JP2022013132A - 能動型騒音制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザの耳の変位によらずに騒音を良好にキャンセルできる「能動型騒音制御システム」を提供する。【解決手段】第1系信号処理部111において、第1系補助フィルタ1116はエラー信号を補正する補正信号を騒音信号から生成し、第1系減算器1115は補正信号を第1マイク13の出力から減算しエラー信号とし、適応フィルタ(1111-1114)は、エラー信号を用いた適応動作を行って第1スピーカ12から出力するキャンセル音を生成し、DMS18は、ユーザ耳の位置を検出する。コントローラ16は、DMS18が検出した耳の位置の履歴より、所定時間未来の耳の位置を予測し、第1系補助フィルタ1116の伝達関数を、予測した位置に整合する騒音キャンセル位置に対応する伝達関数に更新する。【選択図】図3

Description

本発明は、騒音を打ち消す騒音キャンセル音を放射することにより騒音を低減する能動型騒音制御(ANC; Active Noise Control)の技術に関するものである。
騒音を打ち消す騒音キャンセル音を放射することにより騒音を低減する能動型騒音制御の技術としては、騒音キャンセル位置の近傍に配置したマイクとスピーカと、騒音源の出力信号もしくは当該出力信号を疑似した信号から、スピーカから出力する騒音キャンセル音を生成する適応フィルタとを設け、適応フィルタにおいて、マイクの出力を補助フィルタを用いて補正した信号をエラー信号として自身の伝達関数を適応する技術が知られている(たとえば特許文献1)。
ここで、この技術では、補助フィルタには、予め学習した、騒音キャンセル位置にマイクが配置されていた場合にマイクから出力される信号に、マイクが実際に出力する信号を補正する補正信号を騒音信号から生成できる伝達関数が設定されており、このような補助フィルタを用いることにより、マイクの位置と異なる騒音キャンセル位置において騒音をキャンセルしている。
特開2018-72770号公報
上述した補助フィルタを用いてマイクの位置と異なる騒音キャンセル位置において騒音をキャンセルする技術を用いてユーザに聞こえる騒音をキャンセルする場合、ユーザの移動に伴って、ユーザの耳が騒音キャンセル位置からずれてしまうと、ユーザに聞こえる騒音を良好にキャンセルできなくなる場合がある。
そこで、異なる複数の騒音キャンセル位置について補助フィルタの伝達関数を学習しておき、ユーザの耳の変位に伴って、補助フィルタの伝達関数を、ユーザの耳の位置に対応する騒音キャンセル位置について学習した伝達関数に切り替えることにより、ユーザの耳の変位によらずにユーザに聞こえる騒音をキャンセルすることが考えられる。
しかし、この場合、ユーザの耳の移動が継続すると、補助フィルタの伝達関数の切り替えや、当該切り替え後の適応フィルタの適応が、ユーザの耳の変位に追いつかずに、騒音がユーザに聞こえてしまうことがある。
そこで、本発明は、ユーザの耳の変位によらずに騒音を良好にキャンセルできる能動型騒音制御システムを提供することを課題とする。
前記課題達成のために、本発明は、騒音を低減する能動型騒音制御システムに、ユーザが音を聴取する位置である聴取位置を検出する位置検出手段と、制御手段と、騒音キャンセル音を出力するスピーカと、エラー信号を検出するマイクと、騒音を表す騒音信号に設定された伝達関数を施して補正信号を生成し出力する補助フィルタと、前記マイクの出力であるエラー信号を、前記補助フィルタが出力した補正信号で補正し補正後エラー信号として出力するエラー補正手段と、前記エラー補正手段が出力する補正後エラー信号を用いた適応動作を行って、前記騒音信号から前記スピーカから出力する騒音キャンセル音を生成する適応フィルタとを備えたものである。ここで、前記制御手段は、前記位置検出手段が検出した聴取位置の履歴より、所定時間長の時間分未来の聴取位置を予測すると共に、前記エラー補正手段に補正信号を出力する補助フィルタを、予め設定した複数の騒音キャンセル位置の各々に対応する補助フィルタ用伝達関数のうちの、予測した聴取位置に整合する騒音キャンセル位置に対応する補助フィルタ用伝達関数が設定された補助フィルタとする動作を行う。
ここで、このような能動型騒音制御システムにおいて、前記各騒音キャンセル位置に対応する補助フィルタ用伝達関数は、当該補助フィルタ用伝達関数が設定されたときに、前記補助フィルタが、当該補助フィルタ用伝達関数に対応する騒音キャンセル位置とマイクとの位置の差が補償されるように前記マイクの出力であるエラー信号がエラー補正手段によって補正される補正信号を出力する伝達関数とすることが好ましい。
また、以上の能動型騒音制御システムは、前記位置検出手段は、前記聴取位置として、自動車の所定の座席に着座したユーザの頭部もしくは耳の位置を検出するように構成してもよい。
また、前記課題達成のために、本発明は、騒音を低減する能動型騒音制御システムに、ユーザの左右の耳の位置を検出する位置検出手段と、制御手段と、右耳用騒音制御系統と左耳用騒音制御系統との二つの騒音制御系統とを備えたものである。各騒音制御系統は、騒音キャンセル音を出力するスピーカと、エラー信号を検出するマイクと、騒音を表す騒音信号に設定された伝達関数を施して補正信号を生成し出力する補助フィルタと、前記マイクの出力であるエラー信号を、前記補助フィルタが出力した補正信号で補正し補正後エラー信号として出力するエラー補正手段と、前記右耳用騒音制御系統の前記エラー補正手段が出力する補正後エラー信号と左耳用騒音制御系統の前記エラー補正手段が出力する補正後エラー信号を用いた適応動作を行って、前記騒音信号から前記スピーカから出力する騒音キャンセル音を生成する適応フィルタとを備えている。そして、前記制御手段は、第1騒音キャンセル位置と第2騒音キャンセル位置のセットを騒音キャンセル位置セットとして、前記位置検出手段が検出したユーザの左右の耳の位置の履歴より、所定時間長の時間分未来のユーザの左右の耳の位置のセットを予測すると共に、予め定めた複数の騒音キャンセル位置セットのうちの、予測したユーザの左右の耳の位置のセットに整合する騒音キャンセル位置セットである整合騒音キャンセル位置セットが変化したときに、前記右耳用騒音制御系統の前記エラー補正手段に補正信号を出力する補助フィルタを、予め設定した前記複数の騒音キャンセル位置セットの各々に対応する第1補助フィルタ用伝達関数のうちの、前記整合騒音キャンセル位置セットに対応する第1補助フィルタ用伝達関数が設定された補助フィルタとし、前記左耳用騒音制御系統の前記エラー補正手段に補正信号を出力する補助フィルタを、予め設定した前記複数の騒音キャンセル位置セットの各々に対応する第2補助フィルタ用伝達関数のうちの、前記整合騒音キャンセル位置セットに対応する第2補助フィルタ用伝達関数が設定された補助フィルタとする動作を行う。
ここで、このような能動型騒音制御システムにおいて、前記整合騒音キャンセル位置セットを、予測したユーザの右の耳の位置と第1騒音キャンセル位置とが整合し、予測したユーザの左の耳の位置と第2騒音キャンセル位置とが整合する騒音キャンセル位置セットとし、前記各騒音キャンセル位置セットに対応する第1補助フィルタ用伝達関数を、前記右耳用騒音制御系統において、当該第1補助フィルタ用伝達関数が設定されたときに、補助フィルタが、当該第1補助フィルタ用伝達関数に対応する騒音キャンセル位置セットの第1騒音キャンセル位置とマイクとの位置の差が補償されるように前記マイクの出力であるエラー信号がエラー補正手段によって補正される補正信号を出力する伝達関数とし、前記各騒音キャンセル位置セットに対応する第2補助フィルタ用伝達関数を、前記左耳用騒音制御系統において、当該第2補助フィルタ用伝達関数が設定されたときに、補助フィルタが、当該第2補助フィルタ用伝達関数に対応する騒音キャンセル位置セットの第2騒音キャンセル位置とマイクとの位置の差が補償されるように前記マイクの出力であるエラー信号がエラー補正手段によって補正される補正信号を出力する伝達関数とすることが好ましい。
また、このような能動型騒音制御システムは、前記位置検出手段において、自動車の所定の座席に着座したユーザの左右の耳の位置を検出するように構成してもよい。
ここで、以上の各能動型騒音制御システムにおいて、前記制御手段は、前記マイクの出力のレベルがより小さいほど、前記所定時間長を、より大きく設定することが好ましい。
以上のような能動型騒音制御システムによれば、補助フィルタの伝達関数を、所定長の時間分未来のユーザの耳の位置において騒音をキャンセルできる伝達関数となるように事前に更新できるので、ユーザの耳の変位が発生したときに、当該変位後のユーザの耳の位置において遅れなく騒音をキャンセルすることができる。
以上のように、本発明によれば、ユーザの耳の変位によらずに騒音を良好にキャンセルできる能動型騒音制御システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る能動型騒音制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る能動型騒音制御システムのスピーカとマイクの配置を示す図である。 本発明の実施形態に係る信号処理ブロックの構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るフィルタ管理テーブルを示す図である。 本発明の実施形態に係るキャンセルポイントセットの設定法を示す図である。 本発明の実施形態に係る補助フィルタの伝達関数の学習の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る補助フィルタの伝達関数の学習の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係るキャンセルポイント切替処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る能動型騒音制御システムの構成を示す。
図示するように能動型騒音制御システム1は、信号処理ブロック11、第1スピーカ12、第1マイク13、第2スピーカ14、第2マイク15、コントローラ16、フィルタ管理テーブル17、ユーザの頭部や耳の位置等を検知するDMS18(Driver Monitoring System18)を備えている。
そして、本実施形態に係る能動型騒音制御システム1は、自動車に搭載されるシステムであり、騒音キャンセルの対象とする自動車の座席である騒音キャンセル対象座席に着座したユーザの右耳の位置を第1キャンセルポイント、ユーザの左耳の位置を第2キャンセルポイントとして、2つのキャンセルポイントのそれぞれにおいて騒音源の発生する騒音をキャンセルするシステムである。
ここで、DMS18は、たとえば、図2a1、a2に示すように、騒音キャンセル対象座席(図では運転席)の前方に配置した近赤外線カメラ181により撮影した騒音キャンセル対象座席に着座したユーザの映像等よりユーザの頭部や耳の位置等を検知する。
また、図2a1、a2に示すように、第1スピーカ12と第1マイク13は、騒音キャンセル対象座席(図では運転席)のヘッドレストの、当該座席に着座したユーザの右耳の位置の近傍となる位置に配置し、第2スピーカ14と第2マイク15は、騒音キャンセルの対象とするユーザの座席のヘッドレストの、当該座席に着座したユーザの左耳の位置の近傍となる位置に配置する。
または、図2b1、b2に示すように、第1スピーカ12を、自動車の車室の天井の、騒音キャンセル対象座席に着座したユーザの右耳の標準的な位置の前上方の位置に配置し、第2スピーカ14を、車室の天井の、騒音キャンセル対象座席に着座したユーザの左耳の標準的な位置の前上方の位置に配置し、第1マイク13を、ユーザの前方の天井の、第1スピーカ12の右側の、第1スピーカ12よりも騒音キャンセル対象座席よりの位置に配置し、第2マイク15をユーザの前方の天井の、第2スピーカ14の左側の、第2スピーカ14よりも騒音キャンセル対象座席よりの位置に配置するようにしてもよい。なお、このように第1スピーカ12、第2スピーカ14を天井に配置する場合、第1スピーカ12、第2スピーカ14としては超指向性のパラメトリックスピーカを用いることが好ましい。
図1に戻り、信号処理ブロック11は、騒音源の発生する騒音を表す騒音信号x(n)と、第1マイク13でピックアップした音声信号である第1マイクエラー信号err1(n)と、第2マイク15でピックアップした音声信号である第2マイクエラー信号err2(n)とを用いて、第1キャンセル信号CA1(n)を生成し第1スピーカ12から出力すると共に、第2キャンセル信号CA2(n)を生成し第2スピーカ14から出力する。
そして、第1スピーカ12から出力される第1キャンセル信号CA1(n)と第2スピーカ14から出力される第2キャンセル信号CA2(n)によって、第1キャンセルポイントと第2キャンセルポイントにおいて騒音源の発生する騒音がキャンセルされる。
次に、信号処理ブロック11は、図3に示すように、主として、第1キャンセル信号CA1(n)の生成に関わる処理を行う第1系信号処理部111と、主として、第2キャンセル信号CA2(n)の生成に関わる処理を行う第2系信号処理部112とを備えている。
そして、第1系信号処理部111は、第1系可変フィルタ1111、第1系適応アルゴリズム実行部1112、予め伝達関数S11^(z)が設定された第1系第1推定フィルタ1113、予め伝達関数S21^(z)が設定された第1系第2推定フィルタ1114、第1系減算器1115、伝達関数H1(z)が設定された第1系補助フィルタ1116を備えている。
このような第1系信号処理部111の構成において、入力した騒音信号x(n)は、第1系可変フィルタ1111を通って第1キャンセル信号CA1(n)として第1スピーカ12に出力される。
また、入力した騒音信号x(n)は第1系補助フィルタ1116を通って第1系減算器1115に送られ、第1系減算器1115は第1マイク13でピックアップした第1マイクエラー信号err1(n)から、第1系補助フィルタ1116の出力を減算し、エラーe1として、第1系適応アルゴリズム実行部1112と、第2系信号処理部112に出力する。
次に、第1系可変フィルタ1111と第1系適応アルゴリズム実行部1112と第1系第1推定フィルタ1113と第1系第2推定フィルタ1114はFiltered-X適応フィルタを構成している。第1系第1推定フィルタ1113には、実測等により算定した第1系信号処理部111から第1マイク13までの伝達関数S11(z)の推定伝達特性S11^(z)が予め設定されており、第1系第1推定フィルタ1113は、伝達特性S11^(z)を入力した騒音信号x(n)に畳み込んで、第1系適応アルゴリズム実行部1112に入力する。また、第1系第2推定フィルタ1114には、実測等により算定した第1系信号処理部111から第2マイク15までの伝達関数を表す伝達特性S21(z)の推定伝達特性S21^(z)が予め設定されており、第1系第2推定フィルタ1114は、伝達特性S21^(z)を入力した騒音信号x(n)に畳み込んで、第1系適応アルゴリズム実行部1112に入力する。
そして、第1系適応アルゴリズム実行部1112は、第1系第1推定フィルタ1113で伝達関数S11^(z)が畳み込まれた騒音信号x(n)と、第1系第2推定フィルタ1114で伝達関数S21^(z)が畳み込まれた騒音信号x(n)と、第1系減算器1115から出力されるエラーe1と、第2系信号処理部112から出力されるエラーe2を入力として、NLMSなどの適応アルゴリズムを実行し、エラーが0となるように第1系可変フィルタ1111の伝達関数W1(z)を更新する適応動作を行う。
第2系信号処理部112も第1系信号処理部111と同様の構成を備えており、第2系信号処理部112は、第2系可変フィルタ1121、第2系適応アルゴリズム実行部1122、予め伝達関数S22^(z)が設定された第2系第1推定フィルタ1123、予め伝達関数S12^(z)が設定された第2系第2推定フィルタ1124、第2系減算器1125、伝達関数H2(z)が設定された第2系補助フィルタ1126を備えている。
このような第2系信号処理部112の構成において、入力した騒音信号x(n)は、第2系可変フィルタ1121を通って第2キャンセル信号CA2(n)として第2スピーカ14に出力される。
また、入力した騒音信号x(n)は第2系補助フィルタ1126を通って第2系減算器1125に送られ、第2系減算器1125は第2マイク15でピックアップした第1マイクエラー信号err2(n)から第2系補助フィルタ1126の出力を減算し、エラーe2として、第2系適応アルゴリズム実行部1122と第1系信号処理部111に出力する。
次に、第2系可変フィルタ1121と第2系適応アルゴリズム実行部1122と第2系第1推定フィルタ1123と第2系第2推定フィルタ1124はFiltered-X適応フィルタを構成している。第2系第1推定フィルタ1123には、実測等により算定した第2系信号処理部112から第2マイク15までの伝達関数S22(z)の推定伝達特性S22^(z)が予め設定されており、第2系第1推定フィルタ1123は、伝達特性S22^(z)を入力した騒音信号x(n)に畳み込んで、第2系適応アルゴリズム実行部1122に入力する。また、第2系第2推定フィルタ1124には、実測等により算定した第2系信号処理部112から第1マイク13までの伝達関数を表す伝達特性S12(z)の推定伝達特性S12^(z)が予め設定されており、第2系第2推定フィルタ1124は、伝達特性S12^(z)を入力した騒音信号x(n)に畳み込んで、第2系適応アルゴリズム実行部1122に入力する。
そして、第2系適応アルゴリズム実行部1122は、第2系第1推定フィルタ1123で伝達関数S22^(z)が畳み込まれた騒音信号x(n)と、第2系第2推定フィルタ1124で伝達関数S12^(z)が畳み込まれた騒音信号x(n)と、第2系減算器1125から出力されるエラーe2と、第1系信号処理部111から出力されるエラーe1を入力として、NLMSなどの適応アルゴリズムを実行し、エラーが0となるように第2系可変フィルタ1121の伝達関数W2(z)を更新する適応動作を行う
ここで、第1系信号処理部111の第1系補助フィルタ1116の伝達関数H1(z)、第2系信号処理部112の第2系補助フィルタ1126の伝達関数H2(z)は、コントローラ16から任意に設定可能に構成されている。
次に、フィルタ管理テーブル17の内容について説明する。
さて、図4に示すように、フィルタ管理テーブル17は、n個のキャンセルポイントセットの各々に対応して設けられたn個のエントリ(図の各行)が設けられている。
各キャンセルポイントは、一つの第1キャンセルポイントと一つの第2キャンセルポイントの対であり、異なるキャンセルポイントセットは、第1キャンセルポイントと第2キャンセルポイントの異なる組み合わせとなる。
すなわち、n個のキャンセルポイントセットは、たとえば、図5a1、a2、a3に示すように、騒音キャンセル対象座席の異なる前後方向の位置のそれぞれに対応して設定することができ、この場合、各キャンセルポイントセットの第1キャンセルポイントは、対応する前後方向の位置にある騒音キャンセル対象座席に着座したユーザの標準的な右耳の位置とし、第2キャンセルポイントは、対応する前後方向の位置にある騒音キャンセル対象座席に着座したユーザの標準的な左耳の位置とする。
また、n個のキャンセルポイントセットには、キャンセルポイントは、ユーザの頭部の複数の異なる向きや前後左右上下方向位置や、その組み合わせ毎に設定したキャンセルポイントを含めてもよい。
図4に戻り、フィルタ管理テーブル17のi番目のキャンセルポイントセットに対応するエントリには、i番目のキャンセルポイントセットの第1キャンセルポイントP1_iと第2キャンセルポイントP2_i、第1系補助フィルタ設定値H1_i(z)、第2系補助フィルタ設定値H2_i(z)が登録されている。
さて、フィルタ管理テーブル17の各キャンセルポイントセットのエントリに登録されている、第1系補助フィルタ設定値H1_i(z)、第2系補助フィルタ設定値H2_i(z)は、予め学習してフィルタ管理テーブル17に設定される。
この第1系補助フィルタ設定値H1_i(z)、第2系補助フィルタ設定値H2_i(z)の学習は、標準的な環境下で、1からnまでの整数について、当該数をiとして、以下の第1段階の学習処理と第2段階の学習処理を実行することによって行われる。
第1段階の学習処理は、図6に示すように、信号処理ブロック11を第1段階学習処理ブロック6に置き換えた構成において行う。
また、第1段階の学習処理は、i番目のキャンセルポイントセットの第1キャンセルポイントP1_iに配置した第1学習用マイク51、i番目のキャンセルポイントセットの第2キャンセルポイントP2_iに配置した第2学習用マイク52を第1段階学習処理ブロック6に接続して行う。
第1学習用マイク51と第2学習用マイク52の設置は、たとえば、図5b1、b2に示すように、キャンセル対象座席に、右耳の位置に第1学習用マイク51を固定し左耳の位置に第2学習用マイク52を固定したダミー人形を着座させ、i番目のキャンセルポイントセットの第1キャンセルポイントP1_iに第1学習用マイク51が位置し、i番目のキャンセルポイントセットの第2キャンセルポイントP2_iに第2学習用マイク52が位置するようにキャンセル対象座席の位置やダミー人形の位置や姿勢を調整すること等により行う。
図6に示すように、第1段階学習処理ブロック6は、第1系第1段階学習処理部61と第2系第1段階学習処理部62を備えている。
そして、第1系第1段階学習処理部61は、図3に示した信号処理ブロック11の第1系信号処理部111から、第1系減算器1115、第1系補助フィルタ1116を取り除き、第1系第1推定フィルタ1113に代えて、第1系第1段階学習処理部61から第1学習用マイク51までの伝達関数Sv11(z)の推定伝達関数Sv11^(z)を設定した第1系第1学習用推定フィルタ611を設け、第1系第2推定フィルタ1114に代えて、第1系第1段階学習処理部61から第2学習用マイク52までの伝達関数Sv21(z)の推定伝達関数Sv21^(z)を設定した第1系第2学習用推定フィルタ612を設け、第1学習用マイク51の出力と第2学習用マイク52の出力の双方をエラーとして第1系適応アルゴリズム実行部1112に入力した構成を備えている。
また、第2系第1段階学習処理部62は、図3に示した信号処理ブロック11の第2系信号処理部112から、第2系減算器1125、第2系補助フィルタ1126を取り除き、第2系第1推定フィルタ1123に代えて、第2系第1段階学習処理部62から第2学習用マイク52までの伝達関数Sv22(z)の推定伝達関数Sv22^(z)を設定した第2系第1学習用推定フィルタ621を設け、第2系第2推定フィルタ1124に代えて、第2系第1段階学習処理部62から第1学習用マイク51までの伝達関数Sv12(z)の推定伝達関数Sv12^(z)を設定した第2系第2学習用推定フィルタ622を設け、第1学習用マイク51の出力と第2学習用マイク52の出力の双方をエラーとして第2系適応アルゴリズム実行部1122に入力した構成を備えている。
そして、このような構成において、第1系適応アルゴリズム実行部1112による適応動作によって第1系可変フィルタ1111の伝達関数W1(z)を収束安定させ、第2系適応アルゴリズム実行部1122による適応動作によって第2系可変フィルタ1121の伝達関数W2(z)を収束安定させ、収束安定した伝達関数W1(z)を、i番目のキャンセルポイントセットの第1系可変フィルタ学習値W1_i(z)として学習し、収束安定した伝達関数W2(z)を、i番目のキャンセルポイントセットの第2系可変フィルタ学習値W2_i(z)として学習する。
次に、第2段階の学習処理では、図7に示すように、信号処理ブロック11を第2段階学習処理ブロック7に置き換えた構成において行う。
第2段階学習処理ブロック7は、第1系第2段階学習処理部71と第2系第2段階学習処理部72とを備えている。
そして、第1系第2段階学習処理部71は、第1段階の学習処理の結果として得た第1系可変フィルタ学習値W1_i(z)を伝達関数として設定した第1系固定フィルタ711と、第1系第2段階学習用可変フィルタ712と、第1系第2段階学習用適応アルゴリズム実行部713と、第1系第2段階減算器714を備えている。
また、第2系第2段階学習処理部72は、第1段階の学習処理の結果として得た第2系可変フィルタ学習値W2_i(z)を伝達関数として設定した第2系固定フィルタ721と、第2系第2段階学習用可変フィルタ722と、第2系第2段階学習用適応アルゴリズム実行部723と、第2系第2段階減算器724を備えている。
第1系第2段階学習処理部71に入力した騒音信号x(n)は、第1系固定フィルタ711を通って第1スピーカ12に出力され、第2系第2段階学習処理部72に入力した騒音信号x(n)は、第2系固定フィルタ721を通って第2スピーカ14に出力される。
また、第1系第2段階学習処理部71に入力した騒音信号x(n)は第1系第2段階学習用可変フィルタ712を通って第1系第2段階減算器714に送られ、第1系第2段階減算器714は第1マイク13でピックアップした信号から第1系第2段階学習用可変フィルタ712の出力を減算し、エラーとして、第1系第2段階学習用適応アルゴリズム実行部713と、第2系第2段階学習処理部72の第2系第2段階学習用適応アルゴリズム実行部723に出力する。
また、第2系第2段階学習処理部72に入力した騒音信号x(n)は第2系第2段階学習用可変フィルタ722を通って第2系第2段階減算器724に送られ、第2系第2段階減算器724は第2マイク15でピックアップした信号から第2系第2段階学習用可変フィルタ722の出力を減算し、エラーとして、第2系第2段階学習用適応アルゴリズム実行部723と、第1系第2段階学習処理部71の第1系第2段階学習用適応アルゴリズム実行部713に出力する。
そして、第1系第2段階学習処理部71の第1系第2段階学習用適応アルゴリズム実行部713は、第1系第2段階減算器714と第2系第2段階減算器724から入力するエラーが0となるように第1系第2段階学習用可変フィルタ712の伝達関数H1(z)を更新し、第2系第2段階学習処理部72の第2系第2段階学習用適応アルゴリズム実行部723は、第1系第2段階減算器714と第2系第2段階減算器724から入力するエラーが0となるように第2系第2段階学習用可変フィルタ722の伝達関数H2(z)を更新する。
そして、このような構成において、第1系第2段階学習用適応アルゴリズム実行部713による適応動作によって第1系第2段階学習用可変フィルタ712の伝達関数H1(z)を収束安定させ、収束安定した伝達関数H1(z)を、i番目のキャンセルポイントセットの第1系補助フィルタ設定値H1_i(z)として学習する。また、第2系第2段階学習用適応アルゴリズム実行部723による適応動作によって第2系第2段階学習用可変フィルタ722の伝達関数H2(z)を収束安定させ、収束安定した伝達関数H2(z)を、i番目のキャンセルポイントセットの第2系補助フィルタ設定値H2_i(z)として学習する。
また、第2段階の学習中における第1マイク13と第2マイク15の出力の音圧レベルを基準音圧レベルV0として取得しておく。
ここで、このようにして学習された第1系補助フィルタ設定値H1_i(z)、第2系補助フィルタ設定値H2_i(z)は、それぞれが第1系補助フィルタ1116、第2系補助フィルタ1126の伝達関数であった場合に、第1マイク13の出力する第1マイクエラー信号err1(n)と第2マイク15の出力する第2マイクエラー信号err2(n)を、i番目のキャンセルポイントセットの第1キャンセルポイントP1_iと第2キャンセルポイントP2_iに第1マイク13と第2マイク15があった場合の出力に補正するものとなる。
次に、能動型騒音制御システム1の実働時に、コントローラ16が行う制御について説明する。
図8に、コントローラ16が行うキャンセルポイント切替処理の手順を示す。
図示するように、コントローラ16は、キャンセルポイント切替処理において、DMS18が検出した騒音キャンセル対象座席に着座しているユーザの右耳と左耳の位置を取得し保存する(ステップ802)。
そして、取得した現在の右耳と左耳の位置と保存してある過去の右耳と左耳の位置の履歴より、所定の時間長Tの時間分、現在より未来のユーザの右耳と左耳の位置を予測する(ステップ804)。
時間長Tは、たとえば、上述した第2段階の学習で取得した第1マイク13と第2マイク15の出力の音圧レベルである基準音圧レベルV0と、現時点における第1マイク13と第2マイク15の出力の音圧レベルVnに応じて、V0/Vnが大きくなるほど大きくなるように設定することが好ましい。
ただし、この場合には、予めコントローラ16に基準音圧レベルV0を設定しておくと共に、信号処理ブロック11に、第1マイク13と第2マイク15の出力の音圧レベルVnを検出しコントローラ16に通知する検出器を設け、コントローラ16において、設定された基準音圧レベルV0と、検出器から通知された音圧レベルVnから時間長Tを算定するようにする。
ここで、現在の右耳と左耳の位置と保存してある過去の右耳と左耳の位置の履歴からの時間長Tの時間分、現在より未来のユーザの右耳と左耳の位置の予測は、任意の予測アルゴリズムを用いて行うようにしてよい。
より具体的には、たとえば、単純には、時間長Tの時間未来のユーザの右耳の位置の予測は、現在の右耳の速度ベクトルvnのみを考慮して、ユーザの右の耳の現在の位置ベクトルをun、Δt0をDMS18のユーザの左右の耳の位置の検出時間間隔、ユーザの右の耳の時間Δt0前の時刻の位置ベクトルをun-Δt0として、時間T未来のユーザの右耳の位置un+Tを、
vn=(un-un-Δt0)/Δt0
un+T=un+(vn×T)
により予測する。
また、ユーザの左の耳の時間長Tの時間未来の位置も同様に求める。
または、時間長Tの時間未来のユーザの右耳の位置の予測は、現在の右耳の速度ベクトルvnと加速度ベクトルanのみを考慮して、ユーザの右の耳の現在の位置ベクトルをun、Δt0をDMS18のユーザの左右の耳の位置の検出時間間隔、ユーザの右の耳の時間Δt0前の時刻の位置ベクトルをun-Δt0、ユーザの右の耳の時間2×Δt0前の時刻の位置ベクトルをun-2Δt0として、時間T未来のユーザの右耳の位置un+Tを、
vn=(un-un-Δt0)/Δt0
vn-Δt0=(un-Δt0-un-2Δt0)/Δt0
an=(vn-vn-Δt0)/Δt0
un+T=un+(vn×T)+(an×T2)/2
により予測する。
また、ユーザの左の耳の時間長Tの時間未来の位置も同様に求める。
または、時間長Tの時間未来のユーザの右耳と左耳の位置の予測は、たとえば、次のように行うこともできる。
すなわち、kを予め設定したチューニング係数、Δt0をDMS18のユーザの左右の耳の位置の検出時間間隔、Δt=(k×Δt0×V0)/Vn、T=2Δtとして、ユーザの右の耳の現在の位置ベクトルをun、ユーザの右の耳の時間Δt前の時刻の位置ベクトルをun-Δt、ユーザの右の耳の時間2Δt前の時刻の位置をun-2Δtとして、un、un-Δt、un-2Δtから、ユーザの右の耳の時間長Tの時間未来の位置、すなわち、時間長2Δtの時間未来の位置un+2Δtを、
vn=(un-un-Δt)/Δt
an=(vn-vn-Δt)/Δt
vn+Δt=vn-Δt+2Δtan
un=un-2Δt+(2Δtvn+Δt
によって予測する。
また、ユーザの左の耳の時間長Tの時間未来の位置も同様に求める。
次に、時間長Tの時間未来のユーザの右耳と左耳の位置を予測したならば(ステップ804)、予測した右耳と左耳の位置に最も整合するキャンセルポイントセットである最整合キャンセルポイントセットが変化したどうかを調べる(ステップ806)。
最整合キャンセルポイントセットは、たとえば、右耳と第1キャンセルポイントとの距離と、左耳と第2キャンセルポイントとの距離の和が最小となるキャンセルポイントセットとして求める。
そして、最整合キャンセルポイントセットが変化していなければ(ステップ806)、ステップ802からの処理に戻る。
一方、最整合キャンセルポイントセットが変化していれば(ステップ806)、フィルタ管理テーブル17の最整合キャンセルポイントセットのエントリに登録されている第1系補助フィルタ設定値H1_i(z)を第1系補助フィルタ1116の伝達関数H1(z)として設定し、当該エントリに登録されている第2系補助フィルタ設定値H2_i(z)を第2系補助フィルタ1126の伝達関数H2(z)として設定する(ステップ808)。
そして、ステップ802からの処理に戻る。
以上、コントローラ16が行うキャンセルポイント切替処理について説明した。
なお、フィルタ管理テーブル17に登録される第1系補助フィルタ設定値H1_i(z)、第2系補助フィルタ設定値H2_i(z)は、実際には、伝達関数そのものではなく、第1系補助フィルタ設定値H1_i(z)を第1系補助フィルタ1116の伝達関数として設定するための情報、第2系補助フィルタ設定値H2_i(z)を第2系補助フィルタ1126の伝達関数として設定するための情報であり、キャンセルポイント切替処理において、これらの情報を用いて、上述のように第1系補助フィルタ1116、第2系補助フィルタ1126の伝達関数の設定を行う。
さて、このようなキャンセルポイント切替処理によって、第1系補助フィルタ1116、第2系補助フィルタ1126の伝達関数が更新されると、その後の適応動作によって、第1系可変フィルタ1111の伝達関数W1(z)と第2系可変フィルタ1121の伝達関数W2(z)が、最整合キャンセルポイントセットの第1キャンセルポイントと第2キャンセルポイントに近接する一定の範囲で騒音がキャンセルされる伝達関数に更新され、最整合キャンセルポイントセットの第1キャンセルポイントと第2キャンセルポイントに近接するユーザの左右の耳の位置で騒音がキャンセルされるようになる。
そして、本キャンセルポイント切替処理では、第1系補助フィルタ1116、第2系補助フィルタ1126の伝達関数の更新は、第1系補助フィルタ1116、第2系補助フィルタ1126の伝達関数が、時間長Tの時間未来のユーザの耳の位置において騒音をキャンセルできる伝達関数となるように事前に行われるので、ユーザの耳の変位が発生したときに、当該変位後のユーザの耳の位置において遅れなく騒音をキャンセルすることができる。
ここで、上述ように、ユーザの耳の位置を予測する未来の時間の時間長Tを、第2段階の学習で取得した第1マイク13と第2マイク15の出力の音圧レベルである基準音圧レベルV0と、現時点における第1マイク13と第2マイク15の出力の音圧レベルVnに応じて、V0/Vnが大きくなるほど大きくなるように設定したのは、第1マイク13と第2マイク15の出力の音圧レベルVnが小さくなると、第1マイク13と第2マイク15が出力する第1マイクエラー信号err1(n)と第2マイクエラー信号err2(n)とを用いて行われる適応動作によって適応が完了するまでに要する時間が長時間化するためであり、このように時間長Tを設定することにより、適応が完了するまでに要する時間が長い場合に、より先の時点のユーザの耳の位置に整合するように第1系補助フィルタ1116、第2系補助フィルタ1126の伝達関数を更新して、変位後のユーザの耳の位置において遅れなく騒音をキャンセルできるようになる。
また、騒音を良好にキャンセルできる空間的範囲であるZoQ(zone of Quiet)は各周波数に対して周波数の波長の1/10の直径の球状の、第1キャンセルポイント/第2キャンセルポイントを中心とする空間となるため、予測した時間長Tの時間未来のユーザの左右の耳の位置から求めた最整合キャンセルポイントセットの第1キャンセルポイントと第2キャンセルポイントと、実際の時間長Tの時間未来のユーザの左右の耳の位置に多少のずれがあっても、ユーザの左右の耳の位置において騒音をキャンセルすることができる。また、低周波数域では、ZoQの範囲が大きくなるので、キャンセルの対象とする騒音が低周波数域を主成分とするものである場合には、特に良好に騒音をキャンセルすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。
ここで、以上の実施形態は、第1系補助フィルタ1116、第2系補助フィルタ1126の伝達関数を変更する代わりに、複数の、各騒音キャンセルポイントセットに対応する伝達関数を設定した第1系補助フィルタ1116、第2系補助フィルタ1126のセットを設け、現用として使用する第1系補助フィルタ1116、第2系補助フィルタ1126のセットを最整合キャンセルポイントセットに対応する第1系補助フィルタ1116、第2系補助フィルタ1126のセットに切り替えるようにしてもよい。
また、以上では、騒音源が一つのみである場合について示したが、以上の実施形態は、信号処理ブロック11の構成を各騒音源の各キャンセルポイントへの伝搬を考慮するように拡張することにより、騒音源が複数存在する場合にも適用可能である。
また、以上の実施形態では、右耳と左耳の各々に対してマイクやスピーカや信号処理部を設けた場合について示したが、本実施形態は、頭部に対してマイクやスピーカや信号処理部を設けて、DMS18で検出したユーザの頭部の位置の履歴から予測した時間長Tの時間未来の頭部の位置に応じて、ユーザに聞こえる騒音を、右耳と左耳に共通のマイクとスピーカと信号処理部でまとめてキャンセルする場合にも同様に適用することができる。
1…能動型騒音制御システム、6…第1段階学習処理ブロック、7…第2段階学習処理ブロック、11…信号処理ブロック、12…第1スピーカ、13…第1マイク、14…第2スピーカ、15…第2マイク、16…コントローラ、17…フィルタ管理テーブル、18…DMS、51…第1学習用マイク、52…第2学習用マイク、61…第1系第1段階学習処理部、62…第2系第1段階学習処理部、71…第1系第2段階学習処理部、72…第2系第2段階学習処理部、111…第1系信号処理部、112…第2系信号処理部、181…近赤外線カメラ、611…第1系第1学習用推定フィルタ、612…第1系第2学習用推定フィルタ、621…第2系第1学習用推定フィルタ、622…第2系第2学習用推定フィルタ、711…第1系固定フィルタ、712…第1系第2段階学習用可変フィルタ、713…第1系第2段階学習用適応アルゴリズム実行部、714…第1系第2段階減算器、721…第2系固定フィルタ、722…第2系第2段階学習用可変フィルタ、723…第2系第2段階学習用適応アルゴリズム実行部、724…第2系第2段階減算器、1111…第1系可変フィルタ、1112…第1系適応アルゴリズム実行部、1113…第1系第1推定フィルタ、1114…第1系第2推定フィルタ、1115…第1系減算器、1116…第1系補助フィルタ、1121…第2系可変フィルタ、1122…第2系適応アルゴリズム実行部、1123…第2系第1推定フィルタ、1124…第2系第2推定フィルタ、1125…第2系減算器、1126…第2系補助フィルタ。

Claims (7)

  1. 騒音を低減する能動型騒音制御システムであって、
    ユーザが音を聴取する位置である聴取位置を検出する位置検出手段と、
    制御手段と、
    騒音キャンセル音を出力するスピーカと、
    エラー信号を検出するマイクと、
    騒音を表す騒音信号に設定された伝達関数を施して補正信号を生成し出力する補助フィルタと、
    前記マイクの出力であるエラー信号を、前記補助フィルタが出力した補正信号で補正し補正後エラー信号として出力するエラー補正手段と、
    前記エラー補正手段が出力する補正後エラー信号を用いた適応動作を行って、前記騒音信号から前記スピーカから出力する騒音キャンセル音を生成する適応フィルタとを有し、
    前記制御手段は、前記位置検出手段が検出した聴取位置の履歴より、所定時間長の時間分未来の聴取位置を予測すると共に、前記エラー補正手段に補正信号を出力する補助フィルタを、予め設定した複数の騒音キャンセル位置の各々に対応する補助フィルタ用伝達関数のうちの、予測した聴取位置に整合する騒音キャンセル位置に対応する補助フィルタ用伝達関数が設定された補助フィルタとする動作を行うことを特徴とする能動型騒音制御システム。
  2. 請求項1記載の能動型騒音制御システムであって、
    前記各騒音キャンセル位置に対応する補助フィルタ用伝達関数は、当該補助フィルタ用伝達関数が設定されたときに、前記補助フィルタが、当該補助フィルタ用伝達関数に対応する騒音キャンセル位置とマイクとの位置の差が補償されるように前記マイクの出力であるエラー信号がエラー補正手段によって補正される補正信号を出力する伝達関数であることを特徴とする能動型騒音制御システム。
  3. 請求項1または2記載の能動型騒音制御システムであって、
    前記位置検出手段は、前記聴取位置として、自動車の所定の座席に着座したユーザの頭部もしくは耳の位置を検出することを特徴とする能動型騒音制御システム。
  4. 騒音を低減する能動型騒音制御システムであって、
    ユーザの左右の耳の位置を検出する位置検出手段と、
    制御手段と、
    右耳用騒音制御系統と左耳用騒音制御系統との二つの騒音制御系統とを有し、
    各騒音制御系統は、
    騒音キャンセル音を出力するスピーカと、
    エラー信号を検出するマイクと、
    騒音を表す騒音信号に設定された伝達関数を施して補正信号を生成し出力する補助フィルタと、
    前記マイクの出力であるエラー信号を、前記補助フィルタが出力した補正信号で補正し補正後エラー信号として出力するエラー補正手段と、
    前記右耳用騒音制御系統の前記エラー補正手段が出力する補正後エラー信号と左耳用騒音制御系統の前記エラー補正手段が出力する補正後エラー信号を用いた適応動作を行って、前記騒音信号から前記スピーカから出力する騒音キャンセル音を生成する適応フィルタとを有し、
    前記制御手段は、第1騒音キャンセル位置と第2騒音キャンセル位置のセットを騒音キャンセル位置セットとして、前記位置検出手段が検出したユーザの左右の耳の位置の履歴より、所定時間長の時間分未来のユーザの左右の耳の位置のセットを予測すると共に、予め定めた複数の騒音キャンセル位置セットのうちの、予測したユーザの左右の耳の位置のセットに整合する騒音キャンセル位置セットである整合騒音キャンセル位置セットが変化したときに、前記右耳用騒音制御系統の前記エラー補正手段に補正信号を出力する補助フィルタを、予め設定した前記複数の騒音キャンセル位置セットの各々に対応する第1補助フィルタ用伝達関数のうちの、前記整合騒音キャンセル位置セットに対応する第1補助フィルタ用伝達関数が設定された補助フィルタとし、前記左耳用騒音制御系統の前記エラー補正手段に補正信号を出力する補助フィルタを、予め設定した前記複数の騒音キャンセル位置セットの各々に対応する第2補助フィルタ用伝達関数のうちの、前記整合騒音キャンセル位置セットに対応する第2補助フィルタ用伝達関数が設定された補助フィルタとする動作を行うことを特徴とする能動型騒音制御システム。
  5. 請求項4記載の能動型騒音制御システムであって、
    前記整合騒音キャンセル位置セットは、予測したユーザの右の耳の位置と第1騒音キャンセル位置とが整合し、予測したユーザの左の耳の位置と第2騒音キャンセル位置とが整合する騒音キャンセル位置セットであり、
    前記各騒音キャンセル位置セットに対応する第1補助フィルタ用伝達関数は、前記右耳用騒音制御系統において、当該第1補助フィルタ用伝達関数が設定されたときに、補助フィルタが、当該第1補助フィルタ用伝達関数に対応する騒音キャンセル位置セットの第1騒音キャンセル位置とマイクとの位置の差が補償されるように前記マイクの出力であるエラー信号がエラー補正手段によって補正される補正信号を出力する伝達関数であり、前記各騒音キャンセル位置セットに対応する第2補助フィルタ用伝達関数は、前記左耳用騒音制御系統において、当該第2補助フィルタ用伝達関数が設定されたときに、補助フィルタが、当該第2補助フィルタ用伝達関数に対応する騒音キャンセル位置セットの第2騒音キャンセル位置とマイクとの位置の差が補償されるように前記マイクの出力であるエラー信号がエラー補正手段によって補正される補正信号を出力する伝達関数であることを特徴とする能動型騒音制御システム。
  6. 請求項4または5記載の能動型騒音制御システムであって、
    前記位置検出手段は、自動車の所定の座席に着座したユーザの左右の耳の位置を検出することを特徴とする能動型騒音制御システム。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6記載の能動型騒音制御システムであって、
    前記制御手段は、前記マイクの出力のレベルがより小さいほど、前記所定時間長を、より大きく設定することを特徴とする能動型騒音制御システム。
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