表示欄81F、文字ボタン81G、登録ボタン81Hをディスプレイ81に表示する(図8参照)。そして、ユーザは、文字ボタン81Gを押下して名前又はユーザIDを表示欄81Fに入力した後、登録ボタン81Hを指89で押下する(図9参照)。
ユーザが歩行支援ロボット3のメインスイッチ29をONにすると、制御装置40は起動されて、所定時間間隔(例えば、数[ms]間隔)で、図11に示す「歩行トレーニング支援処理」を実行して、ステップS11へと処理を進める。また、ユーザが登録ボタン81Hを指89で押下すると、スマートフォン5の制御装置80は、ユーザの名前又はユーザIDをRAMに記憶した後、操作パネル画面90をディスプレイ81に表示する(図9参照)。
その後、制御装置80は、所定時間間隔(例えば、数[ms]間隔)で、図16に示す「第1音楽出力処理」を実行して、ステップS21へと処理を進める。また、サーバ9の制御装置93は、所定時間間隔(例えば、数[ms]間隔)で、図26に示す「トレーニング情報作成処理」を実行して、ステップS411へ処理を進める。
[歩行トレーニング支援処理]
歩行支援ロボット3の制御装置40が実行する「歩行トレーニング支援処理」について図11から図15に基づいて説明する。尚、図11から図15にフローチャートで示されるプログラムは、制御装置40のEEPROMに予め記憶されている。
図11に示すように、先ず、ステップS11において、制御装置40は、後述の「走行開始判定処理」のサブ処理(図13参照)を実行した後、ステップS12の処理に進む。ステップS12において、制御装置40は、「走行制御処理」のサブ処理(図14参照)を実行した後、ステップS13の処理に進む。ステップS13において、制御装置40は、「バッテリ処理」のサブ処理(図15参照)を実行した後、当該歩行トレーニング支援処理を終了する。
[走行開始判定処理]
次に、上記「走行開始判定処理」のサブ処理について図12に基づいて説明する。図12に示すように、先ず、ステップS111において、制御装置40は、通信装置35を介して、「トレーニングスタート指示コマンド」をスマートフォン5から受信したか否かを判定する。この「トレーニングスタート指示コマンド」は、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードで歩行支援ロボット3の走行を開始するように指示するコマンドである。
そして、通信装置35を介して、「トレーニングスタート指示コマンド」をスマートフォン5から受信したと判定した場合には(S111:YES)、制御装置40は、ステップS112の処理に進む。ステップS112において、制御装置40は、トレーニングスタートフラグをRAMから読み出し、このトレーニングスタートフラグをONに設定して、再度RAMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS12の「走行制御処理」のサブ処理に進む。尚、トレーニングスタートフラグは、制御装置40の起動時に、OFFに設定されてRAMに記憶される。
一方、通信装置35を介して、「トレーニングスタート指示コマンド」をスマートフォン5から受信していないと判定した場合には(S111:NO)、制御装置40は、ステップS113の処理に進む。ステップS113において、制御装置40は、通信装置35を介して、「アシストスタート指示コマンド」をスマートフォン5から受信したか否かを判定する。この「アシストスタート指示コマンド」は、アシストモードで歩行支援ロボット3の走行を開始するように指示するコマンドである。
そして、通信装置35を介して、「アシストスタート指示コマンド」をスマートフォン5から受信したと判定した場合には(S113:YES)、制御装置40は、ステップS114の処理に進む。ステップS114において、制御装置40は、アシストスタートフラグをRAMから読み出し、このアシストスタートフラグをONに設定して、再度RAMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS12の「走行制御処理」のサブ処理に進む。尚、アシストスタートフラグは、制御装置40の起動時に、OFFに設定されてRAMに記憶される。
一方、通信装置35を介して、「アシストスタート指示コマンド」をスマートフォン5から受信していないと判定した場合には(S113:NO)、制御装置40は、ステップS115の処理に進む。ステップS115において、制御装置40は、通信装置35を介して、「終了指示コマンド」をスマートフォン5から受信したか否かを判定する。この「終了指示コマンド」は、電動モータ33L、33Rの駆動を停止して、左右の駆動輪32L、32Rを停止させ、ユーザの歩行に合わせた走行を終了(停止)するように指示するコマンドである。
そして、通信装置35を介して、「終了指示コマンド」をスマートフォン5から受信したと判定した場合には(S115:YES)、制御装置40は、ステップS116の処理に進む。ステップS116において、制御装置40は、トレーニングスタートフラグとアシストスタートフラグをRAMから読み出し、トレーニングスタートフラグとアシストスタートフラグの両方をOFFに設定して、再度RAMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS12の「走行制御処理」のサブ処理に進む。
一方、通信装置35を介して、「終了指示コマンド」をスマートフォン5から受信していないと判定した場合には(S115:NO)、制御装置40は、当該サブ処理を終了して、上記ステップS12の「走行制御処理」のサブ処理に進む。つまり、制御装置40は、トレーニングスタートフラグとアシストスタートフラグを変更しないで、上記ステップS12の「走行制御処理」のサブ処理に進む。
[走行制御処理]
次に、上記「走行制御処理」のサブ処理について図13に基づいて説明する。図13に示すように、先ず、ステップS121において、制御装置40は、トレーニングスタートフラグをRAMから読み出し、トレーニングスタートフラグがONに設定されているか否か、つまり、スマートフォン5からトレーニングスタート指示コマンドを受信しているか否かを判定する。
そして、RAMから読み出したトレーニングスタートフラグがONに設定されていると判定した場合には(S121:YES)、制御装置40は、スマートフォン5からトレーニングスタート指示コマンドを受信したと判断して、ステップS122の処理に進む。ステップS122において、制御装置40は、各スライド検出スイッチ23LS、23RSからの検出信号に基づいて、各シャフト21L、21Rの前後方向の移動範囲が前後規制範囲内に規制されているか否かを判定する。つまり、各ロック切替レバー23L、23Rが、例えば、後方側(X軸方向と反対側)へスライドされて、各ロックピン27Bが各シャフト21L、21Rのロック孔27Aに挿入されたロック状態か否かを判定する(図2の上段参照)。
そして、各スライド検出スイッチ23LS、23RSからの検出信号に基づいて、各シャフト21L、21Rの前後方向の移動範囲が前後規制範囲内に規制されていないと判定した場合、つまり、各ロックピン27Bが各シャフト21L、21Rのロック孔27Aの外側に位置した解除状態であると判定した場合には(S122:NO)、制御装置40は、腕振りトレーニングモードであると判断して、ステップS123の処理に進む。
ステップS123において、制御装置40は、各移動量検出装置21LS、21RSによって、シャフト21L、21Rのシャフト基準位置Mzから前後方向への各移動量、つまり、左右のグリップハンドル20L、20Rのシャフト基準位置Mzから前後方向への移動量(図2の中段、下段参照)を検出してRAMに記憶した後、ステップS124の処理に進む。
ステップS124において、制御装置40は、左右のグリップハンドル20L、20Rのシャフト基準位置Mzから前後方向への移動量から、ユーザの左右の腕振り振幅を検出する。そして、制御装置40は、解除時駆動テーブル43(図6参照)からユーザの左右の腕振り振幅に対応する走行モードを決定する。そして、制御装置40は、この決定した走行モードで、ユーザの左右の腕振りの速度に合わせて走行するように左右の電動モータ33L、33Rにより左右の駆動輪32L、32Rを駆動して、ステップS125の処理に進む。
つまり、制御装置40は、ユーザの各グリップハンドル20L、20Rを把持した腕振り歩行に合わせて歩行支援ロボット3が移動するように左右の電動モータ33L、33Rにより左右の駆動輪32L、32Rを駆動して走行する。即ち、歩行支援ロボット3は、腕振りの速度やシャフト21L、21Rのストロークに応じて走行し、腕振りの速度と歩行支援ロボット3の走行速度とは、対応している。従って、ユーザの腕振りの速度が遅くなると歩行支援ロボット3の走行速度も遅くなり、ユーザの歩行速度に合わせた速度で走行する。これにより、ユーザは、各グリップハンドル20L、20Rを把持して、左右の腕を振って歩行する腕振り歩行トレーニングを行うことができる。
ステップS125において、制御装置40は、上記ステップS123で検出した左右のグリップハンドル20L、20Rのシャフト基準位置Mzから前後方向への移動量をRAMから読み出し、シャフト21L、21Rの移動時間から各シャフト21L、21Rの移動速度、つまり、左右の腕振り速度を算出してRAMに記憶した後、ステップS126の処理に進む。
ステップS126において、制御装置40は、各シャフト21L、21Rの移動速度、つまり、左右の腕振り速度をRAMから読み出し、この左右の腕振り速度を含む「腕振り速度情報」の通信データを作成して、通信装置35を介してスマートフォン5へ送信した後、後述のステップS132の処理に進む。
一方、上記ステップS122で、各スライド検出スイッチ23LS、23RSからの検出信号に基づいて、各シャフト21L、21Rの前後方向の移動範囲が前後規制範囲内に規制されていると判定した場合、つまり、各ロックピン27Bが各シャフト21L、21Rのロック孔27Aに挿入されたロック状態であると判定した場合には(S122:YES)、制御装置40は、制動トレーニングモードであると判断して、ステップS127の処理に進む。
ステップS127において、制御装置40は、各移動量検出装置21LS、21RSによって、シャフト21L、21Rのシャフト基準位置Mzから前後方向への各移動量、つまり、左右のグリップハンドル20L、20Rのシャフト基準位置Mzから前後方向への移動量(図2の上段参照)を検出して、ユーザが左右のグリップハンドル20L、20Rを前方向へ押しているか、離して中立位置か、後方向へ引いているか、を検出して、RAMに記憶した後、ステップS128の処理に進む。つまり、制御装置40は、左右のグリップハンドル20L、20Rのそれぞれの操作方向を検出して、RAMに記憶した後、ステップS128の処理に進む。
ステップS128において、制御装置40は、左右のグリップハンドル20L、20Rのそれぞれの操作方向をRAMから読み出し、ロック時駆動テーブル42(図5参照)の「左グリップハンドルの操作方向」と「右グリップハンドルの操作方向」とする。そして、制御装置40は、それぞれの「前方向」、「中立」、「後ろ方向」の操作方向の組み合わせに応じて、「前進」、「停止」、「右旋回」、又は「左旋回」のうちの1つの進行・旋回モードをロック時駆動テーブル42から読み出し、走行モードとして決定する。
そして、制御装置40は、この決定した走行モードで、ユーザの手押し状態に合わせて制動負荷を掛けつつ走行するように、左右の電動モータ33L、33Rに回生制動等の制動力が発生するように駆動して、後述のステップS132の処理に進む。つまり、制御装置40は、ユーザが各グリップハンドル20L、20Rを把持して歩行支援ロボット3を所定負荷状態で押して歩行するように左右の電動モータ33L、33Rにより左右の駆動輪32L、32Rを駆動して走行する。これにより、ユーザは、各グリップハンドル20L、20Rを把持した手押し状態で歩行する制動トレーニング(手押し歩行トレーニング)を行うことができる。
他方、上記ステップS121でRAMから読み出したトレーニングスタートフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S121:NO)、制御装置40は、ステップS129の処理に進む。ステップS129において、制御装置40は、アシストスタートフラグをRAMから読み出し、アシストスタートフラグがONに設定されているか否か、つまり、スマートフォン5からアシストスタート指示コマンドを受信しているか否かを判定する。
そして、RAMから読み出したアシストスタートフラグがONに設定されていると判定した場合には(S129:YES)、制御装置40は、スマートフォン5からアシストスタート指示コマンドを受信したと判断して、ステップS130の処理に進む。ステップS130において、制御装置40は、上記ステップS127の処理を実行した後、ステップS131の処理に進む。つまり、制御装置40は、左右のグリップハンドル20L、20Rのそれぞれの操作方向を検出して、RAMに記憶した後、ステップS131の処理に進む。
ステップS131において、制御装置40は、左右のグリップハンドル20L、20Rのそれぞれの操作方向をRAMから読み出し、ロック時駆動テーブル42(図5参照)の「左グリップハンドルの操作方向」と「右グリップハンドルの操作方向」とする。そして、制御装置40は、それぞれの「前方向」、「中立」、「後ろ方向」の操作方向の組み合わせに応じて、「前進」、「停止」、「右旋回」、又は「左旋回」のうちの1つの進行・旋回モードをロック時駆動テーブル42から読み出し、走行モードとして決定する。尚、アシストスタートフラグがONの場合には、各ロック切替レバー23L、23Rは、各ロックピン27Bが各シャフト21L、21Rのロック孔27Aに挿入されたロック状態になるようにスライドされている。
そして、制御装置40は、この決定した走行モードに従って、各グリップハンドル20L、20Rがシャフト基準位置に位置するように、左右の電動モータ33L、33Rにより左右の駆動輪32L、32Rを所定時間(例えば、数msecである。)駆動した後、ステップS132の処理に進む。これにより、左右のグリップハンドル20L、20Rを手押し状態のユーザの歩行に合わせて、歩行支援ロボット3が追従して走行することができ、歩行支援ロボット3はユーザの歩行を支援するアシストモードで走行することができる。
続いて、ステップS132において、制御装置40は、左右の電動モータ33L、33Rに設けられた進行速度検出装置33LE、33REからの検出信号に基づいて、地面に対する歩行支援ロボット3の進行速度(駆動輪32L、32Rによる進行速度)を検出して、ユーザの歩行速度としてRAMに記憶した後、ステップS133の処理に進む。ステップS133において、制御装置40は、ユーザの歩行速度、つまり、歩行支援ロボット3の進行速度をRAMから読み出し、このユーザの歩行速度を含む歩行速度情報をユーザの歩行状態として通信装置35を介してスマートフォン5へ送信した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS13の「バッテリ処理」のサブ処理に進む。
他方、上記ステップS129で、RAMから読み出したアシストスタートフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S129:NO)、制御装置40は、スマートフォン5からアシストスタート指示コマンドを受信していないと判断して、ステップS134の処理に進む。ステップS134において、制御装置40は、左右の電動モータ33L、33Rの駆動を停止して、左右の駆動輪32L、32Rを停止させた後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS13の「バッテリ処理」のサブ処理に進む。
[バッテリ処理]
次に、上記「バッテリ処理」のサブ処理について図14に基づいて説明する。図14に示すように、先ず、ステップS141において、制御装置40は、バッテリBに設けられた不図示のバッテリ残量検出装置から入力されたバッテリ残量(SOC)検出信号からバッテリBのバッテリ残量を検出してRAMに記憶した後、ステップS142の処理に進む。ステップS142において、制御装置40は、バッテリBのバッテリ残量をRAMから読み出し、このバッテリ残量のデータを含むバッテリ残量情報を通信装置35を介してスマートフォン5へ送信した後、当該サブ処理を終了して、歩行トレーニング支援処理を終了する。
[第1音楽出力処理]
次に、スマートフォン5の制御装置80が実行する「第1音楽出力処理」について図15から図25に基づいて説明する。尚、図15から図18と、図20から図24とにフローチャートで示されるプログラムは、制御装置80のEEPROMに予め記憶されている。
図15に示すように、先ず、ステップS21において、制御装置80は、後述の「モード選択処理」のサブ処理(図16参照)を実行した後、ステップS22の処理に進む。ステップS22において、制御装置80は、後述の「スタート・停止処理」のサブ処理(図17参照)を実行した後、ステップS23の処理に進む。ステップS23において、制御装置80は、後述の「情報取得処理」のサブ処理(図18参照)を実行した後、ステップS24の処理に進む。ステップS24において、制御装置80は、後述の「音楽選択処理」のサブ処理(図20参照)を実行した後、ステップS25の処理に進む。ステップS25において、制御装置80は、後述の「音楽再生処理」のサブ処理(図21から図24参照)を実行した後、当該第1音楽出力処理を終了する。
[モード選択処理]
次に、歩行支援ロボット3の動作モードを決定する上記「モード選択処理」のサブ処理について図16に基づいて説明する。図16に示すように、先ず、ステップS211において、制御装置80は、ディスプレイ81に表示している操作パネル画面90(図9参照)のトレーニング開始ボタン90D(図9参照)が指89(図9参照)で押下されたか否かを判定する。
尚、ユーザは、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードの歩行トレーニングを選択する場合には、トレーニング開始ボタン90Dを指89で押下する。一方、ユーザは、左右のグリップハンドル20L、20Rを手押し状態のユーザの歩行に合わせて、歩行支援ロボット3が追従して走行してユーザの歩行を支援するアシストモードを選択する場合には、アシスト開始ボタン90C(図9参照)を指89で押下する。
そして、トレーニング開始ボタン90Dが指89で押下されたと判定した場合には(S211:YES)、制御装置80は、ステップS212の処理に進む。ステップS212において、制御装置80は、トレーニングフラグをRAMから読み出し、このトレーニングフラグをONに設定して、再度RAMに記憶した後、ステップS213の処理に進む。ステップS213において、制御装置80は、アシストフラグをRAMから読み出し、このアシストフラグをOFFに設定して、再度RAMに記憶した後、ステップS214の処理に進む。尚、トレーニングフラグとアシストフラグは、制御装置80の起動時に、OFFに設定されてRAMに記憶される。
ステップS214において、制御装置80は、トレーニング開始ボタン90Dの白丸印のボタンマーク90DA(図9参照)をON表示(例えば、赤色点滅表示等)にした後、ステップS215の処理に進む。ステップS215において、制御装置80は、アシスト開始ボタン90Cのボタンマーク90CA(図9参照)をOFF表示(例えば、白丸印等)にした後、後述のステップS221の処理に進む。これにより、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードの歩行トレーニングが選択されている旨が表示される。
一方、上記ステップS211でトレーニング開始ボタン90Dが指89で押下されていないと判定した場合には(S211:NO)、制御装置80は、ステップS216の処理に進む。ステップS216において、制御装置80は、ディスプレイ81に表示している操作パネル画面90のアシスト開始ボタン90Cが指89で押下されたか否かを判定する。そして、アシスト開始ボタン90Cが指89で押下されていないと判定した場合には(S216:NO)、制御装置80は、後述のステップS221の処理に進む。
一方、上記ステップS216でアシスト開始ボタン90Cが指89で押下されたと判定した場合には(S216:YES)、制御装置80は、ステップS217の処理に進む。ステップS217において、制御装置80は、アシストフラグをRAMから読み出し、このアシストフラグをONに設定して、再度RAMに記憶した後、ステップS218の処理に進む。ステップS218において、制御装置80は、トレーニングフラグをRAMから読み出し、このトレーニングフラグをOFFに設定して、再度RAMに記憶した後、ステップS219の処理に進む。
ステップS219において、制御装置80は、アシスト開始ボタン90Cの白丸印のボタンマーク90CAをON表示(例えば、赤色点滅表示等)にした後、ステップS220の処理に進む。ステップS220において、制御装置80は、トレーニング開始ボタン90Dのボタンマーク90DAをOFF表示(例えば、白丸印等)にした後、ステップS221の処理に進む。これにより、手押し状態のユーザの歩行に合わせて、歩行支援ロボット3が追従して走行してユーザの歩行を支援するアシストモードが選択されている旨が表示される。
ステップS221において、制御装置80は、ディスプレイ81に表示している操作パネル画面90のリズム開始ボタン90F(図9参照)が指89(図9参照)で押下されたか否かを判定する。尚、ユーザは、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードの歩行トレーニングを行う際に、歩行のタイミング、つまり、踵が地面や床面に着くタイミングを教示する周期音(例えば、一定周期のメトロノームのテンポ音、楽器のリズム音、掛け声等)(周期刺激情報)の出力(再生)を選択する場合に、リズム開始ボタン90Fを指89で押下する。また、ユーザは、周期音の出力(再生)を停止する場合には、リズム開始ボタン90Fを再度、指89で押下することによって停止できる。
そして、リズム開始ボタン90Fが指89で押下されていないと判定した場合には(S221:NO)、制御装置80は、当該サブ処理を終了して、上記ステップS22の「スタート・停止処理」のサブ処理に進む。一方、リズム開始ボタン90Fが指89で押下されたと判定した場合には(S221:YES)、制御装置80は、ステップS222の処理に進む。ステップS222において、制御装置80は、リズムフラグをRAMから読み出し、このリズムフラグがOFFに設定されているか否か、つまり、周期音を出力(再生)しないように設定されているか否かを判定する。尚、リズムフラグは、制御装置80の起動時に、OFFに設定されてRAMに記憶される。
そして、リズムフラグがOFFに設定されていると判定した場合、つまり、周期音を出力(再生)しないように設定されていると判定した場合には(S222:YES)、制御装置80は、ステップS223の処理に進む。ステップS223において、制御装置80は、リズムフラグをRAMから読み出し、このリズムフラグをONに設定して、再度RAMに記憶した後、ステップS224の処理に進む。
ステップS224において、制御装置80は、リズム開始ボタン90Fの白丸印のボタンマーク90FA(図9参照)をON表示(例えば、赤色点滅表示等)にした後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS22の「スタート・停止処理」のサブ処理に進む。これにより、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードの歩行トレーニング時に、歩行タイミングを教示する周期音を出力するように設定されている旨が表示される。
一方、上記S222でリズムフラグがONに設定されていると判定した場合、つまり、周期音を出力(再生)するように設定されていると判定した場合には(S222:NO)、制御装置80は、ステップS225の処理に進む。ステップS225において、制御装置80は、リズムフラグをRAMから読み出し、このリズムフラグをOFFに設定して、再度RAMに記憶した後、ステップS226の処理に進む。
ステップS226において、制御装置80は、リズム開始ボタン90Fのボタンマーク90FAをOFF表示(例えば、白丸印等)にした後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS22の「スタート・停止処理」のサブ処理に進む。これにより、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードの歩行トレーニング時に、歩行タイミングを教示する周期音を出力しないように設定されている旨が表示される。
[スタート・停止処理]
次に、上記「スタート・停止処理」のサブ処理について図17に基づいて説明する。図17に示すように、先ず、ステップS231において、制御装置80は、ディスプレイ81に表示している操作パネル画面90(図9参照)のスタートボタン90A(図9参照)が指89(図9参照)で押下されたか否かを判定する。尚、ユーザは、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードの歩行トレーニング、若しくは、アシストモードの歩行支援で歩行を開始する場合に、スタートボタン90Aを指89で押下する。
そして、スタートボタン90Aが指89で押下されたと判定した場合には(S231:YES)、制御装置80は、ステップS232の処理に進む。ステップS232において、制御装置80は、スマートフォン・スタートフラグをRAMから読み出し、このスマートフォン・スタートフラグをONに設定して、再度RAMに記憶した後、ステップS233の処理に進む。尚、スマートフォン・スタートフラグは、制御装置80の起動時に、OFFに設定されてRAMに記憶される。
ステップS233において、制御装置80は、トレーニングフラグをRAMから読み出し、このトレーニングフラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、トレーニングフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S233:NO)、制御装置80は、後述のステップS235の処理に進む。一方、トレーニングフラグがONに設定されていると判定した場合には(S233:YES)、制御装置80は、ステップS234の処理に進む。
ステップS234において、制御装置80は、通信装置87を介して、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードでの走行を開始するように指示する「トレーニングスタート指示コマンド」を歩行支援ロボット3に送信した後、ステップS235の処理に進む。ステップS235において、制御装置80は、アシストフラグをRAMから読み出し、このアシストフラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、アシストフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S235:NO)、制御装置80は、後述のステップS241の処理に進む。
一方、アシストフラグがONに設定されていると判定した場合には(S235:YES)、制御装置80は、ステップS236の処理に進む。ステップS236において、制御装置80は、通信装置87を介して、手押し状態のユーザの歩行に合わせて、歩行支援ロボット3が追従して走行するアシストモードでの走行を開始するように指示する「アシストスタート指示コマンド」を歩行支援ロボット3に送信した後、後述のステップS241の処理に進む。
他方、上記S231でスタートボタン90Aが指89で押下されていないと判定した場合には(S231:NO)、制御装置80は、ステップS237の処理に進む。ステップS237において、制御装置80は、ディスプレイ81に表示している操作パネル画面90(図10参照)の終了ボタン90B(図10参照)が指89(図10参照)で押下されたか否かを判定する。尚、ユーザは、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードの歩行トレーニング、若しくは、アシストモードの歩行支援で歩行をしている状態を終了する場合に、終了ボタン90Bを指89で押下する。
そして、終了ボタン90Bが指89で押下されていないと判定した場合には(S237:NO)、制御装置80は、後述のステップS241の処理に進む。これにより、ユーザが、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードの歩行トレーニング、若しくは、アシストモードの歩行支援で歩行している場合は、その状態で歩行が継続される。
一方、終了ボタン90Bが指89で押下されたと判定した場合には(S237:YES)、制御装置80は、ステップS238の処理に進む。ステップS238において、制御装置80は、スマートフォン・スタートフラグをRAMから読み出し、このスマートフォン・スタートフラグをOFFに設定して、再度RAMに記憶した後、ステップS239の処理に進む。
ステップS239において、制御装置80は、トレーニングフラグと、アシストフラグと、リズムフラグと、音楽情報取得フラグと、腕振りフラグとをRAMから読み出し、それぞれをOFFに設定して、再度RAMに記憶した後、ステップS240の処理に進む。尚、音楽情報取得フラグと腕振りフラグは、制御装置80の起動時に、OFFに設定されてRAMに記憶される。この音楽情報取得フラグは、後述のように、サーバ9から音楽情報を受信した場合にONに設定される(図18参照)。腕振りフラグは、後述のように、歩行支援ロボット3から腕振り速度情報を受信した場合にONに設定される(図18参照)。
ステップS240において、制御装置80は、通信装置87を介して、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードでの走行、及び、手押し状態のユーザの歩行に合わせて、ユーザの歩行を支援するアシストモードでの走行を終了(停止)するように指示する「終了指示コマンド」を歩行支援ロボット3に送信した後、ステップS241の処理に進む。これにより、歩行支援ロボット3は、停止した状態となる(図12及び図13参照)。
ステップS241において、制御装置80は、通信装置87を介して、歩行支援ロボット3からバッテリBのバッテリ残量のデータを含むバッテリ残量情報を受信したか否かを判定する。そして、歩行支援ロボット3からバッテリ残量情報を受信していないと判定した場合には(S241:NO)、制御装置80は、当該サブ処理を終了して、上記ステップS23の「情報取得処理」のサブ処理に進む。
一方、歩行支援ロボット3からバッテリ残量情報を受信していると判定した場合には(S241:YES)、制御装置80は、ステップS242の処理に進む。ステップS242において、制御装置80は、バッテリ残量情報に含まれているバッテリBのバッテリ残量を、ディスプレイ81に表示している操作パネル画面90(図9参照)のバッテリ残量表示部90E(図9参照)に表示した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS23の「情報取得処理」のサブ処理に進む。例えば、図9の右側に示すように、制御装置80は、バッテリ残量情報に含まれているバッテリBのバッテリ残量が「80%」である場合には、操作パネル画面90のバッテリ残量表示部90Eに、「パワー80%」と表示する。
[情報取得処理]
次に、上記「情報取得処理」のサブ処理について図18及び図19に基づいて説明する。図18に示すように、先ず、ステップS251において、制御装置80は、通信装置87を介して、歩行支援ロボット3からユーザの左右の腕振り速度を含む「腕振り速度情報」を受信したか否かを判定する。そして、通信装置87を介して、歩行支援ロボット3からユーザの左右の腕振り速度を含む「腕振り速度情報」を受信していないと判定した場合には(S251:NO)、制御装置80は、後述のステップS255の処理に進む。
一方、通信装置87を介して、歩行支援ロボット3からユーザの左右の腕振り速度を含む「腕振り速度情報」を受信したと判定した場合には(S251:YES)、制御装置80は、ステップS252の処理に進む。ステップS252において、制御装置80は、歩行支援ロボット3から受信したユーザの左右の腕振り速度を含む「腕振り速度情報」と、タイマから取得した時刻情報とから構成されるデータを、ユーザを識別するユーザIDに紐付けてEEPROMに時系列的に記憶した後、ステップS253の処理に進む。
ステップS253において、制御装置80は、ユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶されている最新の「腕振り速度情報」から所定時間(例えば、約1秒~2秒である。)遡った時間までの複数の「腕振り速度情報」を順次読み出し、「腕振り平均速度」を算出してRAMに記憶した後、ステップS254の処理に進む。
例えば、図19に示すように、ユーザの腕振りが速いときには、実線の腕振り速度曲線55で示すように、グリップハンドル20L又はグリップハンドル20Rの腕振り速度は、短い周期で変化する。また、ユーザの腕振りが遅いときには、破線の腕振り速度曲線56で示すように、グリップハンドル20L又はグリップハンドル20Rの腕振り速度は、比較的長い周期で変化する。また、グリップハンドル20L、20Rが、前方側限界位置Ma(前端)に位置したとき、又は、後方側限界位置Mb(後端)に位置したときに、腕振り速度がほぼ0になる。
従って、制御装置80は、グリップハンドル20L又はグリップハンドル20Rの最新の「腕振り速度情報」から所定時間(例えば、約1秒~2秒である。)遡った時間までの複数の「腕振り速度情報」をEEPROMから順次読み出す。そして、制御装置80は、各「腕振り速度情報」に含まれる腕振り速度の変化から、最新の腕振り速度から過去約1周期分の複数の腕振り速度を抽出する。続いて、制御装置80は、抽出した約1周期分の複数の腕振り速度の平均速度V1、V2を算出して、「腕振り平均速度」としてRAMに記憶した後、ステップS254の処理に進む。
図18に示すように、ステップS254において、制御装置80は、腕振り速度情報を受信した旨を表す腕振りフラグをRAMから読み出し、ONに設定して再度、RAMに記憶した後、ステップS255の処理に進む。尚、腕振りフラグは、制御装置80の起動時に、OFFに設定されてRAMに記憶される。
ステップS255において、制御装置80は、音楽情報取得フラグをRAMから読み出し、OFFに設定されているか否か、つまり、サーバ9から音楽情報を未だ受信していないか否かを判定する。そして、RAMから読み出した音楽情報取得フラグがONに設定されていると判定した場合には(S255:NO)、制御装置80は、サーバ9から音楽情報を既に受信していると判定して、当該サブ処理を終了して、上記ステップS24の「音楽選択処理」のサブ処理に進む。
一方、RAMから読み出した音楽情報取得フラグがOFFに設定されていると判定した場合、つまり、サーバ9から音楽情報を未だ受信していないと判定した場合には(S255:YES)、制御装置80は、ステップS256の処理に進む。ステップS256において、制御装置80は、トレーニングフラグをRAMから読み出し、このトレーニングフラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、トレーニングフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S256:NO)、制御装置80は、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードでの歩行トレーニングでないと判定して、当該サブ処理を終了して、上記ステップS24の「音楽選択処理」のサブ処理に進む。
一方、トレーニングフラグがONに設定されていると判定した場合には(S256:YES)、制御装置80は、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードでの歩行トレーニングであると判定して、ステップS257の処理に進む。ステップS257において、制御装置80は、腕振りフラグをRAMから読み出し、この腕振りフラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、腕振りフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S257:NO)、制御装置80は、腕振りトレーニングモードでの歩行トレーニングでないと判定して、当該サブ処理を終了して、上記ステップS24の「音楽選択処理」のサブ処理に進む。
一方、腕振りフラグがONに設定されていると判定した場合には(S257:YES)、制御装置80は、腕振りトレーニングモードでの歩行トレーニングであると判定して、ステップS258の処理に進む。ステップS258において、制御装置80は、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、腕振り速度規定値要求コマンドと、を通信装置87を介してサーバ9へ送信した後、ステップS259の処理に進む。
ここで、音楽情報要求コマンドは、腕振りトレーニングモードでの歩行トレーニング時にスピーカ82を介して出力(再生)可能な複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報の送信を要求するコマンドである。腕振り速度規定値要求コマンドは、腕振りトレーニングモードでの歩行トレーニング時に、ユーザの基準とする腕振り速度規定値(基準規定速度)を要求するコマンドである。
ステップS259において、制御装置80は、通信装置87を介して、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザIDと、複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と、腕振り速度規定値(基準規定速度)とから構成された通信データをサーバ9から受信するのを待つ(S259:NO)。そして、制御装置80は、通信装置87を介して、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザIDと、複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と、腕振り速度規定値(基準規定速度)とから構成された通信データをサーバ9から受信した場合には(S259:YES)、ステップS260の処理に進む。
ステップS260において、制御装置80は、通信装置87を介してサーバ9から受信した複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と腕振り速度規定値(基準規定速度)をユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶した後、ステップS261の処理に進む。
ステップS261において、制御装置80は、通信装置87を介してサーバ9から受信した複数(例えば、5個)の楽曲情報のそれぞれに含まれる曲名を抽出する。そして、制御装置80は、複数の楽曲情報から抽出した各曲名を、ディスプレイ81に表示している音楽選択部90Gの各曲名表示欄90GB(図9参照)に、受信順に上から順番に表示して、曲名を更新した後、ステップS262の処理に進む。尚、受信した楽曲情報の個数が曲名表示欄90GBの数よりも多い場合には、制御装置80は、受信した楽曲情報の曲名を曲名表示欄90GBの数だけ受信順に上から順番に表示する。
ステップS262において、制御装置80は、音楽選択部90Gの各曲名表示欄90GBのうちの一番上側の曲名表示欄90GBに表示された曲名を含む楽曲情報を腕振りトレーニングモードの歩行トレーニング時に、スピーカ82を介して出力(再生)する再生音楽として設定して、EEPROMに記憶した後、ステップS263の処理に進む。
ステップS263において、制御装置80は、複数(例えば、5個)の楽曲情報と腕振り速度規定値(基準規定速度)とをサーバ9から受信した旨を表す音楽情報取得フラグをRAMから読み出し、ONに設定して、再度RAMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS24の「音楽選択処理」のサブ処理に進む。
[音楽選択処理]
次に、上記「音楽選択処理」のサブ処理について図20に基づいて説明する。図20に示すように、先ず、ステップS265において、制御装置80は、ディスプレイ81に表示している操作パネル画面90(図9参照)の音楽選択部90Gに表示した曲名選択ボタン90GA(図9参照)が指89(図9参照)で押下されたか否かを判定する。そして、操作パネル画面90の音楽選択部90Gに表示した曲名選択ボタン90GAが指89で押下されていないと判定した場合には(S265:NO)、制御装置80は、当該サブ処理を終了して、上記ステップS25の「音楽再生処理」のサブ処理に進む。
一方、操作パネル画面90の音楽選択部90Gに表示した曲名選択ボタン90GAが指89で押下されたと判定した場合には(S265:YES)、制御装置80は、ステップS266の処理に進む。ステップS266において、制御装置80は、上下一対の曲名選択ボタン90GAのうちのいずれが押下されたかを判定する。
そして、上側に配置された曲名選択ボタン90GAが押下されたと判定した場合には、制御装置80は、各曲名表示欄90GBに表示される曲名を、上記ステップS260で記憶した楽曲情報の曲名を受信順に順次上側へソートして、更新表示し、一番上側の曲名表示欄90GBに表示されていた曲名の表示順位を最下位に設定する。また、下側に配置された曲名選択ボタン90GAが押下されたと判定した場合には、制御装置80は、各曲名表示欄90GBに表示される曲名を、上記ステップS260で記憶した楽曲情報の曲名を受信順に順次下側へソートして、更新表示し、表示順位が再下位の曲名を一番上側の曲名表示欄90GBに表示した後、ステップS267の処理に進む。
ステップS267において、制御装置80は、音楽選択部90Gの各曲名表示欄90GBのうちの一番上側の曲名表示欄90GBに表示された曲名を含む楽曲情報を、腕振りトレーニングモードの歩行トレーニング時に、スピーカ82を介して出力(再生)する再生音楽として再設定して、EEPROMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS25の「音楽再生処理」のサブ処理に進む。
[音楽再生処理]
次に、上記「音楽再生処理」のサブ処理について図21から図25に基づいて説明する。図21に示すように、先ず、ステップS271において、制御装置80は、スマートフォン・スタートフラグをRAMから読み出し、このスマートフォン・スタートフラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、スマートフォン・スタートフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S271:NO)、制御装置80は、当該サブ処理を終了して、第1音楽出力処理を終了する。
一方、スマートフォン・スタートフラグがONに設定されていると判定した場合には(S271:YES)、制御装置80は、操作パネル画面90のスタートボタン90A(図9参照)が押下されたと判定して、ステップS272の処理に進む。ステップS272において、制御装置80は、トレーニングフラグをRAMから読み出し、このトレーニングフラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、トレーニングフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S272:NO)、制御装置80は、当該サブ処理を終了して、第1音楽出力処理を終了する。
一方、トレーニングフラグがONに設定されていると判定した場合には(S272:YES)、制御装置80は、操作パネル画面90のトレーニング開始ボタン90Dが押下されたと判定して、ステップS273の処理に進む。ステップS273において、制御装置80は、腕振りフラグをRAMから読み出し、この腕振りフラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、腕振りフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S273:NO)、制御装置80は、当該サブ処理を終了して、第1音楽出力処理を終了する。
一方、腕振りフラグがONに設定されていると判定した場合には(S273:YES)、制御装置80は、腕振りトレーニングモードであると判定して、ステップS274の処理に進む。ステップS274において、制御装置80は、音楽再生フラグをRAMから読み出し、この音楽再生フラグがOFFに設定されているか否かを判定する。そして、この音楽再生フラグがONに設定されていると判定した場合には(S274:NO)、制御装置80は、後述のステップS277の処理に進む。尚、制御装置80の起動時に、音楽再生フラグはOFFに設定されてRAMに記憶される。
一方、音楽再生フラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S274:YES)、制御装置80は、ステップS275の処理に進む。ステップS275において、制御装置80は、上記ステップS253でRAMに記憶した「腕振り平均速度」を読み出す。また、制御装置80は、上記ステップS260でユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶した腕振り速度規定値(基準規定速度)を読み出す。続いて、制御装置80は、ユーザの「腕振り平均速度」が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上であるか否かを判定する。
そして、ユーザの「腕振り平均速度」が腕振り速度規定値(基準規定速度)未満である、つまり、腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅いと判定した場合には(S275:NO)、制御装置80は、当該サブ処理を終了して、第1音楽出力処理を終了する。
一方、ユーザの「腕振り平均速度」が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上であると判定した場合には(S275:YES)、制御装置80は、ステップS276の処理に進む。ステップS276において、制御装置80は、音楽再生フラグをRAMから読み出し、この音楽再生フラグをONに設定して再度、RAMに記憶した後、ステップS277に進む。
ステップS277において、制御装置80は、上記ステップS253でRAMに記憶した「腕振り平均速度」を読み出す。また、制御装置80は、上記ステップS260でユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶した腕振り速度規定値(基準規定速度)を読み出す。続いて、制御装置80は、ユーザの「腕振り平均速度」が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上であるか否かを判定する。
そして、ユーザの「腕振り平均速度」が腕振り速度規定値(基準規定速度)未満である、つまり、腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅いと判定した場合には(S277:NO)、制御装置80は、ステップS278の処理に進む。ステップS278において、制御装置80は、後述の再生音楽の音量を低下させる「音量低下処理」のサブ処理(図23参照)を実行した後、ステップS283の処理に進む。
[音量低下処理]
ここで、ステップS278において、制御装置80が実行する「音量低下処理」のサブ処理について図23に基づいて説明する。図23に示すように、先ず、ステップS311において、制御装置80は、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になった後に、最初に腕振り速度規定値(基準規定速度)未満になったとき、つまり、腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなったときからの経過時間をRAMから読み出す。続いて、制御装置80は、この経過時間が規定時間T1以上になったか、つまり、経過時間が規定時間T1に達したか否かを判定する。尚、規定時間T1は、予めEEPROMに記憶されている。
そして、この経過時間が規定時間T1未満である、つまり、経過時間が規定時間T1に達していないと判定した場合には(S311:NO)、制御装置80は、ステップS312の処理に進む。ステップS312において、制御装置80は、この経過時間のカウント値に「1」加算した後、当該サブ処理を終了して、後述のステップS283の処理(図21参照)に進む。尚、制御装置80の起動時に、経過時間のカウント値は、「0」が代入されてRAMに記憶される。
一方、経過時間が規定時間T1以上になった、つまり、経過時間が規定時間T1に達したと判定した場合には(S311:YES)、制御装置80は、ステップS313の処理に進む。ステップS313において、制御装置80は、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する設定音量をRAMから読み出し、設定音量が「0」であるか否かを判定する。尚、制御装置80の起動時に、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する設定音量は、「0」が代入されてRAMに記憶される。
そして、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する設定音量が「0」であると判定した場合には(S313:YES)、制御装置80は、当該サブ処理を終了して、後述のステップS283の処理(図21参照)に進む。一方、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する設定音量が「0」でないと判定した場合には(S313:NO)、制御装置80は、ステップS314の処理に進む。
ステップS314において、制御装置80は、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する設定音量をRAMから読み出し、この設定音量をΔV2レベルだけ下げて、再度RAMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、ステップS283の処理(図21参照)に進む。尚、ΔV2レベルは、予めEEPROMに記憶されている。図21に示すように、ステップS283において、制御装置80は、再生音楽の設定音量をRAMから読み出し、この設定音量で再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)した後、ステップS284の処理(図22参照)に進む。
ここで、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)未満になった場合、つまり、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった場合に(S277:NO)、制御装置80が実行する再生音楽の出力(再生)(S278~S283)の一例について、図25に基づいて説明する。図25に示すように、制御装置80は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった時間T12及び時間T16からの経過時間が、それぞれ、規定時間T1(例えば、5秒)に達するまで、音量規定値(基準音量)に設定された設定音量で再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)している。尚、音量規定値(基準音量)は、予めユーザIDに紐付けられてEEPROMに記憶されている。
その後、制御装置80は、再生音楽の設定音量をΔV2レベルずつ低下させて、スピーカ82を介して出力(再生)している。これにより、ユーザは、再生音楽の音量が低下していくことによって、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなっていることを認識することができる。その結果、ユーザは、腕振り平均速度を再度、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上で腕振り歩行しようとして、つまり、腕振りをもっと速くしようとして腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して腕振り歩行トレーニングを続けることができる。
また、制御装置80は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった時間T14からの経過時間が、規定時間T1に達する前に、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になったため、再生音楽の音量を時間T14で設定された音量規定値(基準音量)の設定音量から低下させないで、スピーカ82を介して出力(再生)している。これにより、ユーザは、再生音楽を聴きながら、安定して腕振り歩行トレーニングを行うことができる。
また、制御装置80は、ユーザの腕振り平均速度が、時間T17で腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になった後、短時間の経過後(例えば、1秒経過後)、腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった時間T18からの経過時間が、規定時間T1(例えば、5秒)に達するまで、時間T18で設定された設定音量で、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)している。その後、制御装置80は、再生音楽の設定音量をΔV2レベルずつ低下させて、スピーカ82を介して出力(再生)している。これにより、ユーザは、音量が徐々に低下する再生音楽を聴きながら、腕振り歩行トレーニングを終了することができる。
次に、図21に示すように、上記ステップS277で、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上であると判定した場合には(S277:YES)、制御装置80は、ステップS279に進む。ステップS279において、制御装置80は、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になった後に、最初に腕振り速度規定値(基準規定速度)未満になったときからの経過時間をRAMから読み出す。そして、制御装置80は、この経過時間のカウント値に「0」を代入して初期化して、再度RAMに記憶した後、ステップS280の処理に進む。
ステップS280において、制御装置80は、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する設定音量をRAMから読み出し、この設定音量をΔV1レベルだけ上げて、再度RAMに記憶した後、ステップS281の処理に進む。尚、ΔV1レベルは、上記ステップS314で設定音量を低下させるΔV2レベルよりも大きいレベルで、短時間(例えば、0.5秒~1秒)で設定音量を「0」から音量規定値(基準音量)まで上げるように設定されている。尚、ΔV1レベルは、予めEEPROMに記憶されている。
ステップS281において、制御装置80は、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する設定音量をRAMから読み出し、この設定音量が音量規定値(基準音量)以上であるか否かを判定する。そして、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する設定音量が音量規定値(基準音量)よりも小さい音量であると判定した場合には(S281:NO)、制御装置80は、後述のステップS283の処理に進む。
一方、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する設定音量が音量規定値(基準音量)以上である判定した場合には(S281:YES)、制御装置80は、ステップS282の処理に進む。ステップS282において、制御装置80は、音量規定値(基準音量)をEEPROMから読み出して、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する設定音量を音量規定値(基準音量)に設定して、RAMに再度記憶した後、ステップS283の処理に進む。ステップS283において、制御装置80は、再生音楽の設定音量をRAMから読み出し、この設定音量で再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)した後、ステップS284の処理に進む。
ここで、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になった場合に(S277:YES)、制御装置80が実行する再生音楽の出力(再生)(S280~S283)の一例について、図25に基づいて説明する。図25に示すように、制御装置80は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になった各時間T11、T13、T15、T17から、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上であれば、再生音楽の設定音量をΔV1レベルずつ上げて、スピーカ82を介して出力(再生)する。
そして、制御装置80は、再生音楽の設定音量が音量規定値(基準音量)に達すると、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上であっても、再生音楽の設定音量を音量規定値(基準音量)の一定音量に設定する。これにより、ユーザは、再生音楽が音量規定値(基準音量)で再生されることによって、歩行支援ロボット3を使用して、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で腕振り歩行していることを容易に認識できる。
また、ユーザは、音楽を聴きながら、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で楽しく腕振り歩行トレーニングを行うことができ、腕振り歩行トレーニングが長続きしてトレーニング効果を上げることが可能となる。また、ユーザは、再生音楽を聴きながら、腕振り歩行トレーニングを行うことができ、認知機能にプラスの影響が期待できる。
次に、図22に示すように、ステップS284において、制御装置80は、リズムフラグをRAMから読み出し、このリズムフラグがONに設定されているか否か、つまり、リズム開始ボタン90F(図10参照)が押下された否かを判定する。そして、リズムフラグがONに設定されていると判定した場合には(S284:YES)、制御装置80は、ステップS285の処理に進む。
ステップS285において、制御装置80は、予めEEPROMに記憶するユーザの年齢や身長に対応する基準歩幅を、予めEEPROMに記憶する歩幅マップ(不図示)から取得する。そして、制御装置80は、この基準歩幅と、上記ステップS260でEEPROMに記憶したユーザの腕振り速度規定値(基準規定速度)と、から歩行周期を算出して目標歩行周期としてRAMに記憶した後、ステップS286の処理に進む。例えば、制御装置80は、腕振り速度規定値(基準規定速度)に対応する歩行支援ロボット3の走行速度をユーザの歩行速度とする。そして、制御装置80は、この歩行速度をユーザの基準歩幅で除算して歩行周期を算出し、目標歩行周期としてRAMに記憶するようにしてもよい。
尚、制御装置80は、上記ステップS259でサーバ9からユーザの腕振り速度規定値と共に目標歩行周期を受信して、EEPROMに記憶するようにしてもよい。この場合には、サーバ9の制御装置93が、予めEEPROMに記憶するユーザの年齢や身長に対応する基準歩幅を、予めEEPROMに記憶する歩幅マップ(不図示)から取得する。そして、制御装置93は、ユーザの基準歩幅と腕振り速度規定値(基準規定速度)と、からユーザの目標歩行周期を算出する。
ステップS286において、制御装置80は、この目標歩行周期に等しい周期に設定した周期音(例えば、一定周期のメトロノームのテンポ音、楽器のリズム音、掛け声等)(周期刺激情報)をスピーカ82を介して出力(再生)して、後述のステップS288の処理に進む。これにより、制御装置80は、ユーザに対して腕振り速度規定値(基準規定速度)で腕振り歩行する歩行タイミングを教示することができる。
従って、ユーザは、教示される歩行タイミングに従って腕振り歩行することによって、腕振り平均速度が改善される腕振り歩行トレーニングを行うことができ、歩行能力を改善することができる。また、ユーザは、教示される歩行のタイミングに従って腕振り歩行することによって、腕振り歩行のタイミングを取り易くなり、腕振り平均速度が改善される腕振り歩行トレーニングを容易に実行することができる。
一方、上記ステップS284で、リズムフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S284:NO)、制御装置80は、ステップS287の処理に進む。ステップS287において、制御装置80は、目標歩行周期に等しい周期に設定した周期音(例えば、一定周期のメトロノームのテンポ音、楽器のリズム音、掛け声等)(周期刺激情報)のスピーカ82を介した出力(再生)を停止した後、ステップS288の処理に進む。
ステップS288において、制御装置80は、トレーニングフラグをRAMから読み出し、このトレーニングフラグがOFFに設定されているか否か、つまり、終了ボタン90Bが押下されたか否かを判定する。そして、トレーニングフラグがONに設定されていると判定した場合には(S288:NO)、制御装置80は、当該サブ処理を終了して、第1音楽出力処理を終了する。
一方、トレーニングフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S288:YES)、制御装置80は、ステップS289の処理に進む。ステップS289において、制御装置80は、周期音(例えば、一定周期のメトロノームのテンポ音、楽器のリズム音、掛け声等)と、再生音楽のスピーカ82を介した出力(再生)を停止した後、ステップS290の処理に進む。ステップS290において、制御装置80は、リズムフラグと音楽再生フラグをRAMから読み出し、各フラグをOFFに設定して、再度RAMに記憶した後、ステップS291の処理に進む。ステップS291において、制御装置80は、後述の「トレーニング情報送信処理」のサブ処理を実行した後、当該サブ処理を終了して、第1音楽出力処理を終了する。
ここで、制御装置80が実行する「トレーニング情報送信処理」のサブ処理について図24に基づいて説明する。図24に示すように、先ず、ステップS321において、制御装置80は、スタートボタン90A(図10参照)が押下されてから、終了ボタン90B(図9参照)が押下されるまでにEEPROMに記憶した腕振り速度情報から、今回の腕振り歩行トレーニングにおける、ユーザの腕振り平均速度を抽出して、この抽出した複数の腕振り平均速度の平均速度、最大速度、及び、最小速度をそれぞれ算出する。例えば、図25の上段に示す、時間T11~時間T18までのEEPROMに記憶した複数の腕振り平均速度から、制御装置80は、複数の腕振り平均速度の平均速度、最大速度、及び、最小速度をそれぞれ算出する。
そして、制御装置80は、複数の腕振り平均速度から算出した平均速度と、最大速度と、最小速度とを含む腕振り情報を作成してRAMに記憶した後、ステップS322の処理に進む。ステップS322において、制御装置80は、操作パネル画面90に表示された音楽選択部90G(図9参照)の各曲名表示欄90GB(図9参照)に表示された楽曲の曲名を一番上の欄から順番に並べた再生音楽情報を作成してRAMに記憶した後、ステップS323の処理に進む。
ステップS323において、制御装置80は、腕振り情報と再生音楽情報とをRAMから読み出す。そして、制御装置80は、EEPROMからユーザIDを読み出し、この腕振り情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を作成して、通信装置87を介してサーバ9へ送信した後、当該サブ処理を終了して、音楽再生処理のサブ処理に戻り、第1音楽出力処理を終了する。
[トレーニング情報作成処理]
次に、サーバ9の制御装置93が実行する「トレーニング情報作成処理」について図26に基づいて説明する。尚、図26にフローチャートで示されるプログラムは、制御装置93のEEPROMに予め記憶されている。
図26に示すように、先ず、ステップS411において、制御装置93は、通信装置97を介して、腕振り情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を受信したか否かを判定する。そして、腕振り情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を受信していないと判定した場合には(S411:NO)、制御装置93は、後述のステップS413の処理に進む。
一方、腕振り情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を受信したと判定した場合には(S411:YES)、制御装置93は、ステップS412の処理に進む。ステップS412において、制御装置93は、このトレーニング結果情報からユーザIDと、腕振り平均速度の平均速度と、最大速度と、最小速度とを含む腕振り情報と、を抽出する。そして、制御装置93は、この腕振り情報とユーザIDを対応づけて、記憶装置96のユーザ別腕振り速度記憶部96C(図10参照)に、腕振り歩行トレーニングを実施した日時情報等を付加して時系列的に記憶する。
続いて、制御装置93は、このトレーニング結果情報からユーザIDと、各曲名表示欄90GB(図9参照)に表示された楽曲の曲名を一番上の欄から順番に並べた再生音楽情報と、を抽出する。そして、制御装置93は、この再生音楽情報に対応する楽曲情報を音楽情報データベース96Aから読み出し、各楽曲情報とユーザIDを対応づけて、記憶装置96のユーザ別音楽情報記憶部96B(図10参照)に、腕振り歩行トレーニングを実施した日時情報等を付加して時系列的に記憶した後、ステップS413の処理に進む。これにより、ユーザの好む複数(例えば、5個)の楽曲情報がユーザID及びユーザの名前に対応づけて格納される。
ステップS413において、制御装置93は、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、腕振り速度規定値要求コマンドと、から構成された通信データを通信装置97を介して受信したか否かを判定する。そして、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、腕振り速度規定値要求コマンドと、から構成された通信データを通信装置97を介して受信していないと判定した場合には(S413:NO)、制御装置93は、当該処理を終了する。
一方、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、腕振り速度規定値要求コマンドと、から構成された通信データを通信装置97を介して受信していると判定した場合には(S413:YES)、制御装置93は、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、をRAMに記憶した後、ステップS414の処理に進む。ステップS414において、制御装置93は、記憶装置96のユーザ別音楽情報記憶部96B(図10参照)からユーザIDに対応する最新の複数(例えば、5個)の楽曲情報を読み出す。そして、制御装置93は、この最新の複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報を作成してRAMに記憶した後、ステップS415の処理に進む。
ステップS415において、制御装置93は、記憶装置96のユーザ別腕振り速度記憶部96CからユーザIDに対応する過去1ヶ月分の腕振り情報を読み出し、これらの腕振り情報から腕振り速度規定値(基準規定速度)を作成する。そして、制御装置93は、この作成した腕振り速度規定値(基準規定速度)とユーザIDを対応づけて、記憶装置96のユーザ別腕振り速度規定値記憶部96D(図10参照)に、腕振り歩行トレーニングを実施した日時情報等を付加して時系列的に記憶した後、ステップS416の処理に進む。
例えば、制御装置93は、ユーザ別腕振り速度記憶部96CからユーザIDに対応する過去1ヶ月分の腕振り平均速度の平均速度を時系列順に読み出し、これらの平均値を算出する。そして、制御装置93は、この平均値を腕振り速度規定値(基準規定速度)として、ユーザIDを対応づけて、記憶装置96のユーザ別腕振り速度規定値記憶部96D(図10参照)に、腕振り歩行トレーニングを実施した日時情報等を付加して時系列的に記憶した後、ステップS416の処理に進む。
尚、ユーザの10m快適歩行速度(所謂、10m通常歩行速度)を測定するときに、ユーザの腕振り平均速度も測定するようにしてもよい。そして、この腕振り平均速度を腕振り速度規定値(基準規定速度)として、ユーザIDを対応づけて、記憶装置96のユーザ別腕振り速度規定値記憶部96D(図10参照)に予め記憶するようにしてもよい。
ステップS416において、制御装置93は、上記ステップS414で作成した複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報をRAMから読み出す。また、制御装置93は、ユーザIDに対応する最新の腕振り速度規定値(基準規定速度)をユーザ別腕振り速度規定値記憶部96Dから読み出す。そして、制御装置93は、この音楽情報と、最新の腕振り速度規定値(基準規定速度)と、から構成された通信データを作成する。そして、制御装置93は、この音楽情報と腕振り速度規定値(基準規定速度)と、から構成された通信データに、上記ステップS413で受信したスマートフォン5の「識別ID」と「ユーザID」を付加して、通信装置97を介してスマートフォン5に送信した後、当該処理を終了する。
ここで、通信装置35は、装置用通信装置の一例として機能する。通信装置87は、端末用通信装置の一例として機能する。スマートフォン5は、携帯端末の一例として機能する。スマートフォン5の操作部85は、第1選択受付部の一例として機能する。通信装置97は、サーバ用通信装置の一例として機能する。スマートフォン5の制御装置80は、歩行状態取得部、知覚情報出力部、知覚出力調整部、経過時間測定部、経過時間判定部、端末送信部、端末受信部、目標歩行周期設定部、周期刺激情報設定部、及び、歩行タイミング教示部の一例として機能する。
歩行支援ロボット3の制御装置40は、走行制御装置の一例として機能する。進行速度検出装置33LE、33REは、走行速度検出装置の一例として機能する。サーバ9の制御装置93は、サーバ受信部、基準規定速度設定部、楽曲情報選択部、及び、サーバ送信部の一例として機能する。音楽情報データベース(音楽情報DB)96Aは、楽曲情報格納部の一例として機能する。操作部24L、24Rと、付勢部材25A、25Bと、移動量検出装置21LS、21RSは、腕振り機構部の一例を構成する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る歩行支援システム99について図27から図31に基づいて説明する。尚、上記第1実施形態に係る歩行支援システム1と同一符号は、上記第1実施形態に係る歩行支援システム1と同一あるいは相当部分を示すものである。
第2実施形態に係る歩行支援システム99は、図1に示すように、第1実施形態に係る歩行支援システム1とほぼ同じ構成である。但し、第2実施形態に係る歩行支援システム99を構成するスマートフォン5の制御装置80は、操作パネル画面90(図9参照)をディスプレイ81に表示する。その後、スマートフォン5の制御装置80は、所定時間間隔(例えば、数[ms]間隔)で、上記「第1音楽出力処理」(図15参照)に替えて、後述の「第2音楽出力処理」(図27参照)を実行する点で異なっている。
[第2音楽出力処理]
スマートフォン5の制御装置80が実行する「第2音楽出力処理」について図27から図31に基づいて説明する。尚、図27から図29にフローチャートで示されるプログラムは、制御装置80のEEPROMに予め記憶されている。
図27に示すように、ステップS31において、制御装置80は、上述した「第1音楽出力処理」(図15参照)の上記ステップS21で実行した「モード選択処理」のサブ処理を実行した後、ステップS32の処理に進む。ステップS32において、制御装置80は、上記ステップS22で実行した「スタート・停止処理」のサブ処理を実行した後、ステップS33の処理に進む。
ステップS33において、制御装置80は、上記ステップS23で実行した「情報取得処理」のサブ処理を実行した後、ステップS34の処理に進む。ステップS34において、制御装置80は、上記ステップS24で実行した「音楽選択処理」のサブ処理を実行した後、ステップS35の処理に進む。ステップS35において、制御装置80は、上記「音楽再生処理」のサブ処理(図21及び図22参照)に替えて「第2音楽再生処理」のサブ処理(図28参照)を実行した後、当該第2音楽出力処理を終了する。
[第2音楽再生処理]
次に、上記「第2音楽再生処理」のサブ処理について図28に基づいて説明する。図28に示すように、制御装置80は、先ず、上記ステップS271~ステップS277の処理(図21参照)を実行する。そして、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上であると判定した場合には(S277:YES)、制御装置80は、ステップS501の処理に進む。
ステップS501において、制御装置80は、上記ステップS260でEEPROMに記憶した音楽情報から再生音楽に設定されている楽曲情報を読み出し、当該楽曲情報に含まれている再生速度規定値(基準再生速度)を抽出してRAMに記憶する。そして、制御装置80は、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する際の再生速度をRAMから読み出し、再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)に設定して、再度RAMに記憶した後、ステップS502の処理に進む。ステップS502において、制御装置80は、再生音楽の再生速度をRAMから読み出し、この再生速度で再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)した後、上記ステップS284(図22参照)の処理に進む。
ここで、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になった場合に(S277:YES)、制御装置80が実行する再生音楽の出力(再生)(S501~S502)の一例について、図31に基づいて説明する。図31に示すように、制御装置80は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になった各時間T21~T22,T23~T24、T25~T26の間は、再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)に設定して、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する。
これにより、ユーザは、再生音楽が再生速度規定値(基準再生速度)で再生されることによって、歩行支援ロボット3を使用して、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で腕振り歩行していることを容易に認識できる。また、ユーザは、音楽を聴きながら、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で楽しく腕振り歩行トレーニングを行うことができ、腕振り歩行トレーニングが長続きしてトレーニング効果を上げることが可能となる。また、ユーザは、再生音楽を聴きながら、腕振り歩行トレーニングを行うことができ、認知機能にプラスの影響が期待できる。
一方、上記ステップS277でユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)未満である、つまり、腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅いと判定した場合には(S277:NO)、制御装置80は、ステップS503の処理に進む。ステップS503において、制御装置80は、後述の再生音楽の再生速度を減速させる「再生速度減速処理」のサブ処理(図29参照)を実行した後、上記ステップS502の処理に進む。
[再生速度減速処理]
ここで、ステップS503において、制御装置80が実行する「再生速度減速処理」のサブ処理について図29及び図30に基づいて説明する。図29に示すように、先ず、ステップS511において、制御装置80は、上記ステップS260でEEPROMに記憶した腕振り速度規定値(基準規定速度)を読み出すと共に、上記ステップS253でRAMに記憶した腕振り平均速度を読み出す。そして、制御装置80は、腕振り速度規定値(基準規定速度)に対する腕振り平均速度の速度差を算出して、つまり、腕振り速度規定値(基準規定速度)から腕振り平均速度を減算して速度差を算出し、RAMに記憶した後、ステップS512の処理に進む。
ステップS512において、制御装置80は、再生音楽の再生速度の減速量を、例えば、図30に示す速度差と再生速度の減速量との関係を対応づけた再生減速量マップM1を用いて取得して、RAMに記憶した後、ステップS513の処理に進む。図30には、腕振り速度規定値(基準規定速度)に対する腕振り平均速度の速度差と再生速度の減速量との関係を対応づけた再生減速量マップM1の一例が示されている。この再生減速量マップM1は、予めEEPROMに記憶されている。
ステップS513において、制御装置80は、上記ステップS260でEEPROMに記憶した音楽情報から再生音楽に設定されている楽曲情報を読み出し、当該楽曲情報に含まれている再生速度規定値(基準再生速度)を抽出してRAMに記憶する。そして、制御装置80は、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する際の再生速度をRAMから読み出し、再生速度規定値(基準再生速度)から上記ステップS512で取得した再生速度の減速量だけ減速した再生速度に設定して、再度RAMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS502の処理に進む。
図28に示すように、ステップS502において、制御装置80は、再生音楽の再生速度をRAMから読み出し、この再生速度で再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)した後、上記ステップS284の処理に進む。そして、制御装置80は、上記ステップS284~ステップS291の処理(図22参照)を実行した後、当該サブ処理を終了して、第2音楽出力処理を終了する。
ここで、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)未満になった場合、つまり、腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅い腕振り平均速度になった場合に(S277:NO)、制御装置80が実行する再生音楽の出力(再生)(S503~S502)の一例について、図31に基づいて説明する。図31に示すように、制御装置80は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった各時間T22~T23、T24~T25、T26~において、腕振り速度規定値(基準規定速度)からの減速量が大きくなるに従って、再生音楽の再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)から順次遅くなるように減速して、スピーカ82を介して再生音楽を出力(再生)している。
そして、制御装置80は、ユーザの腕振り平均速度が、再度、腕振り速度規定値(基準規定速度)に順次近づくように速くなるに従って、再生音楽の再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)に順次近づくように増速して、スピーカ82を介して再生音楽を出力(再生)している。これにより、ユーザは、再生音楽の再生速度が順次遅くなるように減速していくことによって、腕振り平均速度が低下しているのを認識することができる。その結果、ユーザは、腕振り平均速度を再度、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上で腕振り歩行しようとして、つまり、腕振りをもっと速くしようとして腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して腕振り歩行トレーニングを続けることができる。
ここで、通信装置35は、装置用通信装置の一例として機能する。通信装置87は、端末用通信装置の一例として機能する。スマートフォン5は、携帯端末の一例として機能する。スマートフォン5の操作部85は、第1選択受付部の一例として機能する。通信装置97は、サーバ用通信装置の一例として機能する。スマートフォン5の制御装置80は、歩行状態取得部、知覚情報出力部、知覚出力調整部、端末送信部、端末受信部、目標歩行周期設定部、周期刺激情報設定部、及び、歩行タイミング教示部の一例として機能する。
歩行支援ロボット3の制御装置40は、走行制御装置の一例として機能する。進行速度検出装置33LE、33REは、走行速度検出装置の一例として機能する。サーバ9の制御装置93は、サーバ受信部、基準規定速度設定部、楽曲情報選択部、及び、サーバ送信部の一例として機能する。音楽情報データベース(音楽情報DB)96Aは、楽曲情報格納部の一例として機能する。操作部24L、24Rと、付勢部材25A、25Bと、移動量検出装置21LS、21RSは、腕振り機構部の一例を構成する。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る歩行支援システム101について図32から図41に基づいて説明する。尚、上記第1実施形態に係る歩行支援システム1と同一符号は、上記第1実施形態に係る歩行支援システム1と同一あるいは相当部分を示すものである。
第3実施形態に係る歩行支援システム101は、第1実施形態に係る歩行支援システム1とほぼ同じ構成である。但し、図32に示すように、歩行支援システム101は、歩行支援ロボット102と、サーバ9と、から構成されている。歩行支援ロボット102とサーバ9は、インターネット等のネットワーク7を介してWi-Fi(登録商標)等により相互に無線通信による情報データの送受信が可能に構成されている。
図32に示すように、第3実施形態に係る歩行支援ロボット102は、歩行支援ロボット3とほぼ同じ構成である。但し、歩行支援ロボット102は、スマートフォン5及び取付部材18に替えて、表示装置103が、シャフト保持部22Rの上端面のメインスイッチ29よりも前側部分に設けられている。尚、表示装置103は、シャフト保持部22Lの上端面に設けられてもよい。また、制御装置40には、通信装置35に替えて、通信装置37が電気的に接続されている。制御装置40は、通信装置37を介して、インターネット等のネットワーク7を介してWi-Fi(登録商標)等によりサーバ9と無線通信による情報データの送受信が可能に構成されている。
図33に示すように、表示装置103は、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ104と、ディスプレイ104の上端縁部の上側に配置されるスピーカ105と、ディスプレイ104の下端縁部の下側に配置されるマイク106と、ディスプレイ104の表示画面の全体を覆うタッチパネル等からなる操作部107等を備えている。
[歩行支援ロボット102の制御構成]
図34に示すように、歩行支援ロボット102の制御構成は、第1実施形態に係る歩行支援ロボット3とほぼ同じ制御構成である。従って、収容ボックス14内に収容された制御装置40が、歩行支援ロボット102の全体を駆動制御している。
但し、図34に示すように、通信装置35(図1参照)に替えて、通信装置37が電気的に接続されている。制御装置40は、通信装置37を介してWi-Fi(登録商標)等によりインターネット等のネットワーク7(図32参照)に接続可能に構成されている。また、制御装置40には、表示装置103を構成するディスプレイ104、スピーカ105、マイク106、操作部107等が電気的に接続されている。
そして、制御装置40は、マイク106からの音声検出信号、操作部107からのユーザによるタッチパネル等の操作に対応する操作信号等が入力される。また、制御装置40は、ディスプレイ104に各種アイコンや種々の入力ボタン等の画像を表示させる画像表示信号を出力し、スピーカ105に音声や音楽や周期音等を出力させる駆動信号を出力する。
[歩行トレーニング制御の詳細]
次に、ユーザが上記のように構成された歩行支援システム101の歩行支援ロボット102を用いて歩行トレーニングを行う際に、歩行支援ロボット102の制御装置40と、サーバ9の制御装置93が行う処理手順について図35から図41に基づいて説明する。
<サーバ9の制御装置93が行う処理手順>
サーバ9の制御装置93は、第1実施形態に係る歩行支援システム1と同様に、所定時間間隔(例えば、数[ms]間隔)で、図26に示す「トレーニング情報作成処理」を実行して、ステップS411へ処理を進め、ステップS411以降の処理を実行する。尚、上記ステップS416において、サーバ9の制御装置93は、上記ステップS414で作成した音楽情報と、上記ステップS415でユーザ別腕振り速度規定値記憶部96Dに記憶した最新の腕振り速度規定値(基準規定速度)と、から構成された通信データを作成する。
そして、制御装置93は、この音楽情報と腕振り速度規定値(基準規定速度)と、から構成された通信データに、上記ステップS413で受信した歩行支援ロボット102の「識別ID」とユーザIDとを付加して、通信装置97を介して歩行支援ロボット102に送信した後、当該処理を終了する。
<歩行支援ロボット102の制御装置40が行う処理手順>
また、ユーザが歩行支援ロボット102のメインスイッチ29をONにすると、歩行支援ロボット102の制御装置40は起動されて、図33の左側に示すように、表示装置103のディスプレイ104に、歩行支援ロボット102を使用するユーザの名前又はユーザIDを登録するユーザ登録画面109を表示して、表示装置103をユーザ登録用操作パネルとして機能させる。
具体的には、図33の左側に示すように、制御装置40は、ディスプレイ104の中央部に文字ボタン81Gを表示すると共に、文字ボタン81Gを押下して入力した名前またはユーザIDを表示する表示欄81Fを文字ボタン81Gの上側に表示する。また、制御装置40は、表示欄81Fに表示した名前又はユーザIDを登録するように指示する登録ボタン81Hを文字ボタン81Gの右下側に表示する。
そして、図33の左側に示すように、ユーザは、文字ボタン81Gを押下して歩行支援ロボット102を使用するユーザの名前又はユーザIDを表示欄81Fに表示する。その後、ユーザが指89で登録ボタン81Hを押下すると、制御装置40は、ユーザ名又はユーザIDをEEPROMに記憶した後、例えば、図33の右側に示すように、表示装置103を歩行支援ロボット102の操作パネルとして機能させると共に、後述の第2歩行トレーニング支援処理(図35参照)のプログラムを含む歩行トレーニング用プログラムを起動して実行する。
具体的には、図33の右側に示すように、制御装置40は、スタートボタン90A、終了ボタン90B、アシスト開始ボタン90C、トレーニング開始ボタン90D、バッテリ残量表示部90E、リズム開始ボタン90F、音楽選択部90G等が表示された操作パネル画面90をディスプレイ104に表示する。また、制御装置40は、タッチパネル等で構成された操作部107を介して、各ボタン90A~90D、90F等が指89で押下されたことを検出する。
例えば、ディスプレイ104に表示されたスタートボタン90Aが押下されると歩行支援ロボット102の走行制御が開始される。終了ボタン90Bが押下されると歩行支援ロボット102の走行制御が停止される。アシスト開始ボタン90Cが押下されると歩行支援ロボット102の動作モードがアシストモードに設定される。トレーニング開始ボタン90Dが押下されると歩行支援ロボット102の動作モードが腕振りトレーニングモード、又は、制動トレーニングモードに設定される。リズム開始ボタン90Fが押下されると目標歩行周期に合わせたリズム音が出力される。
バッテリ残量表示部90Eには、歩行支援ロボット102のバッテリBのバッテリ残量が表示される。音楽選択部90Gは、歩行トレーニング時に出力する楽曲をユーザが選択するための入力部である。例えば、ユーザは、各曲名選択ボタン90GAを押下して、好みの楽曲の曲名を一番上の曲名表示欄90GBに移動させて表示する。その結果、歩行支援ロボット102を用いた腕振りトレーニングモードの歩行トレーニング時に、一番上の曲名表示欄90GBに表示された曲名の楽曲がスピーカ105を介して出力(再生)される。
[第2歩行トレーニング支援処理]
次に、歩行支援ロボット102の制御装置40が実行する「第2歩行トレーニング支援処理」について図35から図41に基づいて説明する。尚、図35から図41にフローチャートで示されるプログラムは、制御装置40のEEPROMに予め記憶されている。
図35に示すように、先ず、ステップS41において、制御装置40は、スマートフォン5の制御装置80が実行した上述の「第1音楽出力処理」(図15参照)のステップS21の「モード選択処理」のサブ処理(図16参照)を実行した後、ステップS42の処理に進む。ステップS42において、制御装置40は、「第2スタート・停止処理」のサブ処理(図36参照)を実行した後、ステップS43の処理に進む。ステップS43において、制御装置40は、「第2バッテリ処理」(図37参照)を実行した後、ステップS44の処理に進む。ステップS44において、制御装置40は、「第2走行制御処理」(図38参照)を実行した後、ステップS45の処理に進む。
ステップS45において、制御装置40は、「第2情報取得処理」(図39参照)を実行した後、ステップS46の処理に進む。ステップS46において、制御装置40は、スマートフォン5の制御装置80が実行した上述の「第1音楽出力処理」(図16参照)のステップS24の「音楽選択処理」のサブ処理(図20参照)を実行した後、ステップS47の処理に進む。ステップS47において、制御装置40は、「第3音楽再生処理」(図40及び図41参照)を実行した後、当該第2歩行トレーニング支援処理を終了する。
[第2スタート・停止処理]
次に、上記ステップS42の「第2スタート・停止処理」のサブ処理について図36に基づいて説明する。図36に示すように、先ず、ステップS601において、制御装置40は、ディスプレイ104に表示している操作パネル画面90(図33参照)のスタートボタン90A(図33参照)が指89(図33参照)で押下されたか否かを判定する。尚、ユーザは、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードの歩行トレーニング、若しくは、アシストモードの歩行支援で歩行を開始する場合に、スタートボタン90Aを指89で押下する。
そして、スタートボタン90Aが指89で押下されたと判定した場合には(S601:YES)、制御装置40は、ステップS602の処理に進む。ステップS602において、制御装置40は、トレーニングフラグをRAMから読み出し、このトレーニングフラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、トレーニングフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S602:NO)、制御装置40は、後述のステップS604の処理に進む。一方、トレーニングフラグがONに設定されていると判定した場合には(S602:YES)、制御装置40は、ステップS603の処理に進む。
ステップS603において、制御装置40は、トレーニングスタートフラグをRAMから読み出し、このトレーニングスタートフラグをONに設定して再度RAMに記憶した後、ステップS604の処理に進む。ステップS604において、制御装置40は、アシストフラグをRAMから読み出し、このアシストフラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、アシストフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S604:NO)、制御装置40は、当該サブ処理を終了して、上記ステップS43の「第2バッテリ処理」のサブ処理に進む。尚、制御装置40の起動時に、トレーニングスタートフラグはOFFに設定されてRAMに記憶される。
一方、アシストフラグがONに設定されていると判定した場合には(S604:YES)、制御装置40は、ステップS605の処理に進む。ステップS605において、制御装置40は、アシストスタートフラグをRAMから読み出し、このアシストスタートフラグをONに設定して再度RAMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS43の「第2バッテリ処理」のサブ処理に進む。尚、制御装置40の起動時に、アシストスタートフラグはOFFに設定されてRAMに記憶される。
他方、上記ステップS601でスタートボタン90Aが指89で押下されていないと判定した場合には(S601:NO)、制御装置40は、ステップS606の処理に進む。ステップS606において、制御装置40は、ディスプレイ104に表示している操作パネル画面90(図33参照)の終了ボタン90B(図33参照)が指89(図33参照)で押下されたか否かを判定する。尚、ユーザは、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードの歩行トレーニング、若しくは、アシストモードの歩行支援で歩行をしている状態を終了する場合に、終了ボタン90Bを指89で押下する。
そして、終了ボタン90Bが指89で押下されていないと判定した場合には(S606:NO)、制御装置40は、当該サブ処理を終了して、上記ステップS43の「第2バッテリ処理」のサブ処理に進む。これにより、ユーザが、腕振りトレーニングモード又は制動トレーニングモードの歩行トレーニング、若しくは、アシストモードの歩行支援で歩行している場合は、その状態で歩行が継続される。
一方、終了ボタン90Bが指89で押下されたと判定した場合には(S606:YES)、制御装置40は、ステップS607の処理に進む。ステップS607において、制御装置40は、トレーニングフラグと、アシストフラグと、リズムフラグと、音楽情報取得フラグと、第2腕振りフラグとをRAMから読み出し、それぞれをOFFに設定して、再度RAMに記憶した後、ステップS608の処理に進む。
尚、トレーニングフラグと、アシストフラグと、リズムフラグと、音楽情報取得フラグと、第2腕振りフラグは、制御装置40の起動時に、OFFに設定されてRAMに記憶される。この音楽情報取得フラグは、後述のように、サーバ9から音楽情報を受信した場合にONに設定される(図39参照)。第2腕振りフラグは、後述のように、腕振り速度情報をEEPROMに時系列的に記憶した場合にONに設定される(図38参照)。
ステップS608において、制御装置40は、トレーニングスタートフラグと、アシストスタートフラグとをRAMから読み出し、それぞれをOFFに設定して、再度RAMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS43の「第2バッテリ処理」のサブ処理に進む。これにより、歩行支援ロボット102は、停止した状態となる(図38参照)。
[第2バッテリ処理]
次に、上記ステップS43の「第2バッテリ処理」のサブ処理について図37に基づいて説明する。図37に示すように、ステップS611において、制御装置40は、バッテリBに設けられた不図示のバッテリ残量検出装置から入力されたバッテリ残量(SOC)検出信号からバッテリBのバッテリ残量を検出した後、ステップS612の処理に進む。ステップS612において、制御装置40は、このバッテリ残量(SOC)をバッテリ残量表示部90E(図33参照)に表示した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS44の「第2走行制御処理」のサブ処理に進む。
[第2走行制御処理]
次に、上記ステップS44の「第2走行制御処理」のサブ処理について図38に基づいて説明する。図38に示すように、第2走行制御処理のサブ処理は、第1実施形態に係る歩行支援ロボット3の制御装置40が上述の「歩行トレーニング処理」(図11参照)のステップS12で実行した「走行制御処理」のサブ処理(図13参照)とほぼ同じ処理である。
但し、図38に示すように、「第2走行制御処理」のサブ処理では、制御装置40は、上記ステップS126の処理に替えて、ステップS621~ステップS623の処理を実行した後、ステップS132の処理に進む点で異なっている。また、制御装置40は、上記ステップS133の処理に替えて、ステップS624の処理を実行する点で異なっている。
具体的には、ステップS621において、制御装置40は、各シャフト21L、21Rの移動速度、つまり、ユーザの左右の腕振り速度をRAMから読み出し、この左右の腕振り速度を含む「腕振り速度情報」を作成する。そして、制御装置40は、ユーザの左右の腕振り速度を含む「腕振り速度情報」と、タイマから取得した時刻情報とから構成されるデータを、ユーザを識別するユーザIDに紐付けてEEPROMに時系列的に記憶した後、ステップS622の処理に進む。
ステップS622において、制御装置40は、ユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶されている最新の「腕振り速度情報」から所定時間(例えば、約1秒~2秒である。)遡った時間までの複数の「腕振り速度情報」を順次読み出し、「腕振り平均速度」を算出してRAMに記憶した後、ステップS623の処理に進む。
例えば、図19に示すように、ユーザの腕振りが速いときには、実線の腕振り速度曲線55で示すように、グリップハンドル20L又はグリップハンドル20Rの腕振り速度は、短い周期で変化する。また、ユーザの腕振りが遅いときには、破線の腕振り速度曲線56で示すように、グリップハンドル20L又はグリップハンドル20Rの腕振り速度は、比較的長い周期で変化する。また、グリップハンドル20L、20Rが、前方側限界位置Ma(前端)に位置したとき、又は、後方側限界位置Mb(後端)に位置したときに、腕振り速度がほぼ0になる。
従って、制御装置40は、グリップハンドル20L又はグリップハンドル20Rの最新の「腕振り速度情報」から所定時間(例えば、約1秒~2秒である。)遡った時間までの複数の「腕振り速度情報」をEEPROMから順次読み出す。そして、制御装置40は、各「腕振り速度情報」に含まれる腕振り速度の変化から、最新の腕振り速度から過去約1周期分の複数の腕振り速度を抽出する。続いて、制御装置40は、抽出した約1周期分の複数の腕振り速度の平均速度V1、V2を算出して、「腕振り平均速度」としてRAMに記憶した後、ステップS623の処理に進む。
図38に示すように、ステップS623において、制御装置40は、腕振り速度情報をEEPROMに時系列的に記憶した旨を表す第2腕振りフラグをRAMから読み出し、ONに設定して再度、RAMに記憶した後、上記ステップS132の処理に進む。尚、第2腕振りフラグは、制御装置40の起動時に、OFFに設定されてRAMに記憶される。
また、制御装置40は、ステップS132の処理を実行した後、ステップS624の処理に進む。ステップS624において、制御装置40は、ユーザの歩行速度、つまり、歩行支援ロボット3の進行速度をRAMから読み出す。そして、制御装置40は、このユーザの歩行速度を含む歩行速度情報にタイマから取得した時刻情報を付加して、ユーザを識別するユーザIDに紐付けてEEPROMに時系列的に記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS45の「第2情報取得処理」のサブ処理に進む。
また、図38に示すように、「第2走行制御処理」のサブ処理では、ステップS134において、制御装置40は、左右の電動モータ33L、33Rの駆動を停止して、左右の駆動輪32L、32R(左右の後輪)を停止させた後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS45の「第2情報取得処理」のサブ処理に進む。
[第2情報取得処理]
次に、上記ステップS45の「第2情報取得処理」のサブ処理について図39に基づいて説明する。図39に示すように、制御装置40は、先ず、第1実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80が実行した上述の「情報取得処理」のサブ処理(図18参照)のうちのステップS255~ステップS256の処理を実行する。
そして、RAMから読み出した音楽情報取得フラグがONに設定されていると判定した場合には(S255:NO)、制御装置40は、当該サブ処理を終了して、上記ステップS46の「音楽選択処理」のサブ処理に進む。また、RAMから読み出したトレーニングフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S256:NO)、制御装置40は、当該サブ処理を終了して、上記ステップS46の「音楽選択処理」のサブ処理に進む。
一方、RAMから読み出した音楽情報取得フラグがOFFに設定されており、且つ、RAMから読み出したトレーニングフラグがONに設定されていると判定した場合には(S255:YES、且つ、S256:YES)、制御装置40は、ステップS641の処理に進む。ステップS641において、制御装置40は、第2腕振りフラグをRAMから読み出し、この第2腕振りフラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、第2腕振りフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S641:NO)、制御装置40は、腕振りトレーニングモードでの歩行トレーニングでないと判定して、当該サブ処理を終了して、上記ステップS46の「音楽選択処理」のサブ処理に進む。
一方、第2腕振りフラグがONに設定されていると判定した場合には(S641:YES)、制御装置40は、ステップS642の処理に進む。ステップS642において、制御装置40は、歩行支援ロボット102を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、腕振り速度規定値要求コマンドと、を通信装置37を介してサーバ9へ送信した後、ステップS643の処理に進む。
ここで、音楽情報要求コマンドは、腕振りトレーニングモードでの歩行トレーニング時にスピーカ105を介して出力(再生)可能な複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報の送信を要求するコマンドである。腕振り速度規定値要求コマンドは、腕振りトレーニングモードでの歩行トレーニング時に、ユーザの基準とする腕振り速度規定値(基準規定速度)を要求するコマンドである。
ステップS643において、制御装置40は、通信装置37を介して、歩行支援ロボット102を識別する識別IDと、ユーザIDと、複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と、腕振り速度規定値(基準規定速度)とから構成された通信データをサーバ9から受信するのを待つ(S643:NO)。そして、制御装置40は、通信装置37を介して、歩行支援ロボット102を識別する識別IDと、ユーザIDと、複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と、腕振り速度規定値(基準規定速度)とから構成された通信データをサーバ9から受信した場合には(S643:YES)、ステップS644の処理に進む。
ステップS644において、制御装置40は、通信装置37を介してサーバ9から受信した複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と、腕振り速度規定値(基準規定速度)をユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶する。続いて、制御装置40は、第1実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80が実行した上述の「情報取得処理」のサブ処理(図18参照)のうちのステップS261~ステップS263の処理を実行した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS46の「音楽選択処理」のサブ処理に進む。
[音楽選択処理]
次に、ステップS46において、制御装置40は、第1実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80が実行した上述の「音楽選択処理」のサブ処理(図20参照)を実行した後、上記ステップS47の「第3音楽再生処理」のサブ処理に進む。具体的には、表示装置103のディスプレイ104に表示された操作パネル画面90の曲名選択ボタン90GA(図33参照)が指89で押下されていないと判定した場合には(S265:NO)、制御装置40は、当該サブ処理を終了して、上記ステップS47の「第3音楽再生処理」のサブ処理に進む。
また、ステップS267において、制御装置40は、表示装置103のディスプレイ104に表示された音楽選択部90Gの各曲名表示欄90GBのうちの一番上側の曲名表示欄90GB(図33参照)に表示された曲名を含む楽曲情報を、腕振りトレーニングモードの歩行トレーニング時に、スピーカ105(図33参照)を介して出力(再生)する再生音楽として再設定して、EEPROMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS47の「第3音楽再生処理」のサブ処理に進む。
[第3音楽再生処理]
次に、上記ステップS47の「第3音楽再生処理」のサブ処理について図40及び図41に基づいて説明する。図40に示すように、制御装置40は、先ず、第1実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80が実行した上述の「音楽再生処理」のサブ処理(図21参照)のうちのステップS272の処理を実行した後、ステップS651の処理に進む。
ステップS651において、制御装置40は、第2腕振りフラグをRAMから読み出し、この第2腕振りフラグがONに設定されているか否かを判定する。そして、第2腕振りフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S651:NO)、制御装置40は、腕振りトレーニングモードでの歩行トレーニングでないと判定して、当該サブ処理を終了して、第2歩行トレーニング支援処理を終了する。
一方、第2腕振りフラグがONに設定されていると判定した場合には(S651:YES)、制御装置40は、第1実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80が実行した上述の「音楽再生処理」のサブ処理(図21参照)のうちのステップS274~ステップS282の処理を実行した後、ステップS652の処理に進む。尚、ステップS278において、制御装置40は、図23に示す「音量低下処理」のサブ処理(ステップS311~ステップS314)を実行した後、ステップS652の処理に進む。
ステップS652において、制御装置40は、再生音楽の設定音量をRAMから読み出し、この設定音量で再生音楽をスピーカ105を介して出力(再生)した後、上述の「音楽再生処理」のサブ処理(図22参照)のうちのステップS284の処理を実行する。
ここで、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)未満になった場合、つまり、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった場合に(S277:NO)、制御装置40が実行する再生音楽の出力(再生)(S277~S652)の一例について、図25に基づいて説明する。図25に示すように、制御装置40は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった時間T12及び時間T16からの経過時間が、それぞれ、規定時間T1(例えば、5秒)に達するまで、音量規定値(基準音量)に設定された設定音量で再生音楽をスピーカ105を介して出力(再生)する。尚、音量規定値(基準音量)は、予めユーザIDに紐付けられてEEPROMに記憶されている。
その後、制御装置40は、再生音楽の設定音量をΔV2レベルずつ低下させて、スピーカ105を介して出力(再生)する。これにより、ユーザは、再生音楽の音量が低下していくことによって、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなっていることを認識することができる。その結果、ユーザは、腕振り平均速度を再度、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上で腕振り歩行しようとして、つまり、腕振りをもっと速くしようとして腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、歩行支援ロボット102を用いた腕振り歩行トレーニングを継続して続けることができる。
また、制御装置40は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった時間T14からの経過時間が、規定時間T1に達する前に、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になったため、再生音楽の音量を時間T14で設定された音量規定値(基準音量)の設定音量から低下させないで、スピーカ105を介して出力(再生)する。これにより、ユーザは、再生音楽を聴きながら、安定して腕振り歩行トレーニングを行うことができる。
また、制御装置40は、ユーザの腕振り平均速度が、時間T17で腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になった後、短時間の経過後(例えば、1秒経過後)、腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった時間T18からの経過時間が、規定時間T1(例えば、5秒)に達するまで、時間T18で設定された設定音量で、再生音楽をスピーカ105を介して出力(再生)する。その後、制御装置40は、再生音楽の設定音量をΔV2レベルずつ低下させて、スピーカ82を介して出力(再生)している。これにより、ユーザは、音量が徐々に低下する再生音楽を聴きながら、腕振り歩行トレーニングを終了することができる。
次に、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になった場合に(S277:YES)、制御装置40が実行する再生音楽の出力(再生)(S280~S652)の一例について、図25に基づいて説明する。図25に示すように、制御装置40は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になった各時間T11、T13、T15、T17から、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上であれば、再生音楽の設定音量をΔV1レベルずつ上げて、スピーカ105を介して出力(再生)する。
そして、制御装置40は、再生音楽の設定音量が音量規定値(基準音量)に達すると、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上であっても、再生音楽の設定音量を音量規定値(基準音量)の一定音量に設定する。これにより、ユーザは、再生音楽が音量規定値(基準音量)で再生されることによって、歩行支援ロボット102を使用して、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で腕振り歩行していることを容易に認識できる。
また、ユーザは、音楽を聴きながら、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で楽しく腕振り歩行トレーニングを行うことができ、歩行支援ロボット102を用いた腕振り歩行トレーニングが長続きしてトレーニング効果を上げることが可能となる。また、ユーザは、再生音楽を聴きながら、腕振り歩行トレーニングを行うことができ、認知機能にプラスの影響が期待できる。
次に、図41に示すように、ステップS284で、リズムフラグがONに設定されていると判定した場合には(S284:YES)、制御装置40は、ステップS285の処理に進む。ステップS285において、制御装置40は、予めEEPROMに記憶するユーザの年齢や身長に対応する基準歩幅を、予めEEPROMに記憶する歩幅マップ(不図示)から取得する。
そして、制御装置40は、この基準歩幅と、上記ステップS644でEEPROMに記憶したユーザの腕振り速度規定値(基準規定速度)と、から歩行周期を算出して目標歩行周期としてRAMに記憶した後、ステップS653の処理に進む。例えば、制御装置40は、腕振り速度規定値(基準規定速度)に対応する歩行支援ロボット102の走行速度をユーザの歩行速度とする。そして、制御装置40は、この歩行速度をユーザの基準歩幅で除算して歩行周期を算出し、目標歩行周期としてRAMに記憶するようにしてもよい。
尚、制御装置40は、上記ステップS643でサーバ9からユーザの腕振り速度規定値と共に目標歩行周期を受信して、EEPROMに記憶するようにしてもよい。この場合には、サーバ9の制御装置93が、予めEEPROMに記憶するユーザの年齢や身長に対応する基準歩幅を、予めEEPROMに記憶する歩幅マップ(不図示)から取得する。そして、制御装置93は、ユーザの基準歩幅と腕振り速度規定値(基準規定速度)と、からユーザの目標歩行周期を算出する。
ステップS653において、制御装置40は、この目標歩行周期に等しい周期に設定した周期音(例えば、一定周期のメトロノームのテンポ音、楽器のリズム音、掛け声等)(周期刺激情報)をスピーカ105を介して出力(再生)して、ステップS288の処理に進む。これにより、制御装置40は、ユーザに対して腕振り速度規定値(基準規定速度)で腕振り歩行する歩行タイミングを教示することができる。
従って、ユーザは、教示される歩行タイミングに従って腕振り歩行することによって、腕振り平均速度が改善される腕振り歩行トレーニングを行うことができ、歩行能力を改善することができる。また、ユーザは、教示される歩行のタイミングに従って腕振り歩行することによって、腕振り歩行のタイミングを取り易くなり、腕振り平均速度が改善される腕振り歩行トレーニングを容易に実行することができる。
一方、上記ステップS284で、リズムフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S284:NO)、制御装置40は、ステップS654の処理に進む。ステップS654において、制御装置40は、目標歩行周期に等しい周期に設定した周期音(例えば、一定周期のメトロノームのテンポ音、楽器のリズム音、掛け声等)(周期刺激情報)のスピーカ105を介した出力(再生)を停止した後、ステップS288の処理に進む。
そして、ステップS288において、トレーニングフラグがONに設定されていると判定した場合には(S288:NO)、制御装置40は、当該サブ処理を終了して、第2歩行トレーニング支援処理を終了する。一方、トレーニングフラグがOFFに設定されていると判定した場合には(S288:YES)、制御装置40は、ステップS655の処理に進む。ステップS655において、制御装置40は、周期音(例えば、一定周期のメトロノームのテンポ音、楽器のリズム音、掛け声等)と、再生音楽のスピーカ105を介した出力(再生)を停止した後、上記ステップS290~ステップS291の処理(図22参照)を実行した後、当該サブ処理を終了して、第2歩行トレーニング支援処理を終了する。
尚、ステップS290において、制御装置40は、第1実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80が実行した上述の「トレーニング情報送信処理」のサブ処理(図24参照)のステップS321~ステップS323の処理を実行する。ここで、ステップS323において、制御装置40は、腕振り情報と再生音楽情報とをRAMから読み出す。そして、制御装置40は、EEPROMからユーザIDを読み出し、この腕振り情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を作成して、通信装置37を介してサーバ9へ送信する。その後、制御装置40は、「トレーニング情報送信処理」のサブ処理を終了して、第3音楽再生処理のサブ処理に戻り、第2歩行トレーニング支援処理を終了する。
ここで、通信装置37は、装置用通信装置の一例として機能する。通信装置97は、サーバ用通信装置の一例として機能する。歩行支援ロボット102の制御装置40は、歩行状態取得部、知覚情報出力部、知覚出力調整部、装置送信部、装置受信部、走行制御装置、目標歩行周期設定部、周期刺激情報設定部、及び、歩行タイミング教示部の一例として機能する。
進行速度検出装置33LE、33REは、走行速度検出装置の一例として機能する。表示装置103の操作部107は、第2選択受付部の一例として機能する。サーバ9の制御装置93は、サーバ受信部、基準規定速度設定部、楽曲情報選択部、及び、サーバ送信部の一例として機能する。音楽情報データベース(音楽情報DB)96Aは、楽曲情報格納部の一例として機能する。操作部24L、24Rと、付勢部材25A、25Bと、移動量検出装置21LS、21RSは、腕振り機構部の一例を構成する。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る歩行支援システム121について図42及び図43に基づいて説明する。尚、上記第3実施形態に係る歩行支援システム101と同一符号は、上記第3実施形態に係る歩行支援システム101と同一あるいは相当部分を示すものである。
第4実施形態に係る歩行支援システム121は、図32に示すように、第3実施形態に係る歩行支援システム101とほぼ同じ構成である。但し、第4実施形態に係る歩行支援システム121を構成する歩行支援ロボット102の制御装置40は、操作パネル画面90を表示装置103のディスプレイ104に表示する(図33参照)。その後、制御装置40は、所定時間間隔(例えば、数[ms]間隔)で、上記「第2歩行トレーニング支援処理」(図35参照)に替えて、後述の「第3歩行トレーニング支援処理」(図42参照)を実行する点で異なっている。
[第3歩行トレーニング支援処理]
歩行支援ロボット102の制御装置40が実行する「第3歩行トレーニング支援処理」について図42及び図43に基づいて説明する。尚、図42及び図43にフローチャートで示されるプログラムは、制御装置40のEEPROMに予め記憶されている。
図42に示すように、ステップS51において、制御装置40は、上述した「第2歩行トレーニング支援処理」の上記ステップS41で実行した「モード選択処理」のサブ処理(図35参照)を実行した後、ステップS52の処理に進む。ステップS52において、制御装置40は、上記ステップS42で実行した「第2スタート・停止処理」のサブ処理(図35参照)を実行した後、ステップS53の処理に進む。
ステップS53において、制御装置40は、上記ステップS43で実行した「第2走行制御処理」のサブ処理(図35参照)を実行した後、ステップS54の処理に進む。ステップS54において、制御装置40は、上記ステップS44で実行した「第2バッテリ処理」のサブ処理(図35参照)を実行した後、ステップS55の処理に進む。ステップS55において、制御装置40は、上記ステップS45で実行した「第2情報取得処理」のサブ処理(図35参照)を実行した後、ステップS56の処理に進む。
ステップS56において、制御装置40は、上記ステップS46で実行した「音楽選択処理」のサブ処理(図35参照)を実行した後、ステップS57の処理に進む。ステップS57において、制御装置40は、上記「第3音楽再生処理」のサブ処理(図35参照)に替えて、「第4音楽再生処理」のサブ処理(図43参照)を実行した後、当該第3歩行トレーニング支援処理を終了する。
[第4音楽再生処理]
次に、上記ステップS57の「第4音楽再生処理」のサブ処理について図43に基づいて説明する。図43に示すように、制御装置40は、先ず、第3実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40が実行した上述の「第3音楽再生処理」のサブ処理(図40及び図41参照)のうちのステップS272~ステップS277の処理を実行する。そして、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上であると判定した場合には(S277:YES)、制御装置40は、第2実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80が実行した「第2音楽再生処理」のサブ処理(図28参照)の上記ステップS501の処理(図28参照)を実行した後、後述のステップS661の処理に進む。
一方、上記ステップS277でユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)未満である、つまり、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅いと判定した場合には(S277:NO)、制御装置40は、第2実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80が実行した「第2音楽再生処理」のサブ処理(図28参照)の上記ステップS503の「再生速度減速処理」のサブ処理(ステップS511~ステップS513)(図29参照)を実行した後、ステップS661の処理に進む。尚、図30に示す速度差と再生速度の減速量との関係を対応づけた再生減速量マップM1は、予め制御装置40のEEPROMに記憶されている。
ステップS661において、制御装置40は、再生音楽の再生速度をRAMから読み出し、この再生速度で再生音楽をスピーカ105を介して出力(再生)した後、ステップS284の処理に進む。そして、制御装置40は、第3実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40が実行した上述の「第3音楽再生処理」のサブ処理(図40及び図41参照)のうちの上記ステップS284~ステップS291の処理(図41参照)を実行した後、当該サブ処理を終了して、第4音楽出力処理を終了する。
ここで、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になった場合に(S277:YES)、制御装置40が実行する再生音楽の出力(再生)(S501~S661)の一例について、図31に基づいて説明する。図31に示すように、制御装置40は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)以上になった各時間T21~T22,T23~T24、T25~T26の間は、再生音楽の再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)に設定して、再生音楽を表示装置103のスピーカ105を介して出力(再生)する。
これにより、ユーザは、再生音楽が再生速度規定値(基準再生速度)で再生されることによって、歩行支援ロボット102を使用して、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で腕振り歩行していることを容易に認識できる。また、ユーザは、音楽を聴きながら、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で楽しく腕振り歩行トレーニングを行うことができ、腕振り歩行トレーニングが長続きしてトレーニング効果を上げることが可能となる。また、ユーザは、再生音楽を聴きながら、腕振り歩行トレーニングを行うことができ、認知機能にプラスの影響が期待できる。
また、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)未満になった場合、つまり、腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅い腕振り平均速度になった場合に(S277:NO)、制御装置40が実行する再生音楽の出力(再生)(S503~S661)の一例について、図31に基づいて説明する。図31に示すように、制御装置40は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった各時間T22~T23、T24~T25、T26~において、腕振り速度規定値(基準規定速度)からの減速量が大きくなるに従って、再生音楽の再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)から順次遅くなるように減速して、表示装置103のスピーカ105を介して再生音楽を出力(再生)している。
そして、制御装置40は、ユーザの腕振り平均速度が、再度、腕振り速度規定値(基準規定速度)に順次近づくように速くなるに従って、再生音楽の再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)に順次近づくように増速して、スピーカ105を介して再生音楽を出力(再生)している。これにより、ユーザは、再生音楽の再生速度が順次遅くなるように減速していくことによって、腕振り平均速度が低下しているのを認識することができる。その結果、ユーザは、腕振り平均速度を再度、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上で腕振り歩行しようとして、つまり、腕振りをもっと速くしようとして腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して腕振り歩行トレーニングを続けることができる。
ここで、通信装置37は、装置用通信装置の一例として機能する。通信装置97は、サーバ用通信装置の一例として機能する。歩行支援ロボット102の制御装置40は、歩行状態取得部、知覚情報出力部、知覚出力調整部、装置送信部、装置受信部、走行制御装置、目標歩行周期設定部、周期刺激情報設定部、及び、歩行タイミング教示部の一例として機能する。
進行速度検出装置33LE、33REは、走行速度検出装置の一例として機能する。表示装置103の操作部107は、第2選択受付部の一例として機能する。サーバ9の制御装置93は、サーバ受信部、基準規定速度設定部、楽曲情報選択部、及び、サーバ送信部の一例として機能する。音楽情報データベース(音楽情報DB)96Aは、楽曲情報格納部の一例として機能する。操作部24L、24Rと、付勢部材25A、25Bと、移動量検出装置21LS、21RSは、腕振り機構部の一例を構成する。
尚、本開示は前記第1実施形態から第4実施形態に限定されることはなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形、追加、削除が可能であることは勿論である。尚、以下の説明において上記図1から図43の前記第1実施形態から第4実施形態に係る各歩行支援ロボット3、102とスマートフォン5とサーバ9の構成等と同一符号は、前記第1実施形態から第4実施形態に係る各歩行支援ロボット3、102とスマートフォン5とサーバ9の構成等と同一あるいは相当部分を示すものである。
[他の第1実施形態]
(A)例えば、第1実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80と、第3実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40とが実行する上記ステップS278の「音量低下処理」のサブ処理(図23参照)において、再生音楽を各スピーカ82、105を介して出力(再生)する設定音量が「0」でないと判定した場合には(S313:NO)、制御装置80又は制御装置40は、ステップS314の処理に進む。
そして、上記ステップS314において、制御装置80又は制御装置40は、再生音楽を各スピーカ82、105を介して出力(再生)する設定音量をRAMから読み出し、この設定音量を「0」に設定して、再度RAMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS283又は上記ステップS652の処理(図21、図40参照)に進むようにしてもよい。
これにより、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)未満になったとき、つまり、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなったときからの経過時間が、規定時間T1(例えば、5秒)に達するまで、音量規定値(基準音量)に設定された設定音量で再生音楽がスピーカ82又はスピーカ105を介して出力(再生)される。そして、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)未満になったとき、つまり、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなったときからの経過時間が、規定時間T1(例えば、5秒)に達した場合には、再生音楽のスピーカ82又はスピーカ105を介した出力(再生)が中止される。
その結果、ユーザは、再生音楽の出力(再生)が中止されることによって、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも低下しているのを認識することができ、再度、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で腕振り歩行しようとして、腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して腕振り歩行トレーニングを続けることができる。従って、ユーザの腕振り歩行トレーニングが長続きし、トレーニング効果を上げることができる。
[他の第2実施形態]
(B)また、例えば、第2実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80と、第4実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40とが実行する上記ステップS503の「再生速度減速処理」のサブ処理(図29参照)において、上記ステップS512で、腕振り速度規定値(基準規定速度)に対する腕振り平均速度の速度差が腕振り速度規定値(基準規定速度)になったとき、つまり、ユーザの腕振り平均速度が「0」になって腕振り歩行が停止したときには、制御装置80又は制御装置40は、再生音楽の再生速度の減速量を「再生速度規定値(基準再生速度)」に設定するようにしてもよい。
そして、上記ステップS513において、制御装置80又は制御装置40は、再生音楽をスピーカ82又はスピーカ105を介して出力(再生)する際の再生速度をRAMから読み出し、再生速度規定値(基準再生速度)から再生速度規定値(基準再生速度)を減算した値「0」を再生速度に設定して、再度RAMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS502(図28参照)又は上記ステップS661(図43参照)の処理に進むようにしてもよい。
これにより、ユーザが腕振り歩行トレーニングを行っている際に、ユーザの腕振りが止まって、各歩行支援ロボット3、102が止まると、再生音楽のスピーカ82又はスピーカ105を介した出力(再生)が中止される。その結果、ユーザは、再生音楽の出力(再生)が中止されることによって、腕振り歩行が止まったことを認識することができ、再度、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で腕振り歩行しようとして、腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して腕振り歩行トレーニングを続けることができる。従って、ユーザの腕振り歩行トレーニングが長続きし、トレーニング効果を上げることができる。
[他の第3実施形態]
(C)また、例えば、第1実施形態又は第2実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80と、第3実施形態又は第4実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40は、上記ステップS286又は上記ステップS653において、再生音楽にあった周期音を選択して、スピーカ82又はスピーカ105を介して出力(再生)するようにしてもよい。
[他の第4実施形態]
(D)また、例えば、サーバ9の制御装置93は、上記ステップS414の処理(図26参照)において、ユーザの歩行リズムにあった複数(例えば、5個)の楽曲情報を音楽情報データベース96A(図10参照)から選択して、この複数の楽曲情報から構成された音楽情報を作成してRAMに記憶した後、上記ステップS415の処理(図26参照)に進むようにしてもよい。
これにより、ユーザが腕振り歩行トレーニングを行っている際に、歩行リズムにあった楽曲を聴きながら、腕振り歩行トレーニングを行うことができ、腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して腕振り歩行トレーニングを続けることができる。従って、ユーザの腕振り歩行トレーニングが長続きし、トレーニング効果を上げることができる。
[他の第5実施形態]
(E)また、例えば、第2実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80と、第4実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40とが実行する上記ステップS503(図28、図43参照)の「再生速度減速処理」のサブ処理(図29参照)において、上記ステップS512から上記ステップS513の処理に替えて、後述の処理を実行するようにしてもよい。
例えば、制御装置80又は制御装置40は、再生音楽をスピーカ82又はスピーカ105を介して出力(再生)する際の再生速度を、上記ステップS511で算出した腕振り速度規定値(基準規定速度)に対する腕振り平均速度の速度差に応じて再生速度規定値(基準再生速度)よりも速くするように設定して、RAMに記憶した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS502(図28参照)又は上記ステップS661(図43参照)の処理に進むようにしてもよい。
これにより、ユーザが腕振り歩行トレーニングを行っている際に、再生音楽の再生速度が再生速度規定値(基準再生速度)よりも速くなっていくことによって、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも低下しているのを認識することができ、再度、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で腕振り歩行しようとして腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して腕振り歩行トレーニングを続けることができる。その結果、ユーザの腕振り歩行トレーニングが長続きし、トレーニング効果を上げることができる。
[他の第6実施形態]
(F)また、例えば、第1実施形態又は第2実施形態に係る歩行支援ロボット3の制御装置40が上記ステップS12で実行する「走行制御処理」のサブ処理(図13参照)と、第3実施形態又は第4実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40が上記ステップS43で実行する「第2走行制御処理」のサブ処理(図38参照)と、のそれぞれにおける上記ステップS124の処理で、後述の処理も実行するようにしてもよい。
例えば、制御装置40は、左右のグリップハンドル20L、20Rのうち、一方のシャフト基準位置Mzから前後方向への移動量が検出されて、他方のシャフト基準位置Mzから前後方向への移動量が検出されていない場合には、走行モードを「前進」に決定するようにしてもよい。そして、制御装置40は、各歩行支援ロボット3、102が「前進」の走行モードで、ユーザの一方の腕の腕振りの速度に合わせて走行するように左右の電動モータ33L、33Rにより左右の駆動輪32L、32Rを駆動して、上記ステップS125の処理に進むようにしてもよい。
これにより、ユーザが片腕で腕振り歩行の歩行トレーニングを行っている際にも、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも低下した場合には、再生音楽の音量が音量規定値(基準音量)よりも低下したり、再生音楽の再生速度が再生速度規定値(基準再生速度)よりも遅くなる。その結果、ユーザは、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも低下しているのを容易に認識することができ、再度、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で腕振り歩行しようとして、腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して腕振り歩行トレーニングを続けることができる。その結果、ユーザの腕振り歩行トレーニングが長続きし、トレーニング効果を上げることができる。
[他の第7実施形態]
(G)また、例えば、第1実施形態又は第2実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80は、ユーザが歩行支援ロボット3を用いて腕振り歩行トレーニングを行っている際に、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった場合には、ディスプレイ81の表示色を変化させて(刺激情報)、この表示色の変化速度を調整するようにしてもよい。
また、制御装置80は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった場合に、ディスプレイ81を点滅表示させて(刺激情報)、この点滅表示の変化速度を調整するようにしてもよい。また、制御装置80は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった場合に、不図示の振動機構を介してスマートフォン5を振動させて(刺激情報)、この振動の振動数の変化や振動強度の変化を調整するようにしてもよい。
これにより、ユーザは、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなったことを容易に認識することができ、再度、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で腕振り歩行しようとして腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して歩行トレーニングを続けることができる。その結果、ユーザの腕振り歩行トレーニングが長続きし、トレーニング効果を上げることができる。
[他の第8実施形態]
(H)また、例えば、第3実施形態又は第4実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40は、ユーザが歩行支援ロボット102を用いて腕振り歩行トレーニングを行っている際に、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった場合には、表示装置103のディスプレイ104の表示色を変化させて(刺激情報)、この表示色の変化速度を調整するようにしてもよい。
また、制御装置40は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった場合に、表示装置103のディスプレイ104を点滅表示させて(刺激情報)、この点滅表示の変化速度を調整するようにしてもよい。また、制御装置40は、ユーザの腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった場合に、不図示の振動機構を介して表示装置103又は各グリップハンドル20L、20Rを振動させて(刺激情報)、この振動の振動数の変化や振動強度の変化を調整するようにしてもよい。
これにより、ユーザは、腕振り平均速度が腕振り速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなったことを容易に認識することができ、再度、腕振り速度規定値(基準規定速度)以上の腕振り平均速度で腕振り歩行しようとして腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して腕振り歩行トレーニングを続けることができる。その結果、ユーザの腕振り歩行トレーニングが長続きし、トレーニング効果を上げることができる。
[他の第9実施形態]
<情報取得処理>
(I)また、例えば、第1実施形態又は第2実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80は、上記ステップS23又はステップS33で実行する「情報取得処理」のサブ処理(図18参照)における上記ステップS251において、通信装置87を介して、歩行支援ロボット3からユーザの歩行速度を含む歩行速度情報を受信したか否かを判定するようにしてもよい。そして、通信装置87を介して、歩行支援ロボット3からユーザの歩行速度を含む歩行速度情報を受信していないと判定した場合には(S251:NO)、制御装置80は、上記ステップS255の処理に進むようにしてもよい。
一方、通信装置87を介して、歩行支援ロボット3からユーザの歩行速度を含む歩行速度情報を受信したと判定した場合には(S251:YES)、制御装置80は、上記ステップS252の処理に進むようにしてもよい。上記ステップS252において、制御装置80は、歩行支援ロボット3から受信したユーザの歩行速度を含む歩行速度情報と、タイマから取得した時刻情報とから構成されるデータを、ユーザを識別するユーザIDに紐付けてEEPROMに時系列的に記憶した後、上記ステップS254の処理に進むようにしてもよい。従って、制御装置80は、上記ステップS253の処理を実行しないようにしてもよい。
そして、制御装置80は、上記ステップS254~上記ステップS257の処理を実行するようにしてもよい。そして、制御装置80は、上記ステップS257において、腕振りフラグがONに設定されていると判定した場合には(S257:YES)、上記ステップS258の処理に進むようにしてもよい。上記ステップS258において、制御装置80は、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、歩行速度規定値要求コマンドと、を通信装置87を介してサーバ9へ送信した後、上記ステップS259の処理に進むようにしてもよい。
ここで、音楽情報要求コマンドは、腕振りトレーニングモードでの腕振り歩行トレーニング時にスピーカ82を介して出力(再生)可能な複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報の送信を要求するコマンドである。歩行速度規定値要求コマンドは、腕振りトレーニングモードでの腕振り歩行トレーニング時に、ユーザの基準とする歩行速度規定値(基準規定速度)を要求するコマンドである。
上記ステップS259において、制御装置80は、通信装置87を介して、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザIDと、複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と歩行速度規定値(基準規定速度)をサーバ9から受信するのを待つようにしてもよい(S259:NO)。そして、制御装置80は、通信装置87を介して、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザIDと、複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と歩行速度規定値(基準規定速度)をサーバ9から受信した場合には(S259:YES)、上記ステップS260の処理に進むようにしてもよい。
上記ステップS260において、制御装置80は、通信装置87を介してサーバ9から受信した複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と歩行速度規定値(基準規定速度)をユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶した後、上記ステップS261~上記ステップS263の処理を実行した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS24の「音楽選択処理」のサブ処理に進むようにしてもよい。
<音楽再生処理、第2音楽再生処理>
更に、第1実施形態又は第2実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80は、上記ステップS25で実行する「音楽再生処理」のサブ処理(図21及び図22参照)、又は、上記ステップS35で実行する「第2音楽再生処理」のサブ処理(図28参照)のそれぞれにおける上記ステップS275において、以下のようにしてもよい。上記ステップS275において、制御装置80は、上記ステップS252でユーザを識別するユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶した最新の歩行情報からユーザの歩行速度を読み出す。また、制御装置80は、上記ステップS260でユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶した歩行速度規定値(基準規定速度)をRAMから読み出す。続いて、制御装置80は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上か否かを判定するようにしてもよい。
そして、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)未満である、つまり、歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅いと判定した場合には(S275:NO)、制御装置80は、当該サブ処理を終了して、第1音楽出力処理又は第2音楽出力処理を終了するようにしてもよい。
一方、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上であると判定した場合には(S275:YES)、制御装置80は、上記ステップS276の処理に進むようにしてもよい。そして、制御装置80は、上記ステップS276の処理を実行した後、上記ステップS277の処理に進むようにしてもよい。
上記ステップS277において、制御装置80は、上記ステップS252でユーザを識別するユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶した最新の歩行情報からユーザの歩行速度を読み出す。また、制御装置80は、上記ステップS260でユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶した歩行速度規定値(基準規定速度)を読み出す。続いて、制御装置80は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上か否かを判定するようにしてもよい。
そして、第1実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)未満である、つまり、歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅いと判定した場合には(S277:NO)、上記ステップS278~ステップS283の処理を実行した後、上記ステップS284の処理に進むようにしてもよい(図21参照)。
ここで、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)未満になった場合、つまり、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった場合に(S277:NO)、制御装置80が実行する再生音楽の出力(再生)(S278~S283)の一例について、図44に基づいて説明する。図44に示すように、制御装置80は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった時間T32及び時間T36からの経過時間が、それぞれ、規定時間T1(例えば、5秒)に達するまで、音量規定値(基準音量)に設定された設定音量で再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)している。尚、音量規定値(基準音量)は、予めユーザIDに紐付けられてEEPROMに記憶されている。
その後、制御装置80は、再生音楽の設定音量をΔV2レベルずつ低下させて、スピーカ82を介して出力(再生)している。これにより、ユーザは、再生音楽の音量が低下していくことによって、歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなっていることを認識することができ、歩行速度を再度、歩行速度規定値(基準規定速度)以上で歩行しようとして腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して腕振り歩行トレーニングを続けることができる。
また、制御装置80は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった時間T34からの経過時間が、規定時間T1に達する前に、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上になったため、再生音楽の音量を時間T34で設定された音量規定値(基準音量)の設定音量から低下させないで、スピーカ82を介して出力(再生)している。これにより、ユーザは、再生音楽を聴きながら、安定して歩行トレーニングを行うことができる。
また、制御装置80は、ユーザの歩行速度が、時間T37で歩行速度規定値(基準規定速度)以上になった後、短時間の経過後(例えば、1秒経過後)、歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった時間T38からの経過時間が、規定時間T1(例えば、5秒)に達するまで、時間T38で設定された設定音量で、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)している。その後、制御装置80は、再生音楽の設定音量をΔV2レベルずつ低下させて、スピーカ82を介して出力(再生)している。これにより、ユーザは、音量が徐々に低下する再生音楽を聴きながら、歩行トレーニングを終了することができる。
一方、上記ステップS277で、第1実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上であると判定した場合には(S277:YES)、上記ステップS279~ステップS283の処理を実行した後、上記ステップS284の処理に進むようにしてもよい(図21参照)。
ここで、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上になった場合に(S277:YES)、制御装置80が実行する再生音楽の出力(再生)(S279~S283)の一例について、図44に基づいて説明する。図44に示すように、制御装置80は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上になった各時間T31、T33、T35、T37から、歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上であれば、再生音楽の設定音量をΔV1レベルずつ上げて、スピーカ82を介して出力(再生)する。
そして、制御装置80は、再生音楽の設定音量が音量規定値(基準音量)に達すると、歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上であっても、再生音楽の設定音量を音量規定値(基準音量)の一定音量に設定する。これにより、ユーザは、再生音楽が音量規定値(基準音量)で再生されることによって、歩行支援ロボット3を使用して、歩行速度規定値(基準規定速度)以上の歩行速度で歩行していることを容易に認識できる。
また、ユーザは、音楽を聴きながら、基準規定速度以上の歩行速度で楽しく腕振り歩行トレーニングを行うことができ、腕振り歩行トレーニングが長続きしてトレーニング効果を上げることが可能となる。また、ユーザは、再生音楽を聴きながら、腕振り歩行トレーニング又は手押し歩行トレーニングを行うことができ、認知機能にプラスの影響が期待できる。
他方、第2実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)未満である、つまり、歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅いと判定した場合には(S277:NO)、上記ステップS503~ステップS502の処理を実行した後、上記ステップS284の処理に進むようにしてもよい(図28参照)。
ここで、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)未満になった場合、つまり、歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅い歩行速度になった場合に(S277:NO)、制御装置80が実行する再生音楽の出力(再生)(S503~S502)の一例について、図45に基づいて説明する。図45に示すように、制御装置80は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅い歩行速度になった各時間T42~T43、T44~T45、T46~において、歩行速度規定値(基準規定速度)からの減速量が大きくなるに従って、再生音楽の再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)から順次減速して、スピーカ82を介して再生音楽を出力(再生)している。
そして、制御装置80は、ユーザの歩行速度が、再度、歩行速度規定値(基準規定速度)に順次近づくように速くなるに従って、再生音楽の再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)に近づくように順次増速して、スピーカ82を介して再生音楽を出力(再生)している。これにより、ユーザは、再生音楽の再生速度が減速していくことによって、歩行速度が低下しているのを認識することができ、歩行速度を再度、歩行速度規定値(基準規定速度)以上で歩行しようとして腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して腕振り歩行トレーニングを続けることができる。
一方、上記ステップS277で、第2実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上であると判定した場合には(S277:YES)、上記ステップS501~ステップS502の処理を実行した後、上記ステップS284の処理に進むようにしてもよい(図28参照)。
ここで、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上になった場合に(S277:YES)、制御装置80が実行する再生音楽の出力(再生)(S501~S502)の一例について、図45に基づいて説明する。図45に示すように、制御装置80は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上になった各時間T41~T42、T43~T44、T45~T46の間は、再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)に設定して、再生音楽をスピーカ82を介して出力(再生)する。
これにより、ユーザは、再生音楽が再生速度規定値(基準再生速度)で再生されることによって、歩行支援ロボット3を使用して、歩行速度規定値(基準規定速度)以上の歩行速度で歩行していることを容易に認識できる。また、ユーザは、音楽を聴きながら、基準規定速度以上の歩行速度で楽しく腕振り歩行トレーニングを行うことができ、腕振り歩行トレーニングが長続きしてトレーニング効果を上げることが可能となる。また、ユーザは、再生音楽を聴きながら、腕振り歩行トレーニングを行うことができ、認知機能にプラスの影響が期待できる。
更に、第1実施形態又は第2実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80は、「音楽再生処理」のサブ処理(図21及び図22参照)、又は、「第2音楽再生処理」のサブ処理(図28参照)における上記ステップS291で実行する「トレーニング情報送信処理」のサブ処理(図24参照)において、以下のようにしてもよい。
先ず、ステップS321において、制御装置80は、スタートボタン90A(図9参照)が押下されてから、終了ボタン90B(図9参照)が押下されるまでにEEPROMに記憶した歩行速度情報から、今回の腕振り歩行トレーニングにおける、ユーザの平均歩行速度、最大歩行速度、最小歩行速度を算出するようにしてもよい。例えば、図44の上段に示す、時間T31~時間T38までのEEPROMに記憶した歩行速度から、制御装置80は、ユーザの平均歩行速度、最大歩行速度、最小歩行速度を算出する。
そして、制御装置80は、ユーザの平均歩行速度と、最大歩行速度と、最小歩行速度とを含む歩行情報を作成してRAMに記憶した後、ステップS322の処理に進むようにしてもよい。ステップS322において、制御装置80は、操作パネル画面90に表示された音楽選択部90G(図9参照)の各曲名表示欄90GB(図9参照)に表示された楽曲の曲名を一番上の欄から順番に並べた再生音楽情報を作成してRAMに記憶した後、ステップS323の処理に進むようにしてもよい。
ステップS323において、制御装置80は、歩行情報と再生音楽情報とをRAMから読み出す。そして、制御装置80は、EEPROMからユーザIDを読み出し、この歩行情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を作成して、通信装置87を介してサーバ9へ送信した後、当該サブ処理を終了して、音楽再生処理又は第2音楽再生処理のサブ処理に戻り、第1音楽出力処理又は第2音楽出力処理を終了するようにしてもよい。
<トレーニング情報作成処理>
次に、サーバ9の制御装置93が実行する「トレーニング情報作成処理」(図26参照)において、以下のようにしてもよい。例えば、上記ステップS411において、制御装置93は、通信装置97を介して、歩行情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を受信したか否かを判定するようにしてもよい。そして、歩行情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を受信していないと判定した場合には(S411:NO)、制御装置93は、上記ステップS413の処理に進むようにしてもよい。
一方、歩行情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を受信したと判定した場合には(S411:YES)、制御装置93は、上記ステップS412の処理に進むようにしてもよい。上記ステップS412において、制御装置93は、このトレーニング結果情報からユーザIDと、ユーザの平均歩行速度と、最大歩行速度と、最小歩行速度とを含む歩行情報と、を抽出する。そして、制御装置93は、この歩行情報とユーザIDを対応づけて、記憶装置96(図10参照)に、歩行トレーニングを実施した日時情報等を付加して時系列的に記憶するようにしてもよい。
続いて、制御装置93は、このトレーニング結果情報からユーザIDと、各曲名表示欄90GB(図9参照)に表示された楽曲の曲名を一番上の欄から順番に並べた再生音楽情報と、を抽出する。そして、制御装置93は、この再生音楽情報に対応する楽曲情報を音楽情報データベース96A(図10参照)から読み出し、各楽曲情報とユーザIDを対応づけて、記憶装置96のユーザ別音楽情報記憶部96B(図10参照)に、歩行トレーニングを実施した日時情報等を付加して時系列的に記憶した後、上記ステップS413の処理に進むようにしてもよい。これにより、ユーザの好む複数(例えば、5個)の楽曲情報がユーザID及びユーザの名前に対応づけて格納される。
上記ステップS413において、制御装置93は、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、歩行速度規定値要求コマンドと、から構成された通信データを通信装置97を介して受信したか否かを判定する。そして、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、歩行速度規定値要求コマンドと、から構成された通信データを通信装置97を介して受信していないと判定した場合には(S413:NO)、制御装置93は、当該処理を終了するようにしてもよい。
一方、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、歩行速度規定値要求コマンドと、から構成された通信データを通信装置97を介して受信していると判定した場合には(S413:YES)、制御装置93は、スマートフォン5を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、をRAMに記憶した後、上記ステップS414の処理を実行した後、上記ステップS415の処理に進むようにしてもよい。
上記ステップS415において、制御装置93は、記憶装置96からユーザIDに対応する過去1ヶ月分の歩行情報を読み出し、これらの歩行情報から歩行速度規定値(基準規定速度)を作成してRAMに記憶した後、上記ステップS416の処理に進むようにしてもよい。例えば、制御装置93は、記憶装置96からユーザIDに対応する過去1ヶ月分の平均歩行速度を時系列順に読み出し、これらの平均値を算出して、歩行速度規定値(基準規定速度)としてRAMに記憶した後、上記ステップS416の処理に進むようにしてもよい。
尚、制御装置93は、記憶装置96にユーザIDに対応づけて記憶されている最新の10m通常歩行速度を読み出し、この10m通常歩行速度を歩行速度規定値(基準規定速度)として歩行速度規定値(基準規定速度)としてRAMに記憶した後、上記ステップS416の処理に進むようにしてもよい。
上記ステップS416において、制御装置93は、上記ステップS414で作成した複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と、上記ステップS415で作成した歩行速度規定値(基準規定速度)と、から構成された通信データを作成する。そして、制御装置93は、この音楽情報と歩行速度規定値(基準規定速度)と、から構成された通信データに、上記ステップS413で受信したスマートフォン5の「識別ID」を付加して、通信装置97を介してスマートフォン5に送信した後、当該処理を終了するようにしてもよい。
ここで、通信装置35は、装置用通信装置の一例として機能する。通信装置87は、端末用通信装置の一例として機能する。スマートフォン5は、携帯端末の一例として機能する。スマートフォン5の操作部85は、第1選択受付部の一例として機能する。通信装置97は、サーバ用通信装置の一例として機能する。スマートフォン5の制御装置80は、歩行状態取得部、知覚情報出力部、知覚出力調整部、端末送信部、端末受信部、目標歩行周期設定部、周期刺激情報設定部、及び、歩行タイミング教示部の一例として機能する。歩行支援ロボット3の制御装置40は、走行制御装置の一例として機能する。サーバ9の制御装置93は、サーバ受信部、基準規定速度設定部、楽曲情報選択部、及び、サーバ送信部の一例として機能する。音楽情報データベース(音楽情報DB)96Aは、楽曲情報格納部の一例として機能する。
[他の第10実施形態]
<第2情報取得処理>
(J)また、例えば、第3実施形態又は第4実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40は、上記ステップS45又はステップS55で実行する「第2情報取得処理」のサブ処理(図39参照)における上記ステップS642において、歩行支援ロボット102を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、歩行速度規定値要求コマンドと、を通信装置37を介してサーバ9へ送信した後、ステップS643の処理に進むようにしてもよい。
ここで、音楽情報要求コマンドは、腕振りトレーニングモードでの腕振り歩行トレーニング時にスピーカ105を介して出力(再生)可能な複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報の送信を要求するコマンドである。歩行速度規定値要求コマンドは、腕振りトレーニングモードでの腕振り歩行トレーニング時に、ユーザの基準とする歩行速度規定値(基準規定速度)を要求するコマンドである。
ステップS643において、制御装置40は、通信装置37を介して、歩行支援ロボット102を識別する識別IDと、ユーザIDと、複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と歩行速度規定値(基準規定速度)から構成された通信データをサーバ9から受信するのを待つようにしてもよい(S643:NO)。そして、制御装置40は、通信装置37を介して、歩行支援ロボット102を識別する識別IDと、ユーザIDと、複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と歩行速度規定値(基準規定速度)をサーバ9から受信した場合には(S643:YES)、ステップS644の処理に進むようにしてもよい。
ステップS644において、制御装置40は、通信装置37を介してサーバ9から受信した複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と歩行速度規定値(基準規定速度)をユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶するようにしてもよい。続いて、制御装置40は、第1実施形態に係るスマートフォン5の制御装置80が実行した上述の「情報取得処理」のサブ処理(図18)のうちのステップS261~ステップS263の処理を実行した後、当該サブ処理を終了して、上記ステップS46の「音楽選択処理」のサブ処理に進むようにしてもよい。
<第3音楽再生処理、第4音楽再生処理>
更に、第3実施形態又は第4実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40は、上記ステップS47で実行する「第3音楽再生処理」のサブ処理(図40及び図41参照)、又は、上記ステップS57で実行する「第4音楽再生処理」のサブ処理(図43参照)のそれぞれにおける上記ステップS275において、以下のようにしてもよい。
上記ステップS275において、制御装置40は、上記ステップS642でユーザを識別するユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶した最新の歩行情報からユーザの歩行速度を読み出す。また、制御装置40は、上記ステップS644でユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶した歩行速度規定値(基準規定速度)をRAMから読み出す。続いて、制御装置40は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上か否かを判定するようにしてもよい。
そして、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)未満である、つまり、歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅いと判定した場合には(S275:NO)、制御装置40は、当該サブ処理を終了して、第2歩行トレーニング支援処理または第3歩行トレーニング支援処理を終了するようにしてもよい。
一方、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上であると判定した場合には(S275:YES)、制御装置40は、上記ステップS276の処理に進むようにしてもよい。そして、制御装置40は、上記ステップS276の処理を実行した後、上記ステップS277の処理に進むようにしてもよい。
上記ステップS277において、制御装置40は、上記ステップS642でユーザを識別するユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶した最新の歩行情報からユーザの歩行速度を読み出す。また、制御装置40は、上記ステップS644でユーザIDに紐付けてEEPROMに記憶した歩行速度規定値(基準規定速度)をRAMから読み出す。続いて、制御装置40は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上であるか否かを判定するようにしてもよい。
そして、第3実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)未満である、つまり、歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅いと判定した場合には(S277:NO)、上記ステップS278~ステップS652の処理を実行した後、上記ステップS284の処理に進むようにしてもよい(図40参照)。
ここで、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)未満になった場合に(S277:NO)、制御装置40が実行する再生音楽の出力(再生)(S278~S652)の一例について、図44に基づいて説明する。図44に示すように、制御装置40は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった時間T32及び時間T36からの経過時間が、それぞれ、規定時間T1(例えば、5秒)に達するまで、音量規定値(基準音量)に設定された設定音量で再生音楽をスピーカ105を介して出力(再生)する。尚、音量規定値(基準音量)は、予めユーザIDに紐付けられてEEPROMに記憶されている。
その後、制御装置40は、再生音楽の設定音量をΔV2レベルずつ低下させて、スピーカ105を介して出力(再生)する。これにより、ユーザは、再生音楽の音量が低下していくことによって、歩行速度が低下しているのを認識することができ、歩行速度を再度、歩行速度規定値(基準規定速度)以上で歩行しようとして腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、歩行支援ロボット102を用いた腕振り歩行トレーニングを継続して続けることができる。
また、制御装置40は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった時間T34からの経過時間が、規定時間T1に達する前に、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上になったため、再生音楽の音量を時間T34で設定された音量規定値(基準音量)の設定音量から低下させないで、スピーカ105を介して出力(再生)する。これにより、ユーザは、再生音楽を聴きながら、安定して歩行トレーニングを行うことができる。
また、制御装置40は、ユーザの歩行速度が、時間T37で歩行速度規定値(基準規定速度)以上になった後、短時間の経過後(例えば、1秒経過後)、歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなった時間T38からの経過時間が、規定時間T1(例えば、5秒)に達するまで、時間T38で設定された設定音量で、再生音楽をスピーカ105を介して出力(再生)している。その後、制御装置40は、再生音楽の設定音量をΔV2レベルずつ低下させて、スピーカ105を介して出力(再生)している。これにより、ユーザは、音量が徐々に低下する再生音楽を聴きながら、腕振り歩行トレーニングを終了することができる。
一方、上記ステップS277で、第3実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上であると判定した場合には(S277:YES)、上記ステップS279~ステップS652の処理を実行した後、上記ステップS284の処理に進むようにしてもよい(図40参照)。
ここで、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上になった場合に(S277:YES)、制御装置40が実行する再生音楽の出力(再生)(S279~S652)の一例について、図44に基づいて説明する。図44に示すように、制御装置40は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上になった各時間T31、T33、T35、T37から、歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上であれば、再生音楽の設定音量をΔV1レベルずつ上げて、スピーカ105を介して出力(再生)する。
そして、制御装置40は、再生音楽の設定音量が音量規定値(基準音量)に達すると、歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上であっても、再生音楽の設定音量を音量規定値(基準音量)の一定音量に設定する。これにより、ユーザは、再生音楽が音量規定値(基準音量)で再生されることによって、歩行支援ロボット102を使用して、歩行速度規定値(基準規定速度)以上の歩行速度で歩行していることを容易に認識できる。
また、ユーザは、音楽を聴きながら、基準規定速度以上の歩行速度で楽しく腕振り歩行トレーニングを行うことができ、歩行支援ロボット102を用いた腕振り歩行トレーニングが長続きしてトレーニング効果を上げることが可能となる。また、ユーザは、再生音楽を聴きながら、腕振り歩行トレーニングを行うことができ、認知機能にプラスの影響が期待できる。
他方、第4実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)未満である、つまり、歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅いと判定した場合には(S277:NO)、上記ステップS503~ステップS661の処理を実行した後、上記ステップS284の処理に進むようにしてもよい(図43参照)。
ここで、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)未満になった場合、つまり、歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅い歩行速度になった場合に(S277:NO)、制御装置40が実行する再生音楽の出力(再生)(S503~S661)の一例について、図45に基づいて説明する。図45に示すように、制御装置40は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅い歩行速度になった各時間T42~T43、T44~T45、T46~において、歩行速度規定値(基準規定速度)からの減速量が大きくなるに従って、再生音楽の再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)から順次減速(順次遅く)して、表示装置103のスピーカ105を介して再生音楽を出力(再生)している。
そして、制御装置40は、ユーザの歩行速度が、再度、歩行速度規定値(基準規定速度)に順次近づくように速くなるに従って、再生音楽の再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)に近づくように順次増速(順次速く)して、スピーカ105を介して再生音楽を出力(再生)している。これにより、ユーザは、再生音楽の再生速度が減速していくことによって、歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)よりも遅くなっているのを認識することができ、歩行速度を再度、歩行速度規定値(基準規定速度)以上で歩行しようとして腕振り歩行トレーニングへの興味を引きつけて、継続して腕振り歩行トレーニングを続けることができる。
一方、上記ステップS277で、第4実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上であると判定した場合には(S277:YES)、上記ステップS501~ステップS661の処理を実行した後、上記ステップS284の処理に進むようにしてもよい(図43参照)。
ここで、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上になった場合に(S277:YES)、制御装置40が実行する再生音楽の出力(再生)(S501~S661)の一例について、図45に基づいて説明する。図45に示すように、制御装置40は、ユーザの歩行速度が歩行速度規定値(基準規定速度)以上になった各時間T41~T42、T43~T44、T45~T46の間は、再生音楽の再生速度を再生速度規定値(基準再生速度)に設定して、再生音楽を表示装置103のスピーカ105を介して出力(再生)する。
これにより、ユーザは、再生音楽が再生速度規定値(基準再生速度)で再生されることによって、歩行支援ロボット102を使用して、歩行速度規定値(基準規定速度)以上の歩行速度で歩行していることを容易に認識できる。また、ユーザは、音楽を聴きながら、基準規定速度以上の歩行速度で楽しく腕振り歩行トレーニングを行うことができ、腕振り歩行トレーニングが長続きしてトレーニング効果を上げることが可能となる。また、ユーザは、再生音楽を聴きながら、腕振り歩行トレーニングを行うことができ、認知機能にプラスの影響が期待できる。
更に、第3実施形態又は第4実施形態に係る歩行支援ロボット102の制御装置40は、「第3音楽再生処理」のサブ処理(図40及び図41参照)、又は、「第4音楽再生処理」のサブ処理(図43参照)のそれぞれにおける上記ステップS291で実行する「トレーニング情報送信処理」のサブ処理(図24参照)において、以下のようにしてもよい。
先ず、ステップS321において、制御装置40は、スタートボタン90A(図33参照)が押下されてから、終了ボタン90B(図33参照)が押下されるまでにEEPROMに記憶した歩行速度情報から、今回の腕振り歩行トレーニングにおける、ユーザの平均歩行速度、最大歩行速度、最小歩行速度を算出するようにしてもよい。例えば、図44の上段に示す、時間T31~時間T38までのEEPROMに記憶した歩行速度から、制御装置40は、ユーザの平均歩行速度、最大歩行速度、最小歩行速度を算出する。
そして、制御装置40は、ユーザの平均歩行速度と、最大歩行速度と、最小歩行速度とを含む歩行情報を作成してRAMに記憶した後、ステップS322の処理に進むようにしてもよい。ステップS322において、制御装置40は、操作パネル画面90に表示された音楽選択部90G(図33参照)の各曲名表示欄90GB(図33参照)に表示された楽曲の曲名を一番上の欄から順番に並べた再生音楽情報を作成してRAMに記憶した後、ステップS323の処理に進むようにしてもよい。
ステップS323において、制御装置40は、歩行情報と再生音楽情報とをRAMから読み出す。そして、制御装置40は、EEPROMからユーザIDを読み出し、この歩行情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を作成して、通信装置37を介してサーバ9へ送信した後、当該サブ処理を終了して、第3音楽再生処理又は第4音楽再生処理のサブ処理に戻り、第2歩行トレーニング支援処理又は第3歩行トレーニング支援処理を終了するようにしてもよい。
<トレーニング情報作成処理>
次に、サーバ9の制御装置93が実行する「トレーニング情報作成処理」(図26参照)において、以下のようにしてもよい。例えば、上記ステップS411において、制御装置93は、通信装置97を介して、歩行情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を受信したか否かを判定するようにしてもよい。そして、歩行情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を受信していないと判定した場合には(S411:NO)、制御装置93は、上記ステップS413の処理に進むようにしてもよい。
一方、歩行情報と再生音楽情報にユーザIDを付加したトレーニング結果情報を受信したと判定した場合には(S411:YES)、制御装置93は、上記ステップS412の処理に進むようにしてもよい。上記ステップS412において、制御装置93は、このトレーニング結果情報からユーザIDと、ユーザの平均歩行速度と、最大歩行速度と、最小歩行速度とを含む歩行情報と、を抽出する。そして、制御装置93は、この歩行情報とユーザIDを対応づけて、記憶装置96(図10参照)に、歩行トレーニングを実施した日時情報等を付加して時系列的に記憶するようにしてもよい。
続いて、制御装置93は、このトレーニング結果情報からユーザIDと、各曲名表示欄90GB(図33参照)に表示された楽曲の曲名を一番上の欄から順番に並べた再生音楽情報と、を抽出する。そして、制御装置93は、この再生音楽情報に対応する楽曲情報を音楽情報データベース96A(図10参照)から読み出し、各楽曲情報とユーザIDを対応づけて、記憶装置96のユーザ別音楽情報記憶部96B(図10参照)に、歩行トレーニングを実施した日時情報等を付加して時系列的に記憶した後、上記ステップS413の処理に進むようにしてもよい。これにより、ユーザの好む複数(例えば、5個)の楽曲情報がユーザID及びユーザの名前に対応づけて格納される。
上記ステップS413において、制御装置93は、歩行支援ロボット102を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、歩行速度規定値要求コマンドと、から構成された通信データを通信装置97を介して受信したか否かを判定する。そして、歩行支援ロボット102を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、歩行速度規定値要求コマンドと、から構成された通信データを通信装置97を介して受信していないと判定した場合には(S413:NO)、制御装置93は、当該処理を終了するようにしてもよい。
一方、歩行支援ロボット102を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、音楽情報要求コマンドと、歩行速度規定値要求コマンドと、から構成された通信データを通信装置97を介して受信していると判定した場合には(S413:YES)、制御装置93は、歩行支援ロボット102を識別する識別IDと、ユーザのユーザIDと、をRAMに記憶した後、上記ステップS414の処理を実行した後、上記ステップS415の処理に進むようにしてもよい。
上記ステップS415において、制御装置93は、記憶装置96からユーザIDに対応する過去1ヶ月分の歩行情報を読み出し、これらの歩行情報から歩行速度規定値(基準規定速度)を作成してRAMに記憶した後、上記ステップS416の処理に進むようにしてもよい。例えば、制御装置93は、記憶装置96からユーザIDに対応する過去1ヶ月分の平均歩行速度を時系列順に読み出し、これらの平均値を算出して、歩行速度規定値(基準規定速度)としてRAMに記憶した後、上記ステップS416の処理に進むようにしてもよい。
尚、制御装置93は、記憶装置96にユーザIDに対応づけて記憶されている最新の10m通常歩行速度を読み出し、この10m通常歩行速度を歩行速度規定値(基準規定速度)として歩行速度規定値(基準規定速度)としてRAMに記憶した後、上記ステップS416の処理に進むようにしてもよい。
上記ステップS416において、制御装置93は、上記ステップS414で作成した複数(例えば、5個)の楽曲情報から構成された音楽情報と、上記ステップS415で作成した歩行速度規定値(基準規定速度)と、から構成された通信データを作成する。そして、制御装置93は、この音楽情報と歩行速度規定値(基準規定速度)と、から構成された通信データに、上記ステップS413で受信した歩行支援ロボット102の「識別ID」を付加して、通信装置97を介して歩行支援ロボット102に送信した後、当該処理を終了するようにしてもよい。
ここで、通信装置37は、装置用通信装置の一例として機能する。通信装置97は、サーバ用通信装置の一例として機能する。歩行支援ロボット102の制御装置40は、歩行状態取得部、知覚情報出力部、知覚出力調整部、装置送信部、装置受信部、走行制御装置、目標歩行周期設定部、周期刺激情報設定部、及び、歩行タイミング教示部の一例として機能する。表示装置103の操作部107は、第2選択受付部の一例として機能する。サーバ9の制御装置93は、サーバ受信部、基準規定速度設定部、楽曲情報選択部、及び、サーバ送信部の一例として機能する。音楽情報データベース(音楽情報DB)96Aは、楽曲情報格納部の一例として機能する。
[第5実施形態]
以上、第1~4実施形態、および、他の第1~10実施形態について説明した。以下では、第5実施形態に係る歩行支援システム141について、図46から図51に基づいて説明する。第5実施形態に係る歩行支援システム141は、図1に示す第1実施形態に係る歩行支援システム1と同じ構成である。尚、上記第1実施形態に係る歩行支援システム1と同一符号は、上記第1実施形態に係る歩行支援システム1と同一あるいは相当部分を示すものである。
図46から図51に基づいて、歩行支援システム141に備えられたスマートフォン5の制御装置80が実行する「周期音出力処理」について説明する。図46にフローチャートで示されるプログラムは、制御装置80のEEPROMに予め記憶されている。本実施形態における周期音出力処理は、歩行支援ロボット3の動作モードが腕振りトレーニングモードに設定され、トレーニング開始ボタン90Dの押下によって歩行トレーニングの開始が制御装置80によって検出された場合に実行される。
図46に示すように、周期音出力処理が開始されると、ステップS910において、制御装置80は、スピーカ82を介して、目標歩行周期に等しい周期に設定した周期音(例えば、一定周期のメトロノームのテンポ音、楽器のリズム音、掛け声等)(周期刺激情報)の出力(再生)を開始する。目標歩行周期は、周期音出力処理の実行前に予め設定され、RAMやEEPROMに格納されている。目標歩行周期は、第1実施形態と同様に、ユーザの基準歩幅とユーザの腕ふり速度規定値とに基づき制御装置80が算出してもよいし、ユーザがスマートフォン5を用いて任意に設定してもよい。
図47は、経過時間と周期音のテンポとの関係を示す図である。図47に示した横軸は、周期音出力処理が開始されてからの経過時間を示しており、縦軸は、歩行あるいは周期音の周期(テンポ)を示している。黒丸は、周期音のテンポを表しており、白抜きの三角は、ユーザの歩行周期を表している。ユーザの歩行が開始されるまでは、制御装置80は、目標歩行周期に等しい周期に設定された一定テンポ(図47では、120拍/分)の周期音を出力する。
本実施形態において、制御装置80は、周期音を1回鳴らす毎に周期音の出力態様を切り換える。つまり、制御装置80は、腕または足の動作の左右毎に周期音の出力態様を変える。出力態様とは、例えば、音色や音量、音階、音の長さ、周波数であり、本実施形態では音色である。こうすることにより、ユーザは、左右どちらの腕または足を動作させるべきかを容易に判別できる。なお、他の実施形態では、周期音の出力態様は動作の左右毎に変更されなくてもよい。
図46に説明を戻す。ステップS920において、制御装置80は、ユーザの歩行周期を目標歩行周期に近づけるための同期引入れ処理を実行する。同期引入れ処理は、周期音の出力開始後に、ユーザの歩行の開始が検出された場合に実行される。制御装置80は、移動量検出装置21LS、21RSからの検出信号を制御装置40を通じて受信し、シャフト21L、21Rの移動が開始されたことを検出した場合に、ユーザの歩行が開始されたと判定できる。第1実施形態で説明したように、シャフト21L、21Rの移動が開始されると、制御装置40は、ユーザの各グリップハンドル20L、20Rを把持した腕振り歩行に合わせて歩行支援ロボット3が移動するように左右の電動モータ33L、33Rにより左右の駆動輪32L、32Rを駆動して走行する。
図47を参照して同期引入れ処理について説明する。まず、制御装置80は、ユーザの歩行開始後に、一定テンポによる周期音の出力を停止させ、目標歩行周期よりも長い周期によって周期音を出力する。具体的には、まず、制御装置80は、移動量検出装置21LS、21RSからの検出信号を制御装置40を通じて受信し、シャフト21Lおよびシャフト21Rの位置がそれぞれ前方側限界位置Maの直前となるタイミングA1、および、タイミングA1に続くタイミングA2で周期音を鳴らす。そして、制御装置80は、シャフト21L、21Rの移動量に基づき、ユーザの現在の歩行周期、より具体的には、ユーザの歩行周期におけるヒールコンタクトの周期を推定する。
図48は、人間の歩行周期を表す図である。人間の歩行周期には、踵が地面や床面に接するヒールコンタクト(HC)のタイミングを境に、足が地面に接地している立脚期と、地面から足が離れている遊脚期とが含まれる。制御装置80は、同期引入れ処理において、シャフト21L、21Rの位置が前方側限界位置Maに到達する周期を、ヒールコンタクトの周期に相当する周期として取得(推定)する。本実施形態において、ヒールコンタクトの周期は、右足のヒールコンタクトと左足のヒールコンタクトの両方を含む周期である。
制御装置80は、図47に示すように、タイミングA1およびそれに続くタイミングA2の間隔から、その次のヒールコンタクトのタイミングB1を推定し、推定したそのタイミングB1において、周期音を出力する。そして、その後のタイミングB2以降、制御装置80は、周期音の周期が、目標歩行周期に近づくように、周期音の周期を徐々に短くする。こうすることにより、周期音が出力される間隔t1、t2、t3、・・・は、歩行開始から時間が経過するほど、目標歩行周期t0に近づく(t1>t2>t3>t4>t5・・・>tn≒t0)。周期音の周期を目標歩行周期に徐々に近づけるには、周期音の周期を目標歩行周期に一致させるまでに、周期音の周期を2回以上変更することが好ましい。尚、徐々に周期音の周期を短くする間に、ユーザの歩行周期が周期音から遅れた場合には、制御装置80は、周期音の周期を再び長くし、ユーザの歩行周期が目標歩行周期に到達するまで、上述した処理内容を繰り返してもよい。
図46に示すように、制御装置80は、同期引入れ処理後、ステップS930において、テンポ調整処理を実行する。
図49は、テンポ調整処理の説明図である。図49では、目標歩行周期を、白抜きの丸印で示しており、ユーザの実際の歩行周期を白抜きの三角で示している。また、周期音が出力される周期を黒丸で示している。ユーザは、歩行トレーニングにおいて、自身の歩行周期を、目標歩行周期に完全に一致させることは困難である。そのため、図49に白抜きの三角で示すように、目標歩行周期から外れた周期で歩行を行う場合がある。本実施形態では、テンポ調整処理を実行することにより、制御装置80は、ユーザの歩行周期が予め定めた許容範囲(ゆらぎ範囲)に収まる場合に、図49に黒丸で示すように、周期音が出力される周期を、ゆらぎ範囲内でユーザの実際の歩行の周期に合わせるように(一致するように)調整する。こうすることにより、ユーザは、歩行の周期を再び目標歩行周期に合わせやすくなる。本実施形態では、ゆらぎ範囲は、目標歩行周期を含んでおり、図49に示すように、目標歩行周期から下限までの範囲が、目標歩行周期から上限までの範囲よりも広くなっている。そのため、ユーザは、目標歩行周期から自身の歩行周期が遅くなったとしても、自身のペースで歩行しやすくなる。なお、ゆらぎ範囲はこのような範囲に限らず、目標歩行周期から下限までの範囲と、目標歩行周期から上限までの範囲とが一致していてもよい。また、本実施形態とは逆に、目標歩行周期から下限までの範囲が、目標歩行周期から上限までの範囲よりも狭くなっていてもよい。
本実施形態では、制御装置80は、目標歩行周期と、ユーザの実際の歩行の周期との差に応じて、周期音の出力態様を変化させる。具体的には、本実施形態では、目標歩行周期よりもユーザの歩行周期が遅れた場合に、周波数の低い周期音を出力し、目標歩行周期よりもユーザの歩行周期が速い場合に、周波数の高い周期音を出力する。こうすることにより、歩行の周期が、目標歩行周期から外れたことや、近づいていることを認識しやすくなる。尚、目標歩行周期とユーザの歩行周期との差に応じて周期音の出力態様を変化させることは必須ではなく、例えば、ユーザが任意に、目標歩行周期とユーザの歩行周期との差に応じて周期音の出力態様を変化させるか否かを設定可能であってもよい。
図46に説明を戻す。ステップS940において、制御装置80は、ユーザの歩行周期が脱調したか否かを判定する。本実施形態において、脱調とは、ユーザの歩行周期が図49に示したゆらぎ範囲の下限を下回ること、すなわち、ゆらぎ範囲の最も長い周期よりも長くなることを意味する。ユーザの歩行周期が脱調する場合、制御装置80はステップS950において復調処理を実行する。脱調しない場合、制御装置80は復調処理をスキップする。制御装置80は、ユーザの歩行周期が実際に脱調した場合に限らず、例えば、歩行周期がゆらぎ範囲の下限に近づいた場合に、脱調すると推測し、復調処理を実行してもよい。歩行周期がゆらぎ範囲の下限に近づくとは、例えば、ゆらぎ範囲の下限から、ゆらぎ範囲の20%の幅内に歩行周期が入ることをいう。
図50は、復調処理の説明図である。制御装置80は、復調処理として、上述した同期引入れ処理とほぼ同じ処理を実行する。つまり、制御装置80は、周期音が出力される周期を、目標歩行周期よいも長い周期から目標歩行周期に徐々に近づける。具体的には、ユーザの歩行周期がゆらぎ範囲の下限を下回ることを検出すると、制御装置80は、シャフト21Lおよびシャフト21Rの位置がそれぞれ前方側限界位置Maの直前となるタイミングC1と、それに続くタイミングC2において周期音を鳴らす。制御装置80は、図50に示すように、周期音を鳴らすタイミングC1からタイミングC2までの間隔t22が、その直前に周期音を鳴らした間隔t21よりも短い場合、タイミングC1、および、それに続くタイミングC2の間隔から、その次のヒールコンタクトのタイミングD1を推定し、推定したそのタイミングD1において、周期音を出力する。その後、制御装置80は、周期音の周期が、目標歩行周期に近づくように、周期音の周期を徐々に短くする。こうすることにより、周期音が出力される間隔t22、t23、t24・・・は、脱調が発生してからの時間が経過するほど、目標歩行周期t0に近づく(t21>t22>t23>t24・・・>tn≒t0)。
図46に説明を戻す。ステップS960において、制御装置80は、復調処理が成功したか否かを判断する。
図51は、復調処理が失敗した状態を示す説明図である。制御装置80は、上述した復調処理において、シャフト21Lおよびシャフト21Rの位置がそれぞれ前方側限界位置MaとなるタイミングE1と、それに続くタイミングE2において周期音を鳴らす。このタイミングE2のテンポが、タイミングE1のテンポよりも遅い場合、すなわち、タイミングE1からタイミングE2までの間隔t32が、その直前に周期音を鳴らした間隔t31よりも長い場合、制御装置80は、再び、シャフト21Lまたはシャフト21Rの位置が前方側限界位置MaとなるタイミングE3において、周期音を鳴らす。このようにして周期音を所定回以上(本実施形態では3回)鳴らしても、周期音の周期がゆらぎ範囲に入らなかった場合、制御装置80は、復調処理が失敗したと判断し、タイミングF1以降、目標歩行周期による周期音の出力を再開させる。そして、図46で示すように、処理をステップS920に戻して、再び、同期引入れ処理を実行する。
復調処理が成功した場合、または、ステップS940において脱調が検出されなかった場合、制御装置80は、ステップS970において、終了ボタン90Bが押下されたか否かに基づき、腕振りトレーニングモードによる歩行トレーニングが終了したか否かを判定する。歩行トレーニングが終了してない場合、制御装置80は、処理をステップS930に戻してテンポ調整処理や脱調の判定を繰り返し実行する。歩行トレーニングが終了した場合、制御装置80は、ステップS980において、周期音の出力を停止させ、周期音出力処理を終了させる。
以上で説明した第5実施形態では、腕振りトレーニングモードによる歩行トレーニング時に、スピーカ82から出力される周期音の周期が、ユーザの歩行周期に応じて調整される。これにより、ユーザは、自身の歩行の周期に応じて周期(テンポ)の調整された周期音に合わせて歩行を続けることができる。そのため、上肢および下肢が協調した運動がしやすくなる。この結果、歩行支援ロボットを使用した歩行にユーザの興味を引きつけることができ、歩行支援ロボットを使用した歩行が長続きして歩行能力を向上させることが可能となる。
また、第5実施形態では、ユーザの歩行の開始時においてスピーカ82から出力される周期音の周期が、目標歩行周期よりも長い周期から、徐々に目標歩行周期に近づけられる。これにより、ユーザは、腕振りや蹴り出しのタイミングを掴みやすくなり、歩行のペースを徐々に上げることができる。そのため、歩行支援ロボット3を使用した歩行にユーザの興味を引きつけることができ、歩行支援ロボット3を使用した歩行が長続きして歩行能力を向上させることが可能となる。
また、第5実施形態では、ユーザの歩行の周期が予め定められたゆらぎ範囲内に収まる場合に、周期音が出力される周期が、ユーザの実際の歩行周期に合わせられる。これにより、ユーザは、自身のペースで歩行を行うことができる。
また、第5実施形態では、ユーザの歩行周期が予め定めたゆらぎ範囲の下限を下回る場合に、周期音が出力される周期が、目標歩行周期よりも長い周期から、予め定められた目標歩行周期に近づけられる。これにより、ユーザは、歩行の周期が遅れた場合であっても、その後に歩行のペースを徐々に上げることができる。
また、第5実施形態では、ユーザの踵が地面に接するヒールコンタクトの周期に応じて周期音が出力されるので、ユーザは、タイミング良く歩行を行うことができる。
尚、上述した第5実施形態では、刺激情報として周期音が出力される例を説明したが、刺激情報は、周期音に限らず、周期的に発せられる画像や色、光、振動などであってもよい。また、周期性を有する音が含まれていれば、刺激情報は音楽であってもよい。
また、上述した第5実施形態において、図46に示したテンポ調整処理(S930)と、脱調および復調に関する処理(S940~S960)とは、いずれか一方、もしくは、両方を省略することが可能である。
また、上述した第5実施形態のテンポ調整処理において、制御装置80は、ユーザの歩行の周期が、ゆらぎ範囲の上限を超える場合には、周期音の周期を、目標歩行周期に設定してもよいし、ゆらぎ範囲の上限に対応した周期に設定してもよい。
上述した第5実施形態では、図46に示した周期音出力処理が、第1実施形態に係る歩行支援システム1と同じ構成の歩行支援システム141において実行されるものとして説明した。これに対して、周期音出力処理は、第2~4実施形態に係る歩行支援システムと同じ構成の歩行支援システムにおいて実行されてもよい。また、上述した周期音出力処理は、スマートフォン5に備えられた制御装置80ではなく、歩行支援ロボット3に備えられた制御装置40によって実行されてもよい。また、第5実施形態における歩行支援システム141は、ネットワーク7に接続する機能を備えていなくてもよい。なお、第5実施形態における周期音出力処理は、上述した第1実施形態や第3実施形態等において、ユーザの腕振り関連速度又は歩行速度に応じて音楽の音量を調整するのと同時に実行されてもよい。つまり、音楽の音量とテンポとが同時に調整されてもよい。
ここで、スマートフォン5の制御装置80は、歩行状態取得部、知覚情報出力部、及び、知覚出力調整部の一例として機能する。操作部24L、24Rと、付勢部材25A、25Bと、移動量検出装置21LS、21RSは、腕振り機構部の一例を構成する。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1、99、101、121、141…歩行支援システム
3、102…歩行支援ロボット
5…スマートフォン
7…ネットワーク
9…サーバ
18…取付部材
20L、20R…グリップハンドル
21L、21R…シャフト
21LS、21RS…移動量検出装置
24L、24R…操作部
25A、25B…付勢部材
35、37、87、97…通信装置
40、80、93…制御装置
81、104…ディスプレイ
82、105…スピーカ
85、107…操作部
96…記憶装置
103…表示装置

Claims (22)

  1. ユーザに対して歩行を支援する歩行支援ロボットと、
    前記歩行支援ロボットを用いて歩行を行っている前記ユーザの歩行状態を取得する歩行状態取得部と、
    前記歩行支援ロボットを用いて歩行を行う際に、音と光と振動と音楽のうちの少なくとも1つを含む知覚可能な刺激情報を前記ユーザに対して出力する知覚情報出力部と、
    前記歩行状態取得部を介して取得した前記歩行状態に基づいて前記知覚情報出力部による前記刺激情報の出力を調整する知覚出力調整部と、
    を備えた、
    歩行支援システム。
  2. 請求項1に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記歩行支援ロボットは、前記ユーザが腕振り歩行を行う際に操作可能な左右一対の腕振り機構部を有し、
    前記歩行状態は、歩行速度又は一対の前記腕振り機構部を操作して歩行する腕振り歩行状態における腕振りに関する腕振り関連速度を含み、
    前記知覚情報出力部による前記刺激情報の出力は、前記音楽を再生する音量を含み、
    前記知覚出力調整部は、
    前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度に関する基準規定速度を予め格納する第1格納部と、
    前記音楽を再生する基準音量を予め格納する第2格納部と、
    を有し、
    前記知覚出力調整部は、
    前記歩行状態取得部を介して取得した前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度よりも遅い場合には、前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度に応じて前記音楽の音量を前記基準音量よりも小さい音量に設定する、
    歩行支援システム。
  3. 請求項2に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記知覚出力調整部は、
    前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度よりも遅くなってからの経過時間を計測する経過時間測定部と、
    前記経過時間測定部を介して計測した前記経過時間が所定の規定時間以上であるか否かを判定する経過時間判定部と、
    を有し、
    前記知覚出力調整部は、
    前記経過時間判定部を介して前記経過時間が所定の前記規定時間未満であると判定した場合には、前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度よりも遅くなったときの前記音楽の音量を維持するように設定し、
    前記経過時間判定部を介して前記経過時間が所定の前記規定時間以上であると判定した場合には、前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度に応じて前記音楽の音量を前記基準音量よりも小さい音量に設定する、
    歩行支援システム。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記知覚出力調整部は、
    前記歩行状態取得部を介して取得した前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度以上の場合には、前記音楽の音量を前記基準音量に設定する、
    歩行支援システム。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記知覚出力調整部は、
    前記ユーザの前記歩行支援ロボットを用いた歩行の開始時には、前記歩行状態取得部を介して取得した前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度以上になった場合に、前記音楽の再生を前記基準音量で開始する、
    歩行支援システム。
  6. 請求項1に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記歩行支援ロボットは、前記ユーザが腕振り歩行を行う際に操作可能な左右一対の腕振り機構部を有し、
    前記歩行状態は、歩行速度又は一対の前記腕振り機構部を操作して歩行する腕振り歩行状態における腕振りに関する腕振り関連速度を含み、
    前記知覚情報出力部による前記刺激情報の出力は、前記音楽を再生する再生速度を含み、
    前記知覚出力調整部は、
    前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度に関する基準規定速度を予め格納する第1格納部と、
    前記音楽を再生する基準再生速度を予め格納する第3格納部と、
    を有し、
    前記知覚出力調整部は、
    前記歩行状態取得部を介して取得した前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度よりも遅い場合には、前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度に応じて前記音楽の再生速度を前記基準再生速度よりも遅い再生速度に設定する、
    歩行支援システム。
  7. 請求項6に記載の歩行支援システム、
    前記知覚出力調整部は、
    前記歩行状態取得部を介して取得した前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度以上の場合には、前記音楽の再生速度を前記基準再生速度に設定する、
    歩行支援システム。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記知覚出力調整部は、
    前記ユーザの前記歩行支援ロボットを用いた歩行の開始時には、前記歩行状態取得部を介して取得した前記ユーザの前記腕振り関連速度又は前記歩行速度が前記基準規定速度以上になった場合に、前記音楽の再生を前記基準再生速度で開始する、
    歩行支援システム。
  9. 請求項2から請求項8のいずれか1項に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記歩行支援ロボットは、
    フレームと、
    前記フレームに設けられた駆動輪を含む複数の車輪と、
    前記駆動輪を駆動する駆動装置と、
    前記駆動装置を駆動制御する走行制御装置と、
    走行速度を検出する走行速度検出装置と、
    を有し、
    左右一対の前記腕振り機構部は、
    前記フレームに対して前後方向に延びる左右一対のシャフトのそれぞれの後端部に取り付けられた左右一対のグリップハンドルと、
    一対の前記シャフトのそれぞれの前後方向の移動量を検出する一対の移動量検出装置と、
    を有し、
    前記歩行状態取得部は、一対の前記移動量検出装置を介して検出した一対の前記シャフトのそれぞれの前後方向の移動量に基づいて前記腕振り関連速度を取得し、または、前記走行速度検出装置を介して検出した前記走行速度に基づいて前記歩行速度を取得する、
    歩行支援システム。
  10. 請求項2から請求項9のいずれか1項に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記知覚出力調整部は、
    前記基準規定速度に基づいて目標歩行周期を設定する目標歩行周期設定部と、
    前記目標歩行周期に基づいて知覚可能な周期刺激情報を設定する周期刺激情報設定部と、
    前記音楽が出力される際に、前記知覚情報出力部を介して前記周期刺激情報を出力して歩行のタイミングを前記ユーザに教示する歩行タイミング教示部と、
    を有する、
    歩行支援システム。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記歩行支援ロボットは、装置用通信装置を有し、
    前記装置用通信装置と通信可能な端末用通信装置を有する携帯端末を備え、
    前記携帯端末は、前記歩行状態取得部と前記知覚情報出力部と前記知覚出力調整部とを有する、
    歩行支援システム。
  12. 請求項2から請求項10のいずれか1項に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記歩行支援ロボットは、装置用通信装置を有し、
    前記装置用通信装置と通信可能な端末用通信装置を有する携帯端末と、
    前記端末用通信装置と通信可能なサーバ用通信装置を有するサーバと、
    を備え、
    前記携帯端末は、
    前記歩行状態取得部と前記知覚情報出力部と前記知覚出力調整部とを有して、
    前記歩行状態取得部によって取得された前記ユーザの前記歩行速度又は前記腕振り歩行状態における前記腕振り関連速度を、前記端末用通信装置を介して前記サーバへ送信する端末送信部と、
    前記音楽に関する楽曲情報と、前記ユーザの前記基準規定速度とを受信する端末受信部
    と、
    を有し、
    前記サーバは、
    前記ユーザの前記歩行速度又は前記腕振り歩行状態における前記腕振り関連速度を、前記サーバ用通信装置を介して受信するサーバ受信部と、
    前記サーバ受信部によって受信した前記ユーザの前記歩行速度又は前記腕振り歩行状態における前記腕振り関連速度に基づいて前記ユーザの前記基準規定速度を設定する基準規定速度設定部と、
    前記音楽に関する複数の楽曲情報を格納する楽曲情報格納部と、
    前記楽曲情報格納部に格納された複数の前記楽曲情報から前記ユーザに応じた楽曲情報を選択する楽曲情報選択部と、
    前記基準規定速度設定部を介して設定した前記ユーザの前記基準規定速度と、前記楽曲情報選択部を介して選択した前記ユーザに応じた楽曲情報とを、前記サーバ用通信装置を介して前記携帯端末に送信するサーバ送信部と、
    を有する、
    歩行支援システム。
  13. 請求項12に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記楽曲情報選択部は、前記楽曲情報格納部に格納された複数の前記楽曲情報から前記ユーザに応じた所定個数の楽曲情報を選択し、
    前記サーバ送信部は、前記基準規定速度と、前記ユーザに応じた所定個数の前記楽曲情報とを、前記サーバ用通信装置を介して前記携帯端末に送信し、
    前記携帯端末は、
    前記端末受信部を介して受信した所定個数の前記楽曲情報を格納する第1楽曲格納部と、
    前記第1楽曲格納部に格納した所定個数の前記楽曲情報から1の楽曲情報の選択を受け付ける第1選択受付部と、
    を有し、
    前記知覚情報出力部は、前記第1選択受付部を介して選択された前記楽曲情報を出力する、
    歩行支援システム。
  14. 請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記歩行支援ロボットは、
    前記携帯端末が着脱可能に取り付けられる取付部材を有する、
    歩行支援システム。
  15. 請求項2から請求項10のいずれか1項に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記歩行支援ロボットは、装置用通信装置を有し、
    前記装置用通信装置と通信可能なサーバ用通信装置を有するサーバを備え、
    前記歩行支援ロボットは、前記歩行状態取得部と前記知覚情報出力部と前記知覚出力調整部とを有して、
    前記歩行状態取得部によって取得された前記ユーザの前記歩行速度又は前記腕振り歩行状態における前記腕振り関連速度を、前記装置用通信装置を介して前記サーバに送信する装置送信部と、
    前記音楽に関する楽曲情報と、前記ユーザに関する前記基準規定速度とを受信する装置受信部と、
    を有し、
    前記サーバは、
    前記ユーザの前記歩行速度又は前記腕振り歩行状態における前記腕振り関連速度を、前記サーバ用通信装置を介して受信するサーバ受信部と、
    前記サーバ受信部によって受信した前記ユーザの前記歩行速度又は前記腕振り歩行状態における前記腕振り関連速度に基づいて前記ユーザの前記基準規定速度を設定する基準規定速度設定部と、
    前記音楽に関する複数の楽曲情報を格納する楽曲情報格納部と、
    前記楽曲情報格納部に格納された複数の前記楽曲情報から前記ユーザに応じた楽曲情報を選択する楽曲情報選択部と、
    前記基準規定速度設定部を介して設定した前記ユーザの前記基準規定速度と、前記楽曲情報選択部を介して選択した前記ユーザに応じた楽曲情報とを、前記サーバ用通信装置を介して前記歩行支援ロボットに送信するサーバ送信部と、
    を有する、
    歩行支援システム。
  16. 請求項15に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記楽曲情報選択部は、前記楽曲情報格納部に格納された複数の前記楽曲情報から前記ユーザに応じた所定個数の楽曲情報を選択し、
    前記サーバ送信部は、前記基準規定速度と、前記ユーザに応じた所定個数の前記楽曲情報とを、前記サーバ用通信装置を介して前記歩行支援ロボットに送信し、
    前記歩行支援ロボットは、
    前記装置受信部を介して受信した所定個数の前記楽曲情報を格納する第2楽曲格納部と、
    前記第2楽曲格納部に格納した所定個数の前記楽曲情報から1の楽曲情報の選択を受け付ける第2選択受付部と、
    を有し、
    前記知覚情報出力部は、前記第2選択受付部を介して選択された前記楽曲情報を出力する、
    歩行支援システム。
  17. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記知覚情報出力部は、前記刺激情報を周期的に出力し、
    前記知覚出力調整部は、前記ユーザの歩行の開始された場合に、前記刺激情報が出力される周期を、予め定められた目標歩行周期よりも長い周期から前記目標歩行周期に徐々に近づける、
    歩行支援システム。
  18. 請求項17に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記歩行支援ロボットは、前記ユーザが腕振り歩行を行う際に操作可能な左右一対の腕振り機構部を有し、
    前記歩行状態は、一対の前記腕振り機構部を操作して歩行する腕振り歩行状態における歩行の周期を含み、
    前記知覚出力調整部は、前記歩行状態取得部によって取得された前記ユーザの歩行の周期が、前記目標歩行周期を含む予め定められた範囲内の場合に、前記刺激情報が出力される周期を前記ユーザの歩行の周期に合わせる、
    歩行支援システム。
  19. 請求項18に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記知覚出力調整部は、前記歩行状態取得部によって取得された前記ユーザの歩行の周期が、前記範囲の最も長い周期よりも長くなる場合に、前記刺激情報が出力される周期を、前記目標歩行周期よりも長い周期から前記目標歩行周期に徐々に近づける、
    歩行支援システム。
  20. 請求項18又は請求項19に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記歩行状態取得部は、前記歩行の周期として、前記ユーザの踵が地面に接するヒールコンタクトの周期に相当する周期を取得する、
    歩行支援システム。
  21. 請求項17から請求項20のいずれか1項に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記知覚情報出力部は、前記刺激情報を1回出力する毎に前記刺激情報の出力態様を切り換える、
    歩行支援システム。
  22. 請求項17から請求項21のいずれか1項に記載の歩行支援システムにおいて、
    前記知覚情報出力部は、前記刺激情報の出力態様を、前記目標歩行周期と、前記歩行状態取得部によって取得された前記ユーザの歩行の周期との差に応じて変化させる、
    歩行支援システム。
JP2021065578A 2020-07-07 2021-04-08 歩行支援システム Withdrawn JP2022014872A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN202110768751.8A CN113893139A (zh) 2020-07-07 2021-07-07 步行支援系统

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020117202 2020-07-07
JP2020117202 2020-07-07

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022014872A true JP2022014872A (ja) 2022-01-20

Family

ID=80120380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021065578A Withdrawn JP2022014872A (ja) 2020-07-07 2021-04-08 歩行支援システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022014872A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1634630B1 (en) Play extension system
JP3432810B2 (ja) 玩具システム
JPH09120464A (ja) リハビリテーション支援装置
US20090088248A1 (en) Game controlling apparatus for pedaling motion
Yu et al. An interactive robotic walker for assisting elderly mobility in senior care unit
JP2011229838A (ja) 自立式の歩行支援装置
US20170216119A1 (en) Robot, robot control method, method, and recording medium
JP2010127779A (ja) 情報提供装置、情報提供方法およびプログラム
JP2018134334A (ja) 歩行支援ロボット及び歩行支援システム
JP2021016586A (ja) 歩行支援装置
CN113893139A (zh) 步行支援系统
JP2022014872A (ja) 歩行支援システム
JP5187563B2 (ja) 音響再生ロボット
KR20230066091A (ko) 라이드 차량의 게스트 제어 촉진을 위한 시스템 및 방법
JPWO2009063597A1 (ja) 運動支援装置、ペースメーカ、運動支援方法、コンピュータプログラム、及び記録媒体
JP4186858B2 (ja) 仮想空間内移動装置
CN111686417B (zh) 平衡训练装置及计算机可读介质
WO2020230734A1 (ja) 歩行支援装置
JP2022017725A (ja) 歩行能力評価システム
JP2022025468A (ja) アニメーション制作システム
JP2022080413A (ja) 歩行トレーニング装置
CN113143700A (zh) 步行环境提供系统、步行支援系统、以及存储介质
JP2022025465A (ja) アニメーション制作システム
JP2021137375A (ja) 複合トレーニング用歩行支援システム
JP2009050471A (ja) 動き特徴提示装置、動き特徴提示方法及び動き特徴提示プログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240209

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20240401