JP2022012296A - 浮桟橋又は船舶用錨装置 - Google Patents
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Abstract
Description
内海、湖沼又は河川等の比較的波の穏やかな港湾の水上に停泊して、船舶での乗降者の移動と貨物の昇降が可能な浮桟橋又は船舶に適用する本発明の錨装置(1)の実施の形態を図1~図13について説明する。図1~図4に示す中心線O-Oの右断面は、図5のO-X断面として、図12と図13に示す左右対称の架枠(20)の支柱(20a)の支持断面を示す。中心線O-Oの左断面の内容とは異なり、中心線O-Oの右断面に示す支柱(20a)は、左右同一の支持構造を有するが、図1~図4の中心線O-Oの左断面は、図5のO-Y断面を示す点で注意を要する。
図1に示す架枠(20)の各支柱(20a)の台座(31)とブラケット(32)との間に錨支持装置(30)が配置される。錨支持装置(30)は、台座(31)に形成される逆截頭円錐状の凹部(33)と、架枠(20)に設けられるブラケット(32)に固定される逆截頭円錐状の突起(35)とにより構成されるテーパ継手を備える。ブラケット(32)の突起(35)は、凹部(33)と相補形状を有しかつ台座(31)の凹部(33)と同軸上に配置され、台座(31)の凹部(33)内に架枠(20)の突起(35)を篏合すると、テーパ継手の楔作用により凹部(33)と架枠(20)の突起(35)との接合面に大きな摩擦力が生じて、架枠(20)は、台座(31)に強固に支持される。逆截頭円錐状の突起(35)と凹部(33)の代わりに、逆截頭角錐状に突起(35)と凹部(33)を形成してもよい。
錨支持装置(30)は、突起(35)の中心軸と突起(35)を嵌合する凹部(33)の中心軸とが製造誤差等により厳密に整合しなくても、突起(35)を凹部(33)に嵌合して、外管(11)を甲板(3)上の所定の位置に保持できる特徴がある。また、図示しない起重機等の吊上装置により架枠(20)を上方に持ち上げると、突起(35)を凹部(33)から分離するので、錨装置(1)を台座(31)に着脱自在に保持できるから、錨装置(1)の取外し又は交換が容易となる。
巻上装置(25)(図12)の巻取胴を駆動して、ワイヤ(21)を緊張させて、ワイヤ(21)と錨滑車(13e)とにより錨(13)を支持する状態に保持して、図1に示す錨装置(1)の止軸(15)を架枠(20)の貫通孔(20d)から除去すると、錨(13)の架枠(20)との係止が解除され、この状態で、巻上装置(25)の巻取胴を非作動の空転状態に切り替えると、錨滑車(13e)及び巻上装置(25)から繰り出されるワイヤ(21)と共に、錨(13)は、収縮状態から自重により水底に向かって降下し、これにより、錨(13)の下端(13g)が水底に到達して、水底に接触し又は突き刺さって、錨(13)は、延伸状態となり錨泊できる。しかし、錨(13)の下端(13g)が水底に到達する前に、錨(13)の外上突起(13f)が、外管(11)の内面に設けられる制止片(14)又は外管(11)の下内突起(11c)に接触すると、錨(13)は、下降を停止して延伸状態となる。その後、巻上装置(25)の駆動によりワイヤ(21)を牽引すると、錨(13)に固定される錨滑車(13e)は、枠滑車(20c)に接近して、錨(13)の外下突起(13c)が外管(11)の下内突起(11c)に接触して、それ以上の錨(13)の上昇が阻止され、錨(13)は、水底から収縮状態に戻される。錨(13)の横孔(13b)と架枠(20)の貫通孔(20d)に止軸(15)を装着すると、錨(13)は、収錨状態に保持される。
錨(13)の下部(13d)の外面には、溝型断面の外下突起(13c)が固定され、外管(11)の下部(11b)の内壁には、溝型断面の下内突起(11c)が固定され、下内突起(11c)内には、錨(13)の外面に接触する耐摩耗性樹脂(自己潤滑性緩衝材)(24)が固定される。図6に示すように、外管(11)の下内突起(11c)と耐摩耗性樹脂(24)とは、ボルト(22)とナット(23)、熱溶接又は熱溶着等により固定される。錨(13)の上部には、溝型断面の外上突起(13f)が固定され、外上突起(13f)には、外管(11)の内面に接触する耐摩耗性樹脂(24)が固定される。錨(13)の外上突起(13f)に接触して、錨(13)の不要な下降を阻止する制止片(14)を外管(11)の内面に固定することができる。錨(13)の外上突起(13f)を外管(11)の下内突起(11c)に接触させて、錨(13)の下降を阻止すれば、外管(11)に固定する制止片(14)を省略できる。
図12は、枠滑車(20c)と巻上装置(25)との間に接続されるワイヤ(21)に常時緊張力を付与するワイヤ(21)の緊張装置(23)を示し、図13は、巻上装置(25)を非作動の空転状態に切り替えた状態のワイヤ(21)を示す。緊張装置(23)は、甲板(3)に固定される支持台(6)と、支持台(6)の軸(7)に回転可能に取り付けられるレバー(8)と、レバー(8)の一端に回転可能に取り付けられて枠滑車(20c)と緊張装置(23)との間でワイヤ(21)が捲回される滑車(9)と、レバー(8)の他端に固定される錘(17)とを備える。収錨(収縮)状態から自重により水底に向かって錨(13)が降下するとき、巻上装置(25)は、非作動の空転状態に切り替えられて、ワイヤ(21)に張力が付与されない弛緩状態となるため、緊張装置(23)は、図11に示す錘(17)の重量により、軸(7)周りに右回転して、ワイヤ(21)に最小限の張力を付与する。従って、緊張装置(23)がワイヤ(21)に付与する緊張力は、収縮状態から自重により水底に向かって降下する錨(13)の重量より小さいが、巻上装置(25)の駆動によりワイヤ(21)が牽引されると、緊張装置(23)は、図12に示すように、軸(7)周りに左に回転してワイヤ(21)に張力を付与する緊張状態となる。
深い水域での停泊のため、延伸長を変更する図2~図4に示す深水用錨装置(1)を使用することができる。図2は、外管(11)と錨(13)との間に細長い中管(12)を同心上に配置する第2の実施の形態を示す。図示のように、収錨状態では、錨(13)の下部外面に設けられる外下突起(13c)に中管(12)の溝型断面の内下突起(12a)が係止して、中管(12)は、錨(13)の外側の収縮状態に支持される。中管(12)の内下突起(12a)には、錨(13)の外面に接触する耐摩耗性樹脂(自己潤滑性緩衝材)(24)が固定され、中管(12)の外下突起(12c)は、外管(11)の下内側面に設けられる内下突起(11c)に接触して、中管(12)の上方移動を阻止する。中管(12)の外上側面には、外上突起(12f)と、外上突起(12f)より保持されて外管(11)の内面に接触する耐摩耗性樹脂(24)が固定される。
錨(13)の横孔(13b)と架枠(20)の貫通孔(20d)から止軸(15)が除去されて、錨(13)の架枠(20)との係止が解除されると、錨(13)と中管(12)は、非作動の空転状態の巻上装置(25)から引出されるワイヤ(21)と共に、自重により水底に向かって自動的に降下する。中管(12)の外上側面に設けられる外上突起(12f)が、外管(11)の内面に設けられる制止片(14)又は外管(11)の下内突起(11c)に接触すると、中管(12)の下降が停止して、その後、中管(12)内で錨(13)が自重で降下する。錨(13)の下端(13g)が水底に到達し又は錨(13)の外上突起(13f)が、中管(12)の内面に設けられる制止片(14)又は内下突起(12a)に接触すると、錨(13)は、下降を停止して中管(12)からの延伸状態となる。巻上装置(25)の駆動によりワイヤ(21)を牽引すると、最初に錨(13)が上昇し、中管(12)の内下突起(12a)が錨(13)の外下突起(13c)に接触すると、中管(12)と錨(13)は、一体に収錨状態に戻される。
図3の第3の実施の形態に示すように、中管(12)は、錨(13)の下部外面に設けられる下外突起(13c)に接触する内下突起(12a)が下部内面に設けられて収縮状態に保持される第1の中管(121)と、第1の中管(121)の外下突起(12c)に内下突起(12a)が下部内面に設けられて収縮状態に保持される第2の中管(122)とを備え、第2の中管(122)の外下突起(12c)は、外管(11)の下内突起(11c)に接触して、第2の中管(122)の上昇移動が阻止される。第1の中管(121)の上部外面には、外上突起(12f)と、外上突起(12f)より保持されて第2の中管(122)の内面に接触する耐摩耗性樹脂(24)が固定される。第2の中管(122)の上部外面には、外上突起(12f)と、外上突起(12f)より保持されて外管(11)の内面に接触する耐摩耗性樹脂(24)が固定される。
錨(13)の横孔(13b)と架枠(20)の貫通孔(20d)から止軸(15)が除去されて、錨(13)の架枠(20)との係止が解除されると、錨(13)、第1の中管(121)及び第2の中管(122)は、非作動の空転状態の巻上装置(25)から引出されるワイヤ(21)と共に、自重により水底に向かって自動的に降下する。第2の中管(122)の外上側面に設けられる外上突起(12f)が、外管(11)の内面に設けられる制止片(14)又は外管(11)の下内突起(11c)に接触すると、第2の中管(122)の下降が停止して、その後、第2の中管(122)内で第1の中管(121)と錨(13)が自重で一体に降下する。第1の中管(121)の外上側面に設けられる外上突起(12f)が、第2の中管(122)の内面に設けられる制止片(14)又は内下突起(12a)に接触すると、第1の中管(121)の下降が停止して、その後、第1の中管(121)内で錨(13)が自重で一体に降下する。
図4の第4の実施の形態に示すように、中管(12)は、錨(13)の下部外面に設けられる下外突起(13c)に接触する内下突起(12a)が下部内面に設けられて収錨状態に保持される第1の中管(121)と、第1の中管(121)の外下突起(12c)に内下突起(12a)が下部内面に設けられて第1の中管(121)を包囲して収錨状態に保持される第2の中管(122)と、第2中管(122)の外下突起(12c)に内下突起(12a)が下部内面に設けられて第2の中管(122)を包囲して収錨態に保持される第3の中管(123)とを備える。第3の中管(123)の外下突起(12c)は、外管(11)の下内突起(11c)に接触して、第3の中管(123)の上昇移動が阻止される。第2の中管(122)の上部外面には、外上突起(12f)と、外上突起(12f)より保持されて第3の中管(123)の内面に接触する耐摩耗性樹脂(24)が固定される。第3の中管(123)の上部外面には、外上突起(12f)と、外上突起(12f)より保持されて外管(11)の内面に接触する耐摩耗性樹脂(24)が固定される。図示の実施の形態では、第1、第2及び第3の中管(121、122、123)の3中管(12)を外管(11)の内側に配置する例を示すが、4つ以上の数の中管(12)を備える錨装置(1)を本発明に適用できることは理解できよう。
錨(13)を包囲して配置される第1の中管(121)は、図6に示すように、第1の中管(121)の下端内面に固定される溝型断面の内下突起(12a)と、内下突起(12a)内に固定される耐摩耗性樹脂(24)と、第1の中管(121)の下端外面に固定される山型断面の外下突起(12b)と、これらを貫通するボルト(22)と、外側からボルト(22)に取り付けられるナット(23)とを有する。第1の中管(121)の内下突起(12a)の耐摩耗性樹脂(24)は、錨(13)の外面に接触する。収錨位置では、第1の中管(121)の内下突起(12a)は、錨(13)の外下突起(13f)に接触するため、第1の中管(121)の降下が阻止され、第1の中管(121)は、図2の収縮状態に保持される。錨(13)の上部には、外上突起(13f)が固定され、外上突起(13f)に固定される耐摩耗性樹脂(24)は、第1の中管(121)の内面に接触する。錨(13)の外上突起(13f)に接触して、錨(13)の更なる下降を阻止する制止片(14)を第1の中管(121)の内面に固定できる。錨(13)の外上突起(13f)を第1の中管(121)の内下突起(12a)に接触させて、錨(13)の下降を阻止すれば、第1の中管(121)に固定する制止片(14)を省略できる。
第1の中管(121)を包囲して配置される第2の中管(122)は、図6に示すように、第2の中管(122)の下端内面に固定される溝型断面の内下突起(12a)と、内下突起(12a)内に固定される耐摩耗性樹脂(24)と、第2の中管(122)の下端外面に固定される山型断面の外下突起(12b)と、これらを貫通するボルト(22)と、外側からボルト(22)に取り付けられるナット(23)とを有する。第2の中管(122)の内下突起(12a)の耐摩耗性樹脂(24)は、第1の中管(121)の外面に接触する。収納位置では、第2の中管(122)の内下突起(12a)は、第1の中管(121)の外下突起(12b)に接触するため、第2の中管(122)の降下が阻止され、第2の中管(122)は、収縮状態に保持される。第1の中管(121)の上部には、外上突起(12f)が固定され、外上突起(12f)に固定される耐摩耗性樹脂(24)は、第2の中管(122)の内面に接触する。第1の中管(121)の外上突起(12f)に接触して、第1の中管(121)の更なる下降を阻止する制止片(14)を第2の中管(122)の内面に固定することができる。第1の中管(121)の外上突起(12f)を第2の中管(122)の内下突起(12a)に接触させて、第1の中管(121)の下降を阻止すれば、第2の中管(122)に固定する制止片(14)を省略できる。
第2の中管(122)を包囲して配置される第3の中管(123)は、図6に示すように、第3の中管(123)の下端内面に固定される溝型断面の内下突起(12a)と、内下突起(12a)内に固定される耐摩耗性樹脂(24)と、第3の中管(123)の下端外面に固定される山型断面の外下突起(12b)と、これらを貫通するボルト(22)と、外側からボルト(22)に取り付けられるナット(23)とを有する。第3の中管(123)の内下突起(12a)の耐摩耗性樹脂(24)は、第2の中管(122)の外面に接触する。収納位置では、第3の中管(123)の内下突起(12a)は、第2の中管(122)の外下突起(12b)に接触するため、第3の中管(123)の降下が阻止され、第3の中管(123)は、収縮状態に保持される。第2の中管(122)の上部には、外上突起(12f)が固定され、外上突起(12f)に固定される耐摩耗性樹脂(24)は、第3の中管(123)の内面に接触する。第2の中管(122)の外上突起(12f)に接触して、第2の中管(122)の更なる下降を阻止する制止片(14)を第3の中管(123)の内面に固定することができる。第2の中管(122)の外上突起(12f)を第3の中管(123)の内下突起(12a)に接触させて、第2の中管(122)の下降を阻止すれば、第3の中管(123)に固定する制止片(14)を省略できる。第3の中管(123)の上部には、外上突起(12f)が固定され、外上突起(12f)に固定される耐摩耗性樹脂(24)は、外管(11)の内面に接触する。本発明の錨装置(1)を製造するとき、予め必要な穿孔、ねじ切り加工又は溶接を行った後に、外径の異なる必要な中管と錨とを外管内に配置して、溝型断面の内下突起、内下突起内に固定される耐摩耗性樹脂、中管の下端外面に固定される山型断面の外下突起をボルトとナット又は溶接で固定することが好ましい。外管(11)、中管(12)及び錨(13)は、矩形断面に形成され、錨(13)の下端(13g)は、四角錐状を有する。
要するに、本発明の錨装置(1)の中管(12)は、第1の中管(121)から第nの中管(12n)までのn個の中管(121~12n)を備えることができる。第1の中管(121)から第nの中管(12n)までの中管(12)の断面は、徐々に増加して伸縮可能な抜差し管構造で全て同心上に順次外側に配置され、第1の中管(121)は、錨(13)を包囲して錨(13)と同心上に配置されかつ錨(13)の下部外面に設けられる外下突起(13c)により支持され、第nの中管(12n)は、外管(11)内に配置されかつ第n-1の中管(12n-1)を包囲しかつ第n-1の中管(12n-1)の外下突起(12c)により支持される。
Claims (22)
- 浮桟橋又は船舶の甲板に形成されて水面に臨む開口と、開口付近の甲板上に固定される台座と、台座に支持されかつ回転可能な枠滑車を有する架枠と、開口内に配置されかつ架枠に固定される外管と、収錨状態で架枠に取外し可能に係止されて外管内に配置される細長い錨と、架枠の枠滑車と錨の錨滑車とに捲回されるワイヤと、ワイヤを牽引する巻上装置とを備え、
架枠との係止が解除される錨は、非作動の空転状態の巻上装置から引出されるワイヤと共に、収錨状態から自重により水底に向かって降下し、これにより、錨の下端が水底に到達して、外管から長さ方向に延伸する錨泊状態となり、
巻上装置の駆動によりワイヤを牽引すると、錨に固定される錨滑車は、枠滑車に接近し、錨は、水底から外管内の収錨状態に戻されることを特徴とする浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 架枠は、錨支持装置を介して甲板上の台座に支持され、
錨支持装置は、台座に形成される逆截頭円錐状又は逆截頭角錐状の凹部と、架枠に設けられるブラケットに固定される逆截頭円錐状又は逆截頭角錐状の突起とにより構成されるテーパ継手を備え、
ブラケットの突起は、凹部と相補形状を有しかつ甲板上の台座の凹部と同軸上に配置され、
甲板上の台座の凹部内に架枠の突起を篏合すると、凹部と架枠の突起との接合面に、テーパ継手の楔作用による大きな摩擦力が生じて、架枠は、台座に強固にかつ着脱自在に支持される請求項1に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 錨の上端に形成される横孔と、架枠の吊枠に形成される貫通孔とを備え、
錨の横孔と架枠の貫通孔とに止軸を装着すると、錨は、架枠への係止が保持されて、収錨状態に維持され、
錨の横孔と吊枠の貫通孔から止軸を外すと、錨は、架枠との係止が解除される請求項1又は2に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 矩形断面の外管は、架枠のブラケットを有する2つの一方の外面と、2つの一方の外面とは角度90度分離して形成される2つの他方の外面とを有し、
2つの一方の外面に設けられるブラケットの錨支持装置を構成する各突起は、甲板上の台座の対応する凹部に篏合され、
2つの他方の外面に設けられるブラケットの錨支持装置を構成する各突起は、2つの一方の外面の各突起より垂直方向に低い位置で、開口の側面に固定される台座の対応する凹部内に嵌合される請求項1~3の何れか1項に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 巻上装置が非作動の空転状態のとき、枠滑車と巻上装置との間に接続されるワイヤに一定の緊張力を付与する緊張装置を備え、
錨は、緊張装置がワイヤに付与する緊張力を克服して、収縮状態から自重により水底に向かって降下する請求項1~4の何れか1項に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 架枠から外される錨は、外管内の収錨状態から延伸状態に自重で下降し、
錨の下降時に、錨の上外側面に設けられる外上突起は、外管の内面に設けられる制止片又は外管の下部の下内突起に接触して、錨の下降が停止する請求項1~5の何れか1項に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 浮桟橋又は船舶の浮く水位が変化すると、錨は、架枠に固定される外管に対し伸縮運動を行う請求項1~6の何れか1項に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。
- 外管の下内突起に固定される耐摩耗性樹脂は、外管内で移動する錨の外面に接触しかつ/又は錨の外上突起に固定される耐摩耗性樹脂は、錨が、外管内で移動するとき、外管の内面に接触して摺動する請求項1~7の何れか1項に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。
- 耐摩耗性樹脂は、ポリアミド(PA)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂の少なくとも1種から選択される請求項8に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。
- 外管と錨との間に同心上に配置されて、錨の下部外面に設けられる外下突起により支持される細長い中管を更に備え、
錨の架枠との係止が解除されると、錨と中管は、非作動の空転状態の巻上装置から引出されるワイヤと共に、自重により水底に向かって自動的に降下し、
中管の上外側面に設けられる外上突起が、外管の内面に設けられる制止片又は外管の下内突起に接触すると、中管の下降が停止して、その後、中管内で錨が自重で降下し、
錨の下端が水底に到達し又は錨の外上突起が、中管の内面に設けられる制止片又は内下突起に接触すると、錨は、下降を停止して中管からの延伸状態となり、
巻上装置の駆動によりワイヤを牽引すると、最初に錨が上昇し、中管が錨の外下突起に接触すると、中管と錨は、収錨状態に戻される請求項1~5の何れか1項に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 錨の下部外面に設けられる外下突起は、中管の下内側面に設けられる内下突起に接触して中管を支持し、
中管の下部外面に設けられる外下突起は、外管の下内側面に設けられる内下突起に接触して、中管の上方移動を阻止する請求項10に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 中管の下部内面に設けられる内下突起が、錨の下部外面に設けられる下外突起に接触する状態で、錨の下端が水底に到達すると、錨と中管の下降が同時に停止する請求項10又は11に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。
- 浮桟橋又は船舶の浮く水位が変化するとき、延伸状態の錨及び/又は中管は、架枠に固定される外管に対し伸縮運動を行う請求項10~12の何れか1項に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。
- 外管、中管及び錨は、矩形断面又は円筒断面に形成され、錨の下端は、四角錐形状又は円錐形状を有する請求項10~13の何れか1項に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。
- 錨の上部外面に設けられる外上突起に固定される耐摩耗性樹脂は、中管の内面に接触し及び/又は中管の下部内面に設けられる内下突起に固定される耐摩耗性樹脂は、錨の外面に接触し、
中管の外上突起に固定される耐摩耗性樹脂は、外管の内面に接触し及び/又は外管の内下突起に固定される耐摩耗性樹脂は、中管の外面に接触する請求項10~14の何れか1項に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 錨は、錨の上部外面に固定される溝型断面の外上突起と、外上突起内に固定されて中管の内面に接触する耐摩耗性樹脂とを備え、
中管は、中管の下部内面に固定される溝型断面の内下突起と、内下突起内に固定されて錨の外面に接触する耐摩耗性樹脂と、中管の下部外面に固定される山型断面の外下突起と、中管の上部外面に固定される溝型断面の外上突起と、外上突起内に固定されて外管の内面に接触する耐摩耗性樹脂とを備え、
外管は、外管の下部の内面に固定される溝型断面の内下突起と、内下突起内に固定されて中管の外面に接触する耐摩耗性樹脂とを備える請求項10~15の何れか1項に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 水面の波動により、浮桟橋又は船舶が前後運動、左右運動又は垂直運動を行うときに発生する浮桟橋又は船舶と錨装置との間の衝撃は、外管に対する錨と中管と伸縮運動と、錨と中管との間及び中管と外管との間に設けられる耐摩耗性樹脂の衝撃緩衝性により吸収し又は緩和する請求項15又は16に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。
- 耐摩耗性樹脂は、ポリアミド(PA)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂の少なくとも1種から選択される請求項15~17の何れか1項に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。
- 中管は、第1の中管から第nの中管までのn個の中管を備え、
第1の中管から第nの中管までの中管の断面は、徐々に増加して伸縮可能な抜差し管構造で全て同心上に順次外側に配置され、
第1の中管は、錨を包囲して錨と同心上に配置されかつ錨の下部外面に設けられる外下突起により支持され、
第nの中管は、外管内に配置されかつ第n-1の中管を包囲しかつ第n-1の中管の外下突起により支持される請求項1~5及び10~18の何れか1項に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 吊枠から錨が外されると、錨と共に全ての中管は、外管内で自重で下降し、第nの中管の外上突起が外管の下内突起に接触したとき、第nの中管の下降が停止し、
その後、第n-1の中管から第1の中管及び錨が順次下降し、第n-1の中管の各外上突起が第nの中管の外内下突起に順次接触したとき、第n-1の中管の下降が停止し、
最終的に錨の下端が水底に到達したとき又は錨の外上突起が第1の中管の下内突起に接触したとき、錨の下降が停止する請求項19に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 中管は、錨を包囲して錨と同心上に配置される第1の中管と、第1の中管を包囲して第1の中管と同心上に配置される第2の中管と、
第2の中管を包囲して第2の中管と同心上に配置される第3の中管とを備え、
第3の中管は、外管の内側に配置される請求項19又は20に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。 - 錨が吊枠から外されると、第3の中管が外管の内部で下降しながら、錨と共に第1の中管と第2の中管とが自重で水中を下降し、第3の中管の外上突起が外管の外下突起に接触して、第3の中管の下降が停止し、
その後、第2の中管及び第1の中管の各中外上突起が順次第3の中管及び第2の中管の各外内下突起に接触して、第2の中管及び第1の中管の下降が停止し、
最終的に錨の下端が水底の錨泊位置に到達したとき又は錨の外上突起が中管の下内突起に接触したとき、錨の下降が停止する請求項21に記載の浮桟橋又は船舶用錨装置。
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