JP2022013936A - 運転計画装置及び運転計画用コンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバに異常が生じた場合、車両の安全が確保できると推定される所定条件が成立している場合に限り、路肩に車両を移動させて停車させるように車両の運転計画を生成する運転計画装置を提供する。【解決手段】運転計画装置は、ドライバに異常があるか否かを判定するドライバ判定部41と、車両10の周囲の環境情報に基づいて、所定条件が成立しているか否かを判定する条件判定部42と、ドライバ判定部41によってドライバに異常があると判定され且つ条件判定部42により所定条件が成立していると判定された場合には、車両10を路肩へ移動させて停車させる第1の運転計画を生成し、ドライバ判定部41によってドライバに異常があると判定され且つ条件判定部42により所定条件が成立していないと判定された場合には、車両10が走行している車線内で車両10を停車させる第2の運転計画を生成する運転計画部43と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、運転計画装置及び運転計画用コンピュータプログラムに関する。
車両に搭載される自動制御装置は、車両の現在位置と、車両の目的位置と、地図情報とに基づいて、車両の走行ルートを生成して、車両をこの走行ルートに沿って走行するように制御する。
自動制御装置は、車両と他の車両との間に安全な距離が維持されるように、車両の動作を制御する。そして、自動制御で車両と他の車両との間に安全な距離が維持できなくなった時には、車両の運転を自動制御から手動制御へ変更して、車両の制御をドライバに移管する。
自動制御装置は、ドライバに異常が生じた場合、車両が走行している車線上で停車するように車両を制御する。これは、自動制御で車両と他の車両との間に安全な距離が維持できなくなった時に、車両の運転を自動制御から手動制御へ変更して、車両の制御をドライバに移管できないためである。
例えば、特許文献1には、ドライバが異常であると判定された場合に、自車両の前方を走行する先行車の情報を含む周辺情報に基づいて先行車に対する追従制御を自動的に開始し、追従制御の実施中に先行車の停止情報が取得されたら自車両を停止させるとともに追従制御を終了する技術が提案されている。
特開2014-58229号公報
しかし、他の車両も走行している車線上で車両を停止すると、後方から接近してくる他の車両と衝突するおそれがある。
そこで、ドライバに異常が生じた場合、他の車両が走行しない安全な場所と考えられる路肩に車両を移動させて停止させることが考えられる。
一方、場所よっては、時間帯等によって路肩での車両の走行を許容する場合があるので、路肩を常に他の車両が走行しない安全な場所と考えることはできない。
そこで、本発明は、ドライバに異常が生じた場合、車両の安全が確保できると推定される所定条件が成立している場合に限り、路肩に車両を移動させて停車させるように車両の運転計画を生成する運転計画装置を提供することを目的とする。
一の実施形態によれば、運転計画装置が提供される。この運転計画装置は、ドライバに異常があるか否かを判定するドライバ判定部と、車両の周囲の環境情報に基づいて、所定条件が成立しているか否かを判定する条件判定部と、ドライバ判定部によってドライバに異常があると判定され且つ条件判定部により所定条件が成立していると判定された場合には、車両を路肩へ移動させて停車させる第1の運転計画を生成し、ドライバ判定部によってドライバに異常があると判定され且つ条件判定部により所定条件が成立していないと判定された場合には、車両が走行している車線内で車両を停車させる第2の運転計画を生成する運転計画部と、を有することを特徴とする。
この運転計画装置において、条件判定部は、車両が路肩に隣接する車線内を走行し、且つ、車両の後方から路肩を走行して車両に接近してくる他の物体を検知しない場合、所定条件が成立していると判定することが好ましい。
また、この運転計画装置において、条件判定部は、少なくとも車両の後方から路肩を走行して車両に接近してくる他の物体を検知した場合、所定条件が成立していないと判定することが好ましい。
また、この運転計画装置において、運転計画部は、車両が走行している車線内において車両を路肩側に移動させて路肩に沿って所定の距離を走行した後、車両を路肩へ移動させて停車させるように第1の運転計画を生成することが好ましい。
また、この運転計画装置において、運転計画部は、ドライバ判定部によってドライバに異常があると判定された場合、車両が走行している車線内において車両を路肩側に移動させて走行させる第3の運転計画を生成し、第3の運転計画を生成した後、条件判定部による所定条件が成立しているか否かの判定に応じて、第1の運転計画又は第2の運転計画を生成することが好ましい。
他の実施形態によれば、運転計画用コンピュータプログラムが提供される。この運転計画用コンピュータプログラムは、ドライバに異常があるか否かを判定し、車両の周囲の環境情報に基づいて、所定条件が成立しているか否かを判定し、ドライバに異常があると判定され且つ所定条件が成立していると判定された場合には、車両を路肩へ移動させて停車させる第1の運転計画を生成し、ドライバに異常があると判定され且つ所定条件が成立していないと判定された場合には、車両が走行している車線内で車両を停車させる第2の運転計画を生成する、ことをプロセッサに実行させることを特徴とする。
本発明に係る運転計画装置は、ドライバに異常が生じた場合、車両の安全が確保できると推定される所定条件が成立している場合に限り、路肩に車両を移動させて停車させるように車両の運転計画を生成できる。
第1実施形態の運転計画装置の動作の概要を説明する図である。 第1実施形態の運転計画装置が実装される車両の概略構成図である。 第1実施形態の運転計画装置の動作フローチャートである。 条件判定部の動作フローチャート。 (A)及び(B)は、運転計画に基づいて制御される車両の動作を説明する図である。 第2実施形態の運転計画装置の動作フローチャートである。 (A)及び(B)は、運転計画に基づいて制御される車両の動作を説明する図である。
図1(A)及び図1(B)は、第1実施形態の運転計画装置の動作の概要を説明する図である。以下、図1(A)及び図1(B)を参照しながら、本明細書に開示する運転計画装置の動作の概要を説明する。
図1(A)及び図1(B)に示す例において、車両10は共に、道路50上で路肩53と隣接する車線51上を走行しており、道路50は、2つの車線51、52及び路肩53を有する。2つの車線51及び車線52は、車線区画線54により区画されており、車線51及び路肩53は、区画線55により区画されている。車両10には、ドライバの異常を検知するための監視装置16と、ドライバの異常判定後の運転計画を生成する運転計画装置22と、車両10の後方から車両10に接近してくる物体を検知する物体検出装置19等を搭載している。
図1(A)に示す例では時刻T103で、図1(B)に示す例では時刻T203で、それぞれドライバに異常があると運転計画装置22により判定されているが、その後の運転計画が、周囲の環境情報により異なっている。なお、ドライバの異常は監視装置16により検知され、ドライバに警告を与えた後、ドライバの運転に関与する動作が検知されなかった場合に、運転計画装置22により異常があると判定される。
図1(A)に示す例では、時刻T103において、車両10が路肩53と隣接する車線51上を走行しており、物体検出装置19は車両10の後方から路肩を走行して車両10に接近してくる他の物体を検知しないので、運転計画装置22により所定条件が成立していると判定される。時刻T104において、所定条件が成立しているので、車両10の運転計画装置22は、車両10を路肩53へ移動させて停車させる運転計画を生成し、その結果、車両10は時刻T105で車線を変更し、時刻T106で路肩に停車する。
一方、図1(B)に示す例では、時刻T203において、車両10が路肩53と隣接する車線51上を走行しているが物体検出装置19が車両10の後方から路肩を走行して車両10に接近してくる他の車両60を検知するので、運転計画装置22により所定条件が成立していないと判定される。時刻T204において、所定条件が成立していないので、車両10の運転計画装置22は、車両10を路肩53ではなく、走行中の車線51内で停車させる運転計画を生成し、その結果、車両10は時刻T205で減速し、時刻T206で車線51内に停止する。
上述した様に、運転計画装置22は、ドライバに異常が生じた場合、車両10の安全が確保できると推定される所定条件が成立している場合に限り、路肩に車両10を移動させて停車させるように車両の運転計画を生成する。
図2は、運転計画装置22が実装される車両10の概略構成図である。車両10は、カメラ11と、レーダセンサ12a~12eと、測位情報受信機13と、地図情報記憶装置14と、ナビゲーション装置15と、監視装置16と、ユーザインターフェース(UI)17と、位置推定装置18と、物体検出装置19と、走行車線計画装置20と、車両制御装置21と、運転計画装置22等とを有する。なお、車両10は、道路特徴物又は他の物体を検出するためにLiDARセンサを有していてもよい。
カメラ11と、レーダセンサ12a~12dと、測位情報受信機13と、地図情報記憶装置14と、ナビゲーション装置15と、監視装置16と、ユーザインターフェース(UI)17と、位置推定装置18と、物体検出装置19と、走行車線計画装置20と、車両制御装置21と、運転計画装置22とは、とは、コントローラエリアネットワークといった規格に準拠した車内ネットワーク23を介して通信可能に接続される。
カメラ11は、車両10に設けられる撮像部の一例である。カメラ11は、車両10の前方を向くように、車両10に取り付けられる。カメラ11は、例えば所定の周期で、車両10の前方の所定の領域の環境が表されたカメラ画像を撮影する。カメラ画像には、車両10の前方の所定の領域内に含まれる道路と、その路面上の車線区画線等の道路特徴物が表わされ得る。カメラ11は、CCDあるいはC-MOS等、可視光に感度を有する光電変換素子のアレイで構成された2次元検出器と、その2次元検出器上に撮影対象となる領域の像を結像する撮像光学系を有する。
カメラ11は、カメラ画像を撮影する度に、カメラ画像及びカメラ画像が撮影されたカメラ画像撮影時刻を、車内ネットワーク23を介して、位置推定装置18及び物体検出装置19へ出力する。カメラ画像は、位置推定装置18において、車両10の位置を推定する処理に使用される。また、カメラ画像は、物体検出装置19において、車両10の周囲の他の物体を検出する処理に使用される。
レーダセンサ12a~12fのそれぞれは、車両10の前方、左前側方、右前側方、後方、左後側方、右後側方を向くように、例えば、車両10の外面に取り付けられる。レーダセンサ12a~12fのそれぞれは、所定の周期で設定される反射波情報取得時刻において、車両10の前方、左前側方、右前側方、後方、左後側方、右後側方に向けてミリ波を同期して発射して、反射物により反射された反射波を受信する。反射波が戻ってくるのに要する時間は、ミリ波が照射された方向に位置する他の物体と車両10との間の距離情報を有する。レーダセンサ12a~12fのそれぞれは、ミリ波の照射方向及び反射波が戻ってくるのに要する時間を含む反射波情報を、ミリ波を発射した反射波情報取得時刻と共に、車内ネットワーク23を介して物体検出装置19へ出力する。反射波情報は、物体検出装置19において、車両10の周囲の他の物体を検出する処理に使用される。
測位情報受信機13は、車両10の現在位置を表す測位情報を出力する。例えば、測位情報受信機13は、GNSS受信機とすることができる。測位情報受信機13は、所定の受信周期で測位情報を取得する度に、測位情報及び測位情報を取得した測位情報取得時刻を、地図情報記憶装置14及びナビゲーション装置15等へ出力する。
地図情報記憶装置14は、車両10の現在位置を含む相対的に広い範囲(例えば10~30km四方の範囲)の広域地図情報を記憶する。この広域地図情報は、路面の3次元情報と、道路上の車線区画線等の道路特徴物、構造物の種類及び位置を表す情報と、道路の法定速度等を含む高精度地図情報を有する。地図情報記憶装置14は、車両10の現在位置に応じて、車両10に搭載される無線通信装置(図示せず)を介した無線通信により、基地局を介して外部のサーバから広域地図情報を受信して記憶装置に記憶する。地図情報記憶装置14は、測位情報受信機13から測位情報を入力する度に、記憶している広域地図情報を参照して、測位情報により表される現在位置を含む相対的に狭い領域(例えば、100m~10km四方の範囲)の地図情報を、車内ネットワーク23を介して位置推定装置18、走行車線計画装置20及び運転計画装置22等へ出力する。
ナビゲーション装置15は、ナビゲーション用地図情報と、UI17から入力された車両10の目的位置と、測位情報受信機13から入力された車両10の現在位置を表す測位情報とに基づいて、車両10の現在位置から目的位置までの走行ルートを生成する。走行ルートは、右折、左折、合流、分岐等の位置に関する情報を含む。ナビゲーション装置15は、目的位置が新しく設定された場合、又は、車両10の現在位置が走行ルートから外れた場合などに、車両10の走行ルートを新たに生成する。ナビゲーション装置15は、走行ルートを生成する度に、その走行ルートを、車内ネットワーク23を介して、位置推定装置18等へ出力する。
監視装置16は、ドライバの状態を監視して、ドライバの運転に関与する動作が検知されなかった場合に、ドライバの運転に関与する動作が検知されなかったことを表す運転不関与信号を生成する。監視装置16は、運転不関与信号を、ネットワーク23を介して運転計画装置22へ出力する。監視装置16は、ドライバの頭部を含む頭部画像を撮影する監視カメラ161と、ドライバがステアリングを保持していることを検知するタッチセンサ162と、ステアリングのトルクを検知するトルクセンサ163とを有する。監視装置16は、所定の周期を有する監視時刻において撮影された頭部画像に基づいて、ドライバの視線方向、眼の開き度合い(以下、開眼度ともいう)及び口の開き度合い(以下、開口度ともいう)を検出し、検出された視線方向、開眼度及び開口度に基づいて、ドライバの運転に対する関与レベルを判定する。監視装置16は、視線方向が、車両10の前方を含む所定の範囲から外れている場合、ドライバの運転に対する関与レベルは低いと判定する。また、監視装置16は、開眼度が所定の開眼度基準値未満であるか、又は、開口度が所定の開口度基準値以上である場合、ドライバの運転に対する関与レベルは低いと判定する。一方、監視装置16は、視線方向が、車両10の前方を含む所定の範囲内にあるか、開眼度が所定の開眼度基準値以上であるか、又は、開口度が所定の開口度基準値未満である場合、ドライバの運転に対する関与レベルは高いと判定する。
監視装置16は、ドライバの運転に対する関与レベルが低いと判定した場合、UI17を介して、ドライバに対して運転に関与することを求める警告を与える。監視装置16は、ドライバに対して警告を与えた後の所定の時間内に、検出された視線方向、開眼度及び開口度に基づいて、ドライバの運転に対する関与レベルが高いと判定された場合、ドライバは運転に関与していると判定する。また、監視装置16は、ドライバに対して警告を与えた後の所定の時間内に、タッチセンサ162によってドライバがステアリングを保持していることが検知された場合、又は、トルクセンサ163によってドライバによるステアリングの操作が検知された場合、ドライバは運転に関与していると判定する。また、監視装置16は、ドライバに対して警告を与えた後の所定の時間内に、ドライバによるアクセルペダル又はブレーキペダルの操作が検知された場合、ドライバは運転に関与していると判定する。一方、ドライバに対して警告を与えた後の所定の時間内に、ドライバの運転に対する関与レベルが高いと判定されず、且つ、タッチセンサ162によってドライバがステアリングを保持していることが検知されず、且つ、トルクセンサ163によってドライバによるステアリングの操作が検知されず、且つドライバによるアクセルペダル及びブレーキペダルの操作が検知されない場合、ドライバは運転に関与していないと判定する。そして、監視装置16は、ドライバの運転に関与する動作が検知されなかったことを表す運転不関与信号を生成する。なお、上述したのは運転不関与信号を生成する一例であって、監視装置16は、他の方法を用いて運転不関与信号を生成するか否かを判定しても良い。また、上述した例では、運転不関与信号を生成する前にドライバに対して警告を一度行っているが、監視装置16は、複数回警告を行っても、警告を行わずに運転不関与信号を生成しても良い。
UI17は、通知部の一例である。UI17は、ナビゲーション装置15、監視装置16及び運転計画装置22等に制御されて、車両10の走行情報、運転に関与することを求める警告等をドライバへ通知する。また、UI17は、ドライバから車両10に対する操作に応じた操作信号を生成する。車両10の走行情報は、車両の位置、走行ルート等の車両の現在及び将来の経路に関する情報等を含む。UI17は、走行情報及び警告等を表示するために、液晶ディスプレイ又はタッチパネル等の表示部171を有する。また、UI17は、走行情報及び警告等をドライバへ通知するための音響出力装置(図示せず)を有していてもよい。また、UI17は、ドライバから車両10への操作情報を入力する入力装置として、例えば、タッチパネル又は操作ボタンを有する。操作情報として、例えば、目的位置、経由地、車両速度及びその他の車両の制御情報等が挙げられる。UI17は、入力された操作情報を、車内ネットワーク23を介してナビゲーション装置15及び運転計画装置22等へ出力する。
位置推定装置18は、カメラ画像内に表された車両10の周囲の道路特徴物に基づいて、カメラ画像撮影時刻における車両10の位置を推定する。例えば、位置推定装置18は、カメラ画像内に識別した車線区画線と、地図情報記憶装置14から入力された地図情報に表された車線区画線とを対比して、カメラ画像撮影時刻における車両10の推定位置及び推定方位角を求める。また、位置推定装置18は、地図情報に表された車線区画線と、車両10の推定位置及び推定方位角とに基づいて、車両10が位置する道路上の走行車線を推定する。位置推定装置18は、カメラ画像撮影時刻における車両10の推定位置、推定方位角及び走行車線を求める度に、これらの情報を、物体検出装置19、走行車線計画装置20、車両制御装置21及び運転計画装置22へ出力する。
物体検出装置19は、カメラ画像及び反射波情報に基づいて、車両10の周囲の他の物体及びその種類(例えば、車両)を検出する。他の物体には、車両10の周囲を走行する他の車両が含まれる。物体検出装置19は、検出された他の物体を追跡して、他の物体の軌跡を求める。物体検出装置19は、地図情報に表された車線区画線と、他の物体位置とに基づいて、他の物体が走行している走行車線を特定する。また、物体検出装置19は、地図情報に表された車線と路肩とを区画する区画線と、他の物体位置とに基づいて、他の物体が走行している路肩を特定する。物体検出装置19は、検出された他の物体の種類を示す情報と、その位置を示す情報及び走行車線又は走行している路肩を示す情報を含む物体検出情報を、走行車線計画装置20及び運転計画装置22等へ出力する。
走行車線計画装置20は、所定の周期で設定される走行車線計画生成時刻において、ナビゲーション装置15から入力された走行ルートから選択された直近の運転区間(例えば、10km)において、地図情報と、走行ルート及び周辺環境情報と、車両10の現在位置とに基づいて、車両10が走行する道路内の車線を選択して、車両10が走行する走行予定車線を表す走行車線計画を生成する。走行車線計画装置20は、例えば、車両10が追い越し車線以外の車線を走行するように、走行車線計画を生成する。走行車線計画装置20は、走行車線計画を生成する度に、この走行車線計画を運転計画装置22へ出力する。
また、走行車線計画装置20は、走行ルートから選択された直近の運転区間において、地図情報と、走行ルートと、車両10の現在位置とに基づいて、車線変更の要否を判定する。走行車線計画装置20は、車線変更の要否の判定に、周辺環境情報又は車両状態情報を更に利用してもよい。周辺環境情報は、車両の10の周囲を走行する他の車両の位置及び速度等を含む。車両状態情報は、車両10の現在位置、車両速度、加速度及び進行方向等を含む。具体的には、走行車線計画装置20は、走行ルートと車両10の現在位置とに基づいて、車両10の目的位置へ向かう車線へ移動するために、車線変更の要否を判定する。車両10が現在走行している走行道路から合流先の他の道路へ進入すること(合流)、及び、車両10が走行道路から分岐先の他の道路へ退出すること(分岐)の有無を判定する。合流及び分岐では、車両が走行道路の車線から他の道路の車線へ移動するので、車線変更を含む。
車両制御装置21は、車両10の位置と、車両速度及びヨーレートと、運転計画とに基づいて、車両10が走行ルートに沿って走行するように車両10の各部を制御する。例えば、車両制御装置21は、運転計画、車両10の車両速度及びヨーレートに従って、車両10の操舵角、加速度及び角加速度を求め、その操舵角、加速度及び角加速度となるように、操舵量、アクセル開度又はブレーキ量を設定する。そして車両制御装置21は、設定された操舵量に応じた制御信号を、車両10の操舵輪を制御するアクチュエータ(図示せず)へ出力する。また、車両制御装置21は、設定されたアクセル開度に従って燃料噴射量を求め、その燃料噴射量に応じた制御信号を車両10のエンジンなどの駆動装置(図示せず)へ出力する。あるいは、車両制御装置21は、設定されたブレーキ量に応じた制御信号を車両10のブレーキ(図示せず)へ出力する。
位置推定装置18、物体検出装置19、走行車線計画装置20及び車両制御装置21が有する機能の全て又は一部は、例えば、プロセッサ上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。又は、位置推定装置18、物体検出装置19、走行車線計画装置20及び車両制御装置21が有する機能の全て又は一部は、専用の演算回路であってもよい。位置推定装置18、物体検出装置19、走行車線計画装置20、車両制御装置21及び運転計画装置22は、別々の装置として説明されているが、これらの装置の全て又は一部は、一つの装置として構成されていてもよい。
運転計画装置22は、ドライバに異常があるか否かを判定するドライバ判定処理を実行する。また、運転計画装置22は、車両の周囲の環境情報に基づいて、所定条件が成立しているか否かを判定する条件判定処理を実行する。
また、運転計画装置22は、所定の周期で設定される運転計画生成時刻において、走行車線計画と、地図情報と、車両10の現在位置と、周辺環境情報と、車両状態情報とに基づいて、所定の時間(例えば、5秒)先までの車両10の予定走行軌跡を表す運転計画を生成する運転計画処理を実行する。ここで、運転計画装置22は、ドライバに異常があると判定され且つ所定条件が成立していると判定された場合には、車両10を路肩へ移動させて停車させる運転計画を生成する運転計画処理を実行する。また、運転計画装置22は、ドライバに異常があると判定され且つ所定条件が成立していないと判定された場合には、車両10が走行している車線内で車両10を停車させる運転計画を生成する運転計画処理を実行する。
運転計画は、現時刻から所定時間先までの各時刻における、車両10の目標位置及びこの目標位置における目標車両速度の集合として表される。運転計画が生成される周期は、走行車線計画が生成される周期よりも短いことが好ましい。運転計画装置22は、走行車線計画が車両10の車線間又は車線と路肩との間を移動する車線変更を含む場合、車両10と他の車両との間に所定の距離を維持できるように、車線変更を含む運転計画を生成する。運転計画装置22は、走行車線計画が車両10の車線間を移動する車線変更を含んでいても、車両10と他の車両との間に所定の距離を確保できない場合、車両を停車するように運転計画を生成する。運転計画装置22は、運転計画を生成する度に、運転計画を車両制御装置21へ出力する。
通信IF31は、車内通信部の一例であり、運転計画装置22を車内ネットワーク23に接続するためのインターフェース回路を有する。即ち、通信IF31は、車内ネットワーク23を介して、カメラ11と、レーダセンサ12a~12dと、測位情報受信機13と、地図情報記憶装置14と、ナビゲーション装置15と、監視装置16と、UI17と、位置推定装置18と、物体検出装置19と、走行車線計画装置20と、車両制御装置21等と接続される。
メモリ32は、記憶部の一例であり、例えば、揮発性の半導体メモリ及び不揮発性の半導体メモリを有する。そしてメモリ32は、運転計画装置22のプロセッサ33により実行される情報処理において使用されるアプリケーションのコンピュータプログラム及び各種のデータを記憶する。
プロセッサ33は、1個又は複数個のCPU(Central Processing Unit)及びその周辺回路を有する。プロセッサ33は、論理演算ユニット、数値演算ユニットあるいはグラフィック処理ユニットといった他の演算回路を更に有していてもよい。プロセッサ33が複数個のCPUを有する場合、CPUごとにメモリを有していてもよい。プロセッサ33は、ドライバ判定処理、条件判定処理及び運転計画処理を実行する。
プロセッサ33は、ドライバ判定処理を実行するドライバ判定部41と、条件判定処理を実行する条件判定部42と、運転計画処理を実行する運転計画部43とを有する。プロセッサ33が有するこれらの各部は、例えば、プロセッサ33上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、プロセッサ33が有するこれらの各部は、プロセッサ33に設けられる、専用の演算回路であってもよい。
図3は、運転計画装置22の動作フローチャートの一例である。図3を参照しながら、運転計画装置22が運転計画を生成する処理について、以下に説明する。運転計画装置22は、車両10の走行中に、図3に示される動作フローチャートに従って運転計画処理を繰り返して実行する。
まず、運転計画装置22のプロセッサ33のドライバ判定部41は、所定の周期で設定されるドライバ判定時刻において、ドライバに異常があるか否かを判定する(ステップS101)。ドライバ判定部41は、監視装置16からドライバの運転に関与する動作が検知されなかったことを表す運転不関与信号が入力されている場合、ドライバに異常があると判定する(ステップS101-Yes)。一方、ドライバ判定部41は、監視装置16から運転不関与信号が入力されていない場合、ドライバに異常がないと判定する。
ドライバに異常があると判定された場合、運転計画装置22のプロセッサ33の条件判定部42は、所定の条件が成立しているか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102における所定条件の成立の可否については、図4を用いて後述する。
所定の条件が成立していると判定された場合(ステップS102-Yes)、運転計画装置22のプロセッサ33の運転計画部43は、車両10を路肩へ移動させて停車させる運転計画を生成する(ステップS103)(図1(A)参照)。一方、所定の条件が成立していないと判定された場合(ステップS102-No)、運転計画部43は、車両10が走行している車線内で車両10を停車させる運転計画を生成する(ステップS104)(図1(B)参照)。運転計画部43は、車両制御部21が運転計画に基づいて車両10を路肩53上の目標位置へ向かって走行させるか、又は、車両10が走行している車線内で車両10を停車させるように制御を開始まで、図3に示す動作を行っている。
また、ドライバに異常がないと判定された場合、運転計画部43は、走行車線計画等に基づいた運転計画を生成する(ステップS105)。即ち、運転計画部43は、走行車線計画と、地図情報と、車両10の現在位置と、周辺環境情報と、車両状態情報とに基づいて、所定の時間(例えば、5秒)先までの車両10の予定走行軌跡を表す運転計画を生成する。
上記のような処理によって、ドライバに異常が生じた場合、車両10の安全が確保できると推定される所定条件が成立している場合に限り、路肩に車両10を移動させて停車させるように車両の運転計画を生成できる。これによって、通常は走行が許可されておらず、安全と思われる路肩が、状況によって安全ではない場合であっても(各国の道路事情により、所定時間や状況で路肩の走行が許可される場合があるので)、安全に車両を停止する運転計画を生成することが可能となる。
図4は、条件判定部における所定条件の成立の可否の動作フローチャートの一例である。
まず、条件判定部42は、車両10の現在位置と、地図情報とに基づいて、車両10が路肩に隣接する車線内を走行しているか否かを判定する(ステップS201)。
車両10が路肩に隣接する車線内を走行していると判定された場合(ステップS201-Yes)、条件判定部42は、物体検出装置19から入力された物体検出情報に基づいて、車両10の後方から路肩を走行して車両10に接近してくる他の物体を検知しているか否かを判定する(ステップS202)。
車両10が路肩に隣接する車線内を走行しており、且つ、車両10の後方から路肩を走行して車両10に接近してくる他の物体が検知さていない場合(ステップS202-No)、所定の条件が成立していると判定する。
一方、車両10が路肩に隣接する車線内を走行していないと判定された場合(ステップS201-No)、又は、車両10の後方から路肩を走行して車両10に接近してくる他の物体が検知されている場合(ステップS202-Yes)、条件判定部42は、所定の条件が成立していないと判定する(ステップS204)。
図4に示す例では、所定条件の成立(図3のステップS102)は、(1)車両10が路肩に隣接する車線内を走行し、且つ、(2)車両10の後方から路肩を走行して車両10に接近してくる他の物体を検知していないという、車両10の周囲の環境情報に基づいて判定されていた。しかしながら、所定条件の成立の判定を行う場合に、上記の(1)及び(2)の環境情報に加えて、以下に示す他の環境情報、及び車両10の車両情報として列記する(3)~(14)の何れか1つ又は複数を用いても良い。
(他の環境情報)
(3)車両10が走行する道路が他の道路と合流する合流地点に所定の距離以内に接近していないこと;
(4)運転計画装置22により生成された予定走行軌跡上に障害物が検知されないこと;
(5)車両10の現在位置が地図情報記憶装置に記憶される高精度な地図情報に表される地域から外れていないこと。
(車両10の車両情報)
(6)ブレーキペダル(図示せず)が操作されたこと;
(7)車両10の運転を自動制御で制御する運転モードがキャンセルされたこと;
(8)シフトポジションがパーキングに操作されるのと連動してパーキングブレーキがオンになるように制御されるスイッチが操作されたこと;
(9)シフトポジションがニュートラルの位置に操作されたこと;
(10)他の物体が検知されたことにより制動制御が行われたこと;
(11)レーダセンサ12a~12f及びカメラ11等の車両10を路肩へ移動させる判定及び動作に用いられる装置等に異常が検知されたこと;
(12)車両10が所定の距離を連続して走行したこと又は車両10が所定の時間の間連続して走行したこと;
(13)車両10の現在位置が、運転計画装置22により生成された予定走行軌跡に対して進行方向と直交する方向に所定の距離以上に逸脱したこと;
(14)位置推定装置18に異常が検知されたこと。
次に、上述された運転計画に基づいて制御される車両10の動作の一例について、図5(A)及び図5(B)を参照しながら、以下に説明する。図5(A)は図1(A)に対応しており、図5(B)は図1(B)に対応している。図5(A)及び図5(B)では、車両10の非常点滅表示灯の点滅動作が、図1(A)及び図1(B)から追加されている。
図5(A)を用いて、車両10を路肩へ移動させて停車させる運転計画に基づいて車両10が自動制御される例を説明する。まず、時刻T101において、車両10は、道路50の車線51上を走行しており、車両10の監視装置16は、ドライバは運転に関与していると判定している。
次に、時刻T102において、監視装置16は、ドライバの運転に対する関与レベルが低いと判定されたので、UI17を介して、運転に関与することを求める警告をドライバへ与える。また、監視装置16は、ドライバの運転に対する関与レベルが低いことを表す信号を、車内ネットワーク23を介して運転計画装置22へ出力しこれに応じて、運転計画装置22は、非常点滅表示灯を点滅させ、且つ、減速を開始する。これにより、車両10の周囲に対して、車両10の挙動に注意を払うように報知する。
次に、時刻T103において、監視装置16は、ドライバに対して警告を与えた後の所定の時間内に、ドライバの運転に対する関与レベルは高いと判定されず、且つ、タッチセンサ162によってドライバがステアリングを保持していることが検知されず、且つ、トルクセンサ163によってドライバによるステアリングの操作が検知されず、且つドライバによるアクセルペダル及びブレーキペダルの操作が検知されなかったので、ドライバの運転に関与する動作が検知されなかったことを表す運転不関与信号を生成する。監視装置16は、運転不関与信号を、車内ネットワーク23を介して運転計画装置22へ出力する。運転計画装置22のドライバ判定部41は、監視装置16から運転不関与信号が入力されたので、ドライバに異常があると判定する。したがって、運転計画装置22は、車両10の非常点滅表示灯の点滅を継続させる。
運転計画装置22の条件判定部42は、車両10の現在位置と、地図情報とに基づいて、車両10が路肩53に隣接する車線51内を走行していると判定する。更に、運転計画装置22の条件判定部42は、車両10の後方から路肩53を走行して車両10に接近してくる他の物体は検知されていないと判定する。前記の判定により、所定の条件が成立したものとして、運転計画装置22の運転計画部43は、車両10の現在位置と、地図情報と、車両10の車両速度等とに基づいて、車両10を停車可能な路肩53上の目標位置を決定する。運転計画部43は、この目標位置に向かって減速しながら停車するように運転計画を生成する。なお、運転計画部43は、車両制御部21が運転計画に基づいて車両10を路肩53上の目標位置へ向かって走行するように制御を開始するまでは、図3に示す判定処理を行っている。また、運転計画部43が車両10を路肩53上の目標位置へ向かって走行する運転計画を一度生成した後でも、車両制御部21がこの運転計画に基づいた車両10の制御を開始する前に予定走行軌跡上に障害物が検知された場合には、新たな路肩53上に目標位置を決定して、車両10を路肩53上の新たな目標位置へ向かって走行する運転計画を生成する。また、運転計画部43が車両10を路肩53上の目標位置へ向かって走行する運転計画を一度生成した後でも、車両制御部21がこの運転計画に基づいた車両10の制御を開始する前に、車両10の後方から路肩53を走行して車両10に接近してくる他の物体が検知されていると判定した場合には、所定の条件が成立していないと判定する。
次に、時刻T104において、車両10は、路肩53上の目標位置に対して所定の距離に到達すると、車両速度を所定の速度(例えば、10km/h)まで減速させる。また、車両10は、車両10が走行している車線51内において車両10を路肩53側に移動させて路肩53に沿って走行する。例えば、運転計画部43は、車線と路肩とを区画する区画線から30~50cm程度離れた位置を車両10が走行するように運転計画を生成する。これにより、車両10の周囲の他の車両に対して、車両10が路肩へ移動することを予告できる。車両10は、方向指示器を点滅させながら、車線51上を路肩53に沿って路肩53上の目標位置に向かって所定の距離を走行する。なお、車両10は、方向指示器が点滅する際には、非常点滅表示灯の点滅は行わない。
次に、時刻T105において、車両10は、車両10と他の車両との間に所定の距離を維持しつつ、路肩53上の目標位置へ向かって路肩53へ移動することを開始する。車両10は、走行していた車線51から区画線55をまたいて、路肩53へ進入していく。
最後に、時刻T106において、車両10は、路肩53上の目標位置で停車し、再度運転計画装置22により車両10の非常点滅表示灯の点滅が開始される。なお、車両10は、目標位置へ移動している際に、走行予定軌跡上に障害物を検知した場合には、緊急停止するように自動制御されても良い。
図5(B)を用いて、車両10が走行している車線内で車両10を停車させる運転計画に基づいて車両10が自動制御される例を説明する。時刻T201及び時刻T202における車両10の動作と、時刻T203において、監視装置16から運転不関与信号が運転計画装置22へ出力されるまでの動作は、図5(A)の時刻T101から時刻T103に示す例と同じである。
時刻T203において、運転計画装置22の条件判定部42は、車両10の現在位置と、地図情報とに基づいて、車両10が路肩53に隣接する車線51内を走行していると判定する。更に、運転計画装置22の条件判定部42は、他の車両60が、後方から路肩53を走行して車両10に接近しているので、車両10の後方から路肩53を走行して車両10に接近してくる他の物体が検知されていると判定する。前記の判定により、所定の条件が成立していないとされて、運転計画装置22の運転計画部43は、車両10の現在位置と、地図情報と、車両10の車両速度等に基づいて、車両10を停車させる目標位置を車線51上に決定する。運転計画部43は、この目標位置に向かって減速しながら停車するように運転計画を生成する。運転計画部43は、車両制御部21が運転計画に基づいて車両10を路肩53上の目標位置へ向かって走行するように制御を開始するまでは、図3に示す判定処理を行っている。運転計画部43が車両10の走行している車線内で車両10を停車させる運転計画を一度生成した後でも、車両制御部21がこの運転計画に基づいた車両10の制御を開始する前に、他の物体が車両10の横を通過してしまう場合がある。この場合、車両10の後方から路肩53を走行して車両10に接近してくる他の物体が検知されなくなるので、運転計画部43は、所定の条件が成立したと判定する。そして、車両10を停車させる目標位置を路肩53上に決定し、この目標位置に向かって路肩53へ移動するように運転計画を生成する。
次に、時刻T204及び時刻T205において、車両10は、車線51上の目標位置に対して所定の距離に到達すると、所定の速度(例えば、10km/h)まで減速して、車線51上の目標位置へ向かって移動する。
最後に、時刻T206において、車両10は、車線51上の目標位置で停車する。車両10の後方から路肩53を走行して接近してくる他の車両が一台でも検知された場合、更に他の車両が路肩53を走行してくる可能性があるので、車線51上の目標位置で停車した後に、再度路肩53に退避する運転計画を生成することはしない。また、運転計画装置22は、時刻T202~時刻T206の間、車両10の非常点滅表示灯の点滅を継続させる。
以上に説明してきたように、この運転計画装置は、ドライバに異常があるか否かを判定し、車両の周囲の環境情報に基づいて、所定条件が成立しているか否かを判定し、ドライバに異常があると判定され且つ前記所定条件が成立していると判定された場合には、前記車両を路肩へ移動させて停車させる第1の運転計画を生成し、ドライバに異常があると判定され且つ前記所定条件が成立していないと判定された場合には、前記車両が走行している車線内で前記車両を停車させる第2の運転計画を生成する。これにより、運転計画装置は、ドライバに異常が生じた場合、車両10の安全が確保できると推定される所定条件が成立している場合に限り、路肩に車両10を移動させて停車させるように車両の運転計画を生成できる。
次に、上述した運転計画装置の第2実施形態を、図6及び図7を参照しながら以下に説明する。第2実施形態において、上述の第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する
図6は、第2実施形態の運転計画装置の動作フローチャートの一例である。以下、図6に示す動作フローチャートを参照しながら、第2実施形態の運転計画装置の動作を説明する。なお、第2実施形態では、路肩に移動して停止する場合及び走行車線上で停止する場合の何れの場合であって、一旦走行車線内で路肩側に車両を移動するという動作が第1実施形態の動作に追加されている。
まず、ステップS301の処理は、図3のステップS101と同じ処理であるので説明を省略する。
ドライバに異常があると判定された場合(ステップS301-Yes)、運転計画装置22のプロセッサ33の運転計画部43は、車両10が走行している車線内において車両を路肩側に移動させて走行させる運転計画を生成する(ステップS302)。運転計画部43は、原則として車両10が走行している車線内の中央を走行するように、運転計画を生成する。しかし、ドライバに異常があると判定された場合には、運転計画部43は、車両10が走行している車線内の中央よりも、路肩側に沿って走行するように運転計画を生成する。例えば、運転計画部43は、車線と路肩とを区画する区画線から30~50cm程度離れた位置を車両10が走行するように運転計画を生成する。これにより、車両10の周囲の他の車両に対して、車両10が路肩へ移動する可能性のあることを予告できる。
ステップS303からステップS306の処理は、図3のステップS102からステップS105と同じ処理であるのでその説明を省略する。
次に、上述された運転計画に基づいて制御される車両の動作の一例について、図7(A)及び図7(B)を参照しながら、以下に説明する。図7(A)は図5(A)に対応しており、図7(B)は図5(B)に対応している。
図7(A)を用いて、車両10を路肩へ移動させて停車させる運転計画に基づいて車両10が自動制御される例を説明する。
時刻T301及び時刻T302における車両10の動作と、時刻T303において、監視装置16から運転不関与信号が運転計画装置22へ出力されるまでの動作は、図5(A)の時刻T101から時刻T103に示す例と同じである。
時刻T303において、運転計画装置22のドライバ判定部41は、監視装置16から運転不関与信号が入力されたので、ドライバに異常があると判定する。したがって、運転計画装置22は、車両10の非常点滅表示灯の点滅を継続させ、車両10の周囲に対して、車両10の挙動に注意を払うように報知する。さらに、運転計画装置22の運転計画部43は、車両10が走行している車線51内において車両を路肩53側に移動させて走行させる運転計画を生成する。
次に、時刻T304において、車両10は、車両10の方向指示器を点滅させて、車両10と他の車両との間に所定の距離を維持しつつ、車線51内において車両10を路肩53側に移動させて、減速しながら車線51を走行する。なお、方向指示器が点滅する際には、非常点滅表示灯の点滅は行わない。
そして、運転計画装置22の条件判定部42は、車両10の現在位置と、地図情報とに基づいて、車両10が路肩53に隣接する車線51内を走行していると判定する。更に、運転計画装置22の条件判定部42は、車両10の後方から路肩53を走行して車両10に接近してくる他の物体は検知されていないと判定する。前記の判定により、所定の条件が成立したとして、運転計画装置22の運転計画部43は、車両10の現在位置と、地図情報と、車両10の車両速度等とに基づいて、車両10を停車可能な路肩53上の目標位置を決定する。運転計画部43は、この目標位置に向かって減速しながら停車するように運転計画を生成する。
時刻T305から時刻T306の車両10の動作は、図5(A)の時刻T105及び時刻T106と同じであるので、詳細な説明を省略する
図7(B)を用いて、車両10が走行している車線内で車両10を停車させる運転計画に基づいて車両10が自動制御される例を説明する。
時刻T401から時刻T403における車両10の動作は、図7(A)の時刻T301から時刻T303に示す例と同じである。
時刻T404において、車両10は、車両10の方向指示器を点滅させて、車両10と他の車両との間に所定の距離を確保しつつ、車線51内において車両10を路肩53側に移動させて、減速しながら車線51を走行する。なお、方向指示器が点滅する際には、非常点滅表示灯の点滅は行わない。
運転計画装置22の条件判定部42は、車両10の現在位置と、地図情報とに基づいて、車両10が路肩53に隣接する車線51内を走行していると判定する。更に、運転計画装置22の条件判定部42は、他の車両60が、車両10の後方から路肩53を走行して車両10に接近しているので、車両10の後方から路肩53を走行して車両10に接近してくる他の物体が検知されていると判定する。前記の判定により、所定の条件が成立していないとされて、運転計画装置22の運転計画部43は、車両10が走行している車線51内で車両10を停車させる運転計画を生成する。運転計画部43は、車両10の現在位置と、地図情報と、車両10の車両速度等に基づいて、車両10を停車させる目標位置を車線51上に決定して、この目標位置に向かって減速しながら停車するように運転計画を生成する。
次に、時刻T405において、車両10は、方向指示器の点滅を停止して、非常点滅表示灯を点滅させる。時刻T405において、車両10は、車線51内において車両10を路肩53側に寄せた状態で、車両10と他の車両との間に所定の距離を維持しつつ、減速しながら車線51上の目標位置へ向かって移動する。車両10は、車線51上の目標位置で停車する前に、停車可能な速度まで更に減速していく。
最後に、時刻T406において、車両10は、車線51上の目標位置で停車する。
上述した第2実施形態では、路肩に移動して停止する場合及び走行車線上で停止する場合の何れの場合であって、一旦走行車線内で路肩側に車両を移動するという動作が第1実施形態の動作に追加されている。したがって、周囲の車にたいして、対象の車両に異常等が発生したことを周知させることで、回避行動等をとらせることが可能となる。
本発明では、上述した実施形態の運転計画装置及び運転計画用コンピュータプログラムは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
10 車両
11 カメラ
12a~12f レーダセンサ
13 測位情報受信機
14 地図情報記憶装置
15 ナビゲーション装置
16 監視装置
17 ユーザインターフェース
18 位置推定装置
19 物体検出装置
20 走行車線計画装置
21 車両制御装置
22 運転計画装置
23 車内ネットワーク
31 通信インターフェース
32 メモリ
33 プロセッサ
34 信号線
41 ドライバ判定部
42 条件判定部
43 運転計画部

Claims (6)

  1. ドライバに異常があるか否かを判定するドライバ判定部と、
    車両の周囲の環境情報に基づいて、所定条件が成立しているか否かを判定する条件判定部と、
    前記ドライバ判定部によってドライバに異常があると判定され且つ前記条件判定部により前記所定条件が成立していると判定された場合には、前記車両を路肩へ移動させて停車させる第1の運転計画を生成し、前記ドライバ判定部によってドライバに異常があると判定され且つ前記条件判定部により前記所定条件が成立していないと判定された場合には、前記車両が走行している車線内で前記車両を停車させる第2の運転計画を生成する運転計画部と、
    を有することを特徴とする運転計画装置。
  2. 前記条件判定部は、前記車両が路肩に隣接する車線内を走行し、且つ、前記車両の後方から路肩を走行して前記車両に接近してくる他の物体を検知しない場合、前記所定条件が成立していると判定する、請求項1に記載の運転計画装置。
  3. 前記条件判定部は、少なくとも前記車両の後方から路肩を走行して前記車両に接近してくる他の物体を検知した場合、前記所定条件が成立していないと判定する、請求項1に記載の運転計画装置。
  4. 前記運転計画部は、前記車両が走行している車線内において前記車両を路肩側に移動させて路肩に沿って所定の距離を走行した後、前記車両を路肩へ移動させて停車させるように前記第1の運転計画を生成する請求項1~3の何れか一項に記載の運転計画装置。
  5. 前記運転計画部は、前記ドライバ判定部によってドライバに異常があると判定された場合、前記車両が走行している車線内において前記車両を路肩側に移動させて走行させる第3の運転計画を生成し、前記第3の運転計画を生成した後、前記条件判定部による前記所定条件が成立しているか否かの判定に応じて、前記第1の運転計画又は前記第2の運転計画を生成する、請求項1~3の何れか一項に記載の運転計画装置。
  6. ドライバに異常があるか否かを判定し、
    車両の周囲の環境情報に基づいて、所定条件が成立しているか否かを判定し、
    ドライバに異常があると判定され且つ前記所定条件が成立していると判定された場合には、前記車両を路肩へ移動させて停車させる第1の運転計画を生成し、
    ドライバに異常があると判定され且つ前記所定条件が成立していないと判定された場合には、前記車両が走行している車線内で前記車両を停車させる第2の運転計画を生成する、
    ことをプロセッサに実行させることを特徴とする運転計画用コンピュータプログラム。
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