JP2022013724A - シート搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シートのスキュー及び横ズレを補正できる構成を提供する。【解決手段】1対の規制ガイド14A、14Bは、搬送ベルト12と球体とで挟持されつつ搬送されるシートSのシート幅方向の両端縁をガイド可能である。また、1対の規制ガイド14A、14Bは、シートの両端縁をガイドするガイド位置と、ガイド位置よりもシートの両端縁から退避した退避位置とに移動可能である。制御部は、シートを搬送する際に、1対の規制ガイド14A、14Bを前記退避位置に位置させた状態でシートを搬送ベルト12により搬送させ、搬送ベルト12により搬送した状態のシートの先端を、駆動を停止した搬送ローラ対402に当接させる。その後に、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置からガイド位置に位置づけ、更にその後、搬送ローラ対402を駆動してシートを搬送方向下流側へ搬送する。【選択図】図10
Description
本発明は、シートを搬送するシート搬送装置に関する。
シートを搬送するシート搬送装置においては、シートの搬送中に様々な要因でシートのスキューなどの位置ずれが生じる虞がある。スキューとは、シート搬送方向に対してシートが傾くことである。そして、位置ずれが生じたまま、例えば、シートに画像を形成する画像形成装置に搬送された場合、シートに対して画像がずれるなどの不具合が生じてしまう。
このため、シートをレジストローラ対に突き当てることにより、シートのスキューを補正する構成が開示されている(例えば、特許文献1)。この構成では、シート先端をレジストローラ対に突き当てた状態でシートを上流側の搬送ローラ対で送り続け、シートにループを形成してからレジストローラ対を回転させることでシートのスキューを補正している。
特許文献1に記載のシート搬送装置の場合、上述のようにシートのスキューは補正できるが、シートの横ズレ、即ち、シートが幅方向にずれて搬送されてしまうことを補正できない。
本発明は、シートのスキュー及び横ズレを補正できる構成を提供することを目的とする。
本発明は、シートを搬送方向に搬送するシート搬送装置であって、前記搬送方向に沿って延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、前記搬送面と対向する位置に前記搬送方向に沿って複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、任意方向に回転可能な球体と、前記搬送ベルトの前記搬送方向下流側に設けられ、シートを搬送可能な搬送ローラ対と、前記搬送方向と交差するシート幅方向に関して前記搬送ベルトの両側に配置され、前記搬送ベルトと前記球体とで挟持されつつ搬送されるシートの前記シート幅方向両端縁をガイド可能な1対の規制ガイドと、前記1対の規制ガイドを、シートの前記シート幅方向両端縁をガイドするガイド位置と、前記ガイド位置よりもシートの前記シート幅方向両端縁から退避した退避位置とに移動可能なガイド移動手段と、前記搬送ベルト、前記搬送ローラ対及び前記ガイド移動手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、シートを搬送する際に、前記1対の規制ガイドを前記退避位置に位置させた状態でシートを前記搬送ベルトにより搬送させ、前記搬送ベルトにより搬送した状態のシートの先端を、駆動を停止した前記搬送ローラ対に当接させた後に、前記1対の規制ガイドを前記退避位置から前記ガイド位置に位置づけ、その後、前記搬送ローラ対を駆動してシートを搬送方向下流側へ搬送するモードを実行可能であることを特徴とする。
本発明によれば、シートのスキュー及び横ズレを補正できる。
実施形態について、図1~図13を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成システムについて、図1を用いて説明する。
[画像形成システム]
図1は、本実施形態に係る多段給送装置及び画像形成装置を備える画像形成システムの一例を概略的に示す断面図である。以下の説明では、画像形成部を有する画像形成装置として、電子写真方式を用いたレーザプリンタシステム(以下単にプリンタと呼ぶ)を例に挙げて説明する。なお、画像形成システムを構成する画像形成装置は、プリンタ以外に、複写機、ファクシミリ、複合機などであっても良い。また、画像形成装置は、電子写真方式に関らず、インクジェット方式などの他の方式の構成であっても良い。
図1は、本実施形態に係る多段給送装置及び画像形成装置を備える画像形成システムの一例を概略的に示す断面図である。以下の説明では、画像形成部を有する画像形成装置として、電子写真方式を用いたレーザプリンタシステム(以下単にプリンタと呼ぶ)を例に挙げて説明する。なお、画像形成システムを構成する画像形成装置は、プリンタ以外に、複写機、ファクシミリ、複合機などであっても良い。また、画像形成装置は、電子写真方式に関らず、インクジェット方式などの他の方式の構成であっても良い。
本実施形態の画像形成システム1000は、画像形成装置100と、画像形成装置100に接続されたシート給送装置としての多段給送装置200と、給送デッキ500と、を有している。多段給送装置200は、詳しくは後述するように、それぞれが複数枚のシートを収納可能な複数の収納庫を有しており、各収納庫から画像形成装置100にシートを給送可能である。また、給送デッキ500も複数枚のシートを収納可能な収納庫を有しており、シート搬送方向に関して、多段給送装置200の上流側に配置されている。また、給送デッキ500から給送されるシートは、多段給送装置200に設けられた中継搬送装置400を介して画像形成装置100に搬送される。なお、シートとしては、普通紙、薄紙、厚紙などの紙、プラスチックシートなどが挙げられる。
画像形成装置100は、画像形成装置本体101に接続された原稿読み取り装置102又は画像形成装置本体101に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)をシートに形成する。本実施形態の場合、原稿読み取り装置102は、画像形成装置本体101の上側に配置されている。
原稿読み取り装置102は、原稿を読み取る際には、プラテンガラス103の上に載置された原稿に走査光学系光源によって光を照射すると共に、反射光をCCDに入力することにより原稿画像を読み取るようにしている。また、原稿読み取り装置102は、自動原稿搬送装置(ADF)104を備えており、トレイ105上に載置された原稿をADF104により自動的に原稿読み取り装置102の読み取り部に搬送して、原稿画像を読み取ることも可能である。そして、読み取った原稿画像は電気信号に変換されて、後述する画像形成部110のレーザスキャナ113に伝送される。なお、レーザスキャナ113は、上述したようにパーソナルコンピュータ等から送信されてくる画像データが入力される場合もある。
画像形成装置100は、画像形成部110、複数のシート給送装置120、シート搬送装置130等を備える。画像形成装置100は、制御部140により各部が制御される。制御部140は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。CPUは、ROMに格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら各部の制御を行う。また、RAMには、作業用データや入力データが格納されており、CPUは、前述のプログラム等に基づいてRAMに収納されたデータを参照して制御を行う。
複数のシート給送装置120は、それぞれシートSを収納するカセット121と、ピックアップローラ122と、フィードローラ123及びリタードローラ124から構成される分離搬送ローラ対125とを備えている。カセット121内に収納されたシートSは、所定のタイミングで昇降動作して回転するピックアップローラ122と分離搬送ローラ対125とによって1枚ずつ分離されて給送される。
シート搬送装置130は、搬送ローラ対131、レジストローラ対133を備えている。シート給送装置120から給送されたシートSは、搬送ローラ対131によりシート搬送路134を通過させられた後、レジストローラ対133に導かれる。この後、シートSは、レジストローラ対133によって、所定のタイミングで画像形成部110に送り込まれる。
なお、後述する多段給送装置200や給送デッキ500から搬送ローラ対201を介して搬送されるシートは、画像形成装置100との接続経路202を介して画像形成装置100内に搬送される。そして、多段給送装置200や給送デッキ500から画像形成装置100内に搬送されたシートは、画像形成装置100内のシート給送装置120から搬送されるシートと同様に、レジストローラ対133を介して所定のタイミングで画像形成部110に送り込まれる。
画像形成部110は、感光ドラム111、帯電器112、レーザスキャナ113、現像器114、転写装置115、クリーナ117等を備えている。画像形成時には、感光ドラム111が図の矢印方向に回転駆動され、まず、帯電器112により感光ドラム111の表面が一様に帯電される。そして、画像信号に応じて発光されるレーザスキャナ113からのレーザ光が帯電された感光ドラム111に照射されることで、感光ドラム111上に静電潜像が形成される。さらに、このようにして感光ドラム111上に形成された静電潜像は、この後、現像器114によってトナー像として顕像化される。
この後、感光ドラム111上のトナー像は、転写部116において転写装置115によりシートSに転写される。さらに、このようにトナー像が転写されたシートSは、定着装置150に搬送されてトナー像の定着が行われ、この後、排出ローラ151によって機外の排出トレイ152に排出される。
シートSの裏面にトナー像を形成する場合には、定着装置150から排出されたシートSを反転搬送路160に搬送する。そして、反転搬送路160により表裏を反転した状態で、シートSを再度、画像形成部110の転写部116に搬送する。裏面にトナー像が転写されたシートSは、定着装置150に搬送され、トナー像の定着が行われた後、排出ローラ151により排出トレイ152に排出される。なお、転写後に感光ドラム111上に残った転写残トナーは、クリーナ117により除去される。
[多段給送装置]
引き続き、図1を用いて多段給送装置200の概要について説明する。多段給送装置200は、複数の収納庫210a~210c、中継搬送装置400等を備える。本実施形態では、3つの収納庫210a~210cを上下に3段並べており、一番下の収納庫210cと上から2番目の収納庫210bとの間に中継搬送装置400を配置している。
引き続き、図1を用いて多段給送装置200の概要について説明する。多段給送装置200は、複数の収納庫210a~210c、中継搬送装置400等を備える。本実施形態では、3つの収納庫210a~210cを上下に3段並べており、一番下の収納庫210cと上から2番目の収納庫210bとの間に中継搬送装置400を配置している。
一番上の収納庫210aから給送されたシートは、搬送経路212に搬送され、上から2番目の収納庫210bから給送されたシートは、搬送経路213に搬送され、一番下の収納庫210cから給送されたシートは、搬送経路214に搬送される。また、中継搬送装置400から搬送されたシートは、搬送経路215に搬送される。搬送経路213は、途中で搬送経路212に合流している。また、搬送経路212,214,215は、合流点216で合流し、搬送経路217を通って搬送ローラ対201に搬送され、接続経路202を介して画像形成装置100に搬送される。
また、搬送経路213と合流後の搬送経路212、中継搬送装置400、搬送経路214には、それぞれシートの重送を検知する重送検知センサが配置されている。そして、重送検知センサにより重送が検知されたシートは、搬送経路217まで搬送される。搬送経路217の下方には、重送が検知されたシートを収容する重送シート収容部(エスケープトレイ)218が配置されている。重送が検知され、搬送経路217に搬送されたシートは、搬送経路217に設けられた切換部材219により搬送経路が切り換えられることで、重送シート収容部に搬送される。
また、多段給送装置200は、制御部203により各部が制御される。制御部203は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有している。また、制御部203は、画像形成装置100の制御部140と通信可能であり、制御部140と通信することでシートの給送タイミングなどを制御する。
上流側の給送デッキ500から給送されたシートは、搬送経路512を通って中継搬送装置400に搬送される。また、多段給送装置200は、手差しでもシートが給送可能となっている。手差しで給送されたシートは、搬送経路512に合流する搬送経路510に搬送され、搬送ローラ対511により搬送経路512を介して中継搬送装置400に搬送される。
中継搬送装置400は、詳しくは次述するが、搬送ベルト12などを備える位置ずれ補正部410、位置ずれ補正部410のシート搬送方向上流側の搬送ローラ対401、位置ずれ補正部410のシート搬送方向下流側の搬送ローラ対402等を備える。搬送経路512を搬送されるシートは、搬送ローラ対401により位置ずれ補正部410に送られる。シートは、位置ずれ補正部410でサイドレジ(シート幅方向端縁の位置ずれ、横ズレ)とサイドスキュー(シート搬送方向に対するシートの幅方向端縁の傾き、スキュー)が補正された後、下流側の搬送ローラ対402に受け渡される。そして、搬送ローラ対402、403により搬送経路215に搬送される。このように、中継搬送装置400は、上流側の給送デッキ500等から搬送されたシートの位置ずれなどを補正し、下流側の画像形成装置100に受け渡す。
[中継搬送装置]
次に、シート搬送装置としての中継搬送装置400について説明する。まず、中継搬送装置400の概略構成について、図2ないし図5を用いて説明する。中継搬送装置400は、上流側の搬送ローラ対401、下流側の搬送ローラ対402、上述の位置ずれ補正部410などを有し、シートを搬送方向Xに搬送する。位置ずれ補正部410は、搬送ベルト12、複数の球体20、1対の規制ガイド14A、14B、ガイド移動部420等を有する。
次に、シート搬送装置としての中継搬送装置400について説明する。まず、中継搬送装置400の概略構成について、図2ないし図5を用いて説明する。中継搬送装置400は、上流側の搬送ローラ対401、下流側の搬送ローラ対402、上述の位置ずれ補正部410などを有し、シートを搬送方向Xに搬送する。位置ずれ補正部410は、搬送ベルト12、複数の球体20、1対の規制ガイド14A、14B、ガイド移動部420等を有する。
搬送ベルト12は、シートを搬送する搬送部材としての搬送ローラ対401の搬送方向Xの下流(搬送方向下流)に配置されている。搬送ベルト12は、プーリ11A、11Bに掛け渡された無端状のベルトであり、搬送方向Xに沿って延設される搬送面12Aを有する。片側のプーリ11Aには、駆動源としてのモータM1が接続されており、搬送ベルト12は、モータM1の駆動により回転する。このような搬送ベルト12は、搬送方向Xの上流側の搬送ローラ対401から搬送面12Aに受け渡されたシートを搬送方向Xに搬送する。
球体20は、搬送ベルト12の搬送面12Aと対向する位置に搬送方向Xに沿って複数配置されている。本実施形態では、複数の球体20は、搬送ベルト12の上方に配置されている。複数の球体20は、搬送面12Aとの間でシートを挟持しつつ、任意方向に回転可能である。このために、複数の球体20は、それぞれ搬送ベルト12の上方に設けられた保持板18に任意方向に回転自在に保持されている。即ち、保持板18は、図2及び図3に示すように、搬送ベルト12の上方に、搬送面12Aと所定距離離れた位置に搬送方向Xに沿って配置された長尺の板であり、搬送方向Xに互いに間隔をあけて複数の保持穴18Aを有する。そして、保持穴18Aにそれぞれ球体20を回転自在に保持している。
球体20は、図4に示すように、保持穴18Aから露出し、搬送ベルト12の搬送面12A上に載置され、任意の方向に回転自在とされている。球体20は、それぞれ自重により搬送面12Aに当接している。なお、球体20の個数は、搬送ベルト12上を搬送されるシートに対して必要とされる押し付け力に応じて設定すればよい。また、球体20は、シートが後述するように搬送ベルト12上でスリップしながら搬送されることから、摩擦係数が比較的低いガラスやプラスチックなどの材料で構成されることが好ましい。なお、本実施形態では、複数の球体20を搬送方向Xに沿って1列に並べた構成について説明したが、複数の球体20を2列など複数の列にそれぞれ搬送方向Xに並べて配置するようにしても良い。
1対の規制ガイド14A、14Bは、搬送方向Xと交差するシート幅方向Y(本実施形態では搬送方向と直交する方向)に関して、搬送ベルト12の両側に配置されている。そして、1対の規制ガイド14A、14Bは、搬送ベルト12と球体20とで挟持されつつ搬送されるシートのシート幅方向Yの両端縁(シート幅方向両端縁)をガイド可能である。即ち、シート幅方向Yに関して片側(装置の手前側)に配置された規制ガイド14Aは、搬送ベルト12と球体20とで挟持されつつ搬送されるシートのシート幅方向片側の端縁をガイド可能である。また、シート幅方向Yに関して他側(装置の奥側)に配置された規制ガイド14Bは、搬送ベルト12と球体20とで挟持されつつ搬送されるシートのシート幅方向他側の端縁をガイド可能である。なお、シート幅方向Yの片側(手前側)とは、画像形成システム1000を操作する側である。
1対の規制ガイド14A、14Bは、図5に示すように、それぞれ側板部15と、下板部16と、上板部17と、を有し、これら各板部15、16、17で囲まれる空間内に、搬送ベルト12で搬送されるシートSの端部が侵入可能としている。1対の規制ガイド14A、14Bは、後述するガイド移動部420によりガイド位置と、退避位置との移動可能に、支持軸421A、421B(図3参照)に支持されている。支持軸421A、421Bは、それぞれシート幅方向Yと略平行に配置され、1対の規制ガイド14A、14Bの搬送方向Xの端部側を支持している。1対の規制ガイド14A、14Bは、支持軸421A、421Bに沿ってシート幅方向Yに移動可能である。
側板部15は、ガイド位置において、搬送ベルト12と球体20とで挟持されつつ搬送されるシートSのシート幅方向Yの端縁(シート幅方向端縁)と対向するガイド面15Aを有する。ガイド面15Aは、搬送方向Xと平行に配置されている。また、ガイド面15Aは、搬送方向X及びシート幅方向Yにそれぞれ直交する面、本実施形態では、略鉛直方向に沿った面である。
下板部16は、側板部15と直交するように配置され、ガイド位置において、搬送ベルト12と球体20とで挟持されつつ搬送されるシートSのシート幅方向Yの端縁を支持する支持面16Aを有する。支持面16Aは、ガイド面15Aの鉛直方向下端部から略水平方向に延設されている。また、支持面16Aは、搬送ベルト12の搬送面12Aよりも鉛直方向下方に位置する。
ここで、仮に、支持面16Aと搬送面12Aとが同一の高さ、又は、支持面16Aの方が搬送面12Aよりも鉛直方向上方に位置する場合を考える。この場合、厚紙などの剛度の高いシートSが図5に示すように下にカール状態(幅方向Yの両端縁が中央よりも下がった状態)で、搬送ベルト12と球体20の間に搬送されてくると、シートSの幅方向Yの両端縁が支持面16Aに支持される。この際、シートSの幅方向Yの中央部が持ち上げられた状態(ブリッジした状態)になり、球体20を押し上げてしまう。この結果、搬送ベルト12と球体20は離間した状態になり、搬送ベルト12の搬送力がシートSに伝わらず、搬送不良が生じる虞がある。このため、本実施形態では、支持面16Aは、搬送ベルト12の搬送面12Aよりも鉛直方向下方に配置するようにしている。
上板部17は、支持面16Aと対向して配置される対向面17Aを有する。対向面17Aは、ガイド位置において、搬送ベルト12と球体20とで挟持されつつ搬送されるシートSのシート幅方向Yの端縁の上方に位置する。また、対向面17Aは、支持面16Aと略平行に形成されている。
ガイド移動手段としてのガイド移動部420は、図2及び図3に示すように、1対の規制ガイド14A、14Bのうちの片側の規制ガイド14Aを移動させる第1移動部420Aと、他側の規制ガイド14Bを移動させる第2移動部420Bとを有する。また、ガイド移動部420は、規制ガイド14Aを移動させる駆動力を発生させるモータM2、他側の規制ガイド14Bを移動させる駆動力を発生させるモータM3を有する。
第1移動部420Aは、1対のプーリ422A、423Aと、両プーリ422A、423Aに掛け渡された無端状のベルト424Aと、ベルト424Aと規制ガイド14Aとを接続する接続部425Aとを有する。同様に、第2移動部420Bは、1対のプーリ422B、423Bと、両プーリ422B、423Bに掛け渡された無端状のベルト424Bと、ベルト424Bと他側の規制ガイド14Bとを接続する接続部425Bとを有する。
また、図2に示すように、第1移動部420Aは駆動源としてのモータM2に、第2移動部420Bは駆動源としてのモータM3にそれぞれ駆動される。即ち、本実施形態の場合、1対の規制ガイド14A、14Bを移動させる駆動源としてのモータを別々とし、1対の規制ガイド14A、14Bは、それぞれ独立して移動可能となっている。このために、第1移動部420Aのプーリ422Aは、連結軸426Aを介してプーリ427Aと連結されており、プーリ427Aは、モータM2に回転駆動されるプーリとの間でベルト428Aを掛け渡されている。そして、モータM2の回転駆動が、ベルト428A、プーリ427A、連結軸426A、プーリ422Aを介してベルト424Aに伝達される。上述のように、ベルト424Aには、接続部425Aを介して規制ガイド14Aが接続されているため、モータM2の駆動により、規制ガイド14Aが、支持軸421A、421Bに沿ってシート幅方向Yに移動する。
同様に、第2移動部420Bのプーリ422Bは、連結軸426Bを介してプーリ427Bと連結されており、プーリ427Bは、モータM3に回転駆動されるプーリとの間でベルト428Bを掛け渡されている。そして、モータM3の回転駆動が、ベルト428B、プーリ427B、連結軸426B、プーリ422Bを介してベルト424Bに伝達される。上述のように、ベルト424Bには、接続部425Bを介して他側の規制ガイド14Bが接続されているため、モータM3の駆動により、他側の規制ガイド14Bが、支持軸421A、421Bに沿ってシート幅方向Yに移動する。
このようにモータM2、M3を駆動することで、規制ガイド14A、14Bをそれぞれガイド位置や退避位置に移動させている。本実施形態の場合、モータM2、M3は、パルスモータ(ステッピングモータ)としており、規制ガイド14A、14Bの位置は、モータに送るパルス数により制御している。また、規制ガイド14A、14Bは、それぞれホームポジションを有し、ホームポジションにはそれぞれ規制ガイド14A、14Bを検知するセンサを設けている。このため、ホームポジションで規制ガイド14A、14Bの位置を検知し、その後は、モータに送るパルス数により規制ガイド14A、14Bをガイド位置や退避位置に移動させるようにしている。
なお、本実施形態の場合、上述の搬送ベルト12を駆動するモータM1、規制ガイド14A、14Bを移動させるモータM2、M3、後述するモータM5、M7、M8は、他側の規制ガイド14B側に配置している。特に、搬送方向Xに関して、位置ずれ補正部410のシートの搬送範囲内にあるモータについては、搬送ベルト12よりも奥側(他側の規制ガイド14B側)に配置することが好ましい。これは、本実施形態の場合、手前側(片側の規制ガイド14A側)からジャムしたシートを取り除くようにしているためである。
また、本実施形態の場合、図3及び図4に示すように、上流側の搬送ローラ対401と搬送ベルト12との間に、シートの重送を検知する重送検知センサ430を配置している。重送検知センサ430は、例えば、超音波によりシートが2枚以上重なって搬送されたことを検知するセンサである。多段給送装置200の制御部203(図1)は、重送検知センサ430によりシートの重送を検知した場合には、重送シートを中継搬送装置400、搬送経路215、217を介して上述した重送シート収容部218に搬送する。
また、図4に示すように、本実施形態の中継搬送装置400では、シートのジャムを検知するために複数のシート検知センサ433、435、436を有する。なお、シートのジャムとは、シートが搬送路において詰まるなどして滞留してしまうことである。上流側検知手段としてのシート検知センサ433は、搬送ベルト12の搬送方向Xの上流側(搬送方向上流側)に配置され、シートの有無を検知する。シート検知センサ433は、搬送ベルト12と搬送ローラ対401との間に配置される。
シート検知センサ435は、搬送ベルト12の搬送方向Xの下流側(搬送方向下流側)に配置され、シートの有無を検知する。シート検知センサ435は、搬送ベルト12の下流側に配置された搬送ローラ対402と搬送ローラ対403との間に配置されている。シート検知センサ436は、シート検知センサ435の搬送方向Xの下流側に配置され、シートの有無を検知する。シート検知センサ436は、搬送ローラ対403の下流に配置されている。シート検知センサ435、436は、下流側検知手段に相当する。
多段給送装置200の制御部203(図1)は、シート検知センサ433、435、436などの各種シート検知センサの検知信号に基づいて、搬送路においてシートがジャムしたか否かを判断する。そして、制御部203は、シートがジャムしたと判断した場合には、シートの搬送を停止し、画像形成システム1000に設けられた液晶パネルなどの表示部などにシートがジャムしたこと、及び、ジャムした個所を表示する。この際、ユーザやサービスマンなどの操作者に該当箇所の扉を開けるように促す。
また、本実施形態の場合、図3に示すように、シート幅方向Yに関して、搬送ベルト12と1対の規制ガイド14A、14Bの間に、搬送ベルト12により搬送されるシートの下面と対向する対向部材450、460を配置している。対向部材450、460は、仮に、シートの端部が規制ガイド14A、14Bの何れかに支持されずに搬送された場合に、そのシートの端部を支持する。
このように構成される中継搬送装置400は、搬送方向Xの上流の搬送ローラ対401から搬送ベルト12に受け渡されたシートを、搬送ベルト12と球体20によって挟持する。そして、搬送ベルト12の回転によりシートを搬送する。この際、詳しくは後述するように、搬送ベルト12に搬送されるシートの幅方向Yの両端を1対の規制ガイド14A、14Bのガイド面15Aに突き当てる。シートは、ガイド面15Aへ突き当てられると、両側端をガイド面15Aに沿わせつつ搬送ベルト12との間でスリップしながら、ガイド面15Aと平行な方向に搬送される。この際、搬送ベルト12との間でシートを球体20により挟持しており、球体20は、任意方向に回転可能であるため、シートは、搬送ベルト12上を任意方向にスリップしながら移動可能である。これにより、シートのサイドレジ及びサイドスキューが補正される。
[規制ガイド]
次に、1対の規制ガイド14A、14Bの詳しい構成について、図6(a)~(d)を用いて説明する。なお、図6(a)~(d)では、片側の規制ガイド14Aのみを示すが、他側の規制ガイド14Bも同様の構成を有する。図5に示したように、規制ガイド14Aは、ガイド面15Aを有する側板部15と、支持面16Aを有する下板部16と、対向面17Aを有する上板部17とを有する。
次に、1対の規制ガイド14A、14Bの詳しい構成について、図6(a)~(d)を用いて説明する。なお、図6(a)~(d)では、片側の規制ガイド14Aのみを示すが、他側の規制ガイド14Bも同様の構成を有する。図5に示したように、規制ガイド14Aは、ガイド面15Aを有する側板部15と、支持面16Aを有する下板部16と、対向面17Aを有する上板部17とを有する。
図6(a)、(b)に示すように、下板部16及び上板部17は、規制ガイド14Aの長手方向ほぼ全域に亙って連続して設けられている。規制ガイド14Aは、図2などに示したように、搬送方向Xと略平行に配置されているため、下板部16及び上板部17が搬送方向Xに関して連続している範囲を所定領域Aとする。したがって、本実施形態では、下板部16の支持面16A及び上板部17の対向面17Aは、搬送方向Xに関して所定領域Aに亙って連続して設けられている。所定領域Aは、位置ずれ補正部410によりシートが搬送される領域のほぼ全域である。
一方、側板部15は、図6(a)~(c)に示すように、所定領域Aよりも短い領域であるガイド領域Bに亙って連続して設けられている。本実施形態では、側板部15の搬送方向Xの上流端(搬送方向上流端)B1が、所定領域Aの搬送方向Xの上流端A1よりも下流側に位置する。即ち、側板部15のガイド面15Aの搬送方向Xの上流端B1は、所定領域Aの上流端A1よりも下流側に位置する。また、ガイド面15Aは、搬送方向Xに関して所定領域Aの下流端A2まで連続して設けられている。したがって、側板部15の搬送方向Xの下流端B2の位置と、所定領域Aの搬送方向Xの下流端A2の位置とは、搬送方向Xに関してほぼ同じ位置である。
本実施形態では、側板部15の上流端B1よりも上流側には、切り欠き19Cが設けられている。そして、この切り欠き19Cの一部には、側板部15よりもシート幅方向Yの外側に位置する外側板部19を配置している。シート幅方向Yの外側とは、シート幅方向Yに関して搬送ベルト12よりも離れる側である。このため、図6(c)に示すように、外側板部19の内側面19Aは、側板部15の内側面であるガイド面15Aよりもシート幅方向Yの外側に位置する。また、搬送方向Xに関して、外側板部19と側板部15との間には、下流に向かう程、側板部15に近づくように傾斜した傾斜板部19Bが設けられている。
1対の規制ガイド14A、14Bは、それぞれ上述のように構成されることで、搬送方向Xの上流側の外側板部19の内側面19A同士の幅方向Yの間隔が、側板部15のガイド面15A同士の幅方向Yの間隔よりも広くなっている。このため、詳しくは後述するように、上流側の搬送ローラ対401から搬送ベルト12に受け渡されたシートの幅方向Yの両端縁は、搬送方向Xの上流側では内側面19A同士の間に位置し、下流側に搬送されることでガイド面15A同士の間に位置する。
なお、外側板部19や傾斜板部19Bは、省略しても良い。但し、仮に、上流側の搬送ローラ対401から搬送ベルト12に受け渡されたシートの幅方向Yの端部が切り欠き19C内に位置した場合、シートが更に搬送された場合に、シートの端部が側板部15の上流端B1に引っ掛かる虞がある。このため、本実施形態では、外側板部19及び傾斜板部19Bを設け、シートが正規の位置から幅方向Yにずれて搬送されてきた場合にも、外側板部19でその位置を規制し、更に傾斜板部19Bによりシートの端部を側板部15のガイド面15Aに導くようにしている。
[搬送ローラ対の接離構成]
次に、図1及び図2を参照しつつ、図7、図8(a)、(b)を用いて、搬送ローラ対401~403の接離構成について説明する。上述したように、搬送ベルト12の搬送方向Xの上流及び下流には、それぞれ搬送ローラ対401~403が配置されている。搬送ローラ対401~403は、それぞれ、1対の搬送ローラとしての駆動ローラ32及び従動ローラ33を有する。駆動ローラ32は、回転軸32aの周囲にゴムなどの弾性体を設けた弾性ローラである。従動ローラ33は、駆動ローラ32に当接してシートを挟持して搬送するニップ部を形成する。搬送ローラ対401の駆動ローラ32はモータM4により、搬送ローラ対402の駆動ローラ32はモータM5により、搬送ローラ対403の駆動ローラ32はモータM6により、それぞれ独立して回転駆動可能である。
次に、図1及び図2を参照しつつ、図7、図8(a)、(b)を用いて、搬送ローラ対401~403の接離構成について説明する。上述したように、搬送ベルト12の搬送方向Xの上流及び下流には、それぞれ搬送ローラ対401~403が配置されている。搬送ローラ対401~403は、それぞれ、1対の搬送ローラとしての駆動ローラ32及び従動ローラ33を有する。駆動ローラ32は、回転軸32aの周囲にゴムなどの弾性体を設けた弾性ローラである。従動ローラ33は、駆動ローラ32に当接してシートを挟持して搬送するニップ部を形成する。搬送ローラ対401の駆動ローラ32はモータM4により、搬送ローラ対402の駆動ローラ32はモータM5により、搬送ローラ対403の駆動ローラ32はモータM6により、それぞれ独立して回転駆動可能である。
本実施形態では、搬送ベルト12の搬送方向Xの下流側(搬送方向下流側)に配置された搬送ローラ対402、403が、駆動ローラ32と従動ローラ33とを当接及び離間可能な構成を有する。搬送ローラ対402はモータM7により、搬送ローラ対403はモータM8により、それぞれ独立して駆動ローラ32と従動ローラ33とを当接及び離間可能である。搬送ローラ対402、403の構成は同じであるため、以下、接離構成について、搬送ローラ対402を例にして、図7、図8(a)、(b)を用いて説明する。
駆動ローラ32と従動ローラ33とを当接及び離間させる接離機構31は、付勢手段としての圧縮ばね34、支持部材35、モータM7、離間カム36、リンク部材37を有する。接離機構31は、1対の搬送ローラのうちの少なくとも一方、即ち、従動ローラ33を、シートを挟持して搬送可能なニップ位置と、1対の搬送ローラをニップ位置よりも離間させるニップ解除位置とに移動可能なローラ移動手段に相当する。
圧縮ばね34は、従動ローラ33を駆動ローラ32に向けて付勢するばねである。支持部材35は、従動ローラ33の回転軸33aを支持すると共に、揺動軸37aを中心に揺動可能に支持されている。また、支持部材35は、圧縮ばね34により揺動軸37aを中心に従動ローラ33を駆動ローラ32に向けて押し付ける方向に付勢されている。支持部材35は、揺動軸37aに固定されており、揺動軸37aと共に回転して、従動ローラ33を駆動ローラ32に向かう方向及び駆動ローラ32から離れる方向に移動させる。
モータM7は、プーリ38a、38b及びベルト38cを介して離間カム36を回転駆動する。プーリ38aは、モータM7の駆動軸に固定され、プーリ38bは、離間カム36の回転軸36aに固定されている。ベルト38cは、プーリ38a、38bに掛け渡された無端状のベルトである。離間カム36は、外周面の中心が回転軸36aの中心から偏心した偏心カムであり、モータM7の駆動により回転軸36aと共に回転する。
リンク部材37は、揺動軸37aに固定されて、揺動軸37aと共に揺動可能に設けられている。したがって、リンク部材37は、揺動軸37aを介して支持部材35と同期して回転する。リンク部材37は、圧縮ばね34により支持部材35が付勢されることで離間カム36と当接するように配置されている。
離間カム36が図8(a)に示す位相にある場合、従動ローラ33は圧縮ばね34の付勢力により駆動ローラ32に圧接されている。図8(a)の状態がニップ位置である。この状態からモータM7により離間カム36を例えば180°回転駆動すると、図8(b)に示すように、リンク部材37が離間カム36に押されて揺動軸37aを中心に、図の反時計方向に揺動する。すると、リンク部材37と揺動軸37aを介して連結された支持部材35が、揺動軸37aを中心に同方向に揺動する。従動ローラ33は、回転軸33aを介して支持部材35に支持されているため、支持部材35の揺動により駆動ローラ32から離間する。即ち、従動ローラ33をニップ解除位置に移動させる。
ニップ解除位置からニップ位置に従動ローラ33を移動させる場合には、図8(b)の状態からモータM7により離間カム36を更に180°回転させれば良い。なお、駆動ローラ32と従動ローラ33を当接及び離間させる接離機構は、駆動ローラ32と従動ローラ33の両方を移動させる構成としても良い。また、上述の例では、モータにより接離機構を駆動したが、ソレノイドなどの他の駆動源により1対の搬送ローラの当接及び離間を行うようにしても良い。
また、上述の例では、搬送ベルト12の搬送方向Xの下流側の搬送ローラ対402、403を当接及び離間可能としたが、搬送ローラ対402のみを当接及び離間可能としても良い。更に、搬送ベルト12の搬送方向Xの上流側の搬送ローラ対401を当接及び離間可能としても良い。この場合、上流側の搬送ローラ対401のみを当接及び離間可能としても良いし、下流側の搬送ローラ対402も、更には搬送ローラ対403も当接及び離間可能としても良い。
[シート搬送動作の制御構成]
次に、本実施形態の中継搬送装置400におけるシート搬送動作の制御における各種モータと各種センサの制御構成について、図9を用いて説明する。制御部203の制御基板は、CPU(又はASIC)230、モータドライバ231、センサ入力回路232を有する。CPU230は、シート検知センサ433、434、435などの出力信号によりシートの搬送タイミング、シートのジャムなどの検知を行う。特に本実施形態では、CPU230は、シート検知センサ433、434、435の出力信号に基づいて、各種モータM1~M6の制御を行う。上述したように、モータM1は搬送ベルト12の駆動を、モータM2、M3は1対の規制ガイド14A、14Bの移動を、モータM4は搬送ローラ対401の駆動を、モータM5は搬送ローラ対402の駆動を、モータM6は搬送ローラ対403の駆動をそれぞれ行う。
次に、本実施形態の中継搬送装置400におけるシート搬送動作の制御における各種モータと各種センサの制御構成について、図9を用いて説明する。制御部203の制御基板は、CPU(又はASIC)230、モータドライバ231、センサ入力回路232を有する。CPU230は、シート検知センサ433、434、435などの出力信号によりシートの搬送タイミング、シートのジャムなどの検知を行う。特に本実施形態では、CPU230は、シート検知センサ433、434、435の出力信号に基づいて、各種モータM1~M6の制御を行う。上述したように、モータM1は搬送ベルト12の駆動を、モータM2、M3は1対の規制ガイド14A、14Bの移動を、モータM4は搬送ローラ対401の駆動を、モータM5は搬送ローラ対402の駆動を、モータM6は搬送ローラ対403の駆動をそれぞれ行う。
[シートの搬送動作]
次に、シートの搬送動作の制御の具体例について、図2ないし図4、9などを参照しながら説明する。本実施形態では、制御手段としての制御部203が、搬送ベルト12、搬送ローラ対402及びガイド移動部420を制御して、上流側の搬送ローラ対401から搬送ベルト12に受け渡されたシートの横ズレ及びスキューを補正する。搬送ベルト12の搬送方向Xの下流側に配置された搬送ローラ対402は、駆動が停止された状態でシートが突き当てられるレジストローラ対に相当する。また、実際には、図9に示したように、制御部203は、搬送ベルト12を駆動するモータM1と、1対の規制ガイド14A、14Bの移動を行うためのモータM2、M3と、搬送ローラ対402を駆動するモータM5とを制御する。
次に、シートの搬送動作の制御の具体例について、図2ないし図4、9などを参照しながら説明する。本実施形態では、制御手段としての制御部203が、搬送ベルト12、搬送ローラ対402及びガイド移動部420を制御して、上流側の搬送ローラ対401から搬送ベルト12に受け渡されたシートの横ズレ及びスキューを補正する。搬送ベルト12の搬送方向Xの下流側に配置された搬送ローラ対402は、駆動が停止された状態でシートが突き当てられるレジストローラ対に相当する。また、実際には、図9に示したように、制御部203は、搬送ベルト12を駆動するモータM1と、1対の規制ガイド14A、14Bの移動を行うためのモータM2、M3と、搬送ローラ対402を駆動するモータM5とを制御する。
具体的には、シートの搬送状態に応じてモータM2、M3を制御して、1対の規制ガイド14A、14Bのシート幅方向Yの位置を変更するようにしている。上述したように、モータM2、M3を制御することでガイド移動部420(図2)を駆動して、1対の規制ガイド14A、14Bをガイド位置及び退避位置に移動させることができる。
ここで、ガイド位置は、1対の規制ガイド14A、14Bのガイド面15Aが、搬送ベルト12と球体20とで挟持されつつ搬送されるシートの幅方向Yの端縁をガイド可能な位置である。本実施形態では、ガイド位置は、1対の規制ガイド14A、14Bのガイド面15A同士(ガイド面同士)の距離が、搬送ベルト12と球体20とで挟持されつつ搬送されるシートのシート幅方向Yの長さよりも所定長さ長くなる位置である。
具体的には、シートの幅方向Yの中央位置と、両側のガイド面15A同士の中央位置とが一致する状態で、且つ、シートの幅方向Yの端縁がガイド面15Aと平行な状態(中央基準)で、シートが搬送された場合に、シートの幅方向Yの端縁とガイド面15Aとが所定の間隔となる位置がガイド位置である。この所定の間隔は、装置によって適宜設定可能であるが、この間隔内でシートがずれてもシートとシートに形成される画像とのずれが許容できるような間隔である。この所定の間隔は、例えば、0.5mmである。即ち、ガイド位置では、1対の規制ガイド14A、14Bのガイド面15Aが、シートの幅方向Yの端縁よりもそれぞれ0.5mm離れた位置である。このガイド位置は、制御部203がシートサイズに応じて適宜変更可能である。
このようにガイド位置において、1対の規制ガイド14A、14Bのガイド面15A同士の距離が、シートのシート幅方向Yの長さよりも長くなる位置に、1対の規制ガイド14A、14Bを位置させているため、搬送ベルト12により搬送されるシートの搬送負荷を抑制できる。例えば、ガイド面同士の距離をシートの幅方向Yの長さと同じとした場合、シートの端部がガイド面と摺擦しながらシートが搬送されることになり、搬送抵抗が大きくなってしまう。特に、本実施形態では、搬送ベルト12と球体20によりシートを挟持しながら搬送しているため、搬送ベルト12と球体20とによりシートを挟持するニップ圧が小さい。このため、シートの搬送抵抗が大きいとシートの搬送に遅延が生じたり、シートの搬送が停止するなどの搬送不良が生じ易くなる虞がある。このため、本実施形態では、ガイド位置において上述のように1対の規制ガイド14A、14Bを位置させることで、シートの搬送抵抗を抑制するようにしている。
なお、上述のようにシートを中央基準で搬送して、後述するようにシートの横ズレやスキューを補正する(整合動作を行う)ことが好ましい。これは、本実施形態では、搬送ベルト12と球体20の間でシートをスリップさせて、該シートを回転させながら、スキューの補正を行うためである。即ち、シートSの重心と規制ガイド14A、14Bの中央部が略一致する位置(中央基準)において整合動作を開始することで、整合動作時にシートへのダメージを軽減できる。
一方、退避位置とは、1対の規制ガイド14A、14Bのガイド面15Aが、ガイド位置よりもシートの幅方向Yの端縁から退避した位置である。言い換えれば、退避位置における1対の規制ガイド14A、14Bのガイド面15A同士の幅方向Yの間隔は、ガイド位置における1対の規制ガイド14A、14Bのガイド面15A同士の幅方向Yの間隔よりも広い。
本実施形態では、上述の中央基準で搬送されるシートの幅方向Yの端縁との間隔が5mmとなる位置を退避位置としている。なお、規制ガイド14A、14Bが退避位置にある状態でシートSが搬送ベルト12に受け渡されるが、この状態でシートSの上下方向の移動は支持面16Aと対向面17Aとによって規制される。これにより、シートSがカールしていても規制ガイド14A、14Bが退避位置からガイド位置に移動する際にシートSの両端縁をガイド面15A、支持面16Aおよび対向面17Aに囲われた領域内に収めることができる。
本実施形態では、制御部203は、シートの整合動作において第1のモードと第2のモードを実行可能である。第1のモードでは、搬送ベルト12によりシートを搬送しながら、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置からガイド位置に移動させ、下流側の搬送ローラ対402の駆動を停止せずに搬送ベルト12から搬送ローラ対402にシートを受け渡す。
一方、第2のモードでは、シートを搬送する際に、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置に位置させた状態でシートを搬送ベルト12により搬送させる。即ち、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置に位置させた状態で上流側の搬送ローラ対401から搬送ベルト12にシートを受け渡す。この際、下流側の搬送ローラ対402の駆動を停止させておく。そして、搬送ベルト12により搬送した状態のシートの先端を、駆動を停止した搬送ローラ対402に当接させる。その後に、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置からガイド位置に位置づけ、その後、搬送ローラ対402を駆動してシートを搬送方向下流側へ搬送する。
即ち、第2のモードでは、シートを駆動が停止された下流側の搬送ローラ対402に突き当ててから1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置からガイド位置に移動させているのに対し、第1のモードでは、搬送ベルト12でシートを搬送している間に1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置からガイド位置に移動させている。また、第1のモードでは下流側の搬送ローラ対402を停止させておらず、シートを搬送ローラ対402に突き当てる動作をしていない。以下、具体的に説明する。
[第1のモード]
まず、第1のモードでは、上流側の搬送ローラ対401から搬送ベルト12にシートが搬送される場合には、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置に移動させておく。これは、シートS1が搬送ベルト12に受け渡された際に、1対の規制ガイド14A、14Bがガイド位置にあった場合、シートが斜行していたり、幅方向Yに位置ずれしていたりすると、シートS1の端部が規制ガイド14A、14Bの何れかと干渉して、シートS1の搬送不良が発生する虞があるためである。
まず、第1のモードでは、上流側の搬送ローラ対401から搬送ベルト12にシートが搬送される場合には、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置に移動させておく。これは、シートS1が搬送ベルト12に受け渡された際に、1対の規制ガイド14A、14Bがガイド位置にあった場合、シートが斜行していたり、幅方向Yに位置ずれしていたりすると、シートS1の端部が規制ガイド14A、14Bの何れかと干渉して、シートS1の搬送不良が発生する虞があるためである。
次に、制御部203は、搬送ローラ対401から搬送ベルト12に受け渡されたシートの後端(上流端)が搬送ローラ対401を通過した後に、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置からガイド位置に移動させる。即ち、シートSが搬送ローラ対401と接触しなくなった後に、1対の規制ガイド14A、14Bがガイド位置に到達するようにしている。
なお、上流側の搬送ローラ対401が当接及び離間可能な構成の場合、シートSの先端が搬送ベルト12に受け渡された後、シートSの後端が搬送ローラ対401を抜ける前に搬送ローラ対401を離間させるようにしても良い。即ち、上述の図7及び図8で説明したとしての接離機構(搬送ローラ対移動手段)31は、搬送ローラ対401にも適用可能である。接離機構31は、搬送ローラ対を当接及び離間させるだけでなく、搬送ローラ対をシートに搬送力を付与するニップ位置と、ニップ位置よりもニップ圧が弱いニップ解除位置とに移動可能である。したがって、シートSの先端が搬送ベルト12に受け渡された後、シートSの後端が搬送ローラ対401を抜ける前に搬送ローラ対401を、ニップ圧が弱い状態であるニップ解除位置に移動させるようにしても良い。
この場合、接離機構31により搬送ローラ対401が離間した後(ニップ位置からニップ解除位置に移動した後)に1対の規制ガイド14A、14Bがガイド位置に到達するようにしている。なお、ニップ解除位置は、上述のように完全に離間完了した状態だけではなく、例えば、規制ガイド14A、14Bによる規制に影響がない程度にニップ圧が弱い状態であり、この状態よりも搬送ローラ対が離間している状態は全てニップ解除位置に該当する。即ち、搬送ローラ対が離間した状態、及び、搬送ローラ対が互いに当接しているが、シートを搬送する際よりもニップ圧が低い状態が、ニップ解除位置に相当する。何れにしても第1のモードでは、搬送ベルト12に受け渡されたシートS1が、所定領域A内(図6(b)、所定領域内)にある状態で、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置からガイド位置に移動させている。これにより、シートS1の横ズレやスキューの補正(整合動作)を行う。
即ち、規制ガイド14A、14Bは、シートが搬送方向Xの上流側にある場合、退避位置に位置し、シートの両端縁はガイド面15Aから離間されている。そして、シートが更に下流側に搬送され、シートの後端が搬送ローラ対401を通過した後、規制ガイド14A、14Bがガイド位置に移動する。そして、シートの幅方向Yの両端縁にガイド面15Aを当接させる。シートは、ガイド面15Aへ突き当てられると、端縁をガイド面15Aへ沿わせつつ搬送ベルト12との間でスリップしながら、ガイド面15Aと平行な方向に搬送される。これにより、シートS1のサイドレジ及びサイドスキューが補正される。
[第2のモード]
次に、第2のモードについて、図10(a)~(c)を用いて説明する。第2のモードでは、図10(a)に示すように、まず、1対の規制ガイド14A、14Bが退避位置にある状態でシートSが搬送ベルト12に搬送される。その時、搬送ベルト12よりも下流側の搬送ローラ対402は駆動を止めている。搬送ローラ対402は、例えば、シートSの先端が搬送ベルト12の上流側のシート検知センサ433により検知されたタイミングで停止する。
次に、第2のモードについて、図10(a)~(c)を用いて説明する。第2のモードでは、図10(a)に示すように、まず、1対の規制ガイド14A、14Bが退避位置にある状態でシートSが搬送ベルト12に搬送される。その時、搬送ベルト12よりも下流側の搬送ローラ対402は駆動を止めている。搬送ローラ対402は、例えば、シートSの先端が搬送ベルト12の上流側のシート検知センサ433により検知されたタイミングで停止する。
次いで、図10(b)に示すように、搬送ベルト12によりシートSを搬送した状態で、シートSの先端を駆動が停止されている下流側の搬送ローラ対402に突き当てる。この際、シートSのスキューが補正され、シートSが破線で示す状態から実線で示す状態となる。
そして、シートSの先端を搬送ローラ対402に突き当ててから所定時間が経過したら、即ち、シートSのスキューが補正されたら、図10(c)に示すように、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置からガイド位置に移動させる。この際、シートSの横ズレが補正され、シートSが破線で示す状態から実線で示す状態となる。なお、スキューの補正を行う所定時間は、適宜設定可能であるが、本実施形態では、例えば、100msとした。
その後、下流側の搬送ローラ対402を駆動してシートを下流側へ搬送する。シートSの先端が搬送ローラ対402の下流側にあるシート検知センサ435(図4参照)に到達したら、1対の規制ガイド14A、14Bをガイド位置から退避位置に移動させる。即ち、第2のモードの実行時に、搬送ローラ対402を駆動して搬送ローラ対402によるシートの搬送方向下流側への搬送を開始した後に、1対の規制ガイド14A、14Bをガイド位置から退避位置に移動させる。そして、次のシートの受け入れを行う。
[モードの切り替え]
ここで、上述の第2のモードは、全てのシートで行うわけではなく、搬送方向におけるシートの長さ(シート長)が短いシートや坪量が小さいシートにおいて実行される。一方、シート長が長いシートや坪量が大きいシートの場合には、第1のモードを実行する。ここでは、シート長が異なる場合について説明する。即ち、シートのシート長が第1長さである場合には第2のモードを実行し、シートのシート長が第1長さよりも長い第2長さである場合には第1のモードを実行する。本実施形態では、封筒サイズのみ第2のモードを実行し、それ以外のシートについては第1のモードを実行するようにしている。第1のモードを実行するか第2のモードを実行するかを切り替えるシートの長さは、装置によって適宜設定可能である。
ここで、上述の第2のモードは、全てのシートで行うわけではなく、搬送方向におけるシートの長さ(シート長)が短いシートや坪量が小さいシートにおいて実行される。一方、シート長が長いシートや坪量が大きいシートの場合には、第1のモードを実行する。ここでは、シート長が異なる場合について説明する。即ち、シートのシート長が第1長さである場合には第2のモードを実行し、シートのシート長が第1長さよりも長い第2長さである場合には第1のモードを実行する。本実施形態では、封筒サイズのみ第2のモードを実行し、それ以外のシートについては第1のモードを実行するようにしている。第1のモードを実行するか第2のモードを実行するかを切り替えるシートの長さは、装置によって適宜設定可能である。
このようにシートサイズによってモードを切り替える理由について、図11(a)、(b)を用いて説明する。図11(a)はシート長が長い第2長さのシートS1を搬送ベルト12上に搬送した状態を、図11(b)はシート長が短い第1長さのシートS2を搬送ベルト12上に搬送した状態を、それぞれ示す。シートS2は、例えば封筒である。また、図11(a)、(b)は、何れも1対の規制ガイド14A、14Bがガイド位置にある状態である。
1対の規制ガイド14A、14Bがガイド位置にある状態では、上述のように、1対の規制ガイド14A、14Bがシートの幅方向端からそれぞれ0.5mmの位置にあるため、規制ガイド14、14Bとシートとの間には若干の隙間がある。この場合、シートの幅方向の長さ(幅)が同じでも、シート長が小さい方のスキュー量が大きくなってしまう。なお、図11(a)、(b)では、説明をわかりやすくするために、シートと規制ガイド14A、14Bとの間隔、及び、それぞれのシートのスキュー量を誇張して示している。
図11(a)のように、シート長が長いシートS1の場合、1対の規制ガイド14A、14Bがガイド位置にいることで、スキュー量を設計上の許容範囲内に収めることができる。これに対して図11(b)のように、シート長が短いシートS2の場合、1対の規制ガイド14A、14Bがガイド位置に位置してもスキュー量が大きくなってしまい、設計上の許容範囲内に収められない。そこで、本実施形態では、シート長が短い場合には、第2モードを実行して、シートの先端を一度、搬送ローラ対402に突き当ててスキューを補正し、その後、規制ガイドを退避位置からガイド位置に移動させて横ズレの補正を行うようにしている。
次の、このようなシートサイズによるモードの切り替え制御の一例について、図2~4,9などを参照しつつ、図12を用いて説明する。制御部203は、シート搬送のジョブが開始されると、装置に入力された情報や搬送するシートが収容されているカセットに予め登録されている情報などからシートサイズを取得し、中継搬送装置400に搬送されるシートのシート長が所定長さ以下か否かを判断する(S1)。なお、ジョブの開始時には、1対の規制ガイド14A、14Bは退避位置に位置するとする。
シート長が所定長さよりも長い場合には(S1のNo)、第1のモードを実行する。即ち、搬送ベルト12及び搬送ローラ対402を駆動したままとする(S2)。そして、シートの後端が搬送ベルト12の上流側のシート検知センサ433を通過すると(S3のYes)、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置からガイド位置に移動させる(S4)。
次いで、搬送ベルト12によるシートの搬送が終わり、シートが下流側の搬送ローラ対402に受け渡されたら、そのシートがそのジョブの最終シートか否かを確認する(S5)。最終シートでなければ(S5のNo)、S1に戻り、最終シートであれば(S5のYes)、1対の規制ガイド14A、14Bをガイド位置から退避位置へ移動させ、制御を終了させる。なお、S5からS1に戻った場合には、S4では既に規制ガイド14A、14Bがガイド位置に位置することになる。但し、シートが最終シートであるか否かに拘わらず、シートを1枚搬送する毎に規制ガイド14A、14Bを退避位置に移動させるようにしても良い。
S1において、シート長が所定長さ以下である場合、例えば、シートが封筒である場合(S1のYes)、搬送ベルト12は駆動するが、下流側の搬送ローラ対402の駆動は停止させる(S7)。そして、シートを搬送ベルト12により搬送しながらシーとの先端を搬送ローラ対402に突き当て、突き当たってから所定時間経過したら(S8のYes)、1対の規制ガイド14A、1Bを退避位置からガイド位置に移動させる(S9)。シートの先端が搬送ローラ対402に突き当たってからの所定時間は、例えば、シート検知センサ433をシートの先端が通過した時間と、シート長と、搬送ベルト12のシートの搬送速度とから求められる。
1対の規制ガイド14A、14Bをガイド位置に移動させた後に、制御部203は、下流側の搬送ローラ対402の駆動を開始する(S10)。そして、下流側のシート検知センサ435がシートの先端を検知すると(S11のYes)、1対の規制ガイド14A、14Bをガイド位置から退避位置に移動させ、次のシートの搬送に備える(S12)。シートがジョブの最終シートであるか否かを確認し(S13)、最終シートでなければ(S13のNo)、S1に戻り、最終シートであれば(S13のYes)、制御を終了させる。
上述のように、本実施形態では、シートの整合動作を行う際に、第2のモードでは、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置に位置させた状態で、一旦、シートを下流側の停止した搬送ローラ対402に当接させている。これにより、シートのスキューを補正できる。そして、その後に、1対の規制ガイド14A、14Bを退避位置からガイド位置に移動させることで、シートの横ズレを補正している。特に、本実施形態では、封筒のようにシート長が短いシートであっても、シートのスキュー及び横ズレを補正できる。
[比較例]
ここで、比較例として、図13(a)、(b)に示す構成でシートの整合動作を行った場合について説明する。比較例の構成では、搬送方向Xに沿って、図の下か上にシートSが搬送される。そして、シートSのスキューを補正すべく、図13(a)に示すように、上流側の搬送ローラ対601でシートSを搬送し、駆動が停止された下流側の搬送ローラ対であるレジストローラ対602に突き当てる。レジストローラ対602と上流側の搬送ローラ対601は、シート搬送方向Xと直交する方向に平行に配置されている。
ここで、比較例として、図13(a)、(b)に示す構成でシートの整合動作を行った場合について説明する。比較例の構成では、搬送方向Xに沿って、図の下か上にシートSが搬送される。そして、シートSのスキューを補正すべく、図13(a)に示すように、上流側の搬送ローラ対601でシートSを搬送し、駆動が停止された下流側の搬送ローラ対であるレジストローラ対602に突き当てる。レジストローラ対602と上流側の搬送ローラ対601は、シート搬送方向Xと直交する方向に平行に配置されている。
このような比較例の構成の場合、図13(b)に示すように、スキューしたシートSをレジストローラ対602に突き当てた際に、シート先端はレジストローラ対602に沿うことでスキューが補正されるが、上流側のレジストローラ対602にニップされた部分はスキューしたまま搬送される。このため、シートSに対して斜めにループが形成されてしまい、大きいスキューの場合にはシートSにダメージが加わってしまう可能性がある。
これは、上流側の搬送ローラ対601のシートをニップする力であるニップ力が強いため、シートのレジストローラ対602に突き当てたシート先端部分と上流側の搬送ローラ対601にニップされた部分とで歪みが生じ、この歪みが大きいとシートに加わるダメージも大きくなって、例えば、皴などが発生する虞がある。また、比較例の構成の場合、シートの先端をレジストローラ対602に突き当てているだけなので、仮にシートのスキューの補正ができたとしても横ズレの補正はできない。
これに対して本実施形態では、比較例の上流側の搬送ローラ対601に相当する部分が搬送ベルト12と球体20となっており、ニップ力が弱い。このため、シートの先端を下流側の搬送ローラ対402に突き当てた際にシートが回転して、その場でスキュー補正を行うことができる。また、その後、規制ガイド14A、14Bを退避位置からガイド位置に移動させた際も、シートの搬送ベルト12と球体20によってニップされた部分は搬送方向と直交する幅方向に滑ることによって横ズレの補正を行うことができる。
また、本実施形態の場合には、第1のモードであっても第2のモードであっても、シートのスキュー及び横ズレを補正できる。特に、シート長が長い場合には第1のモードを実行することで、生産性の低下を抑制できる。即ち、第2モードの場合、一旦、下流側の搬送ローラ対402の駆動を停止し、シートの先端を搬送ローラ対402に突き当ててから1対の規制ガイド14A、14Bをガイド位置に移動させるため、第1のモードと比較して整合動作に時間がかかってしまう。このため、封筒のように第1のモードではシートのスキューを十分に補正できない場合には第2のモードを実行し、それ以外の場合には第1のモードを実行することで、シートのスキュー及び横ズレの補正を確実に行いつつ、生産性の低下を抑制することができる。
<他の実施形態>
上述した実施形態では、第1のモードと第2のモードとをシート長によって切り替える態様を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シートの坪量の大きさによって第1モードと第2モードの切り替えを行うようにしても良い。即ち、シートの坪量が第1坪量である場合には第2のモードを実行し、シートの坪量が第1坪量よりも大きい第2坪量である場合には第1のモードを実行するようにしても良い。例えば、同じシート長でもシートの坪量が106g/m2未満のシート(薄紙~普通紙)は第2のモードを実行し、坪量が106g/m2以上のシート(普通紙~厚紙)は第1のモードを実行するようにしてもよい。この場合、シートを収納するカセット毎にシート坪量をユーザが設定できるようにすることが望ましい。ユーザが設定する際は坪量を直接入力してもよいし、シート情報(型番等)を入力したり不図示のバーコードリーダーを設けてシート情報を読み取ったりしてもよいし、例えば薄紙から厚紙までを10段階に分けて、ユーザが選択するようにしてもよい(各段階に坪量が元々設定されており、選択されたシート厚から坪量の情報を読み出す)。また、不図示のシート厚み検知センサを中継搬送装置400の上流に設け、搬送されるシートの厚みを検出することにより坪量に換算するようにしてもよい。
上述した実施形態では、第1のモードと第2のモードとをシート長によって切り替える態様を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、シートの坪量の大きさによって第1モードと第2モードの切り替えを行うようにしても良い。即ち、シートの坪量が第1坪量である場合には第2のモードを実行し、シートの坪量が第1坪量よりも大きい第2坪量である場合には第1のモードを実行するようにしても良い。例えば、同じシート長でもシートの坪量が106g/m2未満のシート(薄紙~普通紙)は第2のモードを実行し、坪量が106g/m2以上のシート(普通紙~厚紙)は第1のモードを実行するようにしてもよい。この場合、シートを収納するカセット毎にシート坪量をユーザが設定できるようにすることが望ましい。ユーザが設定する際は坪量を直接入力してもよいし、シート情報(型番等)を入力したり不図示のバーコードリーダーを設けてシート情報を読み取ったりしてもよいし、例えば薄紙から厚紙までを10段階に分けて、ユーザが選択するようにしてもよい(各段階に坪量が元々設定されており、選択されたシート厚から坪量の情報を読み出す)。また、不図示のシート厚み検知センサを中継搬送装置400の上流に設け、搬送されるシートの厚みを検出することにより坪量に換算するようにしてもよい。
上述の各実施形態では、中継搬送装置400を制御する制御部203を多段給送装置200に設けたが、これらの制御を画像形成装置100の制御部140により行うようにしても良い。即ち、制御手段は制御部140であっても良い。また、中継搬送装置400に中継搬送装置400の各部を制御する制御手段としての制御部を設けても良い。更に、シート搬送装置は、上述の中継搬送装置に関らず、シートの搬送を行うシート搬送装置であれば、他の構成であっても良い。
12・・・搬送ベルト/12A・・・搬送面/14A、14B・・・規制ガイド/20・・・球体/200・・・多段給送装置/203・・・制御部(制御手段)/400・・・中継搬送装置(シート搬送装置)/402・・・搬送ローラ対/420・・・ガイド移動部(ガイド移動手段)
Claims (5)
- シートを搬送方向に搬送するシート搬送装置であって、
前記搬送方向に沿って延設される搬送面を有し、前記搬送面に受け渡されたシートを前記搬送方向に搬送する無端状の搬送ベルトと、
前記搬送面と対向する位置に前記搬送方向に沿って複数配置され、前記搬送面との間でシートを挟持しつつ、任意方向に回転可能な球体と、
前記搬送ベルトの前記搬送方向下流側に設けられ、シートを搬送可能な搬送ローラ対と、
前記搬送方向と交差するシート幅方向に関して前記搬送ベルトの両側に配置され、前記搬送ベルトと前記球体とで挟持されつつ搬送されるシートの前記シート幅方向両端縁をガイド可能な1対の規制ガイドと、
前記1対の規制ガイドを、シートの前記シート幅方向両端縁をガイドするガイド位置と、前記ガイド位置よりもシートの前記シート幅方向両端縁から退避した退避位置とに移動可能なガイド移動手段と、
前記搬送ベルト、前記搬送ローラ対及び前記ガイド移動手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、シートを搬送する際に、前記1対の規制ガイドを前記退避位置に位置させた状態でシートを前記搬送ベルトにより搬送させ、前記搬送ベルトにより搬送した状態のシートの先端を、駆動を停止した前記搬送ローラ対に当接させた後に、前記1対の規制ガイドを前記退避位置から前記ガイド位置に位置づけ、その後、前記搬送ローラ対を駆動してシートを搬送方向下流側へ搬送するモードを実行可能である、
ことを特徴とするシート搬送装置。 - 前記制御手段は、前記モードの実行時に、前記1対の規制ガイドを前記退避位置から前記ガイド位置に位置づけ、その後、前記搬送ローラ対を駆動して前記搬送ローラ対によるシートの前記搬送方向下流側への搬送を開始した後に、前記1対の規制ガイドを前記ガイド位置から前記退避位置に移動させる、
ことを特徴とする、請求項1に記載のシート搬送装置。 - 前記ガイド位置は、前記1対の規制ガイドの間隔がシートの前記シート幅方向の長さよりも所定長さ長くなる位置である、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のシート搬送装置。 - 前記制御手段は、シートを搬送する際に、
シートの前記搬送方向の長さが第1長さである場合には、前記モードを実行し、
シートの前記搬送方向の長さが前記第1長さよりも長い第2長さである場合には、前記搬送ベルトによりシートを搬送しながら、前記1対の規制ガイドを前記退避位置から前記ガイド位置に移動させ、前記搬送ローラ対の駆動を停止せずに前記搬送ベルトから前記搬送ローラ対にシートを受け渡す、
ことを特徴とする、請求項1ないし3の何れか1項に記載のシート搬送装置。 - 前記制御手段は、シートを搬送する際に、
シートの坪量が第1坪量である場合には、前記モードを実行し、
シートの坪量が前記第1坪量よりも大きい第2坪量である場合には、前記搬送ベルトによりシートを搬送しながら、前記1対の規制ガイドを前記退避位置から前記ガイド位置に移動させ、前記搬送ローラ対の駆動を停止せずに前記搬送ベルトから前記搬送ローラ対にシートを受け渡す、
ことを特徴とする、請求項1ないし3の何れか1項に記載のシート搬送装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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US17/360,305 US20210403262A1 (en) | 2020-06-30 | 2021-06-28 | Sheet conveying apparatus |
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JP2020112403 | 2020-06-30 |
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JP2021094029A Pending JP2022013724A (ja) | 2020-06-30 | 2021-06-04 | シート搬送装置 |
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JP (1) | JP2022013724A (ja) |
-
2021
- 2021-06-04 JP JP2021094029A patent/JP2022013724A/ja active Pending
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